JP6407133B2 - 通信品質劣化検出システム、通信品質劣化検出方法、及びプログラム - Google Patents

通信品質劣化検出システム、通信品質劣化検出方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、移動体通信網等の通信網における通信品質の劣化を検出する技術に関連するものである。
移動体通信網が広く利用されるに従い、通信品質の改善を目的として、通信網内の品質劣化を早期に検出することが求められている。
通信網上で提供されるサービスの多くは、ユーザ端末とサーバ間のデータ授受に関して、データを一定のサイズ(パケット)に分割して転送するパケットベースの通信方式"TCP/IP"が主に用いられる。パケットベースのデータ通信では、通信経路上のパケット輻輳や通信ノード・リンクの故障等、通信網内で異常が生じると、ユーザ端末・サーバに対して、"パケットが届かない(パケット損失)"もしくは"パケットの到着に時間がかかる(到着遅延)"といった形で通信品質劣化の症状が現れる。
移動体通信網では、上記のような輻輳・故障以外にも、無線区間でのパケット損失をTCP/IPの下位レイヤであるRLC(Radio Link Control)で再送対応していることにより、パケット遅延がより発生しやすい環境であり、到着遅延として現れる通信品質劣化を検出し、無線リソースの増設、又は制御といった対応策を実施することが、移動体通信網を運用する観点から重要となる。移動体通信網では、RLCレイヤにおけるパケット再送に加えて、ユーザ端末が基地局間を移動することによって通信経路が変わるローミングや、基地局の無線リソースを多くのユーザ端末で再利用していることにより、固定通信網と比較してバースト的な遅延が生じやすい環境になっている。
通信網上の品質を把握する方法として、端末−サーバ間でping、netperf、pathchar(非特許文献1〜3)等の各種測定ツールを用いて能動的に測定するアプローチがある。これらの測定ツールを測定対象となる端末もしくはサーバにインストールし実行することで、測定用の特殊なパケットを通信網上に流すことが可能となり、通信網内に新たな装置を導入する等の変更を加えることなく、通信網上における到着遅延やパケット損失等の通信品質を測定することが可能となる。
一方で、通信網上を流れるデータパケットを収集することで、通信品質劣化を検出する方法も考えられる。通信網内に測定用の環境を加えることで、通信網内の端末−サーバ間の通信品質を監視し、可視化するといった仕組み(NetFlow,DPI:Deep Packet Inspection等)を利用して、通信網内で通信品質が予め定めた閾値を超えた通信が発生した場合に、オペレータに通知し詳細な調査対策を促す。これにより、オペレータ自身による定期的な通信品質測定が不要となり、管理に必要な人員コストを削減しつつ、通信網上の品質を維持することが可能となる。
ping Man Page | Bash | SS64.com, "http://ss64.com/bash/ping.html".(平成27年11月25日検索) The Netperf Homepage,"http://www.netperf.org/netperf/". (平成27年11月25日検索) Pathchar - Caida, "https://www.caida.org/tools/utilities/others/pathchar/". (平成27年11月25日検索)
測定ツールによる通信品質の把握に関しては、ユーザ端末に測定ツールをインストールする手間や、測定時には専用のパケットが通信網上を流れるといった点から、既にサービス運用している通信網を利用している全端末に適用し、通信網全体の通信品質を把握することは困難であり、適用範囲は時間・場所の面で限定的になると見られる。
一方で、NetFlowやDPI等により、通信網上を流れるデータパケットを収集し利用することで、通信品質劣化を検出するアプローチについては、通信網内に測定用の環境を加えるためのコストを要するが、端末への専用ツールインストール導入等に発生するコストは避けられるため、測定ツールによるアプローチより、既設の通信網に導入しやすいと考えられる。
しかし、移動体通信網を対象にデータパケットを直接利用して通信品質劣化を検出するアプローチにおいて、パケット遅延の要因として、従来のもの(有線区間における通信ノードのバッファ輻輳等による転送遅延)に加えて、無線区間特有のものが含まれる。無線区間におけるパケット再送、ローミング、無線リソース再割り当て時におけるパケット遅延は、対象となる無線範囲内における移動体通信端末の一時的な過密化、移動等により、バースト的なパケット遅延現象となって現れる。これらのバースト的な遅延が、有線区間における従来の遅延要因に上乗せされるため、遅延時間の閾値を用いた単純な通信品質劣化判定では、無線区間特有の要因と従来の要因の切り分けが難しくなる。
ここで、無線区間と有線区間の分界点となる基地局に、データパケットを監視する仕組みを導入することにより、無線区間特有のパケット遅延を検出することが可能になると見込まれる。しかし、全国規模の移動体通信網では基地局数も数万単位と多く、これら全ての基地局にパケット監視の仕組みを導入し、各基地局における監視結果を管理しオペレータに通知するシステムを構築するために要するコストは大きいと考えられる。
移動体通信網では、無線資源が有限であるため、地域ごとの通信品質状況を把握しつつ、基地局の配置やアンテナの設定等による無線リソースの最適化を行うことが重要であり、そのために、パケット監視ポイントの数を抑えつつ、無線区間が原因と想定される通信品質劣化を検出する手段が必要と考えられる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、通信網におけるパケット監視ポイントの数を抑えて、当該通信網における通信品質劣化を検出することを可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態によれば、パケットの送受信がなされる通信網における通信品質劣化の有無を判定する通信品質劣化検出システムであって、
前記通信網において送受信されるパケットから抽出された時間データの集合であって、パケットの遅延に関する品質を示す時間データの集合を保持する記憶部と、
前記時間データの集合から時間データの累積補分布を作成し、当該累積補分布の値を対数変換し、対数変換後の分布から導出した線形近似直線の傾きと、所定の閾値とを比較することにより、前記通信網における通信品質劣化の有無を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする通信品質劣化検出システムが提供される。
また、本発明の実施の形態によれば、パケットの送受信がなされる通信網における通信品質劣化の有無を判定する通信品質劣化検出システムが実行する通信品質劣化検出方法であって、
前記通信品質劣化検出システムは、前記通信網において送受信されるパケットから抽出された時間データの集合であって、パケットの遅延に関する品質を示す時間データの集合を保持する記憶部を備え、前記通信品質劣化検出方法は、
前記時間データの集合から時間データの累積補分布を作成し、当該累積補分布の値を対数変換し、対数変換後の分布から導出した線形近似直線の傾きと、所定の閾値とを比較することにより、前記通信網における通信品質劣化の有無を判定する判定ステップ
を備えることを特徴とする通信品質劣化検出方法が提供される。
本発明の実施の形態によれば、通信網におけるパケット監視ポイントの数を抑えて、当該通信網における通信品質劣化を検出することを可能とする技術が提供される。
本発明の実施の形態におけるシステムの全体構成図である。 セッションデータの構成例を示す図である。 データ収集装置100、通信品質劣化検出装置200、及び移動体通信端末300の機能構成を示す図である。 セッションデータ抽出部110の全体動作を示すフローチャートである。 セッションデータ抽出フローの詳細手順を示すフローチャートである。 パケット到着間隔、RTTを算出する処理を示すフローチャートである。 経路情報導出部120の動作を示すフローチャートである。 検出装置起動部130の動作を示すフローチャートである。 通信品質劣化発生判定部210の動作を示すフローチャートである。 通信品質劣化範囲特定部220の動作を示すフローチャートである。 セッションデータ・経路情報の分割手順のイメージを示す図である。 端末セッション管理部310の動作を示すフローチャートである。 動作例における体感評価毎のセッション数を示す図である。 全セッションのパケット到着間隔を基にした累積補分布を示す図である。 図14の累積補分布に対し、YA=2秒を示す点線を引いた図である。 図14の累積補分布に対し、2秒以上(log X≧0.3)のデータを基に線形近似を行ったことを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(本実施の形態)を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態では、管理対象を移動体通信網としているが、本発明を適用できる通信網は移動体通信網に限定されるわけではなく、他の種類の通信網を管理対象としてもよい。
(システム全体構成)
図1に、本実施の形態におけるシステムの全体構成図を示す。本実施の形態では、本発明を移動体通信網10へ適用することを想定している。図1に示すように、本実施の形態におけるシステムは、当該移動体通信網10にデータ収集装置100が接続され、当該データ収集装置100に通信品質劣化検出装置200が接続された構成を有する。
移動体通信網10は、基地局11と通信ノード12とを光ファイバ、メタルケーブル等の有線で接続された状態で構成されている。移動体通信端末300は基地局11と無線で接続し、移動体通信網10を介して、外部ネットワーク20上のサーバ30と通信を行う。なお、図1に示すように、基地局、通信ノード、移動体通信端末はそれぞれ複数台あるが、符号(11、12、300)は、それぞれ1つに付している。
移動体通信網10では移動体通信端末300がどの基地局11に接続しているかを管理しており、移動体通信網10内の端末情報DB14に[端末識別子(IPアドレス),基地局識別子]のような形式で登録されている。また、移動体通信網10にはセッション管理装置13が備えられている。
以降、特に明記しない場合、「通信網」は移動体通信網を意味し、「端末」は移動体通信端末を意味し、「検出装置」は通信品質劣化検出装置を意味する。
上記のように、本実施の形態では、データ収集装置100と通信品質劣化検出装置200が設置される。これらの装置は従来にはなかった新たな装置である。これらの装置の機能の概要は以下のとおりである。
データ収集装置100は、通信網10に接続している端末300と外部ネットワーク20上にあるサーバ30間の通信(セッション)に関する情報(セッションデータ)を収集し、保持する。セッションデータは、識別子とデータで構成される。
セッションデータを構成する「識別子」は、端末300・サーバ30のIPアドレス・ポート番号とプロトコル番号の組合せである5-tupleと番号N(=0, 1,…)からなる。5-tupleだけでは、あるセッション終了後、別のセッションでIPアドレス・ポート番号が再利用される可能性があるため、別セッションで、同じ5-tupleのものを区別することを目的に、番号Nを導入している。以降、本実施の形態では、1つの「5-tupleと番号N」の組で識別されるものを1つの「セッション」とする。
セッションデータを構成する「データ」は、セッション毎に測定地点(通信ノード12又は端末300)をパケットが通過・到着した際の時間差の集合である。パケット到着の時間差データは、測定地点の上流(サーバ30側)と下流(端末300側)で分けて扱う。すなわち、上流では端末300宛のデータパケットが測定地点に到着したときの時間差(パケット到着間隔)をデータとし、下流では端末300宛データパケットが測定地点を通過してから、端末300の確認応答パケットが測定地点に返ってくるまでの時間(RTT:Round Trip Time)をデータとする。測定地点が通信ノード12の場合、パケット到着間隔とRTTの両方をデータして扱うが、測定地点が端末300の場合、パケット到着間隔のみ(つまり、上流のみ)をデータとして扱う。このようなセッションデータの構成例を図2に示す。なお、上記のパケット到着間隔やRTTは、パケットの遅延に関する品質を示す時間データの例であり、パケット到着間隔やRTT以外の時間データを使用することとしてもよい。
本実施の形態では、データ収集装置100によるセッションデータの収集方法として、(1)通信網10内の通信ノード12に接続して通信網10内を流れるパケットデータからセッションデータを抽出する、(2)端末300内でパケットデータからセッションデータを抽出し、データ収集装置100に転送する、(3)セッションデータをリアルタイムで抽出可能なセッション管理装置13が存在する場合、セッション管理装置13に接続してセッションデータを取得する、の3通りある。本実施の形態では、これら3つのうちの全てを使用してもよいし、いずれか2つを使用してもよいし、いずれか1つを使用してもよい。
また、データ収集装置100は、端末情報DB14とも接続し、端末情報DB14に登録されている端末300の接続先基地局に関する情報を取得して、当該情報と通信網構成とを基に各セッションの網内経路を導出しセッションデータに付加する。
通信品質劣化検出装置200は、データ収集装置100と接続し、セッションデータを用いて通信網10内で通信品質劣化が発生しているか否かを判定する。通信品質劣化が発生していると判定した場合は、通信網10で通信品質劣化が発生している範囲を特定し、通信網10のオペレータに通知する。
(各装置の構成)
データ収集装置100、通信品質劣化検出装置200及び移動体通信端末300のそれぞれの機能構成を図3に示す。以下、図3を参照して、各装置の構成及び動作概要を説明する。
<データ収集装置100の構成、動作概要>
まず、データ収集装置100について説明する。図3に示すように、データ収集装置100は、セッションデータ抽出部110、経路導出部120、検出装置起動部130を備える。また、データ収集装置100は、装置内保持データ140を保持するための記憶部を備える。
既に説明したとおり、データ収集装置100ではセッションデータの収集方法について、(1)データ収集装置100で取得したパケットデータから抽出する、(2)端末300内でセッションデータを抽出し、データ収集装置100に転送する、(3)セッション管理装置13から取得する場合の3通りがあり、図3に各収集方法によるデータの流れを(1)、(2)、(3)で示している。
上記の中で、収集方法(2)では、端末300からセッションデータが送信され、通信ノード12を経由してデータ収集装置100に転送され、データ収集装置100は当該セッションデータを保持する。また、収集方法(3)ではセッション管理装置13から、直接セッションデータを取得しデータ収集装置100内に保存する。
収集方法(2)を使用する場合、データ収集装置100は、端末300から送信されたセッションデータを取得し、記憶部に格納する機能を含む。また、収集方法(3)を使用する場合、データ収集装置100は、セッション管理装置13から、直接セッションデータを取得し、記憶部に格納する機能を含む。収集方法(2)、(3)を使用する場合、これらの機能をセッションデータ抽出部110が有することとしてもよい。また、収集方法(2)、(3)を使用する場合、セッションデータ抽出部110を備えずに、セッションデータ抽出部110とは別の機能部として、上記取得・格納する機能部を備えてもよい。
以下、各機能部の動作の概要を説明する。
セッションデータ抽出部110は、監視期間Dのタイミングで、通信ノード12より取得したパケットデータからセッションデータを抽出し、装置内保持データ140として保存する。なお、監視期間Dはオペレータが事前に設定する値である。
経路情報導出部120は、新規のセッションデータがデータ収集装置100内に保存されたタイミングで、通信網10内の端末情報DB14から該当セッションに含まれる端末300が接続している基地局識別子を取得し、予め用意した網構成情報(ルーティングテーブル等)を基にセッションの移動体通信網10内のパケット経路(どの通信ノードを経由したかを示す経路)を導出し、経路情報としてセッションデータと紐づけた上でデータ収集装置100内に保存する。
検出装置起動部130は、監視期間Dが過ぎた後、保存されているセッションデータ全ての経路情報が揃ったタイミングで、データ収集装置100内に保持されているセッションデータと経路情報を通信品質劣化検出装置200に送信し、通信品質劣化発生判定部210を起動させる。その後、データ収集装置100内のセッションデータと経路情報を全て消去する。
<通信品質劣化検出装置200の構成、動作概要>
次に、通信品質劣化検出装置200について説明する。図3に示すように、通信品質劣化検出装置200は、通信品質劣化発生判定部210、通信品質劣化範囲特定部220を備える。また、通信品質劣化検出装置200は、装置内保持データ230を保持するための記憶部を備える。以下、各機能部の動作の概要を説明する。
通信品質劣化発生判定部210は、データ収集装置100の検出装置起動部130から送信されたセッションデータ・経路情報と内部保持データである計算範囲YA、YR、閾値THA 、THR を用いて(セッションデータがパケット到着間隔であった場合とRTTであった場合の2種類用意)を用いて、通信品質劣化が発生しているか否かを判定する。通信品質劣化が発生していると判定された場合、セッションデータ・経路情報を通信品質劣化範囲特定部220に送信する。なお、計算範囲 YA、YR、閾値THA 、THRはオペレータが事前に設定する値である。
通信品質劣化範囲特定部220は、通信品質劣化発生判定部210より、セッションデータ・経路情報を受信したタイミングで起動し、経路情報を基に、通信網10内における通信品質劣化の範囲を特定し、オペレータに通知する。
<移動体通信端末300の構成、動作概要>
収集方法(2)を採用する場合は、移動体通信端末300は、従来機能に加えて、端末セッション管理部310を備える。また、パケットデータ等、セッションデータ抽出に必要な端末内保持データ320を格納する記憶部を備える。
端末セッション管理部310は、端末300内でセッションが発生したタイミングで、パケットデータを測定し、セッションデータを抽出し、データ収集装置100に送信する。
本実施の形態におけるデータ収集装置100、通信品質劣化検出装置200、及び端末300はそれぞれ、例えば、1つ又は複数のコンピュータに、本実施の形態で説明する処理内容を記述したプログラムを実行させることにより実現可能である。すなわち、当該装置が有する機能は、当該コンピュータに内蔵されるCPUやメモリ等のハードウェア資源を用いて、当該装置で実施される処理(例:通信品質劣化検出装置200であれば累積補分布作成、対数化、線形近似、比較、判定...等)に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(可搬メモリ等)に記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記プログラムをインターネットや電子メール等、ネットワークを通して提供することも可能である。
また、データ収集装置100と通信品質劣化検出装置200からなるシステム(通信品質劣化検出システム)を1つの装置として構成することも可能である。この場合も、当該装置(システム)における機能は上記のようにコンピュータにプログラムを実行させることで実現することが可能である。
(各機能部の動作の詳細説明)
以下、各装置の機能部の動作を詳細に説明する。
<データ収集装置100のセッションデータ抽出部110の動作>
図4は、データ収集装置100におけるセッションデータ抽出部110の全体動作を示すフローチャートである。図4を参照してセッションデータ抽出部110の全体動作を説明する。なお、ここで説明する動作は、前述した収集方法(1)に相当する動作である。
セッションデータ抽出部110は、データ収集装置100の起動(ステップS110)後、内部保持データである監視期間Dの一定間隔でデータ収集装置100内に保存されているパケットデータからセッションデータを抽出してデータ収集装置100内に保存する。セッションデータの抽出完了後、パケットデータを消去する。
より詳細には、図4のステップS120にて、現時刻tにDを加えた値をTとし、現時刻tがT以上になったら(ステップS130、ステップS140のYes)、セッションデータ抽出フローを実行し(ステップS150)、パケットデータを消去する(ステップS160)。
なお、パケットデータは、測定場所(通信ノード12、端末300等)を経由する度に、リアルタイムで取得され、データ収集装置100内に保存される。また、セッションデータ抽出部110の処理が実行されている間は、パケットデータの取得は中断される。
図5は、パケットデータからセッションデータを抽出するセッションデータ抽出フロー(図4のステップS150)を示す図である。図5を参照して、セッションデータ抽出部110が実行するセッションデータ抽出処理を説明する。
まず、セッションデータ抽出部110は、5-tuple別にパケットデータを分割し、分割したパケットデータ毎に、パケットの並び順をタイムスタンプの昇順でソートする(ステップS151)。これにより、各パケットデータは時系列順になる。図5の右側にはパケットデータのイメージが示されており、この時点で、パケットデータがA、B、....に分割されていることが示されている。
次に、セッションデータ抽出部110は、各5-tupleで分割されたパケットデータに関して、パケットの前後関係を確認し、以下の2条件に従ってセッション単位にパケットデータを分割する(ステップS152)。
条件1:TCPのSYNフラグの有無
TCP接続開始時にやりとりされる3way-handshakeがパケットデータ内に存在した場合、1つ目のSYNフラグがついたパケット以降のパケットデータとその前のパケットデータは別セッションとして分割する。
条件2:タイムスタンプのパケット間差分
時系列順に並んだパケットi とパケットi +1のタイムスタンプの時間差を算出し、事前に設定した値TO(例として、デフォルト:60秒)以上となった場合は、別セッションとして、パケットi 以前の時系列からなるパケットデータと、パケットi +1 以降の時系列からなるパケットデータは別セッションとして分割する。
上記のようにして、ステップS151で得られた分割パケットデータを更にN分割し、各パケットデータに[5-tuple, n (0≦n<N)]のセッション識別子を割り振る。例えば、図5の右側には、5-tupleの識別子がAであるパケットデータが、2つに分割され、A,0、A,1のセッション識別子が付されたことが示されている。
次に、セッションデータ抽出部110は、セッション毎に分割されたパケットデータより、上流側の通信品質劣化判定に用いるパケット到着間隔、下流側の通信品質劣化判定に用いるRTTを算出し、セッション識別子と共にセッションデータとして保存する(ステップS153)。
図6は、セッション毎に分割されたパケットデータから、パケット到着間隔、RTTを算出する処理を示すフローチャートである。
パケット到着間隔算出(図6(a))では、端末300方向に向かうデータパケットを対象に、時系列順に検索し、検索したデータパケットの前後の時間差をパケット到着間隔として、収集しセッションデータとして保存する。
より詳細には、セッションデータ抽出部110は、まず、端末300に向かうデータパケットが見つかるまで時系列順にパケットデータを検索し(ステップS153−11)、当該パケットが見つかると、内部変数データとして、「old=パケットのタイムスタンプ」と初期設定し、一次配列tmp_S を生成する(ステップS153−12)。
続いて、セッションデータ抽出部110は、端末300に向かうデータパケットが見つかるまで時系列順にパケットデータを検索し(ステップS153−13)、「パケット到着間隔=パケットのタイムスタンプ−old」を算出し、tmp_Sに格納し(ステップS153−15)、oldを新しく読込んだパケットのタイムスタンプで更新する(ステップS153−16)という処理を、パケットが見つからなくなるまで行う。パケットが見つからなくなると(ステップS153−14のNo)、tmp_S をセッションデータとして保存する(ステップS153−17)。
一方、RTT算出(図6(b))には端末300方向に向かうデータパケットと、それに対応するサーバ30に向かう確認応答パケットも検索対象となる。端末300方向に向かうデータパケットの検索手順は、パケット到着間隔算出と同じであるが、発見されたデータパケットのTCPヘッダを確認して、[データパケット内のシーケンス番号+パケット長の値+1] が確認応答番号と一致するサーバ30向きのパケットを検索し、見つかった場合、データパケットの対となる確認応答パケットとして、RTTの算出に用いる。
より詳細には、セッションデータ抽出部110は、まず、内部変数データとして一次配列tmp_Sを生成する(ステップS153−21)。そして、端末300に向かうデータパケットが見つかるまで時系列順にパケットデータを検索し(ステップS153−22)、発見したデータパケットに対応する、サーバ30に向かう確認応答パケットをパケットデータから検索し(ステップS153−24)、それが見つかれば(ステップS153−25のYes)、「RTT=確認応答パケットのタイムスタンプ − データパケットのタイムスタンプ」を算出し、tmp_S に格納する(ステップS153−26)、という処理をデータパケットが見つからなくなるまで繰り返し行う。データパケットが見つからなくなると(ステップS153−23のNo)、tmp_S をセッションデータとして保存する(ステップS153−27)。
<データ収集装置100の経路情報導出部120の動作>
図7は、データ収集装置100における経路情報導出部120の動作を示すフローチャートである。図7を参照して経路情報導出部120の動作を説明する。
経路情報導出部120は、 3通りのセッションデータ収集方法(図3の(1)〜(3))のうちのいずれかの方法で新規セッションデータがデータ収集装置100に保存されたタイミングで起動する(ステップS210)。
経路情報導出部120は、新規セッションデータの端末IPアドレスを基に、端末情報DB14に端末の接続先基地局情報を問合せる(ステップS220)。
基地局情報が存在した場合(ステップS230のYes)、予めデータ収集装置100に保持されている網構成情報(ルーティングテーブル等で生成されるものとする)と組合わせて、通信網10内における、端末300−サーバ30間のセッションの通信経路を導出し、データ収集装置10内にセッションデータと紐づけて保存する(ステップS240)。つまり、1つのセッションに1つの通信経路が紐づけられる。端末情報DB14に接続先基地局情報が存在しなかった場合、該当するセッションデータをデータ収集装置100から削除する(ステップS250)。
経路情報は、セッションが通信網10内のどの通信ノード12、基地局11を経由しているかをまとめたデータであり、[基地局a、通信ノード1、通信ノード2、…]というフォーマットで、端末300側から経由順に基地局11、通信ノード12をリスト化したデータである。
<データ収集装置100の検出装置起動部130の動作>
図8は、データ収集装置100における検出装置起動部130の動作を示すフローチャートである。図8を参照して検出装置起動部130の動作を説明する。
検出装置起動部130は、監視期間D経過後、保存されているセッションデータ全ての経路情報が導出され、データ収集装置100内に保存されたタイミングで起動する(ステップS310)。
そして、検出装置起動部130は、データ収集装置100内に保存されているセッションデータ及び紐付けされた経路情報を通信品質劣化検出装置200に送信し、通信品質劣化検出装置200内の通信品質劣化発生判定部210を起動させる(ステップS320)。送信に失敗した場合(ステップS330のNoの場合)は繰り返し送信を試みる。送信に失敗する場合とは、例えば、データ収集装置100〜検出装置200間の接続が物理的に切断される等して、データが検出装置200に届く前に破棄されてしまった場合である。
送信に成功した場合(ステップS330のYesの場合)は、データ収集装置100内の全てのセッションデータ、経路情報を削除する(ステップS340)。
<通信品質劣化検出装置200の通信品質劣化発生判定部210の動作>
図9は、通信品質劣化検出装置200における通信品質劣化発生判定部210の動作を示すフローチャートである。図9を参照して通信品質劣化発生判定部210の動作を説明する。
通信品質劣化発生判定部210は、データ収集装置100内の検出装置起動部130、又は通信品質劣化範囲特定部220より、セッションデータと経路情報を受け取り次第起動する(ステップS410)。パケット到着間隔で構成されたセッションデータと、RTTで構成されたセッションデータの2種類を受け取った場合(通信ノード12よりパケットデータ取得、抽出されたセッションデータが該当する)、パケット到着間隔及びRTTそれぞれに対して、図9の動作フローを実施する。なお、本実施の形態では、セッションデータとしてパケット到着間隔及びRTTの両方があることは必須ではなく、一方があればよい。
まず、通信品質劣化発生判定部210は、取得したセッションデータを基に、累積補分布を作成する(ステップS420)。図9の右側において、ステップS420に対応して累積補分布のイメージが示されている。
その後、予め設定された範囲パラメータYA (RTTの場合はYR )を用いて、パケット到着間隔がYA以上(RTTがYR以上)のデータを対象に累積補分布の値[データ比率とパケット到着間隔(RTT)の組合せ]を対数変換する(ステップS430)。右側に対数変換後のイメージを示す。
続いて、対数変換したデータを基に線形近似(近似については一般的な最小二乗法等を用いる)を行い、近似線の傾きaを算出する(ステップS440)。そして、近似線の傾きaと、予め設定された閾値THA ( RTTの場合はTHR )とを比較して、傾きaが閾値THA ( RTTの場合はTHR )を超えた場合(ステップS450のYes)、通信品質劣化有と判定し、通信品率劣化範囲特定部220にセッションデータと経路情報に加えて品質劣化発生が確認された方向(サーバ30側、端末300側)を送信し、通信品質の劣化範囲特定に移る(ステップS460)。
一方、傾きaが閾値THA ( RTTの場合はTHR )を超えない場合(ステップS450のNo)、通信品質劣化無と判定し、判定結果を通信品質劣化範囲特定部220に送信する(ステップS470)。
<通信品質劣化検出装置200における通信品質劣化範囲特定部220の動作>
図10は、通信品質劣化検出装置200における通信品質劣化範囲特定部220の動作を示すフローチャートである。図10を参照して通信品質劣化範囲特定部220の動作を説明する。
通信品質劣化範囲特定部220は、通信品質劣化発生判定部210から、セッションデータ、経路情報及び判定結果を受信すると起動する(ステップS510)。通信品質劣化発生判定部210からデータ受信時に既に通信品質劣化範囲特定部220が起動しているか否かで動作が異なる。
まず、通信品質劣化範囲特定部220が起動していなかった場合(ステップS520のYes)、かつ、通信品質劣化有の判定があった場合(ステップS530のYes)、通信品質劣化範囲特定部220は、受信したセッションデータを経路情報及び網構成情報を基に分割する(ステップS540)。
分割できた場合において(ステップS545のYes)、次に、通信品質劣化範囲特定部220は、分割したセッションデータと経路情報を別々に、通信品質劣化発生判定部210に送信し、通信品質の劣化判定を実施する(ステップS550)。分割したセッションデータ・経路情報に対して、通信品質劣化無の判定があった場合(ステップS560のYes)、該当するセッションデータ・経路情報を本処理フローから削除し(ステップS570)、通信品質劣化判定有のセッションデータ・経路情報を再度分割・判定することを、繰り返し実施する。
最終的に、通信品質劣化判定無の分割データがなくなる(ステップS560のNo)、又は、セッションデータ・経路情報を分割出来なくなる場合(ステップS545のNo)、範囲の特定を終了し、本フロー内で残った経路情報内に含まれる通信ノード、基地局を品質劣化の影響範囲としてオペレータに通知する(ステップS590)。
また、ステップS520の判定がNoの場合は、ステップS580に進み、既に起動している通信品質劣化範囲特定部220に判定結果を通知し、処理を終了する。
すなわち、通信品質劣化範囲特定部220は、複数起動することを想定しており、ステップS580を経由するフローは分割されたセッションデータ・経路情報を持つ(これを子フローと呼ぶこととする)。子フローでは、ステップS550を処理しているフロー(これを親フローと呼ぶこととする)によって、通信品質劣化発生判定部210が起動し、その出力結果を入力とする。
親フローは、子フローに渡す分割されたセッションデータ・経路情報の全てを保持しており、ステップS550にて、通信品質劣化発生判定部210には、分割されたセッションデータ・経路情報のコピーを送信する。そのため、子フローで保持している分割されたセッションデータ・経路データは当該フローが終了次第、削除することとしている。
図11に、上記のステップS540におけるセッションデータ・経路情報の分割手順のイメージを示す。
図11に示す例は、測定場所が通信ノード12で、パケット到着間隔データが含まれるセッションデータ(下流側)を対象にしたイメージである。分解点は測定場所からnホップ先の通信ノード(又は基地局)であり、n は分割実施する度に1ずつ増加される。下流側(端末側)では最小分割粒度は基地局となり、上流側(サーバ側)では最小分割粒度はサーバ(のIPアドレス)となる。
図11の例(下流側)では、1回目の分割において通信ノードAで分割が行われて2つに分かれ、2回目の分割において通信ノードBで分割が行われ、更に、3回目の分割において通信ノードCで分割が行われている。そして、通信ノードCの右側に示す範囲が通信品質劣化範囲として特定されたことが示される。
なお、通信網10において、予め通信品質劣化を判定する範囲を特定の範囲に限定する場合等においては、当該範囲に該当するセッションのパケットデータからセッションデータを作成し、通信品質劣化判定を行えばよく、このような場合には、通信品質劣化範囲特定部220を備えないこととしてもよい。
<端末300における端末セッション管理部310の動作>
図12は、端末300における端末セッション管理部310の動作を示すフローチャートである。図12を参照して端末セッション管理部310の動作を説明する。
端末セッション管理部310は、端末300の起動時(ステップS610)に自動で動作し、端末300で受信するパケットデータを監視し、セッション別に端末内部に保存する(ステップS620)。
端末セッション管理部310は、セッション終了を検出した場合(ステップS630のYes)、該当セッションに属するパケットデータを入力として、図5、図6(a)で説明したセッションデータ抽出フローを実施し、セッションデータを抽出する(ステップS640)。最後に、抽出したセッションデータをデータ収集装置100に送信し、端末300内部のパケットデータを消去する(ステップS650)。
端末300から送信されたセッションデータはパケット到着間隔で構成されており、通信網10を介する等して、データ収集装置100にそのまま保存される。
(実施例)
次に、実施例として、本実施の形態に係るシステムのより具体的な動作例を説明する。本実施例では、 品質劣化検出に用いるデータは山手線内で、ブラウザアプリを動作させた際のパケットデータであり、パケットデータに加えてブラウザアプリで予め定めたウェブページが表示完了するまでに要した時間を測定し、パケットデータから抽出したセッションデータ(全324セッション)を5段階の体感評価で分類している。図13に、本実施例において得られた体感評価毎のセッション数を示す。
本実施例では、体感評価値が2以下のセッションでは、通信品質の劣化が発生していると仮定し、全セッションデータを用いて、通信品質劣化発生判定部210の動作フロー(図9)に従い、以下のように通信品質劣化発生の有無を判定する。
まず、全セッションデータに対して、パケット到着間隔の累積補分布を作成する。図14に、全セッションのパケット到着間隔を基にした累積補分布を示す。図14では、さらに体感評価3以上のセッションのみのパケット到着間隔、及び、体感評価2以下のセッションのみのパケット到着間隔による累積補分布も参考として載せている。
次に、算出したパケット到着間隔とそれに対応する、累積補分布のデータ比率の値を対数化する。図14の値を対数処理したものを図15に示す。
最後に、YA以上のデータを対象にして線形近似線を引き、傾きa を算出する。本実施例では、YA=2秒としているが、YA (RTTの場合はYR )の設定例については、例えば、全セッションデータの平均値を用いる等がある。
図15より、2秒以上(log X≧0.3)のデータを基に線形近似を行ったものを図16に示す。
本実施例では、線形近似の傾きa と比較する閾値THA ( RTTの場合はTHR ) を-2としており、この場合、全セッションのパケット到着間隔を基に作成した線形近似の傾きa は、-1.27 (>THA ) であることから、通信品質劣化が発生していると判定される。本実施例例では、体感評価3以上のセッションに含まれるような従来の通信ノード、サーバ又は端末における処理遅延等が存在する中で、電車移動時におけるローミング起因によるバースト的なパケット遅延を判定出来たと考えられる。
なお、閾値THA ( RTTの場合はTHR )は事前に設定する値であり、本実施例例では-2としたが、それは以下の理由によるものである。
通信品質劣化等によってバースト的なパケット到着間隔の遅延が生じると、図14で示すように、累積補分布の裾が長くなり"べき分布"の傾向が見られるようになる。なお、"べき分布"とは、極端な値をとるサンプルの数が正規分布より多く、そのため大きな値の方向に向かって分布の曲線の裾が長くなだらかになるような分布である。この事象を利用して、累積補分布の裾部分にあたるデータが"べき分布"に従うか否かを傾きa で判定している。a が大きい場合は分布の裾は長く、a が小さい場合は分布の裾は短くなるが、一般的には、a≧-2 の分布がべき分布と判断される。
(実施の形態の効果等)
以上のように、本実施の形態では、移動体通信網10内おけるパケットデータを収集し、定期的に取得したパケットデータから、移動体通信端末300‐サーバ30間通信毎のパケット到着間隔 又はRTTデータを抽出する。次に、抽出したパケット到着間隔(RTT)の累積補分布を作成し、分布の値を対数変換した後、そこから導出した線形近似直線の傾きを利用して、通信品質劣化の有無を判定する。最後に、通信品質劣化有と判定した場合、該当通信が経由する通信ノード(ルータ、スイッチ、基地局等)を通信品質劣化の影響範囲として特定しオペレータに通知する。これら一連の処理を実施する装置を網内に導入することした。
パケット到着間隔(又はRTT)分布の裾の形を基に判定することで、無線区間特有と見られるバースト的な遅延による通信品質の劣化検出が可能となり、移動体通信網10の構成情報と端末300‐サーバ30間通信の経路情報を用いることで、通信品質劣化の影響範囲となる通信ノード・基地局の集合を特定することが可能となる。
これにより、パケット監視ポイントの導入を外部通信網との接続点のみに絞りつつ、無線区間におけるパケット再送、ローミング、無線リソース再割り当て時等におけるバースト的な遅延を持つ通信が発生した場合における通信品質劣化の検出、及び、影響範囲の特定が可能となり、通信網全体における通信品質の維持・向上が見込まれる。
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本実施の形態により、パケットの送受信がなされる通信網における通信品質劣化の有無を判定する通信品質劣化検出システムであって、前記通信網において送受信されるパケットから抽出された時間データの集合であって、パケットの遅延に関する品質を示す時間データの集合を保持する記憶部と、前記時間データの集合から時間データの累積補分布を作成し、当該累積補分布の値を対数変換し、対数変換後の分布から導出した線形近似直線の傾きと、所定の閾値とを比較することにより、前記通信網における通信品質劣化の有無を判定する判定手段とを備える通信品質劣化検出システムが提供される。
前記時間データの集合は、例えば、セッション毎に、各セッションの経路情報とともに前記記憶部に格納されており、前記通信品質劣化検出システムは、前記判定手段により、全セッションの時間データの集合に対して判定を行った結果、通信品質劣化有りと判定された場合に、各セッションの経路情報に基づいて、時間データの集合を分割し、分割した時間データの集合に対して前記判定手段に通信品質劣化判定を行わせることにより、前記通信網における通信品質劣化範囲を特定する劣化範囲特定手段を更に備えることとしてもよい。
前記判定手段は、予め定めた閾値以上の値に対応する時間データについての前記対数変換後の分布から線形近似直線の傾きを導出し、当該傾きが前記所定の閾値よりも大きい場合に、通信品質劣化有りと判定することとしてもよい。
前記パケットの遅延に関する品質を示す時間データは、例えば、前記通信網における測定地点に各パケットが到着する時間間隔、又は、前記通信網における測定地点を端末宛のパケットが通過してから、当該パケットの確認応答パケットが当該測定地点に到着するまでの時間である。
以上、本実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 移動体通信網
11 基地局
12 通信ノード
20 外部ネットワーク
30 サーバ
100 データ収集装置
200 通信品質劣化検出装置
300 移動体通信端末
110 セッションデータ抽出部
120 経路導出部
130 検出装置起動部
140 装置内保持データ
210 通信品質劣化発生判定部
220 通信品質劣化範囲特定部
230 装置内保持データ
310 端末セッション管理部
320 端末内保持データ

Claims (8)

  1. パケットの送受信がなされる通信網における通信品質劣化の有無を判定する通信品質劣化検出システムであって、
    前記通信網において送受信されるパケットから抽出された時間データの集合であって、パケットの遅延に関する品質を示す時間データの集合を保持する記憶部と、
    前記時間データの集合から時間データの累積補分布を作成し、当該累積補分布の値を対数変換し、対数変換後の分布から導出した線形近似直線の傾きと、所定の閾値とを比較することにより、前記通信網における通信品質劣化の有無を判定する判定手段と
    を備えることを特徴とする通信品質劣化検出システム。
  2. 前記時間データの集合は、セッション毎に、各セッションの経路情報とともに前記記憶部に格納されており、
    前記判定手段により、全セッションの時間データの集合に対して判定を行った結果、通信品質劣化有りと判定された場合に、各セッションの経路情報に基づいて、時間データの集合を分割し、分割した時間データの集合に対して前記判定手段に通信品質劣化判定を行わせることにより、前記通信網における通信品質劣化範囲を特定する劣化範囲特定手段
    を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信品質劣化検出システム。
  3. 前記判定手段は、予め定めた閾値以上の値に対応する時間データについての前記対数変換後の分布から線形近似直線の傾きを導出し、当該傾きが前記所定の閾値よりも大きい場合に、通信品質劣化有りと判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信品質劣化検出システム。
  4. 前記パケットの遅延に関する品質を示す時間データは、前記通信網における測定地点に各パケットが到着する時間間隔、又は、前記通信網における測定地点を端末宛のパケットが通過してから、当該パケットの確認応答パケットが当該測定地点に到着するまでの時間である
    ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の通信品質劣化検出システム。
  5. パケットの送受信がなされる通信網における通信品質劣化の有無を判定する通信品質劣化検出システムが実行する通信品質劣化検出方法であって、
    前記通信品質劣化検出システムは、前記通信網において送受信されるパケットから抽出された時間データの集合であって、パケットの遅延に関する品質を示す時間データの集合を保持する記憶部を備え、前記通信品質劣化検出方法は、
    前記時間データの集合から時間データの累積補分布を作成し、当該累積補分布の値を対数変換し、対数変換後の分布から導出した線形近似直線の傾きと、所定の閾値とを比較することにより、前記通信網における通信品質劣化の有無を判定する判定ステップ
    を備えることを特徴とする通信品質劣化検出方法。
  6. 前記時間データの集合は、セッション毎に、各セッションの経路情報とともに前記記憶部に格納されており、
    前記判定ステップにより、全セッションの時間データの集合に対して判定を行った結果、通信品質劣化有りと判定された場合に、各セッションの経路情報に基づいて、時間データの集合を分割し、分割した時間データの集合に対して前記判定ステップによる通信品質劣化判定を行うことにより、前記通信網における通信品質劣化範囲を特定する劣化範囲特定ステップ
    を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の通信品質劣化検出方法。
  7. 前記判定ステップにおいて、前記通信品質劣化検出システムは、予め定めた閾値以上の値に対応する時間データについての前記対数変換後の分布から線形近似直線の傾きを導出し、当該傾きが前記所定の閾値よりも大きい場合に、通信品質劣化有りと判定する
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の通信品質劣化検出方法。
  8. コンピュータを、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の通信品質劣化検出システムにおける各手段として機能させるためのプログラム。
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