初めに、光強度を検出することにより対象物の移動状況を判定する本実施形態の判定装置について説明する。
[構成と動作]
図1及び図2は、本実施形態の判定装置の例である判定装置101aの構成及び動作を表す概念図である。
図1及び図2には、判定装置101aが移動状況を判定する対象の物等である対象物111aも併せて表してある。
判定装置101aは、対象物111a移動状況を表す可能性のある現象をその現象を表す値に変換し、当該現象を表す値が真に対象物111aの移動状況を表すか否かを判定するための判定装置である。
判定装置101aは、検出部121aと、処理部131aと、記録部141aとを備える。
検出部121aは、線511aと線511bとで表す範囲501aの、検出部121aが光強度の検出を行う向きの、光強度を、光強度を表す情報に変換する。光強度を表す情報は、例えば、光強度を表す電圧である。以下において、検出部121aが光強度の検出を行う向きを、「検出向」ということにする。また、以下において、範囲501aの検出向の光強度を、単に「光強度」ということにする。矢印521bは、検出向を表す。すなわち、光強度は、矢印521bの表す向きの範囲501aにある物が検出部121aに入射する光強度である。光強度は、当該ある物が自ら発する光であっても、当該ある物が他の光により放つ反射光、蛍光、蓄光等であっても構わない。検出部121aは、光強度を、光強度を表す情報に逐次変換している。そして、検出部121aは、光強度を表す情報を記録部141aに逐次送り、記録部141aに記録させる。
対象物111aは範囲501aに移動する場合があることが想定された物である。また、図1及び図2では、対象物111aは、大きさ及び形が定まった物であることを想定している。また、図1及び図2は、対象物111aが、範囲501aを外れた位置から、矢印521aの向きにほぼ一定速度で移動し、範囲501aに入る場合を想定している。図1は、対象物111aが範囲501aを完全に外れている場合を表す。また、図2は対象物111aが範囲501aにある場合を表す。そして、光強度は、対象物111aが範囲501aにある場合と無い場合とで異なる。対象物111aが範囲501aにある場合と無い場合とでどちらが光強度が強いかは、場合により異なる。例えば対象物521aが、検出部121aから矢印521bの逆向きに見た場合に背景より明るい場合は、対象物111aが範囲501aにある方が、光強度は強い。また、例えば、対象物111aが、検出部121aから矢印521bの逆向きに見た場合に背景より暗い場合は、対象物111aが範囲501aにある方が、光強度は弱くなり得る。また、対象物111aが範囲501aの検出向の一部のみに入っている場合には、光強度は、図1に表す場合と図2に表す場合の中間の強度になる。
検出部121aは、種々の光学センサを備えた場合に、光強度を光強度を表す情報に変換することができる。検出部121aは、範囲501aの検出向における対象物111aの存在の有無による光強度の違いをより明瞭に区別するために、範囲501aに光を放出しても構わない。その場合に放出する光の波長は、検出部121aが備える光学センサが検出できる波長である。また、放出する光はレーザー(laser(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation))光であっても構わない。放出する光がレーザーの場合は、範囲501aを狭くすることもできる。
記録部141aは、対象物111aが矢印521aの向きに移動して範囲501aの検出向に入る(または、を出る)場合に検出部121aが検出する光強度を表す情報の時間変化の真のケースを、予め記録している。検出部121aが検出する光強度を表す情報の時間変化の平均値を、「正プロファイル」ということにする。
正プロファイルを求めるためには、例えば、対象物111aを矢印521aの向きに実際に移動させて、検出部121aが出力する光強度を表す情報の時間変化を求めることにより求める。そして、その光強度を表す情報の時間変化が、複数回の測定において同じものになる場合に、その光強度を表す情報の時間変化が光強度を表す情報の時間変化の平均値であることを仮定する。
図3は、正プロファイルの例である正プロファイル201aを表すイメージ図である。図3における縦軸の電圧Vは光強度を表す情報である電圧である。縦軸の電圧Vは、例えば、検出部121aの備える図示しないセンサの出力電圧を処理した電圧である。電圧Vが光強度を表す情報である電圧である点は、以下の説明においても同じである。また、図3における横軸は時刻tをΔTで規格化した値のiである。ここで、ΔTは任意に設定し得る時間である。
正プロファイル201aにおいては、電圧V=V1である時刻をt=0として設定してある。時刻t=0は、図1に表す端部531aが、線511aに差しかかる直前を想定した時刻である。そして、対象物111aが矢印521aの向きに移動し、端部531aが範囲501aに入り込んだ結果として、電圧VはV1から上昇する。そして、iが2.2で電圧VはV2に到達する。0<i<2.2では、図1に表す端部531aが線511aに差しかかってから線511bに差し掛かるまでの期間を想定している。2.2<iでは対象物111aは範囲501aにおける検出向のすべてに存在するので、電圧Vは一定値V2になることが想定される。ただし、ここで、図1に表す対象物111aの下面541aの明度は位置によりほぼ変化しないことが想定されている。図3に表す正プロファイル201aは、0<i<2.2の間において電圧Vが直線的に増加することを想定した場合を表してある。しかしながら、電圧Vの立ち上がり部における正プロファイルは、必ずしも直線的に上昇するとは限らない。電圧Vの立ち上がり部における正プロファイルの形状は、図1に表す端部531aを矢印521bの向きに見た場合を想定した形状に依存する。また、電圧Vの立ち上がり部における正プロファイルの形状は、範囲501aを線511cに沿って切断した場合を想定した断面形状にも依存する。さらには、電圧Vの立ち上がり部における正プロファイルの形状は、当該断面形状の内部における検出部121aが光を検出する感度分布にも依存する。
図1に表す記録部141aは、また、検出部121aが逐次出力する光強度を表す情報を、検出部121aが光強度を表す情報を受け取った時刻と関連付けて、記録する。検出部121aは、検出部121aが出力した光強度を表す情報を速やかに記録部141aに送る。そのため、検出部121aがその光強度を表す情報を記録部141aに出力した時刻は、記録部141aがその光強度を表す情報を受け取る時刻とほぼ等しい。従い、以下においては、検出部121aが光強度を表す情報を記録部141aが受け取った時刻と検出部121aがその光強度を表す情報を出力した時刻とが等しいことを仮定する。なお、検出部121aが出力した光強度を表す情報と、その光強度を表す情報を検出部121aが出力した時刻との関係を「検出プロファイル」ということにする。
図4は、検出プロファイルの例である検出プロファイル211aを表すイメージ図である。検出プロファイル211aは、対象物531aの移動による光強度の変化を表す情報ではなく、ノイズであることが想定された、検出プロファイルの例である。検出プロファイル211aは、正プロファイルに合せて、電圧V=V1が時刻t=0になるように加工された検出プロファイルである。
処理部131aは、あるタイミングで、検出プロファイルを記録部141aから読み込む。処理部131aは、また、検出プロファイルを記録部141aから読み込むタイミングに合わせて、正プロファイルを記録部141aから読み込む。そして、検出プロファイルと正プロファイルとを比較することにより、検出プロファイルが、対象物111aが矢印521aの向きに移動して範囲501aの検出向に入ったか否かの判定を行う。
正プロファイル201aと検出プロファイル211aとの比較は、以下に説明するカイ二乗分布を用いた手法により行う。
検出プロファイルの電圧は、検出誤差やノイズによる誤差が含まれるので、例え真に対象物531aの移動を表す電圧Vの時間変化を反映したものであっても、正プロファイルと完全に一致するとは限らない。そこで、検出プロファイルが、誤差を含むとしても対象物111aの移動を表す電圧Vの時間変化を反映したものである、ということがどの程度の確率でいえるかを、カイ二乗分布を用いた手法により求めるのである。なお、以下において、検出プロファイルが、対象物111aの移動を表す電圧Vの時間変化を反映したものであることを、検出プロファイルが「真」であるということにする。
ここで、iは、前述の、時刻tをΔTで規格化した値である。nは任意に設定し得る2以上の整数である。また、Voiはiにおける検出プロファイル上の電圧Vである。また、VEiは、iにおける正プロファイル上の電圧Vである。また、σiは、時刻iごとの検出プロファイル上の電圧Vのばらつき(標準偏差)である。
式1においては、電圧のばらつきが標準正規分布に従うことが仮定されている。電圧のばらつきが標準正規分布に従う場合における式1の妥当性の証明は非特許文献1が開示している。
今、σ
iはiの値によらず一定とする。すなわち、電圧Vのばらつきは検出時刻に依存しないことを想定する。その場合、式1は下記になる。
ここで、σは電圧Vのばらつきである。 図5は、図3に表す正プロファイル201aと図4に表す検出プロファイル211aとを用いて、1式のVoi−VEiの部分を求める様子を表すイメージ図である。図5では、1式におけるnは10としている。そして、iが1乃至10のそれぞれについて、図5の矢印で表すVoi−VEiを求める。
一方、電圧Vのばらつきは、例えば、対象物111aが反射する光の対象物111aの移動にともなう変化や検出部121aによる光強度の検出のばらつきの影響を含むばらつきである。上述のように、電圧Vのばらつきは正規分布に従うことを仮定している。そのため、電圧Vのばらつきσは、電圧Vの標準偏差として、以下のように求めることができる。すなわち、まず、対象物111aが、範囲501aの検出向のすべてに存在し、かつ、矢印521aの向きに移動している間に、検出部121aが電圧Vを複数回検出する。そして、検出した複数の電圧Vの標準偏差を求める。
一方で、iの数は10なので自由度は9になる。ここで、例として、有意水準が5%(P=0.05)の場合を想定する。そして、P=0.05の場合のカイ二乗値を、例えば非特許文献2に開示されたカイ二乗分布表から求める。すると、自由度が9でありP=0.05の場合のカイ二乗値は16.9190となる。
そして、式1により求めたカイ二乗値(以下、「導出二乗値」という。)と、P=0.05の場合カイ二乗分布表のカイ二乗値(以下、「5%二乗値」とういう。)とを比較する。そして導出二乗値が5%二乗値を上回る場合は、図3に表す検出プロファイル211aは、有意水準5%で、検出プロファイル211aは、対象物111aの範囲501aの検出向に移動した場合の電圧Vの時間変化であるとまでは言えないことを意味する。一方、導出二乗値が5%二乗値を下回る場合は、図3に表す検出プロファイル211aは、有意水準5%で、検出プロファイル211aは、対象物111aの範囲501aの検出向に移動した場合の電圧Vの時間変化であると言えることを意味する。
次に、処理部131aは導出二乗値と所定の閾値との大小を判定する。そして、処理部131aは、導出二乗値が閾値より大きい場合は検出プロファイル211aは、対象物111aの範囲501aの検出向に移動した場合の電圧Vの時間変化であると判定しない。また、処理部131aは、導出二乗値が閾値より大きい場合は検出プロファイル211aは、対象物111aの範囲501aの検出向に移動した場合の電圧Vの時間変化であると判定する。ここで、閾値は、確率論的な裏付けのある値である。そのため、判定装置101aの利用者は、閾値を確率論的に裏付けのある根拠から設定することができる。そのため、判定装置101aは、より適切な判定基準の閾値を設定し得る。従い、判定装置101aは検出プロファイル211aは、対象物111aの範囲501aの検出向に移動した場合の電圧Vの時間変化であるか否かを、より正確に判定し得る。
以上説明した例では、対象物は、大きさ及び形が定まった物であり、一定の向きにほぼ一定速度で移動し、検出部の検出範囲に入る場合を想定した。もし、対象物を範囲501aの検出向を見た場合の形状や大きさ、移動速度、移動の向きの組合せが複数ある場合には、各組み合わせについて正プロファイルを求めておく。そして、検出プロファイルとそれぞれの正プロファイルについて上記比較を行う。その結果、例えば、一つの正プロファイルについて、検出プロファイルが、対象物が検出範囲に移動した場合の光強度の時間変化を表すと判定された場合には、その検出プロファイルは真であることを判定し得る。
以上説明した例では、対象物が検出範囲に移動した場合を主として説明した。しかしながら、対象物が検出範囲から検出範囲外へ移動したか否かの判定も、同様に、正プロファイルと検出プロファイルとの比較により行うことができる。
[処理フロー]
図6は、図1に表す判定装置101aが行う、正プロファイル候補を生成する処理の処理フロー例を表す概念図である。以下の図6についての説明において用いる符号は、図1または図2に表す各構成の符号である。
ここで、「正プロファイル候補」は、図6に表す処理により導出した正プロファイル候補をそのまま正プロファイルとして用いるとは限らないという趣旨である。後述のように、図6に表す処理により導出した正プロファイル候補から正プロファイルを導出する。
まず、処理部131aは、S101の処理として時間Tmを設定する。時間Tmは、時刻0からの経過時間が0からTmの間の時間帯を正プロファイルとして設定するという意味を持つ時間である。処理部131aは、時間Tmの設定を、例えば外部からの入力により行う。
次に、処理部131aは、S102の処理として、時間ΔTmを設定する。時間ΔTmは、電圧Vを取得する時刻の間隔を表す時間である。時間ΔTmは、後述のS110の処理において用いられる。処理部131aは、時間ΔTmの設定を、例えば外部からの入力により行う。
次に、処理部131aは、S103の処理として、電圧閾値Vt1を設定する。電圧閾値Vt1は、後述のS105の処理において用いる値である。処理部131aは、電圧閾値Vt1の設定を、例えば外部からの入力により行う。
そして、検出部121aは、S104の処理として、範囲501aの検出向の光強度の検出を開始する。検出部121aによる光強度の検出は、対象物111aの移動に同期させて行う。対象物531aの移動は、例えば、図1に表す対象物111aの矢印521aの向きへの移動である。対象物111aの移動は、対象物111aが自ら行っても構わない。検出部121aは、検出した光強度を、その光強度を表す情報に変換する。そして、検出部121aは、その光強度を表す情報である電圧Vを記録部141aに記録させる。記録部141aは、電圧Vを記録する。検出部121aは、S104の処理以降、連続的に範囲501aの検出向の光強度の検出を継続する。そして、検出部121aは、ある所定の短い間隔で検出した検出電圧を記録部141aに記録させる。ここで、「検出電圧」は、検出部121aが検出した電圧をいうこととする。
次に、処理部131aは、S105の処理として、検出部121aが直前に記録部141aに記録させた電圧Vを読み込み、その電圧Vが電圧閾値Vt1より大きいかを判定する。
処理部131aは、S105の処理により、検出部121aが記録部141aに記録させた電圧Vが電圧閾値Vt1より大きいことを判定した場合は、S106の処理を行う。
一方、処理部131aは、S105の処理により、検出部121aが記録部141aに記録させた電圧Vが電圧閾値Vt1より大きいことを判定しなかった場合は、S105の処理を再度行う。
処理部131aは、S106の処理を行う場合は、S106の処理として、時刻tの値をΔTmの値とする。
そして、処理部131aは、S107の処理として、電圧Vを時刻tと関連付けて、記録部141aに記録させる。記録部141aは、電圧Vを時刻tと関連付けて、記録する。
次に、処理部131aは、S108の処理として、時刻tの値が時間Tmの値より大きいかを判定する。
処理部131aは、S108の処理により、時刻tの値が時間Tmの値より大きいと判定した場合には、図6に表す処理を終了する。
一方、処理部131aは、S108の処理により、時刻tの値が時間Tmの値より大きいと判定しなかった場合には、S109の処理を行う。
処理部131aは、S109の処理を行う場合には、S109の処理として、直近のS107の処理により記録部141aに記録させた電圧Vよりも一つ後に記録部141aに記録させた電圧Vの値を特定する。
そして、処理部131aは、S110の処理として、時刻tにt+ΔTmを代入する。
そして、処理部131aは、前述のS107の処理を行う。
終了時点において記録部141aに記録されている、時刻tと関連付けられた電圧Vの集まりが正プロファイル候補である。
そして、図6に表す処理により導出した正プロファイル候補から正プロファイルを導出する。
当該導出は、例えば、図6に表す処理を複数回行い、導出した複数の正プロファイル候補の平均を求めることにより行う。
または、当該導出を、導出した複数の正プロファイル候補を見比べた結果、正プロファイル候補の平均であることが想定できる正プロファイル候補を正プロファイルとして選択することにより導出してもよい。 あるいは、正プロファイル候補が経験上正プロファイル候補の平均であることがわかる場合は、その正プロファイル候補を正プロファイルとしてもよい。
図7は、処理部131aが行う、検出プロファイルが真であるか否かの判定を行うための処理の、第一の処理フロー例を表す概念図である。図7に表す処理フロー例は、検出電圧の値が閾値を上回った場合に、検出プロファイルが真であるか否かの判定を行う処理の処理フロー例である。また、以下の図7についての説明において用いる符号は、図1または図2に表す各構成の符号である。
まず、S201の処理として、処理部131aは、時間ΔT1を設定する。時間ΔT1は、検出プロファイルが真であるか否かの判定を開始する時刻の間隔を表す時間である。時間ΔT1は後述のS212の処理において用いられる。
次に、S202の処理として、処理部131aは、後述のS208の処理においてカイ二乗値の導出に用いる正プロファイルの時間帯を設定する。図6の処理において導出した正プロファイルの時間帯のすべてを用いてカイ二乗値を導出する必要は必ずしもない。そこで、正プロファイルから、カイ二乗値の導出に用いる時間帯に相当する部分を抜き出すのである。例えば、図5に表す例では、正プロファイルが、i=t/ΔTの値が0から13.5の範囲で導出されている。そして、カイ二乗値の導出に用いる正プロファイルの時間帯は、i=t/ΔTの値が0から10の範囲であることを設定している。ただし、カイ二乗値の導出に用いる正プロファイルの時間帯は正プロファイルが特徴部分を含むように設定することが望ましい。例えば、図5に表す正プロファイルは、iの値が0から2.2の立ちあがり部分が特徴部分である。
次に、S203の処理として、処理部131aは、カイ二乗値の閾値Tを設定する。閾値Tは、iの数から自由度を定め、所定の有意水準を想定し、例えば非特許文献2に開示されたカイ二乗分布表から求めたカイ二乗値である。閾値Tは後述のS209の処理において用いられる。判定装置101aの利用者等は、閾値Tはカイ二乗値の確率論的な意味を考慮した上で設定することができる。S208の処理で求めるカイ二乗値は、[構成と動作]の項で説明したように、確率論的な意味を持つ値だからである。
そして、検出部121aは、S203−2の処理として、範囲501aの検出向の光強度の検出を開始する。検出部121aは、検出した光強度を、検出電圧に変換する。そして、検出部121aは、その光強度を表す情報である電圧Vを記録部141aに記録させる。記録部141aは、検出電圧を記録する。検出部121aは、S104の処理以降、連続的に範囲501aの検出向の光強度の検出を継続する。そして、検出部121aは、ある所定の短い間隔で検出した電圧Vを記録部141aに記録させる。
次に、S204の処理として、処理部131aは、最新(時刻t)の検出電圧が所定の値より大きいかの判定を行う。処理部131aは、最新の検出電圧を、記録部141aに記録されている検出プロファイルの検出電圧のうち最新の検出電圧を記録部141aから読み込むことにより得る。前記所定の値は、図7に表す処理に先立ち定められた値である。
処理部131aは、S204の処理により最新の検出電圧が所定の値より大きいことを判定した場合は、S205の処理を行う。
一方、処理部131aは、S204の処理により最新の検出電圧が所定の値より大きいことを判定しなかった場合は、S204の処理を再度行う。
処理部131aは、S205の処理を行う場合は、S205の処理として、正プロファイルのうち、S202により設定した時間帯の部分を、記録部141aから読み出す。あるいは、処理部131aは、正プロファイルの、S202により設定した時間帯より広い範囲を記録部141aから読み出し、その後に、S202により設定した時間帯の部分を抜き出す処理を行っても構わない。
次に、処理部131aは、S206の処理として、所定の時間が経過するのを待った後に、所定の時間帯の検出電圧を記録部141aから読み込む。所定の時間が経過するのを待つのは、カイ二乗判定の導出に用いる検出プロファイルの範囲の記録部141aへの記録の完了を待つ趣旨である。
そして、処理部131aは、S207の処理として、S206の処理により読み込んだ所定の時間帯の検出電圧から検出プロファイルを求める。検出プロファイルを求める処理の処理フロー例は後述する。
次に、処理部131aは、S208の処理として、S202の処理により求めた時間帯の正プロファイルと、S207の処理により絞り込んだ時間帯の検出プロファイルとからカイ二乗値を求める。カイ二乗値の導出方法は、[構成と動作]の項で述べた通りである。
そして、処理部131aは、S209の処理として、S208の処理により求めたカイ二乗値がS203の処理により設定した閾値Tより小さいかを判定する。
処理部131aは、S209の処理により、S208の処理により求めたカイ二乗値がS203の処理により設定した閾値Tより小さいことを判定した場合は、S210の処理を行う。
一方、処理部131aは、S209の処理により、S208の処理により求めたカイ二乗値がS203の処理により設定した閾値Tより小さいことを判定しなかった場合は、S211の処理を行う。
処理部131aは、S210の処理を行う場合は、S210の処理として、S207の処理により時間帯を絞り込んだ検出プロファイルは真であることを表す情報を、処理部131aの外部に出力する。
処理部131aは、S211の処理を行う場合は、S211の処理として、図7に表す処理を終了するかを判定する。処理部131aは、当該判定を、例えば外部からの終了指示により行う。
処理部131aは、S211の処理により、図7に表す処理を終了することを判定した場合は、図7に表す処理を終了する。
一方、処理部131aは、S211の処理により、図7に表す処理を終了することを判定しなかった場合は、S212の処理を行う。
処理部131aは、S212の処理を行う場合は、S212の処理として、時刻tにt+ΔT1を代入する。
そして、処理部131aは、S204の処理を行う。
上述のS204の処理において検出電圧が所定の値より大きいかを判定しているのは、対象物111aの移動により検出電圧が増加することを想定しているためである。対象物111aの移動により検出電圧が減少することを想定する場合には、S204の処理は、検出電圧が所定の値より小さいかを判定することになる。
対象物111aの移動により検出電圧が増加する場合は、一番目の例示として、対象物111aの明るさが背景よりも明るく、かつ、対象物111aが範囲501aに入ってきた場合である。
また、検出電圧が増加する場合は、二番目の例示として、対象物111aの明るさが背景よりも暗く、かつ、対象物111aが範囲501aから出る場合である。
また、検出電圧が増加する場合は、三番目の例示として、対象物111aの明るさが背景よりも暗く、かつ、対象物111aが範囲501aに入ってきたが、検出部121aの後段の信号処理により電圧の大小が逆転させられた場合である。
一方、対象物111aの移動により検出電圧が減少する場合は、一番目の例示として、対象物111aの明るさが背景よりも暗く、かつ、対象物111aが範囲501aに入ってきた場合である。
また、検出電圧が減少する場合は、二番目の例示として、対象物111aの明るさが背景よりも明るく、かつ、対象物111aが範囲501aから出る場合である。
また、検出電圧が増加する場合は、三番目の例示として、対象物111aの明るさが背景よりも明るく、かつ、対象物111aが範囲501aに入ってきたが、検出部121aの後段の信号処理により電圧の大小が逆転させられた場合である。
図8は、処理部131aが行う図7に表すS207の処理の処理フロー例を表す概念図である。
まず、S301の処理として、処理部131aは、時間ΔT3を設定する。時間ΔT3は後述のS303及びS306の処理において用いられる。
次に、S302の処理として、処理部131aは、図7に表すS204の処理により、検出電圧が所定の値より大きいと判定した検出電圧の出力を検出部121aが行った時刻t=t1を特定する。
そして、S303の処理として、処理部131aは、時刻tにt1−ΔT3を代入する。
そして、S304の処理として、処理部131aは、時刻tにおける検出電圧を記録部141aから読み込む。
次に、S305の処理として、処理部131aは、時刻t+ΔT3における検出電圧から時刻tにおける検出電圧を引いた値が、所定の閾値より小さいかを判定する。ここで、当該閾値は図8に表す処理に先立ち定めておくこととする。
処理部131aは、S305の処理により、前記引いた値が所定の閾値より小さいと判定した場合は、S307の処理を行う。
一方、処理部131aは、S305の処理により、前記引いた値が所定の閾値より小さいと判定しなかった場合は、S306の処理を行う。
処理部131aは、S306の処理を行う場合は、S306の処理として、時刻tにt−ΔT3を代入する。
そして、処理部131aは、S304の処理を行う。
処理部131aは、S307の処理を行う場合は、S307の処理として、時刻tを検出プロファイルの起点の時刻に設定する。
そして、処理部131aは図8に表す処理を終了する。
検出プロファイルの時刻の幅(時間)は、正プロファイルの時刻の幅(時間)である時間T2に等しい。そのため、S307の処理により検出プロファイルの起点の時刻が定まることにより、検出プロファイルが定まる。
前述の図7に表す処理フロー例は、検出電圧が所定の値より大きいことを判定した場合のみに検出プロファイルが真であるか否かの判定を行う処理の処理フロー例である。これに対し、次に、処理部131aが一定の時間間隔の時刻ごとに検出プロファイルが真であるか否かの判定を行う処理の処理フロー例を説明する。
図9は、処理部131aが行う、検出プロファイルが真であるか否かの判定を行うための処理の、第二の処理フロー例を表す概念図である。
図9に表す処理は、図7に表す処理から、S204及びS207の処理を削除し、S206の処理をS206aの処理で置き換えた内容である。
図9に表す各処理の説明は、下記を除いて、図7に表す同じ処理番号で表す処理の説明と同じである。ただし、図7の説明と下記の説明とが矛盾する場合には、下記説明を優先することとする。
処理部131aは、S205の処理の次にS206aの処理を行う。
処理部131aは、S206aの処理を行う場合には、S206aの処理として、検出プロファイルの次の部分を読み込む。すなわち、当該部分は、現在の時刻から時間T2を引いた時刻を起点とし、その時刻から時間T2後の時刻までの検出プロファイルである。
処理部131aは、S206aの処理の次にS208の処理を行う。
処理部131aは、S212の処理を行った場合には、S212の処理の次にS205の処理を行う。
処理部131aは、図9に表す処理を行うことにより、時間ΔT1が経過するごとの検出プロファイルについて、真であるかの判定を行う。そして、処理部131aは、真であることを判定した場合に、真であることを表す情報を外部に出力する。
[応用例]
本実施形態の判定装置は、例えば、次に説明する搬送装置に適用することができる。
図10は、本実施形態の判定装置を適用した搬送装置の例である搬送装置113bを表す概念図である。図10には媒体112bも併せて表してある。媒体112bは、図1及び図2に表す対象物111aに相当する物等である。
搬送装置は、制御部123bと、搬送部122bと、判定装置101bとを備える。
搬送部122bは、媒体112bを矢印521bの表す方向に移動させる。搬送部122bは、媒体112bの形状や、搬送装置113bの用途により適宜選択することができる。搬送部122bは、典型的な生産ラインのように、搬送部122bの上に置く媒体112bである部材を移動させる目的の場合は、ベルトコンベアに類似した物でであってもよい。または、搬送部122bは、プリンタの内部に設置されることにより媒体112bである用紙を搬送する用途の場合は、市販のプリンタに用いられる種々の搬送部の中から適宜選択することができる。
判定装置101bは、検出部121bと、記録部141bと、処理部131bとを備える。
検出部121bは、センサ124bと、AD変換部125bと、信号処理部126bとを備える。ここで、ADはアナログデジタルの略である。
センサ124bは範囲501bの光強度を検出し、その光強度を、光強度を表す情報である検出電圧に変換する。そして、センサ124bはアナログ信号である検出電圧をAD変換部125bに出力する。
AD変換部125bは、センサ124bが出力した検出電圧をデジタル信号に変換する。そして、AD変換部125bは、変換したデジタル信号を信号処理部126bに出力する。
信号処理部126bは、AD変換部125bが送ったデジタル信号を、そのデジタル信号を受け取った時刻と関連付けて、記録部141bに記録させる。
記録部141bは、検出部121bや処理部131bが送った情報を、検出部121bや処理部131bの指示に従い、記録する。また、記録部141bは、処理部131bの指示に従い、指示された情報を処理部131bに送る。
処理部131bは、導出部115bと、判定部114bと、入力部117bと、取得部116bと、出力部109bとを備える。
取得部116bは、正プロファイルの取得を行う。すなわち、取得部116bは、例えば、図6に表す処理フロー例の処理を行う。取得部116bは、図6に表すS101の処理における時間Tmの設定、S102の処理における時間ΔTmの設定及びS103の処理における電圧閾値Vt1の設定を、入力部117bを経由しての外部からの入力により行う。また、取得部116bは、取得した正プロファイルを記録部141bに記録させる。
導出部115bは、記録部141bに記録されている正プロファイルと記録部141bに記録されている検出プロファイルから、カイ二乗値の導出を行う。すなわち、導出部115bは、例えば、図7に表すS202乃至S208の処理を行う。あるいは、導出部115bは、例えば、図9に表すS202乃至S208の処理を行う。その際に、導出部115bは、S202の処理を、入力部117bを経由した入力情報に基づいて行う。
導出部115bは、導出したカイ二乗値を判定部114bに送る。
判定部114bは、導出部115bが送ったカイ二乗値が所定の閾値より小さいか否かの判定を行う。すなわち、判定部114bは、図7及び図9に表すS201及びS209の処理を行う。ここで、判定部114bは、S201の処理を、外部が入力部117bを経由して送る情報に基づいて行う。そして、判定部114bは、カイ二乗値が所定の閾値より小さいことを判定した場合には、検出プロファイルが真であることを表す情報を、出力部109bに出力させる。すなわち、判定部114bは、図7及び図9に表すS210の処理を行う。
入力部117bは、入力された情報を、処理部131bの定められた構成に送る。入力部117bは、例えば、スイッチ、キーボード、タッチパネルまたは音声入力装置等の入力インタフェースを備える。
出力部109bは、判定部114bが指示した内容を出力する。出力部109bによる出力は、例えば、表示部への表示、音声または信号である。
制御部123bは、搬送装置113bの各構成の制御を行う。制御部123bは、例えば、図7及び図9に表すS211の処理(終了判定)等を、制御部123bが各構成に指示を出すことにより行う。
本実施形態の判定装置は、搬送装置以外にも、物等の移動状況を把握するものであれば、搬送装置以外にも、種々の利用用途がある。その利用用途は、例えば、移動装置、ロボット、動物、人等の移動状況を監視する装置である。
[効果]
本実施形態の判定装置は、導出二乗値と所定の閾値との大小を判定することにより、検出プロファイルが、対象物が所定の位置にまたは所定の位置の外に移動した場合の光強度の時間変化であるか否かの判定を行う。そして、その閾値は、確率論的な裏付けのある値である。そのため、本実施形態の判定装置の利用者は、閾値を確率論的に裏付けのある根拠を持って設定することができる。また、本実施形態の判定装置は、自己が行う処理において、対象物にマークを設けることを要しない。従い、本発明は、対象物にマークを設けない場合においても、対象物の移動状況をより正確に把握し得る。
以上、本実施形態において、判定装置は、光強度を検出することにより、物等の移動状況についての判定を行う場合について説明した。
しかしながら、本発明の判定装置は光強度を検出する場合に限定されない。
本発明の判定装置は、例えば、物等が移動することによる物等が放つ光の色や鮮やかさを検出しても構わない。その場合は、本発明の判定装置は、物等が移動することによる光の色や鮮やかさの変化についての出力情報の正プロファイルを導出する。そして、本発明の判定装置は、物等が移動することによる光の色や鮮やかさの変化についての検出プロファイルと正プロファイルとを用いて、カイ二乗値を求めるのである。
さらに、本発明の判定装置は、物等が移動することによる、音、振動、におい、傾き具合等を検出しても構わない。その場合は、本発明の判定装置は、物等が移動することによる、音、振動、におい、傾き具合等の変化についての出力情報の正プロファイルを導出する。そして、本発明の判定装置は、物等が移動することによる音、振動、におい、傾き具合等の変化についての検出プロファイルと正プロファイルとを用いて、カイ二乗値を求めるのである。
また、本発明においては、物等が物であるか人であるかの別は問われない。検出部が物等の移動状況を反映する現象を検出できる限りにおいて、物等は物であっても人であっても構わない。
図11は、本発明の判定装置の最小限の構成である判定装置101xを表す概念図である。
判定装置101xは、検出部121xと、記録部141xと、処理部131xと、を備える。
検出部121xは、物または人である物等の移動状況を表す現象を表す値である現象値への変換を行い得る。
記録部141xは、前記変換を行った時刻と関連付けられた時刻である変換時刻と、前記現象値と、を関連付けた情報である現象情報、を記録する。
処理部131xは、カイ二乗値が閾値より小さいことに相当する内容の判定を行った場合に所定の出力を行う。前記カイ二乗値は、処理部131xが、前記検出プロファイルと正プロファイルとから導出したカイ二乗値である。ここで、前記検出プロファイルは、前記変換時刻がある時間帯に属する前記変換情報の集まりである。また、前記正プロファイルは、前記物等の移動状況を表す現象についての前記現象値の平均値であるとして予め定めた前記現象値についての前記変換情報の集まり、である。ただし、前記正プロファイルを構成する前記変換情報についての前記変換時刻は、前記時間帯と等しい時間の時間帯に属する時刻である。
判定装置101xは、前記カイ二乗値が前記閾値より小さいことを判定した場合に、検出プロファイルが前記物等の移動状況を表す現象を実際に反映していることに相当する内容の出力を行う。そして、前記カイ二乗値との大小を比較する閾値は、確率論的な裏付けのある値である。そのため、判定装置101xの利用者は、閾値を確率論的に裏付けのある根拠を持って設定することができる。また、本実施形態の判定装置は、自己が行う処理に対象物にマークを設けることを要しない。従い、判定装置101xは、対象物にマークを設けない場合においても、対象物の移動状況をより正確に把握し得る。
以上により、判定装置101xは、上記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
以上、好ましい実施形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することができる。
また、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
物または人である物等の移動状況を表す現象を表す値である現象値への変換を行う検出部と、
前記変換を行った時刻と関連付けられた時刻である変換時刻と、前記現象値と、を関連付けた情報である現象情報、を記録する記録部と、
前記変換時刻がある時間帯に属する前記変換情報の集まりである検出プロファイルと、前記変換時刻が前記時間帯と等しい時間の時間帯に属する、前記物等の移動状況を表す現象についての前記現象値の平均値であるとして予め定めた前記現象値についての前記変換情報の集まり、である正プロファイルと、からカイ二乗値を導出し、前記カイ二乗値が閾値より小さいことに相当する内容の判定を行った場合に所定の出力を行う、処理部と、
を備える判定装置。
(付記A2)
第一の前記時間帯に属する前記変換時刻の前記変換情報の集まりである第一の前記検出プロファイルと、第二の前記時間帯に属する前記変換時刻の前記変換情報の集まりである第二の前記検出プロファイルと、のそれぞれについて導出した前記カイ二乗値について、前記判定及び前記出力を行う、付記A1に記載された判定装置。
(付記A3)
複数の前記時間帯のそれぞれに属する前記変換時刻の前記変換情報の集まりである前記検出プロファイルについて導出した前記カイ二乗値について、前記判定及び前記出力を行う、付記A1または付記A2に記載された判定装置。
(付記A4)
前記複数の前記時間帯が一定の時間間隔の複数の前記時間帯である、付記A1乃至付記A3のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A5)
前記現象を表す値が所定の第二閾値を上回るか下回るかのいずれかが判定された場合に、前記現象を表すその値に係る前記変換時刻と関連付けられた前記時間帯に属する前記変換時刻の前記変換情報の集まりである前記検出プロファイルについて前記カイ二乗値を導出し、その前記カイ二乗値について、前記判定及び前記出力を行う、付記A1乃至付記A4のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A6)
前記物等が物である、付記A1乃至付記A5のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A7)
前記物等が紙である、付記A1乃至付記A6のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A8)
前記現象が、光強度、光の鮮やかさ、光の色、音、振動、におい及び傾き具合のうちの一または二以上である、付記A1乃至付記A7のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A9)
前記現象が光強度である、付記A1乃至付記A8のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A10)
前記値が電圧の値である、付記A1乃至付記A9のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A11)
前記移動状況が略一定速度での移動に係る移動状況である、付記A1乃至付記A10のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A12)
前記移動状況が一方向への移動に係る移動状況である、付記A1乃至付記A11のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記A13)
前記移動状況が複数の方向への移動に係る移動状況である、付記A1乃至付記A12のうちのいずれか一に記載された判定装置。
(付記B1)
付記A1乃至付記A13のうちのいずれか一に記載された判定装置と、前記物等の搬送を行う搬送部と、を備える搬送装置。
(付記C1)
物または人である物等の移動状況を表す場合のある現象の当該現象を表す値である現象値と、前記変換を行った時刻と関連付けられた時刻である変換時刻と、前記現象値と、を関連付けた情報である現象情報、を記録する処理と、
前記変換時刻がある時間帯に属する前記変換情報の集まりである検出プロファイルと、前記変換時刻が前記時間帯と等しい時間の時間帯に属する、前記物等の移動状況を表す現象についての前記現象値の平均値であるとして予め定めた前記現象値についての前記変換情報の集まり、である正プロファイルと、からカイ二乗値を導出する処理と、
前記カイ二乗値が閾値より小さいことに相当する内容の判定を行った場合に、前記検出プロファイルが前記物等の移動状況を表す現象を実際に反映していることに相当する内容の出力を行う処理と、
を含む処理を行う判定方法。
(付記D1)
物または人である物等の移動状況を表す場合のある現象の当該現象を表す値である現象値と、前記変換を行った時刻と関連付けられた時刻である変換時刻と、前記現象値と、を関連付けた情報である現象情報、を記録する処理と、
前記変換時刻がある時間帯に属する前記変換情報の集まりである検出プロファイルと、前記変換時刻が前記時間帯と等しい時間の時間帯に属する、前記物等の移動状況を表す現象についての前記現象値の平均値であるとして予め定めた前記現象値についての前記変換情報の集まり、である正プロファイルと、からカイ二乗値を導出する処理と、
前記カイ二乗値が閾値より小さいことに相当する内容の判定を行った場合に、前記検出プロファイルが前記物等の移動状況を表す現象を実際に反映していることに相当する内容の出力を行う処理と、
を含む処理をコンピュータに実装させる判定プログラム。