以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、本発明の実施形態に係るスロットマシンの全体的な構成について、図1を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「遊技役が成立する」および「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、後述の役決定手段により選出された役決定結果に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役等の入賞役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や後述する2種BB役)かは問わない)を構成する図柄の組合せ(対応図柄)が、後述の有効ライン上に停止表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、たとえば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において、遊技者等による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定枚数の遊技メダルを投入するための1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者等による、後述の精算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作、リジェクトスイッチ27の押圧操作を総じて遊技操作と称する。
[スロットマシンの外観]
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えている。前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30および受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置11の表示画面11aが前方を臨むように配置されている。この表示画面11aには、遊技の進行に応じた演出画像が表示される。
画像表示装置11の周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられている。表示窓Wの下方右側位置に、遊技に供する遊技メダルが投入されるメダル投入口21が設けられ、表示窓Wの下方左側位置に1−BETスイッチ22が設けられている。1−BETスイッチ22は、クレジットされた範囲内で遊技に供する遊技メダルを1枚投入するためのスイッチである。
さらに、1−BETスイッチ22の右側には、遊技に供する遊技メダルを最大許容投入枚数投入するためのMAX−BETスイッチ23が設けられている。遊技に供する遊技メダルの最大許容投入枚数は、たとえば3枚とされるが、1枚や2枚など、適宜決定することもできる。この最大許容投入枚数は、遊技を実行するために必要となる。最大許容投入枚数は、ベット規定数ともなる。また、1−BETスイッチ22の左側には、精算スイッチ24が配設されている。精算スイッチ24は、クレジットされた遊技メダルや、ベットされた遊技メダルを払い出すためのスイッチである。
さらに、精算スイッチ24の右側位置には、スタートレバー25が設けられている。スタートレバー25は、後述する役抽選処理(当選役に関する抽選を実行する処理)を開始させる際に操作される。さらに、スタートレバー25の右側位置には、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26cが設けられている。そして、メダル投入口21の下方位置には、メダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27が設けられている。
メダル投入口21の内部は、図示は省略しているが、投入された遊技メダルが有効に受け付けられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路と、投入された遊技メダルが受け付けられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路とに分岐している。このうち、受入通路は、本体筺体内に設けられた後述のホッパ50に通じており、返却通路は受け皿アセンブリ40に設けられた遊技メダル払出口41に通じている。受入通路と返却通路との分岐部には、ブロッカ48が設けられている。
ブロッカ48は、ON状態とOFF状態とがある。ブロッカ48のON状態は、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に誘導する状態である。また、ブロッカ48のOFF状態は、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に誘導する状態である。ブロッカ48は、遊技メダルが有効に受け付けられる期間とそれ以外の期間において、ON状態とOFF状態とを選択できるように構成されている。ブロッカ48は、ON状態とOFF状態とに切り替えられることで、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路と返却通路とに振り分けている。
また、図示は省略しているが、メダル投入口21の下流側にはセレクタが設けられており、セレクタにおける通路には、遊技メダルを検出するための通路センサ28a、メダルの直径よりも短い距離に上流側投入メダルセンサ28bと下流側投入センサ28cが設けられている。通路センサ28aは、ブロッカ48の上流側に配置されており、投入センサ28b,28cはブロッカ48の下流側に配置されている。ブロッカ48がON状態のときにメダル投入口21から遊技メダルが投入されると、最初に通路センサ28aにより検出され、次に上流側投入センサ28bに検出され、最後に下流側投入センサ28cにより検出されるように構成されている。
表示窓Wは、3個のリール3a,3b,3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。また、表示窓Wには、表示窓W内の左中段、中央中段および右中段の各図柄表示領域を横一直線に結ぶ1本の有効ライン29が設定されている。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、および獲得枚数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60において制御されるように構成されている。
MAX−BET表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるランプであり、MAX−BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46bは、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するランプであり、ベットされた遊技メダルが、1枚の場合に点灯される1−BET表示ランプ46bAと、2枚の場合に点灯される2−BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAX−BET表示ランプ46bCとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるランプである。遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるランプである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、次の遊技において、自動ベット処理により遊技メダルが自動的に投入(ベット)された際に点灯されるランプである。自動ベット処理は、メダル投入口21に対する遊技メダルの投入や1−BETスイッチ22あるいはMAX−BETスイッチ23の押圧操作がない場合でも、前回遊技でベットされた遊技メダルをベットする処理である。
状態表示ランプ46fは、後述の2種BB役などの特別役が、役抽選処理において当選した場合に点灯されるランプであり、回数表示ランプ46gは、特別役の成立回数や当選回数等を7セグメント表示するランプである。貯留枚数表示ランプ46hは、電子的に貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するランプであり、獲得枚数表示ランプ46jは、小役が成立した際に獲得される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するランプである。なお、状態表示ランプ46fや回数表示ランプ46gは備えなくてもよい。
貯留枚数表示ランプ46hは、スロットマシン1内部に電子的に貯留されている遊技メダルをセグメント表示するものであり、本実施形態では、「00」〜「50」の間の数字を表示する。たとえば、遊技メダルが全く投入されていない状態で、1枚の遊技メダルが投入されると、当該遊技のためにその1枚の遊技メダルがベットされる。ベットされた遊技メダルは、ベット枚数表示装置47aによって表示される。さらに2枚を追加投入すると、当該遊技のために3枚の遊技メダルがベットされる。したがって、投入された遊技メダルが3枚までのときは、その遊技メダルはベットされ、貯留されない。さらに遊技メダルが投入され続けると、スロットマシン1の内部に遊技メダルが貯留されるとともに、その貯留枚数が貯留枚数表示ランプ46hによって表示される。貯留された遊技メダル枚数は、RAM63の所定の格納領域に記憶される。
上述のように、本実施形態では、最大で50枚までの遊技メダルを貯留可能となっている。したがって、貯留枚数が最大貯留枚数の50枚となり、貯留枚数表示ランプ46hに「50」と表示されたときは、それ以上、遊技メダルは貯留されない。貯留枚数が最大貯留枚数の状態で、メダル投入口21から遊技メダルが投入されると遊技メダルは遊技メダル払出口41から返却される。
また、たとえばリプレイを除く役が入賞してその役に対応する遊技メダルが払い出されるときは、払出し口から払い出されることよりも優先して、スロットマシン1の内部に遊技メダルが電子的に貯留される。たとえば、役の入賞時、その役の入賞に対応する払出し枚数が8枚であり、役の入賞前の貯留枚数が「10」であるときは、その役の入賞により、貯留枚数が「10」から「18」に変更されるとともに、貯留枚数表示ランプ46hによる表示数も「10」から「18」に更新される。
さらにまた、役の入賞時に、貯留枚数が「50」を超えるときは、「50」を超えた分については遊技メダル払出口41から払い出される。たとえば、役の入賞前に貯留枚数が「47」であり、役の入賞によって8枚の遊技メダルが払い出されるとき、3枚は電子的に貯留されて貯留枚数が「50」となり、「50」を超える5枚については遊技メダル払出口41から払い出される。
さらに、リプレイの入賞時は、遊技メダルの払出しや貯留は行われず、当該遊技で投入した枚数の遊技メダルが再遊技のために自動投入される。たとえば、当該遊技を1ベット(1枚)で行い、リプレイが入賞したときは、1枚の遊技メダルが自動投入される。同様に、当該遊技を3ベット(3枚)で行い、リプレイが入賞したときは、3枚の遊技メダルが自動投入される。そして、リプレイの入賞に基づく遊技メダルの投入は、再遊技を行うための遊技メダルの投入であるので、その後に精算操作を行っても、遊技メダルを精算することはできない。また、リプレイが入賞した後であっても、自動ベット処理に基づく遊技メダルを精算することはできない。なお、リプレイが入賞した後であっても、精算操作を行うことで自動ベット処理に基づく遊技メダルの精算を行うことができるようにすることも可能である。
下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベースおよび下パネル照明用蛍光灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明用蛍光灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられている。遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44bの前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、所定の賞態様が構成された場合に遊技メダルを払い出すためのホッパ50が設けられている。このホッパ50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51が設けられている。メダル検出部51は、ホッパ50から払い出されるメダルを検出する払出センサを備えている。この払出センサを用いて、ホッパ50からの遊技メダルの払出異常の検出などを行う。
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35cの駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38cが配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せを目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。なお、所定の図柄組み合わせとしては、たとえば、入賞位置としての有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる位置に並んだ遊技役の対応図柄等がある。
[基本操作]
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入するか、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23を操作するかして、クレジットの範囲内で規定枚数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定枚数が、後述する遊技状態によって3枚または2枚に設定されている。ただし、規定枚数についてはこれに限定されるものではなく適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設けておき、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインを変更するようにしてもよい。
ベット枚数が規定枚数に到達した状態で遊技者がスタートレバー25を操作すると、役抽選処理が行われる。その後、各リール3a,3b,3cが回転を開始し、リール3a,3b,3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上から下に移動表示される。そして、リール3a,3b,3cの回転が所定の速度に達すると各ストップスイッチ26a,26b,26cが有効化され、遊技者が各ストップスイッチ26a,26b,26cを操作すると、対応するリール3a,3b,3cの回転がそれぞれ停止する。
そして、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパ50により払い出される。
[制御基板と各機器との接続]
スロットマシン1は、図2に示すように、主制御基板60上に配設された制御回路により、メダルの受入や払出、あるいはリールの制御など、遊技に関する主たる制御を行っている。一方、副制御基板70上に配設された制御回路では、バックランプ38a,38b,38c等のランプによる照明制御等を行っている。また、両制御基板60,70間の情報伝達は、主制御基板60から副制御基板70への一方向のみ行うことが可能となっている。
なお、以下の本実施形態では、副制御基板70には、画像表示装置11による画像の表示や上部スピーカ15a,15b等のスピーカへの音の出力を制御する画像制御基板75が接続されており、副制御基板70と画像制御基板75の間で、双方向で情報伝達を行うことが可能となっている。また、以下の実施形態では、副制御基板70をサブメイン基板70、画像制御基板75をサブサブ基板75と称することもある。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶したROM62と、一時記憶領域であるRAM63とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技に関する主たる制御が行われるようになっている。
メインCPU61には、駆動パルスを発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生した駆動パルスを分周するための分周器65が接続されている。また、役抽選処理に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、および乱数発生器66で発生した乱数をサンプリングして抽選を行うためのサンプリング回路67が接続されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36、表示用ランプ制御回路47、ホッパ駆動回路52およびサブメイン基板7070に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37cおよび払出完了信号回路53からの各種信号を受信するように構成されている。
ここで、モータ駆動回路36は、各リール3a,3b,3cを回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。ここでの各種の表示用ランプには、MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、獲得枚数表示ランプ46jが含まれる。
また、リール位置検出回路37a,37b,37cは、各リール3a,3b,3cに設置されたセンサ(図示せず)からの各検出信号に基づき、各リール3a,3b,3cの回転位置をそれぞれ検出する回路である。検出回路37aはリール3aに、検出回路37bはリール3bに対応し、検出回路37cはリール3cに対応する。また、ホッパ駆動回路52は、小役等の賞態様が成立した際に、ホッパ50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路である。さらに、払出完了信号回路53は、ホッパ50から所定数(1枚を含む)の遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部31により検出された際に、主制御基板60に払出完了信号を送信する回路である。
ROM62には、メインCPU61により実行させる制御プログラム、役抽選処理を行うための役抽選テーブル、サブメイン基板70に遊技状態などの情報を示すコマンドを送信するためのデータ等が記憶されている。
RAM63には、制御プログラムの実行により決定した役抽選処理の結果、今回の遊技が再遊技であることや後述するCB遊技であることを示す作動状態フラグ、後述する2種BB役に対応する条件装置フラグなどの各遊技役に対応する条件装置フラグのオン/オフ状態の情報を示す条件装置情報、再遊技を作動する図柄が有効ライン29に停止表示された場合にベットした情報が記憶される自動投入枚数データなどの情報を記憶する記憶領域が設けられている。
さらに、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82および設定鍵型スイッチ(設定キースイッチともいう)83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入および電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1においてエラーが発生した際等に、主制御基板60に搭載された各回路等をリセットするためのスイッチである。また、設定鍵型スイッチ83は、遊技役の当選確率である役決定確率等の設定変更を行う場合に、電源装置80からの電力が供給されていない状態である電源断の状態で操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、役決定確率等の設定を、たとえば6段階で変更するためのスイッチである。この設定変更スイッチ84は、設定鍵型スイッチ83がONとされ、電源装置80からスロットマシン1に電源が投入された後に操作されるようになっている。なお、設定スイッチ84は、リセットスイッチ82と兼用する態様とすることもできる。
なお、電源スイッチ81、リセットスイッチ82、設定鍵型スイッチ83および設定変更スイッチ84の各スイッチと、主制御基板60との接続態様は、上述の態様に限られるものではない。たとえば、電源スイッチ81、リセットスイッチ82および設定鍵型スイッチ83の全てのスイッチまたはそれらの一部を、電源装置80を介さずに主制御基板60に接続することや、設定変更スイッチ84を、電源装置80を介して主制御基板60に接続することも可能である。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているか、またはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23および精算スイッチ24からの各情報が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。さらには、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON状態とOFF状態とに切り替えることができるように構成されている。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、現在の遊技状態を判断して、データカウンタやホールコンピュータ等に所定の信号(以下、適宜「外端信号」と称する)を出力可能とされている。この外端信号により、後述する2種BB遊技状態となった回数やAT遊技状態となった回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、サブメイン基板70には、演出に関する各種の演算処理を行うサブCPU71と、制御プログラム等を記憶したROM72と、一時記憶領域であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における演出に関する制御が行われるようになっている。
サブCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信するとともにサブサブ基板75に対して信号を送信するように構成されている。サブサブ基板75は、画像表示装置11を制御して演出画像を表示させる基板であり、サウンド基板17に対し音の出力信号を送信するように構成されている。サウンド基板17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから出力させる音の種類や音量などを制御する基板である。
また、サブCPU71は、インターフェイス回路74を介して、ランプ制御回路18に対し信号を送信するように構成されている。ランプ制御回路18は、バックランプ38a,38b,38c等のランプの点灯を制御する回路である。
[機能ブロックの説明]
図3に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1は、機能的な観点から説明すれば主に、操作信号出力手段95と、主制御手段100と、副制御手段200とを備えている。操作信号出力手段95は、ベット操作、役決定開始操作、リール回転停止操作、精算操作等の遊技者によりなされる各操作に対応した情報を出力する。このうち、ベット操作は、遊技メダルをベットするための操作であり、たとえば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作がある。また、役抽選開始操作は、役抽選処理を開始させるための操作であり、たとえば、スタートレバー25の傾動操作がある。さらに、リール回転停止操作は、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b,3cを回転停止させるための操作であり、たとえば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作がある。そして、精算操作は、電子的に貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための操作であり、たとえば、精算スイッチ24の押圧操作がある。また、主制御手段100は、各リール3a,3b,3cを用いた遊技に関する制御を行い、副制御手段200は、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う。主制御手段100および副制御手段200については、後にさらに詳しく説明する。
本実施形態においては、遊技メダルがメダル投入口21に投入されると、そのことを示す情報である第3情報が通路センサ28aの検知に基づいて生成され、この第3情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。また、遊技メダルが投入された際にブロッカ48がON状態とされており、投入された遊技メダルがホッパ50に通じる受入通路に導かれた場合には、そのことを示す情報である第1,第2情報が投入メダルセンサ28b,28cの検知に基づいて生成され、この第1,第2情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。
さらに、1−BETスイッチ22が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報である1−BET情報が1−BETスイッチ22の検知に基づいて生成され、この1−BET情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。同様に、MAX−BETスイッチ23が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報であるMAX−BET情報がMAX−BETスイッチ22の検知に基づいて生成され、このMAX−BET情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。
また、スタートレバー25が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報であるスタート情報がスタートレバー25のスイッチ回路(図示略)の検知に基づいて生成され、このスタート情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。同様に、ストップスイッチ26a,26b,26cがそれぞれ操作中であるか非操作中であるかの各操作状態を示す情報であるリール停止情報がストップスイッチ26a,26b,26cおよびリール停止情報回路91の検知に基づいて生成され、このリール停止情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。
また、精算スイッチ24が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報である精算情報が精算スイッチ24の検知に基づいて生成され、この精算情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。なお、本実施形態におけるリジェクトスイッチ27は、メダル投入口21から投入されてセレクタ内に滞留したメダルを機械的に解放状態として、滞留したメダルを返却させるためのものである。ここで、メダル投入口21から投入されて滞留したメダルには、(正規の遊技メダル以外のメダルも含まれる。リジェクトスイッチ27が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報は生成されない。ただし、この情報を生成するように構成することもできる。なお、以下の説明において、上述の第3情報、第1,第2情報、1−BET情報、MAX−BET情報、スタート情報、リール停止情報、および精算情報を総称して、適宜「遊技操作情報」と称することがある。
主制御手段100は、役決定手段101、リール制御手段102、設定変更手段103、遊技状態設定手段104、ベット管理手段105、遊技操作処理時機導出手段106、および停止表示図柄判定手段107を備えている。また、主制御手段100は、ブロッカ制御手段108、表示ランプ制御手段110、メイン情報記憶手段118、および情報送信手段119を備えている。なお、主制御手段100における各手段は、図2に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエアおよびROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
役決定手段101は、スタートレバー25が傾動操作されたことを契機として、より詳細には、遊技操作処理時機導出手段106によって導出された役決定開始時期に基づいて、予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果の中から少なくとも1つの役決定結果を選出するための役抽選処理を行うように構成されている。この役抽選処理は、図2に示す乱数発生器66およびサンプリング回路67を用いた乱数抽選により行われる。
具体的には、乱数発生器66により生成された乱数列の中から、サンプリング回路67によって1つの乱数(数字)を取得(ラッチおよび読込み)した後、その取得乱数が、図示しない役抽選テーブルに設定された複数の数値範囲の中のどの数値範囲に属するのかを判定し、取得乱数が属する数値範囲に対応した役抽選結果を選出するように構成されている。なお、役抽選テーブルのイメージ図(当選役および当選確率を示した図)は、後述する図7に示す。
リール制御手段102は、役決定手段101における役抽選処理により役抽選結果が選出された後に、各リール3a,3b,3cを一斉に回転開始させるとともに、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次押圧操作され、それらの各信号が入力された際に、対応する各リール3a,3b,3cを順次回転停止させるように構成されている。なお、各リール3a,3b,3cの回転停止制御は、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a,3b,3cが最大で4図柄移動する範囲内(停止操作を受け付けてから190ms以内)で行われる。すなわち、役決定手段101による役抽選処理の結果、所定の遊技役が決定されている場合には、可能な限りその決定された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、設定されたいずれの遊技役の対応図柄も有効ライン29上に停止表示されないように停止制御がなされるようになっている。なお、後述する第2種特別役物(CB)が作動している場合においては、少なくとも1つのリール(本実施形態では右リール3c)が、1図柄移動する範囲内(停止操作を受け付けてから75ms以内)で回転停止制御が行なわれる。
設定変更手段103は、設定変更スイッチ84が受け付けた設定変更指令操作に基づき役決定確率等の設定を、たとえば6段階(設定値1〜設定値6)で変更する設定変更を行うように構成されている。また、設定変更を行った場合には、設定変更後の設定値の情報等を、情報送信手段119を介して副制御手段200へ送信するように構成されている。
遊技状態設定手段104は、所定の遊技状態移行条件の成立を契機として、後述する複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態を設定するように構成されている。また、設定変更手段103により設定変更が行われた際には、設定変更後の遊技状態が設定変更前の遊技状態と同じ遊技状態となるように、設定変更後に設定する遊技状態を決定するように構成されている。
ベット管理手段105は、遊技者によるベット操作により設定されたベット数が規定枚数に達したか否かを判定するように構成されている。ここでのベット操作には、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作や1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作が含まれる。さらに、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作は、特に、投入メダルセンサ28aにより検出される投入操作を意味する。また、再遊技役が成立した場合に、次の遊技期間において、自動ベット処理を行うように構成されている。自動ベット処理とは、遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、直前の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理である。
遊技操作処理時機導出手段106は、入力ポートからの各遊技操作情報が適正な時機に出力された場合に、出力された遊技操作情報を有効に受け付ける。ここで受け付けた遊技操作情報に基づく処理は、予めプログラムされた処理である。
停止表示図柄判定手段107は、各リール3a,3b,3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示された図柄の組合せから、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。また、どの図柄が停止表示されたのかを示す情報である停止表示図柄情報、または成立した遊技役を示す情報である成立役情報を、情報送信手段119を介して副制御手段200へ送信するように構成されている。
ブロッカ制御手段108は、ブロッカ信号をブロッカ48に出力して、ブロッカ48をON状態とOFF状態の間で切り替える制御を行っている。ここで、ブロッカ48がON状態にあるときには、遊技メダル受入可能状態となる。また、ブロッカ48がOFF状態にあるときには、遊技メダル受入不可状態となる。
表示ランプ制御手段110は、各種表示用ランプの点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。ここでの各種表示用ランプには、MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、獲得枚数表示ランプ46j等が含まれる。
メイン情報記憶手段118は、役決定手段101における乱数抽選による役抽選処理によって選出された役抽選結果を示す情報や、遊技状態設定手段104により設定された遊技状態を示す情報を記憶するように構成されている。
情報送信手段119は、遊技に関する各種情報を副制御手段200に送信するように構成されている。ここでの遊技に関する各種情報としては、たとえば、スタートレバー25やストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたことの情報、役抽選結果を示す情報および当選役の成立の有無の情報、遊技状態の設定情報等がある。
一方、副制御手段200は、AT設定手段201、演出実行制御手段202、サブ情報記憶手段208および情報受信手段209、情報送信手段210を備えている。なお、副制御手段200における上述の各手段は、図3に示すサブメイン基板70上に配されたサブCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエアおよびROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
AT設定手段201は、主制御基板60から送信される役決定手段101が行った役抽選処理の結果に基づいて所定の図柄が表示されるようにストップスイッチ26a,26b,26を操作する操作順などを遊技者にアシストするAT演出を実行するか否かの抽選(AT抽選)等、AT演出に関する種々の制御を行うように構成されている。なお、AT抽選は主制御基板60で行うように構成することもでき、その場合には、AT演出を画像表示装置11、スピーカ15a,15b,44a,44b、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b等で実行可能に、主制御基板60がサブメイン基板70へAT抽選の結果などの制御コマンドを送信するように構成することができる。
演出実行制御手段202は、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a,38b,38cを用いた各種の演出を制御するように構成されている。
サブ情報記憶手段208は、主制御手段100から送信された情報や、演出制御に関する情報を記憶するように構成されている。情報受信手段209は、主制御手段100から送信された遊技に関する各種情報を受信し、演出実行制御手段202およびサブ情報記憶手段208に対して必要な情報を伝達するように構成されている。
また、情報送信手段210は、サブサブ基板75に対して画像表示装置11やスピーカ15a,15b,44a,44bを制御する制御コマンドを送信する。サブサブ基板75は、画像表示装置11を制御するコマンド(以下、画像制御コマンドとも称する)を受信すると画像表示装置11を制御し、スピーカ15a,15b,44a,44bを制御するコマンド(以下、サウンドコマンドとも称する)を受信するとサウンド基板17に制御コマンドを送信し、サウンド基板17はスピーカ15a,15b,44a,44bを制御する。なお、サブサブ基板75についての詳細は後述する。
[画像制御基板の構成]
図4に示すように、画像制御基板75(サブサブ基板75)は、サブサブCPU75a、ROM75b、RAM75c、CG−ROM75d、GPU75e、VRAM75f、表示回路75gなどを備えている。
サブサブ基板75は、サブメイン基板70から送信された制御コマンドが画像制御コマンドの場合には、GPU75eは、CG−ROM75dに記憶された画像データをVRAM75fに展開し、VRAM75fが展開した画像データを用いて画像表示装置11を制御する。また、サブメイン基板70から送信された制御コマンドがサウンドコマンドの場合には、サウンド基板17は、スピーカ15a,15b,44a,44bの制御をする。
ROM75bには、サブサブCPU75aを制御するためのプログラムが記憶されており、RAM75cには、ROM75bに記憶されているプログラム、演出の進行を管理するためのパラメータなどが記憶されている。
CG−ROM75dには、現在の遊技状態を示すための画像データ、役決定手段101が行った役抽選の結果を示唆するための画像データ、AT抽選の結果を示唆するための画像データなど、遊技に関する画像を画像表示装置11に表示するための画像データが記憶されている。
上記画像データの中には、主要キャラクタの画像データ、上述したAT演出用の画像データ(所定の図柄が表示されるようにリール3a,3b,3cを停止させる操作順などを遊技者にアシストするAT演出用の画像データ)、背景用の画像データなどの使用頻度の高い画像データ、複数の画像データのうちデータの容量が大きいものやスロットマシン1に電源が投入されるとすぐに画像表示装置11に画像を表示するために必要な最低限の画像データを含む常駐画像データが記憶されている。
VRAM75fには、フレームバッファAとフレームバッファBの2つの領域が設けられている。この2つのフレームバッファに記憶される画像データは、画像表示装置11に表示されるタイミングが異なる画像データであり、たとえば、最初にフレームバッファAに記憶されている画像データAが画像表示装置11に表示され、次にフレームバッファBに記憶されている画像データが画像表示装置11に表示される。
また、VRAM75fには、常駐画像データを展開するための常駐画像データ展開用の領域と、後述する描画処理を実行する際に一時的に画像データを展開する特定の領域が設けられている。
また、CG−ROM75dには、スロットマシン1の工場出荷時における製品検査に必要な検査用のデータ、たとえば、検査結果を表示するための画像データ、リール3a,3b,3cを停止するストップスイッチ26a,26b,26cを操作する順番(たとえば、順押しを示す(1−2−3)、逆押しを示す(3−2−1)などの数字)を表示するための画像データなど製品検査に必要な最低限の画像データが記憶されている。
サブメイン基板70から送信された制御コマンドが画像制御コマンドの場合、具体的には、サブメイン基板70からサブサブCPU75aへ送信された制御コマンドが画像制御コマンドである場合には、画像表示装置11に画像を表示するため、サブサブCPU75aは送信された制御コマンドに基づいて表示する画像を決定し、CG−ROM75dに記憶された画像データの中から決定した画像に対応する画像データをVRAM75fに展開する。より詳細には、サブサブCPU75aは、サブメイン基板70から送信された制御コマンドに基づいてGPU75eに描画命令を送信し、CG−ROM75dからVRAM75fのフレームバッファまたは特定の領域に画像データを送信する。特定の領域に記憶された画像データはサイズ調整などを実行してフレームバッファへ記憶される。
また、上記特定の領域には、常駐画像データが記憶されており、スロットマシン1への電源投入に基づくサブサブ基板75の起動処理後に、常駐画像データが特定の領域に記憶される。常駐画像データが、特定の領域に記憶されている場合には、CG−ROM75dから読み出すことなく、常駐画像データを記憶した特定の領域からフレームバッファへ記憶される。
そして、表示回路75gは、フレームバッファに記憶された画像データに対応する画像を画像表示装置11に表示する。
なお、サブメイン基板70から送信された制御コマンドがサウンドコマンドである場合には、サブサブCPU75aは、サウンド基板17に音を出力するための信号を出力する。
[遊技状態]
本実施形態における遊技状態には、一般遊技状態(通常遊技状態とも称す)、2種BB内部遊技状態(ボーナス内部中状態とも称す)、2種BB遊技状態(第2種特別役物に係る役物連続作動装置の作動状態とも称す)におけるCB遊技状態(第2種特別役物の作動状態とも称す)、AT遊技状態(報知遊技状態とも称す)がある。一般遊技状態は、当該遊技で2種BB遊技状態へ移行する契機となる2種BB役に当選しておらず、2種BB役に当選したことを示す情報が次の遊技に持ち越されていない遊技状態である。そして、一般遊技状態、2種BB内部遊技状態、および2種BB遊技状態の間で遊技状態が移行し、2種BB内部遊技状態中にAT遊技状態となることがあり、2種BB遊技状態中にCB遊技状態となることがある。ただし、2種BB内部遊技状態中であってもAT遊技状態中でないこともあり、2種BB遊技状態中であってもCB遊技状態中でないこともある。ここで、「2種BB遊技状態中であってもCB遊技状態中でないこともある」とは、第2種特別役物に係る連続作動装置が作動している場合に第2種特別役物が1遊技中に作動または非作動となることを指す。
2種BB内部遊技状態とは、一般遊技状態中において、2種BB遊技状態へ移行する契機となる2種BB役に当選した後、所定の図柄の組合せを有効ライン29上に停止表示するまで継続する遊技状態である。2種BB内部遊技状態中には、所定のAT移行条件を満たすことで、サブメイン基板70のAT設定手段201がAT演出を実行する。つまり、2種BB内部遊技状態において、主制御基板60から送信される役決定手段101が行った役抽選の結果が後述するAT役である場合に、所定の図柄の組合せが有効ライン29に停止表示されるようにストップスイッチ26a,26b,26cの操作順序を遊技者にアシストするAT演出を行う。
2種BB遊技状態は、通常遊技状態において2種BB役に当選し、かつ、2種BB役に対応する図柄の組合せが有効ライン29に停止表示されると移行する遊技状態(以下、この遊技状態を「2種BB作動時」ということもある。)である。2種BB遊技状態においては、連続役物作動装置が作動して、1の遊技毎にCB遊技状態(以下、この遊技状態を「CB作動時」ということもある。)への移行を繰り返す。2種BB遊技状態は、払出枚数が規定の枚数(本発明における所定の終了条件)に到達するまでCB遊技状態を繰り返す。
CB遊技状態は、1ゲーム間継続する遊技状態であり、払出のある全ての小役に当選する。換言すると、CB遊技状態では、役抽選結果に関わらず小役に関する全ての条件装置が作動することになる。また、CB遊技状態では、リール3a,3b,3cのうち所定のリールの停止制御を変更することができる。具体的には、少なくとも1つのリール(本実施形態では右リール3c)に対応するストップスイッチ26a,26b,26c(本実施形態ではストップスイッチ26c)が遊技者によって操作されたときを基準にして75ms以内(通常は、190ms)に、そのリールを停止させるように制御する遊技状態である。
AT遊技状態とは、主制御基板60から送信される役抽選の結果に基づいて、所定の図柄が表示されるようにストップスイッチ26a,26b,26を停止する操作順などを遊技者にアシストするAT演出を実行する遊技状態であり、遊技者はアシストされた操作順でストップスイッチ26a,26b,26を停止することで所定の図柄が有効ライン29に停止表示され遊技メダルを獲得することができる。
[遊技役の種類]
以下の本実施形態においては、各リール3a,3b,3cには、不図示の「赤7」、「緑7」、「青7」、「バー」、「リプレイ」、「ベル」、「チェリーA」、「チェリーB」、「スイカ」、「ブランク」の各図柄が所定数ずつ配置されており、有効ライン29に停止表示される図柄の組合せによって遊技役を構成する場合について説明する。なお、ここで、本実施形態における「ブランク」とは、役を構成しない図柄を意味しているのではなく、役を構成する図柄の1つの名称として使用する。
各リール3a,3b,3cにより有効ライン29に停止表示される遊技役の種類としては、たとえば、有効ライン29に「ベル−ベル−ベル」、「ベル−ベル−チェリーA」が揃う態様などの「ベル」、「スイカ−スイカ−スイカ」が揃う態様などの「スイカ」、「チェリーA−ANY−ANY」が揃う態様などの「チェリー」などの複数の小役が設定されている。
上記小役は、遊技役毎に設定された枚数の遊技メダルの払出を伴うものであり、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが遊技役のうちいずれかに該当し、入賞態様となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパ50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
また、上記小役の「ベル」は重複して当選する場合がある。そして、これらが重複して当選した場合に、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作される順番によって入賞する小役の種類が異なるように設定されている。たとえば、「ベル−ベル−ベル」のベルの小役が入賞すると8枚の遊技メダルが獲得でき、その他のベルの小役が入賞すると1枚のメダルが獲得できる場合、「ベル−ベル−ベル」のベルの小役が入賞する押し順でストップスイッチ26a,26b,26cが操作された場合には、8枚の遊技メダルが獲得でき、その他の押し順でストップスイッチ26a,26b,26cが操作された場合には、その他のベルの小役が入賞して1枚のメダルが獲得できる。
そして、上記のような重複して当選する小役を上述したAT役に設定することで、AT遊技状態中にAT役に当選すると、8枚の遊技メダルが獲得することができる「ベル−ベル−ベル」が入賞する押し順をアシストするAT演出を実行することで、遊技者が保有する遊技メダルの数を増加させることが可能となる。
また、遊技役として、2種BB役と複数の再遊技役が設定されている。再遊技役は、遊技メダルの払出を伴わないが、次の遊技を行うためのベットが自動的に行われる。また、2種BB遊技状態への移行の契機となる2種BB役は、たとえば、有効ライン29に「ブランク−緑7−緑7」が揃う態様であり、遊技メダルの払出を伴わないものである。ここで、2種BB遊技状態へ移行した場合には、たとえば、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの枚数(規定数)を2枚にする(通常は、3枚)。換言すると、3枚掛けの遊技ではなく、2枚掛けで遊技を行うことになる。
なお、CB遊技状態において有効ライン29に所定の小役に対応した図柄の組合せを揃えた場合には、通常遊技状態よりも少ない枚数の遊技メダルが払出される。たとえば、有効ライン29に「スイカ−ベル−リプレイ」の図柄が揃った場合、通常遊技状態(3枚掛けの遊技)では8枚の遊技メダルが払出されるが、CB遊技状態(2枚掛けの遊技)では2枚の遊技メダルが払出される。
[設定変更後の復帰処理]
先にも述べたように本実施形態では、設定変更スイッチ84が設定変更指令操作を受け付けた場合には、設定変更手段103により、役決定確率等の設定変更が行われるように構成されている。この設定変更が行われた場合、メイン情報記憶手段118の各記憶領域に記憶された情報、およびサブ情報記憶手段208の各記憶領域に記憶された情報は次のように処理されるように構成されている。
設定変更は、電源断の状態において設定鍵型スイッチ83をONにし、再び電源を投入した後に設定変更スイッチ84を操作することにより可能となる。電源断時には、メイン情報記憶手段118の各記憶領域に記憶されていた情報およびサブ情報記憶手段208の各記憶領域に記憶されていた情報は、一旦全て保存(そのままの状態で保持)される。
一方、設定変更時には、サブ情報記憶手段208の各記憶領域に記憶されていた情報は全て初期化されてクリアされるのに対し、メイン情報記憶手段118の各記憶領域に記憶されていた情報は、一部は初期化されてクリアされたり更新されたりするが、他の一部は設定変更後に引き継がれるように復帰する(設定変更開始前の電源断時に記憶されていた情報が、そのままの状態で設定変更終了時においても継続して保持される)ようになっている。
[主制御手段における処理]
続いて、本実施形態における主要な制御処理について説明する。まず、主制御手段100における制御処理について説明する。主制御手段100では、電源が投入されると、最初にプログラム開始処理を実行し、続いて設定変更処理または電源復帰処理を経て遊技進行メイン処理へと移行する。この遊技進行メイン処理によって、主に遊技が進行する。
以下、これらの処理について説明するが、プログラム開始処理等においては、主制御手段100への電力の供給が停止されたときである電源断時に実行され電源断処理時におけるデータ等を用いるので、先に電源断処理について簡単に説明する。
[電源断処理]
電源断処理では、全ての出力ポートデータをクリア、スタックポインタの保存、RAM63に記憶されたデータのチェックサムの算出、及び、チェックサムデータの保存、電源断が正常に実行されたことを示す電源断実行処理フラグの保存を行い、その状態で待機する。その後、CPU61にリセット信号が入力されると電源断処理を終了する。
それでは、主制御手段100において実行されるプログラム開始処理、設定変更処理、電源復帰処理およびメイン処理について説明する。図5は、プログラム開始処理のフローチャートである。図6は、設定変更処理のフローチャートである。図7は、遊技進行メイン処理のフローチャートである。
[プログラム開始処理]
図5に示すように、プログラム開始処理においては、まず、レジスタの初期化処理を行う(S1)。レジスタの初期化処理では、主制御手段100におけるシリアル通信回路の通信速度の設定や割込みの種類の設定、さらには、送信するコマンドの設定を行う。次に、電源断復帰準備処理を行う(S2)。電源断復帰準備処理では、電源断処理によって実行した主制御手段100におけるRAM63のチェックサムなどを実行する。なお、電源断処理が正常に行われなかった場合には、チェックサムを実行する処理を実行せずに、電源断復帰データとして異常値がセットされる。遊技の進行中、雷等が発生すると、電源断処理が正常に行われることなく電力の供給が停止してしまうことがある。こうした不意の電力供給の停止の際、電源断処理が正常に行われていないことがある。このような場合に電源断復帰データとして異常値がセットされる。RAM63のチェックサムの処理等が済んだ後に、電源断復帰データをレジスタに記憶する。
続いて、指定スイッチがONされているか否かを判断する(S3)。ここでの指定スイッチは、前扉の開閉を検知するドアスイッチ、設定鍵型スイッチ83の2つのスイッチを意味している。指定スイッチがONされていると判断される具体的な条件は、ドアスイッチが開放され、設定鍵型スイッチ83がON方向に回転されていることである。これらの2つの条件が満たされたときに、指定スイッチをONと判断し、その他の場合に指定スイッチがONでないと判断する。
このため、たとえば前扉2が閉じているときに設定鍵型スイッチ83が回転している場合には、指定スイッチがONとなっていると判断されない。その結果、後に説明する設定変更処理の条件を満たすことがなく、設定変更処理が行われないこととなる。この処理は、不正な状態における設定値の変更を抑制するための処理である。
ステップS3の判断の結果、指定スイッチがONされていると判断した場合には、電源断復帰データが異常であるか否かを判断する(S4)。その結果、電源断復帰データが異常でないと判断した場合には、設定変更不可フラグがONとなっているか否かを判断する(S5)。その結果、設定変更不可フラグがONとなっていると判断した場合には、電源断復帰データが正常であるか否かを判断する(S6)。ここで、電源断復帰データが正常であると判断した場合には、プログラム開始処理を終了し、電源復帰処理に移行する。
一方、ステップS6において、電源断復帰データが正常でないと判断した場合には、復帰不可能エラーのエラー状態となる。復帰不可能エラーに移行すると、この状態が無限ループすることとなる。復帰不可能エラーは、設定変更処理が実行されるまで解除されないエラー状態であり、復帰不可能エラーの解除条件は、設定変更処理が行われることである。
また、ステップS3において、指定スイッチがONされていないと判断した場合には、ステップS6に進み、電源断復帰データが正常であるか否かの判断を行う。このときには、プログラム開始処理を実行する際における設定変更処理が行われないこととなる。また、ステップS4において、電源断復帰データが異常であると判断した場合、およびステップS5において設定変更不可フラグがONとなっていないときには、プログラム開始処理を終了し、設定変更処理に移行する。なお、設定変更不可フラグは、後に説明する役抽選処理から遊技終了チェック処理の間にONとされるフラグである。このため、役抽選処理から遊技終了チェック処理の間は、設定変更処理ができない状態とされる。なお、設定変更不可フラグを備えず、役抽選処理から遊技終了チェック処理の間か否かにかかわらずいつでも設定変更処理ができる状態としても良い。
[設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。図6に示すように、設定変更処理では、まず、RAM63の所定範囲をレジスタに記憶し(S11)、RAM63の初期化処理を行う(S12)。RAM63の初期化処理では、電源断復帰データが正常であるか否かを判断し、電源断復帰データが正常であると判断した場合には、所定範囲のRAM63の範囲を初期化する。
一方で、電源断復帰データが異常、より詳細には、電源断実行処理フラグが異常、又はRAM63のチェックサムが異常であると判断した場合には、特定範囲(設定値データ、遊技状態番号(たとえば、リプレイタイムのリプレイ確率の設定を示すRT状態番号など)、条件装置フラグ)を含めた全てのRAM63の範囲を初期化する。つまり、電源断復帰データが正常であると判断した場合は特定範囲のRAM64の範囲は初期化しないが、電源断復帰データが異常であると判断した場合は特定範囲のRAM64の範囲も初期化の対象となる。
RAM63の初期化が済んだら、タイマ割込み処理の起動設定を行う(S13)。タイマ割込み処理の起動設定では、タイマ割込み処理の種類やタイマ割込みの周期の設定を行う。タイマ割込みの周期はたとえば2.235msに設定される。ただし、タイマ割込みの周期を他の時間に設定することもできる。タイマ割込み処理の起動設定が終了した後にタイマ割込み処理が実行可能とされる。
続いて、設定変更開始を示すデータをレジスタに記憶させる(S14)。設定変更開始を示すデータは、設定変更処理が実行されることを副制御手段200に知らせるためのコマンドである。このときに、電源断実行処理フラグをクリアする。それから、制御コマンドをセットする(S15)。この「制御コマンドセット」は、以下に説明する処理においても適宜実行されるものであるが、副制御手段200に送信するためのコマンドデータをRAM63に記憶する処理を意味するものとする。
続いて、設定値が正常範囲にあるか否かを判断する(S16)。その結果、設定値が正常範囲であると判断した場合にはステップS21に進み、設定値が正常範囲にないと判断した場合には、設定値「1」をRAM63に記憶し(S17)、図示しない設定変更処理中のランプを点灯させる処理を行う(S18)。それから、設定変更スイッチ84の操作が検出されたか否かを判断する(S19)。その結果、設定変更スイッチ84の操作が検出されていると判断した場合には、設定変更スイッチ84の操作に応じた設定値に設定値を更新する(S20)。また、設定変更スイッチ84の操作が検出されていないと判断した場合には、そのままステップS21に進む。
続いて、スタートスイッチがONとなったか否かを判断する(S21)。スタートスイッチは、スタートレバー25が操作されることでONとなる。その結果、スタートスイッチがONとなっていない場合にはステップS19に戻り、設定変更スイッチ84が操作されているかを判断する。また、スタートスイッチがONとなっている場合には、ステップS22に進む。この処理により、設定変更が完了するための条件は、スタートレバー25の操作となる。
その後、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっているか否かを判断する(S22)。その結果、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっていないと判断した場合には、ステップS22の処理を繰り返す。一方、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっていると判断した場合には、設定変更処理中のランプを消灯させ(S23)、設定変更終了を示すデータをレジスタにセットする(S24)。設定変更終了を示すデータのセットにより、設定変更処理の終了を副制御手段200に知らせることが可能となる。その後、制御コマンドをRAM63にセットして(S25)、設定変更処理を終了し、遊技進行メイン処理に移行する。
[電源復帰処理]
プログラム開始処理において設定変更処理に移行することなく電源断復帰データが正常であった場合に実行される電源復帰処理について説明する。電源復帰処理では、設定値が正常であるか否かを判断し、設定値が正常である場合に、RAM63における未使用領域の初期化範囲をレジスタにセットする。また、設定値が正常でない場合には、復帰不可能エラーとなるが、設定変更処理を行うことでエラーを解除することができる。
次に、RAM63の初期化で定められた範囲を初期化し、RAM63における定められた範囲の初期化が完了した後、電源断前の入力データのうち必要なデータを最新のデータに更新する処理、後述する遊技進行メイン処理で使用したレジスタ値であってRAM63のスタックポインタに退避させたレジスタ値を復帰させるなどの処理を行う。これにより、たとえば、電源断が生じた時の遊技状態が再遊技を開始するところであったときは再遊技状態に、2種BB遊技状態中だったときはその遊技状態に復旧させる。その後、タイマ割込み処理の起動設定を行い、電源断実行フラグをクリアする。こうして、電源復帰処理を終了し遊技進行メイン処理へと移行する。
[遊技進行メイン処理]
続いて、遊技進行メイン処理について説明する。図7に示すように、遊技進行メイン処理では、まず、遊技開始処理を行う(S31)。遊技開始処理では、前回の遊技の際に有効ライン29に停止表示された図柄組合せに基づいて、今回の遊技が2種BB遊技状態であるか否か、CB遊技状態であるか否か、再遊技であるか否かなど、今回の遊技に関する情報、設定変更手段103で設定された設定値を示す情報などの各種遊技情報をサブメイン基板70に送信するため、それぞれRAM63に書き込む。
遊技開始処理が済んだら、遊技メダル受付開始処理を行う(S32)。遊技メダル受付開始処理では、再遊技の際に遊技メダルの自動投入を行ったり、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に誘導できるようにしたりする。遊技メダル受付開始処理が終了したら、遊技メダル管理処理を行う(S33)。遊技メダル管理処理では、メダル投入口21に投入されたメダルに基づいた投入処理や1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23、精算スイッチ24の操作に基づいた処理等を行う。
遊技メダル管理処理が済んだら、遊技メダルのベット枚数がベット規定数と一致し、かつスタートレバー25が操作されてスタートスイッチがONとなったか否かを判断する(S34)。ステップS34の条件が満たされない場合には、ステップS33に戻り、遊技メダル管理処理を行う。
また、ステップS34の条件が満たされると、役抽選処理を行う(S35)。役抽選処理は、役決定手段101によって行われる。役抽選処理が済んだら、フリーズ抽選処理を行う(S36)。フリーズ抽選処理は、フリーズ演出等の態様を決定する処理を行う。フリーズ演出処理を実行する際には、ステップS34において遊技メダルのベット枚数がベット規定数と一致し、かつスタートレバー25が操作されてスタートスイッチがONとなったと判断された場合に、所定のフリーズ時間のフリーズ制御を実行する。フリーズ制御とは、遊技の進行を所定期間一時停止状態(遅延状態、待機状態とも称する)にする制御であり、演出に関する操作を除いた遊技操作の受付を停止する制御である。また、フリーズ時間は、フリーズ演出の態様によって適宜決定することができる。このフリーズ時間としては、1種類の時間としておくこともできるし、複数種類の時間を設定し、フリーズ演出に応じて複数種類の時間の中から適宜決定できるようにすることもできる。フリーズ抽選処理は、基本的には、役抽選処理の抽選結果に基づいて行われる。ただし、役抽選処理の結果以外の条件、たとえば停止表示された図柄組み合わせの表示態様等によって決定することもできる。
フリーズ抽選処理が済んだら、リール停止管理処理を行う(S37)。リール停止管理処理では、リールの加速から停止までのリールの動作を管理する処理を行う。その後、表示判定処理を行う(S38)。表示判定処理では、停止された各リール3a,3b,3cにおける有効ライン上に停止表示された図柄組み合わせに基づいて図柄組合せ表示フラグを更新する。
表示判定処理が済んだら、払出処理を行う(S39)。払出処理では、表示判定処理における判定結果に基づいて、遊技メダル払出口41から遊技メダルを払い出す処理を行う。ただし、貯留枚数が最大枚数(50枚)に到達していない場合には、貯留枚数が最大枚数に到達するまでは、遊技メダル払出口41からの払い出しに代えて、貯留枚数の加算を行う。また2種BB遊技状態時には、後述する2種BB遊技状態時の獲得可能枚数から払い出し枚数を減算する減算処理を行い、減算処理の結果、2種BB遊技状態時の獲得可能枚数が0未満となった場合に、2種BB遊技状態時の獲得可能枚数を0にクリアする。ただし、2種BB遊技状態時の獲得可能枚数が0未満とならなかった場合には、2種BB遊技状態時の獲得可能枚数を減算した結果の値にする。
払出処理が済んだら、遊技終了チェック処理(S40)を行う。遊技終了チェック処理では、上述した作動状態フラグや条件装置フラグをクリアにする処理などを行い、その後にステップS31に戻る。以後、この処理を繰り返して実行する。この遊技終了チェック処理については、後に詳しく説明する。
[遊技終了チェック処理]
続いて、遊技終了チェック処理について説明する。図8は、遊技終了チェック処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すように、遊技終了チェック処理では、まず、RAM63に記憶された条件装置フラグをクリアにし(S51)、RAM63に記憶され今回の遊技が再遊技であったことを示す再遊技の作動状態フラグをクリアにする(S52)。より詳細には、2種BB役に対応する条件装置フラグ以外の条件装置フラグをクリアにする。なお、2種BB役に対応する図柄の組合せが有効ライン29に停止表示されると2種BB役に対応する条件装置フラグもクリアにし、再遊技の作動状態フラグもクリアにする。
次に、RAM63に記憶された作動状態フラグに基づいて、遊技状態が2種BB作動時であるか否かを判断する(S53)。その結果、2種BB作動時であると判断した場合には、2種BB遊技状態が終了したことを示すコマンドをサブメイン基板70に送信する2種BB作動管理処理を行う(S54)。
2種BB作動管理処理が済んだら、RAM63に記憶された作動状態フラグに基づいて遊技状態がCB作動状態か否かを判断する(S55)。その結果、CB作動状態であると判断した場合には、CB遊技状態が終了したことを示すコマンドをサブメイン基板70に送信するCB作動管理処理を行う(S56)。
CB作動管理処理が済んだら、1の遊技が終了したことを示すコマンドをサブメイン基板70に送信する遊技終了コマンド送信処理を行い(S57)、遊技終了チェック処理を終了する。
一方、ステップS53において、2種BB作動時ではないと判断した場合には、2種BB作動管理処理を行うことなくステップS55に進む。また、ステップS55において、CB作動時ではないと判断した場合には、CB作動管理処理を行うことなく遊技終了コマンド送信処理を行う。
[メインCPU61のタイマ割込み処理]
本実施形態では、遊技者により行われる遊技操作に応じて、入力ポートに入力された遊技操作情報の読込みや信号レベルの検出等の処理が、予め設定された一定の時間毎に(定期的に)実施されるタイマ割込処理によって行われる。ここでの一定時間は、たとえば、2.235msとされているが、適宜設定することができる。以下、タイマ割込み処理について説明する。
図9は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。図9に示すように、タイマ割込み処理では、まず、レジスタの退避および重複割込みの禁止処理が行われる(S61)。ここでは、遊技進行メイン処理で使用しているメインCPU61のレジスタをタイマ割込み処理で使用するため、現在のレジスタ値をRAM63のスタックポインタに退避させる。次に、電源断を検知したか否かを判断し(S62)、電源断を検知したと判断した場合には、電源断処理に移行する。
一方、電源断を検知していないと判断した場合には、割込みカウンタ値を更新する(S63)。割込みカウンタ値の更新ではRAM63の割込みカウンタの値に「1」加算することにより割込みカウンタ値を更新する。
続いて、タイマ計測を行う(S64)。タイマ計測では、遊技制御処理においてセットされた任意のタイマの経過時間等を計測するものである。ここでのタイマとしては、4.1sのウエイト時間を計測する計測タイマ、条件装置出力時間を計測するタイマ、通路センサ滞留時間を計測する計測タイマなどがある。具体的には、RAM63に記憶されたこれら各種タイマ値を「1」減算する処理である。タイマ計測を行った後、7セグ表示制御処理を行う(S65)。7セグ表示制御処理では、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、獲得枚数表示ランプ46j等の7セグメント表示されるランプの表示制御を行う。
それから、入力ポート読込処理を行う(S66)。この入力ポート読込処理では、入力ポートに入力された各遊技操作情報の読込み、各遊技操作情報のレベルデータのRAM63への記憶などを行う。レベルデータとは、各遊技操作情報の操作/非操作を示すデータである。
入力ポート読込処理が済んだら、リール駆動制御処理を行う(S67)。リール駆動制御処理では、各リール3a,3b,3cの回転の加速、減速、定速維持および停止等の制御を行う。このリール駆動制御は、各リール3a,3b,3cのそれぞれに対して行う。それから、全リール3a,3b,3cに対してリール駆動制御を行ったか否かを判断する(S68)。
その結果、全リール3a,3b,3cに対してリール駆動制御を行ったと判断した場合には、ポート出力処理を行う(S69)。ポート出力処理では、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、及び獲得枚数表示ランプ46jの制御等のランプ点灯処理や、ホッパ50の駆動処理、各リール3a,3b,3cの駆動処理を行う。
それから、制御コマンド送信処理を行う(S70)。制御コマンド送信処理では、RAM63に記憶されている未送信の制御コマンドを副制御手段200に送信する処理と、外部信号としてベット信号、メダルの払出し信号、2種BB役の入賞を示す信号などをデータカウンタ、ホールコンピュータ等に出力する処理を行う。
制御コマンド送信処理が済んだら、ステップS61で退避させたレジスタを復帰させ、次回の割込みを許可して(S72)、タイマ割込み処理を終了する。
[副制御手段における処理]
続いて、副制御基板(サブメイン基板)70において、電源投入から電源断までの間に実行される各制御のうち、主要なものについて説明する。
[サブCPU71のタイマ割込み処理]
まず、サブCPU71で実行されるタイマ割込み処理について説明する。サブCPU71のタイマ割込み処理は、予め設定された一定の時間毎(たとえば、1ms毎)に実行され、サブサブCPU75aに送信する画像制御コマンドやサウンドコマンドなどの制御コマンドがある場合にコマンドの送信を開始する。
[パワーオンリセット処理]
次に、電源投入時のリセット信号入力時やその他のタイミングでのリセット信号入力時に行われるパワーオンリセット処理について説明する。このパワーオンリセット処理では、サブメイン基板70のリセットやRAM63の初期化処理を実行し、サブサブ基板75にリセット信号を送信する。図10は、パワーオンリセット処理の手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、パワーオンリセット処理においては、まず、仮スタックポインタをセットし(S101)、上述したサブCPU71のタイマ割込み処理の割込みの禁止を実行し(S102)、サブCPU71の初期設定やメモリーコントロールのためのMCU設定処理を実行する(S103)。
続いて、RAM63の所定の領域に0をセットするクリア処理のためのRAM初期化処理を実行し(S104)、チェックサムの実行などによって、システム領域やバックアップ領域の初期化チェックを行うチェック処理のためのRAM初期化処理を実行する(S105)。
続いて、絶対8ビット空間復帰を実行する(S106)。絶対8ビット空間は、高速なアクセスが可能な記憶領域であり、電源断後にデータが消去されないよう、外部RAMでのバックアップの対象となる。
続いて、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音の音量設定、DCユニット起動、電源投入時の処理、表示初期化若しくは表示復帰、RAMクリア直後の処理、音量に係るミュート解除などを実行するサブシステム初期化処理を実行する(S107)。
その後、コールドスタートであったか否かを判断する(S108)。コールドスタートであったか否かの判断は、ステップS105においてチェック処理のためのRAM初期化処理で算出したチェックサム値と、電源断時に算出していたチェックサム値とが一致しているか否かを判断する。その結果、コールドスタートであると判定した場合、すなわち、チェック処理のためのRAM初期化処理で算出したチェックサム値と、電源断時に算出していたチェックサム値とが一致していない場合には、コールドスタートフラグをクリアし(S109)、スタックポインタ初期値をセットした後(S110)、後述するメインループ処理へ移行する。このように、コールドスタートであると判断した場合、つまり、チェック処理のためのRAM初期化処理で算出したチェックサム値と、電源断時に算出していたチェックサム値とが一致していない場合には、RAM63の値に異常があると判断し(みなし)、スタックポインタを初期値にセットするなどの初期化処理を実行した後に、メインループ処理へ移行する。
一方、ステップS108において、コールドスタートではないと判定した場合、すなわち、チェック処理のためのRAM初期化処理で算出したチェックサム値と、電源断時に算出していたチェックサム値とが一致している場合には、バックアップ電源からバックアップ電力の供給を受けていた外部RAM(外付けRAM)からスタック情報を復帰させ(S111)、スタックポインタの復帰(S112)及びレジスタの復帰(S113)を実行する。そして、復帰モードに応じた復帰を行い、データ初期化を伴う通常復帰の場合であれば後述するメインループ処理へ移行し、データバックアップを伴う完全復帰の場合には、電源断が発生した際の処理へ戻る。
[メインループ処理]
次に、メインループ処理について説明する。図11はメインループ処理の手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、メインループ処理においては、サブCPU71において、ウォッチドッグタイマクリアの処理を行い(S111)、ウォッチドッグ動作開始処理を行う(S112)。ウォッチドッグタイマは、サブメイン基板70(サブCPU71)においてサブサブ基板75の暴走を監視する手段として機能するものであり、メインループ処理が開始されて直ぐに一旦クリアされた後、ステップS112のウォッチドッグ動作開始処理により、ウォッチドッグタイマに係る計時が開始される。
上記ウォッチドッグタイマは、ウォッチドッグタイマがタイムアップとなる前に処理が終了して、ステップS111のウォッチドッグタイマクリアを行うが、何らかの原因でウォッチドッグタイマがタイムアップとなった場合には、所定の処理を行ってプログラム開始処理を実行する。すなわち、ステップS111のウォッチドッグタイマクリアの処理は、それ以前にウォッチドッグタイマの起動によって開始されている計時の値をクリアするものである。
続いて、サブCPU71のタイマ割込み処理の割込み許可を行う(S113)。タイマ割込み処理の割込みが許可されることにより、1ms間隔でサブメイン基板からサブサブ基板75へ(サブCPU71からサブサブCPU75aへ)制御コマンドが送信可能となり、上述したように、サブサブCPU75aへ送信する制御コマンドがある場合には、このタイマ割込み処理によりサブサブCPU75aへ送信される。なお、サブメイン基板とサブサブ基板75は双方向通信であり、後述するように、サブサブCPU75aは、サブメインCPU71から制御コマンドの受信を完了すると、受信を完了した信号(ACK信号)をサブCPU71に送信する。
続いて、所定のチャンネルについてのサウンド制御や、各種LEDに係る制御を実行するランプパターン・サウンド制御処理を実行し(S114)、液晶ユニット監視処理(S115)を実行する。液晶ユニット監視処理においては、サブサブ基板75の状態を監視するための処理が実行される。
ここで、サブメイン基板70によるサブサブ基板75の暴走を監視するための制御について説明する。図12は、サブメイン基板70によるサブサブ基板75の暴走監視を説明するためのタイミングチャートである。
サブサブ基板75の暴走を監視は、サブサブ基板75からサブメイン基板70に対して出力される暴走監視信号(トグル信号)を用いて行われる。すなわち、サブサブ基板75のサブサブCPU75aにおいて、表示制御切替え毎(画像制御の1フレーム毎)に、図12中の最上段に示すように、暴走監視信号のLO/HIを反転する。図12中の上から2段目の信号の変化により示すように、パワーオンリセット(電源投入等)後は、サブサブ基板75は、ブート期間を介し、シリアル通信が可能となり、GPU75eの初期化が完了し(表示領域設定済み)、常駐画像データのうち一部の常駐画像データのVRAM75fへの転送が完了し、表示回路75gにより画像表示装置11に画像の表示が可能な状態となると、L/Hの反転を開始する。シリアル通信が可能となり、GPU75eの初期化が完了すると、サブメイン基板70は、サブサブ基板75に画像制御コマンドの出力を開始する。
サブメイン基板70のサブCPU71においては、図12中の上から3段目に示すように、リセット後に起動監視が有効な状態(開始された状態)となる。そして、ここではブート期間を含めて、暴走監視信号の切替わりを4回検出すると(図12中に1〜4の数字を記載して示す)、サブサブCPU75aの表示準備完了と判断し、起動監視が無効の状態(終わった状態)となる。ただし、約30秒経過しても表示準備完了と判断できない場合は、異常と判断する。
サブメイン基板70においては、サブサブCPU75aの表示準備完了と判断した後は、ウォッチドッグタイマ(WDT)による監視が有効となり、シリアル通信が許可される。さらに、サブメイン基板70において、サブサブCPU75aの表示準備完了と判断した後は、常時、暴走監視信号を監視し、約3200ms以上信号の切り替わりを検出しなかった場合、図12中の最下段に示すように、異常を検出した(異常検出)と判断する。異常と判断した場合は、サブサブCPU75aをリセットするためのリセット信号を出力し、その後の遊技状態に応じて、所定のコマンドをサブサブCPU75aに送信し、表示を復帰させる。
次に、各スピーカ50に係る状態を監視するアンプ状態監視処理を実行する(S116)。このアンプ状態監視処理では、スピーカ15a,15b,44a,44bが正常に動作していれば、出玉に係る不正行為があった場合に、演出音(演出用のサウンド)エラー音、警報音等を介して、遊技店員等が異変を察知することが可能である。しかし、スピーカ15a,15b,44a,44bが正常に動作していなければ、上述のような音出力を介して異変を察知することが難しくなるため、スピーカ15a,15b,44a,44bに係るアンプの状態監視が行われている。
続いて、フレーム毎実行処理を実行し(S117)、ウォッチドッグタイマの起動によって開始されている計時の値をクリアする(S118)。フレーム毎実行処理においては、電源ONから電源OFFまでの時間を計時する。この計時には4バイトカウンタが用いられており、電源ONから電源OFFの時間を、複数回数分記憶できる記憶領域を備えている。また、フレーム毎実行処理では、サブメイン基板70で遊技者に操作させる演出用ボタン(図示省略)を管理する場合などは入力判断、入力に基づく演出の設定なども行われる。
続いて、主制御基板61から受信したサブメインコマンドに基づき1コマンド処理を実行し(S119)、残余時間処理を実行する(S120)。この1コマンド処理では、AT(アシストタイム)抽選、サブメイン基板70の遊技状態の移行抽選、各種操作に基づく演出の設定を実行する。また、コマンド処理では、系統が異なるようなコマンドを受信していた場合には、それぞれのコマンドに対して、受信コマンドバッファを分けて設け、系統に応じたコマンド処理を実行してもよい。系統が異なるコマンドとして、たとえば、MAX−BETスイッチ23の操作によりキャラクタが選択可能な場合において、MAX−BETスイッチ23の操作に基づくベット数を示すコマンドと、MAX−BETスイッチ23の操作の有無を示すコマンドのように、遊技を進行するための操作に関するコマンドとそれ以外のコマンドに分けることができる。また、遊技を進行するための操作に関するコマンドを優先するなど、系統によって優先順位を設けてもよい。そして、1コマンド処理では、本処理中に電源断が生じた場合、電力供給が再開する電源断復帰時には、バックアップを伴う前述の完全復帰で、電源断検出場所(電源断発生時の処理位置)に戻るようになっている。
続いて、サブメイン基板70が設定している1フレーム(たとえば、約16ms)に基づいて、16msが経過したか否かを判断する1フレーム終了判定を行う(S121)。この16msの経過は、上述した1ms間隔で行われるサブCPU71のタイマ割込み処理が16回実行されたか否かにより監視することが可能である。1フレーム終了していないと判断した場合には、ステップS119の1コマンド処理へ戻ってループ処理を行い、終了したと判断した場合には、ステップS111のウォッチドッグタイマクリア(S651)に戻る。
上述した、メインループ処理内には、ステップS119の1コマンド処理を含むループ処理(以下では「メインループ内ループ処理」と称する)がさらに設けられており、このメインループ内ループ処理(S119〜S121)は、たとえば、上述した1ms間隔で行われるサブCPU71のタイマ割込み処理の実行回数を利用し、所定時間(ここではメインループ処理全体で16ms)が経過するまで繰り返される。さらに、メインループ内ループ処理(S119〜S121)においては、主制御基板60からのコマンドに応じた処理を行う1コマンド処理が、メインループ内ループ処理(S119〜S121)において繰り返し実行される。
[電源投入時処理]
次に、画像制御基板(サブサブ基板)75において、電源投入から電源断までの間に実行される各制御のうち、主要なものについて説明する。なお、電源投入時処理は、電源投入時のみならず異常検出時のリセット信号入力時にも実行される。図13は、電源投入時処理の手順を示すフローチャートである。
図13に示すように、電源投入時処理において、まず、OS起動を行い(ステップS201)、初期化処理を実行する(S202)。初期化処理では、タイマやポート制御環境の初期化、画面サイズ設定、コマンド送受信、文字等の表示システムや音声のサウンドシステムなどを初期化する。
続いて、音声出力可能信号を出力する(S203)。すなわち、スピーカ15a,15b,44a,44bから音声を出力することが可能であることを示す信号をサブメイン基板に出力する。上述したように、スピーカ15a,15b,44a,44bが正常に動作可能な状態であれば、出玉に係る不正行為があった場合に、演出音(演出用のサウンド)エラー音、警報音などにより、ホールの店員などが異変を察知することが可能である。しかし、スピーカ15a,15b,44a,44bが正常に動作可能な状態でなければ、上述したような音出力により異変を察知することが難しくなるため、ステップS202の初期化処理の後に音声を出力することが可能であることを示す信号を出力する。
そして、工場検査モードであるか否かを判断する(S204)。スロットマシン1の工場出荷時における製品検査の際、サブメイン基板70に検査用メインROM(図示省略)を接続し、サブサブ基板75に工場検査モードで動作するための専用コマンドを送信する。なわち、工場検査モードであるか否かの判断は、サブサブ基板75が専用コマンドを受信したか否かにより判断する。工場検査モードであると判断した場合には、検査用画像データを転送する(S205)。
ここで、工場検査モードであると判断した場合に転送される検査用画像データとは、工場出荷時における製品検査に必要な検査用のデータ、たとえば、検査結果を表示するための画像データ、リール3a,3b,3cを停止するストップスイッチ26a,26b,26cを操作する順番(たとえば、順押しを示す(1−2−3)、逆押しを示す(3−2−1)などの数字)を表示するための画像データなど、製品検査に必要な最低限の画像データのみをGPU75eがCG−ROM75dへアクセスしてVRAM75fに転送する。それから、検査用画像データの転送が完了したか否かを判断する(S206)。検査用画像データの転送が完了していないと判断した場合には、ステップS206の処理を繰り返す。一方、検査用画像データの転送が完了したと判断した場合には、ステップS209の処理に進む。
一方、ステップS204において、工場検査モードではないと判断した場合には、常駐画像データを転送する(S207)。ここで、転送する常駐画像データは、常駐画像データの一部であり、画像表示装置11に表示する主要キャラクタの画像データ、当選役に関する抽選の結果に基づいて、所定の図柄が表示されるようにリール3a,3b,3cを停止させる操作順などを遊技者にアシストするAT演出用の画像データ、背景用の画像データなどの使用頻度の高い画像データ、複数の画像データのうちデータの容量が大きいものや電源を投入してすぐに画像表示装置11に画像を表示するために必要な最低限の画像データをGPU75eからCG−ROM75dへアクセスしてVRAM75fに転送する。
なお、上記最低限の画像データは適宜変更することが可能であるが、最低限の画像データには、所定の図柄が表示されるようにリール3a,3b,3cを停止させる操作順などを遊技者にアシストするAT演出用の画像データを含むようにすることで、電源復帰時に上述したAT役に当選した場合、アシストされずに8枚の遊技メダルを獲得することができる「ベル−ベル−ベル」を入賞することができず、他のベルの小役が入賞して遊技メダルが1枚しか獲得できないなどの不利益を遊技者に与えることがなく、遊技を円滑に進行することができる。
そして、所定量を転送したか否かを判断する(S208)。すなわち、上述した常駐画像データの一部がVRAM75fに転送されたか否かを判断する。所定量を転送していないと判断した場合には、所定量を転送するまで待機する。
上記ステップS201からステップS208までの処理では、サブサブ基板75が起動処理を行っている状態であり、サブメイン基板70は、サブサブ基板75の起動を待ってから制御コマンドを送信する。このため、サブサブ基板75では、サブメイン基板70から制御コマンドを受信するまでは、画像表示装置11に「画像準備中」や「ローディング中」などの表示を行うことにより、サブサブ基板75が準備中であることを報知する。なお、上記常駐画像データには、画像表示装置11に「画像準備中」や「ローディング中」などの表示を行うためのデータが含まれる。
一方、所定量を転送したと判断した場合には、サブメイン基板70に画像出力可能信号を出力し(S209)、トグル信号出力/サウンド監視をする処理を実行する(S210)。具体的には、サブサブ基板75は、サブメイン基板70にサブサブ基板75が起動し、画像表示装置11に画像を表示することが可能であることを示す画像出力可能信号として、トグル信号の出力を開始する。なお、サブメイン基板70は、このトグル信号を受信すると、サブサブ基板75に画像表示装置11に表示する画像に基づいてコマンドの送信を開始する。
続いて、描画処理を実行する(S211)。この描画処理では、サブメイン基板60から送信された画像制御コマンドに基づいてGPU75eがCG−ROM75dにアクセスしてデータを読み出し、VRAM75fの特定の領域に展開する処理を実行する。この描画処理については、後に詳しく説明する。
描画処理が済んだら、残常駐画像データ転送処理を実行する(S212)。この残常駐画像データ転送処理では、ステップS207で転送した常駐画像データのうち残りの常駐画像データをバックグラウンドで転送する。この残常駐画像データについては、後に詳しく説明する。
そして、33msecが経過したか否かを判断する(S213)。すなわち、画像制御の1フレーム(2/60秒)が経過したか否かを判断する。33msecが経過していないと判断した場合には、33msecが経過するまで待機する。
一方、33msecが経過したと判断した場合には、バックグラウンドで次のフレームとして描画していた画像データを現在の表示データと入れ替えるスワップ処理を実行する(ステップS214)。このスワップ処理は、フレームバッファAとフレームバッファBを切り替える処理であり、たとえば、最初にフレームバッファAに記憶されている画像データAを表示回路75gが画像表示装置11に表示し、次にフレームバッファBに記憶されている画像データを表示回路75gが画像表示装置11に表示する処理である。スワップ処理を終了するとステップS210の処理に戻る。以後、この処理を繰り返して実行する。
[非同期処理]
次に、非同期処理について説明する。非同期処理では、サブサブCPU75aとGPU75eがそれぞれ並列に機能する。換言すると、サブサブCPU75aとGPU75eは非同期で処理を実行する。具体的には、GPU75eが図13のステップS211の描画処理を実行している間、サブサブCPU75aは、次の描画処理でGPU75eが読み取り可能なように画像の内容を描画コマンドに変換する処理などを実行する。また、この非同期処理では、サブサブCPU75aにて、サブメイン基板70から送信された制御コマンドがサウンドコマンドであるか画像制御コマンドであるかを振り分ける処理を実行する。図14は、非同期処理の手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、非同期処理では、まず、描画開始命令を実行する(S221)。具体的には、サブサブCPU75aがコマンドバッファに描画命令を追加すると、GPU75eがこの描画命令を読み込み、描画処理を開始する。
続いて、コマンド解析処理を実行する(S222)コマンド解析処理では、サブサブ基板75にて、サブメイン基板70から送信された制御コマンドがサウンドコマンドであるか画像制御コマンドであるかを解析する。このコマンド解析処理については、後に詳しく説明する。
続いて、描画準備処理を実行する(S223)。描画準備処理では、描画を実行するための描画コマンドリストを作成する。この描画準備処理については、後に詳しく説明する。
描画準備処理が終了すると、サウンド定期処理を実行する(S224)。サウンド定期処理では、サウンド基板17のバッファにあるレジスタへの書き込み用データを指定アドレスへ書き込む処理を実行する。
続いて、描画終了待ち処理を実行する(S225)。すなわち、サブサブCPU75aは、GPU75eで実行された描画処理の終了を待ってステップS226の処理に進む。具体的には、GPU75eが描画処理を終了したことに基づいて描画終了フラグをONにすると、サブサブCPU75aがこの描画終了フラグがONになったことに基づいて描画処理が終了したと判断する。
続いて、Vブランク待ち処理を実行する(S226)。具体的には、Vブランク割込み処理により、一の場面を表示してから次の画面を表示するまでの時間であるVブランクをカウントし、2Vブランク(1/60秒)待つことで、1秒あたりフレーム数30を動作可能にしている。
続いて、サブメイン基板70へトグル信号を送信し(S227)、スワップ処理を実行する(S228)。すなわち、フレームバッファAとフレームバッファBを切り替える処理を実行する。スワップ処理を終了すると、ステップS221の処理に戻る。以後、この処理を繰り返して実行する。
上記非同期処理では、サブサブCPU75aとGPU75eが並列して処理を実行する。このため、サブサブCPU75aとGPU75eが同期して処理を実行する場合と比較して、GPU75eは多くの時間を描画処理に使用することができ、CG−ROM75dへアクセスしてデータを読み出す時間を多くすることができる。また、ステップS221において、サブサブCPU75aがGPU75eに描画始命令を実行した後、GPU75eが描画処理を終了するまで描画処理が止まることがないため、処理を早く終了させることができ、処理効率が向上する。
[サブサブCPU75aの割込み処理]
次に、サブサブCPU75aで実行される割込み処理について説明する。サブサブCPU75aの割込み処理は、定期的ではなくサブCPU71から送信されたコマンドを受信することにより割込み処理を実行する(サブCPU71から送信される全てのコマンドを受信することにより割込み処理を実行してもよい)。
サブサブCPU75aは、サブCPU71からコマンドを受信すると、受信したコマンドをRAM75cのコマンドバッファに記憶する。そして、全てのコマンドを正常に受信(たとえば、3バイトで構成されたコマンドを全て正常に受信)すると、受信を完了した信号(ACK信号)をサブCPU71に送信する。
[コマンド解析処理]
次に、コマンド解析処理について説明する。図15は、コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
図15に示すように、コマンド解析処理では、まず、RAM75cのコマンドバッファからコマンドを取得し(S231)、コマンドを解析する(S232)。上述したように、サブCPU71からコマンドを受信すると割込み処理を実行し、受信したコマンドをRAM75cのコマンドバッファに記憶している。そして、このコマンドバッファに記憶されているコマンドをステップS231において取得し、ステップS232において解析する。
続いて、キーコマンドであるか否かを判断する(S233)。ここでキーコマンドとは、複数のコマンドで1つの指示を示している場合、複数のコマンドのうち最後に送信されるコマンドをいう。そして、キーコマンドではないと判断した場合には、コマンドをRAM75c内のコマンドバッファに一時保存し(S234)、ステップS246の処理に進む。
一方、キーコマンドであると判断した場合には、システムコマンドであるか否かを判断する(S235)。システムコマンドとは、スロットマシン1にエラーが発生したことを示すコマンドや工場検査モードであることを示すコマンドなどのエラー系や検査系のコマンドであり、システムコマンドであると判断した場合には、ライブラリ処理を実行し(S236)、ステップS246の処理に進む。このライブラリ処理では、スロットマシン1にエラーが発生したことを示す画像を画像表示装置11に表示、工場検査モードであることを示す検査画面の表示を行う処理を実行する。
そして、システムコマンドではないと判断した場合には、サウンドコマンドであるか否かを判断する(S237)。サウンドコマンドであると判断した場合には、サウンド基板17のバッファへ登録し(S238)、ステップS246の処理に進む。
一方、サウンドコマンドではないと判断した場合には、数値コマンドであるか否かを判断する(S239)。数値コマンドであると判断した場合には、数値情報を更新し(S240)、ステップS246の処理に進む。ここで示す数値コマンドとは、AT遊技状態の残りゲーム数、2種BB遊技状態の残り獲得可能数や遊技回数を示す情報である。
また、数値コマンドではないと判断した場合には、演出コマンドであるか否かを判断する(S241)。演出コマンドであると判断した場合には、ROM75bから演出データを取得してRAM75cのバッファにセットする(S242)。具体的には、次にGPU75eにより描画される演出データを記憶する領域であるRAM75cの再生予約バッファにセットする。この演出データは、2種BB遊技状態へ移行、AT遊技状態中にAT役に当選などの遊技の各契機で再生される画像データや音声データが集合したシーンデータである。
そして、フレーム更新対象コマンドであるか否か、すなわち、演出コマンドやAT演出を実行するためのコマンドなどの画像表示装置11に演出画像を表示するためのコマンドであるか否かを判断する(S243)。フレーム更新対象コマンドではないと判断した場合、つまり、遊技状態を示すステージを指示するコマンド、色などを指定する補足コマンドなど、フレームを更新するコマンドではない演出コマンドである場合にはステップS246の処理に進み、フレーム更新対象コマンドであると判断した場合には、コマンド解析処理を終了する。
一方、演出コマンドではないと判断した場合には、契機コマンドであるか否かを判断する(S244)。ここで、契機コマンドとは、遊技者の行為に起因する契機コマンドであり、たとえば、精算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作などの遊技操作がなされたことを示すコマンドである。契機コマンドであると判断した場合には、RAM75cの再生予約バッファに設定されている演出データから該当する契機データの情報(アドレス)を取得し、ROM75bから該当する契機データを取得し、シーンデータをセットする(S245)。シーンデータは、遊技操作がなされたことを契機に再生される画像データや音声データが集合したデータである。契機コマンドではないと判断した場合、または、シーンデータをセットすると、コマンド解析処理を終了する。
なお、ステップS234でコマンドをRAM75c内のコマンドバッファに一時保存した後、次にGPU75eにより描画される演出データを記憶する領域であるRAM75cの再生予約バッファへ登録する(S246)。
また、ステップS236でライブラリ処理を実行した後、ステップS238でサウンド基板17のバッファへ登録した後、ステップS240で数値情報を更新した後、ステップS243でフレーム更新対象コマンドではないと判断した場合には、次にGPU75eにより描画される演出データを記憶する領域であるRAM75cの再生予約バッファへ登録する(S246)。
そして、ステップS246の後、RAM75cのコマンドバッファにコマンドがあるか否かを判断し(S247)、コマンドがある場合には、ステップS231に戻る。すなわち、コマンドがなくなるまでコマンド解析処理を繰り返す。一方、コマンドがないと判断した場合には、コマンド解析処理を終了する。
次に、描画準備処理について説明する。図16は、描画準備処理の手順を示すフローチャートである。
図16に示すように、描画準備処理では、まず、画像表示装置11で再生するシーンデータが記憶される領域であるRAM75cの再生管理バッファからシーンデータを取得し、シーンデータが保持しているモーションデータのフレーム情報を更新するモーションインクリメントを実行する(S251)。具体的には、次のフレームに入るためにフレームを進める処理を実行する。より詳細には、各フレームで各画像データがどのような動きをするのかをデータ化したモーションデータをインクリメントし、複数のモーションデータで構成され1つの画面で画像表示装置11に表示可能なシーンデータとする。
なお、シーンデータがインクリメントされると、複数のシーンデータで構成され遊技操作がなされた契機などのアクションごとに再生するアニメーションの単位である契機データとなり、契機データがインクリメントされると、複数の契機データで構成された演出データとなる。
続いて、モーションデータを取得し、モーションデータをGPU75eが読み取り可能な描画コマンドに変換する描画コマンド化を実行する(S252)。具体的には、サブメイン基板60から送信された制御コマンド(画像制御コマンド)に基づいて、サブサブCPU75aが画像表示装置11に表示する画像の順番や表示する画像の内容をGPU75eが読み取り可能にコマンド化する描画コマンドリストを作成する。
上記描画コマンドリストは、描画する順にリストが作成される。このため、所定の図柄が表示されるようにリール3a,3b,3cを停止させる操作順などを遊技者にアシストするAT演出用の画像データは、主要キャラクタの画像データや背景用の画像データなどより優先度が高いとして描画コマンドリストの中でも後方に位置させる。すなわち、コマンド化する画像データの中にAT演出用の画像データが含まれる場合には、主要キャラクタの画像データ、背景用の画像データなどよりも優先して描画コマンドリストの後方に位置させる。そして、GPU75eは、この描画コマンドリストの順番でフレームバッファに描画を行うため、順番に描画が行われると次々に重ねて画像が書き込まれ、後に書き込まれた画像が手前に表示され重なってAT演出用の画像が見えなくなることがない。
なお、スロットマシン1にエラーが発生したことを示す画像データや出玉に係る不正行為などがあった場合のエラーや警報を示す画像データは、AT演出用の画像データよりも優先度が高いとして描画コマンドリストの中でAT演出用の画像データよりも後方に位置させる。このため、エラーや警報を示す画像がAT演出用の画像に重なって見えなくなることがない。
次に、描画処理について説明する。描画処理では、図16に示す描画準備処理で準備した描画コマンドリストをもとに描画を実行する。図17は、描画処理の手順を示すフローチャートである。
図17に示すように、描画処理では、まず、サブサブCPU75aによって変換された描画コマンドが静止画像データを転送するためのコマンドか否かを判断する(S261)。データ転送のコマンドであると判断した場合には、GPU75eがCG−ROM75dへアクセスしてデータを読み出し(S262)、VRAM75fの特定の領域に展開する(S263)。
そして、残コマンドがあるか否か、すなわち、サブサブCPU75aによって変換された描画コマンドが残っているか否かを判断し(S264)、残コマンドがないと判断した場合には、描画処理を終了し、残コマンドがあると判断した場合には、ステップS261の処理に戻る。すなわち、描画コマンドがなくなるまで描画処理を繰り返す。
また、データ転送のコマンドではないと判断した場合には、サブサブCPU75aによって変換された描画コマンドが動画の画像データを転送するためのコマンドであるか否かを判断する(S265)。動画のコマンドであると判断した場合には、GPU75eがCG−ROM75dへアクセスしてデータを読み出し(S266)、VRAM75fの特定領域に展開する(S267)。VRAM75fの特定領域に展開するとステップS264の処理に移る。
一方、動画のコマンドではないと判断した場合には、VRAM75fの特定の領域に展開された画像データをフレームバッファに転送(描画)する処理を実行し(S268)、ステップS264の処理に移る。なお、その他、パラメータを有しているコマンド(たとえば、画像の拡大や縮小を実行するためのコマンド、画像の透過率や色を変更するコマンド、画像の位置を変更するコマンドなど)がある場合には、特定の領域に展開された画像データにパラメータを設定し、その後、描画コマンドで加工された画像を描画する。
なお、常駐画像データを展開する場合には、GPU75eがCG−ROM75dへアクセスして常駐画像データを読み出し、VRAM75fの常駐画像データ展開用の領域に展開する。
次に、残常駐画像データ転送処理について説明する。図18は、残常駐画像データ転送処理の手順を示すフローチャートである。
図18に示すように、残常駐画像データ転送処理では、まず、残常駐画像データの中に未だVRAM75fに転送していない未転送常駐画像データがあるか否かを判断する(S271)。未転送常駐画像データがあるか否かの判断は、指定アドレスまでのデータの転送が完了しているか否かを判断する。指定アドレスの決定は、予めRAM75cの中から転送する常駐画像データのアドレスの範囲を指定、または、データリストを備え、リスト上で転送する常駐画像データのアドレスの範囲を指定することにより決定する。未転送常駐画像データがないと判断した場合には残常駐画像データ転送処理を終了する。
一方、未転送常駐画像データがあると判断した場合には、次にVRAM75fに転送する常駐画像データの容量を確認する(S272)。具体的には、次に転送する常駐画像データの容量に基づいて、VRAM75fに転送するためにかかる時間を計算する。
なお、バックグラウンドで転送する常駐画像データは、データ容量の大きいものとデータ容量の小さい複数のデータが交互に送信されるようにROM75bに管理データテーブルが記憶されている。
そして、今回のフレームで転送可能であるか否かを判断する(S273)。具体的には、ステップS272において、VRAM75fに転送するためにかかる時間を計算した結果、今回のフレームで転送可能であるか否かを判断する。今回のフレームで転送可能であると判断した場合には、次に転送する常駐画像データを転送し(S274)、ステップS271の処理に戻る。すなわち、転送可能である時間内であれば、繰り返し残常駐画像データを転送することができる。
一方、今回のフレームで転送可能ではないと判断した場合には、未転送カウンタに「1」を加算し(S275)、未転送カウンタが3以上であるか否かを判断する(S276)。未転送カウンタが3未満であると判断した場合には、常駐画像データ転送処理を終了する。
そして、未転送カウンタが3以上であると判断した場合には、強制転送を実行する(S277)。すなわち、今回のフレームで転送可能ではないにもかかわらず、強制的にVRAM75fに次転送画像データを送信し、次転送画像データが送信されるまでステップS214のスワップ処理を実行しない。強制転送を実行すると、残常駐画像データ転送処理を終了する。
なお、バックグラウンドで残常駐画像データを転送しているときに、ステップS207において送信した常駐画像データ以外のデータが画像表示装置1への出力に指定された場合には、出力が指定されたデータをVRAM75fに送信してもよいし、出力が指定されたデータをVRAM75fに送信しないようにしてもよい。
[作用効果]
以上の説明の通り、本実施形態に係るスロットマシン1は、画像制御基板75は、電源投入に基づいて、起動処理を実行し、画像表示装置11に演出を表示可能にするための画像データのうち、常駐画像データの一部をVRAM75fに転送することで読出し容易にし、常駐画像データの一部がVRAM75fに転送されると画像表示装置11で演出の表示が可能であるとし、常駐画像データの残部をVRAM75fに転送する。
上記常駐画像データの一部として、画像表示装置11に表示する主要キャラクタの画像データ、当選役に基づく図柄が表示されるようにリール3a,3b,3cを停止させる操作順などを遊技者にアシストするAT演出用の画像データ、背景用の画像データなどの使用頻度の高い画像データ、複数の画像データのうちデータの容量が大きいものや電源を投入してすぐに画像表示装置11に画像を表示するために必要な最低限の画像データとすることができ、これらの画像データを起動後にVRAM75fに転送する。このため、遊技を開始するために必要な画像データを読み出す時間を短くして、電源復帰時から遊技開始が可能になるまでの時間を短くすることができる。
また、上記常駐画像データの一部として、工場出荷時の製品検査を行う場合には、検査結果を表示するための画像データ、リールを停止させる操作順の割合を示す数値を表示するための画像データなど製品検査に必要な最低限の画像データとすることができ、これらの画像データを起動後にVRAM75fに転送することにより、工場出荷時における製品検査において、電源を投入する際に、スロットマシン1の立ち上がりを待つための検査のリードタイムを短縮することができる。
さらに、最低限の画像データとして、所定の図柄が表示されるようにリール3a,3b,3cを停止させる操作順などを遊技者にアシストするAT演出用の画像データを含むようにすることで、電源復帰時に上述したAT役に当選した場合、アシストされずに8枚の遊技メダルを獲得することができる「ベル−ベル−ベル」が入賞することができず、他のベルの小役が入賞して遊技メダルが1枚しか獲得できないなどの不利益を遊技者に与えることがなく、遊技を円滑に進行することができる。
また、サブサブCPU75aが画像表示装置11に表示する画像の順番をGPU75eが読み取り可能にコマンド化する描画リストを作成する際、所定の図柄が表示されるようにリール3a,3b,3cを停止させる操作順などを遊技者にアシストするAT演出用の画像データは、主要キャラクタの画像データや背景用の画像データなどより優先度が高いとして描画リストの中でも後方に位置させる。このため、後に書き込まれた画像が手前に表示され重なってAT演出用の画像が見えなくなることがない。
なお、スロットマシン1にエラーが発生したことを示す画像データや出玉に係る不正行為などがあった場合のエラーや警報を示す画像データは、AT演出用の画像データよりも優先度が高いとして、AT演出用の画像データよりもエラーや警報を示す画像データを後方に位置させる。このため、エラーや警報を示す画像が見えなくなることがない。
そして、本実施形態に係るスロットマシン1においては、バックグラウンドで送信する常駐画像データの残部は、データ容量の大きいものとデータ容量の小さい複数のデータが交互に送信されるようにROM75bに管理データテーブルが記憶されている。データ容量の大きいものを連続してVRAM75fに転送すると、現在、画像表示装置11に表示されている画像と次に画像表示装置11に表示する画像を入れ替える際に、入れ替える間隔がずれてしまうことにより表示された画像が一時的に停止してしまう。このため、データ容量の多いものとデータ容量の少ない複数のデータを交互に転送することにより、画像が停止してしまうことを防止することができる。
[変更形態]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記の実施形態では、サブサブ基板75がステップS205における検査用画像データの転送やステップS207における常駐画像データの転送、ステップS212における残常駐画像データの転送を行う場合について説明したが、サブメイン基板70が実行するように構成することができる。すなわち、画像表示装置11に表示する画像を制御するサブメイン基板70において、常駐画像データの一部を起動後にサブメイン基板70のVRAMに転送、工場出荷時の製品検査を行う場合には、検査用画像データをサブメイン基板70のVRAMに転送するように構成することができる。
また、上記の実施形態では、サブサブ基板75にサウンド基板17が接続されている場合について説明したが、サブメイン基板70にインターフェイス回路74を介してサウンド基板17が接続されていてもよい。
さらに、上記の実施形態では、工場検査モードを備え、工場検査モードでは、製品検査に必要な検査用のデータをGPU75eがVRAM75fに転送する場合について説明したが、工場検査モードを備えていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、図18の残常駐画像データ転送処理では、転送可能である時間内であれば、繰り返し残常駐画像データを転送する場合について説明したが、常駐画像データを転送する回数を1回のみや複数回と予め定めた回数のみ転送するように構成してもよい。
さらに、上記の実施形態では、サブサブCPU75aとGPU75eが並列して処理する非同期処理を実行する場合について説明しが、サブサブCPU75aとGPU75eが直列して処理、すなわち、サブサブCPU75aとGPU75eが同期した処理を実行してもよい。具体的には、サブサブCPU75aがコマンド解析(S222)、描画準備処理(S223)、描画開始命令(S211)を実行した後、GPU75eがこの描画命令を読み込み、描画処理を開始する。そして、GPU75eによる描画処理が終了すると、サウンド定期処理(S224)、Vブランク待ち処理(S226)、サブメイン基板70へトグル信号を送信し(S227)、スワップ処理を実行する(S228)。このように、サブサブCPU75aとGPU75eが同期した処理の場合、コマンド解析の結果を次のフレーム(ステップS214のスワップ処理の後)に反映させることができる。
また、上記の実施形態では、図13のステップS213において、残常駐画像データ転送処理の実行後、33msecが経過するまで待機する場合について説明したが、33msecが経過していないと判断した場合にステップS212に戻り、残常駐画像データ転送処理を実行してもよい。すなわち、33msecが経過するまで待機している間に、ステップS207で転送した常駐画像データのうち残りの常駐画像データを転送する処理を実行する。
上記の場合、サブサブCPU75aとGPU75eを上述したように非同期処理とすることにより、33msec内の時間において、GPU75eがCG−ROM75dからデータを読み出す時間やGPU75eが描画を実行する時間を長く設けることができる。
なお、上記の実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、スロットマシン以外の遊技機、たとえば、ぱちんこ遊技機、アレンジボール機、雀球遊技機、封入式遊技機(所定個数の遊技球を機内に封入して循環使用する遊技機)等の他の遊技機、さらにはメダル遊技機、ゲーム機などのアミューズメント機器、に適用することができ、同様の効果を得ることができる。
上述した実施形態や変更態様における各構成は、適宜組み合わせて用いることが可能である。