JP2014223583A - 紫外線処理装置 - Google Patents

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壮一郎 中野
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信好 海賀
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雅寛 大瀧
Masahiro Otaki
雅寛 大瀧
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Abstract

【課題】紫外線処理の際に被処理水に必要量以上の紫外線の照射を防止する紫外線処理装置を提供する。
【解決手段】被処理水の蛍光強度である被処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの被処理水蛍光分析計11と、被処理水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計12と、紫外線照射槽13内に配置され、被処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置14と、紫外線処理された紫外線照射処理水の蛍光強度である処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの処理水蛍光分析計15と、予め定められるルールにしたがって、測定された被処理水蛍光強度、溶存酸素濃度及び処理水蛍光強度をパラメータとして被処理水の紫外線処理に必要な紫外線量を求め、求められた必要な紫外線量の紫外線を照射するように紫外線照射装置14を制御する紫外線照射量制御装置16aとを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、被処理水及び処理水の性質に応じて紫外線処理を行なう紫外線処理装置に関する。
河川表流水を原水とする大都市近郊の浄水場や、浅井戸地下水を水源とする小規模水道や簡易水道の浄水設備等の多くの水道設備では、処理の効果を規定の水質にすることが求められている。この場合、処理水に起因するウィルスや上流域畜産廃水の耐塩素病原性微生物が消毒工程において確実に不活化できたかどうかを知る必要がある。耐塩素病原性微生物については、間接的目標として、例えばろ過精度の管理により濁度0.1度以下を達成することが求められている。
原水の消毒処理としては、オゾン処理や塩素処理等が利用されている(例えば、特許文献1参照)。また、消毒処理によって得られる処理水等の水質測定方法として蛍光分析が利用されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−260474号公報 特開2003−90797号公報
上述した従来から利用される塩素消毒では消毒処理の際に副生成物が生じる問題があることから塩素の注入量を低減する方向にある。また、原水にはクリプトスポリジウム等の耐塩素性微生物が含まれることもあり、消毒効果が期待できないこともある。
このような問題に対し、近年進歩する紫外線応用技術を利用した、代替消毒方法として副生成物を生じず、残留性もなく、かつ処理時間の短い紫外線消毒が注目されている。国内では、クリプトスポリジウム等の感染性抑制に対し、紫外線照射の効果が非常に大きいことが明らかになり、米国では紫外線消毒がジアルジア、クリプトスポリジウムの不活化に費用対効果が大きいとされている。
一方、紫外線消毒では、一定量の被処理水に対して一定の強度の紫外線を連続して照射する方法であるが、被処理水の性状が変化すると照射量に過不足が生じ、処理水の安全に対する信頼性が損なわれる問題がある。また、被処理水に対して紫外線が過照射となった場合は処理水の安全を保つことはできるものの、無駄な電力を消費する問題がある。
上記課題に鑑み、本発明は、被処理水に対して過不足のない紫外線照射を実現するとともに、被処理水に対して過多な紫外線の照射を抑制した紫外線照射装置を提供する。
本発明の特徴に係る紫外線処理装置は、被処理水を導入して紫外線を照射し、紫外線照射により消毒した紫外線照射処理水を排出する紫外線照射槽を備える紫外線処理装置であって、前記被処理水の蛍光強度である被処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの被処理水蛍光分析計と、前記被処理水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計と、前記紫外線照射槽内に配置され、前記被処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記紫外線照射処理水の蛍光強度である処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの処理水蛍光分析計と、予め定められるルールにしたがって、測定された前記被処理水蛍光強度、前記溶存酸素濃度及び前記処理水蛍光強度をパラメータとして前記被処理水の紫外線処理に必要な紫外線量を求め、求められた前記必要な紫外線量の紫外線を照射するように前記紫外線照射装置を制御する紫外線照射量制御装置とを備える。
また、本発明の他の特徴に係る紫外線照射槽値は、被処理水を導入して紫外線を照射し、紫外線照射により消毒した紫外線照射処理水を排出する紫外線照射槽を備える紫外線処理装置であって、前記被処理水の蛍光強度である被処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの被処理水蛍光分析計と、前記被処理水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計と、前記被処理水蛍光分析計及び前記溶存酸素計の後段に設けられ、酸素を蓄積するとともに、前記被処理水に外部からの制御に応じた量の酸素を追加する酸素追加装置と、前記酸素追加装置の後段に設けられる前記紫外線照射槽内に配置され、前記被処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記紫外線照射処理水の蛍光強度である処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの処理水蛍光分析計と、予め定められるルールにしたがって、測定された前記被処理水蛍光強度、前記溶存酸素濃度及び前記処理水蛍光強度をパラメータとして必要な酸素量を求め、前記酸素追加装置を制御する制御装置とを備える。
本発明によれば、被処理水及び処理水の性質に応じて紫外線処理を行なうため、紫外線処理の際に被処理水に必要量以上の紫外線を照射することを防止することができる。
第1の実施形態に係る紫外線照射装置の構成を示す機能ブロック図である。 紫外線強度と溶存有機炭素の関係を表わす一例である。 溶存酸素濃度が各レベルの場合の紫外線照射量と蛍光強度の関係を表わす一例である。 紫外線照射量L1を求める方法の一例を説明する図である。 第2の実施形態に係る紫外線照射装置の構成を示す機能ブロック図である。 第3の実施形態に係る紫外線照射装置の構成を示す機能ブロック図である。
以下に、本発明の各実施形態に係る紫外線処理装置について図面を用いて説明する。この紫外線処理装置は、浄水場等の水処理施設において、流入する被処理水に対して紫外線処理(紫外線消毒)を行なう装置である。なお、紫外線処理をするとき、濁質を除去したろ過水等を被処理水として紫外線を照射するほうが効果的である。したがって、本発明に係る紫外線処理装置は、砂ろ過水や高度処理水に対して紫外線処理を行なうことが望ましい。また、水道法で定められる規定を満たすためには、この紫外線処理装置から排水される紫外線処理水に対して所定量の塩素剤を添加することが必要である。以下の説明において、同一構成については同一の符号を付し、類似構成については類似の符号を付して説明を省略する。
〈第1の実施形態〉
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る紫外線処理装置1aは、被処理水21の被処理水蛍光強度F1を分析する被処理水蛍光分析計11と、被処理水21の被処理水溶存酸素濃度Dを測定する溶存酸素計12と、被処理水21を取り込む紫外線照射槽13と、紫外線照射槽13内の被処理水21に対して紫外線を照射する紫外線照射装置14と、紫外線照射槽13で紫外線処理された紫外線照射処理水22の処理水蛍光強度F2を分析する処理水蛍光分析計15と、被処理水蛍光強度F1、被処理水溶存酸素濃度D及び処理水蛍光強度F2を入力し、被処理水21に照射する紫外線照射量L1を算出し、紫外線電源17を制御する紫外線照射量制御装置16aと、紫外線照射量制御装置16aの制御にしたがって紫外線照射装置14を調整する紫外線電源17とを備えている。
すなわち、この紫外線処理装置1aは、被処理水21に対して一定量の紫外線を照射するのではなく、被処理水蛍光強度F1、被処理水溶存酸素濃度D及び処理水蛍光強度F2をパラメータとして調整された量(紫外線照射量L 1)の紫外線を被処理水21に照射している。
ここで、図2を用いて、紫外線処理で消毒の対象となる溶存有機炭素(DOC)と蛍光強度(FL)の関係について説明する。図2は、主要河川と琵琶湖の表流水試料の溶存有機炭素に対する蛍光強度の比(FL/DOC)を示すグラフである。図2のグラフでは、琵琶湖と淀川に関するFL/DOCが他の河川のFL/DOCと比較して低い値となっている。ここで、琵琶湖は面積が広く浅い湖であるとともに、河川と比較して水の滞留時間が長いことが特徴である。したがって、琵琶湖では太陽光による溶存有機炭素成分の共役二重結合の光分解が進んだ結果、琵琶湖では他の河川と比較してFL/DOCが低い値になる。また、淀川の水源は琵琶湖であるため、図2に示すように淀川のFL/DOCは琵琶湖のFL/DOCと類似している。
図2で示されるDOCとFLの関係は、第36回水環境学会年次講演会(2002年)において広島大学及び国立環境研究所による「光分解では蛍光強度が減少して溶存有機炭素が変化せず、生物分解では蛍光強度が変化しないで溶存有機炭素が減少する」という報告とも一致する。この図2で示される関係から、紫外線照射前の被処理水の蛍光強度と比較して、紫外線照射後の処理水の蛍光強度が低下することが推測できる。
続いて、図3を用いて、溶存酸素濃度が異なる場合の場合紫外線照射量と蛍光強度の変化率の関係について説明する。図3は、河川表流水を原水とする砂ろ過水を試料水として紫外線を照射し、蛍光強度の変化率を測定した場合の照射量による関係を示す一例である。図3では、溶存酸素濃度が異なる3つのレベル(「高」、「中」、「低」)の試料水の関係を表わしている。図3に示す結果では、同じ量の紫外線を照射したとしても、溶存酸素が多いほど蛍光強度の変化率が高くなることが分かる。すなわち、図3で示される関係から、溶存酸素を多くすると、紫外線照射による処理が効率的になることが推測できる。
被処理水蛍光分析計11は、紫外線照射槽13に導入する前の被処理水21の蛍光分析を行い、測定した被処理水蛍光強度F1を紫外線照射量制御装置16aに出力している。この被処理水蛍光分析計11は、定期的に手動で蛍光強度を測定するのではなく、供給される被処理水21の蛍光強度を自動で連続して測定する。
被処理水蛍光分析計11は、例えば励起光としてフルボ酸様有機物と相関の高い345nmの波長の光を照射したときに発光される425nmの波長の光の相対蛍光強度を測定する。このフルボ酸様有機物は、腐植物質ともよばれ、水道水の塩素処理において発ガン性のあるトリハロメタン等の有機ハロゲン化物の前駆体をなすものであり、紫外線処理の処理対象でもある。なお、このような蛍光分析では、(1)励起光の受信部の感度を変化させればフルボ酸様有機物からの発光を捉えるために少ない蛍光強度の変化でも微細な変化を把握することができること、(2)光の散乱が波長の4乗に比例することから、従来の透過光の強度を利用する吸光度法(E260)よりも濁度によって生じる誤差が小さいこと、(3)無試薬で連続測定が可能であること等がある。
また、溶存酸素計12は、紫外線照射槽13に導入する前の被処理水21の溶存酸素濃度を測定し、測定した被処理水溶存酸素濃度Dを紫外線照射量制御装置16aに出力している。この溶存酸素計12は、定期的に手動で溶存酸素濃度を測定するのではなく、供給される被処理水21の溶存酸素濃度を自動で連続して測定する。
なお、図1では被処理水蛍光分析計11の後段に溶存酸素計12が設置されているが、溶存酸素計12の後段に被処理水蛍光分析計11が設置される構成であっても同様である。
紫外線照射槽13には、被処理水分析計11で被処理水蛍光強度F1が測定され、溶存酸素計12で被処理水溶存酸素濃度Dが測定された後の被処理水が導入される。紫外線照射槽13内には、紫外線照射装置14が設けられている。例えば、紫外線照射装置14は、紫外線を発生させる複数の紫外線ランプから成り、紫外線照射槽13内の被処理水21に紫外線を照射する(紫外線処理)。紫外線照射槽13からは、紫外線処理された紫外線照射処理水22が排水される。
処理水蛍光分析計15は、紫外線照射槽13から排水される紫外線照射処理水22の蛍光分析を行い、測定した処理水蛍光強度F2を紫外線照射量制御装置16aに出力している。この処理水蛍光強度分析計15は、上述した被処理水蛍光分析計11と同一の構成であり、供給される紫外線照射処理水22の処理水蛍光強度F2を自動で連続して所定の波長(例えば345nm)の励起光を発光し、受光する所定の波長(例えば425nm)の相対蛍光強度を測定する。
紫外線照射量制御装置16aでは、予め定められる基準照射量L0が設定されており、入力する被処理水蛍光強度F1、被処理水溶存酸素濃度D及び処理水蛍光強度F2をパラメータとして用いて予め定められるルールに従って基準照射量L0を調整して被処理水21に照射する紫外線照射量L1を求め、紫外線電源17に出力する。すなわち、図2を用いて上述したように、被処理水に照射する紫外線の量に応じて紫外線処理の浄水処理の効果を表わす溶存有機炭素(DOC)が異なる。このとき、被処理水に対する紫外線の照射量が多いほど浄水効果が高くなるが、過剰な量の紫外線を照射した場合には消費電力に無駄が生じることとなる。また、図3を用いて上述したように、同一の量の紫外線を照射したとしても、被処理水に含まれる溶存酸素濃度によって紫外線処理の浄水効果を表わす蛍光強度の変化率が異なる。したがって、紫外線照射量制御装置16aは、被処理水蛍光強度F1、被処理水溶存酸素濃度D及び処理水蛍光強度F2に応じて、基準照射量L0を被処理水21の紫外線処理に必要な紫外線照射量L1に調整して、紫外線電源17に出力する。なお、基準照射量L0は、オペレータ等によって過去の蛍光強度や溶存酸素濃度等のデータに基づいて予め定められて紫外線照射量制御装置16aに設定されている。
例えば、紫外線照射量制御装置16aでは、図4に一例を示すように、予め被処理水蛍光強度F1、被処理水溶存酸素濃度D及び処理水蛍光強度F2に応じた紫外線照射量の調整率を関連付けている。ここで調整率とは、基準照射量L0を調整する値である。
図4(a)は、被処理水蛍光強度F1に応じた紫外線照射量の調整率の一例である。具体的には、被処理水蛍光強度F1がf1以下であるときには被処理水蛍光強度F1に基づく紫外線照射量の調整はされない。また、被処理水蛍光強度F1がf1からf2であるときには紫外線照射量を5%増加し、f2以上であるときには10%増加させる。
図4(b)は、被処理水溶存酸素濃度Dに応じた紫外線照射量の調整率の一例である。具体的には、被処理水溶存酸素濃度Dがd1以下であるときには紫外線照射量を10%増加し、d1からd2であるときには紫外線照射量を5%増加し、d2以上であるときには紫外線照射量を調整しない。
図4(c)は、処理水蛍光強度F2に応じた紫外線照射量の調整率の一例である。具体的には、処理水蛍光強度F2がf3以下であるときには紫外線照射量を5%減少し、処理水蛍光強度F2がf3からf4であるときには紫外線照射量を調整せず、f4以上であるときには5%増加させる。
図4のように紫外線照射量の調整方法が定められているとき、紫外線照射量制御装置16aは、被処理水蛍光強度F1に応じて図4(a)から抽出する調整率、被処理水溶存酸素濃度Dに応じて図4(b)から抽出する調整率、処理水蛍光強度F2に応じて図4(c)から抽出する調整率を利用して基準照射量L0を調整して紫外線照射量L1を求める。
例えば、測定された被処理水蛍光強度F1がf1<F1<f2のとき、調整率は「5%増」である。また、被処理水溶存酸素濃度Dがd1<D<d2のとき、調整率は「5%増」である。さらに、被処理水蛍光強度F2がf3<F2<f4のとき、調整率は「0」である。したがって、合計の調整量は「10%増」になり、紫外線照射量L1は基準照射量L0を10%増加させた値となる。また例えば、測定された被処理水蛍光強度F1がF1≦f1のとき、調整率は「0」である。また、被処理水溶存酸素濃度Dがd1<D<d2のとき、調整率は「5%増」である。さらに、被処理水蛍光強度F2がF2≦f3のとき、調整率は「5%減」である。したがって、合計の調整量は「0」になり、紫外線照射量L1は基準照射量L0と同一の値となる。
なお、図4を用いて上述した方法は、基準照射量L0を調整して紫外線照射量L1を求める方法の一例であるため、被処理水蛍光強度F1,被処理水溶存酸素濃度D及び処理水傾向強度F2を用いて基準照射量L0を調整して紫外線照射量L1を求める他の方法を利用してもよい。
紫外線電源17は、紫外線照射量制御装置16aから入力する紫外線照射量L1に応じた紫外線量が紫外線照射槽13内で照射されるように紫外線照射装置14を制御する。例えば、紫外線照射装置14が上述したように複数の紫外線ランプであるとき、紫外線電源17は、紫外線照射量L1に応じた数の紫外線ランプの電源をオンにし、他の紫外線ランプの電源をオフにする。また例えば、紫外線照射装置14が調光制御をすることができる紫外線ランプであるとき、紫外線電源17は、紫外線ランプによる照射量が紫外線照射量L1となるように各紫外線ランプの発光強度を制御する。
上記構成による第1の実施形態に係る紫外線処理装置1aによれば、被処理水21及び紫外線照射処理水22の水質、すなわち、被処理水蛍光分析計11で測定された被処理水蛍光強度F1、溶存酸素計12で測定された被処理水溶存酸素濃度D及び処理水蛍光分析計15で測定された処理水蛍光強度F2に応じて被処理水に照射する紫外線の紫外線照射量L1を設定している。したがって、紫外線処理装置1aでは、被処理水に対して少量の紫外線照射がされることがなく、紫外線処理が不十分となることを防ぐことができるとともに、被処理水21に対して必要以上の紫外線を照射することなく省電力を実現することができる。
〈第2の実施形態〉
図5に示すように、本発明の第2の実施形態に係る紫外線処理装置1bの内部の構成については上述した紫外線処理装置1aと同一であるが、オゾン処理装置3の後段に設置されている点を特徴としている。
オゾン処理装置3は、供給される被処理水にオゾン(O3)を添加してオゾン処理を行なう。このオゾンが添加された原水内で物質が酸化した時にオゾンから、酸素(O2)が発生することがあり、オゾン処理装置3の排水であるオゾン処理水には酸素を含んでいることが一般的である。したがって、オゾン処理水の溶存酸素濃度は、オゾン処理前の溶存酸素濃度よりも高くなる。
紫外線処理装置1bにおいてオゾン処理水を被処理水21として利用すれば、溶存酸素濃度が高い被処理水を紫外線処理することができる。そのため、オゾン処理水を被処理水21としない場合と比較して紫外線照射装置14の紫外線照射量L1を減少することが可能となる。
上記構成による第2の実施形態に係る紫外線処理装置1bによれば、紫外線処理装置1aと同様に、紫外線処理が不十分となるのを防ぐことができるとともに、省電力を実現することができる。
また、紫外線処理装置1bによれば、オゾン処理後の酸素を比較的多く含むオゾン処理水を被処理水として用いることで、被処理水21に照射する紫外線照射量L1を減少することができるため、消費電力をさらに減少することができる。
〈第3の実施形態〉
図6に示すように、本発明の第3の実施形態に係る紫外線処理装置1cは、紫外線処理装置1aと比較して、紫外線照射量制御装置16aに代えて紫外線照射量制御装置16cを備え、溶存酸素計12の後段に酸素追加装置18を備えている点で異なる。
紫外線照射量制御装置16cは、被処理水蛍光分析計11から被処理水蛍光強度F1を入力し、溶存酸素計12から被処理水溶存酸素濃度Dを入力し、処理水蛍光分析計15から処理水蛍光強度F2を入力する。また、紫外線照射量制御装置16cは、入力した被処理水蛍光強度F1、被処理水溶存酸素濃度D及び処理水蛍光強度F2に基づいて予め定められるルールに従って追加酸素量A及び紫外線照射量L1を求める。その後、紫外線照射量制御装置16cは、求めた追加酸素量Aを酸素追加装置18に出力し、求めた紫外線照射量L1を紫外線電源17に出力する。
紫外線照射量制御装置16cにおける追加酸素量Aを求める方法としては、予め定める酸素濃度Xに対する被処理水溶存酸素濃度Dの不足分を追加酸素量Aとして求める等、被処理水溶存酸素濃度Dの値に応じて定めることが考えられる。紫外線照射量L1の算出方法については、例えば、図4を用いて上述したような方法が考えられるが、その際、被処理水溶存酸素濃度Dに加え、追加酸素量Aも考慮して紫外線照射量L1を求める。
酸素追加装置18は、予め酸素を貯蔵している。酸素追加装置18は、紫外線照射量制御装置16cから追加酸素量Aを入力すると、貯蔵している酸素から入力する追加酸素量Aの酸素を被処理水21に供給する。したがって、紫外線照射槽13には、溶存酸素計12で測定された被処理水溶存酸素濃度Dよりも多い量の酸素を含む被処理水が供給される。
上記構成による第3の実施形態に係る紫外線処理装置1cによれば、紫外線処理装置1aと同様に、紫外線処理が不十分となるのを防ぐことができるとともに、省電力を実現することができる。
また、紫外線処理装置1cによれば、酸素追加装置18によって酸素を追加した比較的酸素を多く含む被処理水21に対して紫外線を照射することで、被処理水21に照射する紫外線照射量L1を減少することができるため、消費電力をさらに減少することができる。
1a〜1c…紫外線処理装置
11…被処理水蛍光分析計
12…溶存酸素計
13…紫外線照射槽
14…紫外線照射装置
15…処理水蛍光分析計
16a,16b…紫外線照射量制御装置
17…紫外線電源
18…酸素追加装置
21…被処理水
22…紫外線照射処理水
3…オゾン処理装置

Claims (4)

  1. 被処理水を導入して紫外線を照射し、紫外線照射により消毒した紫外線照射処理水を排出する紫外線照射槽を備える紫外線処理装置であって、
    前記被処理水の蛍光強度である被処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの被処理水蛍光分析計と、
    前記被処理水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計と、
    前記紫外線照射槽内に配置され、前記被処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    前記紫外線照射処理水の蛍光強度である処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの処理水蛍光分析計と、
    予め定められるルールにしたがって、測定された前記被処理水蛍光強度、前記溶存酸素濃度及び前記処理水蛍光強度をパラメータとして前記被処理水の紫外線処理に必要な紫外線量を求め、求められた前記必要な紫外線量の紫外線を照射するように前記紫外線照射装置を制御する紫外線照射量制御装置と、
    を備えることを特徴とする紫外線処理装置。
  2. 被処理水を導入して紫外線を照射し、紫外線照射により消毒した紫外線照射処理水を排出する紫外線照射槽を備える紫外線処理装置であって、
    前記被処理水の蛍光強度である被処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの被処理水蛍光分析計と、
    前記被処理水の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計と、
    前記被処理水蛍光分析計及び前記溶存酸素計の後段に設けられ、酸素を蓄積するとともに、前記被処理水に外部からの制御に応じた量の酸素を追加する酸素追加装置と、
    前記酸素追加装置の後段に設けられる前記紫外線照射槽内に配置され、前記被処理水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    前記紫外線照射処理水の蛍光強度である処理水蛍光強度を測定する少なくとも1つの処理水蛍光分析計と、
    予め定められるルールにしたがって、測定された前記被処理水蛍光強度、前記溶存酸素濃度及び前記処理水蛍光強度をパラメータとして必要な酸素量を求め、前記酸素追加装置を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする紫外線処理装置。
  3. 前記制御装置は、必要な酸素量を求めて前記酸素追加装置を制御するとともにとともに、予め定められるルールにしたがって、測定された前記被処理水蛍光強度、前記溶存酸素濃度、前記処理水蛍光強度及び前記必要な酸素量をパラメータとして前記被処理水の紫外線処理に必要な紫外線量を求めて、求められた前記必要な紫外線量の紫外線を照射するように前記紫外線照射装置を制御することを特徴とする請求項2に記載の紫外線処理装置。
  4. オゾンを添加するオゾン処理によって被処理水を消毒するオゾン処理装置の後段に設けられ、前記オゾン処理装置から排水されるオゾン処理後の処理水が被処理水として供給されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の紫外線処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017070937A (ja) * 2015-10-09 2017-04-13 株式会社 極東技工コンサルタント 浄水システム

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