以下に添付図面を参照して、画像処理装置、画像処理プログラム、及び画像処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、画像処理システム10の一例を示す図である。
画像処理システム10は、画像処理装置12と、記録装置30と、を備える。画像処理装置12と記録装置30とは、通信可能に接続されている。
記録装置30は、記録部14と、稼働ステージ16と、駆動部26と、を備える。記録部14は、複数のノズル18を備える。記録部14は、インクジェット方式の記録部であり、液滴を複数のノズル18の各々から吐出することによってドットを記録する。ノズル18は、記録部14における、稼働ステージ16との対向面に設けられている。
本実施の形態では、液滴は、色材を含むインクである。また、本実施の形態では、インクは、光を照射されることで硬化する光硬化性樹脂を含む。光は、例えば、紫外線である。このため、本実施の形態のインクは、吐出された後に光を照射されることで硬化する。なお、記録部14が吐出する液滴は、光硬化性樹脂を含む形態に限定されない。
記録部14における、稼働ステージ16との対向面には、照射部20が設けられている。照射部20は、ノズル18から吐出されたインクを硬化させる波長の光を記録媒体Pに照射する。
稼働ステージ16は、インクを吐出される記録媒体Pを保持する。駆動部26は、記録部14及び稼働ステージ16を、鉛直方向(図1中、矢印Z方向)、鉛直方向Zに垂直な第1方向Y、及び鉛直方向Z及び第1方向Yに垂直な第2方向Xに、相対的に移動させる。第1方向Yと、第2方向Xは、互いに直交する方向である。
なお、第1方向Yと第2方向Xは、互いに交差する方向であればよく、直交する方向に限定されない。
本実施の形態では、第2方向X及び第1方向Yからなる平面は、稼働ステージ16における、記録部14との対向面に沿ったXY平面に相当する。
駆動部26は、第1駆動部22及び第2駆動部24を含む。第1駆動部22は、記録部14を、鉛直方向Z、第2方向X、及び第1方向Yに移動させる。第2駆動部24は、稼働ステージ16を、鉛直方向Z、第2方向X、及び第1方向Yに移動させる。なお、記録装置30は、第1駆動部22及び第2駆動部24の何れか一方を備えた構成であってもよい。
図2は、記録部14の記録方式の説明図である。
図2(A)は、ワンパス方式(シングルパス方式と称する場合もある)の記録部14の説明図である。ワンパス方式は、記録部14に対して記録媒体Pを第2方向Xに相対的に通過させることで、画像を形成する記録方式である。この場合、記録部14は、少なくとも第1方向Yに複数のノズル18を配列させた構成である。なお、記録部14は、第2方向X及び第1方向Yの双方に複数のノズル18を配列させた構成であってもよい。記録部14のノズル18からインクを吐出させると共に、記録部14と記録媒体Pとを第2方向Xに相対的に移動させることで、記録媒体Pに画像を形成する。また、複数層の画像を積層した積層画像を形成する場合、記録媒体Pの鉛直方向Zへの相対的な移動を組み合わせて実行する。
図2(B)は、本実施の形態で対象とする、マルチパス方式の記録部14の説明図である。本実施の形態におけるマルチパス方式は、記録部14を記録媒体Pに対して第2方向Xに相対的に走査させると共に、記録媒体Pを第1方向Yに相対的に移動させることで、画像を形成する記録方式である。 この場合、記録部14は、少なくとも第1方向Yに複数のノズル18を配列した構成である。
具体的には、マルチパス方式では、記録部14は、第2方向Xに長い支持部21によって、第2方向Xに走査可能に支持されている。記録部14は、支持部21に沿って第2方向Xに走査され、第2方向Xに走査される毎に、記録媒体Pに対して所定の移動幅、第1方向Yに相対移動される。この移動幅は、記録部14における複数のノズル18の第1方向Yの一端部から他端部までの長さより短い。すなわち、記録部14において第1方向Yに配列された複数のノズル18を、第1方向Yに連続する複数のノズル18群毎に分割する。そして、記録部14は、第2方向Xに走査されるごとに、該ノズル18群に相当する移動幅ごとに、第1方向Yへ相対移動される。また、マルチパス方式では、記録媒体Pにおける、第2方向Xに沿った1走査分の同じ記録領域に対して、第2方向Xへの複数回の走査により、1層分の画像を形成する。これにより、記録媒体Pに画像を形成する。また、複数層の画像を積層した積層画像を形成する場合、記録媒体Pの鉛直方向Zへの相対的な移動を組み合わせて実行する。すなわち、本実施の形態で対象とする「マルチパス方式」は、第2方向Xに沿って、異なるノズル18から吐出したインクによるドットDを記録する場合を示している。
なお、図2中、記録部14に設けられたノズル18の開口は、稼働ステージ16に対向配置されている。このため、各ノズル18は、稼働ステージ16側に向かってインクを吐出可能に配置されている。
図3は、画像処理システム10の機能ブロック図である。
画像処理装置12は、主制御部13を含む。主制御部13は、CPU(Central Processing Unit)などを含んで構成されるコンピュータであり、画像処理装置12全体を制御する。なお、主制御部13は、汎用のCPU以外で構成してもよい。例えば、主制御部13は、回路などで構成してもよい。
主制御部13は、取得部12Aと、判別部12Bと、生成部12Cと、出力部12Dと、記憶部12Eと、計算部12Fと、を含む。
これらの取得部12A、判別部12B、生成部12C、出力部12D、及び計算部12Fの一部またはすべては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
取得部12Aは、画像データを取得する。画像データは、記録装置30の記録部14で形成する画像の画像データである。取得部12Aは、図示を省略する通信部を介して、外部装置から画像データを取得してもよいし、画像処理装置12に設けられた図示を省略する記憶部から画像データを取得してもよい。
画像データは、例えば、ベクター形式またはラスタ形式の画像データである。本実施の形態では、画像データは、ベクター形式の画像データを取得する場合を説明する。
本実施の形態では、取得部12Aは、画像データとして、1層のドットによる画像の画像データ、または、複数層のドットを積層させた積層画像の積層画像データを取得する。積層画像データは、記録媒体P上における、同じ画素位置に対応する位置に、複数のドットを重ねて積層させた積層画像の画像データである。
なお、以下では、1層のドットによる画像を単層画像と称して説明する。また、以下では、単層画像の画像データを、単層画像データと称して説明する。
単層画像データは、単層画像を形成するための画像データを含む。積層画像データは、複数層分の画像を形成するための画像データを含む。積層画像データは、例えば、各階層に対応する画像の画像データと、最も記録媒体P側を第1層としたときに、何階層目の画像データであるかを示す階層情報と、を含む。積層画像データは、画像データと、該画像データの階層を示す階層情報と、を対応づけた構成である。なお、積層画像データは、積層画像を形成するための画像データであればよく、このデータ形式に限定されない。
判別部12Bは、取得部12Aで取得した画像データが、積層画像データであるか否かを判別する。本実施の形態では、判別部12Bは、取得部12Aが取得した画像データが、積層画像データであるか、単層画像データであるかを判別する。
判別部12Bは、例えば、取得部12Aで取得した画像データに、複数層分の画像データが含まれているか否かを判別することで、積層画像データであるか否かを判別する。なお、取得部12Aが取得する画像データを、積層画像データであるか単層画像データであるかを識別するための識別情報を含む構成としてもよい。この場合、判別部12Bは、取得部12Aで取得した画像データに含まれる識別情報を読取ることによって、積層画像データであるか否かを判別すればよい。
生成部12Cは、取得部12Aで取得した画像データから、記録装置30の記録部14で画像形成可能な印刷データを生成する。印刷データは、画像データに含まれる画素ごとに、各画素に対応するドットを記録するノズル18を割当てたデータである。
取得部12Aで取得した画像データが積層画像データであり、且つ、画像形成対象の記録部14がマルチパス方式(図2(B))である場合、生成部12Cは、印刷データとして、第1印刷データを生成する。取得部12Aで取得した画像データが単層画像データである場合、生成部12Cは、印刷データとして、第3印刷データを生成する。
第1印刷データは、記録媒体Pの同じ記録領域に対する2走査目以降の走査において、1回の走査によって積層画像における異なる階層の画素に対応するドットを記録する、第1の条件(詳細後述)を満たすように、積層画像データから生成された印刷データである。
本実施の形態において、「走査」とは、記録部14の第2方向Xへの走査を示す(図2(B)参照)。
第3印刷データは、単層画像データに含まれる画素ごとに、各画素に対応するドットを記録するノズル18を割当てた印刷データである。
本実施の形態では、生成部12Cは、変換部12Gと、第1生成部12Hと、第2生成部12Iと、を含む。
変換部12Gは、取得部12Aで取得した画像データを、画素毎に濃度値を示すラスタ形式に変換する。また、画像データの色空間が、記録部14で吐出するインクの色による色空間に対応する色となるように、色空間を変換する。例えば、変換部12Gは、RGB形式で表現された色空間を、CMYK形式の色空間に変換する。
また、変換部12Gは、画像データを構成する各画素に、対応するドットを記録するノズル18を割当てる。例えば、記録部14が、マルチパス方式(図2(B)参照)でドットを記録し、ノズル18を第1方向Yに複数(181〜18n)(nは2以上の整数)配列させた構成であるとする(図2(B)参照)(181〜18nは図示省略)。この場合、例えば、変換部12Gは、第1方向Yの各位置における第2方向Xへの各走査について、画像データを、ノズル18の配列方向である第1方向Yに対応する方向の画素列(1ライン)毎に読取り、該画素列における第1方向Yの一端の画素にノズル181を割当て、該画素に対して第1方向Yの他端に向かって配列される複数の画素の各々に、ノズル182〜18nを1個ずつ割当てる。
例えば、変換部12Gは、初期状態の割当として、画像データを構成する各画素に、対応するドットDを記録するための予め定めたノズル18を割当てる。例えば、変換部12Gは、画像データを、ノズル18の配列方向である第1方向Yに対応する方向の画素列(1ライン)毎に読取り、該画素列における第1方向Yの一端を画素位置とする画素にノズル181を割当てる。また、変換部12Gは、該画素に対して第1方向Yの他端に向かって配列される複数の画素の各々に、ノズル182〜18nを各々割当てる。
なお、取得部12Aで取得した画像データが、積層画像データである場合、変換部12Gは、積層画像データに含まれる、各階層情報に対応する画像データごとに、上記と同様にして、画像データを構成する各画素にノズル18を割当てる。このため、変換部12Gは、積層画像に含まれる階層ごとに、画像データを構成する各画素の各々にドットを記録するノズル18を割当てる。
このとき、変換部12Gは、同じ画素位置の画素に対応するドットを記録するためのノズル18が各階層間で同じノズルとなるように、積層画像データの各階層の各画素の各々に、ノズル18を1個ずつ割当てる。
ここで、従来では、記録媒体P上に形成された、単層画像や積層画像などの画像には、ノズル18から吐出されるインクの量のばらつきや、吐出方向の傾き(噴射曲がり)等により、画像内に意図しない色ムラやスジが発生する場合があった。
図4は、従来の画像の説明図である。図4に示す画像は、1層のドットDによる単層画像の一例である。
図4(A)は、シングルパス方式で記録した、従来の画像のXY平面の平面図である。図4(B)は、マルチパス方式で記録した、従来の画像のXY平面の平面図である。なお、図4中、各ドットD内に示す数字は、各ドットDを記録したノズル18の識別番号を示す。具体的には、図4中、ドットD内に示す数字「1」は、そのドットDが、第1方向Yに配列された複数のノズル181〜ノズル188の内、ノズル181で記録したことを示す。同様に、図4中、ドットD内に示す数字「2」〜「8」は、各々、ドットDが、第1方向Yに配列された複数のノズル181〜ノズル188の内、ノズル182〜ノズル188の各々で記録したことを示す。
図4に示すように、第1方向Yに配列された複数のノズル181〜ノズル188の内、ノズル183から吐出されるインクの吐出量が、吐出不良等により、他の正常なノズル18に比べて少ない状態であったとする。また、第1方向Yに配列された複数のノズル181〜ノズル188の内、ノズル185からのインクの吐出方向が、隣接するノズル184に近づく方向に傾いていたとする。
なお、複数のノズル181〜188の各々を駆動するための図示を省略する駆動素子には、同じ吐出量のインクを吐出するための信号が印加されていたとする。そして、記録部14を第2方向Xに記録媒体Pに対して走査することで、第2方向Xに順次インクを吐出したとする。
この場合、吐出量の少ないノズル18(図4では、ノズル183)で記録したドットDの径は、他のノズル18(図4では、ノズル181〜ノズル182、ノズル184〜ノズル188)に比べて小さい。
このため、図4(A)に示すように、シングルパス方式で画像を形成すると、形成された画像における、ノズル183で記録したドットDの領域が、第2方向Xに沿ったスジとして視認される。また、ノズル185から吐出されたインクによるドットDは、ノズル184から吐出されたインクによるドットD側に近づくように記録されることから、ノズル185で記録したドットDとノズル186で記録したドットDの間に、第2方向Xに沿ってスジが発生する。
一方、マルチパス方式では、上述したように、第2方向Xへの1回の走査ごとに、記録部14を第1方向Yに所定の移動幅、相対移動させる(図2(B)参照)。また、マルチパス方式では、1層分の画像を、第2方向Xへの複数回の走査により形成する。このため、図4(B)に示すように、マルチパス方式では、第2方向Xに沿って、異なるノズル18から吐出されたインクによるドットDが記録される。
このため、従来では、シングルパス方式に代えて、上述したマルチパス方式を用いることで、色ムラやスジの発生を抑制していた。しかし、従来では、マルチパス方式を用いることで、画像形成時間が長くなるという問題があった。
図5は、マルチパス方式により、1層分の単層画像を形成するときの、記録部14の動作の説明図である。
図5には、記録部14が第1方向Yに200個のノズル18を配列した構成である場合を示した(図5(A)参照)。また、図5では、記録部14において第1方向Yに配列された複数のノズル18を、第1方向Yに連続する複数のノズル18群毎に4つに分割した。具体的には、第1方向Yに沿って配列された複数のノズル181〜ノズル18200を(図5では、ノズル181〜ノズル18200の図示は省略)、第1方向Yに沿って、ノズル181〜ノズル1850のノズル群18A、ノズル1851〜ノズル18100のノズル群18B、ノズル18101〜ノズル18150のノズル群18C、ノズル18151〜ノズル18200のノズル群18D、に分割する。そして、記録部14を、第2方向Xに1回走査するごとに、これらのノズル群(18A〜18D)の各々に相当する移動幅ごとに、第1方向Yに相対移動させる。
この場合、記録部14の第2方向Xへの1走査目で、記録部14のノズル群18Aに属するノズル181〜ノズル1850の各々からインクを吐出する(図5(B)参照)。この1走査により、記録媒体Pの記録領域A内の領域A1に、ドットが記録される(図5(F)参照)。次に、記録部14を第1方向Yに50個のノズル18分相対移動させる。そして、記録部14の2走査目で、記録部14のノズル群18Aに属するノズル181〜ノズル1850、及びノズル群18Bに属するノズル1851〜ノズル18100の各々からインクを吐出する(図5(C)参照)。この2走査目の走査により、記録媒体Pの記録領域A内の領域A1は2回走査され、領域A2は1回走査された状態となる(図5(G)参照)。
さらに、記録部14を第1方向Yに50個のノズル18分相対移動させる。そして、記録部14の3走査目で、記録部14のノズル群18Aに属するノズル181〜ノズル1850、ノズル群18Bに属するノズル1851〜ノズル18100、ノズル群18Cに属するノズル18101〜ノズル18150、の各々からインクを吐出する(図5(D)参照)。この3走査目の走査により、記録媒体Pの記録領域A内の領域A1は3回走査され、領域A2は2回走査され、領域A3は1回走査された状態となる(図5(H)参照)。
さらに、記録部14を第1方向Yに50個のノズル18分相対移動させる。そして、記録部14の4走査目で、記録部14のノズル群18Aに属するノズル181〜ノズル1850、ノズル群18Bに属するノズル1851〜ノズル18100、ノズル群18Cに属するノズル18101〜ノズル18150、ノズル群18Dに属するノズル18151〜ノズル18200の各々からインクを吐出する(図5(E)参照)。この4走査目の走査により、記録媒体Pの記録領域A内の領域A1は4回走査され、領域A2は3回走査され、領域A3は2回走査され、領域A4は1回走査された状態となる(図5(I)参照)。
図6は、第2方向Xに4回走査された後の、記録媒体Pにおける記録領域Aを示す図である。
図5を用いて説明したように、記録部14に設けられた複数のノズル18を、第1方向Yに連続する複数のノズル18ごとに4つのノズル群(18A〜18D)に分割し、各ノズル群(18A〜18D)に相当する移動幅毎に、記録部14を第1方向Yに移動させたとする。この場合、図6に示すように、マルチパス方式では、記録媒体Pにおける記録領域A内の領域A1〜領域A4の各々に、記録部14による第2方向Xへの1回の走査ごとに、25%の被覆率でドットを記録することとなる。
図7は、従来の印刷データを用いて、1層分の画像を形成したときの記録媒体Pの被覆率の説明図である。
なお、図7は、マルチパス方式で画像を形成した場合を示す。図7中、各ドットD内に示す数字は、何走査目で記録されたドットDであるかを示す。具体的には、図7中、ドットD内に示す数字「1」は、そのドットDが、第2方向Xへの1走査目で記録されたことを示す。同様に、図7中、ドットD内に示す数字「2」〜「4」の各々は、そのドットDが、第2方向Xへの2走査目〜4走査目の各々で記録されたことを示す。
図7に示すように、マルチパス方式では、1層分の画像を、第2方向Xへの記録部14の複数回の走査により形成する。例えば、記録部14の第2方向Xへの各走査では、記録媒体P上の一部の領域にドットDを記録する。図7に示す例では、図7(A)〜図7(D)に示すように、第2方向Xへの4回の走査により、順次、記録媒体P上にドットDを記録することで、1層分の画像を形成する(図7(D)参照)。
このため、単に、シングルパス方式に代えて、マルチパス方式を用いた従来の技術では、画像形成時間が長くなるという問題があった。
画像形成時間について、具体的に説明する。図8は、第2方向Xへの複数回の走査の説明図である。具体的には、図5を用いて説明したように、記録部14に設けられた複数のノズル18を、第1方向Yに連続する複数のノズル18ごとに4つのノズル群(18A〜18D)に分割し、第1方向Yに1回走査されるごとに、各ノズル群(18A〜18D)に相当する移動幅毎に、記録部14を第1方向Yに移動させたとする。この場合、図8に示すように、記録媒体Pにおける記録領域Aの全領域が被覆率100%となるまでドットDの記録を行うためには、第2方向Xに7回の走査が必要であった。
また、ドットDを積層させた積層画像を形成する場合、積層数が多くなるほど、更に、第1方向Yへの走査回数が多くなる。例えば、10層の積層画像を、従来のマルチパス方式を用いて形成する場合、第2方向Xへの記録部14の走査を70回繰り返す必要があった。
このように、従来では、マルチパス方式を用いて、複数のドットDを積層させた積層画像を形成する場合、積層数が多くなるほど、画像形成に要する時間が長くなる、という問題があった。このため、従来では、色ムラやスジなどによる画質低下の抑制と、積層画像の画像形成時間の短縮と、の両立を実現することは困難であった。
図3に戻り、そこで、本実施の形態の画像処理装置12の生成部12Cは、第1生成部12Hを含む。
第1生成部12Hは、第1印刷データを生成する。第1印刷データは、上述した通りである。
すなわち、第1生成部12Hは、第1の条件を満たすように、積層画像データから第1印刷データを生成する。第1の条件は、記録媒体Pの同じ記録領域に対する2走査目以降の走査において、1回の走査によって、積層画像における異なる階層の画素に対応するドットを記録することを示す。
具体的には、第1生成部12Hは、第1の条件を満たすように、積層画像データにおける各階層の画素に対応するドットを記録するためのノズル18を割当てた、第1印刷データを生成する。
第1生成部12Hは、以下のようにして、第1印刷データを生成する。
まず、第1生成部12Hは、変換部12Gで変換された積層画像データを読取る。変換部12Gで変換された積層画像データは、上述したように、各階層情報に対応する画像データを構成する各画素の各々に、ドットDを記録するノズル18を割当てたデータである。
第1生成部12Hは、記録部14の第2方向Xへの1回の走査のそれぞれについて、読取った積層画像データにおける、吐出するドットを記録するための画素の階層を画素位置ごとに定める。このとき、第1生成部12Hは、第1の条件を満たすように、第2方向Xの1回の走査で記録するドットに対応する画素の階層を画素位置ごとに定める。
詳細には、第1生成部12Hは、まず、記録媒体Pの第2方向Xに沿った記録領域に対する1走査目の走査で記録する画素に対して、対応するドットDを記録するノズル18を割当てる。このとき、第1生成部12Hは、積層画像データにおける、該記録領域に対応する第2方向Xに沿った画素列を構成する画素の内の、最も記録媒体P側(下層側)の階層の一部の画素を、1走査目の走査で記録する画素として選択する。そして、第1生成部12Hは、選択した1走査目の走査で記録する画素に対して、記録するノズル18を割当てる。
そして、第1生成部12Hは、記録媒体Pの同じ記録領域に対する2走査目以降の走査では、前の走査によって記録済の画素の上層側に隣接する画素を、次の走査時に記録する画素として定める。詳細には、第1生成部12Hは、記録済の画素の上層側に隣接する未記録の画素を、次の走査時に記録する画素として選択する。そして、第1生成部12Hは、選択した画素に対して、記録するノズル18を割当てる。
なお、各走査の各々で、記録する対象として選択する画素の画素位置は、任意に選択可能である。このため、各走査の各々で、記録する対象として選択する画素数が多いほど、積層画像形成における、印刷時間の短縮をより図ることができる。
図9は、第1生成部12Hが生成した第1印刷データを用いて、記録部14が記録媒体PにドットDを記録した状態を示す模式図である。
なお、図9中、各ドットD内に示す数字は、何走査目で記録されたドットDであるかを示す。具体的には、図9中、ドットD内に示す数字「1」は、そのドットDが、第2方向Xへの1走査目で記録されたことを示す。同様に、図9中、ドットD内に示す数字「2」〜「4」の各々は、そのドットDが、第2方向Xへの2走査目〜4走査目の各々で記録されたことを示す。
本実施の形態では、記録部14は、第1生成部12Hが生成した第1印刷データを用いて、記録媒体PにドットDを記録する。
具体的には、例えば、本実施の形態では、第2方向Xへの1走査目の走査では、従来方式(図7(A)参照)と同様に、記録媒体Pの一部の領域に、ドットDを記録する(図9(A)参照)。図9(A)では、1走査目では、記録媒体Pにおける、第2方向Xに沿った位置P1〜位置P5の内、位置P1と位置P5の各々に、積層画像データにおける1層目の画素に対応するドットDを記録する。
そして、第2方向Xへの2走査目以降の走査では、積層画像データにおける、異なる階層の画素に対応するドットDを順次記録する。
例えば、図9(B)に示すように、2走査目では、記録部14は、記録媒体Pにおける、第2方向Xに沿った位置P1〜位置P5の内、既に1層目のドットDの記録されている位置P1及び位置P5には、積層画像の2層目の画素に対応するドットDを記録する。また、記録部14は、2走査目において、位置P2には、積層画像の1層目の画素に対応するドットDを記録する。このように、第1印刷データを用いて記録部14が記録を行うことで、第2方向Xへの1走査において、積層画像における、異なる階層の画素に対応するドットDが記録される。
3走査目では、記録部14は、記録媒体Pにおける、第2方向Xに沿った位置P1〜位置P5の内、既に2層目のドットDの記録されている位置P1及び位置P5には、積層画像の3層目の画素に対応するドットDを記録する。また、記録部14は、既に1層目のドットDの記録されている位置P2には、積層画像の2層目の画素に対応するドットDを記録する。そして、記録部14は、位置P3には、積層画像の1層目の画素に対応するドットDを記録する(図9(C)参照)。
4走査目では、記録部14は、記録媒体Pにおける、第2方向Xに沿った位置P1〜位置P5の内、既に3層目のドットDの記録されている位置P1及び位置P5には、積層画像の4層目の画素に対応するドットDを記録する。また、記録部14は、既に2層目のドットDの記録されている位置P2には、積層画像の3層目の画素に対応するドットDを記録する。また、記録部14は、既に1層目のドットDの記録されている位置P3には、積層画像の2層目の画素に対応するドットDを記録する。そして、記録部14は、位置P4には、積層画像の1層目の画素に対応するドットDを記録する(図9(D)参照)。
このように、本実施の形態では、第1印刷データに応じて記録部14がインクを吐出することで、第2方向Xへの1走査において、積層画像における、異なる階層の画素に対応するドットDが記録される。すなわち、本実施の形態では、従来の印刷データに応じたインク吐出に比べて(図7参照)、図9に示すように、第2方向Xへの同じ4回の走査で、複数層のドットDを記録することができる。
このため、本実施の形態では、色ムラやスジなどによる画質低下の抑制と、積層画像の画像形成時間の短縮と、の両立を実現することができる。
ここで、同じ画素位置の画素に対応するドットDを、画素の積層方向に同じノズル18で記録すると、画像の表面に凹凸が発生する場合がある。このような表面の凹凸は、画像のスジや色ムラとして視認される場合がある。
図10は、単層画像の表面の凹凸の説明図である。
図10(A)は、マルチパス方式で形成した1層の単層画像のXY平面図である。図10(B)は、図10(A)のA−A’断面図である。
なお、図10中、各ドットD内に示す数字は、各ドットDを記録したノズル18の識別番号を示す。具体的には、図10中、ドットD内に示す数字「1」〜「8」は、各々、ドットDを、第1方向Yに配列された複数のノズル181〜ノズル188の各々で記録したことを示す。
図10(A)に示すように、第1方向Yに配列された複数のノズル181〜ノズル188の内、ノズル183から吐出されるインクの吐出量が、吐出不良等により、他の正常なノズル18に比べて少ない状態であったとする。また、第1方向Yに配列された複数のノズル181〜ノズル188の内、ノズル185からのインクの吐出方向が、第1方向Yに隣接するノズル184に近づく方向に傾いていたとする。
なお、複数のノズル181〜188の各々を駆動するための図示を省略する駆動素子には、同じ吐出量のインクを吐出するための信号が印加されていたとする。そして、記録部14を第2方向Xに記録媒体Pに対して走査することで、第2方向Xに順次インクを吐出したとする。
この場合、吐出量の少ないノズル18(図10では、ノズル183)で記録したドットDの径は、他のノズル18(図10では、ノズル181〜ノズル182、ノズル184〜ノズル188)に比べて小さい。
図4(B)を用いて説明したように、マルチパス方式では、第2方向Xに沿って、異なるノズル18から吐出されたインクによるドットDが記録される(図10(A)参照)。このため、シングルパス方式を用いた場合に比べて、画像内における色ムラやスジを抑制することはできる。しかし、図10(B)に示すように、吐出量の異なるノズル18からインクが吐出されることで、形成された1層分の単層画像の表面には、凹凸が生じた状態となる。
そして、同じ画素位置の画素に対応するドットを同じノズル18で記録し、ドットを積層させた積層画像を形成すると、積層数が多くなるほど、積層画像の表面の凹凸差が大きくなる。
図11は、積層画像の鉛直方向Zの断面図の一例である。なお、図10と同様に、図11中、各ドットD内に示す数字は、各ドットDを記録したノズル18の識別番号を示す。
図11(A)は、同じ画素位置の画素に対応するドットを同じノズル18で記録し、ドットを積層させた積層画像の断面図である。図11(A)に示すように、記録媒体Pにおける第2方向Xに沿った各位置P1〜P6に、同じノズル18でドットを記録すると、積層数が多くなるほど、積層画像の表面の凹凸差が大きくなる。
図3に戻り、そこで、生成部12Cは、第2生成部12Iを更に備えることが好ましい。なお、本実施の形態では、生成部12Cが、第2生成部12Iを備えた構成である場合を説明するが、生成部12Cは、第2生成部12Iを備えない構成であってもよい。なお、生成部12Cは、第2生成部12Iを備えた構成であることが好ましい。
第2生成部12Iは、第2の条件を満たすように、積層画像データから第2印刷データを生成する。第2の条件は、積層画像データにおける、同じ画素位置の画素に対応するドットDを記録するためのノズル18を、各階層間で異なるノズル18とすることを示す。第2印刷データは、第2の条件を満たすように、積層画像データの各階層の各画素の各々に、対応するドットDを記録するためのノズル18を割当てた印刷データである。
具体的には、第2生成部12Iは、まず、変換部12Gで変換された積層画像データを読取る。変換部12Gで変換された積層画像データは、上述したように、各階層情報に対応する画像データを構成する各画素の各々に、ドットDを記録するノズル18を割当てたデータである。
そして、第2生成部12Iは、同じ画素位置の画素に対応するドットDを記録するためのノズル18が、各階層間で異なるノズル18となる上記第2の条件を満たすように、積層画像データの各画素に対応するノズル18の割当位置を変更する。これによって、第2生成部12Iは、積層画像データから、第2印刷データを生成する。
第2生成部12Iは、以下のようにして割当位置を変更する。例えば、第2生成部12Iは、積層画像データにおける、同じ画素位置の画素に対応するドットDを記録するためのノズル18が、各階層間で、複数のノズル18の配列方向(第1方向Y)に対応する移動方向に、予め定めた移動量シフトするように、ノズル18の割当位置を変更する。
割当位置の移動方向、及び割当位置の移動量は、印刷条件に応じて設定すればよい。印刷条件は、例えば、印刷時の解像度や、印刷時の記録媒体Pの方向や、印刷速度などである。具体的には、例えば、印刷時の解像度が高いほど、割当位置の移動量を小さくする。また、例えば、印刷速度が速いほど、割当位置の移動量を大きくし、印刷速度が遅いほど、割当位置の移動量を小さくする。割当位置の移動方向は、ノズル18の配列方向に沿った第1方向Yと、第2方向Xと、の双方であってもよいし、何れか一方であってもよい。
図11(B)は、第2印刷データに応じて記録部14がインクを吐出することで形成された、積層画像の断面図の一例である。同じ画素位置の画素に対応するドットDを、各階層間で異なるノズル18で記録すると(図11(B)参照)、同じ画素位置の画素に対応するドットDを各階層間で同じノズル18で記録した場合に比べて(図11(A)参照)、積層画像の表面の凹凸が抑制される。このため、凹凸による画質低下を抑制することができる。
生成部12Cが、第2生成部12Iを備えた構成である場合、第1生成部12Hは、第2生成部12Iが生成した第2印刷データから、上記第1印刷データを生成する。
このため、本実施の形態では、第1印刷データは、上記第1の条件と、上記第2の条件と、の双方を満たす印刷データである。
第1生成部12Hが生成した第1印刷データを用いて、記録部14で積層画像を形成することで、積層画像の階層数が多くなっても、画質低下の抑制と、画像形成時間の短縮と、の双方を実現することができる。
なお、上記では、第2生成部12Iは、積層画像データにおける、複数のノズル18の配列方向(第1方向Y)に対応する方向の複数の画素列の内、全ての画素列について、画素に対応する割当位置を各階層間で変更する場合を説明した。しかし、第2生成部12Iは、積層画像データにおける、複数のノズル18の配列方向に対応する複数の画素列の内、一部の画素列について、画素に対応する割当位置を各階層間で変更してもよい。
なお、第2生成部12Iは、各階層間で互いに異なる割当位置をランダムに定めた割当情報を、記憶部12Eに予め記憶してもよい。例えば、計算部12Fは、各階層間で互いに異なる割当位置をランダムに定めた割当情報を階層ごとに予め算出し、階層を示す情報に対応づけて記憶部12Eに記憶してもよい。計算部12Fは、例えば、ランダムディザ法を用いて割当情報を階層ごとに算出する。また、割当情報として、ノズル18の割当の組合せを印刷条件に対応づけて記憶部12Eに予め記憶してもよい。ノズル18の割当の組合せは、例えば、ノズル18の割当をランダムに並べたテーブルを用いてもよい。
そして、第2生成部12Iは、積層画像データにおける階層ごとに、階層に対応する割当情報を記憶部12Eから読取る。このとき、第2生成部12Iは、印刷条件に対応する割当情報を、記憶部12Eから読取ってもよい。そして、第2生成部12Iは、読取った割当情報を用いて、階層ごとに、各画素に対応するノズル18の割当位置を変更してもよい。
出力部12Dは、生成部12Cで生成された印刷データ(第1印刷データ、または、第3印刷データ)を、記録装置30へ出力する。
記録装置30は、記録部14と、記録制御部28と、駆動部26と、照射部20と、を備える。記録部14、駆動部26、及び照射部20は、上述したため、ここでは説明を省略する。
記録制御部28は、画像処理装置12から印刷データを受け付ける。記録制御部28は、受け付けた印刷データが単層画像データに応じた第3印刷データである場合、各画素に割当てられたノズル18から各画素に対応するインクを吐出することで、各画素に対応するドットを記録するように、記録部14、駆動部26、及び照射部20を制御する。また、記録制御部28は、受け付けた印刷データが、積層画像データに応じた第1印刷データである場合、各階層の画像データについて、各画素に割当てられたノズル18から各画素に対応するインクを、第2方向Xへの1回の走査ごとに吐出することによって、各画素に対応するドットを記録するように、記録部14、駆動部26、及び照射部20を制御する。
次に、画像処理装置12の主制御部13が実行する画像処理の手順を説明する。図12は、主制御部13が実行する画像処理の手順を示すフローチャートである。
まず、取得部12Aが、図示を省略する外部装置等から画像データを取得する(ステップS100)。次に、判別部12Bが、ステップS100で取得した画像データの、画像の積層数Nを読取る(ステップS102)。
次に、判別部12Bは、ステップS100で取得した画像データが、積層画像データであるか否かを判別する(ステップS104)。積層画像データである場合(ステップS104:Yes)、判別部12Bは、出力対象の記録部14がマルチパス方式であるか否かを判別する(ステップS106)。例えば、取得部12Aは、出力対象の記録装置30に、記録部14の記録方式問合せを示す信号を送信する。出力対象の記録装置30は、画像処理装置12に接続されている記録装置30であってもよいし、図示を省略する外部装置から出力対象として指示された記録装置30であってもよい。そして、取得部12Aは、記録装置30から記録方式を示す信号を受信する。判別部12Bは、受信した記録方式を示す信号を解読することによって、ステップS106の判別を行う。
出力対象の記録装置30における記録部14の記録方式がマルチパス方式である場合(ステップS106:Yes)、ステップS108へ進む。
ステップS108では、変換部12Gが、ステップS100で取得した積層画像データをラスタ形式に変換する(ステップS108)。詳細には、変換部12Gは、ステップS100で取得した積層画像データに含まれる、各階層の画像データを、ラスタ形式に変換すると共に、各階層の画像データの各画素に、初期状態の割当として、対応するドットDを記録するための予め定めたノズル18を割当てる。
次に、第2生成部12Iが、ステップS108で変換された積層画像データから、第2印刷データを生成する(ステップS110)。
次に、第1生成部12Hが、ステップS110で生成された第2印刷データから、第1印刷データを生成する(ステップS112)。
次に、出力部12Dが、ステップS112で生成された第1印刷データを、出力対象の記録装置30へ出力する(ステップS114)。そして、本ルーチンを終了する。
第1印刷データを受信した記録装置30では、記録制御部28が、第1印刷データに応じて記録部14、照射部20、及び駆動部26を制御する。これによって、積層画像が記録媒体Pに形成される。
一方、ステップS104で否定判断した場合(ステップS104:No)、ステップS116へ進む。また、ステップS106で否定判断した場合(ステップS106:No)、ステップS116へ進む。
ステップS116では、変換部12Gが、ステップS100で取得した画像データをラスタ形式に変換する(ステップS116)。
次に、出力部12Dが、ステップS116で変換された画像データを、第3印刷データとして、記録装置30へ出力する(ステップS118)。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の画像処理装置12は、取得部12Aと、生成部12Cと、を備える。
取得部12Aは、積層画像の積層画像データを取得する。記録部14は、積層画像を形成する。記録部14は、液滴を吐出することでドットDを記録する複数のノズル18を有する。複数のノズル18は、第1方向Yに配列されている。また、記録部14は、第1方向Yに交差する第2方向Xに走査され、第2方向Xに走査される毎に記録媒体Pに対して第1方向Yに相対移動される。第1生成部12Hは、第1の条件を満たすように、積層画像データから第1印刷データを生成する。第1の条件は、記録媒体Pの同じ記録領域に対する2走査目以降の走査において、1回の走査によって積層画像における異なる階層の画素に対応するドットを記録することを示す。
このように、本実施の形態の画像処理装置12は、マルチパス方式で積層画像を記録する記録部14で用いる第1印刷データを生成する。記録部14は、第1印刷データに応じて、マルチパス方式により積層画像を形成する。このため、色ムラやスジなどによる画質低下を抑制することができる。
また、第1印刷データは、上記第1の条件を満たす印刷データである。このため、記録部14は、第1印刷データに応じて積層画像を形成することで、従来の1層分の画像形成に要する走査回数で、複数層の画素に対応するドットDを同時に記録することができる。このため、本実施の形態の画像処理装置12は、積層画像の画像形成時間の短縮を図ることができる。
従って、本実施の形態の画像処理装置12は、画質低下の抑制と、積層画像の画像形成時間の短縮と、の両立を図ることができる、印刷データを提供することができる。
図13は、本実施の形態の画像処理装置12で生成した第1印刷データを用いた、記録部14による積層画像形成の説明図である。
図13(A)〜図13(J)は、従来の印刷データを用いた、マルチパス方式による2層の積層画像形成の説明図である。図13(K)〜図13(T)は、本実施の形態の第1印刷データを用いた、マルチパス方式による積層画像形成の説明図である。
なお、図13中、各ドットD内に示す数字は、何走査目で記録されたドットDであるかを示す。具体的には、図13中、ドットD内に示す数字「1」〜「4」の各々は、そのドットDが、第2方向Xへの1走査目〜4走査目の各々で記録されたことを示す。
従来の印刷データを用いた積層画像形成では、例えば、第2方向Xへの1回の走査ごとに記録媒体Pに順次ドットDを記録し、4回の走査によって1層分の画像を形成する(図13(A)〜図13(E)参照)。そして、更に、記録媒体P上の同じ記録領域に、第2方向Xへの走査を4回行うことで、2層目の画像を形成する(図13(F)〜図13(J)参照)。このように、従来の印刷データを用いた積層画像形成では、記録媒体Pの同じ記録領域に対して、第2方向Xに合計8回の走査を繰り返すことで、2層の積層画像を形成していた。
一方、本実施の形態の第1印刷データを用いた積層画像形成では、上述したように、記録媒体Pの同じ記録領域に対する2走査目以降の走査において、1回の走査によって、積層画像における異なる階層の画素に対応するドットDを記録する。
このため、本実施の形態では、従来の印刷データを用いた2層の積層画像形成のための走査と同じ走査回数で、4層の積層画像を形成することができる。
具体的には、本実施の形態で生成した第1印刷データを用いてドットDを記録することで、記録部14の第2方向Xへの8回の走査により(図13(K)〜図13(S)参照)、4層の積層画像を形成することができる(図13(T)参照)。
詳細には、従来の印刷データを用いた積層画像形成では、マルチパス方式において記録媒体PにドットDを記録する場合、第2方向Xへの1回の走査では、積層画像における1つの階層の、画素に対応するドットDを記録していた。すなわち、従来では、第2方向Xへの2回目以降の走査において、前の走査時にドットDの記録されていない領域に、積層画像における前の走査時と同じ階層の画素に対応するドットDを順次記録していた(図13(B)〜図13(D)参照)。
一方、本実施の形態で生成した第1印刷データを用いた積層画像形成では、記録部14の第2方向Xへの各走査時に、積層画像における異なる層の画素に対応するドットDを記録する。詳細には、本実施の形態では、記録媒体Pの同じ記録領域に対する2回目以降の走査において、前の走査時にドットDの記録されていない領域の少なくとも一部に前の走査時と同じ層の画像の画素に対応するドットDを順次記録する(図13(K)〜図13(N)のドットDA参照)。このとき、本実施の形態では、更に、前の走査時にドットDの記録されている領域に対して、積層画像における、記録媒体Pに記録済のドットDに対応する画素の上層側に隣接する画素に対応するドットDを記録する(図13(L)〜図13(N)のドットDB参照)。
このため、本実施の形態の第1印刷データを用いた積層画像形成では、積層画像の画像形成時間の短縮を図ることができる。
また、本実施の形態では、マルチパス方式で積層画像を形成することから、色ムラやスジの発生を抑制することができる。
従って、本実施の形態の画像処理装置12は、画質低下の抑制と、積層画像の画像形成時間の短縮と、の両立を実現可能な、印刷データを生成することができる。
なお、第2方向Xへの1回の走査ごとの、ドットDを記録する画素位置、及び画素数は、任意に設定すればよい。また、第2方向Xへの1回の走査ごとの、ドットDを記録する画素数は、各走査ごとに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
なお、図13では、本実施の形態で生成した第1印刷データを用いることで、従来の印刷データを用いた2層の積層画像形成のための走査と同じ走査回数で、4層の積層画像を形成する場合を説明した。しかし、第1印刷データによって記録する積層画像は、4層の積層画像の形成に限定されない。第1生成部12Hは、第1印刷データにおける、第2方向Xへの1回の走査により記録する画素数を調整することで、積層画像の画像形成時間の更なる短縮を図ることができる。すなわち、1回の走査により記録する画素数が多いほど、積層画像の画像形成時間の更なる短縮を図ることができる。
図14は、本実施の形態で生成した第1印刷データを用いることで、従来の印刷データを用いた4層の積層画像形成のための走査と同じ走査回数で、10層の積層画像を形成する場合の説明図である。
なお、図14中、各ドットD内に示す数字は、第2方向Xへの何走査目で記録されたドットDであるかを、従来の印刷データを用いた各階層の画像形成のための走査ごとに示したものである。具体的には、図14中、ドットD内に示す数字「1」〜「4」の各々は、そのドットDが、従来の印刷データを用いた階層ごとの走査に対して、本実施の形態において第2方向Xへの1走査目〜4走査目の各々で記録したことを示す。
図14(A)に示すように、本実施の形態の画像処理装置12で生成した第1印刷データを用いてドットDを記録することで、従来の印刷データを用いた1層分の画像形成のための走査の間に、本実施の形態では、3層分の画像の画素に対応するドットDを記録する。更に、図14(B)に示すように、本実施の形態の画像処理装置12で生成した第1印刷データを用いてドットDを記録することで、従来の印刷データを用いた2層分の画像形成のための走査の間に、本実施の形態では、6層分の画像に対応するドットDを記録する。
更に、図14(C)に示すように、本実施の形態の画像処理装置12で生成した第1印刷データを用いてドットDを記録する走査を繰り返すことで、従来の印刷データを用いた4層分の画像形成のための走査の間に、本実施の形態では、10層分の画像に対応するドットDを記録する。
また、本実施の形態では、マルチパス方式で積層画像を形成することから、色ムラやスジの発生を抑制することができる。
従って、本実施の形態の画像処理装置12は、画質低下の抑制と、積層画像の画像形成時間の短縮と、の両立を図ることができる、印刷データを提供することができる。
また、本実施の形態の生成部12Cは、第2生成部12Iと、第1生成部12Hと、を有することが好ましい。第2生成部12Iは、積層画像データから、第2の条件を満たすように、第2印刷データを生成する。第2の条件は、同じ画素位置の画素に対応するドットDを記録するためのノズル18を、各階層間で異なるノズル18とすることを示す。第2印刷データは、第2の条件を満たすように、積層画像データの各階層の各画素の各々に、対応するドットDを記録するためのノズル18を割当てた印刷データである。この場合、第1生成部12Hは、第2印刷データから、上記第1印刷データを生成する。
同じ画素位置の画素に対応するドットDを記録するためのノズル18を、各階層間で異なるノズル18とした第2印刷データから、第1印刷データを生成することで、吐出不良のノズル18から吐出されたドットDが同じ画素位置に積層されること等に起因する、積層画像の表面の凹凸を抑制することができる。
このため、生成部12Cが、第2生成部12Iと、第1生成部12Hと、を有する構成であると、上記効果に加えて、積層画像の表面の凹凸を抑制可能な、印刷データを提供することができる。
また、本実施の形態の画像処理装置12では、積層画像の表面平滑性を、簡易な画像処理で向上させることができる。
また、本実施の形態の画像処理装置12では、吐出するインクとして、光硬化性樹脂を含むインクを用いた場合、積層画像の画像面内における紫外線照射時間のバラつきを抑えることができる。
<変形例>
なお、第1生成部12Hは、更に、上記第1の条件を満たすと共に、積層画像データにおける、第2方向Xへの1回の走査時に記録するドットDに対応する画素の階層差が閾値以下となるように、第1印刷データを生成してもよい。
この階層差を示す閾値は、ノズル18から吐出されたインクによるドットDの記録媒体Pへの到達位置が、画質低下の生じる位置ずれの生じない範囲内となるように、調整することが好ましい。また、この階層差を示す閾値は、吐出されたインクを照射部20で十分に硬化可能な程度の距離内となるように、調整することが好ましい。
図15は、本変形例で生成した第1印刷データを用いた、積層画像形成の説明図である。なお、図15中、ドットD内に示す数字は、何走査目で記録されたドットDであるかを示す。具体的には、図15中、ドットD内に示す数字「1」〜「6」の各々は、そのドットDが、第2方向Xへの1走査目〜6走査目の各々で記録されたことを示す。
例えば、閾値を4層として、生成部12Cが第1印刷データを生成したとする。すなわち、生成部12Cが、第2方向Xへの1回の走査時に記録する、ドットDに対応する画素の階層差が4層以下となるように、第1印刷データを生成したとする。
この場合、生成部12Cが生成した第1印刷データを用いて、記録部14が積層画像を形成すると、例えば、図15に示す積層画像が形成される。
詳細には、図15に示す例では、第2方向Xへの4走査目までは、実施の形態1と同様にして、記録媒体P上に順次ドットDが記録されると共に、2走査目以降の各走査において、1回の走査によって、積層画像における異なる階層の画素に対応するドットDが記録される(図15(A)〜図15(D)参照)。
図15に示す例では、図15(D)に示すように、記録部14の4走査目で、記録媒体Pにおける領域P1と領域P7に、4層のドットDが積層された状態となる。また、領域P5及び領域P6には、ドットDが形成されていない。
ここで、図15に示す例では、生成部12Cは、第2方向Xへの1回の走査時に記録する、ドットDに対応する画素の階層差が4層以下となるように、第1印刷データを生成している。
このため、記録部14の5走査目では、記録媒体P上の第2方向Xに沿った記録領域(図15中、領域P1〜領域P8)における、領域P1及び領域P7には更なるドットDは積層されない(図15(E)中、符号F参照)。すなわち、ドットDの積層差が4層となる高さ(図15(E)中、線図T参照)を超える領域には、更なるドットDは積層されない。そして、領域P1及び領域P7以外の領域(領域P2〜領域P6、領域P8)には、ドットDが積層される。
そして、記録部14の6走査目では、記録媒体P上の第2方向Xに沿った記録領域(図15中、領域P1〜領域P8)における、領域P1、領域P7、領域P2、及び、領域P8には更なるドットDは積層されない(図15(F)中、符号F参照)。すなわち、ドットDの積層差が4層となる高さ(図15(F)中、線図T参照)を超える領域には、更なるドットDは積層されない。そして、領域P1〜領域P2、及び領域P7〜領域P8以外の領域(領域P3〜領域P6)には、ドットDが積層される(図15(F)参照)。
このように、本変形例では、生成部12Cが、上記第1の条件を満たすと共に、積層画像データにおける、第2方向Xへの1回の走査時に記録するドットDに対応する画素の階層差が閾値以下となるように、第1印刷データを生成する。
このように、1回の走査で記録する画素の階層差に制限を設けることで、1回の走査によって記録されたドットDの記録媒体P上における到達位置のずれや、照射部20から照射された光によるドットDの硬化状態にムラが生じることを抑制することができる。
このため、本変形例では、実施の形態1で得られる効果に加えて更に、画質向上を図ることができる。
(実施の形態2)
図1、及び図16は、本実施の形態の画像処理システム10Aの一例を示す図である。
画像処理システム10Aは、画像処理装置15と、記録装置30と、を含む。記録装置30は、実施の形態1と同様である。
図16に示すように、画像処理装置15は、主制御部13Aを含む。主制御部13Aは、CPUなどを含んで構成されるコンピュータであり、画像処理装置15全体を制御する。なお、主制御部13Aは、汎用のCPU以外で構成してもよい。例えば、主制御部13Aは、回路などで構成してもよい。
主制御部13Aは、取得部12Aと、判別部12Bと、生成部12Kと、出力部12Dと、記憶部12Eと、計算部12Fと、を含む。これらの取得部12A、判別部12B、生成部12K、出力部12D、及び計算部12Fの一部またはすべては、例えば、CPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、ICなどのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
生成部12Kは、変換部12Gと、第1生成部12Hと、第2生成部12Iと、設定部12Lと、を備える。生成部12Kは、設定部12Lを更に備えた以外は、実施の形態1の生成部12Cと同様である(図3参照)。
設定部12Lは、印刷条件に応じて、記録媒体Pの同じ記録領域に対する、記録部14の第2方向Xへの走査回数を設定する。
印刷条件は、実施の形態1と同様に、印刷時の解像度や、印刷速度などである。具体的には、例えば、設定部12Lは、印刷時の解像度が高いほど、記録媒体Pの同じ記録領域に対する、第2方向Xへの走査回数が多くなるように、走査回数を設定する。また、例えば、設定部12Lは、印刷速度が速いほど、記録媒体Pの同じ記録領域に対する、第2方向Xへの走査回数が少なくなるように、走査回数を設定する。
そして、第1生成部12Hは、記録媒体Pにおける同じ記録領域に対して、設定部12Lで設定された走査回数の走査を行い、且つ、上記第1の条件を満たすように、第1印刷データを生成する。このとき、第1生成部12Hは、設定部12Lで設定された走査回数が少ないほど、1回の走査で記録する画素数が多くなるように、第1印刷データを生成すればよい。
このため、本実施の形態の画像処理装置15では、実施の形態1の効果に加えて、印刷条件に応じた画質及び印刷時間で積層画像を形成可能な、第1印刷データを生成することができる。
次に、画像処理装置15の主制御部13Aが実行する画像処理の手順を説明する。図17は、主制御部13Aが実行する画像処理の手順を示すフローチャートである。
まず、取得部12Aが、図示を省略する外部装置等から画像データを取得する(ステップS200)。次に、判別部12Bが、ステップS200で取得した画像データの、画像の積層数Nを読取る(ステップS202)。
次に、設定部12Lが印刷条件を読取る(ステップS204)。例えば、取得部12Aが、画像データと共に、印刷条件を、図示を省略する外部装置から取得する。次に、設定部12Lが、ステップS204で読取った印刷条件から、走査回数を設定する(ステップS206)。
次に、判別部12Bは、ステップS200で取得した画像データが、積層画像データであるか否かを判別する(ステップS208)。積層画像データである場合(ステップS208:Yes)、判別部12Bは、出力対象の記録部14がマルチパス方式であるか否かを判別する(ステップS210)。ステップS210の判断は、実施の形態1のステップS106(図12参照)と同様である。
出力対象の記録部14の記録方式がマルチパス方式である場合(ステップS210:Yes)、ステップS212へ進む。
ステップS212では、変換部12Gが、ステップS200で取得した積層画像データをラスタ形式に変換する(ステップS212)。ステップS212の処理は、実施の形態1のステップS108(図12参照)と同様である。
次に、第2生成部12Iが、ステップS212で変換された積層画像データから、第2印刷データを生成する(ステップS214)。
次に、第1生成部12Hが、ステップS214で生成された第2印刷データから、記録媒体Pにおける同じ記録領域に対して、ステップS206で設定された走査回数の走査を行い、且つ、上記第1の条件を満たすように、第1印刷データを生成する(ステップS216)。
次に、出力部12Dが、ステップS216で生成された第1印刷データを、出力対象の記録装置30へ出力する(ステップS218)。そして、本ルーチンを終了する。
第1印刷データを受信した記録装置30では、記録制御部28が、第1印刷データに応じて記録部14、照射部20、及び駆動部26を制御する。これによって、積層画像が記録媒体Pに形成される。
一方、ステップS208で否定判断した場合(ステップS208:No)、ステップS220へ進む。また、ステップS210で否定判断した場合(ステップS210:No)、ステップS220へ進む。
ステップS220では、変換部12Gが、ステップS200で取得した画像データをラスタ形式に変換する(ステップS220)。ステップS220の処理は、実施の形態1のステップS116の処理(図12参照)と同様である。
次に、出力部12Dが、ステップS220で変換された画像データを、印刷データとして、記録装置30へ出力する(ステップS222)。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の画像処理装置15は、実施の形態1の画像処理装置12の構成に加えて、更に、設定部12Lを備える。設定部12Lは、印刷条件に応じて、記録媒体Pの同じ記録領域に対する、記録部14の第2方向Xへの走査回数を設定する。
従って、本実施の形態の画像処理装置15は、実施の形態1の効果に加えて、印刷条件に応じた画質及び印刷時間で積層画像を形成可能な、印刷データを生成することができる。
(実施の形態3)
次に、上記実施の形態における画像処理装置12及び画像処理装置15の、ハードウェア構成について説明する。図18は、画像処理装置12及び画像処理装置15の、ハードウェア構成の説明図である。
画像処理装置12及び画像処理装置15は、CPU52、ROM(Read Only Memory)53、RAM(Random Access Memory)54、HDD(Hard Disk Drive)50、及び、ネットワークI/F(Interface)51を有する。CPU52、ROM53、RAM54、HDD50、及び、ネットワークI/F51は、バス55により相互に接続されており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
上記実施の形態の画像処理装置12及び画像処理装置15の各々で実行される上記各種処理を実行するためのプログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。
なお、上記実施の形態の画像処理装置12及び画像処理装置15の各々で実行される上記各種処理を実行するためのプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
また、上記実施の形態の画像処理装置12及び画像処理装置15の各々で実行される上記各種処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上記実施の形態の画像処理装置12及び画像処理装置15の各々で実行される上記各種処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
上記実施の形態の画像処理装置12及び画像処理装置15の各々で実行される上記各種処理を実行するためのプログラムは、上述した各部(取得部12A、判別部12B、生成部12C、出力部12D、計算部12F、変換部12G、第1生成部12H、第2生成部12I、生成部12K、及び、設定部12L)を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU52がROM53等の記憶媒体から各プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、上記には、実施の形態をいくつか説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。