JP6391372B2 - 生体組織用イメージングデバイス及び生体組織用イメージングデバイスの作動方法 - Google Patents

生体組織用イメージングデバイス及び生体組織用イメージングデバイスの作動方法 Download PDF

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Description

本発明は、各種の実験動物や人間など生物の被検体の脳を始めとする各種生体組織内で発生する情報を光学的手法により収集するとともに、該収集した情報に基づいて該生体組織の構造や活動状態を可視化するための生体組織用イメージングデバイス及び生体組織用イメージング方法に関する。
ヒトの視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などのいわゆる知覚、及び記憶や情動を含む心を生み出す神経機序を医学的又は生理学的に把握する上で、生体脳、特に覚醒下で自由行動が可能なヒトや動物の脳における神経活動を高精度に測定することは非常に重要である。こうした目的に対し、近年、生体脳内の情報を収集するための各種のセンシングデバイスや新しい脳機能イメージング技術が実現されている。
このうち動物を対象としたものでは、本発明者らの研究グループが、生体内に埋植可能な小型イメージングデバイスを開発してきた(例えば特許文献1や非特許文献1)。これらのイメージングデバイスは基本的な構成として、組織を照明するための光源(典型的にはLED(Light Emitting Diode))と、照明された組織の画像を取得するためのイメージセンサ(典型的にはCMOSイメージセンサ)とを搭載した細長い板状の基板とを備えている。上記の従来手法は、このイメージングデバイスをマウス等の被験体の生体脳に刺入する又は生体脳表面に接触させることにより、該被験体の行動を極力制限せずに覚醒下での組織構造や神経活動を可視化するものである。
特開2012-95803号公報
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学,"マウス脳内深部に埋植して記憶や学習などの脳活動を多角的に記録できる超小型半導体センサの開発に成功",[online],[平成26年8月16日検索],インターネット<URL:http://www.jsap.or.jp/pressrelease/pdf/JSAP090901-2-3.pdf>
しかし、上述した従来技術には以下のような解決すべき課題が存在する。
第1には、生体への侵襲性の低減である。従来型のイメージングデバイスは、図5(a)のように、基板上に搭載されたCMOSイメージセンサの周縁部にLEDを配置することで観察対象領域を照明するものである。このように基板上に多数のLEDを搭載する場合、各LEDそれ自体の大きさや、これらを駆動するための配線により、該イメージングデバイスの幅方向(同図における左右方向)及び厚さ方向(同図に対する前後方向)の寸法が増大する。このことは、特にイメージングデバイスを生体内に刺入する場合に問題となる。すなわち、イメージングデバイスの刺入経路に位置する生体組織の損傷は原理的に避けがたいものであるため、このイメージングデバイスのサイズが大きいと、刺入位置から観察対象の近傍に位置する組織が大きく損傷する。これは脳内のネットワーク構成が重要となる神経活動の観察を目的とする場合には特に看過できない問題である。図5(b)に示すように、LEDを幅方向ではなくイメージングデバイスの長さ方向の両端部付近のみに設置する構成も開示されているが、この構成でも厚さの増大は十分に解決できていない。
第2の課題は、照明ムラの改善である。従来型のイメージングデバイスでは、図5に示すようにイメージセンサの近傍に光源が配置されるため、該光源により照明された組織像は光源から近い位置ほど明るく、遠い位置ほど暗い、すなわち光源からの位置に依存した偏りのある像となる。このような不均一性により、適切に照明された像が得られる領域が実際の観察対象領域のごく一部(例えば中央部)のみとなってしまうことも起こり得る。
なお、観察対象の領域全体を均一に照明するためには多数の光源とイメージセンサとを複雑に配置する必要があり、これによりイメージングデバイスのサイズが増大し、今度は上述した侵襲性の問題を抱えることとなる。
第3の課題は、光源選択の自由度の向上である。埋植型のような侵襲性のイメージングデバイスは、生体内に一度埋植された後は実験が完全に終了するまで取り出されないのが、被験体の健康状態への影響やデータの再現性の観点からも常識である。従って、イメージングデバイスに搭載されたLEDは実験終了まで使用されることが前提であり、搭載されたLEDによって光源波長が一意に決定されてしまう。しかし、近年の医学や生理学分野のイメージング研究では多波長計測が一般的であり、これらの分野への応用を考慮すれば、実験の途中で光源を任意に交換可能な構成とする必要がある。
さらに、LED発光時の発熱が組織温度を上昇させることにより想定外の結果がもたらされる可能性もある。LEDは電流に起因する電子と正孔との再結合で生じる光放射を利用した光源であり、抵抗体に生じるジュール熱から発光を得る白熱電球と比較すると発熱量が少ない。しかしながら、LEDによる電力の変換効率は最大でも34%(なお、蛍光管及び白熱電球の変換率はそれぞれ25%及び10%である)と言われており、すなわち約70%が熱として放出されることになる。従って、LEDといえども発光に伴う発熱は生体組織にとって無視できるものではなく、このことからも光源はできる限り生体組織に接触させない構成とすることが好ましい。
本発明は上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、埋植型デバイスを用いた生体組織のイメージングにおける上述の課題を解決することにある。
上記課題を解決するために成された第1の発明に係る生体組織用イメージングデバイスは、
a) 生体組織内に埋植されるセンサ部と、
b) 前記生体組織を囲繞する骨の外周面を照明するよう、該外周面上に設置され光源と、
を備えることを特徴とする。
本発明における「センサ部」はCMOSイメージセンサ等に代表される複数の受光素子から成るイメージセンサの他、単一の受光素子であってもよい。
上記の構成によれば、生体組織内に埋植される部材はセンサ部(及びこれを搭載した基板)のみとなり、生体組織への侵襲を最低限に抑えることができる。また、生体組織を囲繞する骨の外周面上に設置され光源が該外周面を照明する、すなわち骨を介してその向こうの生体組織を照明することにより、骨自体が光導波路となり照射光を拡散させ、内部の生体組織を均一に照明することができる。さらに、光源は骨の外周面上に設置されるため、内部の生体組織に損傷を与えることなく光源の交換が可能である。従って多波長計測にも対応可能となる。また、上述のとおり光源は生体組織に接触しない構成であるため、光源の発光に伴う温度上昇が生体組織に好ましくない影響を及ぼす可能性も排除される。これは、骨組織は自身が囲繞する脳や脊髄等を構成する軟質組織より耐熱性に優れ、また熱伝導率も高くないため僅かな温度上昇であれば十分に遮蔽可能であることによる。
前記光源は、照明光の出射面が前記外周面に接触するよう設置されることが好ましい。
これにより、照明光が骨の外周面に到達するまでの光量の減衰を最小限に抑えることができる。
前記光源は、光ファイバの一方の端面によって実現することもできる。
これにより、他方の端面に接続された外部光源を交換することで照明光の波長を変更することができるため、骨の外周面上で交換作業を行う場合よりも実験者の負担が抑えられる。
前記生体組織用イメージングデバイスはさらに、
c) 前記外周面上における前記光源の位置を固定するための光源固定具
を備えることが好ましい。
これにより、被験体の運動等による光源の位置ずれを防止することができる。
前記センサ部は生体脳に埋植されるものであり、
前記光源は頭蓋骨の外表面に設置され、該頭蓋骨を外部から照明する構成とすることができる。
頭蓋骨は脳のほぼ全体を包囲する骨であり、生体脳を均一に照明するための光導波路として好適な構造を有している。
上記課題を解決するために成された第2の発明に係る生体組織用イメージング方法は、
a) 生体組織内にセンサ部を埋植する工程と、
b) 前記生体組織を囲繞する骨の外周面を照明するよう、該外周面上に光源を設置する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、埋植型デバイスを用いた生体組織のイメージングにおいて侵襲性の低減、照明ムラの改善及び光源選択の自由度の向上が実現される。
本発明の一実施形態に係る生体組織用イメージングデバイスが備えるセンサユニット(a)、同イメージングデバイスの使用態様を説明する断面図(b)及び頭蓋骨による照射光の拡散の様子を説明する拡大断面図(c)。 同実施形態に係る生体組織用イメージングデバイスをマウスの頭部に設置した状態の外観図。 本発明の別の実施形態に係る生体組織用イメージングデバイスの使用態様を説明する断面図。 従来型のイメージングデバイスを用いた実験での照射光強度分布(a)及び脳組織画像(b)、並びに本発明によるイメージングデバイスを用いた実験での照射光強度分布(c)及び脳組織画像(d)。 従来のLED搭載型の埋植型イメージングデバイスの形態例。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の記載において、先に説明した図面と同一の機能を有する部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。また、各部材の寸法比は説明の簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法比とは異なる。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係るイメージングデバイス1の説明図である。イメージングデバイス1はセンサユニット10と光源21とを少なくとも含む。なお、これらに加え後述の光源セット部22(本発明の光源固定具に相当)、さらに光源ケーブル23を含めてイメージングデバイス1と看做すこともできる。
図1(a)はセンサユニット10の先端部の概略図である。センサユニット10は、細長い板状の基板11上にCMOSイメージセンサ12(本発明のセンサ部に相当)を搭載して成る。CMOSイメージセンサ12の幅方向の寸法は、所望する画素数によるが100〜2000μm程度が適しているようである。幅寸法の上限に関しては技術的な制約は特にないが、センサユニット10を刺入する生体脳への侵襲性を考慮して適宜に設定される。一方、長さ方向の寸法は刺入時の侵襲性を増大させる要因とならないため、任意に定めることができる。CMOSイメージセンサ12の厚さは20〜200μm程度である。
基板11は、生体組織を害しない材料で構成されることが好ましい。一例として、基板11をポリイミドで構成する場合、その厚さは5〜50μm程度となる。また、基板11の先端部(図1(a)における下部)は生体脳への刺入をスムーズに行えるよう、尖った形状を有することが好ましい。
センサユニット10の厚さは、CMOSイメージセンサ12の厚さと基板11の厚さとを加算したものとほぼ等しくなる。実際には、CMOSイメージセンサ12の直接接触による生体組織への影響を防止するため(またCMOSイメージセンサ12自体を保護するため)、生体組織に無害な材料から成る透明な保護膜でCMOSイメージセンサ12を被覆する必要がある。従って、一例として上記保護膜に2μm厚のパリレン膜を使用した場合、センサユニット10の厚さは最小で27μm程度となる。なお、センサユニット10の幅はCMOSイメージセンサ12の幅と同一にすることができるため、生体組織構造の撮像を目的とする場合、センサユニット10の幅寸法は最小で100μm程度となる。
これに対し、基板上にLEDを搭載した従来型のイメージングデバイスは、幅方向の寸法については、CMOSイメージセンサの幅に加えLEDの幅も追加されることになる。ここで、イメージングデバイスに通常用いられるLEDの幅は1個300〜500μm程度である。従って、CMOSイメージセンサの左右両側にLEDを搭載する場合、イメージングデバイスの幅寸法は最小で700μm以上にもなる。また、厚さ方向の寸法については、LEDの厚さは100μm程度であることから、CMOSイメージセンサがこれより薄くとも、イメージングデバイスとしての厚さは、このLEDの厚さに基板及び上記保護膜の厚さを加えると最小で107μm程度となる。
以上のように、本実施形態によれば従来型のイメージングデバイスと比較して生体組織に埋植される部材のサイズを大幅に縮小することができ、生体への侵襲性を低減することができる。
図1(b)は、イメージングデバイス1の使用態様の説明図であり、マウスの頭部冠状断面を示している。硬膜、くも膜、軟膜及びその他詳細な脳構造については図示を省略している。センサユニット10は、頭蓋骨101の所定箇所に予め穿孔された貫通孔102から頭蓋内に導入され、生体脳100に刺入される。そして先端部が所望の深度に到達したところで、頭蓋骨101表面の貫通孔102周囲に塗布されるデンタルセメント等の合着剤(不図示)により位置を固定される。
光源21は被験体のマウスが発現する蛍光タンパク質の励起光等の照明光を出射するものであり、本実施形態ではLEDとする。このほかに、LD(Laser Diode)を光源として用いることもできる。光源21は頭蓋骨101の表面を照明するよう、頭蓋骨101上に設置される。頭蓋骨101への入射光量は光源21の出射面(レンズ)から頭蓋骨101表面までの距離に応じて減衰するため、光源21は同図に示すように頭蓋骨101に接触させるか、可能な限り近接させることが好ましい。
ここで、光源21は生体内に埋植されないため任意のタイミングで交換することができる。従ってセンサユニット10を生体脳100に埋植した後でも、計測の目的に応じた波長の光を放出可能な適宜のLEDを設置することで照射光の波長を変更することができる(イメージングにおいては紫外域から赤外域が一般に用いられる)。すなわち多波長計測が可能となり、これにより様々な生体現象の観察が可能となる。具体的には、例えば近赤外分光法により酸化ヘモグロビンと脱酸化ヘモグロビンの濃度変化を検出することで撮像対象領域の活動状態を観察することができる。しかも、本実施形態ではCMOSイメージセンサ12は生体脳100に埋植されるため、照射部と受光部とがいずれも頭皮上に配置される従来の方法と比較して圧倒的に高い空間解像度を有する。
再び図1(b)を参照して説明を行う。マウスの運動によって頭蓋骨101上での光源21の位置が変動しないよう、図1(b)に示すように光源セット部22を頭蓋骨101表面に設けることが好ましい。光源セット部22は例えば光源21を嵌入可能な円筒状の固定具であり、デンタルセメント等の合着剤(不図示)により頭蓋骨101上に固定される。また、光源セット部22の内側面をアルミニウム等の反射材料で被覆することにより、頭蓋骨101への入射光量の減衰を軽減することができる。
光源ケーブル23は、光源21に駆動電流を供給するためのケーブルである。光源21の交換時には光源21のみが交換されてもよいし、光源ケーブル23ごと交換されてもよい。
図1(c)は、光源21周辺の拡大図である。光源21から頭蓋骨101表面に対し出射された照明光は頭蓋骨101を光導波路として拡散し(図中黒矢印方向)、該拡散した範囲を擬似的な出射面として生体脳100の所定範囲をほぼ均一に照明する(図中白矢印方向)。これにより、センサユニット10が埋植された位置の周辺を均一に照明することができる。上記の擬似的な出射面(頭蓋骨101の所定範囲)の面積は光源21が出射する照明光の強度や頭蓋骨101の厚さに応じて決定する。マウスの頭蓋骨101を光導波路とする場合、一例として、波長465〜475 nmの照明光では1〜10 mA程度の駆動電流で生体脳100全体をほぼ均一に照明することが可能である。従って本実施形態では、センサユニット10と光源21との位置関係は、光源21による照明光の強度を考慮して適宜に決定されればよい。同様の理由により、センサユニット10の刺入深度にも技術的な限界はなく、照明光の強度を大きくすることで脳深部の撮像も可能となる。
図2は、図1に示したイメージングデバイス1を被験体であるマウス200の頭部に設置した状態の外観図である。事前の手術によりマウス200の頭部に頭蓋骨露出領域201を設け、該領域201にて貫通孔102の穿孔及びセンサユニット10の刺入・固定、並びに光源セット部22の設置・固定及び該光源セット部22への光源21の取り付けを行う。センサユニット10はセンサケーブル13に接続されており、該ケーブル13を介してCMOSイメージセンサ12による検出結果が伝送される。光源ケーブル23及びセンサケーブル13は、マウス200の胴体部に巻回されたベルト等の一部に設けられた中継基板202を介して、制御装置ケーブル203によって専用の制御装置と接続されている。中継基板202を設ける主な目的は、ケーブル13及び23を結束することでこれらの縺れを防止するとともに、これらのケーブルを頭部近傍にて一旦固定することでセンサユニット10や光源21の位置ずれを防止することにある。また、センサケーブル13及び光源ケーブル23と接続されたセンサユニット10及び光源21の設置作業が、これらのケーブル13及び23が上記制御装置と直接接続された構成よりも容易となるといった効果もある。
〔第2の実施形態〕
図3は本発明の第2の実施形態に係るイメージングデバイス1aの説明図である。本実施形態では頭蓋骨101上に照明光を導く手段として光ファイバ33が用いられている。光ファイバ33は図示しない外部光源(LEDやLD)と接続されており、頭蓋骨101と接触する端面31から照明光が出射される。すなわち、本実施形態ではこの端面31が本発明の光源に相当する。
また、本実施形態においては光ファイバ33を固定するファイバ固定具32(本発明の光源固定具に相当)を頭蓋骨101上に設けることが好ましい。ファイバ固定具32の形状としては、例えば光ファイバ33の外径より僅かに大きい内径を有する円筒状又は環状の構造が好ましく、さらに同図に示すように環状の構造体の一部から延伸する脚部が設けられていてもよい。ファイバ固定具32の安定性を考慮すれば、この脚部は3本以上とすることが好ましい。該脚部をデンタルセメント等の合着剤(不図示)を用いて頭蓋骨101上に固定すれば、実験者はファイバ固定具32の環状部分に光ファイバ33を挿通した後で、端面31が頭蓋骨101の表面に接触しているか否かを目視確認しながら位置を調整することができる。位置が決定すれば光ファイバ33とファイバ固定具32とを合着剤で合着してもよいし、ファイバ固定具32の環状部分の内径が十分に小さく端面31の位置ずれが起きる心配がなければ、合着は行わなくともよい。
なお、照射光の波長によっては上記外部光源だけでなく光ファイバ33の交換も必要となる場合がある。このような状況が想定される場合には合着は行わずに、光ファイバ33の外周面とファイバ固定具32の内周面との間に作用する摩擦力によって端面31を固定することが好ましい。
本実施形態によれば、端面31と反対側の端部において光ファイバ33と接続されている外部光源を交換することで、端面31から出射される照明光の波長を変更することができる。また、波長に応じて光ファイバ33を交換する場合においても、光ファイバ33が伝送可能な波長帯域を考慮すればその交換回数は上記第1の実施形態と比較して少なくなると考えられる。従って、頭蓋骨101に対する光源の着脱作業(多くの場合、なるべく被験体にストレスを与えないよう注意深く行う必要がある)の回数を減らすことができるため、実験者にとっての利便性が向上するとともに、被験体であるマウスに与えるストレスも最小限に抑えられる。
〔実験例〕
照明ムラに対する本発明の効果を確認するため、従来型のイメージングデバイスとの比較実験を行った。従来型と本発明それぞれの実験条件及び結果は以下のとおりである。
<1.従来型>
まず、従来型のイメージングデバイスを用いた対照実験について説明する。
(1−1.被験体)
被験体には、緑色蛍光タンパク質を発現したマウス(GAD67-GFPノックインマウス)を使用した。
(1−2.イメージングデバイス)
撮像用のCMOSイメージセンサ及び脳組織を励起照明するためのLED(波長465〜475nmの青色LED)(Epistar社製ES-CEBHM12A)が搭載されたイメージングデバイスを用いた。デバイスのサイズは、幅0.68 mm、厚さ0.25 mm及び長さ7.3 mmであった。光源であるLEDはCMOSイメージセンサの長さ方向の上端部近傍に配置した(図5(b)に示す例における上側の1個のみ)。
(1−3.計測手順)
被験体マウスに麻酔を施し、皮質表面からの深度1.7 mmにイメージセンサが位置するよう、該イメージセンサを搭載したイメージングデバイスを生体脳に刺入・固定した。そして、上記のLEDに0.015 mAの電流を供給して点灯させ、脳組織を励起照明した。埋植したイメージングデバイスに搭載されたイメージセンサにより、脳組織中の蛍光画像を撮像した。
(1−4.結果)
図4(a)に、イメージセンサの撮像領域における励起照明光の強度分布を示した。光源(LED)に近い領域(同図の上部領域)では照明光強度が強すぎ、光源から離れた領域(同図の下部領域)では照明光強度が弱すぎるといった不均一性(照明ムラ)が確認された。
図4(b)に、脳組織の撮像結果を示した。照明光強度が強すぎる領域(同図の上部領域)及び照明光強度が弱すぎる領域(同図の下部領域)では撮像不良となり、良好な画像が得られたのは中央部の僅かな領域のみであった。
<2.本発明>
次に、本発明によるイメージングデバイスを用いた実験について説明する。
(2−1.被験体)
上記対照実験と同種のGAD67-GFPノックインマウスを使用した。
(2−2.イメージングデバイス)
生体に埋植する部材としては、撮像用のイメージセンサのみが備えられたデバイス(図1(a)に類似する)を用いた。この埋植用デバイスのサイズは上記対照実験と同一とした。頭蓋骨上から脳組織を励起照明するための光源には、波長465〜475 nmの青色LED(Epistar社製ES-CEBHV08C)を用いた。
(2−3.計測手順)
被験体マウスに麻酔を施し、皮質表面からの深度1.8 mmにイメージセンサが位置するよう、該イメージセンサのみを搭載したデバイスを生体脳に刺入・固定した。そして、頭蓋骨上に設置した上記のLEDに約2 mAの電流を供給して点灯させ、頭蓋骨を介して脳組織を励起照明した。埋植したイメージングデバイスに搭載されたイメージセンサにより、脳組織中の蛍光画像を撮像した。なお、このデータは本発明者らが行った複数の実験のうち、対照実験と最も深度が近いものを採用しており、照明方法以外の条件は対照実験と同等と看做すことができる。
(2−4.結果)
図4(c)に、イメージセンサの撮像領域における励起照明光の強度分布を示した。同図に示すとおり、撮像領域全体がほぼ均一に照明されていることが確認された。
図4(d)に脳組織の撮像結果を示した。撮像領域全体にわたり明瞭な脳組織の画像が得られた。
以上説明した比較実験の結果から、本発明のように頭蓋骨を介して(光導波路として)内部の脳組織を照明することで照明ムラが解消されることが示された。
〔変更例〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。
上述の実施形態では本発明のセンサ部として2次元状に画素が配置されたCMOSイメージセンサ12を挙げ、その最小幅を約100μmとしたが、計測の目的に応じてこれを変更することもできる。例えば、長さ方向にライン状に搭載された受光素子をセンサ部としてもよいし、単一の受光素子をセンサ部としてもよい。後者のような構成とする場合、例えば該単一の受光素子を搭載した基板を生体脳への刺入方向に段階的に移動させつつ撮像した複数の画像を繋ぎ合わせることで連続的な画像を得ることができる。また、本変更例によればセンサ部を非常に細くすることができるため、例えば刺入用の基板ではなくカテーテル又はカニューレを用いて単一の受光素子を血管内に導入・留置し、該受光素子を段階的に移動させることで血管内の情報を取得することも可能になると考えられる。
また、本発明の生体組織は脳に限定されず、例えば脊髄であってもよい。脊髄は複数の脊椎骨によって囲繞されているため、このうち任意の脊椎骨に穿孔して、イメージセンサを搭載した基板を脊髄内に埋植し、当該の脊椎骨上から照明光を出射することで脊髄の構造や血流動態を観察することも可能である。
〔本発明の応用例〕
本発明の応用の一例として、多波長計測による神経活動の観察については上述した実施形態にて既に触れた。
上述の実施形態ではさらに、光源としてLDを用いてもよい旨について言及した。レーザー光はコヒーレントな光であるため、LEDと比較して空間分解能が向上する。また、生体組織に対するレーザースペックル法の適用も可能となり、撮像対象領域の血流動態を詳細に観察して病変部の検出等に役立てることができる。
1、1a…イメージングデバイス
10、10a…センサユニット
100…生体脳
101…頭蓋骨
102…貫通孔
11…基板
12…CMOSイメージセンサ
13…センサケーブル
200…マウス
201…頭蓋骨露出領域
202…中継基板
203…制御装置ケーブル
21…光源
22…光源セット部
23…光源ケーブル
31…端面
32…ファイバ固定具
33…光ファイバ

Claims (6)

  1. a) 複数の受光素子から成るイメージセンサであって生体組織内に埋植されるセンサ部と、
    b) 前記生体組織を囲繞する骨の外周面を照明するよう、該外周面上に設置される光源と、
    を備え
    前記イメージセンサが、前記光源により前記骨を介して照明された前記生体組織の画像を取得することを特徴とする生体組織用イメージングデバイス。
  2. 前記光源は、照明光の出射面が前記外周面に接触するよう設置されることを特徴とする請求項1に記載の生体組織用イメージングデバイス。
  3. 前記光源は、光ファイバの一方の端面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体組織用イメージングデバイス。
  4. c) 前記外周面上における前記光源の位置を固定するための光源固定具
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生体組織用イメージングデバイス。
  5. 前記センサ部は生体脳に埋植されるものであり、
    前記光源は頭蓋骨の外表面に設置され、該頭蓋骨を外部から照明することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生体組織用イメージングデバイス。
  6. 複数の受光素子から成るイメージセンサであって生体組織内に埋植されるセンサ部と、
    光源と、
    を備える生体組織用イメージングデバイスの作動方法であって、
    a) 前記光源が、前記生体組織を囲繞する骨の外周面に照明光を出射し、
    b) 前記イメージセンサが、前記光源により前記骨を介して照明された前記生体組織の画像を取得する
    ことを特徴とする生体組織用イメージングデバイスの作動方法。
JP2014177246A 2014-09-01 2014-09-01 生体組織用イメージングデバイス及び生体組織用イメージングデバイスの作動方法 Active JP6391372B2 (ja)

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