以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)と、遊技盤を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤における遊技領域2の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリアが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリアでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリアとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
遊技盤の盤面上に形成された遊技領域2には、画像表示装置5の天辺よりも左側の左遊技領域2A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域2B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域2Aと、第2遊技領域である右遊技領域2Bは、例えば遊技領域2の内部における画像表示装置5の端面や釘の配列PLなどにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域2に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列PLに沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域2Aには、普通入賞球装置6Aが設けられている。例えば普通入賞球装置6Aは、画像表示装置5の中央下方に設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。このように、左遊技領域2Aには、常時遊技球が進入(通過)可能な第1始動入賞口を形成する普通入賞球装置6Aが設けられている。
右遊技領域2Bには、普通可変入賞球装置6Bと通過ゲート41とが設けられている。例えば普通可変入賞球装置6Bは、画像表示装置5の右側方に設けられ、通過ゲート41は、普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域2Bには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な普通可変入賞球装置6Bが設けられている。
左遊技領域2Aや右遊技領域2Bにおける普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bなどの配置により、第1遊技領域である左遊技領域2Aへと誘導された遊技球は、第2遊技領域である右遊技領域2Bに設けられた通過ゲート41を通過したり、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)したりすることが不可能または困難である。加えて、第2遊技領域である右遊技領域2Bへと誘導された遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域2Aに設けられた普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)することが不可能または困難である。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通可変入賞球装置6Bの下方には、2つの特別可変入賞球装置7A、7Bが設けられている。すなわち、特別可変入賞球装置7A、7Bは、第2遊技領域となる右遊技領域2Bに設けられている。
特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Aでは、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
特別可変入賞球装置7Bは、図2に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉を備え、その下大入賞口扉によって開放状態(第1状態)と閉鎖状態(第2状態)とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに下大入賞口扉が下大入賞口を開放状態にする。特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
特別可変入賞球装置7Aが形成する上大入賞口や特別可変入賞球装置7Bが形成する下大入賞口を遊技球が通過(進入)することにより、多数の遊技球が賞球として払い出される。すなわち、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を開放状態とすることにより、遊技者にとって有利な状態となる。一方、特別可変入賞球装置7Aは、上大入賞口扉により上大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な状態となる。特別可変入賞球装置7Bは、下大入賞口扉により下大入賞口を閉鎖状態とすることにより、遊技者にとって不利な状態となる。なお、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が上大入賞口や下大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。なお、遊技球が上大入賞口又は下大入賞口に(通過)進入することを、遊技球が特別可変入賞球装置7A又は特別可変入賞球装置7Bに(通過)進入するともいう。
特別可変入賞球装置7Bの内部には、図1に示すように、下大入賞口扉により開放状態となった下大入賞口に進入した遊技球が、所定の確変領域(特定領域)を通過して、あるいは通過せずに、特別可変入賞球装置7Bからの排出経路まで誘導する誘導経路が設けられている。特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球は、まず下大入賞口スイッチ23Bが設けられた経路を通過したのち、確変領域への誘導路と、確変領域を通過せず排出経路に誘導する誘導路と、への分岐点に誘導される。分岐路に誘導された遊技球が確変領域への誘導路を流下すると、この遊技球が確変領域スイッチ24Aによって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、確変領域スイッチ24Aの設置箇所を確変領域とし、この確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。確変領域は特別可変入賞球装置7Bの内部にあるので、特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球のみが通過可能である。
確変領域は、確変領域蓋用のソレノイド82Cによって駆動される確変領域蓋72によって、遊技球が通過可能な開放状態と通過不可能な閉鎖状態とに変化する。一例として、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオフ状態であるときに確変領域蓋72が確変領域を塞ぐ(閉鎖する)位置(規制位置)に移動し、確変領域を閉鎖状態(図1の実線で示す状態)にする。その一方で、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオン状態であるときに確変領域蓋72が確変領域を塞がない(閉鎖しない)位置(許容位置)に移動し、確変領域を開放状態(図1の破線で示す状態)にする。確変領域が閉鎖状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は確変領域を通過せず誘導路によって排出経路に誘導され、特別可変入賞装置7Bから排出される。この場合、遊技球は排出経路への誘導路に設置された排出スイッチ24Bによって検出される。一方、確変領域が開放状態にある時に分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過し、確変領域に設置された確変領域スイッチ24Aによって検出される。そして、確変領域を通過した遊技球は誘導路によって排出経路に誘導され、特別可変入賞装置7Bから排出される。特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過することで、確変領域スイッチ24Aが確変領域を通過した遊技球を検出したことにもとづいて、後述する確変状態に制御される。このため、遊技球が特別可変入賞装置7Bに進入する割合、および、確変領域蓋73が許容位置にある時間の長さとそのタイミングを調節することで、確変状態に制御する割合を好適に設定することができる。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技領域2の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
遊技盤の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域2の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域2の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域2に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。遊技領域2の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿が設けられている。また、上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が操作可能な操作ボタンが設置されている。
また、この実施の形態では、遊技領域2のうち普通可変入賞球装置6Bや特別可変入賞球装置7A、7Bなどが設けられている領域の背面には振動センサ61が設けられている。また、遊技領域2の所定領域の背面には磁石センサ62A、62Bが設けられている。なお、図1に示した振動センサ61や磁石センサ62A、62Bの数や配置は一例であり、遊技領域2の構成の仕方などによって振動センサ61や磁石センサ62A、62Bを様々な数・位置に配置してもよい。図1に示すように、この実施の形態では、振動センサ61が設けられていることによって、振動を発生させて不正に入賞させるような行為を検出できるとともに、磁石センサ62A、62Bが設けられていることによって、磁石を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような行為を検出することができる。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
右遊技領域2Bにおいて普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置6Bの上方に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間(特図変動時間)が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が上大入賞口または下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、上大入賞口または下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口や下大入賞口に遊技球が進入したときには、上大入賞口スイッチ23Aや下大入賞口スイッチ23Bにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。この実施の形態では、一例として、時短終了条件と確変終了条件とが同じであり、次回の大当り遊技状態が開始されなければ、最大100回の可変表示が実行されたことによって、時短終了条件と確変終了条件とが成立する。従って、時短状態及び確変状態となってから大当り遊技状態とならずに100回の可変表示が実行されると、時短状態及び確変状態が終了する。時短状態及び確変状態である状態は、スペシャルタイム状態や、ST状態、あるいは、単にスペシャルタイム、STともいう。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態(「特別状態」ともいう)とも称される。
なお、確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて上大入賞口や下大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」(「突然確変」ともいう)であるとも称される。そして、高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる確変状態となるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「14」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が「14」以外であるときには、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な状態となる。
大当り遊技状態には、ラウンド遊技の実行回数が「14」であるとき(第14ラウンド)に、下大入賞口を開放状態とする上限時間を異ならせた複数種類の大当り種別がある。一例として、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が0.05秒に設定される。一方、大当り種別が「第2大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が29.5秒に設定される。したがって、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しにくい。これに対して、大当り種別が「第2大当り」の場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
また、パチンコ遊技機1の裏面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(図柄確定回数信号、始動口信号、大当り信号、時短信号、入賞信号、セキュリティ信号、賞球情報など)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。例えば、セキュリティ信号は、初期化処理が行われたとき、異常入賞が検出されたとき、振動異常が検出されたとき、または磁気異常が検出されたときなどに出力される信号である。この実施の形態では、パチンコ遊技機1の裏面に、各種異常を報知するための異常報知用LED66、77が設けられている。なお、振動異常と磁気異常とをセンサ異常と総称することがある。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチやセンサ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、異常報知用LED66の点灯/消灯/発色制御を行って各種異常の報知を行う機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111、情報出力回路64などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81、上大入賞口扉用のソレノイド82A、下大入賞口扉用のソレノイド82B、確変領域蓋用のソレノイド82Cに伝送する。情報出力回路64は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホール管理用コンピュータ等の外部装置に対して出力する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。また、演出制御基板12は、異常報知用LED77の点灯/消灯/発色制御を行って各種異常の報知を行う機能も備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23Aおよび下大入賞口スイッチ23B)、確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24Bといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
図3に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「300」のいずれかの値を取り得る。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
図4は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。この実施の形態では、一例として、大当り遊技状態後(大当り遊技状態の終了直後)の時短状態中における第2特図の可変表示4回分まで選択可能な変動パターンとして、変動パターンPB3−1が設定されている。
なお、飾り図柄の可変表示態様として、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態を、リーチ状態(単に「リーチ」)という。具体的な一例として、リーチ状態は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様を、「非リーチ」という。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。また、一例として、RAM102には、図5に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図5に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。また、第2特図保留記憶部151Bの機能は、記憶の対象が第2特図の乱数値等の数値データである点を除き、第1特図保留記憶部151Aの機能と同様である。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンド等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板13には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板13では、演出制御基板12から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ8L、8Rに出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板14には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板14では、演出制御基板12から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに供給する。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理(電断復旧時の設定)を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。電断復旧時の設定が実行された場合には、例えば、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた電断復旧フラグをオン状態とすればよい。電断復旧フラグのオン・オフ状態を確認することにより、電断復旧時の設定が実行されたか否かを判定することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図6のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図6に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、振動センサ61や磁石センサ62A、62Bから検出信号を入力したことにもとづいて振動異常報知や磁気異常報知を行うセンサ異常報知処理を実行する(ステップS11)。次いで、センサ異常フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS13)、センサ異常フラグがセットされていないと判定された場合(ステップS13;No)、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS14)。続いて、異常入賞報知処理を実行し(ステップS15)、その他の異常報知処理を実行する(ステップS16)。
ステップS16の処理の後、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS17)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS18)。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7A、7Bにおける大入賞口(上大入賞口および下大入賞口)の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS19)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、確変領域蓋72の位置と、確変領域の有効・無効と、を制御するための確変領域ソレノイド制御処理を実行する(ステップS20)。
確変領域ソレノイド制御処理では、CPU103は、大当り遊技状態にてRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値が「1」にセットされた事に基づいて、確変領域蓋72の開閉制御と、確変領域の有効無効の切り替え制御が実行される。例えば、確変領域蓋72の開閉、及び、確変領域の有効無効の切り替えは、確変ソレノイドパターンテーブルに基づいて実行する。確変ソレノイドパターンテーブルは、確変領域蓋72の開閉状態を切り替えるタイミングと、確変領域の有効無効を切り替えるタイミングと、がラウンド遊技におけるラウンド開始からの経過時間(ラウンドタイマの値)と対応付けて記憶されたテーブルであればよい。あるいは、後述する下大入賞口の開閉と連鎖して、下大入賞口が開放状態である場合には確変領域も開放状態となり、かつ確変領域を有効とする一方、下大入賞口が閉鎖状態である場合には確変領域も閉鎖状態となり、かつ確変領域を無効とする、としてもよい。確変領域ソレノイド制御処理では、ROM101に記憶された複数の確変ソレノイドパターンテーブルから、大当り種別と実行されるラウンド遊技のラウンド数に応じて使用パターンを選択する。そして、選択した使用パターンに基づいて、RAM102の所定領域に設定された確変領域検出有効フラグを更新する。また、読み取ったソレノイド出力指定データの値に応じて、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御バッファ設定部155)に設定された確変領域ソレノイドバッファを更新することで、ソレノイド出力指定データに応じて確変領域蓋用のソレノイド82Cのオン・オフを制御する。即ち、確変領域蓋72の位置を制御する。なお、確変領域ソレノイドバッファは、確変領域蓋用のソレノイド82Cにオン・オフを指定する制御信号を出力するための出力バッファであり、このバッファに格納された値に応じて、図6のコマンド制御処理で確変領域蓋用のソレノイド82Cに制御信号が出力される。
ステップS20の処理の後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS21)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。
ステップS13にてセンサ異常フラグがセットされていると判定された場合や(ステップS13;Yes)、ステップS21の処理を実行した後、情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータ(ホールコンピュータ)に供給される大当り情報、始動情報、異常入賞情報などのデータ(信号)を出力する(ステップS22)。情報出力処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
この実施の形態では、上記したようにステップS13にてセンサ異常フラグがセットされていると判定された場合には(ステップS13;Yes)、ステップS22に移行する。すなわち、センサ異常が発生しているときには、ステップS14からS21の処理が行われず、それらの処理によって制御される動作等が停止された状態となる。例えば、スイッチ処理(ステップS14)が行われなくなることで、遊技球が、ゲートスイッチ21や始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B)、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ23A、下大入賞口スイッチ23B)、確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24Bを通過したとしても、通過したと認識されないようになる。また、例えば、コマンド制御処理(ステップS21)が行われなくなることで、演出制御基板12に対して演出制御コマンドが送信されないようになる。このように、この実施の形態では、センサ異常フラグがセットされている期間には、ステップS14からS21の処理(例えば、スイッチ処理やコマンド制御処理など)を行わないようにすることで、センサ異常を検出したときから、電源が再投入されるまで(具体的には、電源再投入によるホットスタート処理または初期化処理が行われるまで)は、遊技に関する制御が停止されるように構成されている。
この実施の形態では、上記したようにステップS13にてセンサ異常フラグがセットされていると判定された場合には(ステップS13;Yes)、セキュリティ信号を出力する情報出力処理を実行する。つまり、センサ異常が発生している場合でも、情報出力処理は実行される。このように、センサ異常フラグがセットされているときには、遊技に関する制御が停止される(ステップS14〜S21の処理がスキップ(省略)される)が、全ての制御が停止されるのではなく、情報出力処理(ステップS22)において、セキュリティ信号の外部出力が行われる。そのため、センサ異常が検出されたことにもとづいて遊技に関する制御を停止した場合(例えば、スイッチ処理の停止やコマンド制御処理の停止などを行った場合)でも、センサ異常が検出されたことを外部に報知することができる。
図7は、特別図柄プロセス処理として、図6のステップS18にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図8は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS204にて第2始動口スイッチ22Bがオフであるときや(ステップS204;No)、ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS205;Yes)、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
ステップS210の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板12に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図6に示すステップS21のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図7に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。図4に示すように、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や上大入賞口スイッチ23Aまたは下大入賞口スイッチ23Bによって検出された遊技球の個数などに基づいて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、上大入賞口または下大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図7のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図10(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例では、遊技状態が確変状態であるか否か(確変制御の有無)に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変制御が行われている確変状態のときには、確変制御が行われていない通常状態や時短状態(非確変状態)のときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、確変制御が行われない通常状態や時短状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図10(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例では、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄(変動特図)が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図10(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定される。例えば、「第1大当り」に決定される割合は80%となっており、「第2大当り」に決定される割合は20%となっている。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「第2大当り」にのみ決定される。すなわち、大当り種別が「第1大当り」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「第2大当り」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
この実施の形態では、大当り種別が「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「14」である第14ラウンドにて、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも下大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。図10(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。すなわち、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも確変制御条件が成立しやすい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファといったRAM102の所定領域に、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図11は、変動パターン設定処理として、図7のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS251)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS251;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS252)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS251;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS253)。
ステップS252の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。また、ステップS253の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図12は、大当り変動パターンの決定例を示している。この実施の形態では、大当り後の第2特図の変動4回分を除く時短中と、時短中以外とにおいて、共通の大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを決定する。これに対し、大当り後の時短中における第2特図の変動4回分では、上記共通の大当り変動パターン決定テーブルとは異なる特定の大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを決定する。
大当り後の第2特図の変動4回分を除く時短中と、時短中以外とにおけるステップS252の処理では、例えば図12(A)に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。図12(A)に示す例では、大当り時の変動パターンとして、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2のいずれかが、所定割合で使用パターンに決定される。これに対し、大当り後の時短中における第2特図の変動4回分でのステップS252の処理では、例えば図12(B)に示すような割合で、大当り時の変動パターンが決定される。図12(B)に示す例では、大当り時の変動パターンとして、変動パターンPA3−1、変動パターンPA3−2、変動パターンPB3−1のいずれかが、所定割合で使用パターンに決定される。このように、この実施の形態では、大当り後における第2特図の変動4回分までは変動パターンPB3−1を選択可能となっている。
図13は、ハズレ変動パターンの決定例を示している。図11に示すステップS253の処理では、時短制御が行われていない通常状態(時短中以外)であるときに、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、例えば図13(A)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。また、図11に示すステップS253の処理では、時短制御が行われている時短状態(時短中)であるときに、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、例えば図13(B)に示すような割合で、ハズレ時の変動パターンが決定される。ステップS253の処理では、ハズレ時の変動パターンを決定することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かが決定される。なお、変動パターンの決定とは別個の処理により、可変表示結果が「ハズレ」となる場合にリーチ状態とするか否かが決定されてもよい。
図12(A)に示す例では、変動パターンPA3−2といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA3−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。一方、図13(A)や(B)に示す例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに対して割り当てられた決定値が、変動パターンPA2−2といった、スーパーリーチにおけるリーチ演出を伴う変動パターンに割り当てられた決定値よりも多くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチにおけるリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図13(A)、(B)に示す決定例では、合計保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、異なる変動パターンに割り当てられる決定値が含まれている。このような設定により、合計保留記憶数に応じて、特別図柄や飾り図柄の平均的な可変表示時間を異ならせることができる。特に、合計保留記憶数が所定値(例えば「2」)以上であるときには、合計保留記憶数が所定値未満であるときよりも、平均的な可変表示時間を短くすることができるように、各変動パターンに決定値が割り当てられていればよい。時短制御が行われない通常状態には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しにくく、第2特図を用いた特図ゲームを実行する頻度が低い。そのため、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件が成立したときには、合計保留記憶数にかかわらず、変動パターンの決定が行われてもよい。
ステップS252、S253の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS254)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図4に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。したがって、ステップS252、S253の処理にて変動パターンを決定することにより、特図変動時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS254の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS255)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS255の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS256)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS256の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS257)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS257にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図14は、特別図柄停止処理として、図7のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。そして、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間を設定する(ステップS264)。この実施の形態では、一例として、遊技状態が時短状態であるか否か、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、特図確定表示時間として、800ミリ秒が設定される。なお、遊技状態が時短状態であるか否かや、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、異なる特図確定表示時間を設定してもよい。
ステップS264の処理の後、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。この実施の形態では、例えば、大当り開始時演出待ち時間として、100ミリ秒が設定される。そして、大当りを開始することを示す演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)の送信設定を行う(ステップS270)。次に、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いて、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理として、遊技制御フラグ設定部152などに設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。
時短回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態や時短状態となる場合に、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値が設定されればよい。確変回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値が設定されればよい。この実施の形態では、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタには、カウント初期値として「100」がそれぞれ設定され、確変状態及び時短状態は、次回の大当り遊技状態が開始されなければ、100回の可変表示が実行されるまで継続する。
ステップS272の処理を実行した後には、現在の遊技状態を示す演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)の送信設定を行い(ステップS272a)、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;No)、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS274)。一例として、ステップS274の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、所定の時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御や高開放制御(時短状態)を終了すればよい。一方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
また、ステップS274の処理では、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致すれば、所定の確変フラグをクリアすることなどにより、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しなければ、確変フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
ステップS274の処理を実行した後には、現在の遊技状態を示す演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)の送信設定を行い(ステップS274a)、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS275)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図15は、大当り開放前処理として、図7のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図14に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS292;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;No)、ステップS294の処理を実行した後には、ラウンド遊技にて開放状態とする大入賞口を、特別可変入賞球装置7Aに形成された上大入賞口または特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口のいずれかに決定する(ステップS295)。図16(A)は、ステップS295の処理における決定例を示している。この実施の形態では、ラウンドカウント値(ラウンドカウンタのカウント値)が「1」〜「13」のいずれかであるときに、上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が「14」となったときに、下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な状態となる。
ステップS295の処理に続いて、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出す(ステップS296)。そして、大入賞口開放上限時間を決定する(ステップS297)。大入賞口開放上限時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技にて、上大入賞口または下大入賞口を開放状態とする上限時間である。図16(B)は、ステップS297の処理における決定例を示している。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」であるときに、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかである場合と「14」である場合とで、大入賞口開放上限時間を異ならせている。特に、ラウンドカウント値が「14」である場合には、大入賞口開放上限時間が極めて短い時間(0.05秒)に設定され、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が極めて低い。一方、大当り種別が「第2大当り」であるときには、ラウンドカウント値が「1」〜「14」のいずれであるかにかかわらず、大入賞口開放上限時間が一定時間(29.5秒)に設定される。したがって、大当り種別が「第2大当り」である場合には、下大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。
ステップS297の処理を実行した後には、大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS298)。このときには、ステップS295の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、上大入賞口を開放状態とする場合には、上大入賞口扉用のソレノイド82Aに駆動信号を送信するための設定を行う。一方、下大入賞口を開放状態とする場合には、下大入賞口扉用のソレノイド82Bに駆動信号を送信するための設定を行う。
その後、ラウンドを開始することを示す演出制御コマンド(ラウンド開始コマンド)の送信設定を行う(ステップS299)。次に、ステップS295で決定した開放する大入賞口が下大入賞口であるか否かを判定し(ステップS300)、下大入賞口である場合には(ステップS300;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部155など)に設定された確変領域ソレノイド制御コードの値を1に設定する(ステップS301)。ステップ301の処理を実行した後や、ステップS300にて開放する大入賞口が下大入賞口でないと判定された場合(ステップS300;No)、特図プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS302)、大当り開放前処理を終了する。ステップS302にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図17は、大当り開放中処理として、図7のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、実行中のラウンド遊技が下大入賞口を開放するラウンド(確変開放ラウンド)であるか否かを判定する(ステップS311)。ステップS311では、一例として、ラウンドカウンタ値が「14」である場合に、下大入賞口を開放するラウンドであると判定する。ステップS311にて下大入賞口を開放するラウンドであると判定した場合(ステップS311;Yes)、下大入賞口に進入した遊技球の検出判定のための下大入賞口入賞検出処理を実行する(ステップS312)。
図18は、下大入賞口入賞検出処理として、図17のステップS312にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。下大入賞口入賞検出処理では、まずCPU103は、下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となったか否かを判定する(ステップS601)。特別可変入賞装置7Bが第1状態(開放状態)となったときに特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を下大入賞口スイッチ23Bが検出してオン状態となっていた場合には(ステップS601;Yes)、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンにセットされているか否か判定する(ステップS602)。下大入賞口スイッチ無効フラグは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152など)に設けられ、後述する図19のステップS341でオン状態にセットされるフラグであり、入出力エラー状態において、下大入賞口スイッチ23Bが特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を検出した場合でも、その検出を無効とする制御を実行するために用いられる。
ステップS602にて下大入賞口スイッチ無効フラグがオン状態でないと判定すると(ステップS602;No)、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部154など)に設けられた、特別可変入賞装置7B内の遊技球の数を示すカウンタである役物遊技中入賞個数カウンタを1加算する(ステップS602a)。役物遊技中入賞個数カウンタの値は、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数から、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを減算した数に制御される。
ステップS602aの処理の後や、ステップS601にて下大入賞口スイッチ23Bがオン状態となっていないと判定された場合(ステップS601;No)、ステップS602にて下大入賞口スイッチ無効フラグがオン状態であると判定された場合(ステップS602;Yes)、CPU103は、確変領域スイッチ24Aがオン状態であるか否か判定する(ステップS603)。確変領域スイッチがオン状態であると判定された場合には(ステップS603;Yes)、確変領域を通過して特別可変入賞装置7B内から遊技球が排出されたと考えられるので、役物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS604)。次に、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否かを判定する(ステップS605)。役物遊技中入賞個数カウンタが0未満である場合には(ステップS605;Yes)、特別可変入賞装置7Bに進入した遊技球を下大入賞口スイッチ23Bが正しく検出できなかったと考えられるので、過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS612)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。ステップS612の過排出検出時エラー処理では、例えば、役物遊技中入賞個数カウンタを0に設定したり、ホールの管理コンピュータに対して所定のエラー信号を出力したり、演出制御基板12に対して過排出検出指定コマンドを送信したりする。
ステップS605にて役物遊技中入賞個数カウンタが0以上であると判定された場合(ステップS605;No)、CPU103は、確変領域検出有効フラグがオン状態にセットされているか否か判定する(ステップS606)。確変領域検出有効フラグは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152)に設けられ、図6の確変領域ソレノイド制御処理においてオン状態・オフ状態に切り替えられるフラグであり、大当り遊技状態において確変領域の有効・無効を所定のタイミングで切り替える制御を実行するために用いられる。ステップS606にて確変領域検出有効フラグがオン状態にセットされていると判定された場合(ステップS606;Yes)、CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152)に設定された確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS608)。ステップS608において確変確定フラグをオン状態にセットすることにより、実行中の大当り遊技状態終了後に遊技者に有利な確変状態に制御される。ステップS608の処理の後、CPU103は、確変領域の有効期間中に確変領域を遊技球が通過して確変状態となることが確定したことを指定する確変確定指定コマンドを演出制御基板12に対して送信する設定を行う(ステップS608a)。
ステップS608aの処理を実行した後や、ステップS603にて確変領域スイッチがオン状態でないと判定された場合(ステップS603;No)、ステップS606にて確変領域検出有効フラグがオン状態にセットされていないと判定された場合(ステップS606;No)、CPU103は、排出スイッチ24Bがオン状態であるか否か判定する(ステップS609)。ステップS609にて排出スイッチがオン状態であると判定された場合には(ステップS609;Yes)、役物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS610)。次に、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否かを判定する(ステップS611)。役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であると判定された場合には(ステップS611;Yes)、ステップS605にてYesと判定された場合と同じく過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS612)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。また、ステップS609にて排出スイッチがオン状態でないと判定された場合や(ステップS609;No)、ステップS611にて役物遊技中入賞個数カウンタが0未満でないと判定された場合(ステップS611;No)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。
図18の下大入賞口検出処理では、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満である場合(下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数より少ない場合)に、過排出検出時エラー処理(ステップS612)によって役物遊技中入賞個数カウンタを0に戻してエラー状態を回復することができる。また、確変領域スイッチ24Aが不正行為によって遊技球を検出した場合でもその検出によっては確変状態に制御しないので、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
図17に示すステップS312の処理を実行した後や、ステップS311にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定した場合(ステップS311;No)、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS313)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS313;No)、上大入賞口スイッチ23Aと下大入賞口スイッチ23Bのうちで、遊技球の検出が有効な大入賞口スイッチから伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS314)。
ステップS314にて大入賞口スイッチがオンである場合には(ステップS314;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS315)。入賞個数カウント値は、例えば遊技制御カウンタ設定部154といったRAM102の所定領域に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだに大入賞口スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、大入賞口スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS316)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。続いて、大入賞口入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS317)。例えば、下大入賞口に入賞したときには、下大入賞口への入賞を通知する演出制御コマンド(下大入賞口入賞通知コマンド)の送信設定を行う。これに対して、上大入賞口に入賞したときには、上大入賞口への入賞を通知する演出制御コマンド(上大入賞口入賞通知コマンド)の送信設定を行う。
ステップS314にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS314;No)、ステップS317の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(例えば「6」)に達したか否かを判定する(ステップS318)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS318;No)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS313にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS313;Yes)、ステップS318にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS318;Yes)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口(上大入賞口または下大入賞口)を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS319)。このときには、開放した大入賞口に応じて、ソレノイド82A、82Bのいずれかに対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS319の処理に続いて、ラウンドを終了することを示す演出制御コマンド(ラウンド終了コマンド)の送信設定を行い(ステップS319a)、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS320)。次に、CPU103は、ラウンドカウンタ値にもとづいて、終了するラウンドが下大入賞口を開放するラウンドであるか否かを判定する。(ステップS321)。そして、下大入賞口を開放するラウンドであると判定された場合(ステップS321;Yes)、ラウンド終了後からの経過時間を計時するために、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部153)に設定された入出力一致待ちタイマに、所定の入出力一致待ち制限時間に対応する値を設定し(例えば2740ミリ秒)、タイムアップするまでのカウントを開始する(ステップS321a)。ステップS321aの処理を実行した後や、ステップS321にて下大入賞口を開放するラウンドでないと判定された場合(ステップS321;No)、特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS322)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
図19は、大当り開放後処理として、図7のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、ラウンドカウンタ値にもとづいて、実行されたラウンド遊技において下大入賞口を開放したか(確変開放ラウンドであったか)否かを判定する(ステップS331)。下大入賞口を開放した場合には(ステップS331;Yes)、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部152)に設けられた次移行許容フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS332)。次移行許容フラグは、後述するステップS337にて、実行されたラウンドを終了して次の状態へ移行する(実行中のラウンド後の制御を実行する)条件が成立した場合にオン状態にセットされるフラグであり、実行中のラウンド後の制御の実行を好適に許容するために用いられる。ここで、次の状態とは、実行されたラウンドが大当り遊技状態の最後のラウンドであるので、大当り遊技状態の終了および大当り終了後の遊技状態(確変確定フラグがセットされている場合には確変状態へ制御された特別遊技状態、セットされていない場合には確変状態に制御されない遊技状態)を示す。次移行許容フラグがオン状態にセットされていないと判定された場合(ステップS332;No)、RAM102の所定領域(例えば、遊技制御フラグ設定部152)に設けられた入出力エラー中フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS333)。入出力エラー中フラグは、役物遊技中入賞個数カウンタが入出力一致待ち上限時間を過ぎても0にならず、後述する入出力エラー状態(玉詰まり等が発生されたと推測される状態)が開始されたことにもとづいて、後述するステップS344にてオン状態にセットされるフラグである。
ステップS333にて入出力エラー中フラグがオン状態でないと判定された場合(ステップS333;No)、図17のステップS321aでカウントを開始した入出力一致待ちタイマがアップしたか否かを判定する(ステップS334)。図17のステップS321aにおけるカウント開始から未だ所定の入出力一致待ち上限時間(例えば2740ミリ秒)が経過していない場合には、タイマがアップしていないと判定され(ステップS334;No)、図18に示す下大入賞口検出処理を実行する(ステップS335)。ステップS335では、図17のステップS312と同様に、下大入賞口スイッチ23B、確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24Bの状態に応じて確変確定フラグや役物遊技中入賞個数カウンタを更新する。
ステップS335の処理を実行した後、ステップS335で更新した役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定する(ステップS336)。役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0であると判定された場合には(ステップS336;Yes)、次移行許容フラグをセットする(ステップS337)。すなわち、下大入賞口スイッチ23Bが検出した特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数(確変領域を通過して特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数)と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数(確変領域を通過せず特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数)とを和した数と、が一致したことにもとづき、大当り遊技状態の終了を許容する制御が実行される。
なお、この実施の形態では、役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0となり、特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とが一致したと判定された場合にのみ、大当り遊技状態を終了への移行が許容される場合を示しているが、例えば、役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0とならなくても、所定期間が経過すれば、大当り遊技状態を終了してもよい。この場合、例えば、役物遊技中入賞口数カウンタのカウンタ値が0とならなかった場合には、エラーと判定してエラー表示や警告音を出力するなどエラー報知を行う一方で、大当り遊技状態を終了することにより遊技を継続するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、特別可変入賞球装置7Bについてのみ進入した遊技球の数と排出された遊技球の数との差数を確認して大当り遊技状態を終了または次のラウンドへの移行を許可する処理を実行する場合を示したが、特別可変入賞球装置7Aについても排出スイッチを設け、ステップS336,S337と同様の処理を行って、特別可変入賞球装置7Aに進入した遊技球の数と特別可変入賞球装置7Aから排出された遊技球の数とが一致したと判定された場合にのみ、大当り遊技状態を終了または次のラウンドへの移行を許容するように構成してもよい。
次に、CPU103は、入出力エラー中フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS338)。入出力エラー中フラグがオン状態でないと判定された場合(ステップS338;No)、すなわち、入出力エラー状態でない場合には、大当り開放後処理を終了する。ステップS336にて役物遊技中入賞カウンタが0でなく、実行中のラウンド後の制御の実行(実行中のラウンドが大当り遊技状態で実行される最後のラウンドである場合には大当り遊技状態の終了、最後のラウンドでない場合には次のラウンドへの移行)が許容されないと判定された場合にも(ステップS336;No)、大当り開放後処理を終了する。
また、ステップS334にて、下大入賞口が開放されるラウンド遊技において、実行中のラウンド後の制御の実行が許容されないまま、特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させる期間が終了した後に所定の入出力一致待ち上限時間(例えば2740ミリ秒)が経過したと判定された場合には(ステップS334;Yes)、下大入賞口スイッチ24Aによる遊技球の検出を一時的に無効にするため、下大入賞口スイッチ無効フラグをオン状態にセットする(ステップS341)。この結果、下大入賞口スイッチ無効フラグがオフ状態に更新されるまで、図18のステップS602にてYesと判定されるようになり、下大入賞口スイッチが遊技球を検出しても役物遊技中入賞カウンタが更新されず、検出は無効となる。
次に、CPU103は、画像表示装置5に入出力エラー状態であることを示す画面表示を開始するための処理(エラー表示開始処理)を実行する(ステップS342)。具体的には、RAM102の遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファに、エラー表示開始を指示する演出制御コマンド(入出力エラー表示開始指定コマンド)の送信を指定するバッファ値を設定することで、次に実行されるコマンド制御処理(図6のステップS21)においてエラー表示開始を指定する演出制御コマンドが演出制御基板12に対して送信されるようにすればよい。
次に、ホールの管理コンピュータといった外部装置に対して、下大入賞口スイッチ23Bが検出した特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致せず入出力一致待ち上限時間を経過したこと(入出力エラーが発生したこと)を伝達するエラー信号を出力する(ステップS343)。エラー信号を出力することにより、エラー信号を受信したホールの管理コンピュータといった外部装置においても入出力エラーの発生を知ることができるため、ホールの管理者等が迅速にエラーに対処することができる。
ステップS343の処理を実行した後、入出力エラー中フラグをオン状態にセットして(ステップS344)、大当り開放後処理を終了する。ステップS341〜S344の処理により、下大入賞口スイッチ23Bが検出した特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを和した数と、が一致せず入出力一致待ち上限時間を経過したことにもとづき、入出力エラー状態に制御される。
入出力エラー状態に制御されている場合には、大当り開放後処理のステップS333にて入出力エラー中フラグがオンであると判定され(ステップS333;Yes)、ステップS334はスキップされる。また、入出力エラー状態に制御されている場合に、例えばエラー状態解消のためパチンコ遊技機1の管理者が下大入賞口扉を手で開けて、遊技球を投入する場合がある。このような場合、詰まっていた遊技球や投入された遊技球を排出スイッチ24Bが検出することにより、下大入賞口入賞検出処理(ステップS335)にて役物遊技中入賞個数カウンタが更新される。このときには、ステップS336にて役物遊技中入賞口数カウンタが0と判定され(ステップS336;Yes)、ステップS337にて次移行許容フラグがオン状態にセットされるのみならず、ステップS338にて入出力エラー中フラグがオン状態であると判定され(ステップS338;Yes)、入出力エラー状態を解消するための処理が実行される。具体的には、CPU103は、入出力エラー中フラグをオフ状態にセットし(ステップS339)、その後下大入賞口スイッチ無効フラグをオフ状態にセットする(ステップS340)。そして、大当り開放後処理を終了する。
ステップS331にて実行されたラウンド遊技が下大入賞口を開放しないラウンドであると判定された場合や(ステップS331;No)、ステップS332にて次移行許容フラグがオン状態にセットされていると判定された場合(ステップS332;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS351)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンド遊技が開始されるまで待機することに対応して、後述するステップS354の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS351にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS351;No)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値(例えば「14」)に達したか否かを判定する(ステップS352)。このとき、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS352;No)、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS353)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS354)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS352にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS352;Yes)、大当り終了前時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS355)。この実施の形態では、例えば、大当り終了前時間として、100ミリ秒が設定される。ステップS355の処理に続いて、大当りを終了することを示す演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)の送信設定を行う(ステップS355a)。このときには、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS356)。また、大当りフラグと次移行許容フラグとをクリアしてオフ状態にした後(ステップS357)、確変領域ソレノイドコードの値を0に設定する(ステップS357a)。これにより、確変領域ソレノイド制御処理において確変領域蓋72の位置制御と確変領域の有効無効の切り替え制御とが停止される。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS358)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。
ステップS351にて次ラウンド待ちフラグがオンである場合には(ステップS351;Yes)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS359)。そして、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS359;No)、大当り開放後処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS359にて次ラウンド待ち時間が経過したときには(ステップS359;Yes)、次移行許容フラグと次ラウンド待ちフラグとをクリアしてオフ状態にする(ステップS360)。また、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS361)。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS362)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS114の大当り開放前処理が実行され、新たなラウンド遊技を開始させることができる。
図21は、大当り終了処理として、図7のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS381)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS381;No)、大当り終了処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り終了処理が再び実行され、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS381にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS381;Yes)、時短制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を時短状態とするための設定を行う(ステップS382)。一例として、ステップS382の処理では、時短フラグをオン状態にセットすることに加え、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(「100」)を、時短回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS383)。
ステップS383にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS383;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS384)。一例として、ステップS384の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(「100」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS385)。
ステップS383にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS383;No)、ステップS385の処理を実行した後には、現在の遊技状態を示す演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)の送信設定(ステップS386)や、大当り終了時演出(エンディング演出)の終了を指定する演出制御コマンド(終了時演出終了指定コマンド)の送信設定を行い(ステップS387)、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS383)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図22は、ステップS11のセンサ異常報知処理の一例を示すフローチャートである。センサ異常報知処理において、CPU103は、まず、磁石センサ62A、62Bからの磁石センサ信号を入力したか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、CPU103は、スイッチオンバッファ1(磁石センサ信号、振動センサ信号が入力される入力ポート1に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードし、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容と磁石センサ信号入力ビット判定値(例えば20(H))との論理積をとり、論理積の演算結果が20(H)であれば磁石センサ信号を入力したと判定する。なお、磁石センサ62Aからの磁石センサ信号を入力したか否かの判定と、磁石センサ62Bからの磁石センサ信号を入力したか否かの判定とを別々に行ってもよい。
ステップS401にて磁石センサ信号を入力したと判定された場合(ステップS401;Yes)、CPU103は、磁気異常が発生したことを報知することを指定する磁気異常報知指定コマンドを演出制御基板12に対して送信する設定を行う(ステップS402)。また、ステップS401にて磁石センサ信号を入力していないと判定された場合(ステップS401;No)、CPU103は、振動センサ61からの振動センサ信号を入力したか否かを判定する(ステップS403)。具体的には、CPU103は、スイッチオンバッファ1(磁石センサ信号、振動センサ信号が入力される入力ポート1に対応するスイッチオンバッファ)の内容をレジスタにロードし、ロードしたスイッチオンバッファ1の内容と振動センサ信号入力ビット判定値(例えば10(H))との論理積をとり、論理積の演算結果が10(H)であれば振動センサ信号を入力したと判定する。
ステップS403にて振動センサ信号を入力したと判定された場合(ステップS403;Yes)、CPU103は、振動異常が発生したことを報知することを指定する振動異常報知指定コマンドを演出制御基板12に対して送信する設定を行う(ステップS404)。また、ステップS403にて振動センサ信号を入力していないと判定された場合(ステップS403;No)、CPU103は、センサ異常報知処理を終了する。
ステップS402、S404の処理を実行した後、CPU103は、磁気異常または振動異常を検出したことを示すセンサ異常フラグをセットし(ステップS405)、異常報知用LED66を点灯させるための設定を行う(ステップS406)。ステップS406の処理が実行されることにより、異常報知用LED66によってセンサ異常(磁気異常または振動異常)が発生したことを報知することができる。次に、セキュリティ信号を継続して送信するための設定を行ってから(ステップS407)、センサ異常報知処理を終了する。ステップS407では、例えば、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられたセキュリティ信号継続フラグをオン状態とすればよい。この実施の形態では、ステップS405にてセンサ異常フラグがセットされたことにもとづいて、情報出力処理(図6に示すステップS22)が実行されることによって、セキュリティ信号が外部出力される。図6に示すステップS22の情報出力処理では、セキュリティ信号継続フラグがオン状態となっているか否かを判定し、オン状態となっていると判定した場合には、セキュリティ信号を継続して出力すればよい。
図23は、ステップS15の異常入賞報知処理の一例を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU103は、まず、特図プロセスフラグの値が“0”であるか否かを判定する(ステップS451)。特図プロセスフラグの値が“0”である場合(ステップS451;Yes)、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた第1異常判定フラグがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS452)。第1異常判定フラグがオフ状態である場合には(ステップS452;No)、第1異常判定フラグをオン状態にセットする(ステップS453)。ステップS453の処理を実行した後や、ステップS452にて第1異常判定フラグがオン状態である場合には(ステップS452;Yes)、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた第2異常判定フラグがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS454)。第2異常判定フラグがオフ状態である場合には(ステップS454;No)、第2異常判定フラグをオン状態にセットする(ステップS455)。
また、ステップS451にて特図プロセスフラグの値が“0”でない場合(ステップS451;No)、特図プロセスフラグの値が“5”であるか否かを判定する(ステップS456)。特図プロセスフラグの値が“5”である場合(ステップS456;Yes)、ラウンドカウント値として「1」が設定されたか否かを判定する(ステップS457)。ラウンドカウント値として「1」が設定された場合(ステップS457;Yes)、第1異常判定フラグをオフ状態とする(ステップS458)。また、ステップS457にてラウンドカウント値として「1」が設定されていない場合(ステップS457;No)、ラウンドカウント値として「14」が設定されたか否かを判定する(ステップS459)。ラウンドカウント値として「14」が設定された場合(ステップS459;Yes)、第1異常判定フラグをオン状態にセットするとともに(ステップS460)、第2異常判定フラグをオフ状態とする(ステップS461)。
ステップS455、S458、S461の処理を実行した後や、ステップS454にて第2異常判定フラグがオン状態である場合(ステップS454;Yes)、ステップS456にて特図プロセスフラグの値が“5”でない場合(ステップS456;No)、ステップS459にてラウンドカウント値として「14」が設定されていない場合には(ステップS459;No)、第1異常判定フラグがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS471)。第1異常判定フラグがオン状態となっている場合(ステップS471;Yes)、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定を行う(ステップS472)。ステップS472では、例えば、上大入賞口スイッチ23Aにより遊技球が検出された場合、特別可変入賞球装置7Aへの異常入賞が発生したと判定し、遊技制御フラグ設定部152といったRAM102の所定領域に設けられた異常発生フラグをオン状態とする。なお、特別可変入賞球装置7Aについても排出スイッチを設けた場合には、当該排出スイッチにより遊技球が検出された場合にも、特別可変入賞球装置7Aへの異常入賞が発生したと判定してもよい。
ステップS472の処理を実行した後や、ステップS471にて第1異常判定フラグがオフ状態となっている場合(ステップS471;No)、第2異常判定フラグがオン状態となっているか否かを判定する(ステップS473)。第2異常判定フラグがオン状態となっている場合(ステップS473;Yes)、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定を行う(ステップS474)。ステップS474では、例えば、下大入賞口スイッチ23B、確変領域スイッチ24A及び排出スイッチ24Bのうちのいずれかにより遊技球が検出された場合、特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞が発生したと判定し、異常発生フラグをオン状態とする。
ステップS474の処理を実行した後や、ステップS473にて第2異常判定フラグがオフ状態となっている場合(ステップS473;No)、異常入賞が発生したか否かを判定する(ステップS475)。ステップS475では、異常発生フラグがオン状態である場合に異常入賞が発生したと判定する。ステップS475にて異常入賞が発生していない場合には(ステップS475;No)、異常入賞報知処理を終了する。また、ステップS475にて異常入賞が発生した場合(ステップS475;Yes)、異常入賞が発生したことを報知することを指定する異常入賞報知指定コマンドを演出制御基板12に対して送信する設定を行い(ステップS476)、異常報知用LED66を点滅させるための設定を行う(ステップS477)。ステップS477の処理が実行されることにより、異常報知用LED66によって異常入賞が発生したことを報知することができる。その後、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(この実施の形態では240秒)をセットしてから(ステップS478)、異常入賞報知処理を終了する。なお、ステップS476〜S478の処理を実行したときに、異常発生フラグをオフ状態とする。ステップS478にてセキュリティ信号情報タイマに所定時間がセットされた後、情報出力処理(図6に示すステップS22)が実行されることによって、セキュリティ信号が外部出力される。
この実施の形態では、第1異常判定フラグがオン状態である期間中、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定を実行することができ、第2異常判定フラグがオン状態である期間中、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定を実行することができる。第1異常判定フラグがオフ状態のとき、即ち、第1ラウンドのラウンド遊技が開始されるとき(ラウンドカウント値として「1」が設定されたとき)から第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるときまでの期間は、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が実行されない第1判定無効期間となっている。また、第2異常判定フラグがオフ状態のとき、第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから次の可変表示が開始されるときまでの期間は、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定が実行されない第2判定無効期間となっている。なお、可変表示が1つも保留されていない場合には、第2判定無効期間は、第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから大当り終了報知期間が終了するときまでの期間となる。第1判定無効期間と第2判定無効期間とを含めて異常入賞判定無効期間という。ステップS472、S473の処理が実行され、特別可変入賞球装置7A、特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞が発生したと判定されるごとに、ステップS476〜S478の処理が実行される。
図24は、特別可変入賞装置7A、7Bについての異常入賞判定の可否を示している。第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動とのうちのいずれかが開始されると、ステップS453の処理によって第1異常判定フラグがオン状態となるとともに、ステップS455の処理によって第1異常判定フラグがオン状態となる。変動が実行されている期間では、特図プロセスフラグの値が“0”〜“3”であるので、特別可変入賞装置7A、7Bについての異常入賞判定が可能(可)となる。また、大当り遊技状態が開始され、大当り開放前処理が実行される大当り開始報知期間では、特図プロセスフラグの値が“4”であるので、特別可変入賞装置7A、7Bについての異常入賞判定が可能(可)となる。特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される大当り開放中処理において第1ラウンドのラウンド遊技が開始されると、ステップS458の処理によって第1異常判定フラグがオフ状態となるので、特別可変入賞装置7Aについての異常入賞判定が不可能(否)となる。大当り開放中処理において第14ラウンドのラウンド遊技が開始されると、ステップS460の処理によって第1異常判定フラグがオン状態となるので、特別可変入賞装置7Aについての異常入賞判定が可能(可)となるとともに、ステップS461の処理によって第2異常判定フラグがオフ状態となるので、特別可変入賞装置7Bについての異常入賞判定が不可能(否)となる。なお、大当り開放後処理が実行される期間では、特図プロセスフラグの値が“6”であり、第1異常判定フラグ及び第2異常判定フラグの状態は、大当り開放後処理が実行される前の状態で維持される。大当り終了処理が実行される大当り終了報知期間では、特図プロセスフラグの値が“7”であり、第1異常判定フラグ及び第2異常判定フラグの状態は、大当り終了処理が実行される前の状態で維持される。そして、次の変動が開始されると、特別可変入賞装置7A、7Bについての異常入賞判定が可能(可)となる。
この実施の形態では、第1ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから、第14ラウンドのラウンド遊技の終了と、大当り終了報知期間とを経て、最初の可変表示(大当り遊技状態が終了して最初に実行される可変表示)が開始されるときまでの異常入賞判定無効期間では、特別可変入賞球装置7A、7Bへの進入異常が発生したか否かの異常判定を行わない(図24に示す異常入賞判定の可否における「否」の部分)。これに対し、異常判定無効期間外の期間では、特別可変入賞球装置7A、7Bへの進入異常が発生したか否かの異常判定を行う(図24に示す異常入賞判定の可否における「可」の部分)。
この実施の形態では、異常入賞判定無効期間のうち、第1ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるときまでの期間(特別可変入賞球装置7Aが開放状態となり得る期間)は、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が実行されない第1判定無効期間となっており、第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから次の可変表示が開始されるときまでの期間(特別可変入賞球装置7Bが開放状態となり得る期間)は、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定が実行されない第2判定無効期間となっている。このように、第1ラウンドから第14ラウンドまでのラウンド遊技において特別可変入賞球装置7A、7Bのうち遊技球が進入可能な開放状態となる対象の特別可変入賞球装置7A、7Bについて異常判定無効期間が設定されている。具体的には、第1ラウンドから第13ラウンドまでのラウンド遊技において遊技球が進入可能な開放状態となる対象の特別可変入賞球装置7Aについて異常判定無効期間が設定されており、第14ラウンドのラウンド遊技において遊技球が進入可能な開放状態となる対象の特別可変入賞球装置7Bについて異常判定無効期間が設定されている。
また、第1判定無効期間では、特別可変入賞装置7Bについての異常入賞判定が可能(可)となっており、第2判定無効期間では、特別可変入賞装置7Aについての異常入賞判定が可能(可)となっている。このように、第1ラウンドから第14ラウンドまでのラウンド遊技の実行中において、異常判定無効期間が設定された特別可変入賞球装置7A、7B以外の特別可変入賞球装置7A、7Bについて異常入賞判定を行うことが可能である。具体的には、第1ラウンドから第13ラウンドまでのラウンド遊技の実行中において、特別可変入賞球装置7Bについて異常入賞判定を行うことが可能であり、第14ラウンドのラウンド遊技の実行中において、特別可変入賞球装置7Aについて異常入賞判定を行うことが可能である。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。演出制御基板12においては、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図25のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また、演出制御基板12に搭載されたCTCのレジスタ設定等を行う。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えば、CTCのレジスタ設定に基づき、所定期間が経過する毎にオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフである場合には(ステップS72;NO)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側においては、所定期間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば、主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば、所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理においては、I/O125に含まれる入力ポートのうちにおいて、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれたコマンドは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御バッファ設定部等)に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目と2バイト目を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;YES)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にすると共に(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理においては、例えば、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行われる。ステップS74のコマンド解析処理に続いて、異常報知処理を実行する(ステップS74a)。ステップS74aの異常報知処理では、主基板11から伝送された異常入賞報知指定コマンドの受信回数を計数し、所定条件を満たしたときに、エラー表示等の異常報知が行われる。
ステップS74aの異常報知処理に続いて、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理においては、例えば、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定、設定等が行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタによってカウントされる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後には、ステップS72の処理に戻る。
ステップS74のコマンド解析処理では、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを受信したときは、第1始動口入賞時や第2始動口入賞時に対応した表示の更新設定として、画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリアに保留表示を表示させるための設定等が行われる。また、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を、RAM122の所定領域(例えば、演出制御バッファ設定部等)に設けられた入賞時判定結果バッファに記憶させる。
遊技状態に変更があったときなどに主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドを受信したときは、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、確変状態になったことに対応してオン状態になり、確変状態が終了したことに対応してオフ状態になるものであればよい。また、高ベースフラグは、時短状態になったことに対応してオン状態になり、時短状態が終了したことに対応してオフ状態になるものであればよい。また、各種演出制御コマンドを受信したときは、例えば、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた各種演出制御コマンドに対応したフラグをオン状態にセットする。
図26は、図25のステップS75にて実行される演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。例えば、可変表示開始待ち処理においては、所定の演出制御コマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、第1変動開始コマンド、又は、第2変動開始コマンド)を受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。例えば、可変表示開始設定処理においては、特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンに応じた演出制御パターン等を決定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。例えば、可変表示中演出処理においては、ステップS171の可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて飾り図柄の可変表示等の各種の演出を実行する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。例えば、特図当り待ち処理においては、確定飾り図柄を停止する処理が行われる。大当りとなるときには、ファンファーレ演出を設定する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。ハズレとなるときには、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS174の大当り開始処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。例えば、大当り開始処理においては、ファンファーレ演出を実行する処理や、大入賞口が開放状態であるときに実行される開放中演出を設定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175のラウンド中処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。例えば、ラウンド中処理においては、開放中演出を実行する処理や、大入賞口が閉鎖状態であるときに実行される閉鎖中演出を設定する処理が行われる。上述の処理を行った後に、演出プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176のラウンド後処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。例えば、ラウンド後処理においては、閉鎖中演出を実行する処理や、最終ラウンドでないときは、開放中演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。最終ラウンドであるときには、エンディング演出を設定する処理を行われ、演出プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS177の大当り終了後処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。例えば、大当り終了後処理においては、エンディング演出を実行する処理や、遊技状態を制御する処理が行われ、演出プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図27は、図25のステップS74aにて実行される異常報知処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す異常報知処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた報知維持フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS501)。報知維持フラグがオン状態である場合(ステップS501;Yes)、異常報知処理を終了する。一方、報知維持フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS501;No)、磁気異常報知指定コマンドまたは振動異常報知指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS502)。
磁気異常報知指定コマンドまたは振動異常報知指定コマンドを受信した場合(ステップS502;Yes)、エラー表示設定を行う(ステップS503)。ステップS503では、ステップS502にて磁気異常報知指定コマンドを受信したと判定された場合、磁気異常が発生したことを示すメッセージ等を画像表示装置5に表示するための設定を行い、例えばステップS502にて振動異常報知指定コマンドを受信したと判定された場合、振動異常が発生したことを示すメッセージ等を画像表示装置5に表示するための設定を行う。ステップS503の処理に続いて、異常報知用LED77を点灯させるための設定を行う(ステップS504)。ステップS504の処理が実行されることにより、異常報知用LED77によってセンサ異常(磁気異常または振動異常)が発生したことを報知することができる。ステップS504の処理の後、報知維持フラグをオン状態にセットしてから(ステップS505)、異常報知処理を終了する。
また、磁気異常報知指定コマンドと振動異常報知指定コマンドとのいずれも受信していない場合(ステップS502;No)、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた計時フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS511)。計時フラグがオン状態である場合(ステップS511;Yes)、RAM122の所定領域(例えば、演出制御タイマ設定部等)に設けられた計時タイマの計時処理を行う(ステップS512)。ステップS512では、例えば、計時タイマのタイマ値を1減算して更新する処理を行う。そして、計時タイマによる計時開始から15秒経過したか否かを判定する(ステップS513)。ステップS513では、計時タイマのタイマ値が「0」である場合に、15秒経過したと判定される。ステップS513にて15秒経過したと判定された場合(ステップS513;Yes)、RAM122の所定領域(例えば、演出制御バッファ設定部等)に設けられた異常判定閾値を「1」に設定する(ステップS514)。なお、異常判定閾値は、電源が投入されたときに初期値として「1」に設定される。そして、RAM122の所定領域(例えば、演出制御カウンタ設定部等)に設けられた異常発生カウンタのカウント値を「0」にリセットして(ステップS515)、計時フラグをオフ状態とする(ステップS516)。
ステップS511にて計時フラグがオフ状態であると判定された場合や(ステップS511;No)、ステップS513にて15秒経過していないと判定された場合(ステップS513;No)、大当り開始指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS521)。大当り開始指定コマンドを受信した場合(ステップS521;Yes)、計時フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS522)。計時フラグがオン状態である場合(ステップS522;Yes)、計時フラグをオフ状態とする(ステップS523)。ステップS523の処理の後や、ステップS522にて計時フラグがオフ状態であると判定された場合(ステップS522;No)、異常判定閾値を「3」に設定する(ステップS524)。このように大当り開始指定コマンドを受信した場合には、異常判定閾値を「3」に設定する。そして、異常発生カウンタのカウント値を「0」にリセットする(ステップS525)。
ステップS525の処理の後や、ステップS521にて大当り開始指定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS521;No)、大当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS531)。大当り終了指定コマンドを受信した場合(ステップS531;Yes)、計時タイマに15秒を設定する(ステップS532)。ステップS532では、例えば、計時タイマのタイマ値として15秒に対応する値を設定する。そして、計時フラグをオン状態にセットする(ステップS533)。
ステップS533の処理の後や、ステップS531にて大当り終了指定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS531;No)、異常入賞報知指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS541)。異常入賞報知指定コマンドを受信した場合(ステップS541;Yes)、異常発生カウンタのカウント値に1加算する(ステップS542)。そして、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値以上であるか否かを判定する(ステップS543)。異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値以上である場合(ステップS543;Yes)、エラー表示設定を行う(ステップS544)。ステップS544では、異常入賞が発生したことを示すメッセージ等を画像表示装置5に表示するための設定を行う。ステップS544の処理に続いて、異常報知用LED77を点滅させるための設定を行う(ステップS545)。ステップS545の処理が実行されることにより、異常報知用LED77によって異常入賞が発生したことを報知することができる。この実施の形態では、異常入賞が発生したことを示すメッセージ等の画像表示装置5への表示や異常報知用LED77の点滅を異常入賞報知という。なお、異常入賞報知として、異常入賞が発生したことを示すメッセージ等の画像表示装置5への表示と異常報知用LED77の点滅とのいずれか一方のみを行ってもよい。
上述したように異常判定閾値は、電源が投入されたときに初期値として「1」に設定されるので、通常状態では、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「1」以上であるときに、ステップS543にてYesとなり、異常入賞報知を行う。これに対し、大当り遊技状態では、ステップS524の処理が実行されることにより異常判定閾値が「3」に設定されるので、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「3」以上であるときに、ステップS543にてYesとなり、異常入賞報知を行う。また、異常判定閾値は、大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過するまでは「3」に設定されるので、この15秒間内では、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「3」以上であるときに、ステップS543にてYesとなり、異常入賞報知を行うこととなる。
ステップS545の処理の後、RAM122の所定領域(例えば、演出制御タイマ設定部等)に設けられた報知タイマに30秒を設定する(ステップS546)。ステップS546では、例えば、報知タイマのタイマ値として30秒に対応する値を設定する。そして、RAM122の所定領域(例えば、演出制御フラグ設定部等)に設けられた報知フラグをオン状態にセットする(ステップS547)。
ステップS547の処理の後や、ステップS541にて異常入賞報知指定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS541;No)、ステップS543にて異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値以上でないと判定された場合(ステップS543;No)、報知フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS551)。報知フラグがオン状態である場合(ステップS551;Yes)、報知タイマの計時処理を行う(ステップS552)。ステップS552では、例えば、報知タイマのタイマ値を1減算して更新する処理を行う。そして、報知タイマによる計時開始から30秒経過したか否かを判定する(ステップS553)。ステップS553では、報知タイマのタイマ値が「0」である場合に、30秒経過したと判定される。ステップS553にて30秒経過したと判定された場合(ステップS553;Yes)、異常入賞報知の終了設定を行う(ステップS554)。ステップS554では、例えば、画像表示装置5に表示していた異常入賞が発生したことを示すメッセージ等を消去するための設定や、異常報知用LED77を消灯させるための設定を行う。ステップS554の処理に続いて、報知フラグをオフ状態とする(ステップS556)。
ステップS556の処理の後や、ステップS551にて報知フラグがオン状態でないと判定された場合(ステップS551;No)、ステップS553にて報知タイマによる計時開始から30秒経過していないと判定された場合(ステップS553;No)、その他の異常報知処理を行ってから(ステップS557)、異常報知処理を終了する。ステップS557では、例えば、普通可変入賞球装置6Bについて異常入賞が発生したか否かの判定を行い、異常入賞が発生した場合に異常報知を行う処理や、特別可変入賞球装置7A、7Bについて入出力の不一致が発生したか否かの判定を行い、不一致が発生した場合に不一致報知を行う処理などが行われる。
図29は、特別可変入賞球装置7Aについて異常入賞が発生したときの異常発生カウンタのカウンタ値(異常入賞報知指定コマンドの受信回数)や異常判定閾値、エラー表示などを示している。図29(A)に示すように、大当り遊技状態が開始されるまでは、異常判定閾値が「1」に設定されており、大当り遊技状態が開始されると、異常判定閾値が「3」に設定される。なお、この状態において、異常発生カウンタのカウント値は「0」であるものとする。また、第1ラウンドのラウンド遊技が開始されるまでは、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が有効(可)となっており、第1ラウンドのラウンド遊技が開始されると、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が無効(否)となる。
例えば、ラウンド終了時などに大入賞口扉により大入賞口を閉鎖状態とする際に、遊技球が大入賞口扉に挟まれる、いわゆる玉噛みが発生することがある。玉噛みが発生すると、次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する(次ラウンド待ち)期間や、全てのラウンド遊技が終了した後の大当り終了報知期間、次の可変表示が開始された後などといったように、本来は大入賞口が閉鎖状態となる期間に、当該玉噛みが解消されて遊技球が大入賞口に入賞する異常入賞が発生することがある。このように大当り遊技状態では、大入賞口への異常入賞が発生しやすい状況となる。一方、通常状態や時短状態などでは、大入賞口が閉鎖状態となっているので玉噛みが発生することがなく、異常入賞が発生し難い状況となる。なお、大入賞口が閉鎖状態となる期間に当該大入賞口に遊技球が進入したときには、多数の遊技球を賞球として払い出さないように構成してもよい。玉噛みが発生して、本来は大入賞口が閉鎖状態となる期間に当該玉噛みが解消されて遊技球が大入賞口に進入することを進入異常ともいう。
図29(A)に示すように、例えば第1ラウンド終了時に玉噛みが発生したことにより、第1ラウンド終了後の次ラウンド待ち期間に特別可変入賞球装置7Aへの異常入賞が発生した場合、上述したように特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が無効(否)となっているので、この異常入賞についての異常入賞判定が実行されず、主基板11から異常入賞報知指定コマンドが送信されない。従って、演出制御基板12では異常入賞報知指定コマンドを受信しないので、異常発生カウンタのカウント値は「0」のままとなる。
第14ラウンドのラウンド遊技が開始されると、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が有効(可)となる。そして、例えば第13ラウンド終了時に玉噛みが発生したことにより、第14ラウンド開始後に特別可変入賞球装置7Aへの異常入賞が発生した場合、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が有効(可)となっているので、この異常入賞についての異常入賞判定が実行され、主基板11から異常入賞報知指定コマンドが送信される。従って、演出制御基板12では異常入賞報知指定コマンドを受信するので、異常発生カウンタのカウント値は「1」となる。なお、玉噛みの発生ではなく、例えば遊技者による不正などにより特別可変入賞球装置7Aへの異常入賞が発生する場合もある。この場合にも、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が有効(可)となっているときには、異常入賞判定が実行され、主基板11から異常入賞報知指定コマンドが送信されることとなる。異常判定閾値は、大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過するまでは「3」に設定されている。従って、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値以上でないので、エラー表示が行われない。なお、大当り終了指定コマンドを受信したときに異常判定閾値を「1」に設定した場合には、この時点で異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値以上となってしまうので、不適切な異常報知を行ってしまうこととなる。一方、この実施の形態では、上記したように遊技の状況に応じて異常判定閾値を設定しているので、不適切な異常報知の発生を抑えることができる。
そして、演出制御基板12の演出制御用CPU120が大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過したことに応じて、異常発生カウンタのカウント値が「0」にリセット(初期化)されるとともに、異常判定閾値が「1」に設定される。これにより、15秒が経過したときにおける異常発生カウンタのカウント値と異常判定閾値とに伴う不適切な異常報知を防ぐことができ、異常入賞報知指定コマンドの受信回数の計数を適切に管理することができる。
また、この実施の形態では、図29(B)に示すように大当り終了指定コマンドを受信してから15秒が経過する前に、次の大当り遊技状態における第1ラウンドのラウンド遊技が開始されることがある。具体的には、上記したように大当り終了前時間(大当り終了報知期間)は100ミリ秒に設定される。大当り遊技状態終了後に最初に実行される可変表示の変動パターンとして変動パターンPB3−1が選択されると、図4に示すように特図変動時間は1000ミリ秒に設定される。特図確定表示時間は800ミリ秒に設定される。また、大当り開始時演出待ち時間(大当り開始報知期間)は100ミリ秒に設定される。従って、大当り終了報知期間(有利状態終了報知期間)と、変動パターンPB3−1が選択された可変表示についての特図変動時間(可変表示期間)と、可変表示結果を確定報知するための特図確定表示時間(表示結果確定報知期間)と、大当り開始報知期間(有利状態開始報知期間)との合計期間が2秒間となり、大当り終了指定コマンドを受信してからの15秒間よりも短い期間となる。なお、変動パターンPB3−1の特図変動時間は、例えば、5000ミリ秒(5秒)や、10000ミリ秒(10秒)、13000ミリ秒(13秒)などに設定されていてもよい。このように設定した場合であっても、上記合計期間は、大当り終了指定コマンドを受信してからの15秒間よりも短い期間となる。
なお、大当り遊技状態終了後に最初に実行される可変表示の変動パターンとして変動パターンPA3−1が選択されると、図4に示すように特図変動時間は20000ミリ秒(20秒)に設定されているので、この場合には、上記合計期間が21秒間となり、大当り終了指定コマンドを受信してからの15秒間よりも長い期間となる。
この場合には、変動パターンPB3−1に基づく可変表示の終了後、演出制御基板12の演出制御用CPU120が大当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、異常発生カウンタのカウント値を「0」にリセット(初期化)する。このように大当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、異常発生カウンタのカウント値を「0」にリセットするので、大当りが短期間で連続して発生する場合において、異常入賞報知指定コマンドの受信回数の計数を適切に管理することができる。また、演出制御基板12の演出制御用CPU120が大当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、15秒間についての計時を停止し、異常判定閾値を「3」に設定する。これにより状態の変化に伴う異常判定閾値の変化を適切に管理することができる。
この実施の形態では、上述したように大当り遊技状態後の時短状態中における第2特図の可変表示4回分までは変動パターンPB3−1を選択可能となっている。例えば、大当り遊技状態後に、変動パターンPB1−3による1回目の可変表示、変動パターンPB1−3による2回目の可変表示、変動パターンPB1−3による3回目の可変表示、及び、変動パターンPB3−1による4回目の可変表示が実行された場合、大当り終了報知期間(100ミリ秒)、変動パターンPB1−3による3回分の特図変動時間(3000ミリ秒×3)、変動パターンPB3−1による特図変動時間(1000ミリ秒)、可変表示4回分の特図確定表示時間(800ミリ秒×4)、及び、大当り開始報知期間(100ミリ秒)の合計期間は13.4秒間となり、15秒間よりも短い期間となる。なお、4回目の可変表示の変動パターンが、変動パターンPB3−1以外の大当り変動パターン(PA3−1、PA3−2)である場合や、1回目から3回目までの可変表示のうちの少なくとも1つの変動パターンが、変動パターンPB1−3以外のハズレ変動パターン(PB1−1、PB1−2、PA2−1、PA2−2)である場合には、上記合計期間が15秒間よりも長い期間となる。なお、大当り終了報知期間や、特図変動時間、特図確定表示時間、大当り開始報知期間などは上記期間(時間)に限定されず、適宜変更してもよい。また、大当り終了指定コマンドを受信してから異常判定閾値を「1」に設定するまでの期間は15秒に限定されず、適宜変更してもよい。
図30は、特別可変入賞球装置7Bについて異常入賞が発生したときの異常発生カウンタのカウンタ値(異常入賞報知指定コマンドの受信回数)や異常判定閾値、エラー表示などを示している。図30に示すように、大当り遊技状態が開始されるまでは、異常判定閾値が「1」に設定されており、大当り遊技状態が開始されると、異常判定閾値が「3」に設定される。なお、この状態において、異常発生カウンタのカウント値は「0」であるものとする。また、第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるまでは、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定が有効(可)となっており、第14ラウンドのラウンド遊技が開始されると、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定が無効(否)となる。
特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定が有効(可)となっている期間において、例えば遊技者による不正などにより特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞が発生する毎に、異常入賞についての異常入賞判定が実行され、主基板11から異常入賞報知指定コマンドが送信される。従って、演出制御基板12では異常入賞報知指定コマンドを受信する毎に、異常発生カウンタのカウント値を1増加させる。そして、異常発生カウンタのカウント値が「3」になると、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値以上となるので、異常入賞が発生したことを示すメッセージ等を表示するエラー表示が行われる。このエラー表示は、30秒間実行された後に終了する。
さらに、例えば第14ラウンド終了時に玉噛みが発生したことにより、大当り遊技状態終了後の最初の可変表示中に特別可変入賞球装置7Bへの異常入賞が発生した場合、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定が有効(可)となっているので、この異常入賞についての異常入賞判定が実行され、主基板11から異常入賞報知指定コマンドが送信される。従って、演出制御基板12では異常入賞報知指定コマンドを受信するので、異常発生カウンタのカウント値は「4」となる。このとき、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値以上であるので、異常入賞が発生したことを示すメッセージ等を表示するエラー表示が再度行われる。そして、演出制御基板12の演出制御用CPU120が大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過したことに応じて、異常発生カウンタのカウント値が「0」にリセット(初期化)されるとともに、異常判定閾値が「1」に設定される。
図31は、異常報知の設定例を示している。図31に示すように、この実施の形態では、異常に対応する事象に応じて優先度が設定されている。例えば、優先順位の1位に磁気異常、2位に振動異常、5位に始動入賞口異常入賞、7位に大入賞口入出力不一致、8位に大入賞口異常入賞が設定されている。事象として磁気異常が発生したときには、磁気異常の異常報知を実行可能である。磁気異常の異常報知の解除条件は、電源オフとなっており、電源が再投入されるまで磁気異常の異常報知が継続される。磁気異常の異常報知では、異常報知用LED66、77が赤色に点灯する。また、センサ異常フラグがオン状態となることにより、遊技に関する制御が停止される。そして、電源が再投入されるまでセキュリティ信号が出力される。事象として振動異常が発生したときには、振動異常の異常報知を実行可能である。振動異常の異常報知の解除条件は、電源オフとなっており、電源が再投入されるまで振動異常の異常報知が継続される。振動異常の異常報知では、異常報知用LED66、77が黄色に点灯する。また、センサ異常フラグがオン状態となることにより、遊技に関する制御が停止される。そして、電源が再投入されるまでセキュリティ信号が出力される。
また、事象として始動入賞口異常入賞や、大入賞口入出力不一致、大入賞口異常入賞が発生したときには、各事象に対応する異常報知を実行可能である。そして、図31に示すように、各異常報知の解除条件や、異常報知用LED66、77の制御、セキュリティ信号の出力が設定されている。なお、これらの事象が発生した場合には、センサ異常フラグがオン状態となることがないので、遊技に関する制御が停止されることがない。図31に示すように磁気異常や振動異常といった優先度の高い事象が発生したときには、例えば異常報知用LEDを赤色や黄色といった所定の色で点灯させる一方で、磁気異常や振動異常よりも優先度の低い始動入賞口異常入賞や大入賞口異常入賞といった事象が発生したときには、例えば異常報知用LEDを赤色や白色といった所定の色で点滅させる。また、磁気異常や振動異常が発生したときには、電源が再投入されるまで異常報知が継続される一方で、始動入賞口異常入賞や大入賞口異常入賞が発生したときには、300秒や30秒といった所定時間が経過したときに異常報知を終了する。このように、異常に対応する事象の優先度に応じた異常報知を行うことが可能となっている。
この実施の形態では、例えば、異常入賞が発生した際に、主基板11においてステップS15の異常入賞報知処理が実行されることにより、異常入賞が発生した旨の判定(例えば、ステップS475にてYes)を行うことが可能である。そして、演出制御基板12において異常入賞報知指定コマンドを受信したことに応じて、図31に示す大入賞口異常入賞の異常報知(異常入賞報知)を行うことが可能である。また、例えば、振動異常が発生した際に、主基板11においてステップS11のセンサ異常報知処理が実行されることにより、振動異常が発生した旨の判定(例えば、ステップS403にてYes)を行うことが可能である。そして、演出制御基板12において振動異常報知指定コマンドを受信したことに応じて、図31に示す振動異常の異常報知を行うことが可能である。
ここで、例えば、振動異常が発生したときには、図27に示す異常報知処理におけるステップS502にて振動異常報知指定コマンドを受信したことに応じて(ステップS502;Yes)、ステップS505にて報知維持フラグがオン状態となる。そして、報知維持フラグがオン状態となることにより、次に異常報知処理が実行されたときにはステップS501にてYesの判定結果となり、異常報知処理が終了される。従って、振動異常が発生した後に、異常入賞が発生しても、優先度の高い事象である振動異常に対応した異常報知が継続して行われることとなる。また、振動異常が発生する前に、異常入賞が発生して大入賞口異常入賞の異常報知が行われていても、その後に振動異常が発生した場合には、振動異常の異常報知が行われる。
また、振動異常が発生した後に、磁気異常が発生したとしても、最初に振動異常が発生したことにより、ステップS505にて報知維持フラグがオン状態となるので、その後は磁気異常報知指定コマンドを受信したか否かの判定などを行うことがない。従って、振動異常が発生したことにより遊技に関する制御が停止されている状況において、優先度の高い磁気異常が発生しても、優先度によらず、遊技に関する制御が停止された状況となったときの事象である振動異常に対応した異常報知を継続して行うこととなる。
図32は、エラー表示の実行例を示している。例えば、振動異常が発生したときに、振動異常の異常報知が実行された場合、図32(A)に示すように画像表示装置5に「振動エラー」といった振動異常が発生したことを示すメッセージが表示される。また、「遊技停止中」といった遊技に関する制御が停止されていることを示すメッセージや、「係員をお呼びください」、「電源を再投入してください」といったもメッセージも表示される。また、例えば、特別可変入賞球装置7A、7Bへの異常入賞が発生したときに、大入賞口異常入賞の異常報知が実行された場合、図32(B)に示すように画像表示装置5に「大入賞口異常入賞エラー」といった異常入賞が発生したことを示すメッセージが表示される。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、特別可変入賞球装置7A、7Bへの異常入賞が発生したときに、異常入賞報知指定コマンドを送信可能であり、演出制御用CPU120は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことに応じて、異常入賞が発生したことを示すメッセージ等の画像表示装置5への表示や異常報知用LED77の点滅といった異常入賞報知を行うことが可能である。また、演出制御用CPU120は、異常入賞報知指定コマンドを受信した場合(ステップS541;Yes)、異常発生カウンタのカウント値に1加算する(ステップS542)。異常判定閾値は、電源が投入されたときに初期値として「1」に設定されるので、通常状態では、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「1」以上であるときに、異常入賞報知を行い、大当り遊技状態では、ステップS524の処理が実行されることにより異常判定閾値が「3」に設定されるので、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「3」以上であるときに、異常入賞報知を行う。また、異常判定閾値は、大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過するまでは「3」に設定されるので、この15秒間内では、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「3」以上であるときに、異常入賞報知を行う。このように遊技の状況に応じた異常判定閾値を用いるので、不適切な異常報知の発生を抑えることができ、遊技の状況に応じて異常報知の契機を適切に管理することができる。
なお、主基板11側で異常入賞報知指定コマンドの送信回数のカウント(異常発生の回数のカウント)や異常判定閾値の設定などを行い遊技の状況に応じて異常報知の契機を管理すると、主基板11側の処理負担が大きくなってしまう。しかし、上記実施の形態では、演出制御基板12側で異常入賞報知指定コマンドの受信回数のカウント(異常発生の回数のカウント)や異常判定閾値の設定などを行い遊技の状況に応じて異常報知の契機を管理することができるため、主基板11側の処理負担を軽減することができる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、普通可変入賞球装置6Bへの異常入賞が発生したときに、異常入賞報知指定コマンドを送信可能であり、演出制御用CPU120は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことに応じて、異常入賞が発生したことを示すメッセージ等の画像表示装置5への表示や異常報知用LED77の点滅といった異常入賞報知(図31に示す始動入賞口異常入賞)を行ってもよい。また、演出制御用CPU120は、上記異常入賞報知指定コマンドを受信した場合、普通可変入賞球装置6Bについての異常発生カウンタのカウント値に1加算するようにしてもよい。この場合には、通常状態では、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「1」以上であるときに、異常入賞報知(始動入賞口異常入賞)を行い、時短状態では、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「3」以上であるときに、異常入賞報知を行うようにしてもよい。また、異常判定閾値を、時短状態が終了するときの遊技状態指定コマンド(例えば、低ベース状態に対応する背景指定コマンド等)を受信してから特定期間経過するまでは「3」に設定し、この特定期間内では、異常発生カウンタのカウント値が異常判定閾値の「3」以上であるときに、異常入賞報知を行うようにしてもよい。このように遊技の状況に応じた異常判定閾値を用いることで、不適切な異常報知の発生を抑えることができ、遊技の状況に応じて異常報知の契機を適切に管理することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図29(B)に示すように、演出制御用CPU120が大当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、異常発生カウンタのカウント値を「0」にリセット(初期化)する。これにより、大当りが短期間で連続して発生する場合において、異常入賞報知指定コマンドの受信回数の計数を適切に管理することができる。特に、先の大当り遊技状態における大当り終了指定コマンドの受信から15秒といった特定期間経過前に、次の大当り遊技状態が開始される場合であっても、大当り開始指定コマンドの受信を契機に異常発生カウンタのカウント値がリセットされるので、玉噛みの発生に基づく遅れ玉等による異常入賞が発生しても、あるいは、偶発的な事象により異常入賞判定を行った場合であっても、遊技者が違和感なく遊技を行うことが可能であり、遊技の興趣の低下を抑えることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図29(A)に示すように、演出制御用CPU120が大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過したことに応じて、異常発生カウンタのカウント値が「0」にリセット(初期化)されるとともに、異常判定閾値が「1」に設定される。これにより、15秒が経過したときにおける異常発生カウンタのカウント値と異常判定閾値とに伴う不適切な異常報知を防ぐことができ、異常入賞報知指定コマンドの受信回数の計数を適切に管理することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図29(B)に示すように、演出制御用CPU120が大当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、15秒間についての計時を停止し、異常判定閾値を「3」に設定する。これにより状態の変化に伴う異常判定閾値の変化を適切に管理することができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、図29(B)に示すように大当り終了指定コマンドを受信してから15秒が経過する前に、次の大当り遊技状態における第1ラウンドのラウンド遊技が開始されることがある。大当り終了報知期間は100ミリ秒、変動パターンPB3−1の特図変動時間は1000ミリ秒、特図確定表示時間は800ミリ秒、大当り開始報知期間は100ミリ秒にそれぞれ設定され、これらの合計期間が2秒間となり、大当り終了指定コマンドを受信してからの15秒間よりも短い期間となる。このような遊技機においては、遊技者にとって興趣が高められた状況における不適切な異常入賞報知を抑制でき、遊技の興趣の低下を抑えることができる。
なお、大当り終了報知期間と、変動パターンPB3−1が選択された可変表示についての特図変動時間と、可変表示結果を確定報知するための特図確定表示時間との合計期間が、大当り終了指定コマンドを受信してからの15秒間よりも短い期間となるようにしてもよい。このようにしても、遊技者にとって興趣が高められた状況における不適切な異常入賞報知を抑制でき、遊技の興趣の低下を抑えることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから、第14ラウンドのラウンド遊技の終了と、大当り終了報知期間とを経て、最初の可変表示(大当り遊技状態が終了して最初に実行される可変表示)が開始されるときまでの異常入賞判定無効期間では、特別可変入賞球装置7A、7Bへの進入異常が発生したか否かの異常判定を行わない(図24に示す異常入賞判定の可否における「否」の部分)。これに対し、異常判定無効期間外の期間では、特別可変入賞球装置7A、7Bへの進入異常が発生したか否かの異常判定を行う(図24に示す異常入賞判定の可否における「可」の部分)。したがって、演出制御用CPU120とは独立して、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103により異常入賞判定といった異常判定をより確実に行うことができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、特別可変入賞球装置7A及び特別可変入賞球装置7Bといったように特別可変入賞球装置が複数あり、大当り遊技状態において第1ラウンドから第14ラウンドまでといったようにラウンド遊技が複数回実行される。そして、図16(A)に示すようにラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときに、上大入賞口(特別可変入賞球装置7A)を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される一方で、ラウンドカウント値が「14」であるときには、下大入賞口(特別可変入賞球装置7B)を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。このようにラウンド遊技によって遊技球が進入可能となる対象の特別可変入賞球装置が異なる。また、図24に示すように異常入賞判定無効期間のうち、第1ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるときまでの期間は、特別可変入賞球装置7Aについての異常入賞判定が実行されない第1判定無効期間となっており、第14ラウンドのラウンド遊技が開始されるときから次の可変表示が開始されるときまでの期間は、特別可変入賞球装置7Bについての異常入賞判定が実行されない第2判定無効期間となっている。このように、第1ラウンドから第14ラウンドまでのラウンド遊技において特別可変入賞球装置7A、7Bのうち遊技球が進入可能な開放状態となる対象の特別可変入賞球装置7A、7Bについて異常判定無効期間が設定されている。また、第1ラウンドから第14ラウンドまでのラウンド遊技の実行中において、異常判定無効期間が設定された特別可変入賞球装置7A、7B以外の特別可変入賞球装置7A、7Bについて異常入賞判定を行うことが可能である。これにより、異常入賞判定無効期間が設定された特別可変入賞球装置以外の特別可変入賞球装置に対する不正行為を検知できる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、ステップS475にて異常入賞が発生したと判定された(ステップS475;Yes)ことに基づいて、セキュリティ信号情報タイマに所定時間(この実施の形態では240秒)をセットする(ステップS478)。その後、図6に示すステップS22の情報出力処理が実行されることによって、セキュリティ信号が外部出力される。これにより、遊技機の外部に対して異常入賞といった異常の発生を報知できるとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が偶発的な事象により異常入賞判定を行った場合であっても、遊技者が違和感なく遊技を行うことが可能であり、遊技の興趣の低下を抑えることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば、ステップS401にて磁石センサ信号を入力したと判定、即ち磁気異常が発生した旨の判定を行うことが可能であり、ステップS403にて振動センサ信号を入力したと判定、即ち振動異常が発生した旨の判定を行うことが可能であり、ステップS475にて異常入賞が発生した旨の判定を行うことが可能である。また、磁気異常や振動異常が発生した旨の判定をした場合、ステップS14〜S21の処理をスキップすることにより遊技に関する制御を停止する。演出制御用CPU120は、磁気異常報知指定コマンドや振動異常報知指定コマンド、異常入賞報知指定コマンドなどを受信したことに応じて(ステップS502や、ステップS541など)、図31に示すように異常に対応する事象の優先度に応じた異常報知を行うことが可能である。また、振動異常が発生した後に、磁気異常が発生したとしても、最初に振動異常が発生したことにより、ステップS505にて報知維持フラグがオン状態となるので、その後は磁気異常報知指定コマンドを受信したか否かの判定などを行うことがない。振動異常が発生したことにより遊技に関する制御が停止されている状況において、優先度の高い磁気異常が発生しても、優先度によらず、遊技に関する制御が停止された状況となったときの事象である振動異常に対応した異常報知を継続して行う。これにより、いずれの種類の事象によって遊技に関する制御が停止された状況となったかを確認することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、特図表示結果として、大当りとハズレとのいずれかに決定されるものとして説明した、しかし、特図表示結果は大当りとハズレとに限定されず、さらに小当りが含まれてもよい。特図表示結果として小当りに決定された場合には、例えば、特別可変入賞球装置7Bを特定時間開放状態とする小当り遊技状態に制御されればよい。このような遊技機では、上記実施の形態における確変領域を、大当り確定領域としてもよい。例えば、小当り遊技状態に制御されているときに、遊技球が大当り確定領域を通過したことに基づいて、小当り遊技状態後に大当り遊技状態に制御されるようにしてもよい。このように小当り遊技状態を経由して大当り遊技状態に制御されるパターンを含めてもよい。なお、大当り遊技状態に制御されるには、必ず小当り遊技状態を経由しなければならないようにしてもよい。
上記実施の形態では、図22に示すセンサ異常報知処理において、磁石センサ信号を入力したか否かの判定(ステップS401)や、振動センサ信号を入力したか否かの判定(ステップS403)を行うことにより、磁気異常や振動異常が発生したか否かを常時判定可能に構成したが、例えば、磁気異常や振動異常が発生したか否かを判定可能となる有効期間を設定してもよい。一例として、磁気異常や振動異常が発生したか否かを判定可能となる有効期間は、大当り遊技状態に制御されている期間や、ラウンド遊技が実行されている期間、時短状態に制御されている期間、小当り遊技状態に制御されている期間などであればよい。こうした有効期間において、磁石センサ信号や振動センサ信号が入力されたときに、磁気異常や振動異常が発生した旨の判定が行われればよい。即ち、磁気異常や振動異常が発生したか否かを有効期間中に判定可能に構成してもよい。
上記実施の形態では、異常判定閾値は、電源が投入されたときに初期値として「1」に設定され、大当り開始指定コマンドを受信した場合に「3」に設定され、また、大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過するまでは異常判定閾値が「3」に設定されるものとして説明した。なお、異常判定閾値は「1」や「3」に限定されない。例えば、異常判定閾値は、電源が投入されたときに初期値として「2」や「3」、「4」などに設定されてもよく、大当り開始指定コマンドを受信した場合に「2」や「4」、「5」などに設定されてもよい。また、大当り終了指定コマンドを受信してから15秒経過するまでは、大当り開始指定コマンドを受信したときに設定された異常判定閾値と同じ異常判定閾値が設定されてもよく、大当り開始指定コマンドを受信したときに設定された異常判定閾値よりも大きな異常判定閾値が設定されてもよい。「1」や「2」などといった小さな異常判定閾値を設定している期間では、「4」や「5」などといった大きな異常判定閾値を設定している期間と比べて、異常を早期に発見することができる。
上記実施の形態では、図24に示すように第1判定無効期間では、特別可変入賞装置7Bについての異常入賞判定を可能(可)とし、第2判定無効期間では、特別可変入賞装置7Aについての異常入賞判定を可能(可)とした。なお、大当り遊技状態において次ラウンド待ち期間や、大当り終了報知期間では、特別可変入賞装置7A、7Bについての異常入賞判定を無効(否)としてもよい。
上記実施の形態では、特別可変入賞球装置7A及び特別可変入賞球装置7Bといったように特別可変入賞球装置が複数ある構成としたが、特別可変入賞球装置が1つだけある構成としてもよい。この場合には、第1ラウンドから第14ラウンドまでの全てのラウンド遊技において、上記1つの特別可変入賞球装置が開放状態となればよい。また、ラウンド遊技の実行回数は14回に限定されず、13回以下あるいは15回以上であってもよい。
上記実施の形態では、第1ラウンドから第13ラウンドまでを、特別可変入賞球装置7Aが開放状態となるラウンド遊技とし、第14ラウンドを、特別可変入賞球装置7Bが開放状態となるラウンド遊技とした。なお、例えば、特別可変入賞球装置7Aが開放状態となる第15ラウンドまでラウンド遊技を実行する大当り種別(例えば、第3大当り)を設けてもよい。さらに、例えば、特別可変入賞球装置7Bが開放状態となる第16ラウンドまでラウンド遊技を実行する大当り種別(例えば、第4大当り)を設けてもよい。
上記実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間を0.05秒に設定し、大当り種別が「第2大当り」の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間を29.5秒に設定した。しかし、下大入賞口を開放状態とする上限時間は、上記29.5秒と0.05秒とに限定されず、これら以外の時間であってもよい。また、下大入賞口を開放状態とする上限時間として、上記29.5秒と0.05秒との他に、例えば2秒といった上限時間を含んでいてもよい。この場合、例えば変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」と「第3大当り」のいずれかに決定されるように、大当り種別として「第3大当り」を設け、大当り種別が「第3大当り」である場合に、大当り種別が「第2大当り」である場合よりも、下大入賞口を開放状態とする上限時間として短い上限時間(2秒)となればよい。下大入賞口を開放状態とする上限時間が2秒の場合には、下大入賞口を開放状態とする上限時間が29.5秒の場合と比べて、遊技球が確変領域を通過することが困難となればよい。
上記実施の形態では、特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示が、特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示よりも優先して実行されることとしたが、その逆、即ち特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示が、特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示よりも優先して実行されることとしてもよい。また、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、可変表示が実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する可変表示について、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
上記実施の形態では、次回の大当り遊技状態が開始されなければ、最大100回の可変表示が実行されたことによって、確変終了条件が成立することとした。しかし、次回の大当り遊技状態が開始されるまで、可変表示の回数に関係なく、確変状態が継続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、大当り遊技状態終了後に100%の割合で時短状態に移行した。しかし、時短状態に移行する割合は100%でなくてもよく、例えば、90%や70%などといった100%以外の所定割合であってもよい。
上記実施の形態では、大当り遊技状態における第14ラウンドにおいて、遊技球が確変領域スイッチ24Aを通過し、確変制御条件が成立したときには、確変確定報知が行われてもよい。確変確定報知は、確変領域スイッチ24Aによって遊技球が検出されたタイミングや、第14ラウンドの終了タイミング、大当り終了報知期間中の所定タイミング、大当り終了報知期間の終了タイミングなどといったタイミングで行われればよい。
上記実施の形態では、上大入賞口に進入した遊技球は確変領域スイッチ24Aの設置箇所に誘導されることがない一方で、下大入賞口に進入した遊技球は確変領域スイッチ24Aの設置箇所へと誘導可能であるものとして説明した。しかし、上大入賞口に進入した遊技球も確変領域スイッチ24Aの設置箇所へと誘導可能であるようにしてもよい。この場合には、遊技球が上大入賞口と下大入賞口のいずれに進入したかに応じて、確変領域スイッチ24Aの設置箇所へと誘導される割合が異なるようにしてもよい。例えば、上大入賞口における確変領域通過割合を、下大入賞口における確変領域通過割合よりも極めて低くなるように設定してもよく、その逆となるように設定してもよい。
上記実施の形態では、下大入賞口に入賞(進入)した遊技球が確変領域スイッチ24Aによって検出されたことに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態に制御するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、図9に示すステップS242の処理にて決定される大当り種別に「確変」が含まれており、大当り種別の決定結果が「確変」であることに基づいて確変制御条件が成立し、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御してもよい。例えば、可変表示される特別図柄が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別として「確変」に決定される割合を異ならせてもよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。