JP6405737B2 - 音響センサー及び超音波探触子 - Google Patents

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Description

この発明は、音響センサー及び超音波探触子に関する。
従来、超音波を被検体内部に照射し、その反射波を受信して解析することにより内部構造の検査を行う超音波診断装置がある。超音波診断では、被検体を非破壊、非侵襲で調べることが出来るので、医療目的の検査や建築構造物内部の検査といった種々の用途に広く用いられている。
超音波診断装置では、圧電体が変換器(トランスデューサー)として用いられている。圧電体は、所定の電圧パルスが印加されることで伸縮変形して超音波を発信すると共に、当該超音波の反射波(エコー)が入射されることで伸縮変形して、当該圧電体の両端にエコーの強度に応じた電荷(電圧)を発生させて電気信号として取得する。この圧電体に適宜なタイミングで超音波の送受信を行わせることでアクティブな音響センサーとして機能させている。
近年、このような変換器が複数所定のパターンで配列された超音波の音響センサーの小型化、高精度化が進んでいる。特許文献1には、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などの圧電体材料とICチップなどの製造技術とを用いて、超音波の送受信に係る圧電素子及びダイヤフラムが積層され、二次元マトリクス状に配置された小型のイメージセンシング配列を生成する技術について開示されている。
しかしながら、超音波を用いたこの音響センサーでは、特に、被検体の反射率が低い場合に、超音波の発信強度に比較してエコーの受信強度が非常に小さいことになる。従って、このような音響センサーで効率良く診断データを得るには、低電圧で高音圧が得られるように低い電気インピーダンスで送信波が生成され、微弱な入力を大きな電圧の変化として取得出来るように高い電気インピーダンスでエコーに係る電気信号が取得されることが好ましい。しかしながら、このように非常に大きな送受信強度の差に対応する非常に大きな電気インピーダンスの差をカバーする構成を得るには、従来、特殊な材料や部材を用いる必要があり、コスト高や製造効率の低下に繋がるという問題があった。
そこで、特許文献2には、超音波を送信するための圧電素子と、エコーを受信するための圧電素子とを別個に用意して並列配置し、各々積層する圧電体の数を異ならせることで受信時と送信時の電気インピーダンスの差に対応する技術が開示されている。
米国特許第5160870号明細書 米国特許第5744898号明細書
しかしながら、圧電体を積層すると、その分体積、特に厚さが増大するので、上述のICチップの加工に係る薄膜技術が使い難くなり、微細加工が煩雑且つ難しくなるという課題がある。また、圧電素子の厚さが異なる領域が配列されるので、立体的な構造が生じ、配線が複雑化して加工が難しくなるという課題がある。
この発明の目的は、効率良く超音波を送受信可能な小型の音響センサー及び超音波探触子を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
複数の圧電体薄膜部が平面状に配置された超音波の送受信素子と、
当該複数の圧電体薄膜部を電気的に接続して電気信号を入出力する配線と、
超音波の送信時と受信時とで当該配線の少なくとも一部を切り替えて電気インピーダンスを変化させる切替部と、
を備え
前記複数の圧電体薄膜部は、強誘電体で形成され、
前記複数の圧電体薄膜部に各々分極特性を設定するための所定電圧を供給する電圧供給部を備える
とを特徴とする音響センサーである。
また、請求項2記載の発明は、
複数の圧電体薄膜部が平面状に配置された超音波の送受信素子と、
当該複数の圧電体薄膜部を電気的に接続して電気信号を入出力する配線と、
超音波の送信時と受信時とで当該配線の少なくとも一部を切り替えて電気インピーダンスを変化させる切替部と、
前記送受信素子がなす平面の一方に接合されて、前記複数の圧電体薄膜部に対して共通に設けられた振動板と、
を備え、
前記複数の圧電体薄膜部は、強誘電体で形成され、前記振動板の超音波振動に係る振動モードの節及び腹の位置にそれぞれ応じて前記圧電体薄膜部の分極特性及び前記配線の接続順のうち少なくとも一方を定める
ことを特徴とする音響センサーである。
また、請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の音響センサーにおいて、
前記配線は、前記切り替えによって、当該配線で接続される前記圧電体薄膜部により送受信される超音波の音軸が変化しないようになされていることを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の音響センサーにおいて、
前記配線は、超音波の送信時と受信時とで、前記複数の圧電体薄膜部の接続を並列接続と直列接続との間で切り替えることを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項1〜の何れか一項に記載の音響センサーにおいて、
前記配線は、接続される前記圧電体薄膜部の数を異ならせることで電気インピーダンスを変化させることを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項1〜の何れか一項に記載の音響センサーにおいて、
前記配線は、超音波の送信時と受信時に、それぞれ前記複数の圧電体薄膜部の全てを接続することを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項1記載の音響センサーにおいて、
前記送受信素子がなす平面の一方に接合されて設けられた振動板を備えることを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の音響センサーにおいて、
記複数の圧電体薄膜部に各々分極特性を設定するための所定電圧を供給する電圧供給部を備える
ことを特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項記載の音響センサーにおいて、
前記複数の圧電体薄膜部は、強誘電体で形成され、前記振動板の超音波振動に係る振動モードの節及び腹の位置にそれぞれ応じて前記圧電体薄膜部の分極特性及び前記配線の接続順のうち少なくとも一方を定めることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項1〜の何れか一項に記載の音響センサーにおいて、
前記複数の圧電体薄膜部は、半導体基板に対してそれぞれ直接又は間接的に積層配置され、
当該圧電体薄膜に入射した音圧に応じて前記圧電体薄膜部に誘起される電荷の量に基づいて、前記半導体基板における所定の領域の通電状態が変化し、
当該通電状態に応じた信号を前記配線に出力する
ことを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の音響センサーにおいて、
前記切替部は、トランジスターにより前記配線の接続を切り替えることを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、
所定のパターンで複数配列された請求項1〜11の何れか一項に記載の音響センサーを備えることを特徴とする超音波探触子である。
また、請求項13記載の発明は、請求項12記載の超音波探触子において、
前記配線は、前記切替手段による切り替えにより前記複数の圧電体薄膜部を複数段階の電気インピーダンスとなるように接続し、
前記配線切替制御手段は、前記音響センサーの配置に応じて当該音響センサーの電気インピーダンスを切り替えることで、超音波の送受信に係るアポダイゼーションの設定を行う
ことを特徴としている。
本発明に従うと、小型の音響センサー及び超音波探触子において、効率良く超音波を送受信することが出来るという効果がある。
本発明の実施形態の超音波診断装置を示す全体図である。 超音波診断装置の内部構成を示すブロック図である。 超音波探触子における振動子配列の例を説明する図である。 本実施形態の超音波診断装置において、(a)超音波送信時と、(b)超音波受信時とにおける各領域間の配線を示す平面図である。 超音波受信時における各領域間の配線の他の例を示す平面図である。 第2実施形態の超音波診断装置における超音波の送受信に係る振動子のうち、1つの領域の断面構造を示す図である。 第2実施形態の超音波診断装置における一つの振動子の各領域の配置と、超音波の送受信時における当該領域の利用パターンとを示す図である。 第3実施形態の超音波診断装置による超音波の送受信時における振動子の各領域の利用パターンの例を示す図である。 振動子の各領域の分極状態の例を示す図である。 超音波探触子の内部構成の例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の音響センサーを用いた超音波探触子を備える超音波診断装置Uの全体図である。図2は、超音波診断装置Uの内部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この超音波診断装置Uは、超音波診断装置本体1と、ケーブル22を介して超音波診断装置本体1に接続された超音波探触子2(超音波プローブ)とを備える。
超音波診断装置本体1には、操作入力部18と出力表示部19とが設けられている。
また、図2に示すように、超音波診断装置本体1は、これらに加えて、制御部11と、送信部12と、受信部13と、送受信切替部14(切替部)と、電圧供給部15と、画像処理部16と、記憶部17と、などを備えている。
制御部11は、操作入力部18のキーボードやマウスといった入力デバイスに対する外部からの入力操作に基づき、超音波探触子2に駆動信号を出力して超音波を出力させ、また、超音波探触子2から超音波受信に係る受信信号を取得して各種処理を行い、必要に応じて出力表示部19の表示画面などに結果などを表示させる。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disk Drive)、及びRAM(Random Access Memory)などを備えている。CPUは、HDDに記憶されている各種プログラムを読み出してRAMにロードし、当該読み出したプログラムに従って超音波診断装置Uの各部の動作を統括制御する。HDDは、超音波診断装置Uを動作させる制御プログラム及び各種処理プログラムや、各種設定データ等を記憶する。これらのプログラムや設定データは、HDDの他、例えば、フラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーを用いた補助記憶装置に読み書き更新可能に記憶させることとしても良い。RAMは、SRAMやDRAMなどの揮発性メモリーであり、CPUに作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
送信部12は、制御部11から入力される制御信号に従って超音波探触子2に供給するパルス信号を出力し、超音波探触子2に超音波を発生させる。送信部12は、例えば、クロック発生回路、パルス発生回路、パルス幅設定部、及び、遅延回路を備えている。クロック発生回路は、パルス信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。パルス発生回路は、所定の周期で予め設定された電圧振幅のバイポーラー型の矩形波パルスを発生させる回路である。パルス幅設定部は、パルス発生回路から出力される矩形波パルスのパルス幅を設定する。パルス発生回路で生成された矩形波パルスは、パルス幅設定部への入力前又は入力後に、超音波探触子2の個々の振動子21ごとに異なる配線経路に分離される。遅延回路は、生成された矩形波パルスを各振動子21に送信するタイミングに応じて、これらの配線経路ごとに設定された遅延時間それぞれ遅延させて出力させる回路である。
受信部13は、制御部11の制御に従って超音波探触子2から入力された受信信号を取得する回路である。受信部13は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、超音波探触子2の各振動子21により受信された超音波に応じた受信信号を予め設定された所定の増幅率でそれぞれ増幅する回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号を所定のサンプリング周波数でデジタルデータに変換する回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子21毎に対応した配線経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成する回路である。
送受信切替部14は、制御部11の制御に基づいて、振動子21から超音波を発振する場合に駆動信号を送信部12から振動子21に送信させる一方、振動子21から送信された超音波の反射波(エコー)を受信する場合に受信信号を受信部13に出力させるための切り替え動作を行う。
また、送受信切替部14は、送信又は受信の何れかに応じて各振動子21の後述する配線の切り替えに係る切替信号を出力し、振動子21の電気インピーダンスを変化させる。
電圧供給部15は、外部電源やバッテリーなどから供給される電力を所定の電圧で制御部11などの各部や超音波探触子2に供給する。超音波探触子2に供給される電力は、超音波の送信に係るパルス電圧の他、後述するように、強誘電体薄膜の分極特性の変更設定や、各振動子21における配線の切り替えに係る動作などに用いられる。これらの電圧のうち一部又は全部は、超音波探触子2の回路構成に応じて送信部12を介して出力される構成であっても良い。
画像処理部16は、制御部11のCPUとは別個に制御演算を行うCPUやRAMなどを備えた制御部を備え、超音波の受信データに基づく診断用画像を生成するための演算処理を行う。この診断用画像には、出力表示部19に略リアルタイムで表示させる画像データやその一連の動画データ、スナップショットの静止画データなどが含まれ得る。なお、画像処理部16は、この演算処理が制御部11のCPUにより行われる構成であっても良い。また、CPUによるプログラムに従ったソフトウェア処理だけではなく、DSP(Digital Signal Processor)に係る専用処理チップなどを有して処理を行わせても良い。
記憶部17は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリーである。或いは、高速書き換えが可能な各種不揮発性メモリーやこれらの組み合わせであっても良い。記憶部17は、画像処理部16で処理されたリアルタイム表示用の診断用画像データをフレーム単位で記憶する。記憶部17に記憶された超音波診断用画像データは、制御部11の制御に従って読み出され、出力表示部19に送信されたり、図示略の通信部を介して超音波診断装置Uの外部に出力されたりする。このとき、出力表示部19の表示方式がテレビジョン方式の場合には、記憶部17と出力表示部19との間にDSC(Digital Signal Converter)が設けられて、走査フォーマットが変換された後に出力されれば良い。
操作入力部18は、押しボタンスイッチ、キーボード、マウス、若しくはトラックボール、又はこれらの組み合わせを備えており、ユーザーの入力操作を操作信号に変換し、超音波診断装置本体1に入力する。或いは、操作入力部18としてタッチセンサーを備え、出力表示部19の表示画面に対するタッチ動作を検出して動作種別や位置に係る走査信号を出力する構成を有していても良い。
出力表示部19は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescent)ディスプレイ、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイといった種々の表示方式のうち、何れかを用いた表示画面とその駆動部を備える。出力表示部19は、制御部11から出力された制御信号や、画像処理部16で生成された画像データに従って表示画面(各表示画素)の駆動信号を生成し、表示画面上に超音波診断に係るメニュー、ステータスや、受信された超音波に基づく計測データの表示を行う。また、一又は複数のランプ(LEDランプなど)が設けられて、点灯状態により電源のオンオフなどの表示を行わせることが出来る。
これらの操作入力部18や出力表示部19は、超音波診断装置本体1の筐体に一体となって設けられたものであっても良いし、USBケーブルやHDMIケーブル(登録商標:HDMI)などを介して外部に取り付けられるものであっても良い。また、超音波診断装置本体1に操作入力端子や表示出力端子が設けられていれば、これらの端子に従来の操作用及び表示用の周辺機器を接続して利用するものであっても良い。
超音波探触子2は、超音波(ここでは、1〜30MHz程度)を発振して生体などの被検体に対して出射するとともに、出射した超音波のうち被検体で反射された反射波(エコー)を受信して電気信号に変換する音響センサーとして機能する。この超音波探触子2は、超音波を送受信する複数の振動子21の配列である振動子配列210と、ケーブル22とを備えている。ケーブル22は、その一端に超音波診断装置本体1とのコネクター(図示略)を有し、超音波探触子2は、このケーブル22により超音波診断装置本体1に対して着脱可能に構成されている。
振動子配列210は、薄膜状(通常、厚さが10μm未満、より好ましくは、1μm未満)の圧電体を有し、当該圧電体薄膜の両面間に電圧を印加可能に構成された(例えば、電極により)圧電素子を備えた複数の振動子21の配列であり、これらの振動子21は、例えば、超音波探触子2が被検体と接触する面に沿って半導体基板(シリコン基板)上などに二次元配列されている。圧電体薄膜の両面の間にパルス電圧(パルス信号)が印加されることで、各圧電体に生じる電界に応じて圧電体が変形し、超音波が出射(送信)される。また、振動子21に所定の周波数帯の超音波が入射すると、その音圧により圧電体の厚さが変動(振動)し、当該変動量に応じた電荷が圧電体薄膜に現れ、当該電荷に応じた量の電荷が出力、取得(計測)される。
振動子21に用いられる圧電体材料としては、ここでは、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)といった強誘電体材料が用いられる。強誘電体材料としては、PZTの他、各種ペロブスカイト型構造の強誘電体、タングステン・ブロンズ型構造の強誘電体、ビスマス層構造の強誘電体、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)若しくはPVDF系共重合体といった有機強誘電体、又はこれらを併用したコンポジット材料が用いられても良い。これらの強誘電体は、通常、多分域及び/又は多結晶構造となっている。超音波の送受信の際に当該強誘電体に生じる電界は、強誘電体の抗電界強度よりも小さい。
振動子21の圧電体薄膜は、ここでは、圧電定数d33に応じて電界の向きに変動(振動)する厚み方向振動モードが卓越する。この振動子21では、厚み方向振動モードの振動に係る圧電体薄膜の伸縮に伴って主にこの伸縮方向に超音波が出射され、また、同じ向きでエコーが入射される。これに加えて、圧電体薄膜の形状などによっては、圧電定数d31に応じて電界の向きに垂直な面内(即ち、圧電体薄膜の幅方向における長さ)で変動する径方向振動モードなどが考慮されても良い。
図3は、超音波探触子2における振動子配列210の例を説明する図である。
本実施の形態の超音波探触子2では、振動子配列210には、所定のパターン、例えば、二次元アレイ状に配置された192個の振動子21が含まれる。或いは、これら複数の振動子21は、所定の走査方向に沿って設けられた一次元アレイ状に配置されていても良い。また、振動子21の個数を任意に設定することが出来る。超音波探触子2は、電子走査方式或いは機械走査方式の何れを採用したものであっても良く、また、走査方式として、リニア走査方式、セクター走査方式或いはコンベックス走査方式の何れの方式を採用したものであっても良い。また、超音波探触子2における超音波の受信周波数の帯域幅を任意に設定することが出来る。
また、この超音波診断装置Uは、診断対象に応じて異なる複数の超音波探触子2の何れかを超音波診断装置本体1に接続して利用することが出来る構成とすることが出来る。
次に、本実施形態の振動子21について説明する。
本実施形態の各振動子21に係る圧電体は、それぞれ、二次元マトリクス状に更に細かい領域(圧電体薄膜部)に分割されており、各々の領域に対してそれぞれ個別に電圧が印加され、また、入射した超音波に応じて電荷が取得されて電圧に変換される。各領域は、配線を用いて所定のパターンで電気的に互いに接続されており、この配線パターンとしては、ここでは、超音波送信用と超音波受信用の二種類が設けられている。これら二種類の配線は、超音波の送信時と受信時とで切り替えて用いられる。各領域への電圧の印加の制御は、個別に行われても一括して行われても良い。また、各領域は、絶縁層や空隙部などを介して完全に区切られていても良いし、単に一枚の圧電体薄膜に各領域を定めただけであっても良い。
図4は、本実施形態の超音波診断装置Uにおいて、(a)超音波送信時と(b)超音波受信時とにおける各領域間の配線を示す平面図である。
ここでは、振動子21の圧電体は、8×8マトリクス状の64領域に分割されている。図4(a)に示すように、超音波の送信時には、各領域の圧電体薄膜がそれぞれコモンセントロイド配置で図示略の電圧印加回路に対して並列に電気接続されて、送信部12からの出力電圧が各領域に等しく印加される。即ち、当該配線に係る回路は、電気インピーダンスが低くなる。このとき、各領域の圧電体薄膜の一方の面は、単に接地されていても良い。
一方、図4(b)に示すように、超音波の受信時には、各領域に係るノードに繋がる2本の配線のうち実線で示された配線は、圧電体薄膜の一の面に接続され、破線で示された配線は、圧電体薄膜の他の面に接続されている。そして、一方の端部で上記一の面に接続された配線は、他方の端部において他の領域の圧電体薄膜の上記他の面に接続されることで、各領域を直列に接続している。この直列接続により、各領域で生じた電荷(電界)が直列加算されて出力される。即ち、当該配線に係る回路は、電気インピーダンスが高くなる。このときに、直列配列された配線の一方の端部は、受信部13に接続されて、受信部13により出力電荷又は電圧が増幅されて超音波の受信信号として処理される。
このとき、上述のように並列接続の場合の各領域の圧電体薄膜の各面がそれぞれコモンセントロイド配置により圧電素子の中心に対して対称となるように配線されている。これに対し、各領域が直列接続される場合には、圧電体の中心に対して4分割された各16領域のうち、8領域ずつの一方の面と他方の面とが順番に接続されて、接続の順番が大きく偏らないようになっている。従って、配線や配線間に生じる寄生容量や配線抵抗などの影響が均等に現れて、送受信される超音波ビームの軸(音軸)が当該振動子21の超音波送受信面の略中心に揃い、送受信の切り替えによって誤差や直列接続の順番に係る僅かなずれの範囲以上に変化しない。このように等しく設けられた64領域が並列接続される場合と直列接続される場合とでは、電気インピーダンスは、4096倍変化する。
図5は、超音波受信時における各領域間の配線の他の例を示す平面図である。
この例では、超音波送信時には、図4(a)に示した例と同様に、全64領域が並列接続されて低インピーダンスで超音波が送信されるのに対し、超音波の受信時には、これら64領域のうち一部の領域のみ、例えば、8領域のみを並列接続(スパース接続)して受信に利用することで、超音波の送信時と比較してインピーダンスを低くしない。
この配線では、送信時と受信時とで同一の配線を用いることが出来、受信時には、送受信で共用される領域と、送信時のみに利用される領域との間の配線を非接続に切り替えることで、送信時の音軸と受信時の音軸とを変化させずに電気インピーダンスの切り替えを行う構成としている。また、並列接続のみを用いることで、各領域の同一の面のみを接続する配線で足りる。従って、上述の例と比較して配線が容易になる。送信時のみに利用される領域への配線の通電状態は、FET(トランジスター)などのスイッチング素子を用いて制御部11の制御に基づいて送受信切替部14からの切替信号により切り替えを行うことが出来る。これらのスイッチング素子は、図5において「×」記号で示した位置のように各領域の圧電体素子の間に配置されても良いし、振動子21に係る圧電体配置範囲の外部に設けられても良い。
音軸を変化させないためには、上述のように、配線が振動子21の超音波送受信面の中心に対して対称に設けられるのが最も好ましい。並列接続の場合には、各領域の超音波送受信を阻害しない範囲で中心から放射状に配線することも出来る。これによって、各振動子21からの超音波送受信位置が容易に特定され、且つ、容易に等間隔で配置することが可能になる。その他、対称な配線パターンは、従来周知の回路配線パターンを用いて定められて良い。
配線の順番を振動子21の中心に対して対称に設けることが困難な場合には、音軸が振動子21の中心に対して多少ずれる配線となっても良い。このような場合も、当該ずれを考慮して超音波の送信時と受信時とで音軸がずれないように配線を振動子21の中心から偏ったものとすることが出来る。
これらの振動子21及び当該振動子21一つ分に係る配線及び切り替えの構成により音響センサーが構成される。
これらのように、配線を切り替えることで、電気インピーダンスが変化する。ここで、電気インピーダンスは、送受信効率にも影響するので、超音波の送信時や受信時に振動子21ごとに電気インピーダンスを異ならせることで、アポダイゼーションの設定を行わせることが出来る。図3に示した矢印は、アポダイゼーションに係る各位置での分極量を模式的に示している。即ち、振動子配列210の中心付近で送受信効率を高くし、端部で送受信効率を低く定めることで、アポダイゼーションが実現される。このように各振動子21の受信効率を多段階に設定するために、各領域間を接続する配線は、送信時用と受信時用の2種類だけではなく、3種類以上の多段階(複数段階)の設定に対応して設けられることが出来る。
以上のように、第1実施形態の超音波診断装置Uに係る超音波探触子2は、複数の領域が半導体基板100上に平面状に配置され、当該複数の領域を電気的に接続して電気信号を入出力する配線が設けられ、超音波の送信時と受信時とで当該配線の少なくとも一部を切り替えて電気インピーダンスを変化させる。従って、強誘電体メモリー構造のような強誘電体薄膜を用いた半導体チップの製造技術を利用して、超音波の送信時と受信時とでの電気的な要求に係る大きな差に応じた電気インピーダンスに設定して効率良く超音波を送受信することが可能な小型の音響センサー及び超音波探触子を容易に得ることが出来る。
また、各領域を繋ぐ配線は、超音波の送受信時の切り替えによって、当該配線で接続される各領域により送受信される超音波の音軸が変化しないようになされている。従って、超音波の送信を所望の位置から適切な間隔で行うことが出来、また、当該送信された超音波のエコーを精度良く受信することが出来る。
また、これらの配線は、超音波の送信時には各領域を並列接続し、受信時には各領域を直列接続する。これにより、領域数が多くなる程電気インピーダンスの差を非常に大きく定めることが出来るので、全く異なる電気インピーダンスに効率良く整合させることが出来る。
また、これらの配線は、受信時に並列接続される領域の数を減らすことで電気インピーダンスを上昇させる。従って、送信時にのみ接続される配線部分をスイッチング素子により切断するだけで電気インピーダンスを整合させるので、非常に容易な回路構成で効率良く送受信感度を共に上昇させることが出来る。
また、これらの配線は、超音波の送信時と受信時に、それぞれ領域の全てを接続するように繋ぎかえるので、設定した領域を無駄にせず利用して超音波の送受信感度を共に上昇させることが出来る。
また、これらの配線は、FETなどのトランジスターにより切り替えられるので、半導体素子の製造技術をそのまま利用して、超音波送受信に係る構造と一体的に容易に形成することが出来る。
また、このように複数の領域が定められて電気インピーダンスが可変に形成された振動子21が所定のパターン、例えば、二次元アレイ状に複数配列された超音波探触子2を用いることで、小型且つ低消費電力で精度の良い超音波画像を取得することが出来る。
また、複数の領域を繋ぐ配線は、複数段階の電気インピーダンスとなるように当該複数通りで接続可能であり、超音波探触子2の振動子配列210における各振動子21の位置に応じて電気インピーダンスを切り替えることが出来る。即ち、各振動子21をそれぞれ設定された電気インピーダンスに応じた送受信感度に設定することが出来るので、これにより振動子配列210の端部などでの受信感度を低下させて受信時のサイドローブなどを低減するアポダイゼーションを実現することが出来る。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の超音波診断装置について説明する。
この第2実施形態の超音波診断装置Uの構成は、第1実施形態の超音波診断装置Uの構成と同一であり、同一の符号を用いることとして説明を省略する。
図6には、本実施形態の超音波診断装置Uにおける超音波の送受信に係る振動子21のうち、1つの領域の断面構造を示す。
本実施形態の振動子21に係る各領域は、半導体基板100上にゲート絶縁膜111を挟んで強誘電体薄膜層112と、ゲート電極113とが積層配置された積層構造として形成されている。強誘電体薄膜層112の両側面には、側壁114、115が設けられている。半導体基板100の上面には、ゲート電極113下の領域(チャンネル領域となる部分)を間に挟んでソース領域101、ドレイン領域102及び図示略のエクステンション領域が形成される。ソース領域101及びドレイン領域102は、それぞれ金属配線103、104に接続されている。なお、側壁114、115は、強誘電体薄膜層112の伸縮変形を妨げないように形成される必要があり、或いは、形成されなくても良い。
半導体基板100は、例えば、p型のシリコン基板である。この半導体基板100にリンや砒素などのn型イオンを注入することでエクステンション領域が形成され、更に、ソース領域101及びドレイン領域102が形成される。半導体基板100には、1つの振動子21に対する上述の各領域の積層構造が複数配列されて設けられる。これらの振動子21に係る積層構造が設けられる部分の半導体基板100は、当該構造の反対側の面、即ち、図6において下方から削られて共通の孔部100aが形成され、当該孔部100aの底面(即ち、図6における上面)は、積層構造に係るチャンネル領域の形成に必要な程度の厚さを有する薄板構造100bとなっている。この薄板構造100bは、振動子21(強誘電体薄膜層112)の伸縮に応じて振動する振動板となる。即ち、この薄板構造100bにより、各積層領域における強誘電体薄膜層112の伸縮に係る応力に応じた変位をするダイヤフラム構造が形成される。
なお、薄板構造100bは、各振動子21に応じて各々別個に形成されても良い。
ソース領域101は、金属配線103を介して接地されている。ドレイン領域102は、金属配線104を介して信号出力に接続されている。ゲート電極113には、半導体基板100上に設けられた図示略の電圧印加回路を介して電圧供給部15に接続可能となっており、ゲート−ソース間のバイアス電圧をゲート電極113に供給する。パルス状のバイアス電圧が強誘電体薄膜層112に印加されることで、この強誘電体薄膜層112には、バイアス電圧に応じた変形が生じて超音波を発信する。また、所定時間に亘り更に大きな電圧が印加されて強誘電体薄膜層112に抗電界以上の電界が生じると、この強誘電体薄膜層112の分極状態が変更される。
一方、ゲート電極113がフローティング状態または接地状態に保たれている期間にこの強誘電体薄膜層112に超音波が入射されることで、超音波強度(音圧)と分極状態とに応じた電荷が強誘電体薄膜層112の両面に生じる。これにより、強誘電体薄膜層112のゲート絶縁膜111の側に生じた電荷に応じて各領域のソース領域101とドレイン領域102との間のチャンネル領域における通電状態が変化し、ソース−ドレイン間を流れた電荷がドレイン領域102から信号として出力される。
強誘電体薄膜層112は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)といった上述の各種強誘電体部材を用いた薄膜(通常、10μm未満、より好ましくは、1μm未満)であり、ソース領域101とドレイン領域102との間のチャンネル長を適切に保ちながら、その表面積や厚さが超音波の受信周波数に対応した値に設定される。
強誘電体薄膜層112やゲート電極113は、半導体基板100上にスパッタリング法(PVD法(物理的気相蒸着法))、ゾルゲル法やCVD法(化学気相蒸着法)などを用いて薄膜形成をした後に、当該構造物の構造に合わせたマスク(フォトレジストパターンなど)を用いてエッチバックするなどにより形成される。次いで、側壁114、115もまた、半導体基板100、強誘電体薄膜層112及びゲート電極113上にCVD法などを用いて絶縁膜(例えば、二酸化ケイ素SiO)を形成した後に、エッチングにより形成される。ソース領域101及びドレイン領域102は、これらのゲート電極113及び側壁114、115をマスクとして自己整合によりイオン注入が行われて形成される。それから、ゲート電極113、ソース領域101及びドレイン領域102に接続される金属配線103、104が設けられる。
複数の振動子21及び各領域に対応する強誘電体薄膜層112は、個別に形成されることも可能であるが、一枚又は少ない枚数のウェハー上に複数個まとめて形成されることで、複数の振動子21を精度良く配置しながら容易且つ低コストで振動子配列210を形成することが出来る。
このように、超音波探触子2の振動子21に強誘電体薄膜層112を用いることで、強誘電体層が均一に形成され、入射した超音波強度に応じた精度の良い分極が生じる。また、このような薄膜では、分極反転に必要な抗電界を生じさせるための電圧(抗電界電圧)が十分に小さいので、振動子21の回路形成後であっても、容易に強誘電体薄膜層112に電圧を印加して分極状態を変化させることが出来る。このとき、振動子21では、各部の耐電圧、例えば、ゲート絶縁膜の絶縁破壊電圧、ドレイン−ソース間耐電圧、P−Nウェル間の耐電圧、ウェル−半導体基板間の耐電圧などが、いずれも強誘電体薄膜層112に抗電界を生じさせるための最大印加電圧以上となるように強誘電体薄膜層112の膜厚が定められる必要がある。通常、耐電圧は、10〜数十V以下であり、抗電界電圧がこれより小さくなれば良い。抗電界は、強誘電部体材料、組成比や結晶系などによるが、例えば、1MV/mのオーダーであり、抗電界電圧を耐電圧未満にするためには、ゲート絶縁膜111の厚さの影響を含めて強誘電体薄膜層112の厚さが1μmオーダー又はこれ以下となる。
図7は、本実施形態の超音波診断装置Uにおける一つの振動子21の各領域の配置と、超音波の送受信時における当該領域の利用パターンとを示す図である。
本実施形態の超音波診断装置Uでは、振動子21に係る領域は、全体として略円形に二次元配置され、それぞれ積層構造の少なくとも一部が薄板構造100bと重なっている。
上述のように、薄板構造100bは、複数の振動子21に対して共通に設けられることが可能であるが、以降では説明の簡略化のため、一つの振動子21の大きさに応じて各々設けられる場合を例に挙げて説明する。
図7(a)に示すように、超音波の送信時には、第1実施形態の超音波診断装置Uと同様に、全ての領域が並列接続されて強誘電体薄膜層112に対して等しい電圧が印加され、超音波が発信される。このとき、上述のように、強誘電体薄膜層112の変形、振動に応じて薄板構造100bを変位、同周波数で振動させ、当該振動に応じて強誘電体薄膜層112と共に超音波を発信するので、超音波の発信効率が上昇する。
図7(b)に示すように、超音波の受信時には、円形に配置された振動子21を成す各領域のうち周縁部に沿った一部の領域のみが並列に接続(スパース接続)され、電気インピーダンスを高く設定した状態とする。これにより、第1実施形態における他の例と同様に、当該接続された領域のチャンネル領域から、対応する強誘電体薄膜層112の伸縮に係る電荷を取得して効率良く電圧信号に変換し、出力することが出来る。
ここで、本実施形態の超音波探触子2においても、上記第1実施形態と同様に、送受信時で通電させて利用する領域の数を切り替えるだけではなく、配線を直列及び並列で切り替える構成とすることが出来る。また、各領域間は、並列接続と直列接続が組み合わされて適宜な電気インピーダンスに設定されても良い。
以上のように、第2実施形態の超音波探触子2は、振動子21の各領域がなす平面の一方は、半導体基板100の孔部底面に接合されて当該半導体基板100の部分が薄板構造100bを成している。従って、各振動子21の超音波送受信に係る振動に応じて当該薄板構造100bを振動板として超音波振動させることで、超音波の送受信効率を更に上昇させることが出来る。
また、複数の領域は、半導体基板100に対してそれぞれゲート絶縁膜111を介して間接的に積層配置され、強誘電体薄膜層112の各領域に入射した音圧に応じて当該各領域にそれぞれ誘起される電荷の量に基づいて、半導体基板100におけるチャンネル領域の通電状態を変化させ、このチャンネル領域を介して通電状態に応じた信号を配線に出力する。従って、1T型の強誘電体メモリーと類似の構成により大きな設計変更を伴わずに容易に精度良く効率的な超音波送受信を行うことが出来る。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の超音波探触子2を含む超音波診断装置Uについて説明する。
この超音波診断装置Uは、第2実施形態の超音波診断装置Uと同一の構成であり、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、本実施形態の超音波診断装置Uによる超音波の送受信時における振動子21の各領域の利用パターンの例を示す図である。
この例では、図8(a)に示すように、超音波の送信時において、振動子21に係る強誘電体薄膜層112の周縁部付近に設けられた領域に、超音波送信用の矩形波パルスが供給されるように配線され、図8(b)に示すように、超音波の受信時において、振動子21に係る強誘電体薄膜層112の中心付近に接して設けられた領域から電荷(電圧)が出力、検出されるように配線されている。
ここでは、例えば、超音波送信時に強誘電体薄膜層112の圧電定数d31に応じた伸縮に対してこの強誘電体薄膜層112と間接的に接合された薄板構造100bに撓み振動を生じさせて、効率良く超音波を所望の方向に発信させることが出来る。
一方、超音波受信時には、エコーに伴う強誘電体薄膜層112の圧電定数d33に応じた伸縮をその中心付近で薄板構造100bの振動によって補強して効率良く受信させることが出来る。
反対に、薄板構造100bの厚さの分布を当該位置ごとに変化させることで、各振動モードの励起状態を変化させることとしても良い。
図9は、振動子21の各領域の分極状態の例を示す図である。
各領域には、抗電界電圧以上の電圧を供給することで、各々分極状態を定めることが出来る。本実施形態の超音波探触子2では、この分極状態を各領域で適切に設定することで超音波の送受信効率を上げることが出来る。ソース領域101及びドレイン領域102を接地状態にしながら電圧供給回路からゲート電極113に供給されるバイアス電圧の絶対値を抗電界電圧以上とすることで、強誘電体薄膜層112の分極特性が変更される。
本実施形態の超音波探触子2では、円形状の薄板構造100bを振動板として振動させることにより各領域から送受信される超音波強度が増す構成となっている。しかしながら、薄板構造100bでは、端部が固定端(節)となる振動が励起されるので、当該端部と、固有振動モードの腹となる中心とでは、振幅が異なる。
また、薄板構造100bの共振周波数や反共振周波数などに応じて取得対象の超音波周波数外の周波数の振動が振動子21で受信され得る場合に、振動モードなどに応じて当該振動に係る振幅が大きくなる場所が薄板構造100b内で局在する場合には、当該部分に対応する領域の分極量を小さく設定することも出来る。
また、薄板構造100bの振動において二次以上の高調波が大きく現れるような場合には、当該高調波に基づいて振動の位相が反転する領域について分極特性を反転させておき、同方向の振幅の超音波を出力するように設定しても良い。
これらに基づいて、ここでは、例えば、振幅の小さくなる薄板構造100bの端部では、分極量が大きく設定されて(○記号、×記号)振幅を増大させると共に振幅の位相を揃え、振幅が大きくなる中心部付近の領域では、分極量が小さく設定される(記号無し)。これによって、振動子21の全体で略均等の振幅且つ位相の揃った超音波を送受信させることが出来る。
以上のように、第3実施形態の超音波探触子2には、強誘電体薄膜層112が用いられ、この強誘電体薄膜層112の各領域には、電圧供給部15から抗電界電圧以上の電圧が供給されることで、各々分極特性を設定することが出来る。従って、一つの振動板としての振動モードに従って超音波振動が生じる半導体基板100の孔部底面である薄板構造100bの振動モードに応じて各領域の分極特性を設定することで、より均一且つ効率良く高感度で超音波の送受信を行うことが出来る。
また、薄板構造100bの超音波振動に係る振動モードの節及び腹の位置にそれぞれ応じて振動子21の各領域の分極特性及び配線の接続順のうち少なくとも一方を定めることで、各振動モードでの振動を適切に生かして効率良く超音波の送信及び受信を行うことが出来る。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、圧電体薄膜として各種強誘電体材料を用いることとして説明したが、強誘電性を有しない圧電体材料が用いられても良い。
また、上記実施の形態では、超音波診断装置本体1における制御に基づいて超音波探触子2における超音波の送受信の設定制御などが行われたが、超音波探触子2の内部でこれらの設定制御が行われる構成であっても良い。
図10は、超音波探触子2の内部構成の例を示すブロック図である。
この超音波探触子2は、振動子配列210に加えて内部に受信部23、送信部24、送受信切替部28、駆動制御部25及び通信部26を備え、ケーブル22を介して通信部26により外部の超音波診断装置本体1から取得された設定に基づいて、駆動制御部25が自律的に振動子21からの超音波の送受信を切り替えて適切なタイミングで適切な振動子21から超音波の送信又は受信を行わせることが出来る。そして、受信部23において各種処理がなされた受信データのみが通信部26によりケーブル22を介して超音波診断装置本体1に送信される。
また、通信部26は無線通信に係る通信インターフェイスであっても良く、この場合には、ケーブル22を用いずに無線通信、例えば、無線LAN(IEEE802.11nなど)、Bluetooth通信(登録商標:Bluetooth)やボディエリアネットワーク(IEEE802.15.6)に基づく各周波数帯の通信方式が用いられる。
従って、この超音波探触子2において、駆動制御部25は、超音波の送受信の際に、振動子配列210の各振動子21の分極状態を設定してアポダイゼーションを実現させることや、各領域の配線の切替を行わせて受信時と送信時の電気インピーダンスの変更設定を行わせることが出来る。
なお、アポダイゼーションの設定は、強誘電体の分極特性を振動子21ごとに変化させることでも可能であり、配線の切替と強誘電体の分極特性の変化とを組み合わせて行われることとしても良い。
また、上記実施の形態では、送信時と受信時で音軸が等しくなる様に領域間の配線がなされる場合について説明したが、計測、表示データが必要な精度で得られる範囲において、送信時と受信時で音軸が等しくならなくても(変化しても)良い。例えば、圧電体薄膜を単に受信用の領域と送信用の領域とに二分割しても良い。このような配置であっても、薄膜技術を利用して半導体基板上に平面的に超音波の送受信に係る構成を容易に形成することが出来る。
また、音軸が等しくなる(変化しない)ように配線がなされる場合であっても、本発明は、音軸が振動子21の中心軸と等しくなる場合や、配線が中心軸に対して対称に設けられる場合に限られない。計測、表示データが必要な精度で得られる範囲において、超音波受信用の配線と超音波送信用の配線とが入り組んで形成プロセスが煩雑になったり、不要な寄生容量が生じたりするのを防ぐために、多少非対称な配線となっても良く、また、音軸が振動子21の中心軸とずれても良い。
また、上記実施の形態では、ゲート酸化膜を介して強誘電体薄膜層を半導体基板上に間接的に積層配置したが、MFSFET構造と同様にゲート酸化膜を挟まずに強誘電体薄膜層を直接半導体基板上に積層しても良い。
また、上記第2実施形態では、強誘電体薄膜層をゲート電極の積層構造内に設け、強誘電体薄膜層に入射した超音波の強度(強誘電体薄膜層の変形量)に応じた電荷を直接読み出す1T型の構成を例に挙げて説明したが、これに限られない。例えば、強誘電体薄膜層を間に挟んだキャパシターを設け、当該キャパシターの一方の電極をFETのソース領域に接続して、ゲート電極への電圧印加に応じてチャンネル領域が形成されたタイミングでソース領域からチャンネル領域を介して電荷を読み出す1T1C型の構成が用いられても良い。
この場合、強誘電体キャパシターの一方の電極面に接して振動板や圧電部材を別途設けることが出来る。振動板には、超音波周波数帯で振動可能な各種材質を用いることが出来る。また、この場合、振動板と半導体基板の間には、空間を設けることが出来る。また、第3実施形態に示したものと同様に、振動板や圧電部材の振動モード、当該振動モードにおける振動の節や腹の位置などに応じて強誘電体キャパシターにおける強誘電体薄膜層の各領域の配線接続状態を切り替え設定することが出来る。
また、通電状態の切り替えに用いられるトランジスターは、FET型のものに限られず、バイポーラー型のトランジスターであっても良い。
また、上記実施の形態では、医療用の超音波診断装置に係る超音波探触子を例に挙げて説明したが、建築構造物の内部の診断などに用いる超音波診断装置であっても良い。この場合、超音波を送受信する音響センサー部分は、超音波探触子として超音波診断装置本体の外に設けられる必要は無く、超音波診断装置本体に一体的に設けられても良い。
また、本発明の音響センサーは、超音波診断装置に用いられる必要は無く、単純に超音波の受信強度を測定する計測装置に用いられても良い。このような場合には、複数の音響センサーを設けず、単一の音響センサーのみであっても良い。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、構造や配置などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
1 超音波診断装置本体
2 超音波探触子
11 制御部
12 送信部
13 受信部
14 送受信切替部
15 電圧供給部
16 画像処理部
17 記憶部
18 操作入力部
19 出力表示部
21 振動子
22 ケーブル
23 受信部
24 送信部
25 駆動制御部
26 通信部
28 送受信切替部
100 半導体基板
100a 孔部
100b 薄板構造
101 ソース領域
102 ドレイン領域
103 金属配線
104 金属配線
111 ゲート絶縁膜
112 強誘電体薄膜層
113 ゲート電極
114、115 側壁
210 振動子配列
U 超音波診断装置

Claims (13)

  1. 複数の圧電体薄膜部が平面状に配置された超音波の送受信素子と、
    当該複数の圧電体薄膜部を電気的に接続して電気信号を入出力する配線と、
    超音波の送信時と受信時とで当該配線の少なくとも一部を切り替えて電気インピーダンスを変化させる切替部と、
    を備え
    前記複数の圧電体薄膜部は、強誘電体で形成され、
    前記複数の圧電体薄膜部に各々分極特性を設定するための所定電圧を供給する電圧供給部を備える
    とを特徴とする音響センサー。
  2. 複数の圧電体薄膜部が平面状に配置された超音波の送受信素子と、
    当該複数の圧電体薄膜部を電気的に接続して電気信号を入出力する配線と、
    超音波の送信時と受信時とで当該配線の少なくとも一部を切り替えて電気インピーダンスを変化させる切替部と、
    前記送受信素子がなす平面の一方に接合されて、前記複数の圧電体薄膜部に対して共通に設けられた振動板と、
    を備え、
    前記複数の圧電体薄膜部は、強誘電体で形成され、前記振動板の超音波振動に係る振動モードの節及び腹の位置にそれぞれ応じて前記圧電体薄膜部の分極特性及び前記配線の接続順のうち少なくとも一方を定める
    ことを特徴とする音響センサー。
  3. 前記配線は、前記切り替えによって、当該配線で接続される前記圧電体薄膜部により送受信される超音波の音軸が変化しないようになされていることを特徴とする請求項1又は2記載の音響センサー。
  4. 前記配線は、超音波の送信時と受信時とで、前記複数の圧電体薄膜部の接続を並列接続と直列接続との間で切り替えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の音響センサー。
  5. 前記配線は、接続される前記圧電体薄膜部の数を異ならせることで電気インピーダンスを変化させることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の音響センサー。
  6. 前記配線は、超音波の送信時と受信時に、それぞれ前記複数の圧電体薄膜部の全てを接続することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の音響センサー。
  7. 前記送受信素子がなす平面の一方に接合されて設けられた振動板を備えることを特徴とする請求項1記載の音響センサー。
  8. 記複数の圧電体薄膜部に各々分極特性を設定するための所定電圧を供給する電圧供給部を備える
    ことを特徴とする請求項2記載の音響センサー。
  9. 前記複数の圧電体薄膜部は、強誘電体で形成され、前記振動板の超音波振動に係る振動モードの節及び腹の位置にそれぞれ応じて前記圧電体薄膜部の分極特性及び前記配線の接続順のうち少なくとも一方を定めることを特徴とする請求項記載の音響センサー。
  10. 前記複数の圧電体薄膜部は、半導体基板に対してそれぞれ直接又は間接的に積層配置され、
    当該圧電体薄膜に入射した音圧に応じて前記圧電体薄膜部に誘起される電荷の量に基づいて、前記半導体基板における所定の領域の通電状態が変化し、
    当該通電状態に応じた信号を前記配線に出力する
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の音響センサー。
  11. 前記切替部は、トランジスターにより前記配線の接続を切り替えることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の音響センサー。
  12. 所定のパターンで複数配列された請求項1〜11の何れか一項に記載の音響センサーを備えることを特徴とする超音波探触子。
  13. 前記配線は、前記切替部による切り替えにより前記複数の圧電体薄膜部を複数段階の電気インピーダンスとなるように接続し、
    前記切替部は、前記音響センサーの配置に応じて当該音響センサーの電気インピーダンスを切り替えることで、超音波の送受信に係るアポダイゼーションの設定を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波探触子。
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