JP6391771B1 - イールド管理評価指標取得方法、イールド管理評価方法および移動体の座席販売システム - Google Patents

イールド管理評価指標取得方法、イールド管理評価方法および移動体の座席販売システム Download PDF

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Abstract

【課題】既存の収益最大化手法を用いたイールド管理を評価するための指標となり得るイールド管理評価指標を取得して、イールド管理の妥当性を評価できる座席販売システムを提供する。
【解決手段】第1,第2ネットワークN1,N2を介して各種利用者に座席を販売する座席販売システム1の管理サーバ2では、収益最大化手法を用いるイールド管理で決定した座席配分で座席管理手段21が管理し、この座席配分での売上である被評価金額を被評価金額算出手段25によって算出し、この座席配分が得られたのと同じ条件で在庫座席を収益価値が低いものから販売数量を決めた座席配分での売上である評価指標を評価指標取得手段22によって取得し、被評価金額と評価指標との価格差の多寡によってイールド管理による座席配分の妥当性をイールド管理評価手段26によって評価する。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体の利用者が占有できる占有対象を販売する金額や数量を収益最大化演算手法により求めて収益の最大化を図るイールド管理の妥当性を評価できるイールド管理評価指標を取得するイールド管理評価指標取得方法、イールド管理評価指標を用いてイールド管理の妥当性を評価するイールド管理評価方法および移動体の座席販売にイールド管理を導入した移動体の座席販売システムに関する。
鉄道、バス、客船、航空機といった移動体は、その利用者が移動体を利用している間に占有できる占有対象として、座席、寝台、客室等の占有権を運賃と併せて販売する場合がある。移動体の利用区間で特定座席の占有権を伴う座席指定券は、正規料金で販売するだけでなく、需要と供給を加味して設定した割引率の高い早期予約やネット割引購入など、同一区間であっても複数種類の料金を設定する場合がある。しかし、低価格の座席を多く販売し過ぎると収益が損なわれてしまうし、逆に高価格の座席を多く販売しようとしても、売れ残りが多くなって収益が損なわれてしまう可能性がある。このような価格毎の座席需要は、過去の実績などからある程度の確からしさで予測することができる。そこで、この需要予測を用いて、線型計画法等により、複数種類の料金が設定されている座席の各販売数量の最適解を求め、収益を最大化するように在庫管理を行うイールドマネージメントあるいはレベニューマネジメント(以下、統一してイールド管理という)が様々な業界で用いられている。
例えば、鉄道の座席販売においては、顧客から予約を受けた時点で収益予想をし、予約を受理した方が収益予想値を高くできる場合には予約を受け付け、それ以外の場合は予約を受け付けないことで、収益を最大化する座席予約システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。また、販売対象列車の現在と過去の予約率、イベント情報、他ルート情報等に応じて、座席料金の割引率を変更し、収益を悪化させずに、予約率を向上させる座席料金算出システムが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2006−172144号公報 特開2009−245403号公報
しかしながら、特許文献1に記載の座席予約システムや、引用文献2に記載の座席料金算出システムでは、イールド管理によって収益が最大となる座席配分を算出しているが、そのイールド管理による座席配分が収益向上に有効であるのか、どの程度の収益向上に寄与しているのか、といった評価を行うことができない。
すなわち、線型計画法等による収益最適化手法は、既存技術として種々知られているものの、その収益最適化手法を用いたイールド管理の結果を評価するための指標が無いために、イールド管理を行った場合と、行わなかった場合の明確な差異を表すことができないのである。このようなイールド管理評価指標として、収益がある程度低くなるような座席配分を算出できれば、イールド管理を行った場合と、行わなかった場合の明確な差異を表すことが可能になる。
なお、従来のイールド管理で用いる収益最適化手法において、収益を最大にする座席割当最適化問題の目的関数を収益最大値(max)から収益最小値(min)に変更して計算すれば、収益最小となるような座席配分を容易に計算できるように思われるかもしれないが、その場合、各区間商品においての最低限取る座席数を設定しない限り、常に最適値が0円となり、現実的な値を算出できない。よって、イールド管理評価指標を取得するためには、公知既存の収益最適化手法とは全く異なる座席割り当てアルゴリズムが必要なのである。
そこで、本発明は、既存の収益最大化手法を用いたイールド管理を評価するための指標となり得るイールド管理評価指標を取得する方法と、このイールド管理評価手法を用いてイールド管理の妥当性を評価する方法と、これらイールド管理評価指標取得機能およびイールド管理評価機能を備えた移動体の座席販売システムの提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、移動体の移動する範囲が異なることで利用者が占有できる占有対象を最小移動範囲毎に提供できるN個(Nは、2以上の自然数)の要素区間と、連続する2以上の要素区間を連結して設定した連結区間と、から構成される「N(N+1)/2」個の区間を、それぞれ販売可能な商品要素とし、全ての商品要素もしくは一部の商品要素に対して、異なる販売条件に応じた価格を設定することで、それぞれ別の販売商品とし、予め設定した需要予測を用いて任意の収益最大化演算手法により算出した各販売商品の販売数を求めて、収益の最大化を図るイールド管理を行う管理サーバが、そのイールド管理の妥当性を評価できるイールド管理評価指標を取得するイールド管理評価指標取得方法であって、任意の移動体における全ての販売商品のうち、予め定めた収益低減基準に基づいて判断する収益価値が最も低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残占有対象数一杯まで販売したものとして販売金額を決定し、順次、残りの販売商品で最も収益価値が低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残占有対象数一杯まで販売したものとして販売金額を決定してゆき、販売可能であった全ての販売商品による販売金額の合計値をイールド管理評価指標として、前記管理サーバにより求めることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載のイールド管理評価指標取得方法において、前記収益低減基準は、販売商品の販売価格とし、販売価格が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項1に記載のイールド管理評価指標取得方法において、前記収益低減基準は、販売商品の価格を移動距離で除した距離単価とし、距離単価が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のイールド管理評価指標取得方法において、前記販売商品のうち、占有対象の販売数として許容できる許容上限数が、需要予測に基づく予測上限数とは別に設定されている場合、前記予測上限数よりも前記許容上限数が低ければ、当該販売商品は許容上限数一杯もしくは許容上限数よりも少ない残占有対象数一杯まで販売したものとして販売金額を決定することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、請求項5に係る発明は、前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のイールド管理評価指標取得方法により求めたイールド管理評価指標と、前記管理サーバが、評価対象のイールド管理で用いる収益最大化演算手法により算出した販売数で各販売商品を販売した販売金額の合計として求めた被評価金額と、を用い、前記被評価金額と前記イールド管理評価指標との差額を評価判定値とし、該評価判定値と予め定めた評価基準値との比較により、前記管理サーバが当該収益最大化演算手法によるイールド管理の妥当性を評価することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項5に記載のイールド管理評価方法において、前記評価判定値が、予め定めた高収益基準値以上である場合には、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に有用であると評価することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、前記請求項5又は請求項6に記載のイールド管理評価方法において、前記評価判定値が、予め定めた低収益基準値以下である場合には、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に貢献しないと評価することを特徴とする。
上記の課題を解決するために、請求項8に係る発明は、移動体の販売用座席を統括的に管理する管理サーバと、該管理サーバから空席情報を受けて移動体利用者に座席の販売を行う複数の販売チャネルと、を含む移動体の座席販売システムにおいて、前記管理サーバは、移動体の移動する範囲が異なることで1つの席を最小移動範囲毎に提供できるN個(Nは、2以上の自然数)の要素区間と、連続する2以上の要素区間を連結して設定した連結区間と、から構成される「N(N+1)/2」個の区間を、それぞれ販売可能な商品要素とし、全ての商品要素もしくは一部の商品要素に対して、異なる販売条件に応じた価格を設定することで、それぞれ別の販売商品として管理する座席管理手段と、前記座席管理手段により管理されている各移動体の各販売商品の販売数量として予測される需要について予め設定した需要予測情報を記憶する需要予測情報記憶手段と、前記需要予測情報記憶手段に記憶されている需要予測情報を用いて、任意の収益最大化演算手法により算出した各販売商品の販売数を求めて、収益の最大化を図るイールド管理を行うとき、そのイールド管理の妥当性を評価できる評価指標を取得する評価指標取得手段と、を備え、前記評価指標取得手段は、任意の移動体における全ての販売商品のうち、予め定めた収益低減基準に基づいて判断する収益価値が最も低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残席数一杯まで販売したものとして販売金額を決定し、順次、残りの販売商品で最も収益価値が低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残席数一杯まで販売したものとして販売金額を決定してゆき、販売可能であった全ての販売商品による販売金額の合計値を評価指標として求めることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、前記請求項8に記載の移動体の座席販売システムにおいて、前記評価指標取得手段が用いる収益低減基準は、販売商品の販売価格とし、販売価格が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、前記請求項8に記載の移動体の座席販売システムにおいて、前記評価指標取得手段が用いる収益低減基準は、販売商品の価格を移動距離で除した距離単価とし、距離単価が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、前記請求項8〜請求項9の何れか1項に記載の移動体の座席販売システムにおいて、前記管理サーバには、前記販売商品の販売を許容できる許容上限数の値を、販売商品毎の情報として記憶する販売上限値情報記憶手段を設け、前記評価指標取得手段は、需要予測に基づく販売商品の販売数よりも前記販売上限値情報記憶手段に記憶されている当該販売商品の許容上限数の方が低ければ、当該販売商品は許容上限数一杯もしくは許容上限数よりも少ない残席数一杯まで販売したものとして販売金額を決定することを特徴とする。
また、請求項12に係る発明は、前記請求項8〜請求項11の何れか1項に記載の座席販売システムにおいて、前記管理サーバには、評価対象のイールド管理で用いる収益最大化演算手法により求めた販売数で各販売商品を販売した金額の合計である被評価金額を算出する被評価金額算出手段と、前記評価指標取得手段により求めた評価指標と、前記被評価金額算出手段により算出された被評価金額との差額を評価判定値として求め、前記収益最大化演算手法によるイールド管理の妥当性を前記評価判定値に基づき評価するイールド管理評価手段と、を設けたことを特徴とする。
また、請求項13に係る発明は、前記請求項12に記載の移動体の座席販売システムにおいて、前記イールド管理評価手段は、求めた評価判定値が予め定めた高収益基準値以上である場合に、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に有用であると評価することを特徴とする。
また、請求項14に係る発明は、前記請求項12又は請求項13に記載の移動体の座席販売システムにおいて、前記イールド管理評価手段は、求めた評価判定値が予め定めた低収益基準値以下である場合に、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に貢献しないと評価することを特徴とする。
本発明に係るイールド管理評価指標取得方法、イールド管理評価方法および移動体の座席販売システムによれば、既存の収益最大化手法を用いたイールド管理を評価するための指標となり得るイールド管理評価指標を取得して、イールド管理を行った場合と行わなかった場合との差異を明確に示すことができ、イールド管理の有用性を適正に評価することが可能となる。
本発明に係るイールド管理評価指標取得方法およびイールド管理評価方法を適用した列車の座席販売システムの概略構成図である。 列車の座席として販売できる商品要素の概念を示す説明図である。 評価指標取得手段で行う評価指標算出処理を示すフローチャートである。 残数更新処理を示すフローチャートである。 空席情報の一例を示すイメージ図である。 販売商品の一覧を示すイメージ図である。 需要予測情報の一例を示すイメージ図である。 販売上限値情報の一例を示すイメージ図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理で用いる処理リストの一例を示すイメージ図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品3Cを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品3Bを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品2Cを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品3Aを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品2Bを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品2Aを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品5Cを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品1Cを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品5Bを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品5Aを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品1Bを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品1Aを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品4Cを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品6Cを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品4Bを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品4Aを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品6Bを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品6Aを販売する過程の説明図である。 販売価格を収益低減基準として行う評価指標算出処理により販売数と販売金額が算出された販売商品の一覧を示すイメージ図である。 (a)は、収益最大化手法(線形計画法)にて各販売商品の販売数を定めて被評価金額を算出する場合の販売商品一覧を示すイメージ図である。(b)は、被評価金額が得られたときの座席配分を示すイメージ図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理で用いる処理リストの一例を示すイメージ図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品6Cを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品4Cを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品6Bを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品5Cを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品6Aを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品4Bを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品1Cを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品2Cを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品3Cを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品4Aを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品5Bを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品5Aを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品3Bを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品1Bを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品2Bを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品1Aを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品2Aを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理において販売商品3Aを販売する過程の説明図である。 距離単価を収益低減基準として行う評価指標算出処理により販売数と販売金額が算出された販売商品の一覧を示すイメージ図である。 イールド管理評価の実行過程を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るイールド管理評価指標取得方法およびイールド管理評価方法を適用した列車の座席販売システム1の概略構成を示すものである。この座席販売システム1は、ホストコンピュータ構成の管理サーバ2が、専用回線等の第1ネットワークN1を介して各駅の改札外や改札内に設置される自動券売機3や駅窓口の係員が操作するオペレータ操作端末4等と接続され、乗車券や座席指定特急券等の販売を行うものである。
また、管理サーバ2は、一般公衆通信網等の第2ネットワークN2を介して、一般の顧客が所有するパーソナル端末装置5等とも接続可能で有り、一般の顧客が駅へ出向くことなく、ネット上で乗車券や座席指定特急券を購入できる。なお、パーソナル端末装置5でチケットを購入する場合、クレジットカード決済や銀行振り込み等で購入金額の支払いが済んでいても各家庭に券片の発行機能が無いために券片を受け取れないことから、このような状態を「ネット予約」という場合もある。以下の説明では、このようなケースも広義の「販売」「購入」に含まれているものとして扱う。
なお、本実施形態の座席販売システム1は、列車の指定席の販売管理を行うものであるが、長距離バス、寄港地を経由する客船、経由便の旅客機といった移動体であっても、その利用者が移動体を利用している間に占有できる占有対象として、座席、寝台、客室等の占有権を、単独あるいは運賃等と併せて販売するシステムであれば、様々な移動体における座席等の販売管理に適用可能である。
上記管理サーバ2には、運行列車毎に販売可能な座席を管理する座席管理手段21、イールド管理の評価指標(後に詳述)を取得する評価指標取得手段22、各運行列車の需要予測に関する情報を記憶する需要予測情報記憶手段23、各運行列車で販売できる座席の上限として許容できる数値に関する情報を記憶する販売上限値情報記憶手段24、イールド管理の被評価金額(後に詳述する)を算出する被評価金額算出手段25、イールド管理を評価するイールド管理評価手段26の各機能を備える。なお、これらの機能実現手段は、管理サーバ2にソフトウェアを導入して実現しても良いし、それぞれ別の装置として構成しても良い。
上記座席管理手段21が管理するのは、日別、列車別で販売可能な全ての座席であり、例えば、外部データベース6から該当列車の座席情報等を読み込んで、空席情報を自動券売機3、オペレータ操作端末4、パーソナル端末装置5等へ提供し、販売完了するとデータベースを更新する。なお、列車の空席等の管理情報を外部データベース6に保存せず、管理サーバ2内の大容量委固定記憶装置にて保存・管理するようにしても構わない。
図2は、列車の座席として販売できる商品要素の概念を示すものである。列車は各駅で乗降が自由なため、顧客が座席購入を求める区間は多様となり、どのような区間であっても提供できるようにするためには、購入可能性のある全区間の座席占有権を商品要素として管理しておく必要がある。以下では、図2に示すように、駅0から駅nまでn+1箇所の駅で乗降可能な列車について考える。
始発駅である駅0から次駅の駅1までを第1要素区間、駅1から駅2までを第2要素区間、駅2から駅3までを第3要素区間、…駅n−2から駅n−1までを第N−1要素区間、駅n−1から駅nまでを第N要素区間とする。これらの要素区間は、座席占有権を販売できる最小移動範囲であるから、第1階層に含まれるものとして管理する。また、各要素区間を座席販売可能な商品要素として管理するために、便宜上、連続した要素番号を付すものとする。例えば、第1要素区間に対応する商品要素は要素番号1、第2要素区間に対応する商品要素は要素番号2、第3要素区間に対応する商品要素は要素番号3、…、第N−1要素区間に対応する商品要素は要素番号N−1、第N要素区間に対応する商品要素は要素番号Nである。よって、要素番号1〜NまでN個の商品要素を第1階層として管理するのである。
上述した第1階層は、要素区間のみで構成されていたが、連続した複数の要素区間での座席占有権を販売するためには、連結区間の管理も必要である。第2階層は、連続する2つの要素区間を連結した連結区間で構成される。始発駅である駅0から駅2までの区間は、第1要素区間と第2要素区間を連結した連結区間で、第1階層から連続して付す要素番号はN+1である。以下同様に、第2要素区間と第3要素区間を連結した連結区間は要素番号N+2、第3要素区間と第4要素区間を連結した連結区間は要素番号N+3、…、第N要素区間−2と第N−1要素区間を連結した連結区間は要素番号2N−2、第N−1要素区間と第N要素区間を連結した連結区間は要素番号2N−1である。なお、第2階層最後の商品要素の要素番号が2N−1となるのは、第1階層の全商品要素数と第2階層の全商品要素数とを加えるからである。すなわち、第2階層の商品要素数は第1階層の商品要素数よりも1つ少ないのでN−1となり、これに第1階層の全商品要素数Nを加えると、「N+(N−1)=2N−1」が得られる。
第3階層は3つの要素区間を連結した連結区間からなり、第3階層の商品要素数は第2階層の商品要素数よりも1つ少ないので(N−1)−1となり、第1階層から第3階層までの全商品要素数は「N+(N−1)+{(N−1)−1}=3N−1−2=3N−3」であるから、第3階層最後の商品要素の要素番号は3N−3となる。第4階層は4つの要素区間を連結した連結区間からなり、第4階層の商品要素数は第3階層の商品要素数よりも1つ少ないので{(N−1)−1}−1となり、第1階層から第4階層までの全商品要素数は「N+(N−1)+{(N−1)−1}+[{(N−1)−1}−1]=4N−(1+2+3)=4N−6」であるから、第4階層最後の商品要素の要素番号は4N−6となるのである。
第1階層から第4階層まで確認したように、各階層における商品要素数は、要素区間数Nから(階層数−1)を減じた値である。また、ある階層の最後の商品要素に付される要素番号は、第1階層から当該階層までの商品要素数を全て加算した値である。すなわち、任意の第m階層(mは、2以上の自然数)は、m個の要素区間を連結した連結区間からなり、第m階層の商品要素数は「N−(m−1)」となる。そして、第1階層から第m階層までの全商品要素数は「N+(N−1)+(N−2)+(N−3)+…+{N−(m−2)}+{N−(m−1)}=mN−(1+2+3+…+m−2+m−1)」である。すなわち、第m階層最後の商品要素の要素番号は、下式(1)で表される。
Figure 0006391771
ここで、k=1からk=mまで増分1で加算してゆく解は三角数として知られており、下式(2)にて求めることができる。
Figure 0006391771
したがって、式(1)に式(2)を適用すると、第m階層最後の商品要素の要素番号は、下式(3)のように整理できる。
Figure 0006391771
第N−1階層はN−1個の要素区間を連結した連結区間からなり、第N−1階層の商品要素数は2となる。最後の第N階層はN個の要素区間を全て連結した連結区間からなり、当然ながら第N階層の商品要素数は1となる。第N階層にある商品要素に付す要素番号は、第1階層から第N階層までの全商品要素数を加算したものであり、上式(2)のmをNとすることで、「N(N+1)/2」として求めることができる。なお、第m階層最後の商品要素の要素番号を求める式(3)に「m=N」を適用しても、下式(4)となり、同じ結果となる。
Figure 0006391771
上述したように、座席管理手段21は、駅0から駅nまでN区間(Nは、2以上の自然数)を運行する列車に対して、N個の要素区間と、連続する2以上の要素区間を連結して設定した連結区間と、から構成される「N(N+1)/2」個の区間を、それぞれ販売可能な商品要素として管理する。なお、乗降が許可されない駅があるなどの理由で、要素区間あるいは連結区間として販売できない商品要素がある場合には、これを販売不可の商品要素として管理すれば良い。
また、座席管理手段21は、全ての商品要素もしくは一部の商品要素に対して、異なる販売条件に応じた価格を設定することで、それぞれ別の販売商品として管理する。すなわち、通常価格での販売のほか、販売条件に応じた価格(例えば、早期購入特典あるいはネット購入特典として割引価格)で販売する場合には、各商品要素の中で、通常価格で販売する商品と割引価格で販売する商品を別の商品として管理しておく必要がある。
そして、各販売商品の販売数をどの様に設定すると収益を最大化できるかを試算し、運用してゆくために、イールド管理が行われる。イールド管理を適切に行うためには、需要と供給が大きく乖離していないことが重要で、そのための需要予測は、過去の販売履歴等からある程度の確からしさで設定できる。各販売商品に対して設定された需要予測数からなる需要予測情報は、需要予測情報記憶手段23に保存されており、この需要予測を用いて、収益を最大化するように、公知既存の収益最大化手法(線形計画問題の解法など)で各販売商品の販売数を決定してゆくのである。
また、過去の知見などから販売商品の販売数に制限を加えたい場合など、当該販売商品の販売数として許容できる許容上限数を設けて、販売数量をコントロールしたいときは、各販売商品に対して設定された許容上限数からなる販売上限値情報を用いたイールド管理を行えば良い。例えば、ある販売商品に対する需要予測値が許容上限数を上回っているような場合には、当該販売商品の販売数を許容上限数以下に抑えた上で、イールド管理を行えるのである。この販売上限値情報は人為的に設定するもので、例えば、外部入力装置7を介して管理サーバ2に入力され、販売上限値情報記憶手段24に保存される。無論、販売数量の上限をコントロールする必要が無い場合には、販売上限値情報を設定しなくても良い。
なお、図1中には、イールド管理機能について記載を省略したが、管理サーバ2自体がイールド管理に基づく座席配分設定機能を備えていても良いし、別途設けたイールド管理装置等でイールド管理のための座席配分設定を行い、この座席配分に基づいて、座席管理手段21が各販売商品の販売数を管理するようにしても良い。いずれにしも、収益最大化のためのイールド管理では、各販売商品の価格と需要にマッチした販売数が適切に設定されていることが重要である。
しかしながら、イールド管理によって決定された座席配分が収益向上に貢献する妥当なものか、否かの判断は難しい。ある列車の座席販売で高収益が得られた場合、それがイールド管理の効果なのか、イールド管理を行うまでもなく高収益を上げることができたのか、比較対象がないために判断できない。逆に、ある列車の座席販売が低収益となった場合、イールド管理を行っても行わなくても低収益にとどまっていたのか、比較対象がないために判断できない。
そこで、本実施形態の座席販売システム1では、管理サーバ2に評価指標取得手段22を設け、イールド管理を評価するための指標を取得できるようにした。なお、イールド管理による成果を評価するとき、その座席配分による売上(全販売商品の販売金額の合計)が高いか低いかで判断することが容易であるから、評価指標取得手段22により取得する評価指標としては、低収益となる座席配分を行って算出した売上(全販売商品の販売金額の合計)を用いるものとした。
また、イールド管理による座席配分での収益とみなす被評価金額は、管理サーバ2の被評価金額算出手段25によって算出する。被評価金額の算出には、イールド管理で用いる収益最大化演算手法により算出した座席配分で、座席管理手段21が管理している残り座席(空席)を販売したときの金額として求めることができる。そして、被評価金額算出手段25が算出した被評価金額と、評価指標取得手段22で求めた評価指標(評価金額)とをイールド管理評価手段26が受け取り、このイールド管理評価手段26が両者を比較することでイールド管理の評価を行う。例えば、被評価金額が評価金額より非常に高いとき、イールド管理による座席配分で販売することが収益向上に有効であると評価できる。また、被評価金額と評価金額との差異が少ないとき、イールド管理による座席配分で販売しても収益向上に寄与しないと評価できる。
上記評価指標取得手段22は、評価指標の取得として、評価金額の算出を行う。評価金額の算出には、座席管理手段21が管理している空席情報および価格情報、需要予測情報記憶手段23に記憶されている需要予測情報、販売上限値情報記憶手段24に記憶されている販売上限値情報を用いる。図3は、この評価金額算出処理の一例である。
評価金額算出処理においては、先ず、座席管理手段21から販売対象となる全販売商品(通常は、1つの列車まるごとであるが、車両単位でも良い)の空席情報、価格情報を取得し、需要予測情報記憶手段23から需要予測情報を取得し、販売上限値情報記憶手段24から販売上限値情報を取得する(ステップS01)。そして、販売対象の全販売商品を収益価値が低い順に並び替え、この並び替え順で処理するために処理リストを作成する(ステップS02)。なお、ここで作成する処理リストとは、一覧表形式のものに限らず、商品データを価格の高い順にスタックして収益価値が低い順に取り出せるような一時保存形式のものでも良い。また、同じ価格の販売商品が複数あった場合には、所定の序列(例えば、商品番号の若い順、階層の低い順など)に基づいて並び替え順を調整すれば良い。
上記ステップS02で処理リストを作成するときの並び替え基準となる「収益価値が低いもの」とは、予め定めた収益低減基準に基づいて判断するものである。たとえは、安い商品ばかり売れても、トータルでの収益が伸びないので、販売価格が安いことは収益低減基準の一つである。また、鉄道、バス、客船、旅客機等の移動体では、一般に、連結区間が多く移動距離が長いほど割引率を高くする価格設定が行われているので、各商品の価格を移動距離で除した距離単価が安い商品ばかり売れると、距離単価の高い商品の販売数量が減ってしまい、トータルでの収益が伸びないので、距離単価が安いことは収益低減基準の一つである。
上記ステップS02で作成した処理リストの中で、最も価格の安い販売商品の需要予測数、許容上限数、残席数を取得し(ステップS03)、需要予測数と許容上限数と残席数の中で最も低い数値(以下、この数値取得を「Min(需要予測数、許容上限数、残席数)」と表記する)が0より大きいか否かを判定する(ステップS04)。
上記ステップS04で、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)が0であった場合、例えば、何らかの事情でこの販売商品の需要予測数が0と見積もられていたり、この販売商品を販売しないように許容上限数が0に設定されていたり、そもそも販売可能な残席が無い場合には、この販売商品の販売数を0に設定し、その販売金額が0と算出される。そして、この販売商品に対する販売数および販売金額が決定されることで、この販売商品に対する処理が終わり、処理リストからこの販売商品を削除し(ステップS05)、上記ステップS03へ戻る。この販売商品が処理リストから削除されることで、処理リストの最上位には、削除した販売商品の次に安かった販売商品が位置することとなるため、次に安かった販売商品についてのMin(需要予測数、許容上限数、残席数)を判断することとなる。
一方、上記ステップS04で、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)が0より大であった場合には、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)をこの販売商品の販売数とし、この販売商品に設定されている価格と販売数とから販売金額を算出する(ステップS06)。そして、この販売商品が含まれる商品要素の残席数から販売数を減算して、当該商品要素の残席数を更新する(ステップS07)。
続いて、この販売商品が第1階層の商品要素に含まれているのか第2階層以上の商品要素に含まれているのかを判定し(ステップS08)、この販売商品が第1階層の商品要素に含まれていなければ、この販売商品が含まれる商品要素の連結区間に対応する全要素区間の各商品要素の残席数より上記ステップS06で設定した販売数を減算し、第1階層の各商品要素の残席数を更新し(ステップS09)、残席更新処理を行う(ステップS10)。なお、ステップS08でこの販売商品が第1階層の商品要素に含まれていると判定された場合には、別途要素区間の残席数を更新する必要が無いので、そのままステップS10の残席数更新処理を行う。
上記ステップS10で行う残席数更新処理の詳細を図4に示す。残席数更新処理とは、ある販売商品が売れた設定にすることで、その販売商品の販売数だけ、他の販売商品を販売可能な数を減らして、過分な座席販売が行われないように残席数を管理するための処理である。
先ず、第1階層を基準階層に設定し、この1つ上の階層である第2階層を対比階層に設定する(ステップS101)。第1階層の各要素区間に対応する商品要素の残席数は、上記ステップS07あるいはステップS09で既に更新してあるので、第1階層を基準として第2階層と対比し、第2階層の残席数を更新すれば、第2階層の各商品要素に割り当て可能な残席数を適正に設定できるのである。
次いで、対比階層の中から商品要素を更新商品要素として抽出し(ステップS102)、更新商品要素の連結区間に含まれる要素区間を含む対比基準階層の商品要素を全て対比商品要素として抽出し(ステップS103)、更新商品要素の残席数と全体比商品の残席数のうち、最小の残席数を更新商品要素の残席数として更新する(ステップS104)。例えば、対比階層である第2階層のうち、第1要素区間と第2要素区間を連結した連結区間の商品要素を更新商品要素として抽出した場合、第1要素区間の商品要素を第1対比商品要素、第2区間の商品要素を第2対比商品要素として抽出し、更新商品要素の残席数と第1対比商品要素の残席数と第2対比商品要素の残席数のうち、最小の残席数を更新商品要素の残席数とするのである。更新商品要素の乗車区間は、第1要素区間と第2要素区間を跨ぐので、更新商品要素として販売できる残席数は、第1対比商品要素および第2商品要素の残席数を越えることはないからである。なお、特殊な事情などで更新商品要素の残席数が第1対比商品要素および第2対比商品要素の残席数よりも少なかった場合には、そのままの残席数を保持する。
上記のようにして、更新商品要素の残席数更新を行った後は、対比階層の全ての商品要素について残席数の更新を行ったか否かを判定し(ステップS105)、再びステップS102に戻って別の商品要素を更新商品要素として抽出し、ステップS103,104にて更新商品要素の残席数更新を行う。なお、対比階層の中から商品要素を抽出する順は、商品番号の若い順から行っても良いし、ランダムに抽出しても良い。また、全ての商品要素を抽出するのではなく、残席数の更新可能性がある商品要素のみを抽出するようにしても良い。例えば、基準階層の中で残席数更新された商品要素に含まれる要素区間を更新要素区間とし、対比階層の中で更新要素区間を含む商品要素のみを更新商品要素として抽出し、更新可能性のある更新商品要素に対してのみ残席数の更新を行えば、残席数が更新される可能性のない商品要素についてまで更新処理を行わないので、効率的である。
上記ステップS105にて、対比階層の全ての商品要素(あるいは、残席数更新可能性のある更新商品要素)について残席数の更新が終了したと判定された場合には、現在の対比階層が最上位階層か否かを判定し(ステップS106)、最上位階層でなければ、現在の対比階層を基準階層に設定し、その1つ上の階層を対比階層に設定し(ステップS107)、再びステップS102〜ステップS105の残席数更新を行う。例えば、ステップS101で設定されたように、現在の基準階層が第1階層で対比階層が第2階層であれば、第2階層が基準階層に設定され、第3階層が対比階層に設定されるので、今度は、第3階層の各商品要素について残席数の更新が行われるのである。そして、最上位階層まで商品要素の残席数更新が行われれば、上記ステップS106で現在の対比階層が最上位階層と判断され、残席数更新処理を終了する。
上記のようにして残席数更新処理が終了すると、この販売商品を処理リストから削除した後(ステップS11)、処理リストに販売商品が残っているか否かを判定し(ステップS12)、処理リストに未だ販売商品が残っていれば、上記ステップS03へ戻る。この販売商品が処理リストから削除されることで、処理リストの最上位には、削除した販売商品の次に安かった販売商品が位置することとなるため、次に安かった販売商品についてのMin(需要予測数、許容上限数、残席数)を判断することとなる。
上記ステップS12にて処理リストに販売商品が残っていないと判定された場合は、上記ステップS02にて作成した処理リストにある全販売商品について販売数が決定され、各販売商品の価格と販売数から算出された販売金額を得たので、全ての販売商品による販売金額の合計値を評価金額として算出する(ステップS13)。
上述した評価金額算出処理では、移動体における全ての販売商品で最も価格が安いものを、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)一杯まで販売したものとして販売金額を決定し、順次、残りの販売商品で最も価格が安いものを、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)一杯まで販売したものとして販売金額を決定してゆき、販売可能であった全ての販売商品による販売金額の合計値を評価金額として算出することができる。なお、販売上限値情報が設定されていない場合には、販売金額の安い販売商品から順に、Min(需要予測数、残席数)一杯まで販売したものとして販売金額を決定し、評価金額を求めるようにすれば良い。
また、評価金額算出処理によって評価金額の算出を行うタイミングは特に限定されない。例えば、イールド管理に基づいて各販売商品の販売数を決定したタイミングで行い、その妥当性を評価するようにしても良いし、定期的(半日毎、1日毎、週毎など)に行って、残席への販売数割り当てが妥当か否かを評価するようにしても良い。
次に、上述した評価指標取得の各工程を具体的に説明する。以下では、説明を簡単にするため、要素区間数を少なくして階層数を抑え、また、扱う座席数も1輌程度の100席とする。
図5に示す空席情報のように、駅0から駅3までの3区間を運行する列車で、第1階層の第1要素区間における第1商品要素、第1階層の第2要素区間における第2商品要素、第1階層の第3要素区間における第3商品要素、第2階層の第1〜2連結区間における第4商品要素、第2階層における第2〜3連結区間における第5商品要素、第3階層の第1〜3連結区間における第6商品要素の全てに、通常販売価格(以下、通常という)の商品と、ネット割引1適用価格(以下、ネット割1という)の商品と、ネット割引2適用価格(以下、ネット割2という)の商品をそれぞれ設定し、全18個の販売商品を扱う。なお、評価指金額を算出する現段階では、未だ座席の販売は行われておらず、販売商品の残席数は全て100個である。
販売商品の詳細一覧を図6に示す。販売商品1Aは、第1商品要素の中で販売条件を通常とした商品である。販売商品1Bは、第1商品要素の中で販売条件をネット割1とした商品である。販売商品1Cは、第1商品要素の中で販売条件をネット割2とした商品である。通常の値段は11000円で、ネット割1の値段10450円よりも高い。また、ネット割2の値段は8800円で、ネット割1の値段よりも安い。このように、通常価格よりもネット割1価格の方が安く、更にネット割1価格よりもネット割2価格の方が安いという価格設定は、他の商品要素の各販売商品についても適用される。なお、本例においては、各販売商品に商品番号を付けて呼び分けているが、座席を占有する範囲区間と販売条件とで各販売商品を特定できるので、実際の処理では、商品番号を付けて管理する必要は無い。
販売商品2Aは、第2商品要素の中で販売条件を通常とした商品である。販売商品2Bは、第2商品要素の中で販売条件をネット割1とした商品である。販売商品2Cは、第2商品要素の中で販売条件をネット割2とした商品である。販売商品3Aは、第3商品要素の中で販売条件を通常とした商品である。販売商品3Bは、第3商品要素の中で販売条件をネット割1とした商品である。販売商品3Cは、第3商品要素の中で販売条件をネット割2とした商品である。販売商品4Aは、第4商品要素の中で販売条件を通常とした商品である。販売商品4Bは、第4商品要素の中で販売条件をネット割1とした商品である。販売商品4Cは、第4商品要素の中で販売条件をネット割2とした商品である。販売商品5Aは、第5商品要素の中で販売条件を通常とした商品である。販売商品5Bは、第5商品要素の中で販売条件をネット割1とした商品である。販売商品5Cは、第5商品要素の中で販売条件をネット割2とした商品である。販売商品6Aは、第6商品要素の中で販売条件を通常とした商品である。販売商品6Bは、第6商品要素の中で販売条件をネット割1とした商品である。販売商品6Cは、第6商品要素の中で販売条件をネット割2とした商品である。
これら18種類の販売商品について、その販売数を決定するために、需要予測情報(図7を参照)と、販売上限値情報(図8を参照)とを用いる。なお、販売上限値情報にて設定される「∞」は、許容上限数を設けないという意味である。
これら販売対象となる全18個の販売商品を価格の安い順に並べ替えたのが、図9の処理リストである。すなわち、ここでは販売商品の販売価格を収益低減基準に設定し、販売価格が安いほど収益価値が低いので、販売価格の安い商品から順に販売処理を行うのである。なお、この処理リストは、販売数量を決定する販売商品の順番を参照するためのもので、決定した販売数量や販売金額は、処理リストとは別に管理しておく。
処理リストの1番目にある商品番号3Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図10に示す。商品番号3Cの販売数を決める前の残席数は図10(1)の通りである。ここで、商品番号3Cの需要予測数は10席、許容上限数は10席、第3商品要素の残席数は100席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号3Cを10席販売する(図10(2)を参照)。商品番号3Cに10席を割り当てると、第3商品要素の残席数は90となる(図10(3)を参照)。
第3商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第3商品要素のみであるから、第3商品要素に対応する第3要素区間を連結区間内に含む第5商品要素の残席数のみ更新すれば十分である。第3商品要素の残席数90の方が第5商品要素の残席数100よりも小さいので、第5商品要素の残席数を90とする(図10(4)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。なお、第2階層で残席数が更新されたのは第5商品要素のみであるから、第4商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比は省略できる。最上位階層にある第6商品要素は第1要素区間〜第3要素区間の全てを連結区間内に含むので、当然、第5商品要素に対応する第2要素区間および第3要素区間を連結区間内に含むから、第5商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比を行う。第5商品要素の残席数90の方が第6商品要素の残席数100よりも小さいので、第6商品要素の残席数を90とする(図10(5)を参照)。これで、商品番号3Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの2番目にある商品番号3Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図11に示す。商品番号3Bの販売数を決める前の残席数は図11(1)の通りである。ここで、商品番号3Bの需要予測数は9席、許容上限数は30席、第3商品要素の残席数は90席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=9となり、商品番号3Bを9席販売する(図11(2)を参照)。商品番号3Bに9席を割り当てると、第3商品要素の残席数は81となる(図11(3)を参照)。
第3商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第3商品要素のみであるから、第3商品要素に対応する第3要素区間を連結区間内に含む第5商品要素の残席数のみ更新すれば十分である。第3商品要素の残席数81の方が第5商品要素の残席数90よりも小さいので、第5商品要素の残席数を81とする(図11(4)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。なお、第2階層で残席数が更新されたのは第5商品要素のみであるから、第4商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比は省略できる。最上位階層にある第6商品要素は第1要素区間〜第3要素区間の全てを連結区間内に含むので、当然、第5商品要素に対応する第2要素区間および第3要素区間を連結区間内に含むから、第5商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比を行う。第5商品要素の残席数81の方が第6商品要素の残席数90よりも小さいので、第6商品要素の残席数を90とする(図11(5)を参照)。これで、商品番号3Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの3番目にある商品番号2Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図12に示す。商品番号2Cの販売数を決める前の残席数は図12(1)の通りである。ここで、商品番号2Cの需要予測数は15席、許容上限数は10席、第2商品要素の残席数は100席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号2Cを10席販売する(図12(2)を参照)。商品番号2Cに10席を割り当てると、第2商品要素の残席数は90となる(図12(3)を参照)。
第2商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第2商品要素のみであるから、第1商品要素および第3商品要素の残席数を第4商品要素および第5商品要素の残席数と対比する処理は省略する。第2商品要素の残席数90の方が第4商品要素の残席数100よりも小さいので、第4商品要素の残席数を90とする(図12(4)を参照)。また、第2商品要素の残席数90よりも第5商品要素の残席数81の方が小さいので、第5商品要素の残席数は81のままとする(図12(5)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。第4商品要素の残席数90よりも第6商品要素の残席数81の方が小さいく、第5商品要素の残席数81は第6商品要素の残席数と同じなので、第6商品要素の残席数は81のままとする(図12(6)を参照)。これで、商品番号2Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの4番目にある商品番号3Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図13に示す。商品番号3Aの販売数を決める前の残席数は図13(1)の通りである。ここで、商品番号3Aの需要予測数は8席、許容上限数は∞、第3商品要素の残席数は81席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=8となり、商品番号3Aを8席販売する(図13(2)を参照)。商品番号3Aに8席を割り当てると、第3商品要素の残席数は73となる(図13(3)を参照)。
第3商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第3商品要素のみであるから、第3商品要素に対応する第3要素区間を連結区間内に含む第5商品要素の残席数のみ更新すれば十分である。第3商品要素の残席数73の方が第5商品要素の残席数81よりも小さいので、第5商品要素の残席数を73とする(図13(4)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。なお、第2階層で残席数が更新されたのは第5商品要素のみであるから、第4商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比は省略できる。最上位階層にある第6商品要素は第1要素区間〜第3要素区間の全てを連結区間内に含むので、当然、第5商品要素に対応する第2要素区間および第3要素区間を連結区間内に含むから、第5商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比を行う。第5商品要素の残席数73の方が第6商品要素の残席数81よりも小さいので、第6商品要素の残席数を73とする(図13(5)を参照)。これで、商品番号3Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの5番目にある商品番号2Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図14に示す。商品番号2Bの販売数を決める前の残席数は図14(1)の通りである。ここで、商品番号2Bの需要予測数は13席、許容上限数は30席、第2商品要素の残席数は90席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=13となり、商品番号2Bを13席販売する(図14(2)を参照)。商品番号2Bに13席を割り当てると、第2商品要素の残席数は77となる(図14(3)を参照)。
第2商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第2商品要素のみであるから、第1商品要素および第3商品要素の残席数を第4商品要素および第5商品要素の残席数と対比する処理は省略する。第2商品要素の残席数77の方が第4商品要素の残席数90よりも小さいので、第4商品要素の残席数を77とする(図14(4)を参照)。また、第2商品要素の残席数77よりも第5商品要素の残席数73の方が小さいので、第5商品要素の残席数は73のままとする(図14(5)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。第4商品要素の残席数77よりも第6商品要素の残席数73の方が小さく、また、第5商品要素の残席数73は第6商品要素の残席数と同じなので、第6商品要素の残席数は73のままとする(図14(6)を参照)。これで、商品番号2Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの6番目にある商品番号2Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図15に示す。商品番号2Aの販売数を決める前の残席数は図15(1)の通りである。ここで、商品番号2Aの需要予測数は12席、許容上限数は∞、第2商品要素の残席数は77席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=12となり、商品番号2Aを12席販売する(図15(2)を参照)。商品番号2Aに12席を割り当てると、第2商品要素の残席数は65となる(図15(3)を参照)。
第2商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第2商品要素のみであるから、第1商品要素および第3商品要素の残席数を第4商品要素および第5商品要素の残席数と対比する処理は省略する。第2商品要素の残席数65の方が第4商品要素の残席数77よりも小さいので、第4商品要素の残席数を65とする(図15(4)を参照)。また、第2商品要素の残席数65の方が第5商品要素の残席数73よりも小さいので、第5商品要素の残席数を65とする(図15(5)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。第4商品要素および第5商品要素の残席数65の方が第6商品要素の残席数73よりも小さいので、第6商品要素の残席数を65とする(図15(6)を参照)。これで、商品番号2Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの7番目にある商品番号5Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図16に示す。商品番号5Cの販売数を決める前の残席数は図16(1)の通りである。ここで、商品番号5Cの需要予測数は35席、許容上限数は10席、第5商品要素の残席数は65席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号5Cを10席販売する(図16(2)を参照)。商品番号5Cに10席を割り当てると、第5商品要素の残席数は55となる(図16(3)を参照)。
第5商品要素は第2階層であるから、第1階層の商品要素の残席数を更新しておく。第5商品要素は、第2要素区間と第3要素区間を連結した連結区間であるから、第2要素区間に対応する第2商品要素の残席数と第3要素区間に対応する第3商品要素の残席数を更新しておく必要がある。第2商品要素の残席数65から商品番号5Cの販売数10を減ずることで残席数55に、第3商品要素の残席数73から商品番号5Cの販売数10を減ずることで残席数63に、それぞれ更新する(図16(4)を参照)。
上記のようにして第2商品要素と第3商品要素の残席数が更新された第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。第2商品要素の残席数55の方が第4商品要素の残席数65よりも小さいので、第4商品要素の残席数を55とする(図16(5)を参照)。なお、第5商品要素は、販売対象である商品番号5Cの販売商品を含むことから既に残席数の更新が行われている。よって、第5商品要素に対しては、第1階層を基準階層とした残席数の更新処理を改めて行う必要は無いので、これを省略しても良い。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。第4商品要素の残席数55および第5商品要素の残席数55の方が第6商品要素の残席数65よりも小さいので、第6商品要素の残席数を55とする(図16(6)を参照)。これで、商品番号5Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの8番目にある商品番号1Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図17に示す。商品番号1Cの販売数を決める前の残席数は図17(1)の通りである。ここで、商品番号1Cの需要予測数は50席、許容上限数は10席、第1商品要素の残席数は100席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号1Cを10席販売する(図17(2)を参照)。商品番号1Cに10席を割り当てると、第1商品要素の残席数は90となる(図17(3)を参照)。
第1商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第1商品要素のみであるから、第1商品要素に対応する第1要素区間を連結区間内に含む第4商品要素の残席数のみ更新すれば十分である。よって、第1商品要素の残席数を第5商品要素の残席数と対比する処理、第2商品要素および第3商品要素の残席数を第4商品要素および第5商品要素の残席数と対比する処理は省略する。第1商品要素の残席数90よりも第4商品要素の残席数55の方が小さいので、第4商品要素の残席数は55のままとする(図17(4)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。なお、第2階層で残席数が更新されたのは第4商品要素のみであるから、第5商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比は省略できる。最上位階層にある第6商品要素は第1要素区間〜第3要素区間の全てを連結区間内に含むので、当然、第4商品要素に対応する第1要素区間および第2要素区間を連結区間内に含むから、第4商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比を行う。第4商品要素の残席数55と第6商品要素の残席数55が同じなので、第6商品要素の残席数は55のままとする(図17(5)を参照)。これで、商品番号1Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの9番目にある商品番号5Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図18に示す。商品番号5Bの販売数を決める前の残席数は図18(1)の通りである。ここで、商品番号5Bの需要予測数は33席、許容上限数は30席、第5商品要素の残席数は55席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=30となり、商品番号5Bを30席販売する(図18(2)を参照)。商品番号5Bに30席を割り当てると、第5商品要素の残席数は25となる(図18(3)を参照)。
第5商品要素は第2階層であるから、第1階層の商品要素の残席数を更新しておく。第5商品要素は、第2要素区間と第3要素区間を連結した連結区間であるから、第2要素区間に対応する第2商品要素の残席数と第3要素区間に対応する第3商品要素の残席数を更新しておく必要がある。第2商品要素の残席数55から商品番号5Bの販売数30を減ずることで残席数25に、第3商品要素の残席数63から商品番号5Bの販売数30を減ずることで残席数33に、それぞれ更新する(図18(4)を参照)。
上記のようにして第2商品要素と第3商品要素の残席数が更新された第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。第2商品要素の残席数25の方が第4商品要素の残席数55よりも小さいので、第4商品要素の残席数を25とする(図18(5)を参照)。なお、第5商品要素は、販売対象である商品番号5Bの販売商品を含むことから既に残席数の更新が行われている。よって、第5商品要素に対しては、第1階層を基準階層とした残席数の更新処理を改めて行う必要は無いので、これを省略しても良い。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。第4商品要素および第5商品要素の残席数25の方が第6商品要素の残席数55よりも小さいので、第6商品要素の残席数を25とする(図18(6)を参照)。これで、商品番号5Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの10番目にある商品番号5Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図19に示す。商品番号5Aの販売数を決める前の残席数は図19(1)の通りである。ここで、商品番号5Aの需要予測数は32席、許容上限数は∞、第5商品要素の残席数は25席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=25となり、商品番号5Aを25席販売する(図19(2)を参照)。商品番号5Aに25席を割り当てると、第5商品要素の残席数は0となる(図19(3)を参照)。
第5商品要素は第2階層であるから、第1階層の商品要素の残席数を更新しておく。第5商品要素は、第2要素区間と第3要素区間を連結した連結区間であるから、第2要素区間に対応する第2商品要素の残席数と第3要素区間に対応する第3商品要素の残席数を更新しておく必要がある。第2商品要素の残席数25から商品番号5Aの販売数25を減ずることで残席数0に、第3商品要素の残席数33から商品番号5Aの販売数25を減ずることで残席数8に、それぞれ更新する(図19(4)を参照)。
上記のようにして第2商品要素と第3商品要素の残席数が更新された第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。第2商品要素の残席数0の方が第4商品要素の残席数25よりも小さいので、第4商品要素の残席数を0とする(図19(5)を参照)。なお、第5商品要素は、販売対象である商品番号5Aの販売商品を含むことから既に残席数の更新が行われている。よって、第5商品要素に対しては、第1階層を基準階層とした残席数の更新処理を改めて行う必要は無いので、これを省略しても良い。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。第4商品要素の残席数0および第5商品要素の残席数0の方が第6商品要素の残席数25よりも小さいので、第6商品要素の残席数を0とする(図19(6)を参照)。これで、商品番号5Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの11番目にある商品番号1Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図20に示す。商品番号1Bの販売数を決める前の残席数は図20(1)の通りである。ここで、商品番号1Bの需要予測数は44席、許容上限数は30席、第1商品要素の残席数は90席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=30となり、商品番号1Bを30席販売する(図20(2)を参照)。商品番号1Bに30席を割り当てると、第1商品要素の残席数は60となる(図20(3)を参照)。
第1商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第1商品要素のみであるから、第1商品要素に対応する第1要素区間を連結区間内に含む第4商品要素の残席数のみ更新すれば十分である。よって、第1商品要素の残席数を第5商品要素の残席数と対比する処理、第2商品要素および第3商品要素の残席数を第4商品要素および第5商品要素の残席数と対比する処理は省略する。第1商品要素の残席数60よりも第4商品要素の残席数0の方が小さいので、第4商品要素の残席数は0のままとする(図20(4)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。なお、第2階層で残席数が更新されたのは第4商品要素のみであるから、第5商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比は省略できる。最上位階層にある第6商品要素は第1要素区間〜第3要素区間の全てを連結区間内に含むので、当然、第4商品要素に対応する第1要素区間および第2要素区間を連結区間内に含むから、第4商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比を行う。第4商品要素の残席数0と第6商品要素の残席数0が同じなので、第6商品要素の残席数は0のままとする(図20(5)を参照)。これで、商品番号1Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの12番目にある商品番号1Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図21に示す。商品番号1Aの販売数を決める前の残席数は図21(1)の通りである。ここで、商品番号1Aの需要予測数は42席、許容上限数は∞、第1商品要素の残席数は60席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=42となり、商品番号1Aを42席販売する(図21(2)を参照)。商品番号1Aに42席を割り当てると、第1商品要素の残席数は18となる(図21(3)を参照)。
第1商品要素は第1階層であるから、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数を更新する。なお、第1階層で残席数が更新されたのは第1商品要素のみであるから、第1商品要素に対応する第1要素区間を連結区間内に含む第4商品要素の残席数のみ更新すれば十分である。よって、第1商品要素の残席数を第5商品要素の残席数と対比する処理、第2商品要素および第3商品要素の残席数を第4商品要素および第5商品要素の残席数と対比する処理は省略する。第1商品要素の残席数18よりも第4商品要素の残席数0の方が小さいので、第4商品要素の残席数は0のままとする(図21(4)を参照)。
次いで、第2階層を基準階層に、第3階層を対比階層にそれぞれ設定し、第2階層の第4商品要素および第5商品要素の残席数を、第3階層の第6商品要素の残席数と対比して、第6商品要素の残席数を更新する。なお、第2階層で残席数が更新されたのは第4商品要素のみであるから、第5商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比は省略できる。最上位階層にある第6商品要素は第1要素区間〜第3要素区間の全てを連結区間内に含むので、当然、第4商品要素に対応する第1要素区間および第2要素区間を連結区間内に含むから、第4商品要素の残席数と第6商品要素の残席数との対比を行う。第4商品要素の残席数0と第6商品要素の残席数0が同じなので、第6商品要素の残席数は0のままとする(図21(5)を参照)。これで、商品番号1Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの13番目にある商品番号4Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図22に示す。商品番号4Cの販売数を決める前の残席数は図22(1)の通りである。ここで、商品番号4Cの需要予測数は1席、許容上限数は10席、第1商品要素の残席数は18席であるが第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号4Cを0席販売する(図22(2)を参照)。商品番号4Cに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。
処理リストの14番目にある商品番号6Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図23に示す。商品番号6Cの販売数を決める前の残席数は図23(1)の通りである。ここで、商品番号6Cの需要予測数は20席、許容上限数は10席、第1商品要素の残席数は18席、第3商品要素の残席数は8席であるが第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号6Cを0席販売する(図23(2)を参照)。商品番号6Cに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。
処理リストの15番目にある商品番号4Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図24に示す。商品番号4Bの販売数を決める前の残席数は図24(1)の通りである。ここで、商品番号4Bの需要予測数は1席、許容上限数は30席、第1商品要素の残席数は18席であるが第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号4Bを0席販売する(図24(2)を参照)。商品番号4Bに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。
処理リストの16番目にある商品番号4Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図25に示す。商品番号4Aの販売数を決める前の残席数は図25(1)の通りである。ここで、商品番号4Aの需要予測数は1席、許容上限数は∞、第1商品要素の残席数は18席であるが第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号4Aを0席販売する(図25(2)を参照)。商品番号4Aに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。
処理リストの17番目にある商品番号6Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図26に示す。商品番号6Bの販売数を決める前の残席数は図26(1)の通りである。ここで、商品番号6Bの需要予測数は18席、許容上限数は30席、第1商品要素の残席数は18席、第3商品要素の残席数は8席であるが第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号6Bを0席販売する(図26(2)を参照)。商品番号6Bに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。
処理リストの最後(18番目)にある商品番号6Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図27に示す。商品番号6Aの販売数を決める前の残席数は図27(1)の通りである。ここで、商品番号6Aの需要予測数は17席、許容上限数は∞、第1商品要素の残席数は18席、第3商品要素の残席数は8席であるが第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号6Aを0席販売する(図27(2)を参照)。商品番号6Aに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。
上記のような手順で各販売商品の販売数を決定すると、各販売商品の価格と販売数から販売金額が求められる(図28の販売商品一覧を参照)。そして、全ての販売商品の販売金額を合計すると、評価指標としての評価金額(例えば、1794900円)を求めることができる。この評価金額を売るための座席配分では、第1要素区間の残席数が18席で第3要素区間の残席数が8である。この残席を販売商品1A〜1Cや販売商品3A〜3Cの販売数に割り当てれば、収益向上に繋げることができたのであるから、この座席配分では比較的低収益になっていることがわかる。
ここで、図29(a)に示すのは、図5の空席情報と図7の需要予測情報と図8の販売上限値情報を用いて、収益最大化手法(線形計画法)による目的関数最大化にて、図6の販売商品の各販売数を決定したものである。このときの座席配分を図29(b)に示す。全区間で空席の無い効率良い座席配分になっていることが分かる。そして、この座席配分による総売上たる被評価金額は1972700円である。この被評価金額と評価金額(評価指標取得方法にて取得した評価指標)との差額は177800円であるから、収益最大化手法を用いたイールド管理を行うことが、18万円弱の収益向上に有効であると評価できる。
したがって、上述した販売価格を収益低減基準として行う評価指標取得方法にて取得した評価指標である評価金額を基準とし、イールド管理に基づく座席配分での売上となる被評価金額の多寡を見れば、イールド管理に基づく座席配分が収益向上に寄与している度合い、或いは収益向上に寄与できていないという現状を知ることができ、イールド管理を見直す契機となる。
ここで、詳細は省くが、図5の空席情報と図7の需要予測情報と図8の販売上限値情報を用いて、図6の販売商品の各販売数を、収益最大化手法である線形計画法による目的関数最大化にて決定した場合、その総売上である被評価金額は1972700円となる。この被評価金額と評価金額との差は177800円であるから、収益最大化手法を用いたイールド管理を行うことが、収益向上に有効であることが分かる。
上述した評価指標取得方法においては、収益低減基準を販売商品の販売価格とし、販売価格が安いほど収益価値が低いと判断するようにして評価指標を求めたが、収益低減基準はこれに限定されるものではない。収益低減基準を販売商品の距離単価とし、距離単価が安いほど収益価値が低いと判断するようにして評価指標を求めても良い。販売対象となる全18個の販売商品を距離単価の安い順に並べ替えたのが、図30の処理リストである。
処理リストの1番目にある商品番号6Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図31に示す。商品番号6Cの販売数を決める前の残席数は図31(1)の通りである。ここで、商品番号6Cの需要予測数は20席、許容上限数は10席、第6商品要素の残席数は100席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号6Cを10席販売する(図31(2)を参照)。商品番号6Cに10席を割り当てると、第6商品要素の残席数は90となる(図31(3)を参照)。
第6商品要素は第3階層で、第1〜第3要素区間に跨がっていることから、第1階層の第1〜第3商品要素の残席数を全て更新し、それぞれ残席数を90とする(図31(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数をそれぞれ90に更新する(図31(5),(6)を参照)。これで、商品番号6Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの2番目にある商品番号4Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図32に示す。商品番号4Cの販売数を決める前の残席数は図32(1)の通りである。ここで、商品番号4Cの需要予測数は1席、許容上限数は10席、第4商品要素の残席数は90席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=1となり、商品番号4Cを1席販売する(図32(2)を参照)。商品番号4Cに1席を割り当てると、第4商品要素の残席数は89となる(図32(3)を参照)。
第4商品要素は第2階層で、第1要素区間および第2要素区間に跨がっていることから、第1階層の第1,第2商品要素の残席数を全て更新し、それぞれ残席数を89とする(図32(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第2,第3商品要素における残席数と第2階層の第5商品要素における残席数を対比して、第5商品要素の残席数を89に更新する(図32(5)を参照)。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比し、第6商品要素の残席数を89に更新する(図32(6)を参照)。これで、商品番号4Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの3番目にある商品番号6Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図33に示す。商品番号6Bの販売数を決める前の残席数は図33(1)の通りである。ここで、商品番号6Bの需要予測数は18席、許容上限数は30席、第6商品要素の残席数は89席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=18となり、商品番号6Bを18席販売する(図33(2)を参照)。商品番号6Bに18席を割り当てると、第6商品要素の残席数は71となる(図33(3)を参照)。
第6商品要素は第3階層で、第1〜第3要素区間に跨がっていることから、第1階層の第1〜第3商品要素の残席数を全て更新し、第1,第2商品要素の残席数を89、第3商品要素の残席数を72とする(図33(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数をそれぞれ71に更新する(図33(5),(6)を参照)。これで、商品番号6Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの4番目にある商品番号5Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図34に示す。商品番号5Cの販売数を決める前の残席数は図34(1)の通りである。ここで、商品番号5Cの需要予測数は35席、許容上限数は10席、第5商品要素の残席数は71席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号5Cを10席販売する(図34(2)を参照)。商品番号5Cに10席を割り当てると、第5商品要素の残席数は61となる(図34(3)を参照)。
第5商品要素は第2階層で、第2要素区間および第3要素区間に跨がっていることから、第1階層の第2,第3商品要素の残席数を更新し、それぞれ残席数を61,62とする(図34(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1,第2商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素における残席数を対比して、第4商品要素の残席数を61に更新する(図34(5)を参照)。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比し、第6商品要素の残席数を61に更新する(図34(6)を参照)。これで、商品番号5Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの5番目にある商品番号6Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図35に示す。商品番号6Aの販売数を決める前の残席数は図35(1)の通りである。ここで、商品番号6Aの需要予測数は17席、許容上限数は∞、第6商品要素の残席数は61席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=17となり、商品番号6Aを17席販売する(図35(2)を参照)。商品番号6Aに17席を割り当てると、第6商品要素の残席数は44となる(図35(3)を参照)。
第6商品要素は第3階層で、第1〜第3要素区間に跨がっていることから、第1階層の第1〜第3商品要素の残席数を全て更新し、第1商品要素の残席数を54、第2商品要素の残席数を44、第3商品要素の残席数を45とする(図35(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1〜第3商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素および第5商品要素における残席数を対比して、第4商品要素および第5商品要素の残席数をそれぞれ44に更新する(図35(5),(6)を参照)。これで、商品番号6Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの6番目にある商品番号4Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図36に示す。商品番号4Bの販売数を決める前の残席数は図36(1)の通りである。ここで、商品番号4Bの需要予測数は1席、許容上限数は30席、第4商品要素の残席数は44席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=1となり、商品番号4Bを1席販売する(図36(2)を参照)。商品番号4Bに1席を割り当てると、第4商品要素の残席数は43となる(図36(3)を参照)。
第4商品要素は第2階層で、第1要素区間および第2要素区間に跨がっていることから、第1階層の第1,第2商品要素の残席数を全て更新し、それぞれ残席数を53,43とする(図36(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第2,第3商品要素における残席数と第2階層の第5商品要素における残席数を対比して、第5商品要素の残席数を43に更新する(図36(5)を参照)。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比し、第6商品要素の残席数を43に更新する(図36(6)を参照)。これで、商品番号4Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの7番目にある商品番号1Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図37に示す。商品番号1Cの販売数を決める前の残席数は図37(1)の通りである。ここで、商品番号1Cの需要予測数は50席、許容上限数は10席、第1商品要素の残席数は53席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号1Cを10席販売する(図37(2)を参照)。商品番号1Cに10席を割り当てると、第1商品要素の残席数は43となる(図37(3)を参照)。
第1商品要素は第1階層であるから、これを基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素における残席数を対比して、第4商品要素の残席数を43に更新する(図37(4)を参照)。なお、第2階層の第5商品要素は第1要素区間を含んでいないので、残席数の更新は省略できる。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比すると、いずれも43席であるから、第6商品要素の残席数を43のままとする(図37(5)を参照)。これで、商品番号1Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの8番目にある商品番号2Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図38に示す。商品番号2Cの販売数を決める前の残席数は図38(1)の通りである。ここで、商品番号2Cの需要予測数は15席、許容上限数は10席、第2商品要素の残席数は43席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号2Cを10席販売する(図38(2)を参照)。商品番号2Cに10席を割り当てると、第2商品要素の残席数は33となる(図38(3)を参照)。
第2商品要素は第1階層であるから、これを基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第2商品要素における残席数と第2階層の第4,第5商品要素における残席数を対比して、第4,第5商品要素の残席数をそれぞれ33に更新する(図38(4),(5)を参照)。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比し、第6商品要素の残席数を33に更新する(図38(6)を参照)。これで、商品番号2Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの9番目にある商品番号3Cの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図39に示す。商品番号3Cの販売数を決める前の残席数は図39(1)の通りである。ここで、商品番号3Cの需要予測数は10席、許容上限数は10席、第2商品要素の残席数は45席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=10となり、商品番号3Cを10席販売する(図39(2)を参照)。商品番号3Cに10席を割り当てると、第3商品要素の残席数は35となる(図39(3)を参照)。
第3商品要素は第1階層であるから、これを基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第3商品要素における残席数と第2階層の第5商品要素における残席数を対比して、第5商品要素の残席数の方が低いので33のままとする(図39(4)を参照)。なお、第2階層の第4商品要素は第3要素区間を含んでいないので、残席数の更新は省略できる。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比すると、いずれも33席であるから、第6商品要素の残席数を33のままとする(図39(5)を参照)。これで、商品番号3Cの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの10番目にある商品番号4Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図40に示す。商品番号4Aの販売数を決める前の残席数は図40(1)の通りである。ここで、商品番号4Aの需要予測数は1席、許容上限数は∞、第4商品要素の残席数は33席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=1となり、商品番号4Aを1席販売する(図40(2)を参照)。商品番号4Aに1席を割り当てると、第4商品要素の残席数は32となる(図40(3)を参照)。
第4商品要素は第2階層で、第1要素区間および第2要素区間に跨がっていることから、第1階層の第1,第2商品要素の残席数を全て更新し、それぞれ残席数を42,32とする(図40(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第2商品要素における残席数と第2階層の第5商品要素における残席数を対比して、第5商品要素の残席数を32に更新する(図40(5)を参照)。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比し、第6商品要素の残席数を32に更新する(図40(6)を参照)。これで、商品番号4Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの11番目にある商品番号5Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図41に示す。商品番号5Bの販売数を決める前の残席数は図41(1)の通りである。ここで、商品番号5Bの需要予測数は33席、許容上限数は30席、第5商品要素の残席数は32席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=30となり、商品番号5Bを30席販売する(図41(2)を参照)。商品番号5Bに30席を割り当てると、第5商品要素の残席数は2となる(図41(3)を参照)。
第5商品要素は第2階層で、第2要素区間および第3要素区間に跨がっていることから、第1階層の第2,第3商品要素の残席数を更新し、それぞれ残席数を2,5とする(図41(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1,第2商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素における残席数を対比して、第4商品要素の残席数を2に更新する(図41(5)を参照)。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比し、第6商品要素の残席数を2に更新する(図41(6)を参照)。これで、商品番号5Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの12番目にある商品番号5Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図42に示す。商品番号5Aの販売数を決める前の残席数は図42(1)の通りである。ここで、商品番号5Aの需要予測数は32席、許容上限数は∞、第5商品要素の残席数は2席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=2となり、商品番号5Aを2席販売する(図42(2)を参照)。商品番号5Aに2席を割り当てると、第5商品要素の残席数は0となる(図42(3)を参照)。
第5商品要素は第2階層で、第2要素区間および第3要素区間に跨がっていることから、第1階層の第2,第3商品要素の残席数を更新し、それぞれ残席数を0,3とする(図42(4)を参照)。次いで、第1階層を基準階層とし、第2階層を対比階層とし、第1階層の第1,第2商品要素における残席数と第2階層の第4商品要素における残席数を対比して、第4商品要素の残席数を0に更新する(図42(5)を参照)。次いで、第2階層を基準階層とし、第3階層を対比階層とし、第2階層の第4,第5商品要素の残席数と第3階層における第6商品要素の残席数を対比し、第6商品要素の残席数を0に更新する(図42(6)を参照)。これで、商品番号5Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの13番目にある商品番号3Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図43に示す。商品番号3Bの販売数を決める前の残席数は図43(1)の通りである。ここで、商品番号3Bの需要予測数は9席、許容上限数は30席、第3商品要素の残席数は3席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=3となり、商品番号3Bを3席販売する(図43(2)を参照)。商品番号3Bに3席を割り当てると、第3商品要素の残席数は0となる(図43(3)を参照)。なお、第3商品要素は第1階層であるから、商品番号3Bの販売数を決定することに伴って、上位の第2,第3階層の販売商品についての残席数更新処理が必要となるものの、第4〜第6商品要素に含まれる全商品の販売数は決定済みであると共に、第4〜第6商品要素に割り当て可能な残席数は既に0となっているので、以後は、第4〜第6商品要素に対する残席数の更新処理は省略できる。よって、商品番号3Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの14番目にある商品番号1Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図44に示す。商品番号1Bの販売数を決める前の残席数は図44(1)の通りである。ここで、商品番号1Bの需要予測数は44席、許容上限数は30席、第1商品要素の残席数は42席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=30となり、商品番号1Bを30席販売する(図44(2)を参照)。商品番号1Bに30席を割り当てると、第1商品要素の残席数は12となる(図44(3)を参照)。これで、商品番号1Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの15番目にある商品番号2Bの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図45に示す。商品番号2Bの販売数を決める前の残席数は図45(1)の通りである。ここで、商品番号2Bの需要予測数は13席、許容上限数は30席、第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号2Bを0席販売する(図45(2)を参照)。商品番号2Bに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない(図45(3)を参照)。これで、商品番号2Bの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの16番目にある商品番号1Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図46に示す。商品番号1Aの販売数を決める前の残席数は図46(1)の通りである。ここで、商品番号1Aの需要予測数は42席、許容上限数は∞、第1商品要素の残席数は12席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=12となり、商品番号1Aを12席販売する(図46(2)を参照)。商品番号1Aに12席を割り当てると、第1商品要素の残席数は0となる(図46(3)を参照)。これで、商品番号1Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの17番目にある商品番号2Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図47に示す。商品番号2Aの販売数を決める前の残席数は図47(1)の通りである。ここで、商品番号2Aの需要予測数は12席、許容上限数は∞、第2商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号2Aを0席販売する(図47(2)を参照)。商品番号2Aに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。これで、商品番号2Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
処理リストの最後(18番目)にある商品番号3Aの販売数を決定し、これに基づく残席数の更新過程を図48に示す。商品番号3Aの販売数を決める前の残席数は図48(1)の通りである。ここで、商品番号3Aの需要予測数は8席、許容上限数は∞、第3商品要素の残席数は0席であるから、Min(需要予測数、許容上限数、残席数)=0となり、商品番号3Aを0席販売する(図48(2)を参照)。商品番号3Aに0席を割り当てても、全ての商品要素の残席数に変化はない。これで、商品番号3Aの販売と、これに伴う残席数の更新が完了する。
上記のような手順で各販売商品の販売数を決定すると、各販売商品の価格と販売数から販売金額が求められる(図49の販売商品一覧を参照)。そして、全ての販売商品の販売金額を合計すると、評価指標としての評価金額(例えば、1732700円)を求めることができる。この評価金額を得るための座席配分では、全区間で座席を余すことなく販売しており、残席数は0である。しかしながら、この座席配分では、距離単価の安い販売商品(長距離で、値引率の高い販売条件の商品)から優先的に販売数が決定され、距離単価の高い販売商品(短距離で、値引の無い販売条件の商品)に割り当てる席数が十分に確保できていないので、この座席配分では比較的低収益になってしまうことがわかる。図29にて示した収益最大化手法による座席配分での被評価金額(1972700円)との差額は240000円であるから、収益最大化手法を用いたイールド管理を行うことが、24万円程度の収益向上に有効であると評価できる。
したがって、上述した距離単価を収益低減基準として行う評価指標取得方法にて取得した評価指標である評価金額を基準とし、イールド管理に基づく座席配分での売上となる被評価金額の多寡を見れば、イールド管理に基づく座席配分が収益向上に寄与している度合い、或いは収益向上に寄与できていないという現状を知ることができ、イールド管理を見直す契機となる。
次に、イールド管理評価手段26による評価を具体的に説明する。図50に示すように、評価指標取得手段22と被評価金額算出手段25は、列車毎の販売商品について、同じ空席情報、需要予測情報、販売上限値情報を用いて、座席配分を行い、その座席配分での収益金額を列車毎に算出し、イールド管理評価手段26に提供される。イールド管理評価手段26では、列車毎の被評価金額から評価指標を引いた評価判定値を求める。
イールド管理評価手段26によって求められた評価判定値が、予め定めた高収益基準値(例えば、50万円)以上である場合には、被評価金額算出手段25で行った収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に有用であると評価する。このようにイールド管理が有用と評価された場合には、この評価結果を「注意列車」としてイールド管理担当者に知らせる。そして、注意列車は、在庫の変化に応じて座席配分を微調整してゆけば、更なる収益向上を望める可能性がある。
現在のイールド管理においては、座席配分結果が妥当であるか否かをイールド管理担当者が評価し、手動で承認する形を取っている。そのため、イールド管理を行う列車(座席)が多いと業務が煩雑になってしまう。よって、イールド管理の対象にする列車(座席)を少しでも減らすため、イールド管理が重要な列車を「注意列車」として表示する機能がある。注意列車を選定する基準には「ある一定の座席予約率を超えた列車」が採用されているため、本来は注意列車としてイールド管理担当者が扱う必要の無い列車まで注意列車に選定されてしまう可能性がある。例えば、通常料金の需要だけで最終的に満席になり、座席配分を変えても収益が殆ど変わらないのに、座席予約率が一定値を越えたために注意列車に選定されてしまう可能性がある。
しかるに、上述した評価指標と被評価金額の差として得られた評価判定値に基づいて注意列車の選定を行う場合には、座席予約率が高いというだけで注意列車に選定されることはないので、イールド管理担当者の負担を効果的に抑制できる。逆に、現在の注意列車選定基準では、座席予約率が一定値に達していないために「注意列車」に選定されていない場合でも、上述した評価指標と被評価金額の差として得られた評価判定値に基づいて注意列車の選定を行えば、予約開始前あるいは予約開始直後の早い時期から注意列車に選定される可能性もあるので、イールド管理担当者が早期に座席配分への配慮を行って、一層の収益向上を図ることができる。
一方、イールド管理評価手段26によって求められた評価判定値が、予め定めた低収益基準値(例えば、5万円)以下である場合には、被評価金額算出手段25で行った収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に貢献しないと評価する。このようにイールド管理が収益向上に貢献しないと評価された場合には、この評価結果を「低需要」としてイールド管理担当者に知らせる。そして、低需要と評価された列車は、イールド管理担当者が扱わないようにすることで、その作業負担を減らすことができる。
上述したように、イールド管理評価手段26による評価結果を提示することで、その列車の座席配分を変えることで収益向上を期待できるのか、できないのかをイールド管理者が容易に判断できる。よって、評価判定値を判定する高収益基準値を適宜に設定することで、日々のイールド管理業務で担当者が注意してみる列車の本数を絞り込んで少なくすることが可能となる。これにより、イールド管理担当者の業務負担を軽減、あるいはイールド管理担当者の人数を削減することが可能となるので、業務の効率化にも貢献できるものである。
なお、高収益か低収益かを別々の基準値で判断せずに、1つの基準値以上(或いは、基準値より大)で高収益判定、その基準値より小(或いは、基準値以下)で低収益判定を行うようにしても良い。また、3以上の評価基準値を設定して、4段階以上の細かい評価を行うようにしても良い。
以上、本発明に係るイールド管理評価指標取得方法、イールド管理評価方法および移動体の座席販売システムの実施形態を添付図面に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない範囲で、公知既存の等価な技術手段を転用することにより実施しても構わない。
1 座席販売システム
2 管理サーバ
21 座席管理手段
22 評価指標取得手段
23 需要予測情報記憶手段
24 販売上限値情報記憶手段
25 被評価金額算出手段
26 イールド管理評価手段
3 自動券売機
4 オペレータ操作端末
5 パーソナル端末装置
6 外部データベース
7 外部入力装置
N1 第1ネットワーク
N2 第2ネットワーク

Claims (14)

  1. 移動体の移動する範囲が異なることで利用者が占有できる占有対象を最小移動範囲毎に提供できるN個(Nは、2以上の自然数)の要素区間と、連続する2以上の要素区間を連結して設定した連結区間と、から構成される「N(N+1)/2」個の区間を、それぞれ販売可能な商品要素とし、全ての商品要素もしくは一部の商品要素に対して、異なる販売条件に応じた価格を設定することで、それぞれ別の販売商品とし、予め設定した需要予測を用いて任意の収益最大化演算手法により算出した各販売商品の販売数を求めて、収益の最大化を図るイールド管理を行う管理サーバが、そのイールド管理の妥当性を評価できるイールド管理評価指標を取得するイールド管理評価指標取得方法であって、
    任意の移動体における全ての販売商品のうち、予め定めた収益低減基準に基づいて判断する収益価値が最も低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残占有対象数一杯まで販売したものとして販売金額を決定し、順次、残りの販売商品で最も収益価値が低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残占有対象数一杯まで販売したものとして販売金額を決定してゆき、販売可能であった全ての販売商品による販売金額の合計値をイールド管理評価指標として、前記管理サーバにより求めることを特徴とするイールド管理評価指標取得方法。
  2. 前記収益低減基準は、販売商品の販売価格とし、販売価格が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のイールド管理評価指標取得方法。
  3. 前記収益低減基準は、販売商品の価格を移動距離で除した距離単価とし、距離単価が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のイールド管理評価指標取得方法。
  4. 前記販売商品のうち、占有対象の販売数として許容できる許容上限数が、需要予測に基づく予測上限数とは別に設定されている場合、前記予測上限数よりも前記許容上限数が低ければ、当該販売商品は許容上限数一杯もしくは許容上限数よりも少ない残占有対象数一杯まで販売したものとして販売金額を決定することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のイールド管理評価指標取得方法。
  5. 前記請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のイールド管理評価指標取得方法により求めたイールド管理評価指標と、
    前記管理サーバが、評価対象のイールド管理で用いる収益最大化演算手法により算出した販売数で各販売商品を販売した販売金額の合計として求めた被評価金額と、
    用い
    前記被評価金額と前記イールド管理評価指標との差額を評価判定値とし、該評価判定値と予め定めた評価基準値との比較により、前記管理サーバが当該収益最大化演算手法によるイールド管理の妥当性を評価することを特徴とするイールド管理評価方法。
  6. 前記評価判定値が、予め定めた高収益基準値以上である場合には、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に有用であると評価することを特徴とする請求項5に記載のイールド管理評価方法。
  7. 前記評価判定値が、予め定めた低収益基準値以下である場合には、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に貢献しないと評価することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のイールド管理評価方法。
  8. 移動体の販売用座席を統括的に管理する管理サーバと、該管理サーバから空席情報を受けて移動体利用者に座席の販売を行う複数の販売チャネルと、を含む移動体の座席販売システムにおいて、
    前記管理サーバは、
    移動体の移動する範囲が異なることで1つの席を最小移動範囲毎に提供できるN個(Nは、2以上の自然数)の要素区間と、連続する2以上の要素区間を連結して設定した連結区間と、から構成される「N(N+1)/2」個の区間を、それぞれ販売可能な商品要素とし、全ての商品要素もしくは一部の商品要素に対して、異なる販売条件に応じた価格を設定することで、それぞれ別の販売商品として管理する座席管理手段と、
    前記座席管理手段により管理されている各移動体の各販売商品の販売数量として予測される需要について予め設定した需要予測情報を記憶する需要予測情報記憶手段と、
    前記需要予測情報記憶手段に記憶されている需要予測情報を用いて、任意の収益最大化演算手法により算出した各販売商品の販売数を求めて、収益の最大化を図るイールド管理を行うとき、そのイールド管理の妥当性を評価できる評価指標を取得する評価指標取得手段と、
    を備え、
    前記評価指標取得手段は、任意の移動体における全ての販売商品のうち、予め定めた収益低減基準に基づいて判断する収益価値が最も低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残席数一杯まで販売したものとして販売金額を決定し、順次、残りの販売商品で最も収益価値が低いものを、需要予測に基づく予測上限数一杯もしくは予測上限数よりも少ない残席数一杯まで販売したものとして販売金額を決定してゆき、販売可能であった全ての販売商品による販売金額の合計値を評価指標として求めることを特徴とする移動体の座席販売システム。
  9. 前記評価指標取得手段が用いる収益低減基準は、販売商品の販売価格とし、販売価格が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の移動体の座席販売システム。
  10. 前記評価指標取得手段が用いる収益低減基準は、販売商品の価格を移動距離で除した距離単価とし、距離単価が安いほど収益価値が低いと判断するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の移動体の座席販売システム。
  11. 前記管理サーバには、前記販売商品の販売を許容できる許容上限数の値を、販売商品毎の情報として記憶する販売上限値情報記憶手段を設け、
    前記評価指標取得手段は、需要予測に基づく販売商品の販売数よりも前記販売上限値情報記憶手段に記憶されている当該販売商品の許容上限数の方が低ければ、当該販売商品は許容上限数一杯もしくは許容上限数よりも少ない残席数一杯まで販売したものとして販売金額を決定することを特徴とする請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の移動体の座席販売システム。
  12. 前記管理サーバには、
    評価対象のイールド管理で用いる収益最大化演算手法により求めた販売数で各販売商品を販売した金額の合計である被評価金額を算出する被評価金額算出手段と、
    前記評価指標取得手段により求めた評価指標と、前記被評価金額算出手段により算出された被評価金額との差額を評価判定値として求め、前記収益最大化演算手法によるイールド管理の妥当性を前記評価判定値に基づき評価するイールド管理評価手段と、
    を設けたことを特徴とする請求項8〜請求項11の何れか1項に記載の移動体の座席販売システム。
  13. 前記イールド管理評価手段は、求めた評価判定値が予め定めた高収益基準値以上である場合に、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に有用であると評価することを特徴とする請求項12に記載の移動体の座席販売システム。
  14. 前記イールド管理評価手段は、求めた評価判定値が予め定めた低収益基準値以下である場合に、前記収益最大化演算手法によるイールド管理が収益向上に貢献しないと評価することを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の移動体の座席販売システム。
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