JP6397362B2 - 紫外線照射量情報評価装置および紫外線照射量情報評価方法 - Google Patents

紫外線照射量情報評価装置および紫外線照射量情報評価方法 Download PDF

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本発明は、通水式紫外線処理装置に関し、推定された紫外線照射量分布情報の妥当性を評価する、紫外線照射量情報評価装置および紫外線照射量情報評価方法に関する。
浄水処理における塩素耐性病原生物(主としてクリプトスポリジウム)等の微生物の不活性化対策として、我が国では平成19年より紫外線処理装置の導入が認められている。紫外線処理装置の導入条件として、紫外線照射槽を通過する処理対象水の95%以上に対し、紫外線(253.7nm)の照射量を常時10mJ/cm2以上確保できるものであることが法令によって定められている。この紫外線照射量は、照射強度と照射時間とを掛け合わせた値により算出される。
従来の紫外線処理装置は、装置内に1本または複数本の紫外線ランプを設置し、照射槽内に均一に紫外線が照射されるように工夫がなされている。しかし、実際には紫外線ランプからの距離によって紫外線強度は異なり、また通過する水流も通過時間が均一ではないため、照射槽内で照射量に偏りが出てしまう。
このような照射量の偏りにより、例えば多数の粒子を照射槽に投入して通過させたときに各粒子が受ける照射量は、通る流路によってそれぞれ異なる。そこで、各粒子が受けた照射量に基づいて、照射量ごとの該当する粒子の数(当該量の照射を受けた粒子の数)を集計することで、当該照射槽における紫外線照射量分布状態を把握することができる。紫外線照射量分布状態を把握することにより、当該紫外線処理装置が上述した導入条件を満たした装置であるか否かを判定することができる。
しかし、上述したように多数の粒子が受けた紫外線照射量を集計することは現実的ではないため、通常は、予め当該紫外線処理装置の特性を組み込んだ紫外線照射に関する照射量分布計算プログラムと、数値流体力学(Computational Fluid Dynamics;略称CFD)による流体解析情報とから、対象の紫外線処理装置で紫外線照射を行った際の、照射槽内の紫外線照射量分布の推定情報を生成する。そして、生成した紫外線照射量分布の推定情報を用いて、当該紫外線処理装置が導入条件を満たした装置であるか否かを判断している。
K. Deguchi et al.(2005) UV-disinfection reactor validation by computational fluid dynamics and relation to biodosimetry and actinometry, Journal of Water and Environment Technology, 3(1), pp.77-84 水道技術研究センター 「紫外線照射装置JWRC技術審査基準」平成24年7月1日
ところで、上述したように生成された紫外線照射量分布の情報は理論上算出された推定情報であるため、その妥当性を評価して実際の状況に即しているか否かを確認する必要がある。具体的には、当該紫外線照射量分布状態の推定情報を用いて、紫外線耐性度合いが既知の微生物を一種類含む試料水を当該装置により紫外線処理したときの微生物の減少率(不活化率)の推定値を算出するとともに、当該試料水を実際に紫外線処理したときの微生物の減少率の実測値を取得し、当該推定値と実測値とが近似するか否かにより、当該紫外線照射量分布状態の推定情報の妥当性を判断する。
しかし、紫外線照射量分布の妥当性を判断するにあたり、一種類の微生物による検証のみでは精度が低くなり、推定情報が実情とかけ離れていても、妥当であると判断されてしまう場合が生じるという問題があった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、通水式紫外線処理装置に関し、推定された紫外線照射量分布情報の妥当性を高い精度で評価する、紫外線照射量情報評価装置および紫外線照射量情報評価方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための、本発明の紫外線照射量情報評価装置は、紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得部と、所定の複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物をそれぞれ含む複数の試料水ごとに紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出部と、前記通水式紫外線処理装置に前記複数の試料水をそれぞれ通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得部と、前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価部とを備えることを特徴とする。
なおここで用いている不活化速度定数とは、紫外線照射量と微生物生残率の関係を表す次式において定義される定数であり、微生物種毎に異なる定数が用いられる。
生残率=exp{−(紫外線照射量[mJ/cm2])/(不活化速度定数[mJ/cm2])}
また、他の形態の紫外線照射量情報評価装置は、紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得部と、不活化速度定数が所定値以上異なり、且つ宿主菌が互いに異なる複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物を含む試料水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出部と、前記通水式紫外線処理装置に前記試料水を通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得部と、前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価部とを備えることを特徴とする。
また本発明の紫外線照射量情報評価方法は、紫外線照射量情報評価装置による紫外線照射量情報評価方法であって、紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得ステップと、所定の複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物をそれぞれ含む複数の試料水ごとに紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出ステップと、前記通水式紫外線処理装置に前記複数の試料水をそれぞれ通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得ステップと、前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価ステップとを有することを特徴とする。
また、他の形態の紫外線照射量情報評価方法は、紫外線照射量情報評価装置による紫外線照射量情報評価方法であって、紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得ステップと、不活化速度定数が所定値以上異なり、且つ宿主菌が互いに異なる複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物を含む試料水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出ステップと、前記通水式紫外線処理装置に前記試料水を通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得ステップと、前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価ステップとを有することを特徴とする。
本発明の紫外線照射量情報評価装置および紫外線照射量情報評価方法によれば、通水式紫外線処理装置に関し、推定された紫外線照射量分布情報の妥当性を高い精度で評価することが可能になる。
本発明の一実施形態による紫外線照射量分布情報評価装置を利用した紫外線処理装置管理システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による紫外線照射量分布情報評価装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による紫外線照射量分布情報評価装置で取得される紫外線照射量分布の推定情報の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による紫外線照射量分布情報評価装置で取得される紫外線照射量分布の推定情報から算出される出口濃度値の例を示すグラフである。 本発明の一実施形態による紫外線照射量分布情報評価装置で不活化率実測値を取得するために用いる試料水に含める微生物に関する情報の例を示す表である。
本発明の実施形態として、予め生成された、通水式の紫外線処理装置の照射槽内における紫外線照射量分布状態の推定情報に関する妥当性を評価する照射量分布評価装置について、以下に説明する。
〈一実施形態による照射量分布情報評価装置を利用した紫外線処理装置管理システムの構成〉
本実施形態による照射量分布情報評価装置を利用した紫外線処理装置管理システム1は、紫外線処理装置10と、微生物濃度測定装置20と、照射量分布情報評価装置30とを備える。
紫外線処理装置10は、外線照射槽11と、紫外線照射槽11内に設置された紫外線ランプ12とを有する。紫外線照射槽11は、処理対象水を照射槽入口111から流入させ、紫外線ランプ12から紫外線を照射させつつ槽内を通水させて、照射槽出口112から流出させる。
微生物濃度測定装置20は、紫外線照射槽11に所定種類の微生物を所定濃度で含む試料水を試験的に通水させた際に、紫外線照射槽11の照射槽出口112から流出された試料水の微生物濃度を測定する。本実施形態においては、紫外線耐性(不活化速度定数)の異なる複種類数の微生物それぞれを所定濃度で含むように調製された複数の試料水を通水させ、それぞれについて流出された試料水の微生物濃度を測定する。ここで微生物濃度の測定は、微生物の種類ごとに適した既知の方法で実行する。
照射量分布情報評価装置30は、不活化速度定数記憶部31と、照射量分布推定情報取得部32と、試料水情報取得部33と、不活化率推定値算出部34と、入口濃度値取得部35と、出口濃度値取得部36と、不活化率実測値取得部37と、妥当性評価部38と、情報出力部39とを有する。
不活化速度定数記憶部31は、微生物の種類ごとに予め算出された、所定量の不活化に要する紫外線照射量(=紫外線耐性)を示す不活化速度定数を記憶する。
照射量分布推定情報取得部32は、予め紫外線処理装置10について組み込まれた紫外線照射に関する照射量分布計算プログラムと、CFDによる流体解析情報とから生成された、紫外線処理装置10で処理対象水に紫外線照射を行った際の紫外線照射槽11内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する。
試料水情報取得部33は、紫外線照射槽11に通水させる複数の試料水それぞれに含まれる微生物の種類情報および各試料水中の微生物濃度値を取得する。
不活化率推定値算出部34は、試料水情報取得部33で取得された各微生物の種類情報に対応する不活化速度定数を不活化速度定数記憶部31からそれぞれ取得し、取得した不活化速度定数と、照射量分布推定情報取得部32で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、紫外線照射槽11における平均的な、微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する。
入口濃度値取得部35は、試料水情報取得部33で取得された各試料水中の微生物濃度値を、各微生物の入口濃度値として取得する。
出口濃度値取得部36は、微生物濃度測定装置20で測定された各試料水中の微生物濃度値を、各微生物の出口濃度値として取得する。
不活化率実測値取得部37は、入口濃度値取得部35で取得された各微生物の入口濃度値と、出口濃度値取得部36で取得された各微生物の出口濃度値とから、各試料水を実際に紫外線処理したときの、紫外線照射槽11における微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する。
妥当性評価部38は、通水させた複数の試料水に含まれるすべての微生物の種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、照射量分布推定情報取得部32で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する。
情報出力部39は、妥当性評価部38で生成された評価情報を、テキスト表示や音声等で出力する。
〈一実施形態による照射量分布情報評価装置を利用した紫外線処理装置管理システムの動作〉
次に、本実施形態による照射量分布情報評価装置を利用した紫外線処理装置管理システム1の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。図2は、当該システム1が稼働する際に、照射量分布情報評価装置30で実行される処理を示す。
本実施形態では、紫外線処理装置10の紫外線照射槽11に試験的に通水させる試料水として、不活化速度定数の異なる2種類の微生物MS2、φx174がそれぞれ濃度値10,000 PFU/mlになるように調製された、2つの試料水S1、S2を用いる場合について説明する。
まず、照射量分布情報評価装置30の照射量分布推定情報取得部32において、予め紫外線処理装置10について組み込まれた紫外線照射に関する照射量分布計算プログラムと、CFDによる流体解析情報とから生成された、紫外線処理装置10で処理対象水に紫外線照射を行った際の紫外線照射槽11内における紫外線照射量分布の推定情報が取得される(S1)。ここでは、紫外線照射槽11の紫外線照射量分布の推定情報として、図3のグラフAに示す情報が取得されたものとする。
次に、当該システム1の利用者により、まず試料水S1に含まれる微生物MS2の情報およびこの微生物MS2の試料水S1中の濃度値10,000 PFU/mlが入力され、照射量分布情報評価装置30の試料水情報取得部33で取得される(S2)。
次に、不活化率推定値算出部34において、試料水情報取得部33で取得された微生物MS2に対応する不活化速度定数が不活化速度定数記憶部31から取得される。そして、取得された不活化速度定数と、照射量分布推定情報取得部32で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、紫外線照射槽11における微生物MS2の平均的な不活化率の推定値が算出される(S3)。
一方、ステップS2において試料水情報取得部33で取得された試料水S1中の微生物の濃度値10,000 PFU/mlが、微生物MS2の入口濃度値として入口濃度値取得部35において取得される(S4)。
これらの情報が取得された状態で、微生物MS2を濃度値10,000 PFU/mlで含む試料水S1が、紫外線照射槽11の照射槽入口111から流入され、紫外線ランプ12からの照射を受けつつ紫外線照射槽11内を通水し、照射槽出口112から流出される。そして微生物濃度測定装置20において、流出された試料水S1の微生物濃度が測定される。測定された微生物濃度は、試料水S1中の微生物MS2の出口濃度値として出口濃度値取得部36において取得される(S5)。
次に、不活化率実測値取得部37において、入口濃度値取得部35で取得された微生物MS2の入口濃度値と、出口濃度値取得部36で取得された微生物MS2の出口濃度値とから、試料水S1を実際に紫外線照射槽11で紫外線処理したときの、微生物MS2の不活化率の実測値が算出される(S6)。
ここで、もう一種類の微生物φx174に関する不活化率実測値の算出処理がまだ実行されていないため(S7の「NO」)、ステップS2に戻り、微生物φx174に関し、同様の処理が実行される(S2〜S6)。
微生物φx174に関する不活化率推定値および不活化率実測値の算出処理が終了すると(S7の「YES」)ステップS8に移り、妥当性評価部38において、通水させた試料水S1およびS2に含まれる微生物MS2、φx174それぞれに関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かが判定される(S8)。判定の結果、通水した試料水内のすべての微生物MS2、φx174に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが近似していると判定されたとき(S8の「YES」)は、照射量分布推定情報取得部32で取得された推定情報は「妥当である」と評価した評価結果が生成される(S9)。
また、少なくともいずれかの微生物の種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが近似していないと判定されたとき(S8の「NO」)には、照射量分布推定情報取得部32で取得された推定情報は「妥当でない」と評価した評価結果が生成される(S10)。
ステップS9またはS10で生成された評価結果が、情報出力部39によりテキスト表示や音声等で出力される(S11)。
上述したように、不活化速度定数の異なる複数種類の微生物を用いた検証を行うことにより、一種類の微生物のみを用いて行った場合に比べて、予め取得した紫外線照射量分布の推定情報の評価情報の精度が高くなることについて、以下に例を挙げて説明する。
例えば、紫外線照射量分布が、実際には図3のグラフAに示すような状態になっている(Aが真の分布状態を示す)紫外線照射槽11に関し、実際とは異なるグラフBに示すような紫外線照射量分布の推定情報が照射量分布推定情報取得部32で取得されたものとする。
そして、不活化速度定数D0=10 mJ/cm2の微生物Xが濃度値10,000 PFU/mlで含まれる試料水のみを用いて、不活化率推定値算出部34で不活化率推定値を算出し、また、不活化率実測値取得部37で不活化率実測値を算出した場合を考える。
ここで、グラフBの紫外線照射量分布の推定情報に基づく不活化率推定値から、紫外線照射槽11の出口濃度値を算出すると図4のグラフBのようになるため、当該試料水を紫外線照射槽11に通水させた場合は、当該微生物の出口濃度値は800 PFU/mlと推定される。
一方、グラフAにより示される真の紫外線照射量分布に基づく不活化率推定値から、紫外線照射槽11の出口濃度値を算出すると図4のグラフAのようになり、当該試料水を実際に紫外線照射槽11に通水させたときの当該微生物の出口濃度値は同様に800 PFU/mlとなる。
仮に、実際とは異なる図3のグラフCに示すような紫外線照射量分布の推定情報が照射量分布推定情報取得部32で取得された場合も同様に、当該微生物の出口濃度値は800 PFU/mlと推定される。
つまり、図3に示すように、グラフBおよびCは、真の分布情報であるグラフAと大きく異なるにも関わらず、図4に示すように、不活化測定定数D0=10 mJ/cm2の微生物Xに関してはすべて同値の出口濃度値が算出される。
そのため、当該微生物Xのみで検証を行った場合には、グラフBまたはCのような紫外線照射量分布の推定情報を作成していた場合も「妥当である」と判断されてしまい、評価処理の精度が低くなってしまう。
これに対し本実施形態のように不活化速度定数の異なる複数種類の微生物をそれぞれ含む複数の試料水を用いて紫外線照射量分布の推定情報の妥当性を評価することにより、実際とは異なる推定情報については、1つの微生物では不活化率の推定値と実測値とが近似しても他の微生物では近似せず、「妥当でない」と判断され、評価処理精度が大きく向上する。
以上の実施形態によれば、通水式紫外線処理装置に関し、推定された紫外線照射量分布情報の妥当性を高い精度で評価することができる。
上述した実施形態においては、2種類の微生物をそれぞれ含む2つの試料水を用いて紫外線照射量分布の推定情報の妥当性を評価する場合について説明したが、3種類以上の微生物を含む3つ以上の試料水を用いることにより、さらに精度の高い評価処理を行うことができる。
また上述した実施形態においては、不活化速度定数の異なる複数種類の微生物をそれぞれ含む複数の試料水を別箇に紫外線照射槽11に通水させる場合について説明したが、これら複数種類の微生物の不活化速度定数が所定値以上異なり、且つ、測定方法に影響する宿主菌が異なる場合には、微生物濃度測定において互いに干渉しないため、1の試料水に同時に含めるように調製して検証処理を行うことも可能である。
例えば、図5に示すように、不活化速度定数D0=5.9 mJ/cm2の微生物QB、不活化速度定数D0=8.8 mJ/cm2の微生物MS2、不活化速度定数D0=2.3 mJ/cm2の微生物T4、不活化速度定数が設置されていない微生物λ、および、不活化速度定数D0=1.1 mJ/cm2の微生物φx174、の5種類の微生物のうち、微生物MS2とφx174とは不活化速度定数が大きく異なり、且つ、宿主菌が互いに異なるため出口濃度測定時に干渉せず、これら2種類の微生物を同一の試料水に含めて紫外線照射槽11に投入しても、それぞれの出口濃度値をそれぞれの測定方法で測定することが可能である。
このように、複数の微生物を含めた試料水を用いて紫外線照射量分布の推定情報の妥当性評価を行うことにより、紫外線照射槽11への試料水投入回数を減らした簡易な処理で上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
1…紫外線処理装置管理システム
10…紫外線処理装置
11…紫外線照射槽
12…紫外線ランプ
20…微生物濃度測定装置
30…照射量分布情報評価装置
31…不活化速度定数記憶部
32…照射量分布推定情報取得部
33…試料水情報取得部
34…不活化率推定値算出部
35…入口濃度値取得部
36…出口濃度値取得部
37…不活化率実測値取得部
38…妥当性評価部
39…情報出力部
111…照射槽入口
112…照射槽出口

Claims (4)

  1. 紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得部と、
    所定の複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物をそれぞれ含む複数の試料水ごとに紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出部と、
    前記通水式紫外線処理装置に前記複数の試料水をそれぞれ通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得部と、
    前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価部と
    を備えることを特徴とする紫外線照射量情報評価装置。
  2. 紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得部と、
    不活化速度定数が所定値以上異なり、且つ宿主菌が互いに異なる複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物を含む試料水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出部と、
    前記通水式紫外線処理装置に前記試料水を通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得部と、
    前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得部で取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価部と
    を備えることを特徴とする紫外線照射量情報評価装置。
  3. 紫外線照射量情報評価装置による紫外線照射量情報評価方法であって、
    紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得ステップと、
    所定の複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物をそれぞれ含む複数の試料水ごとに紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出ステップと、
    前記通水式紫外線処理装置に前記複数の試料水をそれぞれ通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得ステップと、
    前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価ステップと
    を有することを特徴とする紫外線照射量情報評価方法。
  4. 紫外線照射量情報評価装置による紫外線照射量情報評価方法であって、
    紫外線照射により浄水する通水式紫外線処理装置で、処理対象水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置内における紫外線照射量分布の推定情報を取得する照射量分布推定情報取得ステップと、
    不活化速度定数が所定値以上異なり、且つ宿主菌が互いに異なる複数種類の微生物それぞれの不活化速度定数と、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報とから、前記通水式紫外線処理装置で、前記複数種類の微生物を含む試料水に紫外線照射を行った際の、前記通水式紫外線処理装置における平均的な、前記微生物の種類ごとの不活化率の推定値を算出する不活化率推定値算出ステップと、
    前記通水式紫外線処理装置に前記試料水を通水させたときの、前記微生物の種類ごとの不活化率の実測値を取得する不活化率実測値取得ステップと、
    前記複数の微生物すべての種類に関し、取得された不活化率の推定値と実測値とが予め設定された範囲内にあり近似しているか否かにより、前記照射量分布推定情報取得ステップで取得された紫外線照射量分布情報の推定情報の妥当性を評価した評価情報を生成する妥当性評価ステップと
    を有することを特徴とする紫外線照射量情報評価方法。
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