JP6406851B2 - 磁気共鳴システム作動シーケンスの設定方法、磁場分布マップ分析装置、制御シーケンス設定装置、磁気共鳴システムならびにコンピュータプログラム - Google Patents

磁気共鳴システム作動シーケンスの設定方法、磁場分布マップ分析装置、制御シーケンス設定装置、磁気共鳴システムならびにコンピュータプログラム

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Description

本発明は、磁気共鳴システム作動シーケンスの設定方法に関する。この場合、磁気共鳴システム作動シーケンスは、磁気共鳴システムから測定領域へ送出される少なくとも1つの高周波パルス列を含み、第1の個数の目下の磁場分布マップを、たとえばB0マップおよび/またはB1マップを、測定領域のスライスに対して取得し、この磁場分布マップに基づき高周波パルス列を設定する。さらに本発明は、磁気共鳴システム作動シーケンスの設定方法、磁気共鳴システム作動シーケンスの設定方法において用いられる磁場分布マップ分析装置、制御シーケンス設定装置、ならびにこの制御シーケンス設定装置を備えた磁気共鳴システムに関する。
磁気共鳴トモグラフィシステム(略して「磁気共鳴システム」)においては通常、被検体が基本磁場マグネットシステムによって比較的高い基本磁場(いわゆる「B0磁場」)に晒され、たとえば1.5テスラ、3テスラまたは7テスラの基本磁場に晒される。これに加えて傾斜磁場システムによって傾斜磁場が加えられる。そして高周波送信システムを介し適切なアンテナ装置によって、高周波励起信号(HF信号)が送信される。その結果、この高周波場により共鳴励起された特定の原子または分子の核スピンが、基本磁場の磁力線に対し規定のフリップ角だけ傾斜させられる。このような高周波励起もしくは結果として生じたフリップ角分布のことを、以下では核磁化あるいは略して「磁化」とも称する。核スピンが緩和するとき、高周波信号いわゆる磁気共鳴信号が放出され、この信号が適切な受信アンテナにより受信されて、さらに処理される。最終的に、このようにして得られた生データから所望の画像データを再構成することができる。核スピン磁化のための高周波信号(いわゆる「B1磁場」)の送出は現在では大抵の場合、装置内で測定空間(患者トンネル)の周囲に定置されたいわゆる「全身コイル」によって行われる。磁気共鳴信号の受信は大抵の場合、患者の体のすぐ近くに配置されたいわゆる局所コイルを用いて行われる。ただし基本的には、磁気共鳴信号の受信を全身コイルによって行うことも可能であり、および/または高周波信号の送信を局所コイルで行うことも可能である。
特定の測定のために、磁気共鳴システム作動シーケンス(以下では略して「作動シーケンス」とも称する)が事前に、送信すべき高周波パルス列(RFパルス列)と、それに対し整合して加えるべき傾斜磁場パルス列(x方向、y方向、z方向と呼ばれることも多いスライス選択方向、位相コーディング方向、読み出し方向で整合された傾斜磁場パルス)と、さらに別の制御設定とともに生成される。この場合、いわゆる測定プロトコルまたは制御プロトコルにおいて、作動シーケンスに関するパラメータといった多数の制御設定が定義されている。この測定プロトコルを、特定の測定のためにたとえば記憶装置から呼び出すことができ、オペレータがその場で変更できる。その後、測定中、この作動シーケンスに基づき完全自動で磁気共鳴システムの制御が行われ、磁気共鳴システムの制御装置は測定プロトコルから命令を読み出して実行する。
作動シーケンスたとえば高周波パルス列を(測定プロトコルおよび/またはユーザによって)発生させるために、一般に目標磁化たとえば望ましいフリップ角空間分布が設定される。たいていの場合、最小化すべき目的関数を用いた数値最適化手法により動作する適切な高周波パルス最適化プログラムによって、目標磁化が達成されるよう適切な高周波パルス列が計算される。
この目的で一般に、目下の「磁場分布マップ」すなわち目下の被検体と目下の検査装置によって定まる「磁場分布マップ」が必要とされる。このような磁場分布マップとして挙げられるのは、「B1マップ("B1-Map")」と「B0マップ("B0-Map")」である。「B1マップ」は、特定の送信アンテナ素子に対するB1磁場空間分布すなわち送信アンテナ素子の空間的な感度を表し、「B0マップ」は空間分解能として、B0磁場のオフ共鳴もしくは本来望まれる均一なB0磁場(すなわち本来達成しようとしているラーモア周波数)からのB0磁場の偏差を表す。目下の検査環境における目下の被検体のために実行すべき測定について最適化された作動シーケンスを見つけるために、これらの磁場分布マップが最適化法において考慮される。
その際、目的関数においてB1マップおよびB0マップの情報が用いられる。これによって、たとえば送信アンテナ素子により空間に関して選択的に励起する場合の高周波シミングなどに起因するB1磁場の不均一性ないしは幾何学的歪みと、B0磁場の不均一性を考慮し、それらによって磁気共鳴画像の生データに引き起こされる誤りを除去できるように、あるいは少なくとも著しく低減できるようにすることにある。いわゆるパラレル送信法(pTX法)の場合、互いに独立した複数の送信チャネルもしくは送信アンテナ素子を介して複数の高周波パルスが送信され、ついでそれら複数の高周波パルスは個々に規定可能な高周波磁場を達成するために測定空間で重畳されるが、殊にこのようなpTX法の場合には、適切なpTX高周波パルス列を計算できるようにするために、該当する送信コイルの空間感度と、目下の被検体に関して生じているB0磁場のオフ共鳴に関する情報が、重要な要件となる。
他方、数値最適化プロセスに関わる磁場分布マップのデータ量は、最適化法における計算の複雑さに大きな影響を及ぼす。殊にマルチスライスの適用事例に関わる場合、たとえばfMRI法(functional magnetic resonance imaging機能的磁気共鳴画像)、DWI法(diffusion weighted imaging拡散強調画像)、DTI法(diffusion tensor imaging拡散テンソル画像)法などでは、磁場分布マップによる起因するデータ負荷は最適化法において殊に以下の観点から問題になる。
一つには、多数のスライスのために磁場分布マップつまりB1マップとB0マップを取得するにはかなりの時間がかかり、臨床ルーチンにおける検査時間全体を著しく長くしてしまうことが挙げられる。この問題点は、患者の動きに基づきこの種の磁場分布マップをダイナミックに更新つまり再取得しなければならないときに、いっそう重大になる。
他方、被検体もしくは検査状況に特別に整合させてpTX高周波パルス列をスライスごとに計算するために計算時間をとるのは受け入れ難い。現在では、単一のスライスのために計算を行うのは、挑戦的なことである。このことは、パルスシーケンスの計算にあたり、たとえば高周波増幅器や傾斜磁場システムなどハードウェアの固有の制約ならびに比吸収率制限(SAR制限)を合わせて考慮しなければならないときには、なおさら当てはまる。
個々のスライスごとに1つの固有のパルスシーケンスを計算するのではなく、励起すべきすべてのスライスのために1つの共通の同一のpTX高周波パルス列を計算して、このパルス列を順次それらのスライスに適用することは、技術的には可能な解決手法である。このような単純化は少なくとも1つの折衷案ではあるけれども、決して最適なものではない。この場合、単純に複数のスライスを互いに結合し、個々のスライスのための固有の最適化を合成して、単一のただし大きな最適化問題とすることができる。しかしながらこのようにすると、数値的に解決すべき最適化問題がたちどころに巨大なサイズに膨れあがり、これは標準的なCPUと標準的なRAMハードウェアによる計算能力を超えてしまう。つまりそのためには特別なハードウェア技術的ソリューションが必要となり、そのことで装置がものすごく高価なものとなってしまう。
DE 10 2012 212 376
W. Grissom等による"Spatial Domain Method for the Design of RF Pulses in Multicoil Parallel Excitation", Mag. Res. Med. 56, 620-629, 2006 K. Setsompop等による論文"Magnitude Least Square Optimization for Parallel Radio Frequency Excitation Design Demonstrated at 7 Tesla With Eight Channels", Magn.Reson.Med. 59: 908 bis 915, 2008 J.T. Schneider 等による"Inner-Volume Imaging In Vivo Using Three-Dimensional Parallel Excitation", Magn.Reson.Med. 2012, doi: 10.1002/mrm.24381 M. A. Bernstein等による手引書"Handbook of MRI puls sequences", 2004, Elsevier Academic Press H. Fautz等による"B1 mapping of coil arrays for parallel transmission", ISMRM, 2008
したがって本発明の課題は、磁場分布マップを考慮して磁気共鳴システムの作動シーケンスを設定する際に、既述の問題点を回避できるようにするかまたは少なくとも著しく小さく抑えることができるようにすることである。
本発明によればこの課題は、請求項1記載の方法、請求項12記載の磁場分布マップ分析装置、ならびに請求項13記載の制御シーケンス設定装置によって解決される。
上述の磁気共鳴システム作動シーケンスもしくは高周波パルス列を設定するための本発明による方法によれば、冒頭で述べたように、そのつど第1の個数の目下の磁場分布マップたとえば既述のB0マップおよび/またはB1マップが、測定領域の複数のスライスに対して取得される。同様に、この磁場分布マップに基づき、有利には適切な高周波パルス最適化法において高周波パルス列が設定され、たとえば公知の数値最適化法によって設定される。ここで磁場分布マップとは、常に2次元あるいは3次元の画像のことであり、それらの画像において画素すなわち個々のピクセルまたはボクセルが、個々の場所における個々の磁場ないしは磁場偏差を表す値を有する。
本発明による方法の第1の実施形態によれば、ただしこれは従来とは異なるのであるが、第1の個数の目下の磁場分布マップが所定の取得パターンに基づき取得される。この取得パターンによれば磁場分布マップは、第1の個数の「磁場分布代表スライス」(以下では略して「代表スライス」とも称する)に対してのみ決定される。このような代表スライスは、それらの代表スライスについて決定された磁場分布マップが、予め定められた最適化基準に照らしてみると、第2の個数のスライスの磁場分布マップを表すないしは代表するように選択される。ただしこの第2の個数のスライスは、第1の個数の磁場分布マップ代表スライスの個数よりも多い。
ここで予め定められた最適化基準を、たとえば類似性の尺度ないしは類似度とすることができる。このような類似性の尺度もしくは類似度とは、規定された関数関係のことであり、これによってそれぞれ異なるスライスの2つの磁場分布マップ間の類似性を記述することができ、すなわちそれぞれ異なるスライスの2つの磁場分布マップが、定義された類似性尺度に照らして互いにどの程度隔たっているのかを表すことができる。あとで詳しく説明するように、この目的で特定の「コスト関数」を使用することができ、これを用いて2つの磁場分布マップ間の偏差を規定ないしは捕捉することができる。
本発明による方法の第2の実施形態によれば、取得された磁場分布マップに基づき、所定数の磁場分布代表マップ(以下では略して「代表マップ」とも称する)が決定される。この磁場分布代表マップは、予め定められた最適化基準に照らしてみれば、第1の個数の取得された磁場分布マップを表すないしは代表するものである。ついでこの代表マップに基づき高周波パルス列の決定が行われ、この場合も代表マップの個数は、取得された磁場分布マップの個数である第1の個数より少ない。換言すればこの第2の実施形態の場合、最初は比較的多くの個数の磁場分布マップが取得されるけれども、その個数は次に、最適化基準(たとえばすでに挙げた類似度)が考慮されながら低減され、つまり代表マップの個数まで低減される。
それらの代表マップを単に磁場分布マップの部分集合としてもよいが、磁場分布マップから特別に形成された新たな代表マップとすることもでき、たとえば最も簡単なケースでは代表マップがそれぞれ画素ごとに、最適化基準に従い代表マップによって表される磁場分布マップの平均値から形成されるようにしてもよい。
これら両方の変形実施形態による方法の基礎をなす着想は、磁場分布マップの期間全体が、以下のようにして短縮されることにある。すなわち、最初に最適化基準たとえば類似度が決定され、次に(第1の実施形態によれば)規模が低減された磁場分布マップだけが取得され、あるいは(第2の実施形態によれば)所定数の磁場分布マップがそれよりも少なくされた個数の代表マップまで低減されるのである。これら両方のケースにおいてともに配慮されるのは、代表スライスに対して取得された低減された個数の磁場分布マップつまり代表マップが、所定の最適化基準に照らしてみて、本来必要とされる個数の磁場分布マップ(たとえばスライスごとにそれぞれ1つの固有の磁場分布マップ)を最適に表すようにすることである。あとで詳しく示すようにこのような手法によって、必要とされる磁場分布マップのためのデータ量を、品質をさして劣化させることなく、著しく小さくすることができる。
本発明による方法のどの実施形態を用いるのかによるけれども、第1の実施形態により提案されているように僅かな磁場分布マップを取得するだけでよいことから、本発明による方法は、磁場分布マップの取得時にすでに効果を発揮することができる。ただしいずれにせよ最低限のこととして、僅かな計算の手間しかかけずに高周波パルス列の計算を実施することができる。なぜならば、入力データとして高周波パルス列計算のための最適化法に関与する代表マップの個数が、そうでなければ用いられることになる磁場分布マップの個数よりも低減されるからである。
有利には、両方の実施形態を組み合わせて適用することも可能である。つまりたとえば、目下の磁場分布マップを取得するときにすでに所定の取得パターンを使用することによって、第1の個数の代表スライスに対する磁場分布マップだけを決定し、取得されたそれらの磁場分布マップに対し分析を実施し、それらの磁場分布マップがやはりいっそう少ない個数の磁場分布代表マップによって、所定の最適化基準が遵守されるよう、たとえば最適化基準に鑑み定義された規定のコスト値または誤差値を上回ることがないよう、適切なかたちで表されているか否かを判定するのである。このような二段階の方法をとることによって、殊に磁場分布マップを取得する際にすでに、煩雑さを格段に抑えることができる。それにもかかわらず、たとえば取得される磁場分布マップが少なすぎるといったリスクは生じない。個数が少なすぎるというのは、場合によっては所定の最適化基準からみれば、完全に最適なものではない。これに対し、最適化基準に照らしてみると、最適な個数よりも多くの個数の磁場分布マップが取得された場合には、代表マップまでさらに低減することができ、これによって高周波パルス列を設定するための計算プロセスにおいて、最適な個数の代表マップのみによって処理が行われるようになり、そのため計算の手間が最小限に抑えられる。
本発明による磁場分布マップ分析装置はまず第1に、第1の個数の磁場分布マップを捕捉するための、たとえばB0マップおよび/またはB1マップを捕捉するための、入力インタフェース装置を有している。本発明による方法のいずれの実施形態を実施するのかに応じて、目下の被検体に対し取得された磁場分布マップを対象とすることもできるし、あるいは複数の被検体たとえば多数の患者または被験者の磁場分布マップとすることもできる。その目的は、それらをテストデータとして利用し、ひいては適切な代表スライスを決定するためであり、ついでそれらを本発明による方法の第1の実施形態を実施するための取得パターンにおいて利用する。
本発明による磁場分布マップ分析装置はさらに、磁場分布マップグルーピングモジュールを有している。このモジュールは、捕捉された磁場分布マップに基づき所定数の磁場分布マップクラスタを決定するように構成されており、すなわち磁場分布マップから成るグループまたは代表マップから成るグループを決定するように構成されている。この場合、代表マップは、予め定められた最適化基準に鑑み、第1の個数の取得された磁場分布マップを表すないしは代表するものであり、ここで代表マップの個数は第1の個数の磁場分布マップの個数よりも少ない。磁場分布マップ分析装置はさらにオプションとして、代表スライス決定モジュールを有しており、このモジュールは、磁場分布マップクラスタおよび/または代表マップに基づき、所定数の代表スライスを決定するように構成されている。
さらに磁場分布マップ分析装置は、決定された代表マップおよび/または決定された代表スライスに関するポジション情報を出力するための出力インタフェース装置も有している。そしてこれらのポジション情報はあとで、本発明による方法の第1の実施形態に従い、目下の磁場分布マップを取得するための取得パターンにおいて利用することができる。
本発明による制御シーケンス決定装置はまず第1に、所定数の磁場分布マップを捕捉するための、たとえばB0マップおよび/またはB1マップを捕捉するための、入力インタフェース装置を有している。この入力インタフェース装置を、制御シーケンスの設定に利用可能なさらに別のパラメータの捕捉に用いることもでき、たとえばk空間トラジェクトリーの目標磁化もしくはk空間トラジェクトリータイプなどを受け取るために用いることもできる。この種のインタフェース装置を、それぞれ該当するデータを捕捉する異なる複数のインタフェースによって構成することもできるし、あるいは複数のデータタイプを取り込み可能な組み合わせ型のインタフェースによって構成することもできる。
磁界分布マップ分析装置の入力インタフェース装置においても、制御シーケンス設定装置の入力インタフェース装置においても、個々のデータの捕捉とともに殊に、磁場共鳴システムの他のコンポーネントたとえばユーザインタフェースまたはデータベース等を含む記憶ユニットからのデータの受け入れも行われ、もしくは磁気共鳴システムの測定装置または再構成装置からの受け入れも行われる。したがって個々の入力インタフェース装置を、制御シーケンス設定装置内部に配置されたデータ記憶装置またはネットワークを介してこの装置と接続されたデータ記憶装置からのデータを、場合によってはユーザインタフェースも使用して選択し受け入れるためのインタフェースとすることもできる。殊に、ユーザによりセットされるさらに別のデータの入力または受け入れに関して、あるいは特定のスライスポジションの入力に関して、それらのデータを手動で入力するためのユーザインタフェースたとえばグラフィックユーザインタフェースを、既述のインタフェース装置が備えるようにすることができる。
さらに制御シーケンス設定装置は、上述の磁場分布マップ分析装置を有している。これに加えて制御シーケンス設定装置は、高周波パルス設定ユニットも有しており、たとえば適切な最適化ユニットも有しており、その目的は、磁場分布マップもしくは代表マップに基づき高周波パルスを設定することである。
また、制御シーケンス設定装置は、磁気共鳴トモグラフィシステムの別の制御ユニットへ制御シーケンスを渡す目的で、適切な制御シーケンス出力インタフェースを有するべきである。制御シーケンス出力インタフェースをたとえば、測定をダイレクトに制御するために制御シーケンスを磁気共鳴制御装置へ転送するインタフェースとしてもよいし、そうではなくネットワークを介してデータを送信するインタフェースおよび/またはあとで利用するために記憶装置にデータを格納するインタフェースとしてもよい。
本発明による磁気共鳴システムは、高周波パルスを送信するための高周波送信装置のほかに、必要な傾斜磁場をスイッチングするための傾斜磁場システムと制御装置を有している。この制御装置は、設定された磁気共鳴システム作動シーケンスに基づき望まれる測定を実施するために高周波パルスを送信し、それに整合させて傾斜磁場システムを介して傾斜磁場パルス列を送信するように構成されている。さらに磁気共鳴システムは、本発明に従い作動シーケンスを設定し、それを制御装置へ転送するために、上述の制御シーケンス設定装置を有している。
したがって、本発明による既述の手順に従った磁気共鳴システムの作動方法の場合、作動シーケンスが設定され、この作動シーケンスを用いて磁気共鳴システムを作動させる。
磁気分布マップ分析装置および/または制御シーケンス設定装置の基本的な部分を、ソフトウェアコンポーネントの形態で構築することができる。このことは殊に、磁場分布マップグルーピングモジュール、オプションとして設けられる代表スライス決定モジュール、ならびに高周波パルス設定ユニットについてあてはまる。同様に、既述のインタフェースを少なくとも部分的にソフトウェアの形態で構築することもでき、場合によっては既存のコンピュータのハードウェアインタフェースにアクセスするように構築することができる。したがって本発明には、磁場分布マップ分析装置および/または制御シーケンス設定装置の記憶装置にダイレクトにロード可能なコンピュータプログラムも含まれる。このコンピュータプログラムは、それが磁場分布マップ分析装置もしくは制御シーケンス設定装置において実行されると、本発明による方法のすべてのステップを実行させるためのプログラムコードセグメントを有している。このようにソフトウェアによって実現することの利点は、本発明に従い最適化された制御シーケンスを設定するために、制御シーケンスの設定に利用される従来の装置であっても、プログラムの実装により適切なやり方で変更できることである。
従属請求項ならびに後述の説明には、本発明の格別有利な実施形態が記載されている。この場合、たとえばあるカテゴリーの請求項を、他のカテゴリーの従属請求項と同様に変形させることができるし、種々の実施例の特徴を組み合わせて、さらに別の実施例を形成することも可能である。
慣用的な手法によれば、高周波パルスはただ1つの送信チャネルを介して送信され、ついで適切なやりかたで全身コイルへ供給される。この場合、たとえば高周波信号を分割し、互いに90°振幅および位相をシフトさせ、それに応じて空間的にずらされた部分信号を、円偏波され(位相のみ)または楕円偏波され(振幅および位相)最適なケースでは均一なB1磁場が送信されるよう、バードケージ型アンテナとして形成された全身コイルへ供給することができる。既述のように比較的新しい磁気共鳴システムの場合には、画像生成に整合された固有の高周波信号を個別の送信チャネルに供給することができる。この目的で、マルチチャネルパルス列が送信される。マルチチャネルパルス列は複数の個別の高周波パルス列から成り、これら複数の個別の高周波パルスを、それぞれ異なる独立した高周波送信チャネルを介して並列に送信することができる。マルチチャネルパルス(pTXパルス)を、励起パルス、再収束パルス、および/または反転パルスとして用いることができる。たとえば、W. Grissom等による"Spatial Domain Method for the Design of RF Pulses in Multicoil Parallel Excitation", Mag. Res. Med. 56, 620-629, 2006には、この種のマルチチャネルパルス列をパラレルな励起法で発生させる方法が記載されている。このようなマルチチャネルシステム(pTXシステム)によれば、検査すべき所望の視野(FoV, Field of View)もしくは励起すべき所望の領域(FoE, Field of Excitation)において、できるかぎり均一な磁化を実現できるだけでなく、目標磁化に対する任意の空間パターンを設定することも可能である。
K. Setsompop等による論文"Magnitude Least Square Optimization for Parallel Radio Frequency Excitation Design Demonstrated at 7 Tesla With Eight Channels", Magn.Reson.Med. 59: 908 bis 915, 2008には、検査空間内の規定されたスライスを励起する目的で、二次元の高周波パルスシーケンス(いわゆる「2DRFパルス」)を既述のようにして設定するための1つの可能性について記載されている。これによれば、横方向の目標磁化が、空間的なコイルプロフィルとマルチチャネル用の高周波パルス列とから成る線形の行列方程式系によって表現され、そこには存在するB0マップとB1マップならびに適用されるk空間トラジェクトリーに関する情報も関与する。整合された高周波パルスシーケンを得る目的で、予め定められた特定の目標磁化のために、この方程式系が数値的に解かれる。
同様のやり方で、B0マップとB1マップに基づき3次元の高周波パルスシーケンスを計算することも可能であり、これによって通常のスライスよりも著しく厚い3次元のボリュームを励起することができる(この点についてはJ.T. Schneider 等による"Inner-Volume Imaging In Vivo Using Three-Dimensional Parallel Excitation", Magn.Reson.Med. 2012, doi: 10.1002/mrm.24381を参照されたい)。
本発明による方法は、この種のpTX法において格別な利点を奏するものであるので、本発明に従って設定された磁気共鳴システム作動シーケンスが高周波パルス列として1つのマルチチャネルパルス列を含むように、本発明による方法を適用するのも有利である。とはいえ基本的に本発明による方法は、ただ1つの送信チャネルしか設けられていない慣用的な方法ならびにシステムと関連させても、きわめて良好に適用することができる。
既述のように本発明による第1の実施形態によれば、たとえば患者や被験者など種々の被検体の複数のトレーニングデータセットに基づき、代表スライスもしくはそれらのポジションデータが決定される。この場合、トレーニングデータセットには、該当する検査対象に対し取得された複数の磁場分布マップがそれぞれ含まれている。トレーニングデータセットを、それらが特定の被検体タイプに固有のものとなるように選定することができ、たとえば子供のためのトレーニングデータセットまたは大人のためのトレーニングデータセット、あるいは性別固有のトレーニングデータセットとすることができる。同様に、特定の検査パラメータに固有のトレーニングデータセットを、殊に特定の関心領域もしくは検査すべき体の部位に固有のトレーニングデータセットを予め定めることも可能であるし、あるいはfMRI検査であるのか、どのような作動シーケンスタイプを扱うのかなど、検査の種類に固有のトレーニングデータセットを予め定めることも可能である。したがって、磁場分布マップに固有の整合された最適な代表スライスを決定することもでき、ついでそれらの代表スライスを、たとえばパラメータとして測定プロトコルにいっしょに格納することができる。あとで測定を行うときにこの測定プロトコルをベースとして、そのような固有の測定に最適な取得パターンを用いて、磁場分布マップの取得を実施することができる。
その際、1つの有利な実施形態によれば最初に、取得された複数の磁場分布マップに基づき、予め定められた最適化基準に照らして取得された複数の磁場分布マップを表すないしは代表する所定数の代表マップおよび/または磁場分布マップクラスタが決定され、次にそれらの代表マップもしくは磁場分布マップクラスタに基づき、代表スライスが決定される。この場合、磁場分布代表スライスをたとえば単に、代表マップを取得したスライスとすることができ、もしくはそれぞれ1つの磁場分布マップクラスタを表す磁場分布マップのポジションとすることができる。
この場合、代表スライスを最初に各被検体ごとにトレーニングデータセット内で別個に決定しておき、種々の被検体に対する代表スライスを合わせて組み合わせることによって、すべてのトレーニングデータセットに対し最適な共通の代表スライスを得ることができる。ただし基本的に、最初に種々の被検体のトレーニングセットを組み合わせて1つの共通のトレーニングデータセットを形成しておき、次にそれに基づき理想的な代表スライスを決定することも可能である。磁場分布マップもしくは画像の組み合わせを、以下のようにして行うことができる。
共通の最適化を行う場合(共通のトレーニングデータセットの場合)、本発明による方法においてすべてのトレーニングデータセットが、クラスタリングの際に同時に用いられる。この場合、被検体の個数は、入力データの1つの別のディメンションにすぎない。ここでは2つのスライス間におけるスライス固有のコスト計算を、被検体の個数にわたり付加的に繰り返すことができる。
種々の被検体に対し別個に最適化を行う場合、個々の被験者の結果を適切な手法で組み合わせることができ、たとえば所定の分散の範囲内で平均することによって組み合わせることができる。
代表マップが、たとえば磁場分布マップの部分集合を含むようにすることができる。つまりたとえば、すべての磁場分布マップ全体のうち、予め定められた最適化手順に従い磁場分布マップ全体を良好に代表する特定の磁場分布マップだけが、磁場分布マップ全体から選択される。代替案として、あるいはこれに加えて、該当する磁場分布代表マップにより表される磁場分布マップからそれらの代表マップの値を生成することにより、代表マップを形成することもできる。これに関する1つの典型的な例を挙げるとすれば平均値マップであって、これによれば、代表マップにより表される磁場分布マップの画素の平均値により、個々の画素の値が形成される。ただし、すでに挙げたような他の組み合わせ手法も可能である。
磁場分布代表マップおよび/または磁場分布代表スライスの決定を、クラスタ形成法を用いて行うと有利である。これによれば磁場分布マップが予め定められた最適化基準に従ってグルーピングされ、有利には所定の類似度に従ってグルーピングされ、磁場分布マップクラスタが形成される。この種のクラスタ形成法ないしはグルーピング法によってたとえば、類似度に従い最も類似している磁場分布マップを正確にまとめることができる。このようにすることで、磁場分布マップの個数を比較的簡単に低減することができ、これによっても、磁気共鳴システム作動シーケンスをあとで計算するときに個数低減が影響を強く及ぼしすぎることもなく、そのことで画像生成にあたり品質を損なってしまうこともない。
その際に有利であるのは1つの磁場分布マップクラスタに、個々のクラスタの磁場分布マップを代表する1つのクラスタ代表マップをそれぞれ対応づけることである。これをクラスタに属する磁場分布マップのうち特に代表的な1つの磁場分布マップとすることができるし、あるいは磁場分布マップから形成された特別なマップたとえば平均値マップとすることができる。
殊に有利であるのは、グルーピングをクラスタ形成法において複数のレベルもしくは複数のステップで行うことである。この場合、(クラスタ形成法がすでに比較的高いレベルにあれば)各レベルごとに、予め定められた最適化基準に従い相互間で最も僅かな偏差を有する磁場分布マップまたは磁場分布クラスタがそれぞれちょうど2つずつまとめられて、次のステップのために1つの新たな磁場分布マップクラスタが形成される。つまりこの方法によれば、このようにして2つの磁場分布マップもしくは磁場分布マップクラスタが組み合わせられていくことから、階段状に各レベルごとにちょうど1つずつ少ない磁場分布マップもしくは磁場分布マップクラスタを含むグルーピングツリーもしくはクラスタツリーを作成することができる。したがってこのクラスタツリーの最下位レベルには、すべてのスライスに対する全磁場分布マップが含まれ、最上位レベルには、全磁場分布マップに対して共通する1つの磁場分布マップクラスタもしくは1つの代表マップだけが含まれる。
2つの磁場分布マップおよび/または磁場分布マップクラスタ間の偏差を、もしくは対応するクラスタ代表マップ間の偏差を、そのつどコスト関数によって求めるのが有利である。これに加えて、あるいは代替案として、クラスタ形成法の各レベルごとに、予め定められた最適化基準に従いコスト値を計算することができる。予め定められた最適化基準が類似度であるならば、そのようなコスト値をたとえば、2つの磁場分布マップが類似していない程度を表す偏差誤差に対応させることができる。この場合、1つのクラスタ形成法の1つのレベルに対するコスト値をたとえば、個々のレベルにおいて2つの磁場分布マップ双方もしくは2つの磁場分布マップクラスタ双方をまとめたときに生じたコスト値とすることができる。
この方法を加速する目的で、有利には磁場分布マップおよび/または磁場分布マップクラスタの集合に対し、たとえば既述のクラスタ形成法の各レベルにおける目下の磁場分布マップおよび/または磁場分布マップクラスタに対し、コスト行列を形成することができる。その際、このコスト行列は、各レベルごとに目下の磁場分布マップおよび/または磁場分布マップクラスタのために更新されるだけである。これについてはあとで種々のオプションを説明する。
既述のクラスタ形成方法において、すべてのスライスの全磁場分布マップからスタートして、最後のレベルでクラスタ形成法に関与した全磁場分布マップを代表するただ1つの磁場分布マップに至るまで、すべてのレベルを通して実行することができる。ただし自明のとおり、ただ1つの磁場分布マップだけでは一般には磁場マップ全体を良好に代表するものとはなり得ず、スタート時点で存在した全磁場マップに対しただ1つの共通の代表マップだけしか用いないと、比較的大きな偏差誤差が発生する可能性がある。このため、上述のクラスタ形成方法において、最適な個数の代表マップおよび/または代表スライスを選択するのが得策である。すなわち多段階のレベルによるクラスタ形成方法の場合であればたとえば、どの磁場分布マップもしくは磁場分布マップクラスタがどのレベルで、関与する磁場分布マップを最適化基準に照らして最適に代表するのかを、選択することができる。
このことはたとえば、クラスタ形成法の各レベルごとにコスト値を、有利には磁場分布マップの情報内容たとえば偏差誤差に基づき実際にすでに計算しておけば、比較的簡単に実施することができる。たとえばこの場合、代表マップおよび/または代表スライスの個数の選択に対する1つの基準によれば、最大許容コスト値が予め与えられ、目下のコスト値がこの最大許容コスト値を下回るように個数が選択される。別の有利な可能性として挙げられるのは、コスト値の上昇特性を代表マップもしくは代表スライスの個数の関数として考慮することであり、たとえばコスト値の上昇特性をクラスタ形成法の各レベルに依存させるのである。このようにすれば、さらにそれ以上低減したならばコスト値が不所望に上昇してしまうように、代表マップもしくは代表スライスのレベルまたは個数を選択することができる。
さらに別の選択肢として、最小数または具体的な個数の代表マップもしくは代表スライスを予め定めることも可能である。同様に、特定の低減水準を予め定めることも可能であり、たとえばスライスもしくは磁場分布マップの個数を特定の係数もしくは割合だけ低減するようにしてもよい。
なお、代表マップおよび/または代表スライスを、さらに別の以下のパラメータのうち少なくとも1つを考慮して決定することもできる。
別の入力パラメータとして、重み付け値を予め定めることができる。この値によってたとえば、種々のタイプの磁場分布マップを本発明による方法においてどのように重み付けるのかを規定することができる。一例として、B0マップとB1マップについて共通のグルーピングが行われるならば、種々のスライスに対するB0マップ間の類似度の方が重要であるのか、あるいはB1マップの間の類似度の方が重要であるのかを規定することができる。
ここで考慮すべき点は、原則的にはB0マップの集合すなわち種々のスライスにおけるB0マップと、個々の高周波チャネルもしくは特定の送信コイルに割り当てられた種々のB1マップの集合すなわち種々のスライスにおける高周波チャネルもしくは送信コイルのためのB1マップとを、別個に考察できることである。つまりB0マップの集合と、個々の高周波送信アンテナ各々もしくはそれらのB1マップの集合とに対し、それぞれ独立して本発明による方法を実施することができる。このようにすることによって、それぞれ異なる高周波チャネルのB0マップもしくはB1マップに対して、それぞれ異なる代表マップおよび/または代表スライスを決定できるようになる。
ただし基本的に、すべての異なる磁場分布マップを統合して、あるいは種々の高周波チャネルに対し少なくともB1マップを統合して、共通の代表スライスを決定することもでき、この共通の代表スライスについて、それぞれ異なる高周波チャネルに対しそれぞれB0マップもしくはB1マップが決定される。この場合、重み付けがB0マップの方に多くフォーカシングされるならば、オフ共鳴効果をいっそう多く考慮することができる。これに対し重み付けがB1マップへずらされると、送信コイル相互間によるシャドウ効果をいっそう多く考慮することができる。
磁場分布代表マップおよび/または磁場分布代表スライスを決定する際に利用できるさらに別の入力パラメータは、測定領域内で規定された関心領域の情報であり、このパラメータを低減プロセスもしくはクラスタ形成法において別個に考慮することができる。これによって、望まれる特定の領域内の精度が向上する。
さらに、磁場分布代表マップおよび/または磁場分布代表スライスを決定する際の入力パラメータとして、トレーニングデータセットから規定された基準を、磁場分布代表マップの最適な選択のために利用することもできる。すなわち、先行の最適化の結果を利用して、後続の最適化を改善することができ、したがっていわば学習能力のある最適化システムが形成されていくことになる。
さらに、形成すべき磁気共鳴システム作動シーケンスのシーケンスタイプを考慮することができ、つまりたとえばどのようなパルスシーケンスを扱うのかを考慮することができ、たとえばそれらは以下の通りである。すなわち、
−ターボスピンエコーシーケンス(TSE)。この種のシーケンスは、B1不均一性に対し著しく敏感であるが、B0不均一性に対してはよりロバストである。
−フリップ角の小さい傾斜磁場エコーシーケンス(GRE)。これはターボスピンエコーシーケンスとは逆の特性を有する。
−3D励起パルスを有するシーケンス。この場合、パルスは長くなりがちであり、したがって先験的にオフ共鳴に対しいっそう強く重み付けられることになる。
−スパイラルパルスが強く加速されたシーケンス。これらのパルスは著しく短く、したがってB0マップをごく僅かに重み付けることが必要になる。
−B1シミングのみに関する用途のためのシーケンス。この場合、B0マップは考慮されない。
その際にたとえば、上述の重み付け値を変更することもできる。なぜならば、種々の高周波パルスタイプとそれらの特性に対して、重み付けがそれぞれ異なる可能性があるからである。また、まえもって定められる身体領域に応じて、あるいは適用されるシーケンスタイプに応じて、低減水準もそれぞれ異なるように決定することができる。この目的で、低減水準に関する情報を、たとえば測定プロトコル内に格納しておくことができる。当然ながら測定プロトコルには、特有のパルスシーケンスタイプも規定されているので、低減水準がパルスシーケンスタイプに整合されるようになる。ただし、これらのパラメータを、殊にプロトコルを呼び出す際に目下の測定のためにユーザがさらに変更可能であり、この点については測定プロトコルにおける他のパラメータの場合にも同様に可能である。
実際の運用において、磁場分布マップは時間の経過につれてダイナミックに変化する可能性があり、たとえば機器の不安定性および/または患者/被験者の運動および生理現象(呼吸、心拍)などによって変化する可能性がある。それゆえ殊に有利であるのは、測定中、すなわち一般に複数の記録または複数の測定シーケンスが実行される測定セッションの期間中に、最新の磁場分布マップを新たに捕捉しなおすことである。たとえばこのような新たな捕捉を、規則的なタイムインターバルで繰り返し行うことができ、あるいは不規則な間隔でもこれを行うことができる。同様に、イベント制御型で新たな測定を実施することも可能であり、たとえばMR信号によって(内部的に)あるいは外部のセンサ(たとえば運動センサ、磁場センサ)によって変化が検出されたときに、これを行うことができる。
次に、添付の図面を参照しながら実施例に基づき本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明による磁気共鳴システムの1つの実施例を示す図 作動シーケンスを設定するための本発明による方法の1つの実施形態による可能な流れを示すフローチャート 磁場分布代表マップと磁場分布代表スライスを決定するための本発明による方法の1つの実施例による可能な流れを示すフローチャート 図3による方法において生成されるクラスタツリーを磁場分布マップおよび磁場分布マップクラスタとともに例示した図 図3による方法において用いるためのコスト行列を示す図 ある被験者の頭部の11枚のスライスに対するB1マップと、図3による方法を用いてこれらのスライスから11段階のレベルで決定された磁場分布代表マップを示すとともに、それらの下に個々のレベルにおける磁場分布代表マップの個数の関数として相対的な類似度誤差のグラフを示す図 被験者頭部のスライスを(シミュレーションで)励起したときの相対的な空間的励起誤差(RMSE = Root Mean Square Error二乗平均誤差)を示すグラフ
図1には、本発明による磁気共鳴装置1が略示されている。この磁気共鳴装置1は本来の磁気共鳴スキャナ2を含んでおり、その中には検査空間8つまり患者トンネルが設けられている。この患者トンネル8には寝台7を運び入れることができ、検査中、その上に寝かされた被検体O(患者/被験者)を、磁気共鳴スキャナ2内部の特定のポジションにおいて、その中に配置された磁石システムおよび高周波システムに対し相対的に寝かせることができ、もしくは測定中、様々なポジションに移動させることができる。
磁気共鳴スキャナ2の基本的なコンポーネントは、基本磁場磁石3と、x,y,z方向で任意の傾斜磁場を加える傾斜磁場コイルを備えた傾斜磁場システム4と、高周波全身コイル5である。被検体Oに誘起された磁気共鳴信号の受信を、高周波全身コイル5を介して行うことができ、このコイル5によって通常、磁気共鳴信号を誘起するための高周波信号も送信される。ただし一般的にはこれらの信号は、たとえば被検体Oの上方または下方に配置された局所コイル6によって受信される。これらのすべてのコンポーネントは基本的に当業者には知られており、したがってそれらについて図1には概略的にしか示していない。
高周波全身コイル5は、たとえばいわゆるバードケージ型アンテナとしてN個の個別のアンテナロッドを有することができ、それらのアンテナロッドを個々の送信チャネルS,...SNとして制御装置10により別個に制御可能であり、つまりこの場合の磁気共鳴トモグラフィシステムはpTX対応のシステムである。ただしここで明示的に述べておくと、1つの送信チャネルしかない慣用的な磁気共鳴トモグラフィ装置にも本発明による方法を適用可能である。
制御装置10を制御コンピュータとすることができ、これを多数のコンピュータによって構成することもでき、場合によっては空間的に隔てられており適切なケーブル等によって互いに接続された複数の個別のコンピュータによって構成することもできる。制御装置10は端末インタフェース17を介して端末装置20と接続されており、この端末装置20によって磁気共鳴装置1全体を駆動制御することができる。この実施例では端末装置20は、キーボード28と、1つまたは複数のディスプレイ27と、たとえばマウスなど他の入力機器を備えたコンピュータ21を有しており、したがってオペレータはグラフィックユーザインタフェースを有している。
ここで特に挙げておくと、制御装置10は傾斜磁場制御ユニット11を有しており、さらにこのユニット自体を複数のサブコンポーネントによって構成することができる。この傾斜磁場制御ユニット11を介して、個々の傾斜磁場コイルに制御信号SGx,SGy,SGZが供給される。ここで扱われるのは傾斜磁場パルスであり、それらは測定中、予め厳密に定められた時点に予め厳密に定められた時間経過でセットされる。
さらに制御装置10は高周波送受信ユニット12も有している。この高周波送受信ユニット12も複数のサブコンポーネントによって構成されており、これによってそれぞれ別々にかつパラレルに、個々の送信チャネルS,...SNすなわち個別に駆動制御可能な全身コイル5の角アンテナロッドへ、高周波パルスを供給することができる。高周波送受信ユニット12を介して、磁気共鳴信号を受信することもできる。ただし通常、これは局所コイル6を用いて行われる。局所コイル6によって受信された生データRDは、高周波受信ユニット13によって読み出されて処理される。高周波受信ユニット13によって、あるいは全身コイル5から高周波送受信ユニット12を介して受信された磁気共鳴信号は、生データRDとして再構成ユニット14へ転送される。再構成ユニット14は生データRDから画像データBDを再構成し、そのデータを記憶装置16に格納し、および/またはインタフェース17を介して端末装置20へ転送し、それによってオペレータは画像データを閲覧することができる。画像データBDを、ネットワークNWを介して別の場所で記憶および/または表示させ評価することもできる。局所コイル6が適切なスイッチングユニットを有しているならば、局所コイル6を高周波送受信ユニット12に接続して、局所コイル6を送信にも利用できる。
傾斜磁場制御ユニット11、高周波送受信ユニット12、局所コイル6のための受信ユニット13は、測定制御ユニット15によってそれぞれコーディネートされて制御される。測定制御ユニット15は相応の命令によって、望ましい傾斜パルス列GPが適切な傾斜制御信号SGx,SGy,SGzによって送信されるようにし、高周波送受信ユニット12をパラレルに制御して、マルチチャネルパルス列MPを送信させ、すなわち個々の送信チャネルS1,...,SNを介してパラレルに相応しい高周波パルスが全身コイル5の個々の送信ロッドに供給されるようにする。さらにその際に実施しなければならないのは、適切な時点に局所コイル6における磁気共鳴信号を高周波受信ユニット13によって読み出して、もしくは場合によっては全身コイル5における信号を高周波送受信ユニット12によって読み出して、さらに処理することである。測定制御ユニット15は予め定められた制御プロトコルPに従い、相応の信号殊にマルチチャネルパルス列MPを高周波送受信ユニット12へ供給し、傾斜磁場パルス列GPを傾斜磁場制御ユニット11へ供給する。この制御プロトコルPには、測定中にセットしなければならないすべての制御データが格納されている。
一般に記憶装置16には、種々の測定のための多数の制御プロトコルPが格納されている。オペレータは端末装置20を介してそれらのプロトコルを選択することができ、必要に応じて変更して、現在望まれている測定に相応しい制御プロトコルPを利用できるようにし、それによって測定ユニット15を動作させることができる。なお、オペレータはネットワークNWを介して、たとえば磁気共鳴システムのメーカなどから、制御プロトコルを呼び出すこともでき、必要に応じてそれを変更して利用することもできる。
ただし、このような磁気共鳴測定の基本的なフローならびに制御のための既述のコンポーネントは当業者に周知であるので、それらの点についてはここではこれ以上言及しない。なお、この種の磁気共鳴スキャナ2ならびにこれに属する制御装置が、さらに多くの別のコンポーネントを備えることも可能であり、それらについてもここでは詳しくは説明しない。さらにここで言及しておくと、磁気共鳴スキャナ2をここで述べたものとは異なるように構成することも可能であり、たとえば側方に開放された患者空間を備えるようにすることもでき、さらに基本的に、高周波全身コイルを必ずしもバードケージ型アンテナとして構成しなくてもよい。
さらに図1には、本発明による制御シーケンス設定装置22も略示されており、この装置は磁気共鳴システム作動シーケンスASを設定するために用いられる。特定の測定のために、この磁気共鳴システム作動シーケンスASに含まれているものとして特に挙げておきたいのが、k空間内の特定のトラジェクトリーを通過させるための傾斜勾配パルス列GPを有するパルシーケンスと、これに整合されて個々の送信チャネルS1,...,SNを制御するための高周波パルス列ここではマルチなネルパルス列MPである。この実施例によれば磁気共鳴システム作動シーケンスASは、測定プロトコルPに予め定められているパラメータに基づき生成される。
ここでは制御シーケンス設定装置22は、端末装置20の一部分として描かれており、ソフトウェアコンポーネントとしてこの端末装置20のコンピュータ21において実現することができる。ただし基本的に、制御シーケンス設定装置22が制御装置10自体の一部分であってもよいし、あるいはこれを別個のコンピュータシステム上で実現させてもよく、完成した作動シーケンスASがネットワークNWを介して磁気共鳴システム1へ伝達され、場合によって制御プロトコルP全体として伝達される。制御シーケンス設定装置22自体を制御装置10の一部分とした場合、あるいは制御シーケンス設定装置22が端末装置20または十分な計算能力を備えた適切な高速コンピュータと接続されている場合に有利であるのは、測定セッション中も、すなわち患者の検査実行中も、現在の初期条件に基づき、たとえば更新されたB0マップおよび/または更新されたB1マップに基づき、最新の制御シーケンスを設定可能なことである。
後述のように励起のために最適化された高周波パルス列の計算において必要とされるB0マップとB1マップは、少なくとも本来の測定が始まる前に、被検体O内部の1つの視野9(FoV = Field of View 撮像視野)における複数のスライスSLに対して取得され、それらによって磁気共鳴記録も生成されることになる。全般的にいえば従来の一般的な方法によれば、この目的でスライスSLごとに1つのB0マップと複数のB1マップが記録され、つまり送信チャネルごとに記録される。したがってたとえば、10個の送信チャネルを備えたシステムにおいて40個のスライスのためのB0マップとB1マップが全体として必要とされる場合、合わせて440個のスライスを取得しなければならない。
1つのスライスSLのB0マップの取得を、様々なやり方で行うことができる。たとえばスライスの2つの傾斜磁場エコー画像を、それぞれ異なるエコー時間で取得することができ、この場合、B0マップは位相画像の差とエコー時間の差から推定される(たとえばM. A. Bernstein等による手引書"Handbook of MRI puls sequences", 2004, Elsevier Academic Press)。B1マップを決定するためにも様々な手法がある。たとえばH. Fautz等による"Bl mapping of coil arrays for parallel transmission", ISMRM, 2008には、1つの方法について記述されている。B0マップとB1マップの取得を、制御プロトコルPによって予め設定して制御することも可能である。
この実施例では、制御シーケンス設定装置22は入力インタフェース23を有している。制御シーケンス設定装置22はこの入力インタフェース23を介して、望まれる測定においてフリップ角度分布をどのようにすべきかを予め設定する目標磁化mと、k空間トラジェクトリーまたはk空間トラジェクトリータイプ、ならびに必要に応じてさらに別の入力パラメータを受け取る。それらのパラメータの一部については、図2を参照しながらあとで詳しく説明する。他方、制御シーケンス設定装置22はこの入力インタフェース23を介して、取得されたB0マップとB1マップを検出し、もしくは受け入れることともできる。
殊に制御シーケンス設定装置22は高周波パルス設定ユニット24たとえば適切な最適化ユニット24を有しており、このユニットにおいて既述の入力データに基づき後述の適切な最適化法を用いて、高周波パルス列MPが設定される。
さらにこの実施例では、制御シーケンス設定装置22は磁場分布マップ分析装置30も有している。この磁場分布マップ分析装置30は入力インタフェース装置31を有しており、この装置によってたとえばB0マップΔB0および/またはB1マップΔB1が取り込まれる。さらに磁場分布マップ分析装置30は、磁場分布マップグルーピングモジュール32も有している。この磁場分布マップグルーピングモジュール32を用いることで、捕捉された磁場分布マップを後述の手法に従い巧みにグルーピングすることによって、複数の磁場分布マップクラスタCおよび/または磁場分布代表マップΔB0R,ΔB1Rが設定される。磁場分布代表マップΔB0R,ΔB1Rは、到来する複数の取得された磁場分布マップΔB0,ΔB1を、所定の最適化基準もしくは類似度基準に従って表すものである。つまり到来したB0マップΔB0および/またはB1マップΔB1は最終的には、適切な代表パターンに低減される。ついで出力インタフェース装置34を介して、低減されたこれらのB0マップもしくはB1マップすなわち代表マップΔB0R,ΔB1Rを、入力データとして高周波パルス設定ユニット24へダイレクトに転送することができる。したがって高周波パルス設定ユニット24は、最適な高周波パルス列MPを設定するために、低減された個数のマップを用いて作業することができる。この実施例ではこれらに加えて磁場分布マップ分析装置30は、代表スライス決定モジュール33も有している。代表スライス決定モジュール33は、磁場分布マップクラスタCおよび/または磁場分布代表マップΔB0R,ΔB1Rに基づき、複数の磁場分布代表スライスRSもしくはそのポジション情報PIを求めることができる。そしてこのポジション情報PIを、やはり出力インタフェース装置34を介して送出することができる。
ついで送出インタフェース装置25を介して、ポジション情報PIを、あるいは設定された高周波パルス列MPを、制御シーケンス設定装置22から再び送出させることができる。第1のケースとして、ポジション情報PIを送出させる場合、磁場分布マップ分析装置30は最初は、代表スライスRSの理想的なポジションを求めるためにのみ動作し、それらのポジションのところで後続の測定のために整合された個数のB0マップおよび/またはB1マップが取得される。この目的でポジション情報PIが制御装置10へ転送され、それによって制御装置10はB0マップもしくはB1マップを取得することができ、次にこれらのマップはさらに制御シーケンス設定装置22へ転送される。第2のケースとして、設定された高周波パルス列MPを送出させる場合、磁場分布マップ分析装置30は、取得された本来のB0マップおよび/またはB1マップを処理する役割ないしは低減する役割を果たし、これによって制御シーケンス設定装置22は、以降の最新の磁気共鳴測定のための最適な高周波パルス列MPをただちに生成することができ、このパルス列MPはたとえば制御プロトコルPもしくは測定プロトコルとして制御装置10へ転送される。この場合、制御プロトコルPもしくは測定プロトコルには、磁気共鳴システム1を作動させるためのさらに別の設定も記述されている(たとえば生データから画像を再構成するためのパラメータなど)。
測定セッション実行中に作動シーケンスASを更新するつもりであれば、この作動シーケンスASを制御プロトコルPに格納しておくことができ、このようにすることで制御装置10は適切な時点で新たな作動シーケンスASを本発明に従って設定することができ、あるいは端末装置20あるいは他のコンピュータから呼び出すことができる。
次に図2を参照しながら、磁気共鳴システム作動シーケンスASを設定するための実現可能な方法について、きわめて簡単な例に基づき説明する。
最初にステップIにおいて、あとで実施される方法において用いられる種々のパラメータが予め設定され、もしくはそれらが採用される。たとえばステップIaにおいて、個々の送信チャネルとスライスに対するB1マップΔB1が取り込まれ、ステップIbにおいて各スライスに対し目下測定されるB0マップが取り込まれる。
ステップIcにおいて、システム固有のパラメータSPたとえば送信チャネル数、最大スリューレート、最大傾斜磁場振幅などが取り込まれ、ステップIdにおいて検査固有の種々のパラメータたとえば撮像すべきスライスのポジショニングSL、シーケンスタイプSTなどが取り込まれる。さらにステップIeにおいて、望まれる目標磁化mが設定される。
さらにステップIfにおいて、厳密なk空間トラジェクトリーまたはk空間トラジェクトリータイプKTTが設定され、たとえば直線的なトラジェクトリーであるのか、螺旋状のトラジェクトリーであるのか、放射状のトラジェクトリーであるのかなどが設定される。つまり作動シーケンスを発生させるために、たいていは最適化法において個々の高周波パルス列が設定され、すなわち高周波トラジェクトリーが個々の送信チャネルについて時間軸上で、一定のk空間トラジェクトリーの関数として求められ、これは一般的には測定プロトコルによって、あるいは個々にオペレータによってセットされる。「送信k空間トラジェクトリー」(以下では略して単に「トラジェクトリー」と称する)とは、個々の傾斜磁場の設定により特定の時間に到達するk空間内の場所のことである。k空間は空間周波数空間であり、k空間におけるトラジェクトリーは、傾斜磁場コイルの相応のスイッチングにより高周波パルスが送信されたときに、どのような経路でk空間を時間に関して通過するのかを記述する。k空間トラジェクトリーの設定により、どのような空間周波数のところで特定の高周波エネルギー量が蓄積するのかを決定することができる。k空間トラジェクトリータイプKTTがユーザまたは測定プロトコルによって予め設定される場合、最適化されたk空間トラジェクトリーをこの方法において計算することができる。
ステップIa〜Ifの順序は任意である。
次にステップIIにおいて、k空間トラジェクトリーが事前に設定されていなかった場合にかぎり、最適化されたk空間トラジェクトリーを求めることができる。これについては様々なオプションがある。たとえばDE 10 2012 212 376には適切な手法が記載されている。
その際に殊に有利であるのは、作成された磁気共鳴システム作動シーケンによって磁気共鳴システムを作動させるときにk空間がサブサンプリングされるよう、k空間トラジェクトリーを求めることである。このことが殊に有用となるのは、pTXシステムを適用する場合である。その理由は、このシステムを用いた場合、巧みなサブサンプリングとパラレルな送信プロセスの同時利用とによって、励起つまりは測定を加速させることができるからである。つまり一例として1つの格別有利な変形実施形態によれば、k空間を少なくとも部分的に規則的なパターンで、たとえばTX−SENSE(SENSE = sensitivity encoding)法を用いて、サブサンプリングすることができる。さらに別の格別有利な方法によれば、k空間のサブサンプリングが少なくとも部分的に不規則なパターンで、および/またはランダムに行われ、このことはたとえばいわゆる圧縮センシング(Compressed Sensing)法と関連させて行うことができる。
この場合、ステップIIIにおいて、高周波パルス列の設計ここではマルチチャネルパルス列の設計が自動的に行われる。その際、個々の高周波パルス列がそれぞれ異なる送信チャネルに対して生成され、すなわちどのような高周波パルス形状をどのチャネルを介して送信する必要があるかが精確に計算される。これは最初に、フリップ角が5°よりも小さいいわゆる「ローフリップ領域low flip region」に対して行われる。なぜならばこの領域では、磁化特性がまだ直線的に進行するからである。ここでは反復的な最適化法が適用されるが、その理由はそのような手法が格別適していると判明したからである。具体的にはここでは、いわゆる共役勾配法(CG法 conjugate gradient method)が用いられる。ただし基本的には他の最適化法も使用することができ、反復的でなくても使用可能である。
これを任意の方法によって行うことができる。その際、多くの既知の方法によれば、たとえば目標磁化と実際磁化との間の最小二乗平均誤差(Least-Mean-Square)が最小となるよう、最適化法が実行される。つまり次式の解が求められる:
ここでmは目標磁化であり、mist=A・b(t)は高周波パルス列b(t)により得られる(理論的な)実際磁化、ただしAはいわゆるデザイン行列であり、これは空間的なコイルプロファイル、目下のB0マップおよびB1マップ、ならびに適用されるk空間トラジェクトリーが関与する線形の複素方程式である。このようなデザイン行列はたとえば、W. Grissom 等による"Spatial Domain Method for the Design of RF Pulses in Multicoil Parallel Excitation", Mag. Res. Med. 56, 620-629, 2006に記載されている。なお、B0マップとB1マップの個数が多くなるにつれて、デザイン行列がいっそう複雑になり、ひいては最適化法もいっそう複雑になる。b(t)は、たとえばN個の関数bc(t)を含むベクトルである(送信チャネルc=1〜Nごとに1つの関数)。この式は、たとえばステップIIIaにおいて立てられる。式(1)の解が見つかったならば、その結果として、利用可能なすべての送信チャネルについて時間に依存する振幅の関数が得られる。ただし、式の立て方も種々の解法も当業者に周知であるので、ここではこれ以上詳しく論じる必要はない。なお、オプションとして、反復的な手法を用いて最適化された解を求めることも可能であり、たとえば、患者に対する高周波負荷の付加的な最適化を達成する目的で、式を解くときに留意すべき境界条件を反復ステップごとに変更するようにして、最適化された解を求めることができる。
最適化ステップIIIの最後にローフリップ領域について得られたマルチチャネルパルス列を、次にステップIVにおいてスケールアップすることができる。これによって通常は5°のフリップ角領域ではなく90°のフリップ角領域までに及ぶ本来望まれる目標磁化を達成することができる。これは単に、個々のパルスの振幅を望まれるスケーリングファクタで乗算することによって行われる。
ステップVにおいて、スケールアップの際に発生する可能性のある誤差が、部分的なブロッホシミュレーションによって補正される。このような部分的なブロッホシミュレーションは、パルス列内の離散的な時点でしか実施されない。これによればブロッホ方程式を用いることで、検査を行うべき個々の時点のデータがブロッホ方程式を用いたシミュレータにおいてテストされ、得られた磁化が計算される。その後、目標磁化の設定からの偏差が見つかる可能性があり、高周波パルス列を変更することでそれ相応の比較的小さな補正を行うことができる。
次にステップVIにおいて、見つかったすべてのパラメータのテストが時間的に完全なブロッホシミュレーションによってもう一度行われる。ここでは、パラメータによって得られる磁化が実際の目標磁化と一致しているか否かがチェックされる。
最後にステップVIIにおいて、作動シーケンスASが一時記憶装置へ転送されるか、あるいは即座に実行される。
図2には、磁気共鳴システム作動シーケンスASを設定するための方法を本発明に従って動作させるために変更可能なオプションが、3つの異なる個所に示されている。
1つめのオプションは、ステップSRIにおいて方法開始前にすでに以下のようにしておくことである。すなわち、B0マップΔB0とB1マップΔB1を特定の代表スライスRSについてのみ決定するようにし、すべてのスライスSLについては決定しない。それらについては、あとで磁気共鳴画像の再構成のために生データも取得されることになる。このようにすることで、取得すべきB0マップとB1マップの個数をすでにかなり減らすことができ、したがって測定時間全体を著しく短縮することができる。
2つめのオプションは以下の通りである。すなわちステップSRIIにおいて、測定されたB1マップΔB1とB0マップΔB0を本発明に従って低減し、取得されたB0マップΔB0とB1マップΔB1とから、所定の類似度条件のもとでマップの完全なセットをきわめて良好に代表する特定の磁場分布代表マップΔB0R,ΔB1Rを選択する。この方法は場合によってはステップSRIIIにおいても適用される。
これら両方のステップSRIIとSRIIIの相違点は、ステップSRIIが以下のケースを表していることである。すなわちステップSRIIは、個々のスライスのために生データを取得する目的で、後続のステップII〜VIIにおいて励起すべきスライス各々について、固有のパルス列もしくは固有の作動シーケンスを計算すべきケースを表している。このケースの場合、本発明による方法によれば以下のようにすることができる。すなわちこのケースでは、他のスライスのB1マップΔB1もしくはB0マップΔB0を代表するB1マップΔB1もしくはB0マップΔB0がそれぞれ決定されるスライスについてのみ、高周波パルス列が計算される。そしてこの高周波パルス列を、個々の代表的なスライスによって表されるすべてのスライスに適用することができる。つまり、たとえば40個のスライスで記録を実行するものとし、これら40個のスライスがB1マップおよび/またはB0マップに関して、これらのスライスのうち10個のスライスをそれぞれ代表する4つのスライスによって代表されるならば、この4つのスライスに対して高周波パルス列を計算し、個々の代表的なスライスのパルス列をそれによって表されるスライスにも適用すれば十分である。
これに対して、ステップSRIIIは、たとえば3Dボリュームを励起するための高周波パルス列を有する磁気共鳴システム作動シーケンス、またはマルチスライス励起のための1つの共通の最適化されたパルス列を計算すべきケースを表す。当然ながらこのケースでは、すべてのスライスのためのすべてのB0マップとB1マップを、ステップIVの最適化方法においてデザイン行列Aに含める必要がある。B0マップとB1マップを本発明に従って事前に低減すれば、デザイン行列をあまり複雑に形成しなくてもよくなり、その結果、ステップIVにおける計算コストの手間が著しく低減される。
3つのステップSRI,SRII,SRIIIに共通するのは、何らかのやり方でB1マップもしくはB0マップが代表的なB1マップもしくはB0マップに低減されることである。
図3のフローチャートには、このための有利な手順がスライス低減方法SRとして描かれている。この方法は、B0マップであるのかB1マップであるのかには関係なく同じように進むので、以下では簡単にするために両方のバリエーションについて単に略称「マップ」を使用する。
最初に第1のステップS.Iにおいてデータが読み込まれ、たとえば目下取得されたB0マップΔB0とB1マップΔB1が読み込まれる。ここで厳密にどのマップが読み込まれるのかは、スライス低減手順がどのような形態で利用されるのかに依存する。たとえば図2のステップSRIのために磁場分布代表スライスRSを決定することが対象となるのであれば、種々の被検体の多数のB0マップとB1マップを有するトレーニングデータTDが採用される。たとえばスライス低減方法SRを目下実施する際にB0マップだけを低減しようという場合であれば、やはりB0マップだけを入力すれば十分である。B1マップについては、たとえばすべてのチャネルについて同時に低減を行うべきであるのか、あるいは送信チャネルごとに別個に低減を行うべきであるのかに依存する。これに応じて、それぞれ異なるスライスに対し1つまたは複数の送信チャネルのB1マップΔB1も読み込まれる。
ついでクラスタ生成手順CTGが実行される。この手順はステップ3.IIにおいて最初に、目下の最適化基準たとえば類似度誤差を設定することから始められる。これは適切なコスト関数fcostの定義によって行うことができる。
類似度誤差を求めるためのこの種のコスト関数fcostは、様々なやり方で定義しておくことができる。1つの可能性として、次式のコスト関数を用いて類似度誤差が計算される:
この場合、コストは、2つのマップAとB相互の画素の二乗偏差の和に相応する。ただし、mおよびnは、個々の画素のインデックスであり、A(m,n)は、相互間の偏差を計算しようとしている2つのマップのうち、第1のマップの画素(m,n)における強度値であり、B(m,n)は、第2のマップの対応する強度値である。
コスト関数fcostの別の選択肢として、次式による相関係数を用いることも可能である。
ここでAmeanはマップA全体の2つの次元にわたる平均値であり、BmeanはマップB全体にわたる対応する平均値である。
最初のケースでは、Aの画像情報に対してBの画像情報がスケーリングされているにすぎない場合であっても、二乗偏差の和によって大きな非類似度が生じるのに対し、2つめのバリエーションの場合には、相関係数においてこのようなスケーリングは考慮に入れられず、まずは各マップにおける相対的な相違が対象とされる。
コスト関数に関するさらに別の選択肢として、いわゆる伝達情報(相互情報 mutual information)が挙げられ、これは次式のようにして計算される:
ただしHは個々のマップAのエントロピーであり、p(a)もしくはp(b)は、それぞれマップAもしくはBの確率分布密度(離散的周辺分布)であり、p(a|b)はマップAとBの多変量確率分布密度である(条件BのもとでのAの確率密度)。
さらに別のコスト関数を用いることも可能である。なお、ステップ3.IIにおいて、クラスタツリーCTのための記憶場所が初期化される。
この種のクラスタツリーCTがどのような形態をとり得るのかは、最初は全体で8個のスライスSL1,SL2,...,SL8から成る図4に示したマップの例から明確になる。図中、このクラスタツリーCTの最下位レベルもしくは最下位階層には、8個のすべてのスライスSL1,SL2,...,SL8が描かれている。このクラスタツリーCTは、以下で説明するようにして、以降のプロセスにおいて下から上に向かって構築される。
この目的で最初にステップ3.IIIにおいて、事前に定義されたコスト関数fcostを考慮しながらコスト行列CMが形成される。図5には、この種のコスト行列Cが例示されている。この行列は、全体でn個のクラスタもしくはスライスのための行列である。コスト行列CMもしくはクラスタツリーに関する以降の説明ではわかりやすくするため、個々のスライスもクラスタのように処理され、もしくはクラスタと称する。なぜならば、個々のスライスは基本的に、ただ1つのスライスしかもたないクラスタと捉えることもできるからである。
このコスト行列CMに、目下存在する2つのクラスタC1,C2,C3,...,Cnの組み合わせごとに、事前に定義されたコスト関数によって計算されたそれぞれ1つのコスト値cvが入力される。これによって行列が対称となり、対角線上にはゼロだけが含まれるようになる。したがって原則的に、このコスト行列の上側の三角形または下側の三角形を計算すれば十分である。
目下のコスト行列に基づきステップ3.IVにおいて、最小のコスト値cvを有するクラスタペアを決定することができる。したがってそのようなクラスタペアは、互いに最も類似した2つのクラスタである。
この方法がまだ最初のレベルにあるならば、すなわちクラスタツリーCTの最下位レベルにあるならば(図4参照)、個々のクラスタは当然ながら個々のスライスSL1,SL2,...,SL8に対応する。したがってその場合には、マップどうしが最も類似しているスライスペアが選び出される。図4の場合、そのようなスライスペアは、たとえば5番目のスライスと3番目のスライスに対するクラスタである。このため、これら2つのスライスが統合されて1つの新たなクラスタCが形成される。これは図3の手順によれば、ステップ3.Vにおいて行われる。
さらにこれと同時に、このレベルに関して目下の類似度誤差も求められ、すなわちこのレベルに対するコスト値cvが求められる。このコスト値cvはこの最初のレベルでは単に、最も類似した2つのスライスの統合により生じるコスト値に相応する。
図4のクラスタツリーCTによれば、左側のスケールに個々のレベルのコスト値cvが記されており、この図では最大コスト値1に正規化されて任意の単位で記述されている。最大コスト値1に到達するのは、ツリーCTの一番上において最終的にただ1つのスライスしか残っていない場合である。右側のスケールには、そのつど残されたスライスの個数が記されている。
次にステップ3.IVにおいて、クラスタの個数が1よりも小さいか否かが、すなわちすでにクラスタツリーCTの最終レベルに到達したか否かがチェックされる。このことが該当しなければ(分岐"n")、ステップ3.IIIに戻り、コスト行列CMが更新される。つまりこれに応じて、事前の行列の2つのクラスタが統合されたことから、1つのクラスタだけ少ないコスト行列が新たに作成される。変更されなかったすべてのクラスタペアについては、当然ながらコスト値cvも不変のままとすることができる。統合されたクラスタペアについてのみ、他のクラスタに対しコスト値の更新が必要である。これを行うためにやはり多種多様な選択肢があり、それらの選択肢は殊に、どのような代表マップによって新たにグルーピングされた2つのクラスタをいっしょに表現するのかに応じて用いられる。1つのクラスタ代表マップへのマージを、すでにステップ3.Vにおいて行うことができる。そしてこれに依存して、コスト行列の再計算が行われる。
1つめのバリエーションによれば、新たなクラスタの代表マップの計算は、クラスタに含まれるマップもしくはクラスタの画像情報を適切なやり方で組み合わせることによって行われる。たとえば単に従前のクラスタのマップから、一種の平均値マップが形成される。このためには、2つのクラスタまたはそれらのクラスタ代表マップの強度値の平均を求めればよい。このような平均値マップのために、まだ存在する他の個々のクラスタCについてコスト値cvを求める目的で、ステップ3.IIで定義したような相応のコスト関数をそのつど用いることができ、これはたとえば次式によって表すことができる:
ここでIは個々のマップの強度値を表す。インデックスkは、新たに形成されたクラスタCx,Nに対応づけられるすべてのマップを表す。インデックスxは新たなクラスタのインデックスであり、インデックスNはクラスタの新たな総数である。インデックスiは、i = 1...Nのインデックス連番である。つまり新たなクラスタCx,Nに関して、対応づけられたすべてのマップから平均値マップが形成され、他のクラスタに対する個々のコストが更新される。ここで自明であるとおり、コスト関数は画素ごとに計算され、これはたとえば式(2)〜(4)による種々の可能なコスト関数fcostを用いてすでに説明したようにして行われる。
新たなクラスタ各々について新たな代表マップを計算するのではなく、クラスタに含まれるマップのうちの1つをそのクラスタの代表マップとして選択することもできる。これについても様々なオプションがある。
たとえば1つのバリエーションによれば、他のクラスタもしくはそれらのマップに対し最も低いコスト値を有する新たなクラスタのマップが単に選択される。このことは数学的には以下のように記述される:
このバリエーションの場合、他のクラスタに対し目下最も低いコスト値をもつマップIminがダイナミックに決定される。
別のバリエーションによれば、あるクラスタにおいてその中で他のマップに対しコストが最小であるマップが選択される。この方法が有用となるのは、あるクラスタ内に2つよりも多くのマップが含まれているときであり、つまりたとえば2つのクラスタがマージされるときに、それらのクラスタのうち少なくとも一方がすでに2つのマップを含んでいる場合である。このコストの計算のためには単に、この方法の開始時に形成される初期状態のコスト行列を用いればよい。なぜならばこのコスト行列には、最初に存在するすべてのマップ間のコスト値が含まれているからである。ただ2つの単一のマップを統合するのであれば、既述の選択肢の場合には、他のすべてのクラスタに対し最小のコストを有するマップを用いればよい。
代表マップとして、新たなクラスタの他のすべてのマップに対し最小のコストを有するマップが実際に選択されると、まだ残されている他のクラスタに対して新たに形成されたクラスタのコストを計算するためには、やはり2つのきわめて簡単なオプションがある。
最初のケースでは、残りのクラスタに対し新たにグルーピングされた2つのクラスタの最も低いコストが採用される。このコストは、目下のコスト行列に基づき直接求めることができる。これは数学的には以下のように表すことができる:
これに対する同様に簡単な代案として、従前のクラスタの最大コストが単に使用され、これは数学的には以下のように表すことができる:
最小のコストを使用する1つめのケースでは、このアルゴリズムは次のステップに対し最小のコスト変化を約束するが、この方法は全体的にみると最適なソリューションを保証することはできない。2つめのケースによれば、各クラスタが比較的狭くなり、つまりクラスタ内の個々のマップは互いに比較的大きな類似度をもつようになる。
ステップ3.IIIにおいてコスト行列CMが更新されると、ついで再び次のステップ3.IVにおいて目下のコスト行列CMに基づき、最小コストを有するクラスタペアが決定される。図4の実施例の場合、これは第2のスライスSL2および第4のスライスSL4に対するクラスタであり、それらが新たなクラスタCとしてグルーピングされる。次にステップ3.Vにおいて予め定められたルールに従い、それら2つのマップがマージされて新たなクラスタが形成され、たとえばそのクラスタに対し適切な代表マップが新たに計算されるかまたは選択され、これと同時に目下のレベルにおけるコスト値cvも更新され、この更新は、該当するクラスタCのマージにより生じることになる目下のコスト値を、最初のレベルのコスト値に加算することによって行われる。
その後、最後のレベルにおいて、単一のクラスタとして8つのマップすべてを共通に表すただ1つのクラスタCしか存在しなくなるまで、この方法が続けられる。このようにしてクラスタツリーCT全体が作成され、それに応じてステップ3.VIで判断されて(分岐"y")、ステップ3.VIIに進むことができる。
次にこのステップ3.VIIにおいて、マップの低減の度合いをどの程度にすべきかが設定され、つまりここでは、何個の代表マップとともに、もしくは作成されたクラスタツリーCTにおけるどの代表マップが、以降の方法のために最も良好に用いられるのかが設定される。これについてもやはりいくつかのストラテジーの選択肢がある。当然ながら1つの選択肢として、望ましいスライスもしくはマップの個数をそのまま設定することができる。たとえばオペレータは、以降の方法では4つのマップしか使用しないこと、もしくはマップを4つのポジションで測定したいこと、を入力することができる。それらの代表マップもしくはクラスタあるいは対応するスライスを、クラスタツリーCTを用いて特定することができる。
別の選択肢として、パーセンテージまたは割合で低減を設定することができ、たとえば最初に存在したスライスの半分に設定することができる。3つめの選択肢によれば、類似度誤差もしくはコスト値cvが考慮され、たとえばそのために、指定したコスト値cvを最大値として許容する閾値が設定される。この閾値は割合として0〜1を指定することができ、たとえcv=0.5の誤差値を許容可能である。
4つめの選択肢は、コスト値cv(すなわち類似度誤差)の上昇を考慮しながらスライスの個数を設定することである。図6にはこのことが示されている。この図の上方右側には、被検体頭部の11個のスライスに対するB1マップが示されている。そして左側に向かう方向で、クラスタツリーの種々のレベルにおける個々の代表マップがそれぞれ示されており、つまり左に向かうにつれて、必要とされる代表マップが各段階ごとに1つずつ少なくなる。このような図の下に示されたダイアグラムには、クラスタもしくはマップの個数#Cの関数として相対的なコスト値cv(つまりここでは相対的な類似度誤差)が、やはり任意の単位(a. u.)で記されている。このダイアグラムにはっきりと示されているように、4つのスライス数までは誤差が(最大で0.3付近にある)限界内にとどまっているが、それ以降は比較的急峻に値1に向かって上昇していることである。このため有用であるのは、コスト値cvの上昇に基づき、以降の方法では4つのスライスを用いて作業がなされるように設定することである。図面上方には、これら4つのスライスがB1代表マップΔB1Rとして、別個に枠で囲まれて描かれている。
個々の代表マップもしくはクラスタが設定されたならば、次にこの方法は図3に従ってさらに次のステップ3.VIIIにおいてオプションとして、代表的なスライスRSを設定することもできる。そして代表的なスライスRSのポジション情報PIは、新たなB1マップもしくはB0マップの以降の測定において使用され、これは現在実行中の測定セッションにおいてB0マップもしくはB1マップを更新するために用いられ、あるいはトレーニングデータセットを処理して、一般に以降の測定セッションに適した磁場分布代表スライスRSを設定するために用いられる。たとえばこの目的で、それらのスライスのためのポジション情報PIを測定プロトコルに格納しておくことができる。
既述のように、このような代表スライスRSを種々の測定のために個々の検査対象に応じて、またはたとえば頭部測定であるのか腹部測定であるのか等に応じて、あるいは個々の機器形式等に応じて、設定することができる。そしてこのことは、トレーニングデータセットをどのように選択したのかのみに左右される。トレーニングデータセット内において種々の被検体に対し、すなわち種々の患者/被験者に対し、B0マップもしくはB1マップを上述のように様々なやり方で組み合わせることができる。
たとえば本発明に従って最適な高周波パルス列を設定するためにB1マップを低減することによっても、達成される磁化ないしは検査対象における励起パターンにいかなる影響も及ぼさないことを検証する目的で、つまりは画像生成においても誤りが見込まれないことを検証する目的で、種々のシミュレーション調査が行われた。ここでは、すでに手短に言及したブロッホシミュレーションを適用した。このシミュレーションでは、それぞれ3DーEPIパルスシーケンスを前提とした。B0マップすなわちオフ共鳴は、このシミュレーションではさしあたり無視した。目標フリップ角を15°とし、パルス列を設定するための最適化法としてニュートン最適化法を適用した。
励起パターンの相対的な空間励起誤差を、B1マップすべてを最適化問題に使用したソリューションと比較して求めた。ここで相対的な空間励起誤差は、二乗平均誤差 Root Mean Square Error RMSE として計算した。
図7には、本発明に従って低減されたB1マップによるRMSEと、すべてのB1マップによるソリューションのRMSEfullとの比が、使用したB1マップの個数すなわちクラスタ数#Cの関数として%で表されている。B1マップの最大数はここでは15である。この図には2つの曲線が描かれている。実線の曲線は、コスト行列計算のためにコスト関数fcostとして式(3)による相関係数を適用したバリエーションを示し、点線の曲線は、コスト関数fcostとして式(2)による二乗偏差の和を適用したバリエーションを示す。これら両方のケースにおいて、1つのクラスタに対する代表マップを決定するために、そのクラスタ内の他のすべてのマップに対し最も低いコストを有するマップを用いた。また、コスト行列を更新するために、個々の新たなクラスタに対するコスト値cvとして、他の既存のクラスタに対しそのつど最も高い先行のクラスタのコスト値を採用した。
ここにはっきりと示されているように、相対的な空間励起誤差を著しく上昇させることなく、スライスの約3分の1すなわち5個のスライスまで低減することが可能である。実際に、いくつかの個所においてほとんど0よりも小さい値が得られ、つまり相対的な空間励起誤差が、すべてのB1マップを使用した場合よりも実際にはさらに向上している。ブロッホシミュレーションによって生成された励起パターンにおいても、何ら差異は見当たらない。しかもその際に判明したのは、たとえば先行のクラスタの最大コスト値を新たなコスト値として採用することによって、きわめて狭いクラスタリングが達成されることであり、このようなコスト値の採用はきわめて有利である。
つまり上述の例からわかるのは、本発明による方法に従いすでに事前に適切な代表スライスを決定しておき、それらのスライスにおいてのみB1マップもしくはB0マップを決定するようにすれば、取得時間を著しく短縮できることである。ただしいずれにせよ、マルチスライスpTX高周波パルスのための計算時間を著しく短縮できるし、各スライスごとに別個に最適な高周波パルス列を設定しようという場合に、マルチスライスpTX高周波パルス列計算サイクル数も著しく低減できる。最適化問題のディメンションが低減されるので、励起パフォーマンスも向上させることができる。なお、このようにして節約された時間を、分解能を高めてB1マップもしくはB0マップを決定するために利用することもできるし、あるいは患者の動きを考慮するためにB1マップもしくはB0マップを決定する頻度を上げるために利用することもできる。送信チャネル数が増えるにつれて、すべての利点がいっそうはっきりしてくる。
さらにたとえば本発明による方法には、付加的なハードウェアを必要としないという利点もある。本発明は原則的に、これまで知られていたすべてのMR装置に適用可能であり、つまり1つの送信チャネルしかもたないシステムにもpTXシステムにも適用することができる。
最後にもう一度述べておくと、これまで詳しく説明してきた方法ならびに構成は実施例であって、請求項によって規定されているかぎりおいて、本発明の範囲から逸脱することなく、その基本原理を広い範囲にわたって当業者が変更することも可能である。さらに完全を期すために述べておくと、不定冠詞を用いたからといって、該当する特徴が複数存在し得ることを排除するものではない。同様に、「ユニット」および「モジュール」という用語は、それらが複数のコンポーネントから成り、場合によっては空間的に分散させておくことも可能である点を排除するものではない。
1 磁気共鳴システム
2 磁気共鳴スキャナ
3 基本磁場
4 傾斜磁場システム
5 全身用高周波コイル
6 局所コイル
7 寝台
8 検査空間
9 視野/FoV
10 制御装置
11 傾斜磁場制御ユニット
12 高周波送受信ユニット
13 高周波受信ユニット
14 再構成ユニット
15 測定制御ユニット
16 記憶装置
17 端末インタフェース
20 端末装置
21 コンピュータ
22 制御シーケンス設定装置
23 入力インタフェース
24 高周波パルス設定ユニット
25 送出インタフェース装置
27 ディスプレイ
28 キーボード
30 磁場分布マップ分析装置
31 入力インタフェース装置
32 磁場分布マップグルーピングモジュール
33 代表スライス決定モジュール
34 出力インタフェース装置
m 目標磁場
O 患者/被験者
P 制御プロトコル
AS 磁気共鳴システム作動シーケンス
BD 画像データ
GP 傾斜磁場パルス列
MP マルチチャネルパルス列
NW ネットワーク
RD 生データ
SGx,SGy,SGz 制御信号
1,...,SN 送信チャネル
kTT k空間傾斜磁場トラジェクトリータイプ
SP システム固有のパラメータ
ST シーケンスタイプ
ΔB0 磁場分布マップ/B0マップ
ΔB1 磁場分布マップ/B1マップ
ΔB0R 磁場分布代表マップ
ΔB1R 磁場分布代表マップ
TD トレーニングデータ
SL スライス
SL1,SL2,...,SL8 スライス
SR スライス低減方法
RS 磁場分布代表スライス
PI ポジション情報
cost コスト関数
CTG クラスタ形成方法
C 磁場分布マップクラスタ/クラスタ
CT クラスタツリー
1,C2,C3,...,Cn クラスタ
CM コスト行列
cv コスト値
#C クラスタ数
RMSE 二乗平均誤差

Claims (15)

  1. 磁気共鳴システム作動シーケンス(AS)の設定方法であって、
    前記磁気共鳴システム作動シーケンス(AS)は、磁気共鳴システム(1)から測定領域(9)へ送出される少なくとも1つの高周波パルス列(MP)を含み、
    第1の個数の目下の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1を、前記測定領域のスライス(SL,SL1,...,SL8)に対して取得し、該磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)に基づき高周波パルス列(MP)を設定する、
    磁気共鳴システム作動シーケンス(AS)の設定方法において、
    前記第1の個数の目下の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を所定の取得パターンに基づき取得し、かつ該所定の取得パターンに従って、第1の個数の磁場分布代表スライス(RS)に対する磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を決定し、なお、該第1の個数の磁場分布代表スライス(RS)は、予め定められた最適化基準のもとでの、第2の個数のスライスの磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を代表するものであり、なお、前記第1の個数の磁場分布代表スライス(RS)の個数は、前記第2の個数のスライス(SL,SL1,...,SL8)の個数よりも少なく、
    および/または
    取得された磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)に基づき、複数の磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)を決定し、なお、該複数の磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)は、予め定められた最適化基準に従い、第1の個数の取得された磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を代表するものであり、かつ、該磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)に基づき高周波パルス列(MP)を設定し、なお、該磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)の個数は、前記第1の個数の取得された磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)の個数よりも少ない、
    ことを特徴とする、
    磁気共鳴システム作動シーケンス(AS)の設定方法。
  2. 前記磁場分布代表スライス(RS)を、種々の被検体の複数のトレーニングデータセット(TD)に基づき決定し、なお、該トレーニングデータセット(TD)は、該当する被検体に対し取得された複数の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を含み、
    有利には、前記取得された複数の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)に基づき、複数の磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)を決定し、なお、該磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)は、予め定められた最適化基準に従い、前記取得された複数の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を代表するものであり、
    該磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)に基づき、前記磁場分布代表スライスを設定する、
    請求項1記載の方法。
  3. 前記磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)は、前記磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)の部分集合を含み、
    および/または
    1つの磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)の値を、該当する磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)によって表される磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)から生成する、
    請求項1または2記載の方法。
  4. 前記最適化基準は、規定の類似度基準に従った磁場分布マップ間の類似度を含む、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)および/または前記磁場分布代表スライス(RS)を、クラスタ形成方法(CTG)を用いて設定し、該手順において、予め定められた最適化基準に従い、複数の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)をグルーピングして、磁場分布マップクラスタ(C,C1,C2,...,Cn)を形成する、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
  6. 複数のレベルで前記グルーピングを行い、その際に、前記予め定められた最適化基準に従い相互間で最小の偏差を有する磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)または磁場分布マップクラスタ(C,C1,C2,...,Cn)を、各レベルごとに2つずつまとめてグルーピングし、次のレベルのための1つの磁場分布マップクラスタ(C,C1,C2,...,Cn)を形成する、請求項5記載の方法。
  7. 2つの磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)間および/または2つの磁場分布マップクラスタ(C,C1,C2,...,Cn)間の偏差をコスト関数(fcost)によって求め、および/または、前記クラスタ形成方法(CTG)の各レベルごとに1つのコスト値(cv)を計算する、請求項5または6記載の方法。
  8. 磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)の集合および/または磁場分布マップクラスタ(C,C1,C2,...,Cn)の集合に対し、コスト行列(CM)を作成し、該コスト行列(CM)を各レベルごとに更新する、請求項4から7のいずれか1項記載の方法。
  9. 複数の磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)および/または複数の磁場分布代表スライス(RS)を以下の判定基準すなわち、
    予め定められた最小数の磁場分布代表マップおよび/または磁場分布代表スライス、
    予め定められた低減水準、
    最大許容コスト値(cv)、
    磁場分布代表マップおよび/または磁場分布代表スライスの個数に応じたコスト値(cv)の上昇特性、
    前記磁場分布代表マップを最適に選択するために前記トレーニングデータセットから求められた判定基準、
    のうち少なくとも1つの判定基準に従って決定する、
    請求項2または請求項2を引用する請求項3から8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)および/または前記磁場分布代表スライス(RS)を以下の入力パラメータすなわち、
    種々のタイプの磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を当該方法においてどのように重み付けるのかをセットする重み付け値、
    測定領域内に規定された関心領域(ROI)、
    生成すべき磁気共鳴システム作動シーケンスのシーケンスタイプ(ST)、
    のうち少なくとも1つの入力パラメータに基づき決定する、
    請求項1から9のいずれか1項記載の方法。
  11. 磁気共鳴システム(1)の作動方法において、
    最初に、請求項1から10のいずれか1項記載の方法によって作動シーケンス(AS)を設定し、次に、該作動シーケンス(AS)を用いて前記磁気共鳴システム(1)を作動することを特徴とする、
    磁気共鳴システム(1)の作動方法。
  12. 磁場分布マップ分析装置(30)において、
    入力インタフェース装置(31)と、磁場分布マップグルーピングモジュール(32)と、代表スライス決定モジュール(33)と、出力インタフェース装置(34)とが設けられており、
    前記入力インタフェース装置(31)は、第1の個数の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を捕捉し、
    前記磁場分布マップグルーピングモジュール(32)は、捕捉された磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)に基づき、磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)および/または磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)から成る複数のクラスタ(C)を決定するように構成されており、なお、前記磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)は、予め定められた最適化基準に従った場合の、第1の個数の取得された磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を代表するものであり、該磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)の個数は、前記第1の個数の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)の個数よりも少なく、
    前記代表スライス決定モジュール(33)は、前記磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)および/または前記磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)から成るクラスタ(C)に基づき、複数の磁場分布代表マップスライス(RS)を決定するように構成されており、
    前記出力インタフェース装置(34)は、決定された前記磁場分布代表マップ(ΔB0R,ΔB1R)および/または決定された磁場分布代表スライス(RS)に関するポジション情報(PI)を出力する、
    ことを特徴とする、
    磁場分布マップ分析装置(30)。
  13. 磁気共鳴システム作動シーケンス(AS)を設定する制御シーケンス設定装置(22)であって、
    前記磁気共鳴システム作動シーケンス(AS)は、磁気共鳴システム(1)から測定領域(9)へ送出される少なくとも1つの高周波パルス列(MP)を含み、
    複数の磁場分布マップ(ΔB0,ΔB1)を捕捉するための入力インタフェース装置(23)と、
    請求項12記載の磁場分布マップ分析装置(30)と、
    前記磁場分布マップおよび/または前記磁場分布代表マップに基づき高周波パルス列(MP)を設定する高周波パルス設定ユニット(24)と、
    が設けられていることを特徴とする、
    制御シーケンス設定装置(22)。
  14. 高周波送信装置(6)と傾斜磁場システム(4)と制御装置(15)とを備えた磁気共鳴システム(1)であって、
    所望の測定を実施するため、予め定められた作動シーケンス(AS)に基づき高周波パルス列を送信し、該高周波パルスに整合させて、前記傾斜磁場システムを介して傾斜磁場パルス列(GP)を送信するように構成されている、
    磁場共鳴システム(1)において、
    作動シーケンスを設定し、該作動シーケンスを前記制御装置(15)へ伝達するために、請求項13記載の制御シーケンス設定装置(22)が設けられていることを特徴とする、
    磁気共鳴システム(1)。
  15. 磁場分布マップ分析装置(30)および/または制御シーケンス設定装置(22)の記憶装置にダイレクトにロード可能なコンピュータプログラムであって、
    該プログラムが前記磁場分布マップ分析装置(30)および/または前記制御シーケンス設定装置(22)において実行されると、請求項1から11のいずれか1項記載の方法のすべてのステップを実行させるためのプログラムコードセグメントを有することを特徴とする、
    コンピュータプログラム。
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