JP6391974B2 - 経鼻内視鏡用前処置具 - Google Patents

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Description

本発明は、経鼻内視鏡を用いるに先立って鼻腔に挿入され、鼻腔内への麻酔薬等の塗布、鼻腔の拡張等の所定の処置を行うために用いられる経鼻内視鏡用前処置具に関する。
従来、このような経鼻内視鏡用前処置具として、後端部から注入される麻酔薬等の薬液を鼻腔内に塗布するために、前端側に複数の開口孔を有する本体チューブを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。本体チューブの長さは、10〜15[cm]程度である。特許文献1のものにおいては、複数の開口孔は、本体チューブの前端部近傍における数センチメートルの範囲にわたって設けられる。
この経鼻内視鏡用前処置具においては、前処置に際し、本体チューブが鼻腔内に挿入され、本体チューブの後端部にシリンジのノズルが接続される。そして、シリンジ内のゼリー状の麻酔薬が本体チューブ内に押し出され、その麻酔薬が本体チューブの開口孔を経て、鼻腔内に塗布される。
特開2009−50543号公報
しかしながら、このような従来の経鼻内視鏡用前処置具は、本体チューブの太さが一定である。このため、経鼻内視鏡を用いるに先立って鼻腔を適切に拡張する必要がある場合には、本体チューブの太さが異なる経鼻内視鏡用前処置具が複数用意される。そして、本体チューブの細い経鼻内視鏡用前処置具が始めに挿入され、その後、これを抜去してから、本体チューブの太いものが再度挿入される。
これによれば、本体チューブを複数回挿入する必要がある。このことは、経鼻内視鏡用の前処置を煩雑にしている。また、本体チューブが複数回挿入されると、患者が受ける負担も大きい。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、経鼻内視鏡用の前処置を効率化して患者の負担を軽減できる経鼻内視鏡用前処置具を提供することにある。
本発明の経鼻内視鏡用前処置具は、経鼻内視鏡を用いるに先立って鼻腔に挿入され、所定の処置を行うために用いられる経鼻内視鏡用前処置具であって、後端部から注入される薬液を鼻腔内に塗布するために長さ方向の所定範囲にわたって複数の開口孔が設けられた小径チューブと、前記小径チューブより短く、該小径チューブをその前端側から、該前端側が突出する所定位置まで、後端側から挿入可能な大径チューブとを備え、前記大径チューブは、前記小径チューブで薬液を鼻腔内に塗布する際に該小径チューブとともに鼻腔内に挿入される部位よりも少なくとも後端側に設けられ、その側壁を貫通する1以上の側孔を備え、少なくとも該側孔の周辺部において、その内周面と挿入された小径チューブの外周面との間に該薬液が浸入可能な隙間を形成可能な内径を備えることを特徴とする。
経鼻内視鏡を用いる前に、本発明の経鼻内視鏡用前処置具により、前処置として、鼻腔の内壁へ薬液を塗布し、鼻腔を拡張する。前記薬液が麻酔薬である場合には、薬液の塗布により麻酔を行うことができる。
本発明の経鼻内視鏡用前処置具では、まず、大径チューブに小径チューブが挿入された状態で、大径チューブ及び小径チューブの外周面全体に薬液が塗布される。
大径チューブは、その側壁を貫通する側孔の周辺部において、その内周面と挿入された小径チューブの外周面との間に薬液が浸入可能な隙間を形成可能な内径を備える。これにより、大径チューブの側孔に塗布された薬液が側孔から内部へ浸入し、大径チューブの内周面と小径チューブの外周面との間に形成された前記隙間に浸入して滞留する。
次に、大径チューブ及び小径チューブの外周面全体に薬液が塗布された経鼻内視鏡用前処置具が、患者の鼻腔内に挿入される。
このとき、鼻腔内には、まず、大径チューブの前端から突出した小径チューブの前端側の部分が挿入され、その後、小径チューブと大径チューブとが重複した部分が挿入される。この挿入は、大径チューブの中間部程度まで行われる。したがって、患者に負担をかけることなく、小径チューブ及び大径チューブを鼻腔内に挿入することができる。
次に、鼻腔内に挿入された小径チューブの後端部にシリンジが接続され、シリンジ内の薬液が小径チューブに注入され、1分程度放置される。これにより、小径チューブの各開口孔から薬液が鼻腔内に漏出し、鼻腔壁に塗布される。すなわち、1次麻酔が行われる。
次に、小径チューブの位置が保持された状態で大径チューブが後端部まで挿入されることにより、鼻腔が拡張された後、小径チューブが大径チューブから引き抜かれる。そして、小径チューブの引き抜き後、数分間放置されることにより、大径チューブの外周面に塗布された薬液が鼻腔壁に塗布される。すなわち、2次麻酔が行われる。この後、大径チューブが引き抜かれ、前処置が完了する。
ところで、前記1次麻酔の間、大径チューブの後端側は、鼻腔内に挿入されずに鼻腔外に位置するので、大径チューブの後端側の外周面に塗布された薬液は、乾燥して減少し、前記2次麻酔の際に必要量を確保することができないことが懸念される。
しかしながら、本発明の経鼻内視鏡用前処置具では、前記2次麻酔で小径チューブが大径チューブから引き抜かれる際に、大径チューブの内周面と小径チューブの外周面との間に形成された前記隙間に滞留する薬液が、少なくとも後端側に設けられた側孔から大径チューブの外周面に漏出する。この結果、大径チューブの外周面には、塗布された薬液と、側孔から外周面に漏出した薬液とが存在することとなり、必要量の薬液を確保することができる。
したがって、本発明の経鼻内視鏡用前処置具によれば、前記2次麻酔に先だって、大径チューブの外周面に存在する薬液の不足を補うために、大径チューブを鼻腔外へ引き抜き、外周面に薬液を再度塗布し、大径チューブを鼻腔内へ再度挿入する等の処置を行う必要がない。これにより、本発明の経鼻内視鏡用前処置具によれば、経鼻内視鏡用の前処置を効率化して患者の負担を軽減することができる。
また、本発明の経鼻内視鏡用前処置具において、前記側孔は、前記大径チューブの前端側からの距離が同一である外周面上であって該大径チューブの中心軸線に対して相互に対称な位置に複数配置されていることが好ましい。これによれば、複数の側孔から大径チューブの外周面の広い範囲に薬液を漏出させ、鼻腔に対して塗布漏れなく2次麻酔を行うことができる。
また、本発明の経鼻内視鏡用前処置具において、前記小径チューブ及び前記大径チューブは、それぞれの後端部に、該小径チューブを該大径チューブに前記所定位置まで挿入したときに該小径チューブ及び該大径チューブを周方向に位置合せするための位置合せ部を備え、前記側孔は、さらに、前記大径チューブの前端側にも設けられ、前記位置合せがなされた状態において、該小径チューブの最後端の開口孔が、該大径チューブの内側且つ最前端の側孔の周辺部に位置する構成を備えることが好ましい。
前記構成を備える経鼻内視鏡用前処置具によれば、大径チューブに小径チューブが前記所定位置まで挿入され、前記位置合わせ部によって位置合わせがなされたとき、該小径チューブの最後端の開口孔は、該大径チューブの内側且つ最前端の側孔の周辺部に位置した状態となる。そして、この状態で、大径チューブ及び小径チューブの外周面全体に薬液が塗布され、経鼻内視鏡用前処置具が患者の鼻腔内に挿入されて、シリンジ内の薬液が小径チューブに注入される。
このとき、最前端の側孔の周辺部では、大径チューブの内周面と小径チューブの外周面との間に隙間が形成されていることにより、1次麻酔の際に、小径チューブに注入された薬液が、最後端の開口孔から前記隙間を介して該最前端の側孔から大径チューブの外周面へ漏出する。これにより、鼻腔壁の大径チューブの前端部が挿入された部分に薬液を塗布することができる。
したがって、前記構成を備える経鼻内視鏡用前処置具によれば、鼻腔壁の小径チューブが挿入された部分だけでなく、大径チューブの前端部が挿入された部分についても1次麻酔を行うことができる。
また、本発明の経鼻内視鏡用前処置具において、前記大径チューブの後端部には、該大径チューブが該鼻腔内に入り過ぎるのを防止する過挿入防止プレートが設けられてもよい。これによれば、鼻孔が標準よりも大きい場合でも、鼻腔内の奥まで大径チューブが入り過ぎるのを防止することができる。
本発明の一実施形態に係る経鼻内視鏡用前処置具の正面図である。 図1の経鼻内視鏡用前処置具の小径チューブの正面図である。 図1の経鼻内視鏡用前処置具の大径チューブの正面図である。 図3の大径チューブの大径側アダプタの前端側から見た正面図である。 図1の経鼻内視鏡用前処置具が鼻腔内に挿入される様子を示す図である。 図2の経鼻内視鏡用前処置具が鼻腔内に挿入される様子を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。実施形態の経鼻内視鏡用前処置具は、経鼻内視鏡を用いるに先立って、鼻腔に挿入され、所定の処置を行うために用いられる。所定の処置としては、例えば、鼻腔の内壁への薬液の塗布や、鼻腔の拡張等が該当する。前記薬液が麻酔薬である場合には、薬液の塗布により麻酔を行うことができる。
図1に示すように、経鼻内視鏡用前処置具1は、後端部から麻酔薬が注入される小径チューブ2と、小径チューブ2の外側に嵌合される大径チューブ3とを備える。本実施形態では、小径チューブ2の前端は閉じられているが、開いていてもよい。
図2に示すように、小径チューブ2には、開口孔としてのスリット孔4が設けられる。スリット孔4は、小径チューブ2に対してその後端部から注入される麻酔薬を鼻腔内に塗布し得るように、小径チューブ2の長さ方向における所定範囲にわたって複数が設けられる。
ここでは、小径チューブ2における前端側からほぼ四分の一程度後端側へ移動した位置
から中間点までの範囲にわたって、8つのスリット孔4が設けられる。具体的には、この範囲内における長さ方向に等間で定められた4箇所の位置a〜dそれぞれにおいて、2つずつのスリット孔4が設けられる。各位置a〜dにおける2つのスリット孔4は、小径チューブ2の中心軸線に関して相互に対称な位置に配置される。
各スリット孔4の長さ方向は、小径チューブ2の長さ方向に一致する。位置a及びcのスリット孔4の周方向位置は同一である。位置b及びdのスリット孔4の周方向位置も同一である。ただし、位置a及びcのスリット孔4の周方向位置と、位置b及びdのスリット孔4の周方向位置は、相互に小径チューブ2の中心軸線を中心とする中心角で90°異なる。
例えば、位置aは、小径チューブ2の前端から30[mm]の箇所に設定される。位置a、b間、位置b、c間、位置c、d間の間隔はいずれも10[mm]である。また、各スリット孔4の長さは2[mm]である。
小径チューブ2の後端部には、小径側アダプタ5が設けられる。小径側アダプタ5の前端側には、前端側が開放された筒状部6が設けられる。筒状部6には、小径チューブ2の前端方向に向いた2つの凹部6aが、相互に小径チューブ2の中心軸線に関して対称な位置に設けられる。
2つの凹部6aの周方向位置は、位置b及びdそれぞれの2つのスリット孔4の周方向位置に一致する。小径側アダプタ5の後端部は、図示していないシリンジのノズルを小径チューブ2に接続するための接続部7を構成する。
図3に示すように、大径チューブ3は、小径チューブ2より長さが短くて径が大きく、小径チューブ2を内側に挿入して貫通させることが可能となっている。大径チューブ3の前端には、小径チューブ2が大径チューブ3に挿入されるとき及び挿入後において、小径チューブ2を支持する貫通孔3aが設けられる。貫通孔3aと小径チューブ2との間には、小径チューブ2の挿入後においても貫通孔3aと小径チューブ2との間から薬液が漏出できる程度の隙間が設けられる。
大径チューブ3のほぼ中間の位置には、経鼻内視鏡用前処置具1を鼻腔内に挿入するときの、挿入量の目安となる目盛り線Lが設けられる。また、大径チューブ3の内周面により、管路3bが構成される。大径チューブ3前端の周縁部は、大径チューブ3が鼻腔内へ滑らかに挿入されるように、面取りが施されている。
大径チューブ3の前端側及び後端側には、その側壁を貫通する複数の側孔8が設けられる。
ここでは、大径チューブ3における前端側からほぼ五分の一程度後端側へ移動した位置から、ほぼ五分の四程度後端側へ移動した位置までの範囲にわたって、4つの側孔8が設けられる。具体的には、大径チューブ3の前端側からほぼ五分の一程度後端側へ移動した位置xと、ほぼ五分の四程度後端側へ移動した位置yとにおいて、2つずつの側孔8が設けられる。各位置x、yにおける2つの側孔8は、大径チューブ3の中心軸線に関して相互に対称な位置に配置される。
大径チューブ3は、小径チューブ2が挿入された状態において、その内周面と小径チューブ2の外周面との間に薬液が浸入可能な隙間を形成可能な内径を備えている。
大径チューブ3の後端部には、小径チューブ2との位置関係を定めるための大径側アダプタ9が設けられる。大径側アダプタ9の後端部は、小径チューブ2の筒状部6の内側に嵌合させるのに適した形状を有する。
大径側アダプタ9には、その軸線方向に貫通し、大径チューブ3の管路3bに接続した貫通孔10が設けられる。貫通孔10は、小径チューブ2が大径チューブ3に挿入されるとき及び挿入後において、小径チューブ2を支持する。
大径側アダプタ9の外周の後端側には、その軸線方向に延在する2つのリブ状部11が、大径側アダプタ9の中心軸線に関して相互に対称な位置に設けられる。各リブ状部11の後端部は、小径チューブ2の凹部6aに対応する凸部11aを構成する。2つの凸部11aの周方向位置は、大径チューブ3の位置xの2つの側孔8の周方向位置に一致する。凹部6a及び凸部11aは、本発明における位置合せ部に対応する。
したがって、大径側アダプタ9に対してその後端側から、小径チューブ2をその前端側から、凹部6aに凸部11aが嵌合するまで挿入することにより、大径チューブ3と小径チューブ2との周方向における位置関係を決定することができる。このとき、大径側アダプタ9の後端部も、小径チューブ2の筒状部6の内側に嵌合する。これにより、図1に示すように、経鼻内視鏡用前処置具1は、小径チューブ2に大径チューブ3を装着した状態となる。
この状態において、小径チューブ2のスリット孔4のうちの最も後方に位置する位置dのスリット孔4の周方向位置は、大径チューブ3の前方側に位置する位置xの側孔8の周方向位置に一致する。また、位置dのスリット孔4は、大径チューブ3の内側に位置してその内周面に対向し、且つ位置xの側孔8よりも前方に位置する。
大径側アダプタ9のリブ状部11の前端側に隣接する部分には、大径チューブ3が鼻腔内に挿入されたとき、該鼻腔内に入り過ぎるのを防止する過挿入防止プレート12が設けられる。過挿入防止プレート12の患者に接する側は、図4のように、直線状部分13になっている。これにより、患者に違和感が生じるのを防止している。
次に、図1、5及び6を参照しながら、経鼻内視鏡用前処置具による前処置について説明する。
まず、大径側アダプタ9に対してその後端側から、小径チューブ2がその前端側から挿入され、小径チューブ2の前端部が貫通孔3aから突出され、凹部6aに凸部11aが嵌合するまで挿入する。これにより、図1に示すように、小径チューブ2に大径チューブ3が装着した状態となり、大径チューブ3と小径チューブ2との長さ方向における位置関係及び周方向における位置関係が決定される。このとき、位置dのスリット孔4は、大径チューブ3の内側に位置してその内周面に対向し、位置xの側孔8よりも前方に位置し且つ位置xの側孔8の周方向位置に一致する。
次に、麻酔薬としてキシロカインゼリーを用い、図1の状態の経鼻内視鏡用前処置具1の小径チューブ2及び大径チューブ3の外周面全体にキシロカインゼリーが塗布される。このとき、大径チューブ3の側孔8に塗布された薬液が、該側孔8から内部へ浸入し、大径チューブ3の内周面と小径チューブ2の外周面との間の隙間に侵入して滞留する。
次に、図5に示すように、経鼻内視鏡用前処置具1が、その前端側から、患者の鼻腔14内に、目盛り線Lの位置まで挿入される。
このとき、鼻腔14内には、まず、大径チューブ3の前端から突出した小径チューブ2の前端側の部分が挿入され、その後、大径チューブ3の部分が目盛り線Lの位置まで挿入される。このため、鼻腔14への経鼻内視鏡用前処置具1の挿入は、患者に負担をかけることなく、無理のない態様で行われる。
次に、小径チューブ2の小径側アダプタ5の接続部7に、図示していないシリンジが接続される。そして、シリンジ内のキシロカインゼリーが小径チューブ2に注入され、1分程度放置される。これにより、小径チューブ2の各スリット孔4からキシロカインゼリーが鼻腔14内に漏出して鼻腔壁に塗布され、1次麻酔が行われる。
このとき、大径チューブ3の凹部6aと小径チューブ2の凸部11aとが嵌合しているので、小径チューブ2の位置dのスリット孔4と大径チューブ3の位置xの側孔8との周方向位置も一致している(図1参照)。また、小径チューブ2の外周面と大径チューブ3の内周面との間には隙間が存在する。
このため、位置dのスリット孔4が大径チューブ3の内側に存在するにも拘わらず、そのスリット孔4から漏出するキシロカインゼリーは、小径チューブ2と大径チューブ3の間の隙間を経て、大径チューブ3の位置xの側孔8及び貫通孔3aから支障なく鼻腔14内へ供給される。
このときに貫通孔3aから供給されるキシロカインゼリーは、貫通孔3aと小径チューブ2との間の環状の隙間の全周からほぼ均等に漏出する。このため、鼻腔内の貫通孔3a近傍の部分に対し、さらに効果的に麻酔薬が供給される。これにより、次の2次麻酔における大径チューブ3の後端部までの挿入が、よりスムーズに行われる。
次に、図6に示すように、小径チューブ2の位置が保持された状態で、大径チューブ3が、小径チューブ2をガイドとして、小径チューブ2上でスライドされることにより、後端部まで挿入される。これにより、鼻腔14内の必要な部分の拡張が行われる。そして、小径チューブ2が大径チューブ3から引き抜かれた後に、3〜5分程度放置される。これにより、2次麻酔が行われる。
このとき、大径チューブ3が小径チューブ2上でスライドされることにより、大径チューブ3の内周面と小径チューブ2の外周面との間の隙間に侵入して滞留するキシロカインゼリーが、位置x及びyの側孔8から大径チューブ3の外周面に漏出する。この結果、大径チューブ3の外周面には、経鼻内視鏡用前処置具1を挿入前に塗布されたキシロカインゼリーと、側孔8から外周面に漏出したキシロカインゼリーとが存在することとなり、2次麻酔に必要な量のキシロカインゼリーを確保することができる。
そして、2次麻酔が完了すると、大径チューブ3が鼻腔14から引き抜かれ、経鼻内視鏡用の前処置が終了する。すなわち、経鼻内視鏡を使用できる状態となる。
以上のように、本実施形態によれば、1次麻酔に際しては、経鼻内視鏡用前処置具1が、大径チューブ3に小径チューブ2を挿入した状態で目盛り線Lまで鼻腔14内に挿入される。そして、2次麻酔に際しては、大径チューブの後端部まで鼻腔14内に挿入され、小径チューブ2が引き抜かれる。
したがって、大径のチューブと小径のチューブを用意し、これらを別個に挿入する場合に比べて、経鼻内視鏡用の前処置としての鼻腔14へのキシロカインゼリーの塗布及び鼻腔14の拡張を効率的に行うことができる。これにより、患者の負担を軽減することができる。
その際、位置dのスリット孔4と大径チューブ3とが位置的に重複しているにも拘らず、小径チューブ2内のキシロカインゼリーが、位置dのスリット孔4から大径チューブ3の側孔8及び貫通孔3aを経て漏出し、支障なく、鼻腔14内に供給することができる。
したがって、大径チューブ3を、鼻腔14の拡張に必要な十分な長さを有するものとして構成しながら、鼻腔14内の適切な位置にキシロカインゼリーを供給することができる。すなわち、効率的な経鼻内視鏡用の前処置を可能としながら、鼻腔14内の経鼻内視鏡用前処置具1の挿入経路における最も狭い部分である中鼻道から後鼻孔にわたる領域15(図5参照)に、キシロカインゼリーを効果的に塗布することができる。
また、大径チューブ3が小径チューブ2をガイドとして後端部まで鼻腔14内に挿入されたときに、前記隙間に滞留するキシロカインゼリーが側孔8から大径チューブ3の外周面に漏出されるので、前処置中に乾燥によって減少したキシロカインゼリーの不足を補う必要がない。すなわち、キシロカインゼリーの不足を補うために、大径チューブ3を鼻腔14外へ引き抜き、外周面にキシロカインゼリーを再度塗布し、大径チューブ3を鼻腔14内へ再度挿入する等の処置を行う必要がなく、患者への負担を小さくすることができる。
また、大径チューブ3の後端部に過挿入防止プレート12を設けたので、鼻孔が標準よりも大きい場合でも、鼻腔14内の奥まで大径チューブ3が入るのを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、小径チューブ2の開口孔としてのスリット孔4は、スリット状のものに限らず、他の形態の、例えば円形の開口孔であってもよい。また、位置合せ部として、凹部6a及び凸部11aの代わりに、位置合せ用のマークを採用してもよい。
1…経鼻内視鏡用前処置具、2…小径チューブ、3…大径チューブ、4…スリット孔(開口孔)、6a…凹部(位置合せ部)、8…側孔、11a…凸部(位置合せ部)、12…
過挿入防止プレート、14…鼻腔。

Claims (4)

  1. 経鼻内視鏡を用いるに先立って鼻腔に挿入され、所定の処置を行うために用いられる経鼻内視鏡用前処置具であって、
    後端部から注入される薬液を鼻腔内に塗布するために長さ方向の所定範囲にわたって複数の開口孔が設けられた小径チューブと、
    前記小径チューブより短く、該小径チューブをその前端側から、該前端側が突出する所定位置まで、後端側から挿入可能な大径チューブとを備え、
    前記大径チューブは、前記小径チューブで薬液を鼻腔内に塗布する際に該小径チューブとともに鼻腔内に挿入される部位よりも少なくとも後端側に設けられ、その側壁を貫通する1以上の側孔を備え、少なくとも該側孔の周辺部において、その内周面と挿入された小径チューブの外周面との間に該薬液が浸入可能な隙間を形成可能な内径を備えることを特徴とする経鼻内視鏡用前処置具。
  2. 前記側孔は、前記大径チューブの前端側からの距離が同一である外周面上であって該大径チューブの中心軸線に対して相互に対称な位置に複数配置されていることを特徴とする請求項1記載の経鼻内視鏡用前処置具。
  3. 前記小径チューブ及び前記大径チューブは、それぞれの後端部に、前記小径チューブを前記大径チューブに前記所定位置まで挿入したときに該小径チューブ及び該大径チューブを周方向に位置合せするための位置合せ部を備え、
    前記側孔は、さらに、前記大径チューブの前端側にも設けられ、
    前記位置合せがなされた状態において、該小径チューブの最後端の開口孔が、該大径チューブの内側且つ最前端の側孔の周辺部に位置することを特徴とする請求項1又は2経鼻内視鏡用前処置具。
  4. 前記大径チューブの後端部には、該大径チューブが鼻腔内に入り過ぎるのを防止する過挿入防止プレートが設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の経鼻内視鏡用前処置具。
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