JP6406772B1 - 義足用板バネ - Google Patents

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Abstract

【課題】膝関節周りの慣性モーメントを低下させることで、膝下の回転性を高めることができ、走行時の板バネの振り易さを向上させることができる義足用板バネを提供する。【解決手段】湾曲板状に形成された湾曲部を備える義足用板バネにおいて、当該義足用板バネの全長をLtとした場合に、先端からLt/2の範囲に、前記湾曲部から肉抜きがなされた軽量化領域を有することとした。これにより、膝関節回りの慣性モーメントを低下させることができ、義足用板バネの振りやすさを向上させることが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、競技用の義足に装着する義足用板バネに関する。
スポーツ競技で用いられる義足として、繊維強化樹脂で成型された板バネ部材を足部として用いる競技用の義足が知られている。例えば、非特許文献1には、C字型の湾曲部を有する義足用板バネが開示されている。このような競技用義足の使用者は、板バネ状足部の湾曲領域を撓ませて反発力を生じさせ、この反発力を利用して進行方向への推進力を得ている。
パシフィックサプライ株式会社 オズール義肢部品 総合カタログ(日本語版)2015‐2016、169頁
従来の義足用板バネは、主に撓み特性に着目して湾曲部の形状設計がなされている。しかしながら、撓み特性に加えて走行時の義足用板バネの振りやすさを考慮して形状設計がなされた義足用板バネは知られていない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、膝下の回転性を高めて振りやすさを向上させることのできる義足用板バネを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明による義足用板バネは、アダプターが取り付けられる直線部と、湾曲板状に形成された板バネとして機能する湾曲部を備える一の板状部材よりなる義足用板バネにおいて、前記直線部の延伸方向を基準にして定める足長方向における当該義足用板バネの全長をLtとした場合に、先端からLt/2の範囲に、前記湾曲部から肉抜きがなされた軽量化領域を有し、当該義足用板バネの前記湾曲部が目標とする所望の剛性分布を有する義足用板バネを前記全長Ltで湾曲板状に形成し、該形成した義足用板バネを先端から任意の位置x(ただしx≦Lt/2)で切断した断面の幅をw´ 、断面積をA´ 、断面二次モーメントをI´とした場合に、前記軽量化領域を前記先端から任意の位置xで切断した断面の幅w 、断面積A 、及び断面二次モーメントI が、w =w´ ・・・1)、I´ ≦I ・・・2)、A <0.9A´ ・・・3)、をいずれも満たし、且つ前記軽量化領域の長さLlが、0.12Lt<Ll ・・・4)の関係を満たすことを特徴としている。
本発明によれば、義足用板バネの曲げ剛性を確保しながら軽量化を図ることができる。これにより、義足用板バネの膝関節回りの慣性モーメントを低下させることができ、走行時の板バネの振り易さを向上させることが可能になる。
本発明の実施の形態1に係る義足用板バネの側面図である。 本発明の実施の形態1に係る義足用板バネの平面図である。 本発明の実施の形態1に係る義足用板バネの斜視図である。 CAE解析を説明するための図である。 基準モデルの斜視図である。 図5におけるBB断面図である。 図2におけるAA断面図である。 本発明の実施の形態1に係る義足用板バネの変形例を示す斜視図である。 図8におけるCC断面図である。 本発明の実施の形態1に係る義足用板バネの変形例を示す斜視図である。 図10におけるDD断面図である。 本発明の実施の形態1に係る義足用板バネの変形例を示す斜視図である。 図12におけるEE断面図である。 本発明の実施の形態1に係る義足用板バネの変形例を示す斜視図である。 図14におけるFF断面図である。 実施例1〜3における軽量化領域の断面図である。 実施例4〜8における軽量化領域の断面図である。 比較例2における貫通孔部分の断面図である。 本発明の実施の形態2に係る義足用板バネの側面図である。 本発明の実施の形態2に係る義足用板バネの斜視図である。 踵部の配置位置を説明するための図である。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1に係る義足用板バネについて図を用いて説明する。
図1は、本実施の形態1による義足用板バネ10の側面図である。以下の説明においては、図1に示すように、義足用板バネ10の直線部11を接地面Gに垂直に配置した状態を「基準状態」と定義し、接地面Gに水平な方向を「水平方向」と定義し、接地面Gに垂直な方向を「垂直方向」と定義する。また、基準状態において、爪先側が位置する方向を「前側」、あるいは「先端側」と呼び、踵側が位置する方向を「後側」、あるいは「後端側」と呼ぶ。さらに、義足用板バネの前後方向を「FR方向」と定義し、FR方向に直交する方向、すなわち義足用板バネの左右方向を「LR方向」と定義する。
図1において、義足用板バネ10は、平板状に成型される直線部11と、板バネとして機能する湾曲部12とより構成される。直線部11と湾曲部12は、炭素繊維強化樹脂やガラス繊維強化樹脂などの繊維強化樹脂により一体的に成型される。義足用板バネ10は、基準状態において最も先端側に位置する最先端点Pfと、最も後端側に位置する最後端点Pbとを有しており、最先端点Pfと最後端点Pbとの間の水平方向の長さが、義足用板バネ10の全長Ltとして定義される。
直線部11には、ソケット(図示せず)と義足用板バネ10とを接続するアダプター(図示せず)が固定される。直線部11の垂直方向の長さは、個人の体型に応じてアダプターの固定位置を調整し得る長さであればよく、例えば200mm程度とすることができる。直線部11の幅は、80mm程度とすることで、アダプターを安定的に固定させることができる。直線部11の厚みは使用者の体重や材料に応じて設計を変更すればよく、例えば直線部11を炭素繊維強化樹脂により成型する場合は、5mm〜10mm程度とすることで必要な強度を確保することができる。
湾曲部12は、直線部11の下端、すなわち平板状に成型された直線部11の曲率が変化する変曲点、から最先端点Pfまでの領域である。本実施の形態1では、湾曲部12はC字形状をなしている。湾曲部12の形状はC字形状に限らず、直線部11と合わせてJ字形状をなす二次曲線形状や、複数の変曲点を有する湾曲形状であってもよい。
以下、湾曲部12の詳細な構成を説明する。
図2は義足用板バネ10の平面図であり、図3は義足用板バネ10の斜視図である。図2、及び図3において、湾曲部12の先端側には、肉抜き部14が形成された軽量化領域13が設けられる。軽量化領域13は、義足用板バネ10においてFR方向に占める一定範囲の領域として特定され、図1ないし図3においては、一点鎖線で囲まれた領域として特定されている。
肉抜き部14は、湾曲部12から一定の領域を削除した後に残る凹跡や孔跡あるいは凸状のリブ形状として表れる。本実施の形態1では、肉抜き部14は湾曲部12を貫く貫通孔として形成されている。
軽量化領域13は、図1、あるいは図2に示すように、先端点PfからLt/2の範囲に設けられる。軽量化領域13を先端点PfからLt/2の範囲に設ける理由を以下述べる。
本発明者は、走行時相当の荷重による応力の分布をCAE解析により求めた。解析は、ソリッドワークス社の「SOLIDWORKS Simulation」を使用し、線形静解析を実施した。解析に使用した義足用板バネは、湾曲部が、直線部の下端から後側に突出する踵部と、土踏まずに相当するアーチ部と、接地部とを有する湾曲形状のモデルである。直線部、踵部、アーチ部、及び接地部それぞれの剛性は、義足の陸上選手がスプリント走行を行うとき、好ましい反発性能が得られるよう設定されている。かかるモデルについて、以下の条件で解析を行った。なお、求めた結果はvon mises応力である。
a)材料モデル:等方性材料、
b)荷重条件:床面から鉛直上方向に荷重(3000N)負荷、
c)板バネの拘束条件:板バネの上端30mmから150mmの両面を完全拘束、
d)接触条件:板バネと床面間に接触を定義し、摩擦係数を限りなく小さく(0.001)した。
図4は、CAE解析の結果を示している。図4に示す解析結果より、走行中の義足用板バネは、後方部に比べて前方部(先端点Pfから1/2の領域)の応力が小さいことが分かる。このため、先端点Pfから1/2の領域に軽量化領域13を配置することとし、必要な剛性を確保しながら質量を削減し軽量化を図ることとしている。
以下、軽量化領域13の具体的な構造をさらに説明する。
まず、義足用板バネ10が目標とする剛性分布を有する義足用板バネを、板状に成型した基準モデルBMを考える。図5は、基準モデルBMの斜視図を示している。基準モデルBMは、つま先側の先端点から直線部の上端までの全ての領域が、矩形状の断面が連続して形成された湾曲板状に成型されている。すなわち、基準モデルBMの表面や内部には、凹凸が存在していない。かかる基準モデルBMを基準状態に置き、つま先側の先端点から水平方向にx_mm後側の任意の位置(ただし、x≦Lt/2である。)においてLR方向に切断する。そして、得られる切断面を断面CS´とし、断面CS´の幅をw´、高さをt´、断面積をA´、断面二次モーメントをI´と定義する。図6は、図5におけるBB断面を示している。
次に、本発明による義足用板バネ10を、目標とする剛性分布で、基準モデルBMと同じ全長Ltで作成する場合を考える。義足用板バネ10を基準状態に置き、先端点Pfから水平方向にx_mm後側の任意の位置(ただし、x≦Lt/2である。)においてLR方向に切断する。そして、得られる切断面を断面CSとし、断面CSの幅をw、断面積をA、断面二次モーメントをIと定義する。図7は、断面CSの一例を示す図であり、図2におけるAA断面を示している。
軽量化領域13は、以上の定義のもと、LR方向の切断面が下記の条件1)ないし3)の全てを満たしている。
=w´ ・・・1)
I´≦I ・・・2)
<0.9A´ ・・・3)
言い換えると、軽量化領域13は、目標とする剛性分布を有する同一長さの基準モデルBMに対して、先端点PfからLt/2の範囲において、断面積を減少させつつも断面二次モーメントを低下させないよう断面形状を適宜に変形させることにより、一定の質量を削除して湾曲部12の軽量化を図る領域である。
さらに、基準状態において、図1に示すように側面図上に現れる肉抜き部14の板厚の中央部分の道のりLlが、全長Ltに対して下記の条件4)を満たしている。
0.12Lt<Ll ・・・4)
軽量化領域13における肉抜きの量は、断面積がA<0.9A´の関係を満たせば軽量化を図ることができるが、上記条件4)を満たす範囲に、A<0.9A´となる肉抜き部14を形成することにより、十分な軽量化を図ることができ、膝関節回りの慣性モーメントを確実に低下させることができる。
軽量化領域13の形状は、貫通孔により肉抜き部14を形成するものに限られず、軽量化領域13が、上述した1)〜4)の条件を満たす限りにおいて任意の形状とすることができる。例えば図8に示すように、義足用板バネ80の上表面に施した2本の溝構造としてもよい。この場合、図8におけるCC断面は、図9に示すように、中央と両端に凸リブが形成される3本のリブ凸形状となる。また、図10に示すように、義足用板バネ100の上表面側を皿状に凹ませた凹構造としてもよい。この場合、図10におけるDD断面は、図11に示すように、左右の両エッジにおいて凸リブが形成された2本のリブ凸形状となる。
また、図12に示すように、義足用板バネ120の上表面側の左右それぞれの端部から一定の範囲を切り欠いた切欠き構造としてもよい。この場合、図12におけるEE断面は、図13に示すように、中央部分に1本のリブが形成された凸形状となる。また、図14に示すように、義足用板バネ140の内部に形成された中空構造としてもよい。この場合、図14におけるFF断面は、図15に示すように、横長の口型形状となる。
なお、貫通孔や溝、あるいは中空領域として形成された肉抜き部14には、義足用板バネ10の本体よりも比重が小さい発泡体などの軽量部材を充填させても、本発明と同様の効果を得ることができる。また、上述した軽量化領域13の変形例において肉抜き部14を溝や切り欠きにより形成する場合は、義足用板バネの裏面側(ソール側)に設けてもよい。
以上のように構成される軽量化領域13は、湾曲板状に成型した基材から所望の領域を削り出したり切り出すことにより成型することができる。また、肉抜き部14の形状に対応する凹凸が形成された金型を用いて、軽量化領域13を直接成型してもよい。
次に、本発明の効果を説明する。
本発明の効果を検証するため、本発明に係る義足用板バネ(実施例1〜8)と、比較例1〜3とをシミュレーションにより作成し、振りやすさの検証を行った。シミュレーションは、ソリッドワークス社の「SOLID WORKS SIMULATION」を用いた。実施例1〜8、及び比較例1〜3の湾曲部はいずれも、図1に示すC字形状に作成した。表1に、実施例1〜8、及び比較例1〜3の詳細を示す。
実施例1〜8、及び比較例1〜3はいずれも、全長Ltを296mm、幅wを70mmの一定幅で作成した。実施例1〜8の軽量化領域13には、肉抜き部14として平面視矩形状の貫通孔を設けている。図16は、実施例1〜3の軽量化領域13の断面図を示している。実施例1〜3はいずれも、肉抜き部14の幅lwを17mmとし、軽量化領域13の長さLlを、実施例1〜3でそれぞれ異ならせた。図17は実施例4〜8の軽量化領域13の断面図を示している。実施例4〜8はいずれも、肉抜き部14の幅lwを35.8mmとし、軽量化領域13の長さLlを、実施例4〜8でそれぞれ異ならせた。軽量化領域の長さLlは板厚の中央部分の道のりで定義している。表1における実施例1〜8の板厚tは、軽量化領域13の厚みを示しており、軽量化領域13以外の厚みは、比較例1と同じく10mmとした。
一方、比較例1は実施例1〜8に対する基準モデルBMである。比較例1は、10mmの一定板厚で形成している。表1においては、比較例1の断面積Aを、上述した基準モデルBMの断面積A´として扱い、このA´の値に基づいて実施例1〜8、及び比較例2のA/A´を算出した。比較例2は、図18に示すように、9.4mm幅の肉抜き部14を有しているが、断面積比A/A´は、本発明の上記条件3)を満たしていない。比較例3は、35.8mm幅の肉抜き部14を有しているが、Ll/Ltの値が上記条件4)を満たしていない。
表1において、慣性モーメントMOIは以下の条件で算出した。各義足用板バネを基準状態から爪先側に回転させていき、基準状態の先端から70mm後方の点から垂直方向に伸ばした軸線と義足用板バネの直線部との水平距離が、接地面Gから350mm上方の位置において100mmになった状態を、各義足用板バネの固定位置とした。そして、この固定位置において、各義足用板バネを、仮想の膝継ぎ手の回転軸を回転中心として回転させた。仮想の膝継ぎ手の回転軸の位置は、各義足用板バネを基準状態から13°後方に傾けた状態において、爪先側の先端部から70mm後方の位置に仮想軸AXを接地面Gに垂直に立て、当該仮想軸AXの接地面Gより440mm上側とした。
次に、以上のように作成した実施例1〜8、及び比較例1〜3の義足用板バネの振り易さを検証した。振りやすさの検証は以下の通りに行った。まず、大腿用義足を使用する陸上競技者の甲が、比較例1の義足用板バネを使用して実走した時に得られた各種実データと、当該実データに基づいて算出した算出値とを、マスターデータとして求めた。
具体的には、義足用板バネを振出した時の膝継ぎ手の伸展角度Ang、振出し時の平均伸展角速度Vel、及び膝継ぎ手の最大屈曲から最大伸展までの時間(以下「振出し時間」という。)tsを測定した。次に、得られた平均伸展角速度Velと、比較例1の慣性モーメントMOIとに基づいて角運動量Lを算出した。
また、甲の実走データより、義足用板バネの蹴り出し歩幅slsと、健側の蹴り出し歩幅slhとをそれぞれ測定し、双方の値を用いて、100mを走行した時の歩数(以下「100m歩数」という。)st100と、100mの走行中に義足用板バネを振出す回数(以下「100m板バネ振出し回数」という。)sn100とを算出した。以上のように得られたマスターデータの値を表2に示す。
次に、甲が、実施例1〜8、及び比較例1〜3の義足用板バネを使用した場合に、マスターデータと同程度膝継ぎ手を伸展させ、同程度の角運動量を発揮していると仮定し、実施例1〜8、及び比較例1〜3のそれぞれについて、慣性モーメントMOIの値に基づいて振出し平均伸展角速度Velを求め、求めた平均伸展角速度Velに基づいて振出し時間tsを算出した。さらに、算出した振出し時間tsと、マスターデータとして算出した100m板バネ振出し回数sn100とより、100mを走行した場合の振出し時間(以下「100m換算ts」という。)ts100を、実施例1〜8、及び比較例1〜3のそれぞれについて算出した。
表3に、実施例1〜8、及び比較例1〜3の、平均伸展角速度Vel、振出し時間ts、100m換算ts_ts100、及び比較例1(BM)に対する実施例1〜8及び比較例2の100m換算ts_ts100のタイム差を示す。
表3の「振出し時間ts」より、実施例1〜8は、比較例1(基準モデル)に比べて、1回当たりの膝の伸展において膝下部分を早く振れていることが分かる。また、100mの走行に換算した「100m換算ts_ts100」の比較においても、実施例1〜8は、比較例1(基準モデル)に比べて走行タイムの差が表れていることがわかる。特に、実際の競技での使用を想定した100m換算ts_ts100の値においても有意な差を生じており、実施例1〜8は比較例(基準モデル)に比べて十分な効果を見出すことができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る義足用板バネは、上述した軽量化領域13を、後側に凸アール状に突出する踵部を有する義足用板バネにおいて備えるものである。そして踵部の位置を最適化することで、膝関節回りの慣性モーメントをさらに低下させることとしている。以下の説明において、上述した実施の形態1と同じ構成要件については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図16は、本実施の形態2に係る義足用板バネ160の側面図である。図17は義足用板バネ160の斜視図である。 図16において、義足用板バネ160は、湾曲部12が、接地面Gとの接地領域をなす接地部12aと、荷重状態の湾曲部12と接地面Gとの間にクリアランスを与えるアーチ部12bと、撓み領域として反発力を生じさせる踵部12cとより構成される。
接地部12aは、接地面Gとの接地領域であり、その形状は、接地面Gに向けて凸状に湾曲する円弧形状とするのが好適である。接地部12aは、基準状態において最先端に位置する先端点Pfから、下向き凸の湾曲方向が変化する変曲点P1までの範囲として定義される。接地部12aの水平方向の長さは、基準状態において60〜100mm程度とするのが好ましい。接地部12aを円弧形状とする場合は、例えば曲率半径200mm〜250mm程の単一曲率の円弧とすることができる。また、複数曲率の円弧を組み合わせた複合円弧形状としてもよい。
アーチ部12bは、荷重状態の湾曲部12が接地部12aのみで接地面Gにコンタクトし続けるよう、湾曲部12と接地面Gとの間にクリアランスを与える領域である。アーチ部12bは、直線状か、もしくは上側に向けて凸状に湾曲する湾曲形状とすることができる。本実施の形態2では、上側に向けて凸状に湾曲する湾曲形状としており、その範囲は、変曲点P1から、上向き凸の湾曲方向が変化する変曲点P2までの領域として定義される。アーチ部12bを円弧形状とする場合は、例えば曲率半径150mm以上の単一曲率の円弧形状とすることができる。また、複数曲率の円弧を組み合わせた複合円弧としてもよい。アーチ部12bの水平方向の長さは、荷重状態において接地面Gとの間に十分なクリアランスを確保するという観点より、全長Ltの40%〜70%とするのが好ましく、全長Ltの50%〜60%の範囲とするのがより好ましい。
踵部12cは、義足用板バネ10の反発力を生じさせる撓み領域として機能する。踵部12cの範囲は、アーチ部12bの後側端となる変曲点P2から、直線部11の下側端となる変曲点P3までの領域として定義される。踵部12cは、後側に向けて円弧状に突出する円弧状領域12cを少なくとも有しており、円弧状領域12cには、基準状態において最も後側に位置する最後端点Pbが含まれる。円弧状領域12cは、例えば、曲率半径40mm〜80mm程の円弧とすることができる。また、複数曲率の円弧を組み合わせた複合円弧としてもよい。
義足用板バネ160における踵部12cの具体的な配置位置を、図18を用いて更に説明する。図18は、基準状態における先端点Pf、最後端点Pb、及び変曲点P1〜P3をそれぞれ示している。
図18において、最先端点Pfと最後端点Pbとの水平距離を全長Ltと定義し、接地面Gから最後端点Pbまでの高さをHbと定義した場合に、踵部12cは、260mm≦Lt≦310mm、且つ160mm≦Hbとなるように配置される。また、全長Lt、最後端点Pの高さHb、及び義足用板バネ160の厚みtは、0.050≦(Hb/Lt)/tの関係を満たしている。なお、義足用板バネ160の厚みtが一定でない場合は、湾曲部12の中で最も薄い箇所の厚みをtとすればよい。
踵部12cを上記の範囲とする理由は以下の通りである。踵部12cを有する義足用板バネ160において、膝関節周りの慣性モーメントを低下させるためには、踵部12cを想定される膝関節に近い位置に配置するのが好ましい。また、質量を低下させる観点よりは、全長Ltは短いのが好ましい。このような条件を満たすにあたり、図18において、接地部12aとアーチ部12bの形状を一定形状とし、最後端点Pbの水平方向の位置を変化させて踵部12cの張り出し量を変化させる場合を考える。踵部12cを後方に張り出していく場合、全長Ltが310mmより長くなると、義足用板バネ160の質量が増加し、且つレバーアーム長が長くなる。そのため必要な剛性も増え板厚tも増大する。この結果、振りやすさに影響が出る程に膝関節周りの慣性モーメントが大きくなる。一方、踵部12cの張り出しを短くしていく場合、全長Ltが260mmより短くなると、義足用板バネ160の撓み量が少なくなり十分な反発力が得られない。このため、全長Ltが260mm〜310mmとなるように最後端点Pbを水平方向に配置するのが好適である。
また、最先端点Pfから変曲点P2までの形状を一定形状とし、最後端点Pbの垂直方向の位置を変化させる場合を考える。最後端点Pbの高さHbが160mmより短くなると、想定される膝関節と義足用板バネ160の重心との距離が長くなり、振りやすさに影響が出る程に慣性モーメントが大きくなる。このため、最後端点Pbの高さHbは160mm以上になるよう、最後端点Pbを垂直方向に配置するのが好ましい。
さらに、接地点よりも後ろ側の長さは、板バネのバネ定数に線形的に対応するため、目標とするバネ状数を達成しようとする場合、全長Ltが長くなると必要な板厚が増大し質量が重くなる。このため、全長Ltに対する最後端点高さHbの比率(Hb/Lt)と共に、板厚tに対する(Hb/Lt)の比率を高めることが望ましい。本発明者が複数の義足用板バネで検討を重ねた結果、0.050≦(Hb/Lt)/tとするのが好適である。
以上のように構成される義足用板バネ160において、軽量化領域13は、図16、あるいは図17に示されるように、最先端点PfからLt/2の範囲であって、接地部12aからアーチ部12bにわたる範囲に設けられる。また、軽量化領域13のLR方向の断面は、基準モデルに対して、上述した1)〜3)の全ての条件、すなわち、w=w´、I´≦I、及びA<0.9A´を満たしている。軽量化領域13に設けられる肉抜き部14は、義足用板バネ160の表面から裏面までを貫通する縦長の孔部として形成されている。肉抜き部14の形状は、実施の形態1で説明したように、溝形状や中空形状としてもよい。
以上のように、本実施の形態2による義足用板バネ160によれば、踵部12cを備える義足用板バネにおいて、最先端点Pfから1/2の範囲に、上記の条件1)〜3)を満たす軽量化領域13を配置した。これにより、義足用板バネの質量を軽減させることができ、膝関節回りの慣性モーメントを低下させることができる。さらに、踵部12cの水平方向、及び垂直方向の配置位置を、重量増加と撓み特性への影響が出ない範囲において、想定される膝関節により近づけることとしたので、必要な撓み特性を確保しながら、膝関節回りの慣性モーメントを低下させることができる。これにより、義足用板バネの振りやすさを更に向上させることが可能となる。
10、80、100、120、140、160 義足用板バネ
11 直線部
12 湾曲部
12a 接地部
12b アーチ部
12c 踵部
13 軽量化領域
14 肉抜き部
Pf 最先端点
Pb 最後端点

Claims (8)

  1. アダプターが取り付けられる直線部と、湾曲板状に形成された板バネとして機能する湾曲部とを備える一の板状部材よりなる義足用板バネにおいて、
    前記直線部の延伸方向を基準にして定める足長方向における当該義足用板バネの全長をLtとした場合に、先端からLt/2の範囲に、前記湾曲部から肉抜きがなされた軽量化領域を有し、
    当該義足用板バネの前記湾曲部が目標とする所望の剛性分布を有する義足用板バネを前記全長Ltで湾曲板状に形成し、該形成した義足用板バネを先端から任意の位置x(ただしx≦Lt/2)で切断した断面の幅をw´、断面積をA´、断面二次モーメントをI´とした場合に、
    前記軽量化領域を前記先端から任意の位置xで切断した断面の幅w、断面積A、及び断面二次モーメントIが、
    =w´ ・・・1)
    I´≦I ・・・2)
    <0.9A´ ・・・3)
    をいずれも満たし、且つ前記軽量化領域の長さLlが、
    0.12Lt<Ll ・・・4)
    の関係を満たす、ことを特徴とする義足用板バネ。
  2. 請求項1に記載の義足用板バネにおいて、
    前記肉抜きは、当該義足用板バネを貫通する貫通孔として形成されている、
    ことを特徴とする義足用板バネ。
  3. 請求項1に記載の義足用板バネにおいて、
    前記肉抜きは、当該義足用板バネの表面及び/又は裏面に設けられた溝として形成されている、
    ことを特徴とする義足用板バネ。
  4. 請求項1に記載の義足用板バネにおいて、
    前記肉抜きは、当該義足用板バネの内部に設けられた空隙として形成されている、
    ことを特徴とする義足用板バネ。
  5. 請求項2ないし4のいずれかに記載の義足用板バネにおいて、
    前記肉抜きがなされた領域には、当該義足用板バネよりも比重が小さい材料よりなる充填材が充填されている、
    ことを特徴とする義足用板バネ。
  6. 請求項1に記載の義足用板バネにおいて、
    前記湾曲部は、後側に向けて突出する踵部を備える、
    ことを特徴とする義足用板バネ。
  7. 請求項6に記載の義足用板バネにおいて、
    前記踵部において最も後側に突出する最後端点の高さHbが150mm≦Hbを満たし、前記全長LtがLt≦310mmを満たす、
    ことを特徴とする義足用板バネ。
  8. 請求項7に記載の義足用板バネにおいて、
    前記高さHb、前記長さLt、及び当該義足用板バネの板厚tが、
    0.050≦(Hb/Lt)/tの関係を満たす、
    ことを特徴とする義足用板バネ。
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