本発明に係る遊技機を実施するための実施形態について以下に説明する。
まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ遊技機1の前面側、奥側(内方側)を背面側として説明する。尚、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。また、本実施形態におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施形態においては、『実行』と『実施』とは同義である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示略)と、この外枠に開閉可能に取り付けられた前面枠(図示略)と、で主に構成されている。この前面枠の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿部4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、或いは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿3の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図5参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄ともいう)を変動表示(可変表示ともいう)することが可能な6つのLED表示パネルP1〜P6(図2参照)と、遊技に関連した画像を表示可能な液晶表示装置9が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面側に設けられている(図3参照)。尚、以下の説明においては、6つのLED表示パネルP1〜P6を総称してLED表示パネルPと表記する場合がある。尚、液晶表示装置9と各LED表示パネルP1〜P6の外周部には、各表示部を囲むように枠部が設けられている。
6つのLED表示パネルP1〜P6は、いずれもフルカラー発光が可能な同一のLED表示パネルを使用しており、これらを左右に分けて3つずつ配置し、図2に示すように、右側に配置された3つのLED表示パネルP1〜P3において演出図柄の変動表示を連携して行うとともに、左側に配置された3つのLED表示パネルP4〜P6において演出図柄の変動表示を連携して行い、LED表示パネルP2、P5に停止表示された演出図柄の組み合わせが特定の組み合わせ(例えば、同一の演出図柄)になったときに、大当りとなるようになっている。尚、図2においては、LED表示パネルP1〜P3とLED表示パネルP4〜P6の間には、キャラクタのギミック(役物)Gが配置され、該ギミック(役物)Gも、該ギミック(役物)G内に設けられているLEDにより発光するようになっており、該LEDも、ロゴパネル用LED駆動回路88(図6参照)に接続されることで、ロゴパネル用LED駆動回路88より発光強度や点灯・非点灯が制御される。
また、図2に示すように、LED表示パネルP2は、LED表示パネルP1並びにLED表示パネルP3よりも前方に配置されているとともに、LED表示パネルP1とLED表示パネルP3とは傾斜して配置され、該LED表示パネルP1の下部とLED表示パネルP3の上部とが、LED表示パネルP2に隠れる(覆われる)ように配置されており、LED表示パネルP1〜P3において変動表示される演出図柄が、あたかも回転して変動しているように見えるようになっている。
同様に、図2、図3に示すように、LED表示パネルP5も、LED表示パネルP4並びにLED表示パネルP6よりも前方に配置されているとともに、LED表示パネルP4とLED表示パネルP6とは傾斜して配置され、該LED表示パネルP4の下部とLED表示パネルP6の上部とが、LED表示パネルP5に隠れる(覆われる)ように配置されており、LED表示パネルP4〜P6において変動表示される演出図柄が、あたかも回転して変動しているように見えるようになっている。尚、図3(a)、(b)は、LED表示パネルP4〜P6を左側面側から見たときの構成を示しており、LED表示パネルP1〜P3はLED表示パネルP4〜P6の裏側に隠れるため、図示を省略している。また、図3(a)、(b)においては、ロゴパネル500とギミック(役物)Gを省略している。
尚、本実施形態では、初期状態において、ギミックGの右側上方に配置されているLED表示パネルP1が、LED表示パネルP2に対し時計回りに30°の角度で傾いて配置され、ギミックGの右側下方に配置されているLED表示パネルP3が、LED表示パネルP2に対し反時計回りに30°の角度で傾いて配置されている。また、初期状態において、ギミックGの左側上方に配置されているLED表示パネルP4が、LED表示パネルP5に対し反時計回りに30°の角度で傾いて配置され、ギミックGの左側下方に配置されているLED表示パネルP6が、LED表示パネルP5に対し時計回りに30°の角度で傾いて配置されている。
LED表示パネルP1〜P6に隣接する直上位置には、発光可能なロゴパネル500が設けられており、遊技における演出において、ロゴパネル用LED駆動回路88による発光制御によりロゴパネル500が発光するようになっている。
液晶表示装置9は、液晶パネル9pとともに、該液晶パネル9pに光を供給するためのバックライトLED9bを含むバックライトや、該バックライトLED9bをパルス信号駆動するバックライト駆動回路9kを有している(図6参照)。尚、本実施形態では、液晶表示装置9が、6つのLED表示パネルP1〜P6の前面側に配置されている(図3参照)。
また、上述したように、各LED表示パネルP1〜P6は、演出用の演出図柄を変動表示可能となっており、液晶表示装置9は、遊技に関する画像を表示可能となっている。具体的には、保留表示を含む変動表示に付随した演出画像や後述するデモ演出画像等の変動表示に付随しない演出画像等が表示されるとともに、後述するエフェクト画像(エフェクト表示)等のように、LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9に跨った画像も表示可能とされている。
尚、液晶表示装置9は、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1保留記憶表示部(図2に示す液晶表示装置9の表示画面において白丸(第1保留表示)を表示する部分)と、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図2に示す液晶表示装置9の表示画面において黒丸(第2保留表示)を表示する部分)とが表示画面に設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)を液晶表示装置9の表示画面に設けるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部を設けるようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
LED表示パネルP1〜P6の背面には、各LED表示パネルP1〜P6を上下方向や回転方向に移動させるための移動用ユニットD1〜D6が設けられている。この移動用ユニットD1〜D6は、ピニオンギアやカム等を有する駆動機構を内在している駆動モジュールK1〜K6と該駆動モジュールK1〜K6に駆動力を与える駆動モータM1〜M6とを有しており(図3(a)、(b)、図5参照)、駆動モータM1〜M6が作動することにより、LED表示パネルP1〜P6が上下方向や回転方向に移動するようになっている。
このように、本実施形態では、LED表示パネルP1〜P6を上下や回転等の態様で移動できるようにするために、駆動モータM1〜M6を、各LED表示パネルP1〜P6に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら駆動モータM1〜M6を、遊技機の本体側(遊技盤6側)に設けるようにしても良い。
尚、各LED表示パネルP1〜P6の配置位置は、上方位置(例えば図3(a)に示す位置)と下方位置(例えば図3(b)に示す位置)の二つの位置に限定されるものではなく、これら上方位置と下方位置との中間位置を各LED表示パネルP1〜P6の配置位置とすることもできる。
また、本実施形態の駆動モータM1〜M6は、LED表示パネルP1〜P6を上方位置と下方位置との間で上下方向に直線移動させるための第1のステッピングモータを内蔵し、演出制御用CPU86からの駆動信号であるパルス電力に同期して動作して正確に駆動の制御ができるようになっている。また、本実施形態の駆動モータM1〜M6は、LED表示パネルP1〜P6を回動させるための第2のステッピングモータを内蔵し、演出制御用CPU86からの駆動信号であるパルス電力に同期して動作して正確に駆動の制御ができるようになっている。
更に、本実施形態では、LED表示パネルP1〜P6のそれぞれに駆動モータMが設けられており、LED表示パネルP1〜P6のそれぞれが個別に上方向または下方向へ移動可能となっており、かつ、それぞれが個別に回動可能となっている。このため、例えば、図4(a)に示すように、初期状態にて傾斜した状態で配置されているLED表示パネルP1、P3、P4、P6に対し、各々設けられた第2のステッピングモータを駆動して回動(傾動)させることにより、図4(b)に示すように、LED表示パネルP1〜P6のすべての表示面が、傾斜のない矩形横長の表示面として平行配置させることができる。また、LED表示パネルP1、P4に対し第1のステッピングモータを駆動して下方へ移動させるとともに、LED表示パネルP3、P6に対し第1のステッピングモータを駆動して上方へ移動させることにより、図4(b)に示すように、パチンコ遊技機1を正面側から見たときに、LED表示パネルP1の下辺とP2の上辺、P2の下辺とP3の上辺、P4の下辺とP5の上辺、P5の下辺とP6の上辺が、それぞれ接触しているように見え、あたかもLED表示パネルP1とP2とP3が一体化し、P4とP5とP6が一体化しているように遊技者に見せることができる。更に、このように一体化したように見せている状態で、LED表示パネルP1、P2、P3に設けられた各第1のステッピングモータを一斉に駆動して上方(下方)へ移動させることにより、これらLED表示パネルP1、P2、P3が一体となって上昇(下降)しているように遊技者に見せることができる。LED表示パネルP4、P5、P6についても同様である。そして、LED表示パネルP1〜P6のすべてに対し各々の第1のステッピングモータを一斉に駆動して上方(下方)へ移動させることにより、これらLED表示パネルP1〜P6により構成されるパネルユニットPUの全体が一体となって上昇(下降)しているように遊技者に見せることができる。
尚、本実施形態では、駆動モータM1〜M6を駆動させることでLED表示パネルP1〜P6を移動させる駆動手段が構成されているが、本発明はこれに限ることなく、アクチュエータやエアシリンダ等を駆動させることでLED表示パネルP1〜P6を移動させる駆動手段を構成してもよい。更に、駆動手段からの駆動力をLED表示パネルP1〜P6に伝達するためにチェーンやベルト等を用いてもよい。
また、本実施形態では、透明な遊技盤6を使用しているのでLED表示パネルP1〜P6及び液晶表示装置9の前方に開口を設けていないが、不透明な遊技盤を使用する場合には、LED表示パネルP1〜P6及び液晶表示装置9の表示を遊技者が視認できるようにするための開口を遊技盤6に設けるようにすればよい。
遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8a、8b(図5参照)が設けられている。LED表示パネルP1〜P6は、特別図柄表示器8a、8bによる特別図柄の変動表示に連動して、装飾用(演出用)の図柄であって、例えば数字やキャラクタなど、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動(可変)表示を行う。LED表示パネルP1〜P6及び液晶表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載され演出制御用マイクロコンピュータ81(図6参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8a、8bは、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8a、8bには、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bが設けられている。尚、以下において、特別図柄表示器8a、8bを総称して特別図柄表示器8と記載する場合がある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間(可変表示時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間(可変表示時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
これら第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける変動表示とLED表示パネルP1〜P6における演出図柄の変動(可変)表示とは、後述するように、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示が開始されること連動して開始され、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示が停止されることと連動して停止されるように同期しており、これらLED表示パネルP1〜P6における識別情報である演出図柄の変動(可変)表示も、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aまたは第2始動口15bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技や小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(演出図柄の組合せによる停止図柄)を導出表示する。
液晶表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15a及び第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bにて検出された有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示可能な8つのLEDを有する特別図柄保留記憶表示器18(図5参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口スイッチ14aにて検出された有効入賞球を4個まで表示可能であるとともに、第2始動口スイッチ14bにて検出された有効入賞球を4個まで表示可能である。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減少するごとに、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、本実施形態では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21a(図5参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施形態では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図5参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、及び、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L、27R、27a、27bと総称してスピーカ27と表記する場合がある。また、遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図5参照)が内蔵される左発光部28L及び右枠LED28c(図5参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。更に、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28b及び右枠LED28c及び装飾用LEDは、ロゴパネル500と同じく、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。これら賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530、ロゴパネル500内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力される信号に基づいて発光制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下してくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8並びにLED表示パネルP1〜P6における図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。これら特別可変入賞球装置20の開放は、例えば「16」や「2」のような所定回数、繰返し実行される。このような制御は、繰返し開放制御と呼ばれる。繰返し開放制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
停止時の特別図柄表示器8並びにLED表示パネルP1〜P6における図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8並びにLED表示パネルP1〜P6での変動表示の停止時における図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、LED表示パネルP1〜P6、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられることで、始動入賞の頻度が高まる、いわゆる電チューサポート制御が実行される。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および演出図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか一方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施形態の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域7に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、上述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および演出図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および演出図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
LED表示パネルP1〜P6において変動表示される演出図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、LED表示パネルP1〜P6により、左図柄と右図柄がゾロ目又は特定の図柄(例えば、後述する確変大当りBの「3」と「7」の組み合わせ図柄等)となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。特別図柄表示器8とLED表示パネルP1〜P6とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
また、LED表示パネルP1〜P6および液晶表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行われる場合がある。この実施形態の場合は、大当りとして、後述するように通常大当りC及び確変大当りAというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りCは、16ラウンドの大当り遊技状態の終了後に前述した確変状態にならず、かつ、100回の変動表示が実行されるまで又は次の大当りが発生するまで時短状態に制御されることにより、低確率状態、かつ、高ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ高ベース状態となった状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りAは、16ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)になり、かつ、次の大当りが発生するまで時短状態(高ベース状態)となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りBは、開放時間の短い短開放2ラウンド(特別可変入賞球装置20が、例えば、0.2秒だけ開放されることで実質的に入賞が発生しないラウンド)の大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)になり、かつ、時短状態とならない(低ベース)大当りである。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。小当りは、確変大当りBと同じく、開放時間の短い短開放2ラウンドの小当り遊技状態の終了後に確変状態にならず(低確率状態)、かつ、時短状態とならない(低ベース)大当りである。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。尚、本実施形態の確変大当りAでは、次の大当りが発生するまで時短状態になる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変大当りとなった後においては、所定期間(例えば、100回の変動表示)が経過すると時短状態が終了するようにしても良い。
よって、本実施形態では、確変大当りBと小当りの場合において、同一の演出図柄が停止表示されるとともに、特別可変入賞球装置20の開放態様が同一の開放態様とされるので、発生したのが確変大当りBであるのか、或いは小当りであるのかを遊技者が判別することが難しいものとなっているため、確変大当りBが発生した場合には、該確変大当りBの発生に伴う高確率状態を、遊技者に認識されないように潜伏させた状態(潜伏確変状態)とすることができる。
図5は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図5には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路79と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、及び、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、リセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および演出図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R(ランダムR)として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの決定は、実際には特別図柄および演出図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの決定以外の判定用乱数として用いてもよい。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを演出制御基板80に送信(出力)する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に送信(出力)する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を、出力回路78を介して送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや変動表示コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、LED表示パネルP1〜P6や液晶表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。尚、本実施形態では、客待ちデモ画面をLED表示パネルP1〜P6に表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、客待ちデモ画面を液晶表示装置9のみに表示するようにしても良い。
また、変動表示コマンドは、特別図柄の変動表示に対応してLED表示パネルP1〜P6において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
演出制御基板80には、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、各LED表示パネルP1〜P6並びに液晶表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等が搭載されている。
この実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する6つのLED表示パネルP1〜P6の表示制御や液晶表示装置9の表示制御、並びにスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。
また、液晶表示装置9は、液晶パネル9pを有しており、この液晶パネル9pにより表示部(表示領域)が形成されている。このように、本実施形態では液晶パネル9pを使用して表示部を構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶表示装置9は、演出図柄の画像等を所定の解像度(表示画素密度)で表示することのできるものであれば、液晶以外の画像表示形態の表示装置、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の表示装置により構成されてもよい。また、LED表示パネルP1〜P6においては、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、演出図柄の変動表示を行う。また、LED表示パネルP1〜P6は、演出図柄の変動表示の他にも、例えば、「V」などの演出画像や、液晶表示装置9に表示された演出画像と連携したエフェクト画像(エフェクト表示)を表示することができる。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの発光制御を行う。
また、演出制御基板80には、図5に示すように、6つのLED表示パネルP1〜P6を動作(移動)させるための6つの駆動モータM1〜M6が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ81が各駆動モータM1〜M6の動作を制御することで、各LED表示パネルP1〜P6の移動が制御されるようになっている。
図6に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、各種の演出において液晶表示装置9及び各LED表示パネルP1〜P6に表示する画像に関するデータや表示の開始タイミングや終了タイミング等のタイムチャート等が演出の種別毎に記憶されている。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に対して、液晶表示装置9の液晶パネル9pに表示する画像の生成やバックライトLED9bの発光強度の調整等の液晶表示装置9の表示制御を行わせる第1表示制御処理や、各LED表示パネルP1〜P6に表示する発光画像の生成等のLED表示パネルP1〜P6の発光制御を行わせる第2表示制御処理を実施する。
この実施形態では、図6に示すように、ロゴパネル500内に設けられて該ロゴパネル500を発光させるためのロゴパネル用LED500’に駆動信号(パルス)を出力してロゴパネル用LED500’を発光させるロゴパネル用LED駆動回路88が演出制御基板80に搭載されており、該ロゴパネル用LED駆動回路88からの駆動信号(パルス)の信号幅(パルス幅)を変更することで、ロゴパネル用LED500’の発光強度を変更する制御を、演出制御基板80(演出制御用CPU86)が行うことができるようになっている。尚、本実施形態では、ロゴパネル用LED駆動回路88を演出制御基板80に搭載した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、このロゴパネル用LED駆動回路88をロゴパネル500や、ロゴパネル500と演出制御基板80との間に設けられた中継基板等に設けるようにしてもよい。
この実施形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と協働して液晶表示装置9や各LED表示パネルP1〜P6の表示制御を行うVDP(表示制御手段)262が演出制御基板80に搭載されている。
VDP262は、図6に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データ(元画像)としてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、VRAM領域(画像データ格納手段)として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述するフレームバッファへの画像の描画制御を行う描画制御部206(配列手段)、CGROM205に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する画像描画領域に格納されている画像データを出力して液晶表示装置9や各LED表示パネルP1〜P6に送る表示制御部213(出力部)などが搭載された集積回路である。
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ81の演出制御用CPU86と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介してCGROM205に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU86は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、CGROM205、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、後述するVRAM領域における画像描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における画像表示領域及び画像描画領域の各領域データ(アドレス)などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って各種の画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、LED表示パネルP1〜P6に表示される演出図柄の画像データや動画像データ、並びに液晶表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等、および背景画像の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、SDRAM210のVRAM領域において、その読み出した画像データの画像表示および画像描画を実行し、この画像データをLEDパネル制御基板220へ送って、LED表示パネルP1〜P6における発光制御と液晶表示装置9における画像表示とを実行させる。
画像データには、LED表示パネルP1〜P6にて変動表示させる演出用の演出図柄の画像データであるLED表示用データと、液晶表示装置9の画面上に表示させる演出画像の画像データである液晶表示用データと、が含まれる。LED表示用データには、LED表示パネルP1〜P6に含まれる複数の発光単位のいずれかを指定するための駆動制御データと、該駆動制御データにて指定された発光単位に含まれるLED素子の各発光色に対応した輝度(階調)を指定する階調制御データとが、含まれていればよい。
SDRAM210は、VRAM領域として構成されており、このVRAM領域には、パレットデータが配置されるパレット領域、必要なキャラクタが画像データROM263から読み出されて格納されるキャラクタ用バッファ、描画制御部206が画像を描画する際にパレットデータ(キャラクタの表示色が定義されたデータ)を一時的に保存するため、及び、描画制御部206が画像を描画する際にCGデータを一時的に保存するためのCG用バッファなどの各領域が割り当てられている。
また、VRAM領域には、バッファAの領域とバッファBの領域とが割り当てられている。バッファA及びバッファBには、それぞれLED表示パネルP1〜P6および液晶表示装置9に表示する画像が描画される描画領域が設定されており、各描画領域に描画された画像のデータが、LED表示用データ及び液晶表示用データとして読み出される。尚、これらLED表示用データ及び液晶表示用データの読み出しは、後述するように、バッファAに対して描画が実行されているときには、バッファBから読み出され、バッファBに対して描画が実行されているときには、バッファAから読み出されるようになっており、同じバッファにおいて描画と読み出しとが同時に発生しないようになっている。
尚、バッファAとバッファBにおいてLED表示パネルP1〜P6に表示する画像が描画される描画領域をメインフレームバッファと称し、バッファAとバッファBにおいて液晶表示装置9に表示する画像が描画される描画領域をサブフレームバッファと称する。
よって、メインフレームバッファには、6つのLED表示パネルP1〜P6のそれぞれに表示する画像データが描画されて、読み出し可能に格納される。尚、このメインフレームバッファは、6つの描画領域に分けられており、LED表示パネルP1〜P6のそれぞれに表示する画像データが描画されて、読み出し可能に格納される。また、サブフレームバッファには、液晶表示装置9に表示する画像データが描画されて、読み出し可能に格納される。
尚、バッファAとバッファBとは、後述するVブランクが発生するごとに互いに切り替わることにより、バッファAのメインフレームバッファとサブフレームバッファに画像が描画されているときには、バッファBのメインフレームバッファとサブフレームバッファから画像データが読み出され、バッファBのメインフレームバッファとサブフレームバッファに画像が描画されているときには、バッファAのメインフレームバッファとサブフレームバッファから画像データが読み出される。Vブランクは、液晶表示装置9の画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが発生するごとに、VDP262から演出制御用CPU86に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP262から演出制御用CPU86に対して出力される。
LED表示パネルP1〜P6および液晶表示装置9に割り当てられた各描画領域のアドレスが表示レジスタにて指定されることにより、表示制御部213は、該描画領域からLED表示用データおよび液晶表示用データを読み出し、これらLED表示用データと液晶表示用データとを含む画像データをLEDパネル制御基板220に向けて出力する。これにより、メインフレームバッファに描画されて格納されている画像がLED表示パネルP1〜P6に表示され、サブフレームバッファに格納されている画像が液晶表示装置9に表示される。
上述のように、演出制御用CPU86は、CPUインターフェイス201を介してシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっており、上述した各LED表示パネルP1〜P6や液晶表示装置9の表示パターンを定めたプロセスデータに従ってこれらシステムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203に実行命令や必要なデータを格納することで、VDP262を間接的に制御する。
プロセスデータには、Vブランク毎に演出制御用CPU86がシステムレジスタ202やアトリビュートレジスタ203に対して行う設定内容が定められている。システムレジスタ202の設定内容としては、描画、データ転送命令や、データ転送を行うCGデータやパレットデータ、アトリビュートの設定、画像データの出力周期であるドットクロック値、液晶表示装置9のフレーム周期用のドット数、各LED表示パネルP1〜P6のそれぞれのフレーム周期用のドット数などがある。ここで、液晶表示装置9のフレーム周期用のドット数は、X軸方向(横方向)のドット数とY軸方向(縦方向)のドット数とにより特定させてもよい。この場合、それぞれ液晶表示装置9の表示部を構成する物理的なX軸方向のドット数及びY軸方向のドット数よりも多く設定させてもよい。
また、アトリビュートレジスタ203の設定内容は、アトリビュート、すなわちキャラクタを描画する際に使用されるパラメータそのものである。また、プロセスデータには、Vブランク毎に画像の更新が行われるようにアトリビュートが設定されている。このため、画像の更新は、Vブランク毎に行われることとなる。
演出制御基板80に搭載された本実施形態のVDP262の表示制御部213は、上記したように、表示レジスタにて指定されている描画領域から画像データを読み出して出力する。また、表示制御部213は、描画領域から画像データを読み出すと、読み出した順に、該画像データに含まれているLED表示用データに対し、「16」、「17」、「17」の3つの識別子を順番にかつ繰り返し付加し、その後に該画像データを出力する。識別子は、後述するように、LEDパネル制御基板220の表示制御データ生成回路223が、バッファメモリ222から読み出したLED表示用データを処理するのに、16ms、17ms、17msのいずれで処理するのかを特定するのに用いられる。16ms、17ms、17msは、画像データを30FPSで表示するために設定された時間である。
表示制御部213は、例えば、描画領域から1番目に読み出した画像データに含まれているLED表示用データに対しては「16」の識別子を付加し、2番目に読み出された画像データに含まれているLED表示用データに対しては「17」の識別子を付加し、3番目に読み出された画像データに含まれているLED表示用データに対しては「17」の識別子を付加し、4番目に読み出された画像データに含まれているLED表示用データに対しては「16」の識別子を付加する。
表示制御部213には、該表示制御部213から出力される画像データを液晶表示装置9へ伝送する液晶表示用データとLED表示パネルP1〜P6へ伝送するLED表示用データとに分離する信号分離回路221が接続され、更に、この信号分離回路221を介して該LED表示用データを記憶可能なバッファメモリ222に接続されている。そして、このバッファメモリ222から読み出されたLED表示用データが表示制御データ生成回路223にて表示制御データに変換され、シリアル出力回路224を介して、各LED表示パネルP1〜P6に設けられた発光体ドライバ225a〜225fへ送られる。尚、本実施形態において、信号分離回路221、バッファメモリ222、表示制御データ生成回路223、シリアル出力回路224は、演出制御基板80とは異なる別個の基板であるLEDパネル制御基板220に実装されている。ただし、信号分離回路221、バッファメモリ222、表示制御データ生成回路223、シリアル出力回路224のうちの一部は、さらに別の基板に実装してもよい。
LEDパネル制御基板220は、VDP262がVRAM領域から読み出した画像データからLED表示用データを分離してLED表示パネルP1〜P6に設けられた各発光体ドライバ225a〜225fに送信する回路として、信号分離回路221と、バッファメモリ222と、表示制御データ生成回路223と、シリアル出力回路224とを備えている。尚、LEDパネル制御基板220に実装される信号分離回路221等の各回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)といった、専用ICを用いて構成されたものであればよい。或いは、LEDパネル制御基板220に実装される信号分離回路221等の各回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)といったプログラム可能な集積回路を用いて構成されたものであってもよい。
信号分離回路221は、VDP262から出力された画像データのうち、LED表示パネルP1〜P6のそれぞれにマトリックス状に配置された複数のLED素子の発光制御に使用されるLED表示用データを分離する。例えば、表示制御部213から送られてくる画像データには6つのLED表示パネルP1〜P6のそれぞれに変動表示される演出図柄のLED表示用データと液晶表示装置9で画像表示される演出画像の液晶表示用データが含まれており、6つのLED表示用データと1つの液晶表示用データのそれぞれの先頭には識別符号(ヘッダ)が付されている。例えば、LED表示パネルP1に対応するLED表示用データには識別符号「1」が付され、LED表示パネルP2に対応するLED表示用データには識別符号「2」が付され、液晶表示装置9に対応する液晶表示用データには識別符号「7」というように、各LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9に対応した識別符号(ヘッダ)が付されている。信号分離回路221は、LED表示用データに付されている識別符号を参照し、該識別符号が「1」〜「6」のいずれかであるときには、LED表示パネルPに対応するLED表示用データであるとして画像データから分離してバッファメモリ222へ送る。一方、該識別符号が「7」であるときには、液晶表示装置9に対応する液晶表示用データであるとして液晶表示装置9へ送る。このように、本実施形態では、信号分離回路221が識別符号(ヘッダ)によってLED表示用データと液晶表示用データとを分離する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、出力されるデータ列のうちの特定の位置のデータを取り出すことで分離するようにしても良い。
表示制御データ生成回路223は、バッファメモリ222に一時記憶されているLED表示用データを読み出し、このLED表示用データに含まれている各色(R(赤)、G(青)、B(青))の8ビットの階調制御データを、表示制御データ生成テーブルTC1(図13参照)を用いて変換することで、6ビットの階調制御データを含む表示制御データを生成する。また、表示制御データ生成回路223は、LED表示用データを変換して生成した表示制御データを、6つのLED表示パネルP1〜P6のそれぞれに対応した表示制御データに分け、これら表示制御データをシリアル出力回路224に送る。
また、表示制御データ生成回路223は、バッファメモリ222からLED表示用データを読み出すと、このLED表示用データに付加されている識別子を確認し、この識別子にもとづいて該LED表示用データを表示する時間(フレーム期間)を特定する。例えば、バッファメモリ222から読み出したLED表示用データに付加されている識別子が「16」であるときは、該LED表示用データはフレーム期間が16msであるものと特定する。また、その識別子が「17」であるときは、該LED表示用データはフレーム期間が17msであるものと特定する。
シリアル出力回路224は、表示制御データ生成回路223が生成した表示制御データを、シリアル信号方式で各LED表示パネルP1〜P6に搭載された発光体ドライバ225a〜225fに出力する。表示制御データには、駆動制御データと階調制御データとが含まれていればよい。シリアル出力回路224は、表示制御データを出力するためのシリアル出力系統として、例えば2系統といった、複数の信号出力構成(出力回路および出力配線)を有している。シリアル出力回路224には、2系統のシリアル出力系統T01〜T02のそれぞれに対応するシリアル信号配線が接続され、各配線にシリアル信号方式で、表示制御データを出力する。尚、本実施形態においては、シリアル出力系統を2系統としているが、これに限定されるものではなく、1系統であってもよく、或いは、3系統以上であってもよい。
また、1のシリアル出力系統に接続される1又は2以上の発光体ドライバ225は、シリアル信号配線を介したシリアルバス方式で接続されていればよい。例えば、図6に示す1のシリアル出力系統T01のシリアル信号配線は、シリアル出力回路224から、LED表示パネルP2を駆動する発光体ドライバ225bに接続され、続いてLED表示パネルP1を駆動する発光体ドライバ225aに接続され、さらにLED表示パネルP3を駆動する発光体ドライバ225cに接続されていればよい。また、他の1のシリアル出力系統T02のシリアル信号配線は、シリアル出力回路224から、LED表示パネルP5を駆動する発光体ドライバ225eに接続され、続いてLED表示パネルP4を駆動する発光体ドライバ225dに接続され、さらにLED表示パネルP6を駆動する発光体ドライバ225fに接続されていればよい。尚、シリアルバス方式で接続されるものに限定されず、複数の発光体ドライバ225a〜225fが直列接続(デイジーチェーン方式で接続)されてもよい。
図7は、発光体ドライバ225a〜225fの構成例を示している。各発光体ドライバ225a〜225fは、シリアル信号配線を介してシリアル出力回路224から伝送されてきた表示制御データにもとづいて、発光体マトリックス238に配置された複数のLED素子の発光制御を行う。
複数の発光体ドライバ225a〜225fはそれぞれ、駆動制御データに応じてLED素子の駆動制御を行う駆動制御回路となるストローブ側駆動回路236と、階調制御データに応じてLED素子の階調制御を行う階調制御回路となるデジット側駆動回路237と、これらストローブ側駆動回路236とデジット側駆動回路237とを用いて発光体マトリックス238に含まれる複数のLED素子のダイナミック発光制御を実行する発光制御部235と、シリアル出力回路224から伝送されてきた表示制御データを記憶する表示制御データ用バッファ233と、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして所定のタイミングで記憶する駆動データ用バッファ234とを備えている。
発光体ドライバ225a〜225fのそれぞれには、互いに異なるアドレス情報が割り当てられている。シリアル出力回路224は、アドレス情報を付加した表示制御データを、シリアル出力系統Tに含まれるシリアル信号配線に出力することで、発光体マトリックス238に対応する複数の発光体ドライバ225のいずれかに表示制御データを伝達する。
シリアル信号配線には、シリアルクロックSCが伝送されるシリアルクロック配線と、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDが伝送されるシリアルデータ配線とが含まれていればよい。シリアル信号配線に接続された発光体ドライバ225a〜225fは、シリアルクロックSCに同期したシリアルデータSDとして伝送される表示制御データ(駆動制御データまたは階調制御データ)を取り込んで、複数のLED素子の発光制御を行う。
ストローブ側駆動回路236は、8本のストローブ信号線が接続され、8列に整列配置された複数のLED素子を列毎に駆動制御するための駆動制御データにもとづくストローブ信号をストローブ信号線に出力する。デジット側駆動回路237は、8本のデジット信号線が接続され、8行に整列配置された複数のLED素子を階調制御するための階調制御データにもとづくデジット信号をデジット信号線に出力する。こうして、LED表示パネルP1〜P6に設けられた発光体マトリックス238のそれぞれにおいては、整列配置された複数のLED素子が、ストローブ信号がオンとなる発光駆動期間にてデジット信号に応じたデューティ比で発光して、複数のLED表示パネルP1〜P6ごとに、ダイナミック点灯方式(パルス点灯方式、デューティ点灯方式、時分割点灯方式ともいう)により点灯態様を変化させることができる。このように、複数のLED表示パネルP1〜P6ごとにダイナミック発光制御を行うように構成することで、複数の発光体ドライバ225a〜225fを用いた発光制御の並列実行が可能になる。
発光体マトリックス238は、ストローブ側の8列およびデジット側の8行からなる合計64個のLED素子を含むように形成されている。6つのLED表示パネルP1〜P6のそれぞれに搭載された各発光体マトリックス238は、いずれも同数のLED素子を発光制御できるように構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらLED表示パネルP1〜P6のそれぞれに搭載された各発光体マトリックス238のLED素子の数が異なるものであってもよい。尚、1つの発光体マトリックス238に含まれるLED素子の数は、合計64個に限定されず、発光体ドライバの仕様や設計などにもとづいて予め定められた任意の個数であればよい。例えば、ストローブ信号線を12本構成として、12列に整列配置された複数のLED素子を駆動制御する場合には、ストローブ側の12列およびデジット側の8行からなる合計96個のLED素子が、1つの発光体マトリックス238に含まれるように形成すればよい。また、1つの発光体マトリックス238で発光制御できるLED素子の数と、実際に1つの発光体マトリックス238に含まれているLED素子の数とは、必ずしも常に一致していなくてもよい。例えば、1つの発光体マトリックス238で発光制御できるLED素子の数が96個である一方、実際に1つの発光体マトリックス238に含まれるLED素子の数は、LED表示パネルP1〜P6におけるLED素子の配置などにより、96個よりも少なくなる場合があってもよい。このように、複数のLED素子が配置された領域よりも小さいモジュールとしての発光体マトリックス238ごとに、所定数以下のLED素子を発光制御するように構成されていればよい。
発光制御部235は、表示制御データに基づきストローブ側駆動回路236とデジット側駆動回路237とを動作させることにより、発光体マトリックス238の発光制御を行う。発光制御部235は、入力したクロック信号にもとづいて所定時間であるコモン選択周期(例えば2ms)が経過すると、発光体マトリックス238における複数のコモンのうちの1のコモン(例えばコモン1(C1))を選択し、選択したコモン1(C1)に対応する駆動データを駆動データ用バッファ234から読み出し、ストローブ側駆動回路236を動作させてコモン1(C1)に接続されたストローブ信号線にストローブ信号を送る(電流を流す)とともに、読み出した駆動データに含まれる階調制御データにもとづき生成したデジット信号をデジット側駆動回路237に送信し、コモン1(C1)に対応する複数のLED素子を発光制御させる。
次いで、発光制御部235は、入力したクロック信号にもとづいてコモン選択周期(例えば2ms)が経過すると、発光体マトリックス238における複数のコモンのうちの次のコモン(例えばコモン2(C2))を選択し、選択したコモン2(C2)に対応する駆動データを駆動データ用バッファ234から読み出し、ストローブ側駆動回路236を動作させてコモン2(C2)に接続されたストローブ信号線にストローブ信号を送る(電流を流す)とともに、読み出した駆動データに含まれる階調制御データにもとづき生成したデジット信号をデジット側駆動回路237に送信し、コモン2(C2)に対応する複数のLED素子を発光制御させる。
このように、発光制御部235は、コモン選択周期(例えば2ms)が経過する毎に、複数のコモンを順番に一つずつ選択し、この選択したコモンに対応する駆動データを駆動データ用バッファ234から読み出し、ストローブ側駆動回路236を動作させて選択したコモンに接続されたストローブ信号線にストローブ信号を送るとともに、読み出した駆動データに含まれる階調制御データにもとづき生成したデジット信号をデジット側駆動回路237に送信し、選択したコモンに対応する複数のLED素子を発光制御する。これにより、1のコモンに対応した複数のLED素子からなる発光単位毎に、コモン選択周期(例えば2ms)にしたがって、順番に発光制御を実行していくことができる(図7右下参照)。
更に、発光制御部235は、コモンC8に対応する複数のLED素子に対して発光制御を行い、コモン選択周期(例えば2ms)が経過すると、今度は複数のコモンのうちのコモン1(C1)を選択し、選択したコモン1(C1)に対応する複数のLED素子を発光制御する。これにより、発光体マトリックス238に配置された複数のLED素子に対して発光単位毎(コモン毎)に順番に発光制御を行い、この発光制御を繰り返す。尚、発光体マトリックス238に配置された複数のLED素子に対して発光単位毎(コモン毎)に順番に発光制御を行い、この発光制御を繰り返して実行するとき(コモンC1から順にコモンC8まで行う発光制御を繰り返し実行していくとき。図7右下参照)の繰り返し周期を駆動周期とする。
発光制御部235は、シリアル出力回路224から送信されてきた表示制御データをシリアル通信インターフェイス239を介して受信すると、この表示制御データを表示制御データ用バッファ233へ送って記憶させる。
また、発光制御部235は、発光体マトリックス238のコモンC8に対して発光制御を実行すると、その後に、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に記憶(格納)させる(図8(a)参照)。駆動データは、表示制御データの複製であるため、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データに含まれる駆動制御データ及び階調制御データが、そのまま駆動データに含まれる駆動制御データ及び階調制御データとして複製されて、駆動データ用バッファ234に記憶される。
このように、発光制御部235が発光体マトリックス238のコモンC8に対して発光制御を実行した後に表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に格納することにより、LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新周期と、LED表示パネルP1〜P6の発光制御における駆動周期とが一致しないときでも、LED表示パネルP1〜P6に対し適切な発光制御を行うことができる。その理由を、図8(a)、(b)を参照しつつ以下に説明する。
従来のパチンコ遊技機1において、発光体ドライバ225には、表示制御データ用バッファ233が搭載されていたが、駆動データ用バッファは搭載されていなかった。
LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新周期は、図8(b)に示すように、画像データを液晶表示装置9と同様に30FPSで作成することから、16ms、17ms、17msの繰り返しとして設定されている。これに対し、LED表示パネルP1〜P6の発光制御における駆動周期は、図8(b)に示すように、発光体マトリックス238における8つのコモンC1〜C8を1巡して発光制御する時間として16msとなる。
このように、LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新周期と、LED表示パネルP1〜P6の発光制御における駆動周期とを比較すると、前者は16msまたは17msであるのに対し、後者は16msであり、ずれが生じている。しかも、後者に比べて前者の方が時間的に長くなっている。このため、発光制御部235は、発光体マトリックス238に対して適切な発光制御が行えないという問題が生じる。
例えば、発光制御部235が発光体マトリックス238におけるコモンC1〜C8に対して発光制御を2回繰り返して行い、コモンC1〜C8に対する3回目の発光制御を行おうとして表示制御データ用バッファ233からコモンC1の表示制御データを取り出したとき(図8(b)の(iii))、このコモンC1の表示制御データは未だ更新されていないことから、このコモンC1に対応するLED素子に対しては、「消灯」ではなく、2回目と同じ「7点灯」の表示制御データによる発光制御が行われてしまうことになる。
このコモンC1に対応するLED素子の発光制御を実行した後において、発光制御部235は、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データを、「7点灯」を示す表示制御データから「消灯」を示す表示制御データに更新する。
表示制御データの更新後、コモン選択周期(2ms)が経過すると、発光制御部235は、発光制御を行うコモンを選択しようとするが、コモンC1は既に選択したので、ここではコモンC2を選択することになる(図8(b)の(iii)のC1、(iv)のC2参照)。そして、発光制御部235は、コモンC2に対応する表示制御データを表示制御データ用バッファ233から読み出し、この表示制御データにもとづいてコモンC2に対応する複数のLED素子を発光制御する。このとき、表示制御データは「消灯」を示すものであることから、コモンC2に対応する複数のLED素子はすべて消灯するように制御される。
その後、発光制御部235は、コモンC3〜C8に対し「消灯」を示す表示制御データにもとづく制御(該コモンC3〜C8に対応する複数のLED素子をすべて消灯する制御)を実行する。ところが、コモンC1に対応する複数のLED素子については、コモンC8の消灯制御が実行されたときでも消灯制御が実行されず、依然として発光した状態が続いてしまう(図8(b)の(v)参照)。そして、コモンC8に対する消灯制御が終了し、コモン選択周期が経過した後に、漸くコモンC1に対する発光制御(消灯)が行われるようになる。
ここで、本来、LED素子の消灯は、コモンC1→C2→C3・・・→C8の順に行われるべきであるが、図8(b)の(iv)〜(vi)に示すように、コモンC2〜C8に対応するLED素子がすべて消灯した後もコモンC1に対応するLED素子が点灯し続けてしまったり、あるいは、図8(b)の(vii)〜(ix)に示すように、コモンC2〜C8に対応するLED素子を発光制御した後もコモンC1の消灯状態が続いてしまったりすると、発光体マトリックス238の発光表示にチラツキが生じるようになる。
発光体マトリックス238における演出図柄の変動表示は、該パチンコ遊技機1において遊技を行う遊技者が特に注目する演出表示であり、この演出図柄がちらついてしまうと、演出効果が低下することになる。例えば、「7点灯」を示す表示制御データと「消灯」を示す表示制御データが交互に表示制御データ用バッファ233に記憶される場合には、LED表示パネルP1〜P6においては「7」を表す演出図柄が点滅表示される。LED表示パネルP1〜P6にて演出図柄の変動表示が行われる場合において、「7」を表す演出図柄が点滅表示する場合としては、例えば、演出図柄の変動表示が開始し、この演出図柄が高速で変動表示した後、最終停止図柄である「7」がLED表示パネルP2又はLED表示パネルP5に停止しようとしているときに、該「7」を点滅させることが考えられる。この場合、該「7」が点滅表示することで、該「7」が最終停止図柄としてLED表示パネルP2又はLED表示パネルP5に停止するかもしれないとの期待感を、遊技者に抱かせることができる。ところが、この点滅中の演出図柄「7」がちらついて見え、このチラツキの度合いが遊技者にとって大きくなると、演出そのものよりもチラツキに意識が向いてしまうことがあり、演出そのものに対する注目度合いが低下し、期待感を抱かせて遊技の興趣を高めるといった演出効果が低下することになる。
このようなチラツキを解決する方法として、例えば、LED表示パネルP1〜P6の駆動周期を液晶表示装置9と同様に30FPSに一致させる(すなわち、LED表示パネルP1〜P6の駆動周期を16ms又は17msに変更できるようにする。)ことが考えられる。これにより、LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新周期とLED表示パネルP1〜P6の駆動周期が一致するので、例えばコモンC1に対する発光制御において更新前の表示制御データが用いられるといった事態が解消される。このため、発光体マトリックス238の発光表示にチラツキが生じることがなくなり、適切な発光制御が行えるようになる。
ところが、LED表示パネルP1〜P6の駆動周期を30FPSに一致させるためには、モータ制御や他の発光制御を含む他の演出制御の内容(タイミング等のカウント値等)をすべて変更する必要があり、開発負担が大きくなってしまう。
そこで、開発負担が大きくなってしまうことを防ぎつつ、発光体マトリックス238にて表示される演出図柄の表示のチラツキを解消できる本発明を創作した。すなわち、LED表示パネルP1〜P6毎に設けられている発光体ドライバ225a〜225fのそれぞれにおいて表示制御データを記憶する表示制御データ用バッファ233とは別に、その表示制御データの複製データである駆動データを記憶させる駆動データ用バッファ234を新たに設けることとした。そして、発光制御部235が発光体マトリックス238の発光制御を実行する場合において駆動周期が経過するとき、つまりコモンC8の発光制御を実行した後に、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に記憶させることで、該駆動データを更新することとした。これにより、LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新周期とLED表示パネルP1〜P6の駆動周期が一致するので、発光体マトリックス238にて表示される演出図柄の表示のチラツキを解消できる。これに加えて、液晶表示装置9のフレーム周期に対応して作成された素材データをそのまま使用できるため、開発効率を高めることができるという効果も生じる。
具体的に、発光制御部235は、次のように動作する。発光体マトリックス238に対して1回目の発光制御を行い、この中で該発光体マトリックス238のコモンC8に対する発光制御を行うと、発光制御部235は、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの内容と駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容を比較し、これら表示制御データの内容と駆動データの内容が相違しているときは、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に記憶(格納)させる。これにより、該駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データが更新される(図8(a)の「駆動データ用バッファへ格納」参照)。
次いで、発光制御部235は、発光体マトリックス238に対して2回目の発光制御を行うと、該発光体マトリックス238に配置された複数のLED素子が駆動データにもとづいて列毎(コモン毎)に発光制御される(図8(a)の(i)〜(iii)参照)。発光制御部235は、該発光体マトリックス238のコモンC8に対する発光制御を行うと(図8(a)の(iii)参照)、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの内容と駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容を比較し、これら表示制御データの内容と駆動データの内容が同じであるとき、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に記憶(格納)しない。これにより、駆動データ用バッファ234には、それまで記憶されていた駆動データが引き続き記憶される。
続いて、発光制御部235は、発光体マトリックス238に対して3回目の発光制御を行うと、該発光体マトリックス238に配置された複数のLED素子が駆動データにもとづいて列毎(コモン毎)に発光制御される。発光制御部235は、該発光体マトリックス238のコモンC8に対する発光制御を行うと、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの内容と駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容を比較し、これら表示制御データの内容と駆動データの内容が相違しているとき、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に記憶(格納)させる。これにより、該駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データを更新する(図8(a)において「消灯」を示す表示制御データが駆動データ用バッファに「格納」される部分を参照)。
このような動作を行うことにより、LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新周期とLED表示パネルP1〜P6の駆動周期が一致し、発光体マトリックス238のコモンC8に対して発光制御を行ったときに発光体マトリックス238の発光表示が更新されているので、適切に発光制御を行うことができる。これにより、例えばコモンC1に対する発光制御において更新前の駆動データが用いられるといった事態が発生しなくなり、発光体マトリックス238の発光表示においてチラツキがなくなる。
また、本実施形態において、発光制御部235は、発光体マトリックス238のコモンC8に対して発光制御を実行すると、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの内容と駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容を比較し、これら表示制御データの内容と駆動データの内容が同じであるとき、該表示制御データを複製した駆動データを駆動データ用バッファ234に記憶させない(駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データを更新しない)こととしている。これにより、駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容が表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データと既に同一であるにも拘わらず該駆動データを更新するといった無駄な処理を省略することができる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、周知のメイン処理を開始する。
また、タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図9に示す制御によって、この実施形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。尚、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b及びLED表示パネルP1〜P6にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態となり、大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がハズレ図柄になる場合における「通常ハズレ」の変動表示態様という。
この実施形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態となり、最終的にLED表示パネルP1〜P6における「左」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、LED表示パネルP1〜P6において、演出図柄の変動表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「37」、「73」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応するLED表示パネルP1〜P6における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)の一例を示すフローチャートである。CPU56は、パチンコ遊技機1の状態に応じて、図10に示す特別図柄プロセス処理を実行する。
次に、演出制御基板80の動作を説明する。図11は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、演出制御用CPU86)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、演出制御用CPU86は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S400)。
初期化処理において、演出制御用CPU86は、液晶表示装置9のフレーム周期の開始タイミングであるVシンクのタイミングと、LED表示パネルP1〜P6のフレーム周期の開始タイミングであるVシンクとのタイミングとを一致させる。例えば、演出制御用CPU86は、VDP262に対して、液晶表示装置9のフレーム周期の開始タイミングであるVシンクを開始する指示とLED表示パネルP1〜P6のフレーム周期の開始タイミングであるVシンクを開始する指示とを同時に行う。
その後、演出制御用CPU86は、復旧処理を行う。上述したように、CPUインターフェイス201は、LED表示パネルP1〜P6に対応するVブランクの開始毎に演出制御用CPU86に対してVブランク割込信号を出力する。演出制御用CPU86は、例えば、Vブランク割込信号が入力されたタイミングで図示しないタイマを起動し、その後、そのタイマの値が所定時間に対応する値になった場合、換言すれば、Vブランク割込信号が所定時間以上入力されない場合に、復旧処理を行う。所定時間は、フレーム周期よりの長い時間であり、例えば、フレーム周期の2倍である1/30秒である。
復旧処理では、演出制御用CPU86は、液晶表示装置9、LED表示パネルP1〜P6及びVDP262の再起動を行う。例えば、演出制御用CPU86は、液晶表示装置9、LED表示パネルP1〜P6及びVDP262に対する電源供給を停止し、その後に再度供給する制御を行う。尚、演出制御用CPU86は、液晶表示装置9、LED表示パネルP1〜P6のみの再起動を行ってもよいし、VDP262のみの再起動を行ってもよい。
その後、演出制御用CPU86は、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S401)。その後、タイマ割込フラグの監視(S402)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU86は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU86は、そのフラグをクリアし(S403)、以下の演出制御処理を実行する。また、タイマ割込が発生していない場合には、前述の復旧処理とS401の乱数更新処理を実施して再度S402に戻る。
演出制御処理において、演出制御用CPU86は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S404)。次いで、演出制御用CPU86は、演出制御プロセス処理(S405)を行った後、輝度制御処理(S406)を実行する。その後、復旧処理以降の処理に移行する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して液晶表示装置9の表示制御を実行する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理(S404)では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
また、S403〜S406の処理に加えて、液晶表示装置9の表示領域内に設定された、特別図柄保留記憶表示器18にて表示される保留記憶数の記憶状態を表示する保留記憶表示領域の表示を制御するための保留記憶表示制御処理を実施するようにしてもよい。尚、この保留記憶表示制御処理においては、上述した第1始動口スイッチ通過処理または第2始動口スイッチ通過処理にて送信される始動入賞時判定結果指定コマンドから、大当りとなると判定された保留記憶の表示を、所定の確率にて通常の表示態様とは異なる特別表示態様に変更することで、当該保留記憶に対応する変動表示において大当りとなる可能性が高いことを予告する先読み予告演出を実行するための処理を実施するようにしてもよい。
また、これら先読み予告演出と同様に、保留記憶に対応する変動表示において大当りとなる可能性が高いことを、当該保留記憶に対応する変動表示が実施される前の複数回の変動表示に亘って、例えば、カウントダウン表示等を実施することで予告する先読み連続予告を実施するための先読み連続予告処理を、S403〜S406の処理に加えて実施するようにしてもよい。
図12は、図11に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S405)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS500〜S506のうちのいずれかの処理を行う。尚、演出制御プロセス処理では、LED表示パネルP1〜P6の表示状態が制御され、演出図柄(演出図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(演出図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(演出図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
尚、本実施形態では、小当りが発生した場合においては、S504〜S506において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
尚、演出図柄変動開始処理においては、当該変動において大当りとなる可能性を示唆する予告演出として、操作ボタン516や操作レバー600の操作を促すメッセージを表示し、該操作が実施されたことを条件に、大当りとなる期待度が異なる複数のキャラクタのうちのいずれかのキャラクタを表示する操作予告演出を実施するための設定が、所定の割合にて実施されるようにしてもよい。
図13は、表示制御データ生成回路223によって参照される表示制御データ生成テーブルTC1の構成例を示している。表示制御データ生成テーブルTC1では、LED表示用データにて示される各表示色のレベル(RGB値)に対応して、表示制御データが示す各表示色のレベル(RGB値)が設定されている。ここで、LED表示用データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、いずれも輝度(階調)が「0」〜「10」のうちいずれかのレベルとなる場合には、表示制御データが示す各表示色の輝度(階調)が「0」のレベルとなるように、テーブルデータが構成されてもよい。すなわち、1ドットに対応する1のLED素子に含まれる各表示色の発光素子について、LED表示用データに示される輝度(階調)がいずれも「10」以下となる場合には、各表示色の輝度(階調)が「0」となる表示制御データを生成することで、そのLED素子を発光させないように制限を設ける。
一方、表示制御データ生成テーブルTC1は、LED表示用データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、少なくともいずれか1の輝度(階調)が「11」以上のレベルとなる場合に、LED表示用データで示される各表示色のレベル(RGB値)に比例したRGB値を示す表示制御データが生成されるように、テーブルデータが構成されてもよい。例えばLED表示用データにて示されるB(青)の輝度(階調)が「11」である場合に、表示制御データにて示されるB(青)の輝度(階調)は「2」となり、この場合に、LED表示用データにて示されるR(赤)やG(緑)の輝度が「0」〜「3」であれば輝度(階調)が「0」を示す表示制御データが生成され、「4」〜「7」であれば輝度(階調)が「1」を示す表示制御データが生成され、「8」〜「11」であれば輝度(階調)が「2」を示す表示制御データが生成されるように、表示制御データ生成テーブルTC1のテーブルデータが構成されている。
表示制御部213にて画像データROM263からVDP262によって読み出される画像データは、液晶表示装置9の画面上における画像表示用と、LED表示パネルP1〜P6を発光制御する表示制御データの作成用とに、兼用されることがある。このとき、画像表示に用いられる画像データから作成されたLED表示用データで示される各表示色の輝度(階調)がいずれも所定量未満である場合に、所定量以上である場合と同じ比例関係の下で表示制御データを生成すると、発光ダイオードにおける非線形特性の影響が顕著となり、不自然な表示演出が行われてしまうおそれがある。そこで、LED表示用データで示される各表示色の輝度(階調)によるとLED素子の発光量が所定量未満となる場合には、そのLED素子を発光させないように、発光制御に制限が設けられる。こうして、複数のLED素子のうち発光量が所定量未満となるLED素子と所定量以上となるLED素子とでは、発光制御を異ならせる。特に、この実施の形態では、LED表示用データのRGB値によると発光量が所定量未満となってしまうLED素子の発光制御を行わないように制限を設ける一方、発光量が所定量以上となるLED素子は、LED表示用データのRGB値と比例関係にある表示制御データのRGB値に応じた発光制御が行われる。このように、発光量が所定量未満であるか否かに応じて発光制御を異ならせることにより、発光素子の非線形特性による影響などを軽減し、遊技者に表示演出の違和感を与えないようにして、演出の興趣低下を防止することができる。
発光素子の特性は、発光色に応じて異なることがある。そこで、LED素子を構成する各発光素子の発光色に応じて、LED表示用データで示される各表示色のレベル(RGB値)との対応関係が異なる階調制御量に変換されるように、LED表示用データから表示制御データに変換するときの設定情報を、表示制御データ生成テーブルTC1として予め記憶しておいてもよい。
LED表示パネルP1〜P6のそれぞれの配置に応じて異なる表示制御データ生成テーブルTC1を用いて、LED表示用データを表示制御データに変換する。LED表示パネルP1〜P6のそれぞれでは、複数のLED素子が整列配置された領域の広さや、各発光体ユニットの前後関係などにより、複数のLED素子それぞれの配置に応じて、同一階調で発光させても遊技者には異なる印象を与える場合がある。そこで、各発光体マトリックスに対応する複数のLED素子それぞれの配置によらず、同一の表示色に対応して可能な限り均一に近い印象を与えられる発光量となるように、LED表示用データから表示制御データに変換するときの設定情報を、表示制御データ生成テーブルTC1として予め記憶しておく。
こうして、LED表示用データで示される各表示色のレベル(RGB値)だけでなく、LED素子を構成する複数の発光素子ごとの発光特性や、複数のLED素子の配置などに応じて、それぞれのLED素子に応じた階調制御量を示す階調制御データが生成される。これにより、互いに異なる発光色を有する複数種類の発光素子を含んだLED素子が、LED表示パネルP1〜P6の所定領域にて整列配置されている場合でも、色の再現性を高めて演出の興趣を向上させる。
尚、すべての表示制御データが表示制御データ生成テーブルTC1を参照することにより生成されるものに限定されず、少なくとも一部の表示制御データは、表示制御データ生成回路223が所定のデータ処理プログラムを実行することにより生成されてもよい。例えばLED表示用データにて示されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各表示色について、発光量が所定量未満となるか否かを判定し、いずれの発光量も所定量未満となる場合には、そのLED素子を発光させないように輝度(階調)が「0」となる表示制御データを生成する処理が実行されてもよい。
図14は、このような表示制御データ生成回路223が実行する表示制御データ生成処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す表示制御データ生成処理において、表示制御データ生成回路223は、1ドット分のLED表示用データを取得し(ステップS600)、そのLED表示用データにて示されるRGB値がすべて「10」以下であるか否かを判定する(ステップS601)。そして、すべて「10」以下である場合には(ステップS601;Yes)、表示制御データにおけるRGB値をすべて「0」に設定する(ステップS602)。一方、LED表示用データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には(ステップS601;No)、表示制御データ生成テーブルTC1(図13参照)を参照し、該表示制御データ生成テーブルTC1に示されたLED表示用データのRGB値の中から、1ドット分のLED表示用データの発光色と同じRGB値を選択する(ステップS603)。続いて、該表示制御データ生成テーブルTC1を用いて、選択したLED表示用データのRGB値に対応する表示制御データのRGB値を選択し、この選択したRGB値を表示制御データのRGB値として、該表示制御データを生成する(ステップS604)。
ステップS602、S604の処理のいずれかを実行した後には、全ドットに対応する表示制御データの生成が完了したか否かを判定する(ステップS605)。このとき、未だ表示制御データの生成が完了していなければ(ステップS605;No)、ステップS600の処理に戻る。一方、表示制御データの生成が完了すれば(ステップS605;Yes)、表示制御データ生成処理を終了する。
図14に示す表示制御データ生成処理では、ステップS603の処理により選択された表示制御データ生成テーブルTC1を参照することにより、ステップS604の処理にて表示制御データを生成している。これに対し、所定の演算処理プログラムを実行することにより表示制御データが生成されてもよい。例えば各表示色について256段階で階調制御を可能にするLED表示用データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が8ビットで表される。一方、各表示色について64段階で階調制御を可能にする表示制御データは、2進数表示とした場合に各表示色の輝度(階調)が6ビットで表される。そこで、図14に示すステップS601の処理でLED表示用データにて示されるRGB値の少なくともいずれかが「10」以下ではない場合には、LED表示用データにおける各表示色の輝度(階調)を示す8ビットデータの下位2ビットを切り捨てる数値処理を行うことにより、表示制御データが生成されるようにしてもよい。或いは、予め設定された演算式に従って、LED表示用データに対応する表示制御データが生成されるようにしてもよい。LED表示用データから表示制御データへの変換に使用可能な複数種類の演算処理プログラムを予め用意しておき、表示制御データ生成回路223は、発光素子の表示色や配置(発光体マトリックスなど)に応じていずれかの演算処理プログラムを選択して実行することで、LED表示用データを表示制御データに変換してもよい。
図14に示す表示制御データ生成処理では、ステップS600の処理によりLED表示用データを1ドット分ずつ取得して表示制御データの設定や生成を行っている。これに対し、所定のマスクデータを用いることにより表示制御データの設定や生成が一括して行われてもよい。例えばバッファメモリ222に一時記憶されている1フレーム分のLED表示用データに対して、RGB値がすべて「10」以下であるドットを検知し、検知されたドットに対応する表示制御データにおけるRGB値をすべて「0」に設定するためのマスクデータを予め用意してもよい。
表示制御データ生成回路223は、デジット側駆動回路237に割り当てられたアドレス情報を付加した階調制御データが含まれる表示制御データを生成して、シリアル出力回路224により各発光体ドライバ225a〜225fへと出力させる。さらに、表示制御データ生成回路223によって生成される表示制御データには、複数のLED表示パネルP1〜P6ごとに、複数のLED素子をダイナミック発光制御する駆動制御データが含まれている。表示制御データ生成回路223は、ストローブ側駆動回路236に割り当てられたアドレス情報を付加した駆動制御データが含まれる表示制御データを生成して、シリアル出力回路224により各発光体ドライバ225a〜225fへと出力させる。
次に、発光制御部235が実行する発光制御メイン処理について説明する。図15は、発光制御部235における発光制御メイン処理を示すフローチャートである。図16は、図15に示す発光制御メイン処理で実行される駆動データ格納処理(S702)を示すフローチャートである。
VDP262の表示制御部213は、SDRAM210から画像データを読み出してLEDパネル制御基板220の信号分離回路221へ送信する。信号分離回路221は、表示制御部213から送信されてきた画像データを、液晶表示装置9に表示される画像の液晶表示用データと、LED表示パネルP1〜P6に変動表示される演出用の演出図柄の画像データであるLED表示用データと、に分離し、液晶表示用データを出力して液晶表示装置9の液晶パネル9pに送信し、LED表示用データをバッファメモリ222に記憶させる。
LEDパネル制御基板220の表示制御データ生成回路223は、LED表示パネルP1〜P6への1フレーム分のLED表示用データをバッファメモリ222から読み出し、読み出したLED表示用データを各LED表示パネルP1〜P6ごとのLED表示用データに分離し、分離後のデータである8ビットからなるLED表示用データを6ビットからなる表示制御データに変換し、変換後の表示制御データを対応するLED表示パネルP1〜P6に対しシリアル出力回路224を介して送信する。
LED表示パネルP1〜P6の発光体ドライバ225a〜225fのそれぞれに搭載されている発光制御部235は、LEDパネル制御基板220の表示制御データ生成回路223からシリアル出力回路224を介して送信されてきた表示制御データを表示制御データ用バッファ233に記憶させる。
VDP262の表示制御部213は、フレーム周期で、SDRAM210から画像データを読み出してLEDパネル制御基板220の信号分離回路221へ送信する。信号分離回路221は、画像データを液晶表示用データとLED表示用データとに分離し、LED表示用データをバッファメモリ222に記憶させる。表示制御データ生成回路223は、バッファメモリ222から読み出したLED表示用データを表示制御データに変換し、変換後の表示制御データを各LED表示パネルP1〜P6の発光体ドライバ225a〜225fに送信する。各発光体ドライバ225a〜225fの発光制御部235は、送信されてきた表示制御データを表示制御データ用バッファ233に記憶させる。これにより、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データは、フレーム周期で更新される(S700)。
発光制御部235は、駆動データ用バッファ234に記憶されている表示制御データに基づきストローブ側駆動回路236とデジット側駆動回路237とを動作させることにより、発光体マトリックス238の発光制御を行う(S701の発光処理)。発光制御部235は、タイマ割り込み信号の入力回数のカウント値が「2」に到達する毎に、複数のコモンCを順番に一つずつ選択し、この選択したコモンCに対応する駆動データを駆動データ用バッファ234から読み出し、ストローブ側駆動回路236を動作させて選択したコモンCに電流を流すとともに、読み出した駆動データをデジット側駆動回路237にシリアル送信し、選択したコモンCに対応する複数のLED素子を発光制御させる。そして、タイマ割り込み信号の入力回数のカウント値を「0」にリセットすることを繰り返す。これにより、発光制御部235は、タイマ割り込み信号の入力回数のカウント値が「2」に到達する周期(例えば、タイマ割り込み信号が1ms毎に出力されているときは、2msの周期)で、1のコモンCに対応した複数のLED素子からなる発光単位毎に、順番に発光制御を実行していく。
また、発光制御部235は、発光体マトリックス238のコモンC8に対して発光制御を実行すると、その後に、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に記憶させる(S702)。駆動データは、表示制御データの複製であるため、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データに含まれる駆動制御データ及び階調制御データが、そのまま駆動データに含まれる駆動制御データ及び階調制御データとして複製されて、駆動データ用バッファ234に記憶される。
このように、発光制御部235が発光体マトリックス238の発光制御を実行する場合において駆動周期が経過するとき、つまりコモンC8の発光制御を実行したときに、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データを駆動データとして駆動データ用バッファ234に記憶させることで、該駆動データを更新することとした。これにより、発光体マトリックス238の発光制御においてコモンC8からコモンC1に切り替わるタイミングと駆動データを更新するタイミングが一致するので、発光体マトリックス238にて表示される演出図柄の表示のチラツキを解消できる。
また、図16に示すように、発光制御部235は、発光体マトリックス238のコモンC8に対して発光制御を実行すると(S800)、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの内容と駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容を比較し、これら表示制御データの内容と駆動データの内容が相違しているか否かを判断する(S801)。そして、表示制御データの内容と駆動データの内容との内容が相違しているときは、該表示制御データを複製した駆動データを駆動データ用バッファ234に記憶させる(駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動制御情報を更新する。S802)。一方、表示制御データと駆動データとの内容が同一であるときは、該表示制御データを複製した駆動データを駆動データ用バッファ234に記憶させない(駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データを更新しない)ようにする。これにより、駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容が表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データと既に同一であるにも拘わらず該駆動データを更新するといった無駄な処理を省略することができる。
次に、図11のS406において実行される輝度制御処理について、図17、図18に基づいて以下に説明する。
本実施形態では、図3に示すように、LED表示パネルP2、P5は、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の前方に配置されており、液晶表示装置9は、LED表示パネルP1〜P6の前方に配置されている。
このように、LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9が前後方向に配置されているために、遊技者との距離が、LED表示パネルP2、P5とLED表示パネルP1、P3、P4、P6と液晶表示装置9とで異なることになるので、図20、図21に示すように、LED表示パネルP1〜P6や液晶表示装置9に、例えば、エフェクト画像(エフェクト表示)である稲妻などの画像を表示した場合に、表示される画像の明るさが異なるように遊技者に見えて、画像の視認性が悪くなったり、違和感を遊技者に与えてしまうので、これらLED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9の輝度を調整して、遊技者が同一の明るさの画像に見えるようにする必要がある。
特に、これらLED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9の明るさの違いは、図21に示すように、LED表示パネルP3、P6と液晶表示装置9が接近している場合やパチンコ遊技機1の前方から見て重なって見えるような場合に、分かり易くなるとともに、これら接近等している場合に、LED表示パネルP3、P6と液晶表示装置9に跨って画像が表示される場合に、より一層、明るさの違いが分かり易くなる。
これらLED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9の輝度(明るさ)を、遊技者が遊技する際に位置する所定位置において、ほぼ同一の輝度(明るさ)と感じる場合の輝度は、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度を100%とした場合において、本実施形態の場合にあっては、LED表示パネルP2、P5の輝度(明るさ)は約80%であり、液晶表示装置9の輝度(明るさ)は約70%である。
このため、本実施形態では、図19に示す輝度制御処理を、演出制御用CPU86が前述した図11のS406において実行して、LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9のバックライトの明るさの変更を、LED表示パネルP1〜P6に送る駆動信号のパルス幅であるデューティ比や、液晶表示装置9に印加されるパルス駆動信号のパルス幅であるデューティ比を、図18(a)に示すように変更することで行う。
尚、本実施形態では、バックライトLED9bにパルス駆動信号を印加して発光させるバックライト駆動回路9kは、図6に示すように、液晶表示装置9に設けられているので、演出制御用CPU86は、これらバックライト駆動回路9kに、バックライトLED9bに出力するパルス駆動信号の信号幅(デューティ比)を指示することにより、バックライトLED9bに印加されるパルス駆動信号に信号幅(デューティ比)を変化させる。
本実施形態の輝度制御処理において演出制御用CPU86は、図19に示すように、まず、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度を、LED表示パネルP1、P3、P4、P6に指示する駆動信号の信号幅(デューティ比)から特定する(S900)。そして、該特定したLED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度と、前回において特定した輝度とを比較して同一であるか否かを判定する(S901)。
S901の判定においてLED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度が変化していない場合、つまり、前回において特定した輝度と同一である場合には、S900に戻る。一方、S901の判定においてLED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度が変化している場合、つまり、前回において特定した輝度と同一でない場合には、記憶されている前回の輝度を、今回、S900において特定した輝度に更新記憶した後、S900において特定した輝度に対応するLED表示パネルP2、P5の輝度、つまり、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見えるLED表示パネルP2、P5の輝度とするための駆動信号の信号幅(デューティ比)を特定する(S902)。
具体的には、例えば、LED表示パネルP1、P3、P4、P6に指示している駆動信号の信号幅(デューティ比)が100%、つまりLED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度が100%である場合には、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見えるLED表示パネルP2、P5の輝度は、上述したように約80%であるので、S902においては、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見えるLED表示パネルP2、P5の輝度とするための駆動信号の信号幅(デューティ比)として、信号幅(デューティ比)80%が特定される。
また、S900にて、LED表示パネルP1、P3、P4、P6に指示している駆動信号の信号幅(デューティ比)が80%であって、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度が80%である場合には、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見えるLED表示パネルP2、P5の輝度は、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度の約8割となることから約64%とすればよいので、S902においては、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見えるLED表示パネルP2、P5の輝度とするための駆動信号の信号幅(デューティ比)として、信号幅(デューティ比)64%が特定される。
そして、S902にて特定した信号幅(デューティ比)となるように駆動信号を変調し、変調した駆動信号をLED表示パネルP2、P5に送る(S903)。これにより、遊技者が感じるLED表示パネルP1、P3、P4、P6と各LED表示パネルP2、P5の輝度(明るさ)を、ほぼ同一の輝度(明るさ)とすることができる。
次に、S900において特定した輝度に対応する液晶表示装置9の輝度、つまり、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見える液晶表示装置9の輝度とするためのパルス駆動信号の信号幅(デューティ比)を特定する(S904)。
具体的には、例えば、LED表示パネルP1、P3、P4、P6に指示している駆動信号の信号幅(デューティ比)が100%、つまりLED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度が100%である場合には、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見える液晶表示装置9の輝度は、上述したように約60%であるので、S904においては、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見える液晶表示装置9の輝度とするためのパルス駆動信号の信号幅(デューティ比)として、信号幅(デューティ比)60%が特定される。
また、S900にて、LED表示パネルP1、P3、P4、P6に指示している駆動信号の信号幅(デューティ比)が80%であって、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度が80%である場合には、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見える液晶表示装置9の輝度は、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度の約6割となることから約48%とすればよいので、S904においては、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の明るさと同じ明るさに見える液晶表示装置9の輝度とするためのパルス駆動信号の信号幅(デューティ比)として、信号幅(デューティ比)48%が特定される。
そして、S904にて特定した信号幅(デューティ比)となるようにパルス駆動信号を変調し、変調したパルス駆動信号を液晶表示装置9に送る(S905)。これにより、遊技者が感じるLED表示パネルP1、P3、P4、P6と液晶表示装置9の輝度(明るさ)を、ほぼ同一の輝度(明るさ)とすることができる。しかも、LED表示パネルP1、P3、P4、P6とLED表示パネルP3、P5の輝度(明るさ)をほぼ同一の輝度(明るさ)としているので、LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9の輝度(明るさ)をほぼ同一の輝度(明るさ)とすることができる。
更に、演出制御用CPU86は、エフェクト画像(エフェクト表示)等の液晶表示装置9と各LED表示パネルP1〜P6とに跨がった画像(特定画像)が表示される連携演出期間中であるか否かを判定する(S906)。連携演出期間中ではない場合には、S900に戻る。
一方、連携演出期間中である場合には、S907に進んで、ロゴパネル500の発光強度のレベルを、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度に応じて変化させることで、これらロゴパネル500の発光によって、液晶表示装置9と各LED表示パネルP1〜P6に表示される画像が視認し難くなることを防ぐ(S907)。具体的には、LED表示パネルP1〜P6に印加される駆動信号と同じく、ロゴパネル500に設けられているロゴパネル用LED500’にロゴパネル用LED駆動回路88により印加される駆動信号の信号幅(デューティ比)を、S900にて特定したLED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度に応じて、所定の割合にて低減させて、ロゴパネル500の発光強度のレベル(輝度)を低減して、液晶表示装置9と各LED表示パネルP1〜P6に跨がって表示される画像が視認し難くなることを防ぐ。
尚、本実施形態では、S904の判定を実施することで、特定の演出画像である液晶表示装置9とLED表示パネルP1〜P6に跨がって表示される画像が表示される連携演出期間中においてのみ、ロゴパネル500の発光強度のレベルを、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度に応じて変化させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら連携演出期間以外の他の演出期間において、ロゴパネル500の発光強度のレベルを、LED表示パネルP1、P3、P4、P6の輝度に応じて変化させるようにしてもよいし、演出等に関係なく、常にロゴパネル500の発光強度のレベルを、LED表示パネルP1〜P6または液晶表示装置9の輝度に応じて変化させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、液晶表示装置9の輝度を、LED表示パネルP1〜P6の輝度に応じて常に変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、LED表示パネルP1〜P6の移動状況、つまり、LED表示パネルP1〜P6が液晶表示装置9に接近している場合において、液晶表示装置9の輝度に応じてLED表示パネルP1〜P6の輝度を変化させるようにしたり、或いは、LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9に跨がって画像が表示される場合において、液晶表示装置9の輝度に応じてLED表示パネルP1〜P6の輝度を変化させるようにしてもよい。
尚、本実施形態では、LED表示パネルP1〜P6に印加される駆動信号の信号幅や液晶表示装置9のバックライトLED9bに印加されるパルス駆動信号の信号幅を変化させることにより、遊技者が感じる各LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9の輝度(明るさ)を、ほぼ同一の輝度(明るさ)とするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら駆動信号やパルス駆動信号の信号幅を変化させることに加えて、液晶表示装置9における画像の明暗コントラストを変化させるようにしてもよい。つまり、パルス駆動信号の信号幅を変化させることで輝度(明るさ)を調整する場合には、微妙な輝度(明るさ)の調整が難しい場合があるので、これらパルス駆動信号の信号幅を変化では難しい、輝度(明るさ)の微妙な調整を画像の明暗コントラストを変化させることで行うようにしてもよい。具体的には、駆動信号の信号幅(デューティ比)を80%としてLED表示パネルP2、P5の輝度を80%とする場合において、液晶表示装置9に表示される画像の明暗コントラストを、「−X」させることで、低コントラストの表示として、輝度(明るさ)の微調整を行うようにしてもよい。
このように、液晶表示装置9に表示される画像の明るさは、つまり、液晶表示装置9の明るさは、画像の明暗コントラストによっても変化させることができるが、これらの変化は、表示される画像によって変化するとともに、明るい部分と暗い部分との差が大きくなってしまうことから、明るさを調整できる調整幅が小さいとともに、VDP262において画像処理を行う必要があり、調整に要する処理負荷が大きなものとなってしまう。これに対し、バックライトLED9bに印加されるパルス駆動信号の信号幅を変化させて輝度を調整することは、画像処理等を必要としないので、調整に要する処理負荷を小さなものとすることができるとともに、明暗コントラストによる調整の幅よりも大きな調整を行うことができることが、必要とする明るさの調整幅が、明暗コントラストによる調整で得られる場合には、パルス駆動信号の信号幅を変化させることによる調整を行うことなく、明暗コントラストによる調整のみを用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、上述したように、バックライトLED9bに印加されるパルス駆動信号の信号幅(デューティ比)を変化させることで輝度を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図18(b)に示すように、信号幅(デューティ比)が同じであっても、出力するパルス信号を間引く等によって、出力する電流量を調整(10個中の2個のパルス信号を間引くことで20%電流値を減少)することにより、輝度を変化させるようにしてもよい(図18(b)参照)。尚、電流値を変化させる形態は、上記した形態に限らず、これらパルス信号を間引く手法以外の手法(印加電圧の低下等)により行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、液晶表示装置9として、パルス駆動信号にて発光するバックライトLED9bを備える液晶パネル9pを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、この液晶表示装置9のバックライトとして、冷陰極管と導光板から成るバックライトを有する液晶パネルを使用したものとしても良く、この場合にあっては、演出制御用CPU86およびVDP262は、冷陰極管に印加される交流電流の周波数をインバータにより変化させる等により冷陰極管に印加される電流値を制御して、冷陰極管の発光強度による液晶表示装置9の輝度を制御するようにすればよい。つまり、使用する発光デバイスが電流値で発光強度が変化する場合には、パルス駆動信号の信号幅(デューティ比)ではなく、電流値により発光強度を制御して液晶表示装置9の輝度を制御するようにすればよく、このようにすれば、輝度制御を簡便に行うことができる。
次に、大当り演出の演出態様の具体例について説明する。図20および図21は、大当り演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図20は、LED表示パネルP3、P6が実行する大当り演出の演出態様の具体例であるエフェクト(連携)画像を示している。また、図21は、液晶表示装置9が実行する大当り演出の演出態様の具体例であるエフェクト(連携)画像を示している。
まず、図20を用いて、LED表示パネルP3、P6が実行する大当り演出の演出態様の具体例を説明する。図20に示すように、大当り演出の実行期間である場合には、液晶表示装置9が大当りである態様で演出画像を表示する。尚、図20に示す演出例においては、液晶表示装置9に表示される画像の一部である稲妻が、色、位置、形などについて変化するように構成してもよい。そして、その場合、稲妻の変化に応じたエフェクト(連携)画像をLED表示パネルP3、P6に表示させるようにしてもよい。例えば、稲妻の上下動に応じて、LED表示パネルP3、P6においてその稲妻を延長したように見せているラインが上下動するように表示してもよい。
次に、図21を用いて、大当り演出の演出態様の具体例を説明する。図21に示すように、大当り演出の実行期間である場合には、駆動モータM1〜M6が動作することにより、LED表示パネルP2の上辺に接するような位置までLED表示パネルP1を下降させ、LED表示パネルP3の上辺に接するような位置までLED表示パネルP1及びP2を下降させ、LED表示パネルP5の上辺に接するような位置までLED表示パネルP4を下降させ、LED表示パネルP6の上辺に接するような位置までLED表示パネルP4及びP5を下降させる。また、駆動モータM1〜M6が動作することにより、LED表示パネルP1〜P3を一斉に下降させるとともに、LED表示パネルP4〜P6を一斉に下降させる。そして、これらLED表示パネルP1〜P3とLED表示パネルP4〜P6とを、液晶表示装置9の上辺に接するような位置まで下降させる。これに伴い、液晶表示装置9においては、図21に示すように、LED表示パネルP3、P6が疑似的に衝突したことを示す画像(液晶表示装置9の右上隅部と左上隅部のそれぞれに表示されたギザギザ状の画像)がエフェクトとして表示されるとともに、大当り演出の実行期間であることを示す「大当り」の文字を振動させるような動画像がエフェクトとして表示される。尚、大当り演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、様々な態様が考えられる。
以上説明したように、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6のそれぞれに設けられている発光体ドライバ225a〜225fにおいて、LEDパネル制御基板220の表示制御データ生成回路223から送られてきた表示制御データを記憶する表示制御データ用バッファ233の他に、表示制御データの複製データである駆動データを記憶する駆動データ用バッファ234を設けることとし、発光制御部235は、発光体マトリックス238におけるコモンC8に対して発光制御を行ったときに、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの複製データである駆動データを駆動データ用バッファ234に記憶させることで該駆動データを更新し、該駆動データにもとづいて発光制御部235が発光体マトリックス238を駆動制御することとした。これにより、発光体マトリックス238の発光制御においてコモンC8からコモンC1に切り替わるタイミングと駆動データを更新するタイミングが一致するので、LED表示パネルP1〜P6の発光制御を適切に行うことができる。
また、上記実施形態では、発光制御部235は、発光体マトリックス238のコモンC8に対して発光制御を実行すると、表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データの内容と駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容を比較し、これら表示制御データの内容と駆動データの内容が同じであるときは、該表示制御データを複製した駆動データを駆動データ用バッファ234に記憶させない(駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データを更新しない)こととした。これにより、駆動データ用バッファ234に記憶されている駆動データの内容が表示制御データ用バッファ233に記憶されている表示制御データと既に同一であるにも拘わらず該駆動データを更新するといった無駄な処理を省略することができる。
また、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6において演出図柄の変動表示が行われるときに、発光制御部235が該LED表示パネルP1〜P6を点滅させる制御を実行可能となっている。これにより、演出効果を高めることのできる点滅表示においても適切な発光制御を行うことができる。
また、複数のLED表示パネルP1〜P6が互いにパチンコ遊技機1の奥行き方向にずれて配置され、演出制御用CPU86は、発光制御部235が発光制御を行うときに、複数のLED表示パネルP1〜P6毎に輝度を異ならせることができる。これにより、発光手段毎に遊技者が感じる明るさの違いを改善して、視認性の均一化を図ることができる。
また、パチンコ遊技機1が遊技に関する画像を表示する液晶表示装置9を備え、LED表示パネルP1〜P6は変位可能であり、液晶表示装置9は、LED表示パネルP1〜P6の変位に対応した画像であるエフェクトを表示することができる。これにより、発光手段の変位に対応した演出画像を画像表示手段が表示できるので、発光手段の変位を用いた演出の効果を高めることができる。
また、上記実施形態においては、液晶表示装置9の前方に位置するLED表示パネルP1〜P6に表示される画像の明暗コントラストを低くするコントラスト制御が実行されるので、後方の液晶表示装置9に表示される画像の視認性を高めることができる。
また、上記実施形態においては、LED表示パネルP1〜P6及び液晶表示装置9の特性に合わせて色調を補正した画像データが生成されるため、同じ画像データをLED表示パネルP1〜P6及び液晶表示装置9に表示させた場合でも、色調を統一させることができ、違和感のない表示を実現することができる。
また、上記実施形態においては、演出制御基板80のVRAM領域におけるメインフレームバッファにLED表示パネルP1〜P6へのLED表示用データを格納し、サブフレームバッファに液晶表示装置9への液晶表示用データを格納することとしているため、連携演出において共通の画像データを描画する場合の制御が複雑化することを防止でき、これら複雑な制御を行うための高機能の処理回路を必要としないので、パチンコ遊技機1のコストを低減できる。
また、表示制御データ用バッファ233にて更新される表示制御データの示す各点灯態様を上記のような点灯態様とすることで次のような効果を奏する。例えば、LED表示パネルP1〜P6においては演出図柄の変動表示が行われるが、この演出図柄の変動表示が開始し、該演出図柄が所定の速度で変動しながら表示されているときは、その演出図柄をより明確に表示させるために、表示制御データ用バッファ233においては同じ演出図柄を示す表示制御データを複数回繰り返し記憶させておくことが望ましい。これに対し、変動表示の変動速度が次第に遅くなり、LED表示パネルP2、P5に最終停止図柄が導出表示されようとしているときは、大当りに係わる演出図柄が最終停止図柄としてLED表示パネルP2、P5に導出表示されるかもしれないとの期待感を遊技者に抱かせるようにするために、その大当りに係わる演出図柄を点滅表示させるといった点灯態様で該演出図柄を表示させることが考えられる。そして、このような点灯態様を実現する場合、表示制御データ用バッファ233には、表示制御データが更新される毎に「7点灯」を示す表示制御データと「消灯」を示す表示制御データとを交互に記憶させたり、「7点灯」を示す表示制御データを3回連続して記憶させた後に「消灯」を示す表示制御データを3回連続して記憶させたりすることなどにより、上記点灯態様を実現させることができる。
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上記実施形態では、パチンコ遊技機1が液晶表示装置9を備えた構成について説明したが、液晶表示装置9を備えない遊技機に対しても本発明を適用できる。
また、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新周期とLED表示パネルP1〜P6における発光制御の駆動周期が異なる場合を想定しているが、例えば、一方が他方の整数倍の周期である場合も、「異なる場合」に含まれる。このように、一方が他方の整数倍の周期である場合においても、LED表示パネルP1〜P6における発光表示の更新のタイミングとLED表示パネルP1〜P6における発光制御の駆動周期の切り替えのタイミングがずれれば、適切な発光制御が行えないこととなる。こうした状況が発生した場合でも、本発明を適用することで、そのタイミングのずれが解消されて、適切な発光制御が行えるようになる。
例えば、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6が演出図柄の変動表示を行うものとして説明したが、LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9の両方が演出図柄の変動表示を行うようにしてもよいし、LED表示パネルP1〜P6では演出図柄の変動表示が行われずに、液晶表示装置9が演出図柄の変動表示を行うようにしてもよい。また、LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9の両方が演出図柄の変動表示を行う場合は、例えば、LED表示パネルP2に最終停止図柄である「7」が導出表示され、LED表示パネルP5にも最終停止図柄である「7」が導出表示されるような演出表示をリーチ演出とし、液晶表示装置9の表示画面において3つ目の演出図柄が変動する変動表示を行い、この変動表示の結果最終停止図柄である「7」が導出表示されたときを大当りとするような演出表示を行わせることができる。
また、上記実施形態では、6つのLED表示パネルP1〜P6がいずれもフルカラーで発光可能なLEDを備えたLED表示パネルPであることを想定しているが、これに限定されるものではなく、単色発光のLEDを備えたLED表示パネルであってもよい。また、上記実施形態では、図13に示すような表示制御データ生成テーブルTC1を用いた階調制御を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、LED表示パネルP1〜P6に備えられるLEDがフルカラー発光のLEDであるか、単色発光のLEDであるかに関係なく、これらの階調制御を省略する(実施しない)ようにしてもよい。
また、図6においては、LEDパネル制御基板220に表示制御データ生成回路223を搭載した構成を示しているが、LED表示用データを表示制御データに変換する処理を発光体ドライバ225が実行できる場合には、バッファメモリ222と表示制御データ生成回路223とを省略し、信号分離回路221が画像データから分離したLED表示用データを、各LED表示パネルP1〜P6のそれぞれに対応するLED表示用データに分け、これらをシリアル出力回路224を通して各発光体ドライバ225に送信し、各発光体ドライバ225において、受信したLED表示用データを表示制御データに変換して表示制御データ用バッファ233に記憶させるようにすることもできる。
また、図8においては、表示制御データの示す点灯態様として、演出図柄である「7」を演出表示させるための「7点灯」と、LED表示パネルP1〜P6における複数のLED素子のすべてを消灯させる「消灯」とを挙げているが、表示制御データの示す点灯態様は、これら「7点灯」と「消灯」に限定されるものではなく、例えば、演出図柄である「5」や「3」を表示する点灯態様、他の数字、文字、キャラクタ、模様、記号など、発光体マトリックス238が点灯表示可能な字や絵柄などを表示する点灯態様であってもよい。
また、図8においては、表示制御データが更新される毎に「7点灯」を示す表示制御データと「消灯」を示す表示制御データとが交互に表示制御データ用バッファ233に記憶されることとしているが、表示制御データ用バッファ233においては、それら「7点灯」を示す表示制御データと「消灯」を示す表示制御データとを交互に記憶させることに限定されるものではなく、例えば、表示制御データが更新される毎に「7点灯」を示す表示制御データを複数回連続して記憶させたり、「7点灯」や「消灯」以外の点灯態様として「5」を示す表示制御データと「3」を示す表示制御データとを交互に記憶させたり、「A」を示す表示制御データを3回連続して記憶させた後に「B」を示す表示制御データを5回連続して記憶させたりするなど、LED表示パネルP1〜P6における演出表示に応じた表示制御データを表示制御データ用バッファ233に記憶させることができる。
また、上記実施形態では、コストの観点から複数のLED表示パネルP1〜P6が全て同一の解像度及び総画素数となっていることを前提としたが、複数のLED表示パネルP1〜P6がそれぞれ異なる解像度及び総画素数になっていてもよい。例えば、後方にあるLED表示パネルP1、P3、P4、P6の解像度(ドット(画素)密度)を、前方にあるLED表示パネルP2、P5の解像度(ドット(画素)密度)よりも高いものとして、後方の画像を視認し易くしたり、或いは逆に、前方のLED表示パネルP2、P5の解像度(ドット(画素)密度)を、後方にあるLED表示パネルP1、P3、P4、P6の解像度(ドット(画素)密度)よりも高いものとして、前方のLED表示パネルP2、P5の画像の荒さが目立つことを抑える等のように、前方にあるLED表示パネルP2、P5の解像度(ドット(画素)密度)と、後方にあるLED表示パネルP1、P3、P4、P6の解像度(ドット(画素)密度)とを異なるものとしてもよい。
また、上記実施形態では、6つのLED表示パネルP1〜P6がパチンコ遊技機1に搭載される構成となっているが、LED表示パネルの搭載数は6つに限らず、2つや3つのLED表示パネルを搭載してもよいし、5つや6つやそれ以上の数のLED表示パネルを搭載してもよい。
また、上記実施形態では、液晶表示装置9よりも小型な各LED表示パネルP1〜P6が用いられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶表示装置9とLED表示パネルP1〜P6が同一の大きさであってもよいし、液晶表示装置9よりも大型なLED表示パネルP1〜P6であってもよい。
また、上記実施形態では、各LED表示パネルP1、P3、P4、P6の配置が、水平に対して時計回りまたは反時計回りに傾いた状態で配置されているが、各LED表示パネルP1、P3、P4、P6が初期状態で傾いていない状態であってもよい。
また、上記実施形態では、各LED表示パネルP2、P5の配置が、水平に配置されているが、各LED表示パネルP2、P5が初期状態で水平に対して時計回りまたは反時計回りに傾いた状態で配置されていてもよい。
また、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6が移動し、液晶表示装置9は移動しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、LED表示パネルP1〜P6とともに液晶表示装置9も移動するようにしてもよいし、LED表示パネルP1〜P6は移動せずに、液晶表示装置9のみが移動するものであってもよい。これらの場合には、液晶表示装置9の動作に伴う発光画像をLED表示パネルP1〜P6に表示させることができる。
また、上記実施形態では、本発明のLED素子であるロゴパネル500を、表示手段であるLED表示パネルP1、P4の近傍位置に配置した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのLED素子は、LED表示パネルP1、P4以外の他のLED表示パネルP2、P3、P5、P6のいずれかの近傍位置や、液晶表示装置9の近傍位置であってもよい。尚、本発明における近傍位置とは、表示手段を構成するいずれかの表示装置に隣接した周囲の位置や、該表示装置を視認できる窓部が設けられている場合には、当該窓部の領域内や領域の周囲の位置が含まれる。
また、上記実施形態では、遊技者が感じるLED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9との表示の明るさを、ほぼ同じ明るさとする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、LED表示パネルP1〜P6に表示される画像を特に目立たせたい場合や、液晶表示装置9の前方にLED表示パネルPなどの可動部材が移動してきて該液晶表示装置9の表示画面が視認できないように重畳している場合等であれば、LED表示パネルP1〜P6の輝度を高めるとともに液晶表示装置9の輝度を下げて、表示される画像の明るさの差をより大きくすることにより、LED表示パネルP1〜P6に表示される画像の視認性を高めるようにしてもよい。また、逆に、液晶表示装置9に表示される画像を特に目立たせたい場合等であれば、液晶表示装置9の輝度を高めるとともにLED表示パネルP1〜P6の輝度を下げて、表示される画像の明るさの差をより大きくすることで、液晶表示装置9に表示される画像の視認性を高めるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、駆動モータM1〜M6を駆動させることでLED表示パネルP1〜P6を上方向や下方向へ移動させることを可能としたが、LED表示パネルP3、P6については、図3(b)に示すように、該LED表示パネルP3、P6の下部が液晶表示装置9の裏側に隠れる位置まで降下させられるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6の全てについて輝度制御を行う形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上記したように、駆動モータM1,M2,M4,M5を駆動させることでLED表示パネルP1,P2,P4,P5を上方へ移動させるとともに、駆動モータM3,M6を駆動させてLED表示パネルP3、P6を下方へ移動し、これらLED表示パネルP3、P6のみが液晶表示装置9の近傍に位置している場合には、該LED表示パネルP3、P6と液晶表示装置9についてのみ、輝度を変化させる輝度制御を行うようにし、液晶表示装置9の近傍に位置していないLED表示パネルP1、P2、P4、P5については、輝度を変化させる輝度制御を行わないようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ロゴパネル500やギミック(役物)Gも発光可能としているが、LED表示パネルP1〜P6において変動表示が実行されるときに、ロゴパネル500並びにギミック(役物)Gの発光強度のレベル(輝度)が、通常の発光強度よりも低いレベルである変動表示に応じた所定のレベルに、ロゴパネル用LED駆動回路88によって低下されることで、ロゴパネル500の発光によってLED表示パネルP4〜P6における演出図柄の変動表示が視認しづらくなってしまうことを防ぐようにしてもよい。尚、所定のレベルは、ロゴパネル500並びにギミック(役物)Gの発光強度を「0」とすること、つまり、ロゴパネル500並びにギミック(役物)Gを発光させないようにしてもよい。また、これらロゴパネル500並びにギミック(役物)Gの発光強度のレベルは、LED表示パネルP1〜P6における変動表示の明るさが、例えば、反転表示等によって明るく表示される場合において、これらLED表示パネルP1〜P6の表示の明るさに応じて発光強度のレベル(輝度)を変化させるようにしてもよい。要するに、変動表示において常に所定のレベルに低下しておくのではなく、LED表示パネルP1〜P6の表示の明るさに応じて発光強度のレベルを、適宜に変化させる(非発光状体とすることを含む)ようにしてもよく、このようにすることで、発光体であるロゴパネル500並びにギミック(役物)Gの発光によって、LED表示パネルP1〜P6に表示される画像の視認性が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6の発光制御と液晶表示装置9の駆動制御をVDP262が行うこととしたが、これに限定されるものではなく、例えば、演出制御用CPU86がLED表示パネルP1〜P6の発光制御と液晶表示装置9の表示制御を行うこととしてもよい。また、液晶表示装置9を省略し、LED表示パネルP1〜P6において演出図柄の変動表示等を行うこととしてもよい。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の遊技機に適用できる。例えば、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンや、遊技媒体としてパチンコ玉を使用して遊技を行うパロットなどであってもよい。また、例えば、遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機等であってもよい。また、遊技機をスロットマシンとする場合にあっては、例えば、内部抽選にてボーナスフラグがセットされている場合において、各LED表示パネルP1〜P6と液晶表示装置9とに、ボーナスフラグがセットされていることを示唆する画像であって、互いに連携した演出画像を表示する示唆演出を実行するようにすればよい。
また、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6における発光表示のフレームレートを30FPSとすることを想定しているが、フレームレートは30FPSに限定されるものではなく、例えば15FPSなど、LED表示パネルP1〜P6に発光表示可能なフレームレートであればよい。
また、上記実施形態では、LED表示パネルP1〜P6に設けられる発光体としてLEDを想定しているが、発光体は、LEDに限定されるものではなく、例えば、有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)や蛍光表示管など、ダイナミック制御方式により発光制御が可能なものであればよい。