JP6408404B2 - 光触媒組成物、光触媒活性向上剤及び光触媒活性向上方法 - Google Patents

光触媒組成物、光触媒活性向上剤及び光触媒活性向上方法 Download PDF

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Description

本発明は光触媒と他の材料とを混合して光触媒活性を向上させた光触媒組成物、他の光触媒と併用することによって当該光触媒の活性を向上させる光触媒化性向上剤、及び光触媒の活性を向上させる方法に関する。
超高活性な固体光触媒を開発することは、環境浄化のみならず燃料の製造やファインケミカル製品の合成のための重要な課題の一つである(非特許文献1〜6)。貴金属や希少金属を含む光触媒のような高活性であるが高価な光触媒を設計するために多大の努力が支払われているが、実際の用に供するためには低価格の光触媒の方が好ましい。TiOは、低価格であるとともに長期間化学的安定でありまた無視できるほどの低毒性と相俟って、最も有望な光触媒の一つとなっている。TiOの一つの弱点は、入射する太陽光中で僅か3〜5%を占めるだけの紫外光しか吸収せず、これにより可視光や太陽光の照射の下で使用した場合には活性を示さないか、そうでないとしても高々低い活性を示すにとどまる。このような照射条件下で高活性のTiO光触媒作用を実現する手法としては、大表面積かつ高結晶性とすること(非特許文献7、8)、アナターゼ/ルチルヘテロ接合(非特許文献9〜13)及び高活性な結晶面(reactive facet)の大部分が露出されていること(非特許文献14〜16)等の顕著な構造あるいは特性を有する新規なTiOを設計することが挙げられる。しかしながら、このような手法を採用した場合であっても、市販のTiOよりも高活性な光触媒を合成するのは容易なことではない(非特許文献15)。他の手法としては、市販のTiOでも高活性を示す動作環境(温度(非特許文献17、18)、光照射方向(非特許文献19)、添加剤(非特許文献20〜26)、溶媒組成(非特許文献27、28)、ヘッドスペース(head-space)の雰囲気(非特許文献29〜33)、等)を開発することであるが、このような環境を見出すのは簡単ではない。
異なる種類の複数のTiO(TiOに基づく光触媒を含む)粒子を単純に混合することで、光励起された粒子から他の粒子への電子移動が起こって電荷再結合を抑制する結果、光触媒効率が相乗効果的に増大する場合があることがこれまでに報告されている(非特許文献34〜36)。従って、市販のあるいは最先端の光触媒をありふれたあるいは従来の材料と混合することは、新規な光触媒を設計することに比べると、高度に効率の良い光触媒反応のための、更に簡単で、費用効率が良くまた汎用性の高い手法となり得る。しかしながら、元の光触媒よりも顕著に高い活性を示す混合物を見出すことは容易なことではなかった。
本発明の課題は、上述した既存の光触媒であるTiOの光触媒活性を簡単でかつ経済的に向上させることにある。
本発明の一側面によれば、下式で表され、多空芯構造を有するナノワイヤー形状の物質からなり、TiOの光触媒活性を向上させる光触媒活性向上剤が与えられる。
Ti2−(x+ny)/4
ここで、Mはアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれた一の元素、nはその価数、x及びyはそれぞれ0<x+ny<8を満たす正の数値であってよい。
また、その外径は2〜10nmであってよい。
また、その長さは500〜1000nmであってよい。
また、前記空芯の内径は0.5〜1nmであってよい。
本発明の他の側面によれば、光触媒活性を有するTiOと上記何れかの光触媒活性向上剤とを含む光触媒組成物が与えられる。
本発明のさらに他の側面によれば、光触媒としてTiOを使用する反応系に上記何れかの光触媒活性向上剤を添加して光触媒反応を行わしめる、光触媒活性向上方法が与えられる。
本発明によれば、TiO等の光触媒活性を非常に簡単・低価格で、しかも生物や環境に害を及ぼす危険性を大きくすることなく向上させることができる。
Ti(a)、マイクロポーラスチタン酸塩ナノファイバー(MPTNF)(b)及びP25(主にアナターゼ型及びルチル型TiOから成る)(c)のX線回折パターンを示す図。 MPTNFのSEM像。 MPTNFのクリスタルバイオレット吸着前(a)及び吸着後(b)のArの吸着(○)及び脱着(●)等温線を示す図。差し込み図は、吸着等温線にHorwarth-Kawazoe法を適用して得られたMPTNF及びクリスタルバイオレットを吸着したMPTNFの細孔サイズ分布を示す図である。 MPTNF(a)及びP25(b)の紫外−可視光スペクトルを示す図。 (A)15mgのP25(a)及び15mg/3mgのP25/MPTNF混合物を含む5mLの酸素飽和したギ酸水溶液からの擬似太陽光(λ>320nm)照射下でのCO発生の時間変化を示すグラフ。(B)各種の光触媒を上記条件の下で使用した場合のCO発生速度を示すグラフ。破線縦棒の左側は、光触媒として各種の混合比(グラフの横軸の数値はmg/mgを表す)のP25/MPTNFを使用した場合のグラフ、破線縦棒の右側の左、右側はそれぞれ光触媒として各種の混合比のP25/アモルファスTiO及びP25/ルチル型TiOを使用した場合のグラフである。P25/MPTNFの場合のグラフ中のハッチングのかかったバーは一旦反応に使用したP25/MPTNF混合光触媒を水で洗浄した再利用触媒についてのCO発生速度を示す。 (A)及び(B)は擬似太陽光(λ>320nm)照射下での各種の物質の酸素飽和した水溶液(5mL)からのCO発生の時間変化を示すグラフ。(A)15mgのP25(a)及び15mg/3mgのP25/MPTNF混合物(b)を含むメタノールの場合。(B)15mgのアナターゼ型TiO(a)、15mg/3mgのアナターゼ型TiO/MPTNF混合物(b)を含むギ酸の場合。(C)は40mLの酸素飽和水溶液中でのフェノールの光触媒分解についての速度のグラフ。この水溶液には各種の混合比のP25/MPTNF混合物(グラフの横軸の数値はmg/mgを表す)を含み、Xeランプ全光(λ>320nm)の下で反応させた。 6mgのMPTNF(左)、15mgのP25(中央)及び6mg/15mgのP25/MPTNF混合物(右)の粉末を5mLの水に分散させた水性懸濁液の写真。 (A)P25、MPTNF、各種の重量混合比(mg/mgで表す)のP25/MPTNF混合物、アモルファスTiO及びルチル型TiOのESRスペクトルを示す図。それぞれ10mgの試料を紫外光(λ>330nm)照射下で室温にてOで処理し、排気後、77Kにて測定した。(B)P25の量当たりのTi3+の収量の変化をP25/MPTNF混合比(mg/mg)の関数として表すグラフ。(C)様々の条件下での15mgのP25、15mg/6mgのP25/MPTNF混合物の水溶液(5mL)からのCO発生速度を示すグラフ。破線縦棒の左側は、擬似太陽光(λ>320nm)照射下でのCO発生速度で、黒いバーが酸素飽和水溶液、ハッチングのかかったバーが無酸素水溶液からのCO発生速度を示す。破線縦棒の右側は、MPTNFは励起されない単色光(λ=390nm)照射下でのCO発生速度を示す。 (A)5mLの水中に分散させた15mgのP25(濃色の円)、6mgのMPTNF(淡色の円)及び15mg/6mgのP25/MPTNF混合物(やや濃い淡色の円)の粒子サイズ分布を示すグラフ。この粒子サイズ分布はDLSにより測定した。(B)1mg/0.2mgのP25/MPTNF混合物を15mLの水中に分散させてから水を蒸発したもののTEM像。
本願発明者らは最近新規なTiOベースのナノ構造材料である、MPTNFの合成及びその充分に抑制された光触媒活性や極めて低い屈折率のようなユニークな特性を報告した(非特許文献37)。MPTNFの一般的な組成式は以下の通りである。
Ti2−(x+ny)/4
ここで、Mはアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれた一の元素、nはその価数、x及びyは0<x+ny<8を満たす正の数値である。また、MPTNFの合成方法は一般的に表現すれば、層状チタン酸塩(たとえばKTi)を四級アンモニウム、水酸化物及びフッ化物からなる群(たとえば水酸化テトラプロピルアンモニウム、フッ化アンモニウム)から選択された少なくとも一の存在下で水熱処理することによるものである。また、その形状、サイズ等の一部を示せば、多空芯構造を有するナノワイヤー形状であり、外径は2〜10nm、長さは500〜1000nm、空芯(マイクロチャネル、トンネルとも呼ぶ)の内径は0.5〜1nm、屈折率は1.7程度である。
上述のように、本報告においてはMPTNFは光触媒活性をほとんど有していない。しかし、その後の研究の結果、本願発明者は当該光触媒活性のないMPTFNを光触媒反応の添加剤として使用することで、TiOの太陽光下での光触媒活性が顕著に増大するという、驚くべきであってしかも重要な知見を得、これに基づいて本発明を完成させるに至った。本願発明者は、MPTNFこそが超高活性かつ低価格であって環境にやさしい光触媒の鍵となる材料であると期待している。
これに基づいて、本発明によれば、P25等の光触媒とMPNTFとの混合物を元の光触媒単独の場合よりも高い光触媒活性を有する光触媒組成物として提供できる。また、MPNTFを別途準備された光触媒の触媒活性を向上させるための光触媒活性向上剤として提供することもできる。更に、本発明によれば、MPNTFを添加することにより光触媒の活性を向上させる光触媒活性向上方法が提供される。
以下では主に、市販のTiOであるP25(主にアナターゼ型及びルチル型のTiOからなる)を対象に、上述した本発明の光触媒活性向上について具体的に説明する。P25は従来から光触媒の研究においては比較の基準として使用されてきた。それは、P25よりも高い光触媒活性を示すTiO光触媒を見出し、また合成することは困難であるためである(非特許文献15)。なお、当然のことであるが、本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲のみによって規定されることに注意すべきである。例えば、本発明はP25という特定の材料だけに適用し得るのではなく、多様なTiO光触媒の改良に使用できることは言うまでもない。
層状チタン酸塩であるKTiに以下に示す単純な水熱処理を施すことによって、MPTNFを合成した。
先ず、非特許文献38に示すようにして、KCOとTiO(ルチル型)との固相反応によりKTiを作製した。これをテフロン(「テフロン」はイー アイ デュポン ドゥ ヌムール アンド カンパニーの登録商標)で裏打ちしたステンレス鋼製オートクレーブ中において水酸化TPA、水及びNHFをモル比KTi:TPA:HO:NHF=1:0.8:5:0.2で混合し、この混合物を170℃に加熱して1週間保持した。この水熱処理の後、乾燥したゲル状生成物を水で洗浄し、70℃で乾燥した。
MPTNFの詳細や合成されたMPTNFの各種の特徴については非特許文献37に詳細に説明されている。MPTNFの合成例の化学組成式はH0.650.75Ti2.15(K及び一部のHは交換可能なカチオン)(非特許文献37)であったが、この組成は出発物質である層状チタン酸塩とは異なっていた。
図1Aに示すように、MPTNFのX線回折パターンは、出発物質の層状のチタン酸塩とも、また従来のTiO系材料(アナターゼやルチル、チタン酸塩ナノチューブなど)とも異なっていた。MPTNFは、図1Bに示すように、直径が最大10nm、長さが最大数百nmのナノファイバー状モルフォロジーを有していた。各種の解析の結果、MPTNFはナノファイバー中にその軸方向に沿って幅が約0.5nmの何本かのマイクロチャネル(トンネル)を有していることが示唆された(非特許文献37)。このような解析の一例を図1Cに示す。同図において、MPTNFのAr吸着/脱着等温線は低い分圧において急峻なArの取り込みを示したが、これはマイクロ細孔あるいはマイクロチャネルの存在を示している(ヒステリシスはナノファイバー粒子間メソ細孔に起因する)。無機カチオン(Ca2+)は粒子内部に効果的に吸着されるが、より大きな有機カチオンであるクリスタルバイオレット(crystal violet、CV;分子サイズ1.4×1.4×0.4nm)の吸着はこれに比べて効率が非常に悪い。それは、CVはその拡散が制約されるためにナノファイバー軸に沿って侵入することが困難だからである(非特許文献37)。図1C中のaとbとを比較するとわかるように、CVの吸着(主に粒子外表面の近く)後には、低分圧下でのAr取込みが劇的に減少した。MPTNFが無秩序な向きを持ったマイクロ細孔あるいはナノファイバー軸に垂直であるかまたは交差するマイクロチャネルを有しているのであれば、このような顕著な減少は観察されるはずがなく、また同様な現象はマイクロ繊維状粒子中に秩序のあるマイクロチャネル(いわゆる「トンネル」であって、その断面サイズは約1.1×0.4nm)を有する粘土鉱物である海宝石(sepiolite)でも観察されたことがある(非特許文献39)。MPTNFの光触媒活性を擬似太陽光照射(λ>320nm)下におけるアセトニトリル中でのシクロヘキサン及び水中での2−プロパノールの酸化によって評価したが、当該活性は無視できるものであった。これはそのユニークな構造(図1Aに示されるような低結晶性等)に起因するものであると考えられる(非特許文献37)。
本願発明者は層状ケイ酸塩やメソポーラスシリカのような光触媒不活性な材料を添加物として使用することで半導体の光触媒活性を制御することにかつて成功したが(非特許文献22〜26)、これに触発されてMPTNFをTiO光触媒の添加剤として使用するという着想を得た。最初に、P25の光触媒活性を向上させることを試みた。それは、P25は各種の反応についての最も高活性なTiO光触媒の一つであるからである(非特許文献40)。ここでは、酸素飽和した(aerated;分子状Oで飽和させた)水の溶液中のギ酸を分解してCOを生成することによって、P25及びP25/MPTNF混合物の光触媒活性を評価した。この分解反応は、有機物汚染の除去についての光触媒の性能試験を行うための代表的な反応である(非特許文献15、41)。図2(A)に、P25またはP25/MPTNF混合物を含むギ酸の酸素飽和水溶液からの模擬太陽光(λ>320nm)照射の下でのCO発生の時間変化を示す。P25の場合は、ギ酸分解についてのCOの量は、以前の報告(非特許文献15、41)にあるように、照射時間にリニアに増加した。驚くべきことに、P25/MPTNF混合物はP25に比べて大幅に高い光触媒活性を示した。図2(B)のグラフ中の破線の縦棒のすぐ左側(0/6)に示すように、MPTNF単独ではこの反応に関して活性を示さなかった。このことは、本願発明者の以前の結果(非特許文献37)と一致している。従って、おそらくP25とMPTNFとが共存することによる相乗効果が起こっていることが見出されたことになる(以下で説明するように、MPTNFは、P25表面近傍への有機分子の濃縮や、光散乱によってP25による光吸収の向上を引き起こしていなかった)。図2(B)に示すように、P25による光触媒活性の向上度はMPTNFの添加量を変化させることで、3倍にまでも至った。一方、アモルファスTiO(非特許文献42)やルチル型TiO(JRC−TIO−6)(非特許文献31、40)のような光触媒活性のない、あるいは低活性のTiOはP25の活性を相乗効果的に向上させることはなかった。具体的には、図2(B)に示すように、P25/アモルファスTiO(あるいはP25/ルチル型TiO)混合物の活性はそれぞれのTiOの活性の単なる合計と同様なものであった。更には、図2(B)の破線縦棒の左側にあるハッチング付きのバー(15/6の2本のバーの右側のもの)に示すように、MPTNFの化学的安定性(非特許文献37)により、P25/MPTNFは当初の活性を失うことなく再利用することに成功した。上述した結果の全ては、TiO光触媒反応への添加剤としてのMPTNFの重要性を示している。
MPTNFは更にまた他のTiO光触媒反応の活性を向上するためにも使用できる。図3(A)では、P25及びP25/MPTNF混合物を含む酸素飽和した水溶液中での擬似太陽光(λ>320nm)下での光触媒によるメタノール分解の時間変化を比較している。この反応でもMPTNFはP25の光触媒活性を向上させることができた。更に、図3(B)に示すように、反応を開始する分散液中にMPTNFを添加したとき、P25ではなくアナターゼ型TiO上でのギ酸の酸化分解光触媒活性もまた大幅に向上した。これらの結果から、光触媒反応を向上させるための添加剤としてのMPTNFの汎用性を確認することができる。
図3Cに、キセノンランプ全光照射(λ>320nm)の下でのP25及び各種の混合比のP25/MPTNF混合物を含む酸素飽和水溶液中でのフェノールの光触媒分解速度を示す。MPTNFはこの反応でもP25の活性を向上させることができた。この結果も本材料の汎用性を示唆するものである。ここにおいて、MPTNFを添加してこの反応を行った場合には、MPTNFなしで同程度の反応速度を達成する場合に比べて2/15(約13%)の量の光触媒しか必要とされないことに注意されたい。
MPTNFが存在した場合のTiOの光触媒活性向上メカニズムについて論じる。光触媒粒子を粘土鉱物のような吸着剤と混合したとき、吸着剤が光触媒近傍に基質を濃縮し、光触媒による有機物分解が促進されることが報告されている。しかし、これは上で説明した現象には該当しない。というのは、MPTFNは水中のギ酸、メタノール、フェノールをほとんど吸着しないからである(これはおそらくはチャネルが狭いこと及び親水性表面によるものであろう)。また、MPTNFが効率的に光を散乱してP25がより多くの光を吸収するという可能性を検討してみる。図4はP25、MPTNF及びP25/MPTNF混合物の水性懸濁液の写真である。MPTNFは、水に分散させた場合にP25と比較してかなりの程度透明である。これはMPTNFの方が屈折率が約1.7と大幅に低いためである(非特許文献37)。従って、MPTNFの光散乱がP25光触媒に与える有利な影響は大きなものではありえない。
一方、COへの有機化合物の光触媒分解はしばしば酸素飽和されているという条件下のみで効率的に進行するが、その確からしいと考えられている反応機構にはO分子による光励起された電子の捕捉が関与し、これによって比較的安定なスーパーオキシドアニオン(O )が生成されて電子・ホール再結合を抑制すると言われている(非特許文献42)。さらにP25においては、O存在下においても、励起された電子がP25中のルチル型TiO中にトラップされTi3+を形成することが知られている。ここで、電子スピン共鳴(ESR)解析を使用し、Ti3+をモニタすることにより、P25からMPTNFへの電子移動を調べた(非特許文献45)。図5(A)に示すように、O分子存在下で紫外光(λ>330nm)を照射したとき、P25はTi4+に電子がトラップされ生じるTi3+によるブロードな信号(g=1.980)を生成した(この他にOが光励起された電子によって還元されることによって形成されたスーパーオキシドアニオンによるいくつかの信号(O ;gxx=2.003、gyy=2.010、gzz=2.022)(非特許文献46)も生成された)。一方、P25/PMTNF混合物に同じ条件下で照射を行ったところ、Ti3+収量(P25量に基づく)は添加されたMPTNFの量に従って減少した(図5(A)及び(B))。このことは、光励起されたP25からMPTNFへの効率的な電子移動が起こって、P25上での電子・ホール再結合を抑制して光触媒活性が向上することを示唆している。両者の吸収端位置が似ていること(図1D参照)から推測されるMPTNFとP25の伝導帯のポテンシャルの近似性のため、このような電子移動は起こり得る。図5(C)に示すように、P25/MPTNFは、P25だけしか励起されない390nmの単色光(図1D)照射下でもP25に比べて大幅に高い光触媒活性を示した。この条件下ではP25だけが励起された(図5(C))。これによって上述のP25からMPTNFへの電子移動仮説が検証される。P25/MPTNF混合物の光触媒活性は添加されたMPTNFの量には依存しない(図2(B))。これはP25と相互作用せず、単に紫外光を吸収してP25によって吸収される紫外光を減少させるだけである過剰のMPTNFに起因すると考えられる。
図5(C)の淡色のバーは脱気した(Oが存在しない)水中でのP25及びP25/MPTNF混合物上でのギ酸の光触媒分解速度を示す。P25はCOをほとんど発生しないが、P25/MPTNF混合物はこのような脱気されている条件下でもかなりの量のCOを生成した。この結果は、MPTNFが、O分子のように、励起P25から電子を補足し電子・ホール再結合を抑制することを意味し、つまり上記のP25からMPTNFへの電子移動仮説を支持する(P25/MPTNF混合物についてはOが存在しない場合のCO発生速度が酸素飽和状態の場合の値の31%となり、これがP25についての対応する割合(20%)よりも少し大きかったに過ぎない。従って、何らかの理由によりMPTNFはOの存在下でのみ良好な添加剤として働くという可能性を排除できない)。
光触媒反応中にP25とMPTNFとの間で電子移動が起こる可能性を更に検討するため、水性懸濁液中でのP25とMPTNFとの混合状態を調べた。図6(A)に、水中に分散しているP25、MPTNF及びP25/MPTNF混合物の粒子サイズ分布を示す。この分布は動的光散乱(DLS)により求めた。P25は粒子サイズが約300nm及び約700nmの二峰分布を示した。これらの峰は一次粒子(約20〜50nm)の小さな集塊及び大きな集塊にそれぞれ対応付けられる。MPTNFもまた約240nm及び1100nmの二峰分布を示した。これらは図1BのSEM像中に観察されるMPTNFの集塊粒子に対応する。これに対して、P25/MPTNF混合物の方は、P25やMPTNF単独の場合のような約240nmにおけるピークに加えて、P25やMPTNF単独では見られなかったところの約4000nmにおけるピークを示した。これらの結果から、水に混ざるとすぐにP25とMPTNFの一部が集塊を形成し、これらの集塊中ではP25粒子がMPTNF粒子に直接接触することができると考えられる。実際、図6(B)に示すように、P25/MPTNF混合物の水を蒸発させた後のTEM像を観察したところ、P25粒子とMPTNF粒子とが互いに接触していることを見出した。
最後に、MPTNFの効率的な電子捕捉及びO還元能力についてのありそうな理由を検討した。図5(A)に示すように、MPTNFはP25,アモルファスTiO、及びルチル型TiOのような従来のTiOに比べて、Oに対するより大きなgzz値を示した。このことは、MPTNFとOとの間の相互作用が他のTiOに比べて弱いことを示している(非特許文献47)。従って、MPTNFはそのユニークな構造により、一旦生成したO をその表面から直ちに放出することによって効率的にOを吸着して還元し、次いで近傍のTiO上に新たに光で生成された電子を捕捉することができると信じられる。各種の構造を有するTiOに基づく多様な材料が入手可能であり(非特許文献48)、またTiOに基づく材料中での電子移動の挙動はその構造の影響を受けることが知られている(非特許文献49)ため、MPNTFのユニークな電子捕捉及びO還元能力の機構を更に明らかにするための体系的な検討を進めるのは有意義である。
まとめとして、水中の有機化合物を分解するTiOの光触媒活性は、それ自体は光触媒活性のないTiOに基づく、マイクロ細孔を有するチタン酸塩ナノ繊維であるナノ構造材料、すなわちMPNTFを反応の出発懸濁液中に単に添加するだけで大幅に向上することを明らかにした。この現象は光励起されたTiOから電子を捕捉して電荷再結合を妨げるという、このMPNTFのユニークな能力によるものである。
以上説明したように、本発明によれば、通常のTiO光触媒等の光触媒活性を簡単かつ低価格で大幅に向上させることができ、しかも生物や環境に有害な物質を使用することもないため、本発明は光触媒を利用する幅広い産業に大いに利用されることが期待される。
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Claims (6)

  1. 下式で表され、多空芯構造を有するナノワイヤー形状の物質からなり、TiOの光触媒活性を向上させる光触媒活性向上剤。
    Ti2−(x+ny)/4
    ここで、Mはアルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれた一の元素、nはその価数、x及びyはそれぞれ0<x+ny<8を満たす正の数値である。
  2. 外径が2〜10nmである、請求項1に記載の光触媒活性向上剤。
  3. 長さが500〜1000nmである、請求項1または2に記載の光触媒活性向上剤。
  4. 空芯の内径が0.5〜1nmである、請求項1から3のいずれかに記載の光触媒活性向上剤。
  5. 光触媒活性を有するTiOと請求項1から4の何れかに記載の光触媒活性向上剤とを含む光触媒組成物。
  6. 光触媒としてTiOを使用する反応系に請求項1から4の何れかに記載の光触媒活性向上剤を添加して光触媒反応を行わしめる、光触媒活性向上方法。
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