以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の概略構成を示すものである。
遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図1に示すように、遊技機1の外観は、例えば、矩形箱状に形成された筐体2によって構成され、この筐体2は、前面側F1(図1におけるF1側)に矩形状の開口を有するキャビネット2aと、キャビネット2aの前面側F1に配置される前面扉(開閉扉)2bと、を主体に構成されている。キャビネット2aは、開口の内部に遊技に用いられる機器(例えば、後述するリール(又は、ドラムともいう)など)を収容する。前面扉2bは、キャビネット2aの開口の大きさと対応するように形成されており、キャビネット2aの開口を閉塞可能にキャビネット2aに開閉自在に取り付けられている。これにより、前面扉2bは、遊技機1の前面(正面)を構成する。
前面扉2bには、その略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓4が設けられている。メイン表示窓4には、前面扉2bの裏面側に、遊技機1の内部側から取り付け固定されたメインリールユニット(図示していない)が装着される。
メインリールユニットは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。これらのリール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。
リール3L,3C,3Rは、メイン表示窓4を通じて、各リール3L,3C,3Rの動作や各リール3L,3C,3R上に描かれている図柄が視認可能となる。
なお、メイン表示窓4は、その内部に、各リール3L,3C,3Rに対応させて矩形状に形成された3つの窓枠表示領域を設けることも可能である。
メイン表示窓4には、その表面部に、矩形状のアクリル板などからなる透明パネルが取り付け固定されており、遊技者などがリール3L,3C,3Rに触れることができないようになっている。
本実施の形態におけるメイン表示窓4は、図柄が停止表示される表示窓であって、図柄表示手段を構成する。
メイン表示窓4の下部側B1(図1におけるB1側)には、略水平面の第1,第2,第3の台座部12a,12b,12cが形成されている。メイン表示窓4の右側R1(図1におけるR1側)に位置する第1の台座部12aには、メダルを投入するためのメダル投入口(有効ライン設定手段)5が設けられている。メダル投入口5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メイン表示窓4の左側L(図1におけるL側)に位置する台座部12bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタン(MAXBETボタンともいう)8が設けられている。最大BETボタン8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
メイン表示窓4の前面側F1に位置する台座部12cには、液晶表示装置20が設けられている。液晶表示装置20は、液晶表示パネル(液晶パネル)20aのパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサパネル20bが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている(図8参照)。
なお、タッチセンサパネル20bとしては、例えば、人体の一部(指先など)や静電ペンなどの接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、は、ペン先などの堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造など)であってもよい。
液晶表示装置20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数などの遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キーなどが表示される。
なお、液晶表示装置20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタンなどを装着できるようにしてもよい。
また、液晶表示装置20は、その機能を、後述する表示ユニット100などに振り分けることにより、省略することもできる。
最大BETボタン8の前面側F1には、遊技者の操作によりリール3L,3C,3Rを転駆動させるとともに、メイン表示窓4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバー設けられている。スタートレバー6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
本実施の形態におけるスタートレバー6は、遊技開始時操作手段を構成する。なお、遊技開始時操作手段としては、傾動式のレバーに限らず、例えば押下式のボタンなどであってもよい。
スタートレバー6の右側R1で、液晶表示装置20の前面側F1には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。
ここで、3つのリール3L,3C,3Rの回転が行われているときに最初に行われるリールの回転の停止を第1停止といい、第1停止の次に行われ、2つのリールの回転が行われているときに2番目に行われるリールの回転の停止を第2停止といい、第2停止の次に行われ、残り1つのリールの回転が行われているときに最後に行われるリールの回転の停止を第3停止という。また、遊技者が第1停止させるための停止操作を第1停止操作という。同様に、遊技者が第2停止させるための停止操作を第2停止操作、第3停止させるための停止操作を第3停止操作という。
本実施の形態におけるストップボタン7L,7C,7Rは、図柄変動停止操作手段を構成する。
なお、1ゲーム(単位遊技)は、スタートレバー6が操作されることによって開始され、全てのリール3L,3C,3Rが停止した時に終了する。各ストップボタン7L,7C,7Rの裏側には、ストップボタン7L,7C,7Rの停止操作を検知するストップスイッチ7S(7LS,7CS,7RS)が設けられている(図7参照)。
ストップボタン7L,7C,7Rの右側R1には、C/Pスイッチ13Sが設けられている(図7参照)。C/Pスイッチ13Sは、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/Pスイッチ13Sの切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、前面扉2bの下部側B1のコインガードプレート部(メインパネル2b-1)に設けたメダル払出口(キャンセルシュート)14からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部15に溜められる。
スタートレバー6、ストップボタン7L,7C,7R、及び、C/Pスイッチ13Sの下部側B1には、腰部パネル(腰部導光板)18が配置されている。腰部パネル18は、アクリル板などを使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネル18には、遊技機1の機種を表す名称や種々の模様などが印刷により描かれている。
また、メダル払出口14の左側Lにはスピーカ25Lが、右側R1にはスピーカ25Rが、それぞれ設けられている。スピーカ25L,25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽などの音により報知する。
メイン表示窓4の上部側T(図1におけるT側)において、前面扉2bのフロントパネル2b-2には、略矩形状に開口部が形成された表示領域としての表示画面領域19が設けられている。この表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100が配設されている(表示ユニット100の詳細については、後述する)。
表示ユニット100は、フロントパネル2b-2に設けられた表示画面領域19を通じて、その内部、すなわち表示の内容(演出情報)が視認可能となる。
なお、前面扉2bには、少なくとも表示画面領域19に対応する部位に、アクリル板などからなる透明カバー(図示していない)が取り付け固定されるようになっており、表示画面領域19よりも奥側R(図1におけるR側)のキャビネット2a内に遊技者などが手を挿入したり、物が侵入したりするのを防止している。
表示画面領域19の前面側F1には、例えば、左側Lに払出枚数表示部11が、右側R1にクレジット表示部17が、それぞれ設けられている(図5参照)。払出枚数表示部11は、例えば7セグメントのLEDにより形成され、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
クレジット表示部17は、例えば7セグメントのLEDにより形成され、クレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、遊技機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、このクレジット表示部17に表示されるクレジット枚数は50以下の数値となる。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口14より払出される。
前面扉2bには、例えば、最大BETランプ9、WINランプ23が設けられている(図7参照)。最大BETランプ9は、単位遊技を行うために投入されたメダル数(以下、「BET数」という)に応じて点灯するランプである。具体的には、最大BETランプ9は、メダルの投入枚数が3枚のときに点灯する。WINランプ23は、入賞成立時に点灯する。
その他、前面扉2bには、例えば、7セグメントLEDにより形成され、ボーナス中の遊技情報(ボーナスゲーム中の遊技回数)を表示するボーナス遊技情報表示部などを設けるようにしてもよい。
また、払出枚数表示部11、クレジット表示部17、最大BETランプ9、WINランプ23、又は、ボーナス遊技情報表示部などで表示される情報は、液晶表示装置20で表示させるようにしてもよい。
表示画面領域19の上部側Tには、フロントパネル2b-2の裏面側の左右方向(図1におけるL側及びR1側)に一対の検知器(CSP)22が配設されている(図5参照)。一対の検知器22は、例えば、チャレンジ演出が実行された場合などにおいて、遊技者の手などが近付いてきたことを検知する。
表示画面領域19の下部側B1には、メインパネル2b-1の裏面側のキャビネット2aの内部に、後述する遊技に用いられる機器としての、モータ駆動回路39、ホッパー40、メダル検出部40S、ステッピングモータ49L,49C,49R、リール位置検出回路50、主制御回路60、副制御回路70、及び、役物駆動部200が収容されている(図7、図8参照)。
次に、図2〜図6を参照して、表示ユニット100の構成について説明する。
なお、図2は、遊技機1に対して表示ユニット100を着脱する際の様子を示す斜視図である。また、図3は、遊技機1の表示ユニット100を透過させた状態(前面扉2bの一部(フロントパネル2b-2)とキャビネット2aの一部とを切り欠いた状態)で示す斜視図であり、図4は、表示ユニット100を遊技機1より取り出して示す分解斜視図である。また、図5は、表示ユニット100と役物201,202との関係を説明するために示す遊技機1の正面図であり、図6は、表示ユニット100と役物201,202との関係を説明するために示す遊技機1の斜視図である。
図2に示すように、表示ユニット100は、遊技機1に搭載される演出用ユニットであって、後述するプロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。例えば、図4に示すように、表示ユニット100は、天井板100aに支持されたプロジェクタ101及びリフレクタ102と、スクリーン103と、ステージ(底板)100bとによって、前面側F1が開口されたコの字形状のユニットとして一体化されている。
なお、表示ユニット100は、ステージ(底板)100bを廃してL字形状のユニットとして一体化してもよい。また、表示ユニット100は、上述のコの字形状のユニットの開口されている側面(前面側F1以外の開口された側面)に側板等を設けて箱型形状のユニットとして一体化してもよい。この場合、プロジェクタ101から投影された照射光101aの表示ユニット外部への漏れを防止することができる。
表示ユニット100は、例えば、キャビネット2aに対してフロントパネル2b-2が開放された状態で、図2中、太矢印で示す方向に引き出されることによって遊技機1から取り外されるようになっている。
なお、後述するプロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を箱型形状のユニット筐体に収容することにより一体化して、このユニット筐体をキャビネット2aに対して着脱自在な構成としてもよい。
図3に示すように、表示ユニット100は、プロジェクタ101と、リフレクタ102と、スクリーン103と、を有して構成された演出表示手段としての、いわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、役物201,202に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
プロジェクタ101は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、キャビネット2aの奥側R(図3におけるR側)からキャビネット2aの前面側F1に向けて照射光101aを投影するように配置されている。
リフレクタ102は、表示ユニット100の天井板100aによって支持され、プロジェクタ101から投影された照射光101aをキャビネット2aの奥側Rに反射させる光学ミラーであって、キャビネット2aの前面側F1に所定の反射角度を有して配置されている。
スクリーン103は、リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが前面側F1より投影される表示画面として機能し、キャビネット2aの奥側Rにおける表示ユニット100のステージ(底板)100b上に配置されている。
スクリーン103は、プロジェクタスクリーンなどの平面的な構造の映写幕であってもよいし、表示(投影)する演出情報などに応じて部分的に凹凸形状(3D面)を有する構造のものであってもよい。また、スクリーン103は、前面側F1と奥側Rとの間、上部側Tと下部側B1との間、もしくは、左側Lと右側R1との間を移動する構造としてもよいし、回転する構造としてもよい。さらに、スクリーン103は、上部側T及び下部側B1に沿う垂直方向、もしくは、左側L及び右側R1に沿う水平方向に、スクロールする構造としてもよい。
また、スクリーン103は、可動式とし、必要に応じて、ステージ100b上に出現したり、ステージ100bより退避したりするように構成することもできる。
また、スクリーン103としては、プロジェクタスクリーンなどの方形の映写幕に限らず、例えば、円形や多角、又は、それらを組合せたような形状としてもよい。
また、スクリーン103は、伸縮性のある素材に、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしたスクリーン、3D面を有する素材に、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしたスクリーンであってもよい。
さらには、役物201,202に対して、いわゆるスクリーン塗料を塗布することによって映写幕としての機能をもたせるようにしてもよい。
本実施の形態においては、プロジェクタ101が、例えば、DLP(登録商標:Digital Light Processing)プロジェクタとして構成される。また、リフレクタ102によって照射光101aを折り返すことにより、照射光101aの投影距離を稼ぐとともに、解像度がWXGA1280×800で、照度が150ANSIルーメンで、投射比が0.93で、コントラスト比が1000:1の規格品を用いることによって、照射光101aの投影距離をできるだけ短くするようにしている。こうすることによって、表示ユニット100をより安価に構成できるとともに、小型化を図ることによって、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100の、遊技機1の限られたスペースへの搭載を容易に可能にしている。
なお、表示ユニット100としては、リフレクタ102を用いずとも構成できる。但し、照射光の投影距離の観点から、照射光の投影距離が短い高機能なプロジェクタを用いる必要があるが、現時点において、高機能なプロジェクタは高価なため、結果的に遊技機1の高騰を招くこととなる。
また、本実施の形態においては、表示ユニット100として、少なくともプロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とをユニット化(一体化)したことにより、キャビネット2aに対する着脱(装着)が容易に可能となる。よって、前面扉2bを、例えば図2に示すように、メインパネル(第2の部位)2b-1とフロントパネル(第1の部位)2b-2とに分割して開閉できる方式とするのが好ましい。
図5に示すように、さらに本実施の形態においては、表示ユニット100におけるスクリーン103の前面側F1、すなわちスクリーン103の手前に、例えば演出情報に基づいて各種の役物201,202を配置することが可能となっている。
すなわち、表示ユニット100のスクリーン103と、当該スクリーン103を視認可能にするために前面扉2bのフロントパネル2b-2に設けられた表示画面領域19と、の間のスペースには、例えば、立体形状を有する役物201や可動式の役物202が配置されている。
なお、本実施の形態の場合、立体形状を有する役物201としては、ステージ100b上に固定された神殿の大柱や大階段であり、可動式の役物202としては、ステージ100b上を前面側F1及び奥側Rの方向に変位可能に設けられた、凸面を有する可動体と平面を有する可動体と凹面を有する可動体であるが、これらに限定されるものではない。
図6に示すように、役物201,202に対しては、表示ユニット100による演出時に、プロジェクタ101からの照射光101aの一部が投影される。これによって、映像を用いた演出態様がより立体的となり、これまでよりも斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
次に、図7及び図8を参照して、主制御回路60又は副制御回路70を含む、遊技機1の回路構成について説明する。
図7は、本実施の形態に係る遊技機1の回路構成例を示すものである。
主制御回路60は、内部当籤役の決定やリール3L,3C,3Rの回転制御など、一連の遊技の進行を制御する。主制御回路60は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成されている。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。
メインCPU31は、乱数値と内部抽籤テーブル(図示していない)とに基づいて内部当籤役を決定し、当該内部当籤役と停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる。また、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止させた際に、メイン表示窓4に表示された図柄の組合せに基づいて「役」が成立したか否かを判断し、「役」が成立している場合に、当該成立した「役」に応じてメダルを払出すなどの利益を遊技者に付与する。
クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。乱数発生器36は、「0」〜「65535」の範囲の乱数を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生された乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
また、この遊技機1では、抽出した乱数値をメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶する。そして、単位遊技毎にメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、内部抽籤処理において内部当籤役の決定を行う。
なお、乱数サンプリングのための手段としては、マイクロコンピュータ30内で、すなわち、メインCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行する構成にしてもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のメインROM32には、メインCPU31の処理に係るプログラムや各種テーブルなどが記憶されている。
メインRAM33には、メインCPU31の処理により得られる種々の情報がセットされる。例えば、抽出した乱数値、遊技状態、内部当籤役、払出枚数、ボーナス持越状況、設定値などを特定する情報、各種カウンタ及びフラグがセットされている。これらの情報の一部は、各種のコマンドにより副制御回路70に送信される。
マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、ホッパー40、ステッピングモータ49L,49C,49Rなどがある。これらのアクチュエータとメインCPU31との間の信号の授受は、I/Oポート38を介して行われる。
また、マイクロコンピュータ30の出力部には、メインCPU31から出力される制御信号を受けて、前述の各周辺装置などの動作を制御するための各回路が接続されている。各回路としては、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48、モータ駆動回路39及びホッパー駆動回路41がある。
ランプ駆動回路45は、例えば遊技機1の前面扉2bに設けられるWINランプ23や、最大BETランプ9などの、点灯パターン(点灯/消灯など)を制御する。
表示部駆動回路48は、払出枚数表示部11及びクレジット表示部17の他、例えば、ボーナス遊技情報表示部(図示していない)や押し順表示器(図示していない)を制御する。押し順表示器は、例えば、RT3遊技状態中に停止操作するストップボタン7L,7C,7Rの押し順を、液晶表示装置20の表示画面上に表示させるためのものである。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40を駆動制御する。これにより、ホッパー40に収容されたメダルの払出しが行われる。
モータ駆動回路39は、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御する。これにより、リール3L,3C,3Rの回転や停止が行われる。このような制御を行うモータ駆動回路39及びステッピングモータ49L,49C,49Rは、本発明の図柄表示制御手段を構成する。
また、マイクロコンピュータ30の入力部には、前述の各回路や各周辺装置などに制御信号を出力する契機となる入力信号を発生するための、各スイッチ及び各回路が接続されている。各スイッチ及び各回路としては、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7LS,7CS,7RS、最大BETスイッチ8S、C/Pスイッチ13S、メダルセンサ5S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51などがある。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の開始操作(遊技開始操作信号)を検出し、遊技の開始を指令する遊技開始指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
ストップスイッチ7LS,7CS,7RSは、それぞれストップボタン7L,7C,7Rに対する遊技者の停止操作を検出し、検出したストップボタン7L,7C,7Rに対応するリール3L,3C,3Rの回転の停止を指令する停止指令信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
なお、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSを総称してストップスイッチ7Sともいう。
最大BETスイッチ8Sは、最大BETボタン8に対する遊技者の投入操作(押下操作)を検出し、クレジットされたメダルからのメダルの投入を指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ13Sは、遊技者の切り換え操作を検出し、クレジットモード又は払出モードを切り換えるための信号をマイクロコンピュータ30に出力する。また、クレジットモードから払出モードに切り換えられた場合、遊技機1内にクレジットされているメダルの払出しを指令する信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
メダルセンサ5Sは、遊技者の投入操作によりメダル投入口5に投入されたメダルを検出し、メダルが投入されたことを示す信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
リール位置検出回路50は、リール回転センサ(図示していない)からのパルス信号を検出し、各リール3L,3C,3R上の図柄の位置を検出するための信号を発生する。
払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sにより検出されたメダルの枚数(すなわち、ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達した際に、メダルの払出しが完了したことを示すための信号を発生する。
副制御回路70は、I/Oポート38に接続され、スタートコマンドなどの主制御回路60から出力された各種のコマンドに基づいて、演出データの決定や実行などの各種の処理を行う。
但し、副制御回路70が主制御回路60へコマンドや情報などを出力することはなく、主制御回路60から副制御回路70への一方向で通信が行われる。
副制御回路70からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置などとしては、液晶表示パネル20aとタッチセンサパネル20bとを含む液晶表示装置20、検知器22,22、スピーカ25L,25R、プロジェクタ101を含む表示ユニット100、及び、役物202を駆動する役物駆動部200がある。
副制御回路70は、決定した演出データに基づいて、表示ユニット100で表示される演出情報の決定とその表示、及び、スピーカ25L,25Rから出力する遊技音の決定とその出力などの制御を行う。
また、副制御回路70は、遊技の進行に伴って、液晶表示装置20の液晶表示パネル20aに表示される遊技情報などの決定とその表示、並びに、タッチセンサパネル20bからの入力の検出などの制御を行う。
また、副制御回路70は、特定の当籤役に内部当籤した場合に演出パターン番号の抽籤を行い、特定有利状態への移行に伴う演出データを決定する。
ここで、本実施の形態に係る遊技機1では、メダルの投入を条件に、遊技者のスタートレバー6に対する操作によって、スタートスイッチ6Sから遊技を開始する信号が出力されると、モータ駆動回路39に制御信号が出力され、ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動制御(例えば、各相への励磁など)によりリール3L,3C,3Rの回転が開始される。この際、ステッピングモータ49L,49C,49Rに出力されるパルスの数が計数され、その計数値はパルスカウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。
この遊技機1では、「16」のパルスが出力されると、リール3L,3C,3Rが図柄1つ分移動する。移動した図柄の数は計数され、その計数値は図柄カウンタとしてメインRAM33の所定の領域にセットされる。つまり、パルスカウンタにより「16」のパルスが計数される毎に、図柄カウンタが「1」ずつ更新される。
また、リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリールインデックスが得られ、そのリールインデックスに関するデータがリール位置検出回路50を介してメインCPU31に出力される。リールインデックスに関するデータの出力により、メインRAM33にセットされているパルスカウンタや図柄カウンタの値が「0」にクリアされる。
このようにして、各リール3L,3C,3Rについて、1回転の範囲内における図柄位置を特定することとしている。
なお、リール3L,3C,3Rの回転により、各図柄が一図柄分移動する距離を1コマという。すなわち、図柄が1コマ移動することは、図柄カウンタが「1」更新されることに対応する。
リール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図示していない図柄配置テーブルがメインROM32に記憶されている。この図柄配置テーブルは、前述のリールインデックスに関するデータが出力される位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与される、「00」から「20」までのコードナンバー(図柄位置)と、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄の種類を識別する図柄コードと、を対応付けている。
また、スタートスイッチ6Sから遊技開始指令信号が出力されると、乱数発生器36やサンプリング回路37により乱数値が抽出される。この遊技機1では、乱数値が抽出されると、その乱数値がメインRAM33の乱数値記憶領域に記憶される。そして、乱数値記憶領域に記憶された乱数値に基づいて、メインCPU31により内部当籤役が決定される。
リール3L,3C,3Rが定速回転に達した後、停止操作によりストップスイッチ7L柄の組合せであり、優先順位2位は「小役」に係る図柄の組合せである。次いで、優先順位3位は「ボーナス」に係る図柄の組合せである。
ここで、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出された際の、該当するリール3L,3C,3Rの図柄カウンタに対応する図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転の停止が開始される図柄位置を「停止開始位置」といい、決定した滑りコマ数(数値範囲「0」〜「4」)を当該停止開始位置に加算した図柄位置、すなわち、リール3L,3C,3Rの回転を停止させる図柄位置を「停止予定位置」という。滑りコマ数は、ストップスイッチ7LS,7CS,7RSにより停止操作が検出されてから、対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するまでのリール3L,3C,3Rの回転量であり、この遊技機1では、最大滑りコマ数を「4」と規定している。
全てのリール3L,3C,3Rの回転が停止すると、有効ライン上に表示された図柄の組合せに基づいて表示役の検索処理、すなわち、「役」の成立・不成立の入賞判定処理が行われる。表示役の検索は、メインROM32に記憶されている図柄組合せテーブル(図示していない)に基づいて行われる。この図柄組合せテーブルでは、表示役に係る図柄の組合せと、図柄の組合せに対応する配当(メダルの払出枚数)と、が設定されている。
表示役の検索により、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断されると、メインCPU31からホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動によりメダルの払出しが行われる。この際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達すると、払出完了信号回路51によりメダル払出しの完了を示す信号がメインCPU31に出力される。これにより、メインCPU31によってホッパー駆動回路41に制御信号が出力され、ホッパー40の駆動が停止される。
なお、C/Pスイッチ13Sによりクレジットモードに切り換えられている場合、メインCPU31は、入賞に係る図柄の組合せが表示されたと判断すると、入賞に係る図柄の組合せに応じた払出枚数をメインRAM33のクレジットカウンタに加算する。また、払出されたメダルの枚数は、メインCPU31によって表示部駆動回路48が制御されることにより、クレジット表示部17において更新されたクレジット枚数として表示されるとともに、払出枚数表示部11に表示される。
ここで、入賞に係る図柄の組合せが表示された場合に行われる、メダルの払出し又はクレジットを総称して単に「払出し」という場合がある。
なお、本実施の形態にあっては、主制御回路60において内部当籤役が決定されることに基づいて、後述する副制御回路70により、演出パターン番号の抽籤が選択的に行われる。すなわち、演出パターン番号の抽籤は、主制御回路60からのスタートコマンドにより通知される、内部当籤役として特定の当籤役が内部当籤(所定の演出条件が成立)したことを条件に、行われる。
次に、図8を参照して、副制御回路70の回路構成について説明する。
図8は、本実施の形態に係る遊技機1の副制御回路70の構成例を示すものである。
副制御回路70は、映像、音、光などを用いて、遊技に関する演出や種々の情報を報知するための制御を行う。すなわち、副制御回路70は、主制御回路60から送信される各種のコマンドや各種の入力情報などに基づいて、演出データの決定と各種の演出処理とを行う。
副制御回路70は、サブCPU71、サブROM72、サブRAM73、SRAM(Static Random Access Memory)74、GPU(Graphics Processing Unit)75、VRAM(Video RAM)76、DSP(Digital Signal Processor)78、及び、アンプ79を有している。
サブCPU71は、サブROM72に記憶されているプログラムに基づいて、液晶表示装置20の表示/入力制御、スピーカ25L,25Rの出力制御、検知器22,22の動作制御、表示ユニット100の表示制御、及び、役物駆動部200の駆動制御などを行う。
具体的には、サブCPU71は、主制御回路60から各種のコマンドなどを受信し、コマンドに含まれる各種の情報をサブRAM73に記憶させる。なお、主制御回路60におけるあらゆる情報がコマンドにより送信され、副制御回路70では、主制御回路60の状態を逐一判断することができる。
また、サブCPU71は、サブRAM73に記憶させた遊技状態情報や内部当籤役情報などを参照しながらプログラムを実行することにより、液晶表示装置20、スピーカ25L,25R、検知器22,22、表示ユニット100、及び、役物駆動部200に行わせる演出の内容を決定する。
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、GPU75を介して液晶表示装置20を制御し、また、DSP78及びアンプ79を介してスピーカ25L,25Rを制御する。
また、サブCPU71は、決定した演出の内容に応じた演出データに基づいて、表示ユニット100のプロジェクタ101を制御し、また、役物駆動部200を介して役物202を制御する。なお、表示ユニット駆動部を設け、サブCPU71からの制御により、プロジェクタ101の位置を変化させることも可能である。
また、サブCPU71は、サブROM72に記憶されている乱数取得プログラムを実行することにより、演出データなどを決定する際に用いる乱数値を取得する。但し、主制御回路60と同様に、乱数発生器及びサンプリング回路を副制御回路70内に設ける場合には、当該処理は不要である。
サブROM72は、サブCPU71が実行するプログラムを記憶するプログラム記憶領域と、各種テーブルなどを記憶するデータ記憶領域と、を有する。
プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、デバイスドライバ、主制御回路60との通信を制御するための基板間通信処理、演出の内容を決定するための演出データ登録処理用の制御プログラムなどを記憶する。
一方、データ記憶領域は、図示していない演出抽籤テーブルなどを記憶するテーブル記憶領域、キャラクタオブジェクトデータといったアニメーションデータなどを記憶する描画制御データ記憶領域、BGMや効果音といった音データなどを記憶する音声制御データ記憶領域などを有する。
サブRAM73は、サブCPU71が各プログラムを実行する際に、作業用一時記憶手段として使用される。
SRAM74は、サブCPU71が利用するデータを保持する記憶手段として使用される。
GPU75は、サブCPU71から受信する画像表示コマンドなどに基づいて、液晶表示装置20及びプロジェクタ101に遊技情報を表示させるための処理を行う。GPU75は、必要に応じてVRAM76に画像データ等を一時的に記憶する。
DSP78は、サブCPU71が演出データに基づいて選択するデジタル形式の音データをアンプ79に送信する。アンプ79は、DSP78から受信した音データを、遊技機1に設けられた音量調整用ツマミ(図示していない)により調節された音量に基づいて増幅させた後、スピーカ25L,25Rに送信する。その結果、サブCPU71により決定された演出データに応じた遊技音が、スピーカ25L,25Rから出力される。ここで、アンプ79は、例えばデジタルアンプである。
上記した本実施の形態においては、既存の遊技機1の限られたスペース内にプロジェクタ101を用いた表示ユニット100を効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機1を提供することが可能となる。すなわち、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100を搭載できるようにしたので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機1が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタ101を用いた表示ユニット100によって多種多様な演出を安定的に実現することが可能となる。
また、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103が遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化されているので、表示ユニット100に汎用性を持たせることができる。
また、スクリーン103と表示画面領域19との間には、立体形状を有する役物201及び可動式の役物202が配置することができるので、演出態様が立体的であり、より斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
さらには、ユニット化によってプロジェクタ101を用いた表示ユニット100を限られたスペース内に効率よく配置することができることにより、前面扉2bを、表示画面領域19が形成されたフロントパネル2b-2とそれ以外のメインパネル2b-1とで分割して開閉する方式とすることも可能になる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第2の実施の形態について説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技機1Aの一部を透過して示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施の形態の遊技機1Aにおいて、表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100Aが配設されている。
図9に示すように、いわゆるプロジェクションマッピング装置(演出表示手段)としての表示ユニット100Aは、上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とを有して構成されている。また、本実施の形態に係る表示ユニット100Aは、第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。
上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100との違いは、表示ユニット100Aの場合、プロジェクタ101が、キャビネット2aの前面側F1からキャビネット2aの奥側Rに向けて照射光101aを投影するように配置され、スクリーン103が、プロジェクタ101からの照射光101aが裏面側より投影されるように配置されている点である。
すなわち、本実施の形態の表示ユニット100Aの場合、プロジェクタ101は、キャビネット2aの奥側Rに向けて照射光101aを投影するように、キャビネット2aの前面側F1に後ろ向きに配置され、リフレクタ102は、プロジェクタ101から投影された照射光101aをキャビネット2aの前面側F1に反射させるように、キャビネット2aの奥側Rに所定の反射角度を有して配置され、スクリーン103は、リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが裏面側より投影されるように、キャビネット2aの前面側F1に配置されている。
このような構成とした本実施の形態においては、第1の実施の形態の場合と同様に、表示ユニット100Aをより安価に構成できるとともに、小型化を図ることによって、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100Aの、遊技機1Aの限られたスペースへの搭載が容易に可能となる。
したがって、既存の遊技機1Aの限られたスペース内にプロジェクタ101を用いた表示ユニット100Aを効率よく配置できるようになるため、設計を大幅に変更したりすることなく、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機1Aを提供することが可能となる。
また、本実施の形態の場合、表示ユニット100Aのスクリーン103と、キャビネット2aの奥側Rと、の間のスペース(スクリーン103の裏面側)に、例えば、立体形状を有する役物や可動式の役物を配置できる。立体形状を有する役物や可動式の役物に対して、プロジェクタ101からの照射光101aを投影させて、スクリーン103に役物の影を透過させることによって、より立体的で斬新な演出を行うことが可能となる。
特に、演出情報などに基づいて役物を可動させることによって、スクリーン103の形状(平面的な構造)が変化するように構成してもよい。すなわち、照射光101aを透過できるスクリーン103を、例えば高い伸縮性を有する素材により構成することによって、可動式の役物の動きに応じて、スクリーン103が表示画面領域19から飛び出すような立体的で斬新な演出が可能となる。
なお、本実施の形態においては、表示画面領域19とスクリーン103とを一体的に構成するようにしてもよい。この場合、表示画面領域19を立体的な形状とすることによって、より立体的で斬新な演出を行うことが可能となる。
また、スクリーン103を開閉できるように構成し、表示画面領域19を介して、可動式の役物による演出を視認できるようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第3の実施の形態について説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る遊技機1Bの一部を透過して示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
本実施の形態の遊技機1Bにおいて、表示画面領域19に対応するフロントパネル2b-2の裏面側には、キャビネット2a内に収容されるようにして、演出用ユニットとしての表示ユニット100Bが配設されている。
図10に示すように、いわゆるプロジェクションマッピング装置(演出表示手段)としての表示ユニット100Bは、上述した第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101とリフレクタ102とスクリーン103とを有して構成されている。また、本実施の形態に係る表示ユニット100Bは、第1の実施の形態に示した表示ユニット100と同様に、プロジェクタ101、リフレクタ102及びスクリーン103を、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成とされている。
ここで、本実施の形態に係る遊技機1Bは、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態と、スクリーン103の構成が異なるが、他の構成は同様に構成されている。したがって、以下においては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と異なる点についてのみ、詳しく説明する。
図10及び図11に示すように、本実施の形態に係るスクリーン103は、立体形状を有する可動式の役物で構成されている。また、本実施の形態では、可動式の役物が複数設けられている。
具体的には、スクリーン103は、第1の役物131と、第2の役物132とを含んで構成されている。本実施の形態では、可動式の役物を2つとしたが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。又は、可動式の役物と固定式の役物とを組み合わせても構わない。
これら第1の役物131及び第2の役物132の表面には、第1の役物131及び第2の役物132をスクリーンとして機能させるためのスクリーン塗料が塗布されている。スクリーン塗料としては、例えば反射効率の優れたアクリル塗料を用いることができる。これにより、第1の役物131及び第2の役物132は、色再現性に優れ、水平及び垂直視野角が広く画面輝度が均一なスクリーンとして機能することとなる。
また、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132ごとにそれぞれ異なる色のスクリーン塗料が塗布されている。例えば、第1の役物131には、演出表示がより立体的に表現されるような色(例えば「シルバー」)のスクリーン塗料が塗布され、第2の役物132には、表示内容が視認しやすい色(例えば「白色」)のスクリーン塗料が塗布されている。
これにより、第1の役物131は、立体感や奥行きの感じられる映像を表現することができる。また、第2の役物132は、表面に投影される映像を見えやすくすることができる。このように、スクリーン塗料を役物ごとに異ならせるだけで、投影される映像が見えやすく、かつ立体感や奥行きの感じられる斬新な演出を、簡易かつ低コストな構成で実現することができる。なお、上述したスクリーン塗料の配色は、一例であり、逆の配色としてもよく、いずれの役物に何色のスクリーン塗料を塗布するかは任意である。
また、本実施の形態では、第1の役物131は、映像が投影される面(正面)が湾曲した形状となっている。これにより、第1の役物131は、例えばリール上に描かれる図柄が映像として投影されることで、疑似的なリールを構成することができる。
さらに、本実施の形態では、第2の役物132は、第1の役物131の下部に配置され、映像が投影される面(正面)が傾斜した台形形状となっている。本実施の形態では、この台形形状の第2の役物132の傾斜面に映像を投影可能とするために、リフレクタ102の傾斜角度を、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の傾斜角度と異なる角度に変更するのが好ましい。
また、本実施の形態では、リフレクタ102の傾斜角度を、第2の役物132の傾斜面に映像を投影可能な角度としているが、ステージ(底板)100bにも映像が投影できるような角度としてもよい。この場合、ステージ(底板)100b上にもスクリーン塗料を塗布するのが好ましい。これにより、より立体感のある演出や、奥行きが感じられるような演出を行うことができる。
また、第2の役物132は、映像が投影される面(正面)が遊技機1の幅方向(図1中、L−R1方向)に3分割されるよう、中央部分が遊技機1の前面側に突出した形状をなしている。これにより、例えば第1の役物131が疑似的なリールとして機能する場合に、第2の役物132を各リールの停止順序等の情報を報知する役物として機能させることができる。
なお、上述した第1の役物131及び第2の役物132の形状は、一例であってこれに限定されるものではない。例えば、第1の役物131を、横回転するドラムを疑似的に表現可能な湾曲形状とし、第2の役物132を、上述したような疑似的なリールを表現可能な湾曲形状とする等、種々の形状を採用することができる。
また、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132を上下2段に構成したが、これに限らず、これら2つの役物を遊技機1の幅方向に並べた構成としてもよいし、3つ以上の役物を遊技機1の幅方向に並べた構成としてもよい。遊技機1の幅方向に3つの役物を並べれば、実際のリールと遜色ないような疑似的なリールを表現可能である。
また、図12及び図13に示すように、本実施の形態に係る副制御回路70には、第1役物駆動部301と、第2役物駆動部302とが接続されている。第1役物駆動部301は、第1の役物131を駆動するものであり、第2役物駆動部302は、第2の役物132を駆動するものである。したがって、サブCPU71は、第1役物駆動部301及び第2役物駆動部302を駆動することにより、第1の役物131及び第2の役物132をそれぞれ可動させることができる。
第1役物駆動部301及び第2役物駆動部302は、例えばモータで構成されており、後述する駆動機構310を介して第1の役物131及び第2の役物132をそれぞれ遊技機1の前後方向(図1中、F1−R方向)に可動させるようになっている。
駆動機構310は、図14(a)、(b)に示すように、第1役物駆動部301に連結されたピニオンギヤ311と、ピニオンギヤ311に噛み合うドライブギヤ312とを含んで構成されている。本実施の形態では、駆動機構310は、第1の役物131及び第2の役物132に対応して2つ設けられる。なお、駆動機構310は、図示しない支持部材を介して表示ユニット100Bの後側板104に固定されている。
ここで、駆動機構310を介して役物を可動する構成について、第1の役物131を例に説明する。
図14(a)に示すように、後側板104には、第1の役物131を遊技機1の前後方向にスライド可能に支持する一対の支持部140が固定されている。第1の役物131は、遊技機1の幅方向の両端に図示しないスライダを有しており、このスライダが支持部140にスライド可能に支持されることで、遊技機1の前後方向に移動できるようになっている。
また、ドライブギヤ312は、周縁の一部に半径方向外側に突出した突出部312aが設けられている。この突出部312aには、ドライブギヤ312の軸方向に突出し、第1の役物131に形成された長溝131aに嵌合する突起312bが設けられている。
まず、図14(a)に示すように、第1の役物131が後側板104側に位置している状態で、第1役物駆動部301を駆動してピニオンギヤ311を図中、矢印方向に回転させると、ドライブギヤ312が図中、矢印方向に回転する。
次いで、ドライブギヤ312が回転すると、突起312bが長溝131aに沿って図中、左側に移動する。このとき、第1の役物131は、幅方向の移動が一対の支持部140により規制されているため、幅方向には移動せず、図中、太矢印で示すように遊技機1の正面側に向けて移動する。すなわち、第1の役物131が可動する。
一方、遊技機1の正面側に移動した第1の役物131を元の位置に戻す、つまり図14(a)に示す状態に戻すには、例えば第1役物駆動部301を逆駆動してもよいし、ドライブギヤ312を常時、回転方向と逆方向(図14中、時計回り方向)に回転させるよう付勢力を付与する圧縮スプリング等の付勢部材によってドライブギヤ312を逆回転させてもよい。ただし、付勢部材を用いてドライブギヤ312を逆回転させる場合には、第1役物駆動部301の駆動トルクを作用させないようにするのが好ましい。
なお、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132を可動する構成として、図14(a)、(b)に示す構成を採用したが、これに限らず、例えば、駆動機構310をラックアンドピニオン方式の駆動機構で構成したり、第1役物駆動部301及び第2役物駆動部302を電磁ソレノイドで構成する等、種々の構成を採用することができる。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が立体形状を有する可動式の第1の役物131及び第2の役物132で構成されており、それら第1の役物131及び第2の役物132の表面にはスクリーン塗料が塗布されているので、プロジェクタ101を用いて、より立体的な演出を行うことができる。また、第1の役物131及び第2の役物132が可動することにより多種多様な演出を行うことができ、演出に対する遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、第1の役物131及び第2の役物132をそれぞれ遊技機1の前後方向(図1中、F1−R方向)に可動させる構成としたが、これに限らず、例えば遊技機1の幅方向(図1中、L−R1方向)や上下方向(図1中、T−B1方向)に可動させる構成としてもよいし、第1の役物131と第2の役物132とで可動する方向を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技者とキャビネット2aとの間、すなわち表示画面領域19の裏側(キャビネット2a側)に黒スモーク処理が施されたアクリル板を設けてもよい。あるいは、前面扉2bの表示画面領域19に対応する部位に取り付け固定された透明カバー(図示せず)を黒スモーク処理が施されたアクリル板で構成してもよい。これにより、表示画面領域19を介して遊技機1の内部、つまり表示ユニット100B内に導入される外部光を抑制することができる。したがって、スクリーン103での外部光の反射を抑えることができ、プロジェクタ101から投影された映像がより鮮明に遊技者に視認されるようにすることができる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第4の実施の形態について説明する。
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る表示ユニット100Cの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図15に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Cは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。この側板107には、スクリーン駆動機構410が設けられている。スクリーン駆動機構410については、後述する。
また、本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置(図15、図18(a)に示す位置)と当該照射光が投影されない非投影位置(図18(b)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
具体的には、図18(a)に示すように、スクリーン103は、裏面側に突出する有端の回動片130を有している。この回動片130は、スクリーン103の裏面側の両側にそれぞれ設けられている。また、回動片130は、回動軸130aを介して側板107に回動自在に支持されている。
これにより、スクリーン103は、後述するスクリーン駆動部401及びスクリーン駆動機構410によって投影位置と非投影位置との間で、回動軸130aを支点に回動可能となっている。また、回動片130の先端側には、後述する係合突起414aが係合する長穴130bが形成されている。
図16及び図17に示すように、スクリーン駆動部401は、例えばモータで構成されており、副制御回路70に接続されている。スクリーン駆動部401は、サブCPU71からの入力信号に応じて駆動し、スクリーン駆動機構410を介してスクリーン103を可動させるようになっている。なお、スクリーン駆動部401及びスクリーン駆動機構410は、一対の側板107の双方に設けてもよいし、いずれか一方にのみ設けてもよい。
図18(a)に示すように、スクリーン駆動機構410は、スクリーン駆動部401に連結されたピニオンギヤ411と、ピニオンギヤ411に噛み合う減速ギヤ412と、減速ギヤ412に噛み合うドライブギヤ413とを含んで構成されている。
本実施の形態に係るスクリーン駆動機構410では、減速ギヤ412を設けることでピニオンギヤ411からドライブギヤ413に伝達される回転を減速し、ドライブギヤ413で発生するトルクを増幅することができる。これにより、例えば回動軸130aと後述する係合突起414aとの間の距離が短い場合であってもスクリーン103を良好に回動させることができる。
ドライブギヤ413には、ドライブギヤ413と一体回転可能なクランク機構414が連結されている。クランク機構414は、一端がドライブギヤ413に固定されるとともに、他端に、回動片130の長穴130bに係合する係合突起414aが設けられている。係合突起414aは、ドライブギヤ413の回転に伴い長穴130b内を摺動するようになっている。
このように構成された表示ユニット100Cでは、図18(a)に示すように、スクリーン103が投影位置に位置している状態で、スクリーン駆動部401を駆動してピニオンギヤ411を図中、時計回り方向に回転させると、減速ギヤ412が図中、反時計回り方向に回転する。
次いで、減速ギヤ412が回転すると、ドライブギヤ413が図中、矢印方向(時計回り方向)に回転する。このとき、減速ギヤ412と一体回転するクランク機構414を介して係合突起414aが長穴130b内を回動片130の先端側に向かって摺動する。
これにより、スクリーン103が回動軸130aを支点に図中、時計回り方向に回動する。その後、ドライブギヤ413がさらに回転すると、所定回転角度を境に係合突起414aが長穴130b内を回動軸130a側に向けて戻るように摺動する。
最終的に、図18(b)に示すように、係合突起414aが長穴130bの回動軸130a側の端に移動するまでドライブギヤ413が回転すると、スクリーン103が非投影位置に位置するようになる。これにより、スクリーン103の投影位置から非投影位置への可動が完了する。
なお、非投影位置に位置するスクリーン103を元の位置、つまり投影位置に戻すには、例えばスクリーン駆動部401を逆駆動(ピニオンギヤ411を反時計回り方向に回転させる)させてもよいし、スクリーン駆動部401による駆動トルクを解除することでスクリーン103の自重により回動させてもよい。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が投影位置と非投影位置との間で可動自在に構成されているので、例えば遊技状態に応じて、スクリーン103を用いた演出とスクリーン103を用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。
なお、本実施の形態では、スクリーン103の背面側に何も設けない構成としたが、これに限らず、例えば第3の実施の形態で示したような第1の役物131及び第2の役物132をスクリーン103と後側板104との間に設けてもよい。この場合、スクリーン103による演出と第1の役物131及び第2の役物132を用いた演出とを切り替えることができ、演出に更なる多様性を持たせることができる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第5の実施の形態について説明する。
図19は、本発明の第5の実施の形態に係る表示ユニット100Dの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図19に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Dは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。
また、本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置に固定された第1のスクリーンとしてのメインスクリーン111と、メインスクリーン111に対して可動自在な第2のスクリーンとしてのサブスクリーン112とを有している。
メインスクリーン111は、図23(a)に示すように、一対のブラケット103aを介してステージ100bに固定されている。なお、メインスクリーン111は、一対の側板107に固定される構成であってもよい。
また、メインスクリーン111は、図19に示すように、所定の面積の開口部111aを有する。この開口部111aは、サブスクリーン112によって閉塞あるいは開放されるようになっている。
サブスクリーン112は、メインスクリーン111の開口部111aを閉塞する閉塞位置(図19、図23(a)に示す位置)と開口部111aを開放する開放位置(図23(b)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
具体的には、サブスクリーン112は、メインスクリーン111の背面に固定された一対のサブスクリーン用ブラケット113に上下方向に可動自在に支持されている。これにより、サブスクリーン112は、後述するサブスクリーン駆動部501及びラックアンドピニオン機構510によって閉塞位置と開放位置との間で可動するようになっている。サブスクリーン駆動部501は、図23(a)に示すように、メインスクリーン111の背面側に固定されている。
図20及び図21に示すように、サブスクリーン駆動部501は、例えばモータで構成されており、副制御回路70に接続されている。サブスクリーン駆動部501は、サブCPU71からの入力信号に応じて駆動し、ラックアンドピニオン機構510を介してサブスクリーン112を可動させるようになっている。なお、サブスクリーン駆動部501及びラックアンドピニオン機構510は、サブスクリーン112の長手方向(左右方向)の両側にそれぞれ設けてもよいし、いずれか一方にのみ設けてもよい。
図23(a)に示すように、ラックアンドピニオン機構510は、サブスクリーン駆動部501に連結されたピニオンギヤ511と、ピニオンギヤ511に噛み合うラック部512とを含んで構成されている。また、一対のサブスクリーン用ブラケット113には、上下方向に延在する長穴113aが形成されている。
ラック部512は、ピニオンギヤ511に噛み合うギヤを有するラック本体512aと、サブスクリーン用ブラケット113の長穴113a内を摺動可能な摺動部512bと、摺動部512bに連結された支持部512cとを含んで構成されている。
支持部512cは、図示しない締結部材あるいは接着等によりサブスクリーン112に固定されている。したがって、サブスクリーン112は、ラック部512の可動に連動して上下方向に可動する。
詳細には、図23(a)に示すように、サブスクリーン112が閉塞位置に位置している状態で、サブスクリーン駆動部501を駆動してピニオンギヤ511を図中、時計回り方向に回転させると、ラック部512が上方に移動する。このとき、摺動部512bが長穴113a内を上方に向けて摺動する。これにより、図23(b)に示すように、サブスクリーン112が開放位置まで上昇し、サブスクリーン112の閉塞位置から開放位置への可動が完了する。
なお、開放位置に位置するサブスクリーン112を元の位置、つまり閉塞位置に戻すには、例えばサブスクリーン駆動部501を逆駆動(ピニオンギヤ511を反時計回り方向に回転させる)させてもよいし、サブスクリーン駆動部501による駆動トルクを解除することでサブスクリーン112の自重により下降させてもよい。
一方、図22に示すように、メインスクリーン111の背面側には、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な立体的形状(例えば、扇形状)を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン110が設けられている。
可動スクリーン110の表面には、可動スクリーン110をスクリーンとして機能させるためのスクリーン塗料が塗布されている。スクリーン塗料としては、第3の実施の形態と同様のものを用いることができる。本実施の形態では、可動スクリーン110は、映像が投影される面(正面)が湾曲した扇形状となっている。これにより、可動スクリーン110は、例えばリール上に描かれる図柄が映像として投影されることで、疑似的なリールを構成することができる。なお、可動スクリーン110の形状は、一例であってこれに限定されるものではない。
可動スクリーン110は、サブスクリーン112が開放位置にあるときに、役物駆動部502及び役物駆動機構520によって開口部111aを介して遊技機前方側に向けて可動するようになっている。
図20及び図21に示すように、役物駆動部502は、例えばモータで構成されており、副制御回路70に接続されている。役物駆動部502は、サブCPU71からの入力信号に応じて駆動し、役物駆動機構520を介して可動スクリーン110を可動させるようになっている。
図24(a)、(b)に示すように、役物駆動機構520は、役物駆動部502に連結されたピニオンギヤ521と、ピニオンギヤ521に噛み合うドライブギヤ522と、ドライブギヤ522の回転に連動して作動するリンク機構523とを含んで構成されている。
リンク機構523は、ドライブギヤ522に一体回転可能に取り付けられた第1のアーム523aと、第1のアーム523aの一端に回動可能に取り付けられた第2のアーム523bとを有している。
したがって、図24(a)に示すように、可動スクリーン110がメインスクリーン111の背面側に位置している状態で、役物駆動部502を駆動してピニオンギヤ521を図中、反時計回り方向に回転させると、ドライブギヤ522が時計回り方向に回転する。このとき、サブスクリーン112は、すでに開放位置まで上昇している。
ドライブギヤ522が回転すると、第1のアーム523aもともに回転し、それまで屈曲していたリンク機構523が伸長した状態となる。これにより、図24(b)に示すように、可動スクリーン110がメインスクリーン111の開放された開口部111aを介して遊技機前方側にせり出す。
なお、遊技機前方側にせり出した可動スクリーン110を元の位置、つまりメインスクリーン111の背面側に戻すには、例えば役物駆動部502を逆駆動(ピニオンギヤ521を時計回り方向に回転させる)させてもよいし、リンク機構523が図24(a)に示す屈曲状態と逆方向の屈曲状態となるまで役物駆動部502をさらに駆動させてもよい。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が、投影位置に固定されたメインスクリーン111と、そのメインスクリーン111に対して可動自在なサブスクリーン112とを有するので、メインスクリーン111とサブスクリーン112とを用いた多種多様な演出を行うことができる。本実施の形態では、サブスクリーン112の開放位置への上昇と連動して可動スクリーン110を可動させることができる。
また、本実施の形態に係る表示ユニット100Dは、メインスクリーン111及びサブスクリーン112に加えて、立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン110を備えているので、メインスクリーン111及びサブスクリーン112と可動スクリーン110とを用いた多種多様な演出を行うことができる。
また、サブスクリーン112が開放位置にあるときにメインスクリーン111の開口部111aを介して遊技機前方側に向けて可動スクリーン110が可動するので、役物の動きを加えた演出を行うことができ、遊技者の興趣を惹きつけることができる。
(第6の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第6の実施の形態について説明する。
図25(a)、(b)及び図26(a)、(b)は、本発明の第6の実施の形態に係る表示ユニット100Eの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図25(a)に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Eは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。各側板107には、第1の案内穴108と、第2の案内穴109とが形成されている。これら第1の案内穴108及び第2の案内穴109には、後述する係合突起134、135がそれぞれ係合するようになっている。
本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置(図25(a)に示す位置)と当該照射光が投影されない非投影位置(図26(b)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
また、図25(b)に示すように、本実施の形態の投影位置には、プロジェクタ101からの照射光を投影可能としつつも、所定の面積の開口133を形成する一部開口位置(、図25(b)に示す位置)が含まれる。開口133は、スクリーン103の下面とステージ100bの上面と一対の側板107の側面とによって画成される。
また、図25(a)に示すように、スクリーン103の両側端部(側板107に対向する端部)には、スクリーン103の上下方向に互いに離隔して配置された係合突起134、135が設けられている。
係合突起134は、第1の案内穴108に係合し、第1の案内穴108内を摺動するようになっている。係合突起135は、第2の案内穴109に係合し、第2の案内穴109内を摺動するようになっている。
第1の案内穴108は、スクリーン103を投影位置と一部開口位置との間で移動させる際に係合突起134が摺動する第1案内部108aと、スクリーン103を一部開口位置と非投影位置との間で移動させる際に係合突起134が摺動する第2案内部108bとを有する。
第2の案内穴109は、スクリーン103を投影位置と一部開口位置との間で移動させる際に係合突起135が摺動する第1案内部109aと、スクリーン103を一部開口位置と非投影位置との間で移動させる際に係合突起135が摺動する第2案内部109bとを有する。
一方、スクリーン103の背面側には、第5の実施形態と同様の構成の可動スクリーン110が設けられている。可動スクリーン110の構成は、第5の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。なお、本実施の形態の可動スクリーン110は、スクリーン103が一部開口位置にあるときに可動するようになっている。
また、本実施の形態では、スクリーン103を可動する駆動部については、図示を省略しているが、例えばスクリーン103の下部近傍にワイヤを取り付け、このワイヤを介してスクリーン103を表示ユニット100Eの上部から引き上げる構成を採用することができる。こうしたワイヤの引き上げは、例えばモータによるワイヤの巻き取り等によって実現することができる。
このように構成された表示ユニット100Eでは、図25(a)に示すように、スクリーン103が投影位置に位置している状態で、スクリーン103が上方に引き上げられると、係合突起134及び135がそれぞれ第1案内部108a、109aに沿って上昇する。
そして、図25(b)に示すように、スクリーン103が一部開口位置に到達したタイミングでスクリーン103の引き上げを一旦停止する。その後、役物駆動機構520を駆動することによって可動スクリーン110を遊技機前方側に向かって可動させる。これにより、図26(a)に示すように、可動スクリーン110がスクリーン103の下部に形成された開口133を介して遊技機前方側にせり出す。この状態では、プロジェクタ101からの照射光をスクリーン103と可動スクリーン110の双方に投影することができる。
次いで、スクリーン103をさらに引き上げると、係合突起134及び135がそれぞれ第2案内部108b、109bに沿って上昇する。これにより、図26(b)に示すように、スクリーン103が非投影位置まで上昇する。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103に加えて、立体形状を有する可動式の役物で構成された可動スクリーン110を備えているので、スクリーン103と可動スクリーン110とを用いた多種多様な演出を行うことができる。
(第7の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第7の実施の形態について説明する。
図27(a)、(b)は、本発明の第7の実施の形態に係る表示ユニット100Fの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図27(a)に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Fは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。この一対の側板107間には、スクリーン103及びスクリーン駆動機構710を支持する支持板700が取り付けられている。
本実施の形態に係るスクリーン103は、左スクリーン103Aと右スクリーン103Bとに分割されており、これら左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは互いに対向するように設けられている。
また、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置(図27(b)に示す位置)と当該照射光が投影されない非投影位置(図27(a)に示す位置)との間で可動自在に構成されている。
具体的には、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、それぞれ上端部に後述する第1の長穴700aに係合する第1の係合突起731と、第2の長穴700bに係合する第2の係合突起732とが設けられている。
支持板700には、第1の係合突起731が係合する第1の長穴700aと、第2の係合突起732が係合する第2の長穴700bとが形成されている。
スクリーン駆動機構710は、図示しないモータに連結されたピニオンギヤ711と、ピニオンギヤ711に噛み合う左ドライブギヤ712と、左ドライブギヤ712に噛み合う右ドライブギヤ713と、これら左ドライブギヤ712及び右ドライブギヤ713の回転に連動して作動する左アーム714及び右アーム715とを含んで構成されている。
左アーム714及び右アーム715は、それぞれ左ドライブギヤ712及び右ドライブギヤ713の偏心位置に一端が回動自在に取り付けられている。また、左アーム714及び右アーム715の他端は、それぞれ左スクリーン103A及び右スクリーン103Bの第2の係合突起732に回動自在に取り付けられている。
このように構成された表示ユニット100Fでは、図27(a)に示すように、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bが非投影位置に位置している状態で、ピニオンギヤ711が図中、反時計回り方向に回転すると、左ドライブギヤ712が時計回り方向に回転するとともに、右ドライブギヤ713が反時計回り方向に回転する。
これにより、第2の係合突起732が第2の長穴700b内を側板107から離隔する方向に摺動する。このとき、第1の係合突起731は、第1の長穴700a内を後側板104側に向かって摺動する。
この結果、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、その投影面(互いに対向する面)を遊技機前方側に向けるようにしてせり出す。これにより、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bは、図27(b)に示すように、投影位置に位置することとなる。
なお、投影位置に位置する左スクリーン103A及び右スクリーン103Bを元の位置、つまり非投影位置に格納するには、例えばモータを逆駆動(ピニオンギヤ711を時計回り方向に回転させる)させる。
このような構成とした本実施の形態においては、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bが投影位置と非投影位置との間で可動自在に構成されているので、例えば遊技状態に応じて、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bを用いた演出と左スクリーン103A及び右スクリーン103Bを用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。
(第8の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第8の実施の形態について説明する。
図28〜図30は、本発明の第8の実施の形態に係る表示ユニット100Gの構成を示すものであり、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号を付している。以下においては、第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明する。
図28に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Gは、ステージ100b及び後側板104に固定された一対の側板107を備えている。
また、本実施の形態に係るスクリーン103は、プロジェクタ101からの照射光が投影可能な投影位置に固定された第1のスクリーンとしてのメインスクリーン811と、メインスクリーン811に対して可動自在な第2のスクリーンとしてのサブスクリーン812とを有している。
メインスクリーン811は、一対の側板107及びステージ100bに固定されている。なお、メインスクリーン811は、第5の実施の形態と同様、一対のブラケットを介してステージ100bに固定される構成であってもよい。
また、メインスクリーン811は、所定の面積の開口部811aを有する。この開口部811aは、サブスクリーン812によって常時閉塞されている。
サブスクリーン812は、複数の分割スクリーン812a、812b、812cで構成されている。これら分割スクリーン812a、812b、812cは、上下方向に3段となるよう配置されている。なお、サブスクリーン812は、3段に限らず、1〜2段、又は4段以上であってもよい。
また、サブスクリーン812は、メインスクリーン811に対して遊技機前方にせり出すよう可動するようになっている。具体的には、図30に示すように、サブスクリーン812は、図示しないモータ等の駆動部及びサブスクリーン駆動機構910によって、分割スクリーン812a、812b、812cが遊技機前方にせり出したときに階段状となるよう可動するようになっている。
サブスクリーン駆動機構910は、図29に示すように、図示しないモータ等の駆動部に連結される駆動連結部911と、駆動連結部911に一体回転可能に取り付けられた駆動軸912(図28、図30参照)と、駆動軸912に一体回転可能に固定された右ドライブギヤ913と、右ドライブギヤ913に噛み合う左ドライブギヤ914とを含んで構成されている。なお、図29では、メインスクリーン811の図示を省略している。
ここで、右ドライブギヤ913及び左ドライブギヤ914は、分割スクリーン812a、812b、812cごとにそれぞれ設けられている。また、右ドライブギヤ913及び左ドライブギヤ914には、アーム部913a、914aがそれぞれ一体回転可能に固定、あるいは一体形成されている。
また、アーム部913a、914aは、分割スクリーン812a、812b、812cごとにそれぞれ異なる長さに設定されている。本実施の形態では、分割スクリーン812a、812b、812cの順にアーム部913a、914aの長さが長くなるように設定されている。これにより、サブスクリーン812が遊技機前方にせり出した際に、分割スクリーン812a、812b、812cが階段状となる。
また、アーム部913a、914aの先端には、後述する分割スクリーン812a、812b、812cの係合溝920に係合し、係合溝920内を左右方向に摺動する係合突起913b、914bがそれぞれ設けられている。
一方、分割スクリーン812a、812b、812cは、それぞれ天板を有する中空の矩形形状をなし、天板の裏面(内側面)に上述の係合突起913b、914bが係合する係合溝920が左右方向に延在して形成されている。
このように構成された表示ユニット100Gでは、図28に示すように、サブスクリーン812がせり出していない状態で、駆動連結部911を図中、時計回り方向に回転させると、右ドライブギヤ913が時計回り方向に回転する。右ドライブギヤ913が回転すると、左ドライブギヤ914が反時計回り方向に回転する。
これにより、右ドライブギヤ913及び左ドライブギヤ914の回転に連動して各アーム部913a、914aも回転する。このとき、各アーム部913a、914aの回転と連動して、各係合突起913b、914bが各係合溝920内を互いに接近する方向に摺動する。
この結果、図30に示すように、サブスクリーン812が遊技機前方にせり出し、分割スクリーン812a、812b、812cによって階段状のサブスクリーン812が形成される。
なお、遊技機前方側にせり出したサブスクリーン812を元の位置(図28に示す位置)に戻すには、例えば駆動部を逆駆動(駆動連結部911を反時計回り方向に回転させる)させる。
このような構成とした本実施の形態においては、スクリーン103が、投影位置に固定されたメインスクリーン811と、そのメインスクリーン811に対して可動自在なサブスクリーン812とを有するので、メインスクリーン811とサブスクリーン812とを用いた多種多様な演出を行うことができる。
また、本実施の形態に係る表示ユニット100Gは、サブスクリーン812がメインスクリーン811に対して遊技機前方側にせり出すよう可動するので、遊技者に対して迫りくるような感覚を与えることができる迫力のある演出を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、サブスクリーン812を上下方向に3段に分割した構成としたが、これに限らず、例えば左右方向に分割した構成や上下方向に分割したものと左右方向に分割したものとを組み合わせる等、種々の態様をとることができる。また、サブスクリーン812の位置は、メインスクリーン811の下部に限らず、上部あるいは中心であってもよい。
上記したように、上述の各実施の形態に係る表示ユニット100,100A〜100Gは、既存の遊技機1,1A及び1Bの限られたスペース内に効率よく配置できるようになるため、簡易な構成でありながらも、安価な遊技機を提供することが可能となる。
すなわち、遊技機1,1A及び1Bにおいて、遊技に用いられる各種の機器が収容されるキャビネット2aの内部に、照射光101aを投影するプロジェクタ101と、該プロジェクタ101から投影された照射光101aを所定の反射角度で反射させるリフレクタ102と、該リフレクタ102によって反射されたプロジェクタ101からの照射光101aが投影されるスクリーン103と、を効率よく配置できるようにしている。これにより、これまでの液晶を用いた表示ユニットに代えて、プロジェクタ101を用いた表示ユニット100,100A〜100Gを搭載できるようになるので、既存の遊技機の設計を大幅に変更せずとも、遊技機が大型化するのを抑制できる。したがって、比較的に高価であり、その購入の時期によっては価格が大きく変動する可能性のある液晶パネルのような表示ユニットを用いずとも、より安価なプロジェクタ101を用いた表示ユニット100,100A〜100Gによって多種多様な演出を安定的に実現することが可能な遊技機1,1A及び1Bとすることができるものである。
しかも、表示ユニット100,100Aには、立体形状を有する役物201や可動式の役物202を配置し、表示ユニット100Bは、スクリーン103を立体形状を有する可動式の役物で構成したので、演出態様が立体的であり、より斬新な演出や印象的な演出を行うことが可能となる。
また、プロジェクタ101、リフレクタ102、及び、スクリーン103をユニット化したことにより、表示ユニット100,100A〜100Gの装着を効率よく行うことが可能となり、前面扉2bを、表示画面領域19が形成されたフロントパネル2b-2とそれ以外のメインパネル2b-1とで分割して開閉することが可能な構成とすることもできる。
なお、上記した各実施の形態においては、表示ユニット100,100A〜100Gとして、いずれもプロジェクタ101を天井板100a側に配置するように構成した場合を例に説明したが、これに限らず、例えばステージ100b側にプロジェクタ101を配置する構成としてもよい。
また、いずれの実施の形態における表示ユニット100,100A〜100Gの場合においても、プロジェクタ101は1つに限らず、複数のプロジェクタ101を備えるものであってもよい。
また、各実施の形態において、いずれの表示ユニット100,100A〜100Gの場合も、ステージ100bが可動する構成としてもよい。
また、各実施の形態においては、いずれの場合も、液晶表示パネルを用いて腰部パネル18を構成することも可能である。
また、上記した各実施の形態において、液晶表示装置20は、台座部12cの上部側T、例えば表示画面領域19とスクリーン103との間(L側及びR1側)に設けることも可能である。
また、上記した各実施の形態において、台座部12cの上部側T、例えば表示画面領域19とスクリーン103との間(L側及びR1側)には、ドットマトリクスによる演出装置を設けるようにしてもよい。
また、上記した第1の実施形態及び第2の実施の形態においては、役物201,202に対して、例えば、ブラックライトに反応して発光するような塗料を選択的に塗布するようにしてもよい。この場合、遊技機1,1Aにブラックライトを搭載させることのみによって、発光する役物と発光しない役物とを混在させたり、1つの役物において、発光する部分と発光しない部分とを設けることが可能となる。
以上、説明したように、本発明に係る遊技機は、既存の遊技機の設計を大幅に変更したりすることなく、演出態様が立体的であり、より斬新な演出を行うことができるという効果を奏するものであり、遊技機に搭載される表示ユニットに有用である。
(第9の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態について説明する。
図31及び図32は、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hの構成を示すものである。図31は、表示ユニット100Hを、前面側F1から奥側Rに向けて見た正面図である。図32は、表示ユニット100Hを、図31のF−F’の直線で切り取った断面図である。
図31及び図32に示すように、表示ユニット100Hは、上部に、天井板1300aに支持されたプロジェクタ1101及びリフレクタ1302を備え、下部にステージ(底板)1300bを備える。さらに表示ユニット100Hは、左側Lと右側R1にそれぞれ設けられ、それぞれ下部から上部に延びて天井板1300aとステージ1300bに接続する側板1305を備える。また表示ユニット100Hは、奥側にスクリーン1303を備える。表示ユニット100Hは、これらがユニットとして一体化され、前面側F1が開口されたコの字形状の側部を備えるような構成となっている。
また、表示ユニット100H内には、回動片1308(図32参照)を介して回動自在に支持されている可動スクリーン1304を備えるように構成することもでき、さらに、役物(可動役物を含む)を備えるように構成してもよい。なお、上述したプロジェクタ101を、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態に係るプロジェクタ1101と同じ構成とすることができる。プロジェクタ1101の構成については、後で詳細に説明する。
表示ユニット100Hは、上述のように、プロジェクタ1101、リフレクタ1302、及びスクリーン1303を有して構成された演出表示手段としての、いわゆるプロジェクションマッピング装置である。また、これまで説明してきた表示ユニット100ないし100G、及び、他の同様の表示ユニットにおいて、奥側のスクリーン、左側の側板、右側の側板、及び下部のステージの少なくともいずれかを、表示ユニット100Hの各部のように構成することができる。
表示ユニット100Hは、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、スクリーンや役物に対して、その位置(投影距離や角度など)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。例えば、当籤役や演出の抽籤結果に応じた演出動画を音声出力と同期させてスクリーンに投影したり、リールの形状を模した曲面を有する役物に対して、回転する図柄の動画を投影して擬似的なリールを表現したりすることができる。
表示ユニット100Hには、上述した表示ユニット100ないし100Gが備えるスクリーン、可動スクリーン、役物のいずれかを配置するように構成することができる。
プロジェクタ1101の投射レンズから照射光(1101a)が投影される方向は、一般に、前方向、左方向、右方向、下方向であり、こうした照射光の投影対象は、スクリーン1303(前方向)、左側Lの側板1305(左方向)、右側R1の側板1305(右方向)、及びステージ1300b(下方向)である。なお、可動スクリーン1304や役物も照射光の投影対象となりうる。
次に、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hのプロジェクタ1101の構成について説明する。
プロジェクタ1101は、スクリーンや役物といった、プロジェクタの投影対象の位置が変化して投影距離が変化するような場合であっても、投射レンズを移動させることによって、当該投影対象に対してフォーカス調整を行い、ピントの合った鮮明な画像を投影することができる。
また、プロジェクタ1101は、上述したように、第1の実施の形態に係る表示ユニット100はもちろん、第2ないし第8の実施の形態の表示ユニット100Aないし100Gにそれぞれ適用することができる。例えば、第1、第2の実施の形態においては、役物駆動部200によって駆動される可動式の役物202(図6、図8参照)の移動に伴って、プロジェクタ1101が映像を投影する場合にフォーカス調整を行うように構成することができる。
また、第3の実施の形態においては、第1役物駆動部301、第2役物駆動部302によってそれぞれ駆動される第1の役物131、第2の役物132(図11、図13参照)の移動に伴って、プロジェクタ1101が映像を投影する場合にフォーカス調整を行うように構成することができる。
さらに、第4の実施の形態においては、スクリーン駆動部401によって駆動されるスクリーン103(図15、図17参照)の(投影位置での)移動に伴って、プロジェクタ1101が映像を投影する場合にフォーカス調整を行うように構成することができる。
また、第5の実施の形態においては、サブスクリーン駆動部501によって駆動されるサブスクリーン112(図19、図21参照)の移動に伴って、及び、役物駆動部502によって駆動される役物(可動スクリーン110(図21、図22参照))移動に伴って、プロジェクタ1101が映像を投影する場合にフォーカス調整を行うように構成することができる。
また、第6の実施の形態においては、スクリーン103と役物(可動スクリーン110)の移動に伴って(図25、図26参照)、プロジェクタ1101が映像を投影する場合にフォーカス調整を行うように構成することができる。
また、第7の実施の形態においては、左スクリーン103A及び右スクリーン103Bの(投影位置での)移動に伴って(図27参照)、プロジェクタ1101が映像を投影する場合にフォーカス調整を行うように構成することができる。
また、第8の実施の形態においては、サブスクリーン812の移動に伴って(図28参照)、プロジェクタ1101が映像を投影する場合にフォーカス調整を行うように構成することができる。
プロジェクタ1101は、他の様々な表示ユニットにおいて、スクリーンや役物が移動する場合に、フォーカス調整を行うよう制御することができる。
図33は、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hのプロジェクタ1101の回路構成を示すものである。
プロジェクタ1101は、この例ではDLPプロジェクタであり、プロジェクタ制御ユニット1102、及び光学ユニット1108を備えている。副制御回路70のサブCPU71は、プロジェクタ1101に接続され、決定した演出の内容によるスクリーンや役物の移動に応じて、プロジェクタ制御ユニット1102を制御し、光学ユニット1108を介して、スクリーンや役物に照射光を投影し、演出のための映像を表示する。また、調整用PC(パーソナルコンピュータ)1301は、工場での出荷時等に、プロジェクタ1101に一時的に接続され、そこで、投影される照射光の位置調整及びフォーカス調整を可能とする(詳細については後述する)。
プロジェクタ制御ユニット1102は、さらに制御LSI1103、EEPROM(登録商標:Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)1104、DLP制御回路1105、及びLEDドライバ1106を備える。また、光学ユニット1108は、DMD(Digital Micromirror Device)、LED光源(R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれのLED光源)、投射レンズ、フォーカス調整用モータ、及び投射レンズとフォーカス調整用モータを接続する接続部を備える。
ここで、制御LSI1103は、サブCPU71の指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路1105を制御する。また、制御LSI1103は、サブCPU71の指令に基づいて、光学ユニット1108のフォーカス調整用モータを制御して投射レンズの位置を移動させ、投影する照射光についてフォーカス調整を行う。また、EEPROM1104には、制御LSI1103による制御やプロジェクタ1101の調整に関わるデータが記憶される。
プロジェクタ1101におけるDLP(DLPシステム)は、DLP制御回路1105、LEDドライバ1106、光学ユニット1108のDMD、及び光学ユニット1108のLED光源(R、G、BのそれぞれのLED光源)を含むように構成される。
DMDは、チップ上に、表示解像度に対応するピクセル分のミラーが集積配置されており、ミラー直下にあるメモリー素子の静電界作用により、それぞれ+10°又は−10°に傾くように構成されている。このような構成により、DMDの各ミラーでON状態とOFF状態の切り換えが可能となっており、ON状態の場合には、入射された光を投射レンズに向けて反射し、OFF状態の場合には、入射された光は投射レンズ以外の方向に向けて反射され吸収される。
DLP制御回路1105は、LED光源のLEDを駆動するLEDドライバ1106を制御し、RGBのLED光源からの光をそれぞれ時分割で(ダイクロイックミラー等を介して)DMDに入射させるとともに、投影する映像に応じて、どのタイミングでどのピクセルに対応したミラーをON状態(又はOFF状態)とするか、すなわち、RGBの光のうちどれをどのタイミングで反射させるかを判定し、DMDの各ミラーの状態を制御する。
このような、DLP制御回路1105の制御により、DMDで反射した光が光学ユニット1108の投射レンズに提供され、その照射光がスクリーンや役物に投影され、演出に応じた映像が形成される。
図34は、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hのプロジェクタ1101の外観を示すものである。
プロジェクタ1101は、取付台座1121、調整台座1122、光学ユニットカバー1123、エアーダクト1126、及びプロジェクタカバー1129を備えるように構成される。取付台座1121は、所定の固定治具によって、表示ユニット100Hの天井板1300aに支持される。この例では、4箇所の筐体取付穴において、それぞれネジによって天井板に支持される。プロジェクタ1101が表示ユニット100Hに取り付けられた状態では、天井板1300aの下に、図34に示す姿勢の取付台座1121が位置することになる。調整台座1122は、複数の調整部材によって位置決めがされることにより取付台座1121に支持される。
光学ユニットカバー1123は、調整台座1122に支持され、光学ユニット1108の一部(例えば、フォーカス調整用モータ、投射レンズ、及びこれらを接続する接続部)を内部に格納する。光学ユニットカバー1123はまた、投射レンズから投影される照射光を透過するガラスレンズ1124を備える。図34の矢印に示すように、ガラスレンズ1124を透過して投影される照射光の照射方向は、図1における前面側F1の方向である。
エアーダクト1126は、調整台座1122に支持され、熱を発生するパーツ(例えば、DMDやLED光源)を冷却するためのファンによる風を、排気口1127aを含む3つの排気口に誘導する。プロジェクタカバー1129は、プロジェクタ制御ユニット1102のメイン基板等を覆うように配置され、エアーダクト1126に支持される。
図35は、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hのプロジェクタ1101の構成をより詳細に示すものであり、プロジェクタ1101の構成要素が、分解された状態で示されている。これらを組み立てると図34に示すようなプロジェクタ1101の外観となる。なお、図35は、プロジェクタ1101の構成を容易に理解するために示したものであって、全ての構成要素を示しているわけではない。例えば、ファンやヒートシンク等、一部の構成要素の表示は省略されている。
調整台座1122は、複数の調整部材によって、取付台座1121の下部に支持される。さらに、調整台座1122の下部には、光学ユニットカバー1123が配置され、光学ユニットカバー1123の内部に、光学ユニットの一部(投射レンズ、フォーカス調整用モータ、及び接続部)が格納される。
エアーダクト1126は、排気口1127a、及び排気口1127bを含む3つの排気口を備え、内部にファン、ヒートシンク等を含むように調整台座1122に支持される。エアーダクト1126の下部には、プロジェクタ制御ユニット1102のメイン基板1128等が配設される。プロジェクタカバー1129は、メイン基板1128等を覆うように配置され、エアーダクト1126に支持される。
図36は、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hのプロジェクタ1101に含まれる、光学ユニット1108の一部の構成を示すものである。図36(a)は、光学ユニット1108の一部についての平面図であり、光学ユニット1108の他、メイン基板1128の一部と、ヒートシンク1152aも示されている。図36(b)は、図36(a)に示した光学ユニット1108の一部についての平面図であり、前面側F1から奥側Rに向けて見た図である。
図36(a)に示すように、光学ユニット1108の右側には、フォーカス調整用モータ1107を含む駆動部1141が配置され、左側には、投射レンズ1143が配置され、駆動部1141及び投射レンズ1143の間には、接続部1142が配置される。投射レンズ1143からは照射光1101aが照射される。また、この例では、フォーカス調整用モータ1107はステッピングモータである。
上述の駆動部1141、投射レンズ1143、及び接続部1142が、図35に示すように、光学ユニットカバー1123に格納される。
接続部1142は、駆動部1141のフォーカス調整用モータ1107の回転軸に保持されたギヤ1144と噛み合うギヤ1145を備える。ギヤ1145はリードスクリュー1146と係合し、ギヤ1145の回転に伴ってリードスクリュー1146が回転するように構成されている。投射レンズ係合部1148は、リードスクリュー1146のねじ部に嵌合して取り付けられるとともに、投射レンズ1143の中央付近に配置された凹部1143aに係合されており、リードスクリュー1146の回転に伴って、リードスクリュー1146の回転軸方向に移動し、その移動によって、係合されている投射レンズ1143を同方向に移動させる。
投射レンズ1143は、2つのシャフト1147に沿って移動可能に取り付けられており、投射レンズ係合部1148が移動した場合に、それに応じて、シャフト1147に沿って移動する。投射レンズ1143は、図36(a)に示すように、奧側Rから前面側F1に向かって、又は、前面側F1から奥側Rに向かって移動する。
また、図36(a)には、光学ユニット1108に接続されたメイン基板1128の一部が示されており、メイン基板1128の裏側には、DLP制御回路1105が配置される。また、メイン基板1128の左側側部には、DMD1151が配置され、これに隣接して、ヒートシンク1152aが配置される(DMD1151は、光学ユニット1108の一部である)。また、DMD1151から反射された光は、ミラーやプリズム等によって、投射レンズ1143に入射される。
図36(b)には、駆動部1141のフォーカス調整用モータ1107の回転軸に保持されたギヤ1144と、接続部1142のギヤ1145が噛み合う様子が示されている。これにより、上述の通り、リードスクリュー1146が回転して、当該リードスクリュー1146の回転に応じて、投射レンズ係合部1148が移動し、最終的に投射レンズ1143を移動させる。
投射レンズ1143は、上述の通り、投射レンズ係合部1148と係合し、投射レンズ係合部1148の移動に伴い、2本のシャフト1147に沿って光軸方向に移動するよう構成される。その結果、フォーカス調整が行われ、移動により位置を変えたスクリーンや役物に対して、ピントの合った鮮明な映像が投影される。フォーカス合焦範囲は、例えば、8インチ(約20.32cm)又は10インチ(約25.4cm)から17インチ(約43.18cm)までである。また、この間の移動時間は、例えば、500ms以内である。
このような、本発明の第9の実施の形態に係るプロジェクタ1101により、サブCPU71は、演出等の映像に係る映像データをプロジェクタ1101に送信するとともに、これをスクリーンや役物に投影するようプロジェクタ1101を制御する。他方、サブCPU71は、本発明の第1ないし第8の実施の形態で、又はこれらと同様の形態で、スクリーン駆動部や役物駆動部を制御して、スクリーンや役物を演出内容に応じて移動させる。
ここで、サブCPU71は、演出によるスクリーンや役物の上記移動に応じて、プロジェクタ1101を制御し、移動したスクリーンや役物に、映像が鮮明に投影されるようにフォーカス調整を行う。より詳しくは、サブCPU71が、スクリーン又は役物の移動に連動して、駆動部1141のフォーカス調整用モータ1107を駆動させるようプロジェクタ1101に指示する。そうすると、当該フォーカス調整用モータ1107の回転に応じて投射レンズ1143が光軸方向に沿って移動し、移動したスクリーンや役物に、常に、同期してピントの合った鮮明な画像が投影される。
サブCPU71からフォーカス調整用モータ1107を駆動させる指示は、例えば、図33に示す、プロジェクタ制御ユニット1102の制御LSI1103を介して光学ユニット1108の駆動部1141に伝えられる。サブCPU71からフォーカス調整用モータ1107を駆動させるための指示内容は、プロジェクタ101が駆動部1141をどのような方法により駆動するかという仕様や、駆動部1141がどのような信号により駆動されるかという仕様による。例えば、投射レンズ1143の移動量(移動範囲)と時間を指定するパラメータで与えることもできるし、所定のタイミングにおける投射レンズ1143の位置を指定するようにして制御することも考えられる。
また、駆動部1141のフォーカス調整用モータ1107に対して、ステッピングモータを駆動させるためのパルスパターンを送信するようにしてもよい。なお、この例では、駆動部1141のフォーカス調整用モータ1107としてステッピングモータを用いているが、接続部のリードスクリュー1146を所定の仕様で回転させることが可能であれば、他のどのようなモータを用いてもよい。
また、本発明の第9の実施の形態では、フォーカス調整用モータ(ステッピングモータ)1107によるギヤ1144の回転移動がリードスクリュー1146に伝えられ、当該リードスクリュー1146に嵌合する投射レンズ係合部1148の直線移動により投射レンズ1143が光軸方向に移動されるよう構成したが、他の様々な構成のフォーカス調整機構によって、当該モータによる回転を利用して、投射レンズ1143を光軸方向に移動させることができる。例えば、モータに接続されたウォームギアを用い、ラックギアを移動させることによって投射レンズの移動を実現することもできる。本願発明の技術的思想は、こうした様々な構成のフォーカス調整機構に適用することができる。
また、本発明の第9の実施の形態では、投射レンズ1143そのものを光軸方向に移動させることによりフォーカス調整を実現するが、所定のレンズを様々な機構や方法で移動させてフォーカス調整を実現することができる。例えば、投射レンズ1143のフォーカス調整をフォーカスリングによって行うような構成の場合、当該フォーカスリングをステッピングモータ等によって変位させて、投射レンズ1143を光軸方向に移動させることもできる。
次に、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hにおいて、プロジェクタ1101の位置調整に関わる台座の取付方法について説明する。なお、ここでは、表示ユニット100Hについての取付方法を説明するが、上述の表示ユニット100ないし100Gについても同様の取付方法を適用することができる。また、他の同様の構成の表示ユニットについても、ここで説明する取付方法を適用することができる。これらの表示ユニットは、遊技機1に搭載される演出用ユニットであって、プロジェクタ、リフレクタ及びスクリーンを、遊技機1のキャビネット2aに対して着脱自在なユニットとして一体化した構成となっている。
図37は、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hにおいて、プロジェクタ1101を取り付けるための取付台座1121と調整台座1122の構成例を示す図である。図37では、取付台座1121の下に調整台座1122が取り付けられた状態が示されている(図35参照)。
取付台座1121は、4つの筐体取付穴1201aないし1201dを備え、それぞれの筐体取付穴において取付ネジによるネジ止めが行われ、取付台座1121が表示ユニット100Hの天井板1300aに保持される。ここで、筐体取付穴は、取付ネジのネジ軸の外径に対して一定の調整範囲を有した内径を備えるように構成されており、当該調整範囲において、取付台座1121の取付位置(表示ユニット100Hの天井板1300aの板面に対する取付位置)を調整可能である。その結果、プロジェクタ1101と表示ユニット100Hとの相対的な位置関係が調整される。
一方、調整台座1122は、3つの位置において取付台座1121に支持されるよう取り付けられる。それぞれの取付位置では、調整ネジと、付勢バネを備えた取付ネジとによる取り付けが行われる。すなわち、第1取付位置では、調整ネジ1211aと取付ネジ1221aによって取り付けが行われ、第2取付位置では、調整ネジ1211bと取付ネジ1221bによって取り付けが行われ、第3取付位置では、調整ネジ1211cと取付ネジ1221cによって取り付けが行われる。
調整台座1122がこのような取付方法で、3つの取付位置において取付台座1121に支持されることで、XYZ軸の全ての方向に対して傾き調整をすることができ、その結果、プロジェクタ1101と表示ユニット100Hとの相対的な位置関係が調整され、プロジェクタ1101から投影される照射光の方向(すなわち、投射レンズ1143の光軸の方向)を微調整することができる。
図38は、表示ユニット100Hにおける、取付台座1121と調整台座1122の取付状況を示した図である。図38では、第1取付位置において、調整ネジ1211aが配置されるとともに、取付ネジ1221aが、調整台座1122の取付ネジ穴1231aに挿入され、第2取付位置において、調整ネジ1211bが配置されるとともに、取付ネジ1221bが、調整台座1122の取付ネジ穴1231bに挿入され、第3取付位置において、調整ネジ1211cが配置されるとともに、取付ネジ1221cが、調整台座1122の取付ネジ穴1231cに挿入される。
図39は、表示ユニット100Hにおいて、取付台座1121と表示ユニット100Hの天井板1300aが、取付位置においてどのように取り付けられるかを示したものである。図39(a)の上図は、筐体取付穴1201aにおいて取付ネジのネジ頭の方向(すなわち、図37の奥側から手前側に向かう方向)から見た図であり、図39(a)の下図は、図39(a)の上図をB−B’の直線で切り取った断面図である。
図39(a)には、筐体取付穴1201aのほぼ中央に取付ネジ1251aが配置されるとともに、ワッシャー1252a、1253aを介してナット1254aと嵌合され、筐体取付穴1201aにおいて、取付台座1121が天井板1300aに保持される状態が示されている。ここで、符号Aに示されたドーナツ状の斜線部分は、取付ネジ1251aのネジ軸の外径と筐体取付穴1201aの内径との間隔であり、図39(a)では、取付ネジ1251aのネジ軸が、筐体取付穴1201aのほぼ中央に配置され固定されていることがわかる。この状態から、取付ネジ1251aのネジ軸は、符号Aに示された斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで、移動させることができ、このように移動させることによって、取付台座1121の天井板1300aに対する位置が調整される。
図39(b)には、図39(a)の状態から、取付台座1121を矢印Eの方向にずらして保持された状態が示されている。保持の方法は、図39(a)と同じであり、図39(b)の上図は、筐体取付穴1201aにおける取付位置を上から見た図であり、図39(b)の下図は、図39(b)の上図をD−D’の直線で切り取った断面図である。この状態では、取付ネジ1251aのネジ軸は、取付台座1121をずらした結果、符号Cに示された斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで、移動させることができるようになっている。
図39では、筐体取付穴1201aに関する取り付け状態が示されているが、他の筐体取付穴1201bないし1201dについても同様である。このように、取付台座1121は、所定の調整範囲のなかで、表示ユニット100Hの天井板1300aに対して相対的に移動させて、その位置を調整することができる。取付台座1121は、天井板1300aに対向した(平行に向かい合った)状態で保持され、その位置を調整範囲のなかで2次元的に変位させることができる。
図40は、表示ユニット100Hにおける、取付台座1121と調整台座1122との取付方法を示したものである。図40(a)は、第1取付位置で、調整ネジ1211aと取付ネジ1221aにより、調整台座1122が取付台座1121に支持されている状態を示す断面図である。
取付ネジ1221aは、取付台座1121と調整台座1122のそれぞれに螺合することなく貫通し、取付ネジ1221aのネジ軸が、調整台座1122の下側でナット1223aに螺合する。また、取付台座1121と調整台座1122の間で、ネジ軸の周りにバネ1222aが配置される。このバネ1222aによって、取付台座1121と調整台座1122が互いに離れる方向に付勢される。ナット1223aは、調整台座1122を取付ネジ1221aのネジ軸上の一定範囲にとどめる働きをするものであり、他の様々な機構を用いてこれを実現することができる。また、ナット1223aは、なんらかの方法で調整台座1122に固着され、取付ネジ1221aと調整台座1122の位置関係が変化しないように構成される(取付ネジ1221aのネジ部分が調整台座1122に嵌合するようにしてもよい)。
調整ネジ1211aは、取付ネジ1221aに近接して配置された、取付台座1121に螺合するプラスネジである。調整ネジ1211aを回すことによって、ネジ軸の先端が調整台座1122に接し、取付台座1121と調整台座1122との間隔を変化させ、結果的に調整台座1122の位置調整が可能となる。取付台座1121と調整台座1122との間は、バネ1222aによって付勢されているために、調整ネジ1211aと取付台座1121との螺合部分における緩み防止機能が実現される。
図40(a)では、第1取付位置に関する取り付け状態が示されているが、第2取付位置及び第3取付位置についても同様である。このように、調整台座1122は、3つの取付位置でそれぞれ調整ネジによる微調整を行うことができるので、取付台座1121に対して調整台座1122の位置(姿勢)をXYZ軸の3次元で調整することができ、例えば、あおり調整(台形歪みの調整)を行うことが可能となる。
図40(b)は、図40(a)とは別の取付方法を示しており、第1取付位置で、調整ネジ1271aと取付ネジ1281aにより、調整台座1122が取付台座1121に支持されている状態を示す断面図である。
取付ネジ1281aは、取付台座1121と調整台座1122のそれぞれに螺合することなく貫通し、取付ネジ1281aのネジ軸が、調整台座1122の下側でナット1283aに螺合する。取付台座1121と調整台座1122の間で、ネジ軸の周りにバネ1282aが配置される。このバネ1282aによって、取付台座1121と調整台座1122が互いに離れる方向に付勢される。ナット1283aは、調整台座1122を取付ネジ1281aのネジ軸上の一定範囲にとどめる働きをするものであり、他の様々な機構を用いてこれを実現することができる。また、取付ネジ1281aのネジ頭は、なんらかの方法で取付台座1121に固着され、取付ネジ1281aと取付台座1121の位置関係が変化しないように構成される(取付ネジ1281aのネジ頭に近いネジ軸の部分にネジ溝を設け、この部分と取付台座1121が嵌合するようにしてもよい)。
調整ネジ1271aは、取付ネジ1281aに近接して配置された、調整台座1122に螺合するプラスネジである。調整ネジ1271aを回すことによって、ネジ軸の先端が取付台座1121に接し、取付台座1121と調整台座1122との間隔を変化させ、結果的に調整台座1122の位置調整が可能となる。取付台座1121と調整台座1122との間は、取付ネジ1281aとバネ1282aによって付勢されているために、調整ネジ1271aと調整台座1122との螺合部分における緩み防止機能が実現されるが、この例ではさらに、調整ネジ1271aのネジ頭と調整台座1122との間にナット1272aを設けて、調整ネジ1271aと調整台座1122との螺合部分を固定し、より高レベルの緩み防止機能を実現している。
図40(b)では、第1取付位置に関する取り付け状態が示されているが、第2取付位置及び第3取付位置についても同様である。このように、調整台座1122は、3つの取付位置でそれぞれ調整ネジによる微調整を行うことができるので、取付台座1121に対して調整台座1122の位置(姿勢)をXYZ軸の3次元で調整することができ、例えば、あおり調整(台形歪みの調整)を行うことが可能となる。
図37ないし図40を参照して説明してきたように、表示ユニット100Hの天井板1300aと取付台座1121との間は、4つの筐体取付穴における取付方法によって、2次元的な位置調整が可能であり、取付台座1121と調整台座1122との間は、3つの取付位置における取付方法によって、3次元的な位置調整が可能である。このような構成により、調整台座1122をベースとして取り付けられるプロジェクタ1101の投射レンズ1143の光軸方向(姿勢)の調整が、上記の異なる2段階の調整ステップにより行われうる。
なお、このような取付台座1121と調整台座1122の取付方法は、上述の第1ないし第8の実施の形態に係るプロジェクタ101の取り付けに関しても同様に適用することができる。
次に、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態において、プロジェクタ1101による照射光の投影に適した投射対象の構成について説明する。プロジェクタ1101の照射方向は、上述のように、基本的には、前方向、左方向、右方向、下方向であり、照射光の投影対象は、例えば、スクリーン1303(前方向)、左側Lの側板1305(左方向)、右側R1の側板1305(右方向)、及びステージ1300b(下方向)となる。また、可動スクリーン1304や役物も照射光の投影対象となる。
ここで、これらの投影対象に対して照射光が投影された場合に、光源の映り込みを効果的に防止するとともに、適度な乱反射によりぎらつきを抑え、良好な視野角と輝度を実現できるように、スクリーン1303等の投影対象を所定の加工によって形成し、又は、所定の塗装が施される。
最初に、照射光の投影に適した投影対象の加工について説明する。適度な性能を実現するために、投影対象のスクリーン等には、シボ加工が施される。シボ加工は、表面にシボ(しわ模様)が形成される加工のことである。投影対象のスクリーン等は、シボ加工がされている金型を用いて成型され、これによって投影対象のスクリーン等の表面にしわ模様が形成される。
このような、表面のしわ模様によって、光源の映り込みを効果的に防止でき、さらに、良好な投射映像の映りを実現することができる。
シボ加工には、「梨地」と呼ばれる模様が含まれ、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態においては、例えば、平均深さが25μm〜30μm程度で、抜け勾配が3%以上である梨地のパターン(梨地No.5)が好ましい。
次に、投影対象のスクリーン等の塗装について説明する。適度な性能を実現するために、投影対象のスクリーン等には、2層塗装が施される。2層塗装は、ここでは、特性の異なる塗料がそれぞれ上下に(2層に)塗装されることを意味する。例えば、下塗りには、高反射性を有する高輝度塗料(例えば、金属調塗料の「超高輝度シルバー」である2P−600シルバー)を用い、上塗りには、艶消し塗料(例えば、「艶消し白」であるHG−650白)を用いることができる。また、HG−650白に、5%程度の艶消し剤(シリカ)を添加するようにもできる。
このような塗装において、上塗りの膜厚は、例えば、22〜23μmであり、下塗りの膜厚は、例えば、1μm前後である。このような塗装により、グロス60°での光沢度は、4〜5となる。
なお、2P−600シルバーは、アルミ顔料に蒸着アルミを使用し、塗膜中のアルミ顔料の重量濃度(PWC)が20〜30%と、一般シルバーの塗料より高く設定されており、より高い光沢値(反射性能)を示す。また、HG−650白の組成は、樹脂が20〜30%、酸化チタンが30〜40%、艶消し剤であるシリカが5〜10%、添加剤が0.5〜2%、及び溶剤が30〜40%である。
この他、上塗り塗料として、HG−650白に艶消し剤として様々な平均粒径を持つガラス系又は樹脂系のビーズを所定割合だけ添加した塗料や、当該ビーズに加えてシリカを添加した塗料を用いることもできる。また、HG−650Fクリヤーや、HG−650Fクリヤーに艶消し剤として様々な平均粒径を持つビーズを所定割合だけ添加した塗料を用いることもできる。膜厚についても、例えば、16〜23μmまでといったように、様々に調整可能である。なお、HG−650Fクリヤーの組成は、樹脂が20〜30%、艶消し剤であるシリカが2〜5%、添加剤が0.5〜2%、及び溶剤が60〜70%である。
また、他の下塗り塗料として、HG−650白や、HG−650白に艶消し剤として様々な平均粒径を持つガラス系又は樹脂系のビーズを所定割合だけ添加した塗料を用いることもできる。また、膜厚についても、例えば、1〜21μmまでといったように、様々に調整可能である。
上述のように、投影対象のスクリーン等をシボ加工によって形成したり、2層塗装を施したりすることによって、光源の映り込みを効果的に防止でき、さらに、良好な投射映像の映りを実現することができる。また、シボ加工がされたスクリーンや役物等に対して、上述した2層塗装を施すこともできる。
また、投影対象となるスクリーンや役物等の素材は、この例では、黒色又は白色のABS樹脂や透明のポリカーボネート樹脂であるが、これに限られるものではない。
なお、投影対象となるスクリーンや役物等に関する表面加工と塗装は、上述の第1ないし第8の実施の形態に係るスクリーン及び役物に関しても同様に適用することができる。
次に、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hおいて、プロジェクタ1101による照射光の投影による表示態様についての調整(照射光の投影位置とフォーカスの調整)を、プロジェクタ1101と、このプロジェクタ1101に接続された調整用PCの通信機能を用いて行う方法について説明する。表示ユニット100Hの天井板1300aに支持されたプロジェクタ1101は、工場での出荷時や、遊技機1の組み立て完了のタイミング等で、照射光の投影位置とフォーカスが仕様と合っているか否かについてチェックが行われ、必要に応じて調整が実施される。
そのために、図41に示すように、調整用PC1301は、所定の通信線(例えば、UART、RS−232c、USB、イーサネット(登録商標)(LAN)等のシリアル通信)により、表示ユニット100Hのプロジェクタ1101と通信可能に接続され、工場調整担当者による調整用PC1301の操作によって、プロジェクタ1101の投影位置とフォーカスの調整が行われる。この例では、調整操作を行う者を、便宜上、工場調整担当者と称するが、当該調整操作の場所が工場に限られるわけではない。
この調整操作のために、調整用PC1301は、調整を行う際に、一時的にプロジェクタ1101の制御LSI1103に接続される(図33参照)。工場調整担当者が調整用PC1301を操作すると、調整用PC1301から送信される所定のコマンドにより、プロジェクタ1101における照射光の投影位置やフォーカスが変更される。このようにして、投影位置とフォーカスが正しく調整された場合、調整のための変位データが、基準値に対するオフセットデータとして、例えば、プロジェクタ1101のEEPROM1104に記憶される(図33参照)。EEPROM1104は、不揮発性メモリであり、プロジェクタ1101等から電源を供給することなくデータの記憶維持が可能である。そのため、EEPROM1104に記憶されたオフセットデータは、搬送等のために、プロジェクタ1101への電源供給が一旦停止され、遊技機1が遊技場に設置された場合でもそのまま利用することができる。
EEPROM1104に記憶される当該オフセットデータには、より具体的には、センター調整値(すなわち、垂直方向(Y軸上)の変位、水平方向(X軸上)の変位)、水平調整値(X軸を水平に維持するための回転角度)といったオフセットデータを含む投影位置調整データが含まれる。さらにオフセットデータには、フォーカス調整に係る変位(例えば、被写界深度を規定する絞り値(F値)の変位、又はピント調整に関わるレンズ位置の変位等)といったオフセットデータを含むフォーカス調整データが含まれる。
図42(a)には、プロジェクタ1101の調整時における処理の概略が示されている。図42(a)に示すように、調整用PC1301は、プロジェクタ1101の制御LSI1103に接続され、調整用PC1301の操作によって、パターン画像の表示態様(投影位置等)についての調整が行われる。この間、制御LSI1103は、読み取った初期設定データ1352と、調整により変動する投影位置調整データとフォーカス調整データとに基づいて、DLP制御回路1105、LEDドライバ1106(図33参照)を制御して光学ユニット1108に、遊技機1のスクリーンにパターン画像を投影させる。パターン画像は、調整に応じて投影位置やフォーカスが変化し、工場調整担当者は、投影されたパターン画像を見ながら調整を行う。またここで、初期設定データ1352は、プロジェクタ1101の動作に関して設定された基準値であり、例えば、EEPROM1104に記憶される。また、初期設定データ1352が存在しない場合も想定しうる(調整は、プロジェクタ1101の初期状態から開始される)。
調整が終了すると、調整用PC1301からの制御により、制御LSI1103が、調整された投影位置調整データ1351aとフォーカス調整データ1351bを、EEPROM1104内にオフセットデータ1351として記憶する。
図42(b)には、調整後に遊技が実行された場合のプロジェクタ1101の処理の概略が示されている。プロジェクタ1101の制御LSI1103は、副制御回路70から演出画像データを受信するとともに、EEPROM1104から、調整時に記憶された、投影位置調整データ1351aとフォーカス調整データ1351bを読み取り、これらの調整データと初期設定データ1352に基づいて、受信した演出画像データを加工する。そして、制御LSI1103は、DLP制御回路1105、LEDドライバ1106(図33参照)を制御して光学ユニット1108に、加工された演出画像を(遊技機1のスクリーンに)投影させる。
例えば、初期設定データ1352の垂直方向(Y軸上)の変位が0(ピクセル)、投影位置調整データ1351aのセンター調整値(垂直方向(Y軸上)の変位)が+5(ピクセル)である場合、演出画像データを全体的に5ピクセル上方向にシフトするよう加工し、投影を行うよう制御する。ここで、演出画像データは、例えば、実際にスクリーン等に投影されるサイズより大きなサイズ(縦横ともに大きなサイズ)が用意されており、上述した投影位置調整が行われる場合に、その大きなサイズの範囲内でシフト処理が行われる。
フォーカス調整データ1351bが例えば、F値の変位であった場合は、初期設定データ1352を加味して、演出画像データを加工し、投影を行うよう制御する。また、フォーカス調整データ1351bが例えば、レンズ位置の変位であった場合は、初期設定データ1352を加味し、これに応じて光学ユニット1108の駆動部1141を制御し、投射レンズ1143を移動させる。
ここで、図43を参照して、調整用PC1301の構成について説明する。ただし、図43に示す構成は、調整用PC1301の代表的な構成を例示したに過ぎない。調整用PC1301と同等の機能を、他の様々な構成のコンピュータで実現することができる。
調整用PC1301は、CPU(Central Processing Unit)1311、ROM1312、RAM1313、プロジェクタインタフェース1314、ディスプレイコントローラ1315、ディスプレイ1316、入力機器インタフェース1317、キーボード1318、マウス1319、外部記憶装置1320、外部記録媒体駆動装置1321、及びこれらの構成要素を互いに接続するバス1324を含んでいる。
CPU1311は、調整用PC1301の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、調整担当者の操作に応じて、プロジェクタ1101と通信して所定のコマンドを送信する。
ROM(Read Only Memory)1312には、調整用PC1301の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAM(Random Access Memory)1313には、CPU1311で実行されるプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータ等が一時的に格納される。
プロジェクタインタフェース1314は、プロジェクタ1101に接続するためのインタフェースである。調整用PC1301とプロジェクタ1101は所定の通信線により接続され、プロジェクタインタフェース1314は、調整用PC1301とプロジェクタ1101との間のデータのやりとり等を制御する。
ディスプレイコントローラ1315は、CPU1311が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイコントローラ1315で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、ディスプレイ1316に出力される。ディスプレイ1316は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)で構成される表示装置である。
入力機器インタフェース1317は、キーボード1318やマウス1319から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU1311に送信する。キーボード1318やマウス1319は、例えば、プロジェクタ1101の調整を行う調整担当者が、コンピュータに対して調整操作を行う場合などに用いられる。
外部記憶装置1320は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからRAM1313にロードされる。
外部記録媒体駆動装置1321は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto-Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型の外部記録媒体1330の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。外部記録媒体1330には、本発明に係るプロジェクタ1101について投影位置とフォーカスの調整を実現するためのプログラムも記録することが可能である。外部記録媒体1330に記録されているデータは、外部記録媒体駆動装置1321を介して外部記憶装置1320に格納され、プログラムであれば、実行時にRAM1313にロードされる。
また、本発明に係る上記プログラムの他の流通形態としては、ネットワーク上の所定のサーバから、調整用PC1301のネットワーク及びネットワークインタフェース(図示していない)を介して外部記憶装置1320に格納されるというルートも考えられる。こうして格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にRAM1313にロードされ、実行される。
図44は、表示ユニット100Hのスクリーン1303に、プロジェクタ1101から投影されたパターン画像1421を示す図である。工場調整担当者は、調整用PC1301で所定の操作をすることによってこのパターン画像1421を表示させ、表示状態を遊技機1の表示画面領域19から観察する。このとき、パターン画像1421を理想的な投影位置である指標投影位置となるように調整する操作を行うことによって、プロジェクタ1101について、投影位置とフォーカスの調整が行われる。
プロジェクタ1101から投影されるパターン画像1421は、例えば、図44に示すように、中心点1421a、複数の同心円1421b、最も外側の同心円に接する矩形1421c、水平線1421d、垂直線1421eを含むように構成される。
工場調整担当者は、このパターン画像1421を、理想的な投影位置である指標投影位置1411(中心点1411a、水平線1411b、垂直線1411c)に合わせるよう、投影位置の調整を行う。例えば、センター調整を行うにあたり、パターン画像1421の中心点1421aと、指標投影位置1411の中心点1411aに関して、水平位置(X軸方向)及び垂直位置(Y軸方向)が一致するよう調整する。また、水平調整を行うにあたり、例えば、パターン画像1421の水平線1421dと指標投影位置1411の水平線1411bを比較し、両者の角度(図44では、符号1431で示されている)の差が0度となるよう調整する。
さらに、工場調整担当者は、例えば、パターン画像1421の中心点1421aが、スクリーン1303上の投射位置でピントが合うように、フォーカスの調整を行う。
工場調整担当者は、調整用PC1301のキーボード等を操作することによって、投影位置やフォーカスの調整を行うことができる。例えば、調整用PC1301のキーボードで、「↑」キーを押すことによって、パターン画像1421が上方向に1ピクセルずつシフトし、「↓」キーを押すことによって、パターン画像1421が下方向に1ピクセルずつシフトする。また、「L」キーを押すことによって、パターン画像1421が左回転し、「R」キーを押すことによって、パターン画像1421が右回転する。さらに、「F」キー、又は「B」キーを押すことによって、ピントの位置が移動し、フォーカス調整が行われる。このように、工場調整担当者は、調整用PC1301のキーボードを操作しながら、その操作によって変動するパターン画像1421の位置等を確認し、パターン画像1421が指標投影位置1411に一致するよう調整する。
ここで、指標投影位置1411は、実際には表示されない仮想的な指標であるが、この調整のために、スクリーン1303上になんらかの指標を一時的に配置してもよい。
なお、図44の例では、表示ユニット100Hのスクリーン1303に、パターン画像1421が投影されているが、図32に示すような表示ユニット100Hの構造では、可動スクリーン1304にパターン画像1421を投影するようにしてもよい。その他、プロジェクタ1101の上記調整においては、表示ユニットの構造に応じて、パターン画像1421は様々な位置のスクリーンや役物に投影することができる。
図45は、調整用PC1301によるプロジェクタ1101の投影位置とフォーカスの調整処理を簡略化して例示したフローチャートである。図45は、左側の処理が調整用PC1301による処理であり、右側の処理が、プロジェクタ1101による処理である。ここでは、調整用PC1301とプロジェクタ1101とが連動して調整処理を行う。
工場調整担当者は、調整用PC1301とプロジェクタ1101を所定の通信線により接続した後、調整用PC1301で投影位置・フォーカス調整プログラムを起動し、そこで、プロジェクタ1101に対してパターン画像1421を表示するよう指示する。工場調整担当者の操作によって、投影位置とフォーカスの調整処理が開始される。
最初に、調整用PC1301は、上述した工場調整担当者の操作に応じて、投影位置等調整処理の開始指示を受信する(ステップS10)。
ステップS10における開始指示の受信に応じて、プロジェクタ1101が、調整用PC1301からパターン画像1421の表示指示を受け取ると、EEPROM1104から、オフセットデータ(投影位置調整データ、及びフォーカス調整データ)と初期設定データを読み取る(ステップS12)。次に、プロジェクタ1101は、読み取ったオフセットデータと初期設定データとから、パターン画像データを加工し(ステップS14)、制御LSI1103等の制御によって、パターン画像1421をスクリーン1303に投影する(ステップS16)。
プロジェクタ1101によりパターン画像1421が表示されると、調整用PC1301において、工場調整担当者が、投影位置・フォーカス調整プログラムにより調整用PC1301のディスプレイに表示した調整画面(図示していない)において、OKボタンの押下、又はオフセットデータの変更指示の操作をしたかどうかをチェックする(ステップS18、ステップS20)。これらの操作がされるまで、投影位置・フォーカス調整プログラムはこれらの処理を繰り返す。なお、ここで、工場調整担当者は、所定の操作により処理を中止することができるが、ここではその判定を省略する。
ステップS20において、工場調整担当者が変更指示を行ったと判定された場合、その変更指示に応じて、パターン画像1421の投影位置、又はフォーカスを変更するよう、プロジェクタ1101に指示する(ステップS22)。例えば、工場調整担当者が、調整画面において、パターン画像1421を5ピクセル分だけ上方向に変位するよう指示した場合、その指示がプロジェクタ1101に伝えられる。
プロジェクタ1101は、ステップS22による指示を受信した場合、EEPROM1104から読み取ったオフセットデータ(投影位置調整データ、及びフォーカス調整データ)に、当該指示に含まれる変位を反映し、このオフセットデータと、初期設定データとに基づいてパターン画像データを加工し、制御LSI1103等の制御によって、パターン画像1421をスクリーン1303に投影する(ステップS24)。次に、再びOKボタンの押下、又はオフセットデータの変更指示の操作をしたかどうかのチェックが行われ(ステップS18、ステップS20)、以降、こうした、パターン画像1421の変更指示と工場調整担当者の操作のチェックが繰り返され、結果的に、パターン画像1421の投影位置とフォーカスについて調整が行われる。
ステップS18でOKボタンが押下されると(例えば、工場調整担当者がパターン画像1421の位置を指標投影位置1411に一致するよう移動させるとともに、フォーカスの調整を完了した場合)、調整用PC1301は、プロジェクタ1101に、投影位置調整データ、及びフォーカス調整データを記憶するよう指示する(ステップS26)。
プロジェクタ1101は、ステップS26による指示を受信すると、現在の投影位置調整データ、及びフォーカス調整データ(すなわち、工場調整担当者により好ましい値に更新されたデータ)を、EEPROM1104に記憶する(ステップS28)。
次に、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hおいて、プロジェクタ1101のLED光源について輝度調整を行う機能について説明する。プロジェクタ1101は、制御LSI1103での制御により、DLP制御回路1105を介してLEDドライバ1106を制御し、光学ユニット1108のLED光源(R、G、BのそれぞれのLED光源)を動作させるが、これらのLED光源の輝度を、プロジェクタ1101と、このプロジェクタ1101に接続された調整用PCの通信機能を用いて調整する。調整用PCは、上述した調整用PC1301と同様のものを使用することができる。
工場調整担当者(又は、その他の調整担当者)は、調整用PC1301から所定の操作を行って、LED光源の輝度を所定のレベルに設定することができる。このような調整により、LED光源の輝度がゼロ、又は低く設定される場合、プロジェクタ1101を省電力状態とすることができる。
また、上記輝度調整は、調整用PC1301を操作して、直接的にLED光源の輝度のレベルを変更するが、遊技機1が遊技場に設置されている通常の状態で、所定の条件が満たされた場合に、遊技機1の制御(副制御回路70の制御)で、LED光源の輝度が所定のレベルになるよう、あらかじめ調整用PC1301で設定しておくこともできる。例えば、遊技機1において、遊技が行われていない待機状態である場合に、LED光源の輝度をゼロとし、デモ画面等の表示が視認できないようにすることができる。また、遊技機1において、遊技が行われていない待機状態である場合に、LED光源を極めてゼロに近い輝度とし、デモ画面等の表示がほとんど視認できないような状態にすることもできる。さらに、遊技機1の所定箇所(例えば、プロジェクタ1101の内部)の熱検知を温度センサー等で行い、当該熱検知の結果に応じて、LED光源の輝度のレベルを変化させるように設定することもできる。
次に、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hおいて、プロジェクタ1101による照射光の投影による表示態様についての調整(照射光の投影位置、フォーカス、色調・階調、及び台形歪みの調整)を、遊技機1で行う方法について説明する。表示ユニット100Hの天井板1300aに支持されたプロジェクタ1101(図32参照)は、最終的に、遊技場への設置が完了したタイミング等で、照射光の投影位置、フォーカス等が仕様と合っているか否かについてチェックが行われ、必要に応じて調整が実施される。
ここで、プロジェクタ1101の調整は、遊技機1に対して所定の操作を行うことにより、サブCPU71が調整プログラムを起動することによって行われる(投影位置等調整モードに遷移する)。起動されたプログラムは、遊技場調整担当者(工場出荷時等における工場調整担当者と区別するため、便宜上「遊技場調整担当者」と称するが、当該調整操作の場所が遊技場に限られるわけではない)が、プロジェクタ1101の投影位置、フォーカス、色調・階調、及び台形歪みを調整できるよう動作する。
遊技場調整担当者が、遊技機1の液晶表示パネル20aに表示された調整画面を操作すると、副制御回路70のサブCPU71での制御により、プロジェクタ1101における照射光の投影位置、フォーカス、色調・階調、及び台形歪みについての調整が行われる。このようにして、プロジェクタ1101の調整が行われた場合、調整のための変位データが、オフセットデータとして、例えば、副制御回路70のSRAM74に記憶される(図8参照)。
SRAM74に記憶された当該オフセットデータには、より具体的には、センター調整値(すなわち、垂直方向(Y軸上)の変位、水平方向(X軸上)の変位)、水平調整値(X軸を水平に維持するための回転角度)といったオフセットデータを含む投影位置調整データが含まれる。さらに、オフセットデータには、フォーカス調整に係る変位(例えば、被写界深度を規定する絞り値(F値)の変位、又はピント調整に関わるレンズ位置の変位等)といったオフセットデータを含むフォーカス調整データが含まれる。さらに、オフセットデータには、色調及び階調に関する変位といったオフセットデータを含む色調・階調調整データ、及び、台形歪みを調整するための底辺調整に関する変位といったオフセットデータを含む台形歪み調整データが含まれる。
図46には、プロジェクタ1101の調整時における処理の概略が示されている。図46に示すように、パターン画像データが、サブCPU71による制御によりGPU75で事前に加工され、さらに、加工後のパターン画像データが、プロジェクタ1101の制御LSI1103による制御で加工され、スクリーン1303に投影される。遊技場調整担当者は、液晶表示装置20のタッチセンサパネル20bを介した指示によって、パターン画像の表示態様(投影位置等)についての調整を行う。遊技場調整担当者による調整によってオフセットデータ1451が変更され、その値に応じて、GPU75でパターン画像データに加工が施される。GPU75が、SRAM74に記憶されたオフセットデータ1451を読み取る場合は、サブCPU71を介して読み取る。オフセットデータ1451には、投影位置調整データ1451a、フォーカス調整データ1451b、色調・階調調整データ1451c、及び台形歪み調整データ1451dが含まれる。
プロジェクタ1101の制御LSI1103は、読み取った初期設定データ1352、投影位置調整データ1351a、及びフォーカス調整データ1351bに基づいて、DLP制御回路1105、LEDドライバ1106(図33参照)を制御して光学ユニット1108に、遊技機1のスクリーン1303にパターン画像を投影させる。パターン画像は、タッチセンサパネル20bを介した指示(調整)に応じて投影位置やフォーカス等が変化し、遊技場調整担当者は、投影されたパターン画像を見ながら当該調整を行う。
このような調整によって、最終的な投影画像の調整を個々の遊技機1に対して行うことができ、プロジェクタ1101と遊技機1の他の構成要素との動作を合わせた総合的な調整が可能となる。この調整においては、プロジェクタ1101のEEPROM1104に記憶されるオフセットデータ1351は変動せず、副制御回路70のSRAM74に記憶されたオフセットデータ1451だけが、遊技場調整担当者の調整に応じて更新される。またここで、初期設定データ1352は、上述のように、プロジェクタ1101の動作に関して設定された基準値であり、例えば、EEPROM1104に記憶される。
なお、フォーカス調整については、GPU75によるパターン画像データの加工では、遊技場調整担当者の指定するフォーカス変更に対応できない場合、フォーカス調整データそのものをプロジェクタ1101に送信して、指定されたフォーカス変更を、プロジェクタ1101によって実現するように構成することもできる。
図47には、調整後に遊技が実行された場合の、副制御回路70、及びプロジェクタ1101の処理の概略が示されている。図47に示すように、演出画像データが、サブCPU71による制御により、GPU75で事前に加工され、さらに、加工後のパターン画像データが、プロジェクタ1101の制御LSI1103による制御で加工され、遊技機1のスクリーン1303に投影される。GPU75は、(サブCPU71を介して)SRAM74から読み取ったオフセットデータ1451に含まれる、投影位置調整データ1451aや色調・階調調整データ1451c等に基づいて、サブCPU71より提供された演出画像データを加工する。
プロジェクタ1101の制御LSI1103は、副制御回路70のGPU75から、SRAM74に記憶されたオフセットデータ1451に基づいて加工された演出画像データを受信するとともに、EEPROM1104から、工場調整担当者による調整の際に記憶された、投影位置調整データ1351aとフォーカス調整データ1351bを読み取り、これらの調整データと初期設定データ1352に基づいて、受信した演出画像データをさらに加工する。そして、制御LSI1103は、DLP制御回路1105、LEDドライバ1106(図33参照)を制御して光学ユニット1108に、このような2段階に加工された演出画像を(遊技機1のスクリーン1303に)投影させる。
例えば、投影位置調整データ1351aのセンター調整値(垂直方向(Y軸上)の変位)が+2(ピクセル)で、初期設定データ1352の垂直方向(Y軸上)の変位が0(ピクセル)、投影位置調整データ1351aのセンター調整値(垂直方向(Y軸上)の変位)が+5(ピクセル)である場合、演出画像データは、副制御回路70のGPU75で、全体的に2ピクセル上方向にシフトするよう加工され、その後、プロジェクタ1101の制御LSI1103で、全体的に5ピクセル上方向にシフトするよう加工され、最終的に、元の演出画像データから全体的に7ピクセル上方向にシフトした内容で、光学ユニット1108によりスクリーン1303に投影される。ここで、演出画像データは、例えば、実際にスクリーン等に投影されるサイズより大きなサイズ(縦横ともに大きなサイズ)が用意されており、上述した投影位置調整が行われる場合に、その大きなサイズの範囲内でシフト処理が行われる。
また、台形歪みについては、副制御回路70のGPU75が、台形歪み調整データに応じて、例えば、演出画像データに逆の台形歪みを与える(例えば、底辺が長くなるのを調整するように、調整値として負の数値が設定されている場合は、それがキャンセルされるように、画像データの上辺が長くなる)よう加工する(デジタルキーストーン補正)。
なお、フォーカス調整については、GPU75による演出画像データの加工では、フォーカス調整データ1451bに基づいた調整に対応できない場合、フォーカス調整データそのものをプロジェクタ1101に送信して、プロジェクタ1101によって指定されたフォーカス変更を実現するように構成することもできる。
図48の上部には、表示ユニット100Hのスクリーン1303に、プロジェクタ1101からパターン画像1521が投影され、液晶表示装置20の液晶表示パネル20aに、調整を行うための調整画面1541が表示されている様子が示されている。
遊技場調整担当者は、遊技機1で所定の操作をすることによってこのパターン画像1521をスクリーン1303に表示させ、表示状態を遊技機1の表示画面領域19から観察する。このとき、パターン画像1521を理想的な投影位置である指標投影位置となるように調整する等の操作を、液晶表示装置20の液晶表示パネル20aに表示された調整画面1541において行うと、これに連動してスクリーン1303の投影内容が変化し、プロジェクタ1101について、投影位置、フォーカス、色調・階調、及び台形歪みの調整が行われる。
プロジェクタ1101から投影されるパターン画像1521は、例えば、図48に示すように、中心点1521a、複数の同心円1521b、最も外側の同心円に接する矩形1521c、水平線1521d、垂直線1521eを含むように構成され、各同心円1521bの間はそれぞれ異なる色で表示され、さらに、矩形1521cの四隅にはそれぞれ異なる色(例えば、黄色、青色、赤色、緑色)が表示される。
遊技場調整担当者は、このパターン画像1521を、理想的な投影位置である指標投影位置1511(中心点1511a、水平線1511b、垂直線1511c)に合わせるよう、投影位置の調整を行う。例えば、パターン画像1521の中心点1521aと、指標投影位置1511の中心点1511aに関して、水平位置(X軸方向)及び垂直位置(Y軸方向)が一致するよう調整する。また、例えば、パターン画像1521の水平線1521dと指標投影位置1511の水平線1511bを比較し、両者の角度(図48では、符号1531で示されている)の差が0度となるよう調整する。
さらに、遊技場調整担当者は、例えば、パターン画像1521の中心点1521aが、スクリーン1303上の投射位置でピントが合うように、フォーカスの調整を行う。また、R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの色調、及び階調について、例えば、色見本とパターン画像1521の各部を比較することによって調整を行う。
またさらに、パターン画像1521に台形歪みが生じているか否かをチェックし、台形歪みが生じている場合は、例えば、底辺の長さを調整することによって台形歪み調整を行う。
遊技場調整担当者は、上述のように、遊技機1の液晶表示装置20のタッチセンサパネル20bに表示された調整画面1541を操作することによって、投影位置、フォーカス、色調・階調、台形歪みについてそれぞれ調整を行う。
図48の下部には、タッチセンサパネル20bに表示された調整画面1541が例示されている。投影位置の調整において、センター調整は、例えば、センター調整部1542に表示された中心点1542aを指によりパネル上で上下左右にドラッグして(ずらして)、この操作と連動するパターン画像1521の中心点1521aが指標投影位置1511の中心点1511aと一致するよう移動させる。センター調整変位表示部1543には、X軸上の変位を表す調整値とY軸上の変位を表す調整値が示され、上記のドラッグに追従して調整値が変動する。調整値は、例えばピクセル単位で表示される。
また、センター調整変位表示部1543には、右側に配置されたソフトウエアキーボード1551で数字をタッチすることにより、直接入力することもできる(他の調整値の入力についても同様に直接入力が可能である)。
投影位置の調整において、水平調整は、例えば、水平調整部1544に表示されたスライドバーを指によりパネル上で左右にドラッグして(ずらして)、パターン画像1521のX軸の傾きを調整する(パターン画像1521の水平線1521dが指標投影位置1511の水平線1511bと一致するよう移動させる)。調整値は、例えば、−127〜+127である(ここで、1=0.25°)。なお、この調整値は、上述のソフトウエアキーボード1551で直接入力することができ、さらに、水平調整部1544に表示された「+」表示エリア又は「−」表示エリアをタップして調整値を変更(大きく、又は小さく)することができる。
また、センター調整部1542において、2本の指を使い、一方の指を固定し、他方の指をドラッグすることにより、パターン画像1521の角度を調整するようにしてもよい。
フォーカスの調整は、例えば、フォーカス調整部1545に表示されたスライドバーを指によりパネル上で左右にドラッグして(ずらして)、パターン画像1521のフォーカスを調整する(パターン画像1521の中心点1521aが、スクリーン1303にピントが合うように調整する)。フォーカス調整部1545には、F値やレンズ移動距離の変位を表す調整値が示される。なお、この調整値は、上述のソフトウエアキーボード1551で直接入力することができ、さらに、フォーカス調整部1545に表示された「+」表示エリア又は「−」表示エリアをタップして調整値を変更(大きく、又は小さく)することができる。
色調・階調の調整において、R(赤色)の調整は、例えば、色調・階調調整部1546のR色調調整部に表示されたスライドバーを指によりパネル上で左右にドラッグして(ずらして)、パターン画像1521の「赤」についての色調を調整する。調整値はRに対する変位の値であり、例えば、−10〜+10である。なお、この調整値は、上述のソフトウエアキーボード1551で直接入力することができ、さらに、色調・階調調整部1546のR色調調整部に表示された「+」表示エリア又は「−」表示エリアをタップして調整値を変更(大きく、又は小さく)することができる。同様に、色調・階調調整部1546のG色調調整部、B色調調整部、階調調整部においても、遊技場調整担当者によって、対応する調整値が設定される。
台形歪みの調整は、例えば、台形歪み調整部1547に表示されたスライドバーを指によりパネル上で左右にドラッグして(ずらして)、パターン画像1521の矩形の底辺の長さを調整する。調整値は底辺の長さの変位を表すもので、例えば、−20〜+20である。なお、この調整値は、上述のソフトウエアキーボード1551で直接入力することができ、さらに、水平調整部1544に表示された「+」表示エリア又は「−」表示エリアをタップして調整値を変更(大きく、又は小さく)することができる。
遊技場調整担当者は、全ての調整が終了したところで、OKボタン1548を押下すると、遊技機1におけるプロジェクタ1101の調整処理が終了し、遊技機1は初期状態(例えば、遊技画面を表示した状態)に戻る。
図49は、遊技機1によるプロジェクタ1101の投影位置とフォーカスの調整処理を簡略化して例示したフローチャートである。図49は、左側の処理が遊技機1の副制御回路70による処理であり、右側の処理が、プロジェクタ1101による処理である。ここでは、副制御回路70とプロジェクタ1101とが連動して調整処理を行う。
遊技場調整担当者は、遊技機1に対して所定の操作を行い、遊技機1を投影位置等調整モードに遷移させ、そこで、遊技場調整担当者の操作による投影位置等の調整処理が開始される。
最初に、副制御回路70は、上述した遊技場調整担当者の操作に応じて、投影位置等調整処理の開始指示を受信する(ステップS40)。
次に、副制御回路70のSRAM74から、オフセットデータ(投影位置調整データ、フォーカス調整データ、色調・階調調整データ、台形歪み調整データ)を読み込み(ステップS42)、その後、GPU75により、オフセットデータに基づいてパターン画像データの加工を行い、加工されたパターン画像データをプロジェクタ1101に送信する(ステップS44)。
プロジェクタ1101は、ステップS44によって送信されたパターン画像データを受信すると、EEPROM1104から、オフセットデータ(投影位置調整データ、及びフォーカス調整データ)と初期設定データを読み取る(ステップS46)。次に、プロジェクタ1101は、読み取ったオフセットデータと初期設定データとから、受信したパターン画像データをさらに加工し(ステップS48)、制御LSI1103等の制御によって、パターン画像1521をスクリーン1303に投影する(ステップS50)。
プロジェクタ1101によりパターン画像1521が表示されると、遊技場調整担当者が、遊技機1の液晶表示装置20に表示した調整画面1541において、OKボタンの押下、又はオフセットデータの変更指示の操作をしたかどうかをチェックする(ステップS52、ステップS54)。これらの操作がされるまで、これらの処理を繰り返す。なお、ここで、遊技場調整担当者は、所定の操作により処理を中止することができるが、ここではその判定を省略する。
ステップS54において、遊技場調整担当者が変更指示を行ったと判定された場合、その変更指示に基づいてパターン画像データの加工を行い、加工されたパターン画像データをプロジェクタ1101に送信する(ステップS56)。例えば、遊技場調整担当者が、調整画面1541において、パターン画像1521を5ピクセル分だけ上方向に変位するよう指示した場合、パターン画像1521の全体が5ピクセル上方向に移動するようパターン画像データが加工される。
プロジェクタ1101はここで、ステップS48の処理に進み、ステップS46で読み取ったオフセットデータと初期設定データをさらに加味して、受信したパターン画像データを加工し(ステップS48)、制御LSI1103等の制御によって、パターン画像1521をスクリーン1303に投影する(ステップS50)。
その後、再びOKボタンの押下、又はオフセットデータの変更指示の操作をしたかどうかのチェックが行われ(ステップS52、ステップS54)、以降、こうした、パターン画像1521の変更指示と遊技場調整担当者の操作のチェックが繰り返され、結果的に、パターン画像1521の投影位置等について調整が行われる。
ステップS52でOKボタンが押下されると(例えば、遊技場調整担当者がパターン画像1521の位置を指標投影位置1511に一致するよう移動させるとともに、フォーカスの調整、台形歪みの調整等を完了した場合)、SRAM74に記憶されたオフセットデータに変更内容を反映して(すなわち、遊技場調整担当者により好ましい値を反映して)更新する(ステップS58)。
次に、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hにおいて、プロジェクタ1101の熱対策構造について説明する。なお、ここでは、表示ユニット100Hについての取付方法を説明するが、上述の表示ユニット100ないし100Gについてプロジェクタ1101を取り付けた場合に、同様の熱対策構造を採用することができる。また、他のプロジェクタについても、同様の構造を用いることができる。
図50は、本発明の第9の実施の形態に係る表示ユニット100Hに取り付けられたプロジェクタ1101のエアーダクト1126(図35参照)について示す斜視図である。エアーダクト1126には、3つの排気口1127a、1127b、1127cが配置されるが、図35に示すエアーダクト1126の排気口1127a、1127bは、図50の同じ符号で示された排気口に対応する。図50は、図35に示すエアーダクト1126を、斜め上方から見た斜視図となっている。また、図35に示された前面側F1及び奥側Rに対応するF1とRの方向が、図50にも示されている。
エアーダクト1126は、上述のように、調整台座1122に支持され、熱を発生する熱源(例えば、DMDやLED光源などのパーツ)を冷却するために、空気が、ファンによって取り込まれ、排気口1127a、1127b、及び1127cから排出されるよう誘導される。ファンは、排気口に対応して3つ設けられており、それらのファンをそれぞれ配設するファン配設部1601a、1601b、1601cが設けられている。また、上述のファンに対応して吸気口1611a、1611b、1611cが設けられている。
図51は、図50に示すエアーダクト1126を同じ方向から見る斜視図であり、ここでは、それぞれのファン配設部に、対応するファンが配設され、ファンから排気口の間にヒートシンクが配置された状況を示している。また、図35に示された前面側F1及び奥側Rに対応するF1とRの方向が、図51にも示されている。
図51に示すように、エアーダクト1126は、ファン配設部1601aにファン1621aが設けられ、ファン1621aとヒートシンク1152aが、吸気口1611aから排気口1127aに至る通風経路に配置される。さらに、ファン配設部1601bにファン1621bが設けられ、ファン1621b、ヒートシンク1152b、及びヒートシンク1152dが、吸気口1611bから排気口1127bに至る通風経路に配置される。またさらに、ファン配設部1601cにファン1621cが設けられ、ファン1621cとヒートシンク1152cが、吸気口1611cから排気口1127cに至る通風経路に配置される。
図52は、図50、及び図51に示されたエアーダクト1126の平面図であり、図35の上方向から、エアーダクト1126を見た図である。また、図35に示された前面側F1及び奥側Rに対応するF1とRの方向が、図52にも示されている。
ここでは、ファンとヒートシンクがそれぞれの通風経路に配置されている。例えば、吸気口1611aから排気口1127aに至る経路であって、図中点線で示される通風経路1671aでは、ファン1621aが通風経路1671a上のファン配設部1601aに配設されて外部から空気を取り込み、その空気を、通風経路1671a上に配置されたヒートシンク1152aに当てて、最終的に、排気口1127aから外部に送り出す。ここで、ファン1621aは、ファン固定部材1631aによってエアーダクト1126に固定される。また、ヒートシンク1152aは、DMD1151に隣接して、このDMD1151の放熱を行う。通風経路1671aは屈曲した経路であり、吸気口1611aから吸気された空気を、ほぼ90度(図面の)左方向に屈曲させて排気口1127aに誘導するよう構成されている。
吸気口1611bから排気口1127bに至る経路であって、図中点線で示される通風経路1671bでは、ファン1621bが通風経路1671b上のファン配設部1601bに配設されて外部から空気を取り込み、その空気を、通風経路1671b上に配置された2つのヒートシンク1152b、1152dに当てて、最終的に、排気口1127bから外部に送り出す。ここで、ファン1621bは、ファン固定部材1631bによってエアーダクト1126に固定される。また、ヒートシンク1152bと1152dはそれぞれ、LED光源1641、1642に隣接して、これらのLED光源1641、1642の放熱を行う。通風経路1671bは略直線状の経路であり、吸気口1611bから吸気された空気を、ほぼ直線的に排気口1127bに誘導するよう構成されている。
吸気口1611cから排気口1127cに至る経路であって、図中点線で示される通風経路1671cでは、ファン1621cが通風経路1671c上のファン配設部1601cに配設されて外部から空気を取り込み、その空気を、通風経路1671c上に配置されたヒートシンク1152cに当てて、最終的に、排気口1127cから外部に送り出す。ここで、ファン1621cは、ファン固定部材1631cによってエアーダクト1126に固定される。また、ヒートシンク1152cは、LED光源1643に隣接して、このLED光源1643の放熱を行う。通風経路1671cは屈曲した経路であり、吸気口1611cから吸気された空気を、ほぼ180度(図面の)右方向に屈曲させて排気口1127cに誘導するよう構成されている。
ヒートシンク1152a〜1152dは、上述のように、LED光源1641〜1643、及びDMD1151のそれぞれについて、発熱を外気に移し、接続部における温度を一定に保つ働きをする。この例のヒートシンクは、複数の列の放熱板群(放熱板は、例えば、アルミ板)で構成され、その列を4列、又は5列備えている。
エアーダクト1126では、2つのLED光源(1641、1642)は、それぞれ対応するヒートシンク(各ヒートシンクは4列の放熱板群を備える)が、1つの通風経路1671bに配置され、そのような構成で冷却が行われる。また、LED光源1643は、対応するヒートシンク(5列の放熱板群を備える)が、1つの通風経路1671cに配置され、そのような構成で冷却が行われる。また、DMD1151は、対応するヒートシンク(5列の放熱板群を備える)が、1つの通風経路1671aに配置され、そのような構成で冷却が行われる。
このように、冷却対象の想定発熱量に応じて、放熱のための構成を選択し、冷却効率を調整することができる。
(第10の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第10の実施の形態について説明する。
図53は、本発明の第10の実施の形態に係る表示ユニット100Jの構成例を概略的に示すものである。図53に示す表示ユニット100Jの一部は、図15に示す、本発明の第4の実施の形態に係る表示ユニット100Cと同様の構成を有している。表示ユニット100Jは、上部にプロジェクタとリフレクタを備えるが、その構成は表示ユニット100Cと同様である。また、本実施の形態の遊技機の主制御回路の構成は、図16に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における主制御回路の構成例と同様のものであり、本実施の形態の遊技機の副制御回路の構成は、図17に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における副制御回路の構成例と同様のものである。
また、上述のように、本実施の形態に係る表示ユニット100Jにおいても、図15に示すプロジェクタ101及びリフレクタ102と同様の構成によって照射光が提供されるが、上述した第9の実施の形態に係るプロジェクタ1101及びリフレクタ1302を用いた構成でもよく、その他様々な構成により照射光を提供することができる。
図53(a)に示すように、本実施の形態に係る表示ユニット100Jは、ステージ1708及び後側板1709に固定された一対の側板1707(1707a、1707b)を備えている。この側板1707には、可動スクリーン1703を移動させるスクリーン駆動機構1710が設けられている。スクリーン駆動機構1710については、後述する。なお、ここで、図53(a)における前面側F1の方向と奥側Rの方向は、矢印に示した通りである。
また、本実施の形態に係る可動スクリーン1703は、上述したスクリーン駆動機構1710によって移動するように構成されている。可動スクリーン1703は、図53(a)に示す位置(投影位置)にある場合、プロジェクタからの照射光の方向に対してほぼ垂直な単一の投影面を備えたスクリーンとして機能する。また、可動スクリーン1703は、スクリーン駆動機構1710によって、図53(b)に示す、プロジェクタからの照射光が投影されない非投影位置に変位しうる。
可動スクリーン1703が、図53(b)に示すような非投影位置にある場合、プロジェクタからの照射光は、三面鏡型のスクリーンである三面スクリーン1720に投影される。可動スクリーン1703が投影位置(図53(a)に示すような位置)にある場合、可動スクリーン1703は、三面スクリーン1720の前に配置され、三面スクリーン1720には、プロジェクタからの照射光が投影されない。三面スクリーン1720はステージ1708の上に固定され、可動スクリーン1703が投影位置にある場合は、可動スクリーン1703と後側板1709との間に配置されることになる。
図53(b)に示すような状態で、プロジェクタからの照射光が三面スクリーン1720やステージ1708等に投影される場合、その照射光は、図53(a)に示す状態で可動スクリーン1703の投影面にほぼ垂直に投影される場合とは異なり、様々な(垂直以外の)角度で、投影面に投影される。なお、この例では、図53(b)に示すような状態で、プロジェクタからの照射光が三面スクリーン1720等に投影されるように構成されているが、三面スクリーン1720を設けずに、後側板1709をスクリーンとして照射光を投影するようにしてもよい。
次に、スクリーン駆動機構1710について、より具体的に説明する。図53(a)に示すように、可動スクリーン1703は、裏面側に突出する有端の回動片1704を有している。この回動片1704は、可動スクリーン1703の裏面側の両側にそれぞれ設けられている。また、回動片1704は、回動軸1705aを介して側板1707に回動自在に支持されている。
これにより、可動スクリーン1703は、後述するスクリーン駆動部1706及びスクリーン駆動機構1710によって投影位置と非投影位置との間で、回動軸1705aを支点に回動可能となっている。また、回動片1704の先端側には、後述する係合突起1714aが係合する長穴1705bが形成されている。
図16及び図17に示すのと同様に、スクリーン駆動部1706は、例えばモータで構成されており、副制御回路70に接続されている。スクリーン駆動部1706は、サブCPU71からの入力信号に応じて駆動し、スクリーン駆動機構1710を介して可動スクリーン1703を可動させるようになっている。なお、スクリーン駆動部1706及びスクリーン駆動機構1710は、一対の側板1707の双方に設けてもよいし、いずれか一方にのみ設けてもよい。
図53(a)に示すように、スクリーン駆動機構1710は、スクリーン駆動部1706に連結されたピニオンギヤ1711と、ピニオンギヤ1711に噛み合う減速ギヤ1712と、減速ギヤ1712に噛み合うドライブギヤ1713とを含んで構成されている。
本実施の形態に係るスクリーン駆動機構1710では、減速ギヤ1712を設けることでピニオンギヤ1711からドライブギヤ1713に伝達される回転を減速し、ドライブギヤ1713で発生するトルクを増幅することができる。これにより、例えば回動軸1705aと後述する係合突起1714aとの間の距離が短い場合であっても可動スクリーン1703を良好に回動させることができる。
ドライブギヤ1713には、回動片1704の長穴1705bに係合する係合突起1714aが設けられている。係合突起1714aは、ドライブギヤ1713の回転に伴い長穴1705b内を摺動するようになっている。
このように構成された表示ユニット100Jでは、図53(a)に示すように、可動スクリーン1703が投影位置に位置している状態で、スクリーン駆動部1706を駆動してピニオンギヤ1711を図中、時計回り方向に回転させると、減速ギヤ1712が図中、反時計回り方向に回転する。
次いで、減速ギヤ1712が回転すると、ドライブギヤ1713が図中、矢印方向(時計回り方向)に回転する。このとき、ドライブギヤ1713の回転に応じて係合突起1714aが長穴1705b内を回動片1704の先端側に向かって摺動する。
これにより、可動スクリーン1703が回動軸1705aを支点に図中、時計回り方向に回動する。その後、ドライブギヤ1713がさらに回転すると、所定回転角度を境に係合突起1714aが長穴1705b内を回動軸1705a側に向けて戻るように摺動する。
最終的に、図53(b)に示すように、係合突起1714aが長穴1705bの回動軸1705a側の端に移動するまでドライブギヤ1713が回転すると、可動スクリーン1703が非投影位置に位置するようになる。これにより、可動スクリーン1703の投影位置から非投影位置への移動が完了する。
なお、非投影位置にある可動スクリーン1703を元の位置、つまり投影位置に戻すには、例えばスクリーン駆動部1706を逆駆動(ピニオンギヤ1711を反時計回り方向に回転させる)させてもよいし、スクリーン駆動部1706による駆動トルクを解除することで可動スクリーン1703の自重により回動させてもよい。
このような構成とした本実施の形態においては、可動スクリーン1703が投影位置と非投影位置との間で自在に移動するよう構成されているので、例えば遊技状態に応じて、可動スクリーン1703を用いた演出と可動スクリーン1703を用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。また、可動スクリーン1703が非投影位置にある場合に、三面スクリーン1720及びステージ1708等に照射光が投影されるため、演出に更なる多様性を持たせることができる。
図54は、本発明の第10の実施の形態に係る表示ユニット100Jの構成例をより具体的に示す正面図であり、図53(b)に示す状態(すなわち、可動スクリーン1703が非投影位置にある状態)の表示ユニット100Jを、前面側F1から奥側Rの方向に見た図である。
可動スクリーン1703は、スクリーン駆動機構1710により上方向に移動され、可動スクリーン1703の裏側(投影面の裏側)が現れている(図54の斜線部)。遊技者の正面に位置する部分には、三面スクリーン1720が現れ、手前にステージ1708、奥に後側板1709が視認可能となっている。この状態において、プロジェクタから照射光が照射されると、照射光は、三面スクリーン1720、ステージ1708、及び後側板1709などに投影される。
また、側板1707(1707a、1707b)と三面スクリーン1720の間にはそれぞれ、内側板1721(1721a、1721b)が配置されている。図54には、可動スクリーン1703を両端で支持する回動片1704(1704a、1704b)、ピニオンギヤ1711、及びドライブギヤ1713が示されているが、これらの部分は、遊技機の前面扉2bに覆われ、遊技中には遊技者から見えないようになっている。
この例では、後側板1709にプロジェクタからの照射光が投影されるように構成されるが、可動スクリーン1703の裏側や三面スクリーン1720を拡張して、後側板1709に照射光が投影されないようにしてもよい。また、別のスクリーン駆動機構によって移動可能な第2の可動スクリーンを設けて、これに照射光を投影させ、後側板1709に照射光が投影されないようにすることもできる。さらに、後側板1709に、黒色を投影させても良い(例えば、三面スクリーン1720の範囲外となる部分に投影する映像データを黒色に設定する)。また、上述のように、三面スクリーン1720を設けずに、照射光を後側板1709に投影するようにしてもよい。
また、本実施の形態で示した三面スクリーン1720は、例示に過ぎず、他の様々な形状やサイズの三面スクリーンを配置することができる。またさらに、三面スクリーン1720に代えて、単一面のスクリーン、二面スクリーン、四面以上のスクリーンを含む、様々なタイプの面を含むスクリーンを配置するようにもできる。
図55は、本発明の第10の実施の形態に係る表示ユニット100Jの構成例をより具体的に示す底面図であり、図53(b)に示す状態(すなわち、可動スクリーン1703が非投影位置にある状態)の表示ユニット100Jを、表示ユニット100Jの下側から(図53(b)の矢印Gの方向に)見た図である。また、図55は、ステージ1708の一部を取り除いた状況を仮定し、表示ユニット100Jの下側から透過的に見た図となっている。
三面スクリーン1720は、遊技者側(すなわち、前面側R1)に向けられた3つの平面(1720a、1720b、1720c)を有している。図55に示す例では、三面スクリーン1720が、このような3つの平面を有するように構成されるが、複数の曲面を含むように構成することもできる。また、図55に示す例では、平面1720aと平面1720b、及び平面1720aと平面1720cは、それぞれ、面と面が所定の角度をなすように連結されるが、この連結角度は、三面スクリーンを形成できる限りどのような角度でもよい。また、面の連結部の全長に亘って突出部を設け、連結部の断面が階段形状となるように構成するなど、当該連結部の形状を様々な形状で形成することができる。なお、この例では、三面スクリーン1720の底部には、3つの平面(1720a、1720b、1720c)に連結された平面が配され、これがステージ1708の一部を構成している。
側板1707(1707a、1707b)と三面スクリーン1720の間にはそれぞれ、内側板1721(1721a、1721b)が配置されている。また、可動スクリーン1703を支持する回動片1704a、ピニオンギヤ1711、減速ギヤ1712、及びドライブギヤ1713が示されている。
ここで、本発明に係る遊技機の第10の実施の形態に基づく上述のような構成において、可動スクリーン1703の投影面及び三面スクリーン1720の投影面を、プロジェクタからの照射光を投影するのに適した色とすることができる。なお、投影対象となる上記スクリーンの素材は、この例では、黒色又は白色のABS樹脂や透明のポリカーボネート樹脂であるが、これに限られるものではない。
本実施の形態では、三面スクリーン1720の投影面の色が、可動スクリーン1703の投影面の色より暗い色となるように構成される。すなわち、照射光が垂直以外の角度で投影面に投影される三面スクリーン1720について、照射光の投影方向と投影面がほぼ垂直に配置される可動スクリーン1703(投影位置にある可動スクリーン1703)より、投影面の色をより暗く設定する。
このように構成することにより、三面スクリーン1720への投影において、表示ユニット100Jの内部で生じる反射(例えば、乱反射)に起因して投影画像が白くなる状況(いわゆる、白ぼけ)を、効果的に防止することができ、結果的に鮮明な投影画像の表示を実現することができる。さらに、上述した反射を低減させても白ぼけを完全に無くすことはできないが、三面スクリーン1720の投影面を上記のように黒く(暗く)することで、投影面で白が(黒により)中和され、より鮮明な投影画像の表示が実現される。
また、反射の防止に関しては、三面スクリーン1720が、表示ユニット100Jの奥(すなわち、後側板1709に近い位置)にあればあるほど、表示ユニット100Jの内部での乱反射が大きくなって白ぼけの程度が高まるため、上記の構成が一層効果的なものとなる。
ここで、より「暗い色」とは、2つの色を比べたときに、受けた光を反射する際の反射光の量が、より小さいことを意味する。
このようなスクリーンの色は、通常、塗装によって調整される。例えば、塗料に黒色の顔料を混入させ、色味を黒くすれば、光の反射率が小さくなり、表示上白を中和させる暗い色となる。例えば、可動スクリーン1703の投影面を白とする一方、三面スクリーン1720の投影面を灰色とすることができる。また、シリカ等の艶消し剤を塗料に含めることによっても光の反射率を低減させることができ、この場合も、元の色に比べて、より暗い色であるということができる。
なお、本実施の形態では、三面スクリーン1720の投影面の色と可動スクリーン1703の投影面の色の調整を行うものであるが、反射の防止という点に着目すると、スクリーン以外にも、白ぼけの原因となりうる他の部材(例えば、役物、表示ユニット100Jの側板1707(1707a、1707b)、内側板1721(1721a、1721b)、後側板1709、ステージ1708、可動スクリーン1703の裏側)が存在し、これらについても、塗料の色を調整することができる。例えば、図22に示すような表示ユニット100Dの構成においても上記の塗料の調整を行うことができ、この場合は、可動式の役物で構成された可動スクリーン110の投影面の色を、メインスクリーン111の投影面の色より暗い色にすることによって、本実施の形態による効果を奏することができる。
また、三面スクリーン1720や可動スクリーン1703について、本発明に係る遊技機の第9の実施の形態について説明したような加工(例えば、シボ加工)や2層塗装を、異なる態様のものとすることによって、三面スクリーン1720における白ぼけの発生を効果的に抑止することができる。
また、ここでは、相対的に、可動スクリーン1703の投影面の色と、三面スクリーン1720の投影面の色を調整するようにしたが、三面スクリーン1720は例示に過ぎず、プロジェクタの照射方向に対して垂直に配置されていない投影面を含む様々なスクリーン等について、本発明を適用することができる。
また、白ぼけの原因となりうる他の部材のうち、スクリーン以外の部材については、投影するために白色にする必要がないため、三面スクリーンよりもさらに、暗い色にすることが好ましい。
なお、本実施の形態では、塗料の調整を行うことによって、三面スクリーン1720の投影面を、可動スクリーン1703の投影面より暗い色に設定するが、スクリーンの部材そのものの色を調整して、可動スクリーン1703の投影面が暗い色になるようにすることができる。また、スクリーンの部材の色と塗料の色の両方によって、三面スクリーン1720の投影面を、可動スクリーン1703の投影面より暗い色に調整することもできる。
(第11の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第11の実施の形態について説明する。
図56は、本発明の第11の実施の形態に係る表示ユニット100Kの構成例を示す正面図である。図56に示す表示ユニット100Kは、基本的に、本発明の第10の実施の形態について上述した表示ユニット100Jとほぼ同様の構成となっている。表示ユニット100Kは、上部にプロジェクタとリフレクタを備えるが、その構成は、図15に示す表示ユニット100Cと同様である。本実施の形態の遊技機の主制御回路の構成は、図16に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における主制御回路の構成例と同様のものであり、また、本実施の形態の遊技機の副制御回路の構成は、図17に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における副制御回路の構成例と同様のものである。
また、上述のように、本実施の形態に係る表示ユニット100Kにおいても、図15に示すプロジェクタ101及びリフレクタ102と同様の構成によって照射光が提供されるが、上述した第9の実施の形態に係るプロジェクタ1101及びリフレクタ1302を用いた構成でもよく、その他様々な構成により照射光を提供することができる。
表示ユニット100Kは、本発明の第10の実施の形態に係る表示ユニット100Jと同様に、可動スクリーン1803と三面スクリーン1820を有する。また、可動スクリーン1803は、表示ユニット100Jと同様のスクリーン駆動機構によって、投影位置と非投影位置の間で移動可能となっている。スクリーン駆動機構の詳細については説明を省略する。
なお、表示ユニット100Kにおいて、可動スクリーン1803は、プロジェクタからの照射光が投影される投影面を構成する表面部1803aと、プロジェクタからの照射光が投影されない裏面を構成する裏面部1803bを備え、さらに、軽量化及び耐久性の向上のために、裏面部1803bがリブ構造となっている。
図56には、可動スクリーン1803が非投影位置にある状態の表示ユニット100Kが示されている。可動スクリーン1803は、スクリーン駆動機構(不図示)により上方向に移動され、可動スクリーン1803の裏側(投影面の裏側)が現れている。可動スクリーン1803の裏側には、上述のように、格子状のリブ構造を備えた裏面部1803bが配置される。
遊技者の正面に位置する部分には、三面スクリーン1820が現れ、手前にステージ1808、奥に後側板1809が視認可能となっている。この状態において、プロジェクタから照射光が照射されると、照射光は、三面スクリーン1820、ステージ1808、及び後側板1809などに投影される。
また、側板1807(1807a、1807b)と三面スクリーン1820の間にはそれぞれ、内側板1821(1821a、1821b)が配置されている。図56には、可動スクリーン1803を両端で支持する回動片1804(1804a、1804b)、ピニオンギヤ1811、及びドライブギヤ1813が示されているが、これらの部分は、遊技機の前面扉2bに覆われ、遊技中には遊技者から見えないようになっている。
図57は、表示ユニット100Kの可動スクリーン1803と回動片1804bを、図56に示す矢印Hの方向に見た側面図である。
図57に示すように、可動スクリーン1803は、2つの別部材、すなわち、スクリーンの投影面(表側の面)を構成する表面部1803aと、スクリーンの裏面を構成する裏面部1803bとにより構成されている。ここで、裏面部1803bは、上述のようにリブ構造を備えている。可動スクリーン1803は、端部両端において回動片1804に接続されるが、図57では、一方の回動片1804bが示されている。
回動片1804は、回動軸1805aを介して側板1807に回動自在に支持されている。また、回動片1804の先端側には、係合突起1814aが係合する溝1805bが形成されている(溝1805bは、表示ユニット100Jの長穴1705bに対応するものであるが、この例では、先端部が開放された溝状の係合部となっている)。係合突起1814aはドライブギヤ1813(表示ユニット100Jのドライブギヤ1713に対応する)に固定され、ドライブギヤ1813と一体回転可能となっている。係合突起1814aは、ドライブギヤ1813の回転に伴い溝1805b内を摺動するようになっている。
図58は、表示ユニット100Kの可動スクリーン1803の構成を示す図である。可動スクリーン1803は、スクリーンの投影面(表側の面)を構成する表面部1803aと、スクリーンの裏面を構成する裏面部1803bの2つの部材を2層に重ねた状態に構成される。裏面部1803bは、上述のように、格子状のリブ構造を備え、表面部1803aの強度を補強するようになっている。なお、図58では、2つの部材をほぼ同じ厚さのものとして示しているが、これは例示にすぎない。2つの部材を異なる厚さで構成することができ、また、それぞれを様々な厚さのものとして構成することもできる。
これらの2つの部材は、それぞれ、ひけが生じる可能性のある射出成形法等で使用されうるABS樹脂や透明のポリカーボネート樹脂であるが、これに限られるものではない。
また、表面部1803aと裏面部1803bは、ネジ・留め金等の係合部材や接着剤等を含む様々な方法で連結される。「ひけ」は、プラスチック等を射出成型によって加工をするときなどに、金型のなかでプラスチック等が冷却される過程で、収縮が場所によって一定とならないために生じるが、本発明のように、表面部1803aと裏面部1803bを個別に成型した後で連結し、最終的に可動スクリーン1803として組み立てることにより、ひけの発生を効果的に防止することができ、それによって歪みのない投影面が提供され、スクリーンとしての精度が向上する。さらに、軽量でありながらも一定の強度を保持し、耐久性に優れたスクリーンを得ることができる。
なお、この例では、可動スクリーン1803を、表面部1803aと裏面部1803bの2層で構成したが、3層以上の部材を連結して一体化することも可能である。
また、この例では、裏面部1803bを、格子状のリブ構造としているが、他の凹凸形状の構造(例えば、デザイン性のある凹凸の装飾模様)とすることもできる。射出成型等によって可動スクリーン1803の裏面に凹凸の模様を成型することによっても、ひけの生じる可能性があるためである。
例えば、図56に示す表示ユニット100Kでは、可動スクリーン1803が非投影位置に移動した場合に、可動スクリーン1803の裏側が、遊技者に視認可能な状態となるため、当該部分に装飾模様を施すことによって、遊技者に対して、より完成度の高い演出画像等を提供することが可能となる。このように、可動スクリーン1803の構成や移動態様によっては、可動スクリーン1803の裏面に装飾模様を付すことが有意義な場合がある。
また、本実施の形態では、可動スクリーン1803について、表面部1803aと裏面部1803bを備えるように構成したが、可動のスクリーンに限定されるものではない。本発明のようにスクリーンを構成することによって、固定スクリーンについても、投影面におけるひけの発生を効果的に防止することができ、それによって歪みのない投影面が提供され、スクリーンとしての精度が向上する。さらに、軽量でありながらも一定の強度を保持し、耐久性に優れたスクリーンを得ることができる。
(第12の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第12の実施の形態について説明する。
図59は、本発明の第12の実施の形態に係る表示ユニット100Lの構成例を示す側面図であり、前面側F1と奥側Rが、それぞれ矢印によって示されている。図59に示す表示ユニット100Lは、基本的に、本発明の第10の実施の形態について上述した表示ユニット100Jとほぼ同様の構成となっている。また、図59には、本発明の第9の実施の形態について上述したプロジェクタ1101、リフレクタ1302と同様のプロジェクタ1901、リフレクタ1902が示されている(この例では、プロジェクタ1101は、プロジェクタベース1940及び側板(不図示)等によって保持され、リフレクタ1902は、プロジェクタベース1940によって保持される)。
また、本実施の形態の遊技機の主制御回路の構成は、図16に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における主制御回路の構成例と同様のものであり、また、本実施の形態の遊技機の副制御回路の構成は、図17に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における副制御回路の構成例と同様のものである。
表示ユニット100Lは、本発明の第10の実施の形態に係る表示ユニット100Jと同様に、可動スクリーン1903と三面スクリーン1920を有する。また、可動スクリーン1903は、表示ユニット100Jと同様のスクリーン駆動機構によって、投影位置と非投影位置の間で移動可能となっている。図59は、可動スクリーン1903が上方に移動され、非投影位置にある状態を示している。なお、投影位置は、図53(a)に示す可動スクリーン1703の状態と同様である。
本実施の形態に係る表示ユニット100Lは、ステージ1908及び後側板1909に固定された一対の側板を備えているが、図59では、これらの側板を取り外した状態で示している。これらの側板には、可動スクリーン1903を移動させるスクリーン駆動機構が設けられている。
図59に示すように、可動スクリーン1903は、裏面側に突出する有端の回動片1904を有している。この回動片1904は、可動スクリーン1903の裏面側の両側にそれぞれ設けられている。また、回動片1904は、回動軸1905aを介して側板に回動自在に支持されている。また、回動片1904の先端側には、後述する係合突起1914aが係合する溝1905bが形成されている。
スクリーン駆動機構は、スクリーン駆動部1906に連結されたピニオンギヤ1911と、ピニオンギヤ1911に噛み合う減速ギヤ1912と、減速ギヤ1912に噛み合うドライブギヤ1913とを含んで構成されている。係合突起1914aは、ドライブギヤ1913の回転に伴い溝1905b内を摺動するようになっている。
このような構成により、可動スクリーン1903は、回動軸1905aを支点に回動し、投影位置と非投影位置との間で移動する。
このような構成とした本実施の形態においては、可動スクリーン1903が投影位置と非投影位置との間で自在に移動するよう構成されているので、例えば遊技状態に応じて、可動スクリーン1903を用いた演出と可動スクリーン1903を用いない演出とを切り替えることができ、演出に多様性を持たせることができる。また、可動スクリーン1903が非投影位置にある場合に、三面スクリーン1920及びステージ1908等に照射光が投影されるため、演出に更なる多様性を持たせることができる。
本実施の形態に係る表示ユニット100Lは、さらに、多孔板1930を備える。図59に示すように、多孔板1930は、後側板1909の上端付近で支持され、プロジェクタ1901と可動スクリーン1903(非投影位置にある可動スクリーン)の間を通って、プロジェクタ1901の前方端部付近まで延びている。また、多孔板1930は、プロジェクタ1901の下側と可動スクリーン1903の上側の隙間に沿って、これらと接触しないように配置されるため、2箇所で屈曲されている。
多孔板1930は、例えば、パンチングメタルのような、打ち抜き加工により複数の孔が設けられた金属製(例えば、ステンレス、スチール、アルミ製)の板であるが、このような板のみには限られない。多孔板1930は、プロジェクタ1901を覆って、プロジェクタ1901自体が遊技者から視認されないように、少なくとも、プロジェクタ1901の幅と同程度、あるいはそれ以上の横幅を有していることが好ましい。また、表示ユニット100Lの上部全体を、(プロジェクタ1901を含み)下側から覆うように構成してもよい。
また、多孔板1930は、この例では、後側板1909の上端付近に支持されているが、側板やプロジェクタなど、表示ユニット100L内の移動しない部分に支持されてもよく、それらの部分に、ネジ止めを含む様々な方法で固定される。
多孔板1930は、上述のように、可動スクリーン1903が最も高い位置(非投影位置)まで移動した状態であっても、この可動スクリーン1903に接触することがなく、また、可動スクリーン1903が最も低い位置(投影位置)まで移動する途中や、移動した後の状態であっても、可動スクリーン1903に接触しないように構成される。このために多孔板1930の形状は、プロジェクタ1901の形状と、可動スクリーン1903の形状及び移動の態様(移動の軌跡)に応じて変形される。例えば、多孔板1930は、数カ所の屈曲部を有するように変形された状態で、あるいは複数枚に分離された状態で所定位置に配置される。また、このように変形、分離された多孔板1930は、投影の妨げになることもない。
図60は、プロジェクタ1901及び多孔板1930を、図59に示す表示ユニット100Lから取り出して示した図である。
プロジェクタ1901は、図34、及び図35に示す、本発明の第9の実施の形態に係るプロジェクタ1101の構成と同様であり、投射レンズから投影される照射光を透過するガラスレンズ1924、エアーダクト1926、プロジェクタカバー1929、吸気口1927a、及び排気口1927bが示されている。また、前面側F1と奥側Rが、それぞれ矢印によって示されている。
多孔板1930は、プロジェクタ1901の下側(プロジェクタカバー1929の下側)に、所定の空間を隔てて配置される。多孔板1930には、複数の孔1930aが設けられ、上述のように、プロジェクタ1901の下側の形状、及び可動スクリーン1903の非投影位置に合わせて、2箇所で屈曲されている。多孔板1930のそれぞれの孔1930aは、例えば、直径5mm、またはそれ以下である。孔1930aの直径を大きくすれば放熱効率は上がるが、孔を通して、その奥のプロジェクタ1901が視認されてしまうことになるため、孔の直径は、放熱効率と見栄えのトレードオフによって好適に調整される。また、このような孔1930aの直径と同様に、孔1930aの数や配置(位置や孔の間隔等を含む)についても適宜調整される。
プロジェクタ1901では、DMDやLED光源の放熱を行うために、ファンによって吸気口1927aから空気が取り込まれ、取り込まれた空気は、ヒートシンクを通って排気口1927bから送り出される(この通風経路は、図60の矢印Jによって示されるが、当該経路を含む複数の通風経路が設けられている(図52参照))。
多孔板1930がプロジェクタ1901の下側を覆うことによって、見栄えが良く美観を損なう虞がなくなるとともに、プロジェクタ1901の放熱を阻害することがない。すなわち、多孔板1930の小さな複数の孔1930aによって、遊技者からプロジェクタ1901が直接視認されないようになることで見栄えが保持される。
また、多孔板1930は、プロジェクタ1901の吸気(例えば、吸気口1927aからの吸気)と排気(例えば、排気口1927bからの排気)を阻害しないように配置され、さらに、矢印Jで示される通風経路を含む通風経路において、エアーダクト1926等を介して伝えられるヒートシンクからの熱を、複数の孔1930aにより効果的に多孔板1930の外部(下側)に放熱する。
この例では、プロジェクタ1901が表示ユニット100Lの上部に設けられ、プロジェクタ1901の上には、プロジェクタ1901を支持するプロジェクタベース1940や天井板があるため、プロジェクタ1901の上方向に対する放熱は期待ができないため、特に、本実施の形態に係る多孔板1930を介した、プロジェクタ1901の下方向への放熱が重要になってくる。また、プロジェクタ1901の下側には、プロジェクタ1901から可動スクリーン1903等への投影のために開放されている領域があり、本実施の形態では、当該開放領域を放熱のために有効に利用することができる。
(第13の実施の形態)
次に、本発明に係る遊技機の第13の実施の形態について説明する。
図61は、本発明の第13の実施の形態に係る表示ユニット100Mの構成例を示す正面図である。図61に示す表示ユニット100Mの一部は、図54に示す、本発明の第10の実施の形態に係る表示ユニット100Jと同様の構成を有しており、図61では、表示ユニット100Mが、その上部にプロジェクタベース2040を含むように示されている。また、本実施の形態の遊技機の主制御回路の構成は、図16に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における主制御回路の構成例と同様のものであり、本実施の形態の遊技機の副制御回路の構成は、図17に示す、本発明の第4の実施の形態に係る遊技機における副制御回路の構成例と同様のものである。
また、表示ユニット100Mのプロジェクタ、及びリフレクタは、上述した第9の実施の形態に係るプロジェクタ1101及びリフレクタ1302と同様の構成であり、図59に示すように、(図59のプロジェクタベース1940に対応する)プロジェクタベース2040等によって保持される。
図61に示す表示ユニット100Mにおいて、可動スクリーン2003は、図53に示すものと同様のスクリーン駆動機構により上方向に移動され、可動スクリーン2003の裏側(投影面の裏側)が現れている(図61の斜線部)。遊技者や調整担当者の正面に位置する部分には、三面スクリーン2020が現れ、手前にステージ2008、奥に後側板2009が視認可能となっている。この状態において、プロジェクタから照射光が照射されると、照射光は、三面スクリーン2020、ステージ2008、及び後側板2009などに投影される。
また、側板2007(2007a、2007b)と三面スクリーン2020の間にはそれぞれ、内側板2021(2021a、2021b)が配置されている。図61には、可動スクリーン2003を両端で支持する回動片2004(2004a、2004b)が示されているが、これらの部分は、遊技機の前面扉2bに覆われ、遊技中には遊技者から見えないようになっている。
表示ユニット100Mのリフレクタは、プロジェクタベース2040の突出部2040aの裏側に配置され、ネジ穴2041a〜2041dをそれぞれ貫通する4本のネジによってプロジェクタベース2040に支持されるとともに、当該ネジを回す(回転操作する)ことによって、プロジェクタからの照射光の投影位置・投影方向を調整するように、位置調整が行われる。リフレクタの位置調整の詳細については、後で説明する。
図62は、図61に示す表示ユニット100Mにおいて、ステージ2008の上から、矢印Kの方向に(すなわち、表示ユニット100Mの内部において、下側から上方向に向かって)見た図である。ここで、図62における前面側F1の方向と奥側Rの方向は、矢印に示した通りである。
図62には、プロジェクタ2001が、プロジェクタベース2040に保持され、リフレクタ2002が、プロジェクタベース2040の突出部2040aに、ホルダーを介して保持されている様子が示されている。プロジェクタ2001のガラスレンズ2024を透過した照射光(矢印M1)は、リフレクタ2002で反射し(矢印M2)、表示ユニット100Mのスクリーン(例えば、三面スクリーン2020)に投影される。
図63は、リフレクタ2002とプロジェクタベース2040をさらに詳細に示した図であり、図61において、ネジ穴2041bとネジ穴2041dを通る点線Lに沿って切断した断面を示している。なお、図63では、プロジェクタベース2040の奥側(表示ユニット100Mの奥側Rの方向)の部分と、プロジェクタ2001については、表示を省略している。
ここで、リフレクタ2002は、プロジェクタ2001から照射された照射光をスクリーンの方向に反射する光学ミラーであり、ホルダー2051に収納される。リフレクタ2002は、ホルダー2051の両端で、ホルダー2051と左ストッパ2053、ホルダー2051と右ストッパ2054によってそれぞれ挟持される。左右のストッパ(2053、2054)は、ホルダー2051と嵌合することにより、またはネジ等の固定手段によって、ホルダー2051に保持される。
プロジェクタベース2040の突出部2040aと、リフレクタ2002を保持したホルダー2051は、図63に示すような矢印N1〜N4の方向にそれぞれネジを挿入することによって互いに支持される。これらの4つのネジを個別に回すことによって、対応する4カ所における突出部2040aとホルダー2051の間隔を調整し、結果的に、リフレクタ2002の位置が調整される。
矢印N1に沿って挿入されるネジ(不図示)は、プロジェクタベース2040の突出部2040aのネジ穴2041b、及び対応するホルダー2051のネジ穴を貫通し、左ストッパ2053のネジ穴2053aと螺合する。突出部2040aとホルダー2051の間にはバネが設けられ、このネジが当該バネを貫通する。矢印N2に沿って挿入されるネジ(不図示)は、プロジェクタベース2040の突出部2040aのネジ穴2041d、及び対応するホルダー2051のネジ穴を貫通し、左ストッパ2053のネジ穴2053bと螺合する。突出部2040aとホルダー2051の間にはバネが設けられ、このネジが当該バネを貫通する。
同様に、矢印N3に沿って挿入されるネジ(不図示)は、プロジェクタベース2040の突出部2040aのネジ穴2041a(図61参照)、及び対応するホルダー2051のネジ穴を貫通し、右ストッパ2054のネジ穴2054aと螺合する。突出部2040aとホルダー2051の間にはバネが設けられ、このネジが当該バネを貫通する。矢印N4に沿って挿入されるネジ(不図示)は、プロジェクタベース2040の突出部2040aのネジ穴2041c(図61参照)、及び対応するホルダー2051のネジ穴を貫通し、右ストッパ2054のネジ穴2054bと螺合する。突出部2040aとホルダー2051の間にはバネが設けられ、このネジが当該バネを貫通する。
このように、プロジェクタベース2040の突出部2040aとホルダー2051との間には、各ネジに対応してバネが設けられているため、これらのネジを回すように操作する(回転操作)だけで、プロジェクタベース2040の突出部2040aとホルダー2051との間隔を調整できる。すなわち、ネジを締めるように回転操作をすれば、突出部2040aのネジ穴に係合するネジ頭と、ストッパのネジ穴の螺合により、突出部2040aとホルダー2051との間隔が縮まり、ネジを緩めるように回転操作をすれば、バネの付勢により、ネジを緩めた分だけ突出部2040aとホルダー2051との間隔が広がる。
また、このような間隔の調整を4カ所で行うことにより、リフレクタ2002の傾きを自在に調整することができ、その結果、プロジェクタの照射光の投影位置・投影方向が調整される。なお、この例では、4つのネジを用いて調整を行ったが、3つのネジによって、3カ所で調整を行うようにしてもよい。
さらに、図61に示すように、これらのネジは表示ユニット100Mの正面から見て露出した位置から挿入され、ネジ頭が露出した状態となるため、調整担当者は、ネジの回転操作を容易に行うことができる。
図64は、ネジの回転操作によって、プロジェクタベース2040の突出部2040aとホルダー2051との間隔が調整される様子を示した断面図である。
図64(a)には、図63に示した矢印N2に沿って挿入されるネジに関して、突出部2040aとホルダー2051との間隔が調整される仕組みが示されている。ネジ2060は、突出部2040aのネジ穴2041dに挿入され、ネジ2060のネジ頭が、ネジ穴2041dの凹部に係合され、ネジ穴2041dへのネジの挿入が一定位置までに制限される。ネジ穴2041dは貫通穴であり、ネジ2060の回転によって、ネジ2060と突出部2040aの相対位置を変化させる力は働かない。
さらに、ネジ2060は、ホルダー2051のネジ穴に挿入される。ホルダー2051のネジ穴も貫通穴であり、ネジ2060の回転によって、ネジ2060とホルダー2051の相対位置を変化させる力は働かない。また、突出部2040aとホルダー2051の間には、バネ2061が配置され、このバネ2061にネジ2060が挿入される。バネ2061によって、突出部2040aとホルダー2051との間隔を広げる方向の力が働く。なお、ここでは図示しないが、バネの上下には、必要に応じてワッシャー等が使用されうる。
ホルダー2051と左ストッパ2053の間には、リフレクタ2002が挟持される。ネジ2060はさらに、左ストッパ2053のネジ穴2053bに挿入される。ネジ穴2053bは螺刻穴であり、ネジ2060の回転によって、ネジ2060と左ストッパ2053の相対位置を変化させる力が働く。
このような構成によって、ネジ2060を一方向に回して(例えば、ネジ2060のネジ頭のマイナス溝やプラス溝にドライバの先端を合致させて回転操作を行い)、左ストッパ2053を、ネジ2060のネジ頭に近づく方向に変位させると、バネ2061の付勢に抗して、左ストッパ2053とホルダー2051、及びこれらに挟持されたリフレクタ2002がともに、突出部2040aに近づく方向に移動し、間隔Oが、回転操作前より狭くなる。このようなネジ2060の回転操作は、調整担当者によって、表示ユニット100Mの前面側F1から奥側Rの方向を向いた姿勢で行うことができ、また、当該回転操作は、表示ユニット100Mを、遊技機内に配置したままの状態で行うことができる。
逆に、ネジ2060を、表示ユニット100Mの外側から上述の方向とは逆の方向に回して、左ストッパ2053を、ネジ2060のネジ頭から遠ざかる方向に変位させると、バネ2061の付勢により、左ストッパ2053とホルダー2051、及びこれらに挟持されたリフレクタ2002がともに、突出部2040aから遠ざかる方向に移動し、間隔Oが、回転操作前より広くなる。
図64(a)では、図63に示した矢印N2に沿って挿入されるネジに関して説明したが、他の3つのネジについても同様の挙動となる。これらの挙動が、4つのネジの回転操作のそれぞれについて行われるため、結果的に、リフレクタ2002を任意の位置(角度)に調整することが可能となる。
また、この例では、リフレクタ2002が、ホルダー2051とストッパ2053に挟持される構成となっているが、上述のように、ネジとバネによって、プロジェクタベース2040の突出部2040aとリフレクタ2002との間隔(すなわち、プロジェクタ2001とリフレクタ2002との間隔)が、複数カ所(例えば、3カ所または4カ所)で調整可能であれば、リフレクタ2002の支持形態はどのようなものであってもよい。また、ホルダー2050を、1カ所を支点として保持し、他の2カ所または3カ所で、上述したネジとバネによる調整を行うように構成してもよい。
図64(b)は、図64(a)に示した構成の変形例を示す断面図である。
図64(b)には、図64(a)と同様、図63に示した矢印N2に沿って挿入されるネジに関して、突出部2040aとホルダー2051との間隔が調整される仕組みが示されている。ネジ2060は、突出部2040aのネジ穴2041dに挿入され、ネジ2060のネジ頭が、ネジ穴2041dの凹部に係合され、ネジ穴2041dへのネジの挿入が一定位置までに制限される。ネジ穴2041dは貫通穴であり、ネジ2060の回転によって、ネジ2060と突出部2040aの相対位置を変化させる力は働かない。
さらに、ネジ2060は、ホルダー2051のネジ穴に挿入される。ホルダー2051のネジ穴も貫通穴であり、ネジ2060の回転によって、ネジ2060とホルダー2051の相対位置を変化させる力は働かない。また、突出部2040aとホルダー2051の間には、バネ2061が配置され、このバネ2061にネジ2060が挿入される。バネ2061によって、突出部2040aとホルダー2051との間隔を広げる方向の力が働く。なお、ここでは図示しないが、バネの上下には、必要に応じてワッシャー等が使用されうる。
ホルダー2051と左ストッパ2053’の間には、リフレクタ2002が挟持される。ネジ2060はさらに、左ストッパ2053’のネジ穴2053b’に挿入される。ネジ穴2053bは貫通穴であり、ネジ2060の回転によって、ネジ2060と左ストッパ2053’の相対位置を変化させる力は働かない。
次に、ネジ2060は、左ストッパ2053’に固定されたナット2062のネジ穴に挿入される。このネジ穴は、螺刻穴であり、ネジ2060の回転によって、ネジ2060とナット2062の相対位置を変化させる力が働く。
このような構成によって、ネジ2060を一方向に回して(例えば、ネジ2060のネジ頭のマイナス溝やプラス溝にドライバの先端を合致させて回転操作を行い)、ナット2062を、ネジ2060のネジ頭に近づく方向に変位させると、バネ2061の付勢に抗して、ナット2062、左ストッパ2053’、ホルダー2051、及び左ストッパ2053’とホルダー2051に挟持されたリフレクタ2002がともに、突出部2040aに近づく方向に移動し、間隔Pが、回転操作前より狭くなる。このようなネジ2060の回転操作は、調整担当者によって、表示ユニット100Mの前面側F1から奥側Rの方向を向いた姿勢で行うことができ、また、当該回転操作は、表示ユニット100Mを、遊技機内に配置したままの状態で行うことができる。
逆に、ネジ2060を、表示ユニット100Mの外側から上述の方向とは逆の方向に回して、ナット2062を、ネジ2060のネジ頭から遠ざかる方向に変位させると、バネ2061の付勢により、ナット2062、左ストッパ2053’、ホルダー2051、及び左ストッパ2053’とホルダー2051に挟持されたリフレクタ2002がともに、突出部2040aから遠ざかる方向に移動し、間隔Pが、回転操作前より広くなる。
本実施の形態では、ネジ2060の回転操作によって、リフレクタ2002の位置が変化するように構成されればよいので、図64(a)に示すように、螺刻穴をストッパ(2053、2054)に設けてもよいし、図64(b)に示すように、ナット2062が固定的に付加されたストッパ(2053’、2054’)を用いるようにしてもよい。また、螺刻穴をホルダー2051に設けてもよいし、リフレクタ2002と連動して変位する、他の様々な部位に螺刻穴を設けることができる。
なお、ネジ2060として、図64に示すような小ネジを用いて説明したが、これに限られない。ねじとして螺合して前面から調整可能なものであればよく、ボルトやナットなどでもよい。例えば、リフレクタ2002と連動して変位する部位に、ボルトなどのおねじを固定すれば、ネジ2060に代えて蝶ナットを用いることができる。このようにすると、工具なしでも調整できるようになる。
ここまで、第1〜第13の実施の形態について説明してきたが、各実施の形態における遊技機1,1A及び1Bとしては、パチスロ機に限定されるものではなく、パチンコ機やスロットマシンなどの他の遊技機にも適用できる。
また、第1〜第13の実施の形態を適宜組み合わせて、表示ユニットを構成することができる。