以下、本実施形態の照明器具1について図に基づいて説明する。以下の説明では図1に示す各々の矢印の方向を前後方向、上下方向、左右方向と規定して説明する。なお、この方向は説明の便宜上定義し、実際の使用状態での方向を上記の方向に限定する趣旨ではない。
照明器具1は、例えば建物の造営面(壁材など)に取り付けられるスポット照明器具として用いられる。また、照明器具1の設置場所や角度を変えることなく照明範囲を変更できるように、光源からの光の配光を制御する配光制御部材を着脱自在に取り付けられるように構成されている。
また照明器具1は、屋外でも使用できるように、水の浸入を抑制したい箇所には部材間に弾性部材(例えばパッキンなど)を挟むなどして防水性を高めている。
照明器具1は、図1および図2に示すように、ケース5(器具ケース)と、ケース5を支持する支持部6とを備えている。
ケース5は、アルミダイカスト成型品からなり、一端(本実施形態では下端)が開放された有底筒状に形成されている。ケース5の内側には、後述する光源ユニット2が収納される。ケース5の底面(本実施形態では上面)を形成している枠51(底面)には、光源ユニット2からの光を取り出す窓孔52が形成されている。
ケース5の開口部(本実施形態では下向きの開口部)の縁には、図3に示すように、凸部506が形成されている。支持部6の開口端の縁には、凸部506に嵌る環状の溝505が形成されている。ケース5の凸部506を溝505に嵌めた状態でケース5が支持部6に取り付けられる。
ケース5および光源ユニット2は、支持部6にねじ止めされる。支持部6は、アルミダイカスト成型品からなり、ケース5とほぼ同じ直径の円筒状に形成されていて、ケース5が取り付けられた状態で支持部6の周面はケース5の周面と面一となる。
支持部6の周面(本実施形態では図1の左側の周面)には、ヒンジ部71が設けられている。ヒンジ部71は、支持部6と一体成型されたアルミダイカスト成型品からなる。ヒンジ部71は、円筒状に形成され、軸が支持部6の径方向(本実施形態では前後方向)となるように設けられている。ヒンジ部71の前面には、ヒンジ部71とほぼ同じ直径を有する円筒状に形成されたヒンジ部72が配置される。ヒンジ部71とヒンジ部72とは同軸となるように前後方向に重ねて配置される。ヒンジ部71とヒンジ部72とには、軸にボルトを通すための孔73が形成されていて、孔73を通されたボルトとナットとでヒンジ部71とヒンジ部72とが挟まれて互いの位置が規制される。また、ボルトを緩めることによりヒンジ部71とヒンジ部72とが互いにボルトを軸として回転自在となる。
ヒンジ部72の周面(本実施形態では図1の左側の周面)には、筒状の腕部74が形成されている。腕部74は軸が左右方向に沿うように配置されていて、固定部8に取り付けられる。腕部74の先端部分(本実施形態では図1の左端部分)には開口部が形成されていて、腕部74の周面にはねじ孔75が形成されている。ねじ孔75については後述する。
ヒンジ部71、ヒンジ部72、腕部74および固定部8は各々中空に形成されていて、各々の内部を電線が通る。電線は商用電源と電源ユニット(後述)とを電気的に接続する。
固定部8は、造営面に取り付けられた取付金具などにねじ止めされて取り付けられる。固定部8は、例えばアルミダイカスト成型品からなり、有底筒状に形成されていて、一端が開口している。固定部8の底面には外向きに張り出す円筒状の凸部および凸部の周面を外側から覆う周壁81が形成されている。凸部および周壁81は各々、固定部8と同軸な中空円筒状に形成されている。凸部を腕部74の内側に挿入すると、凸部の周面がねじ孔75と対向し、ねじ孔75にねじをねじ込むことで腕部74が固定部8に対して位置決めされる。また、ねじを緩めることで腕部74は固定部8に対して凸部を軸として回転自在となる。
ヒンジ部71,72を通るねじと、ねじ孔75にねじ込まれるねじとを各々締めこむことで、ケース5の向きが造営面に対して固定される。
ヒンジ部71,72を通るねじと、ねじ孔75にねじ込まれるねじとを各々緩めると、ケース5の向きを変更することができる。これにより、固定部8が造営面に取り付けられた状態でケース5から放射される光の方向を調整できる。
なお、本実施形態ではケース5、支持部6、および固定部8は各々アルミダイカスト成型品からなるが、適宜の材料で形成されていてもよい。
次に、ケース5の内側の構造について図3、図4、および図5を参照して説明する。なお、図5では、説明をわかりやすくするために光源ユニット2および保持部材4のみを図示して他の部材を省略している。
ケース5は、光源ユニット2と、配光制御部材3と、保持部材4とを内部に収納する。
ケース5の底面(本実施形態では上面)には、図3に示すように、枠51と窓孔52とが形成されている。窓孔52はケース5と同軸となる位置に形成され、パネル501で覆われている。
パネル501は透光性の材料(例えば強化ガラスなど)により円板状に形成されている。パネル501の縁部分は全周がパッキン502に覆われている。パッキン502は弾性素材(例えばエチレンプロピレンゴムなど)で円環状に形成されていて、円環の内周面に形成された溝508にパネル501の縁部分を嵌めて保持している。
パッキン502の外周面には鍔503が形成されていている。パッキン502は、鍔503に形成された孔を通るねじ504によって枠51の下面にねじ止めされている。パッキン502は、枠51とパネル501とで挟まれて隙間を埋めることにより窓孔52からケース5内部に水や埃などが侵入することを抑制している。
窓孔52の下方には、円筒状の光源ユニット2が窓孔52と同軸となるように配置されている。
光源ユニット2は、開口端24を有する有底円筒状の筐体22と、底板25と、開口端24を覆うレンズ26と、筐体22に収納されるLED(Light Emitting Diode)21(光源)とを備えている。
筐体22は、有底円筒状の下側筐体221と、有底円筒状の筒状の外側筐体222と、両端が開口した円筒状の内側筐体223とを有する。
筐体22の下面(下側筐体221の底面)には、図4に示すように、円板状の底板25が配置される。底板25の上面には、角柱状の放熱部251が一体に形成されている。底板25は、例えばアルミダイカスト成型品からなる。放熱部251は、後述するLEDモジュール212に熱的に接合されてLED21の熱を放熱するために設けられている。
放熱部251の上面には、後述するホルダ211を固定するためのねじ穴が形成されている。
下側筐体221は、開口部が上向きとなるように底部226が下側に配置される。下側筐体221は、直径がおよそ底板25の直径とほぼ同じ寸法となるように形成されている。下側筐体221の底部226には、放熱部251の周囲を覆う覆い部225が上向きに張り出すように形成されている。覆い部225は上下方向から見て角筒状に形成されていて、筒内部は軸方向(上下方向)に貫通している。覆い部225の内部には放熱部251が配置される。覆い部225の張り出し寸法(高さ寸法)は、放熱部251の高さ寸法とほぼ同じ寸法に形成されていて、覆い部225の縁部分と放熱部251の上面とは面一になるように形成されている。
覆い部225と下側筐体221の内周面との間には、LED21を発光させるための電力を供給する電源ユニットが配置される。電源ユニットは、例えば入力される交流電圧をスイッチング電源などによって所望の直流電圧に変換して、LED21に出力するように構成される。なお、電源ユニットを構成する回路素子は、基板27上(上面および下面)に実装されているが、本実施形態では電源ユニットの回路素子の図示を省略している。
基板27は、円板状に形成され、中央部分には覆い部225の外周の形状に沿う孔271が形成されている。基板27の外周部分は、下側筐体221の内側面に沿うように形成されている。基板27は、孔271に覆い部225を通した状態で底部226と平行するように下側筐体221内に取り付けられる。基板27は、例えば下側筐体221の内側面の突起と、覆い部225の外側面の突起とに接して位置規制される。
下側筐体221の内側には、LEDモジュール212が開口部から露出するように配置される。LEDモジュール212は、矩形状の基板を有し、その基板上にLED21が実装されている。LEDモジュール212は、レンズ26(開口端24)と平行するように配置されていて、LED21は開口端24に向かって光を放射する。
LEDモジュール212は、外周部分を樹脂製のホルダ211に保持されている。ホルダ211は、LEDモジュール212よりも上下左右の寸法が大きい矩形状に形成されていて、中央部分にLED21を露出させる孔が形成されている。ホルダ211は、LED21を露出させた状態でLEDモジュール212を保持する。ホルダ211には、ねじ213を通すための孔が形成されていて、ねじ213を放熱部251のねじ穴にねじ込むことにより、LEDモジュール212と放熱部251とが接して熱的に結合される。LED21の点灯時に発生する熱は、放熱部251を介して底板25に伝わり放熱される。
内側筐体223は、下側筐体221と同軸となるように配置されている。内側筐体223の内周面には、内周面の全周から斜め下方向(LED21に向かう方向)に張り出した反射板28が形成されている。反射板28の中央部分(つまりLED21と対向する部位)には窓孔281が形成されている。反射板28は、窓孔281を通ったLED21の光を開口端24に向けて反射する。
反射板28の下面には、下方向(LEDモジュール212に向かう方向)に張り出すように形成されてホルダ211の縁に引っかかる係止部282が設けられている。係止部282と内側筐体223の外周部分とにより、反射板28がLED21に対して位置規制されている。
内側筐体223の下側の開口端の外周部分は、環状のパッキン227の内周面に接している。パッキン227は、外側筐体222の開口端と、下側筐体221の開口端とで挟まれて位置規制されている。パッキン227は、外側筐体222の開口端と下側筐体221の開口端と内側筐体223の下側の開口端とに接して各々の隙間を埋めることにより筐体22の気密性を高めている。また、パッキン227は、内側筐体223の下側の開口端に接して内側筐体223の径方向への位置ずれを抑制している。
外側筐体222は下向きに開口部を有していて上面にレンズ26が設けられた円筒状に形成されている。レンズ26は、透光性の部材で形成された外側筐体222の底部を構成し、内側筐体223の開口端24を覆う位置に配置される。レンズ26は、例えばフレネルレンズで構成されていて、LED21および反射板28からの放射状の光を平行光にするために設けられている。外側筐体222の下端からレンズ26の下面までの寸法は、内側筐体223の軸方向の寸法(高さ寸法)とほぼ同じ寸法となるように形成されている。本実施形態の外側筐体222は、内側筐体223の開口端24にレンズ26を配置し、且つ内側筐体223の外周を覆う覆い部である。
なお、本実施形態の筐体22は上記構成を有しているが、光源ユニット2が上記構成の筐体22を有することに限定される趣旨ではない。光源ユニット2は、光源およびその光源を有する筐体を備えていてその筐体に設けられた開口端から光源の光を放射するように構成されていれば、任意の構成でもよい。
外側筐体222の外周面には、図5に示すように、軸方向に沿う3本の溝23が形成されている。溝23は、レンズ26の上面まで達するように形成されている。外側筐体222のうち最も右側に位置する外周部分(図7の右側)に1本の溝23が形成され、そこから外側筐体222の軸を中心に120度ずつ異なる位置に溝23が形成されている。溝23の形状は、上下方向から見て円筒状となるように形成されている。なお、溝23の形状は、円筒状に限定されず、矩形状や多角形状などの適宜の形状でよい。また、溝23の本数は3本に限定されず、任意の数だけ形成されていてよい。さらに、溝23の位置は、光源ユニット2の外周面に形成されていれば適宜の位置でよい。
外側筐体222および下側筐体221には各々、軸方向に沿ってねじ29が挿入される孔が形成されている。この孔は、外側筐体222および下側筐体221で同軸となるように形成されていて、外側筐体222および下側筐体221を貫く。ねじ29は、外側筐体222から底板25に向かって挿入され、底板25のねじ孔にねじ込まれる。ねじ29は、ねじ頭と底板25とで外側筐体222の周壁と下側筐体221の周壁とを挟んで固定する。本実施形態では、3本のねじ29が底板25のねじ孔にねじ込まれている。
レンズ26の上面に形成されたこのねじ孔の開口部分には、ねじ29のねじ頭の高さ寸法よりもわずかに深い段部が形成されていて、レンズ26の上面からねじ29のねじ頭が張り出さないようになっている。なお、本実施形態の光源ユニット2は3本のねじ29を有しているが、外側筐体222と下側筐体221と底板25とが固定される適宜の手段を有していれば、ねじ29を有していなくてもよい。
下側筐体221には、溝23に対応する部位に溝224が形成されている。溝224は、溝23と直線をなすように軸方向に沿って形成されている。底板25のうち溝224に対応する部位に孔252が形成されていて、溝224側から孔252に通されたねじが支持部6にねじ込まれて光源ユニット2が支持部6に取り付けられる。本実施形態では、孔252は3個形成されている。なお、光源ユニット2を支持部6に適宜の方法で取り付けることができる場合には、溝224および孔252を省略することができる。
なお、筐体22は、外側筐体222、内側筐体223、下側筐体221を有する構成に限定されず、有底筒状に形成されていて開口端から光源の光を放射するように構成されていて、外側面に溝23が形成されていればよい。
ケース5と光源ユニット2とは各々、図3に示すように、支持部6にねじ止めされる。支持部6には、上方に張り出す円柱61が形成されている。円柱61には軸にねじ穴が形成されていて、底板25を通るねじがねじ込まれる。底板25の孔252を通されたねじが円柱61のねじ穴にねじ込まれて、光源ユニット2が支持部6に取り付けられる。また、支持部6の下方から通されたねじをケース5のねじ穴507(図7参照)にねじ込まれて、ケース5が支持部6に取り付けられる。なお、支持部6は、ケース5と光源ユニット2とを固定できるように構成されていればよく、円柱61や溝505を省略してもよい。
光源ユニット2の開口端24側(本実施形態ではレンズ26の上面側)には、円板状の配光制御部材3と、保持部材4とが配置されている。配光制御部材3は、例えば入射光の入射角度よりも放射光の放射角度を大きくするように構成されていて、LED21の光を拡散して、より広い範囲を照らすために用いられる。なお、配光制御部材3は、光の照射範囲を広げることに限定されず、光の照射範囲を狭めたり、光の色や偏光方向を変えたりするなどの適宜の配光制御を行う部材でよい。
保持部材4は、図5に示すように、弾性部材(本実施形態ではシリコンゴム)からなり、両端が開口した円筒状に形成されている。保持部材4の内周面には、全周に溝402が形成されていて、溝402に配光制御部材3の縁部分を嵌めこむことにより配光制御部材3が保持部材4に保持される。
保持部材4には、径方向に張り出した鍔部42と、下面から軸方向に張り出したリブ41とが形成されている。
リブ41は、保持部材4において、開口端24と対向する面(本実施形態ではレンズ26と接する面)に設けられる。リブ41は、外側筐体222の外周面の溝23に対応する部位に形成される。リブ41は、上下方向から見て溝23の直径よりもやや大きい直径の円柱状に形成されている。そのためリブ41は溝23に挿入される際に弾性変形し、溝23の周壁を押し付けた状態で溝23に嵌る。リブ41が溝23に嵌ることで保持部材4が光源ユニット2に対して位置決めされ、配光制御部材3が開口端24と対向する位置に保持される。配光制御部材3に入射した光は、窓孔401を通って外部に放射される。
鍔部42は、外側筐体222の開口端と接する面と面一になるように外周面の下寄りの部位から径方向に張り出している。なお、本実施形態の鍔部42は、保持部材4の外周面のうち、左右方向の外周面から張り出していて、前後方向の外周面から張り出していない(図7参照)が、この構成に限定されず、例えば保持部材4の外周面の全周から張り出していてもよい。
鍔部42における外側筐体222の開口端と接する面と反対の面(本実施形態では鍔部42の上表面)には、ケース5の内周面に形成された規制部53が接する。規制部53は、ケース5の内周面から張り出す角柱状に形成されている。規制部53は、保持部材4が外側筐体222から離れないように保持部材4の軸方向への移動を規制している。
ここで、保持部材4が配光制御部材3をレンズ26の上面(つまり開口端24を覆う位置)に配置して保持する構成について図6および図7を参照して説明する。
図6に示すように、リブ41を溝23に嵌めて保持部材4をレンズ26の上面に配置すると、配光制御部材3がレンズ26の上面を覆う。3本のリブ41が各々溝23に嵌っているため、保持部材4は、配光制御部材3が外側筐体222の軸方向と直交する方向(本実施形態における前後左右方向)に対してずれることを抑制している。なお、本実施形態ではリブ41は3本で構成されているが、リブ41と溝23とは同じ数設けられていれば任意の数設けられていてもよい。
リブ41が溝23に嵌っている状態でケース5を支持部6に取り付けると、鍔部42の上面(つまり鍔部42における外側筐体222と接している面と反対側の面)に規制部53が接する。そのため、保持部材4は溝23に沿う方向(外側筐体222の軸方向)への移動が規制されて、リブ41が溝23から抜けにくくなっている。
規制部53は、図7に示すように、本実施形態ではケース5の内側面の4個形成されている。規制部53は、ケース5の右側の内周面(図7の右側)に2個形成されていて、最も右側に配置されるリブ41の前後方向(図7の上下方向)に各々配置されている。他の2個の規制部53は、ケース5の中心と左右対称な位置に形成されている。
規制部53は、鍔部42の上面における外周寄りの部位に接するように形成されている。規制部53の位置をレンズ26(開口端24)から遠ざけることにより、規制部53がLED21の光を遮りにくくなっている。
3本のリブ41が各々溝23に嵌められた状態で規制部53が鍔部42に接して保持部材4の軸方向への移動を規制しているので、保持部材4は外側筐体222に対して位置ずれしにくくなる。したがって、保持部材4に保持されている配光制御部材3がレンズ26の上面(つまり筐体22の開口端24を覆う位置)で保持されている。
ここで、配光制御部材3の交換手順について図3を参照して説明する。
配光制御部材3は、保持部材4に保持された状態で、光源ユニット2の上面とケース5の規制部53との間に配置されている。
ケース5を支持部6から取り外すと、支持部6から光源ユニット2が上方に突き出た形となり、光源ユニット2の上面から保持部材4と配光制御部材3とが露出する。作業者は、保持部材4を上方に移動させて、3本のリブ41を各々溝23から抜いて、配光制御部材3を光源ユニット2から取り外す。作業者は、別の保持部材4にあらかじめ取り付けられている別の配光制御部材3を、光源ユニット2の上面に置く。別の配光制御部材3とは例えば、元の配光制御部材3と同じ配光特性を有する交換部品や、配光特性の異なる配光制御部材などである。作業者は、3本のリブ41を各々の溝23に合わせて下方向にリブ41を押し込むことにより、リブ41が弾性変形して溝23に嵌る。リブ41は溝23に嵌った状態で弾性変形しているため、リブ41の周面が溝23の周面に押し付けられ、摩擦力により保持部材4が光源ユニット2の上面から離れにくくなっている。そのため作業者が配光制御部材3を光源ユニット2の上面に仮保持させやすくなり、配光制御部材3の交換作業をしやすくなる。
なお、配光制御部材3を交換する際に、保持部材4および配光制御部材3を1組と考えて新しい1組に交換してもよいし、保持部材4から配光制御部材3を取り外し、元の保持部材4に新しい配光制御部材3を取り付けて光源ユニットに取り付けてもよい。
光源ユニット2の上面に交換後の配光制御部材3および保持部材4が取り付けられた状態で、ケース5を支持部6に取り付けると、規制部53が鍔部42の上面に接する。ケース5を支持部6に取り付けて、支持部6の孔を通したねじをケース5のねじ穴507(図7参照)にねじ込むと、ケース5と支持部6とが固定される。このとき、ケース5の規制部53が保持部材4の鍔部42に接して保持部材4を外側筐体222の上面の縁部分に押し付ける。保持部材4は、本実施形態ではシリコンゴムで形成されているので、規制部53と外側筐体222とに挟まれて弾性変形した状態で、配光制御部材3を保持している。そのため保持部材4と光源ユニット2との密閉性が高まり、光源ユニット2内に水や埃などが浸入することを抑制できる。
以上説明したように、本実施形態の照明器具1は、光源ユニット2と、配光制御部材3と、保持部材4と、ケース5(器具ケース)と、光源ユニット2およびケース5を支持する支持部6とを備えている。光源ユニット2は、LED21(光源)、および一端(本実施形態では開口端24)が開放された有底筒状に形成されLED21を内部に収納して前記一端からLED21の光を取り出す筐体22を有する。配光制御部材3は、LED21の光の配光を制御する。保持部材4は、筐体22(内側筐体223)の開口端24に配光制御部材3を配置して保持する。ケース5は、一端が開放された有底筒状に形成され、枠51(底面)にはLED21の光を取り出す窓孔52が形成され、光源ユニット2、配光制御部材3、および保持部材4を内部に収納する。支持部6は、光源ユニット2およびケース5を支持する。筐体22の外側面には、軸方向に沿って開口端24に達する溝23((本実施形態ではレンズ26の上面に達する溝23)が形成されている。保持部材4における筐体22と接する部分のうち溝23に対応する部位には、溝23に嵌るリブ41が形成されている。ケース5の内側面(本実施形態では内周面)には、保持部材4における筐体22と接する部分の反対側に接して保持部材4の移動を規制する規制部53が形成されている。
作業者がケース5を支持部6から取り外して光源ユニット2を露出させると、配光制御部材3および保持部材4が露出するので、配光制御部材3の交換作業がしやすい。また、リブ41を溝23に嵌めることにより配光制御部材3が開口端24を覆った状態で光源ユニット2に位置決めされ、配光制御部材3を光源ユニット2に仮保持させやすいので、配光制御部材3の交換作業がしやすい。さらに、保持部材4が、規制部53と光源ユニット2とで挟まれて位置規制されるので、保持部材4を位置規制するための部材(例えばねじなど)が不要となり、照明器具1に必要な部品数を減らすことができることも好ましい。
本実施形態の照明器具1において、保持部材4は、光源ユニット2と規制部53とで挟まれた状態で弾性変形する弾性素材(本実施形態ではシリコンゴム)で形成されることも好ましい。リブ41は、溝23に嵌った状態で弾性変形する弾性素材(本実施形態ではシリコンゴム)で形成されていることも好ましい。保持部材4は、光源ユニット2と規制部53とで挟まれた状態で弾性変形するので、保持部材4が光源ユニット2と規制部53とに接して安定した状態で配光制御部材3を保持できる。また、配光制御部材3を交換する際に、保持部材4を光源ユニット2の上面に配置してリブ41を溝23に押し込むとリブ41が弾性変形して溝23に嵌るので抜けにくくなる。保持部材4が光源ユニット2の上面に安定して仮保持されるので、配光制御部材3の交換作業がしやすくなる。
リブ41と溝23とは各々、複数形成されていることが好ましい。複数のリブ41が対応する溝23に嵌ることにより、保持部材4および配光制御部材3が筐体22の径方向および周方向に位置ずれしにくくなる。
保持部材4には、光源ユニット2の軸方向と直交する方向(本実施形態では光源ユニット2の径方向)に張り出て規制部53と接する鍔部42が形成されていることも好ましい。保持部材4に鍔部42を形成することで、規制部53が接する面積を大きくすることができるので、保持部材4の位置ずれを抑制しやすくなる。
規制部53は、ケース5(器具ケース)の内側面(本実施形態では内周面)から張り出すリブ状に形成されていることも好ましい。ケース5を形成する際に規制部53も形成できるので、規制部53を有するケース5を効率よく形成できる。
ここで、本実施形態の変形例として、規制部53にテーパ部531を形成したケース5について図8を参照して説明する。
変形例の規制部53には、ケース5の径方向と直交する面にテーパ部531が形成されている。
テーパ部531は、規制部53におけるケース5の内周面から径方向への張出寸法を、光源ユニット2から離れるにつれて小さくすることで形成されている。テーパ部531を規制部53に形成することにより、LED21および反射板28から窓孔52に向かう光が規制部53に遮られにくくなり、光の取り出し効率を上げることができる。また、光の取り出し効率をさらに上げるために、枠51のうちテーパ部531よりも内側に張り出す部位の寸法を小さくして直径を大きくした窓孔52を形成してもよい。
以上説明したように、本実施形態の照明器具1において、規制部53は、ケース5(器具ケース)の軸と直交する方向の張り出し寸法が前記光源ユニットから離れるにつれて小さくなるテーパ部531を有することが好ましい。ケース5の軸と直交する方向とは、本実施形態では、ケース5の径方向のことである。テーパ部531を規制部53に形成することにより、LED21および反射板28から窓孔52に向かう光が規制部53に遮られにくくなり、光の取り出し効率を上げることができる。
なお、テーパ部は、規制部53のうちケース5の内周面と直交する面にも形成されていてよい。例えば、図8に示すように、規制部53のうちケース5の内周面と直交し且つケース5の軸と平行する面(側部532)にもテーパ部が設けられ、規制部53の厚さ寸法(周方向の幅寸法)が光源ユニット2から離れるにつれて小さくなってもよい。つまり、規制部53の厚さ寸法(ケース5の周方向に沿う幅寸法)および高さ寸法(ケース5の径方向に沿う幅寸法)のうち少なくとも一方の寸法が光源ユニット2から離れるにつれて小さくなるようにテーパ部が構成されていればよい。
また、本実施形態の規制部53は、ケース5の内周面から張り出す角柱状に形成されているが、角柱状に限定されず、円柱状や多角形の柱状でもよい。また規制部53は、ケース5の内周面から張り出すことに限定されず、枠51の下面から張り出していてもよい。
さらに規制部53は、ケース5の内周面の全周からケース5の軸に向かって環状に張り出すように形成されてもよい。規制部53を環状に形成すると、規制部53が鍔部42と接する面積が大きくなるので、保持部材4を光源ユニット2に押し付ける力が大きくなり、保持部材4と光源ユニット2との位置ずれが起きにくくなる。また、保持部材4と光源ユニット2との間に隙間ができにくくなるので、水や埃などが光源ユニット2に侵入しにくくなる。なお、環状の規制部53は、ケース5の内周面に形成されるほかにも、例えば枠51(底面)の下面から光源ユニット2を向く方向に張り出すように形成されてもよい。
さらに、環状に形成された規制部53に、上述したテーパ部を設けてもよい。例えば、環状の規制部53の径方向の内向きの張出寸法を、光源ユニット2から離れるにつれて小さくしたテーパ部を形成し、環状の規制部53の開口部分の直径が光源ユニット2から離れるにつれて大きくすると、規制部53がLED21の光を遮りにくくなる。
以上説明したように、本実施形態の照明器具1において、規制部53は、ケース5(器具ケース)の内側面(本実施形態では内周面)の全周から張り出す環状に形成されていてもよい。環状の規制部53は、リブ状の規制部53に比べて鍔部42と接する面積が大きいので、保持部材4を光源ユニット2に押し付ける力を大きくすることができ、保持部材4の位置ずれを抑制しやすくなる。
なお、本実施形態の規制部53とリブ41とは各々、図7に示す位置に配置されているが、この配置に限定される趣旨ではない。例えば、規制部53はリブ41と同軸となる位置(つまりリブ41の真上)に設けられていてもよい。また、規制部53は、鍔部42が形成されていない保持部材4の場合、配光制御部材3の上面を覆う部位に接して保持部材4および配光制御部材3の位置を規制してもよい。
本実施形態の筐体22の開口端24は、レンズ26で覆われているが、レンズ26は省略されてもよい。その場合、例えば筐体22は、有底筒状に形成され開口端から光源の光を放射するように構成されていて、且つ開口端に達する溝が筐体22の外周面に形成されていればよい。
本実施形態の配光制御部材3は円板状に形成されているが、配光制御部材3の形状は円板状に限定されず、保持部材4に保持される適宜の形状でよく、例えば矩形板状や、平板状ではない形状(例えば球面レンズなど)でもよい。
また、ケース5、支持部6、および筐体22の形状は、円筒状に限定されず、角筒状などの断面形状が多角形の筒状でもよい。
本実施形態のLEDモジュール212は、レンズ26(開口端24)と平行するように配置されているが、この配置に限定されず、LEDモジュール212は、LED21が開口端24に向かって光を放射できるように配置されていればよい。