JP6413560B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
図1Aは実施形態1に係る表示装置の回路図であり、図1Bは実施形態1に係る表示装置のタイミングチャートである。図1A、図1Bに示すように、実施形態1に係る表示装置は、複数の発光素子1〜4と、複数の発光素子1〜4の一端に接続された複数の共通ラインCOM1、2と、複数の発光素子1〜4の他端に接続された複数の駆動ラインSEG1、2と、複数の共通ラインCOM1、2を第1走査周期T1で走査するソースドライバと、複数の駆動ラインSEG1、2のうち点灯対象となる発光素子に接続されている1つ以上の駆動ラインSEG1、2から電流を引き込むシンクドライバと、を備えた表示装置であって、ソースドライバは、第1走査周期T1での走査を開始する前に、複数の共通ラインCOM1、2のすべてまたは一部を第1走査周期T1より短い第2走査周期T6で走査する表示装置である。以下、詳細に説明する。
複数の発光素子1〜4には、例えば図1に示した発光ダイオードを用いる。
複数の共通ラインCOM1、2は複数の発光素子1〜4の一端に接続されており、複数の駆動ラインSEG1、2は複数の発光素子1〜4の他端に接続されている。共通ラインCOM1、2や駆動ラインSEG1、2には銅箔など(例:プリント配線基板の配線の一部)を用いる。共通ラインCOM1、2や駆動ラインSEG1、2は、プリント配線基板などにおいて、線状、面状(例:四角状、円状)などの様々な形状に形成することができる。「ライン」としたのは、プリント配線基板などに形成される共通ラインCOM1、2の実際の形状を線状に限定する趣旨ではなく、単に、回路図において共通ラインCOM1、2や駆動ラインSEG1、2を模式化した場合にこれを線で表示可能であるからに過ぎない。
ソースドライバとしては、例えば、半導体スイッチSW1、2(例:PNPトランジスタ、Pチャネル型FET)、半導体スイッチSW1、2を開閉するFPGA(Field Programmable Gate Array)あるいはマイコンなどの制御回路、及び定電圧源Vを備えた回路を用いることができる。ソースドライバは、複数の共通ラインCOM1、2のすべてまたは一部を第2走査周期T6で走査した後、複数の共通ラインCOM1、2を第1走査周期T1で走査する。第1走査周期T1での走査や第2走査周期T6での走査は例えば制御回路を用いて半導体スイッチSW1、2を時分割で開閉することにより、共通ラインCOM1、2を定電圧源Vに接続し、共通ラインCOM1、2に順に電圧を印加することにより行うことができる。なお、第2走査周期T6での走査は、特に限定されるわけではないが、例えば、電源の投入やスリープ状態(パワーセーブ状態)からの復帰などにより開始される。
ソースドライバは、複数の共通ラインCOM1、2を第1走査周期T1で走査し、これにより、表示装置に所望の画像を表示させる。走査とは、複数の共通ラインCOM1、2に対して順に電圧を印加することをいい、走査周期とは、ある共通ラインCOM1、2に対して電圧を印加し始めてから次の共通ラインCOM1、2に対して電圧を印加し始めるまでの期間をいう。
ソースドライバは、第1走査周期T1での走査を開始する前に、複数の共通ラインCOM1、2のすべてまたは一部を第1走査周期T1より短い第2走査周期T6で走査し、これにより、複数の駆動ラインSEG1、2の寄生容量C3、C4を充電する。すなわち、第2走査周期T6での走査により複数の共通ラインCOM1、2のすべてまたは一部に対して電圧を順に印加していくと、それら共通ラインCOM1、2の各々から複数の駆動ラインSEG1、2に向けてリーク電流が順に流れるので、この順に流れるリーク電流を利用して、複数の駆動ラインSEG1、2の寄生容量C3、C4を充電する。このようにすれば、第1走査周期T1での走査開始前に、複数の駆動ラインSEG1、2の電位が高められ、第1走査周期T1での走査において最初に走査される予定の共通ラインCOM1と複数の駆動ラインSEG1、2との電位差が小さくなるため、第1走査周期T1での走査開始時において、最初に走査される共通ラインCOM1から複数の駆動ラインSEG1、2に向けて流れるリーク電流の値が小さくなる。したがって、第1走査周期T1での走査開始時において最初に走査される共通ラインCOM1上の発光素子1、2が誤点灯(あるいは目立って誤点灯)することが防止される。
複数の共通ラインCOM1、2の寄生容量C1、C2は、第2走査周期T6での走査を終えた後、第1走査周期T1での走査を開始する前に、各共通ラインCOM1、2の電位が所定の範囲(例:2〜3V)に収まるよう放電されることが好ましい。各共通ラインCOM1、2の電位が所定の範囲を大きく超えていると、第1走査周期T1での走査開始後、点灯対象となる発光素子に接続されている共通ラインから駆動ラインを介して電流を引き込む際に、他の共通ラインの寄生容量が、当該他の共通ラインから点灯対象ではない発光素子を介して上記駆動ラインにリークしてしまい、点灯対象ではない発光素子が不要に点灯してしまう。他方、各共通ラインの電位が所定の範囲より小さくなると、それに伴って駆動ラインの電位も下がるため、ソースドライバによって第2走査周期T6での走査を行った意味がなくなり、第1走査周期T1での走査開始時に発光素子1、2が誤点灯をしてしまう。しかしながら、所定の範囲(例:2〜3V)に収まるように放電すれば、これらの問題は解決され、第1走査開始時における誤点灯(あるいは目立った誤点灯)を防止しつつ、第1走査開始後における不要な点灯を防止することができる。なお、本明細書では、駆動ラインSEG1、2の寄生容量C3、C4が十分に充電されていない場合の誤点灯を、共通ラインCOM1、2の寄生容量C1、C2が充電され過ぎている場合の誤点灯と区別するべく、前者の誤点灯を単に誤点灯といい、後者の誤点灯を不要な点灯と呼ぶことにする。
共通ラインCOM1、2の寄生容量C1、C2の放電は、例えば、放電回路を用いて行うことができる。放電回路は、例えば、抵抗素子R1、2と、コンデンサC11、12と、半導体スイッチSW5、6と、半導体スイッチSW5、6を開閉するFPGAあるいはマイコンなどの制御回路と、を有している。半導体スイッチSW5は、例えば、共通ラインCOM1への電圧印加中(すなわち半導体スイッチSW1が閉じている間)は閉じており、共通ラインCOM1への電圧印加が終わると開く(すなわち半導体スイッチSW1が開くと開く)。これにより、共通ラインCOM1の寄生容量C1の一部が共通ラインCOM1への電圧印加終了後にコンデンサC11へと移動し、共通ラインCOM1の寄生容量C1が共通ラインCOM1の電位が所定の範囲(例:ソースドライバの電圧印加が5Vであれば2〜3V)に収まるよう放電される。また、半導体スイッチSW6は、例えば、共通ラインCOM2への電圧印加中(すなわち半導体スイッチSW2が閉じている間)は閉じており、共通ラインCOM2への電圧印加が終わると開く(すなわち半導体スイッチSW2が開くと開く)。これにより、共通ラインCOM2の寄生容量C2の一部が共通ラインCOM2への電圧印加終了後にコンデンサC12へと移動し、共通ラインCOM2の寄生容量C2が共通ラインCOM2の電位が所定の範囲(例:ソースドライバの電圧印加が5Vであれば2〜3V)に収まるよう放電される。そして、コンデンサC11、12に移動した寄生容量は、それぞれスイッチSW5、6の閉じている間に放電される。
シンクドライバは、第1走査周期T1での走査において、複数の駆動ラインSEG1、2のうち点灯対象となる発光素子に接続されている1つ以上の駆動ラインから電流を引き込む。これにより、点灯対象となる発光素子が点灯する。なお、シンクドライバによる電流の引き込みは、ソースドライバが第1走査周期T1での走査を行っている間に行なわれる。シンクドライバは第2走査周期T6での走査においては駆動ラインから電流を引き込まない。シンクドライバとしては、例えば、半導体スイッチSW3、4(例:NPNトランジスタ、Nチャネル型FET)とFPGA(Field Programmable Gate Array)あるいはマイコンなどと備える回路を用いることができる。シンクドライバは、例えば、制御回路を用いて半導体スイッチSW3、4を開閉することにより、複数の駆動ラインSEG1、2のうち点灯対象となる発光素子に接続されている1つ以上の駆動ラインから電流を引き込む。
図2Aは実施形態2に係る表示装置の回路図であり、図2Bは実施形態2に係る表示装置のタイミングチャートである。図2A、図2Bに示すように、実施形態2に係る表示装置は、非走査時間T7が生じるよう第2繰り返し走査周期の長さが設定される点で、実施形態1に係る表示装置と相違する。共通ラインの数や駆動ラインの寄生容量の大きさ如何によっては、第2走査周期T6での走査により発光素子1、2が誤点灯しやすくなることがあるが(あるいは誤点灯が目立ちやすくなることがあるが)、非走査時間T7が生じるよう第2繰り返し走査周期の長さを設定すれば、第2走査周期T6での走査における点灯率(リーク電流が流れる時間(6×T5)/第2走査周期T6での走査に費やす総時間(5×T6+T5))を低下させることができるため、共通ラインの数や駆動ラインの寄生容量の大きさ如何にかかわらず、第2走査周期T6での走査により発光素子1、2が誤点灯(あるいは目立って誤点灯)することを防止することができる。
図3Aは実施形態3に係る表示装置の回路図であり、図3Bは実施形態3に係る表示装置のタイミングチャートである。図3A、図3Bに示すように、実施形態3に係る表示装置は、第2走査周期T6が第2走査時間T5より短い点で、実施形態2に係る表示装置と相違する。第2走査周期T6を第2走査時間T5より短くすれば、図3Bに示すように、第2走査周期T6での走査において、複数の共通ラインのうちの少なくとも2本の走査時間が少なくとも一部において重なる。したがって、実施形態3によれば、例えば、実施形態2であれば1本の共通ラインから例えば大きさXで流れ出るリーク電流が、n本以上の共通ライン(nは2以上の整数)から同時に例えばX/nでそれぞれ流れ出ることになる。したがって、実施形態3によれば、より一層、第2走査周期T6での走査により発光素子1、2が誤点灯(あるいは目立って誤点灯)することを防止することができる。なお、2本以上の共通ラインにおいて第2走査時間T5の重なる期間が長いほど、1本の共通ラインからのみリーク電流が流れ出る時間を短くでき、かつ、リーク電流の大きさを小さく抑えることができる。また、駆動ラインSEG1、2を十分に充電するには、第2走査時間T5を長くとり、第2走査時間T5に対して第2走査周期T6の割合を小さくするのが望ましい。
図4Aは実施形態4に係る表示装置の回路図であり、図4Bは実施形態4に係る表示装置のタイミングチャートである。図4A、図4Bに示すように、実施形態4に係る表示装置は、第2走査周期T6が第2走査時間T5より短い点で、実施形態1に係る表示装置と相違する。このようにしても、実施形態3の場合と同様に、より一層、第2走査周期T6での走査により発光素子1、2が誤点灯(あるいは目立って誤点灯)することを防止することができる。
以上、実施形態1から4について説明したが、第1走査周期T1での走査は、第2走査周期T6での走査を終えた後(放電が行なわれる場合には放電を終えた後)、第1走査周期T1以内に開始することが好ましい。すなわち、第2走査周期T6での走査を終えてから第1走査周期T1での走査を開始するまでの期間T4は第1走査周期T1以下であることが好ましい。このようにすれば、充電された駆動ラインSEG1、2の寄生容量C3、C4が第1走査周期T1での走査を開始するまでの間に自然放電(シンクドライバのリーク電流を含む。)してしまうことを抑制することができる。
次に、比較例1に係る表示装置について検討する。比較例1に係る表示装置としては、実施例1に係る表示装置と基本的には同じ構成を有しているが、第2走査周期での走査をしていない。これにより、暗室にて目視により確認したところ、第1走査周期での走査において一番目に走査される共通ラインに繋がる発光ダイオードが一瞬チラッと光る横線として誤点灯することが確認できた。したがって、比較例1に係る表示装置は、品質の悪い表示装置であると評価することができる。
COM1、2 共通ライン
SEG1、2 駆動ライン
C1〜4 寄生容量
SW1〜6 半導体スイッチ
V 定電圧源
C11、C12 コンデンサ
R1、2 抵抗素子
T1 第1走査周期
T2 第1走査時間
T3 非走査時間
T4 第2走査周期での走査を終えてから第1走査周期での走査を開始するまでの期間
T5 第2走査時間
T6 第2走査周期
T7 非走査時間
T8 第1の繰り返し走査周期
T9 第2の繰り返し走査周期
Claims (7)
- 複数の発光素子と、前記複数の発光素子の一端に接続された複数の共通ラインと、前記複数の発光素子の他端に接続された複数の駆動ラインと、前記複数の共通ラインを第1走査周期で走査するソースドライバと、前記複数の駆動ラインのうち点灯対象となる発光素子に接続されている1つ以上の駆動ラインから電流を引き込むシンクドライバと、を備えた表示装置であって、
前記ソースドライバは、前記第1走査周期での走査を開始する前に、前記複数の共通ラインのすべてまたは一部を前記第1走査周期より短い第2走査周期で走査し、
前記第2走査周期での走査においては、前記複数の共通ラインのうちの少なくとも2本の走査時間が少なくとも一部において重なることを特徴とする表示装置。 - 複数の発光素子と、前記複数の発光素子の一端に接続された複数の共通ラインと、前記複数の発光素子の他端に接続された複数の駆動ラインと、前記複数の共通ラインを第1走査周期で走査するソースドライバと、前記複数の駆動ラインのうち点灯対象となる発光素子に接続されている1つ以上の駆動ラインから電流を引き込むシンクドライバと、を備えた表示装置であって、
前記ソースドライバは、前記第1走査周期での走査を開始する前に、前記複数の共通ラインのすべてまたは一部を前記第1走査周期より短い第2走査周期で走査し、
前記複数の共通ラインの寄生容量は、前記第2走査周期での走査を終えた後、前記第1走査周期での走査開始前に、各共通ラインの電位が所定の範囲に収まるよう放電されることを特徴とする表示装置。 - 複数の発光素子と、前記複数の発光素子の一端に接続された複数の共通ラインと、前記複数の発光素子の他端に接続された複数の駆動ラインと、前記複数の共通ラインを第1走査周期で走査するソースドライバと、前記複数の駆動ラインのうち点灯対象となる発光素子に接続されている1つ以上の駆動ラインから電流を引き込むシンクドライバと、を備えた表示装置であって、
前記ソースドライバは、前記第1走査周期での走査を開始する前に、前記複数の共通ラインのすべてまたは一部を前記第1走査周期より短い第2走査周期で走査し、
前記第2走査周期での走査においては、前記複数の共通ラインのうちの少なくとも2本の走査時間が少なくとも一部において重なり、
前記複数の共通ラインの寄生容量は、前記第2走査周期での走査を終えた後、前記第1走査周期での走査開始前に、各共通ラインの電位が所定の範囲に収まるよう放電されることを特徴とする表示装置。 - 複数の発光素子と、前記複数の発光素子の一端に接続された複数の共通ラインと、前記複数の発光素子の他端に接続された複数の駆動ラインと、前記複数の共通ラインを第1走査周期で走査するソースドライバと、前記複数の駆動ラインのうち点灯対象となる発光素子に接続されている1つ以上の駆動ラインから電流を引き込むシンクドライバと、を備えた表示装置であって、
前記ソースドライバは、前記第1走査周期での走査を開始する前に、前記複数の共通ラインのすべてまたは一部を前記第1走査周期より短い第2走査周期で走査し、
前記シンクドライバは前記第2走査周期での走査においては前記駆動ラインから電流を引き込まないことを特徴とする表示装置。 - 前記第2走査周期での走査においては、前記複数の共通ラインのうちの少なくとも2本の走査時間が少なくとも一部において重なることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
- 前記複数の共通ラインの寄生容量は、前記第2走査周期での走査を終えた後、前記第1走査周期での走査開始前に、各共通ラインの電位が所定の範囲に収まるよう放電される請求項4または5に記載の表示装置。
- 前記ソースドライバは、前記第2走査周期での走査を終えた後、前記第1走査周期以内に前記第1走査周期での走査を開始する請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
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