JP6402524B2 - 排ガス処理方法及び排ガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機性可燃物の焼却時に発生する排ガスを湿式洗浄するとともに、湿式洗浄によって発生する有害物含有排水を生物処理によって浄化し、副産物として油脂を生産する、排ガス処理方法及び排ガス処理装置に関する。
都市ごみや下水汚泥などの有機性可燃物を燃焼させる際に発生する排ガスには、煤塵、硫黄酸化物、塩素酸化物、及び窒素酸化物などの有害性物質が含まれている。しかしながら、これらの有害性物質を一度に効率よく除去できる万能処理方法は現在のところ存在せず、煤塵を除去するためのバグフィルタや電気集塵機、硫黄酸化物や塩素酸化物を除去するための湿式洗浄装置(湿式スクラバ)、窒素酸化物を除去するための乾式脱硝装置等を直列に連結して、排ガスを浄化している。
排ガスには、窒素酸化物と共に、アンモニアやシアン化物が含まれている。とりわけ、燃焼用空気が不足した場合や、空気と汚泥の混合が不十分であった場合には、酸素不足により、排ガス中にアンモニアやシアンが高濃度で含まれる。排ガス処理装置の前段に設けられた湿式洗浄装置では、アンモニア、シアン、及び窒素過酸化物が水に溶けて有害物含有排水となり、NOは水に溶けないため湿式洗浄装置を通過する。NOは、排ガス処理装置の後段に設置された、触媒反応を利用する乾式脱硝装置によって除去される。特許文献1及び2には、NOの乾式脱硝に係る発明が開示されている。
一方、アンモニア、シアン、及び窒素過酸化物を含む、前記有害物含有排水は、化学処理又は生物処理によって浄化される。特許文献3には、焼却炉排ガスを湿式処理するスクラバから排出されたスクラバ排水をpH5〜10の範囲において酸化剤の存在下で二酸化マンガンを触媒にして酸化処理する、スクラバ排水の処理方法が開示されている。
特開平10−128065号公報 特開2009−183827号公報 特開平11−165180号公報
しかしながら、前記有害物含有排水の排水処理について、例えば、特許文献3に記載された化学処理では、次亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、又はオゾン等の酸化剤を投入する必要があり、環境への影響などを総合的に判断すると、好ましいものではない。一方、従来の生物処理では、副産物として活性汚泥が発生するが、この活性汚泥は再利用の価値が乏しく、最終的には焼却処理することになり、不経済な排ガス処理方法になっていた。
よって、本発明の目的は、有機性可燃物の焼却時に発生する排ガスを湿式洗浄するとともに、湿式洗浄によって発生する有害物含有排水を生物処理によって浄化し、副産物として油脂を生産する、排ガス処理方法及び排ガス処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排ガス処理方法は、有機性可燃物の焼却時に発生する排ガスに、水又は海水を接触させて、排ガス中の有害物を水又は海水に溶解させて除去し、それによって得られる有害物含有排水を栄養源として、油脂を生成蓄積する能力を有する従属栄養性藻類を培養することにより、前記有害物含有排水を浄化するとともに、前記従属栄養性藻類に油脂を蓄えさせ、前記培養によって油脂を蓄えた前記従属栄養性藻類を固液分離して回収することを特徴とする。
また、本発明の排ガス処理方法は、前記固液分離された前記従属栄養性藻類から、更に前記油脂を回収することができる。
また、本発明の排ガス処理方法は、前記従属栄養性藻類は、オーランチオキトリウム属、パリエチキトリウム属、シゾキトリウム属、スロストキトリウム属から選ばれた1種又は複数種であることが好ましい。
また、本発明の排ガス処理方法は、前記有害物含有排水のpHが4〜8となるようにpH調整して、前記従属栄養性藻類の培養を行うことが好ましい。
また、本発明の排ガス処理方法は、前記有害物含有排水のC/N比が1〜40となるように有機性排水を加えて、前記従属栄養性藻類の培養を行うことが好ましい。
本発明の排ガス処理装置は、有機性可燃物の焼却時に発生する排ガスに、水又は海水を接触させて、排ガス中の有害物を水又は海水に溶解させて除去する湿式洗浄装置と、前記湿式洗浄装置で得られる有害物含有排水を栄養源として、油脂を生成蓄積する能力を有する従属栄養性藻類を培養することにより、前記有害物含有排水を浄化するとともに、前記従属栄養性藻類に油脂を蓄えさせるための排水処理槽と、前記培養によって油脂を蓄積した従属栄養性藻類を回収する固液分離装置を備えることを特徴とする。
本発明の排ガス処理装置は、前記油脂を蓄積した前記従属栄養性藻類から、更に前記油脂を回収する油脂回収装置を備えることができる。
本発明の排ガス処理装置の前記排水処理槽は、水素イオン濃度計と、該水素イオン濃度計によって求められるpHに応じてpH調整剤を供給するpH調整装置とを備えることができる。
本発明の排ガス処理装置の前記排水処理槽は、C/N比を調整するための有機性排水供給装置を備えることができる。
本発明によれば、有機性可燃物の焼却時に発生する排ガスを湿式洗浄すると共に、湿式洗浄によって発生する有害物含有排水を生物処理によって浄化し、副産物として油脂を生産することができる。
本発明の一実施形態に係る排ガス処理装置の概略構成図である。
まず、本発明において有害物含有排水の生物処理に用いる、油脂を生成蓄積する能力を有する従属栄養性藻類について説明する。
本発明の従属栄養性藻類は、光合成を行なわず、水中の有機化合物を栄養素として成長し、油脂を効率的に生産して藻類体内に蓄積することができる。具体的には、オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属に属する微生物、パリエチキトリウム(Parietichytrium)属に属する微生物、シゾキトリウム(Schizochytrium)属に属する微生物、スロストキトリウム(Thraustochytrium)属に属する微生物から選ばれた1種又は複数種を用いることができる。
ここに列挙した従属栄養性藻類は、淡水でも培養できるが、いずれも好塩性で、塩濃度が6%でも生育できる。海水の塩濃度は3〜3.5%であることから、海水を培養液として利用することができる。
オーランチオキトリウム属に属する微生物は、列挙した中では澱粉、セルロース及びタンパク質の分解能力において劣るが、人工海水50%を含有するLB培地上では2〜6時間で倍化し、上記4種のうち増殖速度では突出している。
ここで、「人工海水」とは、塩化ナトリウム3.0w/v%、塩化カリウム0.07w/v%、塩化マグネシウム1.08w/v%、硫酸マグネシウム0.54w/v%、塩化カルシウム0.1w/v%の組成の水溶液のことである。
オーランチオキトリウム属に属する微生物は、単体で培養してもよいが、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等を分泌する微生物と共に培養すると、前記酵素によって水中の有機化合物を分解が促進され、高効率で油脂を生産することができる。一方、オーランチオキトリウム属に属する微生物は、藻類体サイズ30〜100μmに対して、細胞壁の厚さは2〜3μmと薄く、例えば圧搾によって細胞壁を壊して油脂を取り出すこともできるが、有機溶媒抽出法によって低コストで効率的に油脂を回収することができる。藻類株としては、例えばオーランチオキトリウムNBRC102614、NBRC103268、NBRC103269等を用いることができる(NBRCの番号が付された藻類株は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構から分譲を受けることが可能である。以下同様)。このうち、オーランチオキトリウムNBRC102614は、倍化時間が短く、油脂含有率が高いことから、本発明の排ガス処理方法においては、特に好ましい。
パリエチキトリウム属に属する微生物は、タンパク質や澱粉、セルロースを分解する酵素を分泌して、水中の有機化合物を分解することができる。ただし、上記培地での倍化時間は3〜8時間で、増殖速度はオーランチオキトリウム属よりも劣る。藻類体サイズ20〜30μmに対して、細胞壁の厚さは2〜3μmと薄く、油脂は上記と同様の方法によって容易に回収できる。藻類株としては、例えばパリエチキトリウム NBRC104108、NBRC102984等を用いることができる。
シゾキトリウム属に属する微生物は、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素を分泌して水中の有機化合物を分解することができ、特に澱粉の分解に優れる。ただし、上記培地での倍化速度は8〜24時間と遅い。藻類体サイズ20〜30μmに対して、細胞壁の厚さは4〜6μmと薄く、油脂は上記と同様の方法によって容易に回収できる。藻類株としては、シゾキトリウムATCC20888、ATCC20889、ATCC28209(ATCCの番号が付された藻類株は、American Type Culture Collectionから分譲を受けることが可能である。以下同様)、又はMYA-1391(同じくATCCより分譲を受けることが可能)を用いることができる。
スロストキトリウム属に属する微生物は、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素を分泌して水中の有機化合物を分解することができ、特にタンパク質の分解に優れる。ただし、上記培地での倍化速度は24時間と非常に遅い。藻類体サイズは30〜100μmに対して細胞壁の厚さが20〜30μmと厚く、油脂を抽出するには、藻類体を破砕した後に有機溶媒による抽出が必要である。藻類株としては、スロストキトリウムATCC18907、ATCC20890、ATCC20891、ATCC20892、ATCC24473、ATCC26185、ATCC28210、ATCC34304等を用いることができる。
次に、本発明の排ガス処理装置について、図1を用いて、以下に詳しく説明する。
図1に示された本発明の排ガス処理装置は、有機性可燃物を焼却するための焼却装置1と、焼却装置1から排出される排ガスに水又は海水を接触させて有害物含有排水を得るための湿式洗浄装置2と、前記有害物含有排水を栄養源とする従属栄養性藻類を培養し、前記従属栄養性藻類の生物処理によって前記有害物含有排水を浄化するための排水処理槽3と、前記培養によって藻類体内に油脂を蓄積した従属栄養性藻類を回収する固液分離装置4から構成されている。排水処理槽3には、水素イオン濃度計5と、水素イオン濃度計5によって求められるpHに応じてpH調整剤を供給するpH調整装置6が設置されている。また、排水処理槽3には、有機性排水を供給してC/N比を調製するための、有機性排水供給装置7が接続されている。また、排水処理槽3には、前記従属栄養藻類を導入するための藻類培養タンク9が接続されている。固液分離装置4には、固形分として回収された前記従属栄養性藻類から、油脂を回収する油脂回収装置8が設置されている。また、図示はしていないが、前記C/N比を測定するために、C/N比分析装置を付属させることができる。
以上は、プロセス変動にも対処できる排ガス処理装置の設備構成を述べたものであるが、プロセスが安定している場合は、一部の設備を省略して運用することができる。
例えば、焼却装置1において焼却処理される有機性可燃物の組成に変動がなく、その処理量も一定ならば、湿式洗浄装置2から排出され排水処理槽3に供給される有害物含有排水のpHが大きく変動する可能性は低いため、水素イオン濃度計5及びpH調整装置6を省略し、必要に応じて人手でpH調整してもよい。
また、湿式洗浄装置2で使用される洗浄液に有機化合物が含まれ、従属栄養性藻類の生育に必要とされるC/N比が確保されているならば、有機性排水供給装置7を省略することができる。
また、油脂回収装置8は、必ずしも固液分離装置4と同じ敷地内に設置する必要はない。例えば、油脂回収装置8を独立させて、別の場所に設置し、固液分離された従属栄養性藻類を含む汚泥を、そこまで運搬して処理することができる。
以下、本発明の排ガス処理装置において使用される、各装置の詳細について説明する。
図1において、本発明の排水処理設備で使用される焼却装置1は、特に限定されず、地方自治体が回収した都市ごみの焼却炉、産業廃棄物焼却炉、下水処理場における活性汚泥の焼却炉、石油化学プラントの廃ガス燃焼炉、鉱石焙焼炉、溶鉱炉、セメント焼成窯、火力発電所ボイラー、船舶ボイラー等であってもよい。
本発明の排ガス処理装置で使用される湿式洗浄装置2は、特に限定されず、スプレー塔、充填塔、バブリング塔、ベンチュリースクラバ、サイクロン等を用いることができる。洗浄液として、通常は淡水が用いられるが、海水を用いてもよい。また、排ガスに含まれる有害物質の吸収効率を高めるため、中和剤又は吸収剤を混入することができる。例えば、湿式洗浄装置2が、排煙脱硫を目的とする洗浄装置として用いられる場合は、石灰石粉末を水に懸濁させた石灰石スラリーが用いられ、硫酸イオンは石膏となって固液分離され、上澄み液を有害物含有排水として排水処理槽3に送り、生物処理することができる。
本発明の排ガス処理装置で使用される排水処理槽3は、特に限定されず、曝気槽と呼ばれる、散気機構を備えた水槽又はタンクを用いることができる。本発明で排水処理に供されるオーランチオキトリウム属、パリエチキトリウム属、シゾキトリウム属、及びスロストキトリウム属に属する従属栄養性藻類は好気性であるため、空気又は酸素を液中に散気し、前記微生物を活性化させて、有害物含有排水を生物処理することができる。
曝気槽は、単槽で用いてもよいが、複数個の曝気槽を直列に連結した多段連続槽式を採用することもできる。単槽での連続操作は、槽内が完全混合状態にあるために、有害物の一部が浄化水と混じり排出されるので、浄化効率は高くない。多段連続槽式にすれば、段階的に有害物含有量を減らして、浄化度の高い浄化水を得ることができる。
また、本発明の排水処理はオキシデ―ションディッチ法でもよい。この場合、排水処理槽3として、ローターを備えた長円形、円形又は馬蹄形の循環水路を使用する、オキシデ―ションディッチ法によれば、流入水量が変動する場合でも、安定した排水処理を行うことができる。
本発明の排ガス処理装置で使用される固液分離装置4は、特に限定されず、横流式沈殿槽、中心駆動円形沈殿槽、循環型沈殿槽、傾斜板沈殿槽、高速加圧浮上槽を用いることができる。
また、本発明の排ガス処理装置で使用される固液分離装置4は、更に従属栄養性藻類のフロックを脱水するための脱水機と、脱水した従属栄養性藻類のケーキを乾燥するための乾燥機とを備えることができる。脱水機は、特に限定されず、真空ろ過器、遠心脱水機、ベルトプレス、スクリュープレス等を用いることができる。乾燥機は、特に限定されず、ベルト式熱風乾燥機等を使用することができる。
本発明の排ガス処理装置で使用される水素イオン濃度計5は、電子式の市販のものを用いることができる。
本発明の排ガス処理装置で使用されるpH調整装置6は、pH調整剤を貯留するタンクであって、自動又は手動によってバルブV1を開閉し、pH調整剤を排水処理槽3に注ぐことができる。酸性のpH調整剤としては硫酸、塩酸、りん酸、酢酸、硝酸等を用いることができ、アルカリ性のpH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、海水等を用いることができる。
本発明の排ガス処理装置で使用される有機性排水供給装置7は、有機性排水を貯留する水槽又はタンクであって、自動又は手動によってバルブV2を開閉し、有機性排水を排水処理槽3に注ぐことができる。有機性排水は、特に限定されず、下水、産業排水、又は人工的に調製された培養液等を用いることができる。
本発明の排ガス処理装置で使用される油脂回収装置8は、特に限定されず、従属栄養性藻類の細胞壁を破壊する装置と、抽出溶媒を用いる油脂抽出装置と、固液分離装置とを組み合せた、油脂回収装置を用いることができる。従属栄養性藻類の細胞壁を破壊するために、超音波破砕機、ダイノミル等の粉砕機、又は、薬品を用いて化学分解するための撹拌槽型反応器を用いることができる。油脂抽出には、破砕した従属栄養性藻類と抽出溶媒を混練りするための撹拌槽型抽出装置、又は、破砕した従属栄養性藻類に抽出溶媒を通液させて抽出する抽出塔を用いることができる。抽出残渣と抽出液との固液分離には、真空ろ過器、遠心分離機、沈殿槽を用いることができる。
本発明の排ガス処理装置で使用される藻類培養タンク9は、排水処理槽3に従属栄養藻類を適宜供給するための培養タンクであって、従属栄養藻類の生育に適した培養条件に、常に調整されていることが好ましい。
本発明の排ガス処理に用いるオーランチオキトリウム属、パリエチキトリウム属、シゾキトリウム属、及びスロストキトリウム属に属する従属栄養性藻類は、細胞壁が薄いため、細胞壁破壊工程を省略し、浸透性の高い無極性有機溶媒を含む抽出溶媒を用いて直接抽出することもできる。この方法では、油脂回収装置8に、細胞壁破壊装置は含まれない。
なお、本発明の排ガス処理装置で使用される油脂回収装置8には、以上述べた装置の他、抽出液から水分又は有機溶媒を除くために、油水分離器、蒸発濃縮器、蒸留塔を付設することができる。
本発明において、有害物含有排水と有機性排水の混合比を決定するために行う、C/N比分析は、特に限定されず、例えばPregl-Dumas法を基本原理とする炭素、窒素同時定量装置を用いることができる。
以下、本発明の排ガス処理方法について、図1を用いて説明する。
前述したように、焼却装置1は、特に限定されず、地方自治体が回収した都市ごみの焼却炉、産業廃棄物焼却炉、下水処理場における活性汚泥の焼却炉、石油化学プラントの廃ガス燃焼炉、鉱石焙焼炉、溶鉱炉、セメント焼成窯、火力発電所ボイラー、船舶ボイラー等であり、したがって、そこで焼却される有機性廃棄物も様々であるが、焼却装置1から排出される排ガスは、窒素、二酸化炭素、水、酸素のほかに、窒素酸化物、シアン化物、アンモニア、硫黄酸化物、有機塩素化合物、未燃焼有機化合物等の有害物質が含有されている。
本発明の排ガス処理方法において、焼却装置1から排出され、前記有害物を含む排ガスは、湿式洗浄装置2において水又は海水と接触し、有害物質が水又は海水に溶解して有害物含有排水となり、浄化された排ガスは大気に放出される。
排水処理槽3に、湿式洗浄装置2から前記有害物含有排水が供給され、更に有機性排水供給装置7から有機性排水を加えることができる。排水処理槽3は、空気又は酸素によって爆気され、従属栄養性藻類が培養されている。従属栄養性藻類は、有害物含有排水と有機性排水とに含まれる窒素化合物及び有機物を栄養源として育ち、生物処理によって、有害物含有排水と有機性排水を混合した排水を浄化する。同時に、前記従属栄養性藻類は藻類体内に油脂を蓄積する。
排水処理槽3から、浄化された前記排水は、固液分離装置4に送られ、沈殿または浮上分離法によって、浄化水と従属栄養性藻類のフロッグに分離される。浄化水は河川放流となり、従属栄養性藻類のフロッグは排水処理槽3に戻される。
本発明の排ガス処理方法においては、固液分離装置4で分離された従属栄養性藻類のフロッグを脱水処理して、油脂回収装置8に供給することができる。従属栄養性藻類のフロッグ固液分離装置4からの抜き取りは、連続的に行ってもよいが、排水処理槽3における従属栄養性藻類の生育状況及び、従属栄養性藻類の油脂の蓄積状況を見て、間欠的に行うこともできる。
また、上記脱水処理は、運搬コスト低減と、油脂回収装置8における運転負荷低減のために行われ、真空ろ過、遠心脱水、ベルトプレス又はスクリュープレス等による脱水法を適用することができる。更に、脱水した従属栄養性藻類のケーキは、天日乾燥又は熱風乾燥してもよい。
油脂回収装置8では、従属栄養性藻類の細胞壁を破壊した後に、抽出溶媒を用いて油脂を抽出し、抽出液と残渣に固液分離して、油脂を抽出液として回収することができる。
また、別の実施形態として、細胞壁破壊工程は省略し、従属栄養性藻類の乾燥ケーキに、浸透性の高い無極性有機溶媒を含む抽出溶媒を接触させて、直接抽出することができる。前記無極性有機溶媒として、ノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルからなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
回収した抽出液は、水分及び溶媒を分離し、油水分離、蒸発濃縮、蒸留によって、油脂を精製することができる。
次に、排水処理槽3の運転条件について、更に詳しく説明する。
本発明の排ガス処理方法において、オーランチオキトリウム属、パリエチキトリウム属、シゾキトリウム属、スロストキトリウム属から選ばれた1種又は複数種の従属栄養性藻類を用いることができる。ここに挙げた従属栄養性藻類は、排水処理槽3においてpH4〜8の環境で培養することが好ましく、pH5〜7の環境で培養することがより好ましい。pH4未満であると、藻類の生育が阻害されるため好ましくなく、pH8よりも大きいと藻類の油脂が鹸化するため好ましくない。
このため、排水処理槽3に水素イオン濃度計5を設置し、水素イオン濃度計によって求められるpHに応じてpH調整装置6からpH調整剤を供給することが好ましい。pH測定とpH調整は、人手で行ってもよいが、自動にしてもよい。焼却装置1で焼却される有機性可燃物の処理量や組成が変動する場合は、有害物含有排水のpHも変動する。有機性排水供給装置7から供給される有機性排水についても、種々の要因により変動の可能性がある。しかし、排水処理槽3のpH調整を自動制御にすれば、排水処理槽3よりも上流側の負荷変動に拘らず、生物処理を安定化することができる。
また、本発明の排ガス処理方法において、排水処理槽3の液のC/N比は、1〜40であることが好ましく、10〜30であることがより好ましい。C/N比が1未満であると、藻類が藻類体増殖に傾き、油脂生成を行わないため好ましくなく、40よりも大きいと藻類が増殖しないため、油脂を飽和に含んだ藻類体が増加しないで好ましくない。そこで、C/N比は、湿式洗浄装置2から供給される有害物含有排水に、有機性排水供給装置7から有機性排水を加えることによって、調整することができる。C/N比は、例えばPregl-Dumas法を基本原理とする炭素、窒素同時定量装置によって測定できるので、定期的にモニターし、必要に応じて有機性排水を加え、調整することができる。
本発明の排ガス処理方法において、排水処理槽3の水温は、15〜40℃であることが好ましく、20〜35℃であることがより好ましい。水温が15℃未満であると、藻類の活性が著しく低下するため好ましくなく、40℃よりも大きいと藻類が死滅するため好ましくない。必要に応じて、ヒーターで加熱し、排水処理槽3の水温を調整してもよい。
本発明の排ガス処理方法において、排水処理槽3の溶存酸素濃度は、1mg/L〜7mg/Lであることが好ましく、2mg/L〜4mg/Lであることがより好ましい。溶存酸素濃度が1mg/L未満であると、藻類の増殖速度、油脂生成量が低下するため好ましくなく、7mg/Lよりも大きいと曝気動力が大きくなるため好ましくない。
本発明の排ガス処理方法において、排水処理槽3の塩分濃度は、0.1%〜6.0%であることが好ましく、1.0%〜4.0%であることがより好ましい。塩分濃度が0.1%未満であると栄養塩が不足し、藻類が生育できないため好ましくなく、6.0%よりも大きいと培養液の浸透圧が高くなり、藻類の生育を阻害するため好ましくない。必要に応じて、淡水又は海水を加えて、排水処理槽3の塩分濃度を調整してもよい。
本発明の排ガス処理方法において、従属栄養性藻類の増殖及び/又は油脂生産力を高めるため、排水処理槽3に、更に微量栄養塩、ビタミン剤等を加えることができる。
本発明の実施形態について、以下に詳しく説明する。
人工海水(塩化ナトリウム3.0w/v%、塩化カリウム0.07w/v%、塩化マグネシウム1.08w/v%、硫酸マグネシウム0.54w/v%、塩化カルシウム0.1w/v%)を純水で希釈した50%人工海水に、亜硝酸ナトリウム20mg/Lを含有する人工スクラバ排水900mlに、人工下水(BOD1000mg/L、TN50mg/L)100mlを加えて培養液1Lを調製した。
前記培養液に、OD600(吸光度600nm)が0.2となるように、オーランチオキトリウム(藻類株名NBRC102614)を添加し、液温30℃、曝気量250ml/min、撹拌速度150rpmの条件で24時間培養した。オーランチオキトリウムは培養によって2g/Lに増加した。
次に、培養液を遠心分離して、培養固形物(沈殿物)と浄化水(上澄み)に分離した。
培養固形物にヘキサン10mlを添加して攪拌した後、遠心分離して上澄みを回収し、70℃で2時間保持してヘキサンを蒸発させ、0.5gの油脂を得た。
一方、前記浄化水を化学分析し、BOD5mg/L、NOx2mg/Lまで減少していることを確認した。
1:焼却装置
2:湿式洗浄装置
3:排水処理槽
4:固液分離装置
5:水素イオン濃度計
6:pH調整装置
7:有機性排水供給装置
8:油脂回収装置
9:藻類培養タンク
V1,V2,V3:バルブ

Claims (9)

  1. 有機性可燃物の焼却時に発生する排ガスに、水又は海水を接触させて、排ガス中の有害物を水又は海水に溶解させて除去し、
    それによって得られる有害物含有排水を栄養源として、油脂を生成蓄積する能力を有する従属栄養性藻類を培養することにより、前記有害物含有排水を浄化するとともに、前記従属栄養性藻類に油脂を蓄えさせ
    前記培養によって油脂を蓄えた前記従属栄養性藻類を固液分離して回収することを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 前記固液分離された前記従属栄養性藻類から、更に前記油脂を回収する、請求項1に記載の排ガス処理方法。
  3. 前記従属栄養性藻類は、オーランチオキトリウム属、パリエチキトリウム属、シゾキトリウム属、スロストキトリウム属から選ばれた1種又は複数種である、請求項1又は2に記載の排ガス処理方法。
  4. 前記有害物含有排水のpHが4〜8となるようにpH調整して、前記従属栄養性藻類の培養を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  5. 前記有害物含有排水のC/N比が1〜40となるように有機性排水を加えて、前記従属栄養性藻類の培養を行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  6. 有機性可燃物の焼却時に発生する排ガスに、水又は海水を接触させて、排ガス中の有害物を水又は海水に溶解させて除去する湿式洗浄装置と、
    前記湿式洗浄装置で得られる有害物含有排水を栄養源として、油脂を生成蓄積する能力を有する従属栄養性藻類を培養することにより、前記有害物含有排水を浄化するとともに、前記従属栄養性藻類に油脂を蓄えさせるための排水処理槽と、
    前記培養によって油脂を蓄積した従属栄養性藻類を回収する固液分離装置を備えることを特徴とする、排ガス処理装置。
  7. 前記油脂を蓄積した前記従属栄養性藻類から、更に前記油脂を回収する油脂回収装置を備える、請求項6に記載の排ガス処理装置。
  8. 前記排水処理槽は、水素イオン濃度計と、該水素イオン濃度計によって求められるpHに応じてpH調整剤を供給するpH調整装置とを備える、請求項6又は7に記載の排ガス処理装置。
  9. 前記排水処理槽は、C/N比を調整するための有機性排水供給装置を備える、請求項6〜8のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
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