JP6393179B2 - 硬化性組成物、画像表示装置の前面板、前面板一体型センサー、画像表示装置および画像表示装置の前面板の製造方法。 - Google Patents

硬化性組成物、画像表示装置の前面板、前面板一体型センサー、画像表示装置および画像表示装置の前面板の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性組成物、画像表示装置の前面板、前面板一体型センサー、画像表示装置および画像表示装置の前面板の製造方法に関する。より詳しくは、画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜した場合に、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい画像表示装置の前面板を得られる硬化性組成物;この硬化性組成物を用いた画像表示装置の前面板;この画像表示装置の前面板を用いた前面板一体型センサー;この前面板一体型センサーを備えた画像表示装置;および前述の硬化性組成物を用いた画像表示装置の前面板の製造方法に関する。
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶表示装置などの画像表示装置の表面にタブレット型の入力装置が配置され、画像表示装置の画像表示領域に表示された指示画像を参照しながら、この指示画像が表示されている箇所に指またはタッチペンなどを触れることで、指示画像に対応する情報の入力が行えるものがある。
このような入力装置(タッチパネル)には、抵抗膜型、静電容量型などがある。静電容量型の入力装置は、単に一枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点がある。静電容量型入力装置として、前面板が静電容量型入力装置と一体化した前面板一体型(カバーガラス一体型、OGS:One Glass Solutionとも言う)センサーを備えた静電容量型入力装置が知られている。
このような静電容量型の入力装置においては、表示装置の引き回し回路等を使用者から視認されないようにするため、また見栄えをよくするため、指またはタッチペンなどで触れる画像表示領域(情報表示領域)を囲む枠状に加飾材が形成されて、加飾が行われている。例えば、特許文献1には、基材、白色着色層および遮光層をこの順で含み、白色着色層と遮光層がいずれもシロキサン結合を主鎖に有する樹脂を含む加飾材付き基材を、静電容量型入力装置に用いることが記載されている。
また、特許文献1では、静電容量型タッチパネルを液晶や有機ELディスプレイ上に備えたスマートフォンやタブレットPCなどの画像表示装置の前面板(加飾材付き基材の基材)として、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスを用いることが記載されている。
一方、強化ガラスよりも表面が傷付きにくい材料として画像表示装置の前面板にサファイアガラスを用いることが知られている。例えば、特許文献2には、画像表示装置の前面板用としてサファイアガラスを用い、サファイアガラス上にシリカやアルミナの蒸着膜を設けることが記載されている。
特開2014−139770号公報 US2014/00871997 A1
本発明者らが特許文献2に記載のサファイアガラス上にシリカやアルミナの蒸着膜を設けた前面板を検討したところ、画像表示装置の前面板用のサファイアガラスは、前面板の強度に優れて傷つきにくいことがわかった。
しかしながら、本発明者らが特許文献2に記載のサファイアガラス上にシリカやアルミナの蒸着膜を設けた前面板に対して、加飾層を設けたところ、蒸着膜と加飾層との密着性が弱いことがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜した場合に、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい画像表示装置の前面板を得られる、硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を含有する硬化性組成物を用いて画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜することで、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい画像表示装置の前面板を得られることを見出し、本発明に至った。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明および本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
[1] 画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜するための硬化性組成物であって、
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を含有する硬化性組成物。
[2] [1]に記載の硬化性組成物は、硬化性組成物の固形分の量に対して、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物の含有量が80質量%以上であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の硬化性組成物は、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物として、少なくとも有機変性シリコーンを含むことが好ましい。
[4] [3]に記載の硬化性組成物は、有機変性シリコーンが、少なくともポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリイミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メタクリル変性シリコーンおよびアルキッド変性シリコーンのいずれか1種以上であることが好ましい。
[5] 画像表示装置の前面板用のサファイアガラスと、
サファイアガラス上に配置された[1]〜[4]のいずれか一つに記載の硬化性組成物を硬化した硬化膜と、
硬化膜上に配置された加飾層と、
を有する画像表示装置の前面板。
[6] [5]に記載の画像表示装置の前面板と、
少なくとも電極パターンを含むセンサーと、
を有する前面板一体型センサー。
[7] [6]に記載の前面板一体型センサーを構成要素として備えた、画像表示装置。
[8] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の硬化性組成物を画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に積層する積層工程と、
硬化性組成物を硬化して硬化膜を製膜する硬化工程と、
硬化膜上に加飾層を形成する工程と、を含む画像表示装置の前面板の製造方法。
[9] [8]に記載の画像表示装置の前面板の製造方法は、積層工程が、硬化性組成物をサファイアガラス上に塗布する工程であることが好ましい。
[10] [8]または[9]に記載の画像表示装置の前面板の製造方法は、硬化工程が、サファイアガラス上で硬化性組成物を200℃以上で熱処理する工程であることが好ましい。
本発明によれば、画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜した場合に、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい画像表示装置の前面板を得られる、硬化性組成物を提供できる。
本発明の画像表示装置の前面板の一例の構成を示す断面図である。 本発明における画像表示装置の前面板の一例を示す説明図である。 本発明における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。 開口部が形成されたサファイアガラスの一例を示す上面図である。 加飾層が形成された画像表示装置の前面板の一例を示す上面図である。 第一の透明電極パターンが形成された画像表示装置の前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンが形成された画像表示装置の前面板の一例を示す上面図である。 加飾層、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素が形成された画像表示装置の前面板の一例を示す上面図である。 本発明の前面板一体型センサーの一例の構成を示す断面図である。 本発明の前面板一体型センサーの一例の構成を示す概略図である。
以下、本発明の硬化性組成物、画像表示装置の前面板、前面板一体型センサー、画像表示装置および画像表示装置の前面板の製造方法について説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜するための硬化性組成物であって、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を含有する硬化性組成物である。
このような構成により、本発明の効果性組成物は、画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜した場合に、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい画像表示装置の前面板を得られる。サファイアガラス上に直接加飾層を形成した場合に比較して、加飾層の密着性が高まって加飾層が剥がれにくくなる。いかなる理論に拘泥するものでもないが、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物は、シロキサン結合を有することによりサファイアガラスとの密着性を高め、かつ、有機基を有することにより加飾層との密着性を高めることができる。
さらに本発明の硬化性組成物の好ましい態様によれば、画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜した場合に、硬化時やその他のプロセスでの加熱時に加熱による着色が少ない有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を用いることで、光の透過率も高めることができることが好ましい。
<有機基およびシロキサン結合を持つ化合物>
本発明の硬化性組成物は、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を含有する。
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物とは、有機基およびシロキサン結合を1分子内に持つ化合物のことを言う。
シロキサン結合を持つ化合物とは、シロキサン結合を少なくとも1つ分子内に有する化合物のことを言う。有機基およびシロキサン結合を持つ化合物は、複数のシロキサン結合を分子内に持つポリシロキサン化合物(いわゆるシリコーン)であることが好ましい。
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物が有する有機基の位置、種類、分子内の個数は、いずれも特に制限はない。
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物が有する有機基の位置としては、少なくとも2つのシロキサン結合に関与するケイ素原子に置換する位置(シリコーンの側鎖の位置)や、1つのシロキサン結合に関与するケイ素原子に置換する位置(シリコーンの末端の位置)や、1つのシロキサン結合に関与する酸素原子に置換する位置(シリコーンの末端の位置)などを上げることができる。有機基およびシロキサン結合を持つ化合物が有する有機基の位置は、シロキサン結合を少なくとも2つ有するケイ素原子に置換する位置(シリコーンの側鎖の位置)または1つのシロキサン結合に関与するケイ素原子に置換する位置(シリコーンの末端の位置)であることが好ましく、シロキサン結合を少なくとも2つ有するケイ素原子に置換する位置(シリコーンの側鎖の位置)および1つのシロキサン結合に関与するケイ素原子に置換する位置(シリコーンの末端の位置)であることがより好ましい。すなわち、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物は、有機変性シリコーンであることが好ましい。
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物が有する有機基の種類としては、公知のシリコーンの側鎖に用いられる有機基や、公知の有機変性シリコーンに用いられる有機変性基を挙げることができる。公知の有機変性シリコーンに用いられる有機変性基は、繰り返し単位を有する共重合成分であってもよい。有機基の例としては、後述のシラン化合物の例が有する有機基を挙げることができる。有機基およびシロキサン結合を持つ化合物が有する有機基は1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物が有する有機基の分子内の個数としては、1つ以上であることが好ましく、2つ以上であることがより好ましく、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物が有するケイ素原子の数の2倍以上であることが特に好ましい。
シリコーンは、室温でゴム弾性を有するエラストマーであるシリコーンゴムと、その他のシリコーンレジンに分けることができる。本発明の硬化性組成物は、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物がシリコーンレジンであることが好ましい。
(シリコーンゴム)
シリコーンゴムは、一般的に耐熱性、透明性が優れている。
生ゴム状のシロキサン構造を有する化合物(例えば高重合度ジメチルポリシロキサン)と補強材として粒子(例えば微粉末シリカ)とを基本成分として、必要に応じて各種添加剤を配合してシリコーンゴム前駆体が得られる。この補強材としての粒子は、フィラーと言われることもある。このシリコーンゴム前駆体では、特に高重合度のものをシリコーンゴムコンパウンドと言われる。このシリコーンゴム前駆体に、必要に応じて有機過酸化物や触媒などの加硫剤を使用時に添加して加熱硬化すると、狭義のシリコーンゴムが得られる。本明細書におけるシリコーンゴムには、シリコーンゴム前駆体と加熱硬化後の狭義のシリコーンゴムの両方が含まれる。
シリコーンゴムとしては、両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、両末端及び側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンと、末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンとから選ばれる少なくとも1種のシリコーンを架橋させてなるものが挙げられる。
両末端にのみビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンとは下記一般式(特開2011−221368号公報の化1)のいずれかで表せられる化合物である。シリコーンゴムとしては、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等を挙げることができる。
Figure 0006393179
(上記式中Rは下記有機基、nは整数を表す)
Figure 0006393179
(上記式中、Rは下記有機基、mは整数を表す)
このビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基(R)は異種でも同種でもよいが、具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基、などのアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換した同種又は異種の非置換又は置換の脂肪族不飽和基を除く1価炭化水素基で好ましくはその少なくとも50モル%がメチル基であるものなどが挙げられるが、このジオルガノポリシロキサンは単独でも2種以上の混合物であってもよい。
両末端および側鎖にビニル基を有する直鎖状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは、上記一般式(特開2011−221368号公報の化1)中のRの一部がビニル基である化合物である。末端にのみビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーンは上記一般式(特開2011−221368号公報の化2)で表せられる化合物である。末端及び側鎖にビニル基を有する分岐状ポリオルガノシロキサンからなるシリコーン上記一般式(特開2011−221368号公報の化2)中のRの一部がビニル基である化合物である。
ここで架橋反応に用いる架橋剤は公知のものでよい。架橋剤の例として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものであるが、実用上からは分子中に2個の≡SiH結合を有するものをその全量の50質量%までとし、残余を分子中に少なくとも3個の≡SiH結合を含むものとすることがよい。
架橋反応に用いる触媒は白金系触媒が好ましい。白金系触媒は公知のものでよく、これには塩化第一白金酸、塩化第二白金酸などの塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物あるいは塩化白金酸と各種オレフィンとの鎖塩などがあげられる。架橋反応したシリコーン層は、シリコーンゴムのような柔軟性を持ったものとなり、この柔軟性が被着体との密着を容易にさせるものである。
本発明に用いられるシリコーンゴムの市販品の形状は、無溶剤型、溶剤型、エマルション型があるが、いずれの型も使用できる。中でも、無溶剤型は、溶剤を使用しないため、安全性、衛生性、大気汚染の面で非常に利点がある。経済性を考慮する場合は、無溶剤型のシリコーンゴムを用いるのがよい。
シリコーンゴムは、粒子を含むことが好ましく、無機粒子を含むことがより好ましく、シリカ、チタニア、ジルコニアのうち少なくとも1種の粒子であることが特に好ましい。
シリコーンゴムとしては、例えば信越化学工業株式会社の品名KE−109、KE−106、KE−1031、KE−103、KE−108、KE−581U、KE−167U、KE−1820およびKE1886を挙げることができ、KE−167U、KE−1820およびKE−1886が好ましい。
(シリコーンレジン)
シリコーンレジンとして公知のものが使用できる。
シリコーンレジンは、樹脂を下記シラン化合物で一部変性し、多様な特性が付与されたた変性シリコーンレジンと、アルコキシ基又はシラノール基を有するシラン化合物を脱水縮合させ、シリコーン本来の性質を利用したストレートシリコーンレジンとに分類できる。上記シリコーンレジンが、有機変性シリコーンレジン、または、ストレートシリコーンレジンであることが好ましく、有機変性シリコーンレジンであることがより好ましい。すなわち、本発明の硬化性組成物は、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物として、少なくとも有機変性シリコーンを含むことが好ましい。
変性シリコーンレジンとしては、ポリエステルの水酸基等にシラン化合物を反応させたポリエステル変性シリコーンレジン(信越化学工業株式会社製KR−5230、KR−5235など)、アクリル酸などのアクリルモノマーにシラン化合物を反応させたモノマーを重合又は他のアクリルモノマーに共重合させたアクリル変性シリコーンレジン(信越化学工業株式会社製KR−9706など)、樹脂のアミノ基残基等にエポキシ含有シラン化合物を反応させたエポキシ変性シリコーンレジン(信越化学工業(株)製ES−1023など)、ポリイミド変性シリコーン(信越化学工業(株)製)MP−2003PGMEAなど)、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン(信越化学工業(株)製)X−22−3710STなど)、メタクリル変性シリコーン、アルキッド樹脂を反応性シラン化合物で変性したアルキッド変性シリコーンレジン(信越化学工業(株)製KR−5206など)、アルコキシオリゴマー変性シリコーン(信越化学工業(株)製KR−251、X−40−9246、KR−400、KR−401など)、オキシム系開始剤を用いて樹脂と直接共有結合を形成させるゴム系のシリコーンレジン等が使用できる。この中でも、本発明の硬化性組成物は、有機変性シリコーンが、少なくともポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリイミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メタクリル変性シリコーンおよびアルキッド変性シリコーンのいずれか1種以上であることが好ましく、ポリエステル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリイミド変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーンおよびアルキッド変性シリコーンのいずれか1種以上であることがより好ましい。
有機変性シリコーンのシリコーン成分の構造としては、後述のストレートシリコーンレジンの好ましい構造と同様である。
ストレートシリコーンレジンとしては、分子内に少なくとも下記一般式(1)で表されるシロキサン構造を含有するものが使用できる。
Figure 0006393179
一般式(1)中、R1は独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の置換アルキル基、炭素数2〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基であり、複数のR1は同一であっても異なっていてもよい。すなわち上記一般式(1)で表されるシロキサン構造を有するストレートシリコーンレジンは、同一シロキサン構造の縮合体でも良いし、異なる組合せの共縮合体でも良い。
1の表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等を挙げることができる。
1の表す炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
1の表す炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。R1の表す炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基の中では、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
また、R1の表す炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の置換アルキル基としては、例えばアリールアルキル基、フルオロアルキル基、クロロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、(メタ)アクリロキシアルキル基およびメルカプトアルキル基を挙げることができる。これらの具体例としては、例えば、フェニルメチル(ベンジル)基、ジフェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−n−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル(クミル)基、3−フェニル−n−プロピル基、1−フェニルブチル基、2−フェニルブチル基、3−フェニルブチル基、4−フェニルブチル基、1−フェニルペンチル基、2−フェニルペンチル基、3−フェニルペンチル基、4−フェニルペンチル基、5−フェニルペンチル基、1−フェニルヘキシル基、2−フェニルヘキシル基、3−フェニルヘキシル基、4−フェニルヘキシル基、5−フェニルヘキシル基、6−フェニルヘキシル基、1−フェニルシクロヘキシル基、2−フェニルシクロヘキシル基、3−フェニルシクロヘキシル基、1−フェニルヘプチル基、2−フェニルヘプチル基、3−フェニルヘプチル基、4−フェニルヘプチル基、5−フェニルヘプチル基、6−フェニルヘプチル基、1−フェニルオクチル基、2−フェニルオクチル基、3−フェニルオクチル基、4−フェニルオクチル基、5−フェニルオクチル基、6−フェニルオクチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基、1−ナフチル−n−プロピル基、2−ナフチル−2−プロピル基、3−ナフチル−n−プロピル基、1−ナフチルブチル基、2−ナフチルブチル基、3−ナフチルブチル基、4−ナフチルブチル基、1−ナフチルペンチル基、2−ナフチルペンチル基、3−ナフチルペンチル基、4−ナフチルペンチル基、5−ナフチルペンチル基、1−ナフチルヘキシル基、2−ナフチルヘキシル基、3−ナフチルヘキシル基、4−ナフチルヘキシル基、5−ナフチルヘキシル基、6−ナフチルヘキシル基、1−ナフチルシクロヘキシル基、2−ナフチルシクロヘキシル基、3−ナフチルシクロヘキシル基、1−ナフチルヘプチル基、2−ナフチルヘプチル基、3−ナフチルヘプチル基、4−ナフチルヘプチル基、5−ナフチルヘプチル基、6−ナフチルヘプチル基、1−ナフチルオクチル基、2−ナフチルオクチル基、3−ナフチルオクチル基、4−ナフチルオクチル基、5−ナフチルオクチル基、6−ナフチルオクチル基、などのアリールアルキル基;フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、(トリフルオロメチル)メチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロ−n−プロピル基、2−(トリフルオロメチル)エチル基、(ペンタフルオロエチル)メチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、4−フルオロ−n−ブチル基、3−(トリフルオロメチル)−n−プロピル基、2−(ペンタフルオロエチル)エチル基、(ヘプタフルオロ−n−プロピル)メチル基、ノナフルオロ−n−ブチル基、5−フルオロ−n−ペンチル基、4−(トリフルオロメチル)−n−ブチル基、3−(ペンタフルオロエチル)−n−プロピル基、2−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)エチル基、(ノナフルオロ−n−ブチル)メチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、6−フルオロ−n−ヘキシル基、5−(トリフルオロメチル)−n−ペンチル基、4−(ペンタフルオロエチル)−n−ブチル基、3−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)−n−プロピル基、2−(ノナフルオロ−n−ブチル)エチル基、(パーフルオロ−n−ペンチル)メチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、7−(トリフルオロメチル)−n−ヘプチル基、6−(ペンタフルオロエチル)−n−ヘキシル基、5−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)−n−ペンチル基、4−(ノナフルオロ−n−ブチル)−n−ブチル基、3−(パーフルオロ−n−ペンチル)−n−プロピル基、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチル基、(パーフルオロ−n−ヘプチル)メチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、9−(トリフルオロメチル)−n−ノニル基、8−(ペンタフルオロエチル)−n−オクチル基、7−(ヘプタフルオロ−n−プロピル)−n−ヘプチル基、6−(ノナフルオロ−n−ブチル)−n−ヘキシル基、5−(パーフルオロ−n−ペンチル)−n−ペンチル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−n−ブチル基、3−(パーフルオロ−n−ヘプチル)−n−プロピル基、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル基、(パーフルオロ−n−ノニル)メチル基、パーフルオロ−n−デシル基、4−フルオロシクロペンチル基、4−フルオロシクロヘキシル基等のフルオロアルキル基;ならびにクロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロ−n−プロピル基、4−クロロ−n−ブチル基、3−クロロシクロペンチル基、4−クロロシクロヘキシル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシシクロペンチル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基、3−(メタ)アクリロキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基等を挙げることができる。
また、R1の表す炭素数2〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、アリル基(2−プロペニル基)、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基等を挙げることができる。R1の表す炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状の置換アルキル基の中では、アリールアルキル基が好ましく、クミル基がより好ましい。
また、R1の表す炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。R1の表す炭素数6〜20のアリール基のなかでは、加熱時にベンゼンを発生しにくい観点から無置換のフェニル基以外、すなわち、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、1−ナフチル基が好ましく、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基がより好ましい。
また、R1の表す炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。
上記一般式(1)中、R1は独立して、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状の置換アルキル基または炭素数6〜9のアリール基であることが好ましく、水素原子、メチル基、フェニル基またはトリル基を表すことがより好ましい。
上記一般式(1)で表されるシロキサン構造は、R1としてメチル基を含むことが、加飾層のL値を特に高めることができる観点から好ましい。
上記ストレートシリコーンレジンは、R1が互いに異なる2種以上の上記一般式(1)
で表されるシロキサン構造の共重合体であることも好ましい。この場合、R1がアルキル基である上記一般式(1)で表されるシロキサン構造と、R1が水素原子、置換アルキル基またはアリール基である上記一般式(1)で表されるシロキサン構造との共重合体を好ましく挙げることができる。共重合比としては特に制限はないが、R1がアルキル基である上記一般式(1)で表されるシロキサン構造が、全ての上記一般式(1)で表されるシロキサン構造中、50〜100モル%であることが好ましく、60〜100モル%であることがより好ましく、70〜100モル%であることが特に好ましい。
本発明に用いられるストレートシリコーンレジンとしては、分子内に上記一般式(1)で表されるシロキサン構造に加えて、下記一般式(2)で表されるシロキサン構造との共縮合からなるシロキサン構造を含有するものも好ましく使用できる。
Figure 0006393179
一般式(2)中、R2は上記一般式(1)のR1と同様のものが使用できる同義であり、好ましい範囲もR1と同様である。
ストレートシリコーンレジンの具体例としては、炭素数1〜20のアルキル基とアルコキシ基を有するシラン化合物の縮合から調製されるアルキル系ストレートシリコーン(メチル系ストレートシリコーン等)、メチルフェニル等のアルキル・アリール系ストレートシリコーン、フェニル等のアリール系ストレートシリコーン、メチルハイドロジェン等のハイドロジェン系ストレートシリコーンが使用できる。
より好ましいのは、メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルトリル系ストレートシリコーンレジン、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン、アクリル樹脂変性シリコーンレジン、メチルハイドロジェン系ストレートシリコーンレジン、ハイドロジェントリル系ストレートシリコーンレジンであり、加熱時にベンゼンを発生せず、明度の低下抑制の観点から、特に好ましいのは、メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルトリル系ストレートシリコーンレジン、メチルハイドロジェン系ストレートシリコーンレジン、ハイドロジェントリル系ストレートシリコーンレジンである。
これらのシリコーンレジンは単独で使用しても2種以上を併用してもよく、これらを任意の比率で混合することにより膜物性を制御できる。
ストレートシリコーンレジンの重量平均分子量は1000〜5000000であることが好ましく、2000〜3000000であることがより好ましく、2500〜3000000であることが特に好ましい。分子量が1000以上であると、製膜性が良好となる。
本明細書における重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。具体的には、下記の条件で測定することができる。
・カラム:GPCカラム TSKgelSuper HZM−H(東ソー社製)
・溶媒:テトラヒドロフラン
・標準物質:単分散ポリスチレン
変性シリコーンレジン及びストレートシリコーンレジンを調製するために使用するシラン化合物としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、クミルトリメトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシ、トリアシルオキシまたはトリフェノキシシラン類、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、グリシドキシメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシランなどのアルコキシシランまたはジアシルオキシシラン類、ジメトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシラン、ブチルジメチルシラン、ジメチルフェニルシラン、メチルフェニルビニルシラン、ジフェニルメチルシラン、トリプロピルシラン、トリペンチルオキシシラン、トリフェニルシラン、トリヘキシルシラン、ジエチルシラン、アリルジメチルシラン、メチルフェニルシラン、ジフェニルシラン、フェニルシラン、オクチルシラン、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、および1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ジメチルトリルシラン、メチルトリルビニルシラン、ジトリルメチルシラン、トリトリルシラン、ジメチルベンジルシラン、メチルベンジルビニルシラン、ジベンジルメチルシラン、トリベンジルシラン、ジフェニルシラン、2−クロロエチルシラン、ビス[(p−ジメチルシリル)フェニル]エーテル、1,4−ジメチルジシリルエタン、1,3,5−トリス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリシラン、ポリ(メチルシリレン)フェニレン、及びポリ(メチルシリレン)メチレン、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、トリエトキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリ−i−プロポキシシラン、トリ−n−ブトキシシラン、トリ−sec−ブトキシシラン、フルオロトリクロロシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン、フルオロトリ−n−プロポキシシラン、フルオロトリ−i−プロポキシシラン、フルオロトリ−n−ブトキシシラン、フルオロトリ−sec−ブトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリクロロシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリメトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリエトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(トリフルオロメチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−ヘキシル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリクロロシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリエトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−i−プロポキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−n−ブトキシシラン、2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチルトリ−sec−ブトキシシラン、ヒドロキシメチルトリクロロシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−i−プロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−n−ブトキシシラン、ヒドロキシメチルトリ−sec−ブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−i−プロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−n−ブトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ−sec−ブトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、ビニルトリ−i−プロポキシシラン、ビニルトリ−n−ブトキシシラン、ビニルトリ−sec−ブトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリ−n−プロポキシシラン、アリルトリ−i−プロポキシシラン、アリルトリ−n−ブトキシシラン、アリルトリ−sec−ブトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリ−i−プロポキシシラン、フェニルトリ−n−ブトキシシラン、フェニルトリ−sec−ブトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ−n−プロポキシシラン、メチルジ−i−プロポキシシラン、メチルジ−n−ブトキシシラン、メチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−n−プロポキシシラン、ジメチルジ−i−プロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジクロロシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジエメトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)〔2−(パーフルオロ−n−オクチル)エチル〕ジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジクロロシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジエトキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(γ−グリシドキシプロピル)ジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジクロロシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)
ジメトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジエトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(3−メルカプトプロピル)ジ−sec−ブトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジクロロシラン、(メチル)(ビニル)ジメトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジエトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−i−プロポキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−n−ブトキシシラン、(メチル)(ビニル)ジ−sec−ブトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ−n−プロポキシシラン、ジビニルジ−i−プロポキシシラン、ジビニルジ−n−ブトキシシラン、ジビニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジ−n−プロポキシシラン、ジフェニルジ−i−プロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、クロロジメチルシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、ブロモトリメチルシシラン、ヨードトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、n−プロポキシトリメチルシラン、i−プロポキシトリメチルシラン、n−ブトキシトリメチルシラン、sec−ブトキシトリメチルシラン、t−ブトキシトリメチルシラン、(クロロ)(ビニル)ジメチルシラン、(メトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、(エトキシ)(ビニル)ジメチルシラン、(クロロ)(メチル)ジフェニルシラン、(メトキシ)(メチル)ジフェニルシラン、(エトキシ)(メチル)ジフェニルシラン等をそれぞれ挙げることができる。但し、本発明はこれらの具体例により限定されない。
変性シリコーンレジン及びストレートシリコーンレジンなどの上記シリコーンレジンとしては、市販のものを用いることができる。商品名では、例えば、
KC−89、KC−89S、X−21−3153、X−21−5841、X−21−5842、X−21−5843、X−21−5844、X−21−5845、X−21−5846、X−21−5847、X−21−5848、X−22−160AS、X−22−170B、X−22−170BX、X−22−170D、X−22−170DX、X−22−176B、X−22−176D、X−22−176DX、X−22−176F、X−22−3710ST、X−40−2308、X−40−2651、X−40−2655A、X−40−2671、X−40−2672、X−40−9220、X−40−9225、X−40−9226、X−40−9227、X−40−9246、X−40−9247、X−40−9250、X−40−9323、X−40−2460M、X−41−1053、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1810、KF6001、KF6002、KF6003、KR−212、KR−213、KR−217、KR−220、KR−240、KR−242A、KR−251、KR−253、KR−255、KR−271、KR−282、KR−300、KR−311、KR−400、KR−401N、KR−500、KR−510、KR−5206、KR−5230、KR−5235、KR−9218、KR−9706、KR−165、SMP−2003PGMEA、ES−1023(以上、信越化学工業(株)社);
SH804、SH805、SH806A、SH840、SR2400、SR2402、SR2405、SR2406、SR2410、SR2411、SR2416、SR2420(以上、東レ・ダウコーニング社);
YR3187、YR3370、TSR127B(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
FZ3711、FZ3722(以上、日本ユニカー社);
DMS−S12、DMS−S15、DMS−S21、DMS−S27、DMS−S31、DMS−S32、DMS−S33、DMS−S35、DMS−S38、DMS−S42、DMS−S45、DMS−S51、DMS−227、PSD−0332、PDS−1615、PDS−9931、XMS−5025(以上、チッソ社);
メチルシリケートMS51、メチルシリケートMS56(以上、三菱化学社);
エチルシリケート28、エチルシリケート40、エチルシリケート48(以上、コルコート社);
グラスレジンGR100、GR650、GR908、GR950(以上、昭和電工社)等の部分縮合物が挙げられる。但し、本発明はこれらの具体例により限定されない。
本発明の硬化性組成物は、硬化性組成物の固形分の量に対して、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物の含有量が80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、95質量%以上であることがより特に好ましい。
<他の重合性化合物>
硬化性組成物が有機基およびシロキサン結合を持つ化合物以外の他の重合性化合物を含んでいてもよい。
他の重合性化合物としては、光重合性化合物が好ましい。光重合性化合物の有する光重合性基としては特に制限は無く、エチレン性不飽和基、エポキシ基などを挙げることができる。硬化性組成物に用いられる重合性化合物は、エチレン性不飽和結合含有化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含むことがより好ましい。
エチレン性不飽和結合含有化合物としては、特許第4098550号の段落[0023]〜[0024]に記載の重合性化合物や、トリシクロデカンジオールジメタノールジアクリレートなどの2官能の重合性化合物を用いることができる。
硬化性組成物には、DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、ジペンタエリスリトール(ペンタ/ヘキサ)アクリレートやトリペンタエリスリトールオクタアクリレートなどの少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物;ウレタン(メタ)アクリレート化合物などのウレタン系モノマー;エトキシ化ビスフェノールAジアクリレートやトリシクロデカンジオールジメタノールジアクリレートなどの2官能の重合性化合物を好ましく用いることができる。
硬化性組成物が、少なくとも5つのエチレン性不飽和基を有する重合性化合物を含むことが感度の観点から好ましい。
他の重合性化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いることが、感度の観点から好ましい。
他の重合性化合物は有機基およびシロキサン結合を持つ化合物に対して50質量%以下の範囲で使用することが好ましく、20質量%以下の範囲で使用することがより好ましく、10質量%以下の範囲で使用することが特に好ましく、5質量%以下の範囲で使用することがより特に好ましく、実質的に0質量%であることがさらにより特に好ましい。
他の重合性化合物は、平均分子量が200〜3000であることが好ましく、250〜2600であることがより好ましく、280〜2200であることが特に好ましい。
<触媒>
硬化性組成物が触媒を含むことが、上記有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を含む硬化膜を硬化して脆性を改善する観点から好ましい。特に、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を2種以上用いる場合、脱水・脱アルコール縮合反応させることによる架橋促進のために好ましく用いられる。
上記触媒として公知の触媒が使用できる。
好ましい触媒としては、金属成分としてスズ(Sn)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、ハフニウム(Hf)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)及びガリウム(Ga)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の有機錯体又は有機酸塩のような有機金属化合物触媒が挙げられる。
これらの中でもSn、Ti、Zn、Zr、Hf、Gaは、反応活性が高い点で好ましく、ベーク時のひび割れ防止の観点からZnまたはTiがより好ましく、ポットライフ向上の観点からZnが特に好ましい。
亜鉛(Zn)を含有する有機金属化合物触媒としては、亜鉛トリアセチルアセトネート、ステアリン酸亜鉛、ビス(アセチルアセトナト)亜鉛(II)(一水和物)等が挙げられる。
スズ(Sn)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ガリウム(Ga)を含有する有機金属化合物触媒の例としては、例えば、特開2012−238636号公報に記載の触媒を好ましく用いることができる。
上記触媒としては市販の触媒を用いることもできる。例えば、亜鉛系縮合触媒D−15(信越化学工業式会社製)などを挙げることができる。
上記触媒は1種類を単独で用いてもよく、また2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよい。また反応促進剤や反応抑制剤と併用してもよい。
上記触媒の含有量は、上記有機基およびシロキサン結合を持つ化合物に対して、0.01〜10質量%であることがベーク時のひび割れ防止およびポットライフ向上の観点から好ましく、より好ましくは0.03〜5.0質量%である。
<重合開始剤>
画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に設けられる硬化膜は、光重合開始剤を含む硬化性組成物を光硬化させて形成されなくともよく、硬化性組成物は、光硬化性樹脂や光重合開始剤を含んでいても含んでいなくてもよい。硬化性組成物が光重合開始剤を含まないことが好ましい。そのため、上記有機基およびシロキサン結合を持つ化合物は熱硬化性であることが好ましい。
硬化性組成物に用いられる光重合開始剤としては、特開2011−95716号公報に記載の[0031]〜[0042]に記載の光重合開始剤を用いることができる。
<添加剤>
さらに、上記硬化性組成物には、その他の添加剤を用いてもよい。上記添加剤としては、例えば特許第4502784号公報の段落0017、特開2009−237362号公報の段落0060〜0071に記載の界面活性剤や、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤、さらに、特開2000−310706号公報の段落0058〜0071に記載のその他の添加剤が挙げられる。硬化性組成物がバインダーを含んでいてもよいが、実質的に含まないことが好ましい。バインダーとしては、バインダーとしては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限は無く、公知のものの中から適宜選択でき、アルカリ可溶性高分子化合物が好ましい。アルカリ可溶性高分子化合物としては、特開2011−95716号公報の段落[0025]、特開2010−237589号公報の段落[0033]〜[0052]に記載のポリマーを用いることができる。
上記硬化性組成物に含まれる界面活性剤の濃度は硬化性組成物の全固形分に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
<溶剤>
また、硬化性組成物を塗布により製造する際の溶剤としては、特開2011−95716号公報の段落0043〜0044に記載の溶剤を用いることができる。
[画像表示装置の前面板]
本発明の画像表示装置の前面板は、画像表示装置の前面板用のサファイアガラスと、
サファイアガラス上に配置された本発明の硬化性組成物を硬化した硬化膜と、
硬化膜上に配置された加飾層と、
を有する画像表示装置の前面板である。
<構成>
まず、本発明の画像表示装置の前面板の構成を、図面を参照しながら説明する。
図1では、本発明の画像表示装置の前面板10は、サファイアガラス1上の一部または全部に、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化膜12が積層され、さらに上記硬化膜12の上に加飾材2を有する。
このような構成により、本発明の画像表示装置の前面板は、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい。
加飾層は、画像表示装置の前面板上の一部に枠状(額縁状)に形成された加飾層であることが好ましい。
以下、本発明の積層体の好ましい態様について説明する。
<画像表示装置の前面板用のサファイアガラス>
本発明の積層体は、画像表示装置の前面板用のサファイアガラスを有する。以下、画像表示装置の前面板用のサファイアガラスを、「サファイアガラス」または「前面板」と称する場合がある。
サファイアガラスは、透明なサファイアガラスであることが好ましく、単結晶サファイアガラスであることが特に好ましい。
サファイアガラスとしては、高純度アルミナを人工的に巨大結晶へ成長させたものであること好ましい。
サファイアガラスとしては、US2014/00871997 A1に記載のサファイアガラスを用いることができる。
サファイアガラスとして市販品を用いてもよい。例えば、京セラ(株)から販売されているサファイアガラスを好ましく用いることができる。
更に、サファイアガラス1には、図2に示すように一部に開口部8を設けることができる。開口部8には、押圧式のメカニカルなスイッチを設置することができる。
<硬化膜>
本発明の画像表示装置の前面板は、サファイアガラス上に配置された本発明の硬化性組成物を硬化した硬化膜を有する。
硬化膜は、サファイアガラスの全面に形成されていてもよく、一部の領域のみに形成されていてもよい。硬化膜は、少なくとも加飾層が形成される領域に形成されることが好ましい。
(膜厚)
硬化膜の膜厚は薄い方が加飾層の密着を高める観点から好ましく、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましく、1〜3μmであることが特に好ましい。
<加飾層>
本発明の画像表示装置の前面板は、硬化膜上に配置された加飾層を有する。
本発明の画像表示装置の前面板は、硬化膜の一方の表面の一部の領域に加飾層を有することが好ましい。
図1ではサファイアガラス1の非接触面上には硬化膜12を介して、加飾層2が設けられている。加飾層2は、画像表示装置の前面板(例えばタッチパネル前面板)の非接触面側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにするために形成されることが好ましい。
画像表示装置の前面板には、図2に示すように、サファイアガラス1の一部の領域(図2においては入力面以外の領域)を覆うように加飾層2が設けられていることが好ましい。
前述の加飾層は、指またはタッチペンなどで触れる領域の周囲に黒色の額縁として、電極パターンの引き回し配線を接触側から視認できないようにしたり、加飾をしたりするためにも設けられる。前述の加飾層は、指またはタッチペンなどで触れる領域の周囲に額縁として加飾のために設けられ、例えば白色または黒色の加飾層を設けることが好ましい。
加飾層の厚みが5μm以上であることが好ましく、加飾層が黒色加飾層である場合は5〜30μmであることがより好ましく、5μm〜10μmであることが特に好ましい。一方、加飾層が白色加飾層である場合は白色加飾層の厚みを厚くすることが好ましいために30μm以上であることがより好ましい。
(材料)
−着色剤−
上記加飾層は、着色剤を含むことが好ましい。
黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンカーボン、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。尚、黒色着色剤の他に、赤、青、緑色等の顔料の混合物等を用いることができる。
白色着色剤としては、特開2009−191118号公報の段落0019や、特開2000−175718号公報の段落0109に記載の白色顔料を用いることができる。また、特開2005−7765号公報の段落0015や0114に記載の白色顔料も用いることができる。
具体的には、本発明では、酸化チタン(ルチル型)、酸化チタン(アナターゼ型)、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料が好ましく、酸化チタン(ルチル型)、酸化チタン(アナターゼ型)、酸化亜鉛がより好ましく、酸化チタン(ルチル型)、酸化チタン(アナターゼ型)がさらに好ましく、ルチル型酸化チタンが特に好ましい。
二酸化チタンの具体例としては、JR、JRNC、JR−301、403、405、600A、605、600E、603、701、800、805、806、JA−1、C、3、4、5、MT−01、02、03、04、05、100AQ、100SA、100SAK、100SAS、100TV、100Z、100ZR、150W、500B、500H、500SA、500SAK、500SAS、500T、SMT−100SAM、100SAS、500SAM、500SAS(テイカ社製)、CR−50、50−2、57、58、58−2、60、60−2、63、67、80、85、90、90−2、93、95、97、953、Super70、PC−3、PF−690、691、711、736、737、739、740、742、R−550、580、630、670、680、780、780−2、820、830、850、855、930、980、S−305、UT771、TTO−51(A)、51(C)、55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、S−1、S−2、S−3、S−4、V−3、V−4、MPT−136、FTL−100、110、200、300(石原産業社製)、KA−10、15、20、30、KR−310、380、KV−200、STT−30EHJ、65C−S、455、485SA15、495M、495MC(チタン工業社製)、TA−100、200、300、400、500、TR−600、700、750、840、900(富士チタン工業社製)などが挙げられ、これらを単独、もしくは混合して用いてもよい。
上記白色無機顔料(特に酸化チタン)の表面はシリカ処理、アルミナ処理、チタニア処理、ジルコニア処理、有機物処理及びそれらを併用することができる。
これにより上記白色無機顔料(特に酸化チタン)の触媒活性を抑制でき、耐熱性、褪光性等を改善することができる。
加熱後の加飾層の白色度の観点から、上記白色顔料が無機物で表面処理されたルチル型酸化チタンであることが好ましく、アルミナ処理およびジルコニア処理のうち少なくとも一方で表面処理されたルチル型酸化チタンであることがより好ましく、アルミナ/ジルコニア併用処理で表面処理されたルチル型酸化チタンであることが特に好ましい。
上記その他の色の加飾層として用いるためには、特許第4546276号公報の段落0183〜0185などに記載の顔料、あるいは染料を混合して用いてもよい。具体的には、特開2005−17716号公報の段落0038〜0054に記載の顔料および染料、特開2004−361447号公報の段落0068〜0072に記載の顔料、特開2005−17521号公報の段落0080〜0088に記載の着色剤等を好適に用いることができる。
上記加飾層の全固形分に対する上記無機顔料の含有率が20〜75質量%であることが、良好な明度および白色度を有し、その他の求められる特性を同時に満たす加飾層を形成する観点から好ましい。また、十分に現像時間を短縮する観点からも上記加飾層の全固形分に対する上記無機顔料の含有率が20〜75質量%であることが好ましい。
上記加飾層の全固形分に対する上記無機顔料の含有率は、25〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることが更に好ましい。
本明細書でいう全固形分とは層から溶剤等を除いた不揮発成分の総質量を意味する。
上記無機顔料(なお、その他の着色剤についても同様である)は、分散液として使用することが望ましい。この分散液は、上記無機顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(またはビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。上記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって上記顔料と結合して塗膜を形成する成分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。
上記無機顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438頁に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更にこの文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
上記着色剤は、分散安定性及び隠ぺい力の観点から、一次粒子の平均粒径が0.16μm〜0.3μmの着色剤が好ましく、更に0.18μm〜0.27μmの着色剤が好ましい。さらに0.19μm〜0.25μmの着色剤が特に好ましい。
尚、ここで言う「一次粒子の平均粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について上記の粒径を求め、このうち、任意に選択する100個の粒径の平均値をいう。
一方、分散液、塗布液中の平均粒径で測定する場合には、レーザー散乱HORIBA H(株式会社堀場アドバンスドテクノ社製)を用いることができる。
−バインダー−
加飾層がバインダーを含むことが好ましい。加飾層のバインダーとしては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限は無く、公知のものの中から適宜選択できる。加飾層のバインダーとしては、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物の有機基と相互作用する構造を有するバインダーであることが加飾層と硬化膜の密着性を改善する観点から好ましく、例えばアルカリ可溶性高分子化合物など着色インクに通常用いられるバインダーであれば有機基およびシロキサン結合を持つ化合物の有機基と相互作用することができる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、特開2011−95716号公報の段落[0025]、特開2010−237589号公報の段落[0033]〜[0052]に記載のポリマーを用いることができる。
加飾層が、カルボキシル基を有するバインダーを含有することが好ましい。
前述のバインダーの酸価が50mgKOH/g以上であることが好ましく、60mgKOH/g以上であることがより好ましく、65mgKOH/g以上であることが特に好ましい。
加飾層に用いられるバインダーとしては、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸のランダム共重合体、シクロヘキシルメタクリレート(a)/メチルメタクリレート(b)/メタクリル酸共重合体(c)のグリシジルメタクリレート付加物などを好ましく用いることができ、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸のランダム共重合体がより好ましい。
−添加剤−
さらに、上記加飾層には、その他の添加剤を用いてもよい。上記添加剤としては、特に制限はないが、例えば硬化性組成物に用いられる添加剤として挙げたものを用いることができ、界面活性剤を用いることが好ましい。
上記加飾層に含まれる界面活性剤の濃度は加飾層の全固形分に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
[画像表示装置の前面板の製造方法]
本発明の画像表示装置の前面板を製造する方法に特に制限はないが、以下に記載する本発明の画像表示装置の前面板の製造方法によって製造することが好ましい。
本発明の画像表示装置の前面板の製造方法は、本発明の硬化性組成物を画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に積層する積層工程と、
硬化性組成物を硬化して硬化膜を製膜する硬化工程と、
硬化膜上に加飾層を形成する工程と、を含む画像表示装置の前面板の製造方法である。
<積層>
本発明の画像表示装置の前面板の製造方法は、本発明の硬化性組成物を画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に積層する積層工程を含む。
上記硬化膜の積層方法としては特に制限はない。例えば、塗布(印刷を含む)や蒸着などを用いることができる。
本発明の画像表示装置の前面板の製造方法は、積層工程が、硬化性組成物をサファイアガラス上に塗布する工程であることが、蒸着よりも製造コストを下げられる観点から好ましい。
上記有機基およびシロキサン結合を持つ化合物や他の添加剤を含む調製液を塗布等して形成することができ、塗布等の際に用いる調製液は溶媒を用いて調製できる。
硬化膜の塗布による形成方法としては特に制限は無く、スクリーン印刷などを挙げることができる。
<硬化>
本発明の画像表示装置の前面板の製造方法は、硬化性組成物を硬化して硬化膜を製膜する硬化工程を含む。
本発明の画像表示装置の前面板の製造方法は、硬化工程が、サファイアガラス上で硬化性組成物を200℃以上で熱処理する工程であることが好ましい。熱処理において、有機基とシロキサン結合を持つ化合物は、加熱により硬化させることができる。
上記熱処理の温度は、200〜300℃であることがより好ましく、220〜260℃であることが特に好ましい。
上記熱処理の時間は、10〜150分であることがより好ましく、20〜100分であることが特に好ましい。
上記熱処理は、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよいが、空気環境下で行うことが、特別な減圧装置を用いることなく製造コストを低減できる観点から特に好ましい。
<加飾層の形成>
本発明の画像表示装置の前面板の製造方法は、硬化膜上に加飾層を形成する工程を含む。
上記加飾層の形成方法は、特に制限はないが、仮支持体と樹脂層とをこの順で有する転写フィルムを用いて形成することが好ましく、仮支持体と光硬化性樹脂層とをこの順で有する感光性転写フィルムを用いて形成することがより好ましく、仮支持体と熱可塑性樹脂層と光硬化性樹脂層とをこの順で有する感光性転写フィルムを用いて形成することが特に好ましい。例えば黒色の加飾層2を形成する場合には、上記光硬化性樹脂層として黒色光硬化性樹脂層を有する感光性転写フィルムを用いて、上記サファイアガラス1の表面に上記黒色光硬化性樹脂層を転写することで形成することが好ましい。
上記転写フィルムを用いて加飾層を形成する場合には、樹脂層に着色剤を用いることができる。上記着色剤としては、前述の着色剤(有機顔料、無機顔料、染料等)を好適に用いることができる。
図2の構成の開口部8を有する静電容量型入力装置において、上記加飾層2等を、転写フィルムを用いて形成すると、開口部を有するサファイアガラス(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがない。特に転写フィルムを用いて形成すると、サファイアガラスの境界線直上まで遮光パターンを形成する必要のある加飾層において、サファイアガラス端からのレジスト成分のはみ出し(モレ)がないためサファイアガラス裏側を汚染することなく、簡略な工程で、薄層化および軽量化のメリットがあるタッチパネルを製造することができる。
上記加飾層を、転写フィルムを用いて形成する方法は、特開2014−160460号公報の[0083]〜[0116]に記載の方法を用いることができ、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
[前面板一体型センサー]
本発明の前面板一体型センサーは、本発明の画像表示装置の前面板と、少なくとも電極パターンを含むセンサーと、を有する前面板一体型センサーである。
前面板一体型センサーは、静電容量型入力装置であることが好ましい。
以下、本発明の前面板一体型センサーの好ましい態様の詳細を説明する。
<前面板一体型センサーの構成>
まず、本発明の前面板一体型センサーの好ましい構成について、装置を構成する各部材の製造方法とあわせて説明する。
図9および図10は、本発明の前面板一体型センサーの好ましい構成の一例を示す断面図である。図9において前面板一体型センサーは、本発明の画像表示装置の前面板10と、フィルムセンサー43と、から構成されている態様が示されている。
図9において、サファイアガラス1の各要素が設けられている側を非接触面側と称する。本発明の前面板一体型センサーにおいては、サファイアガラス1の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。
本発明の前面板一体型センサーは、少なくとも電極パターンを含むセンサーを有する。
少なくとも電極パターンを含むセンサーとしては、基材と電極パターンを含むことが好ましい。少なくとも電極パターンを含むセンサーの基材としては、ガラスや、樹脂シート(フィルム)などを挙げることができる。少なくとも電極パターンを含むセンサーは、基材として樹脂シートを用いたフィルムセンサーであることが好ましい。
以下、少なくとも電極パターンを含むセンサーがフィルムセンサーである態様について代表的に説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
フィルムセンサーは、透明な基材シートと、基材シートの両面に配置された電極パターンと、電極パターンに接続された引き回し配線と、電極パターンを覆うように積層されたオーバーコート層と、を備えたフィルムセンサーであることが好ましい。
フィルムセンサーの少なくとも一方の表面に他の加飾層(フィルムセンサー用の加飾層)が配置されたことが好ましい。
前面板一体型センサーは、前述の加飾層2が、前述のサファイアガラス1と前述のフィルムセンサーの加飾層45との間に配置されることが好ましい。
前面板一体型センサーは、前述のサファイアガラス1の法線方向から観察した場合に前述の加飾層2の正射影が前述のフィルムセンサーの加飾層45の少なくとも一部の領域に重なることが好ましい。
前述のフィルムセンサーの加飾層45の内縁が前述の加飾層2の内縁よりも中央側に位置していることが好ましい。
サファイアガラス1の裏面と加飾層45との間の距離が10μm〜100μmであるのがより好ましい。10μm以上だと粘着剤の厚みが十分に厚くなりフィルムセンサーと透明なサファイアガラス1の密着力が高くなり、100μm以下であると表示画面を囲う部分の外観的な一体感が高くなる。
<前面板一体型センサーの製造方法>
本発明の前面板一体型センサーを製造する過程で形成される態様例として、図4〜8の態様を挙げることができる。図4は、開口部8が形成されたサファイアガラス1の一例を示す上面図である。図5は、加飾層2が形成された画像表示装置の前面板の一例を示す上面図である。
図6〜8は、フィルムセンサーと積層された前面板一体型センサーの構成の一例である。図6は、フィルムセンサーと積層されて第一の電極パターン3が形成された前面板一体型センサーの一例を示す上面図である。図7は、フィルムセンサーと積層されて第一の電極パターン3と第二の電極パターン4が形成された前面板一体型センサーの一例を示す上面図である。図8は、フィルムセンサーと積層されて第一および第二の電極パターンとは引き回し配線6が形成された前面板一体型センサーの一例を示す上面図である。これらは、以下の説明を具体化した例を示すものであり、本発明の範囲はこれらの図面により限定的に解釈されることはない。
図9に示した構成のフィルムセンサー43は、基材シート1Aの一方の両方の表面にそれぞれ透明膜11が配置されている。
図9に示した構成のフィルムセンサー43は、基材シート1Aの表面の内、後述の前面板と積層される側の表面側に、電極パターン4、遮光性導電膜9、オーバーコート層7、引き回し配線6、加飾層45が配置されている。
図9に示した構成のフィルムセンサー43は、基材シート1Aの表面の内、後述の前面板と積層される側とは反対の表面側に、電極パターン3、遮光性導電膜9、オーバーコート層7、引き回し配線6が配置されている。
図9に示した構成のフィルムセンサー43は、加飾層45(フィルムセンサーの加飾層)を有する。
一定の厚みが必要な引き回し配線6とオーバーコート層とにまたがって転写フィルムから加飾層45を形成するための着色組成物層をラミネートする場合でも、転写フィルムを用いることで真空ラミネーターなどの高価な設備を用いなくても、簡単な工程でマスク部分境界に泡の発生がないラミネートが可能になる。
加飾層45は、枠状の加飾層であることが好ましい。すなわち、フィルムセンサーを画像表示装置に用いた場合に、中央の画像表示部分(電子機器表示窓)を加飾層45が枠状に囲むことが好ましい。フィルムセンサーの加飾層45の好ましい態様としては、特許5020580号公報に記載の枠状遮光層と同様の態様を挙げることができる。
フィルムセンサーを前面板一体型センサーに用いる場合、電極パターンは行方向と列方向の略直交する2つの方向にそれぞれ第一の電極パターンおよび第二の電極パターンとして設けられることがある(例えば、図3参照)。例えば図3の構成では、電極パターンは、第二の電極パターン4であっても、第一の電極パターン3であってもよい。
図3を用いて第一の電極パターン3および第二の電極パターン4について説明する。図3は、第一の電極パターンおよび第二の電極パターンの一例を示す説明図である。図3に示すように、第一の電極パターン3は、パッド部分3aが接続部分3bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の電極パターン4は、第一の電極パターン3と絶縁層5によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図3における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の電極パターン3を形成する場合、前述のパッド部分3aと接続部分3bとを一体として作製してもよいし、接続部分3bのみを作製して、パッド部分3aと第二の電極パターン4とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分3aと第二の電極パターン4とを一体として作製(パターニング)する場合、図3に示すように接続部分3bの一部とパッド部分3aの一部とが連結され、且つ、絶縁層5によって第一の電極パターン3と第二の電極パターン4とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。図3では説明のために絶縁層5を不連続な膜として記載したが、本発明の前面板一体型センサーに用いられるフィルムセンサーでは絶縁層5として基材シート1Aを用いることができる。
フィルムセンサーは、前述の電極パターンが形成されていない非パターン領域を含むことが好ましい。本明細書中、非パターン領域とは、電極パターン4が形成されていない領域を意味する。
前述の基材シート1Aおよび透明膜11が互いに隣接していることが好ましい。
図9には、前述の基材シート1Aの上に隣接して透明膜11が積層している態様が示されている。
但し、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、前述の基材シート1Aおよび前述の透明膜の間に、第三の透明膜が積層されていてもよい。例えば、前述の基材シート1Aおよび前述の透明膜11の間に、屈折率1.5〜1.52の第三の透明膜(図9には不図示)を有していてもよい。
フィルムセンサーは、前述の透明膜および前述の電極パターンが互いに隣接していることが好ましい。
前述の電極パターン4の端部は、その形状に特に制限はないがテーパー形状を有していてもよく、例えば、前述の基材シート1A側の面の方が、前述の基材シート1Aと反対側の面よりも広いようなテーパー形状を有していてもよい。
ここで、前述の電極パターンの端部がテーパー形状であるときの電極パターンの端部の角度(以下、テーパー角とも言う)は、30°以下であることが好ましく、0.1〜15°であることがより好ましく、0.5〜5°であることが特に好ましい。
本明細書中におけるテーパー角の測定方法は、前述の電極パターンの端部の顕微鏡写真を撮影し、その顕微鏡写真のテーパー部分を三角形に近似し、テーパー角を直接測定して求めることができる。
テーパー部分を近似した三角形の底面は、10〜3000nmであることが好ましく、100〜1500nmであることがより好ましく、300〜1000nmであることが特に好ましい。
なお、テーパー部分を近似した三角形の高さの好ましい範囲は、電極パターンの膜厚の好ましい範囲と同様である。
引き回し配線6は、第一の電極パターン3および第二の電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、且つ、第一の電極パターン3および第二の電極パターン4とは別の要素であることが好ましい。
図9においては、引き回し配線6が遮光性導電膜9を介して、第二の電極パターン4に接続されている図が示されている。引き回し配線は、枠状であることが好ましい。すなわち、フィルムセンサー43を画像表示装置に用いた場合に、中央の画像表示部分を引き回し配線が枠状に囲むことが好ましい。
フィルムセンサーは、前述の電極パターンおよび遮光性導電膜が互いに隣接していることが好ましい。
遮光性導電膜は枠状であることが好ましい。すなわち、フィルムセンサー43を画像表示装置に用いた場合に、中央の画像表示部分を遮光性導電膜が枠状に囲むことが好ましい。
また、図9においては、引き回し配線以外の各構成要素の全てを覆うようにオーバーコート層7が設置されている。オーバーコート層7は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。
フィルムセンサーは、前述の透明膜およびオーバーコート層によって、前述の電極パターンおよび前述の電極パターンが形成されていない非パターン領域の両方が連続して直接または他の層を介して被覆されたことが好ましい。
ここで、「連続して」とは、前述の透明膜および前述のオーバーコート層がパターン膜ではなく、連続膜であることを意味する。すなわち、前述の透明膜および前述のオーバーコート層は、開口部を有していないことが、電極パターンを視認されにくくする観点から好ましい。
また、前述の透明膜および前述のオーバーコート層によって、前述の電極パターンおよび前述の非パターン領域が、他の層を介して被覆されるよりも、直接被覆されることが好ましい。他の層を介して被覆される場合における「他の層」としては、フィルムセンサーに遮光性導電膜が含まれる場合の遮光性導電膜などを挙げることができる。
(加飾層)
フィルムセンサーの加飾層45の材料は、特に制限はなく、例えば本発明の硬化性組成物の材料と同じとすることができる。
(基材シート)
基材シートは、光学的に歪みがないものや、透明度が高いものを用いることがより好ましく、具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)をあげることができる。
(透明膜)
透明膜は、屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜であることが、電極パターンの視認性をより改善する観点から、好ましい。
前述の透明膜の屈折率が1.6〜1.78であることが好ましく、1.65〜1.74であることがより好ましい。ここで、前述の透明膜は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。前述の透明膜が2層以上の積層構造である場合、前述の透明膜の屈折率とは、全層の屈折率を意味する。
このような屈折率の範囲を満たす限りにおいて、前述の透明膜の材料は特に制限されない。
前述の透明膜の厚みが55〜110nmであることが好ましく、60〜110nmであることがより好ましく、70〜90nmであることが特に好ましい。
ここで、前述の透明膜は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。前述の透明膜が2層以上の積層構造である場合、前述の透明膜の膜厚とは、全層の合計膜厚を意味する。
(電極パターン)
フィルムセンサーは、基材シートの両面に配置された電極パターンを有することが好ましい。
フィルムセンサーは、前述の第一の電極パターンが透明電極パターンであっても、透明電極パターンでなくてもよいが、透明電極パターンであることが好ましい。
フィルムセンサーは、前述の第二の電極パターンが透明電極パターンであっても、透明電極パターンでなくてもよいが、透明電極パターンであることが好ましい。
前述の電極パターンの屈折率は1.75〜2.1であることが好ましい。
前述の電極パターンの材料は特に制限されることはなく、公知の材料を用いることができる。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、前述の第一の電極パターン3と、第二の電極パターン4と、後述する引き回し配線6とは、導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の電極パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落0014〜0016等を参考にすることができる。その中でも、前述の電極パターンは、ITO膜であることが好ましい。
(引き回し配線)
フィルムセンサーは、引き回し配線を有することが好ましい。引き回し配線は、電極パターンの引き回し配線であることが好ましく、電極パターンとは別の導電性要素である。引き回し配線は後述の遮光性導電膜とは別の導電性要素であってもよく、引き回し配線は後述の遮光性導電膜とは同じ部材であってもよい。
引き回し配線の材料は特に制限されることはなく、公知の材料を用いることができる。従来は導電性が高く微細加工が容易な点から、引き回し配線の材料としてMo/Al/Moの3層構造のMAMが一般的に用いられてきたが、上述の電極パターンの材料と同じ材料を好ましく用いることができ、さらにAu(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)、C(炭素)、Fe(鉄)などの金属を用いることもできる。これらの金属が含まれる導電性ペーストまたは導電性インクをウェット法により成膜することで、蒸着法に比べてより安価なプロセスで引き回し配線を得ることができる。引き回し配線の材料は金属であることが好ましく、銅またはアルミニウムであることがより好ましい。
(遮光性導電膜)
遮光性導電膜9は、導電率が高くかつ遮光性の良い単一の金属膜やそれらの合金または化合物などからなる層が挙げられ、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成するとよい。また、遮光性導電膜9は、電極パターンはエッチングされないが遮光性導電膜9自身はエッチングされるというエッチャントが存在することが好ましい。その好ましい金属の例としては、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、錫などが挙げられる。とくに銅箔からなる厚み20〜1000nmの金属膜は、導電性、遮光性に優れ、電極パターンはエッチングされない酸性雰囲気下でも過酸化水素水で容易にエッチングできるため非常に好ましい。遮光性導電膜9の厚みはより好ましくは、厚み30nm以上である。遮光性導電膜9の厚みはさらに好ましくは、100〜500nmにするとよい。100nm以上の厚みに設定することで高い導電性の遮光性導電膜9が得られ、500nm以下にすることで取り扱いやすく加工性に優れた遮光性導電膜9が得られるからである。
(オーバーコート層)
フィルムセンサーは、オーバーコート層を電極パターンの上に転写して作製されてなることが好ましい。
フィルムセンサー上に作製されたフレキシブル配線である電極パターンおよび引き回し配線を、引き回し配線の端末部31に直接つなぐことができ、これにより、フィルムセンサーの信号を電気回路に送ることが可能になる。
オーバーコート層は、光硬化性であっても、熱硬化性かつ光硬化性であってもよい。その中でも、オーバーコート層は熱硬化性透明樹脂層かつ光硬化性透明樹脂層であることが、転写後に光硬化して製膜しやすく、かつ、製膜後に熱硬化して膜の信頼性を付与できる観点から好ましい。
オーバーコート層としては、特開2014−178922号公報の[0024]〜[0036]に記載の保護層と同じ層を用いることができる。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、本発明の前面板一体型センサーを構成要素として備えた、画像表示装置である。
本発明の前面板一体型センサーを構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
[実施例1]
<硬化性組成物1の調製>
下記の組成となるように、有機基およびシロキサン結合を持つ化合物であるシリコーン樹脂、界面活性剤、硬化触媒及び溶剤を量り取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度24℃(±2℃)のもと、150RPM(Round per minutes)で30分間攪拌することで硬化性組成物1を得た。得られた硬化性組成物1を、実施例1の硬化性組成物とした。
下記表1に硬化性組成物1の組成を記載した。なお、表1に記載された量は質量基準の部数である。
・シリコーンレジン:KR−300(信越化学工業(株)製;
ストレートシリコーンのキシレン溶液(固形分50質量%)) :300質量部
・シリコーン樹脂:KR−311(信越化学工業(株)製;
ストレートシリコーンのキシレン溶液(固形分60質量%)) :250質量部
・シリコーン樹脂用Zn触媒:D−15(信越化学工業(株)製;
キシレン溶液(固形分25質量%)) :12.0質量部
・界面活性剤:下記構造物1 :10.0質量部
・キシレン :218質量部
・メチルエチルケトン :210質量部
Figure 0006393179
<硬化膜1の形成>
(積層)
次に、京セラ(株)から販売されている単結晶サファイアガラス板(サイズは縦10cm×横10cm、厚み0.5mm)の上に硬化性組成物1をスピンコートして積層し、100℃、3分間の条件で揮発成分を揮発させて硬化性組成物膜1を形成した。
(硬化)
冷却後、この硬化性組成物膜1を、240℃、30分間の条件で熱処理(ポストベーク処理)して硬化し、サファイアガラス上に2μmの硬化膜1を作製した。
<透過率の評価>
上記にて作製された硬化膜1の透過率を、硬化膜のついていないサファイアガラスをブランクとして、オリンパス(株)製の顕微分光測定装置OSP−SP200を用いて測定した。熱着色で最も透過率が低下する400nmの透過率を下記の評価基準に従って評価し、得られた結果を下記表2に記載した。透過率は値が大きいほど好ましく、A、BまたはCが実用範囲である。
(評価基準)
A:98%以上
B:95%以上98%未満
C:90%以上95%未満
D:85%以上90%未満
E:85%未満
<画像表示装置の前面板の作製>
(加飾層の形成)
サファイアガラスの周縁部において、硬化膜1の上に、下記の方法で調製した黒色インキを用いてスクリーン印刷にて厚み7μmの枠状の加飾層を形成し、画像表示装置の前面板を得た。得られた画像表示装置の前面板を、実施例1の画像表示装置の前面板とした。
(黒色インキの調製)
・カーボンブラック顔料分散体(御国色素社製、TPBK−234C、不揮発分濃度20%) 250質量部
・バインダー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万、不揮発分40%) 48.5質量部
・界面活性剤:上記構造物1 1.0質量部
・溶剤(1−メトキシ−2−プロピルアセテート) 10質量部
上記素材を混合し、温度24℃(±2℃)のもと、150RPMで30分間攪拌することによって黒色インキを得た。
<密着性の評価>
(クロスカット(密着性))
上記で作製した実施例1の画像表示装置の前面板の、サファイアガラスと加飾層との間の密着性を、クロスカット試験(JIS K5600に順ずる。但し、100個の膜片からなる格子パターンで行う)によって評価した。クロスカット試験では、画像表示装置の前面板に対し、加飾層からサファイアガラスに到達するまでの深さの切込みを、縦と横方向に11か所ずつ入れた。
100個の膜片中で剥離した膜片の個数を下記の評価基準に従って評価し、得られた結果を下記表2に記載した。クロスカット(密着性)は剥離した膜片の個数の値が小さいほど好ましく、A、BまたはCが実用範囲である。
(評価基準)
A:0個
B:1個以上5個未満
C:5個以上10個未満
D:10個以上20個未満
E:20個以上
[実施例2〜13、比較例1、2、3]
実施例1において、硬化性組成物1を下記表1に記載の硬化性組成物2〜13またはC2に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2〜13、比較例2の画像表示装置の前面板を作製し、評価を行った。
硬化性組成物2で用いたKR−251はアルコキシオリゴマー変性メチルシリコーンレジンであり、硬化性組成物2および11で用いたX−40−9246はアルコキシオリゴマー変性メチル系シリコーンレジン(いずれも信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物3および4で用いたKR−5230およびKR−5235はポリエステル変性シリコーンレジン(いずれも信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物5で用いたSMP−2003PGMEAはポリイミド変性シリコーンレジン(信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物6で用いたES−1023はエポキシ変性シリコーンレジン(信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物7で用いたKE−1820は一液系シリコーンゴム(信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物8で用いたKR−5206はアルキッド変性シリコーンレジン(信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物9で用いたKR−400はアルコキシオリゴマー変性メチルシリコーンレジン(信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物10で用いたKR−401はアルコキシオリゴマー変性メチル/フェニルシリコーンレジン(信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物11で用いたX−22−3710STはカルボキシ変性シリコーンレジン(信越化学工業(株)製)である。
硬化性組成物12、13およびC2で用いた日本化薬製 KAYARAD DPHAはジペンタエリスリトール(ペンタ/ヘキサ)アクリレートである。
硬化性組成物C2で用いたアクリベース FF187はベンジルメタクリレート/メタアクリル酸(=70/30[モル比])共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(45%、重量平均分子量30000、藤倉化成(株)製)である。
[比較例1]
比較例1については、硬化性組成物を塗布せずに、サファイアガラス上に直接加飾層を形成して比較例1の画像表示装置の前面板を作製し、評価を行った。
[比較例3]
比較例3については、US2014/0087197に従ってサファイアガラス上にアルミナとシリカを50nm蒸着し、その上にシリカを50nm蒸着した蒸着膜を製膜した後に、蒸着膜の上に加飾層を形成して比較例3の画像表示装置の前面板を作製し、評価を行った。
[前面板一体型センサーの作製]
特許公報5026580号の[0026]〜[0053]に従って作製したフィルムセンサーを、得られた各実施例および比較例の画像表示装置の前面板の裏面の加飾材の上に透明粘着剤にて貼り合わせて、前面板一体型センサーとした。得られた前面板一体型センサーを、各実施例および比較例の前面板一体型センサーとした。
[画像表示装置(タッチパネル)の作製]
特開2009−47936号公報の実施例1に記載の方法で製造した液晶表示素子に、先に製造した各実施例の前面板一体型センサーを貼り合せ、公知の方法で静電容量型入力装置である各実施例の前面板一体型センサーを構成要素として備えた、各実施例の画像表示装置を作製した。
Figure 0006393179
Figure 0006393179
上記表2より、各実施例の前面板一体型センサーは、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい前面板一体型センサーであった。すなわち、各実施例の硬化性組成物は、画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に硬化膜を製膜した場合に、加飾層の密着が良好であり、かつ前面板の強度に優れて傷つきにくい画像表示装置の前面板を得られる、硬化性組成物であった。
一方でサファイアガラスと加飾層の間に膜を設けていない比較例1の前面板一体型センサーは、加飾層の密着が弱く、剥がれてしまい意匠性が悪かった。
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物ではなく、アクリルの重合性化合物を用いて硬化膜を設けた比較例2の前面板一体型センサーは、サファイアガラスと硬化膜C2との密着性が弱く、加飾層および硬化膜C2がサファイアガラスとの間で剥がれた。
有機基およびシロキサン結合を持つ化合物ではなく、シリカおよびアルミナの蒸着膜を設けた比較例3の前面板一体型センサーは、蒸着膜と加飾層との密着性が弱く、加飾層が蒸着膜との間で剥がれた。比較例3で用いた蒸着膜は無機膜であり、加飾層に用いたインクは有機組成物であるため、サファイアガラスと蒸着膜との密着性は良いが、蒸着膜と加飾層との密着性が劣っていたと考えられる。
なお、以上の実施例1〜13では加飾材の形成に黒色インキを用いた実施例のみを記載したが、白色インキなど黒色インキ以外を用いて加飾材を形成した場合も、本発明の効果を得られる。
また、各実施例の前面板一体型センサーは、前面板を通してみる表示画面が明るい点でも好ましかった。一方、比較例2の前面板一体型センサーは表示画面部分が着色してしまった。
なお、各実施例の画像表示装置は、前面板を通して見る表示画面の輪郭がシャープで、視認性に優れ、かつ表示画面を囲う部分に外観的な一体感のあるものであった。
1 サファイアガラス
1A フィルム基材
2 加飾層
3 電極パターン(第一の電極パターン)
3a パッド部分
3b 接続部分
4 電極パターン(第二の電極パターン)
5 絶縁層
6 引き回し配線(別の導電性要素)
7 オーバーコート層
8 開口部
9 遮光性導電膜
10 画像表示装置の前面板
11 透明膜(高屈折率層)
12 硬化膜
43 フィルムセンサー
45 フィルムセンサーの加飾層
51 粘着材
C 第1の方向
D 第2の方向

Claims (9)

  1. 画像表示装置の前面板用のサファイアガラスと、
    前記サファイアガラス上に配置された硬化性組成物を硬化した硬化膜と、
    前記硬化膜上に配置された加飾層と、
    を有し、
    前記硬化性組成物が有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を含有し、
    前記加飾層がカルボキシル基を有するバインダーを含有する、画像表示装置の前面板。
  2. 前記硬化性組成物は、前記硬化性組成物の固形分の量に対して、前記有機基およびシロキサン結合を持つ化合物の含有量が80質量%以上である請求項1に記載の画像表示装置の前面板
  3. 前記有機基およびシロキサン結合を持つ化合物として、少なくとも有機変性シリコーンを含む請求項1または2に記載の画像表示装置の前面板
  4. 前記有機変性シリコーンが、少なくともポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリイミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メタクリル変性シリコーンおよびアルキッド変性シリコーンのいずれか1種以上である請求項3に記載の画像表示装置の前面板
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像表示装置の前面板と、
    少なくとも電極パターンを含むセンサーと、
    を有する前面板一体型センサー。
  6. 請求項に記載の前面板一体型センサーを構成要素として備えた、画像表示装置。
  7. 化性組成物を画像表示装置の前面板用のサファイアガラス上に積層する積層工程と、
    前記硬化性組成物を硬化して硬化膜を製膜する硬化工程と、
    前記硬化膜上に加飾層を形成する工程と、を含み、
    前記硬化性組成物が有機基およびシロキサン結合を持つ化合物を含有し、
    前記加飾層がカルボキシル基を有するバインダーを含有する、画像表示装置の前面板の製造方法。
  8. 前記積層工程が、前記硬化性組成物を前記サファイアガラス上に塗布する工程である請求項に記載の画像表示装置の前面板の製造方法。
  9. 前記硬化工程が、前記サファイアガラス上で前記硬化性組成物を200℃以上で熱処理する工程である請求項またはに記載の画像表示装置の前面板の製造方法。
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