以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1における通信システムの構成例を示す模式図である。実施形態1における通信システムは、複合機1、サーバ装置2、及びコンピュータ3を備える。複合機1は例えば、デジタル複合機又はアナログ複合機であり、例えばコンビニエンスストアに設置されている。サーバ装置2は例えば、クラウドサービスを提供するサーバコンピュータであり、ネットワークNを介して、メモリ領域の使用、OS(Operating System)の実行等の各種サービスを提供する。コンピュータ3は例えば、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、タブレット端末等の各種のコンピュータである。また、複合機1、サーバ装置2、及びコンピュータ3は夫々、後述のネットワークNに接続されており、当該ネットワークNを介してデータの送受信を行う。
例えば、複合機1とサーバ装置2との間では、複合機1における後述の画像読取部14(図2参照)で読み取られた原稿の画像データが複合機1からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2が当該画像データを記憶すること等が行われる。また、複合機1とサーバ装置2との間では、サーバ装置2から画像データが送信され、複合機1が当該画像データに基づき後述の画像形成部15(図2参照)にて画像形成をすること等が行われる。
また例えば、複合機1とコンピュータ3との間では、画像読取部14で読み取られた原稿の画像データが複合機1からコンピュータ3に送信され、コンピュータ3が当該画像データを記憶すること等が行われる。また、複合機1とコンピュータ3との間では、コンピュータ3から画像データが送信され、複合機1が当該画像データに基づき画像形成部15にて画像形成をすること等が行われる。
また例えば、サーバ装置2とコンピュータ3との間では、各種のデータの送受信が行われ、サーバ装置2及びコンピュータ3は夫々受信したデータを記憶する。
ネットワークNはコンピュータネットワークであり、専用の通信網又はインターネット等の種々の公知の構成を用いることができ、複数のコンピュータネットワークがルータ等の接続機器を介して接続されていてもよい。ネットワークNの伝送媒体には有線が含まれていてもよいし、無線が含まれていてもよい。また、ネットワークNには、複合機1、サーバ装置2、及びコンピュータ3の他、データを送信又は受信することができる一又は複数の他の機器が接続されていてもよい。ここで、実施形態1においてネットワークNに接続された機器間でデータが送受信されることによって、ネットワークNの通信状況の良否が変化するものとする。ネットワークNの通信状況は例えば、ネットワークNのトラフィックの大きさによる影響、当該接続機器を介して通信が行われる際の遅延、ジッタ、パケットロスの影響等により、良否が変化する。
実施形態1においては、複合機1は本発明の情報処理装置に相当し、サーバ装置2が本発明の通信装置に相当する。また、以下では説明の便宜上、複合機1及びサーバ装置2の間で行われる処理について主に説明する。
図2は、複合機1、サーバ装置2、及びコンピュータ3の各構成を示すブロック図である。複合機1は、制御部11、記憶部12、操作パネル13、画像読取部14、画像形成部15、時計部16、及び通信IF17等を備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)等を含み、複合機1が備える各部の動作を制御する。具体的には、制御部11のCPU又はMPUは、記憶部12に記憶されている後述の制御プログラムを実行することにより各部を制御する。
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、ネットワークNを介して受信したデータ、後述の画像読取部14が原稿を読み取って取得した画像データ等を記憶する。また、記憶部12には、制御プログラムが記憶されている。当該制御プログラムは、複合機1がサーバ装置2、コンピュータ3との間で通信をするときに行う処理内容と、各部を制御するときに行う処理内容とが記述されたコンピュータプログラムである。制御部11は、当該制御プログラムをRAM(図示せず)にロードして実行することにより、複合機1を本発明に係る情報処理装置として動作させる。
実施形態1に係る複合機1に係る制御プログラムは、記録媒体4にコンピュータが読み取り可能に記録されている制御プログラム4aの複製であってもよい。記憶部12は、図示しない読出装置によって記録媒体4から読み出された制御プログラム4aを記憶する。記録媒体4は、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、BD(Blu-ray (登録商標)Disc)等の光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、磁気光ディスク、半導体メモリ等である。
操作パネル13は、操作部13a及び表示部13bが一体として構成されたタッチパネルである。操作部13aは、使用者が複合機1を操作するために必要な各種の操作キーを備え、使用者が操作した操作キーに基づく情報の入力を受け付け、受け付けた情報を制御部11に出力する。表示部13bは、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又は有機ELパネル等であり、制御部11の指示に従って、使用者に対して通知すべき情報、操作に必要な情報等を表示する。なお、タッチパネルを用いず、操作部13aと表示部13bとを各別に設けてもよい。
画像読取部14は、例えば、CCD(Charged Coupled Device)を備えたスキャナであり、原稿に印刷された文字や画像等を画像データとして読み取る。また、画像読取部14は、所定の原稿載置台に載置された複数枚の原稿をスキャナによる読取位置まで順次搬送する原稿搬送機能を備えていてもよい。
画像形成部15は、電子写真方式、インクジェット方式又は熱転写方式等の画像形成手段であり、画像読取部14が原稿から読み取った画像データ又はサーバ装置2、コンピュータ3等のネットワークNに接続された外部の機器から受信した画像データに基づいて印刷処理を行う。画像形成部15は、画像データに基づいて、記録紙等の記録シート上に画像(文字/写真/グラフィック)を形成する。
時計部16は例えば、暦日及び時刻を計時しており、制御部11は時計部16から暦日及び時刻の情報を取得することができる。
通信IF17は、ネットワークNに接続するためのインタフェースである。通信IF17は、制御部11の指示に従って、サーバ装置2、コンピュータ3等のネットワークNに接続された外部の機器との間でデータの送信及び受信を行う。
第2通信IF18は、ネットワークNと異なるネットワークに接続するためのインタフェースである。ネットワークNと異なるネットワークは例えば電話回線網であり、複合機1は、当該電話回線網を用いてファクシミリ機能を実現する。なお、第2通信IF18の構成は必須ではなく、例えば、複合機1は、ネットワークNを用いてファクシミリ機能が実現されてもよい。
サーバ装置2は、制御部21、記憶部22、通信IF23、及び入出力IF24等を備える。制御部21は、CPU又はMPU等を含み、サーバ装置2が備える各部の動作を制御する。具体的には、制御部21のCPU又はMPUが、記憶部22に記憶されている後述の制御プログラムを実行することにより各部を制御する。
記憶部22は、HDD等の記憶装置であり、複合機1、コンピュータ3に送信するデータ、当該複合機1、コンピュータ3から受信したデータ等が記憶されている。また、記憶部22には制御プログラムが記憶されている。当該制御プログラムは、サーバ装置2が複合機1、コンピュータ3との間で通信するときに行う処理内容と、各部を制御するときに行う処理内容とが記述されたコンピュータプログラムである。制御部21は、当該制御プログラムをRAM(図示せず)にロードして実行することにより、サーバ装置2を本発明に係る通信装置として動作させる。
通信IF23は、ネットワークNに接続するためのインタフェースである。通信IF23は、制御部21の指示に従って、複合機1、コンピュータ3等のネットワークNに接続された外部の機器との間でデータの送信及び受信を行う。
入出力IF24は、キーボード、ディスプレイ等の入出力装置を接続するためのインタフェースである。入出力IF24は、入出力装置からの入力信号を制御部11に出力し、制御部11からの出力信号を入出力装置に出力する。
コンピュータ3は、制御部31、記憶部32、表示部33、入力部34、及び通信IF35等を備える。制御部31は、CPU又はMPU等を含み、コンピュータ3が備える各部の動作を制御する。具体的には、制御部31のCPU又はMPUが、後述の制御プログラムを実行することにより各部を制御する。
記憶部32は、HDD等の記憶装置であり、複合機1、サーバ装置2に送信するデータ、当該複合機1、サーバ装置2から受信したデータ等が記憶されている。また、記憶部32には、制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、コンピュータ3が複合機1、サーバ装置2の間で通信するときに行う処理内容と、各部を制御するときに行う処理内容とが記述されたコンピュータプログラムである。
表示部33は例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又は有機ELパネル等が用いられたモニタである。入力部34は例えば、キーボード、マウス等の入力装置である。
通信IF35は、ネットワークNに接続するためのインタフェースである。通信IF35は、制御部31の指示に従って、複合機1、サーバ装置2等のネットワークNに接続された外部の機器との間でデータの送信及び受信を行う。
以上の構成の通信システムにおいて、複合機1は、使用者に提供することができる機能を操作パネル13の表示部13bにメニュー画面として表示する。このとき、複合機1は、ネットワークNの通信状況の良否を判定し、判定結果に基づいて、メニュー画面の表示態様を変える。
図3は、複合機1の操作パネル13の表示部13bに表示されたメニュー画面の例を示す模式図である。図3Aには、複合機1がネットワークNの通信状況が良好であると判定したときのメニュー画面の一例が示され、図3Bには、複合機1がネットワークNの通信状況が不良であると判定したときのメニュー画面の一例が示されている。メニュー画面には、複合機1が提供できる機能の項目がアイコン101〜106として表示されている。具体的には、アイコン101〜106は夫々、コピー、プリントサービス、ファクシミリ、行政サービス、スキャンサービス、及びネットワークプリントの機能が対応している。使用者が操作部13aに対する操作又は表示部13bに対するタッチ操作により、アイコン101〜106の何れかを選択した場合、複合機1は、当該使用者のアイコンの選択を受け付け、当該アイコンに対応する機能を実現すべく処理を行う。
ここで、複合機1は、アイコン101〜103の何れかの選択を受け付けた場合、ネットワークNを使用せずに処理を行うものとし、アイコン104〜106の何れかの選択を受け付けた場合、ネットワークNを使用して処理を行うものとする。行政サービスでは例えば、複合機1とサーバ装置2との間で、住民基本台帳に係る情報及び住民票の画像データの通信が行われる。スキャンサービスでは例えば、複合機1が画像読取部14にて読み取った原稿の画像データをサーバ装置2に送信する。ネットワークプリントサービスでは例えば、サーバ装置2が記憶部22に記憶された画像データを複合機1に送信する。
複合機1は、ネットワークNの通信状況が不良であると判定した場合、ネットワークNを使用して処理を行う機能を実行するための操作の受付を禁止すべく、図3Bに示したようにアイコン104〜106を非表示にする。また、複合機1は、アイコン104〜106を非表示にした後、ネットワークNの通信状況が良好であると判定した場合、当該機能の受付を許可すべく、図3Aに示したように、アイコン104〜106を表示する。
次に、複合機1の処理手順について説明する。以下では適宜、図3に例示したメニュー画面の表示態様を用いて当該処理手順について説明する。図4は、複合機1の処理手順を示すフローチャートである。複合機1の制御部11は、操作部13aから使用者による操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。制御部11は例えば、図3に示したアイコン101〜106の何れかの選択を受け付けたか否かにより判定を行う。制御部11はステップS11において制御プログラムを実行することにより、本発明の受付手段として機能する。操作を受け付けていないと判定した場合(S11:NO)、使用者からの操作を受け付けるまで制御部11は待機する。
操作を受け付けたと判定した場合(S11:YES)、制御部11は受け付けた操作に応じた処理を実行する(ステップS12)。制御部11は例えば、アイコン101〜106の内、ステップS11で受け付けたと判定されたアイコンに対応する機能を実現すべく処理を行う。制御部11はステップS12において制御プログラムを実行することにより、本発明の処理手段として機能する。
次いで、制御部11は、通信処理を実行する(ステップS13)。通信処理では、制御部11は、サーバ装置2にネットワークNの通信状況を判定するための特定の判定用データを複数回送信し、各判定用データに対応する応答データ夫々をサーバ装置2から受信する。また、通信処理では、制御部11は、当該判定用データを送信してから、送信した判定用データに対応する応答データを受信するまでの時間を計時する。即ち、通信処理において、制御部11は、判定用データを送信した回数分の複数の時間を計時する。なお、通信処理の処理手順の詳細については後述する。
その後、制御部11は通信処理で計時した複数の時間から平均時間を算出する(ステップS14)。具体的には、制御部11は当該複数の時間の平均を算出することで平均時間を算出する。制御部11はステップS14において制御プログラムを実行することにより、本発明の平均時間算出手段として機能する。
次いで、制御部11は判定用データのデータ量を、算出した平均時間で除算する(ステップS15)。ステップS15において制御部11は、サーバ装置2との間で送受信することができるデータの単位時間当たりのデータ量を算出している。以下では、当該単位時間当たりのデータ量を通信速度とも称する。制御部11はステップS15において制御プログラムを実行することにより、演算手段として機能する。
次いで制御部11は、算出した通信速度が、記憶部12に予め記憶された所定の基準速度未満であるか否かを判定する(ステップS16)。基準速度は例えば、ネットワークNを使用して複合機1が送受信することができる単位時間当たりのデータ量の理論値の最大値に基づいて算出され、一例として当該理論値の20%の値である。制御部11は、算出した通信速度が基準速度未満である場合にネットワークNの通信状況が不良であるとし、当該通信速度が基準速度以上である場合にネットワークNの通信状況が良好であるとする。制御部11はステップS16において制御プログラムを実行することにより、本発明の通信状況判定手段として機能する。
基準速度未満であると判定した場合(S16:YES)、受付禁止処理を行う(ステップS17)。受付禁止処理は例えば、表示部13bのメニュー画面の表示態様が図3Aから図3Bとなるようにアイコン104〜106を非表示にする処理である。制御部11はステップS17において制御プログラムを実行することにより受付禁止手段として機能する。
基準速度未満ではないと判定した場合(S16:NO)、制御部11は、受付禁止処理済みであるか否かを判定する(ステップS18)。制御部11は例えば、表示部13bのメニュー画面の表示態様が図3Bと同様の表示態様であるか否かにより判定を行う。
受付禁止処理済みであると判定した場合(S18:YES)、制御部11は受付許可処理を行う(ステップS19)。受付許可処理は例えば、表示部13bのメニュー画面の表示態様が図3Bから図3Aとなるようにアイコン104〜106を表示し、当該アイコン104〜106の選択の受付を可能とする処理である。制御部11はステップS19において制御プログラムを実行することにより、本発明の受付許可手段として機能する。その後、制御部11は処理を終える。また、受付禁止処理済みでないと判定した場合(S18:NO)、制御部11は処理を終える。
図5は、図4のステップS13における通信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。複合機1の制御部11は、時計部16から暦日及び時刻の情報を取得することにより計時を開始する(ステップS21)。次いで、制御部11は、上述の判定用データを生成し、通信IF17及びネットワークNを介して上述の判定用データをサーバ装置2に送信する(ステップS22)。判定用データは所定のデータ量を有している。所定のデータ量は例えば、ネットワークNの回線種別等によって適宜選択されることが可能であり、例えば数十キロバイトである。制御部11はステップS22において制御プログラムを実行することにより、本発明の通信手段として機能する。
サーバ装置2の制御部21は、ネットワークN及び通信IF23を介して複合機1から送信された判定用データを受信する(ステップS23)。次いで、制御部21は、応答データを生成し、通信IF23及びネットワークNを介して応答データを複合機1に送信する(ステップS24)。制御部21は、ステップS23において制御プログラムを実行することにより、本発明の受信手段として機能し、ステップS24において制御プログラムを実行することにより、本発明の送信手段として機能する。
複合機1の制御部11は、ネットワークN及び通信IF17を介してサーバ装置2から送信された応答データを受信する(ステップS25)。制御部11はステップS25において制御プログラムを実行することにより、本発明の通信手段として機能する。次いで、制御部11は、時計部16から暦日及び時刻の情報を取得することにより計時を終了する(ステップS26)。その後、制御部11は、ステップS21で取得した暦日及び時刻からステップS26で取得した暦日及び時刻までの時間を計時結果として記憶部12に記憶する(ステップS27)。ここで、制御部11は、ステップS21及びステップS26において制御プログラムを実行することにより、本発明の計時手段として機能する。
その後、制御部11は、サーバ装置2に判定用データを所定回数に亘って送信したか否かを判定する(ステップS28)。制御部11は例えば、記憶部12に一時記憶された計時結果が所定回数の数だけあるか否かにより判定する。所定回数は、例えば5回である。所定回数に亘って送信していないと判定した場合(S28:NO)、制御部11はステップS21に処理を戻す。
以上の構成及び処理によって、複合機1は、自機が判定したネットワークの通信状況が不良である場合に、スキャンサービス、ネットワークプリント等のネットワークNを使用してデータを送信又は受信する処理の操作を受け付けない。使用者は、複合機1により当該操作が受け付けられないことによって、複合機1がネットワークNを使用した処理を良好に行うことができないことを事前に知ることができる。そのため、情報処理装置は使用者の不快感を低減することができる。
なお、実施形態1においては、図3Bに示したようなアイコン104〜106を非表示にする以外の表示態様により、ネットワークNを使用した処理の操作の受付が禁止されてもよい。例えば、複合機1は、アイコン104〜106をグレーアウトし、各アイコンを選択できないようにしてもよい。また、複合機1は、アイコン104〜106が選択されたときに、「現在使用できません」等のメッセージを表示し、ネットワークNを使用した処理の操作の受付を禁止している旨を使用者に報知するようにしてもよい。
また、複合機1は、図4中のステップS12で処理を実行した後に、ネットワークNの通信状況を判定する処理を行うため、当該通信状況を判定する処理がステップS12での処理の実行を妨げない。従って、複合機1は、通信状況の判定に起因して使用者による操作に基づく処理の実行時間を長引かせることを確実に防止することができ、使用者の不快感をより低減させることができる。
また、複合機1は、受け付けた操作による処理の実行が終了する都度、ネットワークNの通信状況の良否を判定する。従って、複合機1は、当該通信状況の良否を反復的に判定することで、例えば、ネットワークの通信状況が変化する頻度が高い場合であっても、当該変化に適応して使用者による操作の受付の禁止又は許可を行うことができる。
また、複合機1は、図4中のステップS19の受付許可処理において、ネットワークNの通信状況が不良な状況から良好な状況に変化した場合に、使用者によるネットワークNを使用してデータを送信又は受信する処理の操作の受付を再開することができる。そのため、使用者の不快感を低減させつつ、利便性を向上することができる。
また、複合機1は、図4中のステップS13の通信処理を行うことによって、単位時間当たりにネットワークを介して送受信することができるデータのデータ量に基づいて、当該ネットワークの通信状況を判定することができる。
なお、当該通信処理において、複合機1は、サーバ装置2に代えて、判定用データ及び応答データを送受信可能な他の通信装置との間で、当該判定用データ及び応答データを送受信するようにしてもよい。即ち、サーバ装置2が、判定用データ及び応答データを送受信することは必須ではない。
なお、当該通信処理において、複合機1の制御部11は複数回に亘って判定用データを送信することを説明したが、判定用データを1回送信するようにしてもよい。このとき、制御部11は図4中のステップS14の処理を行わず、ステップS15にて1回分の判定用データ及び応答データの送受信に要した時間を、判定用データのデータ量で除算する。
更に、複合機1は、図4中のステップS14で、通信処理における複数回分の計時結果を用いて平均時間を算出することにより、単位時間当たりにネットワークを介して送受信することができるデータのデータ量をより正確に算出することができる。
(実施形態2)
実施形態1では、複合機1の制御部11は、使用者による操作を受け付け、受け付けた操作に応じた処理の実行が終了する都度、ネットワークNの通信状況の良否を判定することを説明した。実施形態2では、制御部11は、定期的にネットワークNの通信状況の良否を判定する例について説明する。なお、以下で説明する構成及び作用を除くその他の構成及び作用は上述の実施形態1と同様であるため、同様の部分については同一の符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明及びその作用効果の説明は省略する。
図6は、実施形態2における複合機1の処理手順を示すフローチャートである。なお、図6中のステップS33〜ステップS39までの処理は、実施形態1における図4中のステップS13〜ステップS19までの処理と同様であるため、説明を省略する。
複合機1の制御部11は、ネットワークNの通信状況の良否を判定すべき判定タイミングにあるか否かを判定する(ステップS31)。制御部11は、例えば所定時間間隔が経過する都度、判定タイミングにあると判定する。所定の時間間隔とは例えば5分である。判定タイミングにないと判定した場合(S31:NO)、制御部11は判定タイミングになるまで待機する。
判定タイミングにあると判定した場合(S31:YES)、制御部11は自機が処理中であるか否かを判定する(ステップS32)。制御部11は例えば、自身が図3中のアイコン101〜106の何れかに対応する処理を実行しているか否かにより判定を行う。処理中であると判定した場合(S32:YES)、制御部11は処理を終える。処理中でないと判定した場合(S32:NO)、制御部11はステップS33以降に処理を進める。
以上のように、複合機1は、判定タイミング毎にネットワークNの通信状況の良否を判定する。この場合であっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。なお、実施形態2において判定タイミングは定期的に到来することを説明したが、不定期であってもよい。
なお、複合機1の制御部11は、図6中のステップS32でアイコン101〜106の何れかに対応する処理を実行しているか否かを判定することを説明したが、特定の処理を実行しているか否かを判定するようにしてもよい。例えば、制御部11はネットワークNを使用する処理を実行しているか否か、即ちアイコン104〜106に対応する処理を実行しているか否かを判定するようにしてもよい。このとき、制御部11はネットワークNを使用する処理を実行しているときに、ネットワークNの通信状況の良否を判定する処理を実行しない。複合機1は、当該通信状況の判定に起因して使用者による操作に基づく処理の実行時間を長引かせることを防止することができ、かつネットワークNを使用しない処理を実行中に当該通信状況を判定することができるため、使用者の不快感を低減させつつ、当該通信状況の判定のリアルタイム性を向上することができる。
(実施形態3)
実施形態1及び2では、ネットワークNの通信状況の良否を判定する際に使用される基準速度が記憶部12に予め記憶されていることを説明した。実施形態3では、複合機1の制御部11が、通信速度を算出する都度、当該通信速度を記憶し、記憶した通信速度の情報に基づいて基準速度を生成する例について説明する。なお、以下で説明する構成及び作用を除くその他の構成及び作用は上述の実施形態1及び2と同様であるため、同様の部分については同一の符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明及びその作用効果の説明は省略する。
図7は、実施形態3における複合機1の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7中のステップS41〜ステップS45、及びステップS48〜ステップS51の処理は、実施形態1における図4中のステップS11〜ステップS15、及びステップS16〜ステップS19の処理と同様であるため、説明を省略する。
複合機1の制御部11は、ステップS45の処理を実行した後、当該処理の演算結果である通信速度を記憶部12に記憶する(ステップS46)。制御部11は例えば、記憶部12に演算結果テーブル121(図8参照)を作成し、作成した演算結果テーブル121に通信速度を記憶する。図8は、演算結果テーブル121の一例を示す概念図である。図8に示すように演算結果テーブル121には、日時と通信速度とが対応付けて記憶されている。ステップS46において、制御部11は例えば、時計部16から暦日及び時刻の情報を取得し、取得した情報とステップS45で算出された通信速度とを対応付けて記憶する。
次いで、制御部11は、記憶部12に記憶した演算結果に基づいて基準速度を生成する(ステップS47)。制御部11は例えば、記憶部12に記憶された演算結果テーブル121に記憶された通信速度の内、最大の通信速度を読み出し、当該最大の通信速度を基準速度とする。制御部11はステップS47において制御プログラムを実行することにより、本発明の生成手段として機能する。その後、制御部11はステップS48以降に処理を進める。制御部11は、ステップS48においてはステップS47で生成した基準速度を使用して処理を行う。
以上のように、複合機1はステップS45で通信速度を算出する都度、記憶部12の演算結果テーブル121に記憶し、当該演算結果テーブル121の情報を用いて基準速度を生成することができる。従って、演算結果の履歴を用いてネットワークNの通信状況の良否を判定することができるため、より精度良く当該通信状況の良否を判定することができる。
なお、図7中のステップS47においては、制御部11は演算結果テーブル121に記憶された最大の通信速度を読み出すことで基準速度を生成したが、基準速度は当該最大の通信速度以外であってもよい。例えば、制御部11は、演算結果テーブル121に記憶された通信速度の平均値、中央値等の通信速度を表す各種の統計量を算出することで基準速度を生成するようにしてもよい。また、制御部11は、ステップS45の処理を行った時間に基づいて、基準速度を生成するようにしてもよい。例えば、制御部11は、ステップS45の処理を行った時間と同様の時間帯で記憶された通信速度を演算結果テーブル121から読み出し、読み出した通信速度の最大値、平均値、中央値等の各種の統計量を算出することで基準速度を生成するようにしてもよい。時間帯は例えば、午前又は午後、24時間を1時間刻みで分割した時間等の24時間が一定の時間で分割されたものであってもよいし、24時間が異なる時間で分割されたものであってもよい。
また、実施形態3において複合機1の制御部11は、図7のステップS41及び42の処理に代えて、実施形態2における図6のステップS31及びステップS32と同様の処理を行うようにしてもよい。
(実施形態4)
実施形態1〜3では、複合機1は、サーバ装置2との間で判定用データ及び応答データを送受信することで通信速度を算出し、当該通信速度に基づいてネットワークNの通信状況の良否を判定した。実施形態4においては、複合機1は、サーバ装置2との通信を行わず、予め記憶部12に記憶された情報を用いて、ネットワークNの通信状況の良否を判定する例について説明する。なお、以下で説明する構成及び作用を除くその他の構成及び作用は上述の実施形態1及び2と同様であるため、同様の部分については同一の符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明及びその作用効果の説明は省略する。
実施形態1における複合機1は、ネットワークNの通信状況が不良である月日及び当該月日における時間帯が時間情報テーブル122(図9参照)として記憶部12に記憶されている。図9は、実施形態4における時間情報テーブル122の一例を示す概念図である。時間情報テーブル122には、上述のようにネットワークNの通信状況が不良である月日及び当該月日における時間帯が記憶されている。即ち、時間情報テーブル122は、ネットワークNの通信状況が不良であることと、月日及び時間帯とが対応付けられて記憶された情報である。図9中「−」は、特定の値によらないことを表している。例えば時間情報テーブル122中において月、日、及び時間帯の項目が夫々、「1」、「−」、及び「12:30〜13:00」の行は、1月中の特定の日によらず12:30〜13:00の時間帯はネットワークNの通信状況が不良であることを表している。
図10は、複合機1の処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS61、ステップS62、及びステップS65〜ステップS67の処理は、実施形態1における図4中のステップS11、ステップS12、及びステップS17〜ステップS19の処理と同様であるため、説明を省略する。
複合機1の制御部11は、ステップS62の処理の後、時計部16から暦日及び時刻の情報を取得する(ステップS63)。制御部11はステップS63において制御プログラムを実行することにより、本発明の取得手段として機能する。その後、制御部11は、取得した情報が時間情報テーブル122中に存在するか否かを判定する(ステップS64)。例えば、制御部11は、時計部16から取得した情報が2014年1月10日13:30を表す場合、当該情報が図9中の時間情報テーブル122の2行目に存在すると判定する。また例えば、制御部11は、時計部16から取得した情報が2014年1月20日9:00を表す場合、当該情報が図9中の時間情報テーブル122中に存在しないと判定する。時間情報テーブル122中に存在すると判定した場合(S64:YES)、制御部11はステップS65以降に処理を進め、時間情報テーブル122中に存在しないと判定した場合(S64:NO)、制御部11はステップS66以降に処理を進める。
以上より、複合機1は、時計部16から取得した月日における時刻が、ネットワークNの通信状況が不良となり易い月日における時間帯であるか否かを記憶部12に記憶された時間情報テーブル122に基づいて判定することができる。
なお、実施形態4において複合機1は、月日及び時間帯が記憶された時間情報テーブル122を用いることを説明したが、時間情報テーブル122には暦日、曜日、又は時間帯の情報であればその他の情報が記憶されていてもよい。このとき、複合機1の制御部11は、時間情報テーブル122に対応する情報を図10中のステップS63で取得することで、ネットワークNの通信状況の良否を判定することができる。また、実施形態4における時間情報テーブル122は一例であり、暦日、曜日、又は時間帯及びネットワークNの通信状況が対応付けられた情報であればどのような形式であってもよい。
また、実施形態4において複合機1の制御部11は、図10のステップS61及び62の処理に代えて、実施形態2における図6のステップS31及びステップS32と同様の処理を行うようにしてもよい。
なお、実施形態1〜4においては、複合機1は、1つのサーバ装置2との間でデータの送信又は受信を行う例について説明したが、複数のサーバ装置2との間でデータの送信又は受信を行うようにしてもよい。例えば、複合機1は、上述の行政サービス、スキャンサービス、及びネットワークプリント夫々の機能を実現する際に相異なるサーバ装置2との間でデータの送信又は受信するようにしてもよい。このとき、複合機1は、各サーバ装置2との間で上述の判定用データ及び応答データを送受信することでネットワークNの通信状況を判定してもよいし、特定のサーバ装置2との間で判定用データ及び応答データを送受信することで当該通信状況を判定してもよい。
また、実施形態1〜4においては、複合機1は、判定用データ及び応答用データの送受信により算出された通信速度又は時間情報テーブル122を用いてネットワークNの通信状況の良否を判定することを説明したが、それ以外の方法で当該良否を判定してもよい。例えば、複合機1は、データをサーバ装置2に送信する際に、送信開始から送信終了までの時間が2分等の所定時間以内であるか否かにより、ネットワークNの通信状況の良否を判定するようにしてもよい。送信開始から送信終了までの時間は、種々の方法で算出することができ、例えば送信するデータのデータ量を当該通信速度で除算することにより算出してもよい。
(実施形態5)
実施形態1〜4では、複合機1がネットワークNの通信状況の良否を判定する例について説明した。実施形態5においては、コンピュータ3がネットワークNの通信状況の良否を判定する例について説明する。以下では、説明の便宜上、コンピュータ3及びサーバ装置2の間で行われる処理について主に説明する。なお、以下で説明する構成及び作用を除くその他の構成及び作用は上述の実施形態1〜4と同様であるため、同様の部分については同一の符号を付し、同様の構成に関する詳細な説明及びその作用効果の説明は省略する。
実施形態5におけるコンピュータ3の制御部31は、記憶部32に記憶されたコンピュータプログラムをRAM(図示せず)にロードして実行することにより、コンピュータ3を本発明に係る情報処理装置として動作させる。また、コンピュータ3は、記憶部32に記憶されたデータをサーバ装置2に送信する機能、即ちアップロード機能と、サーバ装置2からデータを受信する機能、即ちダウンロード機能とを有している。コンピュータ3は、アップロード機能及びダウンロード機能夫々に係るウィンドウを表示部33に表示し、当該ウィンドウに対する操作を、入力部34を介して使用者から受け付けることにより、当該各機能を実行する。また、コンピュータ3は、各機能を実行する操作を受け付けたとき、ネットワークNの通信状況の良否を判定し、判定結果に基づいて当該ウィンドウの表示態様を変える。以下、アップロード機能に係るウィンドウの表示態様について説明する。なお、記憶部32に記憶されている制御プログラムは、実施形態1〜4の複合機1同様、記録媒体4に記憶されたものの複製であってもよい。
図11は、実施形態5におけるアップロード機能に係るウィンドウ300の一例を示す模式図である。図11Aには、コンピュータ3がネットワークNの通信状況が良好であると判定したときのウィンドウ300の一例が示され、図11Bには、コンピュータ3がネットワークNの通信状況が不良であると判定したときのウィンドウ300の一例が示されている。ウィンドウ300には、ボタン301〜303が配置されている。コンピュータ3は、使用者によるボタン301〜303に対する操作を受け付けることにより、アップロード機能を実現する。ボタン301は、アップロードの対象となるデータを、記憶部32に記憶されたデータから選択するためのボタンである。ボタン302は、ボタン301に対する操作により選択されたデータのアップロードをコンピュータ3が実行するためのボタンである。ボタン303は、アップロード機能が実行されることをキャンセルするためのボタンである。
コンピュータ3はネットワークNの通信状況が不良であると判定した場合、ネットワークNを使用するアップロード機能を実行するための操作の受付を禁止すべく、図11Bに示したようにボタン302を非表示にする。また、コンピュータ3は、ボタン302を非表示にした後、ネットワークNの通信状況が良好であると判定した場合、当該アップロード機能の受付を許可すべく、図11Aに示したように、ボタン302を表示する。なお、ダウンロード機能に係るウィンドウについても同様に、複合機1は、当該通信状況が不良であると判定した場合、当該ダウンロード機能を実行するための操作の受付を禁止すべく、当該受付に係るボタン、アイコン等の画像を非表示にする。また、複合機1は当該画像を非表示にしたのち、ネットワークNの通信状況が良好であると判定した場合、当該ダウンロード機能の受付を許可すべく、当該画像を表示する。なお、上述の実施形態1同様、ボタン302を非表示にする以外の表示態様により、ネットワークNを使用した処理の操作の受付が禁止されてもよい。
以上のようなコンピュータ3は、実施形態1〜4における図4、図6、図7又は図10の処理と同様の処理を行うことで、ウィンドウ300のボタン302の表示及び非表示の処理を行うことができ、実施形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態1〜5では、複合機1又はコンピュータ3がネットワークNの通信状況を判定し、判定結果に応じてネットワークNを使用する処理における操作の受付の禁止、許可を行うことを説明したが、他の機器が行ってもよい。即ち、ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータを送信又は受信する情報処理装置であれば、デジタルカメラ、携帯電話等の機器の種別は問わない。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、本発明の上述の各実施の形態で記載されている技術特徴は、お互いに組み合わせて新しい技術方案を形成することができる。
本発明の実施態様1においては、操作を受け付ける受付手段(11、31)と、該受付手段(11、31)が受け付けた操作に応じた処理を実行する処理手段(11、31)とを備え、該処理手段(11、31)は、前記受付手段(11、31)が所定操作を受け付けた場合、ネットワーク(N)を介して接続された外部機器(2)との間でデータを送信又は受信する情報処理装置(1、3)において、前記ネットワーク(N)の通信状況の良否を判定する通信状況判定手段(11、31)と、該通信状況判定手段(11、31)が不良であると判定した場合、前記受付手段(11、31)による前記所定操作の受付を禁止する受付禁止手段(11、31)とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、情報処理装置(1、3)はネットワーク(N)を介して外部機器(2)と接続している。受付手段(11、31)は、操作を受け付ける。処理手段(11、31)は、受付手段(11、31)が受け付けた操作に応じた処理を実行し、当該受付手段(11,31)が所定操作を受け付けた場合に当該外部機器(2)との間でデータを送信又は受信する。通信状況判定手段(11、31)は、当該ネットワーク(N)の通信状況の良否を判定する。受付禁止手段(11、31)は、通信状況判定手段(11、31)が不良であると判定した場合、受付手段(11、31)による当該所定操作の受付を禁止する。従って、情報処理装置(1、3)は、自装置が判定したネットワーク(N)の通信状況が不良である場合に、ネットワーク(N)を使用してデータを送信又は受信する処理の操作を受け付けない。使用者は、当該操作が受け付けられないことによって、情報処理装置(1、3)がネットワーク(N)を使用した処理を良好に行うことができないことを事前に知ることができる。そのため、情報処理装置(1、3)は使用者の不快感を低減することができる。
本発明の実施態様2においては、前記通信状況判定手段(11、31)は、前記処理手段(11、31)による処理が実行されていないときに前記通信状況の良否を判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、通信状況判定手段(11、31)は、処理手段(11、31)による処理が実行されていないときにネットワーク(N)の通信状況の良否を判定する。従って、情報処理装置(1、3)は、通信状況判定手段(11、31)による判定の処理が処理手段(11、31)による処理の実行を妨げない。そのため、情報処理装置(1、3)は、通信状況の判定に起因して使用者による操作に基づく処理の実行時間を長引かせることを防止することができ、使用者の不快感をより低減させることができる。
本発明の実施態様3においては、前記通信状況判定手段(11、31)は、前記通信状況の良否を反復的に判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、通信状況判定手段(11、31)は、ネットワーク(N)の通信状況の良否を反復的に判定する。従って、情報処理装置(1、3)は例えば、ネットワーク(N)の通信状況が変化する頻度が高い場合であっても、当該変化に適応して使用者による操作の受付の禁止することができる。
本発明の実施態様4においては、前記通信状況判定手段(11、31)は、前記処理手段(11、31)による処理が終了する都度前記通信状況の良否を判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、通信状況判定手段(11、31)は、処理手段(11、31)による処理が終了する都度通信状況の良否を判定する。従って、情報処理装置(1、3)は、通信状況判定手段(11、31)による判定の処理が反復的に行われた場合であっても、処理手段(11、31)による処理の実行を妨げない。そのため、情報処理装置(1、3)は、通信状況の判定に起因して使用者による操作に基づく処理の実行時間を長引かせることを確実に防止することができ、使用者の不快感をより低減させることができる。
本発明の実施態様5においては、前記受付禁止手段(11、31)が前記受付手段(11、31)による前記所定操作の受付を禁止した後、前記通信状況判定手段(11、31)が良好であると判定した場合、前記操作の受付を許可する受付許可手段(11、31)を更に備えることを特徴とする。
本発明にあっては、受付許可手段(11、31)は、受付禁止手段(11、31)が受付手段(11、31)による所定操作の受付を禁止した後、通信状況判定手段(11、31)が良好であると判定した場合、当該操作の受け付けを許可する。従って、情報処理装置(1、3)は、ネットワーク(N)の通信状況が不良な状況から良好な状況に変化した場合に、使用者によるネットワーク(N)を使用してデータを送信又は受信する処理の操作の受付を再開することができるため、使用者の不快感を低減させつつ、利便性を向上することができる。
本発明の実施態様6においては、特定データを受信した場合、受信した特定データの送信元に応答データを送信する通信装置(2)に、前記ネットワーク(N)を介して接続してあり、前記通信装置(2)との間で前記特定データ及び応答データを送受信する通信手段(11、31)と、前記通信手段(11、31)が前記特定データを送信した後、前記応答データを受信するまでの時間を計時する計時手段(11、31)と、前記特定データ又は応答データのデータ量を前記計時手段(11、31)が計時した時間で除算する演算手段(11、31)とを更に備え、前記通信状況判定手段(11、31)は、所定の通信速度に係る情報及び前記演算手段(11、31)の演算結果に基づいて前記通信状況の良否を判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、情報処理装置(1、3)は、通信装置(2)に接続してあり、通信装置(2)は、特定データを受信した場合、受信した特定データの送信元に応答データを送信する。通信手段(11、31)は、当該通信装置(2)との間で特定データ及び応答データを送受信する。計時手段(11、31)は、通信手段(11、31)が当該特定データを送信した後、当該応答データを受信するまでの時間を計時する。演算手段(11、31)は、特定データ又は応答データのデータ量を計時手段(11、31)が計時した時間で除算する。通信状況判定手段(11、31)は、所定の通信速度に係る情報及び演算手段(11、31)の演算結果に基づいて、通信状況の良否を判定する。従って、情報処理装置(1、3)は、単位時間当たりにネットワーク(N)を介して送受信することができるデータのデータ量に基づいて、当該ネットワークの通信状況を判定することができる。なお、通信装置(2)と外部装置(2)が一体に構成されていてもよい。
本発明の実施態様7においては、前記通信手段(11、31)は、前記特定データを複数回に亘って送信するようにしてあり、前記計時手段(11、31)は、前記通信手段(11、31)が前記特定データを送信する都度、送信された特定データに対応する応答データを受信するまでの時間を計時するようにしてあり、前記計時手段(11、31)による前記複数回分の計時結果の平均を算出する平均時間算出手段(11、31)を更に備え、前記演算手段(11、31)は、前記計時手段(11、31)が計時した時間に代えて、前記平均時間算出手段(11、31)が算出した平均で前記特定データ又は応答データのデータ量を除算するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、通信手段(11、31)は、特定データを複数回に亘って送信する。計時手段(11、31)は、通信手段(11、31)が特定データを送信する都度、送信された特定データに対応する応答データを受信するまでの時間を計時する。平均時間算出手段(11、31)は、計時手段(11、31)による複数回分の計時結果の平均を算出する。演算手段(11、31)は、特定データのデータ量を平均時間算出手段(11、31)が算出した平均で除算する。従って、情報処理装置(1、3)は、当該計時結果を複数回分用いることにより、単位時間当たりにネットワーク(N)を介して送受信することができるデータのデータ量をより精度良く算出することができる。
本発明の実施態様8においては、前記演算手段(11、31)が演算する都度、演算結果を記憶する記憶部(12、32)と、該記憶部(12、32)に記憶された演算結果に基づいて、前記通信速度に係る情報を生成する生成手段(11、31)とを更に備えることを特徴とする。
本発明にあっては、記憶部(12、32)は演算手段(11、31)が演算する都度、演算結果を記憶する。生成手段(11、31)は、記憶部(12、32)に記憶された演算結果に基づいて通信速度に係る情報を生成する。従って、情報処理装置(1、3)は例えば、演算手段(11、31)による演算結果の履歴を用いて生成した通信速度に係る情報によって、ネットワーク(N)の通信状況の良否を判定することができる。
本発明の実施態様9においては、暦日、曜日、又は時間帯及び前記ネットワークの通信状況が対応付けられた情報を記憶する記憶部(12、32)と、暦日、曜日、又は時刻に係る情報を取得する取得手段(11、31)とを更に備え、前記通信状況判定手段(11、31)は、前記取得手段(11、31)が取得した情報及び前記記憶部(12、32)に記憶された情報に基づいて、前記通信状況の良否を判定するようにしてあること特徴とする。
本発明にあっては、記憶部(12、32)は、暦日、曜日、又は時間帯及びネットワーク(N)の通信状況が対応付けられた情報を記憶する。取得手段(11、31)は、暦日、曜日、又は時刻に係る情報を取得する。通信状況判定手段(11、31)は、取得手段(11、31)が取得した情報及び記憶部(12、32)に記憶された情報に基づいて、通信状況の良否を判定する。従って、情報処理装置(1、3)は例えば、取得手段(11、31)が取得した情報が表す暦日、曜日、又は時刻が、通信状況が不良となり易い暦日、曜日、又は時間帯であるか否かを記憶部(12、32)に記憶された情報に基づいて判定することができる。
本発明の実施態様10においては、画像を読み取って画像データを取得する画像読取部(14)を更に備え、前記処理手段(11)は、前記受付手段(11)が前記所定操作を受け付けた場合、前記画像読取部(14)に画像データを取得させ、取得された画像データを前記外部機器(2)に送信するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、画像読取部(14)は、画像を読み取って画像データを取得する。処理手段(11)は、受付手段(11)が所定操作を受け付けた場合、画像読取部(14)に画像データを取得させ、取得された画像データを外部機器(2)に送信する。従って、情報処理装置(1)は例えば、使用者から受け付けた操作に基づいて、読み取った画像を外部機器(2)に記憶させることができる。
本発明の実施態様11においては、画像データに基づいて画像形成を行う画像形成部(15)を更に備え、前記処理手段(11)は、前記受付手段(11)が前記所定操作を受け付けた場合、前記外部機器(2)から画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像形成を前記画像形成部(15)に行わせることを特徴とする。
本発明にあっては、画像形成部(15)は画像データに基づいて画像形成を行う。処理手段(11)は、受付手段(11)が所定操作を受け付けた場合、外部機器(2)との間で画像データを受信し、受信した画像データに基づく画像形成を前記画像形成部(15)に行わせる。従って、情報処理装置(1)は例えば、使用者から受け付けた操作に基づいて、外部機器(2)から画像データを受信して当該画像データが表す画像をシート上に形成することができる。
本発明の実施態様12においては、操作を受け付け、受け付けた操作に応じた処理を実行する情報処理装置(1、3)と、ネットワーク(N)を介して該情報処理装置(1、3)に接続される通信装置(2)とを備え、前記情報処理装置(1、3)は、所定操作を受け付けた場合、前記通信装置(2)との間でデータを送信又は受信する通信システムにおいて、前記通信装置(2)は、特定データを受信する受信手段(21)と、該受信手段(21)が特定データを受信した場合、該特定データの送信元に応答データを送信する送信手段(21)とを有し、前記情報処理装置(1、3)は、前記通信装置(2)との間で前記特定データ及び応答データを送受信する通信手段(11、13)と、前記通信手段(11、13)が前記特定データを送信した後、前記応答データを受信するまでの時間を計時する計時手段(11、13)と、前記特定データのデータ量を前記計時手段(11、13)が計時した時間で除算する演算手段(11、13)と、所定の通信速度に係る情報及び前記演算手段(11、13)の演算結果に基づいて、前記ネットワーク(N)の通信状況の良否を判定する通信状況判定手段(11、13)と、該通信状況判定手段(11、13)が不良であると判定した場合、前記所定操作の受付を禁止する受付禁止手段(11、13)とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、通信装置(2)は、特定データを受信手段(21)にて受信する。通信装置(2)は、受信手段(21)が特定データを受信した場合、送信手段(21)にて当該特定データの送信元に応答データを送信する。情報処理装置(1、3)は、通信装置(2)との間で特定データ及び応答データを通信手段(11、13)にて送受信する。情報処理装置(1、3)は、通信手段(11、13)が特定データを送信した後、応答データを受信するまでの時間を計時手段(11、13)にて計時する。情報処理装置(1、3)は演算手段(11、13)にて、特定データのデータ量を計時手段(11、13)が計時した時間で除算する。情報処理装置(1、3)は、所定の通信速度に係る情報及び演算手段(11、13)の演算結果に基づいて、ネットワーク(N)の通信状況の良否を通信状況判定手段(11、13)にて判定する。情報処理装置(1、3)は、通信状況判定手段(1、3)が不良であると判定した場合、当該所定操作の受付を受付禁止手段(11、13)にて禁止する。従って、情報処理装置(1、3)は、自装置が判定したネットワーク(N)の通信状況が不良である場合に、ネットワーク(N)を使用して通信装置(2)との間でデータを送信又は受信する処理の操作を受け付けない。使用者は、当該操作が受け付けられないことによって、情報処理装置(1、3)が当該操作による処理を良好に行うことができないことを事前に知ることができる。そのため、情報処理装置(1、3)は使用者の不快感を低減することができる。
本発明の実施態様13においては、操作を受け付け、受け付けた操作に応じた処理を実行し、受け付けた操作が所定操作であった場合、ネットワーク(N)を介して接続された外部機器(2)との間でデータを送信又は受信する処理をコンピュータ(1、3)に行わせるコンピュータプログラム(4a)において、前記コンピュータ(1、3)に、前記ネットワーク(N)の通信状況の良否を判定するステップと、不良であると判定された場合、前記所定操作の受付を禁止するステップとを実行させることを特徴とする。
本発明にあっては、コンピュータ(1、3)は、操作を受け付け、受け付けた操作に応じた処理を実行する。コンピュータ(1、3)は、受け付けた操作が所定操作であった場合、ネットワーク(N)を介して接続された外部機器(2)との間でデータを送信又は受信する。コンピュータ(1、3)は、ネットワーク(N)の通信状況の良否を判定する。ネットワーク(N)の通信状況が不良であると判定された場合、コンピュータ(1、3)は、当該所定操作の受付を禁止する。