以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を各構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、これら各図面に記載された構成要素の数量,構成要素の形状,構成要素の大きさの比率,各構成要素の相対的な位置関係等に関し、図示の形態のみに限定されるものではない。
なお、本実施形態においては、本発明を適用した光学照準器の使用時に、対象物に対向する面を前面というものとする。また、当該光学照準器の使用時に使用者が対面する面を背面というものとする。一方、当該光学照準器の筐体部の上側の面を上面というものとする。また、当該光学照準器の上面に対向する面を底面というものとする。他方、使用状態における当該光学照準器の両側面を、それぞれ左側面及び右側面というものとする。この場合における左右の判別は、当該光学照準器の使用時において対象物側から当該光学照準器の前面に向かって見たときの左側及び右側をそれぞれ左及び右として区別するものとする。
[第1の実施形態]
図1〜図5は、本発明の第1の実施形態を示す図である。このうち、図1,図2は、本実施形態の光学照準器を撮像装置に取り付けた状態を示し、かつ本実施形態の光学照準器の内部構成を示す概念図である。なお、図1は右側面図であり、図2は上面図である。また、図3は、本実施形態の光学照準器のみを示し、その内部構成を示す右側面図である。そして、図4,図5は、本実施形態の光学照準器における照準光源及び照準光源調整機構を取り出して示す図である。このうち、図4は右側面図であり、図5は上面図である。
本実施形態の光学照準器1は、例えばカメラ(デジタルカメラ,デジタルビデオカメラ等を含む)等の撮像装置や、望遠鏡(フィールドスコープ,スポッティングスコープ,双眼鏡等を含む)等の観察用の各種光学機器等を使用して遠距離にある対象物(被写体)を拡大して撮像若しくは観察する際に、上記各機器に直接装着し若しくは上記各機器の近傍に不図示の取付具を用いて固定することによって、所望の対象物を当該光学照準器1を取り付けて使用する使用機器(例えば上記撮像装置等。以下、単に使用機器と略記する)の撮像視野若しくは観察視野内へ導入する際に照準を補助するための外部光学機器である。本実施形態において例示する光学照準器1は、一般にドットサイト等と称されている形態を有するものである。なお、以下の説明においては、当該光学照準器1をカメラ等の撮像装置(不図示)に装着して使用する場合を想定している。
ここで、まず、本実施形態の光学照準器1を取り付けて使用する使用機器としての撮像装置100の構成を、以下に簡単に説明する。
撮像装置100は、図1,図2に示すように、箱型形状を有するボディ101と、筒型形状を有するレンズ鏡筒102とによって構成される。ボディ101の上面には、例えば撮像モードダイヤル106,シャッターリリースボタン107,電源オンオフボタン108等の複数の操作部材が設けられている。また、ボディ101の上面の略中央部分には、各種のアクセサリ機器、例えば本実施形態の光学照準器1や汎用の閃光発光装置等を着脱可能とするアクセサリシュー104が配設されている。そして、ボディ101の背面には、例えば各種設定等を行なうダイヤル等を含む複数の操作部材(不図示)が設けられているほか、撮像動作時のライブビュー画像を表示したり撮像済み画像を表示する表示装置105が、その表示面を背面外方に向けて配設されている。さらに、ボディ101の前面にはマウント部103が設けられている。このマウント部103は、レンズ鏡筒102を当該ボディ101の前面に対し着脱自在に配設するための取り付け機構である。
レンズ鏡筒102は、上記マウント部103を介してボディ101の前面に取り付けられて、当該ボディ101の前方に向けて突出するように配設される。レンズ鏡筒102は、その詳細構成の図示は省略しているが、複数の光学レンズからなる撮像光学系と、これら複数の光学レンズをそれぞれ保持する複数の筒部材と、これら複数の筒部材の一部を上記撮像光学系の光軸に沿う方向に進退駆動するための駆動機構等によって構成されている。なお、レンズ鏡筒102の構成としては、上述したようにマウント部103を介してボディ101の前面に着脱自在とする形態のもの(いわゆるレンズ交換式撮像装置に対応する交換レンズ鏡筒)のほかにも、ボディ101の前面に固設される形態のもの(いわゆるレンズ固定式撮像装置に応じた構成のレンズ鏡筒)であってもよい。なお、図面において、符号Oで示す直線は、レンズ鏡筒102における撮像光学系(不図示)の光軸を示すものである。
アクセサリシュー104は、断面がチャンネル形状に形成される一対の保持部のそれぞれを、互いに対向するように配置した形態で、光学照準器1やその他の外部機器に共通形態で設けられる接続嵌合部18が嵌合され、これを保持し得るように構成される取り付け部位である。アクセサリシュー104は、主に導電性の金属部材を用いて形成されている。
また、上記撮像装置100の上面においては、上記アクセサリシュー104の一対の保持部によって囲まれる部位に、複数の電気接点(不図示)が設けられる構成としてもよい。これらの複数の電気接点は、ボディ101の内部に設けられる電気回路(不図示)に接続されている。また、これら複数の電気接点は、当該撮像装置100に上記光学照準器1が取り付けられた状態となったとき、つまりアクセサリシュー104に接続嵌合部18が嵌合配置されたとき、光学照準器1側の接点(不図示)が接触する位置に配置されている。したがって、撮像装置100側の複数の電気接点と光学照準器1側の接点とは、撮像装置100と光学照準器1とを電気的に接続して、例えばボディ101側から光学照準器1側へと電力を供給したり、光学照準器1側の照準光源15の動作状態をボディ101側の制御部(不図示)へと伝達する等の信号通信を行う手段として機能するように構成される。その他、撮像装置100としての構成は、従来一般的に実用化されている撮像装置と略同様である。
本実施形態の光学照準器1は、上述のように構成される既存の撮像装置100(所望の使用機器)のアクセサリ取付部、即ちアクセサリシュー104に取り付けて、所定の調整を適正に行った後に、実際の使用に供することができる。
次に、本実施形態の光学照準器1の概略的な内部構成について、図1〜図5を用いて以下に説明する。
本実施形態の光学照準器1は、筐体部10と、第1の光学素子12と、第2の光学素子13と、コリメーターレンズ14と、照準光源15と、照準光源調整機構16等を具備して構成されている。
筐体部10は、全体として箱型形状に形成され、当該光学照準器1の本体を構成する部材である。この筐体部10の内部には、上記照準光源15,上記第1の光学素子12,上記第2の光学素子13等の各種構成部材が、それぞれ所定の部位に所定の形態で収納配置されている。
筐体部10の底面側の外面には、当該光学照準器1を撮像装置100(使用機器)のアクセサリシュー104に嵌合させて取り付けるための接続嵌合部18が配設されている。
筐体部10の上面には、後述するように当該筐体部10の内部に所定の形態で配置される第2の光学素子13の反射面に対向する部位に、当該第2の光学素子13の反射面を覗き得るようにした覗き窓となる上面開口10aが形成されている。
上記上面開口10aは、スライドカバー部材11によって開閉されるように構成されている。つまり、スライドカバー部材11は上面開口10aを閉状態として内部構成物を保護する閉位置と、上面開口10aを開状態として当該上面開口10aから第2の光学素子13の反射面を視認し得る状態とする開位置との間でスライド移動可能に構成されている。この場合において、当該スライドカバー部材11は、筐体部10の例えば上面側内面に沿って図1〜図3に示すZ軸に沿う方向に移動し得るように構成されている。図1,図2に示す状態はスライドカバー部材11が閉位置にある状態を示している(実線)。図1,図2においてスライドカバー部材11の開位置を二点鎖線で示している。また、図3に示す状態はスライドカバー部材11が開位置にある状態を示している(実線)。図3においてスライドカバー部材11の閉位置を二点鎖線で示している。
なお、スライドカバー部材11のスライド機構は、概略次のような構成となっている。即ち、筐体部10の上面側の内面において上面開口10aの近傍に、スライドカバー部材11をZ軸方向に摺動自在に保持するスライド溝(不図示)が設けられている。スライドカバー部材11は、このスライド溝に沿って摺動移動するように配設される。ここで、スライドカバー部材11の開閉位置を検出するための位置検出スイッチ等(不図示)を設けてもよい。この場合には、位置検出スイッチ等の信号のオンオフに応じて、当該光学照準器1の電源オンオフ(即ち照準光源15のオンオフ)制御を行うといったことも可能である。また、スライドカバー部材11の開位置及び閉位置を使用者(ユーザ)が認識するとともに、その位置を維持し得るように、例えばスライドカバー部材11と上記スライド溝(不図示)との間にクリックストップ機構(クリックバネ及びクリックボール等)を設けるようにしてもよい。
このようなスライドカバー部材11のスライド機構の具体的な構成については、例えば従来の撮像装置等においてレンズ前面を開閉するためのスライドカバー部材等のスライド機構と略同様のものを適用することができる。したがって、当該スライドカバー部材11のスライド機構に関するその他の詳細構成については、その図示及び説明を省略する。
筐体部10の前面側には、当該光学照準器1を取り付けた撮像装置100の前方にある被写体若しくは照準対象とする対象物を含む領域(即ち、被写体領域若しくは照準対象領域。以下の説明では単に被写体領域等というものとする)からの入射光を通過させるための前面開口10bが形成されている。後述するように、筐体部10の内部において、前面開口10bの近傍には第1の光学素子12が、その反射面を背面側に向けて配設されている。
照準光源15は、照準光を発散させる光源と、この光源を駆動する電子回路等を含んで構成される構成ユニットである。この照準光源15は、筐体部10の内部において、背面寄りの部位に配設されている。この照準光源15の光源としては、具体的には例えば赤色光を発光する発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)等が適用されている。この照準光源15から発散される照準光によって形成される照準光の像(レティクル,照準マーク,視野目盛等と呼ぶ。以下レティクル等というものとする)。このレティクル等の一般的な形態としては、例えば点形状や十字線形状等である。この場合、十字線等の照準用マークを設け、そのマークを見やすく光らせるために例えばレーザ光等を使用して、その照明光をドットパターンの中心に集中させるように構成すればよい。これにより、照準光源15から発散される照準光は、例えば各種形状のマーク(サターン,マスタークロス,ドット,クロス等)として表示させることができる。
なお、図1〜図3において、照準光源15を駆動するための電力を供給する電源電池及びそれに付随する電子回路等を含む電源部については、その図示を省略している。本実施形態の光源照準器1における電源部は、例えば筐体部10の内部において底面側等の空間に配設される。または、光学照準器1が電源部を具備しない構成とすることも可能である。その場合の構成としては、例えば当該光学照準器1と撮像装置100(使用機器)とを接続した状態で、接続嵌合部18及びアクセサリシュー104を介して電気的な接続を確保することにより、撮像装置100(使用機器)側から当該光学照準器1側への電力供給を行い得るような構成とすればよい。
コリメーターレンズ14は、上記照準光源15から発散した光を透過させて平行光束として出射する光学素子である。コリメーターレンズ14は、上記照準光源15の前方に配置されている。これにより、照準光源15から発散された照準光は、当該コリメーターレンズ14を透過することにより平行光束となって前方に向けて出射されて、第2の光学素子13を介して第1の光学素子12の反射面に到達する。
なお、照準光源15と第1の光学素子12との間の距離が長い光路長となる場合には、上記コリメーターレンズ14を省略して構成することも可能である。光路長が長い場合には、照準光源15から発散される光束は充分に平行光束として発散されるからである。
また、第2の光学素子13とコリメーターレンズ14とを一体化して構成する形態も考えられる。例えば図13は、第2の光学素子の変形例を示す図である。この変形例に示す第2の光学素子13Aは、平凸レンズを半分に切断した形態の光学素子である。即ち、この第2の光学素子13Aは、背面側の一面が凸面状に形成され、上述のコリメーターレンズ14と同様の機能、即ち照準光源15からの光束を透過させて平行光束として出射する入射面13Aaを有している。また、上記第2の光学素子13Aは、前面側の一面が平面形状に形成され、上述の第2の光学素子13と同様の機能、即ち背面の照準光源15からの光束を透過させると共に、前面の第1の光学素子12の反射面からの反射光束及び被写体領域からの入射光を反射させる反射面13Abを有して構成されている。この反射面13Abは、照準光源15の光軸に対して角度略45度傾斜させて配設される。このような構成の第2の光学素子13Aを用いることにより、上述のコリメーターレンズ14を省略した構成としながら、同コリメーターレンズを設けた場合と同等の機能を備えることができる。
さらに、コリメーターレンズ14を省略しながら平行光束を形成するための構成の変形例としては、例えば第2の光学素子の背面側にホログラム素子を用いたホログラムレンズを接合する形態が考えられる。
例えば、図14は、ホログラムレンズを一枚用いて構成する場合の一例を示す。この別の変形例においては、図示のように、平行平面板からなる第2光学素子13Bの背面側の一面に一枚のホログラムレンズ53を接合配置している。このホログラムレンズ53は、例えば入射角90度,出射角45度で集光させるレンズ機能とビーム整形機能を有する透過型ホログラムで形成される。そして、照準光源15は上記ホログラムレンズ53の収束位置に配置される。この構成により、照準光源15から発散された光束は、ホログラムレンズ53を通過して平行平面板を透過すると平行光束として出射する。
また、図15は、ホログラムレンズを二枚用いて構成する場合の他の一例を示す。この他の変形例においては、図示のように、平行平面板からなる第2光学素子13Cの背面側の一面に二枚のホログラムレンズ53を重ねて接合配置している。この二枚のホログラムレンズのうちの一枚は、上述の図14の変形例と同様のものを用いる。また、他の一枚は、整形機能を有する透過型ホログラムで形成される。このように機能の異なるホログラムレンズを重ねて使用すると、照準光源15の発散光の光軸に対し角度45度傾けて配置した平行平面板から出射する光束の光軸は平行となる。この構成により、照準光源15から発散された光束は、二枚のホログラムレンズ53を通過して、平行平面板を透過すると、平行光束として出射する。
また、コリメーターレンズ14を省略しながら平行光束を形成するためのさらに異なる変形例としては、図16に示すような形態も考えられる。図16は、第2の光学素子13Dの形態として、平行平面板と正レンズとを一体化して形成した一例を示す。
当該第2の光学素子13Dは、背面側の一面が正レンズ面からなり、前面側の他面が平面形状のハーフミラー機能を有する反射面からなる。ここで、前面側の反射面は、前方の被写体領域からの入射光の光軸に対して傾けて配置されている。また、照準光源15は、背面側の正レンズに対向する位置において、上記入射光の光軸上に配設されている。この構成により、照準光源15から発散された光束は、正レンズに入射して、そのレンズパワーにより平行光束にビーム整形されて、上記光軸に沿う方向に進行し、反射面から出射する。
第1の光学素子12は、被写体領域等からの入射光を透過させると共に、上記照準光源15から発散され上記コリメーターレンズ14により平行光束となった光束を、上記前面とは相反する背面側に向けて反射する反射面を有する光学素子である。本実施形態において第1の光学素子12は、例えば放物面形状もしくは放物面に近似した凹曲面状の反射面を有し、例えば透明なガラス若しくは透明樹脂材料によって形成される光学部材である。そして、この第1の光学素子12の反射面は、可視光波長域のうちの特定の波長域の光、例えば赤色光のみを反射する一方、上記特定の波長域の光以外の他の波長域の光を透過する誘電多層膜等が設けられたダイクロイックミラー若しくはハーフミラー等が適用されている。この第1の光学素子12は、図3に示すように、第1保持枠22によって保持されて、筐体部10の固定部に固定されている。
本実施形態ではコリメーターレンズを用いて説明したが、ビーム整形機能を有するシリンドリカルレンズやトーリックレンズ、屈折分布型レンズ、液晶レンズなどに置き換えることもできる。
さらに、図示は省略するが、例えば、非球面やフレネル球面レンズを使用するビーム整形光学素子や平凸レンズを傾斜させて配置するといった形態のもの、即ち複数の光学素子を一体化して形成した複合光学素子に置き換えることもできる。
この種の構成とする場合、光源から発散した発散光は、放物線の回転体である回転放物面(paraboloid of revolution)の一部(トロイダル凹面鏡も含む)で反射して放物線の軸に平行に出射する。この平行光束を整形プリズムを用いて屈折させて出射させることができる。
このような複合光学素子を用いた場合、光源と非球面レンズの光軸が一直線上に配置することができ、また、回転放物面での入射角および反射角を90度(互いに直交する状態)とすることができる。したがって、組み立て時の複合光学素子の位置決めが容易となり、組み立て製の向上に寄与することができるという効果がある。
第1の光学素子12は、上述したように、筐体部10の内部において上記前面開口10bの近傍に配設されている。つまり、第1の光学素子12は、具体的には筐体部10の内部において、被写体(照準対象物)に対向させて筐体部10の前面に配置され、被写体領域等からの入射光を透過させると共に、筐体部10の背面寄りの部位に配設されている上記照準光源15からの照準光を上記前面とは相反する背面側に向けて反射させ得る部位に配設されている。
第2の光学素子13は、上記第1の光学素子12と上記コリメーターレンズ14(照準光源15)との間に配置され、上記第1の光学素子12と同様構成からなる光学素子である。この第2の光学素子13は、コリメーターレンズ14を介した照準光源15からの照準光(平行光束)を透過させて前方にある第1の光学素子12の反射面へと出射すると共に、第1の光学素子12を透過した被写体領域等からの入射光を反射させて上記上面開口10a側へと導く反射面を有して構成される。そのために、第2の光学素子13は、被写体領域等からの入射光の光路及び照準光源15の照準光の光路(図1等において符号L参照)に対して角度略45度〜60度だけ傾けて、当該光路上に配置されている。この場合において、第2の光学素子13の反射面は、被写体領域等つまり前面側に向けられている。そして、この第2の光学素子13は、図3に示すように、第2保持枠23によって保持されて、筐体部10の固定部に固定されている。
照準光源調整機構16は、照準光源15から発散される照準光の方向のうち特に上下方向の調整を行うための調整機構である。照準光源調整機構16は、筐体部10の内部において背面寄りの部位であって、照準光源15の後方位置に配設されている。なお、図1〜図3においては、照準光源調整機構16を、単に一点鎖線による矩形状の枠線によって、その配置部位のみを示している。照準光源調整機構16の詳細構成は、図4,図5に示している。
ここで、照準光源調整機構16の詳細構成について、主に図4,図5を用いて以下に説明する。
照準光源調整機構16は、上記照準光源15を回動自在に保持し筐体部10の内部において固定部分に固設される本体16aと、調整用の操作部材である光源調整用ダイヤル31と、この光源調整用ダイヤル31の回転を照準光源15に伝達する歯車(33,34)及びカム(36)等からなる伝達機構部等によって構成されている。
ここで、照準光源15は、図1〜図3においては図示を省略しているが図4,図5に示すように、光源保持枠25によって保持されている。そして、この光源保持枠25は、本体16aに対し回転支軸25aにおいて同軸周りに回動自在となるように配設されている。これにより、照準光源15を搭載した光源保持枠25は、回転支軸25a周りに図4に示す矢印R2方向に揺動可能となっている。この場合において、光源保持枠25は、本体16aの固定部との間に懸架された二本の緊縮性を有するコイルばね等の付勢部材37によって、上記矢印R2方向への揺動が規制されている。なお、光源保持枠25が矢印R2方向に揺動するのに際し、背面側への傾倒は、後述するカム36に当接することで規制されている(詳細後述)。この構成により、照準光源15を搭載した光源保持枠25は、通常状態では図4に示す状態が維持されている。
光源調整用ダイヤル31は、光源調整用の回転操作部材である。この光源調整用ダイヤル31は、後述する伝達機構部の内部から延出されて筐体部10の背面側の壁部を貫通して当該筐体部10の外部へと突出する回転軸32の一端部に固設されている。ここで、光源調整用ダイヤル31は、筐体部10に対して図4に示す矢印R1方向に正逆回転自在に配設されている。そして、光源調整用ダイヤル31は、筐体部10との間にクリック機構38を介在している。このクリック機構38は、図5に示すように、クリックばね38aとクリックボール38bと、これに対応して光源調整用ダイヤル31側の対向面に周方向に所定の間隔で複数形成されるクリック凹部(不図示)とによって構成される一般的な構成からなる。この構成により、使用者(ユーザ)が上記光源調整用ダイヤル31を正逆いずれかの方向に回転操作すると、クリック凹部に対してクリックボール38bが嵌入と脱出を繰り返すことにより、所定力量のクリック感若しくはクリック音を伴う操作感を得ることができるように構成されている。したがって、使用者(ユーザ)は、光源調整用ダイヤル31の回転操作を行うことによって発生するクリック感のカウント数に基づいて光源位置の調整の目安とすることができる。
次に、上記光源調整用ダイヤル31の回転を照準光源15(光源保持枠25により保持された)へと伝達する伝達機構部の構成を説明する。当該伝達機構部は、複数の歯車(33,34)及びカム(36)と、それら部材を支持する回転軸等によって構成される。
光源調整用ダイヤル31の回転軸32は、上述したように筐体部10の内部における伝達機構部から延出している。この回転軸32の基端部には、ハイポイドピニオンギヤ33が同軸上に固設されている。このハイポイドピニオンギヤ33は、上記回転軸32と軸心がずらされて当該回転軸32に対し直交方向に延出するように載置されるギヤ軸35と同軸上に固設されるハイポイドギヤ34と噛合している。このギヤ軸35は、本体16aの固定部分に回動自在に軸支されている。当該ギヤ軸35の同軸上には、さらに所定形状のカム面を外周面上に有するカム36が固設している。このカム36のカム面は、光源保持枠25の背面に当接している。これにより、カム36は、光源保持枠25が二本の付勢部材37の付勢力によって背面側に傾倒するのを支えている。
このように構成された照準光源調整機構16は、次のように作用する。即ち、まず、使用者(ユーザ)が光源調整用ダイヤル31を回転操作する。すると、これにより、ハイポイドピニオンギヤ33が同方向に回転する。ハイポイドギヤ34の回転は、これに噛合するハイポイドギヤ34を所定方向に回転させる。すると、ハイポイドギヤ34とはギヤ軸35を介して同軸上に固設されているカム36が同方向に回転する。カム36のカム面は光源保持枠25の背面に当接しているので、当該光源保持枠25は、カム36のカム面形状に従って矢印R2に沿う方向に、付勢部材37の付勢力に抗して、若しくは付勢部材37の付勢力に応じて、回転支軸25a周りに揺動する。したがって、これにより、光源保持枠25に搭載された照準光源15の指向方向が上下方向(Y軸方向)において変化する。つまり、照準光源15から発散される照準光の光路を変化させ、照準光源15が所望の位置を指向するように調整することができる。つまり、光学照準器1の光路Lと撮像装置100(使用機器)の撮像光学系の光軸Oとの交差点、即ち視差の調整を容易に行うことができる。
本実施形態の光学照準器1に適用した上記構成の照準光源調整機構16によれば、使用者(ユーザ)が調整操作を簡単に行うことができると共に、操作部材の回転を伝達する伝達機構部の部品点数を削減することができるので筐体部10の内部占有空間を少なくできるので、光学照準器1自体の小型化を阻害することがない。
そして、上述したような調整を済ませた後、本実施形態の光学照準器1を取り付けた撮像装置100を用いて撮像動作を行うのに際しては、使用者(ユーザ)は、図3に示すように、上面開口10aから第2の光学素子13の反射面を視認する。図3においては、使用者(ユーザ)が目200によって、上面開口10aから第2の光学素子13の反射面を覗いている様子を示している。
この状態において、上記第2の光学素子13の反射面には、被写体領域等の像内若しくは近傍に、照準光源15が発した光束の虚像が生じる。使用者(ユーザ)は、これを視認しながら、照準光源15の虚像と、撮像対象とする主要被写体像とを重ね合わせるように、撮像装置100の撮像光学系の光軸Oの方向を設定する。このようにして、所望の被写体(照準対象物)を撮像範囲内に容易に導入することができる。そうして、照準光源15の虚像と、撮像対象物の像とが重畳した任意のタイミングで撮像装置100を操作して撮像動作を実行する。これにより、所望の被写体の撮影を容易に行うことができる。
以上説明したように、上記第1の実施形態によれば、筐体部10の上面に上面開口10aを設けると共に、被写体領域等からの入射光の光路及び照準光源15の照準光の光路(図1等において符号L参照)に対して角度略45度〜60度だけ傾けて配置した第2の光学素子13を備え、上記上面開口10aに対向する部位に上記第2の光学素子13の反射面を配置するように構成している。したがって、この構成により、当該光学照準器1を取り付けた撮像装置100(使用機器)の上面から上面開口10aを介して第2の光学素子13の反射面を覗き込む無理のない姿勢で照準を行うことができる。特に、この姿勢においては、例えばローアングル撮影時若しくはハイアングル撮影時等であっても、また、所望の被写体(対象物)が天頂付近にある場合、具体的には例えば天体撮影時や鳥若しくは飛行機等の飛行物体を撮像(観察)するような場合であっても、常に楽な姿勢で正確な照準を行うことができる。
また、筐体部10の内部に各構成物を収納配置して、各構成物の全体が覆われる形態とし、筐体部10の上面に設けた上面開口10aから覗き込むことで、所望の照準を行うようにしたので、不要な外光が遮断されて、常に明瞭な照準光の像(レティクル,照準マーク)を視認することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の光学照準器について、以下に説明する。図6〜図8は、本実施形態の光学照準器における主要な内部構成物の配置を示す図である。このうち図6は右側面から見たようすを示している。図7は前面から見たようすを示している。図8は上面から見たようすを示している。
本実施形態の構成は、基本的には上述の第1の実施形態と略同様である。したがって、上記第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についての構成を以下に詳述する。
本実施形態の光学照準器1Aは、上述の第1の実施形態と略同様に、筐体部10Aと、第1の光学素子12と、第2の光学素子13と、照準光源15と、照準光源調整機構16等を具備して構成されている。なお、本実施形態においては、コリメーターレンズを設けていないが、上記第1の実施形態と同様に、照準光源15の前方にコリメーターレンズを配設する構成としてもよい。
筐体部10Aは、上記第1の実施形態と同様に、全体として箱型形状に形成されている。この筐体部10Aの内部には、上記照準光源15,上記第1の光学素子12,上記第2の光学素子13等の各種構成部材が、それぞれ所定の部位に所定の形態で収納配置されている。
筐体部10Aの底面側の外面に撮像装置(使用機器)のアクセサリシューに対応した接続嵌合部18が配設されている点は、上記第1の実施形態と同様である。
筐体部10Aの前面側には、上記第1の実施形態と略同様形態の前面開口10bが形成されている。筐体部10Aの内部において、この前面開口10bの近傍には、第1の光学素子12が配設されている。
筐体部10Aの背面側には、背面開口10cが形成されている。この背面開口10cは、上記第1の実施形態における上面開口10aは代えて設けられる第2光学素子13の視認用の覗き窓である。そのために、筐体部10Aの内部において、上記背面開口10cの近傍には、例えばガラス若しくは樹脂製の透明な平行平面板からなるカバーガラス21が配置されている。このカバーガラス21は、筐体部10A内部を保護すると共に、当該光学照準器1Aの使用時に、使用者(ユーザ)が上記背面開口10cから第2の光学素子13を視認することを許容している。
上記第1の光学素子12は、上述の第1の実施形態と同様に、被写体(照準対象物)に対向させて筐体部10Aの前面に配置され、被写体領域(照準対象領域)等からの入射光を透過させると共に、照準光源15からの照準光を上記前面とは相反する背面側に向けて反射させ得る部位に配設されている。この第1の光学素子12の具体的な構成は、上記第1の実施形態と同様である。第1の光学素子12は、第1保持枠22によって保持されて、筐体部10Aの固定部に固定されている。
照準光源15は、照準光を発散させる光源と、この光源を駆動する電子回路等を含んで構成される構成ユニットであり、その詳細構成は上述の第1の実施形態と同様である。ただし、本実施形態においては、照準光源15は、筐体部10Aの内部において、側面部位に配設されている。本実施形態においては、図に示すように、筐体部10Aの内部において右側面部位に配置した例を示している。本実施形態において、照準光源15からの照準光は、X軸に沿う方向に発散されるように構成されている。その照準光の光路上には、第2の光学素子13が配設されている。
第2の光学素子13は、第1の光学素子12を透過した被写体領域からの入射光を透過させると共に、照準光源15からの照準光を反射させて前方にある第1の光学素子12の反射面へと反射させる反射面を有して構成されている。そのために、本実施形態における第2の光学素子13は、照準光源15の照準光の光路(図6〜図8において符号L1,L2参照)及び被写体領域からの入射光の光路(図6〜図8において符号L1参照)に対して例えば角度略45度傾けて、当該光路上に配置されている。
この場合において、第2の光学素子13の反射面は、前面に設けられている第1の光学素子12の反射面に向けて配置されている。なお、第2の光学素子13は、第2保持枠23によって保持されて、筐体部10Aの固定部に固定されている。
なお、照準光源調整機構16を含めたその他の構成は、上述の第1の実施形態と同様である。また、本実施形態においては、照準光源15及び照準光源調整機構16を筐体部10Aの内部において、右側面部位に配置した例を示しているが、この構成例に限られることはなく、例えば左側面部位に配置してもよい。その場合には、第2の光学素子13の配置、即ち反射面の傾き配置も合わせて変更すればよい。
このように構成される本実施形態の光学照準器1Aを撮像装置(不図示)等に取り付けて使用する場合、使用者(ユーザ)は、図6に示すように、背面開口10cから第2の光学素子13を視認する。図6においては、使用者(ユーザ)が目200によって、背面開口10cから第2の光学素子13を覗いている様子を示している。
この状態において、照準光源15から発した光束は、第2の光学素子13の反射面で前方に反射した後、第1の光学素子12の背面側の反射面で反射される。これにより、背面開口10cから第2の光学素子13を覗いている使用者(ユーザ)の目200には、被写体領域の像と、照準光源15が発した光束の虚像が重畳して視認し得るはずである。使用者(ユーザ)は、これを視認しながら、照準光源15の虚像と、撮像対象とする主要被写体像とを重ね合わせるように、撮像装置の方向を設定する。こうにして、所望の被写体(照準対象物)を撮像範囲内に容易に導入することができる。そうして、照準光源15の虚像と、撮像対象物の像とが重畳した任意のタイミングで撮像装置を操作して撮像動作を実行する。これにより、所望の被写体の撮影を容易に行うことができる。
以上説明したように、上記第2の実施形態によれば、照準光源15及び照準光源調整機構16等を筐体部10Aの内部において側面部位に配置したので、照準光の光路長を短くすることができ、よって装置の小型化に寄与することができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の光学照準器について、以下に説明する。図9は、本実施形態の光学照準器における主要な内部構成物の配置を示し、右側面から見たようすを示している。
本実施形態の構成は、基本的には上述の第1,第2の実施形態と略同様である。したがって、上記各実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についての構成を以下に詳述する。
本実施形態の光学照準器1Bは、上述の各実施形態と略同様に、筐体部10Bと、第1の光学素子12と、第2の光学素子13と、照準光源15等を具備して構成されている。なお、本実施形態においてもコリメーターレンズを設けていないが、上記第1の実施形態と同様に、照準光源15の前方にコリメーターレンズを配設する構成としてもよい。また、照準光源調整機構についても設けていない構成としているが、上記第1の実施形態と同様構成の照準光源調整機構を設けてもよい。
筐体部10Bは、上記各実施形態と同様に、全体として箱型形状に形成されている。この筐体部10Bの内部には、上記照準光源15,上記第1の光学素子12,上記第2の光学素子13等の各種構成部材が、それぞれ所定の部位に所定の形態で収納配置されている。
筐体部10Bの底面側の外面に撮像装置(使用機器)のアクセサリシューに対応した接続嵌合部18が配設されている点は、上記各実施形態と同様である。
筐体部10Bの前面側には、上記各実施形態と略同様形態の前面開口10bが形成されている。筐体部10Bの内部において、この前面開口10bの近傍には、第1の光学素子12が配設されている。
筐体部10Bの上面側には、上記第1の実施形態と同様に、上面開口10aが形成されている。この上面開口10aはスライドカバー部材11によって開閉されるように構成されている点も上記第1の実施形態と同様である。なお、図9に示す状態はスライドカバー部材11が開位置にある状態を示している(実線)。同図9においてスライドカバー部材11の閉位置を二点鎖線で示している。
筐体部10Bの背面側には、上記第2の実施形態と同様に、背面開口10cが形成されている。筐体部10Bの内部において、上記背面開口10cの近傍にはカバーガラス21が固設されていて、このカバーガラス21が筐体部10Bの内部を保護すると共に、当該光学照準器1Bの使用時に、使用者(ユーザ)が上記背面開口10cから第2の光学素子13を視認することを許容している。
上記第1の光学素子12は、上記各実施形態と同様に、被写体(照準対象物)に対向させて筐体部10Bの前面に配置され、被写体領域(照準対象領域)等からの入射光を透過させると共に、照準光源15からの照準光を上記前面とは相反する背面側に向けて反射させ得る部位に配設されている。第1の光学素子12は、第1保持枠22によって保持されて、筐体部10Bの固定部に固定されている。
なお、本実施形態において、第1の光学素子12は、照準光源15の配置(後述する底面側の部位)に対応させて配置されている。具体的には、第1の光学素子12の背面側の反射面を照準光源15の照準光の光路上において当該照準光源15に対向させて配置されている。これにより、第1の光学素子12の反射面は、照準光源15から発する照準光を所定の方向、即ち背面側に向けて反射し得るような配置となっている。
照準光源15は、照準光を発散させる光源及び当該光源を駆動する電子回路等を含んで構成される構成ユニットであり、その詳細構成は上述の第1の実施形態と同様である。
なお、本実施形態においては、照準光源15は、筐体部10Bの内部において、底面部位に配設されている。この場合において、照準光源15は、図9に示す符号L3に沿う方向、即ち前方に配置される第1の光学素子12の反射面に向けて照準光を発散するように配設されている。
第2の光学素子13は、第1の光学素子12を透過した被写体領域からの入射光を反射及び透過させると共に、第1の光学素子12の反射面で反射された照準光源15からの照準光を反射又は透過させる反射面を有して構成されている。そのために、本実施形態における第2の光学素子13は、被写体領域からの入射光の光路(図9において符号L1参照)及び第1の光学素子12の反射面で反射された照準光源15の照準光の光路(図9において符号L3,L1参照)に対して例えば角度略45度〜60度だけ傾けて、当該光路上に配置されている。また、本実施形態においては、第2の光学素子13は、筐体部10Bの内部において、Z軸方向に第1の光学素子12と第2の光学素子13との間の領域に配設されている。そして、第2の光学素子13の反射面は、前面に設けられている第1の光学素子12の反射面を向くように、かつ上面開口10aに向くように配置されている。なお、第2の光学素子13は、第2保持枠23によって保持されて、筐体部10Bの固定部に固定されている。
また、筐体部10Bの内部において、底面側の所定の領域には、電池収納室10dが形成されている。この電池収納室10dに収納される電源電池17を挿脱するために、筐体部10Bの底面部の一部領域は、電池蓋10eとして着脱自在に形成されている。この電池蓋10eは、例えば、図9において、Z軸に沿う方向にスライド移動することで、着脱し得るように構成されている。また、当該電池蓋10eが筐体部10Bの底面側の所定の部位に配置された時、即ち電池蓋10eが電池収納室10dを覆う位置に配置された時、当該電池蓋10eは、筐体部10Bの底面に対してスライド移動が規制されたロック状態となるように、電池蓋ロック機構が設けられている。この電池蓋ロック機構の詳細は図示を省略し、また構成の詳細説明も省略するが、従来一般的な撮像装置等の電子機器において一般に適用されている形態のものが適用されているものとする。
図9は、上記電池収納室10dに電源電池17が装填された状態を示している。この状態においては、電源電池17は、電池収納室10dの周縁部に配設される金属製の押圧バネ部材20による側面からの付勢力を受けている。ここで、押圧バネ部材20の付勢力は、電池挿入方向(Y軸に沿う方向)に対して直交する方向(Z軸に沿う方向)への付勢力である。これにより、電源電池17の側面が押圧バネ部材20に当接しこれを付勢している。つまり、電池収納室10d内部に電源電池17が装填されたときには、上記押圧バネ部材20が電源電池17を常に押圧しており、当該押圧バネ部材20は常にチャージ状態にある。
このように構成される本実施形態の光学照準器1Bにおいても、上述の各実施形態と同様に使用することができる。さらに、本実施形態の光学照準器1Bにおいては、スライドカバー部材11を図9に示す開位置(実線)に配置して上面開口10aから第2光学素子13の反射面を覗く第1の使用形態(図9の符号200A参照)と、スライドカバー部材11を図9に示す閉位置(二点鎖線)に配置して上面開口10aを閉状態とし、背面開口10cから第2光学素子13を覗く第2の使用形態(図9の符号200B参照)との二つの使用形態を選択して照準を行うことができる。
以上説明したように、上記第3の実施形態によれば、上記各実施形態によって得られる効果を同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態においては、1つの機器において、複数(2つ)の使用形態を実現して、使用者(ユーザ)が所望の使用形態を使用状況や使用環境に応じて選択することができるようにしたので、使用者(ユーザ)は常に楽な姿勢で正確な照準を行うことができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態の光学照準器について、以下に説明する。図10〜図12は、本実施形態を示す図である。このうち、図10は、本実施形態の光学照準器の非使用時の形態(カバー閉状態)における全体構成を示す外観斜視図である。図11は、本実施形態の光学照準器を使用時の形態(カバー開状態)として撮像装置(使用機器)に取り付けた状態を示す外観斜視図である。図12は、本実施形態の光学照準器の主要な内部構成物の配置を概念的に示し、右側面から見たようすを示している。この図12において、上側カバー部材41が閉位置にある非使用形態を実線で示し、上側カバー部材41が開位置にある使用形態を二点鎖線で示している。
まず、本実施形態の光学照準器1Cを取り付けて使用する使用機器としての撮像装置100の構成を簡単に説明する。
撮像装置100は、図11に示すように、箱型形状を有するボディ101と、筒型形状を有するレンズ鏡筒102とによって構成される。ボディ101の上面には、図示されていないが、例えば撮像モードダイヤル,シャッターリリースボタン,電源オンオフボタン等の複数の操作部材が設けられている。また、ボディ101の上面の略中央部分には、各種のアクセサリ機器、例えば本実施形態の光学照準器1Cや汎用の閃光発光装置等を着脱可能とするアクセサリシュー104が配設されている。そして、ボディ101の背面には、例えば各種設定等を行なうダイヤル等を含む複数の操作部材(不図示)が設けられているほか、撮像動作時はライブビュー画像を表示にする。撮像済み画像を表示する表示装置105が、その表示面を背面外方に向けて配設されている。なお、ボディ101の前面にはマウント部103が設けられている。このマウント部103は、レンズ鏡筒102を当該ボディ101の前面に対し着脱自在に配設するための取り付け機構である。
レンズ鏡筒102は、上記マウント部103を介してボディ101の前面に取り付けられて、当該ボディ101の前方に向けて突出するように配設される。レンズ鏡筒102は、複数の光学レンズからなる撮像光学系102aと、これら複数の光学レンズをそれぞれ保持する複数の筒部材102bと、これら複数の筒部材102bの一部を上記撮像光学系102aの光軸Oに沿う方向に進退駆動するために内部に配設される駆動機構(不図示)等によって構成されている。なお、図面において、符号Oで示す直線は、レンズ鏡筒102における撮像光学系102aの光軸を示している。
このレンズ鏡筒102の構成としては、上述した形態のもの、即ちマウント部103を介してボディ101の前面に着脱自在とする形態のものであって、いわゆるレンズ交換式撮像装置に対応する交換レンズ鏡筒のほかにも、ボディ101の前面に固設される形態のものであって、いわゆるレンズ固定式撮像装置に応じた構成のレンズ鏡筒であってもよい。
アクセサリシュー104は、断面がチャンネル形状に形成される一対の保持部のそれぞれを、互いに対向するように配置した形態で、光学照準器1Cやその他の外部機器に共通形態で設けられる接続嵌合部18が嵌合され、これを保持し得るように構成される取り付け部位である。アクセサリシュー104は、主に導電性の金属部材を用いて形成されている。
また、上記撮像装置100の上面においては、上記アクセサリシュー104の一対の保持部によって囲まれる部位に、複数の電気接点(不図示)が設けられる構成としてもよい。これらの複数の電気接点は、ボディ101の内部に設けられる電気回路(不図示)に接続されている。また、これら複数の電気接点は、当該撮像装置100に上記光学照準器1Cが取り付けられた状態となったとき、つまりアクセサリシュー104に接続嵌合部18が嵌合配置されたとき、光学照準器1C側の接点(不図示)が接触する位置に配置されている。したがって、撮像装置100側の複数の電気接点と光学照準器1C側の接点とは、撮像装置100と光学照準器1Cとを電気的に接続して、例えばボディ101側から光学照準器1C側へと電力を供給したり、光学照準器1C側の内部構成ユニット(例えば照準光源15;後述)の動作状態をボディ101側の制御部(不図示)へと伝達する等の信号通信を行う手段として機能するように構成される。その他、撮像装置100としての構成は、従来一般的に実用化されている撮像装置と略同様である。
本実施形態の光学照準器1Cは、上述のように構成される既存の撮像装置100(所望の使用機器)のアクセサリ取付部であるアクセサリシュー104に取り付けて、所定の調整を適正に行った後に、実際の使用に供することができる。
次に、本実施形態の光学照準器1Cの構成について、主に図10〜図12を用いて以下に説明する。
本実施形態の光学照準器1Cは、上側カバー部材41及び本体筐体部42とからなる外装部材と、リンク機構43と、上記本体筐体部42の内部に配設される各種構成ユニット(詳細後述)と、当該光学照準器1Cを上記使用機器の取付部(アクセサリシュー104)に装着するための接続機構(18,19)等によって構成されている。
上記外装部材を構成する上側カバー部材41及び本体筐体部42は、いずれも一面に開口を有する筐体形状からなり、両者(41,42)が双方の開口(41x,42x)を互いに被覆し合うように嵌合されることによって、両者(41,42)が一体となることで、内部に所定の空間を有する一つの筐体が形成されるように構成されている。
また、上側カバー部材41と本体筐体部42とは、リンク機構43によって連結されている。このリンク機構43は、上側カバー部材41と本体筐体部42とを連結し、各開口41x,42xを開閉自在とする部材であって、上側カバー部材41を本体筐体部42に対し所定の範囲内(後述する非使用時の閉位置と使用時の開位置との間)において移動させるものである。なお、このリンク機構43の詳細構成は後述する。
したがって、本実施形態の光学照準器1Cは、上記リンク機構43が作用することによって、図10に示す非使用時の形態(カバー閉状態)と、図11に示す使用時の形態(カバー開状態)との二態様に変位し得るように構成されている。
ここで、図10に示す非使用時の形態は、上側カバー部材41が本体筐体部42の上面側の開口42xの全体を覆い隠した状態である。この状態にあるとき、本体筐体部42の内部に収納されている各種の構成ユニットは、上側カバー部材41によって被覆された状態となる。なお、このときの上側カバー部材41の位置を非使用時の閉位置というものとし、同状態をカバー閉状態というものとする。この状態においては、上側カバー部材41と本体筐体部42とは略一体となっており、両者(41,42)は内部に所定の空間を有する一つの筐体を構成している。このとき、リンク機構43は倒置した状態となって、当該筐体の空間内部に収納されている。したがって、この状態にあるときの光学照準器1Cの形態を非使用時の形態という。
一方、図11に示す使用時の形態は、本体筐体部42の上面側の開口42xから離間した位置に、リンク機構43を介して上側カバー部材41が配置された状態である。この状態にあるとき、上側カバー部材41は、本体筐体部42の上面側を覆っている。これと同時に、上側カバー部材41は、本体筐体部42の内部に収納されている構成ユニットのうち照準光源15から発散される照準光の光路及び前方にある被写体若しくは照準対象とする対象物を含む領域(即ち被写体領域若しくは照準対象領域。以下の説明では単に被写体領域等というものとする)からの入射光の光路に沿う方向に延びる光路開口40(詳細後述。図10参照)を上記本体筐体部42との間に形成している。このときの上側カバー部材41の位置を使用時の開位置というものとし、同状態をカバー開状態というものとする。この状態においては、上側カバー部材41と本体筐体部42とは、起立した状態のリンク機構43を介して連結されており、上側カバー部材41が本体筐体部42に対して離間した位置に配置されている。したがって、この状態にあるときの光学照準器1Cの形態を使用時の形態という。なお、上記上側カバー部材41の非使用時の閉位置と使用時の開位置とは、それぞれの位置で保持されるように構成されている。
上側カバー部材41は、上述したように、一面に開口41xを有する筐体として、例えば樹脂成形等によって形成されたカバー部材である。上側カバー部材41は、開口41xに対向する位置の閉塞部をなし上側カバー部材41の主に上面側を覆う面となる天面部41aと、開口41xを囲うように天面部41aの周縁から起立する複数の壁面、即ち右側壁41b,左側壁41c,前面壁41d,背面壁41eとによって形成される。
これら複数の壁面のうち右側壁41b及び左側壁41cは、上側カバー部材41の主に左右両側面を覆う面である。右側壁41b及び左側壁41cは、Z軸に沿う背面寄りの一部領域41bbが、それ以外の領域41baに対して切り欠かれた形態となっている。これにより、当該上側カバー部材41が開位置となったとき、光路開口40に沿う方向において背面寄りの両側方の開口視野が確保されるように形成している。
また、前面壁41dは、上側カバー部材41の主に前面側を覆う面である。この前面壁41dには、当該上側カバー部材41が開位置となったとき、光路開口40に沿う方向において前面側上方の開口視野を確保するために前面壁41dの一部が切り欠かれた切欠41daが形成されている。そして、背面壁41eは、上側カバー部材41の主に背面側を覆う面である。この背面壁41eにも、上記前面壁41dと同様に、当該上側カバー部材41が開位置となったとき、光路開口40に沿う方向において背面側上方の開口視野を確保するために背面壁41eの一部が切り欠かれた切欠(不図示)が形成されている。
さらに、上側カバー部材41の天面部41aには、後述するように本体筐体部42の内部に所定の形態で配置される第2の光学素子13の反射面に対向する部位に形成され、当該第2の光学素子13の反射面を覗き得るようにした覗き窓となる貫通した開口である上面開口10aが形成されている。
上記上面開口10aは、スライドカバー部材11によって開閉されるように構成されている。つまり、スライドカバー部材11は上面開口10aを閉状態として内部構成物を保護する閉位置と、上面開口10aを開状態として当該上面開口10aから第2の光学素子13の反射面を視認し得る状態とする開位置との間でスライド移動可能に構成されている。なお、このスライドカバー部材11の構成については、上述の第1の実施形態で適用したものと同様のものが適用されているものとし、その詳細説明は省略する。
本体筐体部42は、上述したように、一面に開口42xを有する筐体として、例えば樹脂成形等によって形成されている。本体筐体部42は、開口42xに対向する位置の閉塞部をなし本体筐体部42の主に底面側を覆う面となる底面部と、開口42xを囲うように底面部の周縁から起立する複数の壁面(左右両側壁,前面壁,背面壁)とによって形成される。
なお、本体筐体部42に対して上側カバー部材41が非使用時の閉位置に配設された状態では、上側カバー部材41の開口41xは、本体筐体部42の開口42xに対向配置されて、上側カバー部材41は本体筐体部42の開口42xを完全に被覆する。このとき、上側カバー部材41の外表面と、本体筐体部42の外表面とは、全体的に略面一となるように構成されている(図10参照)。
また、本体筐体部42に対して上側カバー部材41が開位置に配設された状態では、上述したように、上側カバー部材41は本体筐体部42の開口42xから離間した位置で同開口42xの上面側を覆っている。このとき、上側カバー部材41と本体筐体部42との間には、照準光源15から発散される照準光の光路に沿う光路開口40が形成される。この場合において、本体筐体部42の前面壁には、当該光路開口40に沿う方向において前面側下方及びその両側方の開口視野を確保するために、前面壁の一部が切り欠かれて前面切欠42eが形成されている。ここで、前面壁は厚みを有しており、上記前面切欠42e、さらに前面下方及び前面両側方に向けて広くなるような傾斜面を有して開口している。
本体筐体部42の外面側には、複数の操作部材が配設されている。これら複数の操作部材は、本体筐体部42の内部に収納されている各構成ユニットに連動するものである。例えば、本体筐体部42の右側面における前面寄りの部位には、照準光源の照度を調整するための照度調整部(不図示)に含まれる電源オンオフ兼照度調整ダイヤル24がX軸周りに回動自在に配設されている。また、本体筐体部42の右側面における背面寄りの部位には、照準光源15から発散される照準光の方向の調整を行うための照準光源調整機構(不図示)に含まれるX軸方向調整ダイヤル51xがX軸周りに回動自在に配設されている。さらに、その他の操作部材としては、照準光源調整機構のY軸方向調整ダイヤルや上側カバー部材41の閉位置ロック状態を解除する上側カバー開レバー等(いずれも不図示)がそれぞれ所定の位置に所定の形態で配設されている。
本体筐体部42の底面側には、当該光学照準器1Cを使用する使用機器(撮像装置100;図11参照)の取付部(アクセサリシュー104等)に当該光学照準器1Cを接続固定するための接続機構が配設されている。この接続機構は、上記撮像装置100(使用機器)のアクセサリシュー104に接続固定するための接続嵌合部18と、この接続嵌合部18を撮像装置100のアクセサリシュー104に固定するための締結リング19と、当該光学照準器1Cと撮像装置100との電気的な接続を確保するための電気接点(不図示)等によって構成されている。なお、この接続機構は、従来一般に普及している撮像装置等のアクセサリシューに対応する汎用的な機構が適用されているものとする。したがって、その詳細構成は省略する。
本体筐体部42の内部には、本実施形態の光学照準器1Cを構成する各種構成ユニットが収納配置されている。例えば、図12に示すように、第1保持枠22に保持される第1の光学素子12と、第2保持枠23に保持される第2の光学素子13と、照準光源15と、リンク機構43等のほか、図示を省略しているが照準光源調整機構,電源部,照度調整部等の各種構成部材が、それぞれ所定の部位に所定の形態で収納配置されている。このうち、第1の光学素子12及び第1保持枠22と、第2の光学素子13及び第2保持枠23と、照準光源15とは、本実施形態の光学照準器1Cを構成する主たる構成部材である。本実施形態の光学照準器1Cは、一般にドットサイトと称されている形態を有するものである。
第1の光学素子12は、第1保持枠22に保持されて、本体筐体部42の内部において光路開口40の前面寄りの部位に配設されている。そして、第1保持枠22は、非使用時の倒置形態と使用時の起立形態との間で姿勢変位し得るように構成されている。
即ち、第1の光学素子12を保持する第1保持枠22は、図11,図12(二点鎖線)に示す使用時の形態とされた時、光路開口40の方向(Z軸に沿う方向)に対して略直交する方向に起立した形態に配設される。このとき、第1の光学素子12は、被写体領域等からの入射光を透過させると共に、上記照準光源15から発散される光束を被写体領域に対向する前面側とは相反する背面側に向けて反射するように構成されている。つまり、第1の光学素子12は、使用時の形態にある時、反射面を背面側に向けて配設されている。また、この状態において、照準光源15は、底面側に設けられていることから、この照準光源15からの発散光を背面側へ反射させるために、第1の光学素子12の反射面は、照準光源15の光路を考慮して照準光源15側に所定の角度で傾けて配置されている。
本実施形態において第1の光学素子12は、例えば放物面形状もしくは放物面に近似した凹曲面状の反射面を有し、例えば透明なガラス若しくは透明樹脂材料によって形成される光学部材である。そして、この第1の光学素子12の反射面は、可視光波長域のうちの特定の波長域の光、例えば赤色光のみを反射する一方、上記特定の波長域の光以外の他の波長域の光を透過する誘電多層膜等が設けられたダイクロイックミラー若しくはハーフミラー等が適用されている。
また、上記第1保持枠22は、当該光学照準器1Cが図10,図12(実線)に示す非使用時の形態とされた時には、光路開口40の方向(Z軸に沿う方向)に対して所定の角度の傾きをもって傾倒する形態となるように配設される。この非使用時の倒置形態においては、第1の光学素子12も同様に、使用時の形態に対して傾倒した形態とされて、上側カバー部材41及び本体筐体部42によって形成される筐体内部に完全に収納された状態となる。
なお、このとき、第1保持枠22の傾倒角度と第1の光学素子12の傾倒角度とを異なる角度でそれぞれを別個に傾倒させるようにしてもよい。図12に示す例では、第1保持枠22の傾倒角度に比べて、第1の光学素子12の傾倒角度を若干大きく設定した例を示している。このようにすれば、上側カバー部材41の非使用時の位置を低い位置に設定することができる。したがって、当該光学照準器1Cの非使用時の形態の大きさをさらに小型化することができる。
第2の光学素子13は、第2保持枠23に保持されて、本体筐体部42の内部において光路開口40の中程の部位であって、上記第1の光学素子12と上記照準光源15との間の所定の部位に配設されている。そして、第2保持枠23も、上記第1保持枠22と同様に、非使用時の倒置形態と使用時の起立形態との間で姿勢変位し得るように構成されている。また、本実施形態において第2の光学素子13は、上記第1の光学素子12と同様構成からなる光学素子である。
なお、第2の光学素子13を保持する第2保持枠23においては、当該光学照準器1Cが図12(実線)に示す非使用時の形態とされた時、光路開口40の方向(Z軸に沿う方向)に対して略直交する方向に起立した形態となるように配設される。このとき、第2の光学素子13は、被写体領域等からの入射光及び上記照準光源15から発散され上記第1の光学素子12によって背面側に反射した光束の一部を、後述する上面開口10aの側に向けて反射させると共に、同光束の他の一部を光路開口40の背面側に向けて透過させるように構成されている。つまり、第2の光学素子13は、使用時の形態にある時、反射面は前面側及び上面側に向けて配設されている。
また、上記第2保持枠23は、当該光学照準器1Cが図12(実線)に示す非使用時の形態とされた時には、光路開口40の方向(Z軸に沿う方向)に対して所定の角度の傾きをもって傾倒した形態に配設される。この非使用時の倒置形態においては、第2の光学素子13も同様に、使用時の形態よりも傾倒した形態となり、その表面がZ軸に沿う方向に傾倒された状態となって、上側カバー部材41及び本体筐体部42によって形成される筐体内部において完全に収納される。なお、第2の光学素子13は、非使用時の形態としては、図12の点線で示すが如く、さらに傾倒させることにより、本体筐体部42の底面部に形成された凹形状の凹状収納部位42aに収納配置されるように構成してもよい。
照準光源15は、第1の光学素子12の反射面に向けて照準光を発散させる光源と、この光源を駆動する電子回路等を含んで構成される構成ユニットである。この照準光源15は照準光源調整機構(不図示)によって照準光の上下方向を調整できるように構成されている。
照準光源15は、本体筐体部42の内部において背面寄りの部位に配設されている。照準光源15の光源としては、点状の光源を発光する発光部材、例えば赤色光を発光する発光ダイオード(LED)等が適用されている。
なお、照準光源15の光源形状の形態としては、点形状のほか、十字形マーク,丸印,二重丸印,十字と丸とを重畳させたマーク,目盛形状等、各種の形態のものが考えられ、さらに、これら複数のマークを切り換え選択可能とするような形態としてもよい。
そして、照準光源15は、当該光学照準器1Cが使用時の形態とされて、第1保持枠22及び第2保持枠23が起立形態となったときに、第1の光学素子12の反射面に向けて照準光を発散させるように構成されている。
このとき、照準光源15は、第2の光学素子13よりも背面寄りの部位に配設されており、上記第1の光学素子12は、第2の光学素子13よりも前面側に配設されている。したがって、照準光源15から発散される照準光が、第2の光学素子13の第2保持枠23によって阻害されてしまう可能性がある。そこで、照準光源15からの照準光が、第2保持枠23によって阻害されること無く、確実に第1の光学素子12の反射面へと到達し得るようにするために、上記第2保持枠23には、照準光の光路を確保するための貫通穴23aが形成されている。なお、貫通穴23aは照準光の光路を妨げない構成となっておればよく、穴形状に代えて第2保持枠23の一部を切り欠いた形態であってもよい。
本実施形態の光学照準器1Cにおいては、上述したように、第1の光学素子12の反射面は、例えばダイクロイックミラー等によって形成されている。したがって、第1の光学素子12の反射面は、照準光源15から発散される照準光の波長に含まれる所定の波長帯域の光を反射する一方、その他の波長帯域の光を透過させる。
ここで、本実施形態の光学照準器1Cにおける照準光源15として、例えば赤色光を発光する発光ダイオード(LED)が適用されているものとする。この場合、第1の光学素子12の反射面は、照準光源15から発散される赤色の波長帯域を反射する一方、同第1の光学素子12は、青色及び緑色の波長帯域の光を透過させることになる。
したがって、これにより、当該光学照準器1Cの使用状態において、使用者(ユーザ)が上記光路開口40の背面側から覗いて前方を見た時、第1の光学素子12を介して透過観察し得る前方視野像に、照準光源15から発散されて第1の光学素子12の反射面によって反射された光点が重畳された形態の像を視認することができる。
電源部は、電源電池等を含み、当該電源電池の電力を照準光源15の駆動電力として供給制御する電気回路等によって構成される。なお、本実施形態において、当該電源部については、その図示を省略しているが、その電源部の配置としては、例えば本体筐体部42の内部において底面側等の空間に配設されるようにすればよい。
または、光学照準器1Cが電源部を具備しない構成とすることも可能である。その場合の構成としては、例えば当該光学照準器1Cと撮像装置100(使用機器)とを接続した状態で、接続嵌合部18及びアクセサリシュー104を介して電気的な接続を確保することにより、撮像装置100(使用機器)側から当該光学照準器1C側への電力供給を行い得るような構成とすればよい。
また、照準光源15の前方には、上記第1の実施形態と同様に、コリメーターレンズを配設する構成としてもよい。
照準光源調整機構(不図示)は、照準光源15から発散される照準光の方向の調整を行うための構成ユニットである。具体的には、この照準光源調整機構は、例えば照準光の光点の第1の光学素子12の反射面上におけるX軸方向及びY軸方向の位置を調整するものである。この照準光源調整機構については本発明の要旨に直接関連しない部分であるので、その図示及び詳細説明は省略する。
照度調整部は、照準光源15から発散される照準光の光量を調整ための光量調整機構である。なお、照度調整部は、照準光源15からの照準光のオンオフ切り換えを行う切り換え機構も兼ねている。この照度調整部も本発明の要旨に直接関連しない部分であるので、その図示及び詳細説明は省略する。
ここで、第1保持枠22及び第2保持枠23を起立形態及び倒置形態との間で変位させるための光学素子起倒機構52の構成及び作用を、図12,図13を用いて以下に説明する。
光学素子起倒機構52は、図12に示すように、操作レバー44と、この操作レバー44に連動するリンク機構によって構成される。
操作レバー44は、本体筐体部42の内部の底面側において、Z軸に沿う方向において、図12の符号S1で示す位置と符号S2で示す位置との間で移動可能に配設されている。この場合において、操作レバー44のツマミ部は本体筐体部42の外面に露呈して、使用者(ユーザ)が手指を用いてスライド操作し得るように配設されている。なお、操作レバー44の詳細な構成は、図示を省略しているが、一般的に用いられるスライド式の操作部材と同様のものが用いられる。
本体筐体部42の内部において、操作レバー44には光学素子起倒機構52を構成する構成要素が連結配置されている。光学素子起倒機構52の構成要素は、第1リンク52a,第2リンク52b,第3リンク52c及び緊縮性のコイルばね等からなる付勢部材46等がある。
第1リンク52aは、一端が操作レバー44に連結され、他端が第2リンク52bの一端に連結されている。そして、第1リンク52aの中程の固定部(符号F1で示す部位)には、上記第1の光学素子12を保持する第1保持枠22の脚部の一部位が固定されている。
ここで、第1保持枠22は、基端側に脚部を有し他端側に額縁状の光学素子保持部を有して形成されている。第1保持枠22の脚部の基端部は、本体筐体部42の固定部に対してX軸に沿う方向に軸中心を有する支軸D1周りに回動自在に軸支されている。
したがって、操作レバー44がZ軸に沿う方向にスライド操作されると、上記第1リンク52aも同方向にスライド移動する。すると、当該第1リンク52aの中程の固定部(符号F1)にて固定されている第1保持枠22の脚部に力量が加わる。このとき、第1リンク52aはZ軸に沿う方向にのみスライド移動する一方、第1保持枠22は支軸D1周りに回動する。したがって、このことから第1リンク52aがZ軸に沿う方向にスライド移動すると、この第1リンク52aの中程の固定部(符号F1)で固定される第1保持枠22の脚部は、上記支軸D1を回転軸として図12において反時計回りに回動させられて、非使用時の傾倒した倒置形態(図12の実線参照)から使用時の起立形態(図12の二点鎖線参照)へと変位する。
起立形態となった第1保持枠22は、上側カバー部材41の上面から内部に向けて突設して形成される突状係止部41cに固定されることで、第1保持枠22のそれ以上の回動が規制され、同第1保持枠22の起立形態が維持されるように構成されている。
上記第1リンク52aの他端には、上述したように第2リンク52bの一端が連結されており、さらに、この第2リンク52bの他端には第3リンク52cの一端が連結されている。そして、この第3リンク52cの他端は、上記付勢部材46を介して本体筐体部42の固定部位42dに固設されている。
第2リンク52bは、第1リンク52aと第3リンク52cとを連結するための中間リンクとして機能している。
第3リンク52cは、一端が第2リンク52bに連結され、他端が付勢部材46の一端に連結されている。そして、第3リンク52cの中程の固定部(符号F2で示す部位)には、上記第2の光学素子13を保持する第2保持枠23の脚部が固定されている。
ここで、第2保持枠23は、上述の第1保持枠22と略同様に、基端側に脚部を有し他端側に額縁状の光学素子保持部を有して形成されている。第2保持枠23の脚部の基端部は、本体筐体部42の固定部に対してX軸に沿う方向に軸中心を有する支軸D2周りに回動自在に軸支されている。
したがって、操作レバー44がZ軸に沿う方向にスライド操作されると、上記第1リンク52a及び第2リンク52bを介して第3リンク52cも同方向にスライド移動する。これにより、当該第3リンク52cの中程の固定部(符号F2)にて固定されている第2保持枠23の脚部に力量が加わる。このとき、第3リンク52cはZ軸に沿う方向にのみスライド移動する一方、第2保持枠23は支軸D2周りに回動する。したがって、このことから第3リンク52cがZ軸に沿う方向にスライド移動すると、第3リンク52cの中程の固定部(符号F2)にて固定されている第2保持枠23の脚部は、上記支軸D2を回転軸として図12において反時計回りに回動させられて、非使用時の傾倒した倒置形態(図12の実線参照)から使用時の起立形態(図12の二点鎖線参照)へと変位する。
起立形態となった第2保持枠23は、第2光学素子13を所定の形態に保持した状態を維持するように構成されている。なお、第2光学素子13の所定の形態とは、例えば被写体領域からの入射光の光路及び第1の光学素子12の反射面で反射された照準光源15の照準光の光路に対して角度略45度〜60度傾けた状態である。
また、第2保持枠23が非使用時の傾倒した倒置形態(図12の実線参照)とされたときには、本体筐体部42の内部において、底面から内部に向けて突設して形成される突状係止部42cに当接することで、第2保持枠23の収納方向へのそれ以上の回動が規制され、同第2保持枠23の倒置形態が維持されるように構成されている。
上記第3リンク52cの他端には、上述したように付勢部材46の一端が連結されており、当該付勢部材46の他端は本体筐体部42の固定部位42dに固設されている。
なお、操作レバー44は、図12の符号S1で示す位置と符号S2で示す位置との各位置で位置決めされて、その位置が維持され得るように構成されている。
そのための位置決め維持機構として、例えば一般的なクリック機構45が適用されている。即ち、図12に示すように、このクリック機構45は、ボール45aと、圧縮バネ45bと、バネ支持板45cとを有して構成され、これに応じて操作レバー44側には、Z軸方向に所定の距離を有して離間した部位に2つの凹部42bが形成されている。
本体筐体部42の固定部位に固定されたバネ支持板45c上に圧縮バネ45bが緊縮状態で配置され、この圧縮バネ45bの先端部位にボール45aが配設される。ボール45aの配設部位に対向する部位を操作レバー44がスライド移動可能に配設される。このとき、上記2つの凹部42bがボール45aの配置部位を通るように、操作レバー44のスライド移動位置を設定する。このような構成により、操作レバー44がスライド移動すると、規程の位置にてボール45aが2つの凹部42bの一方に嵌まり込み、その状態になるとボール45aは、圧縮バネ45bによって押圧されるので、ボール45aは当該凹部42bから脱出しにくい状況になる。これにより、操作レバー44は規程の位置にて位置決めされ、その位置が維持されることになる。
この状態において、操作レバー44に対して、圧縮バネ45bの付勢力に抗する程度の強めの力量を加えると、ボール45aの転がり力が圧縮バネ45bの付勢力に抗してこれを押し戻し、その結果、ボール45aは当該凹部42bから脱出することができる。したがって、操作レバー44は再びスライド移動自在となる。そして、操作レバー44を移動させると、ボール45aは、他方の凹部42bに嵌まり込み、同様の作用により、操作レバー44の位置決めがなされる。
そして、上述したように、上記操作レバー44は、第1リンク52a,第2リンク52b,第3リンク52cを介して付勢部材46によって常に引っ張り方向に付勢されている。したがって、使用者(ユーザ)は、付勢部材46の付勢力に抗して操作レバー44をZ軸に沿う方向に、図12の符号S1で示す位置から符号S2で示す位置へとスライド移動させることによって、第1保持枠22及び第2保持枠23を同時に倒置形態から起立形態へと変位させることができる。そして、図12の符号S1又は符号S2で示す各位置においては、上述したように、クリック機構45の作用によって位置決めがなされ、各構成部材は各対応する規程の形態を維持するように構成されている。
次に、リンク機構43の構成と作用を以下に説明する。リンク機構43は、上側カバー部材41と本体筐体部42とを連結し、上側カバー部材41を本体筐体部42に対して使用時の開位置と非使用時の閉位置との間で変位させるための機構ユニットである。
なお、リンク機構43は、上述の光学素子起倒機構52による操作レバー44のスライド操作に応じて連動するように構成してもよい(不図示)。この場合には、後述するように、上記光学素子起倒機構52における操作レバー44の移動方向に応じた作用と、リンク機構43における力点(後述する駆動ピンB1)の移動方向に応じた作用とが、逆方向となる。つまり、操作レバー44の一方向の移動方向で各光学素子が起立する(非使用形態から使用形態に変位する)のに対して、リンク機構43の力点を同じ方向に移動させると、上側カバー部材が使用位置から非使用位置へ変位することになる。そのために、操作レバー44のスライド操作をリンク機構43へと伝達する際に、移動方向を反転させるための工夫として、例えば固定支点とレバー等の機構を介在させる必要がある。そのような構成の工夫により、上記光学素子起倒機構52と上記リンク機構43とを連動させて、1つの操作レバー44の操作によって、2つの光学素子の起倒作用と、上側カバー部材の上下移動作用とを同時に行い得る構成とすることは可能である。
また、光学素子起倒機構52による上記2つの保持枠(22,23)の起倒作用とは別に上記リンク機構43を独立した形態で作用させるように構成してもよい。また、これらの作用に連動させて、さらにスライドカバー部材11の開閉を行い得るように構成することも可能である。上記リンク機構43に連動するリンク機構として、例えば、入力リンク、固定リンク、中間リンク等の3つ以上のリンクが順次回転可能に連結されて成る自由度を1に制限する自由度制限機構で、入力リンクに対し固定リンクとの連結周りの回転駆動力を与えるアクチュエータの五節リンクまたは平行リンク等の多数節リンク機構を介在させて構成するようにしてもよい。
本実施形態におけるリンク機構43は、直線運動の入力に対して略直角方向への直線運動に変換するいわゆるスコットラッセルリンク機構を適用することにより、本体筐体部42に対して上側カバー部材41を使用時の開位置と非使用時の閉位置との間で変位させる構成を実現している。
リンク機構43は、図12(実線参照)に示すように、第1リンク48と第2リンク49とを有して構成されている。このうち、第1リンク48は、一端に力点となる駆動ピンB1を有し、他端に作用点となる従動ピンC1を有し、中程の部位に関節A1を有している。
ここで、第1リンク48は、駆動ピンB1から関節A1までのリンク長さと、関節A1から従動ピンC1までの長さと、第2リンク49のリンク長さ(関節A1から支点Eまでのリンク長さ)とが、等しくなるように設定されている。換言すると、第1リンク48において関節A1は、第1リンク48の中点に設置されており、かつ、第1リンク48のリンク長さは、第2リンク49のリンク長さの2倍となるように設定されている。
第2リンク49は、一端が位置変動しない支点Eを有し、他端は第1リンク48の関節A1において回動自在に連結している。つまり、第2リンク49は、支点Eを回動中心として本体筐体部42の固定部に対し回動自在に軸支されている。
第1リンク48の駆動ピンB1は、本体筐体部42の底面部においてZ軸に沿う方向に水平に延出するように形成される溝部42fに移動自在に嵌合している。したがって、第1リンク48の駆動ピンB1は、この溝部42fの一端から他端までの範囲内で水平方向にのみ移動する。
第1リンク48の従動ピンC1は、上記上側カバー部材41の固定部に固設されている。ここで、第1リンク48の駆動ピンB1と第2リンク49の支点Eとは、水平方向に同一直線上に配置されるように設定されている。そして、このとき駆動ピンB1が水平移動する溝部42fの軸線も、駆動ピンB1と支点Eとを結ぶ直線上に一致するように設定されている。
また、第1リンク48の従動ピンC1と第2リンク49の支点Eとは、Y軸に沿う垂直方向に直線となるように配置されている。つまり、従動ピンC1と支点Eとを結ぶ(垂直方向の)直線は、駆動ピンB1と支点Eとを結ぶ(水平方向の)直線に対して常に直交するように設定されている。
したがって、上記駆動ピンB1が水平移動すると、これに応じて上記従動ピンC1は、垂直方向に厳密な直線を描きながら移動するように構成されている。つまり、駆動ピンB1が図12の符号B2で示す位置までZ軸方向に水平移動すると、これに応じて上記従動ピンC1は図12の符号C2で示す位置までY軸に沿う方向に垂直移動する。
なお、このとき、関節A1は、図12の符号A2で示す位置へ移動する。この場合において、関節A1の移動軌跡は、支点Eを回転中心として回転する第1リンク48の半径により描かれる円(図12の符号Rで示される円)の円周となる。さらに、このときの駆動ピンの位置(符号B2で示す位置)は、上記円Rの円周上に位置する。
なお、上記リンク機構43は、当該光学照準器1Cの筐体内部において両側面のそれぞれに配設されている。
以上説明したように、上記第4の実施形態によれば、上述の第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。これに加えて、本実施形態においては、さらに、
光学照準器1Cの各構成部材を収納する筐体として、上側カバー部材41と本体筐体部42とを組み合わせ、非使用時には上側カバー部材41が本体筐体部42の開口を覆うことにより小型化することができる一方、非使用時には上側カバー部材41が本体筐体部42に対して離間した位置に移動すると共に、内部に配設される各種構成ユニットが非使用時の倒置形態から使用時の起立形態へと変位して使用に供することができる。したがって、このような構成によれば、非使用時の形態をよりコンパクトなものとすることができ、可搬性の向上や、非使用時の携帯時において内部構造の保護を確実に行うことができる。
なお、上述の第4の実施形態において、背面側の覗き窓を廃し、上側カバー部材41の上面開口10aからのみ視認するような形態としてもよい。その場合には、第2の光学素子13の反射面(誘電多層膜を形成)について、例えば、赤色または緑色、青色領域において透過率0%かつ反射率100%とする表面反射面を用いることで実現し得る。
[変形例]
ところで、上述の各実施形態の光学照準器においては、照準光源を駆動するための電力を供給する電源電池及びそれに付随する電子回路等を含む電源部を本体筐体部の内部に設けて構成している。この場合において、光源照準器側の電源状態がオフ状態である場合、若しくは光源照準器側の電源電池が消耗する等によって照準光源を充分に駆動させることができない場合を識別し、その旨の状態識別がなされた場合には、使用機器(撮像装置等)側からの電力供給を受け得るような制御がなされるように構成することもできる。この場合、電源状態のオンオフ状態の識別若しくは電源電池の消耗状態の確認は、例えば光学照準器側の電源部で行ってもよいし、使用機器(撮像装置等)側の電源部若しくは制御回路等によって行ってもよい。
このような形態の上記変形例によれば、光学照準器側の電源状態若しくは電源電池の消耗状態に関わらず、常に必要となる電力を光学照準器に対して供給することができ、よって所望の使用機器に取り付けた光学照準器を常に確実に使用することができる。
上述の各実施形態においては、一般的な形態の撮像装置、即ち箱型形状のボディと、このボディ前面に設けられ筒型形状を有するレンズ鏡筒と、ボディ背面に設けられる表示装置等によって構成される撮像装置に対して本発明の光学照準器を装着して使用する場合を想定して説明してきた。
一方、近年においては、上記従来の一般的な形態の撮像装置とは異なる形態の撮像装置が種々提案され、また実用化されている。例えば、円筒形状のボディを有し、当該円筒状ボディの前面にレンズ鏡筒を備えて構成される形態の撮像装置(以下、円筒状カメラというものとする)が実用化されている。なお、レンズ鏡筒は、円筒状ボディに固設される形態のものや、円筒状ボディに対して着脱自在とする形態のもの等、各種の形態のものがある。
この種の円筒状カメラは、ボディ内部に撮像素子とその駆動制御回路や信号処理回路等を含む撮像ユニットや、外部機器との有線及び無線による通信ユニット,電源ユニット,記録媒体等を有して構成されている。一方、当該円筒状カメラには、従来形態の撮像装置において通常具備される画像表示用の表示装置を具備しておらず、ボディ内部に具備される通信回路を介して外部機器(例えばスマートフォン,タブレット型コンピュータ等)との通信を確保して、接続した外部機器側の制御用アプリケーションを用いて撮像制御を行ったり、外部機器側の表示装置を利用して画像表示を行い得るように構成されている。この場合において、当該円筒状カメラと外部機器(スマートフォン,タブレット型コンピュータ等)とは、それぞれ別体として別個に使用することもできるし、円筒状カメラと上記外部機器とを専用のアダプタを用いて一体化して使用することもできる。
このような形態の円筒状カメラ(外部機器)に対しても、上記各実施形態の光学照準器を適用することは可能である。その場合においては、例えば円筒状カメラに設けられている三脚ネジ穴や複数のストラップ取付部等を利用して装着できるように形成した取付用補助具(例えば、金属製で平板、または輪帯形状にする。そして三脚ネジやストラップ取付部等を利用して光学照準器を取り付けるためのユニバーサルジョイントを介在した取付用補助具)を用意すればよい。
この取付用補助具には、例えばアクセサリシューを設けることによって、上記光学照準器の装着を行うことができる。つまり、上記円筒状カメラに対しては、取付用補助具を介して光学照準器等の各種のアクセサリ機器を容易に取り付け可能となる。このことを考慮して、アクセサリシューを複数設けるようにすれば至便である。
また、自撮り(自分撮り)カメラに照準器を設置する場合には、2軸(ダブルヒンジ)で回動する表示装置を有するデジタルカメラを用いる。例えば、ボディ上面にアクセサリシューが配置されており、ボディ背面に表示装置が回動自在に設けられており、その表示面がカメラの前面側に向けて配置し得るようにしたカメラにおいては、正面からみて例えば右側面に表示装置が飛び出すように配置すれば、カメラボディの下面位置にスタンドを設けることができる。即ち、この状態としたとき、ボディ上面に配置されたアクセサリシューはボディの正面から見て左側面に配置されることになる。このアクセサリシューに光学照準器を取り付ける。
このような構成にすると、光学照準器は表示装置と干渉することなく取り付けることができ、かつカメラボディの小型化を維持しつつ、光学照準器を取り外す手間を省くことができる。
また、上記円筒状カメラにおいては、それ単体では把持しにくい形状である。そこで、上記取付用補助具には、レンズ鏡筒を取り付けた円筒状カメラを把持しやすいようにするグリップ部を設けるようにしてもよい。このような形態とすれば、例えば大型のレンズ鏡筒を取り付けて使用するような場合には、使用感の向上に特に有効である。さらに、上記グリップ部には、例えば従来の撮像装置等に適用されているような形態の各種の操作部材、例えばシャッタレリーズボタンや撮影モード切り換えダイヤル等を設けると共に、円筒状カメラとの通信を行い得る通信回路等を設け、上記操作部材から発生する信号を送信して、各種制御や操作を行い得るように構成することも考えられる。
なお、当該円筒状カメラに大型レンズ鏡筒を装着したような場合には、レンズ鏡筒に具備される三脚座等を利用した形態の取付用補助具を構成することも可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。即ち、本発明の照準器を取り付けて使用する機器としては、上述の実施形態で例示したレンズ交換式のカメラ(デジタルカメラ,デジタルビデオカメラ等を含む)等の撮像装置のみに限られることはなく、例えば光学レンズ及び撮像素子を用いて取得した拡大画像を表示する表示用パネル等を備えた観察用の表示装置、若しくは望遠鏡(フィールドスコープ,スポッティングスコープ,双眼鏡等を含む)等の観察用の光学機器等のほか測量機器等に対しても同様に適用することができる。さらに、ライフル銃や拳銃等の実銃、若しくは遊戯用の銃器等、各種の機器に装着して使用することができる。
また、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。