以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を前方側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や左枠ランプ122L、右枠ランプ122R、および上部枠ランプ122Uが取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。前面枠扉106は、扉体の一例に相当する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている球貯留皿126と、球貯留皿126に貯留された遊技球を遊技者の操作によって球貯留皿126から排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置の演出態様に変化を与える演出ボタン136と、演出ボタン136に内蔵され、その演出ボタン136を発光させるボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、を備える。また、図1では不図示であるが、球貸操作ボタン140の右横には、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタンも設けられている。さらに、十字キーや決定ボタンが配置された操作キーユニット190も備えている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射し、発射手段の一例に相当する。
図2は、図1のパチンコ機100を裏側から見た背面図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600(図4参照)へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した球貯留皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
また、本実施形態では、主基板156上に、設定変更キー192と、設定変更ボタン194及び役物比率・設定表示器196が設けられている。本実施形態では、電源投入時にRAMクリアスイッチ180が押下されることを条件に設定変更キー192が操作されると、少なくとも大当り確率が異なる複数の設定からいずれかに設定することができる設定変更モードに移行することができる。設定変更モードにおいては、現在の設定が役物比率・設定表示器196に表示され、店員は、これを確認しながら設定変更ボタン194を押下することにより設定の変更を行うことができる。なお、電源投入時にRAMクリアスイッチ180の押下がなくとも、電源投入時に設定変更キー192が操作された場合に設定変更可能な構成としてもよい。
役物比率・設定表示器196は、主基板156に実装されるとともに主基板ケース158の内部に配置される7セグLED基板であり、店員に視認可能な態様で取り付けられている。役物比率・設定表示器196は、図12(A)に示すように、2ケタの7セグLEDが上下に配置されるとともに、右側に1ケタの7セグLEDがモジュール化されたものであり、役物比率モニタは、役物比率(YH)及び連続役物比率(RY)を報知するインジケータであり、設定モニタは、現在の設定を確認するためのモニタである。役物比率・設定表示器196は、例えば、赤色の単色LEDにより構成されているが、赤・緑・オレンジの3色により発光可能なものとしてもよいし、フルカラーLEDであってもよい。なお、役物比率・設定表示器196のうちの少なくとも一部を、例えば、遊技盤200に設けて遊技者に視認可能としてもよい。
また、本実施形態では、第1副基板ケース162の背面に、ディップスイッチ基板198が配設されている。ディップスイッチ基板198の詳細については後述する。
図3(a)は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。ここで、矢印d2及びd3はパチンコ機100を設置場所に固定した状態における方向を示している。矢印d2はパチンコ機100の幅方向(左右方向と呼ぶ場合がある)を示し、正面視で左手を左、右手を右と呼ぶ場合がある。矢印d3はパチンコ機100の高さ方向(上下方向と呼ぶ場合がある)を示し、高い方を上、低い方を下と呼ぶ場合がある。なお、図3では図示しないが、パチンコ機100の奥行き方向(前後方向と呼ぶ場合がある)では、手前側を前方側又は正面側と呼ぶ場合があり、奥側を後方側又は背面側と呼ぶ場合がある。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
本体104に対する遊技盤200の取付構造は、様々な構造を採用可能であるが、例えば、本体104の正面視左側(ヒンジ部112側)に遊技盤200の正面視左側部200aを挿入し、ここを回動中心として遊技盤200を回動させつつ遊技盤200の正面視右側部200bを本体104に押圧し、セットする構造を採用可能であり、このような構造であれば作業性を向上できる場合がある。
遊技盤200は、板状の本体となる遊技板201に各種の部品が取り付けられたユニットである。遊技板201は、例えば、樹脂により形成され、その表面(正面)は、パチンコ機100のキャラクタ等を表示した装飾面を構成する。装飾面は、例えば、パチンコ機100のキャラクタ等を印刷したシートを貼り付けることで形成してもよい。遊技板201の右下方には振動センサSR3が配設されている。振動センサSR3で検出された場合、エラー処理(例えば画像や音による報知、遊技の継続を不能とする遊技停止等)を行うことができる。振動センサSR3は磁気センサ等、他の不正検出センサであってもよい。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。外レール202の一部は、本体104に着脱自在なレール部材209により形成されている。遊技領域124のうち、外レール202と内レール204との間の領域は発射された遊技球を案内する案内領域201aを形成している。
遊技盤200の遊技領域124以外の領域を非遊技領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124と非遊技領域とは外レール202を境界として区別することができる。また、遊技球の発射強度を最大にした状態で遊技球が通過する領域よりも内側の領域は少なくとも遊技領域124と呼ぶことができる。遊技領域124は、遊技領域124内に演出装置等が存在することで遊技球が通過しない領域を含む場合がある。遊技中に遊技球が流下する点で遊技領域124を流下領域と呼び、メンテナンスやアクシデントを除いて遊技中に遊技球が流下しない点で非遊技領域を非流下領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124は、その全域を流下領域と呼ぶことも可能であるが、演出装置等の存在により遊技球が流下することがない領域は非流下領域と呼んでもよい。
遊技領域124の略中央には、装飾図柄表示装置208を配設している。遊技領域124よりも下方には、主制御ランプ基板254が設けられており、図3(b)に示すように、主制御ランプ基板254上には、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプRKと、電サポ中ランプRDと、右打ちランプRMと、ラウンド表示ランプRRとを配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
図3(b)に示すように、普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では縦2つのLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態ではそれぞれ上下2段、合計8つのLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。また、第2特別図柄保留ランプ220は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
また、高確中ランプRKは、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプである。電サポ中ランプRDは、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、後述する電動チューリップ(電チュー)の羽根部材2311(図35参照)が長時間開放しやすい電サポ状態であることを示すためのランプである。右打ち表示ランプRMは、大当り遊技状態、確変状態及び電サポ状態であって、遊技者が右打ちすることでその恩恵を得られる状態となったことを示すためのランプである。ラウンド表示ランプRRは、大当りとなった場合に、当該大当りに係る大当り遊技におけるラウンド数を示すためのランプである。
図3(a)に示す遊技盤200には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244が設けられている。ワープ装置242は、装飾図柄表示装置208の左側に設けたワープ入口242aに入った遊技球をワープ出口242bからステージ244に排出する。ステージ244は、装飾図柄表示装置208よりも、下方でかつ前方側に設けられたものであり、ワープ装置242を抜けた遊技球が、往復動や回転運動等の動きをみせる舞台である。このステージ244では、遊技球が往復動や回転運動することで遊技球の滞留時間が長くなる。ステージ244にはステージカバー245が設けられている。ステージ244およびステージカバー245については、さらに後述する。
また、遊技領域124の上部には、本体104に支持されて第1演出可動ユニット7が配置されている。さらに、ステージ244よりも下方かつ後方側には、本体104に支持されて第2演出可動ユニット8が配置されているが、この図3(a)では、第2演出可動ユニット8は見えていない。上部の第1演出可動ユニット7および、後方側に隠れている第2演出可動ユニット8についても、後述する。
図3(a)に示すように、遊技領域124の上部の一部は、装飾上カバー203で覆われている。また、遊技領域124の右上部は、装飾右上カバー205で覆われており、装飾右上カバー205の奥(後方側)には、普図始動口228が配置されている。普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は、遊技島側に排出することはないが、入球した場合に所定の個数(例えば、1個)の賞球を払い出すとともに、入球した遊技球をパチンコ機100の裏側に誘導して遊技島側に排出するようにしてもよい。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
また、本実施形態では遊技盤200の中央下部に第1特図始動口230が1つ配設されている。この第1特図始動口230は、左側に延びたランプユニット9の右端に設けられたものである。ランプユニット9についても詳細は後述するが、このランプユニット9には、一般入賞口も配置されている。一般入賞口は、図示省略しているが、この他にも遊技領域の複数箇所に設けられており、一般入賞口に入球すると所定の球検出センサ(図示省略)が検出し、一般入賞口に入賞したとして、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126に排出する。球貯留皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、遊技盤200の中央下部に1つ配設された第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。なお、本実施形態では、遊技領域124の右下部にアタッカユニット23が設けられており、このアタッカユニット23にも電チュータイプの第1特図始動口が別途設けられている。以下、遊技盤200の中央下部に設けられた第1特図始動口230を第1特図始動口(固定)230と称し、アタッカユニット23に別途設けられた電チュータイプの第1特図始動口を第1特図始動口(可変)231と称して両者を区別する場合がある。なお、第1特図始動口(可変)231については、後述するアタッカユニット23の説明の中で詳述する。
また、アタッカユニット23には、第1特図始動口(可変)231の他に、第2特図始動口232や、複数の可変入賞口(アタッカ)234,235も設けられている。図3(a)に示す、中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)230は、その配置上、右打ちした場合には、遊技球の入球が困難な構成となっている。一方、上述したステージ244の中央部には、ステージ244に到達した球が、遊技盤200の中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)230へ入球し易くなるスペシャルルート244aが設けられている。なお、ステージ244を経由しなくても、左側から第1特図始動口(固定)230を狙うこともできる。したがって、遊技盤200の中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)230は、左打ちを行うことで入球を期待することができる始動口である。
さらに、遊技領域124には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
このパチンコ機100では、遊技者が球貯留皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆および発射槌によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘等によって進行方向を変えながら下方に流下し、各種の入賞口や始動口に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。また、本実施形態では、本体104の空間部114の下辺に、遊技盤200から排出されるすべての遊技球を受け入れる排出球受入口(図示しない)が上方に開口するように形成されるとともに、排出球受入口に受け入れられた遊技球の通過を検出するアウト球検出センサSWoutが本体104の所定位置に設けられている。なお、アウト球検出センサSWoutは、遊技盤200側に設けられてもよい。本実施形態では、遊技盤200から排出されるすべての遊技球(アウト口240から排出された遊技球と各種入賞口に入賞した遊技球とを含む)は、この排出球受入口に受け入れられ、所定の排出通路を経由してパチンコ機100外に排出されるように構成されているが、アウト口240から排出された遊技球のみがアウト球検出センサSWoutを通過するようにしてもよい。
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の機能ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660とを備えて構成されている。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えている。基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314と、乱数値生成回路(カウンタ回路)318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)とを搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、乱数値生成回路318は、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している。なお、乱数値生成回路318は、基本回路302に内蔵したものとしているが、基本回路302に対して接続されるものであってもよい。
また、基本回路302には、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや球貯留皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を基本回路302におけるCPU304や乱数値生成回路318等に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプRK、電サポ中ランプRD、右打ちランプRM、ラウンド表示ランプRR等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば、普通電動役物としての第1特図始動口(可変)231の羽根部材2311(図35参照)を駆動する駆動手段や、特別電動役物としての可変入賞口234,235の扉部材2341,2351(図38参照)を駆動する駆動手段等を含む各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334と、を接続している。本例では水晶発振器316aと乱数値生成回路318とが別に設けられているが、水晶発振器316aは乱数値生成回路318に含まれていてもよい。
なお、第1特図始動口230,231に球が入賞したことを球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を基本回路302における乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230,231に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介し、図示しない外部端子板を経由して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースとをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300と払出制御部600との情報通信は双方向の通信である。主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。ただし、主制御部300と第1副制御部400との情報通信が双方向通信により行われるように構成してもよい。また、払出制御部600は、主制御部300にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、払出制御部600から主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成してもよい。
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412と、シリアル通信制御回路424とを搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。また、ROM406が基本回路402に備えらえた構成であってもよい。シリアル通信制御回路424は、遊技盤用ランプ442の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路440と、遊技台枠用ランプ452の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路450とを接続し、遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450との間でシリアル通信による点灯制御を行う。なお、遊技盤用ランプ442には、第2演出可動ユニット8に配置されたの発光ダイオードD(図17参照)や、ランプユニット9に配置された発光ダイオードDO,DI,DL(図32参照)や、アタッカユニット23に配置された発光ダイオードD1〜D3(図40参照)等が含まれている。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC(S−ROM)416と、図3(a)に示す上部の第1演出可動ユニット7、後方側に隠れている第2演出可動ユニット8といった各種演出装置のモータ等の駆動制御を行うための駆動回路422と、センサ回路428と、スピーカ120から出力される音量を調整する音量スイッチ163と、を接続している。センサ回路428は、各種演出装置等の現在位置を検出する各種可動体センサ430や、演出ボタン136や操作キーユニット190を構成する各種ボタンの押下を検出するボタンセンサ426からの検出信号を基本回路402に出力する。なお、音量調整ボタン1903(図41参照)の押下をボタンセンサ426が検出した場合には、検出信号は音量スイッチ163に出力される。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのメモリ508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出してVRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)516と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が接続されている。本実施形態では、一時的記憶領域としてメモリ508を用いており、メモリ508は、電源が遮断されても記憶状態を保持可能な記録媒体(例えば、EEPROMやフラッシュメモリ等)によって構成されている。これにより、例えば、大当り履歴に関する表示を表示するための情報を、主制御部300において初期化されたり設定変更が行われた場合にも保持することができる。なお、電源が遮断されると記憶情報が揮発するRAMを用いるようにしてもよい。
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御するとともに、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払出しが完了したか否かを検出する。また払出制御部600は、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。また、払出制御部600は、所定個数(例えば、10個)の賞球の払出しが行われたことを示す賞球情報や、所定個数(例えば、25個)の貸球の払出しが行われたことを示す貸球情報等を、図示しない外部端子板を経由して、情報入力回路350に出力する。また、払出制御部600には、枠センサ605が接続されている。枠センサ605には、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041や、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061等が含まれており、本体104や前面枠扉106が開放されている場合にはこれらのセンサが検知し、開放信号を出力する。払出制御部600は、枠センサ605からの開放信号を出力すると、主制御部300に扉開放情報を出力する。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射ソレノイド632の制御や、球貯留皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧の電源を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧の電源を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧の電源を供給してもよい。
次に、図5(a)〜(d)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
特図1始動口230,231に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特図表示装置212は、8つのランプのうちの一部のランプ(例えば、左から1番目の下段のランプ)を点滅させる「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特図表示装置214は、8つのランプのうちの一部のランプ(例えば、左から1番目の下段のランプ)を点滅させる「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特図表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特図表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの変動表示を特図の変動表示と称することがある。この特図の変動表示は複数回、連続して行われることがある。
また、本実施形態では、特図1と特図2とで一方の特図が他方の特図の変動表示を行っているか否かにかかわらず、特図の変動表示を開始する仕様(このような仕様のパチンコ機を、「同時変動機」などと呼ばれる場合がある。)とされている。
図5(a)は、特図1の停止図柄態様の一例を示したものである。この図5(a)には、「特図A」から「特図D」の4種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するランプを示し、黒塗りの部分が点灯するランプを示している。
本実施形態では、特図1の停止図柄態様として、2種類の大当り図柄(「特図A」及び「特図B」)が用意されている。「特図A」は6ラウンド(R)通常大当り図柄であり、「特図A」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図B」は6R確変大当り図柄であり、「特図B」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。なお、本実施形態では、2種類の大当り図柄を用意しているが、3種類以上の大当り図柄を用意してもよいことは言うまでもない。また、一部のラウンドで実質的に入賞が困難(例えば、短開放により入賞が困難)な大当りを用意してもよい。
本実施形態のパチンコ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、通常大当りとするか確変大当りとするかの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。通常大当りと確変大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(確変大当り)か低い(通常大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」という場合がある)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。なお、本実施形態では、後述するように、特図低確率状態と特図高確率状態とで大当り確率にほとんど差はなく、特図低確率状態と特図高確率状態とで特図の変動時間が大きく異なるように構成されている。また、大当り遊技の終了後に時短状態(電サポ状態)に移行する場合がある。ここで、電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。時短については詳しくは後述するが、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」という場合がある)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。このように、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグが用意されており、その時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では0/100(すなわち、必ずはずれとなる。)であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では100/100(すなわち、必ず当りとなる。)に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311(図35参照)の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.5秒の電チュー開放期間が電サポ状態では2秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、羽根部材2311は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない羽根部材2311が、電サポ状態では2回開く(2秒開放して1秒閉鎖してまた2秒開放)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、特図1始動口(可変)231に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、特に大当り遊技において賞球数の少ない電チューに遊技球が拾われてしまい、第1可変入賞口234あるいは第2可変入賞口235(これらの可変入賞口を「アタッカ」という場合がある。)への遊技球の入賞が減ってしまうと遊技者に不利益が生じる場合があるからである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、特図1始動口(可変)231に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が特図1始動口(可変)231に進入し難い。上述のごとく、特図1始動口(可変)231は、遊技球が進入し難い入賞困難状態と遊技球が進入しやすい入賞容易状態とに変化するものである。この特図1始動口(可変)231は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって入賞容易状態となる。本実施形態では、「特図A」が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が50回行われる間、電サポ状態が維持され、51回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(「特図B」)に当選した場合には、大当り遊技終了後に電サポ状態に移行しない。
このように、本実施形態では、「特図A」が停止表示されると、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図B」が停止表示されると、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。
また、本実施形態では、特図1について、大当り図柄の他に小当り図柄(「特図C」)も用意されている。「特図C」で小当りした場合は、図柄の停止後に第2可変入賞口235の扉部材2351が0.06秒の開放を12回行う。なお、扉部材2351の開放時間及び開放回数は適宜設定することができる。小当り遊技では、第2可変入賞口235に遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、小当り遊技が終了し、それ以降の扉部材2351の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない当りであり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
なお、本実施形態では、上述したように、同時変動機であるので、特図1で小当りとなって小当り遊技に移行する場合に、特図2が変動表示中である状況が起こりうる。この場合は、特図1で小当りとなると特図2の変動表示が中断され、当該小当りに係る小当り遊技が終了すると特図2の変動表示が再開される。また、特図1で大当りとなって大当り遊技に移行する場合に特図2が変動表示中である状況や、特図2で大当りとなって大当り遊技に移行する場合に特図1が変動表示中である状況が起こりうるが、この場合は、一方の特図で大当りとなると他方の特図の変動表示は強制的に終了され、変動表示の結果が破棄されてはずれの結果が表示されることとなる。
さらに、本実施形態では、ハズレ図柄として1種類の停止図柄が用意されている。「特図D」はハズレ図柄である。
図5(b)は、特図2の停止図柄態様の一例を示したものである。この図5(b)には、「特図a」から「特図d」の5種類の特図が示されており、そのうち3種類の特図が大当り図柄(「特図a」〜「特図c」)となっている。「特図a」は6R通常大当り図柄であり、「特図a」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図b」は6R確変大当り図柄であり、「特図b」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。「特図c」は、10R確変大当り図柄であって、「特図c」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。なお、一部のラウンドで実質的に入賞が困難(例えば、短開放により入賞が困難)な大当りを用意してもよい。また、特図2では、3種類の大当り図柄を用意しているが、3種類以上の大当り図柄を用意してもよい。
また、特図2でも、大当り図柄の他に小当り図柄(「特図d」)が用意されている。「特図d」で小当りした場合は、図柄の停止後に第2可変入賞口235の扉部材2351が0.06秒の開放を1回だけ行う。ここで、特図1の小当り図柄(「特図C」)と比較すると、特図2で小当り(「特図d」が停止表示)した場合よりも、特図1で小当り(特図C」が停止表示)した場合の方が、第2可変入賞口235により多くの遊技球が入球しやすく、より多くの出球を獲得することができるようになっている。換言すれば、特図2の小当りでは出球を与えず、特図1の小当りで出球を与えるといったゲーム性になる。なお、扉部材2351の開放時間及び開放回数は適宜設定することができる。
図5(c)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231あるいは特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口(固定)230あるいは特図1始動口(可変)231に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、もしくは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う場合がある。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特図表示装置212および第2特図表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様を停止表示する。なお、本実施形態では、特図1が主として変動表示が行われる通常遊技状態及び電サポ状態においては、特図1の変動表示に合わせて装飾図柄の変動表示が行われ、特図2が主として変動表示が行われる確変状態では、特図2の変動表示に合わせて装飾図柄の変動表示が行われる。一方で、通常遊技状態及び電サポ状態では、特図2の変動表示が行われても装飾図柄の変動表示は行われず、後述する第4図柄や第2特図表示装置214においてのみ図柄変動表示が行われ、確変状態では、特図1の変動表示が行われても装飾図柄の変動表示は行われず、第4図柄や第1特図表示装置212においてのみ図柄変動表示が行われる。
通常遊技状態あるいは電サポ状態において第1特図表示装置212で6R確変大当りを確定報知する場合、確変状態において第2特図表示装置214で10R確変大当りであることを確定報知する場合以外の態様で大当り又は小当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾3−装飾3−装飾3」及び「装飾7−装飾7−装飾7」以外の同じ数字の装飾図柄が3つ並んだ装飾図柄の組み合わせ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。また、通常遊技状態あるいは電サポ状態において第1特図表示装置212で6R確変大当り(「特図B」)を確定報知する場合、確変状態において第2特図表示装置214で10R確変大当り(「特図c」)であることを確定報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾3−装飾3−装飾3」又は「装飾7−装飾7−装飾7」を停止表示する。また、「特図D」あるいは「特図e」のハズレ図柄を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、これまで説明した装飾図柄の組合せ以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。
以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様を停止表示するまでの表示を装飾図柄の変動表示(「装飾図柄変動表示」という場合もある。)と称することがある。装飾図柄の変動表示は、第2副制御部500が制御することによって行われる。
図5(d)は普図の停止図柄態様の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、上下に並んだ2つのLEDを交互に点灯させる「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とはずれ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(d)においても、図中の白抜きの部分が消灯するランプの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するランプの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの表示を普図の変動表示と称することがある。
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300のRAM308には、特図乱数値、特図ラウンド決定乱数値、特図電サポ決定乱数値、および特図図柄決定乱数値等が記憶される。また、このRAM308には、これら各種の乱数値を生成する乱数カウンタが設けられている。さらに、RAM308には、特図の保留数、特図当選乱数値、および各種の判定(抽選)結果等が記憶される。以下、RAM308における特図の保留数を記憶する領域を特図保留数記憶領域と称することがある。またさらに、RAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた特図用の始動情報記憶部が用意されているとともに、普図用の乱数値記憶領域も用意されている。特図用の始動情報記憶部には、後述するように、複数種類の始動情報を1セットにしてこれらの始動情報が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をタイマ回路312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理を実行するべくステップS113以降の処理に進む。
電断前の状態に復帰すると判定しない場合は(ステップS109;No)、その要因が図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180が遊技店の店員などにより操作されたものであるか否かを判定する(ステップS113)。すなわち、RAMクリアスイッチ180が操作された場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否かを判定する。RAMクリア信号がオンと判定された場合は(ステップS113;Yes)、設定変更キー192がON側に操作されているか否かを判定する(ステップS115)、設定変更キー192がON側に操作されていると判定した場合は(ステップS115;Yes)、設定変更処理を実行する(ステップS117)。
設定変更処理が実行されると、役物比率・設定表示器196における設定モニタに対応する7セグが「1」を示して点滅し、設定変更可能であることが示される。この状態で、設定変更ボタン194が押下操作されるごとに、設定モニタの7セグがインクリメントし、設定モニタに対応する7セグが「6」を示している状態で設定変更ボタン194が押下操作されると「1」に戻るようになっている。本実施形態では、少なくとも大当り確率の異なる設定1〜6のうちからいずれかを選択可能とされており、所望とする設定に変更した後で設定変更キー192をOFF側に操作することで、設定が確定する。このとき、設定モニタに表示されている設定値は消去される。その後、設定が確定した後は、設定変更ボタン194を操作することにより設定値を設定モニタに一定時間(例えば、5秒間)再表示させることができる。なお、本実施形態では、設定値を役物比率・設定表示器196の設定モニタに表示させるようにしたが、例えば、装飾図柄表示装置208に表示させたり、音声出力により報知するようにしてもよい。また、本実施形態では、設定1〜6の6段階設定としているが、6段階設定以外であってもよいし、設定変更を行わないものであってもよい。また、本実施形態では、設定モニタに表示される設定の初期値を「1」としたが、電源が遮断される前の設定値が保持され、保持された設定値が表示されるようにしてもよい。
また、ステップS113において、RAMクリア信号がONであると判定しなかった場合(ステップS113;No)や、ステップS115において設定変更キー192がON側に操作されていると判定しなかった場合は(ステップS115;No)、ステップS117の設定変更処理を実行することなく、ステップS119に移行する。
ステップS119では、基本回路302を初期状態にすべく初期化処理を実行する(ステップS119)。ここでは、RAMクリア信号がONである場合、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定し、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべく初期化処理を実行する。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。なお、本実施形態では、初期化が行われた場合であっても設定変更処理(ステップS117)で設定された設定値は保持される。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンド及びステップS117で選択された設定を示す設定コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS119)が行われたことを表すコマンドであり、後述する復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS121では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップS121の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS121内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図2に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するタイマ回路312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記憶領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口、第1可変入賞口234、第2可変入賞口235、第1特図始動口(固定)230、第1特図始動口(可変)231、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、一般入賞口、これらの可変入賞口234,235、これらの始動口230,231,232,228への入球があったと判定する。例えば、第1特図始動口(固定)230への入球を検出する第1始動口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、第1特図始動口(固定)230へ入賞があった、すなわち所定領域を通過する遊技媒体を検出したと判定し、以降の第1特図始動口(固定)230への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の第1特図始動口(固定)230への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS121で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値および特図乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、235や始動口230,231,232に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。入賞受付処理では、所定の条件が満足されていれば、複数種類の始動情報を取得する。ここで取得された複数種類の始動情報は、RAM308に設けた始動情報記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。
ステップS217に続いて実行されるステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図4に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する2つのLEDの交互点滅を行う点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する2つのLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する2つのLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(d)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(d)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第1特図始動口(可変)231の羽根部材2311(図35参照)の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材2311を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、アタッカユニット23に設けられた第1特図始動口(可変)231の羽根部材2311の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材2311を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第1特図始動口(可変)231の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。なお、当り判定の結果に関わらず、所定の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
続いて、特図先読み処理(ステップS224)が実行される。特図先読み処理では、主制御部300は、特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、当否判定処理よりも前に停止図柄や変動時間を事前判定し、事前判定結果(特図先読み結果)をRAM308内の先読み結果記憶部に記憶する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理では、特図2の状態に応じて、次の複数の処理のうちの1つの処理を行う。
例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する8つのLEDのうちの所定のLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算する。
また、主制御部300のRAM308には、10R大当りフラグ、6R大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグ等のフラグが用意されている。これらのフラグは、後述する特図2関連抽選処理において、決定した停止図柄に基づいてオンまたはオフに設定される。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、例えば、10R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグがオフの場合には図5(b)に示す特図c、6R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオフの場合には特図b、6R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図a、小当りフラグがオンの場合には特図d、ハズレフラグがオンの場合には特図eそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成するLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、10R確変大当り図柄(特図e)、6R確変大当り図柄(特図b)、6R通常大当り図柄(特図a)、小当り図柄(特図d)、ハズレ図柄(特図e)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。なお、同時変動機である本実施形態に係るパチンコ機100では、特図2の変動表示中に特図1の変動表示が行われている場合があるが、特図2変動表示時間が経過したタイミングで大当り図柄が停止表示される場合には、特図1の抽選結果のいかんにかかわらず、特図2の大当り図柄表示のタイミングで特図1では抽選結果が破棄されてはずれ図柄が停止表示されることとなる。また、特図2の変動表示中に特図1の変動表示が行われている場合において、特図2変動表示時間が経過したタイミングで小当り図柄が停止表示される場合には、特図2の小当り図柄表示のタイミングで特図1の変動表示時間の進行が中断されることとなり、その結果、特図1の変動表示が開始してから特図1の図柄が停止表示されるまでの時間は、特図2の小当り図柄の停止表示から小当り遊技の終了までの時間だけ延ばされることとなる。
さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms)その表示を維持するために、RAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が0であって時短フラグがオンであれば、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または第1可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)第1可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)第1可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本例示形態では、10ラウンド又は6ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するために、RAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数(例えば、50回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。また、特図確率変動フラグがオンに設定されていれば、大当り遊技の終了と同時、RAM308に設けられた確変フラグをオンにする。
ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態(普図確変)である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図1始動口(可変)231の一対の羽根部材2311の1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材2311は多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延のいずれかが設定される状態を電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態という。
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に第1可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図1始動口(可変)231に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数(出球数)が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、特図1始動口(可変)231への入賞に対する賞球数が「1」であるので、実質的に大当り遊技中の出球数が多くなることがないので、大当り遊技中においても時短フラグをオンのままにしてもよい。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。
以上、第1可変入賞口234を用いた大当り遊技の例について説明したが、第2可変入賞口235を用いた小当り遊技についても同様である。
さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同様であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。特図2関連抽選処理(ステップS229)は、特図2の変動遊技を行っておらず、特図2の状態が非作動中であり、特図1及び特図2のいずれの大当り遊技中でもなく、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図2乱数値記憶領域内の最先の特図2当選乱数値および特図2乱数値を用いて実行される。特図1関連抽選処理は、特図1の変動遊技を行っておらず、特図1の状態が非作動中であり、特図1及び特図2のいずれの大当り遊技中でもなく、かつ保留している特図1変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図1乱数値記憶領域内の最先の特図1当選乱数値および特図1乱数値を用いて実行される。すなわち、本実施形態では、特図1は、特図2が変動遊技中であるか否かにかかわらず、変動遊技を開始することができ、特図2は、特図1が変動遊技中であるか否かにかかわらず、変動遊技を開始することができるように構成されている(同時変動機)。
装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の当否判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、本実施形態では、確変状態においては、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われ、通常遊技状態及び時短状態においては、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。しかしながら、確変状態における特図1変動遊技の抽選結果が大当りとなる場合には、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知と並行して、または、一旦特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知を中断して特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が実行される場合がある。また、通常遊技状態及び時短状態における特図2変動遊技の抽選結果が大当りとなる場合には、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知と並行して、または、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知を中断して特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が実行される場合がある。
ステップS229の特図2関連抽選処理の場合には、主制御部300は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブルを用いて大当りとするか、小当りとするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う。次いで、主制御部300は、取得した特図2始動情報内の特図2乱数値および決定した当否判定結果などに基づいて、ROM306に記憶された特図決定用テーブルを用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。次いで、主制御部300は、例えば、決定した当否判定結果、停止図柄、当該当否判定時の特図2保留数、取得した特図変動時間決定用乱数値等に基づいて、ROM306に記憶された各種テーブルを用いて特図2の変動表示時間(タイマ番号)の決定を行う。
主制御部300は、特図2乱数値記憶領域から最先の特図2始動情報を取り出した後、当該最先の特図2始動情報を特図2乱数値記憶領域から消去するとともに、特図2保留数記憶領域の特図2保留数を1減算する。このとき、特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2始動情報をRAM308に設けた一時領域に記憶し、この一時領域に記憶している特図2始動情報に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
以上のような特図2関連抽選処理(ステップS229)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231)が同様にして行われる。なお、特図1関連抽選処理と特図2関連抽選処理の順番は逆でもよい。
以上の説明では、前述の特図状態更新処理および特図関連抽選処理を特図1および特図2でそれぞれ独立して行うことで、複数の特図を同時に変動させるように構成したが、これに限定されるものではなく、一方の特図の状態に応じて他方の特図の保留に関する抽選処理や変動遊技を行わないものとしてもよい。本実施形態では、後述するように、複数の特図を同時に変動させる場合には、通常遊技状態及び時短状態では、特図1の変動表示に合わせた演出表示を装飾図柄表示装置208に行わせる一方で特図2の変動表示に関しては演出表示を行わず、確変状態では、特図2の変動表示に合わせた演出表示を装飾図柄表示装置208に行わせる一方で特図1の変動表示に関しては演出表示を行わないようにしたが、装飾図柄表示装置208にそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の領域を設けるか、またはそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の装飾図柄表示装置を設けて、それぞれの抽選結果を別箇に表示しても良い。また、複数の特図に関する変動が同時に行われている場合に、先に変動を停止した特図の抽選結果が後に変動を停止する特図の抽選結果に影響を与えても良い。
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行う。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本例示形態では、基本コマンド、入賞口入賞コマンド、アウト球コマンド、発射位置コマンド、特図変動開始コマンド、特図変動停止コマンド、特図停止種別コマンド(特図1及び特図2の変動開始時に送信されるコマンドであって、特図1と特図2のいずれかが先に停止表示するかを特定するコマンド)、特図当り開始コマンド、特図当り終了コマンド、大入賞口開放コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、先読み結果情報コマンド、設定コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が特図変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、さらに本実施形態では、特図変動開始コマンドがセットされるに際し、停止図柄を特定可能な停止図柄情報が含まれる。特図変動停止コマンドの場合であれば、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口(固定)230への入賞の有無、特図1始動口(可変)231への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、第1可変入賞口234への入賞の有無、第2可変入賞口235への入賞の有無などを含む。先読み結果情報コマンドの場合であれば、特図1および特図2の種別、先読み数記憶領域に記憶された先読み数、先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等の情報をコマンドデータに含む。設定コマンドの場合であれば、設定の情報などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値などを示す情報を設定する。
上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ(442,452)・スピーカ120に出力する演出制御情報、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ(442,452)・スピーカ120に出力する演出制御情報、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または球貯留皿満タンエラーの有無などを監視する。前面枠扉開放エラーまたは球貯留皿満タンエラーを検出した場合には、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または球貯留皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第1特図始動口(可変)231や、第1可変入賞口234や第2可変入賞口235の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して払出制御部600に出力する。
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、HALT状態となる。
次に、図7に示される主制御部タイマ割込処理における普図関連抽選処理(ステップS223)、特図2関連抽選処理(ステップS229)及び特図1関連抽選処理(ステップS231)で用いられる判定用テーブルについて、図8を参照しながら説明する。ここで、図8(a)は、普図当否判定用テーブルの内容の一例を示す図であり、図8(b)は、特図1・2当否判定用テーブルの内容の一例を示す図であり、図8(c)は、特図決定用振分けテーブルの内容の一例を示す図である。
図8(a)に示す普図当否判定用テーブルは、普図当否判定時に用いられる普図用の当否判定用テーブルである。なお、このテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。図8(a)に示すように、この当否判定用テーブルが用いられた場合、普図低確率状態では、当りとなる値は存在せず、すなわち、当りの確率は0%であり、普図高確率状態では、乱数の取りうる範囲は0〜65535であって、当りとなる値は0〜65535となっている。すなわち、当りの確率は65536/65536(つまり、100%)である。なお、普図低確率状態(時短非作動時)においては、一定の確率(例えば、1%)で当りとなるようにしてもよいし、普図高確率状態(時短作動時)においては、一定の確率(例えば、1%)ではずれとなるようにしてもよい。
図8(b)に示す特図1・2当否判定用テーブルは、特図1及び特図2の当否判定を行う際に参照されるテーブルであって、設定1〜6のいずれであるか、特図低確率状態であるか特図高確率状態であるかによって参照するレコードを選択する。なお、このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
設定1の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として329/65536の確率(約1/200)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として330/65536の確率(約1/199)で大当りが選択される。
設定2の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として341/65536の確率(約1/193)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として342/65536の確率(約1/192)で大当りが選択される。
設定3の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として363/65536の確率(約1/181)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として364/65536の確率(約1/180)で大当りが選択される。
設定4の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として375/65536の確率(約1/175)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として377/65536の確率(約1/174)で大当りが選択される。
設定5の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として451/65536の確率(約1/146)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として452/65536の確率(約1/145)で大当りが選択される。
設定6の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として701/65536の確率(約1/94)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として703/65536の確率(約1/93)で大当りが選択される。
また、設定1〜6のいずれにかかわらず、また、特図高確率状態であるか特図低確率状態であるかにかかわらず、特図1の大当り抽選の当否判定の結果として6580/65536の確率(約1/10)で12回開閉の小当りが選択され、特図1の大当り抽選の当否判定の結果として6580/65536の確率(約1/10)で1回開閉の小当りが選択される。なお、特図1で小当りが発生しないようにして、特図2でのみ小当り(12回開放の小当りと1回開閉の小当り)が発生するようにしてもよい。また、小当りの確率を設定毎に異ならせるようにしてもよい。
このように、本実施形態では、設定1〜6のいずれにおいても、特図高確率状態における大当り確率の方が特図低確率状態における大当り確率よりもわずかに高いが、ほとんど同じ確率と同視しうるように設定されている。また、本実施形態では、設定により大当り確率が異なっており、設定が高いほど大当りがしやすく、設定が低いほど大当りがし難くなっている。したがって、設定が低いほど、大当りとなり難いが、確変状態に移行した場合には、高設定よりも小当りの発生回数が多くなる傾向があり、異なるゲーム性を持たせることができる場合がある。
本実施形態では、いずれの設定においても、特図高確率状態と特図低確率状態とで大当り確率がほとんど同じに設定されているが、大きく異なる点として、特図2の変動表示時間が挙げられる。本実施形態では、特図高確率状態における特図2の変動時間は、例えば、1〜5秒の変動時間が選択されるようになっている。特図高確率状態では、右打ちした場合には、第2特図始動口232へ多数の遊技球が入球しやすくなっており、特図2の変動表示を多数行うことができ、その結果、小当りの発生頻度が高くなるような仕組みとなっている。本実施形態では、特図高確率状態では小当りの発生頻度が高まる状態ということができるため、「小当りラッシュ」という場合がある。また、保留されている特図2の図柄変動表示が4つ(満タン)である状態において、全ての特図2の図柄変動表示を消化するのにかかる時間よりも特図1の1回の図柄変動表示を消化するのにかかる時間の方が長いので、特図1で大当りが発生しにくいようになっている。一方、特図低確率状態における特図2の変動時間は、例えば、580秒の変動時間が選択されるようになっている。したがって、特図低確率状態では、右打ちすれば特図2始動口232への入球頻度も小当り確率も変わらないものの、特図2の変動表示の結果が表示されるまでの時間がおよそ10分毎ということになるので、右打ちしても、遊技者にとっては実質的に不利益となる。なお、特図低確率状態における、特図2の変動時間は、はずれ及び小当りにあっては580秒に設定されているが、大当りとなる場合の変動時間は、それよりも短く、例えば、227秒に設定されている。
図8(c)は、特図決定用振分けテーブルの一例を示すものであり、上述したようにして特図1あるいは特図2の当否判定結果に基づいて、停止図柄を決定する。なお、このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図決定用振分けテーブルは、当否判定結果ごとに特図の停止図柄態様(図5(a)、同図(b)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。
まず、特図1当否判定の結果が大当りであれば、「特図A」と「特図B」からいずれか一方が選択される。上述したように、「特図A」は、第1可変入賞口234が開放する6R通常大当りであり、「特図B」は、第1可変入賞口234が開放する6R確変大当りである。各選択率は設定に関係なく1/2ずつとなっている。
また、特図1当否判定の結果が小当りであれば、「特図C」が選択される。上述したように、「特図C」は、第2可変入賞口235が最大で12回の短開放を繰り返す小当りである。
次に、特図2当否判定の結果が大当りであれば、「特図a」〜「特図c」のうちいずれか一つが選択される。上述したように、「特図a」は、第1可変入賞口234が開放する6R通常大当りであり、「特図b」は、第1可変入賞口234が開放する6R確変大当りであり、「特図c」は、第1可変入賞口234が開放する10R確変大当りである。各選択率は、設定に関係なく、「特図a」は60/100、「特図b」は5/100、「特図c」は35/100となっている。
また、特図2当否判定の結果が小当りであれば、「特図d」が選択される。上述したように、「特図d」は、第2可変入賞口235が1回短開放する小当りである。
次に、第1副制御部400の処理について説明する。図9(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図9(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタン制御処理を行う。チャンスボタン制御処理では、演出ボタン136や操作キーユニット190の操作を検出し、その検出結果に応じて、ステップS309で更新した演出データを演出ボタン136や操作キーユニット190の操作に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS311の次のステップS313では、音制御処理を行う。音制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS313の次のステップS315では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ442,452への命令がある場合には、この命令を遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450に出力する。こうして、第2演出可動ユニット8に配置された発光ダイオードD(図17参照)や、ランプユニット9に配置された発光ダイオードDO,DI,DL(図32参照)や、アタッカユニット23に配置された発光ダイオードD1〜D3(図40参照)の発光制御が行われる。
ステップS315の次のステップS317では、可動体制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に、図3(a)に示す上部の第1演出可動ユニット7や、後方側に隠れている第2演出可動ユニット8への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS317の次のステップS319では、情報送信処理を行う。情報送信処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行う。その後、ステップS303に戻る。
図9(b)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部コマンド受信割込処理(ストローブ割込処理)のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が主制御部300からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図9(c)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部タイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、第1副制御部メイン処理のステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS341の次のステップS343では、第1副制御部メイン処理の情報送信処理(ステップS319)で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、第2副制御部500の処理について説明する。図10(a)は、第2副制御部500の図示しないCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図10(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM(不図示)内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS401の次のステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS405の次のステップS407では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPUは、第1副制御部400からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS407の次のステップS409では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS407で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データ(装飾図柄表示装置208による演出データ)をROM(不図示)から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS409の次のステップS411では、画像制御処理を行う。画像制御処理では、ステップS409で読み出した演出データの中にVDP516への命令がある場合には、この命令をVDP516に出力する(詳細は後述)。その後、ステップS403に戻る。
図10(b)は、第2副制御部500のCPUが実行するコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が第1副制御部400からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS431では、第1副制御部400から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAMに設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図10(c)は、第2副制御部500のCPUが実行するタイマ割込処理のフローチャートである。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。タイマ割込処理のステップS441では、第2副制御部メイン処理のステップS403において説明したRAMのタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS441の次のステップS443では、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
図10(d)は、第2副制御部メイン処理のステップS411における画像制御処理のフローチャートである。ステップS451では、画像データ(後述するムービーデータやテクスチャデータ)の転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518のフレームバッファ1とフレームバッファ2の描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていないフレームバッファに記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS451の次のステップS453では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は(ステップS453:Yes)、ステップS455に進み、そうでない場合は(ステップS453:No)、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS455では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS451でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518のフレームバッファ1または2に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP516に指示する。VDP516は、アトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS455の次のステップS457では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS457の次のステップS459では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合は、(ステップS459:Yes)、ステップS461に進み、そうでない場合は(ステップS459:No)、生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS461では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
次に、図11を参照して役物比率・設定表示器196及びディップスイッチ基板198の具体的構成について説明する。ここで、図11(A)は、役物比率・設定表示器196の具体的構成の一例を示す図であり、図11(B)は、ディップスイッチ基板198の具体的構成の一例を示す図である。
役物比率・設定表示器196は、上述したように、役物比率モニタと設定モニタとを有して構成されており、役物比率モニタは、連続役物比率(RY)及び役物比率(YH)を表示し、設定モニタは、現在の設定値を表示している。
ここで、連続役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるもの(すなわち、大当り遊技中において第1可変入賞口234が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する第1可変入賞口234への入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。また、役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物の作動によるもの(すなわち、第1特図始動口(可変)231、第1可変入賞口234及び第2可変入賞口235が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する第1可変入賞口234、第2可変入賞口235、第1特図始動口(固定)230、第1特図始動口(可変)231、第2特図始動口232及び一般入賞口への入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。
本実施形態では、連続役物比率を算出した結果、連続役物比率が60%を超えていると判定した場合は、連続役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(RY)を出力する。ここで、セキュリティ信号(RY)は、連続役物比率が60%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。なお、主基板156に実装可能な試験端子から出力されてもよい。これにより、遊技機の型式申請試験を円滑に行わせることができる場合がある。
また、役物比率を算出した結果、役物比率が70%を超えていると判定した場合は、役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(YH)を出力する。ここで、セキュリティ信号(YH)は、役物比率が70%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。
なお、本実施形態では、連続役物比率あるいは役物比率が正常値の上限を超えた場合には、所定の7セグLEDを点滅させるようにしたが、例えば、発光色を変化させるようにしてもよい。
図11(B)に示すように、ディップスイッチ基板198には、8つのディップスイッチが配設されている。各ディップスイッチは、第1副基板160に接続されており、電源投入時に各ディップスイッチの位置を読み取り、演出の出現確率を変更することができ、例えば、設定示唆を実行する頻度や、予告の出現率や、演出モードの突入率等を設定することができる。
なお、以上説明したパチンコ機100では、第2可変入賞口235のアタッタは大当り遊技では開放せず、小当り遊技でのみ開放したが、第2可変入賞口235のアタッタが開放する大当りを用意してもよい。例えば、特図2の大当りとして、第1可変入賞口234のアタッタではなく、第2可変入賞口235のアタッタが開放する、3R大当り(実質1R大当り)や、6R大当り等を用意してもよい。
また、特図1と特図2の両方に小当りが用意されていたが、特図2にのみ小当りを設けてもよい。すなわち、特図2に限って、第2可変入賞口235が、最大で或る回数(例えば、12回)の短開放を繰り返す小当りと、1回しか短開放しない小当りを設けてもよい。こうすることで、特図高確率普図低確率状態では、特図1始動口(可変)231が入賞容易状態にならず、第1可変入賞口234のアタッカが入賞困難状態であって、第2可変入賞口235のアタッカも入賞困難状態であれば、右打ちされた遊技球の多くは、第2特図始動口232に入球し、特図2変動遊技において大当りあるいは小当りを獲得することができる。特に、大当り遊技の当選確率よりも小当り遊技の当選確率の方が高い(例えば、およそ10倍程度高い)ことから、第2可変入賞口235が最大で或る回数(例えば、12回)の短開放を繰り返す小当りに当選しやすく、この小当り遊技で出球を稼ぐことが期待できる。
続いて、第2演出可動ユニット8について説明する。第2演出可動ユニット8は、魔女の手をイメージしたハンド可動体81を有する。このハンド可動体81は、昇降動作と、前方側へ向かって倒れ込む回動動作を行うことが可能な可動体である。
図12は、ハンド可動体81が初期位置にある第2演出可動ユニット8を示す図である。
ハンド可動体81は、初期位置では、ステージ244よりも下方かつ後方側に位置している。図12(a)は、図3に示す遊技盤の断面図であり、左側が前方側になる。図3では、第2演出可動ユニット8全体が後方側に隠れてしまっていたが、この図12(a)では、遊技盤200を図3に示すA−A’線で断面したときの様子が示されており、第2演出可動ユニット8が図示されている。
図12(a)に示す遊技盤200のさらに後方側には、ここでは不図示の液晶表示装置である装飾図柄表示装置208(図3参照)が取り付けられる。初期位置にあるハンド可動体81は、その装飾図柄表示装置208に前方側からオーバーラップせず、装飾図柄表示装置208の下縁よりも下方に位置することになる。
図12(b)は、同図(a)で1点鎖線で囲んだ部分から、第2演出可動ユニット8と、ステージ244と、ステージカバー245を抜き出しで示した図である。また、図13(a)は、遊技板201を図3に示すA−A’線で断面し、ステージ244とステージカバー245を前方側から表す斜視図であり、同図(b)は、後方側から表す斜視図である。図13(a)は、図の左手前側が前方側になり、同図(b)は、図の右手前側が後ろ側方側になる。
図13に示すステージ244は、遊技領域124に設けられたものである。遊技領域124は、図1に示す前面枠扉106に設けられた透明板部材118と、遊技板201の後面201bとの間の領域になる。ステージ244は、遊技板201に設けられた開口の縁201eに取り付けられており、図13(a)に示すように、遊技板201の厚みの中に収納されている。図13(a)には、スペシャルルート244aも示されており、スペシャルルート244aは、遊技球がステージ244から前方側に排出されるルートになる。ステージカバー245は、背面カバー部2451と、上方カバー部2452を有する透明なカバーである。なお、ステージカバー245は、半透明なカバーであってもよい。背面カバー部2451は、遊技板201に設けられた開口の縁201eに沿って、開口側に突出し、ステージ244よりも後方側への遊技球の移動を阻止するものである。また、上方カバー部2452は、ステージ244を上方から覆い、ステージ244よりも上方側への遊技球の移動も阻止するものである。図13(a)に示すように、上方カバー部2452は、ステージ244を超えて前方側に飛び出している。すなわち、上方カバー部2452の前側先端2452fは、遊技板201の前面201fよりも前方側に位置している。
図12に示すように、初期位置にあるハンド可動体81の先端(指先)は、真上を向いている。すなわち、初期位置にあるハンド可動体81の姿勢(初期姿勢)は、先端(指先)が真上を向いた姿勢である。図12(b)には、ステージ244の最下端の高さ位置を太い2点鎖線で示し、初期位置にあるハンド可動体81の先端(指先)の高さ位置を細い2点鎖線で示している。これらの2点鎖線の関係から明らかなように、初期位置にあるハンド可動体81の先端(指先)は、ステージ244よりも上方に位置している。背面カバー部2451は突出したものであるものの透明であることから、遊技盤200の正面に座った遊技者から、初期位置にあるハンド可動体81の先端は、その透明な背面カバー部2451を通して視認可能である。また、 ステージ244に遊技球がある場合には、初期位置にあるハンド可動体81の一部(先端部分)に、その遊技球が前方側からオーバーラップすることになる。なお、背面カバー部2451は不透明なものであってもよく、この場合には、遊技盤200の正面に座った遊技者からは、初期位置にあるハンド可動体81は、不透明な背面カバー部2451によって視認困難になる。
図14は、ハンド可動体81が最大上昇位置まで上昇した第2演出可動ユニット8を示す図である。図14(a)は、図13(a)と同じく図3に示す遊技盤の断面図であり、左側が前方側になる。図14(b)は、同図(a)で1点鎖線で囲んだ部分から、第2演出可動ユニット8と、ステージ244と、ステージカバー245を抜き出しで示した図である。
図14に示すハンド可動体81は、最大上昇位置まで上昇するとともに前方側へ向かって倒れ込む回動動作が行われ、ハンド可動体81の先端部分(指先部分)が、ステージ244の上方に位置している。すなわち、ハンド可動体81は、後述するように、上昇しながら手首を返す動作を行い、先端部分(指先部分)が、前方へ進出してくる。図14に示すように、最大上昇位置にあるハンド可動体81の先端(指先)は、斜め上方を向いている。すなわち、最大上昇位置にあるハンド可動体81の姿勢(最大移動姿勢)は、先端(指先)が斜め上方を向いた姿勢である。
最大上昇位置にあるハンド可動体81の指部分は、ここでは不図示の装飾図柄表示装置208の表示画面の下方側に前方側からオーバーラップする。すなわち、最大上昇位置にあるハンド可動体81の指部分は、装飾図柄表示装置208の下縁よりも上方に位置することになる。
図14(b)には、前方側を向いた垂直面vp1が太い2点鎖線で図示されている。この垂直面vp1は、図1に示す前面枠扉106に設けられた透明板部材118と略平行な面であり、遊技盤200の正面に座った遊技者に対向する面になる。ステージ244には、前後方向に重なるようにして複数の垂直面(vp1,vp2等)がかかるが、図14(b)に太い2点鎖線で示す垂直面vp1は、ステージ244の最も後方側にかかる垂直面であり、ちょうど、ステージカバー245の背面カバー部2451の前側で背面カバー部2451に沿って拡がる面になる。図14(b)に示すハンド可動体81の一部は、この垂直面vp1上の位置に位置しており、ハンド可動体81の、前方側に回動した先端部分は、この垂直面vp1を超えてさらに前方側に突出している。回動動作を行ったハンド可動体81の最前端は、ステージ244の最も前方側にかかる、細い2点鎖線の垂直面vp2近傍の位置まで到達しているが、図1に示す前面枠扉106に設けられた透明板部材118に接触するまで、あるいは接触する一歩手前まで前方に進出してもよい。すなわち、ハンド可動体81の一部が、ステージ244上にある遊技球よりも前方側に位置する場合があってもよいし、あるいは、ハンド可動体81の一部が、遊技盤200上の遊技釘の先端よりも前方側に位置する場合があってもよい。
図15は、ハンド可動体81の動作を示した図である。この図15では、図の右斜め手前側が前方側になる。
図15(a)は、ハンド可動体81が初期位置にある状態を示す図であり、図12に示す第2演出可動ユニット8と同じ状態である。第2演出可動ユニット8は、ハンド可動体81の他、ユニットベース80、駆動モータ82、回動部材83、昇降アーム84、可動ベース85、スライドベース86(図15(b)や図16参照)、およびサイドガイド87を備えている。
図16(a)は、第2演出可動ユニット8から、ユニットベース80を図示省略し、ハンド可動体81が初期位置にある状態を、後方側から見た斜視図であり、図の左斜め手前側が後方側になる。
図15(a)に示すように、ユニットベース80の左側には、駆動モータ82が取り付けられている。また、昇降アーム84の一端部分(左端部分)は、駆動モータ82の下方でユニットベース80に回動自在に軸支されている。昇降アーム84の他端部分(右端部分)は、スライドベース86に連結しており(図17(b)参照)、スライドベース86にハンド可動体81の手首側は取り付けられている。図16(a)には、スライドベース86にハンド可動体81を取り付ける取り付けネジ861の一部が図示されている。
また、ハンド可動体81の後ろに設置された可動ベース85にハンド可動体81は、スライドベース86を介して係止されている。図16(a)に示す可動ベース85は、ユニットベース80(図15参照)に取り付けられたスライドレール803に沿って上下動可能であり、スライドレール803の両側には可動溝852が設けられている。ハンド可動体81が取り付けられたスライドベース86からは、この可動溝852に係止突起862が、可動溝852内で上下動可能に挿入されている。したがって、ハンド可動体81は、可動ベース85に対して、上下動可能である。
図15(a)に示すように、ユニットベース80には、左右方向に間隔をあけて一対の上下案内溝801が設けられており、可動ベース85の裏面にある裏面突起851(図16参照)がその上下案内溝801に挿入されており、可動ベース85は、ユニットベース80に対して上下動可能である。したがって、ハンド可動体81は、ユニットベース80に対しても、可動ベース85を介して上下動可能である。
ハンド可動体81には図16(a)に示す回転レバー88が取り付けられており、その回転レバー88の端部には回動突起881が設けられている。回動突起881は、サイドガイド87に設けられたサイド溝871に、サイド溝871内で上下動することができるように挿入されている。サイド溝871には、下端から上方へ向かうにつれて後方側へ傾斜した傾斜部8711が設けられ、その傾斜部8711よりも上には、真っ直ぐ上方に延びた垂直部8712が設けられている。
回動部材83は、ギヤ部831とアーム部832を有する。ギヤ部831は、駆動モータ82の回転ギヤ821(図16(a)参照)と噛合している。アーム部832は、中間部分に中間突起8321(図15(b)や図16(a)参照)を有し、先端部分に先端突起8322を有する。図15に示すように、中間突起8321は、ユニットベース80に設けられた円弧状案内溝802に挿入されている。また、先端突起8322は、昇降アーム84に設けられた直線状案内溝841に挿入されている。図15(a)に示すアーム部832の先端は下方を向いており、そのアーム部832の中間突起8321は、円弧状案内溝802の下端側に位置している。また、図15(a)に示す昇降アーム84は、ユニットベース80の下端部分で左右方向に延在した状態である。すなわち、昇降アーム84は寝た状態であり、図15(a)に示すアーム部832の先端突起8322は、直線状案内溝841の左端側に位置している。
駆動モータ82が順回転すると、ギヤ部831が回動し、アーム部832は、中間突起8321が円弧状案内溝802に案内されて回動動作を行う。この結果、アーム部832の先端突起8322が、直線状案内溝841の右側に向かってスライドし、昇降アーム84は、回動自在に軸支された一端部分(左端部分)とは反対側の他端部分が持ち上げられるように、回動動作を行う。なお、昇降アーム84の一端部分(左端部分)には、回動方向とは逆方向に付勢するバネ部材843が設けられている。昇降アーム84の他端部分が、このバネ部材843の付勢力に抗して持ち上げられると、まず、ハンド可動体81は、図16に示す係止突起862が、可動ベース85に設けられた可動溝852に沿って上昇することで、上方に向けて移動する。やがて、係止突起862が、可動溝852の上縁に当接するまで上昇すると、今度は、可動ベース85が、図15に示すユニットベース80に設けられた一対の上下案内溝801に沿って上昇することで、ハンド可動体81の上昇は継続する。
ハンド可動体81が上昇するにつれて、図16に示す回動突起881は、サイド溝871の傾斜部8711を上昇する。回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇するにつれて、ハンド可動体81の手首部分と、ユニットベース80との間隔が狭くなり、ハンド可動体81は、スライドベース86に設けられた回動軸864(図17(b)参照)を回動中心にしてスペースを確保するように前方側へ向けて徐々に回動する。
図15(b)は、回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇し終えた状態を示す図である。図15(b)に示すハンド可動体81は、前方側へ向かって倒れ込むように回動しており、手首を返したように見える。
図16(b)は、第2演出可動ユニット8から、ユニットベース80を図示省略し、回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇し終えた状態を、後方側から見た斜視図であり、図の左斜め手前側が後方側になる。
図16(b)に示す係止突起862は、可動溝852の上縁に当接しており、可動ベース85が、スライドレール803から抜け出るまで上昇している。また、図16(b)に示す回動突起881は、サイド溝871の傾斜部8711と垂直部8712との境目に到達している。
図15(c)は、ハンド可動体81が最大上昇位置まで上昇した状態を示す図であり、図14に示す第2演出可動ユニット8と同じである。
また、図17(a)は、最大上昇位置まで上昇したハンド可動体81の表側部材を取り外し、少し下方から見上げたときの斜視図である。この図17(a)では、図の右斜め手前側が前方側になる。
ハンド可動体81は、手の甲部分を含む表側部材と、手のひら部分を含む裏側部材811をネジ止めしたものである。図17(a)では、表側部材が取り外されたハンド可動体81の内部に、複数の発光ダイオードDを左右方向一列に実装したLED基板813が示されている。このLED基板813は、手首部分に設けられたものであり、実装された複数の発光ダイオードDは指先の方を向いている。ハンド可動体81の裏側部材811と表側部材の中には、ここでは不図示の、一回り小さな手の形をした導光板が配置され、発光ダイオードDからの光は、導光板の厚み面(端面)から入射される。図17(a)に示す発光ダイオードDは、斜め上方を向いている。これは、発光ダイオードDが、ハンド可動体81の手首部分に内蔵されたものであり、ハンド可動体81が前方側へ向かって倒れ込むように回動したことで、発光ダイオードDも斜め上方を向いた姿勢になっている。一方、図12や図15(a)に示すようにハンド可動体81が初期位置にある場合は、ハンド可動体81の指先は真上を向いており、発光ダイオードDも真上を向いた姿勢になっている。発光ダイオードDの姿勢は、ハンド可動体81が回動動作を行っている間、変化し続ける。ハンド可動体81の手首部分に内蔵された発光ダイオードDの発光タイミングは、ハンド可動体81が初期位置にある状態で発光する場合もあれば、ハンド可動体81が昇降中に発光する場合もあれば、ハンド可動体81が最大上昇位置に到達した時点で発光する場合もあれば、その最大上昇位置にある状態で発光する場合もある。発光ダイオードDの姿勢は、ハンド可動体81が回動動作を行っている間、変化し続けるため、発光ダイオードDからの光の出射方向も変化し続ける。
図17(b)は、ハンド可動体81の裏側部材811とLED基板813も取り外した様子を、少し上方から見たときの斜視図であり、この図17(b)でも、図の右斜め手前側が前方側になる。
図17(b)には、昇降アーム84の他端部分(右端部分)と、スライドベース86の連結構造が示されている。スライドベース86には、左右方向に延在した逃げ溝863が設けられている。昇降アーム84の他端部分(右端部分)に設けられた突起842は、この逃げ溝863に、逃げ溝863内で左右方向に移動可能に挿入されている。ハンド可動体81が初期位置にある場合は、昇降アーム84の突起842は、逃げ溝863の右端に位置しているが、昇降アーム84が回動動作により他端部分(右端部分)が持ち上げられてくると、突起842は逃げ溝863を左方向に移動し、ハンド可動体81が最大上昇位置まで上昇すると、突起842は、逃げ溝863の左端に到達する。
また、図17(b)には、回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇するにつれてハンド可動体81が回動する際の回動中心になるた回動軸864が図示されている。この回動軸864には、回転レバーバネ865が取り付けられている。回転レバーバネ865は、ハンド可動体81が前方側に回動する方向とは逆方向に付勢するものであり、ハンド可動体81は、初期位置から上昇するにつれて、この回転レバーバネ865の付勢力に抗して前方側に回動する。
駆動モータ82が逆回転すると、アーム部832の先端突起8322が、直線状案内溝841の左側に向かってスライドし、昇降アーム84は他端部分(右端部分)が押し下げられるように、回動動作を行い、ハンド可動体81は初期位置へ向けて下降する。また、回動突起881が傾斜部8711に沿って下降すると、ハンド可動体81は後方側へ起き上がる回動動作を行う。すなわち、返された手首を元に戻すように見える動作を行う。
以上の記載によれば、
『 可動体[例えば、ハンド可動体81]と、
遊技球が流下する遊技領域[例えば、遊技領域124]と、
を備えた遊技台であって、
前記可動体は、前記遊技領域に設けられた或る領域(以下、「第一の領域」という。)[例えば、ステージ244]よりも後方側となる第一の位置[例えば、初期位置]に位置することが可能なものであり、
前記可動体の少なくとも一部[例えば、指先部分]は、前記第一の領域の最も後方側にかかる、前方側を向いた垂直面[例えば、図14(b)に太い2点鎖線で示す垂直面vp1]上の第二の位置[例えば、最大上昇位置]に位置することが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記第一の領域にある遊技球を比較対象として前記可動体の動作を強調して遊技者に見せることができる。
なお、前記可動体の少なくとも一部は、前記第一の領域の最も前方側にかかる、前方側の面と後方側の面からなる垂直面上に位置することが可能なものであってもよい。
前記可動体の少なくとも一部は、前記第一の領域よりも前方側に位置することが可能なものであってもよい。
ここにいう少なくとも一部とは、前記可動体の前方側先端部であってもよいし、前方側先端部より後方側の部分であってもよい。
前記可動体の一部が、前記第二の位置に位置することが可能なものであってもよいし、前記可動体の全部が、前記第二の位置に位置することが可能なものであってもよい。
前記第二の位置は、前記第一の領域よりも、上方の位置であってもよいし、下方の位置であってもよいし、左側の位置であってもよいし、右側の位置であってもよい。すなわち、第一の領域から放射方向に広がったいずれの位置であってもよい。
また、
『 前記可動体は、発光手段[例えば、LED基板813]を有するものであり、
前記発光手段は、前記可動体が前記第一の位置と前記第二の位置のうちの一方から他方へ移動する際に姿勢が変化する手段である[例えば、真上を向いた姿勢と斜め上方を向いた姿勢との間で姿勢が変化する]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記発光手段は、基板[例えば、LED基板813]に実装された発光ダイオードであり、
前記可動体が前記第一の位置と前記第二の位置のうちの一方から他方へ移動する際に、前記発光ダイオードからの光の出射方向が変化する、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の駆動手段[例えば、駆動モータ82]を備え、
前記可動体は、前記第一の駆動手段の第一の動作[例えば、順回転]で前記第一の位置と前記第二の位置のうちの一方から他方へ移動するものである[例えば、初期位置から最大上昇位置まで移動]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 ステージカバー[例えば、ステージカバー245]を備え、
前記第一の領域は、ステージ[例えば、ステージ244]であり、
前記第二の位置は、前記ステージよりも上方の位置であり、
前記ステージカバーは、前記ステージよりも後方側への遊技球の移動を阻止するもの[例えば、背面カバー部2451]であり、
前記ステージカバーは、前記ステージよりも上方側への遊技球の移動も阻止するもの[例えば、上方カバー部2452]である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記ステージは、遊技球の滞留時間が長くなる領域である。例えば、前記ステージ内で遊技球が往復動することで遊技球の滞留時間が長くなる領域であったり、遊技球が遊技盤上の遊技釘に弾かれて流下してくるよりもゆっくりと下方へ向かう領域であったりする。
また、前記可動体の一部が、前記ステージ上にある遊技球よりも前方側に位置するようにしてもよいし、遊技盤上の遊技釘の先端よりも前方側に位置するようにしてもよい。
また、
『 前記ステージカバーは、透明又は半透明なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 演出手段[例えば、装飾図柄表示装置208]を備え、
前記可動体は、前記第一の位置に位置する場合には、前記演出手段にオーバーラップしないものであり、
前記可動体は、前記第二の位置に位置する場合には、前記演出手段に少なくとも一部[例えば、指部分]がオーバーラップするものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記可動体は、前記第一の位置に位置する場合には、前記演出手段に前方側から重ならず、前記第二の位置に位置する場合には、前記演出手段に少なくとも一部が前方側から重なるものである。
前記可動体は、前記第二の位置に位置する場合には、前記演出手段に、一部がオーバーラップするものであってもよいし、全部がオーバーラップするものであってもよい。
前記演出手段は、表示手段であってもよい。
前記ステージは、前記表示手段の下に設けられたものであってもよい。
前記可動体が、さらに可動部を有するものであってもよい。例えば、ハンド可動体81の指部分の指が伸びる可動部を設けてもよい。
前記遊技領域に設けられた或る領域(以下、「第二の領域」という。)[例えば、前記第一の領域と同じステージ244]よりも後方側に位置することが可能な第二の可動体[例えば、前記可動体が右手であった場合には第二の可動体は左手の可動体であってもよい]を備え、前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第二の領域の最も後方側にかかる、前方側を向いた垂直面上に位置することが可能なものであってもよい。
前記第二の領域は、前記第一の領域と同じ領域であってもよいし、異なる領域であってもよい。
続いて、第1演出可動ユニット7について説明する。
図18は、第1演出可動ユニット7の落下動作を説明するための図である。
第1演出可動ユニット7は、昇降ユニット71と、その昇降ユニット71を左右で支える左ベース72と右ベース73を有する。図3に示すように、左ベース72と右ベース73は、飾りパネル等によって隠され、遊技者からは見えないようになっている。左ベース72の上部には、左側モータ721が配置され、右ベース73の上部には、右側モータ731が配置されている。
図18(a)は、昇降ユニット71が初期位置にある状態を示す図である。すなわち、図3に示す第1演出可動ユニット7の状態と同じ状態を示す。図19(a)は、図18(a)に示す第1演出可動ユニット7を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。また、図19(a)は、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。図19(a)を用いた説明では、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。この図19(a)では、左ベース72と右ベース73それぞれから、後方側カバー部材が取り外されており、左ベース72と右ベース73それぞれの内部構造が示されている。図19(a)に示すように、左ベース72の内部には、左側モータ721の駆動によって循環する左走行ベルト722と、その左走行ベルト722に固定された左押上部材723と、前後に配置されそれぞれが上下方向に延びた左ガイド棒7241,7242が配置されている。また、右ベース73の内部には、右側モータ731の駆動によって循環する右走行ベルト732と、その右走行ベルト732に固定された右押上部材733と、前後に配置されそれぞれが上下方向に延びた右ガイド棒7341,7342が配置されている。
また、左ベース72の上端部分と右ベース73の上端部分の間には、ロックユニット74が配置されている。ロックユニット74は、昇降ユニット71の後方側に配置され、その昇降ユニット71を初期位置に保持するためのユニットである。ロックユニット74は、ロックユニット74の前面を構成するロック前カバー740fと、ロックユニット74の後面を構成するロック後カバー740bと、そのロック後カバー740bに設けられた駆動ギヤ741と、駆動ギヤ741に噛合した直線状のギヤ7421が設けられたロックアーム742と、ロックアーム742の左右方向両側それぞれに設けられたレバー部材743を有する。駆動ギヤ741は、ロック前カバー740fとロック後カバー740bとの間に設けられた、ここでは不図示のモータの駆動を受けて回転する。そのモータが順方向に回転すると、駆動ギヤ741に噛合したロックアーム742は、図19(a)の右側にスライドし(矢印S1参照)、レバー部材743は後方側に向けて回動する(矢印R1参照)。左右のレバー部材743それぞれは、ロック部材744(図22参照)と係合している。ロック部材744は、ロック前カバー740fから昇降ユニット71に向けて突出しており、ロック部材744の突出した部分は、昇降ユニット71に係合し、昇降ユニット71を初期位置に保持している。レバー部材743が後方側に向けて回動すると、ロック部材744は後退し、昇降ユニット71との係合が解かれ、昇降ユニット71は初期位置に保持されなくなり、落下する。駆動ギヤ741を駆動するモータは、ロック部材744の係合が解除されるまで順方向に回転すると、今度は、逆方向に回転を切り替え、ロックアーム742は左側にスライドし、レバー部材743は前方側に向けて回動する。この結果、ロック部材744は、前方に突出した姿勢に復帰する。
また、左ベース72には、昇降ユニット71の左端部に接続する左スライダ725が設けられ、右ベース73には、昇降ユニット71の右端部に接続する右スライダ735が設けられている。左スライダ725には、前方側の左ガイド棒7241が挿通されている。右スライダ735には、前方側の右ガイド棒7341が挿通されている。昇降ユニット71は、左スライダ725が前方側の左ガイド棒7241に案内されるとともに右スライダ735が前方側の右ガイド棒7341に案内されることで、落下動作を行う。また、左スライダ725には、左定荷重バネ745Lに設けられた帯状部材7450(図19(b)参照)の先端部分が接続され、右スライダ735には、右定荷重バネ745Rに設けられた帯状部材7451(図19(b)参照)の先端部分が接続されている。これらの定荷重バネ745L,745Rは、昇降ユニット71の落下速度を減速させる目的で設けられたものであり、帯状部材7450,7451の引出しトルクが一定に保たれたものである。
図18(b)は、昇降ユニット71が落下位置にある状態を示す図である。昇降ユニット71は、落下位置では、液晶表示装置である装飾図柄表示装置208の表示画面に前方側からオーバーラップする。ただし、この落下位置は、図14に示す第2演出可動ユニット8におけるハンド可動体81の最大上昇位置よりは上方であり、落下位置まで下降した昇降ユニット71が、最大上昇位置まで上昇したハンド可動体81の指先部分と干渉することはない。
昇降ユニット71には、ロゴ可動体712と、キャラ可動体713との2種類の可動体が搭載されている。ロゴ可動体712と、キャラ可動体713は、前後方向に並んで配置されている。すなわち、ロゴ可動体712は、相対的に前方側に配置され、キャラ可動体713は、相対的に後方側に配置されている。図18(b)では、ロゴ可動体712も、その後方側に配置されたキャラ可動体713も、初期位置に位置し、初期姿勢である。遊技盤200の正面に座った遊技者からは、ロゴ可動体712は、初期位置にあるキャラ可動体713に比べて視認容易であるが、初期位置にあるキャラ可動体713はロゴ可動体712に比べて視認困難である。
落下位置に位置する昇降ユニット71では、ロゴ可動体712が演出動作を実行する。ロゴ可動体712は、左側ロゴ部712Lと右側ロゴ部712Rを有する。
図20は、ロゴ可動体712を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図20も、図19(a)と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
図20(a)は、図18(a)に示す昇降ユニット71のロゴ可動体712を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。図20(a)では、昇降ユニット71における後方側の部材(キャラ可動体713等)を図示省略してある。
第1演出可動ユニット7は、ギヤラック部材70を有する。ギヤラック部材70は、詳しくは後述するように、ここでは不図示のモータの駆動力を受けて左右方向に移動可能な板部材である。図20(a)に示すギヤラック部材70は初期位置に位置している。また、図20(a)に示す左側ロゴ部712Lにしても右側ロゴ部712Rにしても、初期位置に位置し、初期姿勢である。
左側ロゴ部712Lおよび右側ロゴ部712Rと、ギヤラック部材70との間には、ロゴ可動体取付板75が設けられている。
ギヤラック部材70には、左側溝70Lと右側溝70Rが形成されている。左側溝70Lには、左側ロゴ部712Lの後面に設けられた第1左用突起712L1が挿入されている。また、右側溝70Rには、右側ロゴ部712Rの後面に設けられた第1右用突起712R1が挿入されている。図20(a)に示す、初期位置にある左側ロゴ部712Lの第1左用突起712L1は、左側溝70Lの右端、すなわち左側溝70Lに設けられた傾斜部の上端に位置している。図20(a)に示す、初期位置にある右側ロゴ部712Rの第1右用突起712R1は、右側溝70Rの右端、すなわち右側溝70Rに設けられた傾斜部の上端からさらに右側に延びた部分に位置している。
また、ギヤラック部材70の右上隅部(図20(a)では左上隅部)に設けられた連結部705は、右側ロゴ部712Rの後面に設けられた第2右用突起712R2と連結している。
図20(b)は、同図(a)に示すギヤラック部材70を取り外した状態を示す図である。
左側ロゴ部712Lの後面には、第1左用突起712L1の他に、第2左用突起712L2が設けられている。ロゴ可動体取付板75には、第1左用溝751と第2左用溝752が形成されている。第1左用溝751にしても第2左用溝752にしても、右斜め下がり(図20(b)では左斜め下がり)の円弧状の溝である。第1左用溝751には、第1左用突起712L1が挿入され、図20(a)に示すように、第1左用突起712L1はさらにギヤラック部材70の左側溝70Lに挿入されている。図20(b)に示す第1左用突起712L1は、第1左用溝751の上側に位置している。第2左用溝752には、第2左用突起712L2が挿入され、図20(b)に示す第2左用突起712L2は、第2左用溝752の上側に位置している。
また、図20(b)に示すように、ロゴ可動体取付板75には、第1右用溝753と第2右用溝754が形成されている。第1右用溝753と第2右用溝754はいずれも、右斜め下がり(図20(b)では左斜め下がり)の直線状の溝である。第1右用溝753には、第1右用突起712R1が挿入され、図20(a)に示すように、第1右用突起712R1はさらにギヤラック部材70の右側溝70Rに挿入されている。図20(b)に示す第1右用突起712R1は、第1右用溝753の上側に位置している。また、第2右用溝754には、第2右用突起712R2が挿入されている。図20(b)に示す第2右用突起712R2は、第2右用溝754の上側に位置している。
図18(c)は、ロゴ可動体712が演出動作を行っている様子を示す図である。この演出動作では、左側ロゴ部712Lが反時計周りの方向に回転し、右側ロゴ部712Rが時計周りの方向に回転する。ロゴ可動体712が演出動作を行うと、演出動作を行う前よりもキャラ可動体713が視認容易になる。
図21は、図18(c)に示すロゴ可動体712を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図21も、図20と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
図21(a)では、図20(a)と同じく、昇降ユニット71における後方側の部材(キャラ可動体713等)を図示省略してある。図21(a)に示すギヤラック部材70は、右側(図21(a)では左側)に移動している。
図21(b)は、同図(a)に示すギヤラック部材70を取り外した状態を示す図である。
図21(b)に示す第1左用突起712L1は、円弧状の第1左用溝751に案内され第1左用溝751の中間位置に位置している。また、図21(b)に示す第2左用突起712L2は、円弧状の第2左用溝752に案内され第2左用溝752の中間位置に位置している。左側ロゴ部712Lの後面に設けられた、これらの第1左用突起712L1および第2左用突起712L2の移動によって、左側ロゴ部712Lは反時計周りの方向(図21では矢印Raが示す時計周りの方向)に回転する。
また、図21(b)に示す第1右用突起712R1は、第1右用溝753に案内され第1右用溝753の中間位置に位置している。また、図21(b)に示す第2右用突起712R2は、第2右用溝754に案内され第2右用溝754の中間位置に位置している。右側ロゴ部712Rの後面に設けられた、これらの第1右用突起712R1および第2右用突起712R2の移動によって、右側ロゴ部712Rは時計周りの方向(図21では矢印Rbが示す反時計周りの方向)に回転する。
ギヤラック部材70が、左側(図21では右側)に移動すると、左側ロゴ部712Lも右側ロゴ部712Rも初期位置に戻る。
図22は、キャラ可動体713が演出動作を行っている様子を示す図である。この図22には、ロック前カバー740fよりも前方に突出した姿勢に復帰したロック部材744が示されている。
ロゴ可動体712の演出動作が終了すると、今度は、後方側に配置されたキャラ可動体713が演出動作を開始する。キャラ可動体713は、左側キャラ部713Lと右側キャラ部713Rを有する。なお、左側キャラ部713Lにしても右側キャラ部713Rにしても、実際には前面にキャラクタの顔が印刷されたシールが貼付される。
左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rよりも前側に配置されている。左側キャラ部713Lにしても右側キャラ部713Rにしても、初期姿勢では寝た姿勢である。演出動作が開始されると、右側キャラ部713Rが、左側が持ち上がるように時計周りの方向に回動動作を行う。図22に示す右側キャラ部713Rは、先端部分が、90°近くまで持ち上がり、ロック前カバー740fの前方側からロック前カバー740fにオーバーラップする位置まで回動している。左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rの回動動作に連動して、右側が持ち上がるように反時計周りの方向に回動動作を行う。キャラ可動体713の演出動作の機構的な説明は後述する。
図19(b)は、図22に示す第1演出可動ユニット7を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図19(b)も、同図(a)と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
また、図19(b)でも、同図(a)と同じように、左ベース72と右ベース73それぞれから、後方側カバー部材が取り外されており、左ベース72と右ベース73それぞれの内部構造が示されている。左スライダ725には左後側ベース部726が取り付けられており、右スライダ735には右後側ベース部736が取り付けられている。左後側ベース部726には、後方側の左ガイド棒7242が挿通され、右後側ベース部736には、後方側の右ガイド棒7342が挿通されている。左走行ベルト722に固定された左押上部材723は、左後側ベース部726に下方から当接しており、右走行ベルト732に固定された右押上部材733は、右後側ベース部736に下方から当接している。
キャラ可動体713の演出動作が終了すると、落下位置では、キャラ可動体713が初期位置に向けての復帰動作を実行し、その復帰動作が完了すると、次いで、ロゴ可動体712も初期位置に向けての復帰動作を実行する。
また、昇降ユニット71は、落下位置から初期位置に上昇動作を行う。この上昇動作では、左側モータ721と右側モータ731が同期して駆動し、左走行ベルト722が循環することにより、左押上部材723が上昇し、上昇する左押上部材723に左後側ベース部726が押される。また、右走行ベルト732が循環することにより、右押上部材733が上昇し、上昇する右押上部材733に右後側ベース部736が押される。昇降ユニット71は、左後側ベース部726が後方側の左ガイド棒7242に案内されるとともに右後側ベース部736が後方側の右ガイド棒7342に案内されることで、落下位置から初期位置に向けて、水平姿勢を保ったまま上昇動作を行う。初期位置近傍まで戻ってきた昇降ユニット71は、前方に突出しているロック部材744(図22参照)を一旦押し下げ、初期位置に復帰する。昇降ユニット71が初期位置に復帰するとともに、ロック部材744も前方に突出した姿勢に復帰し、ロック部材744が昇降ユニット71に係合する。こうして、昇降ユニット71は初期位置に保持される。
図23は、昇降ユニット71からロゴ可動体712を取り外した状態を表す斜視図である。この図23では、図の左手前側が前方側になる。
図23には、左右方向に移動可能なギヤラック部材70が図示されている。このギヤラック部材70は、上縁の中央部分に上ラックギヤ701が設けられているとともに、下縁の右端から左側に向かって下ラックギヤ702が設けられている。また、ギヤラック部材70の右上隅には、後方側に向かって突出した係止突起703が設けられている。なお、係止突起703とは反対側の前方側には、図20を用いて説明した連結部705が設けられている。
昇降ユニット71は、後面にベース板711を有する。このベース板711には、ギヤラック部材70を移動させるモータ7111が取り付けられている。また、昇降ユニット71には、下ギヤ714が設けられている。モータ7111の駆動力は、ギヤ列によって下ギヤ714に伝達する。下ギヤ714は、ギヤラック部材70の下ラックギヤ702に噛合している。図23に示すギヤラック部材70は、左側に寄った初期位置にあり、下ギヤ714は、下ラックギヤ702の右端部分に噛合している。すなわち、図23では、図20(a)において後方側から示したギヤラック部材70を前方側から示している。
また、昇降ユニット71には、上ギヤ715も設けられている。上ギヤ715は前側ギヤ7151と後側ギヤ7152を有する。前側ギヤ7151は、上ラックギヤ701に噛合可能なギヤであるが、図23に示す前側ギヤ7151は、上ラックギヤ701に噛合していない。
図23に示す右側キャラ部713Rも左側キャラ部713Lも初期位置に位置し、寝た姿勢(初期姿勢)である。右側キャラ部713Rは、右端部が、後面のベース板711に回動可能に軸支されており、回動軸周りには、スプリング7131が取り付けられている。このスプリング7131は、右側キャラ部713Rが左側が持ち上がるように時計周りの方向に回動する方向とは逆方向に付勢するものである。また、右側キャラ部713Rには、右側キャラ用レバー7132が取り付けられている。
図24(a)は、図23に示す右側キャラ用レバー7132を中心にその周辺を斜め上方から拡大して示す図である。
右側キャラ用レバー7132には、ギヤ部7132aと係止溝7132bが設けられている。ギヤ部7132aは、上ギヤ715における後側ギヤ7152と噛合している。
初期姿勢の右側キャラ部713Rに取り付けられた右側キャラ用レバー7132は、図24(a)に示すように、左斜め下方を向いた姿勢である。すなわち、左側に寄った初期位置にあるギヤラック部材70の方を向いた姿勢であり、この姿勢が右側キャラ用レバー7132の初期姿勢になる。
初期姿勢の右側キャラ用レバー7132の係止溝7132bには、初期位置にあるギヤラック部材70の係止突起703が入り込んでいる。係止溝7132bは、右方向が開放した溝であるが、上下方向は閉塞している。図18(a)および同図(b)に示すように、昇降ユニット71は初期位置から落下位置まで落下する。この際、上述のごとく、図19や図22に示す左定荷重バネ745Lおよび右定荷重バネ745Rによって、昇降ユニット71の落下速度は減速されるものの、落下位置での停止時には、慣性力が作用し、昇降ユニット71には上方へ弾む力が加わる。この結果、昇降ユニット71に対する右側キャラ部713Rの相対位置が変化する。特に、右側キャラ部713Rは、ロゴ可動体712や左側キャラ部713Lに比べて長いものであるため、上方へ弾むと、左端の動きが目立ちやすい。図24(a)に示すように、上ギヤ715の前側ギヤ7151は、ギヤラック部材70の上ラックギヤ701には噛合していない。詳しくは後述するが、モータ7111の駆動力(回転力)は、右側キャラ部713Rに伝わる状態ではない。すなわち、モータ7111の駆動力(回転力)が右側キャラ部713Rに伝わるように各種のギヤ部材が噛合した駆動力伝達機構はまだ形成されていない。駆動力伝達機構が形成されていれば、バックラッシを超えたズレは許容されないが、駆動力伝達機構が形成されていなければ、右側キャラ部713Rのズレ(上方へ弾むこと)が許容されてしまうことになる。
しかしながら、ギヤラック部材70の係止突起703が、右側キャラ用レバー7132の係止溝7132bに入り込んでいるため、落下停止時に右側キャラ部713Rに上方へ弾む力が加わったとしても、係止突起703が係止溝7132bの下壁に衝突して、右側キャラ部713Rが上方へ弾むことが抑えられる。なお、上述のごとく、左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rの回動動作に連動するため、右側キャラ部713Rが上方へ弾むことが抑えられれば、左側キャラ部713Lも上方へ弾むことが抑えられる。
図24(b)は、ギヤラック部材70が、左側に寄った初期位置から、モータ7111が駆動することで、右側に少し移動した様子を示す斜視図である。この図24(b)でも、図の左手前側が前方側になる。図24(b)では、図21(a)において後方側から示したギヤラック部材70を前方側から示している。
図24(b)に示すギヤラック部材70は、下ギヤ714が時計周りの方向に回転(矢印R2参照)することで右側に向けて(矢印S2参照)少し移動した状態である。図24(a)に示すように、ギヤラック部材70は、左側に寄った初期位置では、係止突起703が右側キャラ用レバー7132の係止溝7132bに入り込んでいたが、同図(b)に示す係止突起703は、係止溝7132bから抜け出ている。すなわち、右方向が開放した係止溝7132b内にあった係止突起703は、ギヤラック部材70が右側に移動することで、右側に抜け出ている。したがって、ロゴ可動体712の演出動作の実行中に、係止溝7132bから係止突起703が抜け出すことになり、右側キャラ部713Rに対する係止突起703の規制が解除される。
なお、図24(b)に示す上ギヤ715の前側ギヤ7151は、ギヤラック部材70が右側に少し移動したことで、上ラックギヤ701の真横に位置しているが、上ラックギヤ701に噛合するまでには至っていない。
モータ7111がさらに駆動し、下ギヤ714が時計周りの方向に回転を続けることで、前側ギヤ7151が、上ラックギヤ701に噛合し、上ギヤ715が回転を開始する。上ギヤ715が回転を開始すると、後側ギヤ7152に噛合した右側キャラ用レバー7132が回動を開始する。すなわち、これまで左斜め下方を向いた姿勢であった右側キャラ用レバー7132が、時計周りの方向に回動し始め、右斜め上方を向いた姿勢へと変化する。この右側キャラ用レバー7132の回動に合わせて、右側キャラ用レバー7132が取り付けられた右側キャラ部713Rも、左側が持ち上がるように時計周りの方向に回動動作を開始する。したがって、ロゴ可動体712の演出動作の実行が完了した後に、キャラ可動体713の演出動作の実行が開始される。
図25(a)は、キャラ可動体713が演出動作を行っている昇降ユニット71からロゴ可動体712を取り外した状態を表す斜視図である。この図25でも、図の左手前側が前方側になる。この図25に示すキャラ可動体713は、図19(b)に示すキャラ可動体713や、図22に示すキャラ可動体713と同じである。
図19(b)に示すように、ベース板711には、円弧状の案内溝7112が形成されている。この円弧状の案内溝7112には、右側キャラ部713Rの後面に設けられた突部7133が挿入されている。右側キャラ部713Rは、この突部7133が案内溝7112に案内されて回動動作を行う。図19(b)に示す突部7133は、円弧状の案内溝7112の上端に位置している。
図25(a)に示すギヤラック部材70は、最も右側まで移動した状態であり、右側キャラ用レバー7132は、右斜め上方を向いた姿勢になっている。また、図25に示す右側キャラ部713Rは、先端部分が、90°近くまで持ち上がっており、最大回動位置まで回動した状態である。
また、図25(a)に示す左側キャラ部713Lも回動し、右側が持ち上がっている。上ギヤ715の後方には、連動レバー7134が配置されている。
図25(b)は、図25(a)に示す上ギヤ715を取り外し、上ギヤ715の後方に配置された連動レバー7134が見えるようにした図である。
右側キャラ部713Rの前面には、連動レバー7134が取り付けられており、この連動レバー7134は、左側キャラ部713Lの下縁に下方から当接している。したがって、連動レバー7134は、右側キャラ部713Rとともに回動し、左側キャラ部713Lを下方から押し上げる。こうして、左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rの回動動作に連動して、左側に設けられた回動軸7135を中心に、右側が持ち上がるように反時計周りの方向に回動動作を行う。図25に示す左側キャラ部713Lも、右側キャラ部713Rに連動して、最大回動位置まで回動した状態である。
モータ7111が逆方向に駆動すると、ギヤラック部材70は、左方向に移動を開始し、初期位置まで戻る。ギヤラック部材70が左方向に移動すると、上ギヤ715が逆回転を開始し、後側ギヤ7152に噛合した右側キャラ用レバー7132が、図23に示す左斜め下方を向いた初期姿勢に向けて逆回動する。こうして右側キャラ用レバー7132が初期姿勢に向けて逆回動することで、右側キャラ部713Rも初期姿勢に向けて逆回動する。
左側キャラ部713Lには、回動軸7135近傍に引張バネ7136が設けられている。右側キャラ部713Rの逆回動に合わせて連動レバー7134の押し上げが解除されていくと、この引張バネ7136の付勢力によって、左側キャラ部713Lも初期姿勢に向けて逆回動する。
なお、ここでの説明では、ロゴ可動体712の演出動作もキャラ可動体713の演出動作も、共通のギヤラック部材70を用いた動作であったため、ロゴ可動体712の演出動作が完了してからキャラ可動体713の演出動作が開始する構成であったが、ギヤラック部材70のような部材を別々に用意してもよい。こうすることで、ロゴ可動体712の演出動作と、キャラ可動体713が演出動作は、どちらか一方が先に開始することができるようになったり、同時に開始することができるようになったりする。また、いずれか一方のみの演出動作しか行われない場合があってもよい。さらに、キャラ可動体713の復帰動作と、ロゴ可動体712の復帰動作も、どちらか一方が先に開始することができるようになったり、同時に開始することができるようになったりする。また、いずれか一方のみの復帰動作しか行われない場合があってもよい。
また、図18〜図25を用いて説明した右側キャラ部713R等の可動体の相対位置の変化を規制する構造は、回胴遊技機(スロットマシン)に設けられた可動体にも適用することができる。
以上の記載によれば、
『 演出動作[例えば、落下動作]を実行可能な可動ユニット[例えば、第1演出可動ユニット7、あるいは昇降ユニット71]と、
前記可動ユニットに設けられた第一の可動体[例えば、キャラ可動体713、あるいは右側キャラ部713R]と、
を備えた遊技台であって、
前記可動ユニットは、規制手段[例えば、係止溝7132bに入り込んだ係止突起703]を有するものであり、
前記規制手段は、前記演出動作を実行する前後における、前記可動ユニットに対する前記第一の可動体の相対位置の変化[例えば、落下停止時に慣性力が作用し第一の可動体が弾んでしまうことによる、初期位置からの変化]を規制するものである、
ことを特徴とする遊技台[例えば、パチンコ機100]。』
について説明した。
この遊技台によれば、意図しない前記第一の可動体の動きによって遊技者に違和感を与えることなく前記演出動作を実行できる。
なお、前記演出動作は、上昇動作であってもよいし、横方向のスライド動作であってもよいし、前方への進出動作であってもよいし、後方への後退動作であってもよい。
前記演出動作は、前記第一の可動体による演出を含まない動作であってもよい。ここにいう前記第一の可動体による演出とは、該第一の可動体の一部又は全部が姿勢変化をしたり、発光したり、回動したりする等といった、該第一の可動体が、演出開始前よりも目立つようになる演出のことであり、例えば、該第一の可動体が、目立たずに単に位置を変える(移動する)だけの演出等は該当しない。
また、
『 前記第一の可動体は、第一の動作[例えば、回動動作]を実行可能なものであり、
前記第一の動作は、前記演出動作に含まれない動作である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の駆動手段[例えば、モータ7111]を備え、
前記第一の可動体は、前記第一の駆動手段の駆動によって前記第一の動作を実行可能なものであり[例えば、図25]、
前記第一の駆動手段の駆動によって、前記規制手段による規制が解除され[例えば、図24(b)]、前記第一の可動体が前記第一の動作を実行する、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
さらに、
「 前記第一の駆動手段[例えば、モータ7111]の駆動力を前記第一の可動体に伝達する駆動力伝達手段[例えば、下ギヤ714、ギヤラック部材70、上ギヤ715]を備え、
前記規制手段は、前記駆動力伝達手段とは異なる手段である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
また、
『 前記演出動作が、落下動作である[例えば、図18(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記可動ユニットに設けられた第二の可動体[例えば、ロゴ可動体712]を備え、
前記第二の可動体は、第二の動作[例えば、回転動作]を実行可能なものであり[例えば、図18(c)]、
前記第二の動作の実行中に、前記規制手段による規制が解除される[例えば、図24(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第二の動作の実行が完了した後に、前記第一の動作の実行が開始される[例えば、図25]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第二の可動体は、前記第一の駆動手段の駆動によって前記第二の動作を実行可能なものであってもよい。
次に、パチンコ機100の搬送時における昇降ユニット71の工夫について説明する。
図26は、図3に示す遊技台を前方側斜め上方から見た斜視図である。
遊技盤200では、遊技板201よりも後方は、樹脂製の裏ベース260によって覆われている。
また、図3では説明を省略したが、装飾上カバー203および装飾右上カバー205と、昇降ユニット71との間には、イルミパネル207が配置されている。このイルミパネル207は、厚み面(端面)から光が入射され、入射された光を反射させて前面から出射するものである。
昇降ユニット71は、前方側をこのイルミパネル207によって覆われており、前面枠扉106を開けても、昇降ユニット71には接触不能である。すなわち、イルミパネル207を取り外さなければ、昇降ユニット71に接触することはできない。昇降ユニット71は、上述した図22に示すロック部材744の係合によって初期位置に保持されている。したがって、パチンコ機100の搬送時には、衝撃等によって、ロック部材744の係合が外れる恐れがある。そこで、搬送時に、昇降ユニット71が落下しないように昇降ユニット71を初期位置に固定させておきたい。前面枠扉106を開けて接触可能な部材であれば、テープを貼る等して固定することができるが、上述のごとく、昇降ユニット71は、イルミパネル207によって覆われており、接触不能であるため、テープを貼る等して固定することができない。
そこで、図26に示す遊技盤200では、第1固定ピン261と第2固定ピン262を用いて、昇降ユニット71を吊り上げて、昇降ユニット71を初期位置に固定させている。図26では、裏ベース260に設けられた切欠部から第1固定ピン261の一部と第2固定ピン262の一部がそれぞれ見えている。また、第1固定ピン261の前端部分2611は、装飾上カバー203から前方側に突出し、第2固定ピン262の前端部分2621は、装飾右上カバー205から前方側に突出している。
図27は、図26に示す遊技盤200を真上から見た平面図であり、図の下側が前方側になる。
この図27でも、裏ベース260に設けられた切欠部から第1固定ピン261の一部と第2固定ピン262の一部がそれぞれ見えている。また、第1固定ピン261の前端部分2611が前方側に突出し、第2固定ピン262の前端部分2621も前方側に突出していることもわかる。
さらに、遊技盤200の後面からは、左右方向に間隔をあけて、第1搬送固定部材263と第2搬送固定部材264が差し込まれている。
図28は、遊技盤200から裏ベース260を外した状態を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図28も、図19(a)等と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
この図28でも、昇降ユニット71を貫通した第1固定ピン261の一部と、同じく昇降ユニット71を貫通した第2固定ピン262の一部がそれぞれ見えている。また、図28には、図19(a)を用いて説明したロックユニット74が示されている。このロックユニット74のロック後カバー740bには、第1搬送固定部材263と第2搬送固定部材264がそれぞれ差し込まれている。
図29は、第1固定ピン261および第2固定ピン262と、第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264の取り付け構造を説明するための分解斜視図である。この図29では、図の左奥側が前方側になり、図の右手前側が後方側になる。
図29では、前方に、装飾上カバー203および装飾右上カバー205が示され、その後ろに、昇降ユニット71、ロック前カバー740fの順で示され、後方にロック後カバー740bが示されている。
装飾上カバー203には、第1固定ピン261が挿通される貫通孔2031が設けられている。装飾右上カバー205には、第2固定ピン262が挿通される貫通孔2051が設けられている。
固定対象になる昇降ユニット71には、昇降ユニット71を固定するための第1固定ピン261が挿通される第1貫通孔7101と、同じく昇降ユニット71を固定するための第2固定ピン262が挿通される第2貫通孔7102が設けられている。第1貫通孔7101は、図23にも示したベース板711に設けられている。第2貫通孔7102は、図20にも示したロゴ可動体取付板75に設けられている。また、ベース板711には、第2固定ピン262が挿通される切欠き7103も設けられている。
ロック前カバー740fは、第1固定ピン261の後端部分2612が挿入される第1挿入部740fLと、第2固定ピン262の後端部分2622が挿入される第2挿入部740fRを有する。
固定対象になる昇降ユニット71が初期位置に位置した状態では、装飾上カバー203に設けられた貫通孔2031、昇降ユニット71の第1貫通孔7101、第1挿入部740fLは一直線上に並んでいる。また、装飾右上カバー205に設けられた貫通孔2051、昇降ユニット71の第2貫通孔7102および切欠き7103、第2挿入部740fRも一直線上に並んでいる。
パチンコ機100を搬送する前、すなわち工場出荷前に、第1固定ピン261および第2固定ピン262の取り付けが行われる。第1固定ピン261は、前方側から、後端部分2612が、装飾上カバー203に設けられた貫通孔2031に挿入される。第1固定ピン261を後方側に向けて挿入していくことで、第1固定ピン261の後端部分2612は、固定対象になる昇降ユニット71の第1貫通孔7101を通って、第1挿入部740fLに到達する。第1固定ピン261の後端部分2612が第1挿入部740fLに挿入されると、第1固定ピン261をそれ以上は後方側に向けて挿入することはできず、第1固定ピン261の後端部分2612は、第1挿入部740fLから突き出ることなく、第1挿入部740fL内に収納される。第2固定ピン262も同様に、前方側から、後端部分2622が、装飾右上カバー205に設けられた貫通孔2051に挿入される。第2固定ピン262を後方側に向けて挿入していくことで、第2固定ピン262の後端部分2622は、固定対象になる昇降ユニット71の第2貫通孔7102を通って、さらに切欠き7103も通り、第2挿入部740fRに到達する。第2固定ピン262の後端部分2612が第2挿入部740fRに挿入されると、第2固定ピン262をそれ以上は後方側に向けて挿入することはできず、第2固定ピン262の後端部分2622は、第2挿入部740fRから突き出ることなく、第2挿入部740fR内に収納される。第1挿入部740fLにしても第2挿入部740fRにしても樹脂製であり、可撓性を有する。第1挿入部740fLの収納空間は、第1固定ピン261の径よりもわずかに狭い空間であり、第2挿入部740fRの収納空間は、第2固定ピン262の径よりもわずかに狭い空間である。第1挿入部740fLにしても第2挿入部740fRにしても、それらの収納空間は、第1固定ピン261や第2固定ピン262といった固定ピンの後端部分が押し込まれることで、可撓性により一旦拡径した後、第1挿入部740fL、第2挿入部740fRは、その後端部分を締め付ける。この結果、固定ピンが前方側に抜け落ちることが防止されている。
図30は、第1固定ピン261および第2固定ピン262が取り付けられた遊技盤200の上端部分を拡大して示す斜視図であり、図の左手前側が前方側になる。
図30を見ると、昇降ユニット71に接触可能に見えるが、この図では、第1固定ピン261および第2固定ピン262が、初期位置にある昇降ユニット71を吊り上げている様子が見えやすいように、遊技盤200から、裏ベース260や遊技板201や外レール202等を取り外している。実際には、昇降ユニット71の上方は、裏ベース260や遊技板201や外レール202等によって覆われている。
図30には、装飾上カバー203および装飾右上カバー205が示され、そのすぐ後ろにイルミパネル207が配置さている様子も示されている。また、左側ロゴ部712L、右側ロゴ部712R、ロゴ可動体取付板75、昇降ユニット71のベース板711、ロックユニット74のロック前カバー740fおよびロック後カバー740bも示されている。図30に示すように、昇降ユニット71は、初期位置では、装飾上カバー203および装飾右上カバー205と、ロックユニット74(より具体的にはロック前カバー740f)の間に位置する。
以上説明した固定ピン(261,262)は、前方側から後方側に向けて挿入し、固定対象である昇降ユニット71を貫通して前方側と後方側に架け渡されるものであった。一方、図29に示す第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264は、平板状の舌片部材であり、後方側から前方側に向けて挿入し、固定対象である昇降ユニット71を貫通せずに、昇降ユニット71のベース板711に前端部分が係止される。
図29に示すロック後カバー740bは、左側(図29では右側)に第1開口740bLを有し、右側(図29では左側)に第2開口740bRを有する。また、ロック前カバー740fも、左側(図29では右側)に第1開口740fhを有し、右側(図29では左側)に第2開口740fmを有する。
固定対象になる昇降ユニット71には、ベース板711の、左側(図29では右側)に第1係止口711Lが設けられるとともに、右側(図29では左側)に第2係止口711Rが設けられている。
固定対象になる昇降ユニット71が初期位置に位置した状態では、ロック後カバー740bの第1開口740bL、ロック前カバー740fの第1開口740fh、昇降ユニット71の第1係止口711Lは一直線上に並んでいる。また、ロック後カバー740bの第2開口740bR、ロック前カバー740fの第2開口740fm、昇降ユニット71の第2係止口711Rも一直線上に並んでいる。
パチンコ機100の工場出荷前に、第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264の取り付けも行われる。第1搬送固定部材263は、後方側から、前端部分2631が、ロック後カバー740bの第1開口740bLに挿入される。第1搬送固定部材263を前方側に向けて挿入していくことで、第1搬送固定部材263の前端部分2631は、ロック前カバー740fの第1開口740fhを通って、固定対象になる昇降ユニット71の第1係止口711Lに到達する。第1搬送固定部材263の前端部分2631は、第1係止口711Lに係止される。第2搬送固定部材264も、第1搬送固定部材263と同じく後方側から、前端部分2641が、ロック後カバー740bの第2開口740bRに挿入される。第2搬送固定部材264を前方側に向けて挿入していくことで、第2搬送固定部材264の前端部分2641は、ロック前カバー740fの第2開口740fmを通って、固定対象になる昇降ユニット71の第2係止口711Rに到達する。第2搬送固定部材264の前端部分2641も、第2係止口711Rに係止される。
こうして、初期位置にある昇降ユニット71は、前方側からも後方側からも保持される。パチンコ機100の搬送が終了し、パチンコ機100が遊技店に設置された後、前面枠扉106を開ければ、第1固定ピン261の前端部分2611および第2固定ピン262の前端部分2621は接触可能である。遊技店の店員は、第1固定ピン261の前端部分2611を持って第1固定ピン261を前方側に引き抜くとともに、第2固定ピン262の前端部分2621を持って第2固定ピン262も前方側に引き抜く。また、島の裏側から、第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264を後方側に引き抜く。第1固定ピン261、第2固定ピン262、第1搬送固定部材263、および第2搬送固定部材264を取り外すことで、昇降ユニット71は落下動作を実行することが可能になる。
なお、図26〜図30を用いて説明した、第1固定ピン261や第2固定ピン262を用いた昇降ユニット71の搬送時の固定構造や、第1搬送固定部材263や第2搬送固定部材264を用いた昇降ユニット71の搬送時の固定構造は、回胴遊技機(スロットマシン)に設けられた可動体にも適用することができる。
以上の記載によれば、
『 可動体[例えば、昇降ユニット71]を備えた遊技台であって、
遊技台の搬送時に前記可動体の移動を規制する移動規制手段[例えば、第1固定ピン261、第2固定ピン262、第1搬送固定部材263、第2搬送固定部材264]を取り付け可能に構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、遊技台の搬送時に前記可動体の破損を防止することができる。
また、
『 開閉可能な扉体[例えば、前面枠扉106]を備え、
前記可動体は、閉じた状態の扉体よりも後方側に配置されたものであり、
前記可動体は、前記扉体を開いた状態であっても、接触不能なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記扉体と前記可動体との間に板状の透過手段[例えば、イルミパネル207]を備え、
前記可動体は、前記扉体を開いた状態であっても、前記透過手段によって接触不能なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記透過手段は、取り外し可能な手段であり、前記可動体は、前記扉体を開いた状態で、前記透過手段を取り外せば接触可能なものであってもよい。
また、前記透過手段は、透明もしくは半透明の板部材であってもよい。
また、
『 前記透過手段は、発光演出を行うことが可能な手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記透過手段は、光が端面から入射されることにより演出表示を行うことが可能な導光板であってもよい。
また、
『 前記可動体は、初期位置から移動可能なものであり[例えば、図18]、
前記移動規制手段は、前記初期位置にある前記可動体の移動を規制する手段であり、
前記移動規制手段を着脱可能に構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の構造体[例えば、装飾上カバー203,装飾右上カバー205]と、
第二の構造体[例えば、ロック前カバー740f]と、
を備え、
前記可動体[例えば、昇降ユニット71]は、初期位置では、前記第一の構造体と前記第二の構造体の間に位置するものである[例えば、図30]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記可動体は、前記移動規制手段が貫通する貫通孔[例えば、第1貫通孔7101,第2貫通孔7102]を有するものであり、
前記第一の構造体は、前記移動規制手段が貫通する第一の孔[例えば、貫通孔2031,貫通孔2051]を有するものであり、
前記第二の構造体は、前記移動規制手段が挿入される挿入部[例えば、第1挿入部740fL、第2挿入部740fR]を有するものであり、
前記貫通孔と前記第一の孔と前記挿入部は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されている[例えば、図29]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記移動規制手段は、棒状部材であってもよい。
前記挿入部は、貫通した孔であってもよいし、貫通していない穴であってもよい。
前記第一の構造体は、前記第二の構造体よりも、前側に設けられたものであってもよいし、後ろ側に設けられたものであってもよい。
前記第一の構造体は、閉じた状態の前記扉体よりも後方側に配置されたものであり、前記第一の構造体は、前記扉体を開くと、接触可能になるものであってもよい。また、言い方を変えれば、前記第一の孔の縁は、閉じた状態の前記扉体よりも後方側に位置し、前記第一の孔の縁は、前記扉体を開くと、接触可能になるものであってもよい。これらの場合、前記挿通部の大きさは、前記第一の孔よりも小さくてもよいし、前記挿通部は、後方側に貫通していない穴であってもよい。このような構成によって、前記移動規制手段は、前方には引き抜けるが、後方には引き抜けないようにすることができる。
前記貫通孔は、円形、楕円形、半円形、矩形、多角形、鍵穴形等であってもよい。
前記移動規制手段は複数あってもよく、移動規制手段ごとに、前記第一の孔と前記貫通孔と、前記挿入部が設けられている。
また、
『 前記第一の構造体と前記第二の構造体のうちのいずれか一方の構造体[例えば、ロック前カバー740f]は、前記移動規制手段が貫通する第二の孔[例えば、第1開口740fL,第2開口740fR]を有するものであり、
前記可動体[例えば、昇降ユニット71]は、前記移動規制手段の先端が差し込まれる差込口[例えば、第1係止口711L,第2係止口711R]を有するものであり、
前記第二の孔と前記差込口は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されている[例えば、図29]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この場合には、前記移動規制手段は、前記第二の孔を有する構造体側に引き抜くことが可能になる。
前記移動規制手段は複数あってもよく、移動規制手段ごとに、前記第二の孔と前記差込口が設けられている。
以上の記載によれば、
『 第一の構造体[例えば、装飾上カバー203,装飾右上カバー205]と、
第二の構造体[例えば、ロック前カバー740f]と、
可動体[例えば、昇降ユニット71]と、
を備えた遊技台であって、
前記可動体は、初期位置では、前記第一の構造体と前記第二の構造体の間に位置するものであり、
前記可動体は、貫通孔[例えば、第1貫通孔7101,第2貫通孔7102]を有するものであり、
前記第一の構造体は、第一の孔[例えば、貫通孔2031,貫通孔2051]を有するものであり、
前記第二の構造体は、挿入部[例えば、第1挿入部740fL、第2挿入部740fR]を有するものであり、
前記貫通孔と前記第一の孔と前記挿入部は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されており[例えば、図29]、
前記第一の孔と前記貫通孔を貫通し前記挿入部に挿入された第一の移動規制手段[例えば、第1固定ピン261,第2固定ピン262]を搬送時に備えることを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
搬送時には、初期位置にある可動体が、前記第一の構造体と前記第二の構造体の間に挿通した前記第一の移動規制手段によって吊り下げられ、移動することが規制されている。
また、
『 前記第一の構造体と前記第二の構造体のうちのいずれか一方の構造体[例えば、ロック前カバー740f]は、第二の孔[例えば、第1開口740fh,第2開口740fm]を有するものであり、
前記可動体は、差込口[例えば、第1係止口711L,第2係止口711R]を有するものであり、
前記第二の孔と前記差込口は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されており[例えば、図29]、
前記第二の孔を通して前記差込口に先端が差し込まれた第二の移動規制手段[例えば、第1搬送固定部材263,第2搬送固定部材264]を搬送時に備えることを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
搬送時には、初期位置にある可動体が、前記いずれか一方の構造体側から差し込まれた前記第二の移動規制手段によって支持され、移動することが規制されている。
続いて、遊技領域124の左下部に設けられたランプユニット9ついて説明する。なお、上述のごとく、光源をLEDとしていてもランプと称する。
図31は、図3に示すランプユニット9を右斜め上方からみた斜視図である。
図3を用いて説明したごとく、ランプユニット9の右側には第1特図始動口(固定)230が設けられており、この第1特図始動口(固定)230は、遊技領域124の中央下部に位置することになる。第1特図始動口(固定)230は、始動口形成部材230aによって形成されており、第1特図始動口(固定)230の両側には、図3に示すアウト口240につながる開口241も形成されている。
また、ランプユニット9の中央には発光演出部9aが設けられており、左側には一般入賞口部9bが設けられている。
図32は、ランプユニット9の分解斜視図であり、図の左手前側が前方側になる。
図32には、ベース部材90が示されている。このベース部材90の右側部分には、始動口形成部材230aが前方側から取り付けられる。一方、ベース部材90の左側部分には3つの一般入賞口901と、一つのアウト口902が設けられている。ベース部材90におけるこの左側部分には、サイド前飾り部材91が前方側から取り付けられ、サイド前飾り部材91とベース部材90との間が、一般入賞口部9bへの入球口9bi(図31参照)になっている。3つの一般入賞口901は、一般入賞口部9bの左右方向中央部分の上方に設けられており、図31に示す入球口9biの中央部分から進入した遊技球は、3つの一般入賞口901のいずれかの入賞口に案内される。3つの一般入賞口901それぞれに別の球検出センサを配置し、それぞれの球検出センサにより入球を検出するようにしてもよいし、3つの一般入賞口901それぞれに入球した遊技球を案内する球通路を合流させて一つの共通の球検出センサにより検出させるようにしてもよい。
入球口9biの左端部分と右端部分から進入した遊技球は、図32に実線の矢印で示すように、アウト口902に案内される。一般入賞口901に入賞した遊技球も、アウト口902に入球した遊技球も、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
図32に示すベース部材90には、後方側から照明基板92があてがわれ、その照明基板92は、さらに後方側から基板カバー93によって覆われる。照明基板92には、一般入賞口部9bに対応した左側領域92Lと、発光演出部9aに対応した右側領域92Rが設けられている。左側領域92Lには、一般入賞口901に対応した開口921や切り欠き922が形成されているとともに、アウト口902に対応した切り欠き923も形成されている。一方、右側領域92Rにおける外周部分92Roには、発光ダイオードDOが周方向に間隔をあけて実装され、外周部分92Roよりも内側になる内側部分92Riにも、複数の発光ダイオードDIが実装されている。外周部分92Roの発光ダイオードDOも、内側部分92Riの発光ダイオードDIも、前方側に向けて光を出射するものである。なお、左側領域92Lでも、開口921の近傍に発光ダイオードDLが実装されており、この発光ダイオードDLによって、一般入賞口901の周辺が照射される。
図32に示すベース部材90の中央部分には、切抜部903が設けられており、この切抜部903は、後方側から、照明基板92の右側領域92Rによって塞がれる。すなわち、切抜部903の内側に、照明基板92の右側領域92Rが位置し、複数の発光ダイオードDI,DOが前方側を向いて配置される。この結果、外周部分92Roに実装された発光ダイオードDOは、切抜部903の縁よりも内側に、その縁に沿って配置される。
リフレクタ部材94は、切抜部903の縁に沿って内側に配置された発光ダイオードDOのさらに内側に配置される。このリフレクタ部材94は、枠状の部材であって、内側部分92Riに実装された発光ダイオードDIの外周を取り囲むように配置され、その発光ダイオードDIから出射された光が外側に漏れ出さないように内側に向けて反射させる。
模様表示シート95は、枠状のリフレクタ部材94の前方側を塞ぐものであり、詳しくは後述する。この模様表示シート95には、前方側から板状のレンズ96が重ねられ、さらにそのレンズ96には、前方側から板状のハーフミラー97が重ねられる。こうしてリフレクタ部材94に重ね合わされた光学部材(95〜97)は、導光カバー98の内側に収容される。導光カバー98は側壁部981と前面部982を有する。すなわち、側壁部981の前方側は前面部982で覆われ、側壁部981の後端側は後方に開放している。側壁部981の後端は、ベース部材90の切抜部903に嵌め込まれる。この結果、側壁部981の後端面、すなわち側壁部981を構成する板部材の肉厚面は、照明基板92の外周部分92Roに周方向に配置された発光ダイオードDOの真上に位置する。
飾り部材99は、枠状の部材であって、この飾り部材99を、導光カバー98に前方側から被せる。導光カバー98の前面部982の外周部分は、飾り部材99によって装飾される。
図33(a)は、左側に、ランプユニット9における発光演出部9aの前面側の斜視図を示し、右側に、その発光演出部9aの構造を模式的に示す断面図を示す。
図33(a)の右側には、外周側に設けられた発光ダイオードDOと、内側部分に設けられた発光ダイオードDIが図示されている。外周側に設けられた発光ダイオードDOと、内側部分に設けられた発光ダイオードDIは、共通の照明基板92に実装された発光ダイオードである。
図33(a)の右側に示すように、外周側に設けられた発光ダイオードDOの上には、導光カバー98の側壁部981の後端面981aが位置している。また、図33(a)の右側に示すハーフミラー97は、前方側からの光は反射し、後方側からの光は透過させる光学部材である。
図33(a)では、外周側の発光ダイオードDOも、内側の発光ダイオードDIもいずれも発光しておらず、ハーフミラー97が機能して、左側に示す発光演出部9aの前面側の斜視図においては、外周部が飾り部材99で装飾された前面部982に、何も表示されていない。すなわち、内側の発光ダイオードDIの存在自体も前方側から確認することはできない。
図33(b)は、外周側の発光ダイオードDOが発光した様子を示す図である。なお、この図33(b)では、内側の発光ダイオードDIは消灯したままである。
図33(b)の右側に矢印で示すように、外周側の発光ダイオードDOから出射された光は、導光カバー98の側壁部981の後端面981aから入射される。導光カバー98の前面部982には、側壁部981の後端面981aから入射された光を反射させて前面から出射させる反射部982aが形成されている。外周側の発光ダイオードDOから出射された光は、この反射部982aで反射され、前面から出射される。
図33(b)の左側に示す発光演出部9aの前面側の斜視図では、反射部982aで反射されたことにより、前面部982に、内部が発光していないハートのマークの発光模様が表示されている。なお、灰色の部分が発光表示されている部分になる。
図34(a)は、内側の発光ダイオードDIが発光した様子を示す図である。なお、この図34(a)では、外周側の発光ダイオードDOは消灯したままである。
図34(a)の右側に矢印で示すように、内側の発光ダイオードDIから出射された光のうち、外側へ拡散した光は、リフレクタ部材94によって内側に向けて反射される。模様表示シート95は、外周部に光不透過部951を有し、その内側に光透過部952を有する。リフレクタ部材94によって内側に向けて反射された光は、光不透過部951によって再び反射され、前方側へ出射されない。一方、内側の発光ダイオードDIから出射された光のうち、光透過部952に到達した光は、その光透過部952を通過する際に、図34(a)の左側に示すように、星形の模様となって、前面部982に表示される。なお、左側に示す前面部982では、黒色の部分が発光表示されている部分になる。
図34(b)は、共通の照明基板92に実装された、外周側の発光ダイオードDOと内側の発光ダイオードDIの両方が発光した様子を示す図である。
図33(b)を用いて説明したように、外周側の発光ダイオードDOから出射された光は、導光カバー98の側壁部981の後端面981aから入射され、反射部982aで反射されて、内部が発光していないハートの模様が発光表示される。また、図34(a)を用いて説明したように、内側の発光ダイオードDIから出射された光のうち、模様表示シート95の光透過部952に到達した光は、その光透過部952を通過する際に、星形の模様となって発光表示される。
図34(b)に示すように、模様表示シート95の光透過部952の前方に、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分が位置している。すなわち、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分と、模様表示シート95の光透過部952は前後方向に重なっている。このため、図34(b)の左側に示す発光演出部9aの前面側の斜視図に示すように、外周側の発光ダイオードDOの発光期間と、内側の発光ダイオードDIの発光期間が重なった場合には、前面部982に、内部が発光していないハートのマークと、星形の模様が重なって表示される。
なお、図31〜図34を用いて説明したランプユニット9は、回胴遊技機(スロットマシン)にも適用することができる。
以上の記載によれば、
『 第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]と、
第二の発光手段[例えば、外周側の発光ダイオードDO]と、
前記第一の発光手段の発光によって第一の模様[例えば、星形の模様]を表示可能な第一の模様表示部[例えば、模様表示シート95の光透過部952]と、
前記第二の発光手段の発光によって第二の模様[例えば、内部が発光していないハートの模様]を表示可能な第二の模様表示部[例えば、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分]と、
を備えた遊技台であって、
前記第一の模様表示部の少なくとも一部は、前記第二の模様表示部の少なくとも一部と前後方向に重なるものであり[例えば、図34(b)]、
前記第一の発光手段と前記第二の発光手段は、共通の基板[例えば、照明基板92]に実装された手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記第一の模様と前記第二の模様の一方または両方を同時に表示する演出を行うことができるとともに、前記第一の発光手段と前記第二の発光手段が共通の基板に実装されていることで断線や故障を同時に確認することができてメンテナンス性を高めることができる。
なお、前記第一の模様表示部の全部が、前記第二の模様表示部の全部と前後方向に重なるものであってもよいし、前記第一の模様表示部の一部が、前記第二の模様表示部の一部と前後方向に重なるものであってもよいし、前記第一の模様表示部の全部が、前記第二の模様表示部の一部と前後方向に重なるものであってもよいし、前記第一の模様表示部の一部が、前記第二の模様表示部の全部と前後方向に重なるものであってもよい。
前記第一の模様の少なくとも一部と、前記第二の模様の少なくとも一部は、重なって表示される場合があってもよい。すなわち、前記第一の模様の全部と、前記第二の模様の全部が、重なって表示される場合があってもよいし、前記第一の模様の一部と、前記第二の模様の一部が、重なって表示される場合があってもよいし、前記第一の模様の全部と、前記第二の模様の一部が、重なって表示される場合があってもよいし、前記第一の模様の一部と、前記第二の模様の全部が、重なって表示される場合があってもよい。
また、
『 前記第二の発光手段は、前記第一の発光手段の発光期間中に発光可能なものである[例えば、図34(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の発光手段と前記第二の発光手段の両方の発光手段の発光中に、前記第一の模様と前記第二の模様が両方表示される[例えば、図34(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記第一の模様と前記第二の模様が同時に表示されている期間があることになる。
また、
『 前記第一の模様表示部は、第一の表示方式[例えば、図34(a)に示す後面から入射される方式]によって前記第一の模様を表示するものであり、
前記第二の模様表示部は、第二の表示方式[例えば、図33(b)に示す端面から入射される方式]によって前記第二の模様を表示するものであり、
前記第一の表示方式は、前記第二の表示方式とは異なる方式である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
例えば、前記第一の表示形式と前記第二の表示形式のうちの、一方の表示形式は、端面から入射された光を反射させて前面から出射する方式であってもよい。また、他方の表示形式は、後面から光が入射され、前面に向けて通過する光によって模様が形成される方式であってもよく、さらには、不透過部では前面まで透過させず透過部では通過する光によって模様が形成される方式であってもよい。
また、
『 前記第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]は、前記第一の模様表示部[例えば、模様表示シート95の光透過部952]によって表示された前記第一の模様[例えば、星形の模様]と前後方向に重なる位置に配置された手段であり[例えば、図34(a)]、
前記第二の発光手段[例えば、外周側の発光ダイオードDO]は、前記第二の模様表示部[例えば、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分]によって表示された前記第二の模様[例えば、内部が発光していないハートの模様]と前後方向に重ならず該第二の模様からずれた位置に配置された手段である[例えば、図33(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]の前方にハーフミラー[例えば、ハーフミラー97]を備えた、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記ハーフミラーによって、前方側からは消灯している前記第一の発光手段が視認困難になり、該第一の発光手段の存在を発光するまで隠すことができる。
なお、前記第二の模様表示部[例えば、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分]と前記第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]の間にハーフミラー[例えば、ハーフミラー97]を備えた態様であってもよい。
また、前記第一の発光手段と、前記第二の発光手段と、前記第一の模様表示部と、前記第二の模様表示部とを有する発光ユニットであって、該発光ユニットが、移動可能なユニットであってもよいし、姿勢変化可能なユニットであってもよい。さらには、前記発光ユニットは、少なくとも一部(全部又は一部)が正面視で視認できない位置と視認できる位置との間で移動可能なユニットであってもよい。また、前記発光ユニットは、遊技者が接触可能な位置に取り付けられたユニットであってもよい。また、前記発光ユニットは、枠部材や扉体(例えば、前面枠扉106)、あるいは遊技盤に取り付けられたユニットであってもよい。
続いて、遊技領域124の右下部に設けられたアタッカユニット23について説明する。
図3に示すアタッカユニット23は、アタッカ前板2301(図39参照)にアタッカシール2302が貼られたものである。なお、図3では、アタッカシール2302の装飾模様等は図示省略されている。
図35は、図3に示すアタッカユニット23からアタッカ前板2301を取り除いた状態を示す斜視図である。
アタッカユニット23は、電チュータイプの特図1始動口(可変)231、第1アタッカとなる第1可変入賞口234、第2アタッカとなる第2可変入賞口235、第2特図始動口232、およびアタッカベース板2303に開口したアウト口236を有する。
特図1始動口(可変)231は、羽根部材2311によって始動口の大きさが可変するものであり、図35(a)に示す羽根部材2311は、前方側に進出している。このように羽根部材2311が前方側に進出した状態では、進出した羽根部材2311の上を遊技球が通過する。すなわち、図35(a)では図の左側から右側に向けて遊技球が通過する。特図1始動口(可変)231の球検出センサ2312は、羽根部材2311よりも下方であって、かつ下流側に、上流側を向いて配置されている。したがって、図35(a)に示す特図1始動口(可変)231では、遊技球が球検出センサ2312を通過することは困難であり、図35(a)に示す特図1始動口(可変)231は、入賞困難状態である。
第1アタッカとなる第1可変入賞口234は、第2アタッカとなる第2可変入賞口235よりも、遊技球の転動方向上流側に配置されたものである。この第1可変入賞口234は、扉部材2341によって入賞口の大きさが可変するものであり、図35(a)に示す扉部材2341は、前方側に進出している。また、第1可変入賞口用の球検出センサ2342は、前方側に進出した扉部材2341よりも下方に、上方を向いて配置されている。扉部材2341が前方側に進出した状態では、進出した扉部材2341の上を遊技球が通過し、球検出センサ2342を通過することは困難である。したがって、図35(a)に示す第1可変入賞口234は、入賞困難状態である。
第2可変入賞口235も、第1可変入賞口234と同じく、扉部材2351によって入賞口の大きさが可変するものであるが、球検出センサの配置位置が第1可変入賞口234とは異なる。この第2可変入賞口235に向かって転動してくる遊技球は、図35(a)では図の右側から左側に向けて転動してくる。第2可変入賞口235用の球検出センサ2352は、扉部材2351よりも下方ではなく、扉部材2351よりも下流側に、上流側を向いて配置されている。第2可変入賞口235では、扉部材2351が前方側に進出した状態では、進出した扉部材2351の上を遊技球が通過し、球検出センサ2352に到達する。一方、図35(a)に示すように、扉部材2351が後方側に後退した状態では、遊技球は球検出センサ2352のない所に落下する。したがって、図35(a)に示す第2可変入賞口235は、入賞困難状態である。
遊技球が落下した先には、第2特図始動口232が配置されている。この第2特図始動口232は、入賞口の大きさが固定されたものであり、第2特図始動口232用の球検出センサ2321は、上方を向いて配置されている。この球検出センサ2321を通過した遊技球は、第1案内口2322を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
以上をまとめると、図35(a)に示すアタッカユニット23では、最上流に位置する特図1始動口(可変)231は入賞困難状態であり、次に位置する第1可変入賞口234も入賞困難状態であり、第2可変入賞口235も入賞困難状態である。
図36は、図35で取り除いたアタッカ前板2301の裏面を示す図である。
図36に示すように、アタッカ前板2301の裏面には、アタッカベース板2303に向けて突出した球通路形成壁230rが設けられている。球通路形成壁230rは、アタッカユニット23に入球した遊技球が転動していく、下流側に向かって傾斜した球通路を形成するものである。また、羽根部材2311が進出する位置や、扉部材2341,2351が進出する位置には、球通路形成壁230rが設けられておらず、進出した羽根部材2311や扉部材2341,2351が球通路形成壁になる。すなわち、羽根部材2311や扉部材2341,2351は、前方側へ進出した状態では下流側に向かって下方へ傾斜しており、この傾斜を利用して遊技球は下流側へ向かって転動していく。
図35(a)に示す実線の矢印は、図36に示す球通路形成壁230rや、進出した羽根部材2311や扉部材2341の上を転動したり、あるいは落下する遊技球の経路を示すものである(以下の図における矢印も同様。)。なお、アタッカユニット23に入球した遊技球は、実線の矢印で示す特図1始動口(可変)231側のルートに向かう場合と、アタッカユニット23に設けられたアウト口236へ向かう場合とがある。
第2特図始動口232の手前まで落下してきた遊技球は、多くは第2特図始動口232に入球し、特図2変動遊技が開始される。第2特図始動口232に入球しなかった遊技球は、図3に示すアウト口240に到達し、遊技島側に排出される(二股に分かれた実線の矢印参照)。
図35に示すように、アタッカベース板2303には、リブが複数本設けられている。また、図36に示すように、アタッカ前板2301にも、リブが複数本設けられている。遊技球の流れに沿って上流側から見ていくと、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311の中間位置手前から右端までいき、折り返して第1可変入賞口234の扉部材2341の中間位置を超えたところまで、リブが設けられている。すなわち、上下2段に分かれて縦方向のリブが複数本設けられるとともに、折り返し部分では横方向のリブが1本設けられている。以下、アタッカベース板2303における、特図1始動口(可変)231側の上段の4本の縦方向のリブを、後側第1リブ23r1と称し、折り返し部分の1本の横方向のリブを後側横リブ23r2と称し、第1可変入賞口234側の下段の4本の縦方向のリブを、後側第2リブ23r3と称する。また、アタッカ前板2301における、特図1始動口(可変)231側の上段の3本の縦方向のリブを、前側第1リブ23f1と称し、折り返し部分の1本の横方向のリブを前側横リブ23f2と称し、第1可変入賞口234側の下段の3本の縦方向のリブを、前側第2リブ23f3と称する。
なお、図36に示すアタッカ前板2301には、前側第1リブ23f1、前側横リブ23f2、前側第2リブ23f3、および後述する前側縦リブ23f5の他に、各種の球案内リブ23f6〜23f8も設けられている。
後側第1リブ23r1にしても、後側横リブ23r2にしても、後側第2リブ23r3にしても、また、前側第1リブ23f1にしても、前側横リブ23f2にしても、前側第2リブ23f3にしても、遊技球の転動速度を低下させるための減速用のリブである。
後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球は、第1可変入賞口234の扉部材2341の上に滞留しやくすなる。特に、4本の後側第2リブ23r3のうち下流側の2本の後側第2リブ23r3は、進出した扉部材2341によって形成される球経路に設けられたものであり、3本の前側第2リブ23f3のうち下流側の2本の前側第2リブ23f3も、進出した扉部材2341によって形成される球経路に設けられたものである。
図37は、アタッカユニット23を図35(a)に示すB−B’線で断面し、真上から見た様子を示す図であり、図の下方側が前方側になる。なお、図37は断面を表すハッチングは省略している。
図37には、右側に第1可変入賞口234が示され、左側に第2可変入賞口235が示されている。図37に示す第1可変入賞口234の扉部材2341は前方側に進出した状態であり、第1可変入賞口234は入賞困難状態である。一方、図37に示す第2可変入賞口235の扉部材2351も前方側に進出した状態であるが、この第2可変入賞口235は入賞容易状態である。また、この図37では、遊技球Ba〜Bcも示されている。図37では、遊技球は図の右側から左側に向かって転動する。
第1可変入賞口234の近傍には、4本の後側第2リブ23r3と、3本の前側第2リブ23f3が示されている。遊技球Ba,Bbは、これら7本の第2リブ23r3,23f3に引っかかり、扉部材2341の上に滞留しやすくなる。なお、4本の後側第2リブ23r3において隣合うリブの間隔は、遊技球の直径以上であり、3本の前側第2リブ23f3において隣合うリブの間隔も、遊技球の直径以上である。
以上説明した後側第2リブ23r3にしても前側第2リブ23f3にしても、第2可変入賞口235よりも遊技球の転動方向上流側に設けられている。また、後側第2リブ23r3にしても前側第2リブ23f3にしても、一部のリブのみが第1可変入賞口234よりも上流側に設けられているが、全部のリブが、第1可変入賞口234よりも上流側に設けられていてもよい。
また、後側第2リブ23r3と前側第2リブ23f3のうち、いずれか一方のリブのみを設けるようにしてもよい。このことは、第2リブに限ったことではなく、後側に設けられたリブと前側に設けられたリブが両方ある場合(例えば、第1リブの場合等)に、いずれか一方側のリブのみ設けるようにしてもよい。
また、図37に示すように、前方側に進出した状態の扉部材2341の前端とアタッカ前板2301との間には、隙間CS1が設けられている。この隙間CS1は、遊技球Ba,Bbの直径の半分以下であるが、前側第2リブ23f3の後方側への突出長よりは広い。一方、扉部材2341の前後方向の長さ(幅)は、遊技球Ba,Bbの直径程度である。この隙間CS1が設けられていることで、入賞困難状態から、短時間のうちに入賞容易状態へ変化することができる。
図35(b)には、同図(a)に示すアタッカユニット23の第1可変入賞口234が入賞容易状態に変化した後の様子が示されている。すなわち、図35(b)に示す第1可変入賞口234の扉部材2341は後方側に後退している。
扉部材2341の上に遊技球が滞留した状態で、扉部材2341が後退すると、扉部材2341の上に滞留していた遊技球が一気に落下し、第1可変入賞口用の球検出センサ2342で検出される。したがって、遊技球が扉部材2341を通過している状態で扉部材2341が後退する場合に比べて、第1可変入賞口234への入賞率が向上し、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、入賞率向上手段でもある。第1可変入賞口234が入賞容易状態である間は、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311を通過して第1可変入賞口234に転動してきた遊技球は、第1可変入賞口234よりも下流側に転動することはなく、実線で示す矢印のように、球検出センサ2342を通過し、第2案内口2343を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
図35(a)には、遊技球の流れとして2点鎖線でも示している。この2点鎖線は、第1可変入賞口234の扉部材2341から第2可変入賞口235に向かって飛び出した遊技球の流れを示す。
上述のごとく、図35(a)に示す第2可変入賞口235では、扉部材2351が後方側に後退した状態であり、入賞困難状態である。しかしながら、2点鎖線で示す流れで遊技球が飛んできた場合、球検出センサ2352を通過してしまう恐れがある。すなわち、入賞困難状態でありながらも第2可変入賞口235に入賞してしまう恐れがある。
しかしながら、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球は、第1可変入賞口234の扉部材2341から第2可変入賞口235に向かって飛び出すほどの勢いはなくなり、扉部材2341から、図36に示す球通路形成壁230rにおけるアタッカ中間部230r1にのった後、図35(a)において実線で示すように、すぐに落下する。したがって、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、第2可変入賞口235への入賞率を低下させる手段でもある。なお、厳密には、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、第2可変入賞口235への、本来であれば許されない入賞(イレギュラー入賞)の入賞率を低下させる手段であるといえる。
ところが、以上説明した、第2可変入賞口235への入賞率を低下させる、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3を設けていても、これらのリブ23r3,23f3によって減速されるはずの遊技球が、第2可変入賞口235に向かって飛び出してしまうことを完全になくすことは困難である。例えば、扉部材2341の上で遊技球が弾んでしまった場合等は、第2可変入賞口235に向かって飛び出してしまうことがある。そこで、第2可変入賞口235の扉部材2351の下流側(球検出センサ2352側)の端部に、前方側に突出した入賞阻止突起2351aを設けている。この入賞阻止突起2351aは、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても、球検出センサ2352の手前に突出している。このため、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきた遊技球があっても、その遊技球は、入賞阻止突起2351aに衝突し、球検出センサ2352を通過できずに、点線で示すように落下する。さらに、図35(a)に示す、後退した位置にある扉部材2351における入賞阻止突起2351aの上には、縦リブの入賞阻止リブ23r4も設けられている。第2可変入賞口235に向かって飛び出してきた遊技球は、この入賞阻止リブ23r4に衝突し、入賞阻止突起2351aに衝突した場合と同じように、球検出センサ2352を通過できずに、点線で示すように落下する場合もある。
なお、第1可変入賞口234の扉部材2341からすぐに落下した遊技球は、落下経路途中に設けられた、図35(a)に示す後側縦リブ23r5や、図36に示す前側縦リブ23f5に衝突して、減速したり、あるいは、第2特図始動口232に入球しやすくなる。
図38(a)は、図35(a)に示すアタッカユニット23の第2可変入賞口235が入賞容易状態に変化した後の様子を示す斜視図である。
図38(a)に示す第2可変入賞口235の扉部材2351は前方側に進出している。この結果、図38(a)に示すアタッカユニット23では、最上流に位置する特図1始動口(可変)231は入賞困難状態であり、次に位置する第1可変入賞口234も入賞困難状態であり、第2可変入賞口235が入賞容易状態である。第1可変入賞口234の扉部材2341よりも、第2可変入賞口235の扉部材2351は低い位置に設けられており、両扉部材2341,2351の間には、図36に示す球通路形成壁230rのアタッカ中間部230r1が配置されている。図37に示すように、そのアタッカ中間部230r1と第2可変入賞口235の扉部材2351は少し離れている。このため、第2可変入賞口235が入賞容易状態である間は、遊技球の多くは、実線で示す矢印のように、第2可変入賞口235の扉部材2351の上にのって、その扉部材2351の上を転がり、球検出センサ2352に到達するが、第2可変入賞口235の扉部材2351の上にのることができずに、下に落ちてしまい、第2特図始動口232側へ流下していく遊技球もある。第2可変入賞口235の球検出センサ2352を通過した遊技球は、第3案内口2353を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
また、図37に示すように、前方側に進出した状態の扉部材2351の前端とアタッカ前板2301との間には、隙間CS1と同程度の隙間CS2が設けられている。この隙間CS2によって、第2可変入賞口235が入賞困難状態から、短時間のうちに入賞容易状態へ変化することができる他、扉部材2351に設けられた入賞阻止突起2351aの突出長を長くとることができ、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても入賞阻止突起2351aに、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきたイレギュラーな遊技球が確実に衝突するようになる。さらに、第2可変入賞口235の扉部材2351が0.06秒などの極めて短い開放を1回だけ行う場合には、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球が扉部材2351に乗ったとしても、扉部材2351の上を転動して球検出センサ2352に到達するまでに隙間CS2によって扉部材2351が前方側に前進した位置から後方側に後退した位置に短時間で移動できるため、該遊技球が下に落ちて該開放による入賞率を低下させることができる。
図38(b)は、図35(a)に示すアタッカユニット23の特図1始動口(可変)231が入賞容易状態に変化した後の様子を示す斜視図である。
図38(b)に示す特図1始動口(可変)231の羽根部材2311は後方側に後退している。特図1始動口(可変)231が入賞容易状態である間は、アタッカユニット23に入球した遊技球は、特図1始動口(可変)231よりも下流側に転動することはなく、実線で示す矢印のように、球検出センサ2312を通過し、特図1変動遊技が開始される。球検出センサ2312を通過した遊技球は、第4案内口2313を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
以上、構造について詳述したアタッカユニット23では、第1可変入賞口234のアタッカは大当り専用のアタッカになり、第2可変入賞口235のアタッカは小当り専用のアタッカになる。特図高確率普図高確率状態では、右打ちが行われ、右打ちされた遊技球のほとんどが、特図1始動口(可変)231に入球してしまう。このため、第1可変入賞口234のアタッカが入賞容易状態になっても、第2可変入賞口235のアタッカが入賞容易状態になっても、アタッカへの入賞はほとんど期待することができない。一方、特図高確率普図低確率状態では、特図1始動口(可変)231は入球容易状態にならず、右打ちされた遊技球は、第1可変入賞口234のアタッカ、あるいは第2可変入賞口235のアタッカに入賞することを期待することができる。
図39(a)は、第2可変入賞口235が入賞困難状態であるアタッカユニット23を示す図である。図39(a)に示すアタッカユニット23では、アタッカ前板2301は残し、アタッカシール2302のみが取り除かれている。アタッカ前板2301には、第2可変入賞口235における扉部材2351の下流側(球検出センサ2352側)端部に対応する位置に、逃げ開口2301aが設けられている。この逃げ開口2301aは、アタッカシール2302が貼られると、前方側から塞がれてしまい、遊技者からは視認困難になる。
図39(b)は、第2可変入賞口235が入賞容易状態であるアタッカユニット23を示す図である。この図39(b)に示すアタッカユニット23でも、アタッカ前板2301は残し、アタッカシール2302のみが取り除かれている。図39(b)に示す逃げ開口2301aには、前方側に進出した扉部材2351の入賞阻止突起2351aが入り込んでいる。逃げ開口2301aは、第2可変入賞口235の入賞容易状態において、前方側に突出した入賞阻止突起2351aが収納される空間である。入賞阻止突起2351aの先端は、逃げ開口2301aからさらに前方側に突出しておらず、アタッカシール2302が貼られると、アタッカシール2302によって、入賞阻止突起2351aの存在も遊技者からわからなくなる。ただし、アタッカシール2302にも開口を設けておき、入賞阻止突起2351aの先端が、逃げ開口2301aからさらに前方側へ突出するようにして、演出の一つとすることもできる。図37に示す逃げ開口2301aにも、前方側に進出した扉部材2351の入賞阻止突起2351aが入り込んでいる。なお、図37に示すアタッカユニット23には、アタッカシール2302が貼られており、アタッカシール2302によって、逃げ開口2301aが塞がれている。逃げ開口2301aを設けておくことで、図37に示す隙間CS2と同様に、入賞阻止突起2351aの突出長を長くとることができ、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても入賞阻止突起2351aに、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきたイレギュラーな遊技球が確実に衝突するようになる。
図40は、アタッカユニット23の発光構造を説明するための図である。図40(a)は、アタッカベース板2303を前方側から見た図である。
図40(a)の他、図35等にも示したように、アタッカユニット23の右下部分には、複数の発光ダイオードD1が実装された前側LED基板2304が、アタッカベース板2303の前面に取り付けられている。不図示のアタッカ前板2301の裏面側には、上述した球通路形成壁の他、後方側に延在した細長い導光リブ(不図示)が複数本設けられている。複数の発光ダイオードD1のうちの一部の発光ダイオードD1には、導光リブが接触している。導光リブが接触した発光ダイオードD1の光は、この導光リブを通して前方に発せられる。
アタッカユニット23には、前方LED基板2304の他に、後方LED基板2305および中間LED基板2306も設けられている。図40(a)では、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311を取り外すとともに、第1可変入賞口234の扉部材2341および第2可変入賞口235の扉部材2351も取り外している。アタッカベース板2303における、羽根部材2311が進退する羽根用開口2303a、扉部材2341が進退する第1開口2303b、および扉部材2351が進退する第2開口2303cそれぞれの奥には、後方LED基板2305に実装された複数の発光ダイオードD3が見えている。羽根用開口2303aの奥側に位置する発光ダイオードD3は、羽根部材2311の動作期間中等に発光し、特図1始動口(可変)231の奥から光が漏れ出しているように見える。第1開口2303bの奥側に位置する発光ダイオードD3は、扉部材2341の動作期間中等に発光し、第1可変入賞口234の奥から光が漏れ出しているように見える。第2開口2303cの奥側に位置する発光ダイオードD3は、扉部材2351の動作期間中等に発光し、第2可変入賞口235の奥から光が漏れ出しているように見える。
図40(b)は、前方LED基板2304、中間LED基板2306、および後方LED基板2305の位置関係がわかるように、側方からこれら3枚のLED基板2304,2305,2306を示す斜視図であり、図の左側が前方側になる。
中間LED基板2306は、アタッカベース板2303の後面(裏面)から後方側に間隔をあけて配置され、ここでは不図示のリフレクタ部材によって、中間LED基板2306とアタッカベース板2303との間は覆われている。アタッカベース板2303は、後方側が透けて見えない光透過性の部材であり、中間LED基板2306に実装された複数の発光ダイオードD2は、発光していない状態では、アタッカベース板2303に隠されて視認不能である。一方、これらの発光ダイオードD2が、発光すると、アタッカベース板2303から光が出射されている(面発光している)ように見える。
以上説明したように、アタッカユニット23では、複数のLED基板(2304〜2306)が、前後方向に間隔をあけて配置されている。各LED基板(2304〜2306)に設けられた発光ダイオードD1〜D3どうしは重なっていないが、重なっていてもよく、また、発光ダイオードD1〜D3の照射範囲が重なっていてもよい。
以上の記載によれば、
『 第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]と、
第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]と、
第一の状態[例えば、進出状態]から該第一の状態よりも前記第一の可変入球口に入球し易い第三の状態[例えば、後退状態]へ状態変化可能な第一の変化手段[例えば、扉部材2341]と、
第二の状態[例えば、後退状態]から該第二の状態よりも前記第二の可変入球口に入球し易い第四の状態[例えば、進出状態]へ状態変化可能な第二の変化手段[例えば、扉部材2351]と、
を備えた遊技台であって、
前記第一の状態では、前記第一の変化手段によって前記第一の可変入球口への入球を阻まれた遊技球が該第一の変化手段の上を転動可能であり[例えば、図35(a)、図38(a)]、
前記第三の状態では、遊技球が前記第一の変化手段の上を転動不可能であり[例えば、図35(b)]、
前記第四の状態では、前記第一の変化手段の上を転動してきた遊技球が前記第二の変化手段の上も転動して前記第二の可変入球口へと向かうことが可能であり[例えば、図38(a)]、
前記第二の状態では、前記第一の変化手段の上を転動してきた遊技球が前記第二の変化手段の上を転動不可能である[例えば、図35(a)]、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
また、
『 前記第二の変化手段よりも遊技球の転動方向下流側に、前記第二の可変入球口への入球を検出する球検出センサ[例えば、球検出センサ2352]を備え、
前記球検出センサは、前記第一の変化手段の方を向いて配置されたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
以上の記載によれば、
『 第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]と、
第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]と、
遊技球の速度を低下させる減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]と、
を備えた遊技台であって、
前記減速手段は、前記第一の可変入球口への入球率を向上させる手段であり、
前記減速手段は、前記第二の可変入球口への入球率を低下させる手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記第一の可変入球口と前記第二の可変入球口といった2つの可変入球口の入球率を、共通な減速手段で異ならせることができる。
また、
『 前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]は、前記第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する可変入球口である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]は、前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の状態[例えば、進出状態]から該第一の状態よりも前記第一の可変入球口に入球し易い第三の状態[例えば、後退状態]へ状態変化させる第一の変化手段[例えば、扉部材2341]を備え、
前記第一の状態では、前記第一の変化手段によって前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]への入球が阻まれ遊技球は該第一の変化手段の上を転動可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一の状態は、前記第一の変化手段によって前記第一の可変入球口への入球が阻まれる状態であってもよい。
前記第一の変化手段は、前記第一の可変入球口を開閉する手段であり、前記第一の状態は、前記第一の可変入球口が前記第一の変化手段によって閉鎖された状態であり、前記第三の状態は、前記第一の可変入球口が前記第一の変化手段によって開放された状態であってもよい。
前記第一の変化手段は、前記第一の状態では、前記第一の可変入球口への入球経路を塞ぎ該入球経路と異なる球経路を形成する手段であり、前記第一の変化手段は、前記第三の状態では、前記入球経路から退避する手段であってもよい。
また、
『 前記減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]は、前記第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第二の状態[例えば、後退状態]から該第二の状態よりも前記第二の可変入球口に入球し易い第四の状態[例えば、進出状態]へ状態変化させる第二の変化手段[例えば、扉部材2351]を備え、
前記第二の状態では、前記第二の変化手段の上を遊技球が転動不可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第二の状態は、前記第二の変化手段によって前記第二の可変入球口への入球がサポートされない状態であってもよい。
前記第二の変化手段は、前記第二の可変入球口につながる空間に対して進退する手段であり、前記第二の状態は、前記第二の変化手段が前記空間から退避した状態であり、前記第四の状態は、前記第二の変化手段が前記空間に進出し前記第二の可変入球口への入球経路を形成した状態であってもよい。
前記第一の可変入球口と前記第二の可変入球口は、アタッカまたは電チューであってもよいし、あるいは、死に球領域における可変入球口、すなわち入球しても賞球が払い出されない入球口であってもよい。
前記第一の変化手段と前記第二の変化手段は、球通路の振分装置であってもよい。
次いで、球貯留皿126について説明する。
図41は、図1に示す本体104から取り外した前面枠扉106及び球貯留皿付扉108を左斜め上方から見た斜視図である。なお、図41に示す前面枠扉106からは、図3に示す左枠ランプ122L、右枠ランプ122R、および上部枠ランプ122Uが取り外されている。
図41には、球貯留皿付扉108の中央に配置された演出ボタン136、その演出ボタン136の右斜め上に配置された球抜ボタン130が図示されている。また、右側に配置された操作パネルOPには、十字キー1901、決定ボタン1902、音量調整ボタン1903、および光量調整ボタン1904が配置された操作キーユニット190、球貸操作ボタン140、返却操作ボタン141が図示されている。
また、球貯留皿付扉108の左側には、球貯留皿126が設けられ、球貯留皿126と演出ボタン136の間に球流しボタン131が配置されている。
球貯留皿126は、後面壁127と、皿構成部材128と、皿用可動部材129で構成されている。
後面壁127には、球払出口1271と戻り球口1272が設けられている。球払出口1271からは、賞球や貸球が払い出される。戻り球口1272には、図1に示す発射装置110から発射された遊技球のうち図3に示す遊技領域124に到達しなかった遊技球が戻ってくる。球払出口1271と戻り球口1272とでは、球払出口1271の方が高い位置に設けられている。
図42(a)は、皿構成部材128を後方側から示す斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。また、図の左側が下流側になる。
皿構成部材128は、後面壁127に取り付けられ、前面壁128fと、第1傾斜面1281と、第2傾斜面1282を有する。第1傾斜面1281と第2傾斜面1282は連続している。第1傾斜面1281の方が第2傾斜面1282よりも高い位置にあり、第1傾斜面1281の下端が第2傾斜面1282の上端につながっている。したがって、球貯留皿126における遊技球の流れは、第1傾斜面1281から第2傾斜面1282に向かうことになる。以下の説明では、球貯留皿126における遊技球の流れを基準にして上流側、下流側と称する。また、第2傾斜面1282は第1傾斜面1281よりも傾斜が緩いが、その逆で、第1傾斜面1281が第2傾斜面1282よりも傾斜が緩くてもよい。球払出口1271から払い出される遊技球は、第1傾斜面1281に払い出される。球払出口1271は、球貯留皿126の上流端部に設けられたものであり、球払出口1271に近いほど上流側ともいえ、球払出口1271から離れるほど下流側ともいえる。
図42(a)に示す右側から左側に向かう矢印は、図42(a)が後面壁127側から示す図であるため、図41では左側から右側に向かう矢印になるが、球貯留皿126において遊技球が流れる方向(上流側から下流側に向かう方向)を表す矢印になる。
第2傾斜面1282における下流側の後面壁127側には、切欠部1283が設けられている。この切欠部1283の大きさは、遊技球よりも大きい。
図41に示す球貯留皿126では、この切欠部1283がシャッタ部1291で完全に塞がれている。シャッタ部1291は、左右方向に移動可能な皿用可動部材129に設けられたものである。図41には、皿用可動部材129が初期位置にあるときのシャッタ部1291が示されている。
図42(b)は、同図(a)に示した皿構成部材128と同じく、皿用可動部材129を後方側から示す斜視図であり、図の右手前側が後方側になり、図の左側が下流側になる。
図42(b)に示すように、皿用可動部材129は、移動方向に延在したステー部1290の上流側にシャッタ部1291が設けられている。なお、ステー部1290の前方側には、取付突起1290aと、2つの摺動突起1290bが設けられている。
シャッタ部1291は、前側部分1291fと後側部分1291bの間が段差Bp1になっている。すなわち、前側部分1291fは第2傾斜面1282と同じ高さ位置にあるが、後側部分1291bは、前側部分1291fより一段下がった高さ位置になる。戻り球口1272から戻される遊技球は、この後側部分1291bに戻される。
図42(b)に示すようにシャッタ部1291の後側部分1291bは下流側に向かって下方へ傾斜している。
さらに、図42(a)に示すように、皿構成部材128には、下流側に向かって下方へ傾斜しながら続く球通路1284が設けられている。なお、球通路1284は、皿構成部材128の一部1286と、皿構成部材128とは別の通路部材1284aとで構成されている。
図42(c)は、図41と同じように初期位置にあるときの皿用可動部材129および皿構成部材128を下流側から示す斜視図であり、図の左手前側が下流側になる。また、この図42(c)では、図の右側が後方側になる。
図42(c)に示すように、皿用可動部材129が初期位置にあるときには、シャッタ部1291の後側部分1291bから球通路1284につながった状態になる。この球通路1284は、発射装置110につながる通路である。
なお、図42(a)や同図(c)に示すように、球通路1284の前側にも段差Bp2が設けられており、その段差Bp2よりも前側にある遊技球は、球通路1284に落下する。
球貯留皿126に貯留された遊技球のうち下流側の遊技球は、この球通路1284に一列に並ぶ。図41に示す、演出ボタン136の右斜め上に配置された球抜ボタン130を押下すると、球通路1284の下流側から遊技球が排出される。
さらに、皿用可動部材129には、可動片1292が設けられている。この可動片1292は、シャッタ部1291の後側部分1291bから後面壁127に沿って立ち上がったものである。可動片1292には、第2傾斜面1282よりも上方に突出した作用部1292aが設けられている。
図42(a)に示すように、第2傾斜面1282の後面壁127側の端部には前方側に凹んだ可動領域前溝1285が設けられている。この可動領域前溝1285は、第1傾斜面1281の、第2傾斜面1282側(下流側)端部まで延在している。後面壁127にも、この可動領域前溝1285に対応して後方側に凹んだ可動領域後溝1273(図43参照)が設けられている。可動領域後溝1273は、図42(b)に示す作用部1292aの幅w分だけ、可動領域前溝1285よりも下流側に延長されている。可動片1292は、皿用可動部材129の移動に合わせて、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間内を移動する。
以上の説明では、シャッタ部1291と可動片1292は一体のものであったが、別体のものであってもよい。
図43は、皿用可動部材129が可動する様子を段階的に示す図である。この図43では、前面枠扉106及び球貯留皿付扉108を、真上より少し前方側から見たときの斜視図になっている。図43では、球貯留皿126における遊技球の流れは、左側から右側になる。
図43(a)は、皿用可動部材129が初期位置にあるときの様子を示す図である。すなわち、図43(a)に示す皿用可動部材129は、図41や図42に示す皿用可動部材129と同じ状態であり、第2傾斜面1282における切欠部1283は、皿用可動部材129のシャッタ部1291で完全に塞がれている。すなわち、シャッタ部1291が全閉状態である。また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間の最も下流側に位置し、その作用部1292aは、切欠部1283の上流端に位置している。
皿用可動部材129は、球貯留皿126と演出ボタン136の間に設けられた球流しボタン131を一番奥まで押下すると、初期位置から最大移動位置まで移動する。
図43(b)は、皿用可動部材129が初期位置と最大移動位置のちょうど中間になる中間位置にあるときの様子を示す図である。
皿用可動部材129のシャッタ部1291は、上流側(図では左側)に移動しており、第2傾斜面1282における切欠部1283は、上流側の半分しか、シャッタ部1291で塞がれておらず、下流側(図では右側)の半分には開口が形成されている。すなわち、シャッタ部1291が半分開いている状態である。この開口の大きさは、遊技球の大きさよりも大きく、遊技球は、この開口から下方へ排出される。すなわち、球流しボタン131を押下した場合であっても、シャッタ部1291が移動して開口の大きさが遊技球の大きさよりも大きくなれば、球貯留皿126に貯留されていた遊技球が、その開口から排出されるようになる。なお、開口の奥には、球抜き通路1266(図44参照)の一部が見えている。
また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間のちょうど中間位置に位置している。
図43(b)に示す状態から球流しボタン131をさらに押下すると、皿用可動部材129は最大移動位置まで移送する。
図43(c)は、皿用可動部材129が最大移動位置にあるときの様子を示す図である。
この図43(c)では、シャッタ部1291はさらに上流側(図では左側)に移動しており、第2傾斜面1282における切欠部1283から完全に外れた位置にある。すなわち、シャッタ部1291が全開状態である。このため、切欠部1283全体が開口になっており、遊技球が排出される。なお、ここでも、開口の奥に、球抜き通路1266(図44参照)の一部が見えている。
また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間の最も上流側に位置している。すなわち、可動片1292は、これ以上、上流側に移動することはできない。図43(c)に示す可動片1292の作用部1292aは、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の境界brに位置している。すなわち、作用部1292aは、第1傾斜面1281の下流端に位置している。なお、皿用可動部材129を最大移動位置まで移動させると、作用部1292aが、その境界brよりもさらに上流側まで移動するようにしてもよいし、反対に、その境界brの手前までしか移動しないようにしてもよい。
図44は、球流しボタン131が押下されると皿用可動部材129が可動する仕組みを示した図であり、同図(a)は、球流しボタン131が押下される前の状態を前方側から示した図である。すなわち、図44(a)に示す球流しボタン131は初期位置にあり、同図(a)は、図43(a)に示す、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示した図である。一方、図44(b)は、球流しボタン131が一番奥まで押下された状態を前方側から示した図である。すなわち、図44(b)に示す球流しボタン131は最大押下位置にあり、同図(b)は、図43(c)に示す、皿用可動部材129が最大移動位置にあるときの状態を示した図である。
図44には、球流しボタン131と、皿用可動部材129の他、可動ベース部材1260、引張りバネ1263、ボタンベース1264、回動レバー1265、球抜き通路1266が示されている。
可動ベース部材1260は、球流しボタン131が、ボタンベース1264を介して取り付けられているボタン部分1261と、皿用可動部材129が取り付けられている可動領域部分1262を有する。
ボタンベース1264は、球流しボタン131の押下方向に延在したものであり、上端は球流しボタン131に固定されている。また、ボタンベース1264の下端には被係止部1264aが設けられ、中間位置には連動突起1264bが設けられている。ボタンベース1264は、可動ベース部材1260のボタン部分1261に上方から上下方向に移動可能に挿入されている。
引張りバネ1263の上端は、可動ベース部材1260におけるボタン部分1261の上端に係止され、下端は、ボタンベース1264の下端に設けられた被係止部1264aに係止されている。この結果、押下する手を球流しボタン131から離すと、この引張りバネ1263の作用により、球流しボタン131は初期位置に復帰する。
回動レバー1265は三角形状の部材であり、一つの頂点(図では左上の頂点)近傍に回動中心軸1265aが設けられている。残り二つの頂点近傍それぞれには、短い長孔が設けられている。回動中心軸1265aは、可動ベース部材1260のボタン部分1261に回動可能に取り付けられている。ボタンベース1264に設けられた連動突起1264bは、ボタン部分1261に形成された縦溝1261a(図44(b)参照)を貫通し、先端部分は、回動レバー1265に設けられた一方の短い長孔に挿入され、回動レバー1265に取り付けられている。また、皿用可動部材129におけるステー部1290(図42(b)参照)の前方側の下流端に設けられた取付突起1290aは、ボタン部分1261に形成された横溝1261bを貫通し、先端部分は、回動レバー1265のもう一方の短い長孔に挿入され、取付突起1290aは、回動レバー1265の下端部分に取り付けられている。
可動ベース部材1260の可動領域部分1262は、ボタン部分1261から上流側に延在した部分であり、この可動領域部分1262に、上流側と下流側を結ぶ可動溝1262aが形成されている。可動溝1262aには、皿用可動部材129のステー部1290に設けられた2つの摺動突起1290bが挿入されている。これら2つの摺動突起1290bは、図44(a)では、1つの摺動突起1290bしか見えていないが可動溝1262aの下流側に位置している。一方、図44(b)では、これら2つの摺動突起1290bが可動溝1262aの上流側に位置している。
球流しボタン131が押下されはじめると(図44(b)に示す矢印P参照)、ボタンベース1264に設けられた連動突起1264bが縦溝1261aに沿って下がり、回動レバー1265は、回動中心軸1265aを中心に、図44では時計回りの方向(図44(b)に示す矢印RM参照)に回動を開始する。回動レバー1265の下端部分に取り付けられていた、皿用可動部材129の取付突起1290aは、この回動レバー1265の回動によって、横溝1261bに案内されて、上流側に向かって移動を開始する。この結果、皿用可動部材129は、2つの摺動突起1290bが可動溝1262aに案内されて上流側に移動し、図43(b)を用いて説明したように、シャッタ部1291も上流側に移動し切欠部1283に開口が形成されるとともに、可動片1292も上流側に移動する。
球流しボタン131を最大押下位置まで押下すると、図44(b)に示すように、皿用可動部材129は上流端となる最大移動位置まで移動し、図43(c)を用いて説明したように、シャッタ部1291は切欠部1283から完全に外れた位置まで移動し、切欠部1283全体が開口になるとともに、可動片1292も上流端まで移動する。図44に示す球抜き通路1266は、切欠部1283に形成される開口からつながった通路であり、球抜き通路1266を通過した遊技球は、パチンコ機100の外(例えば、遊技球収集容器(俗称、ドル箱))へ排出される。
なお、上述のごとく、押下する手を球流しボタン131から離すと、引張りバネ1263の作用により、球流しボタン131は初期位置に復帰し、皿用可動部材129は、図44(a)に示す状態になる。
続いて、可動片1292の作用について説明する。なお、可動片1292の作用とは、厳密には、可動片1292に設けられた、第2傾斜面1282よりも上方に突出した作用部1292aの作用になる。
図45は、球貯留皿126に滞留している一つの遊技球に可動片1292が接触する様子を段階的に示す図である。この図45では、球貯留皿126を中心に、真上より少し前方側から見たときの状態を示しており、右側には球流しボタン131が示されている(図49まで同じ)。また、図45では、球貯留皿126における遊技球の流れは、左側から右側になる(図49まで同じ)。
図45(a)は、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間(以下、可動空間SKという。)の最も下流側に位置し、その作用部1292aは、切欠部1283の上流端に位置している。この例では、一つの遊技球B1が、第2傾斜面1282における上流側の後面壁127側、すなわち可動空間SKにかかる位置に滞留している。より詳しくは、可動空間SKのうち、上流側と下流側の中間となる中間位置にかかる位置に滞留している。遊技球にホコリや油成分が付着していると、傾斜面であっても、遊技球はこのように滞留してしまうことがある。
図45(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側の位置から上流側に向けて移動し、中間位置に到達している。中間位置には、一つの遊技球B1が滞留しており、可動片1292はその遊技球B1に接触する。可動片1292が遊技球B1に接触すると、球流しボタン131から手を離す。すなわち、皿用可動部材129が最大移動位置に到達する前に、球流しボタン131の押下操作を終了する。球流しボタン131の押下操作を終了すると、皿用可動部材129は初期位置に戻る。
図45(c)は、皿用可動部材129が初期位置に戻ったときの状態を示す図である。可動片1292が遊技球B1に接触すると、接触した可動片1292によって遊技球B1には外力が付与され、滞留していた遊技球B1が動く。遊技球B1が少しでも動けば、あとは第2傾斜面1282における傾斜によって、遊技球B1は下流側へ流下する。図45(c)には、下流側へ流下する遊技球B1が示されている。
図45(c)から続く同図(d)に示すように、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれており、遊技球B1は、シャッタ部1291の上を通って球通路1284に落下し、球通路1284を流下する。
図46は、球貯留皿126の上流側に滞留している一つの遊技球に可動片1292が接触する様子を段階的に示す図である。
図46(a)は、図45(a)と同じく、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側に位置している。この例では、一つの遊技球B2が、可動空間SKの最も上流側となる上流端位置にかかる位置に滞留している。図46(a)に示す遊技球B2は、ちょうど、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の境界brに位置している。したがって、遊技球B2は、第2傾斜面1282の上流端に位置しているとも言えるし、第1傾斜面1281の下流端に位置しているとも言える。上述のごとく、遊技球にホコリや油成分が付着していると、傾斜面であっても、遊技球は滞留してしまうことがあるが、傾斜角度が変わる境界brであると、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の間に遊技球が挟まれ、滞留してしまうこがある。
図46(b)では、球流しボタン131が最大押下位置まで押下され、皿用可動部材129は最大移動位置まで移動する。この結果、切欠部1283全体が開口になるとともに、可動片1292は、可動空間SKの上流端位置まで到達しており、可動片1292は遊技球B2に接触する。可動片1292が遊技球B2に接触しても、球流しボタン131を最大押下位置まで押し続けたままにすると、皿用可動部材129は最大移動位置に留まった状態になる。
図46(c)は、皿用可動部材129が最大移動位置に留まった状態を示す図である。
可動片1292が遊技球B2に接触すると、接触した可動片1292によって遊技球B2には外力が付与され、上流側で滞留していた遊技球B2が動く。遊技球B2が少しでも動けば、ここでも第2傾斜面1282における傾斜によって、遊技球B2は下流側へ流下する。
図46(c)から続く同図(d)では、切欠部1283全体が開口になったままであり、流下する遊技球B2は、球通路1284に流入する前に、この開口に落下する。開口に落下した遊技球B2は、開口の奥側に一部が見えている球抜き通路1266を通って、パチンコ機100の外へ排出される。
可動片1292が移動する領域(可動空間SK)は、切欠部1283よりも上流側になる。したがって、可動片1292は、滞留している遊技球B2に切欠部1283よりも上流側で接し、外力を付与する。このため、可動片1292が接触して流下してきた遊技球B2は、シャッタ部1291が移動して開口の大きさが遊技球の大きさよりも大きくなったままであれば、その開口に落下する。
図47は、球貯留皿126に二つの遊技球が滞留している場合の例を段階的に示す図である。
図47(a)は、図45(a)と同じく、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側に位置している。この例でも、図45(a)と同じく、一つの遊技球B3が、可動空間SKの中間位置にかかる位置に滞留している。この位置は、第2傾斜面1282の上流側の位置である。また、球貯留皿126における遊技球の流れる方向で見た場合、二つ目の遊技球B4は、一つ目の遊技球B3と、ほぼ同じレベルの位置に滞留している。すなわち、二つ目の遊技球B4も、第2傾斜面1282の上流側の位置に滞留している。
図47(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、可動空間SKの中間位置に到達しており、可動片1292は遊技球B3に接触する。可動片1292が遊技球B3に接触すると、球流しボタン131から手を離す。
図47(c)では、接触した可動片1292によって外力が付与された遊技球B3が動き出し、動いた先に滞留していた二つ目の遊技球B4に衝突している。可動片1292が接触した遊技球B3と、その遊技球B3が衝突した遊技球B4はともに、第2傾斜面1282における傾斜によって下流側へ流下する。この例に示すように、可動片1292の可動領域から離れた位置に滞留している遊技球B4であっても流下させることができる場合がある。なお、可動片1292が接触した遊技球B3よりも下流側に滞留している遊技球であっても、可動片1292が接触した遊技球B3によって流下させることができる場合がある。
図48は、可動片1292が接触した遊技球よりも上流側に遊技球が滞留している場合の例を段階的に示す図である。以下、図47に示す例との相違点を中心に説明する。
この例でも、図47(a)と同じく、一つの遊技球B5が、可動空間SKの中間位置にかかる位置に滞留している。二つ目の遊技球B6は、一つ目の遊技球B5よりも上流側となる、球貯留皿126の上流端に滞留している。すなわち、一つ目の遊技球B5は、第2傾斜面1282の上流側の位置に滞留しており、二つ目の遊技球B6は、第1傾斜面1281の上流端に滞留している。
図48(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、上流側に向かって移動し、可動空間SKの中間位置において遊技球B5に接触する。この例でも、可動片1292が遊技球B5に接触すると、球流しボタン131から手を離す。
上流側に移動する可動片1292によって、上流側に向けての外力が付与された遊技球B5が、図48(c)では上流側へ動き出し、球貯留皿126の上流端に滞留していた二つ目の遊技球B6に衝突している。可動片1292が接触した遊技球B5と、その遊技球B5が衝突した遊技球B6はともに、第1傾斜面1281における傾斜によって下流側へ流下し、その後、第2傾斜面1282における傾斜によってさらに下流側へ流下する。この例に示すように、可動片1292の可動領域(可動空間SK)よりも上流側の位置に滞留している遊技球B6であっても流下させることができる場合がある。
図49は、球貯留皿126での球噛みを可動片1292で解消する例を段階的に示す図である。
図49(a)に示す球貯留皿126には、多くの遊技球が貯留されているが、遊技球は、球通路1284の上流端部分までしかきておらず、球通路1284の下流側に向かって1列に並んだ状態ではない。これは、球貯留皿126内で球噛みが生じており、遊技球どうしが引っかかって下流側へ流下することができない状態にある。
図49(b)では、球流しボタン131が半分程度押下され、可動片1292は、可動空間SKの中間位置付近に到達している。球流しボタン131を半分程度押下したら、球流しボタン131から手を離す。図49(b)に示す可動片1292は、貯留されている遊技球に埋もれながらも、その中を移動し、複数の遊技球に接触して外力を付与している。また、シャッタ部1291も上流側に移動し、このシャッタ部1291も複数の遊技球の底に接触して外力を付与している。これらの結果、球貯留皿126内での球噛みが解消される。
図49(c)では、球噛みが解消され、貯留されていた遊技球は球通路1284の下流側まで流れ込み、図49(c)に示す球通路1284には、遊技球が1列に並んでいる。
なお、球噛みがなかなか解消されない場合には、球流しボタン131を複数回連続ですばやく押下するように操作して、可動片1292を高速で往復動させてもよい。
また、押下していた球流しボタン131から手を離すことで可動片1292は下流側へ向かって移動する。この下流側へ向かって移動する可動片1292によっても、遊技球に接触することで、外力を付与することができ、遊技球を動かすことができる。特に、下流側へ向かう外力を付与することができ、遊技球を下流側へより勢いよく流下させることが可能になる。
さらに、可動片1292は下流側へ向かって移動する際には、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも低くなるように下降し、上流側へ向かって移動する際のみ、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも突出するようにしてもよいし、これとは反対に、可動片1292が上流側へ向かって移動する際には、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも低くなるように下降し、下流側へ向かって移動する際のみ、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも突出するようにしてもよいし
以上説明した皿用可動部材129は、滞留している遊技球に外力を付与する駆動部の一例であり、移動して位置を変化するものであったが、上記駆動部としては、位置は変化せず、振動するものであってもよいし、回転するものであってもよい。また、姿勢が変化するものであってもよい。さらには、球貯留皿126における球載置面となる底面の一部又は全部が、可動(例えば、昇降)したり、振動したり、回転したりするものであってもよいし、その底面の一部又は全部の傾斜角度が変化したりするものであってもよい。また、上記駆動部としては、滞留している遊技球に必ずしも接触するものでなくてもよく、例えば、滞留している遊技球から離れた位置から風を吹き付けるものであってもよい。
また、前面枠扉106と球貯留皿付扉108とは別体のものであって、別々に開閉可能であったが、一体の扉体であって、一体で開閉するものであってもよい。さらに、球貯留皿126の他に、第二の球貯留皿を設け、第二の球貯留皿にも、皿用可動部材129と同じ部材を設けてもよい。この第二の球貯留皿は、球貯留皿126よりも上流に配置されるものであってもよいし、下流に配置されるものであってもよいし、同レベルに配置されるものであってもよい。
以上の記載によれば、
『 球貯留皿[例えば、球貯留皿126]と、
操作部[例えば、球流しボタン131]と、
前記操作部が操作されると駆動する駆動部[例えば、皿用可動部材129あるいは可動片1292]と、
を備えた遊技台であって、
前記駆動部は、前記球貯留皿に設けられたものであり、
前記駆動部は、前記球貯留皿に貯留されている或る遊技球[例えば、遊技球B1〜B6]に駆動すること[例えば、移動したり、回転したり、振動したり、流体を吐出したりすること]で外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
前記操作部を操作することで、前記球貯留皿に滞留する遊技球を、遊技者が手で触れることなく、前記駆動部からの外力によって下流側に流れ出す契機を与えることができ、衛生的であるとともに遊技者が遊技に集中することができる。
なお、前記球貯留皿は、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段を備え、前記発射手段から発射された遊技球のうち前記遊技領域に到達しなかった遊技球が戻ってくる皿であってもよいし、賞球が払い出される皿であってもよいし、貸球が払い出される皿であってもよい。また、貯留された遊技球を排出可能な皿であってもよく、例えば、他の皿へ排出可能な皿であってもよいし、遊技球収集容器(いわゆるドル箱)へ排出可能な皿であってもよい。すなわち、前記球貯留皿は、いわゆる上皿であってもよいし、いわゆる下皿であってもよいし、上皿の機能と下皿の機能が合わさった皿(上皿兼下皿)であってもよい。
前記駆動部は、前記操作部が操作されると、振動するものであってもよいし、回転するものであってもよいし、姿勢変化するものであってもよいし、流体を吐出するものであってもよい。あるいは、或る動作(例えば、上下方向の動作または/および左右方向の動作)を行うものであってもよい。
また、
『 前記駆動部は、前記操作部が操作されると、前記或る遊技球に非接触な位置[例えば、初期位置]から接触する位置に移動し、該或る遊技球に接触することで外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記駆動部は、可動部であってもよい。
また、
『 前記球貯留皿は、開閉する球抜き開口[例えば、切欠部1283]が設けられたものであり、
前記球抜き開口は、前記駆動部が駆動することで閉じた状態[例えば、シャッタ部1291が閉じた状態]から開いた状態[例えば、シャッタ部1291が開いた状態]に変化するものである[例えば、図43]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記駆動部は、前記球抜き開口よりも前記球貯留皿における上流側で、前記或る遊技球に外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記球貯留皿における上流側とは、前記球貯留皿を遊技球が流下する流下方向における上流側のことであってもよい(以下においても同じ。)。前記流下方向は、前記球貯留皿における下面(床面)の高さ位置の変化によって決まり、一般的に高い位置から低い位置に向かう方向が流下方向になる(以下においても同じ。)。
前記球貯留皿は、前記流下方向上流側に、球払出口を有するものであってもよい。前記球払出口からは賞球や貸球が払い出される。前記球払出口に近いほど上流側ともいえ、該球払出口から離れるほど下流側ともいえる(以下においても同じ。)。なお、前記球貯留皿は、前記球払出口とは別に、戻り球口を有するものであってもよい。前記戻り球口は、前記球払出口よりも前記流下方向下流側に設けられていてもよい。
遊技領域へ遊技球を発射する発射手段を備え、前記球貯留皿は、下流側が前記発射手段につながったものであってもよい。
また、
『 前記駆動部における駆動には、前記或る遊技球に外力を付与する部位[例えば、可動片1292あるいは作用部1292a]が、前記球貯留皿における上流側から下流側に向かって移動すること[例えば、押下していた球流しボタン131から手を離すことで移動すること]が含まれる、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記駆動部における駆動は、前記或る遊技球に外力を付与する部位が、前記球貯留皿における上流側から下流側に向かって移動することのみであってもよい。
外力を付与する部位が上流側から下流側に向かって移動することで、前記或る球に下流側へ移動する外力を付与することができる。
また、
『 前記駆動部における駆動には、前記或る遊技球に外力を付与する部位[例えば、可動片1292あるいは作用部1292a]が、前記球貯留皿における下流側から上流側に向かって移動すること[例えば、球流しボタン131を押下することで移動すること]が含まれる、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記駆動部における駆動は、前記或る遊技球に外力を付与する部位が、前記球貯留皿における下流側から上流側に向かって移動することのみであってもよい。
外力を付与する部位が下流側から上流側に向かって移動することで、前記或る球に上流側へ一旦移動する外力を付与することができ、該或る球は、自身よりも上流側で滞留している遊技球にぶつかって、該遊技球とともに最終的には下流側へ流下していくことになる。
前記駆動部は、前記操作部が操作されると、前記球貯留皿における上流側と下流側の間で往復移動し、前記或る遊技球に接触することで外力を付与するものであってもよい。
また、
『 前記駆動部は、直接接触していない遊技球[例えば、遊技球B4や遊技球B6]に対しても駆動することで外力を付与することができる場合があるものである[例えば、図47や図48に示す例]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記或る遊技球には、前記駆動部が直接接触する遊技球の他、直接は接触することができない遊技球も含まれる。これは、直接接触することで外力を付与された遊技球を介して、直接は接触することができない遊技球にも外力を付与することができるからである。
また、
『 前記球貯留皿は、第一の傾斜部[例えば、第1傾斜面1281]と第二の傾斜部[例えば、第2傾斜面1282]を有するものであり、
前記第二の傾斜部は、前記第一の傾斜部よりも傾斜が緩い傾斜部であり[例えば、図42(a)]、
前記駆動部は、前記第二の傾斜部に貯留される或る遊技球[例えば、遊技球B1や遊技球B2]に駆動することで外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
図50は、本発明を適用可能な封入式のパチンコ機の正面図である。
図50に示す封入式のパチンコ機100hでは、所定数の遊技媒体(例えば、遊技球)を遊技台内部で循環させる。すなわち、発射手段101hから遊技領域102hに発射された遊技媒体が、遊技領域102hから排出されて再び発射手段101hへ供給可能としている。また、遊技媒体の数(賞球、貸球、総持玉数等)の情報や、その他の情報を表示する表示手段103hが遊技台前面の遊技領域102hの下方に配設されており、図1に示す、遊技者が接触可能な球貯留皿126は設けられていない。なお、遊技者が接触不能な球貯留皿は別途設けられており、図41〜図49を用いて説明した球貯留皿の技術も適用することができ、遊技者が接触不能なことから、特に大きな効果を期待することができる。
以上説明したように、図50に示すパチンコ機100hは、球を封入し、封入した球をパチンコ機内で循環させて使用するものであって、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。
なお、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、以上説明した、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用してもよい。すなわち、適用させることを妨げる要因がない限りは、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用しても、一つのまとまりのある技術的思想として成り立つ。