特許文献1に記載の技術にあっては、プラットホームに入線しようとする車両のそれぞれは、入線に先立ち、地上装置から受信する制御情報に基づいて、その型式に適合した停車予定位置を認識するため、それを利用して自動ブレーキシステムを作動することで、いずれの型式の車両であっても、常に、最適な停車予定位置への正確な停車が可能となるが、その反面、この技術を実用化するためには、プラットホームの地上装置側のみならず、各車両の車上装置側にまでも、それなりの設備投資が必要となり、既存の鉄道システムを前提とした場合には、導入コストが嵩むという問題点がある。
この発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することにある。
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
上述の技術的な課題は、以下の構成を有する本発明のプラットホームにおける定位置停車支援装置により解決できるものと考えられる。
すなわち、本発明(第1発明)は、プラットホームに入線する車両の型式を判別する型式判別部と、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて記憶させた停車予定位置情報記憶部と、前記型式判別部にて判別された車両の型式に基づいて、前記停車予定位置情報記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出す停車予定位置情報読出部と、前記入線する車両が前記停車予定位置情報記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成部と、前記位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達する位置関係情報伝達部とを包含するプラットホームにおける定位置停車支援装置である。
このような構成によれば、プラットホームに入線する車両の型式は、型式判別部により自動的に判別されると共に、この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が停車予定位置情報記憶部から読み出され、この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される。そのため、本発明によれば、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することができる。
本第1発明においては、前記位置関係情報生成部が、前記プラットホームへ入線する車両の車体側面を撮影可能に配置された停車動作監視用の撮像部と、前記停車動作監視用の撮像部から得られる画像に基づいて、前記車両の現在位置と前記停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成用の画像処理部とを包含する、ものであってもよい。
このような構成によれば、車体側や地上側に別途なんらかの位置表示を付することなく、車両の現在位置と停車予定位置の相対的位置関係を示す情報を生成することができるから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、本発明装置を、より一層、容易に導入することが可能となる。
本第1発明においては、前記位置関係情報伝達部が、前記位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達する表示器であってもよい。
このような構成によれば、相対的位置関係を示す情報を無線通信媒体を介して伝達する場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。
本第1発明においては、前記停車予定位置が、当該車両が前記停車予定位置に停車すると、車両側ドア位置と可動柵側ドア位置とが整合するようにして決定され、さらに前記プラットホーム側にあって、前記車両側ドアの開閉動作を監視して対応するドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視部を有し、前記可動柵側ドアは、前記ドア開閉状態信号に基づいて開閉制御される、ものであってもよい。
このような構成によれば、伝達される相対位置情報を参考として、運転者が適当な停止操作を行って、停止予定位置へと車両を導けば、当該車両の各ドア位置とプラットホーム可動柵の各ドア位置とは、ひとりでにぴったりと一致することとなり、その状態において、ドア開閉状態監視部の作用により車両ドアの開閉が監視されて、ドア開閉状態信号が生成出力され、このドア開閉状態信号に基づいて可動柵側のドアは開閉制御されることとなる。そのため、車両側から可動柵側へと無線通信媒体を介して車両ドアの開閉を知らせる場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。
このとき、前記ドア開閉状態監視部は、前記停車予定位置にある車両のドアを撮影可能に配置されたドア開閉状態監視用の撮像部と、前記ドア開閉状態監視用の撮像部から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部とを包含する、ものであってもよい。
このような構成によれば、専用の車両ドア開閉センサなどを車体側やプラットホーム側に設けることなく、任意の型式の車両におけるドア開閉状態の監視が可能となり、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。
本第1発明においては、前記型式判別部が、プラットホームへ入線する車両の車体前面を撮影可能に配置された車体前面監視用の撮像部と、前記車体前面監視用の撮像部から得られる車体前面画像に基づいて、当該車両の型式を示す情報を生成する型式情報生成用の画像処理部とを包含する、ものであってもよい。
このような構成によれば、車体前面の外観形態そのものを介して、その車両の型式を判別するものであるから、車体側において特別な識別子を付加したりあるいは発信したりすることなく、任意の車両における車体型式を判別することができ、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。
別の一面からみた本発明(第2発明)は、プラットホームへ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部と、前記共用撮像部から得られる車体前面画像に基づいて、当該車両の型式を示す型式情報を生成する型式情報生成用の画像処理部と、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて記憶させた停車予定位置情報記憶部と、前記型式情報生成用の画像処理部にて生成される型式情報に基づいて、前記停車予定位置情報記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出す停車予定位置情報読出部と、前記入線する車両が前記停車予定位置情報記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置の前後所定範囲内に位置するとき、前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記車両の現在位置と前記停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成用の画像処理部と、前記位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達する位置関係情報伝達部とを包含する。
このような構成によれば、プラットホームに入線する車両の型式は、プラットホームへ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部と前記共用撮像部から得られる車体前面画像に基づいて当該車両の型式を示す型式情報を生成する型式情報生成用の画像処理部とからなる型式判別部により自動的に判別されると共に、この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が停車予定位置情報記憶部から読み出され、この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される。そのため、本発明によれば、その型式の違いが車体前面の外観形態に現れる限り、車両の型式を自動的に判別することで、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することができる。
本第2発明においては、前記停車予定位置が、当該車両が前記停車予定位置に停車すると、車両側ドア位置と可動柵側ドア位置とが整合するようにして決定され、さらに前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部とを含む、ものであってもよい。
このような構成によれば、伝達される相対位置情報を参考として、運転者が適当な停止操作を行って、停止予定位置へと車両を導けば、当該車両の各ドア位置とプラットホーム可動柵の各ドア位置とは、ひとりでにぴったりと一致することとなり、その状態において、ドア開閉状態監視部の作用により車両ドアの開閉が監視されて、ドア開閉状態信号が生成出力され、このドア開閉状態信号に基づいて可動柵側のドアは開閉制御されることとなる。そのため、車両側から可動柵側へと無線通信媒体を介して車両ドアの開閉を知らせる場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。加えて、この発明によれば、ドア開閉状態監視部は、前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部によるものであるから、車両の型式判別と車両のドア開閉監視とに撮像部を共用することで、システム全体の構成を簡素化することもできる。
本第2発明においては、前記型式情報生成用の画像処理部が、車両の型式とその車両が所定の走行位置にあることが検知されたときに前記共用撮像部から得られる車体前面全体画像に相当する全体画像テンプレートとを互いに関連づけて記憶させた画像テンプレート記憶部と、入線車両が前記所定の走行位置にあることが検知されたときに、前記共用撮像部から得られる車体前面全体画像を、前記画像テンプレート記憶部に記憶された全体画像テンプレートと照合することにより、前記入線車両に対応する型式候補を抽出する型式候補抽出部とを包含する、ものであってもよい。
このような構成によれば、共用撮像部からの画像取得タイミングを車両が所定の走行位置にあるときと関連づけるとともに、取得された画像から車体型式を判別するための画像処理に際して、いわゆるテンプレートマッチング手法を採用したことにより、比較対象となる画像テンプレートを適切に用意するだけで、各車両の型式を精度よく短時間で判別することが可能となるほか、比較対象となる車両を実際に走行させることで、サンプルされた車体前面画像から適切な画像テンプレートを簡単に作成することもできる。
このとき、前記画像テンプレート記憶部には、前記全体画像テンプレートにおいて互いに類似する複数の型式候補に関しては、それらに共通する特定部分についての部分画像テンプレートが追加的に記憶されており、前記共用撮像部から得られる入線車両の車体前面画像の前記特定部分の画像を、前記画像テンプレート記憶部に記憶された部分画像テンプレートと照合することにより、前記入線車両に対応する型式候補を絞り込む型式候補絞込部をさらに含む、ものであってもよい。
このような構成によれば、例えば、特定の車両型式に固有の形態的な特徴を含む部分画像テンプレートを複数種用意して、全体画像同士では類似すると認められる複数の全体画像をさらに部分領域毎に比較することで、特定の1の型式への絞り込みを可能とすることができる。
このとき、前記部分画像テンプレートは、前記車体前面全体画像の中央部にあって車体の正面ドアに対応する縦長長方形状を有する部分検知枠から取り出された部分画像に対応するものであれば、特定の1の型式への絞り込みを有効に実現することができる。
本第2発明においては、前記車両が所定の走行位置にあることは、レールとほぼ直交する線路検知枠から線路が見えなくなったことにより検知される、ものであってもよい。
このような構成によれば、線路上や線路脇に別途車両到来センサを配置せずとも、型式判別対象となる車両が所定位置に到来したことを、簡単な画像処理により確実に検知することができる。
本第2発明においては、前記位置関係情報生成用の画像処理部が、前記車両が前記停車予定位置にあるときに前記共用撮像部から得られる車体側面画像中の車体位置を代表する車体基準部分(例えば、閉したドアの中心線部分)の位置情報を停車予定位置情報として記憶させた停車予定位置情報記憶部と、前記車体基準部分の図形的特徴情報を記憶させた停車判定用の図形的特徴情報記憶部と、車両がプラットホームへ入線するときに、前記共用撮像部から得られる車体側面画像中において、前記停車判定用の図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記車体基準部分を探索し、その位置情報を前記車両の現在位置情報として取得する車両現在位置情報取得部と、前記停車予定位置情報記憶部に記憶された停車予定位置情報と前記車両現在位置情報取得部で取得された現在位置情報とに基づいて、前記車両の現在位置と前記停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成部とを包含する、ものであってもよい。
このような構成によれば、車体側面の画像中に含まれる特定の図形的特徴情報に基づいて定められた車体基準部分の位置情報に基づいて、車両の停車予定位置及び車両の現在位置を特定するとともに、それらの特定された位置情報に基づいて、停車予定位置と現在位置との相対的な位置関係を示す情報を生成するものであるから、各車体に合わせて画像的特徴情報を記憶してさえおけば、画像内における位置特定処理や距離測定処理などをおこなうだけで、停車予定位置と現在位置との相対的な位置関係(例えば、停車予定位置の手前、停車予定位置の通過、停車予定位置の真上、等々)を示す情報を容易に取得することができる。
本第2発明においては、前記ドア開閉状態監視用の画像処理部が、左右ドアの位置をそれぞれ代表する左右ドアの基準部分の図形的特徴情報をそれぞれ記憶させたドア開判定用の図形的特徴情報記憶部と、前記車両の停車が確認されたのち、前記共用撮像部から得られる車体側面画像中において、前記ドア開閉判定用の図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記左右ドアの基準部分をそれぞれ探索し、それら左右ドアの基準部分の位置情報を左右ドアの現在位置情報として取得する左右ドア現在位置情報取得部と、前記左右ドア現在位置情報取得部で取得された左右ドアの現在位置情報に基づいて、前記左側ドアの基準部分と前記右側ドアの基準部分とが互いに離隔すると判定されたとき、前記ドア開閉状態信号として、ドアの開動作が開始されたことを示すドア開・開始タイミング信号を生成するドア開・開始タイミング信号生成部とを含む、ものであってもよい。
このような構成によれば、車体側面の画像中に含まれる左右ドアの基準部分の図形的特徴情報に基づいて定められた左右ドアの基準部分の位置情報に基づいて、左右ドアの現在位置を特定するとともに、それらの特定された位置情報に基づいて、左右ドアが閉状態から開状態へと変化したことを検知して、ドア開・開始タイミング信号を生成するものであるから、左右ドアに合わせて画像的特徴情報を記憶してさえおけば、画像内における位置特定処理や距離測定処理などを実行するだけで、ドアの開動作が開始されたことを示すドア開・開始タイミング信号を適切なタイミングで生成出力することができる。
本第2発明においては、前記ドア開閉状態監視用の画像処理部が、停車状態かつドア全開状態における戸袋の位置を代表する戸袋の基準部分の図形的特徴情報を記憶させた戸袋の図形的特徴情報記憶部と、前記戸袋に収容されるべきドアの位置を代表するドアの基準部分の図形的特徴情報を記憶させたドアの図形的特徴情報記憶部と、前記戸袋の図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記戸袋の基準部分を探索し、その基準部分の位置情報を戸袋の初期位置情報として取得する戸袋の初期位置情報取得部と、前記取得された戸袋の初期位置情報を記憶する戸袋の初期位置情報記憶部と、前記ドアの図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記ドアの基準部分を探索し、その基準部分の位置情報をドアの現在位置情報として取得するドアの現在位置情報取得部と、前記戸袋の初期位置情報記憶部に記憶された戸袋の初期位置情報と前記ドアの現在位置情報取得部で取得されたドアの現在位置情報とに基づいて、前記戸袋の基準部分と前記ドアの基準部分とが離隔すると判定されたとき、前記ドア開閉状態信号として、ドアの閉動作が開始されたことを示すドア閉・開始タイミング信号を生成するドア閉・開始タイミング信号生成部とを含む、ものであってもよい。
このような構成によれば、車体側面の画像中に含まれる、停車状態かつドア全開状態における戸袋の位置を代表する戸袋の基準部分の図形的特徴情報、及び前記戸袋に収容されるべきドアの位置を代表するドアの基準部分の図形的特徴情報に基づいて定められた、戸袋及びドアの基準部分の位置情報により、戸袋及びドアの現在位置を特定するとともに、それらの特定された位置情報に基づいて、戸袋とドアとが離隔し始めたことを検知して、ドア閉・開始タイミング信号を生成するものであるから、戸袋及びドアに合わせて画像的特徴情報を記憶してさえおけば、画像内における位置特定処理や距離測定処理などを実行するだけで、ドアの閉動作が開始されたことを示すドア閉・開始タイミング信号を適切なタイミングで生成出力することができる。
本第2発明においては、前記共用撮像部が、可動柵よりも線路側のプラットホーム上にあって、入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置されていてもよい。
このような構成によれば、プラットホーム上の乗客に邪魔にならないデッドスペースを利用して共用撮像部を配置するとともに、入線する車両をその斜め前方より撮影して、車両の前面及び側面を有効に撮影することができる。このとき、前記共用撮像部が、最後尾車両の最後部ドアに対応する可動柵ドアの付近に配置されていれば、入線する車両の型式をいち早く判別することができる。
別の一面から見た本発明(第3発明)は、プラットホームに入線する車両の型式を判別するステップと、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて所定の記憶部に記憶させるステップと、前記型式判別部にて判別された車両の型式に基づいて、前記記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出すステップと、前記入線する車両が前記停車予定位置情報記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成するステップと、前記位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達するステップとを包含する、プラットホームにおける定位置停車支援方法である。
このような構成によれば、プラットホームに入線する車両の型式は、自動的に判別されると共に、この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が所定の記憶部から読み出され、この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される。そのため、本発明によれば、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能となる。
本第3の発明においては、前記停車予定位置が、当該車両が前記停車予定位置に停車すると、車両側ドア位置と可動柵側ドア位置とが整合するようにして決定され、さらに前記プラットホーム側にあって、前記車両側ドアの開閉動作を監視して対応するドア開閉状態信号を生成するステップを有し、前記可動柵側ドアは、前記ドア開閉状態信号に基づいて開閉制御されるものであってもよい。
このような構成によれば、伝達される相対位置情報を参考として、運転者が適当な停止操作を行って、停止予定位置へと車両を導けば、当該車両の各ドア位置とプラットホーム可動柵の各ドア位置とは、ひとりでにぴったりと一致することとなり、その状態において、ドア開閉状態監視部の作用により車両ドアの開閉が監視されて、ドア開閉状態信号が生成出力され、このドア開閉状態信号に基づいて可動柵側のドアは開閉制御されることとなる。そのため、車両側から可動柵側へと無線通信媒体を介して車両ドアの開閉を知らせる場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。
別の一面から見た本発明(第4の発明)は、プラットホームへ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部から得られる車体前面画像に基づいて、当該車両の型式を示す型式情報を生成するステップと、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて所定の記憶部に記憶させるステップと、前記生成される型式情報に基づいて、前記停車予定位置情報記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出すステップと、前記入線する車両が前記記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置の前後所定範囲内に位置するとき、前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記車両の現在位置と前記停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成するステップと、前記生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達するステップとを包含する、ものであってもよい。
このような構成によれば、プラットホームに入線する車両の型式は、プラットホームへ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部と前記共用撮像部から得られる車体前面画像に基づいて当該車両の型式を示す型式情報を生成する型式情報生成用の画像処理ステップとからなる型式判別ステップにより自動的に判別されると共に、この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が所定の記憶部から読み出され、この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される。そのため、本発明によれば、その型式の違いが車体前面の外観形態に現れる限り、車両の型式を自動的に判別することで、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することができる。
本第4発明においては、前記停車予定位置が、当該車両が前記停車予定位置に停車すると、車両側ドア位置と可動柵側ドア位置とが整合するようにして決定され、さらに
前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するステップとを含む、ものであってもよい。
このような構成によれば、伝達される相対位置情報を参考として、運転者が適当な停止操作を行って、停止予定位置へと車両を導けば、当該車両の各ドア位置とプラットホーム可動柵の各ドア位置とは、ひとりでにぴったりと一致することとなり、その状態において、ドア開閉状態監視ステップの作用により車両ドアの開閉が監視されて、ドア開閉状態信号が生成出力され、このドア開閉状態信号に基づいて可動柵側のドアは開閉制御されることとなる。そのため、車両側から可動柵側へと無線通信媒体を介して車両ドアの開閉を知らせる場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。加えて、この発明によれば、ドア開閉状態監視部は、前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部によるものであるから、車両の型式判別と車両のドア開閉監視とに撮像部を共用することで、システム全体の構成を簡素化することもできる。
別の一面から見た本発明(第5発明)は、プラットホームに入線する車両の型式を判別する型式判別部と、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて記憶させた停車予定位置情報記憶部と、前記型式判別部にて判別された車両の型式に基づいて、前記停車予定位置情報記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出す停車予定位置情報読出部と、前記入線する車両が前記停車予定位置情報記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成部と、前記位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達する位置関係情報伝達部とを包含し、コンピュータをプラットホームにおける定位置停車支援装置として機能させるためのコンピュータ・プログラムである。
このような構成のコンピュータプログラムによれば、これをコンピュータにインストールして作動させることにより、プラットホームに入線する車両の型式は、型式判別部により自動的に判別されると共に、この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が停車予定位置情報記憶部から読み出され、この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される。そのため、本発明によれば、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することができる。
本第5発明においては、前記停車予定位置が、当該車両が前記停車予定位置に停車すると、車両側ドア位置と可動柵側ドア位置とが整合するようにして決定され、さらに前記プラットホーム側にあって、前記車両側ドアの開閉動作を監視して対応するドア開閉状態信号を生成する開閉状態信号生成手段を有し、前記可動柵ドアは、前記ドア開閉状態信号に基づいて開閉制御される、ものであってもよい。
このような構成のコンピュータプログラムによれば、これをコンピュータにインストールすることにより、伝達される相対位置情報を参考として、運転者が適当な停止操作を行って、停止予定位置へと車両を導けば、当該車両の各ドア位置とプラットホーム可動柵の各ドア位置とは、ひとりでにぴったりと一致することとなり、その状態において、ドア開閉状態監視部の作用により車両ドアの開閉が監視されて、ドア開閉状態信号が生成出力され、このドア開閉状態信号に基づいて可動柵側のドアは開閉制御されることとなる。そのため、車両側から可動柵側へと無線通信媒体を介して車両ドアの開閉を知らせる場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。
別の一面から見た本発明(第6発明)は、プラットホームへ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部と、前記共用撮像部から得られる車体前面画像に基づいて、当該車両の型式を示す型式情報を生成する型式情報生成用の画像処理部と、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて記憶させた停車予定位置情報記憶部と、前記型式情報生成用の画像処理部にて生成される型式情報に基づいて、前記停車予定位置情報記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出す停車予定位置情報読出部と、前記入線する車両が前記停車予定位置情報記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置の前後所定範囲内に位置するとき、前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記車両の現在位置と前記停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成用の画像処理部と、前記位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達する位置関係情報伝達部とを包含包含する、コンピュータをプラットホームにおける定位置停車支援装置として機能させるためのコンピュータ・プログラムである。
このような構成のコンピュータプログラムによれば、これをコンピュータにインストールすることにより、プラットホームに入線する車両の型式は、プラットホームへ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部と前記共用撮像部から得られる車体前面画像に基づいて当該車両の型式を示す型式情報を生成する型式情報生成用の画像処理部とからなる型式判別部により自動的に判別されると共に、この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が停車予定位置情報記憶部から読み出され、この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される。そのため、本発明によれば、その型式の違いが車体前面の外観形態に現れる限り、車両の型式を自動的に判別することで、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することができる。
本第6発明においては、前記停車予定位置が、当該車両が前記停車予定位置に停車すると、車両側ドア位置と可動柵側ドア位置とが整合するようにして決定され、さらに前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部とを含む、ものであってもよい。
このような構成によれば、これをコンピュータにインストールすることにより、伝達される相対位置情報を参考として、運転者が適当な停止操作を行って、停止予定位置へと車両を導けば、当該車両の各ドア位置とプラットホーム可動柵の各ドア位置とは、ひとりでにぴったりと一致することとなり、その状態において、ドア開閉状態監視部の作用により車両ドアの開閉が監視されて、ドア開閉状態信号が生成出力され、このドア開閉状態信号に基づいて可動柵側のドアは開閉制御されることとなる。そのため、車両側から可動柵側へと無線通信媒体を介して車両ドアの開閉を知らせる場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。加えて、この発明によれば、ドア開閉状態監視部は、前記共用撮像部から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部によるものであるから、車両の型式判別と車両のドア開閉監視とに撮像部を共用することで、システム全体の構成を簡素化することもできる。
本発明によれば、プラットホームに入線する車両の型式は、型式判別部により自動的に判別されると共に、この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が停車予定位置情報記憶部から読み出され、この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される。そのため、本発明によれば、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することができる。
以下に、本発明に係るプラットホームにおける定位置停車支援装置の好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係るプラットホームにおける定位置停車支援装置は、プラットホームに入線する車両の型式を判別する型式判別部と、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて記憶させた停車予定位置情報記憶部と、前記型式判別部にて判別された車両の型式に基づいて、前記停車予定位置情報記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出す停車予定位置情報読出部と、前記入線する車両が前記停車予定位置情報記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成部と、前記位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達する位置関係情報伝達部とを包含するものとして構成される。
それらの機能的構成要素(型式判別部、停車予定位置情報記憶部、停車予定位置情報読出部、位置関係情報生成部)は、様々な技術手段にて実現することができるが、以下の実施形態においては、ビデオカメラからなる撮像部と、この撮像部から得られる画像を処理して所望の情報を生成出力する情報処理部とを用いて実現される。
この種の情報処理部は、当業者にはよく知られているように、撮像部から画像を取り込むためのインタフェースと、取り込まれた画像を例えば最新の複数フレーム分だけ記憶するための画像メモリと、画像メモリに記憶された画像に対して指定された画像処理を高速に行う画像処理専用のプロセッサ又はLSIと、画像処理内容の指令や画像処理結果の出力、その他、情報処理部全体を統括制御したり、各種の演算等を実行するデータ処理用プロセッサと、ROMやRAMとして使用される半導体メモリやHDなどの外部記憶装置とを含んで構成される。
撮像部並びに情報処理部を収容する監視ユニットの配置図が、図1に示されれている。同図(A)に示されれるように、撮像部1及び情報処理部2は、この例にあっては、薄い縦型の箱状筐体を有する監視ユニット3内に組み込まれている。この監視ユニット3は、プラットホーム7上の可動柵4の戸袋6の裏側、すなわち可動柵4よりも線路側のプラットホーム縁部7aに配置されている。
同図(B)に示されるように、撮像部1のレンズは、好ましくは透明窓板が嵌められた図示しない撮影窓を介して、入線する車両と対向する方向へと向けられている。そのため、撮像部1は、入線する車両の車体前面をその斜め右前方から撮影することができ(図18参照)、プラットホームへと入線したのちにあっては、車両の車体右側面を斜め右前方から撮影することができ、さらに車両が停車予定位置に停車したのちにあっては、車両の車体右側面ドア16,19並びに乗降客28を斜め右前方から撮影することができる(図19〜図24参照)。後述するように、この撮像部1は、型式判別のための画像処理(図3、図4参照)、位置関係情報生成のための画像処理(図5参照)、及びドア開閉情報の生成及び出力処理(図6〜図10参照)に共用される。このことから、撮像部1は「共用撮像部」として機能することとなる。
この監視ユニット3は、好ましくは、プラットホーム7上に一列に並べられた一連の可動柵ドア5のうちの最も後部に位置する可動柵ドアの付近に設けることが好ましい。そうすれば、プラットホーム7に入線したばかりの車体前面(図16〜図18参照)を撮影できるから、入線しようとする車両の型式を判別するのに十分な処理時間を確保することができ、その後の相対関係情報の生成処理等(図5参照)を余裕をもって実行できるからである。もっとも、様々な編成(連結台数)を有する車両が入線する可能性のあるプラットホームの場合であれば、それらの車両のうちで、もっとも短い車両(列車)の最後部ドアと対応する可動柵ドアの付近に設けることが好ましいと思われる。
次に、情報処理部2が実行するコンピュータプログラムに相当する処理の全体を概略的に示すゼネラルフローチャートが、図2に示されている。同図に示されるように、このプログラムは、電源投入などにより実行開始された後、所定の終了操作が行われるまでの間(ステップ103NO)、型式判別処理(ステップ101)と位置関係情報の生成及び伝達処理(ステップ102)とを繰り返し実行するように構成されている。
ここで、後に詳述するように、型式判別処理(ステップ101)とは、撮像部1から得られる車体前面画像(例えば、図18参照)に基づいて、当該車両の型式を示す型式情報(例えば、図11のModel−1,2,3・・・)を生成する処理である。
一方、位置関係情報の生成及び伝達処理(ステップ102)とは、型式情報生成用の処理(ステップ101)にて生成される型式情報に基づいて、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて記憶させた所定の記憶部(例えば、図11参照)を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報(図11のP01,P02,P03・・・)を読み出すとともに、入線する車両が前記記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置の前後所定範囲内に位置するとき(図14参照)、前記撮像部1から得られる画像に基づいて、車両の現在位置(Px)と停車予定位置(P01〜P02)との相対的位置関係を示す情報を生成し、これを車両の運転者に視覚を介して伝達する処理(例えば、図15の表示器8,9参照)である。
型式判別処理の詳細を示すフローチャートが、図3に示されている。同図において、処理が開始されると、撮像部1からフレーム毎(例えば、1/60秒毎)に画像を取り込んで、図示しない画像メモリに最新の複数個分の画像を格納する処理を繰り返す(ステップ100)。
これと同時並行して、型式判別用のルーチン処理(ステップ201〜207)を繰り返し実行する。まず、初期処理(ステップ201)では、演算に必要な各種のフラグやレジスタの初期設定を行う。この初期設定処理の中には、後述する本体前面検知枠12や線路検知枠13の設定処理も含まれる。
ここで、車体前面検知枠12とは、図18に示されるように、プラットホームへ入線しようとする車両が、レール上を所定位置まで進出すると、その車体前面が周囲に僅かの余裕を持ってすっぽりと収まる程度のサイズの矩形検知枠である。一方、線路検知枠13とは、車体前面検知枠12内の下部にあって、普段は、左右のレール14,15がその中に見えるものの、車両が所定位置まで進出して、その車体前面部が車体前面検知枠12内にすっぽりと収まると同時に、車体前面下部が覆い被さることにより、左右のレールが見えなくなるように設定した水平方向へ細長い矩形検知枠である。したがって、常時、線路検知枠13内に左右のレール14,15が存在するか否かを監視するとともに、それらのレール14,15が見えなくなったタイミングで、車体前面検知枠12内の画像を取得すれば、後述する型式判別処理に好適な車体前面画像を抽出することができる。
図3に戻って、初期処理(ステップ201)が終了すると、続いて、線路検知枠13を使用して車体前面検知枠12の下部の線路上を監視しつつ(ステップ202)、線路(左右のレール14,15)が見えなくなったか否かを判定する処理が繰り返される(ステップ203NO)。
この状態において、線路が見えなくなったと判定されると(ステップ203YES)、続いて、テンプレート照合処理(ステップ204)が実行され、のちに詳述するように、その時点で取得されている最新の車体前面画像とあらかじめ用意された様々な型式の車両に関する車体前面の全体テンプレート(図12のTP1,TP2,TP3・・・)あるいは部分テンプレート(図12のTP11〜TPnm)との間での照合処理が行われ、照合結果が記憶される。
その後、上述の照合結果に基づいて型式判別の成功有無が判定され(ステップ205)、成功と判定された場合には(ステップ205YES)、型式判別後の処理(ステップ206)が実行されるのに対して、失敗と判定された場合には(ステップ205NO)、型式判別不可の処理(ステップ207)が実行される。ここで、型式判別後の処理(ステップ206)とは、例えば、その後の処理(ステップ102)に備えて、判別された型式を車両型式として認定する処理などが含まれる。一方、型式判別不可の処理(ステップ207)とは、予め用意された型式判別不可時のエラー処理などが含まれる。
テンプレート照合処理(ステップ204)の詳細フローチャートが図4に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、照合前処理(ステップ301)が実行される。この照合前処理(ステップ301)では、図16の最上段に示されるように、取得された車両の車体前面全体画像に対して、エッジ検出や二値化などの整形処理を施すことによって、その後のテンプレート照合処理に適した線画像が作成される。図16の例では、型式としてA系車両を例に取り、取得された車体前面画像とそれを二値化処理して得られた画像(入力二値化画像)との関係が図示されている。
続いて、全体テンプレート(TP1〜TPn)との照合処理(ステップ302)が実行される。この照合処理(ステップ302)では、図16の最上段及び中段に示されるように、入力二値化画像と各型式(A系、B系、C系、D系、E系、F系)の車体前面全体テンプレート(TP1〜TPn)とを順次に照合する処理が実行される。この照合処理のために、図12(a)に示されるように、情報処理部2内に組み込まれた図示しない記憶装置の所定記憶部(画像テンプレート記憶部)には、車両の型式(Model−1,Model−2,Model−3,・・・)とその車両が所定の走行位置にあることが検知されたときに、前記撮像部1から得られる車体前面全体画像に相当する全体画像テンプレート(TP1,TP2,TP3・・・)とが互いに関連付けて記憶されている。
この全体画像テンプレート(TP1〜TPn)との照合処理(ステップ302)にて、1つの型式(Model)に絞り込まれた場合には(ステップ303YES)、型式判別成功と記憶して(ステップ304)、処理は終了する。なお、ここで言う照合処理とは、当業者にはよく知られているように、例えば、テンプレートと比較対象画像との一致画素数に基づいて、テンプレート画像との類似度を判定し、類似度が一定値を超える場合には、型式判別成功と判定するものを挙げることができる。
これに対して、1つの型式(Model)に絞り込めなかった場合には(ステップ303NO)、さらに部分テンプレート(TPnm)との照合処理(ステップ305)が実行される。この照合処理(ステップ305)では、図17に示されるように、入力二値化画像と各型式(A系、B系、C系、D系、E系、F系)の車体前面の部分テンプレート(TP11〜TPnm)とを照合する処理が実行される。この照合処理(ステップ305)においては、各部分テンプレートに対応する部分検知枠10を介して抽出された判別対象画像の部分画像を予め用意された部分テンプレート11と照合することで、一致画素数に基づき両者の類似度を求め、それが基準値を超えた場合には、型式判別成功と判断することができる。
部分検知枠10として、車体前面画像のどの部分をどのような形状に囲むかは型式判別精度に大きな影響を与える。図17の例では、特定の型式車両に固有な車体前面中央のドア部分を含む縦長の矩形領域を囲むものとしており、この場合、全体画像としてはある程度類似している複数の型式画像に適用して、良好な型式判別(絞り込み)を行えることが確認された。部分テンプレートとしては、単一の又は少数の型式に特有な特徴的部分画像に対応させることが好ましいことは言うまでもない。
この部分照合処理(ステップ305)のために、図12(b)に示されるように、情報処理部2内に組み込まれた図示しない記憶装置の所定記憶部(画像テンプレート記憶部)には、車両の型式(Model−1,Model−2,Model−3,・・・)とその車両が所定の走行位置にあることが検知されたときに、前記撮像部1から得られる車体前面全体画像の各部分毎の画像に相当する部分テンプレート(TP11〜TPnm)とが互いに関連付けて記憶されている。
部分テンプレート(TPnm)との照合処理(ステップ305)において、1つの型式(Model)に絞り込まれた場合には(ステップ306YES)、型式判別成功と記憶して(ステップ304、処理は終了する。これに対して、1つの型式に絞り込めなかった場合には(ステップ306NO)、型式判別失敗として処理は修了する(ステップ307)。
次に、位置関係情報の生成及び伝達処理(ステップ102)の詳細について説明する前に、位置関係情報の生成処理に必要とされる停車判定用の基礎情報について説明する。
停車判定用基礎情報の記憶形式を示す説明図が図11に示されている。同図に示されるように、情報処理装置3に組み込まれた記憶装置の所定記憶部(停車予定位置情報記憶部)には、停車判定用の基礎情報が格納されている。この停車判定用の基礎情報は、車両型式(Model−1,Model−2,Model−3・・・)と停車判定用の部分テンプレート(TP01,TP02,TP03)及び停車予定位置情報(P01,P02,P03・・・)とを互いに関連づけして記憶することにより構成されている。
ここで、停車判定用の部分テンプレート(TP01,TP02,TP03)とは、車両が停車予定位置にあるとき(このとき、ホーム側の可動柵ドアと車両側の乗降ドアとはぴったりと整合していいる)に、撮像部1から得られる車体側面画像中の車体位置を代表する車体基準部分(この例では、閉じた車両ドアの左右の中心線部分)の図形的特徴情報に相当する画像パターン(画像模様)のことである。この画像パターンは、例えば、車体ドアに描かれたストライプ模様、窓枠角部の特徴的な曲線、左右ドアの保護ラバーとドア板との境界線である左右ドアの端縁線等々から適宜に選定することができる。一方、停車予定位置情報(P01,P02,P03)とは、上述の車体基準部分の画面内における位置情報のことである。これは、後述するように、当該車体基準部分を限定乃至特定する探査枠の画面上の位置情報(例えば、座標情報)により特定することもできる。
停車判定用基礎情報の設定方法の説明図が図19に示されている。同図に示されるように、まず、車両が停車予定位置にあるときに撮像部1から得られるサンプル画像の中で、閉じた車両ドアの左右の中心線部分(この例では、左ドア端縁線21と右ドア端縁線18とを含む)に沿って、停車予定位置を記憶するための探索枠(図中右上がりのハッチングで示す縦長の大きな長方形枠)23aを適宜に上下移動させながら、最も顕著な図形的特徴を有する部分を探し出して位置決めし、その状態で探索枠23aにより囲まれる領域の画像を取り出すとともに、これを適宜に整形処理(エッジ抽出処理、二値化処理、ノイズ除去処理など)することで、停車判定用の部分テンプレート(TP01,TP02,TP03)を作成することができる。また、この位置決め状態において、画面内における図形的特徴を有する部分の位置情報(例えば、探索枠23aの位置情報)を停車予定位置情報(P01,P02,P03・・・)としとて決定することができる。
次に、上述の停車判定用基礎情報の存在を前提として、位置関係情報の生成及び伝達処理(ステップ102)の詳細について説明する。
位置関係情報の生成及び伝達処理(ステップ102)の詳細フローチャートが図5に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、情報処理装置3に組み込まれた記憶装置の所定記憶部(図11参照)から、判別された型式(Model−k)と対応する停車判定用の部分テンプレート(TP0k)及び停車予定位置の位置情報(P0k)を読み出す処理(ステップ401)を実行する。
続いて、以下に述べる一連の処理(ステップ402〜410)を、車両の存在が確認されなくなるまで(ステップ411YES)、繰り返し実行する。なお、車両の存在の確認は、例えば、線路検知枠13内に、左右のレール14,15が現れるか否かを判定することにより行うことができる。
まず最初に、車両右側面を斜め前方から撮像することにより得られる毎フレームの画像中において、部分テンプレート(TP0k)との照合処理を行って、一致する画像部分(G0x)を探索する処理を実行する(ステップ402)。この探索処理(ステップ402)は、例えば、図20に示されるように、現在位置検出用の探索枠23bを取得画像中に所定順序で縦横に走査させつつ、その探索枠23bで囲まれる部分画像と部分テンプレート(TP0k)とを照合することで行われる。この探索処理(ステップ402)は、車両の存在が確認されなくなるまで(ステップ411YES)、繰り返される。なお、画像プロセッサの処理能力にもよるが、通常の画像プロセッサによる探索処理の場合には、プラットホームへの入線当初、撮像部1と車体側面とのすれ違い速度はかなり高速であるがために、1フレーム時間内での探索完了はできないが、上記すれ違い速度が低速化すると、1フレーム時間内でも探索完了となるが、その場合にも、車両の停車が確認されるまでは、探索成功の判定(ステップ403)は行われないものとされている。
この状態において、探索成功と判定されると(ステップ403YES)、続いて、探索された画像部分(G0x)の位置情報(P0x)を現在の位置情報として求める処理(ステップ404)が実行される。この位置情報としては、例えば、図20に示されるように、現在位置検出用の探索枠23bの画面上における位置情報(XY座標値など)を使用することができる。
続いて、先に記憶部(図11参照)に記憶されている停車予定位置情報(P0k:型式kの車両に対応する停車予定位置情報)と上で得られた現在位置情報(P0x)とを比較する処理(ステップ405)が実行される。この比較処理(ステップ405)では、図20において、現在位置検出用の探索枠23bと停車予定位置を記憶する探索枠23aとの画面上における距離(例えば、X軸に沿う距離)と所定の許容値(後述するL1/2)との比較が行われる。
そして、この距離が所定の最小値又はゼロになるとき、つまり図21に示されるように、停止予定位置を記憶する探索枠23aと現在位置検出用の探索枠23bとがほぼ重なるとき、車両は予め決められた停車予定位置にぴったりと停車したと判定される。また、この距離が所定の許容値(L1/2)よりも小さくなると、停車許容範囲に入ったと判定される。なお、図21において、17は右ドアの窓、18は右ドア端縁線、20は左ドアの窓、21は左ドア端縁線、22は左戸袋線である。車両が停車予定位置にぴったりと停止すると、上下に伸びる2本の端沿線18,21は、停車予定位置を記憶する探索枠23aの左右方向のほぼ真ん中に位置することとなる。
今仮に、図14に示されるように、P0を停車許容範囲の中心点、P01を停車許容範囲の前側限界点、P02を停車許容範囲の後側限界点、P1を表示領域の前側限界点、P2を表示領域の後側限界点、L1を停車許容範囲の長さ、L2を表示領域の長さ、Pxを車両の現在位置とすると、先の比較処理(ステップ405)においては、停車予定位置P0と現在位置Pxとの距離が、停車許容範囲L1の半分の距離L1/2よりも大きいか又は小さいかに相当する判定が行われる。この例では、停車許容範囲L1は20cm、その半分の距離L1/2は10cmとされている。後述する表示器を作動する表示領域の長さL2は160cmとされ、表示領域の前側限界点P1は停車予定位置P0の80cm前方、表示領域の後側限界点P2は停車予定位置P0の80cm後方とされている。
図5に戻って、許容範囲判定処理(ステップ406)では、現在位置Pxが表示領域L2内であって、かつ停車許容範囲L1内にあるか、又は現在位置Pxが表示領域L2内であって、かつ停車許容範囲L1外であるかが判定される。そして、許容範囲L1内であると判定されると(ステップ406YES)、許容範囲内である旨の表示処理(ステップ407)が行われるのに対して、許容範囲L1外であると判定されると(ステップ406NO)、許容範囲外である旨の表示処理(ステップ410)が行われる。
なお、後に詳述するように、現在位置Pxが表示領域L2の外側である場合、つまり入線する車両が未だ表示領域L2の前側限界点P1を超えていないか、あるいは表示領域L2の後側限界点P2を超えてしまっている場合には、許容範囲L1の内外に関する表示は行わないこととしている。
表示処理(ステップ407,410)は所定の表示器の駆動により行われる。この表示器については、要するに、停車予定位置P0と現在位置Pxとの相対的な位置関係が、車両の運転者に視覚を通じて伝達できればよいのであって、そのためには、様々な具体的構成が考えられる。
第1の表示器構成としては、1個又は2個以上のランプの点灯態様(点灯/消灯、点灯/点滅、点灯色の変化、等々)により、現在位置が点P1〜点P01の区間(停車許容範囲外)、点P01〜点P02の区間(停車許容範囲内)、点P02〜点P2の区間(停車許容範囲外)のいずれに存在するかを、運転者に視覚を通じて伝達することで、停車のための最終微調整段階における運転者のブレーキ操作を支援するものが考えられる。
第2の表示器構成としては、図15(a)に示されるように、文字表示器8を用いて、現在位置が、点P1〜点P01の区間(停車許容範囲外)にあるときは「前進」表示、点P01〜点P02の区間(停車許容範囲内)にあるときには「停止可」表示、点P02〜点P2の区間(停車許容範囲外)にあるときには「後退」表示を行うことにより、運転者に対していずれの区間に存在するかを視覚を通じて間接的に伝達することで、停車のための最終微調整段階における運転者のブレーキ操作を支援するものが考えられる。
第3の表示器構成としては、図15(b)に示されるように、複数(この例では、7個)の表示セグメントSG1〜SG7を一列に並べたセグメント式リニア表示器9を用い、現在位置が点P1〜点P01の区間(停車許容範囲外)に存在するときには、表示セグメントSG1〜SG3が順次に緑色で追加点灯し、点P01〜点P02の区間(停車許容範囲内)に存在するときには、表示セグメントSG4を赤色で追加点灯し、点P02〜点P2の区間(停車許容範囲外)に存在するときには、表示セグメントSG5〜SG7が順次に黄色で追加点灯するようにすることで、車両が各区間に存在することを運転者に視覚を通じて伝達することで、停車のための最終微調整段階における運転者のブレーキ操作を支援するものが考えられる。
なお、以上の各表示器構成において、各表示器のそれぞれは、図示しないが、停止寸前の車両の運転者が容易に視認することができる車外の位置(換言すれば、地上側)に、線路脇の頭上から吊り下げ、支柱の上部に取り付け、あるいはプラットホーム上に据え付ける等々、適宜な取り付け手段にて配置すればよい。
図5に戻って、許容範囲内である旨の表示処理(ステップ407)を行ったのちにあっては、車両の移動が判定される限り(ステップ408YES)、以後、(ステップ402)→(ステップ403YES)→(ステップ404)→(ステップ405)→(ステップ406YES)→(ステップ408YES)からなる一連の処理が繰り返し実行され、その間に、運転者の微妙なブレーキ操作により、車両の停車が判定されれば(ステップ408NO)、以後、車両の停車が判定され続ける限り(ステップ408NO)、のちに図6〜図10を参照して詳細に説明するドア開閉情報の生成及び出力処理(ステップ409)が繰り返し実行されることとなる。
上記の一連の処理を実行中に、現在位置Pxが許容範囲の後側限界点P02を超えて許容範囲外へ移行したと判定されると(ステップ406NO)、以後、車両の存在が判定され続ける限り(ステップ411YES)、(ステップ410)→(ステップ411YES)→(ステップ402)→(ステップ403YES)→(ステップ404)→(ステップ405)→(ステップ410)からなる一連の処理が、繰り返し実行されて、許容範囲外である旨の表示が継続する(ステップ410)。この間に、車両の運転者が、一旦停車後、後進操作に切り替えたことにより、再び、現在位置が許容範囲内に戻されたと判定されると(ステップ406YES)、以後、微妙なブレーキ操作で車両が停車するまでの間、先に説明した許容範囲内である旨の表示処理(ステップ407)が繰り返し実行され、その間に、運転者の微妙なブレーキ操作により、車両の停車が判定されれば(ステップ408NO)、以後、車両の停車が判定され続ける限り(ステップ408NO)、のちに図6〜図10を参照して詳細に説明するドア開閉情報の生成及び出力処理(ステップ409)が繰り返し実行されることとなる。
一方、その後、乗客28の乗り降りが終了して、車両が発進されると、車両の移動中と判定されたのち(ステップ408YES)、車両が加速されるに連れて、探索は失敗と判定されるようになり(ステップ403NO)、その後、プラットホームから車両が立ち去ることにより、車両存在が否定されて(ステップ411NO)、処理は終了することとなる。
次に、ドア開閉情報の生成及び出力処理(ステップ409)の詳細を説明する前に、同処理(ステップ409)に必要とされるドア開閉判定用基礎情報について説明する。
ドア開閉判定用基礎情報の記憶形式を示す説明図が図13に示されている。同図に示されように、ドア開閉判定用基礎情報は、車両型式(Model−1,Model−2,Model−3・・・)と、左側ドアの部分テンプレート(DTP01L,DTP02L,DTP03L・・・),右側ドアの部分テンプレート(DTP01R,DTP02R,DTP03R・・・),左側戸袋全開時の部分テンプレート(PTP01,PTP02,PTP03・・・)、及び左側戸袋の位置情報(PP01x,PP02x,PP03x・・・)とを互いに関連づけて記憶することで構成されている。
なお、ここで、左側ドアの部分テンプレート、右側ドアの部分テンプレート、及び左側戸袋全開時の部分テンプレートについては、予めサンプル画像などに基づいて作成記憶しておくものであるが、左側戸袋の位置情報については、車両が到着する毎に、その都度、作成記憶するものである。これは、乗降客の陰になって戸袋が見えない虞があるからである。
再び、停車及びドア開閉判定用基礎情報の設定方法の説明図(図19)に戻って、左側ドアの部分テンプレート24、右側ドアの部分テンプレート25、及び左側戸袋全開時の部分テンプレート26を作成するためには、それぞれ専用の探索枠24a,25a,26aを使用する。先ず、左側ドアの部分テンプレート24の作成のためには、左側ドアの探索枠24aを左側ドア位置を代表する部分(この例では、左側ドア端縁線21)に沿って移動させながら、最も図形的特徴が顕著な部分を探して位置決めし、探索枠24aに囲まれる画像を抽出すると共に、これを適宜に整形処理(エッジ検出、二値化、ノイズ除去等々)することで、左側ドアの部分テンプレート24を得ることができる。同様に、右側ドアの部分テンプレート25の作成のためには、右側ドアの探索枠25aを右側ドア位置を代表する部分(この例では、右側ドア端縁線18)に沿って移動させながら、最も図形的特徴が顕著な部分を探して位置決めし、探索枠25aに囲まれる画像を抽出すると共に、これを適宜に整形処理(エッジ検出、二値化、ノイズ除去等々)することで、右側ドアの部分テンプレート25を得ることができる。さらに、左側戸袋全開時の部分テンプレート26を作成するためには、左側戸袋の探索枠26aを左側戸袋位置を代表する部分(この例では、左側戸袋線22)に沿って移動させながら、最も図形的特徴が顕著な部分を探して位置決めし、探索枠26aに囲まれる画像を抽出すると共に、これを適宜に整形処理(エッジ検出、二値化、ノイズ除去等々)することで、左側戸袋全開時の部分テンプレート26を得ることができる。
次に、上述のドア開閉判定用基礎情報の存在を前提として、ドア開閉情報の生成及び出力処理(ステップ409)の詳細について説明する。
ドア開閉情報の生成及び出力処理(ステップ409)の詳細フローチャートが図6に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、情報処理装置3に組み込まれた記憶装置の所定記憶部(図13参照)から、判別された型式(Model−k)と対応する左側ドアの部分テンプレート(DTPkL)及び左側ドアの部分テンプレート(DTPkR)を読み出したのち、ドア開・開始監視処理(ステップ501)を、ドア開・開始が検出されるまで(ステップ502NO)、継続する。
ドア開・開始監視処理(ステップ501)の詳細が図7に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、判別された型式(Model−k)に対応する左右ドア用の部分テンプレート(DTPkL,DTPkR)と一致する左右ドアの画像部分(G1Lx,G1Rx)を停車中に得られる画像中において所定の探索枠を用いて探索する処理(ステップ601)が実行される。この探索処理(ステップ601)が実行される結果、図20に示される停車中の画像において、ドア閉状態における左ドア端縁線21を含む部分(G1Lx)及び右ドア端縁線18を含む部分(G1Rx)がそれぞれ検出されることとなる。
続いて、探索された画像部分(G1Lx,G1Rx)の位置情報を左右ドアの現在位置情報(P1Lx,P1Rx)として求める処理(ステップ602)が実行される。この処理(ステップ602)によって、左右ドアの開閉判断の基準となる現在位置情報がそれぞれ求められることとなる。
続いて、こうして求められた現在位置情報(P1Lx,P1Rx)から左右ドアの距離(DL)を求める処理(ステップ603)が実行される。ここで言う距離とは、左右ドアの開動作が検知できればよいのであるから、必ずしも、車両の進行方向に沿った距離でなくともよく、例えば、X軸に沿った水平方向の距離であってもよいであろう。
続いて、左右ドアの距離(DL)が増加したか否かを判定する処理(ステップ604)が実行される。つまり、この判定処理(ステップ604)では、距離(DL)をドア閉時の初期値と比較して、それらの偏差がドア開・開始時に相当する所定の基準値を超えたか否かを判定することとなる。ここで、距離(DL)が増加するとは、図22に矢印で示されるように、左側ドアの端縁線21と右側ドアの端縁線18とが互いに離隔することに相当する。
判定処理(ステップ604)において、左右ドアの距離(DL)が増加したと判定されると(ステップ604YES)、ドア開・開始の検出と記憶する処理(ステップ605)を実行したのち、処理は終了するのに対して、左右ドアの距離(DL)が増加していないと判定されると(ステップ604NO)、記憶処理(ステップ605)はスキップされたのち、処理は終了する。
図6に戻って、記憶処理(ステップ605)の実行により、ドア開・開始検出と判定されると(ステップ502YES)、続いて、ドア開・開始信号の生成出力処理(ステップ503)を実行する。この生成出力処理が実行されると、情報処理装置3からプラットホーム上の可動柵ドアの開閉制御部(図示せず)に対して、所定の信号形態を有するドア開・開始信号が出力される。
次に、ドア閉・開始監視処理(ステップ504)への移行が行われる。ドア閉・開始監視処理(ステップ504)の詳細が図8に示されている。同図において、処理が開始されると、判別された型式(Model−k)に対応する左側戸袋全開時の部分テンプレート(PTP0k)(図13参照)と一致する戸袋画像部分(GPx)を探索する処理(ステップ701)が実行される。
続いて、戸袋記憶フラグが"1"(戸袋記憶完了)又は"0"(戸袋記憶未了)を確認したのち、これが"0"であった場合に限り、左側戸袋の位置情報の記憶処理、すなわち探索された戸袋画像部分(GPx)の位置情報(PP0kx)を取得して記憶させ、しかるのち戸袋記憶フラグを"1"にセットする処理(ステップ703,704)が実行される。ここで、左側戸袋の位置情報の記憶とは、図23の例において、左戸袋線22の位置を記憶することに相当する。
続いて、左ドアの位置情報を記憶する処理が実行される。この処理は、判別された型式(Model−k)に対応する左ドア用の部分テンプレート(DTPkL)と一致する左ドアの画像部分(G1Lxを探す処理(ステップ705)と、探索された画像部分(G1Lx)の位置情報(P1Lx)を求める処理(ステップ706)とから構成される。ここで、探索された画像部分の位置情報の取得とは、図23の例において、左ドア端縁線21の位置を取得することに相当する。なお、図において部号28は、車両に乗り込もうとする人である。
続いて、上で記憶された左側戸袋の位置情報(PP0kx)と上で求められた左ドアの位置情報(P1Lx)とから、左側戸袋と左側ドアとの距離(PDL)を求める処理(ステップ707)が実行される。ここで言う距離とは、左ドアの閉動作が検知できればよいのであるから、必ずしも、車両の進行方向に沿った距離でなくともよく、例えば、X軸に沿った水平方向の距離であってもよいであろう。
続いて、左側戸袋と左側ドアとの距離(PDL)が増加したか否かを判定する処理(ステップ708)が実行される。つまり、この判定処理(ステップ708)では、距離(PDL)をドア全開時の初期値と比較して、それらの偏差がドア閉・開始時に相当する所定の基準値を超えたか否かを判定することとなる。ここで、距離(PDL)が増加するとは、図24に矢印で示されるように、左戸袋線22と左ドア端縁線21とが互いに離隔することに相当する。
判定処理(ステップ708)において、左戸袋と左ドアとの距離(PDL)が増加したと判定されると(ステップ708YES)、ドア閉・開始の検出と記憶する処理(ステップ709)を実行したのち、処理は終了するのに対して、左戸袋と左ドアとの距離(PDL)が増加していないと判定されると(ステップ708NO)、記憶処理(ステップ709)はスキップされたのち、処理は終了する。
図6に戻って、記憶処理(ステップ709)の実行により、ドア閉・開始検出と判定されると(ステップ505YES)、続いて、ドア閉・開始信号の生成出力処理(ステップ506)を実行する。この生成出力処理が実行されると、情報処理装置3からプラットホーム上の可動柵ドアの開閉制御部(図示せず)対して、所定の信号形態を有するドア閉・開始信号が出力される。
続いて、ドア再開扉監視処理(ステップ507)への移行が行われる。ドア再開扉監視処理(ステップ507)の詳細が図9に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、判別された型式(Model−k)に対応する左右ドア用の部分テンプレート(DTPkL,DTPkR)と一致する左右ドアの画像部分(G1Lx,G1Rx)を探索する処理(ステップ801)が実行される。この探索処理(ステップ801)が実行される結果、左ドア端縁線21を含む部分(G1Lx)及び右ドア端縁線18を含む部分(G1Rx)がそれぞれ検出されることとなる。
続いて、探索された画像部分(G1Lx,G1Rx)の位置情報を左右ドアの現在位置情報(P1Lx,P1Rx)として求める処理(ステップ802)が実行される。この処理(ステップ802)によって、左右ドアの開閉判断の基準となる現在位置情報がそれぞれ求められることとなる。
続いて、こうして求められた現在位置情報(P1Lx,P1Rx)から左右ドアの距離(DL)を求める処理(ステップ803)が実行される。ここで言う距離とは、左右ドアの開動作が検知できればよいのであるから、必ずしも、車両の進行方向に沿った距離でなくともよく、例えば、X軸に沿った水平方向の距離であってもよいであろう。
続いて、左右ドアの距離(DL)が減少から増加へ転じたか否かを判定する処理(ステップ804)が実行される。つまり、この判定処理(ステップ804)では、今回と前回とで距離(DL)を比較して、それらの偏差がドア再開扉時に相当する所定の基準値を超えたか否かを判定することとなる。
判定処理(ステップ804)において、左右ドアの距離(DL)が減少から増加へ転じたと判定されると(ステップ804YES)、ドア再開扉の検出と記憶する処理(ステップ805)を実行したのち、処理は終了するのに対して、左右ドアの距離(DL)が増加していないと判定されると(ステップ804NO)、記憶処理(ステップ805)はスキップされたのち、処理は終了する。
図6に戻って、記憶処理(ステップ805)の実行により、ドア再開扉検出と判定されると(ステップ508YES)、ドア開・開始信号の生成出力処理(ステップ503)へ戻って、情報処理装置3からプラットホーム上の可動柵ドアの開閉制御部(図示せず)に対して、所定の信号形態を有するドア開・開始信号が出力したのち、以後、一連の処理(ステップ503、504、505、506、507、508)を繰り返し、ドア再開扉が検出されない場合には(ステップ508NO)、ドア閉・完了監視処理(ステップ509)への移行が行われる。
ドア閉・完了監視処理(ステップ509)の詳細が図10に示されている。同図において、処理が開始されると、先ず、判別された型式(Model−k)に対応する左右ドア用の部分テンプレート(DTPkL,DTPkR)と一致する左右ドアの画像部分(G1Lx,G1Rx)を探索する処理(ステップ901)が実行される。この探索処理(ステップ901)が実行される結果、左ドア端縁線21を含む部分(G1Lx)及び右ドア端縁線18を含む部分(G1Rx)がそれぞれ検出されることとなる。
続いて、探索された画像部分(G1Lx,G1Rx)の位置情報を左右ドアの現在位置情報(P1Lx,P1Rx)として求める処理(ステップ902)が実行される。この処理(ステップ902)によって、左右ドアの開閉判断の基準となる現在位置情報がそれぞれ求められることとなる。
続いて、こうして求められた現在位置情報(P1Lx,P1Rx)から左右ドアの距離(DL)を求める処理(ステップ903)が実行される。ここで言う距離とは、左右ドアの開動作が検知できればよいのであるから、必ずしも、車両の進行方向に沿った距離でなくともよく、例えば、X軸に沿った水平方向の距離であってもよいであろう。
続いて、左右ドアの距離(DL)が、ドア閉・完了時に相当する規定の最小値に達したか否かを判定する処理(ステップ904)が実行される。
判定処理(ステップ904)において、左右ドアの距離(DL)がドア閉・完了時に相当する規定の最小値に達したと判定されると(ステップ904YES)、ドア閉・完了と記憶する処理(ステップ905)を実行したのち、処理は終了するのに対して、左右ドアの距離(DL)が規定値の最小値には達していないと判定されると(ステップ904NO)、記憶処理(ステップ905)はスキップされたのち、処理は終了する。
図6に戻って、記憶処理(ステップ905)の実行により、ドア閉・完了と判定されると(ステップ510YES)、処理は完了するのに対して、ドア閉・完了と判定されない場合には(ステップ510NO)、先に説明した(ステップ507,508,509)が繰り返し実行され、ドアの再開扉監視、ドア閉・完了監視が行われる。
参考のために、可動柵側の制御例を示すフローチャートを図25に示す。同図に示されるように、可動柵側の制御部(図示せず)においては、常時、監視ユニットからの信号到来を待機する(ステップ1001,1002)。そして、ドア開・開始信号が到来した場合には(ステップ1003YES)、所定のホームドア開動作を実行する(ステップ1004)。また、ドア閉・開始信号が到来した場合には(ステップ1005YES)、所定のホームドア閉動作を実行する(ステップ1006)。また、ドア再開扉信号が到来した場合には(ステップ1007YES)、所定のホームドア再開扉動作を実行する(ステップ1008)。
以上説明した実施形態に係るプラットホームにおける定位置停車支援装置は、プラットホーム7へ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部1(図1参照)と、共用撮像部1から得られる車体前面画像(図18参照)に基づいて、当該車両の型式を示す型式情報(Model−k)を生成する型式情報生成用の画像処理部(図3、図4、図16、図17参照)と、車両の型式とその車両のプラットホームにおける停車予定位置を示す停車予定位置情報とを互いに関連づけて記憶させた停車予定位置情報記憶部(図11参照)と、前記型式情報生成用の画像処理部にて生成される型式情報に基づいて、前記停車予定位置情報記憶部を参照することにより、当該車両の停車予定位置情報を読み出す停車予定位置情報読出部(ステップ401)と、入線する車両が前記停車予定位置情報記憶部から読み出された停車予定位置情報で示される停車予定位置の前後所定範囲内(図14のL2参照)に位置するとき、前記共用撮像部1から得られる画像に基づいて、前記車両の現在位置Pxと前記停車予定位置(P01〜P02)との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成用の画像処理部(図5参照)と、位置関係情報生成部で生成された前記相対的位置関係を示す情報を、前記車両の運転者に視覚を介して伝達する位置関係情報伝達部(図14、図15参照)とを包含するものである。
そのため、プラットホーム7に入線する車両の型式は、プラットホームへ入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置された共用撮像部1と前記共用撮像部から得られる車体前面画像に基づいて当該車両の型式を示す型式情報を生成する型式情報生成用の画像処理部(図3、図4)とからなる型式判別部により自動的に判別される。この自動判別された車両型式に適合した停車予定位置情報が停車予定位置情報記憶部(図11参照)から読み出される。この停車予定位置情報で示される停車予定位置近傍の前後所定範囲内に車両が位置するとき、前記車両の現在位置と前記停車予定位置情報で示される停車予定位置との相対的位置関係を示す情報が生成され、この情報が車両の運転者に視覚を介して伝達される(図14、図15参照)。
その結果、この実施形態に係る装置によれば、その型式の違いが車体前面の外観形態に現れる限り(図16、図17参照)、車両の型式を自動的に判別することで、車両型式の如何に拘わらず、車両運転者に対して、定位置停車に必要な情報を的確に伝達することができ、しかも車上装置側には何らの設備投資も不要であることから、既存の鉄道システムを前提とした場合にも、比較的に低コストで即座に導入することが可能なプラットホームにおける定位置停車支援装置を提供することができる。
また、この実施形態においては、前記停車予定位置(L1参照)が、当該車両が前記停車予定位置に停車すると、車両側ドア位置と可動柵側ドア位置とが整合するようにして決定され、さらに前記共用撮像部1から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部(ステップ409)を有するものであるため、伝達される相対位置情報(図15参照)を参考として、運転者が適当な停止操作を行って、停止予定位置へと車両を導けば、当該車両の各ドア位置とプラットホーム可動柵の各ドア位置とは、ひとりでにぴったりと一致することとなり(図23、図24参照)、その状態において、ドア開閉状態監視部の作用により車両ドアの開閉が監視されて、ドア開閉状態信号が生成出力され(図6〜図10参照)、このドア開閉状態信号に基づいて可動柵側のドアは開閉制御されることとなる(図25参照)。そのため、車両側から可動柵側へと無線通信媒体を介して車両ドアの開閉を知らせる場合のように、車載器側に送受信設備を配置する必要がなく、この点からも、既存の鉄道システムに対する導入が容易となる。
加えて、この実施形態に係る装置によれば、ドア開閉状態監視部は、前記共用撮像部1から得られる画像に基づいて、前記ドア開閉状態信号を生成するドア開閉状態監視用の画像処理部(図6〜図10参照)によるものであるから、車両の型式判別と車両のドア開閉監視とに撮像部を共用することで、システム全体の構成を簡素化することもできる。
さらに、この実施形態に係る装置においては、前記型式情報生成用の画像処理部が、車両の型式とその車両が所定の走行位置にあることが検知されたときに前記共用撮像部から得られる車体前面全体画像に相当する全体画像テンプレートとを互いに関連づけて記憶させた画像テンプレート記憶部(図12(a)参照)と、入線車両が前記所定の走行位置にあることが検知されたときに、前記共用撮像部から得られる車体前面全体画像を、前記画像テンプレート記憶部に記憶された全体画像テンプレートと照合することにより、前記入線車両に対応する型式候補を抽出する型式候補抽出部(ステップ302)とを包含する、ものであるから、共用撮像部からの画像取得タイミングを車両が所定の走行位置にあるときと関連づけるとともに(ステップ203参照、図18参照)、取得された画像から車体型式を判別するための画像処理に際して、いわゆるテンプレートマッチング手法を採用したことにより(図16参照)、比較対象となる画像テンプレートを適切に用意するだけで、各車両の型式を精度よく短時間で判別することが可能となるほか、比較対象となる車両を実際に走行させることで、サンプルされた車体前面画像から適切な画像テンプレートを簡単に作成することもできる。
このとき、前記画像テンプレート記憶部には、前記全体画像テンプレートにおいて互いに類似する複数の型式候補に関しては、それらに共通する特定部分についての部分画像テンプレートが追加的に記憶されており(図12(b)参照)、前記共用撮像部1から得られる入線車両の車体前面画像の前記特定部分の画像を、前記画像テンプレート記憶部に記憶された部分画像テンプレート(TP11〜TPnm)と照合することにより、前記入線車両に対応する型式候補を絞り込む型式候補絞込部(ステップ305、図17参照)をさらに含む、ものであるから、例えば、特定の車両型式に固有の形態的な特徴を含む部分画像テンプレートを複数種用意して、全体画像同士では類似すると認められる複数の全体画像をさらに部分領域毎に比較することで、特定の1の型式への絞り込みを可能とすることができる。しかも、前記部分画像テンプレートは、前記車体前面全体画像の中央部にあって車体の正面ドアに対応する縦長長方形状を有する部分検知枠10から取り出された部分画像に対応するものであるから、特定の1の型式への絞り込みを有効に実現することができる(図17参照)。
さらに、前記車両が所定の走行位置にあることは、レールとほぼ直交する線路検知枠13から線路が見えなくなったことにより検知される、ものであるから、線路上や線路脇に別途車両到来センサを配置せずとも、型式判別対象となる車両が所定位置に到来したことを、簡単な画像処理により確実に検知することができる。
また、この実施形態に係る装置は、前記位置関係情報生成用の画像処理部が、前記車両が前記停車予定位置にあるときに前記共用撮像部から得られる車体側面画像中の車体位置を代表する車体基準部分(例えば、閉したドアの中心線部分)の位置情報を停車予定位置情報として記憶させた停車予定位置情報記憶部(図19参照)と、前記車体基準部分の図形的特徴情報を記憶させた停車判定用の図形的特徴情報記憶部(図11参照)と、車両がプラットホームへ入線するときに、前記共用撮像部1から得られる車体側面画像中において、前記停車判定用の図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記車体基準部分を探索し、その位置情報を前記車両の現在位置情報として取得する車両現在位置情報取得部(ステップ404)と、前記停車予定位置情報記憶部に記憶された停車予定位置情報と前記車両現在位置情報取得部で取得された現在位置情報とに基づいて、前記車両の現在位置と前記停車予定位置との相対的位置関係を示す情報を生成する位置関係情報生成部(ステップ405,406,407,410)とを包含する、ものである。
そのため、車体側面の画像中に含まれる特定の図形的特徴情報に基づいて定められた車体基準部分の位置情報に基づいて、車両の停車予定位置及び車両の現在位置を特定するとともに、それらの特定された位置情報に基づいて、停車予定位置と現在位置との相対的な位置関係を示す情報を生成するものであるから、各車体に合わせて画像的特徴情報を記憶してさえおけば、画像内における位置特定処理や距離測定処理などをおこなうだけで、停車予定位置と現在位置との相対的な位置関係(例えば、停車予定位置の手前、停車予定位置の通過、停車予定位置の真上、等々)を示す情報を容易に取得することができる。
なお、図示例においては、図形的特徴情報として、特徴的な画像部分をその画素配列模様(パターン)そのものを整形して得られる部分テンプレートとして記憶させたが、これに変えて、特徴的な画像部分をさらに特定部分の個数、傾き、その他の画像的な特徴に変換して、圧縮記憶すれば、記憶容量の節減に繋がることは言うまでもない。
また、この実施形態に係る装置によれば、前記ドア開閉状態監視用の画像処理部が、左右ドアの位置をそれぞれ代表する左右ドアの基準部分の図形的特徴情報をそれぞれ記憶させたドア開判定用の図形的特徴情報記憶部(図13参照)と、前記車両の停車が確認されたのち、前記共用撮像部から得られる車体側面画像中において、前記ドア開閉判定用の図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記左右ドアの基準部分をそれぞれ探索し、それら左右ドアの基準部分の位置情報を左右ドアの現在位置情報として取得する左右ドア現在位置情報取得部(ステップ602)と、前記左右ドア現在位置情報取得部で取得された左右ドアの現在位置情報に基づいて、前記左側ドアの基準部分と前記右側ドアの基準部分とが互いに離隔すると判定されたとき、前記ドア開閉状態信号として、ドアの開動作が開始されたことを示すドア開・開始タイミング信号を生成するドア開・開始タイミング信号生成部(ステップ603,604,605,502,503)とを含む、ものである(図6、図7参照)。
そのため、車体側面の画像中に含まれる左右ドアの基準部分の図形的特徴情報に基づいて定められた左右ドアの基準部分の位置情報に基づいて、左右ドアの現在位置を特定するとともに、それらの特定された位置情報に基づいて、左右ドアが閉状態から開状態へと変化したことを検知して、ドア開・開始タイミング信号を生成するものであるから、左右ドアに合わせて画像的特徴情報を記憶してさえおけば、画像内における位置特定処理や距離測定処理などを実行するだけで、ドアの開動作が開始されたことを示すドア開・開始タイミング信号を適切なタイミングで生成出力することができる。
また、この実施形態に係る装置によれば、前記ドア開閉状態監視用の画像処理部が、停車状態かつドア全開状態における戸袋の位置を代表する戸袋の基準部分の図形的特徴情報を記憶させた戸袋の図形的特徴情報記憶部(図13参照)と、前記戸袋に収容されるべきドアの位置を代表するドアの基準部分の図形的特徴情報を記憶させたドアの図形的特徴情報記憶部(図13参照)と、前記戸袋の図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記戸袋の基準部分を探索し、その基準部分の位置情報を戸袋の初期位置情報として取得する戸袋の初期位置情報取得部(ステップ701〜704参照)と、前記取得された戸袋の初期位置情報を記憶する戸袋の初期位置情報記憶部(図13参照)と、前記ドアの図形的特徴情報記憶部に記憶された図形的特徴情報を使用した照合処理により前記ドアの基準部分を探索し、その基準部分の位置情報をドアの現在位置情報として取得するドアの現在位置情報取得部(ステップ705,706参照)と、前記戸袋の初期位置情報記憶部に記憶された戸袋の初期位置情報と前記ドアの現在位置情報取得部で取得されたドアの現在位置情報とに基づいて、前記戸袋の基準部分と前記ドアの基準部分とが離隔すると判定されたとき、前記ドア開閉状態信号として、ドアの閉動作が開始されたことを示すドア閉・開始タイミング信号を生成するドア閉・開始タイミング信号生成部(ステップ707,708,709,710,505,506参照)とを含む、ものである。
そのため、車体側面の画像中に含まれる、停車状態かつドア全開状態における戸袋の位置を代表する戸袋の基準部分の図形的特徴情報、及び前記戸袋に収容されるべきドアの位置を代表するドアの基準部分の図形的特徴情報に基づいて定められた、戸袋及びドアの基準部分の位置情報により、戸袋及びドアの現在位置を特定するとともに、それらの特定された位置情報に基づいて、戸袋とドアとが離隔し始めたことを検知して、ドア閉・開始タイミング信号を生成するものであるから、戸袋及びドアに合わせて画像的特徴情報を記憶しておきさえすれば、画像内における位置特定処理や距離測定処理などを実行するだけで、ドアの閉動作が開始されたことを示すドア閉・開始タイミング信号を適切なタイミングで生成出力することができる(図23,24参照)。殊に、この例にあっては、戸袋位置を車両が到着する毎に記憶しておくため、戸袋線22が乗降客28の陰となって見えなくとも、ドアの端縁線21さえ検出できれば、ドアの閉・開始のタイミングを確実に検知し、可動柵側の制御部へとその旨の信号を送出することができる。
また、この実施形態に係る装置によれば、前記共用撮像部1が、可動柵4よりも線路側のプラットホーム7a上にあって、入線する車両をその斜め前方より撮影可能に配置されているため、プラットホーム上の乗客に邪魔にならないデッドスペースを利用して共用撮像部を配置するとともに、入線する車両をその斜め前方より撮影して、車両の前面及び側面を有効に撮影することができる。加えて、このとき、前記共用撮像部が、最後尾車両の最後部ドアに対応する可動柵ドアの付近に配置されているため、入線する車両の型式をいち早く判別することができる。