JP6408380B2 - 癌を患うリスクのある被検体を診断するための方法およびキット - Google Patents

癌を患うリスクのある被検体を診断するための方法およびキット

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Description

関連出願の相互参照
この出願は、2011年12月19日付で提出の米国仮出願第61/577,441号に基づく優先権を主張する。出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、特に膵臓癌における、癌のハイリスクスクリーニング、早期発見および監視のための方法および試薬に関する。
本発明の背景
悪性新生物としても知られている癌は、無秩序な細胞増殖を伴う疾患を意味する。癌において、細胞は分裂および制御不能に成長し、悪性腫瘍を形成し、身体の近くの部分に侵入する。癌は、リンパ系や血流を介して身体の遠い部分に広がりうる。治療薬および診断薬の大幅な進歩にもかかわらず、癌は米国における罹患率および死亡率の主要な原因のままである。いくつかの癌に対して、これらの進歩にもかかわらず、発生率が増加している。
例えば、膵臓癌は、生存率5%未満の悪性腫瘍を表す(Jemal et al., Cancer statistics CA Cancer J Clin. 2009;59:225−249)。日本からの最近の知見によると、小さい腫瘍および非局所浸潤では、生存率を20%超に向上させることができる(Tanaka et al. Pancreas 2004;28(3):268−72)。生存率は早期診断の方がより良い。残念なことに、膵臓癌患者の大部分(85%)は、末期に診断され、早期の膵臓癌の診断は、早期診断に適切なバイオマーカーの不足を含むいくつかのチャレンジに臨んでおり、早期診断を複雑にする非癌性の膵臓疾患にも関わっている。異なるクラスからの多数の分子は、潜在的な早期診断マーカーとして調査されているが、成功していない。
したがって、特に膵臓癌の、癌のハイリスクスクリーニング、早期発見および監視のための方法および試薬は、相変わらず必要である。
発明の概要
本発明は、特に膵臓癌における、癌のハイリスクスクリーニング、早期発見および監視のための方法および試薬に関する。
そこで、本発明の一態様は、被検体が細胞増殖性疾患を患っているか、もしくは細胞増殖性疾患を発症するリスクを有しているかを診断するための方法、またはかような被検体からデータもしくは情報を獲得する方法に特徴を有する。当該方法は、前記被検体からサンプルを得ること;およびインビトロで前記サンプルにおいて、マイクロRNAの発現レベルを決定することを含み、前記マイクロRNAは、(i)アップレギュレートされた(up−regulated)マイクロRNAsの第1のパネルまたは(ii)ダウンレギュレートされた(down−regulated)マイクロRNAsの第2のパネルから選択される。(a)前記第1のパネルから選択されたマイクロRNAの発現レベルが第1の所定の基準値を超える、または(b)前記第2のパネルから選択されたマイクロRNAの発現レベルが第2の所定の基準値未満であると、前記被検体またはサンプルは、膵臓癌のような疾患を患っているかもしくは発症するリスクを有していると分類または同定される。前記第1および第2のパネルのマイクロRNAsの例として、表2に列挙したものが挙げられる。第1のパネルの追加的な例は、miR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7およびmiR−885−5pを含む
一好適な実施形態において、前記方法は、前記被検体からサンプルを得る工程;および前記サンプルにおいて、第1のマイクロRNAの発現レベルを決定する工程を含む。前記第1のマイクロRNAは、miR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7およびmiR−885−5pからなるアップレギュレートされたマイクロRNAsのパネルから選択される。前記サンプルにおいて、前記第1のマイクロRNAの発現レベルが所定の基準値を超えると、前記被検体またはサンプルは、細胞増殖性疾患を患っているかもしくは細胞増殖性疾患を発症するリスクを有していると分類または同定される。
細胞増殖性疾患は、制御されない自律的細胞増殖によって特徴付けられた疾患を意味し、癌または腫瘍性疾患のような非悪性および悪性の増殖疾患を含む。細胞増殖性疾患の例として、膵臓癌(pancreatic cancer)、結腸癌(colon cancer)、乳癌(breast cancer)、前立腺癌(prostate cancer)、肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)、黒色腫(melanoma)、肺癌(lung cancer)、グリア芽腫(glioblastoma)、脳腫瘍(brain tumor)、造血器腫瘍(hematopoietic malignancies)、網膜芽腫(retinoblastoma)、腎細胞癌(renal cell carcinoma)、頭頸部癌(head and neck cancer)、子宮頸癌(cervical cancer)、食道癌(esophageal cancer)、および扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)が挙げられる。一実施形態において、前記疾患は膵臓癌である。前記方法において、前記所定の基準値は、前記疾患を患っていないコントロール被検体から得ることができ、前記被検体は、前記疾患を発症するリスクの高いものでありうる。前記サンプルは、体液サンプルのような任意の適切なサンプルでありうる。前記体液の例として、血液、血清、および血漿が挙げられる。一実施例において、前記サンプルは、膵臓組織、膵臓腫瘍、膵臓細胞、または膵液を含む。前記方法は、前記サンプルにおいて、第2のマイクロRNAの発現レベルを決定することをさらに含む。
第二の態様において、本発明は、アレイに特徴を有する。前記アレイは、特に、複数のユニーク場所、および(i)少なくとも一つの、アップレギュレートされたマイクロRNAsの第1のパネルから選択されたマイクロRNAに相補的な配列を有する核酸、または(ii)少なくとも一つの、ダウンレギュレートされたマイクロRNAの第2のパネルから選択されたマイクロRNAsに相補的な配列を有する核酸の、任意の組み合わせを有する担体を含み、この際、各核酸は前記担体のユニーク場所に固定されている。一好適な実施形態において、前記アレイは、複数のユニーク場所、および少なくとも一つの、アップレギュレートされたマイクロRNAsの第1のパネルから選択されたマイクロRNAに相補的な配列を有する核酸の任意の組み合わせを有する担体を含み、ここで、各核酸は前記担体のユニーク場所に固定されている。前記パネルは、miR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7、およびmiR−885−5pを含みうる。一実施例において、前記核酸は、配列番号:1〜6からなる群より選択された配列に相補的である。その他の例示的なマイクロRNAsとしては、下記表2に列挙したものが挙げられ、ここで、116個のmiRNAが膵臓癌と健康コントロールとの間またはハイリスクグループと健康コントロールとの間の倍率変化(Fold Change)における有意性に基づきランク付けされている。これらの116個の有意なmi−RNAにおいて、少なくとも上位30のmiRNAsは約2倍以上の変化(アップまたはダウン)を示した。表2に示されるように、前記マイクロRNAsは、それらの「膵臓癌と健康コントロールとの間の倍率変化」の値に基づき、2つのパネルにグループ化することができる。具体的には、前記第1のパネルにおけるマイクロRNAsは、膵臓癌患者においてアップレギュレートされたものであり、それらの「膵臓癌および健康コントロールの倍率変化」の値が1.0超であり;第2のパネルにおけるマイクロRNAsは、膵臓癌患者においてダウンレギュレートされたものであり、それらの「膵臓癌および健康コントロールの倍率変化」の値が1.0未満である。
第3の態様において、本発明は、(i)アップレギュレートされたマイクロRNAsの第1のパネルもしくは(ii)ダウンレギュレートされたマイクロRNAsの第2のパネルから選択されたマイクロRNAの配列に相補的である、または前記マイクロRNAを増幅するための一対のPCRプライマーである核酸配列を有するプローブを含むキットを提供する。一好適な実施形態において、前記核酸配列は、アップレギュレートされたマイクロRNAsの第1のパネルから選択されたマイクロRNAの配列に相補的であり、または前記マイクロRNAを増幅するための一対のPCRプライマーである。前記パネルは、miR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7、およびmiR−885−5pを含みうる。一実施例において、前記プローブは、配列番号:1〜6からなる群より選択された配列に相補的である。前記キットは、ハイブリダイゼーションを行うための試薬、PCRを行うための試薬、または前記開示されたアレイをさらに含む。
本発明はまた、実質的に本明細書に図示および説明された(i)被検体が細胞増殖性疾患を患っているか、または細胞増殖性疾患を発症するリスクを有しているかを診断するための方法、および(ii)実質的に本明細書に図示および説明されたアレイまたはキットに特徴を有する。
上記の方法において、前記同定または分類する工程は、生成、または第三者への他の伝達、サンプルまたは被検体が疾患を患っているかもしくは疾患を発症する理数を有しているかを特定するためのレポート、または予後方法のための治療下の被検体がよいもしくは悪い予後を有するレポートをさらに含むことができる。上述した方法において、前記サンプルは、外科的または内視鏡的に切除された膵臓組織サンプルでありうる。前記サンプルの例として、膵臓組織、膵臓腫瘍、膵臓細胞、膵嚢胞液、または膵液が挙げられる。前記サンプルは、体液サンプル(例えば、膵臓からの血液、血清、および血漿)でありうる。一好適態様において、前記サンプルは、血液、血清、血漿、膵嚢胞液、および膵液からなる群より選択される。
本発明の一つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、明細書および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
監視されていないクラスター解析結果を示す図である。これは、重要な(FDR<10%)および示差的にレギュレートされた(>2倍)14のメンバーからなるmiRNAシグネチャーを明らかにし、健康個体だけではなく、ハイリスク被検体から膵臓癌患者を分別した。これらの14の重要なマイクロRNAsはマイクロアレイ実験から同定され、全体サンガーmiRBASEバージョン16をプロービングした。癌、ハイリスクおよびコントロールサンプルにおいて、マイクロRNAプローブの発現値(Log2変換および標準化されたマイクロアレイプローブの強度)を中心として。各列は単一のサンプルを表し、各行は単一のマイクロRNAプローブを表す。緑の四角はマイクロRNA発現レベルの中央値よりも低く表し;黒い四角はマイクロRNA発現レベルの中央値を表し;赤い四角はマイクロRNA発現レベルの中央値よりも高いこと表す。Legend単位:1.0=1log2単位(2倍)による平均プローブ強度と異なる。
発明の詳細な説明
本発明は、多くの、膵臓癌のような癌を有する被検体から得られた生物学的サンプルにおいて、コントロールサンプルに比べて発現レベルが変化されたマイクロRNA遺伝子産物の予期せぬ発見に、少なくともその一部に基づいている。これらの遺伝子は、被検体が細胞増殖性疾患を患っているか、または細胞増殖性疾患を発症するリスクを有しているかを診断する、またはかような疾患を患っている患者の予後もしくは監視を診断するための、バイオマーカーとして用いることができる。
このため、本発明は、被検体が細胞増殖性疾患を患っているか、または細胞増殖性疾患を発症するリスクを有しているかを診断する方法を含む。「腫瘍性疾患」という用語は、任意の種類や起源の癌およびその前駆体段階を意味する。「腫瘍性疾患」という用語は、用語「新生組織形成(neoplasia)」、「新生物(neoplasm)」、「癌」、「前癌状態」、または「腫瘍」によって識別された対象を含む。腫瘍性疾患は、特定の細胞集団の異常レベルをもたらす異常な細胞分裂によって、一般的に現れる。腫瘍性疾患の基礎にある異常な細胞分裂は、一般的に、細胞に内在し、感染や炎症に対する正常な生理学的応答ではない。いくつかの実施形態において、本発明によって提供された方法を用いて診断のための腫瘍性疾患は癌腫(carcinoma)を含む。「癌腫」は、良性または悪性の上皮腫瘍を意味し、肝細胞癌、乳癌、前立腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、CNS癌、黒色腫、卵巣癌、または腎癌を含むが、これらに限定されない。典型的な腫瘍性士官は、膵臓癌であり、腺癌および神経内分泌腫瘍を含む。
本発明はまた、上述した癌(例えば、膵臓癌)を発症するリスクがあると考えられている被検体をスクリーニングする方法を提供する。また、癌を抑制するための治療規制の有効性を診断する方法、および抗癌剤を確認するための方法も提供される。本発明はまた、上述した方法を実施するのに適した様々なキットを含む。
マイクロRNA遺伝子
本明細書に開示されるように、多数のマイクロRNA遺伝子は、癌患者と健康被検体におけるそれらの変化した発現パターンに基づき同定された。本明細書で同義的に使用されるように、「マイクロRNA」、「miR」、または「miRNA」は、miRNA遺伝子からの未処理もしくは処理済のRNA転写産物を意味する。未処理のmiRNA遺伝子転写産物はまた、「miRNA前駆体」と呼ばれ、典型的に長さ約70〜100ヌクレオチドのRNA転写産物を含む。miRNA前駆体は、活性的な18〜25ヌクレオチドRNA分子にRNAse(例えば、ダイサー、アルゴノート、またはRNAse III)で消化することによって処理することができる。この活性的な18〜25ヌクレオチドRNA分子は、「処理済」のmiRNA遺伝子転写産物または「成熟」のmiRNAとも呼ばれる。
本発明に係るマイクロRNA遺伝子は、2つのグループに分けることができる。一実施形態において、患者からの試験サンプルにおけるmiR遺伝子産物のレベルは、コントロールサンプルにおける対応のmiR遺伝子産物のレベルよりも高い(すなわち、miR遺伝子産物の発現は、「アップレギュレートされた」または「過剰発現(over−expressed)」である)。本明細書に用いられるように、miR遺伝子産物の発現は、被検体由来の試験サンプルにおけるmiR遺伝子産物の量がコントロールサンプルにおける同様な遺伝子産物の量よりも多い時に、アップレギュレートされたものである。これらのアップレギュレートされたマイクロRNAsの例として、下記表1に列挙された配列番号:1〜6が挙げられる。
これらの遺伝子は、その発現レベルの増加に基づく癌の診断に使用することができる。その他の用いられうるアップレギュレートされたマイクロRNAsとしては、Ho et al., Transl Oncol. 2010;3:109−113; Wang et al. Cancer Prev Res (Phila). 2009 Sep;2(9):807−13; Lee et al. Int. J. Cancer. 2007, 120(5):1046−1054;および米国出願第 20110171646号明細書に開示されたものが挙げられる。本明細書で引用されたこれらの参考文献の全ては、その全体が本明細書に組み込まれる。コントロールサンプルにおける相対的なmiR遺伝子発現は、一以上のRNA発現標準に対して決定することができる。前記標準は、例えば、事前に正常コントロール群から入手したmiR遺伝子発現の平均レベルを含みうる。
他の実施形態において、試験サンプルのおける標的miR遺伝子産物のレベルは、コントロールサンプルにおける対応のmiR遺伝子産物のレベルよりも低い(すなわち、miR遺伝子産物の発現は、「ダウンレギュレートされた」または「過少発現(under−expressed)」である)。本明細書に用いられるように、miR遺伝子産物の発現は、被検体由来の試験サンプルにおけるmiR遺伝子産物の量がコントロールサンプルにおける同様な遺伝子産物の量よりも少ない時に、ダウンレギュレートされたものである。
診断および予後方法
上述した遺伝子、関連のキットまたはアレイは、被検体が細胞増殖性疾患を患っているかまたは細胞増殖性疾患を発症するリスクを有しているかを診断するのに使用することができる。また、それらは、被検体におけるかような疾患の予後を診断するのに使用することができる。
診断方法
一態様において、本発明は、被検体が制御されない自律的細胞増殖によって特徴付けられた疾患(例えば、癌)を患っているかまたは前記疾患にかかりやすいかを診断するための定量的および定性的な情報を提供する。細胞増殖性疾患を患っているまたはそれにかかりやすい被検体は、当該被検体からの試験サンプルにおける上述した遺伝子またはそれらの産物(マイクロRNA)の発現レベル、パターン、またはプロファイルに基づいて診断されうる。言い換えると、前記産物は、疾患の存在または不存在を示すマーカーとして用いられうる。本発明の診断または予後アッセイは、産物の発現レベルを評価するための方法を含む。前記方法およびキットは、癌のような細胞増殖性疾患を検出することができる。例えば、一以上のアップレギュレートされた遺伝子の発現レベルにおける相対的な増加は、疾患存在の指標である。逆に、より低い発現レベルまたは発現不足は、疾患不存在の指標である。
試験サンプルにおけるマイクロRNA産物の存在、レベル、または不存在は、試験被検体から試験サンプルを得ることおよび前記試験サンプルを、核酸を検出できる化合物または試薬(例えば、RNAまたはDNAプローブ)と接触させることによって判断されうる。前記「試験サンプル」は、被検体に存在する組織、細胞および体液、並びに被検体から単離された組織、細胞、および生体液を含む。目的の遺伝子(遺伝子ら)の発現レベルは、遺伝子によりコードされたRNAを測定することを含む様々な方法で測定することができる。
発現されたRNAサンプルは、任意の多数の周知手順を用いて、生物サンプルから単離することができる。例えば、生物サンプルは、必要に応じて、RNAを安定化するための付加的成分を含む、グアニジンベースの溶解バッファ中に溶解させることができる。いくつかの実施形態において、前記溶解バッファは、細胞培養物からのRNAの回収および安定性を観察するためのコントロールとして、精製されたRNAsを含むことができる。かような精製されたRNAの例として、プロメガ社(Madison, WI)からのKanamycin Positive Control RNA、およびライフテクノロジーズ社(Rockville, MD)からの7.5kbPoly(A)−Tailed RNAが挙げられる。溶解物は、直ちに使用されてもよく、または例えば−80℃で凍結保存されてもよい。
任意に、全RNAは、RNEASY精製プラットフォーム(QIAGEN, Inc., Valencia, CA)のようなオートメーション互換性の96−ウェルフォーマットで、シリカベース単離を用いて、細胞溶解物(またはサンプルのその他のタイプ)から精製することができる。その他のRNA単離方法としては、例えばシリカ被覆ビーズまたはグアニジンでの抽出などが考えられる。RNA単離および調製のさらなる方法は、当業者によって考案することができる。
本発明の方法は、RNAを単離する必要がなく、粗製サンプル(例えば、血液、血清、血漿、または細胞溶解物)を用いて行うことができる。RNAse阻害剤は、必要に応じて前記粗製サンプルに添加される。粗製の細胞溶解物を用いるときに、ゲノムDNAは、サンプルに依存して、例えば遺伝子のような標的配列の1以上のコピーに寄与できることに留意すべきである。前記標的配列が1つ以上の高度に発現された遺伝子から誘導される場合、ゲノムDNAから生じるシグナルは、重要ではないかもしれない。しかし、低いレベルで発現された遺伝子にとって、バックグラウンドは、DNAseで前記サンプルを処理するか、またはcDNAまたは増幅産物の継続のプライミングのためのスプライス部位を対象とするプライマーを用いるかによって、除去することができる。
細胞内の遺伝子に対応するRNAのレベルは、インサイチュおよびインビトロの両方で決定することができる。試験サンプルから単離されたRNAは、ハイブリダイゼーション、またはサザンもしくはノザン解析、PCR解析、およびプローブアレイを含む増幅分析に用いることができる。RNAレベルの検出のための好ましい診断方法は、単離されたRNAを遺伝子によってコートされたRNAにハイブリダイズできる核酸プローブと接触させることを含む。前記プローブは、完全長核酸またはその一部であってもよく、例えば、ストリンジェントな条件下でRNAにハイブリダイズするのに十分である、長さが少なくとも10ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドであることができる。
一構成では、例えば、アガロースゲル状に単離されたRNAを実行し、前記ゲルから前記RNAをニトロセルロースのような膜に転写するによって、RNA(またはそれによって調製されたcDNA)を表面に固定されプローブに接触させる。他の構成では、例えば、遺伝子チップアレイにおいて、プローブを表面に固定され、RNA(またはcDNA)を前記プローブに接触させる。当業者は、RNAのレベルを検出するための既知のRNA検出法に適合させることができる。
検査するための、遺伝子によってコートされたサンプルにおけるRNA(またはそれによって調製されたcDNA)のレベルは、例えば、標準PCR(米国特許第4,683,202号)、RT−PCR(Bustin S. J Mol Endocrinol. 25:169−93, 2000)、定量的PCR(Ong Y. et al., Hematology. 7:59−67, 2002)、リアルタイムPCR(Ginzinger D. Exp Hematol. 30:503−12, 2002)、およびインサイチュPCR(Thaker V. Methods Mol Biol. 115:379−402, 1999)などの核酸増幅、または当該分野で公知技術を用いて増幅された分子の検出に続く、任意のあの核酸増幅方法を用いて評価することができる。
他の実施形態において、本発明の方法は、コントロールサンプルを遺伝子のRNAを検出できる化合物または試薬に接触させること、および前記コントロールサンプルにおけるRNAの存在を試験サンプルにおけるRNAの存在と比較することをさらに含む。
上述した方法およびマーカーは、膵臓癌のような癌を含む細胞増殖疾患を発症する被検体のリスクを評価するのに使用することができる。特に、本発明は、早期検出に重要な洞察を得るように、既に一定のリスクを持っている人のハイリスクコホートのものにも適用することができる。例えば、約10%の膵臓癌の起源は遺伝性であり(Klein et al. Cancer J 2001;7:266−73; Bartsch et al. Int J Cancer 2004;110:902−6;およびHemminki et al. Int J Cancer 2003;103:525−30)、並びにいくつかの個体における膵臓癌の生涯リスクは約50%であり(Rulyak et al. Pancreatology 2001;1(5):477−85)、スクリーニングおよび監視のためのマイクロRNAシグネチャーは、重要になりうる。
本明細書に使用される「膵臓癌を発症するハイリスクを有するもの」は、下記基準を1つ以上満たす個体を含む。
1.2人以上の膵臓癌を持つ第一度近親者を有する個体;
2.早い年齢(50歳未満)で膵臓癌と診断された第一度近親者を有する個体;
3.2人以上の早い年齢(60歳未満)で膵臓癌を発症した第二度近親者を有する個体;
4.BRCA IおよびBRCA II変異によって影響された家族のメンバー;
5.家族性非定型マルチモルメラノーマ(FAMM)症候群を有する家族のメンバー;
6.遺伝性膵炎を持つこと;
7.HNPCC症候群を持つこと;
8.家族性大腸腺腫症(FAP)症候群を持つこと;
9.ポイツ−イエーガー(Peutz−Jeghers)症候群を持つこと;および
10.従来の方法でのルーチン検査によって、異常な超音波検査または膵臓のCT撮影が発見されている患者。
膵臓癌に関連したmiR遺伝子産物のレベルにおける変化は、被検体の細胞における形質転換もしくは腫瘍性表現型の発症の前にまたはその初期段階で、検出することができる。したがって、本発明はまた、膵臓癌を発症するリスクを有する被検体をスクリーニングをするための方法を提供し、被検体の膵臓から得られた生体サンプルにおいて、膵臓癌に関連した、少なくとも一つのmiR遺伝子産物またはmiR遺伝子産物の組み合わせのレベルを評価することを含む。したがって、コントロールサンプルにおける対応のmiR遺伝子産物のレベルに比べて、前記生体サンプルにおけるmiR遺伝子産物またはmiR遺伝子産物の組み合わせのレベルにおける変化は、膵臓癌を発症するリスクを有する被検体の指標である。かようなスクリーニングに使用された前記生体サンプルは、正常のまたは前癌性であると疑われる膵臓組織のいずれかを含みうる。膵臓癌に関連した1つ以上のmiR遺伝子産物のレベルの変化を有する被検体は、さらなる監視および試験のための候補者である。かようなさらなる試験は、組織サンプルの組織学的検査、または当業者の範囲内での他の技術を含みうる。
本明細書に用いられる「診断」という用語は、疾患もしくは障害検出すること、または疾患もしくは障害の段階もしくは程度を決定することを意味する。通常、疾患または障害の診断は、1つ以上の因子および/または疾患の指標となる症候の評価に基づいている。つまり、診断は、疾患または症状の存在または非存在の指標である因子の、存在、非存在または量に基づいて行うことができる。特定の疾患の診断のための指標と考えられている各因子または症候は、排他的に当該特定の疾患に関連する必要がない;すなわち、診断の因子または症候から推測できる差動診断(differential diagnoses)があってもよい。同様に、特定の疾患の指標である因子または症候が、前記特定の疾患を有していない個体中に存在する場合もありうる。前記診断方法は、単独で、または特定の疾患または障害(例えば、膵臓癌)のための、医療分野に知られている他の診断および/または病期診断方法と組み合わせて使用することができる。
予後方法
上述した診断方法は、細胞増殖疾患を患っているかまたは細胞増殖疾患を発症するリスク有している被検体を同定することができる。加えて、例えば、末梢血サンプルなどの生体サンプルにおける発現レベルにおける変化および/または上述した遺伝子(またはそのサブセット)の動向は、回復またはその不足の早期兆候を提供することができる。例えば、さらなる増加(もしくは減少)または規制されていない(unregulated)遺伝子(またはダウンレギュレートされた遺伝子)の継続的に改変された遺伝子発現レベルは、予後不良、すなわち、改善または健康衰退の欠如を示す。このため、これらの遺伝子は、癌の治療後の回復を評価させることができる。遺伝子もしくはそのサブセットのこの選抜グループの分析は、当該状態の結果を示す。
本明細書に述べられた予後アッセイは、被検体が、制御されない、自律的細胞増殖に関連した疾患を治療するための薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核酸、小分子、または他の薬剤候補)と一緒に投与されるのに適しているか否かを決定するために用いることができる。例えば、かようなアッセイは、被検体が化学治療剤と共に投与されることができるか否かを決定するのに用いられる。
このため、被検体において細胞増殖性疾患のための治療を観察する方法も本発明によって提供される。この目的のために、本発明に開示された遺伝子の遺伝子発現レベルは、治療を受ける前、受ける最中、または受けた後に、被検体からの試験サンプルについて決定することができる。ベースラインレベルに比べて当該レベルにおける変化の大きさはその後評価される。治療後の変化の大きさの減少は、当該被検体が同様な治療によって更なる治療されることができることを示す。例えば、1つ以上のアップレギュレートされた遺伝子の発現レベルにおける相対的な減少は、疾患からの回復の指標である。逆に、1つ以上のアップレギュレートされた遺伝子のさらなる増加または継続的な高い発現レベルは、改善または健康衰退の欠如の指標である。
上記アッセイの実施から得られた情報は、疾患および個人の被検体の健康状態を影響する他の有害状態の予測、識別進行、並びに臨床管理に有用である。好ましい実施形態において、上記の診断アッセイは、制御されない、自律的な細胞増殖によって特徴付けられる状況の予測、識別進行、並びに臨床管理に有用な情報を提供する。前記情報は、より具体的に、苦しめられた被検体、ヒトの体からのかような状況を根絶するための化学療法または他の治療法の設計において、臨床医を支援する。
本明細書に用いられる「予後」という用語は、臨床状態または疾患の可能性の経過および転帰の予測を意味する。予後は、通常、疾患の良好なもしくは不利な経過または転帰の指標となる疾患の因子もしくは症候を評価することによって行われる。本明細書で用いられる「予後を決定すること」という語句は、当業者が、患者の症状の経過または転帰を予測することができるプロセスを指す。「予後」という用語は、100%の精度を持つ状態の経過や結果を予測する能力を指すものではなく、当業者は、用語「予後」は、一定の経過または転帰が起こる、向上した確率を意味することであると理解するだろう;つまり、これは、経過または転帰は、状態を表さない個体に比べる際に、所定の条件を示す患者で発生する可能性が高いことである。
本明細書に用いられる「好ましい予後」および「ポジティブ予後」、または「好ましくない予後」および「ネガティブ予後」は、症状または疾患の可能な経過および/または起こりそうな結果を予測するための相対的な用語である。好ましいまたはポジティブ予後は、好ましくないまたはネガティブ予後よりも、状態のより良い結果を予測する。一般的な意味では、「好ましい予後」は、特定の状態と関連することができる他の多くの可能な予後よりも比較的に良い結果であり、一方、好ましくない予後は、定の状態と関連することができる他の多くの可能な予測よりも比較的に悪い結果を予測する。好ましくまたはポジティブ予後の典型的な例として、平均治癒率よりも良く、転移のより低い傾向、期待された平均余命よりも長く、癌プロセスから良性のプロセスの差別化等が挙げられる。例えば、ポジティブ予後は、患者が治療後に特定の癌の治癒された確率が50%であるものを指し、その一方で、同じ癌を有する平均的な患者が治療後に特定の癌の治癒された確率がわずか25%である。
用語「決定」、「測定」、「評価」および「アッセイ」は、互換的に使用され、定量的および定性的測定の両方を含み、特徴、特性、または機能が存在するかどうかを決定することを含む。評価は、相対的または絶対的でありうる。標的の「存在を評価すること」は、標的の存在量を決定することだけではなく、それが存在しているかどうかを決定することを含む。
アッセイ
本発明において、バイオチップまたはアレイも提供される。前記バイオチップ/アレイは、取り付けられたプローブもしくは複数の本明細書に記載されたプローブを有する固体または半固体基板を含むことができる。前記プローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、標的配列にハイブリダイズすることができる。前記プローブは、基板上の空間的に規定されたアドレスに取り付けられてもよい。標的配列ごとに1つ以上のプローブは、重複のプローブ、または特定の標的配列の異なる部分に対応するプローブとともに使用することができる。前記プローブは、当業者によって認識された単一の疾患に関連する標的配列にハイブリダイズすることが可能である。前記プローブは、バイオチップの後の付着と共に最初に合成されてもよく、またはバイオチップ上に直接合成されてもよい。
本明細書に用いられる「付着された(Attached)」または「固定化された(immobilized)」は、核酸(例えば、プローブ)および固相担体が、前記プローブと前記固相担体との間の結合が結合、洗浄、分析、および除去の条件下で十分に安定できることを意味し得ることを指す。前記結合は、共有結合であってもよく、非共有結合であってもよい。共有結合は、プローブと固相担体との間に直接形成されてもよく、架橋剤によって、または固相担体かプローブかもしくは両方の分子において特定な反応基の介在によって形成されてもよい。非共有結合は、1つ以上の静電性、親水性、および疎水性相互作用であってもよい。担体への例えばストレプトアビジンのような分子の共有結合および前記ストレプトアビジンへのビオチン化されたプローブの非共有結合は、非共有結合に含まれる。固定化は、共有結合および非共有結合性相互作用の組み合わせも含みうる。
固体基板は、プローブの付着または会合に適した個別の部位を含むように修飾され、少なくとも1つの検出方法に適していることができる材料であることができる。かような基板の例として、ガラスおよび修飾しくは機能化されたガラス、プラスチック(アクリル、ポリスチレン及びスチレンとその他の材料との共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、テフロン(登録商標)などを含む)、多糖類、ナイロンまたはニトロセルロース、樹脂、シリカまたはシリカ系材料(シリコンおよび修飾されたシリコンを含む)、カーボン、金属、無機ガラスおよびプラスチックが挙げられる。基板は、感知できるほどの蛍光なしで光学検出を可能にすることができる。
基板は平面とすることができるが、基板のその他の形態も同様に使用できる。例えば、プローブは、流水式(flow−through)のサンプル分析のために、サンプルの体積を最小限にするように、チューブの内表面に配置されることができる。同様に、基板は、特にプラスチック製の独立気泡発泡体を含め、軟質フォームのような柔軟なものであってもよい。
アレイ/バイオチップおよびプローブは、両者のその後の付着のために、化学的官能基で誘導体化されてもよい。例えば、バイオチップは、アミノ基、カルボキシル基、オキソ基またはチオール基等を含むがこれらに限定されてない化学的官能基で誘導体化されることができる。これらの官能基を用いて、プローブは、当該プローブ上に直接的にもしくはリンカーを用いて間接的に、官能基を用いて付着することができる。プローブは、5’末端、3’末端、または内部のヌクレオチド経由によって、固相担体に付着することができる。プローブはまた、非共有結合によって固相担体に付着することができる。例えば、ストレプトアビジンで共有結合的に被覆された表面に結合できるビオチン化されたオリゴヌクレオチドを準備することができ、その結果、付着につながる。また、光重合およびフォトリソグラフィーなどの技術を用いて、前記表面にプローブを合成することができる。固相担体に核酸を結合させるための方法の詳細な論議は、例えば、米国特許第5837832号、第6087112号、第5215882号、第5707807号、第5807522号、第5958342号、第5994076号、第6004755号、第6048695号、第6060240号、第6090556号および第6040138号から見出すことができる。
いくつかの実施形態において、発現された転写産物(例えば、本明細書に記載されたマイクロRNA遺伝子の転写産物)は、核酸アレイに表される。このような実施形態において、結合部位のセットは、発現された転写産物の異なる配列セグメントに相補的な異なる核酸を持つプローブを含みうる。かような核酸の例としては、長さ15〜200塩基、20〜100塩基、25〜50塩基、40〜60塩基であるものが挙げられる。各プローブ配列は、その標的配列に相補的な配列に加えて、1つ以上のリンカー配列を含むこともできる。リンカー配列は、その標的配列に相補的な配列と、担体の表面との間にある配列である。例えば、本発明の核酸アレイは、各標的マイクロRNA遺伝子に特異的な1つのプローブを有することができる。なお、所望があれば、核酸アレイは、いくつかの発現された転写産物(例えば、本明細書に記載されたマイクロRNA遺伝子の転写産物、例えば、配列番号:1〜6)に特異的な少なくとも5、10、100、200、300、400、500以上のプローブを含むことができる。
キット
他の態様において、本発明は、本発明に記載されたマイクロRNA遺伝子発現解析のための方法、組成物およびシステムを具現化するキットを提供する。
かようなキットは、以下のいずれかまたは全てと一緒に本明細書に記載された核酸を含みうる:アッセイ試薬、バッファ、プローブおよび/またはプライマー、および滅菌生理食塩水またはその他の製薬上許容できるエマルションおよびサスペンションベース。さらに、キットは、本明細書に記載の方法を実施するための指示(例えば、プロトコール)を含む教材を含んでもよい。例えば、キットは、標的マイクロRNA配列の増幅、検出、同定または定量するためのキットであってもよい。そのために、キットは、適切なプライマー(例えば、ヘアピンプライマー)、順方向プライマー、逆方向プライマー、およびプローブを含んでもよい。
一実施例では、本発明のキットは、異なる複数の核酸(それぞれ上述した遺伝子の一つに対応する)が配置されている、1つ以上のマイクロアレイスライド(または代替のマイクロアレイフォーマット)を含む。キットは、複数の標識されたプローブを含むこともできる。また、キットは、プローブとして適している複数のポリヌクレオチド配列、および前記含まれたポリヌクレオチド配列、または当業者の裁量によるその他のポリヌクレオチド配列をカスタマイズするのに適している標識の選択を含みうる。通常、少なくとも1つの含まれたポリヌクレオチド配列は、例えば標準化遺伝子などのコントロール配列に相当する。例示的な標識は、核酸プライマーに連結し、フルオロフォア、染料、放射性標識、酵素タグなどを含むがこれらに限定されない。
一実施形態において、発現されたRNAサンプルに対応する核酸を増幅するのに適しているキットが提供される。かようなキットは、本明細書に記載の任意の増幅方法に用いるのに適している試薬およびプライマーを含む。またもしくはさらに、キットは、プローブと標的核酸サンプル(例えば、マイクロアレイ上に配置された)との間のハイブリダイゼーションに対応するシグナルを増幅するのに適している。
また、遺伝子発現解析のための生体サンプルを準備するために必要な1つ以上の材料および/または試薬は、必要に応じて前記キットに含まれる。さらに、核酸を増幅するのに適しており、様々なポリメラーゼ(RT、Taq、など)を含む1つ以上の酵素、1つ以上のデオキシヌクレオチド、およびバッファは、任意に前記キットに含まれ、増幅のための必要な反応混合物を提供する。
一般的に、キットは、出発テンプレートとして、マイクロRNAを用いる遺伝子発現パターンを分析するために使用される。前記mRNAテンプレートは、全細胞RNAまたは単離されたマイクロRNAのいずれかとして表現されてもよく、サンプルの両方のタイプが類似な結果を生み出す。他の実施形態において、本発明に記載の方法およびキットは、tRNA、rRNA、または他の転写産物を含む遺伝子発現のその他の製品の定量化を可能にする。
任意で、本発明のキットは、データの生成、解析および/または貯蔵を促進し、データベースへのアクセスを容易にするためのソフトウェアをさらに含む。前記ソフトウェアは、論理演算命令、命令セット、またはデータの収集、保管及び/又は分析に用いることができる適切なコンピュータプログラムを含む。データの比較および相関解析は、提供されたソフトウェアを用いて実行できる。
キットは、必要に応じて、各個別の試薬および/または酵素成分に対して、個別の容器を含む。各成分は、一般的にそれぞれの容器に等分されることに適しているであろう。前記キットの容器は、任意に少なくとも1つのバイアル、アンプル、または試験管を含む。フラスコ、ボトルおよびその中に試薬が配置および/または当分されるその他の容器装置も適用できる。キットの個別な容器は、市販のために厳重管理されることが好ましい。適当な大きな容器は、注射または所望のバイアルが保持されるブロー成形プラスチック容器を含むことができる。本発明のキットの使用を詳細に記載する指示書またはビデオテープに録画された実物説明等の説明書は、必要に応じてキット中に提供される。
さらなる一態様において、本発明は、本明細書に記載の任意の組成物またはキットの使用、本明細書に記載の任意の方法またはアッセイの実施、および/または本明細書に記載の任意のアッセイまたは方法を実施するための任意の装置またはキットの使用を提供する。
「被検体」は、ヒトまたは非ヒト動物を意味する。非ヒト動物の例としては、全ての脊椎動物が挙げられ、例えば、人間以外の哺乳類、人間以外の霊長類(特に、高等霊長類)、イヌ、齧歯動物(例えば、マウスまたはラット)、モルモット、ネコ、およびラビットなどの哺乳動物、並びに鳥類、両生類、爬虫類などの非哺乳類が挙げられる。一実施形態において、前記被検体は、ヒトである。他の実施形態において、前記被検体は、実験的な、疾患モデルとして適した非ヒト動物または動物である。
本明細書に用いられる「試験サンプル」または「生体サンプル」は、核酸を含む生体組織または体液のサンプルを意味する。かようなサンプルは、動物から単離された組織または体液を含むが、これらに限定されない。生体サンプルは、生検および剖検サンプルのような組織の切片、組織学的目的のために採取された凍結切片、血液、血漿、血清、痰、便、涙、粘液、尿、胸水、羊水、腹水、毛髪、及び皮膚も含みうる。生体サンプルはまた、患者に由来する外植片および初代のおよび/または形質転換された細胞培養物を含む。生体サンプルは、動物から細胞のサンプルを除去することによって提供されることができるが、事前に単離された細胞(例えば、別の時間で、および/または別の目的で、別の人によって単離された)を用いることによっても達成することができ、またはインビボで本明細書に記載の方法を行なうことによって提供されうる。そのような処置または転帰履歴を有するもののような保管組織(Archival tissues)を使用してもよい。
用語「体液(body fluid)」または「体液(bodily fluid)」は、動物の体からの任意の液体を意味する。体液の例として、血漿、血清、血液、リンパ液、脳脊髄液、滑液、尿、唾液、粘液、痰(phlegm)および痰(sputum)が挙げられるが、これらに限定されない。任意の適切な方法によって体液を集めることができる。体液サンプルは、直ちに使用されてもよく、その後の使用のために保存されてもよい。当技術分野で公知の任意の適切な方法は、体液サンプルを保存するために使用できる:例えば、約−20℃から約−70℃でサンプルを凍結することができる。適切な体液の無細胞流体(acellular fluid)である。「無細胞」流体は、中に細胞が存在しないまたは決定されたmiRNAのレベルが細胞の一部分というよりもむしろサンプルの液体部分においてそのレベルを反映するような低い量で存在する体液サンプルを含む。かような無細胞体液は、一般的に細胞含有体液を処理することによって製造することができ、例えば細胞除去するために遠心分離または濾過によって行うことができる。一般的に、無細胞体液は、無傷の細胞を含まないが、細胞片または細胞残屑を含みうる。無細胞流体の例として、血漿もしくは血清、または細胞が除去された体液が挙げられる。
本明細書に用いられる用語「遺伝子」は、天然の(例えば、ゲノム)または転写および/または翻訳調節配列および/またはコード領域および/または非翻訳配列(例えば、イントロン、5’−および3’−非翻訳配列)を含む合成的な遺伝子を意味する。遺伝子のコード領域は、アミノ酸配列またはtRNA、rRNA、触媒RNA、siRNA、miRNAもしくはアンチセンスRNAのような機能性RNAにコードするためのヌクレオチド配列であることができる。遺伝子は、必要に応じて、それに連結する5’−または3’−非翻訳配列を含むコード領域(例えば、エクソンおよびmiRNA)に対応するmRNAまたはcDNAであってもよい。遺伝子はまた、コード領域および/またはそれに連結する5’−もしくは3’−非翻訳配列の全てまたは一部を含み、インビトロで生成され増幅された核酸分子であってもよい。当該用語は、タンパクをコードする能力を失っているまたは細胞内に更なる発現ができないことが知られている遺伝子の機能不全の類似物である、偽遺伝子(pseudogenes)も含む。
「発現プロファイル」は、例えば、マイクロRNAsの発現プロファイルなどの遺伝子発現プロファイルを意味する。核酸配列のレベルを決定するための任意の便利な手段によって生成することができ、例えば、マイクロRNA、cRNAなどの定量的なハイブリダイゼーション、定量的PCR、定量化のためのELISA等によって生成でき、2つのサンプル間で異なる遺伝子発現解析を可能にすることができる。被検体または患者サンプル、例えば、細胞または組織などのそのコレクション、はアッセイされる。試料は、当技術分野で公知の任意の簡便な方法によって回収される。目的の核酸配列は、予測できる核酸配列であり、本発明に記載の核酸配列を含み、そこで、発現プロファイルは、列挙された核酸配列の全てを含み、5、10、20、25、50、100またはそれ以上の発現データを含むことができる。用語「発現プロファイル」はまた、測定サンプル中の核酸配列の存在量を測定することを意味することができる。
「差次的発現」は、細胞内および組織内並びにそれらの間の、一時的なおよび/または細胞の遺伝子発現パターンにおける定量的または定性的な差を意味する。このため、示差的に発現された遺伝子は、正常対疾患組織において活性化または不活性化を含み、定性的にその変化された発現を有することができる。遺伝子は、特定な状態下でスイッチオン(turned on)またはスイッチオフ(turned off)されることができ、他の状態と比較すると2以上の状態の比較を可能にすることができる。定性的にレギュレートされた遺伝子は、標準的な技術により検出可能な状態または細胞型内において、発現パターンを示すことになる。いくつかの遺伝子は、1つの状態または細胞型内において発現されるが、両方ではできない。また、発現における差は、定量的であることができ、例えば、調節された、転写産物の量の増加をもたらすアップレギュレート、または転写産物の量の減少をもたらすダウンレギュレートの発現がある。異なる発現に対する度合いは、発現アレイ、定量的逆転写酵素PCR、ノザン解析、およびRNase保護などの標準的な特性評価技術を介して、定量化するのに十分な大きさのみが必要とされている。
本明細書に用いられる「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、少なくとも2つのヌクレオチドが互いに共有結合されたものを意味する。一本鎖の説明は、その相補鎖の配列も定義する。このため、核酸は、描写された一本鎖の相補鎖も含む。核酸の様々な変異体は、所定の核酸と同じ目的で使用されうる。このため、核酸は、実質的に同一の核酸およびその相補体も含む。一本鎖は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的配列にハイブリダイズし得るプローブを提供する。したがって、核酸は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするプローブも含む。
核酸は、一本鎖もしくは二重鎖であってもよく、または両方の二重鎖および一本鎖配列の一部であってもよい。核酸は、DNA、ゲノムおよびcDNAの両方、RNA、または核酸がデオキシリボ−およびリボ−ヌクレオチドの組み合わせ、並びにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシンおよびイソグアニンを含む塩基の組み合わせを含みうるハイブリッドでありうる。化学的な合成法または組換え法によって核酸を得ることができる。
「プライマー」は、相補的な核酸分子への3’末端でハイブリダイズすることができ、かつ核酸ポリメラーゼによって伸長することができるフリーの3’ヒドロキシ末端を提供する任意の核酸を意味する。本明細書に用いられる増幅プライマーは、遺伝子の5’または3’領域にアニールすることができ(それぞれプラスおよびマイナスストランド、逆もまた同じ)、その間に短い領域を含む一対の核酸分子である。適切な条件下でおよび適切な試薬を用いて、かようなプライマーは、当該プライマーに隣接するヌクレオチド配列を有する核酸の増幅を可能にする。本来の方法(in situ methods)では、細胞または組織サンプルを準備し、スライドガラスのような担体上に固定し、その後RNAへハイブリダイズできるプローブと接触させることができる。発現されたRNAサンプルに対応する核酸を増幅するための代替の方法としては、例えば米国特許第7,897,750号に開示されたものが挙げられる。
本明細書で用いられる用語「プローブ」は、1つ種類以上の化学結合を介して、通常相補的な塩基対を介して、通常水素結合を介して、相補配列の標的核酸に結合できるオリゴヌクレオチドを意味する。プローブは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーに応じて、プローブ配列との完全な相補性を欠く標的配列を結合することができる。本明細書に記載の標的配列と一本鎖核酸との間のハイブリダイゼーションを妨害する、任意の数のミスマッチ塩基対が存在してもよい。しかし、少なくともストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下においてもハイブリダイゼーションが起こらないほど変異の数が大きい場合は、当該配列は、相補的な標的配列ではない。プローブは、一本鎖または部分的な一本鎖および部分的な二本鎖であってもよい。プローブの鎖数は、標的配列の構造、組成、および特性によって決定される。プローブは、直接的に標識されてもよく、例えばその後に結合できるストレプトアビジン複合体にビオチンで間接的に標識されてもよい。
本明細書で用いられる「相補体」または「相補的」は、核酸分子のヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの間にワトソン−クリック(例えば、A−T/UおよびC−G)またはフーグスティーン塩基対を形成できる核酸を意味する。完全な相補体また完全に相補的は、核酸分子のヌクレオチドまたはヌクレオチドアナログの間で100%の相補的な塩基対を形成することを意味する。
本明細書で用いられる「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、例えば、核酸の複合混合物中において、第1の核酸配列(例えば、プローブ)が第2の核酸配列(例えば、標的)にハイブリダイズする条件を意味する。ストリンジェントな条件は、配列依存であり、異なる環境下で異なり、当業者によって適宜に選択することができる。ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて、特定の配列に対する熱的溶解温度(Tm)よりも約5〜10℃低くなるように選択することができる。前記Tmは、(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下で)標的に相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度でありうる(標的配列が過剰に存在するため、Tmでは、プローブの50%が平衡状態で占有される)。ストリンジェントな条件は、塩濃度が約1.0Mナトリウムイオン未満であり、例えば、pH7.0〜8.3で、約0.01〜1.0Mナトリウムイオン濃度(またはその他の塩)であり、温度が、短いプローブ(例えば、約10〜50ヌクレオチド)に対して少なくとも約30℃であり、長いプローブ(例えば、約50ヌクレオチドよりも長い)に対して少なくとも60℃である条件でありうる。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドなどの不安定化剤の添加によって達成され得る。選択的または特異的なハイブリダイゼーションについて、陽性シグナルは少なくとも2〜10倍のバックグラウンドハイブリダイゼーションであろう。典型的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は以下のようである:50%のホルムアミド、5xSSC、および1%のSDS、42°Cでインキュベート、または、5xSSC、1%のSDS,65°Cでインキュベート、65°Cで0.2xSSCおよび0.1%のSDS中に洗浄。しかし、温度以外のいくつかの因子(例えば、塩濃度)はハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を与えることができ、当業者は、適宜に因子を選択し、類似のストリンジェンシーを達成することができる。
本明細書に用いられる「基準値」は、アッセイの結果と比較する場合に、統計的に特定の転帰と相関する値を意味する。好ましい実施形態において、基準値は、マイクロRNAの発現を既知の臨床転帰と比較する研究の統計分析から決定される。基準値は、閾値スコア値またはカットオフスコア値であってもよい。通常、基準値は、閾値より高い(または低い)値でありうり、この場合は1つの結果がより確かであり、低い場合は代替の閾値がより確かである。
一実施形態において、基準レベルは、健康(無病の)被検体のコントロール集団から得られたサンプルからの循環(circulating)miRNAのレベルの平均値として、1つ以上の発現された循環miRNAのレベルでありうる。他の実施態様において、基準レベルは、例えば、本発明のアッセイの前に、異なる期間の同じ被検体におけるレベルであることができ、例えば被検体が疾患を患う前または治療開始前に決定されたレベルである。一般的に、サンプルは、共通因子によって標準化される。例えば、無細胞体液サンプルは、体積体液によって標準化され、細胞含有サンプルは、タンパク質含有量または細胞数によって標準化される。核酸サンプルも内部コントロール核酸に対して標準化されうる。
本明細書中に開示されるように、1つ以上のマイクロRNAのレベルの差は、疾患またはその段階の指標である。語句「レベルの差」は、特定のマーカーの(例えば、サンプルにおいてコントロールまた基準レベルと比較する核酸)量の差を意味する。例えば、特定のバイオマーカーの量は、基準レベルと比較して、腫瘍性疾患を有する患者のサンプル中に上昇した量でまたは減少量で存在してもよい。一実施形態において、「レベルの差」は、コントロール(例えば、基準値)と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、5%、10%の、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、75%、80%、100%、150%、200%、またはそれ以上である、サンプルに存在する特定のバイオマーカーの量の間の差であることができる。一実施形態において、「レベルの差」は、コントロールと比較して、サンプル中に存在するバイオマーカーの量の間の統計的に有意な差であってもよい。例えば、バイオマーカーの測定レベルが、任意のコントロールまたは基準群の平均の約1.0標準偏差、約1.5標準偏差、約2.0標準偏差、または約2.5標準偏差の外にある場合では、差は統計学的に有意である。miRNAの測定に関して、前記レベルは、Ct値としてリアルタイムPCRから測定することができ、以下の実施例に記載されるようにΔCt値に標準化することができる。
実施例1
この実施例において、マイクロRNAマイクロアレイスクリーニングは、発現レベルが変化した膵臓癌患者のマイクロRNAを同定するために行われた。
簡単に説明すると、全RNAは、30人の血清サンプルから単離され、今までに利用可能な現在のmiRNA配列情報、サンガーmiRBaseリリース16(http://www.mirbase.org/cgi-bin/mirna_summary.pl?org=hsa)をサンプリングするように設計されたマイクロアレイを用いて、グロバールmiRNAプロファイリングを行った。当該マイクロアレイは、ほぼ1000個のヒトmiRNA配列を検出するように設計された。当該血清サンプルは、10人の健康被検体、10人の膵臓癌患者(ステージ2A/2Bの膵臓癌を有する9人および神経内分泌腫瘍を有する1人を含む)、および10人のハイリスク被検体に由来した。
具体的には、2,576個のヒトmiRNAをスクリーニングした。約290個のヒト血清miRNAが高い強度を示し、カットオフ閾値を満たしたことが分かった。これらのうち、116個のmiRNAsは、膵臓癌血漿のための重要なマイクロRNAシグネチャーとして同定された。下記の表2を参照すると、116個のmiRNAは、膵臓癌と健康コントロールとの間またはハイリスクグループと健康コントロールとの間の倍率変化(Fold Change)における有意性に基づきランク付けされた。これらの116個の有意なmi−RNAにおいて、少なくとも上位30のmiRNAsは約2倍以上の変化(アップまたはダウン)を示した。
さらに、表2に示されるように、マイクロRNAは、それらの「膵臓癌と健康コントロールとの間の倍率変化」の値に基づき、2つのパネルにグループ化することができる。具体的には、第1のパネルにおけるマイクロRNAsは、膵臓癌患者においてアップレギュレートされたものであり、それらの「膵臓癌および健康コントロールの倍率変化」の値が1.0超であり;第2のパネルにおけるマイクロRNAsは、膵臓癌患者においてダウンレギュレートされたものであり、それらの「膵臓癌および健康コントロールの倍率変化」の値が1.0未満である。
16個のmiRNAs(倍率およびp値に基づく)を用いて、監視されていないクラスタリングは、大部分(8/9)膵臓癌被検体が健康被検体から分離されたことを示した。図1参照。単独の膵臓神経内分泌腫瘍は健康被検体のクラスタ内で分離されたことも分かった。
さらに、12個のmiRNAの候補miRNAシグネチャーは、健康被検体から膵臓癌被検体を区別できることが確認された。このシグネチャーは、健康被検体と比較して膵臓癌被検体において、後述の基準をもとに同定された:(i)アップレギュレートされた>3.1倍、(ii)p−値<0.005、(iii)感度:>77%(癌被検体を検出するために)、および(iv)感度:>70(予備受信者動作特性(ROC)分析に基づいて検討被検体を検出するために)。この12個体のmiRNAsの候補miRNAシグネチャーは、従来Bloomston et al., JAMA 2007;297:1901−8; Szafranska et al., Oncogene 2007;26:4442−52; Szafranska et al., Clin Chem. 2008;54:1716−24;およびLee et al., Int J Cancer. 2007;120:1046−54に報告されたmiRNAsと異なる。前記論文に開示されたこれらのmiRNAsは、miRBaseの早期リリースに基いたより少量のマイクロRNAsを検出するために設計されたプローブを用いて、末期被検体の膵臓癌生体検査のマイクロアレイ分析から同定された。
実施例2
上述したマイクロアレイデータは、事実上定性的である。その結果を、RTqPCRのような定量的な照合に導入することが重要である。このため、この実施例において、血液ベースのマイクロRNAバイオマーカーとしてシグネチャーマイクロRNAを同定するという目標を達成するように、独立した方法により、上述した12個のマイクロRNAsを確認するために、アッセイを行った。
そのために、TaqMan(商標)マイクロRNAアッセイ(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティ、CA)を、拡張したサンプルプールにおけるマイクロRNAを検証するために使用した。以下に概説される研究サンプルを拡張させること(Expanding)は、より検証およびデータ分析のための新たなコホートのために許される。具体的に、30のステージ2A/2B膵臓癌、10のハイリスク被検体、10の無関係の悪性腫瘍、5つの膵臓の良性嚢胞性腫瘍、5つの慢性膵炎、および5つの健康ボランティアを含む追加の65人の被検体からの血液の分析である。
特に興味深いことに、前記ハイリスクコホートの包含は、早期診断に重要な見識を得るための重要な有用性を有する。約10%の膵臓癌の起源は遺伝性であり(Klein et al. Cancer J 2001;7:266−73; Bartsch et al. Int J Cancer 2004;110:902−6;およびHemminki et al. Int J Cancer 2003;103:525−30)、いくつかの個体における膵臓癌の生涯リスクは約50%であるため、スクリーニングおよび監視のためのマイクロRNAシグネチャーは、重要になりうる。
簡潔に、各患者から全血液を得て、標準的な方法を用いて血漿を抽出した。そして、miRNA発現分析のためにリアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応(リアルタイムqPCR)が実行された。上述したmiRsのレベルは、TaqManマイクロRNAアッセイプロトコール(アプライドバイオシステムズ、フォスターシティ、CA)に従い、遺伝子特異的なTaqMan(商標)マイナーグルーブ結合(MGB)プライマーを用いて、ステムループリアルタイムqPCRによって決定した。
各miRNAは、トリプリケート(triplicate)で個別に増幅された。デフォルトの閾値設定は、閾値サイクル(CT)を決定するために用いられた。miRNA発現の相対的な定量化のために比較CT法(2−ΔCT)を用いた。MiR−3196のmiRNAが最小限の変動を示したため、MiR−3196をレファレンス(normalizer)として用いた。各miRNAの相対的な発現レベルは、前記レファレンスと比較して、式2−ΔCTを用いて計算した。この際、ΔCTは各標的遺伝子と前記レファレンスとの差を表す(前記標的の平均CT−(マイナス)miR−3196の平均CT)。データ処理の手順は以下に示される:
1.RT−PCRプレートの384ウェルおよび96ウェルの生CT値は、RQマネージャー1.2.1からエクスポートされ、「生」の値を得て、これらは「qPCR_miR*」タブに示された。
2.エクセルの式は、「Raw_CTs」値を得るように、「生」データからCT値を引くために用いられた。
3.「調整−CTs」値を得るために不確定のウェルを「ND」と置き換え、384ウェルおよび96ウェルデータの相関を算出した。
4.各サンプルについて、サンプル平均値は、トリプリケートのデータ点を平均することによって計算され、「ND」は、「平均CTs」値を得るために、最小の検出されたCT値(CT――>40)と置き換えられた。
5.全サンプル中に低い標準偏差(low stdevs)を有するmiR−3196は、標準化コントロールmiRNAとして選ばれた。
6.各miRNAについて、標準化コントロールを含めて全サンプルのmiRNAを計算した。
7.各サンプルについて、「ΔCT」値を得るために、サンプルCT値から、標準化コントロール(miR−3196)の平均CTを差し引いた。
8.miRNA平均の「ΔCT」値を得るために、各miRNA平均から、標準化コントロールの総平均(grand mean)を差し引いた。
9.各サンプルについて、「ΔΔCT」値を得るために、サンプル「ΔCT」値から、miRNA平均の「ΔCT」値を差し引いた。
10.相対定量(RQ)は、RQ=2^−(ΔΔCT)式を用いて、「RQ」タブに示された「ΔΔCT」値を用いて、計算された。
11.ANOVAテスト結果(以下の統計解析ボックスを参照)も「RQ」タブに示された。
統計解析のために、ANOVA分析は、Rから一元(one−way)ANOVAパッケージに基づいて用いられた。各miRNAについて、anovaは、3つ異なる群(癌、健康コントロールおよびハイリスク)をわたってテストした。RTQ−PCRおよびマイクロアレイの両方からの標準化データセットは、「RTQPCR−マイクロアレイ−比較」のために用いられた。「ΔCT」値は、RQPCRのための標準化されたデータセットとして用いられた。結果は下記表3に示される。表に示されたように、miR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7、およびmiR−885−5pは、健康コントロールよりも癌患者において、より高い発現レベルを示した。
前記実施例および好ましい実施形態の説明は本発明を限定するものでなく、本発明は特許請求の範囲によって規定されると受け止められるべきである。容易に認識されるように、上記の態様の多くの変更および組み合わせが、特許請求の範囲に記載される本発明から逸脱しない限り利用できる。このような変更は本発明の範囲および概念から逸脱しないものとみなされ、すべてのこのような変更は下記特許請求の範囲の範囲に含まれると解される。引用されるすべての参考文献は、その全体が本明細書中に参考として援用される。

Claims (16)

  1. 被検体が膵臓癌を患っているか、または膵臓癌を発症するリスクを有しているかが判定されるための方法であって、前記被験体から得たサンプルにおいて、miR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7およびmiR−885−5pからなるアップレギュレートされたマイクロRNAsのパネルから選択された第1のマイクロRNAの発現レベルをPCRによって決定すること、および前記パネルから選択された第2のマイクロRNAの発現レベルをPCRによって決定することを含み、
    前記第1のマイクロRNAは、miR−18aであり、前記第2のマイクロRNAが前記第1のマイクロRNAと異なり、
    前記第1のマイクロRNAの発現レベルが当該第1のマイクロRNAの所定の基準値を超え、および前記第2のマイクロRNAの発現レベルが当該第2のマイクロRNAの所定の基準値を超えると、前記被検体が、前記膵臓癌を患っているか、または前記膵臓癌を発症するリスクを有していると判定される、方法。
  2. 前記第1のマイクロRNAの所定の基準値が、前記膵臓癌を患っていないコントロール被検体から得られる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被検体が、前記膵臓癌を発症するリスクの高いものである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記サンプルが、体液サンプルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記サンプルが、血液、血清、および血漿からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記サンプルが、血液サンプルである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記サンプルが、膵臓組織、膵臓腫瘍、膵臓細胞、または膵液を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法
  8. 前記第2のマイクロRNAの所定の基準値が、前記膵臓癌を患っていないコントロール被検体から得られる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 被検体が膵臓癌を患っているか、または膵臓癌を発症するリスクを有しているかが判断されるためのアレイであって、
    複数のユニーク場所、ならびに
    (i)アップレギュレートされたマイクロRNAsの第1のパネルから選択された第1のマイクロRNAに相補的な配列を有する第1の核酸、この際、前記第1のマイクロRNAがmiR−18aであり;
    (ii)前記第1のパネルから選択され、かつ前記第1のマイクロRNAと異なる第2のマイクロRNAに相補的な配列を有する第2の核酸、この際、前記第1のパネルがmiR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7、およびmiR−885−5pを含み;および
    (iii)少なくとも一つの、ダウンレギュレートされたマイクロRNAsの第2のパネルから選択されたマイクロRNAに相補的な配列を有する核酸の、
    任意の組み合わせを有する担体を含み、
    この際、各核酸は前記担体のユニーク場所に固定されている、アレイ。
  10. 前記ダウンレギュレートされたマイクロRNAsの第2のパネルが、表2に列挙したものから選択される、請求項9に記載のアレイ。
  11. 前記核酸が、配列番号:1〜6からなる群より選択された配列に相補的である、請求項9に記載のアレイ。
  12. 被検体が膵臓癌を患っているか、または膵臓癌を発症するリスクを有しているかが判断されるためのキットであって、
    (i)PCRの測定でアップレギュレートされたマイクロRNAsの第1のパネルから選択された第1のマイクロRNAの配列に相補的である核酸配列を有する第1のプローブ、または前記第1のマイクロRNAを増幅するための第1の一対のPCRプライマー、この際、前記第1のマイクロRNAがmiR−18aであり、および
    (ii)PCRの測定でアップレギュレートされたマイクロRNAsの第1のパネルから選択され、かつ前記第1のマイクロRNAと異なる第2のマイクロRNAの配列に相補的である核酸配列を有する第2のプローブ、または前記第2のマイクロRNAを増幅するための第2の一対のPCRプライマーを含み、
    この際、前記第1のパネルがmiR−18a、miR−22、miR−486、miR−642b、miR−7、およびmiR−885−5pを含む、キット。
  13. ハイブリダイゼーションを行うための試薬をさらに含む、請求項12に記載のキット。
  14. PCRを行うための試薬をさらに含む、請求項12に記載のキット。
  15. 前記プローブが、配列番号:1〜6からなる群より選択された配列に相補的である、請求項12に記載のキット。
  16. 前記キットが、請求項9〜11のいずれか1項に記載のアレイを含む、請求項12に記載のキット。
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