JP6391876B1 - 地盤改良方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】改良対象地盤の強さが深さ方向に異なっていても、地盤の改良径の大きさを一定に維持しうる地盤改良方法を提供する。
【解決手段】地盤の強さの大きさを、複数の区分に分ける強さ区分工程と、地盤改良手段から噴射される固化材スラリーの噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量の積を特定の値に定めた場合における、強さ区分工程で定めた複数の区分の各々の地盤改良径を測定する工程と、上記特定の値を他の特定の値に変更し、該他の特定の値の各々について、強さ区分工程で定めた複数の区分の各々の地盤改良径を測定する工程と、地盤改良工事において、上記3つの工程で得られた上記特定の値と地盤改良径の関係を用いて、改良対象である地盤の強さの大きさが変化したときに、設計改良径となるように、上記特定の値を変更し、該変更後の特定の値に対応する噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量で、固化材スラリーを噴射させる工程を含む地盤改良方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、地盤改良方法に関する。
従来、改良径について優れた均一性を有する地盤改良体を造成しうる地盤改良手段が知られている。
例えば、特許文献1に、鉛直方向に間隔を置いて配設された上側噴射ノズルおよび下側噴射ノズルを先端部分に備えたロッドを有する地盤改良用高圧噴射撹拌装置であって、上記上側噴射ノズルと上記下側噴射ノズルの間の距離が、上記ロッドの引上げステップ長の1倍以上の整数倍と一致することを特徴とする地盤改良用高圧噴射撹拌装置が、記載されている。
また、特許文献1には、上述の地盤改良用高圧噴射撹拌装置を用いた地盤改良方法であって、上記上側噴射ノズルから切削液を噴射させ、かつ、上記下側噴射ノズルから固化材スラリーを噴射させることを特徴とする地盤改良方法が、記載されている。
特開2017−172279号公報
地盤改良工事において、改良対象地盤が、深度(深さの程度)によって強さ(例えば、せん断強さ、N値等)が異なる場合、地盤改良手段(例えば、高圧噴射撹拌装置)における固化材スラリーの噴射圧力(単位:MPa)及び単位時間当たりの噴射量(単位:リットル/分)の各々を一定に維持していると、例えば地盤の強さが鉛直上方に向かって増大するような地盤領域では、噴射ノズルの上昇とともに地盤の改良径が小さくなり、逆に、地盤の強さが鉛直上方に向かって減少するような地盤領域では、噴射ノズルの上昇とともに地盤の改良径が大きくなり、これらの結果、鉛直方向(深さ方向)における地盤の改良径の大きさが一定にならない(換言すると、設計改良径にならない)という問題がある。
本発明の目的は、改良対象地盤の強さ(例えば、せん断強さ、N値等)が深さ方向に異なっていても、地盤の改良径の大きさを一定(例えば、1.0m程度)に維持したり、あるいは、地盤改良工事の目的(例えば、地表面に近い小さな深度の地盤領域のみについて、地盤の改良径を大きくし、かつ、それより下方の領域については、地盤の改良径を小さくすることなど)に応じて、地盤の改良径の大きさを、改良対象地盤の強さの大きさが変化する地点において、意図的に変化させて調整することのできる地盤改良方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、予め、地盤の種々の強さの各々における、地盤改良手段から噴射される固化材スラリーの噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量の積と、地盤改良径の関係を調べておき、実際の地盤改良工事において、上記積と地盤改良径の関係を用いて、改良対象である地盤の強さの大きさが変化したときに、計画された設計改良径となるように、上記積の値を変更し、該変更後の積に対応する噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量で、固化材スラリーを噴射すれば、地盤の改良径の大きさを所望の大きさに調整しうることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の[1]〜[2]を提供するものである。
[1] 地盤の強さの大きさを、複数の区分(X1、X2・・・)に分ける強さ区分工程と、
特定の直径の噴射口を有する地盤改良手段を用い、かつ、上記噴射口から噴射される固化材スラリーの噴射圧力(P1)及び単位時間当たりの噴射量(Q1)の積(P1×Q1)を特定の値(A1)に定めた場合における、上記強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数の区分の各々の地盤改良径(D1、・・・)を測定する第一の改良径測定工程と、
上記特定の値(A1)を、少なくとも一つ以上の他の積(P2×Q2、・・・)である他の特定の値(A2、・・・)に変更し、該他の特定の値(A2、・・・)の各々について、上記強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数の区分の各々の地盤改良径を測定する第二の改良径測定工程と、
地盤改良工事において、上記強さ区分工程、上記第一の改良径測定工程、及び、上記第二の改良径測定工程によって得られた特定の値(A1、A2、・・・)と地盤改良径(D1、・・・)の関係を用いて、改良対象である地盤の強さの大きさが変化したときに、計画された設計改良径となるように、上記特定の値(A1、A2、・・・)を変更し、該変更後の特定の値に対応する噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量で、固化材スラリーを噴射させる噴射工程、
を含むことを特徴とする地盤改良方法。
[2] 上記特定の直径の噴射口とは異なる直径を有する噴射口を有する少なくとも一つ以上の地盤改良手段の各々について、上記複数の区分(X1、X2・・・)と上記特定の値(A1、A2、・・・)の組み合わせの範囲内において、上記第一の改良径測定工程、及び、上記第二の改良径測定工程と同様にして、噴射圧力、単位時間当たりの噴射量、及び、地盤改良径の関係を定め、
これらの関係を追加し、かつ、2種以上の噴射口の中から1種を選択可能という条件下で、地盤改良工事を行う、上記[1]に記載の地盤改良方法。
本発明によれば、固化材スラリーを用いて、固化処理された地盤を造成するための地盤改良工事において、改良対象地盤の強さ(例えば、せん断強さ、N値等)が深さ方向に異なっていても、地盤の改良径の大きさを一定(例えば、1.0m程度)に維持したり、あるいは、地盤改良工事の目的に応じて、地盤の改良径の大きさを、改良対象地盤の強さの大きさが変化する地点において、意図的に変化させて調整することができる。
以下、本発明の地盤改良方法を工程毎に詳しく説明する。
[強さ区分工程]
強さ区分工程は、地盤の強さの大きさを、複数の区分(X1、X2、X3、・・・)に分ける工程である。
例えば、地盤のせん断強さを、「40kN/mを超え、50kN/m以下」、「50kN/mを超え、60kN/m以下」、「60kN/mを超え、70kN/m以下」、・・・、「130kN/mを超え、140kN/m以下」までの10kN/m毎の区分に分けることができる。
この例において、最小値の区分(30kN/mを超え、40kN/m以下)は、他の値(例えば、30kN/m以下や、40kN/mを超え、50kN/m以下)に定めてもよい。
最大値の区分(130kN/mを超え、140kN/m以下)は、他の値(例えば、120kN/mを超え、130kN/m以下や、140kN/mを超え、150kN/m以下)に定めてもよい。
区分の間隔(10kN/m)は、他の値(例えば、5kN/mや、20kN/m等)に定めてもよい。
また、この例では、せん断強さによって地盤の強さを区分しているが、せん断強さ以外の他の物性(例えば、N値)によって、地盤の強さを区分してもよい。
[第一の改良径測定工程]
第一の改良径測定工程は、特定の直径の噴射口を有する地盤改良手段を用い、かつ、上記噴射口から噴射される固化材スラリーの噴射圧力(P1)及び単位時間当たりの噴射量(Q1)の積(P1×Q1)を特定の値(A1)に定めた場合における、上記強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数の区分の各々の地盤改良径(D1、D2・・・)を測定する工程である。
ここで、「特定の直径の噴射口を有する地盤改良手段」とは、例えば、特定の直径の噴射口を有するノズルを下端付近に備えたロッドを有する高圧噴射撹拌装置が挙げられる。該装置のロッドを上方に引き上げていくことによって、略円柱状等の形状を有する地盤改良体が形成される。
噴射口の直径は、例えば、3.05〜5.30mmの範囲内で定められる。
固化材スラリーの噴射圧力(P1)は、例えば、15〜40MPaである。
固化材スラリーの単位時間当たりの噴射量(Q1)は、例えば、80〜300リットル/分である。
本発明で好ましく用いられる地盤改良手段の一例としては、単管工法に適用可能な高圧噴射撹拌装置(固化材スラリーのみを噴射し、エア及び水を噴射しないもの)が挙げられる。
本発明においては、二重管工法に適用可能な高圧噴射撹拌装置(例えば、固化材スラリー及び切削水を噴射するもの)等を用いることもできる。
「特定の値(A1)」は、例えば、1,600〜12,000MPa・リットル/分である。
「強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数」(換言すると、地盤改良径を測定する対象となる区分)は、好ましくは、噴射圧力(P1)及び噴射量(Q1)の条件下で地盤改良可能なすべての区分の数である。
ただし、当該複数の区分の数が多い場合(例えば、5つ以上の場合)、例えば、地盤の強さが小さい側から大きい側に向かって、地盤改良径の測定を行う区分を、「一つおき」などに定めてもよい。例えば、地盤の強さが小さい側から大きい側に向かって、A、B、C、D、E、F、Gと、7つの区分に分けられている場合、A、C、E、Gの4つの区分について、地盤改良径の測定を行い、B、D、Fの3つの区分については、A、C、E、Gの4つの区分について得られた測定値に基づく推定値を用いてもよい。
地盤改良径(D1、D2・・・)は、例えば、0.5〜1.4mである。
[第二の改良径測定工程]
第二の改良径測定工程は、第一の改良径測定工程で定めた特定の値(A1)を、少なくとも一つ以上の他の積(P2×Q2、P3×Q3・・・)である他の特定の値(A2、A3・・・)に変更し、該他の特定の値(A2、A3・・・)の各々について、強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数の区分の各々の地盤改良径を測定する工程である。
噴射圧力(P2、P3・・・)、噴射量(Q2、Q3・・・)、他の特定の値(A2、A3・・・)、及び、地盤改良径の各々について、数値範囲の例は、上述の噴射圧力(P1)、噴射量(Q1)、特定の値(A1)、及び、地盤改良径(D1、D2・・・)と同様である。
「強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数の区分」についても、上述の第一の改良径測定工程における説明と同様である。
[噴射工程]
噴射工程は、地盤改良工事において、上記強さ区分工程、上記第一の改良径測定工程、及び、上記第二の改良径測定工程によって得られた特定の値(A1、A2、・・・)と地盤改良径(D1、・・・)の関係を用いて、改良対象である地盤の強さの大きさが変化したときに、計画された設計改良径となるように、上記特定の値(A1、A2、・・・)を変更し、該変更後の特定の値に対応する噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量で、固化材スラリーを噴射させる工程である。
ここで、「計画された設計改良径」は、深さ方向の全領域に亘って一定の改良径(例えば、0.7m)であるものや、深さ方向の特定の領域と、該特定の領域以外の領域とで、改良径が異なるもの等の種々の形態のいずれであってもよい。このうち、後者の例としては、改良対象地盤の強さの大きさが変化した地点で、改良径を一定に維持せずに、意図的に改良径を増大または減少させることが挙げられる。
改良対象である地盤の強さは、(a)標準貫入試験による方法、(b)地盤改良手段(例えば、高圧噴射撹拌装置)とは別に、地盤探査専用機械を地盤改良手段の近傍に準備しておき、地盤改良工事の前に、施工箇所(改良対象地盤)を地盤探査専用機械で地盤探査する方法、等の従来から知られている方法によって測定することができる。
このうち、前記(a)の方法は、サウンディング試験(地盤に試験用錐を貫入させ、その貫入抵抗値を求めること)と、サンプリング(標準貫入試験用サンプラーを用いて、測定の対象である深さの土質試料を採取して、この土質試料の状態を目視で調べること)を同時に行うものである。この場合、地盤改良手段(例えば、高圧噴射撹拌装置)を用いる前に、予め、改良対象地盤の深さ方向の地盤の強さを測定する。
前記(b)の方法は、地盤改良手段とは別に、当該地盤改良手段の近傍に地盤探査専用機械(例えば、三成分コーン試験機を装備した小型ボーリングマシン)を用意することにより、地盤改良手段による施工工程(前記の噴射工程を含むもの)とは別の工程である地盤探査工程として、改良対象地盤の深さ方向の地盤の強さを測定するものである。特に、三成分コーン試験機を用いた場合、コーンの先端抵抗、周面摩擦、間隙水圧を測定することができ、これによって、対象土層の砂質土/粘性土の区別、せん断強さ、せん断抵抗角等を推定することができるので、地盤改良工事の前に、地盤の強さについて、高精度で、きめの細かい把握が可能となる。
深さ方向の特定の領域と、該特定の領域以外の領域とで、改良径が異なる場合のより具体的な例としては、地表面に近い側の特定の領域(深度が小さくかつ地盤の強さが小さい領域)について、設計改良径を例えば1.4mと大きく定め、かつ、それ以外の領域(深度が大きくかつ地盤の強さが大きい領域)について、設計改良径を例えば0.7mと小さく定めることが挙げられる。この場合、深度が小さい領域では、大径の円柱状の地盤改良体が形成され、かつ、深度が大きい領域では、小径の円柱状の地盤改良体が形成される。
噴射工程を説明するために、以下に、簡略化した一例を表1に基いて説明する。
表1中、「圧力」は、噴射圧力(MPa)を表し、「流量」は、単位時間当たりの噴射量(リットル/分)を表す。
Figure 0006391876
本発明は、表1のようなデータを得た後、これらのデータを用いて、実際の地盤改良工事を行うものである。
表1中、強さ区分工程として、地盤の強さを、小さい側から大きな側に向かって、「小」、「中」、「大」の3つの区分に分けている。なお、ここでの「小」、「中」、「大」は、軟弱地盤における地盤の強さを3つの区分に分けたものであるので、「大」は、軟弱地盤の中でも、せん断強さ等が比較的大きい地盤という意味である。
次に、第一の改良径測定工程として、「ノズル径」(地盤改良手段の噴射口の直径)が「大」(表1参照)の地盤改良手段を用いた場合における、固化材スラリーの噴射圧力(P1;圧力ともいう。)及び単位時間当たりの噴射量(Q1;流量ともいう。)の積(P1×Q1)を、特定の値(例えば、表1に記載のとおり、12,000MPa・リットル/分)に定める。
ここで、「12,000MPa・リットル/分」の値は、地盤改良手段(例えば、高圧噴射撹拌装置)の性能やノズル径の大きさや固化材スラリーの性状から導かれる、噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量の各値に基いて、定められる。噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量の各値は、実測値である。「12,000MPa・リットル/分」の値は、例えば、12,000〜12,999MPa・リットル/分の範囲内の値を千未満で切り捨てた概算値でもよい。
次に、地盤の強さとして「小」、「中」、「大」の各場合における改良径を測定する。例えば、「小」、「中」、「大」の各場合について、各々、1.2m、1.0m、0.8mである(表1参照)。
ここでの「1.2m」等の値は、例えば、1.20〜1.29mの範囲内の値を小数点以下第2位で切り捨てた概算値でもよい。
次に、第二の改良径測定工程として、特定の値(12,000MPa・リットル/分)を、他の特定の値(8,000MPa・リットル/分、5,000MPa・リットル/分)に変更し、これら他の特定の値の各々について、地盤の強さの区分である「小」、「中」、「大」の各々における地盤改良径を測定する。
表1中、他の特定の値が8,000MPa・リットル/分である場合、「地盤の強さ」が「小」、「中」、「大」である場合の改良径は、各々、1.0m、0.7m、0.5mである。
他の特定の値が5,000MPa・リットル/分である場合、「小」の改良径は、0.7mである。
ここでは「ノズル径」が「大」の場合(表1参照)を説明しているので、表1中、「P1」(圧力)と「Q1」(流量)の組み合わせは、「P×Q」(圧力×流量)の減少に伴って、「P2」(圧力)と「Q2」(流量)の組み合わせ(8,000MPa・リットル/分)、及び、「P3」(圧力)と「Q3」(流量)の組み合わせ(5,000MPa・リットル/分)に変化する。
表1中、「ノズル径」が「中」、「小」の各場合についても、「ノズル径」が「大」の場合と同様にして、噴射圧力、単位時間当たりの噴射量、及び、改良径を測定する。
その結果、表1に示すとおり、「ノズル径」が「中」の場合については、「P4」(圧力)と「Q4」(流量)の組み合わせ(8,000MPa・リットル/分)、及び、「P5」(圧力)と「Q5」(流量)の組み合わせ(5,000MPa・リットル/分)を得ることができる。
また、「ノズル径」が「小」の場合については、「P6」(圧力)と「Q6」(流量)の組み合わせ(5,000MPa・リットル/分)を得ることができる。
以上の工程は、後工程である噴射工程(実際の地盤改良工事)を行う前に行われるものであり、以上説明した各データ(地盤の強さの区分、噴射圧力、単位時間当たりの噴射量、及び、噴射圧力と単位時間当たりの噴射量の積)を取得し、これらデータを実際の地盤改良工事において用いるための準備工程である。
次に、噴射及びロッドの引き上げ(上昇)によって、地盤の強さが「小」〜「中」である軟弱地盤を対象にして、改良径が1.0mの地盤改良体を造成する工事を行う場合について、説明する。
地盤改良手段のロッド(その下端付近に、固化材スラリーの噴射口を有するノズルを備えたもの)を、改良対象地盤の下端に位置する状態から、地表面に向かって上昇させていく場合、まず、改良対象地盤の下端付近の「地盤の強さ」が「中」(表1)であれば、地盤改良手段として、「ノズル径」が「大」であるものを用い、P(圧力)×Q(流量)の値を、12,000MPa・リットル/分に定め、次いで、表1から、12,000MPa・リットル/分に対応する「P1」(単位:MPa)及び「Q1」(単位:リットル/分)を定め、これら「P1」(圧力)及び「Q1」(流量)の条件で、固化材スラリーを噴射しつつ、地盤改良手段のロッドを上昇させていく。
なお、P(圧力)×Q(流量)の値が12,000MPa・リットル/分である場合に対応している「ノズル径」として、「大」のみが記載されている理由は、「中」や「小」のノズル径では、この値(12,000MPa・リットル/分)での噴射仕様が、現状では困難であり、実用性(現実性)を欠くからである。
その後、改良対象地盤中の特定の領域(例えば、上端と下端の中間部分)における「地盤の強さ」が「小」(表1)であれば、表1中の「小」の欄における「1.0m」(改良径)に基いて、P(圧力)×Q(流量)の値を、8,000MPa・リットル/分に定め、かつ、「ノズル径」が「大」である地盤改良手段を用いていることから、圧力及び流量を、表1中の「P2」(単位:MPa)及び「Q2」(単位:リットル/分)に定め、これら「P2」(圧力)及び「Q2」(流量)の条件で、固化材スラリーを噴射しつつ、地盤改良手段のロッドを上昇させていく。
このようにして、改良対象地盤の全体に亘って、改良径が1.0m程度の地盤改良体を造成することができる。
次に、噴射工程において、地盤の強さが「小」〜「中」である軟弱地盤を対象にして、改良径が0.7mの地盤改良体を造成する工事を行う場合について、説明する。
この場合、まず、改良対象地盤の下端付近の「地盤の強さ」が「小」(表1)であれば、地盤改良手段として、例えば「ノズル径」が「中」であるものを用い、P(圧力)×Q(流量)の値を、5,000MPa・リットル/分に定め、次いで、表1から、5,000MPa・リットル/分に対応する「P5」(単位:MPa)及び「Q5」(単位:リットル/分)を定め、これら「P5」(圧力)及び「Q5」(流量)の条件で、固化材スラリーを噴射しつつ、地盤改良手段のロッドを上昇させていく。
その後、改良対象地盤中の特定の領域(例えば、上端と下端の中間部分)における「地盤の強さ」が「中」(表1)であれば、表1中の「中」の欄における「0.7m」(改良径)に基いて、P(圧力)×Q(流量)の値を、8,000MPa・リットル/分に定め、かつ、「ノズル径」が「中」である地盤改良手段を用いていることから、圧力及び流量を、表1中の「P4」(単位:MPa)及び「Q4」(単位:リットル/分)に定め、これら「P4」(圧力)及び「Q4」(流量)の条件で、固化材スラリーを噴射しつつ、地盤改良手段のロッドを上昇させていく。
このようにして、改良対象地盤の全体に亘って、改良径が0.7m程度の地盤改良体を造成することができる。
(1)強さ区分工程
粘性土で構成された地盤について、せん断強さの数値範囲として、「30kN/m以下」、「30kN/mを超え、40kN/m以下」、「40kN/mを超え、50kN/m以下」、・・・、「140kN/mを超え、150kN/m以下」までの12の区分に分けた。
(2)第一の改良径測定工程
ノズル径(噴射口の直径)が5.30mmである高圧噴射撹拌装置を用いて、噴射圧力が40MPaでかつ噴射量が300リットル/分である場合(噴射圧力と噴射量の積が、12,000MPa・リットル/分である場合)について、前記「(1)強さ区分工程」で定めた12の区分の中の7つの区分について、改良径(m)を測定した。改良径は、0.5〜1.8mの範囲内であった。実測の対象から外れた5つの区分については、実測の対象になった7つの区分における実測値に基いて、改良径を推測して定めた。
(3)第二の改良径測定工程
前記「(2)第一の改良径測定工程」で定めた「12,000MPa・リットル/分」の積に代えて、「10,700MPa・リットル/分」〜「1,600MPa・リットル/分」の範囲内で定めた計13の積についても、地盤改良が実用上可能である限りにおいて、前記「(2)第一の改良径測定工程」と同様に、改良径(m)を測定した。
以上の(1)〜(3)の結果から、上述の表1に相当するデータ表(表1中のノズル径が「大」のデータに相当)を作成した。
(4)ノズル径の変更
ノズル径を5.30mmから、4.50mm、4.30mm、3.75m、3.25mm、3.05mmの各値に変えた以外は、ノズル径が5.30mmである上述の各工程と同様にして、上述の表1に相当するデータ表(表1中のノズル径が「大」以外のデータに相当)を作成した。
(5)噴射工程
次に、実際に地盤改良工事を行った。
改良体を造成する対象の地盤における深さ方向の距離15mの中で、下端の地点から、下端から上方に9mの地点までの地盤(深さ方向の距離:9m;以下、「地盤部分A」という。)のせん断強さは、73kN/mであった。また、下端から上方に9mの地点から、上端までの地盤(深さ方向の距離:6m;以下、「地盤部分B」という。)のせん断強さは、45kN/mであった。
ここに、地盤改良径が0.7mで均一である改良体を、以下のようにして造成した。
まず、地盤部分Aについては、上述の表1に相当するデータ表を用いて、固化材スラリーの噴射圧力(P)及び単位時間当たりの噴射量(Q)の積(P×Q)として、8,800MPa・リットル/分の値を採用すればよいことがわかった。
また、この場合、上述の表1に相当するデータ表を用いて、ノズル径として、4.50mmの値を採用し、かつ、噴射圧力(P)を40MPaに定め、噴射量(Q)を220リットル/分に定めればよいことがわかった。
次に、地盤部分Bについては、上述の表1に相当するデータ表を用いて、固化材スラリーの噴射圧力(P)及び単位時間当たりの噴射量(Q)の積(P×Q)として、4,600MPa・リットル/分の値を採用すればよいことがわかった。
また、地盤部分Bについては、地盤部分Aの改良工事の後でノズル径を変更することは不可能であるので、ノズル径として、地盤部分Aの工事における4.50mmの値を採用することを前提として、上述の表1に相当するデータ表を用いて、噴射圧力(P)を26MPaに定め、噴射量(Q)を180リットル/分に定めればよいことがわかった。
このようにして、改良径が均一(0.7m程度)である円柱状の地盤改良体を造成した。

Claims (1)

  1. 地盤の強さの大きさを、複数の区分(X1、X2・・・)に分ける強さ区分工程と、
    特定の直径の噴射口を有する地盤改良手段を用い、かつ、上記噴射口から噴射される固化材スラリーの噴射圧力(P1)及び単位時間当たりの噴射量(Q1)の積(P1×Q1)を特定の値(A1)に定めた場合における、上記強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数の区分の各々の地盤改良径(D1、・・・)を測定する第一の改良径測定工程と、
    上記特定の値(A1)を、少なくとも一つ以上の他の積(P2×Q2、・・・)である他の特定の値(A2、・・・)に変更し、該他の特定の値(A2、・・・)の各々について、上記強さ区分工程で定めた複数の区分(X1、X2・・・)の中から選択した任意の数の区分の各々の地盤改良径を測定する第二の改良径測定工程と、
    地盤改良工事において、上記強さ区分工程、上記第一の改良径測定工程、及び、上記第二の改良径測定工程によって得られた特定の値(A1、A2、・・・)と地盤改良径(D1、・・・)の関係を用いて、改良対象である地盤の強さの大きさが変化したときに、計画された設計改良径となるように、上記特定の値(A1、A2、・・・)を変更し、該変更後の特定の値に対応する噴射圧力及び単位時間当たりの噴射量で、固化材スラリーを噴射させる噴射工程、を含む地盤改良方法であって、
    上記特定の直径の噴射口とは異なる直径を有する噴射口を有する少なくとも一つ以上の地盤改良手段の各々について、上記複数の区分(X1、X2・・・)と上記特定の値(A1、A2、・・・)の組み合わせの範囲内において、上記第一の改良径測定工程、及び、上記第二の改良径測定工程と同様にして、噴射圧力、単位時間当たりの噴射量、及び、地盤改良径の関係を定め、
    これらの関係を追加し、かつ、2種以上の噴射口の中から1種を選択可能という条件下で、1種の噴射口のみを用いて地盤改良工事を行うことを特徴とする地盤改良方法。
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