図1に示すように、本実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)1は、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とを備える。遊技盤2に形成された遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技盤2の所定位置(例えば遊技領域の右側)には、複数種類の特別識別情報である特別図柄(特図)の可変表示(特図ゲーム)を行う、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄にはLEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。特別図柄の可変表示とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。第1特別図柄表示装置4Aに可変表示される特別図柄を「第1特図」と、第2特別図柄表示装置4Bに可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを第1特図ゲームと、第2特図の特図ゲームを第2特図ゲームともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を有する。画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報である飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶を表示する表示エリア5Hが配置され、表示エリア5Hでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(始動入賞)したときに発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。保留表示は、保留されている可変表示と同じ個数の保留表示図柄を表示することによって行われる。第1特図ゲームの第1保留表示は表示エリア5Hの左側の領域に表示され、第2特図ゲームの第2保留表示は、表示エリア5Hの右側の領域に表示される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算され、第1特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算され、第2特図ゲームの実行が保留される。第1特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算され、第2特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算される。なお、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、合計保留記憶数ともいう。
特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)と第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)とを表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に進入した遊技球は、第1始動口スイッチ22A(図2参照)によって検出され、かかる検出に基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる。第2始動入賞口に進入した遊技球は、第2始動口スイッチ22B(図2参照)によって検出され、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23によって検出され、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1では遊技領域の左側)には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲームともいう。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技領域には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には効果音等を出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、遊技領域周辺部には遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9はLEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。また、下皿を形成する部材には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aと、その傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)とが設けられている。上皿を形成する部材には、遊技者による押下操作が可能なプッシュボタン31Bと、押下操作を検知するプッシュセンサ35Bとが設けられている。
パチンコ遊技機1には、図2に示す主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15といった各種の制御基板が搭載されている。パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行など)を制御する機能(演出制御基板12に向けて演出制御コマンドを送信する機能を含む)を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101とRAM(Random Access Memory)102とCPU(Central Processing Unit)103と乱数回路104とI/O(Input/Output port)105とを備える。CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)からの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11からの演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(飾り図柄の可変表示を含む)を実行する機能を有する。演出制御基板12には、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125が搭載されている。演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5にて表示する演出画像の映像信号を、画像表示装置5に出力する。表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)を備える。乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11からの演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。画像表示装置5は、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路とを備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これにより、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
(遊技の進行や演出の進行など)
遊技者が打球操作ハンドルを回転操作すると、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普図ゲームが開始される。普図ゲームの可変表示結果が「普図当り」のときに、普図当り図柄(例えば「7」などの普図)が停止表示され、「普図ハズレ」のときに、普図ハズレ図柄(例えば「−」などの普図)が停止表示される。「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる)が行われる。遊技球が、普通入賞球装置6Aの第1始動入賞口に進入すると、第1特図ゲームが開始される。遊技球が、普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入すると、第2特図ゲームが開始される。特図ゲームの可変表示結果が「大当り」のときに、大当り図柄(例えば「3」、「7」などの特図)が停止表示(導出)され、「ハズレ」のときにハズレ図柄(例えば「−」などの特図)が停止表示(導出)される。第1又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでのタイミングとのいずれか早いタイミングまで継続される。この開放状態をラウンド遊技(ラウンド)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば、15回)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する)。「大当り」には、「非確変」、「確変」の大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ともいう。確変大当りの遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変大当り又は非確変大当りの遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのいずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。確変状態や時短状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
時短状態では、通常状態などの非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」、「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
通常状態とは、大当り遊技状態や時短状態や確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。時短状態は「高ベース」と、時短状態でない遊技状態は「低ベース」「非時短状態」と、確変状態は「高確」ともいわれる。確変状態でない遊技状態は「低確」、「非確変」と、確変状態及び時短状態になっている遊技状態は「高確高ベース」と、確変状態となっているが時短状態になっていない遊技状態は「高確低ベース」と、確変状態となっていないが時短状態になっている遊技状態は「低確高ベース」と、通常状態は「低確低ベース」ともいわれる。
画像表示装置5の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特図ゲーム又は第2特別図柄表示装置4Bでの第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。飾り図柄の可変表示が開始されてから各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。リーチ態様とは、画像表示装置5にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(リーチ変動図柄ともいう)の変動が継続している表示態様や、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合があり、これらの演出動作をリーチ演出表示(リーチ演出)という。リーチ演出としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(期待度や大当り期待度ともいう)が異なる。つまり、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。例えば図5に示すノーマルリーチ、スーパーリーチA〜Cといったリーチ演出が予め設定されている。スーパーリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチよりも、スーパーリーチが実行された場合の方が大当り期待度は高く、スーパーリーチのうちでも、例えばスーパーリーチA<B<Cの順に大当り期待度が高い。また、飾り図柄の可変表示では、予告有りに当選している場合に、高速変動表示期間において予告A〜Cなどを表示する予告演出(リーチ前予告演出)が実行される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。例えば「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示され、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄(非確変図柄)として、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、前記有効ライン上に停止表示されてもよい。一方、大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄(確変図柄)として、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、前記有効ライン上に揃って停止表示されてもよい。なお、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ミリ秒)ごと)に実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103がスイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1、第2始動口スイッチ22A、22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新する処理である。特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理である。なお、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドとしては、図3に示すものがある。普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理である。コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理)
図4に示す特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動入賞判定処理を実行する(S101)。第1始動口スイッチ22Aがオンであるかを判定し、オンの場合には第1特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していなければ、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路104又は遊技用乱数更新処理で更新される遊技用乱数値のうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した数値を第1保留データとしてRAM102の第1特図保留記憶部に保持する。続いて、第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定し、オンの場合には第2特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していなければ、第2始動入賞が発生したとして、前記と同様に乱数値MR1〜MR3を抽出し、抽出した数値を第2保留データとしてRAM102の第2特図保留記憶部に保持する。つまり、第1、第2特図保留記憶部は、可変表示に関する情報(乱数、フラグ)である第1、第2保留データ等を保留記憶情報として記憶する。第1及び第2保留データは始動入賞順に保持される。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留データや第2保留データの数や、各記憶数をカウントするカウンタによって特定すればよい。始動入賞判定処理では、第1始動入賞があったときに、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われ、第2始動入賞があったときに、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われる。
S101を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じて、S110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。下記の時短フラグは、時短状態のときにオンになるフラグで、確変フラグは、確変状態のときにオンになるフラグである。
S110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。第2特図保留記憶数が「0」でないときには、第2特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。第2特図保留記憶数が「0」で、第1特図保留記憶数が「0」でないときには、第1特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。両者が「0」のときは、本処理を終了する。第2特図ゲームを実行するための処理では、第2特図保留記憶部に保持されている第2保留データ(乱数値MR1〜MR3)のうち最も古い第2保留データを第2特図保留記憶部からRAM102の所定バッファに読み出す。読み出された第2保留データは、第2特図保留記憶部から削除される。そして、所定バッファに読み出した第2保留データのうち、乱数値MR1と、大当り決定テーブル(ROM101に格納)とに基づいて、今回実行する第2特図ゲームの可変表示結果(「大当り」又は「ハズレ」)を決定する。「大当り」とする決定割合は、確変状態(確変フラグがオン)のときの方が、非確変状態(確変フラグがオフ)のときよりも高い。「大当り」と決定した場合には、乱数値MR2と大当り種別決定テーブルとに基づいて大当り種別(「確変」又は「非確変」)を決定する。前記の決定結果や第2特図ゲームを実行する旨の情報はRAM102に保持され、適宜参照される。また、第1特図ゲームを実行するための処理でも、前記第2特図ゲームの処理と同様の処理を行い、第1保留データの所定バッファへの読み出し、第1特図ゲームの可変表示結果の決定などを行う。
S111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。CPU103は、図5に示す変動パターンを決定(選択)し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行開始の設定を行う。変動パターンは、可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」又は「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンの決定後、例えば、駆動信号を第1又は第2特別図柄表示装置4A、4Bに供給し、第1又は第2特図ゲームの実行を開始する。上記の決定結果や現在の遊技状態(確変フラグや時短フラグの状態で特定可能)などを指定する、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数の減算指定コマンド、変動パターン指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「2」にして、本処理を終了する。
S112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(タイマなどで測定する)が、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に達したか(可変表示結果の導出タイミングであるか)を判定し、達していないときには、第1又は第2特図ゲームを実行する駆動信号を第1又は第2特別図柄表示装置4A、4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を第1又は第2特別図柄表示装置4A、4Bに供給し、今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変大当り」のときは「7」、「非確変大当り」のときは「3」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にS112が繰り返し実行されることによって特図ゲームの実行が実現される。
S113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときは時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどした後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
S114の大当り開放前処理は特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行され、S115の大当り開放中処理は特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行され、S116の大当り開放後処理は特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行され、S117の大当り終了処理は特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。
(演出制御基板12の動作)
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、CTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。コマンド受信割込み処理では、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。取り込まれた演出制御コマンドは、RAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、主基板11から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出し、その読み出した演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図6に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先読み処理を行う(S160)。図7に示す先読み処理では、主基板11からの始動入賞口指定コマンド(第1、第2始動入賞口指定コマンドの何れか)を受信したか否かを判定する(S161)。なお、始動入賞があると、始動入賞口指定コマンドと表示結果指定コマンド(表示結果1〜3指定コマンドの何れか)と変動カテゴリコマンドとの3コマンドが主基板11から演出制御基板12に送信される。演出制御用CPU120は、始動入賞口指定コマンドにより始動入賞を認識し、表示結果指定コマンドにより、始動入賞に対応する入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかを認識し、変動カテゴリコマンドにより始動入賞に対応する可変表示の変動パターン(スーパーリーチであるか否か等)を認識する。
始動入賞口指定コマンドを受信していない場合(S161;No)には先読み処理が終了し、受信した場合には(S161;Yes)ミッションモード設定処理を行う(S162)。ミッションモードとは、遊技者に条件(例えば、予告A〜D等のリーチ前予告演出を登場させよといったミッション)を提示し、その条件(ミッション)が達成されることで大当り遊技状態等に制御されることを示唆する演出状態(モード)のことである(図16参照)。つまり、遊技者にミッションの遂行を要求する演出状態でもある。
図8に示すミッションモード設定処理では、まず、ノーマルリーチハズレであるか否かを判定する(S601)。例えば、表示結果1指定コマンド(はずれの指定)を受信し、変動カテゴリコマンドにより始動入賞に対応する可変表示の変動パターンがノーマルリーチである場合には、ノーマルリーチハズレであると判定する。ノーマルリーチハズレである場合(S601;Yes)には、ミッションモード実行フラグがオフの場合(S602;No)、ミッションモード実行の有無を決定する(S603)。図9(A)に示すミッションモードの実行割合の情報と、S601において判定した表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが示す入賞時判定結果(ここでは、ノーマルリーチハズレ)とに基づいて、ミッションモード実行の有無を決定する(S603)。図9(A)では、例えばミッションモード実行有りが3%(約1/33の確率)であり、ノーマルリーチハズレの発生確率が約1/10であるため、約330回の変動に1回の割合でミッションモードが発生することになるが、これ以外の設定であってもよい。
S603の処理後、ミッションモード実行に決定されたか否かを判定する(S604)。ミッションモード実行に決定された場合(S604;Yes)には、ミッションモード実行フラグをオン状態にセットし(S605)、ミッションモード実行パターンの抽選を行う(S606)。図9(B)に示すミッションモード実行パターン1〜3のうちの何れか一つに決定される。ミッションモード実行パターン1〜3は、いずれもミッション期間表示が5分間であるが、指令内容(遊技者が登場させるべき予告演出の種類、つまり予告A、B、C)や決定割合が異なっている。なお、図9(B)の指令内容は、予告に限らず、特定の変動パターン(スーパーリーチ、擬似連の変動パターンなど)であってもよいし、決定割合についても図9(B)とは異なる割合としてもよい。そして、S606にて抽選決定されたミッションモード実行パターンなどの情報をRAM122に記憶し(S607)、ミッションモード設定処理を終了する。なお、ノーマルリーチハズレでない場合(S601;No)、ミッションモード実行フラグがオンの場合(S602;Yes)又はミッションモード実行に決定されなかった場合(S604;No)には、ミッションモード設定処理を終了する。
図7に戻り、S162の処理後、タイマー演出設定処理を行う(S163)。タイマー演出とは、期間を表示する期間表示としての、カウントダウン表示形式のタイマー表示(計時表示)と、該タイマー表示が特定態様(例えば、「0」)となったときに複数種類の演出(後述する図12に示す予告A〜Dなどの予告演出)のうちの何れかが実行される予告演出とを含む演出(例えば図16(F)〜(H)参照)である。
図10に示すタイマー演出設定処理では、まず、タイマー演出実行フラグがオンであるか否かを判定する(S701)。タイマー演出実行フラグがオンでない場合(S701;No)には、タイマー演出実行の有無を決定する(S702)。図11に示すタイマー演出実行の決定割合の情報と、始動入賞時の変動カテゴリコマンドが示す入賞時判定結果(ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)とに基づいて、タイマー演出実行の有無を決定する(S702)。図11では、ノーマルリーチの場合よりもスーパーリーチの場合の方がタイマー演出実行有りに決定され易くなっているが、これ以外の設定としてもよい。
S702の処理後、タイマー演出実行に決定されたか否かを判定する(S703)。タイマー演出実行に決定された場合(S703;Yes)には、タイマー演出実行フラグをオン状態にセットし(S704)、ミッションモード実行フラグがオンであるか否かを判定する(S705)。ミッションモード実行フラグがオンである場合(S705;Yes)には、ミッションモードの決定テーブルによりタイマー演出パターンの抽選を行う(S706)。ミッションモードが予告A指令の場合は、図12(A)に示すタイマー演出パターンの決定割合の情報と、始動入賞時における表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果(大当りかハズレか)とに基づいて、タイマー演出パターン1〜4の何れか一つに決定される(S706)。また、ミッションモードが予告B指令の場合は、図12(B)に示すタイマー演出パターンの決定割合の情報と、始動入賞時における表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果(大当りかハズレか)とに基づいて、タイマー演出パターン1〜4の何れか一つに決定される(S706)。また、ミッションモードが予告C指令の場合は、図12(C)に示すタイマー演出パターンの決定割合の情報と、始動入賞時における表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果(大当りかハズレか)とに基づいて、タイマー演出パターン1〜4の何れか一つに決定される(S706)。
一方、ミッションモード実行フラグがオンでない場合(S705;No)には、通常の決定テーブルによりタイマー演出パターンの抽選を行う(S707)。詳しくは、図12(D)に示すミッションモードでないときのタイマー演出パターンの決定割合の情報と、始動入賞時における変動カテゴリコマンドが示す入賞時判定結果(スーパーリーチA〜C及びノーマルリーチのうちの何れであるか)とに基づいて、タイマー演出パターン1〜3の何れか一つに決定される(S707)。
なお、ミッションモードでないときには、図12(D)に示すようにタイマー演出パターン1〜3の何れかに決定される。これに対して、ミッションモードのときには、図12(A)〜(C)に示すタイマー演出パターン1〜3と、ミッションモードでないときには選択されることがない図12(A)〜(C)に示すタイマー演出パターン4とのうちの何れか一つに決定される。このため、ミッションモードのときには、タイマー演出パターン4に決定されることがあるので、遊技の興趣がさらに向上する。
S706又はS707の処理後、タイマー演出開始タイミングを決定する(S708)。図12(E)に示すタイマー演出開始タイミングの決定割合の情報と、始動入賞時における可変表示の保留数の情報である保留記憶情報(保留記憶数が「0」か「1以上」か)とに基づいて、タイマー演出の開始タイミングを決定する(S708)。図12(E)に示すように、保留なし(保留記憶数が「0」)の場合には、タイマー演出の開始タイミングは、当該変動開始時に決定される。このとき、始動入賞時に「保留なし」であり、高速変動表示期間に予告を表示するため、図12におけるタイマー表示は5秒のカウントダウン表示となる。また、図12(E)に示すように、保留あり(保留記憶数が「1以上」)の場合には、タイマー演出の開始タイミングは、当該変動開始時が70%、当該始動入賞時の他の保留の変動開始時が30%に決定される。例えば、保留4であれば、保留1〜3の何れかの保留の変動開始時に決定可能である。一例として、始動入賞時に「保留あり」であり、他の保留が「保留1(最も古い保留)」に決定された場合には、保留1〜3の変動パターンの特図変動時間を合計した合計時間と、保留4の高速変動表示期間でのカウント時間である「5秒」とを加算した総合計時間が、図12におけるタイマー表示となる。
S708の処理後、抽選決定されたタイマー演出パターンや、S708の開始タイミング決定により特定されたタイマー表示期間などの情報をRAM122(例えば演出制御バッファ設定部内の保留記憶バッファ)に記憶し(S709)、タイマー演出設定処理を終了する。タイマー演出実行フラグがオンの場合(S701;Yes)又はタイマー演出実行に決定されなかった場合(S703;No)には、タイマー演出設定処理を終了する。
図6に戻り、S160の先読み処理後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である)に応じて、S170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
S170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理であり、主基板11からの第1、第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含む。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1、第2特別図柄表示装置4A、4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5での飾り図柄の可変表示やその他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理を含む。可変表示開始設定処理は演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
図13に示す可変表示開始設定処理では、主基板11からの表示結果指定コマンドなどに基づいて特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(S521)。特図表示結果が「ハズレ」と判定した場合には(S521;Yes)、主基板11からの変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(S522)。非リーチ変動パターンである場合には(S522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S523)。非リーチ変動パターンではない場合には(S522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S524)。
S521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定したときには(S521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(S525)。S525の処理では、画像表示装置5の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を、表示結果指定コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて決定する。S523、S524、S525にて決定された、左、右、中の確定飾り図柄の態様や停止順序の情報は、RAM122に記憶される。
S523、S524又はS525の処理後には、タイマー演出実行フラグがオンであるか否かを判定する(S526A)。タイマー演出実行フラグがオンでない場合には(S526A;No)には、変動中予告演出(予告A〜Cを表示するリーチ前予告演出を含む)の実行の有無と、実行する場合における変動中予告演出の演出態様に対応した変動中予告パターンとを決定する(S528)。一例として、S528の処理では、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定するための使用テーブルとして、予め用意された変動中予告決定テーブルを選択してセットする。変動中予告決定テーブルでは、可変表示結果通知コマンドから特定される可変表示結果や、変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンなどに応じて、変動中予告種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、変動中予告演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、変動中予告演出を実行する場合における複数の変動中予告パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)のランダムカウンタなどから抽出した変動中予告決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、変動中予告決定テーブルを参照することにより、変動中予告演出の有無と変動中予告パターンとを決定すればよい。
一方、タイマー演出実行フラグがオンである場合には(S526A;Yes)、ミッションモード実行フラグがオンであるか否かを判定する(S526B)。ミッションモード実行フラグがオンである場合には(S526B;Yes)、タイマー表示期間がミッション表示期間内に収まるか否かを判定する(S526C)。例えば、図12(E)を用いて決定されたタイマー演出開始タイミングにより特定されてS709にて記憶されたタイマー表示期間が、ミッションモード期間内に収まるか否かが判断される。タイマー表示期間がミッション表示期間内に収まると判定された場合(S526C;Yes)には、タイマー演出実行設定処理を行う(S527)。タイマー演出実行設定処理(S527)では、タイマー演出期間を計時するためのタイマー演出用タイマーのタイマー値を、S709にて記憶されたタイマー表示期間の値にセットするなどの処理が行われる。例えば、始動入賞時に「保留なし」の場合には、タイマー演出用タイマーのタイマー値が5秒にセットされる。また、一例として、始動入賞時に「保留あり」であり、「保留4」の可変表示にてタイマー演出の予告が実行され、且つ、他の保留が「保留1(最も古い保留)」に決定された場合には、保留1〜3の変動パターン(ここではノーマルリーチ2回とスーパーリーチAが1回であるとする)の特図変動時間(図5参照)を合計した合計時間(21秒×2回+42秒×1回=84秒)と、保留4の高速変動表示期間でのカウント時間である「5秒」とを加算した総合計時間(84秒+5秒=89秒)が、タイマー演出用タイマーのタイマー値にセットされる。なおS527では、タイマー演出が終了するまではタイマー演出用タイマーのタイマー値の再セットを行わない。
一方、タイマー表示期間がミッション表示期間内に収まらないと判定された場合(S526C;No)には、タイマー演出実行設定処理(S527)が行われず、前述したS528の処理が行われる。つまり、ミッション表示期間内に収まらないタイマー演出の実行が阻止され、タイマー演出に替えて変動中予告演出の実行が可能である(S528)。
S527又はS528の処理後には、ミッションモード設定処理を行う(S528A)。例えば、ミッションモード実行フラグがオンの場合には、ミッションモード期間を計時するためのミッションモード用タイマーのタイマー値をミッションモード期間の値(つまり、図9(B)に示すように5分)にセットするなどの処理が行われる。なおS528Aでは、ミッションモードが終了するまではミッションモード用タイマーのタイマー値の再セット(変形例1の延長を除く)を行わない。
S528Aの処理後には、保留表示の更新設定や、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(S529)。保留表示の更新設定については、例えば、可変表示が開始されることに対応して、表示エリア5Hの保留表示を更新するための設定を行う(S529)。表示エリア5Hに保留表示が表示されている場合には、保留順位1に対応する保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつ移動(シフト)させる。
S529の処理後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(S530)。このとき、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。予告演出を実行することが決定されている場合には、その決定に対応した予告演出制御パターンが選択される。タイマー演出を実行する旨の設定がなされている場合には、その設定に対応した演出制御パターンが選択される。次に、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(S531)。次に、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(S532)。このときには、S530にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(S533)、可変表示開始設定処理を終了する。
図6に戻り、S172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理において、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、S171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。
図14に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(S541)。一例として、S541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。可変表示時間が経過していない場合(S541;No)には、ミッションモード期間であるか否かを判定する(S541A)。ミッションモード期間である場合(S541A;Yes)には、ミッションモード演出動作制御を行う(S541B)。例えば、図16(B)に示すミッションモード表示や図16(C)〜(H)に示すミッション期間表示及び指令縮小表示などの演出制御が行われる。
ミッションモード期間でない場合(S541A;No)又はS541Bの処理後には、タイマー演出期間であるか否かを判定する(S541C)。例えば、タイマー演出実行フラグがオンであればタイマー演出期間であると判定すればよい。タイマー演出期間である場合(S541C;Yes)には、タイマー演出動作制御を行う(S541D)。例えば、図16(F)などに示すタイマー表示の演出制御が行われる。続いて、タイマー演出の予告表示期間(タイマー表示が「0」となっている)であるか否かを判定する(S541E)。タイマー演出の予告表示期間である場合には(S541E;Yes)、タイマー演出の予告表示制御を行う(S541F)。例えば、図16(H)に示す予告Aの画像I1の表示制御が行われる。
タイマー演出期間でない場合(S541C;No)、タイマー演出の予告表示期間でない場合(S541E;No)又はS541Fの処理後には、タイマー演出以外の予告演出を実行するための予告演出期間であるか否かを判定する(S542)。タイマー演出以外の予告演出期間は、例えば、図13のS528で選択された変動中予告パターンごとに予め定められていればよい。予告演出期間である場合(S542;Yes)には、予告演出を実行するための演出動作制御を行う(S543)。一例として、S543の処理では、各変動中予告パターンに対応する予告演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)に応じて、演出画像の表示や効果音の出力、ランプの点灯、演出用模型の動作などのうち、一部又は全部を含めた所定の演出動作を行うために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。
タイマー演出以外の予告演出期間ではない場合(S542;No)又はS543の処理後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(S544)。リーチ演出期間は、所定のリーチ演出に対応して選択されたリーチ演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出期間である場合(S544;Yes)には、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(S545)。リーチ演出期間ではない場合(S544;No)又はS545の処理後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(S546)、可変表示中演出処理を終了する。
S541にて可変表示時間が経過した場合(S541;Yes)には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(S547)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(S547;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
図柄確定コマンドの受信があった場合(S547;Yes)には、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(S548)。S548の処理後には、ミッションモード期間が終了であるか否かを判定する(S548A)。例えば、ミッションモード用タイマーのタイマー値が「0」であるか否かを判定すればよい。ミッションモード期間が終了である場合(S548A;Yes)には、ミッションモード実行フラグをオフにリセットする(S548B)。ミッションモード期間が終了でない場合(S548A;No)又はS548Bの処理後には、タイマー演出期間が終了であるか否かを判定する(S548C)。例えば、タイマー演出用タイマーのタイマー値が「0」であるか否かを判定すればよい。タイマー演出期間が終了である(S548C;Yes)、タイマー演出実行フラグをオフにリセットする(S548D)。
タイマー演出期間が終了でない場合には(S548A;No)又はS548Dの処理後には、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(S549)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(S550)、可変表示中演出処理を終了する。
ところで、タイマー演出は、ミッションモード期間内に実行される場合(図15(A))と、ミッションモード期間でないときに実行される場合(図15(B))とがある。図15(A)では、変動n−1のときにミッションモード発生に決定され、変動nの開始時のタイミングTM1にてミッションモード期間(5分間)が開始し、ミッションモード期間内における変動n+mの始動入賞にてタイマー演出実行有りに決定された場合において、変動n+mの変動開始時に、カウントダウン表示形式のタイマー表示が開始(0:05から開始)し、タイマー表示が0:00になると予告Aの予告演出が実行された例を示している。なお、ミッションモードは、ミッション期間表示が「0:00」になったとき(終了タイミングTM2)に直ちに終了してもよいし、ミッションモードであった変動表示の終了時に終了してもよい。図15(B)では、図15(A)に示すミッションモードが発生せずに、タイマー演出が実行された例を示している。
ここで、ミッションモードでのタイマー演出の演出表示例について、図16を用いて説明する。前回の変動表示が停止し(図16(A))、次の変動開始時にミッションモードに突入(ここでは、「5分以内に予告Aを出せ!」との指令情報(条件)が表示されている)し(図16(B))、画像表示装置5の飾り図柄の高速変動表示とともに画面左上のミッション期間表示(5分であることを示す「5:00」)と画面右上の指令情報縮小表示「予告Aを出せ」とが表示されている(図16(C))。そして、変動停止の後(図16(D))、時間が経過し、ミッションモード中に何回かの変動表示が実行され(図16(E))、例えば変動開始(大当り)がされたときにタイマー演出が出現し(図16(F))、タイマー表示が「0:00」になる(図16(G))と、画面右上の指令情報縮小表示上に指令達成を示す表示(例えば「達成」の表示)がされるとともに予告Aの画像I1が表示され(図16(H))、その後スーパーリーチ演出が実行され、可変表示結果が「大当り」となる。
図6に戻り、S173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。S174の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。S175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。
以上の実施の形態によれば、タイマー演出(特定演出)の結果演出として、ミッションモード(所定演出)により提示された例えば予告Aの指令情報(条件)に含まれる予告演出(予告A)を実行可能である。つまり、ミッションモードの実行中にタイマー演出が実行されると、該ミッションモードにおける指令を達成できるとの期待感が高まり、面白みが増す。これにより、遊技の興趣を向上できる。また、ミッションモード(所定演出)を実行したときに、タイマー演出(特定演出)が実行されてから指令情報(条件)を達成したことが報知可能であるとも言える。さらに、ミッションモード(ミッション演出)の実行中に、ミッションの達成条件となる演出が実行されることを示唆する演出(=タイマー演出(特定演出))を事前に行っているとも言える。
また、タイマー演出の期間表示(第1期間表示)とミッションモードの期間表示(第2期間表示)とにより、面白みが増す。これにより、遊技の興趣を向上できる。例えば、第2期間表示の間に第1期間表示がされることを期待できる。また、タイマー演出及びミッションモードの両期間が分かり易くなる。また、第1、第2期間表示のうちの少なくとも一方を画像表示装置5とは別の表示装置(例えば、7セグメントのLED、サブ液晶表示装置など)に表示してもよい。
また、図16(F)に示すように、タイマー演出の期間表示とミッションモードとの期間表示とが異なる位置で且つ異なる態様で表示されているので、タイマー演出の期間表示とミッションモードの期間表示とのそれぞれの表示態様を明確化することができる。これにより、タイマー演出の期間表示とミッションモードの期間表示とを遊技者等が見間違うことを低減できる。なお、タイマー演出の期間表示とミッションモードとの期間表示とは、異なる位置と異なる態様とのうちの少なくとも一方にて表示するようにしてもよい。
また、ミッションモードでは、タイマー演出が実行されてから指令情報を達成したことを報知するときと、タイマー演出が実行されずに指令情報を達成したことを報知するときとがあるので、ミッションモードにおける指令の達成過程が多様になる。これにより、遊技の興趣を向上できる。
また、タイマー演出の期間表示(第1期間表示)がミッションモードの期間表示(第2期間表示)の期間内に収まらずに表示されると、ミッションモードの期間表示が終了(つまり、ミッションモードが終了)した後もタイマー演出の期間表示が継続されてしまい、ミッションモードの期間表示に対して遊技者が違和感を覚える。そこで、タイマー演出の期間表示は、ミッションモード期間内に収まる場合に表示可能としている。これにより、ミッションモードの期間表示に対する遊技者の違和感を防止できる。
また、タイマー演出がミッションモード期間内に実行される場合には、タイマー演出がミッションモード期間外に実行される場合における予告A〜Cの予告演出に含まれない特殊演出(予告Dの予告演出)が実行可能である。つまり、ミッションモード期間内のタイマー演出では、タイマー表示が「0」となったときに実行される演出として、ミッションモード期間外のタイマー演出では見ることのできない特殊演出(予告Dの予告演出)を実行でき、遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上できる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更及び応用が可能である。上記実施の形態では、ミッションモードは、期間を表示して複数変動に亘って実行されているが、期間を表示せずに複数変動に亘って実行されたり、期間を表示せず或いは表示して1変動内に実行されたり、期間を表示せず或いは表示して所定の変動回数(単数、複数)の間実行されたりしてもよい。
変形例1では、図17に示すように、ミッション期間延長設定(S526D)を備える。タイマー表示期間がミッション表示期間内に収まらないと判定された場合(S526C;No)には、タイマー表示期間を含む長さにミッションモードの期間を延長する設定が行われる(S526D)。図18に示すように、ミッションモードの当初の終了タイミングTM2に替えて、変更後の終了タイミングTM3に変更することにより、延長されたミッションモード期間内にタイマー演出を実行することができる。なお、ミッション期間表示は、当初の終了タイミングTM2から変更後の終了タイミングTM3の直前まで0秒の点滅表示が継続される。なお、図18の他の表示例1のように「+30秒」のような延長時間表示から再びカウントダウン表示させたり、図18の他の表示例2のように「延長」のような延長表示を継続させたり、図18の他の表示例3のように「0:00」と「0:01」との交互表示を継続させたりしてもよい。変形例1によれば、タイマー表示がミッションモード期間内に収まらない場合には、ミッションモード期間を延長してタイマー演出が実行される。このため、タイマー演出の実行を確保でき、遊技の興趣を向上できる。また、タイマー表示とミッション期間表示とが実行されていたが、ミッション期間表示が先に終了してしまい、タイマー表示のみ継続されることを防止できる。これにより、ミッション期間表示に対する遊技者の違和感を防止できる。
変形例2では、図19に示すように、S526E〜S526Gの処理を備え、追加ミッション(追加条件)が設定可能である。タイマー表示期間がミッション表示期間内に収まると判定された場合(S526C;Yes)には、当該変動が大当りであるか否かを判定する(S526E)。例えば、表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果(ここでは、大当りかハズレか)に基づいて判定すればよい。そして、大当りであると判定した場合(S526E;Yes)には、タイマー演出の予告はミッションモードの指令情報(条件)での予告と異なるか否かを判定する(S526F)。同じと判定した場合(S526F;No)、追加ミッションは無しとなる。例えば、ミッションモードの指令が予告Aであり、S706にて選択済みのタイマー演出パターンが予告Aを含む場合には、両予告は予告Aで一致しており、図20(A)に示すように追加ミッションは無しに設定される。一方、異なると判定した場合(S526F;Yes)、タイマー演出の予告を追加ミッションに設定する(S526G)。例えば、S706にて選択済みのタイマー演出パターンが予告A以外の予告(ここでは例えば予告Dであったとする)を含む場合には、両予告は不一致となり、図20(A)に示すように、S706にて選択済みのタイマー演出パターンが予告Dを含むものであるので、予告Dが追加ミッションとして設定される。追加ミッションとして、図21(F)に示す追加指令(「予告Dを出せばもっと有利!」)の表示が行われ、タイマー表示が「0:00」となった(図21(G))後、ミッション達成報知とともに予告Dの画像I2が表示される(図21(H))。変形例2によれば、ミッションモード期間内にタイマー演出が実行されることに伴って追加ミッション(別の指令情報)が追加提示されるので、追加ミッションについて達成できるとの期待感が高まり、面白みが増す。これにより、さらに遊技の興趣を向上できる。
変形例3では、図22に示すように、先読み演出としてタイマー演出を開始する場合(つまり、始動入賞時にタイマー演出を開始する場合)にタイマー表示を「準備中」と表示可能である。始動入賞時から次の変動開始までの時間が少なくとも確定し難いので、とりあえずタイマー表示を「準備中」と表示する。これにより、タイマー表示の処理負担をかけることなく、始動入賞時からタイマー演出を開始でき、タイマー演出が開始されたことを遊技者に知らせることができる。図22に示すように、先読み演出としてタイマー表示が開始されてから、ミッションモードとなることがある。例えば、変動n+m(=保留3)が大当りでタイマー表示がセットされた場合には、保留1、2が消化されるまではタイマー表示を「準備中」と表示し、変動n+m(=保留3)が当該変動として開始されるときにタイマー表示が開始されるようにすればよい。
変形例4では、図23に示すように、ミッションモードであるか否かでタイマー演出の実行割合が異なる。ミッションモードのときは、該ミッションモードの指令に対応したタイマー演出(ミッションモード(予告A指令)の場合には、タイマー表示+予告Aのタイマー演出)が100%決定されるが、ミッションモード以外のときは、タイマー演出が決定される割合が50%、タイマー演出以外の予告(タイマー表示なし)が決定される割合が50%としてもよい。変形例4によれば、ミッションモードの面白みを向上できる。
また、ミッションモードにおいて、タイマー演出が実行されてもミッション達成を報知しないものを含んでもよい。図12(A)に示すように例えばミッションモードの指令が「予告Aを出せ!」という場合であっても、タイマー演出パターン2〜4の何れか一つが決定されることがあり、その場合には、ミッションとは異なる予告がタイマー演出にて表示される。ミッションモードの指令以外の他の演出(予告演出)を実行する場合には、いわゆるガセの演出(予告演出)があってもよい。
変形例5では、図24に示すように、画像表示装置5の表示画面には、複数の表示領域(第1領域91、第2領域92)を備え、前記表示領域に各種の表示が可能である。例えば、タイマー表示をしていた図24(D)に示す第1領域91(第2領域92でもよい)に、図24(E)に示す「激熱」などの特定表示を表示させてもよい。特定表示としては、「?」(ガセ演出)、「まさか?」(期待度低)、「NEXT」(擬似連示唆)、「バトル」(バトルリーチ示唆)、「READY GO」(タイマー演出示唆)、「激熱」(期待度高)、「おめでとう」(大当り確定)などがある。また、表示領域における表示パターンとして、特別演出(図24(F)に示す第2領域において表示情報(図柄など)を回転(変動)する演出など)を実行した後にタイマー表示を行う期間表示パターン(「READY GO」表示のようなタイマー演出示唆表示をしてタイマー演出をするタイマーの表示パターンなど)と、特別演出を実行した後に特定表示を表示する特定表示パターン(図24に示す「激熱」などの特定表示93をする特定表示の表示パターンなど)とを備えるようにしてもよい。また、図24(B)に示すように、第1領域91(第2領域92であってもよい)において、タイマ枠97を見え隠れ表示することによりタイマー表示94が実行されることを示唆する事前演出を実行してもよい。特別演出とは、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出である。特別演出を所定時間実行した後、たとえば、「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する。
また、変形例6は、タイマー演出において、期間表示(タイマー表示)の更新を停止する停止態様(図25(A2)、(A3)に示すようにLOCK表示95とともにタイマー表示が途中停止するといったフリーズ演出など)を含むものである。また、変形例7として、タイマー表示が特定態様「0」となったときに、タイマー表示の更新を再度実行する特別パターン(図26に示すように、第2領域92でのタイマー表示94が0秒となったときにそのタイマー表示94の計時数値が増加する特別パターンなど)を実行可能としてもよい。また、変形例8のパチンコ遊技機1として、タイマー演出において、特別演出(スーパーリーチなど)を実行しているか否かにより、タイマー表示の表示態様を変更可能(図27に示すように、スーパーリーチ(SPリーチ)を実行しているか否かにより、第3領域96の位置を変更可能であるなど)としてもよい。
なお、タイマー表示の実行有無などの抽選と、該タイマー表示が特定態様となったときの演出(例えば予告演出)の抽選とを別々に実行してもよい。また、タイマー表示(計時表示)は、最小値から特定態様(カウント上限値)に至るカウントアップ表示形式であってもよい。計時表示は、砂時計や進行状況バーなどの期間表示であってもよい。また、タイマー演出(特定演出)における演出としては、予告A〜Dの予告演出に限らず、擬似連、激熱、スーパーリーチ、スーパーリーチ発展、役物動作などの演出であってもよい。また、ミッション(条件)としては、高速変動表示期間に実行されるリーチ前予告演出に限らず、リーチ演出中に実行されるリーチ中予告演出などであってもよい。
上記実施の形態と変形例1〜8の少なくとも一つを組み合わせて実行してもよい。また、上記実施の形態では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信しているが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことで可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。なお、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。本発明は、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機や、スロットマシンなどに適用してもよい。