JP6405791B2 - カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ - Google Patents
カラーフィルタ用着色組成物、およびカラーフィルタ Download PDFInfo
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Description
有機溶剤への溶解性が悪いと、カラーフィルタ用着色組成物中の固形分を極端に落とす必要があり、その結果として、塗工性が非常に悪くなり、カラーフィルタ用着色組成物の着色剤として使用することが困難になってしまう。
また、これらの文献に記載の造塩化合物は、オーバーコート剤処理した後の耐熱性が悪いために明度か低下してしまういといった課題があり、オーバーコート剤処理した後の耐熱性に優れた着色組成物が求められている。
少なくとも着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤からなるカラーフィルタ用着色組成物であって、該着色剤が、下記一般式(1)に示すエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂、下記一般式(3)で表されるトリアリールメタン系カチオン染料とを反応させて得られた造塩化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
一般式(1)
Yは二価の下記式で示されるシクロアルキレン基を示し、
一般式(3)
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。
また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
(一般式(1)で示すエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂)
一般式(1)で示すエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂は、一般式(1)で示すエチレン性不飽和単量体(a−1)と、必要に応じその他のエチレン性不飽和単量体とをラジカル重合せしめて得ることができる。また、カラーフィルタ用着色組成物中のバインダー樹脂と相溶性の観点から、一般式(1)で示すエチレン性不飽和単量体(a−1)と、その他のエチレン性不飽和単量体とをラジカル重合してなるビニル樹脂であることが好ましい。
本発明のエチレン性不飽和単量体(a−1)は、下記一般式(1)で示される。
もよいアルキル基、または、アリール基、Yは二価の炭化水素基を示し、Zは一般式(2)で表される光反応性基である。W+は無機または有機のカチオンを表す。]
その他のエチレン性不飽和単量体としては、上記一般式(1)に示されるエチレン性不飽和単量体(a−1)とラジカル重合可能なものであれば特に限定されず、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(
メタ)アクリレート、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アク
リレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシ
ル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、又はイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ
)アクリレート類;
リレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル
オキシエチル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状ア
ルキル(メタ)アクリレート類;
ート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル
(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、又は3−メチル−3−オキセタニル(
メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)ア
クリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又は
ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(
メタ)アクリレート類;
レート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロ
キシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒド
ロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸 ( メタ ) アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、又はω−カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート類;
)アクリル酸アリル等のビニル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(
メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミ
ド類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はN,N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
1,2,2,6,6,-ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレートや2,2,6,6,テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート等のヒンダードアミン骨格を有する酸化防止ユニット含有(メタ)アクリレート類;
あるいは、これらの混合物があげられる。
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
次に、本発明の造塩化合物を得るためのトリアリールメタン系カチオン染料について説明する。本発明の造塩化合物を得るためのトリアリールメタン系カチオン染料としては、上述した一般式(1)で示すエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂とイオン結合するトリアリールメタン系カチオン染料であればよい。
トリアリールメタン系カチオン染料は、中心の炭素に対してパラの位置にあるNH2あるいはOH基が酸化によりキノン構造をとることによって発色するものであり、NH2、OH基の数によって以下3つの型に分けられる。
a)ジアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料
b)トリアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料
c)OH基を有するロゾール酸系カチオン性染料
トリアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料、ジアミノトリフェニルメタン系カチオン性染料は色調が鮮明であり、他のものよりも日光堅ロウ性に優れ好ましい。また、トリアミノトリフェニルメタン系のカチオン染料は、良好な青色を発色する点で好ましい。
本発明の造塩化合物は、一般式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂と、トリアリールメタン系カチオン性染料とを溶解させた水溶液または有機溶剤を攪拌または振動させるか、あるいは一般式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂の水溶液または有機溶剤とトリアリールメタン系カチオン性染料とを攪拌または振動下で混合させることにより、容易に得ることができる。
溶液中で、樹脂中の単量体(a−1)由来のアニオン性基とトリアリールメタン系染料のカチオン性基がイオン化され、これらがイオン結合し、該イオン結合部分が水に対して不溶化し析出する。逆に、樹脂の対カチオンとトリアリールメタン系カチオン性染料の対アニオンを反応してなる塩は水溶性のため、水洗等により除去が可能となる。
本発明の着色剤は、さらに顔料を含んでいてもよい。
顔料としては、有機または無機の顔料を、単独または2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。以下に、カラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
本発明の着色組成物に使用する着色剤が顔料を含む場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができないことがある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
バインダー樹脂は、着色剤、特に造塩化合物および顔料を分散するもの、もしくは造塩化合物を染色、浸透させるものであって、熱可塑性樹脂等が挙げられる。本発明においては、着色剤は、前記造塩化合物、または前記造塩化合物と顔料とから構成される。
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含むことが好ましい。本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いてカラーフィルタを作製する際、熱硬化性化合物を含むことで、フィルタセグメントの焼成時に反応し塗膜の架橋密度を高め、そのためフィルタセグメントの耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時の顔料凝集が抑えられ、コントラスト比が向上するという効果が得られる。
このようなエポキシ化合物の例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるが、通常用いられるエポキシ化合物であればこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために有機溶剤を含有する。
本発明の着色組成物は一般式(1)で示されるエチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体(а―1)をラジカル重合してなる樹脂とカチオン性染料とを反応させて得られた造塩化合物と前記バインダー樹脂と溶剤とからなる着色剤担体中、さらに顔料を含む場合、好ましくは色素誘導体などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、顔料、造塩化合物、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもできる。
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、造塩化合物は、顔料の分散助剤としての役割を果たすことも期待され
る。
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。
これらの光重合性単量体は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明の着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成するために、光重合開始剤を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製することができる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
(増感剤)
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、
2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100重量%)として、0.003〜0.5重量%用いることが好ましい。
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグメントを具備するもの、またはマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント、およびイエロー色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
ただし、樹脂1,2,4,7,9,11,13,16,17,18を用いた実施例は参考例である。
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(バインダー樹脂溶液1の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液1を得た。
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート30.0部、n−ブチルメタクリレート40.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート20.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7140である事を確認し、室温まで冷却した。その後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液2を得た。
(青色微細化顔料(P−1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー(株)製「リオノールブルーES」)100部、粉砕した食塩800部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で12時間混練した。この混合物を温水3000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、98部の青色微細化顔料(P−1)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28.3nmであった。
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(Clariant社製「Fast Violet RL」)120部、粉砕した食塩1600部、およびジエチレングリコール100部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、90℃で18時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約70℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩および溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、118部の紫色微細化顔料(P−2)を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は26.4nmであった。
(スルホイミドモノマーIC−1の合成)
中間体IC−1−1の合成
mlを加えてよく撹拌した後、吸引ろ過により得られたろ液を濃縮して、13.01 gの生成物を得た。1 H、13 C − N M R スペクトル( 溶剤: 重水素化クロロホルム)測定により、得られた化合物が目的化合物(中間体IC−1−1)であることを確認した
(単量体(a−1)を重合してなる樹脂(樹脂1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メタノール75.0部を仕込み窒素気流下で68 ℃ に昇温した。別途、スルホイミドアニオン(IC−9)20.0部、メチルメタクリレート45.0部、n−ブチルメタクリレート15.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート10.0部、ヒドロキシエチルメタクリレート10.0部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を7.0部、およびメチルエチルケトン23.0部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了3時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、4730である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、エタノール61.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が39.0重量%の一般式(1)に示す単量体(a−1)を含む樹脂1を得た。
(単量体(a−1)を重合しない樹脂(樹脂20〜樹脂22))
表3に記載した原料と仕込み量を用いた以外は、樹脂1と同様の合成条件で反応を行った。反応終了後、メタノールで希釈をし、樹脂成分が39.0重量%の一般式(1)に示す単量体(a−1)を含む樹脂2〜樹脂19、および、単量体(a−1)を含まない樹脂20〜樹脂22を合成した。得られた樹脂2〜22の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を表3に示す。
(一般式(3)で表されるトリアリールメタン系カチオン性染料(DC−2))
[染料中間体DC−2―1の合成]
4−ジエチルアミノ安息香酸(東京化成品)25部とトルエン90部の混合物に塩化チオニル23部を加え80℃で1時間攪拌後、減圧濃縮し、酸クロリドを得た。別容器に無水塩化アルミニウム20.4部と1,2−ジクロロエタン130部を加え、氷浴で冷却後、酸クロリドを1,2−ジクロロエタン60部に溶解させた溶液を滴下した。滴下後、15分攪拌し、N,N−ジエチル−m−トルイジン(東京化成品)21部を滴下し、室温に戻して、2時間攪拌した。その後、氷水に注ぎ、4N水酸化ナトリウムでpH11以上とし、クロロホルムで抽出した。このものを水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製し、精製したものをさらにTHFに溶解し、ヘキサンで再沈殿を行った。60℃で減圧乾燥後、染料中間体(DC−2−1)を15.4部得た。収率は、35.0%であった。
染料中間体DC−2−1 10部とN−エチル−1−ナフチルアミン(東京化成品)5.0部をトルエン40部に溶解させ、オキシ塩化リン6.8部を添加して、3時間還流させた。その後、室温に戻し、1N塩酸を添加し、クロロホルムで抽出した。このものを飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=4/1)で精製した。60℃で減圧乾燥後、トリアリールメタン系カチオン性染料DC−2を13.8部得た。収率は、88.8%であった。
(製造例1: 造塩化合物(A−1))
下記の手順でトリアリールメタン系カチオン性染料(DC−3)と樹脂2とからなる造塩化合物(A−1)を製造した。
25℃にて、2000部の水中に48部の樹脂2を添加し十分に撹拌混合を行った。一方、190部の水に、10部のDC−3を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分撹拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。撹拌しながら、室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のDC−3と樹脂2との造塩化合物(A−1)を得た。
表5に記載した染料と樹脂を用いた以外は、造塩化合物(A−1)と同様の条件造塩反応を行い、染料の造塩化合物(A−2〜11、13〜29、43〜47)を得た。
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と樹脂2とからなる造塩化合物(A−14)を製造した。
25℃にて、2000部の水中に48部の樹脂2を添加し十分に撹拌混合を行い樹脂溶液を調整した。一方、190部の水に、10部のC.I.ベーシック ブルー7を溶液を調製した。先ほどの染料溶液に樹脂溶液を少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分撹拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。撹拌しながら、室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、ろ紙上の造塩化合物を得た。その後、さらに500部の水中に造塩化合物を加え、30分撹拌を行い水洗した。その後再度濾過を行い、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、29部のC.I.ベーシック ブルー7と樹脂2との造塩化合物(A−12)を得た。
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7と樹脂2とからなる造塩化合物(A−30)を製造した。
25℃にて、48部の樹脂2中に、10部のC.I.ベーシック ブルー7を少しずつ添加した。添加後、25℃で120分攪拌し、十分に反応を行い、染料溶解液を得た。その後、吸引濾過を行い、31部のC.I.ベーシック ブルー7と樹脂2との造塩化合物(カウンターイオンの塩を除去していない混合物)(A−30)を得た。
下記の手順でDC−2と樹脂1とからなる造塩化合物(A−31)を製造した。
25℃にて、2000部の水中に7.21部の樹脂2を添加し十分に撹拌混合を行った。一方、190部の水に、12部のDC−2を溶解させた水溶液を調製し、先ほどの樹脂溶液に少しずつ滴下していく。滴下後、50℃で120分撹拌し、十分に反応を行う。反応の終点確認としては、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。撹拌しながら、室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥して、13.7部のDC−2と樹脂1との造塩化合物(A−31)を得た。収率は79.7%であった。
表2に記載した樹脂を用いた以外は、造塩化合物(A−31)と同様の条件で造塩反応を行い、染料の造塩化合物(A−32〜42)を得た。
下記の手順でC.I.ベーシック ブルー7とバインダー樹脂溶液2とからなる造塩化合物(A−48)を作製した。
ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に46.7部のバインダー樹脂溶液2、10部のC.I.ベーシック ブルー7、を仕込み、60℃で10時間混練した。得られた混合物を約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約2時間攪拌、乾燥した後取り出し後、室温まで冷却し、サンプルミル(KIIW−1型、5mmメッシュ)で粉砕を行い、22部のC.I.ベーシック ブルー7とバインダー樹脂2とからなる造塩化合物(カウンターイオンの塩を除去していない混合物)(A−48)を得た。
表4に記載した染料を用いた以外は、造塩化合物(A−48)と同様の条件で造塩反応を行い、染料の造塩化合物(カウンターイオンの塩を除去していない混合物)(A−49)を得た。
評価の基準は下記の通りである。
AA:10wt%以上
A:5Wt%以上 10wt%未満
B:1Wt%以上、5Wt%未満
C:1Wt%未満
(着色組成物(DB−1)の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(DB−1)を作製した。
造塩化合物(A−1) : 4.0部
微細化顔料(P−1) : 7.0部
バインダー樹脂溶液1 :40.0部
シクロヘキサノン :10.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :38.0部
樹脂型分散剤 : 1.0部
(BASF社製「EFKA4300」)
(着色組成物(DB−2〜49))
以下、造塩化合物、微細化顔料を表7に示す組成に変更した以外は実施例1(着色組成物(DB−1))と同様にして、着色組成物(DB−2〜49)を作製した。
得られた着色組成物(DB−1〜49)について、耐熱性、塗工性、塗膜異物および保存安定性に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表7に示す。
着色組成物(DB−1〜49)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として240℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。Cは使用困難なレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
S:ΔEab*が1.5未満
AA:ΔEab*が1.5以上3.0未満
A:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
B:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
C:ΔEab*が10.0以上
着色組成物(DB−1〜49)を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpmの条件で塗布し、次に70℃で20分乾燥し塗膜基板を作製した。ガラス基板の中心の膜厚(t1とする。)を、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した。次に、ガラス基板の中心から25mmの同心円状の場所を10か所測定し、その平均値を算出した。(t2とする。)次に、測定したt1、t2を以下の式に当てはめ膜均一性を求め、その値により塗工性を評価した。Cは使用困難なレベルである。
膜均一性=t1/t2×100(%)
S:99.0%以上100.5%未満
AA:98.5%以上99.0%未満、または100.5%以上101.5%未満
A:97.5%以上98.5%未満、または101.5%以上102.5%未満
B:95.0%以上97.5%未満、または102.5%以上105.0%未満
C:95.0%未満、または105.0%以上
調製直後の着色組成物(DB−1〜49)にて試験基板を作製し、粒子の数をカウントすることで評価した。先ず、透明基板上に乾燥塗膜が約2.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで230℃で20分加熱して試験基板を得た。その後、オリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な粒子の数をカウントし、下記の基準にて評価した。
S:3個未満(非常に良好)
AA:3個以上5個未満(良好)
A:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
B:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
C:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
作製した着色組成物(DB−1〜49)を、40℃の恒温室にて7日間保存後に、既に述べた塗膜異物試験方法と同じ方法で異物試験を行う。Cは使用困難なレベルである。
S:3個未満(非常に良好)
AA:3個以上5個未満(良好)
A:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
B:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
C:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
また、染料と相互作用し得る、スルホイミド含有カウンター化合物の違いとしては、マレイミドモノマーからなる本発明の樹脂からなる染料造塩物(DB−1〜DB−42)では、同様のスルホイミドを有する低分子化合物と染料の造塩化合物で構成される着色組成物(DB−46)に比べ塗膜異物が良化する結果を見出した。これは、低分子化合物での造塩であることによって分子間での凝集が発生することにより、染料同士の退色を促進することや、異物の発生につながっていることが推察される。
また、スルホイミド含有ビニルモノマーからなる樹脂と染料の造塩化合物(A−47)で構成される着色組成物(DB−47)の異物塗膜は本発明の着色組成物(DB−1〜DB−42)と同程度であったが耐熱性が低下する結果であった。これは、ビニル基からなるスチレン系樹脂に比べN―フェニルマレイミドやN―シクロヘキシルマレイミド基からなる樹脂の耐熱性が高いことに起因していることが推察される。
さらに、バインダー樹脂溶液2とトリアリールメタン系カチオン性染料との混合物(A−48)を含む着色組成物(DB−48)は、総じて長時間加熱した際の耐熱性、塗工性、保存安定性が悪く、経時保存された着色組成物にて塗膜作製すると異物が大量に析出してしまった。また、染料骨格としてDC−2を用い、バインダー樹脂溶液2とを造塩した混合物(A−49)を用いた着色組成物(DB―49)においても総じて耐熱性、異物、塗工性、保存安定性が不足していることが示された。
(レジスト材(R−1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型レジスト材(R−1)を作製した。
着色組成物(DB−1) :60.0部
バインダー樹脂溶液1 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート : 4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(BASF社製「イルガキュアー907」) : 1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) : 0.4部
シクロヘキサノン : 5.2部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :18.0部
(レジスト材(R−2〜12、14〜16、18〜21、23〜24、26〜30、32〜40、42〜49))
以下、着色組成物(DB−1)を表8に示す着色組成物に変更した以外は実施例43と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−2〜12、14〜16、18〜21、23〜24、26〜30、32〜40、42〜49)を作製した。
(レジスト材(R−13))
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−12)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−13)を作製した。
(レジスト材(R−17)
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−16)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−17)を作製した。
(レジスト材(R−22))
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−21)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−22)を作製した。
(レジスト材(R−25))
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−24)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−25)を作製した。
(レジスト材(R−31))
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−30)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−31)を作製した。
(レジスト材(R−41))
バインダー樹脂溶液1を、ダイセル化学工業社製「EHPE3150」20%のPGMAC溶液に置き換えた以外は、レジスト材(R−40)と同様にして、アルカリ現像型レジスト材(R−40)を作製した。
得られたレジスト材(R−1〜51)について、耐熱性、塗工性、塗膜異物、保存安定性、塗膜異物、電圧保持率に関する試験を下記の方法で行った。試験の結果を表8に示す。
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、次に70℃で20分乾燥し、ついで230℃で1時間加熱、放冷することで塗膜基板を作製した。作製した塗膜基板は、230℃での熱処理後で、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した膜厚が約2.0μmとなるようにした。得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として240℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。Cは使用困難なレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
SS:ΔEab*が1.0未満
S:ΔEab*が1.0以上、1.5未満
AA:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
A:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
B:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
C:ΔEab*が10.0以上
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpmの条件で塗布し、次に70℃で20分乾燥し塗膜基板を作製した。ガラス基板の中心の膜厚(t1とする。)を、表面形状測定装置「Dektak8(Veeco社製)」を用いて測定した。次に、ガラス基板の中心から2.5mmの同心円状の場所を10か所測定し、その平均値を算出した。(t2とする。)次に、測定したt1、t2を以下の式に当てはめ膜均一性を求め、その値により塗工性を評価した。Cは使用困難なレベルである。
膜均一性=t1/t2×100(%)
S:99.0%以上、100.5%未満
AA:98.5%以上99.0%未満、または100.5%以上101.5%未満
A:97.5%以上98.5%未満、または101.5%以上102.5%未満
B:95.0%以上97.5%未満、または102.5%以上105.0%未満
C:95.0%未満、または105.0%以上
得られたレジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に乾燥後の膜厚が2.5μmとなる回転数にてスピンコートし、70℃で20分乾燥後、幅100μmのストライプ状の開口部を有するフォトマスクを介して超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJ/cm2で紫外線露光を行い、5%の炭酸ナトリウム水溶液で未露光部を洗い流した後、230℃で20分、熱風オーブンでベークして、基板上に幅100μmのストライプ状のパターンを形成した。その後、この作製基板をオリンパスシステム社製の金属顕微鏡「BX60」を用いて表面観察を行い(倍率は500倍)、透過により任意の5視野にて観測可能な粒子の数をカウントし、下記の基準にて評価した。
S:3個未満(非常に良好)
AA:3個以上5個未満(良好)
A:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
B:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
C:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
得られたレジスト材を、40℃の恒温室にて7日間保存後に、既に述べた塗膜異物試験方法と同じ方法で異物試験を行った。Cは使用困難なレベルである。
S:3個未満(非常に良好)
AA:3個以上5個未満(良好)
A:5個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
B:20個以上100個未満(異物数が多いものの使用上問題ないレベル)
C:100個以上(異物による塗工ムラ(斑)発生により使用不可レベル)
得られたレジスト材を、スピンコーターにてガラス基板(10cm×10cm)に、乾燥皮膜の膜厚が2.0μmになるように塗布した。つぎに、塗膜を40mJ/cm2の露光量で露光し、23℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて40秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で焼成することで、それぞれのレジスト材の塗布基板を得た。得られた塗布基板から塗膜を0.05g削り取り、それを液晶2.0g( メルク(株) 製、MJ971189)に浸漬して、120℃クリーンオーブンで65分間エージングし、5000rpmにて20分間遠心分離後、上澄み液を採取することにより、液晶へのコンタミ源煮出し液を作製した。
コンタミ源煮出し終了後、液晶を取り出してITO電極付きガラスセルに封入し、液晶物性評価機(東陽テクニカ製 6254)を用いて電圧保持率(印加電圧5Vでの16.7ミリ秒後保持率)を測定し下記の基準にて評価した。Cは使用困難なレベルである。
S:97%以上
AA:95%以上97%未満
A:90%以上95%未満
B:85%以上90%未満
C:85%未満
得られたレジスト材を、スピンコーターにてガラス基板(10cm×10cm)に、乾燥皮膜の膜厚が2.0μmになるように塗布し、40mJ/cm2の露光量で露光した後、24℃の0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて40秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で焼成することで、それぞれのレジスト材の塗布基板を得た。得られた塗布基板にオーバーコート液(ジエチレングリコールジメチルエーテルに、熱硬化性樹脂やメタクリル酸等のモノマーをジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させたもの)を塗布し、オーブンで230℃、15分処理することで得た。オーバーコート層の膜厚は、非接触膜厚計を用いることで測定した。
得られた塗膜のC光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、耐熱性試験として240℃で1時間加熱し、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔEab*を求め、下記基準で評価した。Cは使用困難なレベルである。
ΔEab* = √((L*(2)-L*(1))2+(a*(2)-a*(1))2+(b*(2)-b*(1))2)
S:ΔEab*が1.0以上、1.5未満
AA:ΔEab*が1.5以上、3.0未満
A:ΔEab*が3.0以上、5.0未満
B:ΔEab*が5.0以上、10.0未満
C:ΔEab*が10.0以上
さらに、DC−2からなる染料を用いた造塩化合物からなる着色組成物(DB−32〜DB−41)からなる実施例80〜91のレジスト材(R−32〜R−41)は総じて、耐熱性や、異物、塗工性、保存安定性や電圧保持率、OC耐熱性が高いことが示された。
一方、比較例8〜比較例14のレジスト材(R−43〜R−49)はOC耐熱性が悪く、カラーフィルタとして使用可能な品位には達しなかった。
また、染料と樹脂を反応させ得られた、カウンターイオンからなる塩を除去しない造塩物を用いたレジスト材(R―30)は、同様の樹脂と染料からなり、カウンターイオンからなる塩を除去した造塩物を用いたレジスト材(R―11)に比べ耐熱性、塗膜異物、および電圧保持率が低下した。おそらく副生物である染料と樹脂の対イオンからなる塩に由来することが考えられる。これらの結果より、染料と樹脂を造塩してなる造塩化合物においては、水洗を行い、副生成物である対イオン由来の塩を除去することが望ましい。
実施例に用いたレジスト(R−1〜R−42)はオーバーコート剤処理した後の熱処理をしても、耐熱性が良いことが明らかとなった。またそれらレジストの透過分光における透過率の低下はほとんどみられなかった。これらより。実施例に用いたレジスト(R−1〜R−42)は明度の高い塗膜を作成することができる。しかし、比較例に用いたレジスト(R−43〜49)は、OC耐熱性が悪いため、それらレジストの透過分光における透過率の低下や退色が起こった。そのため実施例に用いたレジスト(R−1〜R−42)に比べると明度が劣った。
Claims (5)
- 少なくとも着色剤、バインダー樹脂、および有機溶剤からなるカラーフィルタ用着色組成物であって、
該着色剤が、下記一般式(1)に示すエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂と、下記一般式(3)で表されるトリアリールメタン系カチオン染料とを反応させて得られた造塩化合物を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
一般式(1)
Yは二価の下記式で示されるシクロアルキレン基を示し、
一般式(3)
- 前記造塩化合物が、水溶液中で、前記一般式(1)に示すエチレン性不飽和単量体(a−1)を含むエチレン性不飽和単量体(a)をラジカル重合してなる樹脂とトリアリールメタン系カチオン染料とを混合し、一般式(1)中のW+で表される対カチオンとカチオ
ン性染料の対アニオンとからなる塩を除去してなる化合物であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用着色組成物。 - 着色剤が、さらに顔料を含有することを特徴とする請求項1または2記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- さらに光重合性単量体および/または光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ。
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