JP6406933B2 - 飲料カートリッジ用カップ - Google Patents

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Description

本発明は、飲料カートリッジに適用されるカップに関する。
コーヒー、紅茶、緑茶など所望の飲料を生成するための成分を含有する物が収容された飲料カートリッジが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の飲料カートリッジ(カートリッジ)は、フィルタが設けられたカップ内に、粉末状などに適宜加工されたコーヒー豆、紅茶又は緑茶の茶葉など嗜好品を収容し、そのカップの上部開口を密閉して構成される。飲料カートリッジは、飲料を生成するための抽出装置に装着して使用される。抽出装置は、飲料カートリッジに湯を注ぎ入れるための注湯用針と、生成された飲料を取り出すための飲料取出用針(抽出用針)とを備える。
抽出装置は、飲料カートリッジが装着されると、注湯用針を飲料カートリッジの上面に、飲料取出用針を飲料カートリッジの底部に、それぞれ貫通させる。その後、注湯用針を通じて、湯が飲料カートリッジの中に注入される。その湯は、飲料カートリッジ内の嗜好品から各種成分を抽出して所望の飲料となってフィルタを通り、飲料取出用針を通じて飲料カートリッジ外へ流れ出る。
ここで、飲料取出用針がカップの底部を貫通する工程において、飲料取出用針がカップの底部に当接して押し付けられると、その当接した箇所を中心に、カップは弾性変形をし、やがて、飲料取出用針の先端がカップの底部に突き刺さる。これにより、カップの底部には飲料取出用針の形状及び太さに適合する孔が開いて、飲料取出用針は、カップの底部を貫通し、飲料カートリッジ内の所定の位置に配置される。
特開2005−110835号公報
しかしながら、飲料取出用針がカップの底部を貫通する際、飲料取出用針に応じた孔が開く前に、カップの底部と胴部が、それらを接続する角部から座屈して、塑性的に変形してしまうことがある。このような場合、飲料取出用針がカップの底部を貫通することができず、飲料取出用針を通じて飲料を飲料カートリッジから適切に取り出すことができなくなることが多い。また、飲料取出用針の形状及び大きさに適合しない孔がカップの底部に開いた場合には、その孔から飲料が飛散する。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、飲料を取り出すための飲料取出用針が底部を確実に貫通することが可能な飲料カートリッジ用カップを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る飲料カートリッジ用カップは、
飲料を生成するための抽出装置に設けられる飲料取出用針が貫通する底部と、
前記底部の周縁に接続する胴部とを有し、
前記底部と前記胴部とは、多層シートで形成されており、
前記多層シートは、70vol%以上の主層を含み、
前記主層は、50wt%以上のポリオレフィンを含み、
前記主層の曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、2000MPa以上であり、
前記底部のうち、前記飲料取出用針を貫通させる部分の厚みをAとし、前記底部から5mmの位置における前記胴部の厚みをBとした場合に、B/Aが1.15以上であり、
外径2.8mm、内径2.3mm、先端角40°のSUS製の突き刺し針を適用した圧縮試験機にて、23℃の温度下で、500mm/分の速度で前記突き刺し針を前記底部へ進行させて、前記底部に前記突き刺し針を貫通させる場合に、貫通時の圧縮強度が40N以下、かつ、貫通時の圧縮変位が9mm以下である
ことを特徴とする。
本発明によれば、飲料を取り出すための飲料取出用針が底部を確実に貫通することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る飲料カートリッジ用カップを備えた飲料カートリッジの斜視図である。 一実施の形態に係る飲料カートリッジ用カップを備えた飲料カートリッジの断面図である。 一実施の形態に係る飲料カートリッジ用カップを成形するための多層シートの一部を拡大して示す断面図である。 一実施の形態に係る飲料カートリッジ用カップを成形するための成形装置の概要を示す図である。 一実施の形態に係る飲料カートリッジ用カップを備えた飲料カートリッジを抽出装置に装着した状態を示す図である。 一実施の形態に係る飲料カートリッジ用カップを備えた飲料カートリッジに抽出装置の注湯用針及び飲料取出用針を貫通させた状態を示す図である。 各実施例に係る飲料カートリッジ用カップに突き刺し針を貫通させる圧縮試験機の概要を示す図である。 各実施例に係る飲料カートリッジ用カップで突き刺し針を貫通させた時の圧縮強度及び圧縮変位の関係を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。
(実施の形態)
本発明の一実施の形態に係る飲料カートリッジ用カップ(以下、「カップ」という。)100は、図1の斜視図及び図2の側方断面図に示すように、飲料を生成するための抽出装置に装着して使用される飲料カートリッジ101に適用されるものである。そして、飲料カートリッジ101は、その内部の空間に収容された粉末状のコーヒー豆102と、コーヒー豆102が載置されたフィルタ103と、フィルタ103が配設されたカップ100と、カップ100の上部の開口を気密に塞ぐ密封フィルム104とを備える。
コーヒー豆102は、飲料を生成するための成分を含有する物である。コーヒー豆102は、詳細後述するように飲料カートリッジの中に湯が注ぎ入れられると、その湯によって含有する成分が抽出され、飲料としてのコーヒー(以下、「コーヒー飲料」という。)が生成される。
なお、飲料を生成するための成分を含有する物は、粉末状のコーヒー豆102に限らず、例えば、粉砕、切断などによって適切な大きさ及び形状に適宜加工された紅茶、緑茶などの茶葉であってもよい。このような飲料カートリッジによれば、飲料としてのお茶を生成することができる。
フィルタ103は、例えば不織布などから構成される。フィルタ103は、コーヒー飲料を飲料カートリッジ101から取り出す際にコーヒー豆102がコーヒー飲料とともに流れ出ることを防ぐとともに、風味の良いコーヒー飲料を生成することができるように設けられる。
カップ100は、概ね、下から上へ次第に径が大きくなる略円錐台状をなし、上方が開放した有底の容器であって、図1及び2に示すように、一体に形成された底部105と胴部106とを有する。なお、カップ100は、所定の抽出装置に装着して所望の飲料を生成できる形状であればよく、例えば有底の円柱状などであってもよい。
底部105は、例えば直径が約36.6mmの平板状をなす部分であって、その中央近傍は僅かに上方へ突き出している。底部105は、抽出装置123(図5〜6参照)が有する飲料取出用針127を貫通させる箇所として適宜定められる穿刺部107を有する。胴部106は、底部105の外縁に接続して上方へ延びる部分であり、例えば約44mmの高さを有する。胴部106は、その上端に、側方へ拡がるツバ状部108を有する。
本実施の形態に係るカップ100は、外径2.8mm、内径2.3mm、先端角40°のSUS(ステンレス鋼)製の突き刺し針130を装着した圧縮試験機131(図7参照)にて、23℃の温度下で、500mm/分の速度で突き刺し針130を底部105へ進行させて、底部105に突き刺し針130を貫通させる場合に、貫通時の圧縮強度が50N以下、好ましくは40N以下、かつ、貫通時の圧縮変位が9mm以下となる構成を有する。
ここで、貫通時の圧縮強度とは、貫通時に突き刺し針130に掛けられていた力の大きさをいう。貫通時の圧縮変位とは、カップ100を圧縮試験機131に載置した時の穿刺部107の位置を基準とした貫通時の穿刺部107の位置であり、突き刺し針130の進行方向における変化量をいう。
また、穿刺部107の厚みをAとし、底部105の周縁から5mmの位置(例えば、図2にPで示す箇所)における胴部106の厚みをBとした場合に、肉厚比B/Aは、1以上である。なお、好ましくは、肉厚比B/Aは1.15以上である。
このようなカップ100は、例えば、多層シートを成形して作られる。この多層シート109は、例えば、図3の拡大断面図に示すような複数の層から構成され、外面を形成する2つの主層110,111と、主層110,111の間に設けられる酸素バリア層112と、主層110,111の各々と酸素バリア層112との間に設けられる2つの接着層113,114とを有する。
2つの主層110,111は、多層シート109全体の70vol%(すなわち、体積で70%)以上である。
主層110,111の各々の主材は、ポリプロピレンなどのポリオレフィンである。ここで、主材とは、主層110,111の各々を構成する材料全体に含まれる割合が50wt%(すなわち、重量で50%)以上である材料をいう。
主層110,111の各々の曲げ弾性率は、例えば、JIS K7171の規格において、1200MPa以上であるとよい。なお、曲げ弾性率は、同規格において、好ましくは1500MPa以上であり、より好ましくは2000MPa以上である。
酸素バリア層112は、酸素の透過を防ぐ層であって、例えばEVOH(エチレン―ビニルアルコール共重合樹脂)を材料として形成される。酸素バリア層112は酸素の透過を防ぐことができるので、飲料カートリッジ101の中に収容されるコーヒー豆102の品質維持又は品質低下の抑制が可能になる。
接着層113,114の各々は、主層110,111の各々と酸素バリア層112とを接着する層である。
カップ100は、例えば、図4に示す成形装置115を用いて多層シート109を成形することによって製造される。なお、同図では、分かり易くするため、成形装置115に比べて多層シート109を厚く表している。
詳細には、多層シート109は、金型116とロケータ117とで挟持することで固定される。固定された多層シート109は、プラグ118によって上方から押圧されるとともに、空気送入口119から送り込まれる空気の圧力とで、金型116の形状に沿って成形される。その後、下切り刃120に対して摺動するように配設された上切り刃121が、下方へ移動し、それによって、多層シート109から成形されたカップ100を切り取る。ロケータ117、上切り刃121及びプラグ118を上方へ戻した後、金型116の底の一部を形成するボトム部122を上昇させることで、カップ100は金型116から取り出される。
このような成形装置115を用いて成形する場合、例えば、形状などが異なるプラグ118を採用することによって、所望の値の肉厚比B/Aを有するカップ100を製造することができる。
再び、図1及び2を参照する。
密封フィルム104は、例えば樹脂などの空気を通し難い材料で作られた薄いシート状の部材であって、ツバ状部108の上面に固定される。カップ100に密封フィルム104を固定する方法には、接着、溶着などが適宜採用されてよい。密封フィルム104により、飲料カートリッジ101の内部の空間が密閉されるので、コーヒー豆102が外部の酸素と触れにくくなる。その結果、飲料カートリッジ101の中に収容されるコーヒー豆102の品質維持又は品質低下の抑制が可能になる。
これまで、本発明の一実施の形態に係るカップ100及びそれを備える飲料カートリッジ101の構成について説明した。ここから、カップ100及び飲料カートリッジ101の使用方法について、説明する。
飲料カートリッジ101は、例えば図5に示すように、抽出装置123に装着して使用される。抽出装置123は、飲料カートリッジ101を支持するホルダ124と、飲料カートリッジ101の中へ湯を注ぎ入れるための注湯用針125を有するヘッド126と、飲料カートリッジ101の中で生成されたコーヒー飲料を取り出すための飲料取出用針127とを備える。ホルダ124は、同図に示すように、抽出装置123の本体128に対して上下方向に伸縮するバネ129の上に設けられており、下部には飲料取出用針127が通過する孔が設けられている。なお、飲料カートリッジ101に注がれる湯は、例えば、抽出装置123に装着されたタンク(図示せず)の水を抽出装置が適温に温めることで作られるとよい。
飲料カートリッジ101がホルダ124に装着され、抽出装置123の図示しないボタンを押下するなどの所定の操作がなされると、図5に示す状態から、ヘッド126と注湯用針125とがともに、飲料カートリッジ101の上方から下降する。
注湯用針125は、密封フィルム104の上面に当接する。バネ129が次第に縮むとともに、注湯用針125が、密封フィルム104を貫通し、飲料カートリッジ101の中の予め定められた位置に配置される。このとき、ヘッド126は、密封フィルム104の上面に当接する。
ヘッド126がさらに下降すると、飲料カートリッジ101の下方に固定された飲料取出用針127が、カップ100の底部105の穿刺部107を押圧する。そのため、穿刺部107を中心に、カップ100の底部105の一部と、場合によっては胴部106の一部とが弾性変形をする。
ヘッド126がさらに下降し、それによって、飲料取出用針127の形状及び太さに適合する孔が、穿刺部107及びその近傍に開き、その結果、飲料取出用針127はカップ100の底部105を貫通する。
ヘッド126は、予め定められた距離だけ下降すると、停止する。これにより、図6に示すように、注湯用針125と飲料取出用針127とが、飲料カートリッジ101の中の予め定められた位置に配置される。
ここで、本実施の形態に係るカップ100は、外径2.8mm、内径2.3mm、先端角40°のSUS製の突き刺し針130を適用した圧縮試験機131にて、23℃の温度下で、500mm/分の速度で突き刺し針を底部105へ進行させて、底部105に突き刺し針を貫通させる場合に、圧縮強度が40N以下、かつ、貫通時の圧縮変位が9mm以下となる構成を有する。そのため、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはほとんどなく、飲料取出用針127が底部105を確実に貫通することが可能になる。
その後、注湯用針125を通じて、湯が飲料カートリッジ101の中に注入される。その湯は、飲料カートリッジ101の中のコーヒー豆から各種成分を抽出してコーヒー飲料となってフィルタ103を通り、飲料取出用針127を通じて飲料カートリッジ101の外へ流れ出る。このように、本実施の形態に係るカップ100を備える飲料カートリッジ101及び抽出装置を用いて、コーヒー飲料が生成される。
なお、上述の例では、抽出装置123が、ヘッド126を下降させて注湯用針125を密封フィルム104に貫通させた後に、飲料取出用針127をカップ100の底部105に貫通させることとしたが、注湯用針125と飲料取出用針127とが飲料カートリッジ101を貫通するタイミングは、どちらが先であってもよく、また同時であってもよい。
なお、上述の例では、本体128に対して位置が固定された飲料取出用針127へ向けてカップ100の底部105を進行させる例により説明したが、飲料取出用針127をカップ100の底部105へ向けて進行させてもよい。
これまで、本発明の一実施の形態について説明した。この実施の形態に係るカップ100のより具体的な例(100a〜f)を用いて、飲料取出用針127に相当する針をカップ100の底部105に貫通させる実験を行なった。このような実験について、実施例として以下に説明する。
各実施例では、図7に示すように、突き刺し針130を装着した圧縮試験機131を用いて、500mm/分の速度で突き刺し針130をカップ100a〜fの各々の穿刺部107へ向けて下降させた。
突き刺し針130は、飲料取出用針127に相当する形状、大きさ及び強度を有する針であり、先端角40°で先端が尖った、外径2.8mm、かつ、内径2.3mmのSUS製のパイプである。先端角とは、突き刺し針130の長さ方向(図7の上下方向)に対する角度である。
各実施例において、23℃の雰囲気温度の下、カップ100a〜fは、所定の時間間隔を空けて個別に、圧縮試験機131の載置台132に載置された。そのとき、カップ100a〜fのそれぞれは、その穿刺部107a〜fに突き刺し針130が当接して貫通するように、底部105を上に向けて載置された。
(実施例1)
実施例1に係るカップ100aの製造に使用された多層シート109では、主層110,111の各々が518μm、接着層113,114の各々が20μm、酸素バリア層112が25μmである。従って、本実施例に係る多層シート109の全体に含まれる2つの主層110,111の割合(主層割合)は、体積で約94%(94vol%)である。
本実施例に係る主層110,111の各々は、ポリオレフィン(ポリプロピレン)100%を原料とし、曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、2200MPaである。
本実施例に係るカップ100aの肉厚比B(底部105aから5mmの位置における胴部106aの厚さ)/A(穿刺部107aの厚さ)は、1.34である。
圧縮試験機131にて突き刺し針130をカップ100aの底部105aに貫通させることを5回行った。各回における貫通時の圧縮強度(N)及び圧縮変位(mm)は、(29.9,6.0)、(31.6,5.9)、(24.5,7.3)、(33.8,5.2)、(31.1,4.7)であった。これらの貫通時の圧縮強度及び圧縮変位の最大値は、それぞれ、33.8(N)及び7.3(mm)である。
なお、本実施例と同じ多層シート109を用いて成形した、肉厚比B/Aが0.67のカップでは、突き刺し針130が底部を貫通することはできなかった。
(実施例2)
実施例2に係るカップ100bの製造に使用された多層シート109では、実施例1と同様に、主層110,111の各々が518μm、接着層113,114の各々が20μm、酸素バリア層112が25μmである。従って、本実施例に係る多層シート109の主層割合は、約94vol%である。
本実施例に係る主層110,111の各々は、実施例1と同様のポリオレフィン(ポリプロピレン)100%を原料とし、曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、2200MPaである。
本実施例に係るカップ100bの肉厚比B(底部105bから5mmの位置における胴部106bの厚さ)/A(穿刺部107bの厚さ)は、1.22である。
圧縮試験機131にて突き刺し針130をカップ100bの底部105bに貫通させることを5回行った。各回における貫通時の圧縮強度(N)及び圧縮変位(mm)は、(35.5,3.9)、(37.2,4.3)、(35.9,5.2)、(36.2,5.1)、(33.6,5.0)であった。これらの貫通時の圧縮強度及び圧縮変位の最大値は、それぞれ、37.2(N)及び5.2(mm)である。
(実施例3)
実施例3に係るカップ100cの製造に使用された多層シート109では、実施例1と同様に、主層110,111の各々が518μm、接着層113,114の各々が20μm、酸素バリア層112が25μmである。従って、本実施例に係る多層シート109の主層割合は、約94vol%である。
本実施例に係る主層110,111の各々は、実施例1とは曲げ弾性率が異なるポリオレフィン(ポリプロピレン)100%を原料とし、曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、2050MPaである。
本実施例に係るカップ100cの肉厚比B(底部105cから5mmの位置における胴部106cの厚さ)/A(穿刺部107cの厚さ)は、1.30である。
圧縮試験機131にて突き刺し針130をカップ100cの底部105cに貫通させることを5回行った。各回における貫通時の圧縮強度(N)及び圧縮変位(mm)は、(30.4,5.2)、(35.7,4.5)、(35.6,4.4)、(34.5,5.1)、(36.0,6.1)であった。これらの貫通時の圧縮強度及び圧縮変位の最大値は、それぞれ、36.0(N)及び6.1(mm)である。
(実施例4)
実施例4に係るカップ100dの製造に使用された多層シート109では、実施例1と同様に、主層110,111の各々が518μm、接着層113,114の各々が20μm、酸素バリア層112が25μmである。従って、本実施例に係る多層シート109の主層割合は、約94vol%である。
本実施例に係る主層110,111の各々は、実施例1とは異なり、タルク含有ポリプロピレン(ポリオレフィン(ポリプロピレン)70%,タルク30%)を原料とし、曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、3000MPaである。
本実施例に係るカップ100cの肉厚比B(底部105dから5mmの位置における胴部106dの厚さ)/A(穿刺部107dの厚さ)は、1.68である。
圧縮試験機131にて突き刺し針130をカップ100dの底部105dに貫通させることを5回行った。各回における貫通時の圧縮強度(N)及び圧縮変位(mm)は、(19.0,2.7)、(20.9,5.3)、(18.3,4.1)、(27.2,4.5)、(27.8,4.3)であった。これらの貫通時の圧縮強度及び圧縮変位の最大値は、それぞれ、27.8(N)及び5.3(mm)である。
(実施例5)
実施例5に係るカップ100eの製造に使用された多層シート109では、実施例1と同様に、主層110,111の各々が518μm、接着層113,114の各々が20μm、酸素バリア層112が25μmである。従って、本実施例に係る多層シート109の主層割合は、約94vol%である。
本実施例に係る主層110,111の各々は、実施例1とは曲げ弾性率が異なるポリオレフィン(ポリプロピレン)100%を原料とし、曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、1260MPaである。
本実施例に係るカップ100eの肉厚比B(底部105eから5mmの位置における胴部106eの厚さ)/A(穿刺部107eの厚さ)は、1.48である。
圧縮試験機131にて突き刺し針130をカップ100eの底部105eに貫通させることを5回行った。各回における貫通時の圧縮強度(N)及び圧縮変位(mm)は、(30.0,8.2)、(30.2,7.1)、(32.7,6.7)、(32.3,8.0)、(32.3,8.2)であった。これらの貫通時の圧縮強度及び圧縮変位の最大値は、それぞれ、32.7(N)及び8.2(mm)である。
(実施例6)
実施例6に係るカップ100fの製造に使用された多層シート109では、実施例1と異なり、主層110の外層側にポリエチレンの層100μm、主層110が418μm,主層111が518μm、接着層113,114の各々が20μm、酸素バリア層112が25μmである。従って、本実施例に係る多層シート109の主層割合は、約83vol%である。
本実施例に係る主層110,111の各々は、実施例1と同様のポリオレフィン(ポリプロピレン)100%を原料とし、曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、2200MPaである。
本実施例に係るカップ100fの肉厚比B(底部105fから5mmの位置における胴部106fの厚さ)/A(穿刺部107fの厚さ)は、1.56である。
圧縮試験機131にて突き刺し針130をカップ100fの底部105fに貫通させることを5回行った。各回における貫通時の圧縮強度(N)及び圧縮変位(mm)は、(36.6,6.6)、(38.2,6.2)、(35.3,6.8)、(29.7,6.2)、(37.1,7.8)であった。これらの貫通時の圧縮強度及び圧縮変位の最大値は、それぞれ、38.2(N)及び7.8(mm)である。
これまで、実施例1〜6について説明した。各実施例での結果をまとめると、図8のようになる。同図において、縦軸は、貫通時の圧縮強度(N)を表し、横軸は、貫通時の圧縮変位(mm)を表す。
同図中の丸型のマークは、実施例1での各実験の結果を表す。三角形のマークは、実施例2での各実験の結果を表す。四角形のマークは、実施例3での各実験の結果を表す。X型のマークは、実施例4での各実験の結果を表す。五角形のマークは、実施例5での各実験の結果を表す。十字(+)型のマークは、実施例6での各実験の結果を表す。
同図から分かるように、各実施例に係るカップ100a〜fはいずれも、貫通時の圧縮強度が40N以下、かつ、貫通時の圧縮変位が9mm以下である。
各実施例に係るカップ100a〜fは、上述の多層シート109を用いて、肉厚比B/Aが1.15以上となるように製造されている。そして、各実施例に係る多層シート109は、主層割合が70vol%以上である。各実施例に係る主層110,111の各々の材料は、ポリオレフィン(ポリプロピレン)100%、又は、70%のポリオレフィン(ポリプロピレン)と30%のタルクを含むタルク含有ポリプロピレンである。各実施例に係る主層110,111の各々の曲げ弾性率は、JIS K7171の規格において、2000MPa以上である。
このようなカップ100a〜fを所定の抽出装置123に装着して飲料取出用針127を貫通させたところ、飲料取出用針127は、30回中30回すべて、カップ100a〜fの各々を座屈させることなく、その底部105a〜fを貫通した。
これまで説明したように、実施の形態に係るカップ100は、外径2.8mm、内径2.3mm、先端角40°のSUS製の突き刺し針130を適用した圧縮試験機131にて、23℃の温度下で、500mm/分の速度で突き刺し針130を底部105へ進行させて、底部105に突き刺し針130を貫通させる場合に、貫通時の圧縮強度が50N以下、好ましくは40N以下、かつ、貫通時の圧縮変位が9mm以下となる構成を有する。そのため、各実施例で示されるように、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはほとんどなく、飲料取出用針127が底部105を確実に貫通することが可能になる。
実施の形態に係るカップ100を形成する多層シート109に含まれる2つの主層110,111は、多層シート109全体に70vol%以上含まれるので、カップ100の強度に大きく影響する。
実施の形態に係る主層110,111の各々の材料には弾性率の高いポリオレフィンが採用される。これにより、各実施例で示されるように、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはほとんどなくなる。そのため、飲料取出用針127がカップ100の底部105を確実に貫通することが可能になる。
特に、上記の実施の形態に係る主層110,111の各々の曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、1200MPa以上である。これにより、各実施例で示されるように、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはほとんどなくなる。そのため、飲料取出用針127がカップ100の底部を確実に貫通することが可能になる。
なお、好ましくは、主層110,111の各々の曲げ弾性率は、JIS K7171の規格において、1500MPa以上である。これにより、各実施例で示されるように、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはさらに少なくなり、飲料取出用針127がカップ100の底部105をさらに確実に貫通することが可能になる。また、より好ましくは、主層110,111の各々の曲げ弾性率は、JIS K7171の規格において、2000MPa以上である。これにより、各実施例で示されるように、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはより一層少なくなり、飲料取出用針127がカップ100の底部をより一層確実に貫通することが可能になる。
一般に、ポリスチレンを主材とする主層と酸素バリア層112とを含む多層シートを製造する場合、サーマルラミネートやドライラミネートなどのラミネート法が採用される。これに対して、上記の実施の形態に係るカップ100の素材となる多層シート109では、ポリオレフィンを主材とするので共押出成形を採用することができる。これにより、多層シート109を比較的安価に製造することができる。その結果、飲料取出用針127が底部105を確実に貫通することが可能なカップ100を比較的安価に提供することが可能になる。ポリオレフィンの中でも比較的安価で耐熱性が高い材料であるポリプロピレンを採用することで、飲料取出用針127が底部105を確実に貫通することが可能なカップ100をさらに安価に提供することが可能になり、かつ、コーヒー飲料など各種飲料をいれるのに適した高温のお湯を入れても熱変形し難いカップ100を提供することが可能になる。
実施の形態では、肉厚比B/Aが1以上である。これにより、各実施例で示されるように、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはほとんどなくなる。そのため、飲料取出用針127がカップ100の底部を確実に貫通することが可能になる。
なお、好ましくは、肉厚比B/Aは1.15以上である。これにより、各実施例で示されるように、飲料取出用針127が底部105を貫通する前にカップ100が座屈することはさらに少なくなり、飲料取出用針127がカップ100の底部をさらに確実に貫通することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、上記の実施の形態及び実施例に種々の変更を加えた形態を含む。
100,100a〜f 飲料カートリッジ用カップ
101,101a〜f 飲料カートリッジ
105,105a〜f 底部
106,106a〜f 胴部
107,107a〜f 穿刺部
109 多層シート
110,111 主層
112 酸素バリア層
113,114 接着層
115 成形装置
123 抽出装置
125 注湯用針
127 飲料取出用針
129 バネ
130 突き刺し針
131 圧縮試験機
132 載置台

Claims (3)

  1. 飲料を生成するための抽出装置に設けられる飲料取出用針が貫通する底部と、
    前記底部の周縁に接続する胴部とを有し、
    前記底部と前記胴部とは、多層シートで形成されており、
    前記多層シートは、70vol%以上の主層を含み、
    前記主層は、50wt%以上のポリオレフィンを含み、
    前記主層の曲げ弾性率が、JIS K7171の規格において、2000MPa以上であり、
    前記底部のうち、前記飲料取出用針を貫通させる部分の厚みをAとし、前記底部から5mmの位置における前記胴部の厚みをBとした場合に、B/Aが1.15以上であり、
    外径2.8mm、内径2.3mm、先端角40°のSUS製の突き刺し針を適用した圧縮試験機にて、23℃の温度下で、500mm/分の速度で前記突き刺し針を前記底部へ進行させて、前記底部に前記突き刺し針を貫通させる場合に、貫通時の圧縮強度が40N以下、かつ、貫通時の圧縮変位が9mm以下である
    ことを特徴とする飲料カートリッジ用カップ。
  2. 前記ポリオレフィンがポリプロピレンである
    ことを特徴とする請求項1に記載の飲料カートリッジ用カップ。
  3. 前記主層は、70wt%以上のポリオレフィンを含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料カートリッジ用カップ。
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