以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[機能フロー]
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。同図に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。
また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図1に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、図1には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えていてもよい。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図1に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。
当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[パチンコ遊技機の構造]
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。図2は、パチンコ遊技機の正面図、図3は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図、図4は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。なお、以下の説明においては、基本的に特に断らない限り、パチンコ遊技機1の正面側を前方向、パチンコ遊技機1の背面側を後方向、パチンコ遊技機1の前方から見て左側を左方向、パチンコ遊技機1の前方から見て右側を右方向、パチンコ遊技機1の上側を上方向、パチンコ遊技機1の下側を下方向、パチンコ遊技機1を正面から見て時計回りの方向を右回りの方向、その逆に反時計回りの方向を左回りの方向として説明する。
パチンコ遊技機1は、図2及び図3に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図3参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。
ベースドア3には、図3に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出ユニット16と、基板ユニット17とが取り付け可能である。遊技盤12には、液晶表示装置13と、後述する演出用の役物に係る装置としてシャッタ装置8と、突出装置9とが取り付けられる(図15及び図16参照)。液晶表示装置13、シャッタ装置8、及び突出装置9は、後述する演出表示ユニット10として構成(一体化、組合せ、設置)されている。ここで、本実施形態のシャッタ装置8及び突出装置9は、本発明の演出装置を構成する。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール(具体的には後述のガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。
さらに、遊技領域12aには、図示しない複数の遊技釘が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、後述の図5を参照しながら後で詳述する。
液晶表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面一部の領域を占めるような大きさに設定される。なお、液晶表示装置13の表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面全体の領域を占める大きさであってもよい。
この液晶表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)等の各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、液晶表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、表示装置として液晶表示装置13を用いたが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置13として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と液晶表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。
スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、遊技球の貸出、遊技球の払出(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。
所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a及び払出口22aから遊技球が排出され、それぞれ排出された遊技球が上皿21及び下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ジョグダイヤル24が演出ボタン23に対して回転可能に取り付けられる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23及びジョグダイヤル24の少なくともいずれか一方を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23及びジョグダイヤル24の少なくともいずれか一方の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図2及び図3には示さないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータが設けられる。また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。
そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレールに案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図2及び図3には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出ユニット16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出ユニット16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出ユニット16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払出す。
基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200、払出・発射制御回路300等が設けられる(後述の図33参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、矩形枠状に形成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、ロゴユニット58が設けられる。ここで、本実施形態のロゴユニット58は、本発明の装飾ユニットを構成する。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。
したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。図2に示すように、ガラスドア4の開口4aの左右両端及び下端には、電飾カバー58A〜58Cが設けられている。電飾カバー58A〜58Cの後面には、LED(Light Emitting Diode)59A〜59C(図33参照)が設けられている。LED59A〜59Cは、後述するシャッタ装置8及び突出装置9の動作、液晶表示装置13に表示される演出、演出ボタン、電飾カバー58A、58Bの発光などと連動して点灯あるいは点滅するように制御される。
[ロゴユニット]
図6〜図13は、ロゴユニット58を示している。図6に示すように、ロゴユニット58は、導電性を有する金属製のフレーム部材111に対して取り付けられる。フレーム部材111は、ベースドア3の前面側の周囲に取り付けられる。これにより、ロゴユニット58は、遊技機1の前方に突出するように配置される。
図8及び図9によく示すように、ロゴユニット58は、前面カバー580、上面カバー581、複数の側方カバー582A〜582D、ベース部材583、複数の基板支持部材584、複数のLED基板585、複数の導光板586を有する。
前面カバー580は、前面カバー本体580Aと、複数のアウターレンズ580Bとを有する。前面カバー本体580Aは、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。複数のアウターレンズ580Bは、機種名などのロゴを一文字ずつ照らし出すためのものであり、前面カバー本体580Aの前面に沿って左右方向に並ぶように設けられている。アウターレンズ580Bは、背後の対応するLED基板585から導光板586を経て照射された光を外方へと導くように透光性を有する。また、アウターレンズ580Bは、一般的なプラスチックやガラスのような非導電性の透光性部材が想定されるが、例えば、表面に導電性を有する透光性塗料を塗布することや、透光性を有する導電性部材(導電性を有するプラスチックなど)を使用することも可能である。また、前面カバー本体580Aは、例えば表面にアルミ蒸着処理を施すことによって導電性を有するようにしてもよい。その際、アルミの蒸着量を調節することによって電気伝導性(導電性、導電量)を調節することも可能である。
上面カバー581は、前面カバー580と一体になってフレーム部材111の上部に取り付けられる。上面カバー581の上部には、複数のネジ581Aを介して前面カバー580の前面カバー本体580Aが固定される。上面カバー581においてネジ581Aが固定される部分には、いわゆるスナップフィット式の再脱着困難な係止キャップ581Bが嵌め合わされる。これにより、上面カバー581は、係止キャップ581Bが一旦嵌め合わされると、この係止キャップ581Bを取り外してネジ581Aの締緩作業を行うことが困難とされ、前面カバー580と実質分離不可能となって一体化される。このような上面カバー581は、前面カバー本体580Aと同様に、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。なお、上面カバー581についても、例えば表面にアルミ蒸着処理を施すことによって導電性を有するようにしてもよい。
このような前面カバー580及び上面カバー581は、再脱着困難な係止キャップ581B及びネジ581Aを介した相互結合によりロゴユニット58のアセンブリパーツとして一体的に取り扱うことができる一方、互いに連結されて係止キャップ581Bが嵌め合わせられると、容易には互いに分離することができないので、ロゴユニット58から内部への不正行為等による進入を効果的に防止することができる。
側方カバー582A、582Bは、前面カバー580を前方から見た状態において、前面カバー580の左端部に固定され、電飾カバー58Aの上端と重なるように配置される。側方カバー582Aは、側方カバー582Bの上方に位置し、電飾カバー58Aに対応するLED59Aからの光を外方へと導くように透光性を有する。側方カバー582Aは、良好な透光性を得るためにメッキ処理等が施されていないことから、非導電性を有する。側方カバー582Bは、前面カバー本体580A及び上面カバー581と同様に、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。側方カバー582C、582Dは、前面カバー580を前方から見た状態において、前面カバー580の右端部に固定され、電飾カバー58Bの上端と重なるように配置される。側方カバー582Cは、側方カバー582Dの上方に位置し、電飾カバー58Bに対応するLED59Bからの光を外方へと導くように透光性を有する。側方カバー582Cは、良好な透光性を得るためにメッキ処理等が施されていないことから、非導電性を有する。側方カバー582Dは、前面カバー本体580A及び上面カバー581と同様に、例えば表面に金メッキ処理あるいは銀メッキ処理が施されることで導電性を有する。なお、図9においては、側方カバー582C、582Dを分解した状態を示している。また、側方カバー582Cの固定構造については、図12及び図13を参照して後述する。このような側方カバー582B、582Dについては、樹脂製のカバーとして非導電性の部材であってもよく、あるいはメッキ処理が施されたものよりも導電性が低い部材であってもよい。さらに、側方カバー582Dについては、例えば表面にアルミ蒸着処理を施すことによって導電性を有するようにしてもよい。
ベース部材583には、複数の基板支持部材584が取り付けられる。ベース部材583の左右両端には、その左右両端よりも左右外方に張り出すように基板支持部材584が支持され、その基板支持部材584の背後にスピーカホルダ110Aやスピーカカバー110Bが配置される。スピーカホルダ110Aは、フレーム部材111の上部にスピーカ11と一体に取り付けられる。スピーカ11は、フレーム部材111に直接触れないようにスピーカホルダ110Aに保持される。スピーカカバー110Bは、スピーカ11の前方を覆うメッシュ部分とスピーカホルダ110Aを覆うように接する側面部分を有し、スピーカ11の前面及びスピーカホルダ110Aを覆うようにロゴユニット58に組み込まれる。スピーカカバー110Bのメッシュ部分は、導電性を有さない一方、その余の側面部分は、例えば表面にメッキ処理が施されることで導電性を有する。このようなロゴユニット58は、フレーム部材111の上部に取り付けられる。なお、スピーカホルダ110Aは、基本的に非導電性の部材であるが、例えばスピーカ11と当接又は近接する部分を非導電性としつつ、スピーカカバー110Bと当接又は近接する部分については導電性を有するようにしてもよい。また、フレーム部材111は、非導電性のカバーを前面に備えるとともに、導電性のフレームを後面に備えている。このフレーム部材111の前面側における非導電性のカバーとスピーカホルダ110Aにより、フレーム部材111とスピーカ11との間には、所定の間隔が設けられる。これにより、スピーカ11には、フレーム部材111からの静電気の飛来が防止される。また、スピーカホルダ110Aやスピーカカバー110Bのメッシュ部分は、導電性を有さない一方、スピーカホルダ110Aと接するスピーカカバー110Bの側面部分は、導電性を有しており、さらに、フレーム部材111は、導電性を有するものの、フレーム部材111の前面側には、樹脂又はプラスチック製の非導電性のカバーが配置されている。そのため、スピーカ11に近接又は接する部材は、全て非導電性部材となっており、これによっても静電気の飛来が効果的に防止される。
複数の基板支持部材584は、複数のアウターレンズ580Bと対応するように左右方向に並んで配置されるとともに、それぞれに固定されたLED基板585及び導光板586の前方に臨む姿勢が異なるようにベース部材583に対する取付角度が少しずつ異なる。
複数のLED基板585のそれぞれには、複数のLED59が離散的に設けられている。導光板586は、各LED59の光を対応するアウターレンズ580Bへと導くようにLED基板585の前面に配置され、LED基板585と一体になって基板支持部材584に固定されている。
図12及び図13に示すように、前面カバー本体580Aの後面には、基板支持部材584が配置され、この基板支持部材584の後面には、側方カバー582Cを直接ネジ止めするためのネジ固定部580Aaが設けられている。また、前面カバー本体580Aの後面には、側方カバー582Cを挟んだ状態で導電性部材582Eをネジ止めするためのネジ固定部580Abが設けられている。側方カバー582Cには、ネジ固定部580Aaに対応するネジ孔部582Caと、ネジ固定部580Abの先端が挿通可能な挿通口582Cbとが設けられている。導電性部材582Eには、フレーム部材111に対してネジ止めするためのネジ固定部582Eaが設けられている。
側方カバー582Cは、挿通口582Cbにネジ固定部580Abの先端を露出させつつ、ネジ孔部582Caがネジ固定部580Aaに対してネジ582Ccにより直接固定される。導電性部材582Eは、挿通口582Cbから露出したネジ固定部580Abに対してネジ582Ebにより固定される。これにより、側方カバー582Cは、前面カバー本体580Aや基板支持部材584と導電性部材582Eとの間に挟まれた状態で固定される。
以上のようにして側方カバー582Cが前面カバー580に固定された状態において、導電性部材582Eは、ネジ固定部582Eaがフレーム部材111に対して図示しないネジにより固定される。また、導電性部材582Eを固定したネジ582Ebには、図示しないアース線の一端が接続される。このアース線の他端は、フレーム部材111の適部に接続される。これにより、前面カバー580は、その右端部が非導電性で透光性を有する側方カバー582Cと重なるものの、導電性部材582E及びアース線を通じてフレーム部材111に導通接続される。特に図示しないが、前面カバー本体580Aの前方から見て左端部も、右端部と同様に、側方カバー582Aを固定しつつ導電性部材及びアース線を介してフレーム部材111に導通接続される。
これにより、前面カバー580及び上面カバー581並びに側方カバー582A〜582Dが一対となったアセンブリパーツは、光の視認性やフレーム部材111に対する脱着の簡便性が阻害されることなく、装飾パーツとしての機能を損なわずに一体的に取り扱うことができる。また、例えば主として前面カバー580においては、帯電した静電気が導電性部材582E及びアース線を通じてフレーム部材111へと導かれることにより、静電気が効率よく除去される。そのため、遊技者等が前面カバー580にたとえ触れても、電気的に不快に感じられないようにすることができる。また、静電気が効率よく除去されるため、ベース部材583に設けられた接続ユニット(基板)やLED基板585等に静電気が飛来することを防止し、各基板の電気回路について静電気障害や回路破壊を防ぐことができる。
また、スピーカ11を保持する非導電性のスピーカホルダ110Aは、側面部分が導電性のスピーカカバー110Bと当接し、スピーカカバー110Bは、複数のネジ固定部がベース部材583の後部にネジ止めされる。特に、スピーカカバー110Bのネジ固定部110Cには、ネジを介して図示しないアース線の一端が接続される。このアース線の他端は、フレーム部材111の適部に接続される。これにより、スピーカ11に比較的近いスピーカカバー110Bにおいても、帯電した静電気がネジ固定部110Cからアース線を通じてフレーム部材111へと導かれ、静電気が効率よく除去される。すなわち、ロゴユニット58の内部に多数の電気部品が配置されることでその付近に静電気が帯電しやすいものの、そのような静電気が導電性部材582Eだけでなくスピーカ11の周辺からも効率よく除去されるので、ロゴユニット58全体において発生する静電気を十分に排除することができる。
特に図示しないが、電飾カバー58A〜58Cの背面にも、図8等と同様に複数のLED59A〜59Cを搭載したLED基板が設けられている。電飾カバー58A〜58Cは、例えば表面にアルミ蒸着処理あるいはメッキ処理が施されることで導電性を有し、金属製のフレーム部材111に取り付けられる。これにより、電飾カバー58A〜58Cにおいても、帯電した静電気がフレーム部材111へと導かれることで効率よく除去される。そのため、遊技者等が電飾カバー58A〜58Cにたとえ触れても、電気的に不快に感じられないようにすることができる。また、静電気が効率よく除去されるため、電飾カバー58A〜58Cに対応して設けられたLED基板等にも静電気が飛来することを防止し、各基板の電気回路について静電気障害や破壊を防ぐことができる。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図5を参照して説明する。図5は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図5に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51、52と、第1大入賞口53と、第2大入賞口54と、アウト口55と、図示しない複数の遊技釘とが設けられる。
また、遊技盤12の前面において第2大入賞口54付近は、膨出部57が設けられており、膨出部57は、遊技盤12の前面から前方に膨れ出ている。以後、遊技盤12の前方とは、遊技盤12に対して遊技者側を表し、遊技盤12の後方とは、遊技盤12に対して遊技者側と反対側を表す。また、遊技盤12に対して右側、左側とは、遊技盤12を正面から見て右側、左側を表す。したがって、遊技盤12を後方から見た場合には、紙面において遊技盤12の右側が左側となり、遊技盤12の左側が右側となる。
さらに、遊技盤12の前面において、その下部には、特別図柄表示装置61と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる。
なお、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LEDや、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LED等を設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画するように円弧状に延在し、ガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール41a(図5において仮想線で示す)と、この外レール41aの内側(内周側)に配置されて円弧状に延在する内レール41bとで構成される。
遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へと案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。
この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、液晶表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側端部付近に配置される。球通過検出器43には、通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(後述の図33参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。
以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、所定数(例えば3個)の遊技球が払出される。
また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44には、入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(後述の図33参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(後述の図33参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、第2始動口45の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド46a(後述の図33参照)とを有する。
普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口45に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口45に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態のいずれか一方の状態を発生させる。
なお、本実施形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の下方に配置され、かつ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。
一般入賞口51及び一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51又は一般入賞口52に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51又は一般入賞口52に遊技球が入賞すると、所定数(例えば10個)の遊技球が払出される。
一般入賞口51には、入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a(後述の図33参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ52a(後述の図33参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、かつ、第1始動口44と一般入賞口52との間に配置される。そして、第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a(第2大入賞口54に対応するシャッタは不図示)と、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図33中の第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態:第1の状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態:第2の状態)のときには遊技球を受け入れない。
以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、所定数(例えば10個)の遊技球が払出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、所定数(例えば15個)の遊技球が払出される。
また、第1大入賞口53には、入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(後述の図33参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(後述の図33参照)が設けられる。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図5に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(いわゆる右打ちの場合)、遊技釘等により遊技球が第2始動口45に誘導される。
この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施形態では、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易くなる。
それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になるいわゆる「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
膨出部57は、第1大入賞口53の下方に設けられており、膨出部57の上面は、傾斜面57Aとして形成されている。この傾斜面は、遊技者側から見て右上方から左下方に向かって傾斜しており、第1大入賞口53に対して左側の傾斜面57Aには、第2大入賞口54が設けられる。
傾斜面57Aは、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する遊技球を第2大入賞口54に導くようになっており、傾斜面57Aを転動する遊技球が図示しないリブに衝突すると、遊技球の速度が低下してシャッタが開放状態にある第2大入賞口54に遊技球が入賞し易くなる。
また、図5に示すように、遊技盤12の表示領域13aの周囲には電飾カバー58E〜58Hが設けられており、電飾カバー58E〜58Hの後面にはLED59e〜59h(図33参照)が設けられている。電飾カバー58E〜58Hは、LED59e〜59hの点灯あるいは点滅によって後述するシャッタ装置8や突出装置9に関連する演出表示を行う。
[演出表示ユニット]
次に、図14〜図16を参照して、本実施形態の演出表示ユニット10について説明する。図14は、演出表示ユニット10を示す正面図、図15は、演出表示ユニット10を示す斜視図、図16は、演出表示ユニット10を示す分解斜視図である。
図16に示すように、演出表示ユニット10は、後方から前方へと向かう順に、液晶表示装置13、シャッタ装置8、突出装置9を備えて構成される。突出装置9は、第1突出装置9Aと第2突出装置9Bとに分解可能とされ、第1突出装置9Aの前方に第2突出装置9Bが配置される。図15に示すように、演出表示ユニット10は、遊技盤12の背面に取り付けられる。
液晶表示装置13は、開口部130aを有するフレーム部材130の背面に支持される。液晶表示装置13の表示領域13aは、開口部130aに臨むように配置され、光透過性の遊技盤12を通して前方の遊技者に視認可能とされる。
シャッタ装置8は、フレーム部材130の前面側最奥部に設けられる。シャッタ装置8は、待機状態(非動作状態)において開口部130aと(一部又は全部が)重ならないように配置されており、動作状態においては、後述する一対の可動ユニット81が左右両側から開口部130aの中央の方へと移動するように構成されている。これにより、シャッタ装置8は、表示領域13aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。シャッタ装置8については、図17〜図22を参照して詳述する。
第1突出装置9Aは、シャッタ装置8と第2突出装置9Bとの間に設けられる。第1突出装置9Aは、待機状態(非動作状態)において後述する複数の突出ユニット91A〜91Gが部分的に開口部130aの周囲から露出するように配置されており、動作状態においては、複数の突出ユニット91A〜91Gが開口部130aの中央の方へとより大きく突出するように構成されている。これにより、第1突出装置9Aは、表示領域13aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。第1突出装置9Aについては、図23〜図32を参照して詳述する。なお、図23等に示すように、突出ユニット91A〜91Gは、部分的に関口部130aの周囲から露出するように配置されているが、突出ユニット91A〜91Gの全体が全く露出しないように配置されていてもよいし、その全体が露出していてもよい。また、ここでいう露出とは、視認困難でないことを意味するが、例えば演出装置としての突出装置に含まれる装飾部材が透光性や発光性を有している場合には、その装飾部材の位置に関係なくその発光を確認可能であって演出内容を伝えることが可能であれば、特に装飾部材が露出する位置まで移動しなくてもよい。つまり、演出動作を行う部材としては、待機状態において第1の態様で視認され、動作状態において第1の態様とは異なる第2の態様で視認されるというように視認性が変化するものであればよい。また、視認性が変化する態様としては、例えば突出ユニット91A〜91Gが前方に設けられた他の部材と重なる状態か重ならない状態かによって異なるといった態様も含まれる。
第2突出装置9Bは、第1突出装置9Aと遊技盤12との間に設けられる。第2突出装置9Bは、待機状態(非動作状態)において後述する突出部材96が部分的に開口部130aの下端から露出するように配置されており、動作状態においては、突出部材96が開口部130aの中央の方へと大きく上昇移動するように構成されている。これにより、第2突出装置9Bは、表示領域13aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。なお、第2突出装置9Bは、待機状態において突出部材96が部分的に関口部130aの下端から露出していてもよいし、待機状態において突出部材96の全体が露出していない場合、移動することでその全体が完全に露出するようにしてもよい。ここでいう露出も、視認困難でないことを意味するが、例えば待機状態においては突出部材96が第1の態様で視認され、動作状態において第1の態様とは異なる第2の態様で突出部材96が視認されるようにしてもよい。また、突出部材96は、前方に設けられた他の部材と重なる状態か重ならない状態かによって視認性が異なる態様に変化するようにしてもよい。
[液晶表示装置]
液晶表示装置13は、液晶で構成され、その表示領域13aにおいて各種演出表示を行う。
具体的に、本実施形態では、後述する特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する(対応する)演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。
そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施形態では、液晶表示装置13の表示領域13aに、後述する第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域13aに表示される。
また、本実施形態では、後述する普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を液晶表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
[シャッタ装置]
次に、図17〜図22を参照して、本実施形態のシャッタ装置8について説明する。
シャッタ装置8は、複数のベース部材80A〜80Cと、左右一対の可動ユニット81A、81Bと、可動ユニット81A、81Bをそれぞれ駆動するための駆動ユニット82A、82Bとを有して構成される。
複数のベース部材80A〜80Cは、それぞれ独立しており、ベース部材80Aは、フレーム部材130の下部左側に固定され、ベース部材80Bは、フレーム部材130の下部右側に固定され、ベース部材80Cは、フレーム部材130の上部に固定される。ベース部材80Aとベース部材80Bとの間は、後述する第2突出装置9Bの突出部材96を配置可能な所定間隔の空間が設けられる。
ベース部材80Aには、左側の可動ユニット81Aの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Aが設けられ、ベース部材80Bには、右側の可動ユニット81Bの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Bが設けられる。ガイド孔800Aは、左端部から右端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ低位となるように形成されており、概ね中間部から右端部に至るまで下降傾斜している。ガイド孔800Bは、ガイド孔800Aと左右対称の形状として、右端部から左端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ低位となるように形成されており、概ね中間部から左端部に至るまで下降傾斜している。また、ベース部材80A、80Bのそれぞれには、可動ユニット81A、81Bのそれぞれを全体的に支持しつつ左右方向に移動可能とするための案内溝801が設けられている。
ベース部材80Cには、駆動ユニット82A、82Bが組み込まれる。また、ベース部材80Cの左側下部には、左側の可動ユニット81Aの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Caがガイド孔800Aと対向するように設けられ、ベース部材80Cの右側下部には、右側の可動ユニット81Bの一部を左右方向に移動案内するためのガイド孔800Cbがガイド孔800Bと対向するように設けられる。これらのガイド孔800Ca、800Cbは、ガイド孔800A、800Bと上下対称の形状をなすように形成されている。すなわち、ガイド孔800Caは、左端部から右端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ高位となるように形成されており、概ね中間部から右端部に至るまで上昇傾斜している。ガイド孔800Cbは、右端部から左端部へと進むに従い高さが所定寸法だけ高位となるように形成されており、概ね中間部から左端部に至るまで上昇傾斜している。また、ベース部材8Cの下部の左右両側には、可動ユニット81A、81Bのそれぞれを全体的に支持しつつ左右方向に移動可能とするための案内溝802が設けられている。
左右一対の可動ユニット81A、81Bは、互いに左右対称の形態をなすように設けられている。左側の可動ユニット81Aは、左右方向にのみ移動可能なスライド部材810と、スライド部材810の前面に支持されつつ上側に配置され、右回りの方向に所定角度回動可能なアーチ部材811と、スライド部材810の前面に支持されつつアーチ部材811の下側に配置され、左回りの方向に所定角度回動可能なアーチ部材812と、スライド部材810の後面に回動可能に支持されつつアーチ部材811、812のそれぞれに連結される第1リンク部材813、814と、スライド部材810の後面に上下動可能に保持されつつ第1リンク部材813、814のそれぞれに連結される第2リンク部材815、816とを有して構成される。なお、右側の可動ユニット81Bは、左側の可動ユニット81Aに対して左右対称の形状や逆向きの動作となる以外、左側の可動ユニット81Aと同様の構成部材を有して構成される。これら同様の構成部材については、図面において同一符号を付し、以下の説明では、特に断らない限り、左側の可動ユニット81Aに係るものとして説明する。
スライド部材810は、前面に装飾が施されており、上下両端部が案内溝801、802に沿って左右方向に移動可能となるように支持されている。
上側のアーチ部材811は、図21に示すように、基板ベース部材8110と、電飾基板8111と、レンズカバー8112と、装飾カバー8113とを有して構成される。なお、下側のアーチ部材812は、上側のアーチ部材811と一対となり、このアーチ部材811に対して上下対称の形状や逆向きの動作となる以外、上側のアーチ部材811と同様の構成部材を有して構成される。下側のアーチ部材812の構成部材については、上側のアーチ部材811の構成部材と同一符号を付してその説明を省略する。
基板ベース部材8110は、スライド部材810の前面略中央部に回動可能に支持される。電飾基板8111は、シャッタ装置8全体の動きに連動して点灯あるいは点滅可能なLED59Dを有し、基板ベース部材8110の前面に固定される。電飾基板8111の表面は、反射効率に優れた反射材の塗布あるいは表面加工によって反射面として機能するように形成されている。レンズカバー8112は、背後のLED59Dからの光を外方へと導く複数の透光部8112aを有し、装飾カバー8113に一体的に取り付けられる。このレンズカバー8112の透光部8112aは、前面側に向けて突状の凸部をなすように形成されており、少なくとも透光部8112aは、外方に向けて光を導くように透光性を有する。これにより、透光部8112aは、透光面として機能する。装飾カバー8113は、前面に装飾が施され、レンズカバー8112の透光部8112aを外方に露出させる複数の開口部8113aを有し、レンズカバー8112と一体になって電飾基板8111を覆うように基板ベース部材8110に取り付けられる。この装飾カバー8113の少なくとも背面は、例えば乱反射に優れた反射材の塗布あるいは表面加工によって反射面として機能するように形成されている。なお、レンズカバー8112の全体を透光性を有するものとし、このレンズカバー8112の一部のみを装飾カバー8113の開口部8113aに露出させるようにしてもよい。また、装飾カバー8113は、少なくとも遮光性を有するものであれば、背面が光の反射性に優れたものでなくともよい。
図22の断面図に示すように、電飾基板8111上の複数のLED59Dは、レンズカバー8112の透光部8112aや装飾カバー8113の開口部8113aと対向しない位置に配置される。すなわち、複数のLED59Dから出射した殆どの光は、装飾カバー8113の背面で乱反射して電飾基板8111の表面へと進み、さらに電飾基板8111の表面で反射した後、透光部8112aを通って外方へと出射する。これにより、比較的高輝度とされるLED59Dは、装飾カバー8113の背面と対向する位置にあるので、外方から透光部8112aを介して直接視認されることなくその視認性を低減させることができるため、LED59Dによる発光斑を目立たせないようにすることができる。その結果、シャッタ装置8の動的な演出効果とともに、LED59Dの光の演出による視覚的効果を向上させることができる。なお、「出射」には、光の出力や直進などといった意味合いが含まれる。また、「発光斑」とは、LEDなどの光源を発光部として、これを覆うように設けられた透光性を有する部材(レンズ部材、光拡散シート、透光シートなど)を通して発光部付近を視認すると、その発光部付近の輝度が比較的高くなって濃淡が目立ちやすくなることを意味する。例えば発光部が円形状の場合には、その中心部分の輝度が最も高くなりやすく、光の拡散度合いにもよるが、LED等の光源から照射される光の指向性が強いと発光斑が生じやすい。高輝度の点又は斑点のように視認される発光部は、その周りの低輝度となる部分に対して輝度や色合い、視認性などが異なる(差が生じる、強調される等)ため、できる限り均一に発光させることで発光班を生じさせない必要性がある。これにより、本実施形態においては、発光部の視認を困難としたり又はその視認性を低下させ、あるいは発光部を目立たないように工夫が施されている。
上側のアーチ部材811及び下側のアーチ部材812は、いずれもスライド部材810の中央部に設定された支点Sを中心に回動可能とされる。すなわち、アーチ部材812は、アーチ部材811の下方でスライド部材810の前面中央部に回動可能に支持され、アーチ部材811の動作と連動するように構成されている。このようなアーチ部材812も、内部に配置された複数のLED59Dによって発光する。これにより、下側のアーチ部材812は、上側のアーチ部材811と連動しつつ発光することによって演出効果を向上させる。
第1リンク部材813は、略L字状に屈曲した部材により構成され、上側のアーチ部材811の近傍となるスライド部材810の背面に回動可能に支持された中間部8130を有する。第1リンク部材813の下端には、支点Sから所定距離となるアーチ部材811の背面適部に設けられたピン811Aが遊嵌される。ピン811Aは、スライド部材810に設けられた長孔810Aに挿通されている。第1リンク部材813の上端は、中間部8130よりも開口部130の中央側に概ね近寄るように配置され、この上端には、第2リンク部材815の下端に設けられたピン815Aが回動可能に連結される。
第2リンク部材815は、短冊状の部材により構成され、概ね鉛直方向に沿って上下動可能にスライド部材810の背面に保持される。第2リンク部材815の下端は、ピン815Aを介して第1リンク部材813の上端に連結される。第2リンク部材815の上端には、ピン815Bが設けられ、このピン815Bがベース部材80Cのガイド孔800Caに遊嵌される。
図17及び図18に示すように、左側のスライド部材810が待機位置となる左寄りに位置する状態では、第2リンク部材815の上端がガイド孔800Caの低位となる左端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材813の下端は、ピン811Aを最も左側に寄せた状態となる。これにより、ピン811Aと一体になったアーチ部材811は、スライド部材810とともに開口部130の左端より外側に位置し、表示領域13aと重なることなく概ね起立した姿勢で隠れた状態になる。
一方、図19及び図20に示すように、左側のスライド部材810が右方向に移動することにより、スライド部材810が開口部130の中央寄りに位置する状態になると、第2リンク部材815の上端がガイド孔800Caの高位となる右端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材813の下端は、ピン811Aを右側に寄せた状態となる。これにより、ピン811Aと一体になったアーチ部材811は、スライド部材810とともに開口部130の中央寄りに位置しつつも、概ね起立した姿勢から大きく傾いた姿勢となり、表示領域13aの一部と重なりつつ出現した状態になる。
下側の第1リンク部材814及び第2リンク部材816も、上下対称の動作となる以外は、上側の第1リンク部材813及び第2リンク部材815と同様であり、次のように構成されている。
第1リンク部材814は、略L字状に屈曲した部材により構成され、下側のアーチ部材812の近傍となるスライド部材810の背面に回動可能に支持された中間部8140を有する。第1リンク部材814の上端には、支点Sから所定距離となるアーチ部材812の背面適部に設けられたピン812Aが遊嵌される。ピン812Aは、スライド部材810に設けられた長孔(図示略)に挿通されている。なお、ピン812Aが設けられたアーチ部材812の近傍部分は、コイルバネ817の一端(図示略)により開口部130の中央方向へと弾性的に動き易くなるように付勢されている(図18の拡大円部分を参照)。第1リンク部材814の下端は、中間部8140よりも開口部130の中央側に概ね近寄るように配置され、この下端には、第2リンク部材816の上端に設けられたピン816Aが回動可能に連結される。
第2リンク部材816は、短冊状の部材により構成され、概ね鉛直方向に沿って上下動可能にスライド部材810の背面に保持される。第2リンク部材816の上端は、ピン816Aを介して第1リンク部材814の下端に連結される。第2リンク部材816の下端には、ピン816Bが設けられ、このピン816Bがベース部材80Aのガイド孔800Aに遊嵌される。
図17及び図18に示すように、左側のスライド部材810が待機位置となる左寄りに位置する状態では、第2リンク部材816の下端がガイド孔800Aの高位となる左端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材814の上端は、ピン812Aを最も左側に寄せた状態となる。これにより、ピン812Aと一体になったアーチ部材812は、スライド部材810とともに開口部130の左端より外側に位置し、表示領域13aと重なることなく概ね起立した姿勢で隠れた状態になる。
一方、図19及び図20に示すように、左側のスライド部材810が右方向に移動することにより、スライド部材810が開口部130の中央寄りに位置する状態になると、第2リンク部材816の下端がガイド孔800Aの低位となる右端部に沿う状態となり、これに応じて第1リンク部材814の上端は、ピン812Aを右側に寄せた状態となる。これにより、ピン812Aと一体になったアーチ部材812は、スライド部材810とともに開口部130の中央寄りに位置しつつも、概ね起立した姿勢から大きく傾いた姿勢となり、表示領域13aの一部と重なりつつ出現した状態になる。このとき、アーチ部材812は、重力に反して上向きに回動するが、コイルバネ817の付勢力によりスムーズに回動させられる。
図17〜図20に示すように、右側の可動ユニット81Bも、左側の可動ユニット81Aと同様に構成されていることから、左側の可動ユニット81Aと左右対称の動作を行う。すなわち、図17及び図18に示すように、右側の可動ユニット81Bのスライド部材810が待機位置となる右寄りに位置する状態では、この可動ユニット81Bのアーチ部材811、812は、スライド部材810とともに開口部130の右端より外側に位置し、表示領域13aと重なることなく概ね起立した姿勢で隠れた状態になる。
一方、図19及び図20に示すように、右側の可動ユニット81Bのスライド部材810が左方向に移動し、このスライド部材810が開口部130の中央寄りに位置する状態になると、可動ユニット81Bのアーチ部材811、812は、スライド部材810とともに開口部130の中央寄りに位置しつつも、概ね起立した姿勢から大きく傾いた姿勢となり、表示領域13aの一部と重なりつつ出現した状態になる。このとき、右側のアーチ部材811、812の先端は、左側のアーチ部材811、812の先端に当接するか、あるいはほとんど接触する位置まで回動する。すなわち、表示領域13aの前方においては、左右両側のアーチ部材811、812が中央寄りに移動しつつも回動することで互いに合体した形を形成する演出が行われる。
駆動ユニット82Aは、左側の可動ユニット81Aを駆動するためにベース部材80Cの左側に配置されており、駆動ユニット82Bは、右側の可動ユニット81Bを駆動するためにベース部材80Cの右側に配置されている。駆動ユニット82A、82Bは、スライド部材810の上端に固定されたラックギア820と、このラックギア820と噛み合うピニオンギア821と、ピニオンギア821と噛み合うことで駆動力を伝えながら回転速度を減速するための複数の減速ギア822と、一の減速ギア822と噛み合って駆動力を発生する演出用駆動モータ60A、60Bとを有して構成される。また、ベース部材80Cには、ラックギア820の一部を光学的に検出可能な演出用センサ210A、210Bが配置されている。
例えば、左側の駆動ユニット82Aに着目すると、図17に示す状態において演出用駆動モータ60Aが所定の回転方向に作動し、複数の減速ギア822を介して左側のピニオンギア821が反時計回りの方向に回転した場合には、左側のラックギア820が右方向に移動させられる。これにより、左側のスライド部材810は、左側のアーチ部材811、812とともに右方向に移動させられ、最終的に図19に示す位置まで移動させられる。
一方、図19に示す状態においてピニオンギア821が時計回りの方向に回転すると、左側のラックギア820が左方向に移動させられることとなり、左側のスライド部材810は、左側のアーチ部材811、812とともに再び図17に示す待機位置まで移動させられる。このとき、左側のラックギア820の一部が演出用センサ210Aにより検出されることにより、左側のスライド部材810が待機位置に達したことが認識可能とされる。
一方、右側の駆動ユニット82Bに着目すると、この右側の駆動ユニット82Bも左側の駆動ユニット82Aと同様に動作しつつ連動する。すなわち、図17に示す状態において左側の駆動ユニット82Aが動作する際、右側の演出用駆動モータ60Bが所定の回転方向に作動し、複数の減速ギア822を介して右側のピニオンギア821が時計回りの方向に回転することにより、右側のラックギア820が右方向に移動させられる。これにより、右側のスライド部材810は、右側のアーチ部材811、812とともに左方向に移動させられ、最終的に図19に示す位置まで移動させられる。
一方、図19に示す状態において右側のピニオンギア821が反時計回りの方向に回転すると、右側のラックギア820が右方向に移動させられることとなり、右側のスライド部材810は、右側のアーチ部材811、812とともに再び図17に示す待機位置まで移動させられる。このとき、右側のラックギア820の一部が演出用センサ210Bにより検出されることにより、右側のスライド部材810が待機位置に達したことが認識可能とされる。
このような左右一対の可動ユニット81A、81Bによれば、スライド部材810が左右方向に移動する際、第2リンク部材815、816は、ガイド孔800A、800A、800Ca、800Cbに沿って左右方向に移動しつつも上下方向に変位し、それに応じて第1リンク部材813、814は、中間部8130、8140を支点に回動する。その結果、アーチ部材811、812は、スライド部材810とともに左右方向に移動しながらも第1リンク部材813、814を介して支点Sを中心に回動する。すなわち、アーチ部材811、812は、左右方向に移動しながら回動する方向にも同時に動くので、複数の方向に沿う複雑な動きによって合体するような形状を形成することができ、シャッタ装置8として動的な演出効果が高められる。
[突出装置]
次に、図23〜図32を参照して、本実施形態の突出装置9について説明する。突出装置9は、先述したように、第1突出装置9Aと第2突出装置9Bとを有して構成される。
<第1突出装置>
第1突出装置9Aは、ベース部材90と、複数の突出ユニット91A〜91Gと、突出ユニット91A〜91Gを動作させるための左右一対のリンク機構92A、92Bと、突出ユニット91Dの動作を補助するための動作補助機構93と、リンク機構92A、92Bをそれぞれ駆動する演出用駆動モータ60C、60Dとを有して構成される。
ベース部材90は、正面視略C字状の板状部材であり、下方に開口部が配置される。この開口部と対応する位置には、シャッタ装置8のベース部材80A、80Bや第2突出装置9Bが配置される。ベース部材90は、フレーム部材130との間にシャッタ装置8等を配置可能な間隔を設けてフレーム部材130の背面に固定される。ベース部材90には、複数の突出ユニット91A〜91Gを開口部130aの周囲に支持しつつ、開口部130aの外側から内側に進む方向やその逆の方向に突出ユニット91A〜91Gを移動案内するためのガイド孔900が設けられている。このガイド孔900には、リンク機構92A、92Bの後述する第1関節部J1が移動可能に連結されており、この第1関節部J1を介して突出ユニット91A〜91Gがガイド孔900に間接的に支持されている。
複数の突出ユニット91A〜91Gのそれぞれは、基本的に同様の部材により構成されており、ベース部材910と、ベース部材910を覆う装飾用のカバー部材911とを有して構成される。なお、カバー部材911については、図25以降の図面において図示を省略している。
ベース部材910は、カバー部材911と一体になりつつ、開口部130aの周囲において内外に変動可能となるように設けられる。図25及び図26に示すように、ベース部材910は、ガイド孔900と対応する位置にあってガイド孔900と同方向に沿う形状の長孔910Aと、開口部130aの周囲において内側に配置される先端部910Bとを有する。長孔910Aには、リンク機構92A、92Bの後述する第1関節部J1が移動可能に連結される。先端部910Bには、リンク機構92A、92Bの後述する第2関節部J2が回動可能に連結される。
左右一対のリンク機構92A、92Bは、ベース部材90の左右両側に配置された演出用駆動モータ60C、60Dの駆動力を、左側の突出ユニット91A〜91C及び右側の突出ユニット91E〜91G、並びに最上部の突出ユニット91Dへと効率よく伝えるためのものである。左側のリンク機構92Aは、主として左側の突出ユニット91A〜91C及び最上部の突出ユニット91Dに駆動力を伝えるように設けられ、右側のリンク機構92Bは、主として右側の突出ユニット91E〜91G及び最上部の突出ユニット91Dに駆動力を伝えるように設けられる。すなわち、リンク機構92A、92Bは、双方共に突出ユニット91Dに連結され、全体として正面視略C字状に配置されている。なお、左右両側のリンク機構92A、92Bは、互いに左右対称の構造や逆向きの動作となる以外、同様の構成部材を有して構成される。これら同様の構成部材については、図面において同一符号を付し、以下の説明では、特に断らない限り、左側のリンク機構92Aに係るものについて説明する。
図25〜図27に示すように、リンク機構92Aは、演出用駆動モータ60Cの作動に応じて回転する駆動ギア920と、駆動ギア920と噛み合うことで所定の方向に揺動する揺動ギア921と、揺動ギア921の突出部が先端部の長孔に案内可能に連結され、基端部がベース部材90に対して回動可能に支持された揺動アーム922と、揺動アーム922の長孔にピンを介して軸支された連結部材923と、開口部130aに対する外側及び内側の先端部を第1関節部J1及び第2関節部J2として互いに回動可能に連結されるとともに、中間部を第3関節部J3として互いに交差角を変更可能に連結される複数のアーム部材924A〜924Fとを有して構成される。なお、ベース部材90には、左右両側の揺動アーム922の一部をそれぞれ光学的に検出可能な演出用センサ210C、210Dが配置されている。これらの演出用センサ210C、210Dにより揺動アーム922の一部が検出されることにより、リンク機構92A、92Bとともに突出ユニット91A〜91Gが待機状態にあることが認識される。
連結部材923は、ベース部材910の長孔910Aに移動可能に係合されている。この連結部材923には、第1関節部J1が回動可能に連結されており、連結部材923上の第1関節部J1には、連結部材923に対してアーム部材924Aの外側先端部とアーム部材924Cの外側先端部とが回動可能に連結されている。他の第1関節部J1は、ベース部材910の長孔910Aに移動可能に係合されており、これらの第1関節部J1には、他のアーム部材924B、924D、924E、924Fの外側先端部が回動可能に連結されている。第2関節部J2は、ベース部材910の背面に軸支されており、この第2関節部J2には、アーム部材924A〜924Fの内側先端部が回動可能に連結されている。
次に、図26を参照してリンク機構92Aの動作について説明する。同図に示すように、揺動アーム922が実線で示す状態において、演出用駆動モータ60Cの作動に応じて駆動ギア920が時計回りの方向に回転し、それに応じて揺動ギア921が反時計回りの方向に所定角度回転すると、揺動ギア921の突出部は、揺動アーム922の長孔に沿いつつ揺動アーム922の先端部を開口部130aの内側へと揺動させる。これにより、ピンを介して揺動アーム922の長孔に連結された連結部材923は、開口部130aの内側へと所定距離だけスライドする。
このとき、第1関節部J1も、連結部材923に従って開口部130aの内側へと所定距離だけスライドする。そうすると、第1関節部J1に外側先端部が連結された2つのアーム部材924A、924Cは、全体的に開口部130aの内側へと移動しようとする。その一方、2つのアーム部材924A、924Cは、これらの内側先端部となる第2関節部J2が内側に移動するほど互いの離間距離が狭まるため、これらの第3関節部J3となる中間部に連結された他のアーム部材924B、924Dとの交差角が大きく開く。
すなわち、突出ユニット91A〜91Dに各々対応する第1関節部J1及び第2関節部J2に着目すると、第1関節部J1は、ベース部材910の長孔910Aに沿って相対的に外向きに変位するとともに、第2関節部J2は、ベース部材910と一体になって開口部130aの内側へと変位し、第1関節部J1と第2関節部J2との間隔が大きくなる。その結果、図26に仮想線で示すように、リンク機構92Aは、開口部130aの内側へと突出ユニット91A〜91Dを押し出すような変形姿勢となり、突出ユニット91A〜91Dは、開口部130aの周囲において待機した状態から表示領域13aの前方に出現した状態となる。
なお、突出ユニット91A〜91Dが出現した状態から待機する状態に戻る際には、上述した動作とは逆向きにリンク機構92Aが動作される。また、左側のリンク機構92Aと同様に右側のリンク機構92Bも同時に動作される。これにより、全ての突出ユニット91A〜91Gが同時に出現した状態や待機した状態となる。
ここで、特に最上部の突出ユニット91Dは、左右両側のリンク機構92A、92Bが協動することによって待機位置から出現位置へと下降移動する一方、出現位置から待機位置に戻る際には上昇移動することとなる。その一方、最上部の突出ユニット91Dは、駆動源となる演出用駆動モータ60C、60Dから最も遠くに位置し、また、左右両側のアーム部材924E、924Fが同時に変形して連動させられることもあり、突出ユニット91Dがスムーズに動作しないことも考えられる。そのため、以下に説明する動作補助機構93が設けられている。
図28〜図31に示すように、動作補助機構93は、ベース部材90の背面において突出ユニット91Dが配置される付近に組み込まれており、略U字状の揺動部材930と、揺動部材930に対して付勢力を付与するトーションバネ931と、ベース部材910の背面に固定された突出ピン932とを有して構成される。なお、動作補助機構93について、図29は待機状態を示し、図30は動作途中の状態を示し、図31は出現時の状態を示す。ベース部材90には、揺動部材930に対して突出ピン932を当接可能としつつ揺動部材930を揺動可能とするために空間部が形成されている。
揺動部材930は、屈曲した中間部930Aが回転自在にベース部材90の背面に支持されている。揺動部材930は、図29の待機状態において上側に位置する先端部930Bに、トーションバネ931の先端部931Aが回転自在に巻回されている。この揺動部材930には、突出ピン932が入出可能な凹部930Cが形成されている。トーションバネ931は、本体がコイルバネにより構成され、先端部931Aと基端部931Bとの間隔が小さくなるほどこれらを互いに離反させる方向に付勢力を増す。トーションバネ931の基端部931Bは、ベース部材90の背面における支持部931Cに回転自在に巻回されている。このようなトーションバネ931は、図29の待機状態や図31の出現時の状態において、付勢力をほとんど生じないか生じたとしても比較的小さい付勢力しか生じ得ない体勢とされる。一方、図30の動作途中の状態において、トーションバネ931は、比較的大きな付勢力を付与可能な体勢となる。突出ピン932は、図29の待機状態や図30の動作途中の状態において、揺動部材930の凹部930Cに入り込んで当接した状態とされる。一方、図31の出現時の状態において、突出ピン932は、揺動部材930の凹部930Cから完全に外出した状態となる。
次に、図32(A)〜(D)を参照して動作補助機構93の動作について説明する。まず、図32(A)に示すように、待機状態にある場合、揺動部材930は、先端部930Bが最高位に位置する状態とされ、突出ピン932は、図示しないベース部材910とともに比較的上方に位置し、揺動部材930の凹部930Cに入った状態とされる。
このとき、トーションバネ931は、その先端部931Aから揺動部材930の先端部930Bに対して弾性的に付勢する力(付勢力)を付与するが、この付勢力は、揺動部材930の中間部930Aと先端部930Bとを結ぶ回転半径dに対して少なくとも下向きに回転させる方向に作用しない。これにより、揺動部材930は、トーションバネ931の付勢力が比較的弱く作用するものの、ベース部材910とともに突出ピン932が下方に移動しない限り、先端部930Bが最高位に位置する状態に維持される。
次に、図32(B)に示すように、ベース部材910とともに突出ピン932が下方に移動し始めると、揺動部材930は、突出ピン932によって凹部930Cの内壁が下方に押しやられることで先端部930Bが下方に揺動する。
このとき、揺動部材930の先端部930Bが支持部931Cに対して近づくことから、トーションバネ931の先端部931Aと基端部931Bとは、互いの間隔が徐々に小さくなり、先端部931Aから揺動部材930の先端部930Bに対する付勢力が増す。一方、このようにして増加する付勢力であっても、その作用する方向が回転半径dに対して概ね平行となるまでは、揺動部材930を下向きに回転させる方向には作用しない。これにより、揺動部材930は、トーションバネ931の付勢力が次第に強く作用するものの、ある程度傾いた姿勢となるまでは下向きの力を突出ピン932に作用させない。
さらに、図32(C)に示すように、ベース部材910とともに突出ピン932が下方に移動すると、揺動部材930は、突出ピン932によって凹部930Cの内壁がさらに下方へと押しやられることで先端部930Bがより下方に揺動する。
このときも、揺動部材930の先端部930Bが支持部931Cに対して比較的接近していることから、トーションバネ931の先端部931Aと基端部931Bとは、互いの間隔が比較的小さくなっている。その結果、トーションバネ931の先端部931Aからは、揺動部材930の先端部930Bに対して十分な付勢力が作用する。そして、この付勢力は、作用する方向が回転半径dに対して下向きに回転させる方向に作用する。これにより、揺動部材930は、図32(B)に示す途中の位置までは突出ピン932に従って下方に揺動するものの、図32(C)に示すような位置まで揺動すると、上記とは逆に、凹部930Cの内壁に当接する突出ピン932に対して下向きに押し出す力を付与する。これにより、突出ユニット91Dは、左右両側のアーム部材924E、924Fによって移動する力だけでなく、揺動部材930及びトーションバネ931を用いた動作補助機構93の作用する力によってもスムーズに下降移動させられる。
最終的に、図32(D)に示すように、ベース部材910とともに突出ピン932が最低位の位置まで移動すると、突出ピン932は、凹部930Cから外出した状態となり、揺動部材930は、先端部930Bが最も下方に位置した状態となる。このとき、トーションバネ931は、付勢力をほとんど生じない自然な姿勢となる。これにより、揺動部材930の先端部930Bから支持部931Cまでの間隔は、トーションバネ931が自然な姿勢とる際の先端部931Aと基端部931Bとの離間距離と同等程度となり、その離間距離以上に拡大しないように規制される。その結果、揺動部材930が凹部930Cを概ね下方に向けた姿勢のまま維持され、突出ユニット91Dは、最低位の位置まで下降した状態で維持される。
なお、突出ユニット91A〜91Dが最低位の位置まで下降して出現した状態から、待機位置となる最高位の位置まで上昇して待機状態へと戻る際には、上述した動作とは逆の手順に従って動作補助機構93が動作する。これにより、突出ユニット91Dは、下降移動の際だけでなく上昇移動する際にも、揺動部材930及びトーションバネ931を用いた動作補助機構93の作用力を介してスムーズに動作させられる。また、トーションバネ931の付勢力は、図32(D)の状態では0ではなく図32(A)の状態よりも小さい付勢力が作用する状態でもよい。具体的に、トーションバネ931の付勢力の大きさについては、図32(A)〜(D)の参照符号を用いて表すと、(D)<(C)≦(A)≦(B)となるように変化してもよい。また、上記のような付勢力の大きさ変化に限定されるものではなく、図32(D)の状態では、比較的大きく揺動することで下方へと変位する先端部930Bに対してトーションバネ931の付勢力が同図(D)の位置に留めようとする力として作用するようにしてもよい。すなわち、揺動部材930が所定方向に回転することで下方の所定位置へと回転させられる際にその所定位置を越えると、トーションバネ931の付勢力が所定方向とは逆方向に作用するようにしてもよい。
このような動作補助機構93によれば、突出ユニット91Dが最高位から最低位の位置へと下降移動する途中において、トーションバネ931は、その基端部931Bを支点に姿勢変化することにより、先端部931Aから揺動部材930に対して上向きから下向きの付勢力に切り替えて付与することができる。揺動部材930は、突出ピン932を介して突出ユニット91Dに連動することで揺動しつつ、突出ピン932に対してトーションバネ931からの付勢力を伝えることできる。
すなわち、突出ユニット91Dは、下向きに下降移動する際、途中から下向きの付勢力が揺動部材930によって加えられる一方、最低位から最高位の位置へと上昇移動する際においても、途中から上向きの付勢力に切り替えて加えられるので、従来のように別途重りを用いることなく、上下方向に沿ったスムーズな動きを実現することができる。これにより、突出ユニット91Dを含む複数の突出ユニット91A〜91Gを同時に支障なく出現させることができ、第1突出装置9Aによる動的な演出効果を高めることができる。
<第2突出装置>
第2突出装置9Bは、図23等を参照して簡単に説明する。第2突出装置9Bは、ベース部材95と、突出部材96と、突出部材96を上下方向に動作させるための揺動アーム97と、揺動アーム97を駆動する演出用駆動モータ60Eとを有して構成される。なお、図23には示されないが、揺動アーム97を駆動する部材の一部を光学的に検出可能な演出用センサ210Eが配置されている(図33参照)。
ベース部材95は、開口部130aの下方に配置される。突出部材96は、ベース部材95に設けられた案内溝に沿って上下方向に移動可能に支持される。この突出部材96は、待機状態においては開口部130aの下方に位置することにより、表示領域13aと概ね重なることなく隠れた状態になる。このとき、演出用センサ210Eにより揺動アーム97を駆動する部材の一部が検出されることにより、突出部材96が待機状態にあることが認識される。一方、演出用駆動モータ60Eが所定の回転方向に作動すると、揺動アーム97が上側に揺動させられる。これにより、突出部材96は、開口部130aの中央へと上昇し、表示領域13aの前方に出現した状態となる。なお、突出部材96が出現した状態から待機する状態に戻る際には、上述した動作とは逆向きに揺動アーム97が動作される。また、突出部材96は、透光性を有するカバーを備え、内部には、LED59E(図33参照)を搭載した電飾基板が設けられている。
このような第2突出装置9Bの突出部材96は、シャッタ装置8の可動ユニット81A、81Bや、第1突出装置9Aの突出ユニット91A〜91Gと同時に出現したり、あるいは単独で出現させられる。このような第2突出装置9Bによっても動的な演出効果を高めることができる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
特別図柄表示装置61は、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する7セグ表示器により特別図柄表示装置61を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。
すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。
一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置であり、普通図柄表示装置62は、複数のLED(普通図柄表示LED)により構成される。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置であり、普通図柄保留表示装置63は、複数の普通図柄保留表示LEDを備えており、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて普通図柄保留表示LEDが表示され、普通図柄保留表示LEDは、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、第1特別図柄保留表示装置64は、複数の第1特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的に、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第1特別図柄保留表示LEDが表示され、第1特別図柄保留表示LEDは、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、図5に示すように、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置であり、第2特別図柄保留表示装置65は、複数の第2特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的には、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第2特別図柄保留表示LEDが表示され、第2特別図柄保留表示LEDは、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[パチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図33を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図33は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図33に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200と、主に遊技球の払出や発射に関する制御を行う払出・発射制御回路300とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory)73とを備える。また、主制御回路70は、リセット用クロックパルス発生回路74と、初期リセット回路75と、シリアル通信用IC(Integrated Circuit)76とを備える。なお、上述のように、本実施形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、リセット用クロックパルス発生回路74、初期リセット回路75、シリアル通信用IC76等が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
リセット用クロックパルス発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信用IC76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図33に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。
これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。
また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図33に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントセンサ53c、54c、一般入賞球センサ51a、52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a及び第2始動口入賞球センサ45a、バックアップクリアスイッチ121等が接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。
一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。また、バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出・発射制御回路300に出力する。
主制御回路70には、払出・発射制御回路300が接続される。ここで、主制御回路70は、所定の払出条件が成立したことを条件に払出される遊技球の数である賞球数を決定する。所定の払出条件は、上述した各種始動口や各種入賞口に遊技球が入賞したことである。
また、主制御回路70は、上述のように決定された賞球数を含む情報を賞球制御コマンドとして払出・発射制御回路300に送信する。
[払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路300は、CPU、ROM、RAMといったマイクロコンピュータを備える。払出・発射制御回路300には、払出装置170が接続され、払出・発射制御回路300のマイクロコンピュータは、例えば払出装置170による遊技球の払出動作を制御する。
また、払出・発射制御回路300には、遊技球の発射を行う発射装置15、外部端子板140、及びカードユニット150が接続される。外部端子板140には、データ表示器141が接続され、カードユニット150には、貸し出し用操作部151が接続される。
ここで、カードユニット150は、所定の払出条件が成立したことを条件に払出される遊技球の数である貸し球数を決定する。なお、所定の払出条件は、上述した貸し出し用操作部151が操作されたことである。
払出・発射制御回路300は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる制御を行う。
外部端子板140は、ホール(遊技場)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部にホールの付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸出を要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出・発射制御回路300に送信する。
このような払出・発射制御回路300は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、払出装置170に対して所定の信号を送信する。これにより、払出装置170は、遊技球を払出す。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信用IC76に接続される。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、ランプ18の制御、シャッタ装置8や突出装置9による演出動作の制御等を行う。
すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成としたが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
副制御回路200は、図33に示すように、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、ランプ制御回路207と、駆動制御回路60とを備える。サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206、ランプ制御回路207及び駆動制御回路60が接続される。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブルが記憶される。そして、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、本実施形態では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72及びプログラムROM202を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD-ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。
また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、メインRAM73やワークRAM203等に記録されてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域と作用し、サブCPU201が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態では、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を液晶表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、図示しないが、画像データプロセッサ(以下、VDP(Video Display Processor)と称する)、画像データROM、フレームバッファ、及び、D/A(Digital to Analog)コンバータ等を有する。
なお、画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶される。フレームバッファは、画像データを一時的に保存する。また、D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、液晶表示装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。また、表示制御回路205は、サブCPU201から供給される画像表示命令に基づいて、装飾図柄(演出用識別図柄)を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号に変換し、その画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置13に供給する。これにより、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、及び、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を有する。
なお、音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される音声発生命令に基づいて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。
そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。また、AMPは、音声信号を増幅して、スピーカ11から音声を発生させる。
ランプ制御回路207は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、及び複数種類のランプ点灯パターンが記憶されているランプデータROM等を有する。ドライブ回路は、サブCPU201から供給されるランプ点灯命令に基づいて、ランプデータROMに記憶されている複数の点灯・点滅パターンから一つのランプ点灯・点滅パターンを選択する。これにより、点灯・点滅パターンに応じてLED59A〜59Eが点灯あるいは点滅する。
駆動制御回路60は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、シャッタ装置8や突出装置9の演出用駆動モータ60A〜60Eを駆動する。
また、副制御回路200には、シャッタ装置8や突出装置9の動作を検出するための演出用センサ210A〜210Eと、演出ボタン23が押下操作されたことを検出する演出ボタンスイッチ230と、ジョグダイヤル24が回転操作された際の回転方向や操作量を検出するジョグダイヤルスイッチ240とが接続される。サブCPU201は、演出用センサ210A〜210Eからの検出信号がオンとして入力されると、シャッタ装置8や突出装置9が待機状態にあると認識し、演出用センサ210A〜210Eからの検出信号がオフとして入力されると、シャッタ装置8や突出装置9が演出動作状態にあると認識する。また、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ230やジョグダイヤルスイッチ240からの検出信号に応じて所定の演出表示が行われるように制御する。
このような副制御回路200は、所定の演出画像を液晶表示装置13に表示させるとともに、シャッタ装置8や突出装置9に所定の演出動作を行わせ、それに伴い、スピーカ11から音声を発生させたり、LED59A〜59C、59e〜59hを点灯あるいは点滅させることによって演出表示を行わせる。
以下に、パチンコ遊技機1で実行される処理を図34〜図41に示す。
[メイン処理]
最初に、図34に示すように、メインCPU71は、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化などの初期設定処理を実行する(S11)。そして、詳しくは図36を用いて後述するが、メインCPU71は、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示装置61に表示される特別図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(S12)。
そして、詳しくは図39を用いて後述するが、メインCPU71は、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示装置に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(S13)。そして、メインCPU71は、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理の実行の結果に従って、特別図柄、普通図柄などの可変表示の表示制御を行う図柄表示装置制御処理を実行する(S14)。
このように、メイン処理においては、初期設定処理(S11)が終了した後、特別図柄制御処理(S12)、普通図柄制御処理(S13)、図柄表示装置制御処理(S14)を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU71は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路74から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図35を用いて説明する。
最初に、図35に示すように、メインCPU71は、当り判定用乱数カウンタ、当り図柄決定用乱数カウンタなどの各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(S31)。そして、メインCPU71は、第1始動口44、第2始動口45などへの遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(S32)。そして、メインCPU71は、主制御回路70と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、第1大入賞口53、第2大入賞口54の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマの更新処理を実行する(S33)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータなどに供給するために、出力処理を実行する(S34)。
そして、メインCPU71は、各種のコマンドを副制御回路200に供給するコマンド出力処理を実行する(S35)。そして、メインCPU71は、払出・発射制御回路300に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路300へ送信するなどの払出処理を実行する(S36)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図34の特別図柄制御処理(S12)について図36及び図37を用いて説明する。なお、図36において、各処理の側方に描いた数値は、それら各処理に対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図36に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする処理を実行する(S51)。
なお、後述する各処理において、メインCPU71は、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU71は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を実行する(S52)。メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出特別図柄、特別図柄の変動パターンなどの決定を行う。また、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、後述する特別図柄変動時間管理処理(S53)を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU71は、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。
そして、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を実行する(S53)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する特別図柄表示時間管理処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を実行する(S54)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU71は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り開始インターバル管理処理を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU71は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU71は、大当りであると判別した場合には、大当り開始インターバル管理処理を実行する(S55)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるために、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。メインCPU71は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、後述する大入賞口開放中処理を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を実行する(S56)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。
メインCPU71は、いずれかの条件を満たした場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を閉鎖させるために、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU71は、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述する大入賞口内残留球監視処理(S57)を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視処理を実行する(S57)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判断する。
メインCPU71は、この条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大当り終了インターバル処理の処理(S59)を実行するように設定することとなる。
一方、メインCPU71は、この条件を満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述する大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S58)を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上ではないと判別した場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する(S58)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU71は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU71は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、上述した大入賞口開放中処理(S56)を再度実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を実行する(S59)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、後述する特別図柄ゲーム終了処理(S60)を実行するように設定することとなる。
そして、メインCPU71は、大当り図柄が確変図柄である場合には、確変状態に移行させる制御を行うとともに、大当り図柄が非確変図柄である場合には、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。
そして、メインCPU71は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、はずれとなった場合には、特別図柄ゲーム終了処理を実行する(S60)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU71は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU71は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した特別図柄記憶チェック処理(S52)を実行するように設定することとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的に、メインCPU71は、図37に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図37に示す特別図柄記憶チェック処理(S52)、特別図柄変動時間管理処理(S53)、特別図柄表示時間管理処理(S54)、特別図柄ゲーム終了処理(S60)の処理を所定のタイミングで実行することとなる。
また、メインCPU71は、大当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図37に示す特別図柄記憶チェック処理(S52)、特別図柄変動時間管理処理(S53)、特別図柄表示時間管理処理(S54)、大当り開始インターバル管理処理(S55)の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。
さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図37に示す大入賞口開放中処理(S56)、大入賞口内残留球監視処理(S57)、大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S58)の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技を実行することとなる。
なお、大当り遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図37に示す大入賞口開放中処理(S56)、大入賞口内残留球監視処理(S57)、大当り終了インターバル処理(S59)、特別図柄ゲーム終了処理(S60)の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図36及び図37の特別図柄記憶チェック処理(S52)について図38を用いて説明する。
最初に、図38に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行う(S81)。メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、保留個数が“0”であるか否かの判断を行う(S82)。一方、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
そして、メインCPU71は、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、デモ表示処理を実行する(S83)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU71は、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する(S84)。
そして、メインCPU71は、大当り判断処理を実行する(S85)。この処理において、メインCPU71は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。
このように、高確率フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が確変状態である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。そして、メインCPU71は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。つまり、メインCPU71は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。
そして、メインCPU71は、特別図柄決定処理を実行する(S86)。この処理において、メインCPU71は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を読み出し、その大当り図柄用乱数値と、上述した大当り判定の結果と、に基づいて、特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAMの所定領域に記憶する。また、メインCPU71は、特別図柄を特別の表示態様(大当り図柄が確変図柄となる表示態様)として決定する場合には、確変状態に移行させる制御を行うこととなる。
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置に供給される。これによって、特別図柄表示装置に、特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、主制御回路のメインCPUから副制御回路のサブCPUに導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置に導出表示されることとなる。
そして、メインCPU71は、変動パターン決定処理を実行する(S87)。この処理において、メインCPU71は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU71は、上述したように決定された特別図柄に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU71は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAMの所定領域に記憶する。メインCPU71は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置に供給される。これによって、特別図柄表示装置に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU201に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU201は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。
そして、メインCPU71は、決定した変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし(S88)、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(S89)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[普通図柄制御処理]
図34の普通図柄制御処理について図39を用いて説明する。なお、図39において、各処理の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図39に示すように、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグを読み出す(S131)。
なお、後述する処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU71は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPU71は、普通図柄記憶チェック処理を実行する(S132)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。そして、メインCPU71は、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動時間を経過した後、後述する普通図柄変動時間監視処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPU71は、普通図柄変動時間監視処理を実行する(S133)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述する普通図柄表示時間監視処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPU71は、普通図柄表示時間監視処理を実行する(S134)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPU71は、当りである場合に、普通電役開放設定処理を実行し、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする(S135)。つまり、後述する普通電動役物開放処理を実行するように設定するのである。
一方、メインCPU71は、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする(S136)。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPU71は、普通電動役物開放処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通電役開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、普通電役開放時間タイマが“0”であるという条件のいずれかを満たすか否かを判断する。
メインCPU71は、いずれかの条件を満たした場合に、普通電動役物である羽根部材を閉鎖状態にさせるために、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述する普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU71は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU71は、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図40を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、図40に示すように、サブCPU201は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(S151)。そして、サブCPU201は、ワークRAM203の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する乱数更新処理を実行する(S152)。
そして、詳しくは図41を用いて後述するが、サブCPU201は、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じたコマンド解析処理を実行する(S153)。そして、サブCPU201は、液晶表示装置13における画像の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S154)。そして、サブCPU201は、スピーカ11から発生させる音の制御を行う音声制御処理(S155)、各種のランプの発光制御を行うランプ制御処理(S156)、シャッタ装置8又は突出装置9の動作制御を行う可動演出制御処理(S157)を実行する。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、初期設定処理が終了した後、乱数更新処理から可動演出制御処理を繰り返し実行することとなる。
[コマンド解析処理]
図40のコマンド解析処理について図41を用いて説明する。
最初に、図41に示すように、サブCPU201は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断する(S171)。この処理において、サブCPU201は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM203の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出す(S172)。これ以降の処理については以下に詳しく説明する。一方、サブCPU201は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
受信コマンドがあると判別した場合には、サブCPU201は、読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S173)。サブCPU201は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、装飾図柄の変動パターン、背景画像を表示する画像演出パターン、シャッタ装置8又は突出装置9による可動演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する演出パターン決定処理を実行する(S174)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPU201は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、読み出したコマンドデータに基づいて、導出図柄指定コマンドを受信したか否かを判断する(S175)。サブCPU201は、導出図柄指定コマンドを受信したと判別した場合には、導出図柄指定コマンドに基づいて、導出表示させる装飾図柄を決定する導出装飾図柄決定処理を実行し(S176)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU201は、導出図柄指定コマンドを受信していないと判別した場合には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(S177)、本サブルーチンを終了する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機、ゲーミングマシン、封入式遊技機、スロットマシン及びパチスロ遊技機等の各種遊技機に適用することもできる。
また、上記実施形態では、トーションバネ931を適用したが、これに代えて例えば所望とする形状に屈曲させた板バネを用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、最上部の突出ユニット91Dのみに対応付けて動作補助機構93を設けているが、例えば他の突出ユニットに夫々対応するように同様の動作補助機構を設けてもよい。
また、上記実施形態では、左右一対のリンク機構92A、92Bをそれぞれ駆動させるために2つの演出用駆動モータ60C、60Dを用いたが、動作補助機構93により補助されることで所望とする駆動力が得られる場合は、より少ない1つの駆動モータによって複数のリンク機構を駆動させるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、遊技球が入賞口に入賞した際に払い出される賞球数が所定数として入賞口毎に予め定められているが、所定数という場合には0以上の賞球であればよい。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
例えば、遊技球を用いた遊技機としては、いわゆるパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、画像を表示する画像表示領域の前方に演出用の役物として出現可能な可動部材を備えている。例えば、遊技盤の後方左右両側に配置された2つの可動部材は、画像表示領域の前方において左右横方向に移動可能に設けられている。これらの可動部材は、左右両側から中心に向かって移動し、画像表示領域の中央で合体(当接)することにより、例えばハート形を形成するようになっている(例えば、特開2011−218098号公報参照)。
しかしながら、上記従来の可動部材を備えた遊技機では、左右横方向に移動する扉状の可動ベースに可動部材が固定されているだけであり、可動部材の動きとしては単調さが否めず、動的な演出効果をより一層高める余地があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、可動部材の複雑な動きを実現することができ、ひいては動的な演出効果を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記A1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出装置(例えば、シャッタ装置8)を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記演出装置は、
第1方向に移動可能な第1可動部材(例えば、スライド部材810)と、
前記第1可動部材に変動可能に支持された第2可動部材(例えば、アーチ部材811、812)と、
前記第2可動部材を前記第1方向に誘導可能なガイド部材(例えば、ベース部材80A、80B、80C)と、
前記ガイド部材に連結され、前記第1可動部材に変位可能に支持された第1連結部材(例えば、第2リンク部材815、816)と、
前記第1連結部材に一端が連結されるとともに、前記第2可動部材に他端が連結され、前記第1可動部材に回動可能に支持された第2連結部材(例えば、第1リンク部材813、814)と、
を備え、
前記第1可動部材が前記第1方向に移動する際、
前記第1連結部材は、前記ガイド部材に誘導されて前記第1方向に移動しつつ当該第1方向とは異なる第2方向に変位し、
前記第2連結部材は、前記第1連結部材の変位に応じて回動し、
前記第2可動部材は、前記第1方向に移動しつつ前記第2連結部材の回動に応じて少なくとも当該第1方向とは異なる方向に変動可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1可動部材が第1方向(例えば左右方向)に移動する際、第1連結部材は、ガイド部材に誘導されて第1方向に移動しつつも第2方向(例えば上下方向)に変位し、第2連結部材は、第1連結部材の変位に応じて回動し、その結果、第2可動部材は、第1可動部材とともに第1方向に移動しながら第2連結部材の回動に応じてこれとは異なる方向(例えば回動方向)にも変動可能となる。すなわち、第2可動部材は、第1方向に移動しつつ異なる方向にも同時に動くので、従来とは趣の異なる複雑な動きを実現することができ、動的な演出効果を高めることができる。
(付記A2)
本発明の好ましい実施の形態は、
前記第2可動部材は、
光を発生する発光部(例えばLED59D)を有する発光基板(例えば、電飾基板8111)と、
前記発光部からの光を通す透光面(例えば、透光部8112a)と、
前記発光部からの光を反射する反射面(例えば、装飾カバー8113の背面)と、
を有し、
前記発光部は、発生した少なくとも一部の光が前記反射面に入射可能に配置され、
前記反射面は、前記発光部からの少なくとも一部の光を前記発光基板に向けて反射可能であり、
前記発光基板は、前記反射面からの少なくとも一部の光を前記透光面に向けて反射可能であり、
前記透光面は、前記発光基板からの少なくとも一部の光を透光可能に配置されていることを特徴とする。
このような構成によれば、発光基板の発光部から発生した少なくとも一部の光が反射面に入射し、この反射面からの光が発光基板でさらに反射して発光基板に向けて進み、発光基板からの光が透過するように透光面が配置されている。すなわち、比較的高輝度の発光部は、反射面の後方に位置するので、外方からの発光部の視認性を低減させることができ、ひいては発光部を目立たせること無く、視覚的効果を向上させることができる。
例えば、遊技球を用いた遊技機としては、いわゆるパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、画像を表示する画像表示領域の前方に演出用の役物として出現可能な可動部材を備えている。例えば、遊技盤の後方上側に配置された可動部材は、演出装置によって画像表示領域の前方において上部から落下するようになっている(例えば、特開2013−39477号公報参照)。
しかしながら、上記従来の可動部材を備えた遊技機では、可動部材を落下させる演出装置の構造から落下速度が足りないので、落下速度を上げるために例えば可動部材に重りを付加されている。そのため、役物が上昇する際に重りが負荷となって動きが緩慢となり、スムーズな動きを行うことができないという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、演出装置による可動部材のスムーズな動きを実現することができ、動的な演出効果を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記B1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
演出装置(例えば、第1突出装置9A)を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記演出装置は、
ベース部材(例えば、ベース部材90)と、
前記ベース部材に対して所定方向に移動可能に支持され、突出部(例えば、突出ピン932)を有する第1可動部材(例えば、突出ユニット91D)と、
前記突出部に当接可能であり、前記ベース部材に回動可能に支持された第2可動部材(例えば、揺動部材930)と、
前記第1可動部材を前記所定方向に駆動するための駆動機構(例えば、リンク機構92A、92B)と、
前記ベース部材に一端が連結されるとともに、前記第2可動部材に他端が連結され、両端に付勢力を付加可能な付勢部材(例えば、トーションバネ931)と、
を備え、
前記駆動機構により駆動されることで前記第1可動部材が前記所定方向に沿う第1位置から第2位置に移動する際、
前記付勢部材は、前記一端を支点に姿勢変化しつつ、前記他端から前記第2可動部材に対して前記第1位置から前記第2位置に向かう回動方向に少なくとも沿う付勢力を付与し、
前記第2可動部材は、前記突出部を介して前記第1可動部材に連動することで前記回動方向に回動しつつ、当該第1可動部材に対して前記付勢部材からの付勢力を伝達可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1可動部材が第1位置から第2位置に移動する際、付勢部材は、一端を支点に姿勢変化しつつ、他端から第2可動部材に対して第1位置から第2位置に向かう回動方向に少なくとも沿う付勢力を付与し、その結果、第2可動部材は、突出部を介して第1可動部材に連動することで回動方向に回動しつつ、第1可動部材に対して付勢部材からの付勢力を伝達し得る。すなわち、第1可動部材は、所定方向に沿って例えば落下するように駆動される場合、第1位置から第2位置に向かう少なくとも下向きの付勢力が第2可動部材から加えられる一方、第2位置から第1位置へと上昇する際には、従来のような重りの負荷がないので、所定方向に沿ったスムーズな動きを実現することができ、動的な演出効果を高めることができる。
(付記B2)
本発明の好ましい実施の形態は、
前記付勢部材は、前記第1可動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動する際に、前記第2可動部材に対して前記回動方向とは反対方向に沿う付勢力を付与する姿勢から、前記回動方向に沿う付勢力を付与する姿勢に順次変化することを特徴とする。
このような構成によれば、第1可動部材が第1位置から第2位置に移動する途上、第2可動部材に対して付勢力が作用する方向が逆転し、第1可動部材に対して途中から移動方向と同方向に付勢力が作用することになるので、第1可動部材に対して移動途中から所定方向に付勢力を作用させることができ、簡素な構成によって付勢力の方向転換を行うことができる。
例えば、遊技球を用いた遊技機としては、いわゆるパチンコ遊技機が知られている。昨今のパチンコ遊技機は、ランプや駆動モータなどといった多数の電気機器を搭載しているため、静電気対策が施されている。例えば、遊技盤には、金属片が設けられており、この金属片にアース線の一端が接続されるとともに、アース線の他端が他の導電部材に接続されることにより、遊技盤に発生した静電気をアース線を通じて除去している(例えば、特開2012−176102号公報参照)。
しかしながら、上記従来の静電気対策が施された遊技機では、遊技盤とは別に、例えばLED基板を有する装飾ユニットにも静電気が発生し易いものの、装飾ユニットについては静電気対策が施されていない。この種の装飾ユニットは、構造的に複数の装飾部材を組み合わせて構成されているため、装飾部材にアース線接続用の金属片を設けることによっては、光の視認性や脱着の簡便性を阻害しかねず、装飾部材としての装飾機能や取り扱い易さを損なわないアース接続を行うことができないという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、装飾部材について装飾機能や取り扱い易さを損なうことなく静電気対策を施すことができる遊技機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
(付記C1)
本発明の一側面に係る遊技機は、
装飾ユニット(例えば、ロゴユニット58)を備えた遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記装飾ユニットは、
外方に露出して設けられ、導電性を有する第1装飾部材(例えば、前面カバー580)と、
前記第1装飾部材の後方に設けられ、当該第1装飾部材の少なくとも一部が挿通する挿通口(例えば、挿通口582Cb)を有する第2装飾部材(例えば、側方カバー582C)と、
前記第2装飾部材の後方に設けられ、前記挿通口を通じて前記第1装飾部材の少なくとも一部と接触しつつ前記第2装飾部材を固定可能であり、導電性を有する第3装飾部材(例えば、導電性部材582E)と、
を備え、
前記第1装飾部材は、前記挿通口を通じて前記第3装飾部材へと静電気が除去されることを特徴とする。
このような構成によれば、第1装飾部材、第2装飾部材、及び第3装飾部材による光の視認性や脱着の簡便性を阻害することなく、装飾部材としての装飾機能や取り扱い易さを損なわずに第1装飾部材の静電気を第3装飾部材を通じて除去することができる。
(付記C2)
本発明の好ましい実施の形態は、
前記装飾ユニットは、遊技機の前方において突出するように設けられ、
前記第1装飾部材は、前記装飾ユニットの周囲に位置する固定部位が再脱着困難な係止部材(例えば、係止キャップ581B)を介して固定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、第1装飾部材が最も外側に配置されることで人為的に触れ易いものの、静電気が効果的に除去されることでたとえ触れても不快に感じられないようにすることができる。また、第1装飾部材は、再脱着困難な係止部材を介した固定により装飾ユニットとして一体的に取り扱い易い一方、固定された後は容易に取り外すことができないので、装飾ユニットから内部への不正行為等による進入を効果的に防止することができる。
(付記C3)
本発明の他の好ましい実施の形態は、
前記装飾ユニットはさらに、
内部に収容されるスピーカ(例えば、スピーカ11)と、
前記第1装飾部材、前記第2装飾部材、前記第3装飾部材、及び前記スピーカと近接する導電性部材(例えば、スピーカホルダ110A、スピーカカバー110B)と、
を備え、
前記スピーカは、前記導電性部材と導通接続され、当該導電性部材を通じて静電気が除去されることを特徴とする。
このような構成によれば、スピーカの静電気も導電性部材を通じて除去することができるので、装飾ユニットにおいて発生する静電気を十分に排除することができる。
遊技機としては、例えばパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2013−13801号公報参照)。しかしながら、このパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。