JP6398392B2 - 生産工程分析システム - Google Patents

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Description

本発明は、生産ラインにおけるエネルギ消費を分析するための技術に関し、特に、無駄なエネルギ消費の発見を支援するための技術に関する。
環境問題への対応やコスト低減の要請などから、工場等のFA(Factory Automation)ラインにおける省エネ技術が注目を集めている。たとえば、生産設備が稼働状態にある場合でも常に生産を行っているわけではなく、休憩やシフト交替でオペレータが不在となる時間や、段取り替えの間など、設備が空転している時間も少なくない。そこで従来より、生産ラインにおける無駄なエネルギ消費の発見や分析を支援するためのシステムが提案されている。
たとえば特許文献1のシステムでは、エネルギ消費と生産実績のデータを収集し、実績値と計画値の比較により無駄をわかりやすくする方法が提案されている。しかしながら、このシステムは、計画値の入力が必須であるため、計画値が明確に定まっていない(定められない)生産ラインには適用できない。また、計画値が事前に与えられたとしても、実績値が計画値から大幅に乖離した場合には妥当な分析ができないという課題がある。
特開2010−237774号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、生産ラインにおける無駄なエネルギ消費の状態とその原因の発見を容易化するための新規な技術を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析システムであって、分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するエネルギ消費量データ取得部と、前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得する生産量データ取得部と、前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するグラフデータ生成部と、前記グラフデータを分析することにより前記グラフデータに出現している特徴パターンを検出し、前記検出された特徴パターンに対応するメッセージを生成する分析部と、前記メッセージを分析結果として出力する分析結果出力部と、を有することを特徴とする生産工程分析システムである。
積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータでは、無駄なエネルギ消費や生産効率の良し悪しなどが特徴的なグラフ形状となって現れるため、エネルギの無駄を可視化できる。したがって、請求項1に係る発明によれば、グラフデータ中の特徴パターンを検出することで、無駄なエネルギ消費を簡単かつ精度良く発見することができる。そして、特徴パターンに対応するメッセージを分析結果としてユーザに提示することで、無駄なエネルギ消費とその原因の発見を容易化することができる。
請求項2に係る発明は、前記分析結果出力部が、前記グラフデータを画面に表示すると共に、前記特徴パターンに対応するメッセージを、前記グラフデータ上の前記特徴パター
ンが出現している位置に関連付けて重畳表示することを特徴とする。請求項2に係る発明によれば、グラフデータを見ることにより、エネルギ消費量からみた生産効率の良し悪しや、生産に寄与しなかったエネルギ消費の有無を明確かつ直観的に把握することができる。また、メッセージの内容や表示位置を見ることにより、グラフデータに現れている特徴パターンの意味の理解が容易になると共に、例えば、無駄なエネルギ消費の発生箇所、生産効率の良いところや悪いところを容易に判別することができる。
請求項3に係る発明は、前記特徴パターンが、無駄なエネルギ消費が発生した場合に出現するパターンであり、前記メッセージが、無駄なエネルギ消費が発生した原因を示す情報を含むことを特徴とする。請求項3に係る発明によれば、無駄なエネルギ消費が発生した原因を示す情報を分析結果としてユーザに提示することで、無駄なエネルギ消費を低減するための改善活動を支援することができる。
請求項4に係る発明は、生産工程分析システムが、前記分析対象工程の生産量に影響を与え得るイベントの予定時刻が記述されたイベント時刻データを取得するイベント時刻データ取得部をさらに有し、前記分析部が、前記イベント時刻データから、前記特徴パターンの出現時刻と同じ時刻に予定されていたイベントが検出された場合に、当該イベントの発生が無駄なエネルギ消費の発生原因であることを示す情報を含むメッセージを生成することを特徴とする。請求項4に係る発明によれば、ユーザは、イベントの発生とエネルギ消費との因果関係を把握でき、このエネルギ消費が不可避なものか改善可能なものかを容易に判別することができる。
請求項5に係る発明は、前記イベントが、生産設備の段取り替え、生産設備のメンテナンス、生産設備の立ち上げ、作業者の休憩、作業者のシフト交替、生産休止のうち少なくともいずれかのイベントを含むことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、生産工程分析システムが、前記分析対象工程の前又は後の他工程の稼働状態の時系列データを取得する他工程稼働状態データ取得部をさらに有し、前記分析部が、前記他工程の稼働状態の時系列データから、前記特徴パターンの出現時刻の直前に前記他工程の稼働状態の異常が検出された場合に、前記他工程の稼働状態の異常が無駄なエネルギ消費の発生原因であることを示す情報を含むメッセージを生成することを特徴とする。請求項6に係る発明によれば、ユーザは、前工程又は後工程で発生した異常と分析対象工程でのエネルギ消費の無駄との因果関係を把握でき、このエネルギ消費が突発的なものであり、分析対象工程の改善では対処できないものであることを判別できる。
請求項7に係る発明は、生産工程分析システムが、特徴パターンの種類と分析結果として出力すべきメッセージとの対応付けのルールが登録されているデータベースをさらに有し、前記分析部が、前記グラフデータから検出された特徴パターンに対応するメッセージを、前記データベースから取得することを特徴とする。請求項7に係る発明によれば、妥当なメッセージの出力が容易にできる。また、現場ごとのノウハウや知識に基づいてルールを作成しデータベースに登録しておけば、以後、同様の特徴パターンが出現したときに自動的に適切なメッセージを出力することができる。
請求項8に係る発明は、生産工程分析システムが、前記分析対象工程の稼働状態の時系列データを取得する稼働状態データ取得部をさらに有し、前記グラフデータ生成部が、前記エネルギ消費量の時系列データと前記稼働状態の時系列データをもとに、単位時間ごとのエネルギ消費量を稼働状態ごとに仕分けした第2のグラフデータを生成し、前記分析結果出力部が、前記第2のグラフデータを稼働状態ごとに色分けして画面に表示することを特徴とする。請求項8に係る発明によれば、色分けされた第2のグラフデータを見ることにより、実際の生産のために使われたエネルギと生産に寄与しなかったエネルギとを明確
に判別でき、無駄なエネルギ消費を容易に発見することができる。
請求項9に係る発明は、前記分析結果出力部が、前記特徴パターンに対応するメッセージを、前記第2のグラフデータ上の前記特徴パターンの出現時刻に対応する位置に関連付けて重畳表示することを特徴とする。請求項9に係る発明によれば、メッセージの内容や表示位置を見ることにより、第2のグラフデータにおける無駄なエネルギ消費の発生箇所、生産効率の良いところや悪いところを容易に判別することができる。
請求項10に係る発明は、生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析システムであって、分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するエネルギ消費量データ取得部と、前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得する生産量データ取得部と、前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するグラフデータ生成部と、前記グラフデータを画面に表示する分析結果出力部と、を有することを特徴とする生産工程分析システムである。
積算生産量と積算エネルギ消費量のあいだの関係を示すグラフデータでは、無駄なエネルギ消費や生産効率の良し悪しなどが特徴的なグラフ形状となって現れるため、エネルギの無駄を可視化できる。したがって、請求項10に係る発明によれば、グラフデータを見ることにより、エネルギ消費量からみた生産効率の良し悪しや、生産に寄与しなかったエネルギ消費の有無を明確かつ直観的に把握することができる。
請求項11に係る発明は、生産工程分析システムが、前記分析対象工程の稼働状態の時系列データを取得する稼働状態データ取得部をさらに有し、前記分析結果出力部が、前記分析対象工程の稼働状態の時系列データをもとに、前記グラフデータを前記分析対象工程の稼働状態ごとに色分けして画面に表示することを特徴とする。請求項11に係る発明によれば、稼働状態に応じて色分けされたグラフデータを見ることにより、実際の生産のために使われたエネルギと生産に寄与しなかったエネルギとを明確に判別でき、無駄なエネルギ消費を容易に発見することができる。
請求項12に係る発明は、前記分析結果出力部が、前記グラフデータを傾きに応じた色分けをして画面に表示することを特徴とする。請求項12に係る発明によれば、傾きに応じて色分けされたグラフデータを見ることにより、エネルギ消費量からみた生産効率の良いところと悪いところを容易に識別できるようになる。
請求項13に係る発明は、生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析方法であって、コンピュータが、分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するステップと、コンピュータが、前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得するステップと、コンピュータが、前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するステップと、コンピュータが、前記グラフデータを分析することにより前記グラフデータに出現している特徴パターンを検出し、前記検出された特徴パターンに対応するメッセージを生成するステップと、コンピュータが、前記メッセージを分析結果として出力するステップと、を有することを特徴とする生産工程分析方法である。
積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータでは、無駄なエネルギ消費や生産効率の良し悪しなどが特徴的なグラフ形状となって現れるため、エネルギの無駄を可視化できる。したがって、請求項13に係る発明によれば、グラフデータ中の特徴パターンを検出することで、無駄なエネルギ消費を簡単かつ精度良く発見することができる。そして、特徴パターンに対応するメッセージを分析結果としてユーザに提示することで、無駄なエネルギ消費とその原因の発見を容易化することができる。
請求項14に係る発明は、生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析方法であって、コンピュータが、分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するステップと、コンピュータが、前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得するステップと、コンピュータが、前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するステップと、コンピュータが、前記グラフデータを画面に表示するステップと、を有することを特徴とする生産工程分析方法である。
積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータでは、無駄なエネルギ消費や生産効率の良し悪しなどが特徴的なグラフ形状となって現れるため、エネルギの無駄を可視化できる。したがって、請求項14に係る発明によれば、グラフデータを見ることにより、エネルギ消費量からみた生産効率の良し悪しや、生産に寄与しなかったエネルギ消費の有無を明確かつ直観的に把握することができる。
請求項15に係る発明は、請求項13又は14に記載の生産工程分析方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
なお、この明細書において、「エネルギ」には、生産設備に直接的に供給されるエネルギ(電力、熱、力など)だけでなく、生産設備を動作させるために間接的に必要となるエネルギ、例えば、生産設備で利用される物質(雰囲気ガス、冷却液、洗浄液、触媒など)を製造、運搬、貯蔵、供給するために必要なエネルギなど、を含んでもよい。
本発明によれば、生産ラインにおける無駄なエネルギ消費の状態とその原因の発見を容易化することができる。
プリント基板の表面実装ラインを示す図。 生産工程分析システムの構成を模式的に示すブロック図。 エネルギ消費量、稼働状態、生産量の時系列データの一例。 生産工程分析処理のフローチャート。 積算生産量と積算エネルギ消費量のあいだの関係を示すグラフデータの一例。 図5のステップS103のメッセージ生成処理のフローチャート。 メッセージデータベースに登録されたルールの一例。 単位時間ごとのエネルギ消費量を稼働状態ごとに仕分けした第2のグラフデータの一例。 分析結果画面の一例。 分析結果画面の他の例。
本発明の実施形態に係る生産工程分析システムは、生産ラインにおける任意の工程を分析対象工程とし、当該分析対象工程におけるエネルギ消費や生産効率の分析、無駄なエネルギ消費及びその原因の発見などを支援するためのシステムである。本システムは、エネルギを消費して生産活動を行うライン又は工程であれば、いかなる対象にも適用することができる。以下の実施形態では、一例として、本システムをプリント基板の表面実装ラインの各工程の分析に適用した例を説明する。
<表面実装ライン>
まず、図1を参照して、プリント基板の表面実装ラインについて説明する。図1の表面実装ラインは、上流側から順に、ローダ100、ハンダ印刷機110、マウンタ120、リフロー炉140、反転機150、アンローダ160から構成されている。ローダ100によってワークであるプリント基板がハンダ印刷機110に投入され、ハンダ印刷機110によってプリント基板上のランドにハンダペーストが印刷される。その後、マウンタ120によって電子部品がプリント基板上にマウントされた後、プリント基板はリフロー炉140に送られる。リフロー炉140ではハンダペーストを加熱溶融した後、冷却し、電子部品をはんだ接合する。リフロー後の部品実装基板は反転機150及びアンローダ160を介して他の工程あるいはストッカに送られる。
ここで、ハンダ印刷機110、マウンタ120、リフロー炉140などの生産設備は、それぞれ、入口と出口にワークの通過を検知するセンサ110I、110O、120I、120O、140I、140Oを有している。これらのセンサの検知結果は、例えば、各生産設備のタイミング制御、生産個数のカウント、エラーやワーク滞留の検知などに利用される。
また、ハンダ印刷機110、マウンタ120、リフロー炉140は、それぞれ、状態表示灯110L、120L、140Lを有している。状態表示灯は、各々の生産設備の稼働状態を周囲に(作業者等に)提示するためのランプであり、設備の動作モード(稼働/待機/停止)、設備の状態(正常/異常/作業中)、停止原因(立ち上げ/段取り替え/前工程滞留/後工程滞留)などの情報を、色や点滅パターンなどで表示する。状態表示灯の点灯制御は各生産設備の制御装置によって行われる。
生産工程分析システム200は、表面実装ラインにおけるハンダ印刷工程、マウント工程、リフロー工程それぞれの消費エネルギの分析を行うため、ハンダ印刷機110、マウンタ120、リフロー炉140に対し接続されている。生産工程分析システム200の具体的な構成を次に説明する。
<生産工程分析システム>
図2は、本発明の実施形態に係る生産工程分析システムの構成を模式的に示すブロック図である。生産工程分析システム200は、ハードウェア的には、エネルギ量センサ210、稼働状態センサ220、生産量センサ230、コンピュータ240、表示装置250から構成される。
エネルギ量センサ210は、分析対象工程の生産設備に設置され、当該生産設備の消費エネルギ量を定期的に測定(モニタリング)するためのエネルギ測定手段である。本実施形態では、図1に示すようにハンダ印刷機110、マウンタ120、リフロー炉140にそれぞれエネルギ量センサ210を取り付け、各生産設備の1分当たりの消費電力量を測定しそのデータをコンピュータ240に取り込む。
稼働状態センサ220は、分析対象工程の生産設備に設置され、当該生産設備の稼働状態を定期的に測定(モニタリング)するための稼働状態測定手段である。本実施形態では、図1に示すようにハンダ印刷機110、マウンタ120、リフロー炉140にそれぞれ稼働状態センサ220を取り付け、各生産設備の稼働状態を示すデータを1秒ごとにコンピュータ240に取り込む。具体的には、稼働状態センサ220は、各生産設備の状態表示灯の状態信号(状態値)をモニタリングする。状態表示灯の信号を利用することで次のようなメリットがあるからである。第一に、状態表示灯の信号には、設備の動作モード(稼働/待機/停止)、設備の状態(正常/異常/作業中)、停止原因(立ち上げ/段取り替え/前工程滞留/後工程滞留)など、現場改善活動に必要十分な情報が含まれているため、生産工程分析への利用価値が高い。第二に、生産設備ごとに点灯パターンの意味(つまり信号値(状態値)と設備の状態の対応関係)が明確に定義されているため、データを収集・分析する処理を正確かつ容易にできる。第三に、状態表示灯の接点信号を取得するだけでよいので、生産設備への実装が容易であるとともに、状態表示灯を備える生産設備であれば如何なるタイプの設備にも設置可能である。すなわち、汎用性・実用性に優れた方法といえる。
生産量センサ230は、分析対象工程の生産設備に設置され、当該生産設備の生産量を定期的に測定(モニタリング)するための生産量測定手段である。本実施形態では、図1に示すようにハンダ印刷機110、マウンタ120、リフロー炉140にそれぞれ生産量センサ230を取り付け、各生産設備の1分当たりの生産量(ここでは生産数)を測定しそのデータをコンピュータ240に取り込む。生産量(生産数)の測定はどのような方法を利用してもよい。例えば、生産設備の制御装置(PLC:Programmable Logic Controller)から出力されるワークのカウントパルスを利用する、生産設備に設置されたワーク
通過センサ(図1のセンサ110I、110O、120I、120O、140I、140O)のパルスをカウントする、などの方法が好ましい。他には、生産設備のエネルギ消費量、電圧値、電流値などの時系列データを高サンプリング周波数で取得し、値の周期的な変化を検出することでタクトパターンを推定し、ここからタクト数(すなわち生産数)をカウントすることもできる。あるいは、生産量に強い相関を有する他の指標(例えば、設備が正常稼働している時間など)を測定し、その値を生産量に換算してもよい。
コンピュータ240は、各センサ210、220、230から収集したデータをもとに各工程のエネルギ消費や生産効率を分析するための情報処理手段である。コンピュータ240は、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、補助記憶装置(HDD、SSDなど)、ネットワークIF、センサIF、入力装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備える汎用的なパーソナルコンピュータにより構成することができる。補助記憶装置には、生産工程分析システムの機能を実現するためのプログラムが格納されている。なお図2では、コンピュータ240と表示装置250が別体になっているが、ノート型PCや
タブレット端末のように、表示装置一体型のコンピュータを用いてもよい。
コンピュータ240は、生産工程分析システムの機能として、エネルギ消費量データ取得部241、稼働状態データ取得部242、生産量データ取得部243、イベント時刻データ取得部244、グラフデータ生成部245、分析部246、分析結果出力部247、データ記憶部248、メッセージデータベース249を有する。これらの機能は、補助記憶装置に格納されたプログラムをCPUが読み込み実行することにより実現されるものである。ただし、これらの機能のうちの一部又は全部をASICやFPGAなどで実現することもできる。あるいは、複数のコンピュータによる分散処理を行ったり、クラウドコンピューティングにより機能の一部をネットワーク上のサーバで実行することもできる。
エネルギ消費量データ取得部241は、分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得する機能である。エネルギ消費量データ取得部241は、分析対象工程の生産設備に設置されたエネルギ量センサ210から定期的にエネルギ消費量の測定データを受け取り、そのデータをデータ記憶部248に蓄積する。図3(A)はデータ記憶部248に蓄積されたエネルギ消費量の時系列データの例である。1分当たりの電力消費量が日時情報とともに記録されている。
稼働状態データ取得部242は、分析対象工程の稼働状態の時系列データを取得する機能である。稼働状態データ取得部242は、分析対象工程の生産設備に設置された稼働状態センサ220から定期的に稼働状態のデータ(例:状態表示灯の状態値)を受け取り、そのデータをデータ記憶部248に蓄積する。図3(B)はデータ記憶部248に蓄積された稼働状態の時系列データの例である。稼働状態センサ220からは1秒ごとの状態値を受け取るが、すべてのデータを記録する必要はないため、図3(B)の例では状態値が変化したとき(変化点)の日時情報と状態値のみを記録している。なお、状態値と設備の稼働状態との対応関係(例えば、0:停止、1:稼働(正常運転)、2:待機・・・)は、設備ごとに予め定義されている。
生産量データ取得部243は、分析対象工程の生産量の時系列データを取得する機能である。生産量データ取得部243は、分析対象工程の生産設備に設置された生産量センサ230から定期的に生産量の測定データを受け取り、そのデータをデータ記憶部248に蓄積する。図3(C)はデータ記憶部248に蓄積された生産量の時系列データの例である。1分当たりの生産数が日時情報とともに記録されている。
なお、分析対象工程が複数存在する場合には、エネルギ消費量データ取得部241、稼働状態データ取得部242、生産量データ取得部243は、分析対象工程それぞれのデータを収集し、工程別に時系列データの蓄積を行う。ある工程(例えばマウント工程)の分析処理に他工程(前工程であるハンダ印刷工程や後工程であるリフロー工程)のデータを利用することもできる。また、表面実装ラインのように上流工程から下流工程まで同じワーク(基板)に加工を施すラインの場合には、生産量(処理した基板の枚数)のデータは全ての工程で共通にしてもよい。
イベント時刻データ取得部244は、分析対象工程の生産量に影響を与え得るイベントの予定時刻が記述されたイベント時刻データを取得する機能である。このようなイベントとしては、例えば、生産設備の段取り替え、生産設備の定期メンテナンス、生産設備の立ち上げ、作業者の休憩、作業者のシフト交替、生産休止などが想定される。これらのイベントの予定時刻は当該生産ラインの生産計画データやタイムスケジュールデータなどから取得可能である。図3(D)はデータ記憶部248に蓄積されたイベント時刻データの例を示している。
グラフデータ生成部245は、データ記憶部248に蓄積された時系列データを加工・分析し、グラフデータを生成する機能である。本実施形態では、エネルギの原単位分析に用いるためのグラフデータと、エネルギの稼働状態別分析に用いるためのグラフデータ(第2のグラフデータ)の2種類のグラフデータを生成する。
分析部246は、グラフデータをパターン分析することにより、グラフデータに出現している特徴パターンを検出する機能である。ここでは、無駄なエネルギ消費が発生した場合に出現するパターン、生産効率が良いとき又は悪いときに出現するパターン、生産設備で異常等が生じているときに出現するパターンなどを、特徴パターンとして検出する。また分析部246は、グラフデータから検出された特徴パターンに対応するメッセージを生成する機能を有する。メッセージは、分析結果としてユーザ(作業者や工程管理者)に提示されるコメントであり、無駄なエネルギ消費が発生した原因、生産効率の良し悪しの傾向、生産効率の低下の原因などを示す情報を含んでいるとよい。メッセージデータベース249には、特徴パターンの種類と分析結果として出力すべきメッセージとの対応付けのルールが登録されており、分析部246はメッセージデータベース249から特徴パターンに対応するメッセージを取得することができる。
分析結果出力部247は、グラフデータやメッセージを含む分析結果画面を表示装置250に表示する機能である。
以下、グラフデータ生成部245、分析部246、及び、分析結果出力部247の具体的な処理の一例を説明する。
<エネルギの原単位分析>
図4のフローチャートに沿って、エネルギの原単位分析の処理のフローを説明する。
まずグラフデータ生成部245は、データ記憶部248からエネルギ消費量の時系列データ(図3(A)参照)と生産量の時系列データ(図3(C)参照)を読み込む(ステップS100)。そして、グラフデータ生成部245は、エネルギ消費量と生産量の時系列データをもとに、ある時刻(以下、「始点」と呼ぶ)からの積算生産量と積算エネルギ消費量のあいだの関係を示すグラフデータ(以下、「PEグラフデータ」と呼ぶ)を生成する(ステップS101)。始点の時刻はユーザが与えてもよいし、システムが自動設定(例えば、年、期、月、週などの初日に設定)してもよい。
図5(A)はPEグラフデータの一例であり、図5(B)は横軸に積算生産量[個]、縦軸に積算エネルギ消費量[Wh]をとり、PEグラフデータを折れ線グラフ形式で描画した例である。PEグラフデータは次のような特徴を有する。
・生産に寄与しない無駄なエネルギ消費は垂直線となって現れる(符号50〜55参照)。例えば、設備が待機状態(生産可能な状態を維持しているが、ワークの供給等が無く生産がなされない状態)にある場合などがこれに該当する。
・エネルギ原単位(ワーク1個当たりのエネルギ消費量)がグラフの傾きで表現される。例えば、図5(B)の符号58はエネルギ原単位が相対的に小さい部分(つまりエネルギ消費量からみた生産効率が高い部分)を示し、符号57はエネルギ原単位が相対的に大きい部分(つまり生産効率が低い部分)を示している。
このように、PEグラフデータでは、無駄なエネルギ消費や生産効率の良し悪しなどが特徴的なグラフ形状となって現れるため、エネルギの無駄を可視化できる。これは、ユーザによる理解が容易となるだけでなく、コンピュータによる自動分析のアルゴリズムの簡
単化及び精度向上にもメリットが大きい。
次に、分析部246が、PEグラフデータをパターン分析し、PEグラフデータの中に現れている特徴パターンの検出を行う(ステップS102)。本実施形態では、一例として、「長い垂直線」、「短い垂直線」、「傾斜線」の3種類のパターンを検出する。「長い垂直線」は、積算生産量に変化がないまま積算エネルギ消費量のみが変化しており、かつ、積算エネルギ消費量の変化量が所定値を超えているパターンである。「短い垂直線」は、積算生産量に変化がないまま積算エネルギ消費量のみが変化しており、かつ、積算エネルギ消費量の変化量が所定値以下であるパターンである。「傾斜線」は、PEグラフの傾きがほぼ一定の状態が所定の長さ以上続いているパターンである。図5(B)の例では、長い垂直線に該当する特徴パターン50、51、52、短い垂直線に該当する特徴パターン53、54、55、傾斜線に該当する特徴パターン56、57、58の9個のパターンが検出されている。
次に、分析部246が、ステップS102で検出された各特徴パターン50〜58に対応するメッセージを生成する(ステップS103)。図6にステップS103のメッセージ生成処理のフローの詳細を示す。なお、図6は1つの特徴パターンに対して実行される処理フローを示しており、特徴パターンが複数検出された場合には各々の特徴パターンに対して図6の処理フローが実行される。
分析部246は、特徴パターンの種類が「長い垂直線」か否かを判定する(ステップS200)。「長い垂直線」である場合、分析部246は、データ記憶部248内のイベント時刻データを参照し、当該特徴パターンの出現時刻と同じ時刻に予定されていたイベントの有無を調べる(ステップS201)。例えば、特徴パターンの出現時刻と生産設備の立ち上げの予定時刻が一致していたならば、この特徴パターンが示すエネルギは生産設備の立ち上げに使用されたと推定できる。同様に、特徴パターンの出現時刻と作業者の休憩時刻(昼休みなど)と一致していたならば、作業者が現場を離れたために生産設備が待機状態となっていたと推定できる。このように、イベント時刻データと照合することで、生産に寄与しない無駄なエネルギ消費の発生原因を特定することが可能となる。分析部246は、ステップS201で検出されたイベントの情報をもとに、当該特徴パターンに対応するメッセージを生成する(ステップS202)。メッセージとしては、「昼休み」や「朝の設備起動」のようにイベントの種類や名称を表すシンプルなものでもよいし、「昼休みの間、設備が待機状態になっているため、無駄なエネルギが消費されています。」や「設備立ち上げのために必要なエネルギ消費です。」のようにイベントとエネルギ消費の因果関係を説明するメッセージでもよい。
ステップS201において特徴パターンの出現時刻と一致するイベントが検出できなかった場合、分析部246は、データ記憶部248内の他工程(前工程又は後工程)の稼働状態の時系列データを参照し、当該特徴パターンの出現時刻の直前に他工程の稼働状態に異常が発生していなかったかを調べる(ステップS203)。例えば、マウント工程が分析対象工程である場合、前工程であるハンダ印刷工程が異常により停止するとマウント工程へのワークの供給がストップするし、後工程であるリフロー工程が異常により停止するとワークが滞留するためマウント工程を停止せざるを得ない。したがって、特徴パターンの出現時刻から遡ること所定時間以内の他工程の稼働状態を調べることで、分析対象工程の停止(無駄なエネルギ消費)の原因を特定することが可能となる。なお、所定時間は、工程間のワークの搬送時間やバッファの大きさなどに基づき適宜設定すればよい。この場合、分析部246は、「前工程の異常が原因です。」というように、他工程の稼働状態の異常が無駄なエネルギ消費の原因であることを示すメッセージを生成する(ステップS204)。
なお、ステップS203でNO判定であった場合、無駄なエネルギ消費の原因は不明(不確定)のため、メッセージは生成しない。あるいは、「設備又は作業中にトラブル発生?」のように突発的かつ自工程単独の原因であることを示唆するメッセージを生成してもよい。
ステップS205では、分析部246は、メッセージデータベース249を参照し、特徴パターンに対応するメッセージを取得する。図7にメッセージデータベース249の一例を示す。この例では、「短い垂直線」に対応するメッセージとして「短い垂直線はチョコ停です。」が、傾きが所定値xより小さい「傾斜線」に対応するメッセージとして「エネルギ原単位が小さく、安定稼働中です。」が、傾きが所定値x以上の「傾斜線」に対応するメッセージとして「エネルギ原単位が大きく、改善の余地があります。」がそれぞれ設定されている。PEグラフデータに出現する特徴パターンの種類や、特徴パターンの意味、採るべき対処などは、工程ごと、設備ごと、あるいは現場ごとに相違する。したがって、現場ごとのノウハウ・知識に基づいて、特徴パターンの種類とメッセージとの対応付けのルールを作成し、メッセージデータベース249に登録しておく。こうすることで、以後、PEグラフデータに同様の特徴パターンが出現したときに自動的に適切なメッセージを出力できるようになる。なお、「長い垂直線」の場合にもメッセージデータベース249を参照してもよい。例えば、設備の段取り替えに必要な所要エネルギ量は現場の知識として予め分かっているため、「長い垂直線」の長さが所要エネルギ量を大きく上回っている場合に、「段取り替えに時間がかかりすぎです。」というような無駄を指摘するメッセージを出力することができる。
<エネルギの稼働状態別分析>
図4のフローチャートに戻って、エネルギの稼働状態別分析の処理を説明する。
グラフデータ生成部245は、データ記憶部248からエネルギ消費量の時系列データ(図3(A)参照)と稼働状態の時系列データ(図3(B)参照)を読み込む(ステップS104)。そして、グラフデータ生成部245は、エネルギ消費量と稼働状態の時系列データをもとに、単位時間ごとのエネルギ消費量を稼働状態ごとに仕分けした第2のグラフデータ(以下、「SEグラフデータ」と呼ぶ)を生成する(ステップS105)。図8にSEグラフデータの一例を示す。各行が、単位時間(1分)当たりのエネルギ消費量[Wh]と、そのときの稼働状態の状態値とを示している。単位時間の中で状態変化があった場合には、エネルギ消費量を各状態値の継続時間で案分する。
<分析結果画面の例>
以上の分析処理が完了すると、分析結果出力部247が、分析結果であるPEグラフデータ、SEグラフデータ、及び、メッセージを用いて分析結果画面を生成し、表示装置250に表示する(ステップS106)。
図9に分析結果画面の一例を示す。分析結果画面の上段には、SEグラフデータ90が棒グラフ形式で表示されている。横軸が時刻であり、縦軸が単位時間当たりのエネルギ消費量[Wh]である。このとき、SEグラフデータ90を稼働状態(状態値)ごとに色分け表示するとよい。図9の例では、「停止状態(stop_Energy)」を青色、「異常発生状
態(error_Energy)」を赤色、「待機状態(wait_Energy)」を黄色、「立ち上げ中の状
態(StandBy_Energy)」をオレンジ色、「稼働(正常運転)状態(Run_Energy)」を緑色で描画している。加えて、符号91で示すように、ステップS103で生成したメッセージの少なくとも一部をSEグラフデータ90上に重畳表示するとよい(例えば、予定イベントに関わるメッセージなど、時間との関係が強いメッセージを優先的に表示するとよい)。メッセージを描画する際には、吹き出し形状のGUIなどを用いて、メッセージ91とSEグラフデータ90上の位置(つまり、特徴パターンの出現時刻に対応する位置)と
の関連付けを明示する。
また、分析結果画面の下段には、PEグラフデータ92が折れ線グラフ形式で表示されている。横軸が積算生産量[個]であり、縦軸が積算エネルギ消費量[Wh]である。PEグラフデータ92上にも、ステップS103で生成したメッセージの少なくとも一部が重畳表示される(例えば、長い垂直線や傾きの大きい傾斜線に関わるメッセージなど、生産効率との関係が強いメッセージを優先的に表示するとよい)。この場合も、吹き出し形状のGUIなどを用いて、メッセージ93とPEグラフデータ92上の位置(つまり、特徴パターンが出現している位置)との関連付けを明示する。
このような分析結果画面をユーザに提示することにより、次のような効果が期待できる。まず、色分けされたSEグラフデータ90を見ることにより、実際の生産のために使われたエネルギと生産に寄与しなかったエネルギとを明確に判別でき、無駄なエネルギ消費を容易に発見することができる。また、PEグラフデータ92を見ることにより、エネルギ消費量からみた生産効率の良し悪しや、生産に寄与しなかったエネルギ消費の有無を明確かつ直観的に把握することができる。さらに、メッセージ91、93を見ることで、無駄なエネルギ消費が発生している部分や、その原因、採るべき対策などを容易に理解することができる。例えば、設備の立ち上げ中のエネルギ消費や他工程の異常に起因するエネルギの無駄は不可避であり改善は難しいが、作業者の交替や休憩時のエネルギの無駄は改善する余地があることが分かる。したがって、従来システムに比べて、現場改善のためにより有益な情報をユーザに提示することが可能となる。
図10(A)及び図10(B)は分析結果画面の他の表示例である。図10(A)は、PEグラフデータの折れ線グラフ10を、図9のSEグラフデータ90と同じように、稼働状態ごとに色分け表示した例である。ここでは、稼働状態(Run)を緑色、立ち上げ中
の状態(StandBy)を赤色、待機状態(Wait)を黄色で描画している。このようにエネル
ギ原単位の分析グラフにおいても稼働状態を明示することで、必要なエネルギ消費と無駄なエネルギ消費とを容易に識別できるようになる。図10(B)は、PEグラフデータの折れ線グラフ11を、生産効率の優劣(つまり、グラフの傾き)で分類し色分け表示した例である。ここでは、生産効率がゼロの部分(Z)を赤色、生産効率が低い部分(L)を黄色、生産効率が高い部分(H)を緑色で描画している。これにより、エネルギ消費量からみた生産効率の良いところと悪いところを容易に識別できるようになる。さらに図10(B)では、最も生産効率が良い部分(つまり、傾きが最小の傾斜線)と平行な傾きをもつ補助線12を、生産効率が相対的に悪い部分に重畳表示している。このような補助線12を示すことで、生産効率がどれほど低下しているのかを容易に理解できるようになる。
<他の実施形態>
上記の実施形態の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、エネルギの原単位分析と稼働状態別分析を行い両方のグラフデータを表示したが、いずれか一方の分析のみを実施する構成や、いずれか一方のグラフデータのみを表示する構成としてもよい。あるいは、他の分析手法で得られた結果を併せて表示してもよい。また上記実施形態では、グラフデータにメッセージを重畳表示したが、無駄なエネルギ消費の発生とその原因を示すことができれば、このような表示方法に限られない。
上記実施形態では、生産設備の電力消費量を分析したが、分析の対象となるエネルギは電力に限られない。本発明は、生産設備に直接的に供給されるエネルギ(電力、熱、力な
ど)はもちろん、生産設備を動作させるために間接的に必要となるエネルギ、例えば、生産設備で利用される物質(雰囲気ガス、冷却液、洗浄液、触媒など)を製造、運搬、貯蔵、供給するために必要なエネルギなど、の分析にも適用可能である。
上記実施形態では、一台の生産設備のエネルギ消費量及び生産量を測定したが、分析対象工程内にある複数台の生産設備の合計のエネルギ消費量及び合計の生産量を測定し、分析に用いても構わない。さらには、設備別の分析結果、工程別の分析結果、生産ライン全体の分析結果を切り替え表示できるようにしてもよい。
50〜58:特徴パターン
90、92:グラフデータ、91、93:メッセージ
100:ローダ、110:ハンダ印刷機、120:マウンタ、140:リフロー炉、150:反転機、160:アンローダ
110I、110O、120I、120O、140I、140O:センサ
110L、120L、140L:状態表示灯
200:生産工程分析システム、210:エネルギ量センサ、220:稼働状態センサ、230:生産量センサ、240:コンピュータ、250:表示装置
241:エネルギ消費量データ取得部、242:稼働状態データ取得部、243:生産量データ取得部、244:イベント時刻データ取得部、245:グラフデータ生成部、246:分析部、247:分析結果出力部、248:データ記憶部、249:メッセージデータベース

Claims (15)

  1. 生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析システムであって、
    分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するエネルギ消費量データ取得部と、
    前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得する生産量データ取得部と、
    前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するグラフデータ生成部と、
    前記グラフデータを分析することにより前記グラフデータに出現している特徴パターンを検出し、前記検出された特徴パターンに対応するメッセージを生成する分析部と、
    前記メッセージを分析結果として出力する分析結果出力部と、
    を有することを特徴とする生産工程分析システム。
  2. 前記分析結果出力部は、
    前記グラフデータを画面に表示すると共に、
    前記特徴パターンに対応するメッセージを、前記グラフデータ上の前記特徴パターンが出現している位置に関連付けて重畳表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の生産工程分析システム。
  3. 前記特徴パターンは、無駄なエネルギ消費が発生した場合に出現するパターンであり、
    前記メッセージは、無駄なエネルギ消費が発生した原因を示す情報を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の生産工程分析システム。
  4. 前記分析対象工程の生産量に影響を与え得るイベントの予定時刻が記述されたイベント時刻データを取得するイベント時刻データ取得部をさらに有し、
    前記分析部は、前記イベント時刻データから、前記特徴パターンの出現時刻と同じ時刻に予定されていたイベントが検出された場合に、当該イベントの発生が無駄なエネルギ消費の発生原因であることを示す情報を含むメッセージを生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の生産工程分析システム。
  5. 前記イベントは、生産設備の段取り替え、生産設備のメンテナンス、生産設備の立ち上げ、作業者の休憩、作業者のシフト交替、生産休止のうち少なくともいずれかのイベントを含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の生産工程分析システム。
  6. 前記分析対象工程の前又は後の他工程の稼働状態の時系列データを取得する他工程稼働状態データ取得部をさらに有し、
    前記分析部は、前記他工程の稼働状態の時系列データから、前記特徴パターンの出現時刻の直前に前記他工程の稼働状態の異常が検出された場合に、前記他工程の稼働状態の異常が無駄なエネルギ消費の発生原因であることを示す情報を含むメッセージを生成する
    ことを特徴とする請求項3〜5のうちいずれか1項に記載の生産工程分析システム。
  7. 特徴パターンの種類と分析結果として出力すべきメッセージとの対応付けのルールが登録されているデータベースをさらに有し、
    前記分析部は、前記グラフデータから検出された特徴パターンに対応するメッセージを、前記データベースから取得する
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の生産工程分析システム。
  8. 前記分析対象工程の稼働状態の時系列データを取得する稼働状態データ取得部をさらに有し、
    前記グラフデータ生成部は、前記エネルギ消費量の時系列データと前記稼働状態の時系列データをもとに、単位時間ごとのエネルギ消費量を稼働状態ごとに仕分けした第2のグラフデータを生成し、
    前記分析結果出力部は、前記第2のグラフデータを稼働状態ごとに色分けして画面に表示する
    ことを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の生産工程分析システム。
  9. 前記分析結果出力部は、前記特徴パターンに対応するメッセージを、前記第2のグラフデータ上の前記特徴パターンの出現時刻に対応する位置に関連付けて重畳表示する
    ことを特徴とする請求項8に記載の生産工程分析システム。
  10. 生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析システムであって、
    分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するエネルギ消費量データ取得部と、
    前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得する生産量データ取得部と、
    前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するグラフデータ生成部と、
    前記グラフデータを画面に表示する分析結果出力部と、
    を有することを特徴とする生産工程分析システム。
  11. 前記分析対象工程の稼働状態の時系列データを取得する稼働状態データ取得部をさらに有し、
    前記分析結果出力部は、前記分析対象工程の稼働状態の時系列データをもとに、前記グラフデータを前記分析対象工程の稼働状態ごとに色分けして画面に表示する
    ことを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の生産工程分析システム。
  12. 前記分析結果出力部は、前記グラフデータを傾きに応じた色分けをして画面に表示することを特徴とする請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の生産工程分析システム。
  13. 生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析方法であって、
    コンピュータが、分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するステップと、
    コンピュータが、前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得するステップと、
    コンピュータが、前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するステップと、
    コンピュータが、前記グラフデータを分析することにより前記グラフデータに出現している特徴パターンを検出し、前記検出された特徴パターンに対応するメッセージを生成するステップと、
    コンピュータが、前記メッセージを分析結果として出力するステップと、
    を有することを特徴とする生産工程分析方法。
  14. 生産ラインにおけるエネルギ消費を分析する生産工程分析方法であって、
    コンピュータが、分析対象工程のエネルギ消費量の時系列データを取得するステップと、
    コンピュータが、前記分析対象工程の生産量の時系列データを取得するステップと、
    コンピュータが、前記エネルギ消費量の時系列データと前記生産量の時系列データをもとに、ある時刻からの積算生産量と積算エネルギ消費量との対応の、前記積算エネルギ消費量の増加に応じた変化を示すグラフデータを生成するステップと、
    コンピュータが、前記グラフデータを画面に表示するステップと、
    を有することを特徴とする生産工程分析方法。
  15. 請求項13又は14に記載の生産工程分析方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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