JP6416027B2 - 電波誘導方法、電波誘導装置、誘導プログラム、及び飛しょう体 - Google Patents

電波誘導方法、電波誘導装置、誘導プログラム、及び飛しょう体 Download PDF

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Description

本発明は、電波誘導方法、電波誘導装置、誘導プログラム、及び飛しょう体に関し、特に、ダイブ経路を移動する飛しょう体の電波誘導方法、電波誘導装置、誘導プログラム、及びその飛しょう体に関する。
飛しょう体を目標に誘導する方法として、電波誘導が知られている。電波誘導では、飛しょう体から照射されたレーダ波に対する反射波の電力量を解析することで、目標の位置が特定され、当該目標に対する誘導経路が決まる。飛しょう体は誘導経路を移動し、目標位置に到達することができる。
従来、電波誘導に利用される電波シーカは、水面や地面等からの不要な反射波(以下、クラッタと称す)を排除しながら目標からの反射波を識別する。電波シーカによる目標捜索を開始するときの位置は、固定的に設定された設計指標によって設定される。このため、実際のクラッタの大きさが設計指標と異なる場合、実状に適した位置とは異なる位置で目標の捜索が開始されることとなる。この結果、例えば、捜索を開始する時点における目標と飛しょう体との距離が必要以上に短くなるといった問題があった。このような問題を解決する技術が、例えば特開2007−271292号公報に記載されている(特許文献1参照)。特許文献1では、実際に検出されたクラッタを第2指標とし、検索開始位置を決定する処理にフィードバックすることで捜索開始位置を実状にあった位置に設定している。これにより、目標を補足可能な最大の距離において目標の捜索を開始することが可能となった。
図1A及び図1Bは、ダイブ経路を飛行する飛しょう体100の高空巡航距離と、ダイブ角及びグレージング角の関係を示す図である。図1A及び図1Bを参照して、飛しょう経路101としてダイブ経路を飛行する場合、目標200に到達する際のダイブ角(降下経路角とも称す)に応じて飛しょう経路101(例えば飛しょう高度や降下位置)が決まる。ここで、ダイブ角とは、飛しょう体100が目標200に到達する際の飛しょう経路101と、目標200が位置する領域における水平面(図1A及び図1Bでは仮想平面201を示す)とのなす角を示す。具体的には、図1Aを参照して、目標200が艦船の場合、飛しょう体100が艦船に到達する際の飛しょう経路101と艦船近傍の水面(クラッタ源300)とのなす角“θ”がダイブ角となる。
図1Aを参照して、ダイブ角が小さい場合(0度に近い“θ”)、飛しょう体100は、目標200からある程度遠い位置で飛行高度を下げる必要がある。一方、図1Bを参照して、ダイブ角が大きい場合(90度に近い“θ’”)、飛しょう体100は、目標200に近い距離まで高い高度を維持することができる。このため、ダイブ角がθ<θ’≦90度である場合、ダイブ角が“θ’”のときの高空巡航距離“L’”は、ダイブ角が“θ”の時の高空巡航距離“L”よりも長くなり得る。通常、高度が高いほど空気抵抗が小さくなるため燃費は向上し、飛行可能距離は延伸する。このため、ダイブ角を大きく設定することで、発射台400から目標200までの飛しょう可能距離を延伸することが可能となる。
特開2007−271292号公報
図1A及び図1Bを参照して、目標200までの飛しょう可能距離を延伸させるために、ダイブ角が大きな“θ’(>θ)”に設定された場合、目標200近傍に対して照射される電波のグレージング角は“ψ”よりも大きな“ψ’”となる。ここでグレージング角とは、目標探知のために照射される電波(レーダ波とも称す)の照射方向102と、照射対象が位置する領域における水平面(図1A、図1Bでは仮想平面201を示す)とのなす角を示す。具体的には、図1Aを参照して、電波の照射方向102と、照射対象となる目標200近傍の水面(クラッタ源300)とのなす角が、目標200近傍のグレージング角となる。グレージング角が大きい場合、目標200周辺におけるクラッタ源300(例えば水面)からの反射波(以下、クラッタ104と称す)の検出量が大きくなり、目標200からの反射波(以下、目標反射波103と称す)とクラッタ104との差が小さくなる。この場合、目標200の識別力が低下し、誘導精度が低下していまう。すなわち、大きなダイブ角が設定された場合、目標200近傍における照射電波のグレージング角は大きくなり、飛しょう可能距離は延伸するが、誘導精度は低下する。一方、小さなダイブ角が設定された場合、目標200近傍における照射電波のグレージング角は小さくなり、誘導精度の低下は抑制されるが、飛しょう可能距離は短くなってしまう。特許文献1では、最適な目標検索位置を設定することは記載されているが、飛しょう体の誘導精度を考慮して適切な飛しょう経路を設定することや、飛しょう距離を考慮して誘導精度を設定することは記載されていない。
以上のことから、本発明の目的は、飛しょう体の誘導精度と飛しょう経路を任意に設定できる電波誘導方法及び電波誘導装置を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、誘導精度の低下を抑制しながら、飛しょう体の飛しょう距離を延伸できる電波誘導方法及び電波誘導装置を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、飛しょう体を誘導するための検索範囲を任意に設定できる電波誘導方法及び電波誘導装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号が付加されている。ただし、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
一の観点において本発明による電波誘導方法は、飛しょう体(100)から照射されるレーダ波によって目標(200)を識別することにより、飛しょう体(100)を目標(200)に誘導する方法であり、以下のステップを具備する。すなわち、本発明による電波誘導方法は、レーダ波による照射対象の反射断面積の設計指標を変更可能に設定するステップと、設計指標に基づいて、目標(200)に対するレーダ波のグレージング角の最大値(ψmax)を決定するステップとを具備する。
本発明による電波誘導方法は、グレージング角の最大値(ψmax)に基づいて飛しょう体(100)のダイブ角(θ)を設定するステップを更に具備することが好ましい。
本発明による電波誘導方法は、ダイブ角(θ)に基づいて飛しょう体(100)の飛しょう経路(101)を設定するステップを更に具備することが好ましい。
本発明に係る設計指標は、クラッタ源(300)の反射断面積を規定した指標(σci)を含むことが好ましい。ここで、当該指標(σci)は変更可能に設定され、グレージング角の最大値(ψmax)は、当該指標(σci)に基づいて設定される。
又、グレージング角の最大値(ψmax)は、変更可能に設定される波の高さに基づいて設定されることが好ましい。
更に、本発明による電波誘導方法は、飛しょう体(100)が、波の高さを検出するステップを更に具備することが好ましい。この場合、グレージング角の最大値(ψmax)は、検出された波の高さに基づいて設定される。
本発明に係る設計指標は、目標(200)の反射断面積を規定した指標(σti)を含むことが好ましい。ここで、当該指標(σti)は変更可能に設定され、グレージング角の最大値(ψmax)は、当該指標(σti)に基づいて設定される。
本発明に係る設計指標は、目標(200)の反射断面積を規定した指標(σti)と、クラッタ源(300)の反射断面積を規定した指標(σci)との比(σti/σci)が、所定の閾値(σto/σco)を超えるように設定される。
本発明による電波誘導方法は、記憶装置に記録され、演算装置によって実行される誘導プログラムによって実現されることが好ましい。
他の観点において本発明による電波誘導装置は、飛しょう体(100)から照射されるレーダ波によって目標(200)を識別することにより、飛しょう体(100)を目標(200)に誘導する装置であり、以下の構成を具備する。すなわち、本発明による電波誘導装置(1)は、指標設定部(11)と解析部(12)を具備する。指標設定部(11)は、レーダ波による照射対象の反射断面積の設計指標を変更可能に設定する。解析部(12)は、設計指標に基づいて、目標(200)に対するレーダ波のグレージング角の最大値(ψmax)を決定する。
本発明による電波誘導装置は、グレージング角の最大値(ψmax)に基づいて飛しょう体(100)のダイブ角(θ)を設定する経路設定部(13)を更に具備することが好ましい。又、経路設定部(13)は、ダイブ角(θ)に基づいて飛しょう体(100)の飛しょう経路(101)を設定することが好ましい。
本発明に係る設計指標は、クラッタ源(300)の反射断面積を規定した指標(σci)を含むことが好ましい。この場合、指標設定部(11)は、クラッタ源(300)の指標(σci)を変更可能に設定し、解析部(12)は、指標(σci)に基づいてグレージング角の最大値(ψmax)を設定する。
又、解析部(12)は、変更可能に設定される波の高さに基づいてグレージング角の最大値(ψmax)を設定することが好ましい。
更に、解析部(12)は、電波シーカ(30)を制御して波の高さを検出し、検出した波の高さに基づいてグレージング角の最大値(ψci)を設定することが好ましい。
本発明に係る設計指標は、目標(200)の反射断面積を規定した指標(σti)を含むことが好ましい。この場合、指標設定部(11)は、目標(200)の指標(σti)を変更可能に設定し、解析部(12)は、指標(σti)に基づいてグレージング角の最大値(ψmax)を設定する。
指標設定部(11)は、目標(200)の反射断面積を規定した指標(σti)と、クラッタ源(300)の反射断面積を規定した指標(σci)との比(σti/σci)が、所定の閾値(σto/σco)を超えるように、設計指標を設定する。
更に他の観点における本発明による飛しょう体(100)、電波シーカ(30)と、上述した電波誘導装置(1)と、電波誘導装置(1)によって設定されたグレージング角の最大値(ψmax)に基づいて設定される飛しょう経路(101)を飛しょうするように制御される飛しょう制御装置(40)とを具備する。
本発明によれば、飛しょう体の誘導精度と飛しょう経路を任意に設定することができる。
又、誘導精度の低下を抑制しながら、飛しょう体の飛しょう距離を延伸できる。
更に、飛しょう体を誘導するための検索範囲を任意に設定できる。
図1Aは、ダイブ経路を飛行する飛しょう体の高空巡航距離と、ダイブ角及びグレージング角の関係を示す図である。 図1Bは、ダイブ経路を飛行する飛しょう体の高空巡航距離と、ダイブ角及びグレージング角の関係を示す図である。 図2は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置の構成の一例を示す図である。 図3は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置の動作の一例を示すフロー図である。 図4は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置の構成の他の一例を示す図である。 図5は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置の動作の他の一例を示すフロー図である。 図6は、本発明による第2の実施の形態における電波誘導装置を搭載した飛しょう体の構成の一例を示す図である。 図7は、本発明による第2の実施の形態における電波誘導装置の動作の一例を示すフロー図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下では、海上の艦船を目標200とし、ダイブ経路を飛しょうする飛しょう体100の電波誘導装置1及びその動作を一例に説明する。
図1A及び図1Bを参照して、ダイブ角とは、飛しょう体100が目標200に到達する際の飛しょう経路101と、目標200が位置する領域における水平面(図1A及び図1Bでは仮想平面201を示す)とのなす角(図1Aでは“θ”、図1Bでは“θ’”)を示す。又、グレージング角とは、目標探知のために照射される電波(レーダ波とも称す)の照射方向102と、照射対象が位置する領域における水平面(図1A、図1Bでは仮想平面201を示す)とのなす角(図1Aでは“ψ”、図1Bでは“ψ’”)を示す。
(概要)
本発明による電波誘導装置1は、グレージング角を決定するための設計指標を変更可能に設定することにより、グレージング角の最大値を任意の値に設定する。又、電波誘導装置1は、設定されたグレージング角の最大値に適合するダイブ角を設定し、ダイブ角に基づいて飛しょう体100の降下開始位置105や高空巡航経路を設定する。このように、本発明では、グレージング角の最大値を任意に設定することで、実際に検出されるクラッタや目標反射波の大きさを考慮しながら目標検出能力の低下を抑止するとともに、適切なダイブ角に設定することが可能となる。これにより、飛しょう体100の誘導精度を低下させることなく飛しょう距離を延伸することが可能となる。
1.第1の実施の形態
(構成例1)
図1A及び図2を参照して、第1の実施の形態における電波誘導装置1の構成の一例を説明する。図2は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置1の構成の一例を示す図である。図2を参照して、電波誘導装置1は、演算装置10と記憶装置20を具備する。第1の実施の形態における電波誘導装置1は、目標反射波103の設計指標である第1指標、又はクラッタ104の設計指標である第2指標の少なくとも一方を、所定の設定条件に基づいて変更可能に設定することで、レーダ波のグレージング角や飛しょう体100のダイブ角を決定する。図2に示す電波誘導装置1は、第1指標及び第2指標に基づいてグレージング角を設定する装置である。詳細には、演算装置10は、CPUに例示され、記憶装置20に格納された誘導プログラムを実行することで、指標設定部11及び解析部12の機能を実現する。記憶装置20は、ハードディスクや半導体メモリ等に例示される外部記憶装置である。記憶装置20が飛しょう体100に搭載される場合、振動や衝撃に強い半導体メモリが好適である。
指標設定部11は、飛しょう体100(が搭載する電波シーカ)から照射されるレーダ波のグレージング角を決定するための設計指標を変更可能に設定する。詳細には、指標設定部11は、レーダ波に対する反射断面積を規定する設計指標を変更可能に設定する。ここで、反射断面積とは、照射されるレーダ波に対して、電波シーカに向けて電波を反射させる能力を示す。このため、反射断面積は、レーダ波に対する反射波のうち、電波シーカにおいて検出される反射波の電力量に応じた面積で表される。
指標設定部11において設定される設計指標は、例えば、目標反射波103の電力量(目標200からの反射波電力)として想定される第1指標や、クラッタ104の電力量(クラッタ源300からの反射波電力)として想定される第2指標を含む。換言すると、指標設定部11は、目標200の反射断面積として想定した値を第1指標“σti”として設定する。あるいは、指標設定部11は、クラッタ源300の反射断面積として想定した値を第2指標“σci”として設定する。設定された第1指標及び第2指標は、記憶装置20に記録される。ここで、本発明に係る設計指標(第1指標と第2指標の少なくとも一方)は、変更可能に設定される。詳細には、本発明に係る第1指標は、目標200の形状、大きさ、表面材質、あるいは、その種類等に例示される目標反射条件に応じて変更可能に設定される。又、本発明に係る第2指標は、クラッタ源300の種類、例えば海面であるか地面であるかや、植生、地形、あるいは建物の有無等に例示されるクラッタ反射条件によって変更可能に設定される。更に、第1指標及び第2指標の少なくとも一方は、気象条件に基づいて設定されることが好ましい。
指標設定部11における第1指標、第2指標の設定方法は、図示しない入力装置を用いてユーザによって指示された値を設定する方法、図示しないデータベースから抽出設定する方法、所定の関数を利用した計算結果を設定する方法等がある。ここで、第1指標、第2指標の設定条件は、例えばデータベースから抽出設定するための条件や、指標計算のための関数によって示される。又、この設定条件は、上述の目標反射条件、クラッタ反射条件、又は気象条件のいずれかを含み、これらの条件は、飛しょう体100の飛しょう距離や、所望の探知精度(どのくらいの精度で検出するか)、あるいは、電波シーカの探知能力(レーダ波の周波数、出力、電波シーカの感度)等のいずれかを考慮して決められることが好ましい。以下、これらの第1指標、第2指標を設定するための条件を総称して設定条件と称す。
記憶装置20には、電波シーカによって目標200を検出するための判定基準が、閾値として予め設定される。詳細には、電波シーカのレーダ波に対する目標200の反射断面積の基準値“σto”とクラッタ源300の反射断面積の基準値“σco”との比“σto/σco”が閾値として規定される。例えば、目標200の反射断面積の測定値“σt”とクラッタ源300の反射断面積の測定値“σc”の比“σt/σc”(以下、測定反射断面積比と称す)が、閾値“σto/σco”よりも大きい場合、目標200が検出され、小さい場合非検出となる。
第1指標“σti”と第2指標“σci”は、それぞれの比(以下、設計指標比と称す)“σti/σci”が、閾値“σto/σco”よりも大きくなるように設定される。設計指標比“σti/σci”は、変更可能に記憶装置20に記録される。指標設定部11は、第1指標及び第2指標の少なくとも一方を変更可能に設定することで、設計指標比を変更可能に設定することができる。例えば、第1指標“σti”を大きく、又は第2指標“σci”を小さくすることで設計指標比“σti/σci”は大きくなる。
上述では、第1指標“σti”及び第2指標“σci”のそれぞれは、設定条件に基づいて設定されるとしたがこれに限らない。例えば、設計指標比“σti/σci”が閾値“σto/σco”よりも大きくできれば、指標設定部11は、上述の設定条件に適合しない値を第1指標“σti”又は第2指標“σci”として設定してもよい。
解析部12は、設定された第2指標“σci”に基づいて、飛しょう体100(が搭載する電波シーカ)から照射されるレーダ波のグレージング角の最大値“ψmax”を設定する。ここで、グレージング角とは、レーダ波とレーダ波の照射領域における水平面とのなす角を示し、飛しょう体100が目標200に到達するまでにレーダ波を照射し続けた場合、グレージング角の最大値“ψmax”は、ダイブ角と一致する。
解析部12は、クラッタ反射条件、又は気象条件の他、飛しょう体100の飛しょう距離や、所望の探知精度(どのくらいの精度で検出するか)、あるいは、電波シーカの探知能力(レーダ波の周波数、出力、電波シーカの感度)のいずれかに基づいてグレージング角の最大値“ψmax”を設定することが好ましい。例えば、水面をクラッタ源300とした場合、波の高さ(換言すると風の強さ)といったクラッタ源300の反射断面積に影響を与えるパラメータに基づいて、グレージング角の最大値“ψmax”が設定されることが好ましい。
目標200の表面形状は通常凹凸が大きく、グレージング角“ψ”を増大させても目標200の反射面積“σt”の変化は少ない。一方、クラッタ源300が水面に例示される平坦形状を示す場合、グレージング角“ψ”が90度に近づくにつれ、クラッタ源300の反射断面積“σc”は増大する。典型的には、式(1)に示されるように、クラッタ源300の反射断面積“σc”は、グレージング角“ψ”の正弦関数に比例する。ここで、比例係数“γ”は、クラッタ源300の形状や、気象条件等に例示されるクラッタ源300の反射断面積に影響を与える条件に応じた値が設定されることが好ましい。一例として、クラッタ源300が水面(海面)の場合、比例係数“γ”は、式(2)に示すように、波の高さ(換言すると風の強さ)や、レーダ波の周波数に依存して変化する。尚、式(2)では、風の強さの指標であるボーフォート指標を“KB”とし、レーダ波の周波数を“λ”とする。
Figure 0006416027
Figure 0006416027
解析部12は、設定された第2指標“σci”以下の“σc”を式(1)に代入して得られたグレージング角“ψ”のうち、任意の値をグレージング角の最大値“ψmax”として設定することが好ましい。これにより、クラッタ源300の反射断面積の測定値として想定される“σc”は常に第2指標“σci”以下となり、クラッタ104による目標200の識別力の低下を抑制することができる。又、第2指標“σci”は、上述の設定条件に基づいて設定されているため、ここで得られたグレージング角の最大値“ψmax”も、設定条件を考慮した大きさに設定されることとなる。又、解析部12は、式(1)を用いて算出されたグレージング角のうち、後述するダイブ角の大きさを考慮してグレージング角の最大値“ψmax”を選択設定することが好ましい。例えば、目標検出可能な範囲内でダイブ角を最大とする場合、第2指標“σci”を式(1)に代入して得られたグレージング角“ψ”が、グレージング角の最大値“ψmax”として設定される。
又、第1指標“σti”が十分大きい場合、上記設定条件に基づいて設定された第2指標“σci”よりも大きな反射断面積“σc”が測定されたとしても、目標200とクラッタ源300の測定反射断面積比“σt/σc”が閾値“σto/σco”を上回り、目標検出が可能な場合がある。このため、第1指標“σti”が十分大きい場合、第2指標“σci”は上記設定条件に基づいて想定された値よりも大きな値が設定され得る。例えば、指標設定部11は、先ず設定条件に従って第1指標“σti”を設定した後、クラッタ反射条件に関わらず、設計指標比“σti/σci”が閾値“σto/σco”よりも大きくなるように第2指標“σci”を設定してもよい。解析部12は、この第2指標“σci”を利用してグレージング角“ψ”を求めることで、クラッタ反射条件に応じて設定されるグレージング角よりも大きな(90度に近い)値をグレージング角の最大値“ψmax”として設定することができる。
解析部12によって設定されたグレージング角の最大値“ψmax”は、記憶装置20に記録され、後述する電波シーカ30の制御や、飛しょう体100のダイブ角“θ”や飛しょう経路101の設定に用いられることが好ましい。
図2に示す電波誘導装置1は、飛しょう体100に搭載されてもよいし、図1A、図1Bに示す発射台400に例示される飛しょう体100の発射をコントロールする装置に搭載されてもよい。あるいは、図2に示す電波誘導装置1は、飛しょう体100の飛しょうシミュレーションを行う装置に例示される飛しょう体100外のコンピュータ装置に搭載されてもよい。電波誘導装置1が飛しょう体100外の装置に搭載されている場合、グレージング角の最大値“ψmax”は、飛しょう体100における記憶装置に記録されることが好ましい。グレージング角の最大値“ψmax”は飛しょう体100に搭載された電波シーカの制御や、飛しょう制御に好適に利用され得る。
第1指標や第2指標、あるいは、グレージング角の最大値を決めるための気象条件やレーダ性能等の設定条件は、予め記憶装置20に記録されていてもよいし、データセンタに例示される外部装置から取得してもよい。又、設定条件は図示しない外部センサ(例えば気象レーダ)によって取得された情報に基づいて、指標設定部11において生成されてもよい。例えば、気象レーダや気象庁から波の高さや風の強さを取得し、これを条件に第1指標、第2指標、あるいは、グレージング角の最大値(係数“γ”)が設定されてもよい。
(グレージング角の設定方法)
図1Aから図3を参照して、第1の実施の形態における電波誘導装置1の動作の一例を説明する。図3は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置1の動作の一例を示すフロー図である。図3を参照して、指標設定部11は、グレージング角を設定するための設計指標を変更可能に設定する(ステップS101)。ここで、指標設定部11は、上述の設定条件に基づいて第1指標“σti”及び第2指標“σci”を設定することが好ましい。又、指標設定部11は、設計指標比“σti/σi”が閾値“σto/σo”よりも大きくなるように第1指標“σti”及び第2指標“σci”を設定することが好ましい。
次に、解析部12は、指標設定部11によって設定された指標に基づいてグレージング角の最大値“ψmax”を決定する(ステップS102)。例えば、解析部12は、第2指標“σci”を式(1)の“σc”に代入し、算出されたグレージング角“ψ”を、グレージング角の最大値“ψmax”として設定する。ここで、指標設定部11は、クラッタ源300の反射断面積に影響のある気象条件やレーダ性能等により係数“γ”を設定し、これに応じたグレージング角の最大値“ψmax”を設定することが好ましい。具体的には、指標設定部11は、クラッタ源300が水面である場合、波の高さ(換言すると風の強さ)を示すボーフォート指標“KB”及びレーダ波の周波数“λ”を式(2)に代入することで係数“γ”を算出し、これを式(1)に代入してグレージング角の最大値“ψmax”を設定する。
解析部12は、上述の方法では、設定条件に基づいて設定された第2指標“に応じてグレージング角の最大値“ψmax”が設定されたが、これに限らない。例えば、解析部12は、第1指標“σti”が所定の値よりも大きな値を示す場合、設定条件に基づいて設定された第2指標を利用したときよりも大きな(90度に近い)角度をグレージング角の最大値“ψmax”として設定できる。このとき、設計指標比“σti/σci”が閾値“σto/σco”を越えるように、第2指標“σci”が設定され、これを利用してグレージング角の最大値“ψmax”が設定されることが好ましい。あるいは、解析部12は、第1指標“σti”が所定の値よりも小さな値を示す場合、設定条件に基づいて設定された第2指標を利用したときよりも小さな(0度に近い)角度をグレージング角の最大値“ψmax”として設定できる。このとき、設計指標比“σti/σci”が閾値“σto/σco”を越えるように、第2指標“σci”が設定され、これを利用してグレージング角の最大値“ψmax”が設定されることが好ましい。
(構成例2)
グレージング角の最大値“ψmax”が設定されると、これに基づいて飛しょう体100のダイブ角を設定することができる。図4は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置1の構成の他の一例を示す図である。図4に示す電波誘導装置1は、図2に示した電波誘導装置1に更に経路設定部13を具備する。詳細には、図4に示す電波誘導装置1における演算装置10は、記憶装置20に格納された誘導プログラムを実行することで、指標設定部11、解析部12に加え、経路設定部13の機能を実現する。
指標設定部11及び解析部12の動作は、上述と同様であるのでその説明は省略する。経路設定部13は、解析部12において設定されたグレージング角の最大値“ψmax”に基づいて、飛しょう体100の飛しょう経路101を設定する。詳細には、経路設定部13は、所定のアルゴリズムに従い、飛しょう体100の現在位置(例えば発射台400)から目標200までの距離、グレージング角の最大値“ψmax”、風速、温度、気候等に例示される気象条件、及び、飛しょう体100の飛しょう性能等に基づいて、飛しょう高度、降下開始位置105、ダイブ角“θ”を含む飛しょう経路101を設定する。
経路設定部13は、飛しょう体100が飛しょう可能な範囲(例えば旋回半径の範囲)において、上述の設定条件を考慮したグレージング角の最大値“ψmax”に一致するようにダイブ角“θ”を設定することが好ましい。ここで、グレージング角の最大値“ψmax”が、第2指標“σci”に対応する値(式(1)のσcに第2指標“σci”を代入して得られた“ψ”)に設定されている場合、目標200の検出可能な範囲において最大のダイブ角“θ”に設定することができる。このとき、飛しょう体100の降下開始位置105は、目標200の検出可能な範囲において目標200に最も近傍の位置となる。この結果、経路設定部13は、可能な限りの期間、高空巡航経路を飛しょうする経路を設定することが可能となる。
図4に示す電波誘導装置1は、飛しょう体100に搭載されてもよいし、図1A、図1Bに示す発射台400に例示される飛しょう体100の発射をコントロールする装置に搭載されてもよい。あるいは、図4に示す電波誘導装置1は、飛しょう体100の飛しょうシミュレーションを行う装置に例示される飛しょう体100外のコンピュータ装置に搭載されてもよい。電波誘導装置1が飛しょう体100外の装置に搭載されている場合、グレージング角の最大値“ψmax”及び飛しょう経路101は、飛しょう体100における記憶装置に記録されることが好ましい。グレージング角の最大値“ψmax”や飛しょう経路101は、飛しょう体100に搭載された電波シーカの制御や、飛しょう制御に好適に利用され得る。
第1指標や第2指標、あるいは、グレージング角の最大値を決めるための気象条件やレーダ性能等の設定条件は、予め記憶装置20に記録されていてもよいし、各種データセンタから取得してもよい。又、設定条件は図示しない外部センサ(例えば気象レーダ)によって取得された情報に基づいて、指標設定部11において生成されてもよい。例えば、気象レーダや気象庁から波の高さや風の強さを取得し、これを条件に第1指標、第2指標、あるいは、グレージング角の最大値(係数“γ”)が設定されてもよい。
(飛しょう経路の設定方法)
図1A、図4及び図5を参照して、第1の実施の形態における電波誘導装置1の動作の他の一例を説明する。図5は、本発明による第1の実施の形態における電波誘導装置1の動作の他の一例を示すフロー図である。図5を参照して、電波誘導装置1は、上述と同様にグレージング角の最大値“ψmax”を設定する(ステップS101、S102)。続いて、経路設定部13は、グレージング角の最大値“ψmax”以下の任意の角度を飛しょう体100のダイブ角“θ”として設定する(ステップS103)。詳細には、経路設定部13は、飛しょう距離を考慮して、ダイブ角“θ”を決定する。例えば、目標200を探知可能な最長の距離を飛しょうしたい場合、設定されたグレージング角の最大値“ψmax”がダイブ角“θ”として設定される。あるいは、所望の飛しょう距離に応じてグレージング角の最大値“ψmax”を越えない範囲でダイブ角“θ”が設定される。
経路設定部13は、ダイブ角“θ”に応じた飛しょう経路101を設定する(ステップS104)。詳細には、経路設定部13は、気象条件、飛しょう性能、及び設定したダイブ角“θ”に基づいて、飛しょう体100の降下開始位置105、高空巡航距離、飛しょう高度等によって示される飛しょう経路101を設定する。
ここで、ダイブ角“θ”は、目標検出可能な範囲内で最も急角度(90度に近く)設定できるため、高空巡航距離を延伸することが可能となる。すなわち、目標検出能力を低下させることなく、飛しょう体100の飛しょう距離を延伸することが可能となる。又、本発明では、グレージング角を設定するための第1指標及び第2指標を任意に変更できるため、目標200を検出可能な範囲内で、ダイブ角“θ”も任意に変更することができる。すなわち、本発明によれば飛しょう体100の誘導精度と飛しょう経路101を任意に設定することが可能となる。更に、グレージング角を任意に設定できるため、飛しょう体100を誘導するための検索範囲を任意に設定できる。
第1の実施の形態における電波誘導装置1が、飛しょう体100外の装置に搭載されている場合、飛しょう体100を発射する前に、目標検出可能な飛しょう経路101を精度よく設定できる。例えば、ステップS104における飛しょう経路の設定処理が、飛しょう体100を発射する前に行われる場合、目標まで到達可能かつ目標検出可能な飛しょう経路101の実現可否を発射前に判断することできる。すなわち、目標のより遠方から飛しょう体100を発射することができ、飛しょう距離延伸の効果を最大限発揮することができる。
一方、第1の実施の形態における電波誘導装置1が、飛しょう体100に搭載されている場合、飛しょう中において、目標検出可能な飛しょう経路101を精度よく設定できる。例えば、ステップS104における飛しょう経路の設定処理が、飛しょう体100を発射する後に行われる場合、又は飛しょう体100を発射する前と後に行われる場合、飛しょう経路を精度良く設定することができる。
2.第2の実施の形態
(構成)
図1A、図6及び図7を参照して、第2の実施の形態における電波誘導装置1を説明する。第2の実施の形態では、飛しょう体100に搭載された電波誘導装置1及びその飛しょう体100について説明する。図6は、本発明による第2の実施の形態における電波誘導装置1を搭載した飛しょう体100の構成の一例を示す図である。図6を参照して、飛しょう体100は、電波誘導装置1、電波シーカ30、飛しょう制御装置40を具備する。電波誘導装置1は、演算装置10と記憶装置20を備える。演算装置10は、CPUに例示され、記憶装置20に格納された誘導プログラムを実行することで、指標設定部11、解析部12、経路設定部13、及び誘導制御部14の機能を実現する。記憶装置20は、半導体メモリ等に例示される外部記憶装置である。
指標設定部11、解析部12、経路設定部13の動作は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。ただし、解析部12がグレージング角の最大値“ψmax”を計算する場合、計算に利用するクラッタ反射条件(例えばクラッタ源300の反射断面積や、波高)は、図示しない外部装置から取得してもよいが、電波シーカ30によって測定されてもよい。
誘導制御部14は、経路設定部13において設定された飛しょう経路101上を飛しょうするように、電波シーカ30及び飛しょう制御装置40を制御する。詳細には、誘導制御部14は、飛しょう能力及び飛しょう経路101に基づいて飛しょう体100の速度、加速度、向き、姿勢を決定し、飛しょう制御装置40の操舵、推力を制御する。飛しょう制御装置40は、ジェットエンジンやロケットモータに例示される推力制御装置と、操舵翼に例示される飛しょう制御翼を備え、誘導制御部14からの指令に基づき、飛しょう体100の速度、加速度、飛しょう方向、姿勢を制御する。又、誘導制御部14は、設定された最大グレージング角、飛しょう経路101、目標200の推定位置等に基づいて、電波シーカ30の索敵方向や索敵時期を決定する。電波シーカ30は、誘導制御部14からの指令に応じた諸元で、レーダ波を照射する。この際、照射対象に対するグレージング角が設定されたグレージング角の最大値“ψmax”を越えないように、電波シーカ30や飛しょう制御装置40は制御される。
(飛しょう体の誘導方法)
図1A、図6及び図7を参照して、第2の実施の形態における飛しょう体100(電波誘導装置1)の動作の一例を説明する。図7は、本発明による第2の実施の形態における電波誘導装置1の動作の一例を示すフロー図である。本実施の形態では、第1指標及び第2指標の設定条件として、電波シーカ30を用いて測定されるクラッタ反射条件が利用される。クラッタ反射条件としては、クラッタ源300の反射断面積が好適に利用できる。以下では、クラッタ源300の反射断面積を設定条件として第1指標及び第2指標を設定し、飛しょう体100の飛しょう経路101を設定する動作を一例に説明する。
図7を参照して、飛しょう体100は、上述したステップS101の指標設定の前に、グレージング角の最大値“ψmax”(ダイブ角“θ”)を設定するための設定条件としてクラッタ反射条件を取得する(ステップS201)。ここでは、一例として電波シーカ30によってクラッタ源300の反射断面積“σc”が、クラッタ反射条件として測定される。飛しょう体100は、第1の実施の形態と同様に指標設定を行うとともに、測定された反射断面積“σc”を利用してグレージング角の最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”及び飛しょう経路101の設定を行う(ステップS101からS104)。
詳細には、ステップS201において、電波誘導装置1は、電波シーカ30を制御することで、飛しょう中に複数の異なるグレージング角でクラッタ源300にレーダ波を照射して複数の反射断面積“σc”を測定する。続くステップS101〜S103において、電波誘導装置1は、第1指標“σti”と、測定された反射断面積“σc”との比“σti/σc”が、閾値“σto/σco”を越えるグレージング角の1つをグレージング角の最大値“ψmax”として選択設定する。より具体的には、電波誘導装置1は、第1指標“σti”と測定された反射断面積“σc”との比“σti/σc”が、閾値“σto/σco”を越えるグレージング角“ψ”のうち、最も大きいグレージング角をグレージング角の最大値“ψmax”として設定する。このとき、設定されたグレージング角の最大値“ψmax”及びダイブ角“θ”は、目標検出可能な範囲内で最大の値となる。
クラッタ源300の反射断面積の測定値を利用してダイブ角を決定する方法は、これに限らない。例えば、電波誘導装置1は、第1指標“σti”と測定したクラッタ源300の反射断面積“σc”との比“σti/σc”が、閾値“σto/σco”を下回るまで、グレージング角を変更して(90度に近づけて)クラッタ源300の反射断面積“σc”を測定し、反射断面積比“σti/σc”が、閾値“σto/σco”を下回る直前のグレージング角をグレージング角の最大値“ψmax”として設定してもよい。尚、グレージング角の走査方向は、90度付近から0度に近づける方向とし、反射断面積比“σti/σc”が、閾値“σto/σco”を越えたときのグレージング角をグレージング角の最大値“ψmax”として設定してもよい。
クラッタ源300の反射断面積の測定値を利用することにより、実際のクラッタ源300の状況に応じたグレージング角の最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”、飛しょう経路101を設定することが可能となる。この際、目標200の特性や気象条件等に応じて変更可能に設定された第1指標“σti”との比と、閾値との比較結果を利用しているため、目標200の反射断面積の変化に応じたグレージング角の最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”、飛しょう経路101を設定することが可能となる。
第2の実施の形態における電波誘導装置1は、電波シーカ30によって測定されたクラッタ反射条件を利用してグレージング角の最大値“ψmax”を計算し、これに基づいてダイブ角“θ”、飛しょう経路101”を設定、又は変更する。このため、飛しょう体100は、飛しょう途中でも、目標200を検出可能な範囲で最適なダイブ角“θ”や飛しょう経路101を設定又は変更可能となる。
クラッタ源300が水面である場合、ステップS201において設定条件として利用されるクラッタ反射条件は、クラッタ源300の反射断面積“σc”に限らず、波高も好適に利用され得る。例えば、ステップS201において、電波誘導装置1は、電波シーカ30からクラッタ源300(ここでは水面)にレーダ波を照射し、波高を計測する。解析部12は、計測された波高に基づいて、ボーフォート指標“KB”を取得する。解析部12は、指標設定部11において設定された第2指標“σci”と、ボーフォート指標“KB”を式(2)に代入することでグレージング角の最大値“ψmax”を算出する。ここで、波高の計測回数については、1度の計測でもよいが、飛しょう中に複数回波高計測を行い、計測結果の統計結果(例えば平均値や中間値)をグレージング角の設定に利用する波高として取得してもよい。この際、計測結果の統計処理において、所定の上限値を超える波高や所定の下限値を下回る波高は排除されることが好ましい。あるいは、解析部12は、上述のように複数回計測された波高に基づいて、複数のグレージング角の最大値“ψmax”を計算し、これらの統計結果(例えば平均値や中間値)を、グレージング角の最大値“ψmax”として設定してもよい。この際、計算結果の統計処理において、所定の上限値を超えるグレージング角や、所定の下限値を下回るグレージング角は排除されることが好ましい。尚、波高を複数回計測する場合、クラッタ源300に対して同じグレージング角でレーダ波を照射することが好ましい。
本実施の形態における飛しょう体100は、飛しょう中、第1指標や第2指標の設定条件(例えば、目標200やクラッタ源300の反射断面積に影響のある気象条件)、あるいは、グレージング角の計算に利用される気象情報(天候や波高や風の強さ)の条件を、外部装置(図示なし)から取得してもよい。
本実施の形態におけるグレージング角の設定や飛しょう経路101の設定は、飛しょう中において定期的又は任意のときに行われる。これにより、気象条件等が変化した場合や目標近傍において発射時には特定できなかった条件が明らかになった場合のように、発射時の初期条件と実条件が変化した場合に対応して最適な飛しょう経路101、特にダイブ角を設定することが可能となる。従って、本発明による飛しょう体100は、飛しょう途中でもダイブ角を変更し、飛距離の延伸や、目標到達精度を向上させることが可能となる。
以上のように、本発明による電波誘導装置1は、レーダ波に対する照射対象の反射断面積の設計指標を、気象条件、照射対象の特性、レーダ性能に基づいて変更可能に設定している。電波誘導装置1は、このように変更可能に設定した設計指標に基づいて、グレージング角の最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”、飛しょう経路101を設定するため、目標200の検出可能な範囲で、最適なダイブ角“θ”や飛しょう距離を設定することが可能となる。又、従来のように固定的に設定された設計指標や波高を用いてダイブ角が決定される場合、シークラッタが過大に推定され、実際に探知可能なダイブ角よりも小さいダイブ角に設定されることや、シークラッタが過小に推定され、飛しょう距離が飛しょう可能な距離よりも短くなることがある。一方、本発明では、従来固定的に設定されていた波高(シーステートとも称す)を、実状況に応じて変更可能に設定し、これを利用してグレージング角のグレージング角の最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”、飛しょう経路101を設定している。このため、本発明では、波高に応じて変化するクラッタ量を考慮した最適なグレージング角の最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”、飛しょう経路101を設定することができる。この結果、目標検出能力の低下を抑制しながら、ダイブ角を最大とし、降下開始位置105をより目標200近傍にすることで燃費効率が高くなる高空巡航経路を延伸することが可能となる。すなわち本発明によれば、飛しょう体100の飛しょう距離を延伸することが可能となる。
又、設計指標を任意に変更することから、グレージング角の最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”、飛しょう経路101を任意に設定することが可能となる。これにより、目標200の種類、形状、大きさ、表面構造、あるいは、目標200との距離に応じた最適なダイブ角“θ”や飛しょう経路101を選定できる。特に、電波誘導装置1を飛しょう体100に搭載することにより、飛しょう中に最適なダイブ角“θ”や飛しょう経路101に変更可能となる。又、本発明による飛しょう体100は、設計指標の設定条件や波高(風の強さ)を、他の装置(例えば気象レーダ)から取得できない場合でも、電波シーカ30を利用して測定した波高を用いて最大値“ψmax”、ダイブ角“θ”、飛しょう経路101を設定することができる。すなわち、本発明によれば他のシステムを利用せず、飛しょう体100が自己完結的に飛しょう経路101を決定することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。上記の実施の形態では、クラッタ源300として水面(海面)を例として説明したが、クラッタ源300として目標200区別する対象(例えば、地表面)であれば、これに限らない。
1 :電波誘導装置
10 :演算装置
11 :指標設定部
12 :解析部
13 :経路設定部
14 :誘導制御部
20 :記憶装置
30 :電波シーカ
40 :制御装置
100 :飛しょう体
101 :飛しょう経路
102 :照射方向
103 :目標反射波
104 :クラッタ
105 :降下開始位置
200 :目標
201 :仮想平面
300 :クラッタ源
400 :発射台

Claims (20)

  1. 飛しょう体から照射されるレーダ波によって目標を識別することにより、前記飛しょう体を前記目標に誘導する電波誘導方法において、
    前記レーダ波による照射対象の反射断面積の設計指標を変更可能に設定するステップと、
    前記設計指標に基づいて、前記目標に対する前記レーダ波のグレージング角の最大値を決定するステップと
    を具備する
    電波誘導方法。
  2. 請求項1に記載の電波誘導方法において、
    前記グレージング角の最大値に基づいて前記飛しょう体のダイブ角を設定するステップを更に具備する
    電波誘導方法。
  3. 請求項に記載の電波誘導方法において、
    前記ダイブ角に基づいて前記飛しょう体の飛しょう経路を設定するステップを更に具備する
    電波誘導方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電波誘導方法において、
    前記設計指標は、クラッタ源の反射断面積を規定した指標を含み、
    前記クラッタ源の反射断面積を規定した指標は変更可能に設定され、
    前記グレージング角の最大値は、前記クラッタ源の反射断面積を規定した指標に基づいて設定される
    電波誘導方法。
  5. 請求項4に記載の電波誘導方法において、
    前記飛しょう体が、前記クラッタ源の反射断面積を測定するステップを更に具備し、
    前記グレージング角の最大値は、前記測定された反射断面積に基づいて設定される
    電波誘導方法。
  6. 請求項4に記載の電波誘導方法において、
    前記グレージング角の最大値は、変更可能に設定される波の高さに基づいて設定される
    電波誘導方法。
  7. 請求項6に記載の電波誘導方法において、
    前記飛しょう体が、前記波の高さを検出するステップを更に具備し、
    前記グレージング角の最大値は、前記検出された波の高さに基づいて設定される
    電波誘導方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の電波誘導方法において、
    前記設計指標は、前記目標の反射断面積を規定した指標を含み、
    前記目標の反射断面積を規定した指標は変更可能に設定され、
    前記グレージング角の最大値は、前記目標の反射断面積を規定した指標に基づいて設定される
    電波誘導方法。
  9. 請求項8に記載の電波誘導方法において、
    前記目標の反射断面積を規定した指標と、クラッタ源の反射断面積を規定した指標との比が、所定の閾値を超えるように、前記設計指標が設定される
    電波誘導方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の電波誘導方法を演算装置に実行させる誘導プログラム。
  11. 飛しょう体から照射されるレーダ波によって目標を識別することにより、前記飛しょう体を前記目標に誘導する電波誘導装置において、
    前記レーダ波による照射対象の反射断面積の設計指標を変更可能に設定する指標設定部と、
    前記設計指標に基づいて、前記目標に対する前記レーダ波のグレージング角の最大値を決定する解析部と
    を具備する
    電波誘導装置。
  12. 請求項11に記載の電波誘導装置において、
    前記グレージング角の最大値に基づいて前記飛しょう体のダイブ角を設定する経路設定部を更に具備する
    電波誘導装置。
  13. 請求項12に記載の電波誘導装置において、
    前記経路設定部は、前記ダイブ角に基づいて前記飛しょう体の飛しょう経路を設定する
    電波誘導装置。
  14. 請求項11から13のいずれか1項に記載の電波誘導装置において、
    前記設計指標は、クラッタ源の反射断面積を規定した指標を含み、
    前記指標設定部は、前記クラッタ源の反射断面積を規定した指標を変更可能に設定し、
    前記解析部は、前記クラッタ源の反射断面積を規定した指標に基づいて前記グレージング角の最大値を設定する
    電波誘導装置。
  15. 請求項14に記載の電波誘導装置において、
    前記解析部は、電波シーカを制御して前記クラッタ源の反射断面積を測定し、前記測定された反射断面積に基づいて前記グレージング角の最大値を設定する
    電波誘導装置。
  16. 請求項14に記載の電波誘導装置において、
    前記解析部は、変更可能に設定される波の高さに基づいて前記グレージング角の最大値を設定する
    電波誘導装置。
  17. 請求項16に記載の電波誘導装置において、
    前記解析部は、電波シーカを制御して前記波の高さを検出し、前記検出した波の高さに
    基づいて前記グレージング角の最大値を設定する
    電波誘導装置。
  18. 請求項11から17のいずれか1項に記載の電波誘導装置において、
    前記設計指標は、前記目標の反射断面積を規定した指標を含み
    前記指標設定部は、前記目標の反射断面積を規定した指標を変更可能に設定し、
    前記解析部は、前記目標の反射断面積を規定した指標に基づいて前記グレージング角の最大値を設定する
    電波誘導装置。
  19. 請求項18に記載の電波誘導装置において、
    前記指標設定部は、前記目標の反射断面積を規定した指標と、クラッタ源の反射断面積を規定した指標との比が、所定の閾値を超えるように、前記設計指標を設定する
    電波誘導装置。
  20. 請求項11から19のいずれか1項に記載の電波誘導装置と、
    前記グレージング角の最大値に基づいて設定される飛しょう経路を飛しょうするように制御される飛しょう制御装置と
    を具備する
    飛しょう体。
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