JP6397881B2 - スーツケースに用いられる中空キャスターセット - Google Patents

Description

本発明は、車輪の技術分野、特にスーツケースに用いられる中空キャスターセット構造に関する。

スーツケースの移動を便利にするためには、通常、スーツケースの底部に複数の車輪アセンブリが配置されることが一般的である。例えば、米国特許ＵＳ５，８７３，１４５号には、メインシートと、ホイールホルダーと、ホイールとを含むホイールアセンブリが開示されている。その中、ホイールは、ピボットピン（pivot pin）を介してホイールホルダーに結合され、また、このホイールは、ピボットピンを軸に回動することが可能である。

米国特許第ＵＳ６，３２２，１５６には、ホイールと、取付座と、軸と、中空円筒軸受けと、中空軸とを含むホイールアセンブリが開示されている。その中、中空軸は、中空円筒軸受けの軸方向に取り付けられ、中空円筒軸受けと中空軸の組立ては、ホイールの貫通孔に取り付けられる。中空円筒軸受け、中空軸及び車輪の組立ては、取付座に取り付けられ、軸（ピボットピン）は取付座及び中空軸に挿通される。ホイールは、軸と中空円筒軸受けを介して回動することが可能である。

国際特許公開ＷＯ２００７０６３３０２号にはスーツケースのホイールアセンブリが開示されている。従来技術である当該ホイールアセンブリは、本体と、内部支持部材と、軸受けと、タイヤとを含む。その中、内部支持部材は、固定するように本体に結合されており、軸受けは内部支持部材の内面に取り付けられており、タイヤは軸受けの外面に取り付けられる。このようにして、タイヤと軸受けの組立て体は、内部支持部材を軸に回動することができる。

中国特許公開ＣＮ２０２７２７８７２号には中空ホイールアセンブリが開示されている。当該特許発明公開公報の明細書には、中空フォークに取り付けられた中空ホイール、特に、中空フォークと中空ホイールとの間には軸受けが配置されており、このようにして、中空ホイールは回動することが可能になり、中空ホイールの軸方向と中空フォークの軸方向とが対向するようになる中空構造であることが開示されている。

以上に述べた先行技術特許文献に開示されている従来のホイールは、いずれも、軸受けを介さなければ回動できないような構造を含むものである。また、米国特許ＵＳ６，３２２，１５６のピボットピンは、ホイール中心の軸心を挿通するため、ホイール中心の軸方向には、透視可能な通路を有しない。ＷＯ２００７０６３３０２号及びＣＮ２０２７２７８７２号には、いずれも、中空構造の軸体を車輪中心の軸方向に挿通することで、車輪中心の軸方向に透視可能な通路を形成することが可能になることが開示されている。

中国特許公開ＣＮ１０３６２５２１１号には、取付座の下には水平ローラ軸が設けられることが開示されている。中空ローラは、タイヤを有し、また、ホイール支持座の外面に配置される。中空ローラは、水平ローラ軸の両端に取り付けられる。さらに、中空ローラの外面には一つの化粧固定蓋が配置される。装飾固定蓋の一方側のフック部材または係止ピンがホイール支持座に係合される。従来技術である当該中空ローラ（すなわち、ホイール）は、軸受けを介さず回動することが可能であるが、中空ローラ（すなわち、ホイール）の軸方向には単に透視可能な通路を一つしか有しない。

米国特許第６，３２２，１５６号明細書 国際特許公開第２００７／０６３３０２号 中国特許出願公開第２０２７２７８７２号明細書 中国特許出願公開第１０３６２５２１１号明細書

本発明は、中空キャスターセットが回動する際に、当該中空キャスターセットを透視することが可能となる効果を付与することを特徴とするスーツケースの中空キャスターセットに関する。

本発明は、軸受けを配置しなくて済む仕組みを有し、構造簡素化の効果を備えるスーツケースの中空キャスターセットに関する。

そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、上述の目的及び効果に達するため、本発明に係る中空車輪アセンブリは、取付座が結合され、前記取付座は、円筒状のブッシュを有し、前記ブッシュの軸方向には、貫通された取付通路を有し、前記ブッシュの両端には２つの車輪部材がそれぞれ取り付けられ、前記ブッシュの前記取付通路内には中空軸が挿通し、前記中空軸の軸方向には透過通路が形成され、前記透過通路は貫通された構造である。このようにして、各前記車輪部材は自在に回動することが可能であり、また、前記ブッシュと前記各車輪部材の組立ては軸受けが不要であるので、本発明は、構造が簡素化される効果を備える。

さらに、前記車輪部材は、複数の透過孔を有する。このようにして、前記車輪部材が回動する際に、前記透過孔及び前記透過通路は透視可能な状態に維持することが可能になる。

本発明の外観図である。 本発明がスーツケースの底部に配置された構造を示す模式図である。 本発明の分解図である。 本発明の内輪部材の構造の平面図である。 本発明の平面図である。 本発明のもう一つの方向の平面図である。 本発明のキャスターセット構造を示す断面図である。 本発明に係る内輪部材、外輪部材及び中空軸には異なる色を採用することを示す模式図である。 本発明の内輪部材の他の実施例の構造を示す平面図である。 本発明に係る他の内輪部材、外輪部材及び中空軸には異なる色採用することを示す模式図である。

図１を参照する。図に示すキャスターセット２０は、取付座２２と、２つの車輪部材２４とを含む。図２を参照する。スーツケース１０の底部１２には、複数のキャスターセット２０を配置することができる。さらに、取付座２２を用いてスーツケース１０に接続する。このようにして、このスーツケース１０は、車輪部材２４の回動により、自在に移動させることができる。

図３を参照する。キャスターセット２０の取付座２２は、ベース部材３０と、結合部材３２とを含む。ベース部材３０と結合部材３２とは、一体であってもよいし、図の通り独立で分離可能な部品であってもよい。次に、ベース部材３０は、第１位置決め孔３４を有し、結合部材３２は、第２位置決め孔３６を有する。ベース部材３０と結合部材３２の組立て体は、スーツケース１０の底部１２（図２を参照）に配置される。結合素子６８は、第２位置決め孔３６及び第１位置決め孔３４に挿通してベース部材３０と結合部材３２とを結合するために用いられる。そして、ベース部材３０と結合部材３２の組立ては、さらに、ベース部材３０と結合部材３２の組立てをスーツケース１０の底部１２に位置決めするように、別に複数の締結手段（図示せず）でスーツケース１０の底部とベース部材３０とに締結される。

円筒状のブッシュ３８は取付座２２に形成されている。特に、ブッシュ３８は、結合部材３２の一端に形成される。次に、ブッシュ３８の軸方向には、貫通された取付通路４０を備える。

中空軸４２は軸方向に透過通路４４が形成されている。透過通路４４は中空軸４２に貫通する構造である。中空軸４２の両端にはフランジ４６がそれぞれ形成される。

車輪部材２４は内輪部材４８と外輪部材５０とを含んでいる。内輪部材４８は、内リング部５２、外リング部５４及び複数の接続部５６の組立て体による構成である。

図４を参照する。内リング部５２は、同心円の形で外リング部５４内に配置されている。各接続部５６は、内リング部５２と外リング部５４とを接続する。内リング部５２の外面６０と外リング部５４の内面６２と間には複数の透過孔５８が形成されている。内リング部５２の軸方向中心に取付孔６４が形成されている。外輪部材５０は、内輪部材４８の外リング部５４に取り付けられる。

図５、図６を参照する。２つの車輪部材２４はそれぞれ、取付座２２の両側に結合されている。車輪部材２４は、取付座２２の結合部材３２の両側に取り付けられている。

図７を参照する。車輪部材２４はブッシュ３８の両端に取り付けられる。特に、ブッシュ３８の両端はそれぞれ、内リング部５２の軸方向の取付孔６４に嵌め込まれる。ブッシュ３８と結合部材３２は一体成形であり、ブッシュ３８が回動しなくなるので、車輪部材２４の回動軸として利用可能となる。中空軸４２は、ブッシュ３８の軸方向の取付通路４０内に取り付けられる。中空軸４２の両端は、車輪部材２４の端面を係止するように取付通路４０から突出している。特に、中空軸４２の両端は、内輪部材４８の内リング部５２の端面に突出し係止するように機能する。

中空軸４２の両端にはそれぞれ、フランジ４６が形成されている。フランジ４６の外径は、ブッシュ３８の外径より大きく、車輪部材２４の内リング部５２の外径により小さい。このようにして、中空軸４２のフランジ４６は、車輪部材２４がブッシュ３８から抜けることをブロックまたは阻止することができる。

内リング部５２の端面には段差部６６が形成されている。中空軸４２のフランジ４６は、段差部６６に対応して設けられるので、車輪部材２４がブッシュ３８から抜けることを規制することができる。

上記に開示された各部材の構造及び組立て方式により、キャスターセット２０の各車輪部材２４は、自在に回動することが可能であり、また、各透過孔５８は、車輪部材２４が回動する間においても、透視可能な状態に維持することができる。中空軸４２が回動するか回動しないかにかかわらず、透過通路４４は、常に透視可能な状態に維持することが可能である。そのため、使用される状態であっても、キャスターセット２０は、透視可能な視覚効果を備える。

車輪部材２４がブッシュ３８の両端に取り付けられるため、車輪部材２４と取付座２２との間に軸受けを配置する必要はない。そのため、キャスターセット２０は、構造簡素化の効果を備える。

図８を参照する。各透過孔５８及び透過通路４４を透視可能な状態に維持させることができる以外に、内輪部材４８の内リング部５２、外輪部材５０及び中空軸４２、特にフランジ４６には、異なる色を選択して採用するか、あるいは、作製時に色を付加することもできる。このようにすれば、キャスターセット２０は、使用態様により多様な視覚効果を提供することができる。

図９、図１０を参照する。本発明の他の実施例では、内輪部材４８は、内リング部５２と、外リング部５４とを含んでいる。内リング部５２の端面には段差部６６が形成されている。特に、内リング部５２は外リング部５４に隣接されることができる。中空軸４２のフランジ４６は、段差部６６に対応して設けられるので、車輪部材２４が抜けることを規制することができる。また、透過通路４４は、透視可能な状態に維持されている。このようにして、キャスターセット２０は、使用する際に透過通路４４により透視可能な効果を提供することができる。また、内輪部材４８の内リング部５２、外輪部材５０及びフランジ４６は、異なる色を選択して採用するか、あるいは、作製時に色を付加することができる。このようにして、キャスターセット２０は、使用態様により多様な視覚効果を提供することができる。

なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。

１０…スーツケース
１２…底部
２０…キャスターセット
２２…取付座
２４…車輪部材
３０…ベース部材
３２…結合部材
３４…第１位置決め孔
３６…第２位置決め孔
３８…ブッシュ
４０…取付通路
４２…中空軸
４４…透過通路
４６…フランジ
４８…内輪部材
５０…外輪部材
５２…内リング部
５４…外リング部
５６…接続部
５８…透過孔
６０…外面
６２…内面
６４…取付孔
６６…段差部
６８…結合素子

Claims (4)

1. スーツケースの底部に取り付けられるための中空キャスターセットであって、
   前記スーツケースに連結された、軸方向に貫通する取付通路を有する円筒状のブッシュを含む取付座と、
   前記ブッシュの両端にそれぞれ自在に回動するように取り付けられる２つの車輪部材と、
   前記ブッシュの前記取付通路内に挿通された、軸方向に貫通する構造を有する透過通路が形成される中空軸と、備え、
   前記車輪部材はいずれも、内輪部材と、外輪部材とを含み、
   前記内輪部材は、内リング部、外リング部及び複数の接続部で構成された組立て体であり、前記内リング部は、前記外リング部内に同心円状に配置され、各前記接続部は、前記内リング部と前記外リング部とを接続し、前記内リング部の外面と前記外リング部の内面との間には複数の透過孔が形成され、前記内リング部の軸方向中心には取付孔が形成され、前記ブッシュは前記取付孔に嵌め込まれ、前記中空軸の軸方向の２つの端部にはそれぞれフランジが形成されており、前記フランジは、前記ブッシュの内径より大きく、かつ、前記取付通路から前記内リング部の軸方向の端面へ突出するように前記内リング部の内径より大きい外径を有し、前記内リング部の軸方向の端面を係止し、
   前記外輪部材は、前記内輪部材の前記外リング部に取り付けられ、
   前記車輪部材が回動すると、各前記透過孔及び前記透過通路は、透視可能な状態に維持されることを特徴とするスーツケースに用いられる中空キャスターセット。
2. 前記取付座は、ベース部材と、結合部材とを含み、
   前記ベース部材と前記結合部材とは分離することが可能であり、
   前記結合部材には円筒状の前記ブッシュが形成され、
   前記結合部材と前記ベース部材との組立ては前記スーツケースに連結されることを特徴とする請求項１記載のスーツケースに用いられる中空キャスターセット。
3. 結合素子をさらに備え、
   前記ベース部材は、第１位置決め孔を有し、
   前記結合部材は、第２位置決め孔を有し、
   前記ベース部材と前記結合部材の組立て体は、前記スーツケースの底部に配置され、
   前記結合素子は、前記第２位置決め孔及び前記第１位置決め孔にこの順序で挿通して前記ベース部材と前記結合部材とを結合することを特徴とする請求項２記載のスーツケースに用いられる中空キャスターセット。
4. 前記内輪部材の前記内リング部、前記外輪部材及び前記中空軸は、異なる色が採用されることを特徴とする請求項１記載のスーツケースに用いられる中空キャスターセット。