JP6388576B2 - Igf1rに結合する抗原結合タンパク質 - Google Patents

Igf1rに結合する抗原結合タンパク質 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、抗IGF1R抗体に関する、またはこれに由来する組成物および方法を提供する。より具体的には、本発明は、IGF1Rに結合するヒト抗体、かかる抗体のIGF1R結合フラグメントおよび誘導体、ならびにかかるフラグメントを含むIGF1R結合ポリペプチドを提供する。さらに、本発明は、かかる抗体、抗体フラグメントおよび誘導体およびポリペプチドをコード化する核酸、かかるポリヌクレオチドを含む細胞、かかる抗体、抗体フラグメントおよび誘導体およびポリペプチドの作製方法、ならびに種々の炎症性障害および種々の癌を含むIGF1R関連障害または病状を有する対象の処置方法または診断方法を含む、かかる抗体、抗体フラグメントおよび誘導体およびポリペプチドの使用方法を提供する。
背景技術
ソマトメジンとしても公知のインスリン様増殖因子には、インスリン様増殖因子−I(IGF−I)およびインスリン様増殖因子−II(IGF−II)が含まれる(Klapper, et al., (1983) Endocrinol. 112:2215 および Rinderknecht, et al., (1978) Febs. Lett. 89:283)。これらの増殖因子は、インスリン様増殖因子受容体−1(IGF1R)と名付けられた共通の受容体に結合することにより(Sepp-Lorenzino, (1998) Breast Cancer Research and Treatment 47:235)、腫瘍細胞を含む種々の細胞タイプに対して分裂促進活性を及ぼす(Macaulay, (1992) Br. J. Cancer 65:311)。IGFのIGF1Rとの相互作用は、チロシン残基での受容体の自己リン酸化を誘発することにより受容体を活性化する(Butler, et al., (1998) Comparative Biochemistry and Physiology 121:19)。一旦活性化すると、IGF1Rは、次に細胞内標的をリン酸化して、細胞シグナル伝達経路を活性化する。この受容体活性化は、腫瘍細胞増殖および生存の刺激のために重大である。従って、IGF1R活性の阻害は、ヒトの癌の成長および他の増殖性疾患を処置または予防するために有益な可能性のある方法を表す。
IGF−I、IGF−IIおよびそれらの受容体IGF1Rは、悪性表現型の重要なメディエーターであることを、いくつかの証拠が示している。IGF−Iの血漿レベルは、前立腺癌リスクの最も強力な予測因子であることが見出されており(Chan, et al., (1998) Science 279:563)、類似の疫学的研究は、血漿IGF−Iレベルを、乳癌、結腸癌および肺癌のリスクと強く関連づけている。
インスリン様増殖因子受容体−1の過剰発現は、いくつかの癌細胞株および腫瘍組織においても証明されている。IGF1Rは、全ての乳癌細胞株の40%(Pandini, et al., (1999) Cancer Res. 5:1935)、肺癌細胞株の15%で過剰発現されている。乳癌腫瘍組織において、IGF1Rは6〜14倍過剰発現されており、IGF1Rは正常組織と比較して2〜4倍高いキナーゼ活性を示す(Webster, et al., (1996) Cancer Res. 56:2781 および Pekonen, et al., (1998) Cancer Res. 48:1343)。結腸直腸癌組織生検材料の90パーセントが上昇したIGF1Rレベルを示し、IGF1R発現の程度が疾患の重症度と相関している。初代子宮頸癌細胞培養物および子宮頸癌細胞株の分析は、IGF1Rが、正常外頚部(ectocervical)細胞と比較して、それぞれ3倍および5倍過剰発現されていることを明らかにした(Steller, et al., (1996) Cancer Res. 56:1762)。滑膜肉腫細胞におけるIGF1Rの発現も、侵襲性表現型と相関した(すなわち、metastasis and high rate of proliferation; Xie, et al., (1999) Cancer Res. 59:3588)。
さらに、緩徐進行型の末端肥大症が、成長ホルモンおよびIGF−Iの過剰分泌により引き起こされる(Ben-Schlomo, et al., (2001) Endocrin. Metab. Clin. North. Am. 30:565-583)。IGF1R機能の拮抗作用は、疾患の処置に役立つ可能性がある。当技術分野において、かかる疾患および障害の処置または予防のためのIGF1Rアンタゴニスト療法が必要とされている。特に、抗IGF1R抗体に基づく治療が有用である。
概要
本発明は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有する、IGF1Rエピトープに少なくとも10−6Mの結合親和性で結合するIgGクラスの完全ヒト抗体を提供する。好ましくは、完全ヒト抗体は、重鎖および軽鎖の両方を有し、ここで、該抗体は、配列番号1/配列番号2(ここでは、GFA1と言う)、配列番号3/配列番号4(ここでは、GFA3と言う)、配列番号5/配列番号6(ここでは、GFA5と言う)、配列番号7/配列番号8(ここでは、GFA6と言う)、配列番号9/配列番号10(ここでは、GFA12と言う)、配列番号11/配列番号12(ここでは、GFC2と言う)、配列番号13/配列番号14(ここでは、A2と言う)、配列番号15/配列番号16(ここでは、A11と言う)、配列番号17/配列番号18(ここでは、B9と言う)、配列番号19/配列番号20(ここでは、B10と言う)、配列番号21/配列番号22(ここでは、A6と言う)、配列番号23/配列番号24(ここでは、C8と言う)、配列番号25/配列番号26(ここでは、C4と言う)、配列番号27/配列番号28(ここでは、E2と言う)、配列番号29/配列番号30(ここでは、B3と言う)、配列番号31/配列番号32(ここでは、D12と言う)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
本発明は、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域を有する完全ヒトFab抗体フラグメントであって、ここで、重鎖可変ドメイン配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有し、軽鎖可変ドメイン配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する、完全ヒトFab抗体フラグメントを提供する。好ましくは、完全ヒト抗体Fabフラグメントは、重鎖可変ドメイン領域および軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、該抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
本発明は、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域および重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域を連結するペプチドリンカーを有する一本鎖ヒト抗体であって、ここで、重鎖可変ドメイン配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列とからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有し、軽鎖可変ドメイン配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する、一本鎖ヒト抗体を提供する。好ましくは、完全ヒト一本鎖抗体は、重鎖可変ドメイン領域および軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、一本鎖完全ヒト抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
本発明はさらに、有効量の抗IGF1Rポリペプチドを投与することを含む、広範囲の哺乳動物の癌または広範囲の炎症性疾患および自己免疫疾患の処置方法であって、ここで、抗IGF1Rポリペプチドが、IGF1Rエピトープに少なくとも10−6Mの結合親和性で結合するIgGクラスの完全ヒト抗体、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域を有する完全ヒトFab抗体フラグメント、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域および重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域を連結するペプチドリンカーを有する一本鎖ヒト抗体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、
全ヒト抗体が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有し、
全ヒトFab抗体フラグメントが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有し、そして
一本鎖ヒト抗体が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有する、方法を提供する。
好ましくは、完全ヒト抗体は、重鎖および軽鎖の両方を有し、ここで、該抗体は、配列番号1/配列番号2(ここでは、GFA1と言う)、配列番号3/配列番号4(ここでは、GFA3と言う)、配列番号5/配列番号6(ここでは、GFA5と言う)、配列番号7/配列番号8(ここでは、GFA6と言う)、配列番号9/配列番号10(ここでは、GFA12と言う)、配列番号11/配列番号12(ここでは、GFC2と言う)、配列番号13/配列番号14(ここでは、A2と言う)、配列番号15/配列番号16(ここでは、A11と言う)、配列番号17/配列番号18(ここでは、B9と言う)、配列番号19/配列番号20(ここでは、B10と言う)、配列番号21/配列番号22(ここでは、A6と言う)、配列番号23/配列番号24(ここでは、C8と言う)、配列番号25/配列番号26(ここでは、C4と言う)、配列番号27/配列番号28(ここでは、E2と言う)、配列番号29/配列番号30(ここでは、B3と言う)、配列番号31/配列番号32(ここでは、D12と言う)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。好ましくは、完全ヒト抗体Fabフラグメントは、配列番号1/配列番号2(ここでは、GFA1と言う)、配列番号3/配列番号4(ここでは、GFA3と言う)、配列番号5/配列番号6(ここでは、GFA5と言う)、配列番号7/配列番号8(ここでは、GFA6と言う)、配列番号9/配列番号10(ここでは、GFA12と言う)、配列番号11/配列番号12(ここでは、GFC2と言う)、配列番号13/配列番号14(ここでは、A2と言う)、配列番号15/配列番号16(ここでは、A11と言う)、配列番号17/配列番号18(ここでは、B9と言う)、配列番号19/配列番号20(ここでは、B10と言う)、配列番号21/配列番号22(ここでは、A6と言う)、配列番号23/配列番号24(ここでは、C8と言う)、配列番号25/配列番号26(ここでは、C4と言う)、配列番号27/配列番号28(ここでは、E2と言う)、配列番号29/配列番号30(ここでは、B3と言う)、配列番号31/配列番号32(ここでは、D12と言う)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。好ましくは、完全ヒト一本鎖抗体は、重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、一本鎖完全ヒト抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
好ましくは、処置されるべき広範囲の哺乳動物の癌は、骨肉腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、何れかの小児癌、腎臓癌、白血病、腎臓腎移行上皮癌、ヴェルナー・モリソン症候群、膀胱癌、ウィルムス腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、良性前立腺過形成、乳癌、前立腺癌、骨腫瘍、肺癌、胃癌、結腸直腸癌、頚部癌、滑膜肉腫、転移性カルチノイドに伴う下痢、血管作動性腸ペプチド分泌性腫瘍、頭頸部癌、扁平細胞癌腫、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液系腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン疾患、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病肥満細胞性白血病、肥満細胞腫瘍、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、シーリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、中枢神経系腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、神経膠芽腫ではない脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腫瘍、前庭神経鞘腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫および脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性障害、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮内膜癌、カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、肝臓癌、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
図1は、2つの方法により決定される抗IGF1R抗体C2の親和性の測定を示す。センサーをrhIGF1RまたはC2 IgGの何れかで被覆し、次いで、インキュベートして、Forte Bio社製のOctet Red Machineを用いて親和性を測定した。C2の親和性は、2つの方法を用いて5.38nMまたは1.45nMであると測定された。 図2は、Forte Bio社製のOctet Red Machineを用いる、抗hIgG Fc捕捉センサー上の抗IGF1R抗体B9の親和性の測定を示す。B9の親和性は1.25nMであると測定された。 図3は、抗IGF1R抗体のMCF7細胞への結合性、およびその細胞結合性のEC50値を示す。 図4は、IGF1Rおよびインスリン受容体への抗IGF1R抗体の結合を比較するELISAアッセイの結果を示す。クローンB9、B10、およびC8は、インスリン受容体と免疫交差反応しない。 図5は、MCF7乳癌細胞における、IGF1刺激されたIGF1Rの自己リン酸化を示す。種々の抗IGF1R抗体を、10μg/mlの抗体濃度で比較し、クローンA6、B9、B10、B10VAR、C2およびC8が、顕著な拮抗作用を示した。 図6は、MCF7乳癌細胞におけるIGF1刺激したIGF1R自己リン酸化の阻害についての抗IGF1R抗体クローンA6、B9、B10VAR、C2およびC8のIC50値を示す。B9は、IC50値が94pMで、IGF1R自己リン酸化の優れた拮抗作用を示す。 図7は、抗IGF1R抗体による、MCF7細胞におけるIGF1刺激による増殖の阻害を示す。抗体で処理しない細胞と比較して、抗IGF1R抗体クローンC2、B10VAR、およびC8は、IGF1刺激による増殖の強力な用量依存的拮抗作用を示す 図8は、100ng/mlのIGF2で処理したMCF7細胞が、IGF1Rのロバストな活性化リン酸化を示したことを示す(カラム2、IGF2のみを、カラム1、未処理と比較)。細胞を抗IGF1R抗体で処理する前に、IGF1Rのこの活性化を可変的に阻止した。クローンB10は、最も強力なIGF1R自己リン酸化の拮抗作用を示した。データは、トリプリケートのサンプル+/−標準誤差の450nm(ABS 450nm)での吸光度で示され、IGF1Rリン酸化/活性化に正比例した。
詳細な説明
本発明は、10−6Mまたはそれ未満の結合親和性でIGF1Rエピトープに結合するIgGクラスの完全ヒト抗体であって、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列を有し、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有する、完全ヒト抗体を提供する。好ましくは、完全ヒト抗体は、重鎖および軽鎖の両方を有し、ここで、該抗体は、配列番号1/配列番号2(ここでは、GFA1と言う)、配列番号3/配列番号4(ここでは、GFA3と言う)、配列番号5/配列番号6(ここでは、GFA5と言う)、配列番号7/配列番号8(ここでは、GFA6と言う)、配列番号9/配列番号10(ここでは、GFA12と言う)、配列番号11/配列番号12(ここでは、GFC2と言う)、配列番号13/配列番号14(ここでは、A2と言う)、配列番号15/配列番号16(ここでは、A11と言う)、配列番号17/配列番号18(ここでは、B9と言う)、配列番号19/配列番号20(ここでは、B10と言う)、配列番号21/配列番号22(ここでは、A6と言う)、配列番号23/配列番号24(ここでは、C8と言う)、配列番号25/配列番号26(ここでは、C4と言う)、配列番号27/配列番号28(ここでは、E2と言う)、配列番号29/配列番号30(ここでは、B3と言う)、配列番号31/配列番号32(ここでは、D12と言う)、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
本発明は、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域を有する完全ヒトFab抗体フラグメントであって、ここで、重鎖可変ドメイン配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有し、軽鎖可変ドメイン配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する、完全ヒトFab抗体フラグメントを提供する。好ましくは、該完全ヒト抗体Fabフラグメントは、重鎖可変ドメイン領域および軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、該抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
本発明は、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域および重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域を連結するペプチドリンカーを有する一本鎖ヒト抗体であって、該重鎖可変ドメイン配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有し、軽鎖可変ドメイン配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する、一本鎖ヒト抗体を提供する。好ましくは、該完全ヒト一本鎖抗体は、重鎖可変ドメイン領域および軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、一本鎖完全ヒト抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
本発明はさらに、有効量の抗IGF1Rポリペプチドを投与することを含む、広範囲の哺乳動物の癌または炎症性疾患または自己免疫疾患の処置方法であって、ここで、該抗IGF1Rポリペプチドが、IGF1Rエピトープに少なくとも10−6Mの結合親和性で結合するIgGクラスの完全ヒト抗体、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域を有する完全ヒトFab抗体フラグメント、重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域および重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域を連結するペプチドリンカーを有する一本鎖ヒト抗体、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され、
全ヒト抗体が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有し、
全ヒトFab抗体フラグメントが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有し、そして
一本鎖ヒト抗体が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、および配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有する、方法を提供する。
好ましくは、完全ヒト抗体は、重鎖および軽鎖を両方有し、ここで、該抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。好ましくは、完全ヒトヒト抗体Fabフラグメントは、重鎖可変ドメイン領域および軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、該抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
好ましくは、完全ヒト一本鎖抗体は、重鎖可変ドメイン領域および軽鎖可変ドメイン領域の両方を有し、ここで、該一本鎖完全ヒト抗体は、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30、配列番号31/配列番号32、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する。
好ましくは、処置されるべき広範囲の哺乳動物の癌は、卵巣癌、結腸癌、乳癌、肺癌、骨髄腫、神経芽細胞性CNS腫瘍、単球性白血病、B細胞性白血病、T細胞性白血病、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、肥満細胞腫、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、自己免疫疾患または炎症性疾患は、腸管粘膜の炎症、大腸炎と関係する消耗性疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ウイルス感染、リウマチ性関節炎、骨関節症、乾癬、クローン病、および炎症性腸疾患からなる群より選択される。
“抗原結合タンパク質”は、抗原に結合する部分を含み、任意に、抗原結合部分が、抗原結合タンパク質の抗原への結合を促進する立体構造を取ることを可能にする、足場(scaffold)またはフレームワーク部分を含む、タンパク質である。抗原結合タンパク質の例としては、抗体、抗体フラグメント(例えば、抗体の抗原結合部分)、抗体誘導体、および抗体類縁体が挙げられる。抗原結合タンパク質は、例えば、CDRまたはCDR誘導体が移植された代替のタンパク質足場または人工の足場を含んでもよい。このような足場には、例えば、抗原結合タンパク質の3次元構造を安定化させるために導入される突然変異を含む抗体由来の足場、ならびに、例えば、生体適合性ポリマーを含む全面合成足場が含まれるが、これらに限定されない。例えば、Korndorfer et al., 2003, Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics, Volume 53, Issue 1:121-129; Roque et al., 2004, Biotechnol. Prog. 20:639-654を参照のこと。さらに、ペプチド抗体模倣体(“PAM”)、ならびにフィブロネクチン要素を足場として利用する抗体模倣体に基づく足場を使用することができる。
抗原結合タンパク質は、例えば、天然に存在する免疫グロブリンの構造を有し得る。“免疫グロブリン”は、四量体分子である。天然に存在する免疫グロブリンにおいて、各四量体は、2つの同一ポリペプチド鎖対から構成され、各対は、1つの“軽”鎖(約25kDa)および1つの“重”鎖(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、主として抗原認識を担う、約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部分は、主としてエフェクター機能を担う、定常領域を定義する。ヒト軽鎖は、κまたはλ軽鎖として分類される。重鎖は、μ、δ、γ、α、またはεとして分類され、それぞれ、抗体のアイソタイプをIgM、IgD、IgG、IgA、およびIgEと定義する。軽鎖および重鎖の中で、可変領域および定常領域は、約12またはそれ以上のアミノ酸の“J”領域によって接合され、重鎖がさらに約10またはそれ以上のアミノ酸の“D”領域を含む。一般的には、Fundamental Immunology Ch. 7 (Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y. (1989))を参照のこと。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、インタクトな免疫グロブリンが2つの結合部位を有するように抗体結合部位を形成する。
天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域は、相補性決定領域またはCDRとも呼ばれる、3つの超可変領域によって接合される、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)の、同一の一般的構造を示す。N末端からC末端へ、軽鎖および重鎖のいずれも、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4ドメインを含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat et al. in Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed., US Dept. of Health and Human Services, PHS, NIH, NIH Publication no. 91-3242, 1991の定義に従って行われる。免疫グロブリン鎖のアミノ酸の他の付番方式としては、IMGT.RTM(international ImMunoGeneTics information system; Lefranc et al, Dev. Comp. Immunol. 29:185-203; 2005)、およびAHo(Honegger and Pluckthun, J. Mol. Biol. 309(3):657-670; 2001)が挙げられる。
抗体は、種々の抗原特異性を有する免疫グロブリンを含む、血清または血漿のような供給源から得られ得る。そのような抗体を親和性精製するとき、それらは、特定の抗原特異性が豊富になり得る。かかる抗体の富化調製物は通常、特定の抗原に対して特異的結合活性を有する約10%未満の抗体で作製される。これらの調製物を数回の親和性精製を行うことにより、抗原に対して特異的結合活性を有する抗体の割合を増加することができる。この方法で製造された抗体は、“単一特異的”抗体と呼ばれることが多い。単一特異的抗体調製物は、特定の抗原に対する特異的結合活性を有する約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、または99.9%の抗体で構成され得る。
“抗体”とは、他に特記されない限り、特異的結合について、インタクトな抗体と競合する、インタクトな免疫グロブリンまたはその抗原結合部分を意味する。抗原結合部分は、組換えDNA技術によって、またはインタクトな抗体の酵素的もしくは化学的開裂によって、製造され得る。抗原結合部分としては、とりわけ、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、ドメイン抗体(dAb)、および相補性決定領域(CDR)フラグメント、一本鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、およびポリペプチドに特異的抗原結合を与えるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部分を含有するポリペプチドが挙げられる。
Fabフラグメントは、V、V、CおよびCH1ドメインを有する一価フラグメントであり、F(ab’)フラグメントは、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって結合される2つのFabフラグメントを有する二価フラグメントであり、Fdフラグメントは、VおよびCH1ドメインを有し、Fvフラグメントは、抗体の単一のアームのVおよびVドメインを有し、dAbフラグメントは、Vドメイン、Vドメイン、またはVもしくはVドメインの抗原結合フラグメントを有する(米国特許第6,846,634号、および同第6,696,245号、ならびに米国出願公開第2005/0202512号、同第2004/0202995号、同第2004/0038291号、同第2004/0009507号、同第2003/0039958号、ならびにWard et al., Nature 341:544-546, 1989)。
一本鎖抗体(scFv)は、VおよびV領域が、リンカー(例えば、アミノ酸残基の合成配列)を介して接合されて、連続的なタンパク質鎖を形成する抗体であり、このリンカーは、タンパク質鎖がそれ自体折り畳まれて一価の抗原結合部位を形成するのに十分に長い(例えば、Bird et al., 1988, Science 242:423-26 and Huston et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-83を参照のこと)。二重特異性抗体は、2つのポリペプチド鎖を含む二価抗体であり、各ポリペプチド鎖は、同じ鎖の2つのドメイン間で対合を可能にするには短すぎ、故に、各ドメインを別のポリペプチド鎖の相補性ドメインと対合させるのを可能にするリンカーによって接合される、VおよびVドメインを含む(例えば、Holliger et al., 1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-48, and Poljak et al., 1994, Structure 2:1121-23を参照のこと)。二重特異性抗体の2つのポリペプチド鎖が同一のとき、それらの対合からもたらされる二重特異性抗体は、2つの同一の抗原結合部位を有することになる。異なる配列を有するポリペプチド鎖を使用して、2つの異なる抗原結合部位を有する二重特異性抗体を作製することができる。同様に、三重特異性抗体および四重特異性抗体は、それぞれ3つおよび4つのポリペプチド鎖を含み、それぞれ、同じかまたは異っていてよい、3つおよび4つの抗原結合部位を形成する、抗体である。
所定の抗体の相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)は、上記のKabat et al.;上記のLefranc et al., および/または上記のHonegger and Pluckthunに記載のシステムを使用して、同定することができる。1つ以上のCDRを、共有結合的または非共有結合的に分子に組み込み、抗原結合タンパク質を作製することができる。抗原結合タンパク質は、CDR(複数可)をより大きなポリペプチド鎖の一部として組み込むことができるか、CDR(複数可)を別のポリペプチド鎖に共有結合させることができるか、またはCDR(複数可)を非共有的に組み込むことができる。CDRは、抗原結合タンパク質が、目的とされる特定の抗原に特異的に結合することを可能にする。
抗原結合タンパク質は、1つ以上の結合部位を有し得る。2つ以上の結合部位があるとき、結合部位は、互いに同一であってもよく、または異なってもよい。例えば、天然に存在するヒト免疫グロブリンは、典型的に、2つの同一な結合部位を有し、一方で、“二重特異性”または“二機能性”抗体は、2つの異なる結合部位を有する。
用語“ヒト抗体”には、ヒト免疫グロブリン配列に由来する1つ以上の可変領域および定常領域を有する、全ての抗体が含まれる。一態様において、可変ドメインおよび定常ドメインの全てが、ヒト免疫グロブリン配列に由来する(完全ヒト抗体)。これらの抗体は、種々の方法で調製することができ、その例は以下に記載され、ヒト重鎖および/もしくは軽鎖をコード化する遺伝子に由来する抗体を発現するように遺伝子修飾された、マウスの目的とされる抗原での免疫付与によるものを含む。
ヒト化抗体は、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、および/または付加によって非ヒト種に由来する抗体の配列とは異なる配列を有し、そのため、ヒト化抗体は、ヒト対象に投与されるとき、非ヒト種抗体と比較して、免疫応答を誘発する可能性が低く、および/または重篤度がより低い免疫応答を誘発する。一態様において、非ヒト種抗体の重鎖および/または軽鎖のフレームワークドメインおよび定常ドメイン内のある特定のアミノ酸を、突然変異させてヒト化抗体を作製する。別の態様において、ヒト抗体に由来する定常ドメイン(複数可)を、非ヒト種の可変ドメイン(複数可)に融合する。別の態様において、非ヒト抗体の1つ以上のCDR配列内の1つ以上のアミノ酸残基を、ヒト対象に投与したときに非ヒト抗体の免疫原性の可能性を低減させるように変化させる。ここで、この変化させたアミノ酸残基は、抗体のその抗原への免疫特異的結合にとって重要ではないか、またはアミノ酸配列への変更は、ヒト化抗体の抗原への結合が非ヒト抗体の抗原への結合よりも著しく悪くならないように、保存的変更である。ヒト化抗体の作製方法の例は、米国特許第6,054,297号、同第5,886,152号、および同第5,877,293号に見出すことができる。
用語“キメラ抗体”は、1つの抗体に由来する1つ以上の領域と、1つ以上の他の抗体に由来する1つ以上の領域を含有する抗体を意味する。一態様において、CDRの1つ以上は、ヒト抗IGF1R抗体に由来する。別の態様において、CDRの全ては、ヒト抗IGF1R抗体に由来する。別の態様において、2以上のヒト抗IGF1R抗体に由来するCDRを混合し、1個のキメラ抗体中で対合させる。例えば、キメラ抗体は、第1のヒトヒト抗PAR−2抗体の軽鎖に由来するCDR1、第2のヒト抗IGF1R抗体の軽鎖に由来するCDR2およびCDR3、ならびに第3の抗IGF1R抗体に由来する重鎖に由来するCDRを含み得る。他の組み合わせも可能である。
さらに、フレームワーク領域は、同じ抗IGF1R抗体の1つに由来するか、ヒト抗体のような1つ以上の異なる抗体に由来するか、またはヒト化抗体に由来し得る。キメラ抗体の1つの例において、重鎖および/または軽鎖の一部分は、特定の種に由来するか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体と、同一であるか、相同であるか、またはそれに由来するが、一方でその鎖(複数可)の残りの部分は、別の種に由来するかまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体(複数可)と、同一であるか、相同であるか、またはそれに由来する。所望の生物学的活性(すなわち、IGF1Rに特異的に結合する能力)を示す、かかる抗体のフラグメントもまた包含される。
“中和抗体”または“阻害抗体”は、過剰量の抗IGF1R抗体が、本明細書の実施例に記載のようなアッセイを用いて、IGF1Rのタンパク質分解活性の量を少なくとも約20%減じるとき、該活性を阻害する抗体である。種々の態様において、抗原結合タンパク質は、IGF1Rのタンパク質分解活性の量を、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、および99.9%減じる。
抗体のフラグメントまたは類縁体は、本明細書に記載の技術に従い、当技術分野で公知の技術を用いて、当業者によって容易に調製することが可能である。フラグメントまたは類縁体の好ましいアミノ末端およびカルボキシ末端は、機能的ドメインの境界近くに存在する。構造的および機能的ドメインは、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列データを公または特許の配列データベースと比較することにより同定が可能である。コンピューターによる比較方法が、既知の構造および/または機能をもつ他のタンパク質中に存在する配列モチーフまたは予想されるタンパク質コンフォメーションのドメインを同定するために用いられる。既知の三次元構造へ折り畳まれているタンパク質配列を同定する方法が知られている。Bowie et al., 1991, Science 253:164を参照のこと。
“CDR移植抗体”は、特定の種またはアイソタイプの抗体由来の1つ以上のCDR、および同じか、または異なる種またはアイソタイプの別の抗体のフレームワークを含む抗体である。
“多重特異的抗体”は、1つ以上の抗原上の2以上のエピトープを認識する抗体である。抗体のこのタイプのサブクラスは、同じか、または異なる抗原上の2つの異なるエピトープを認識する“二重特異的抗体”である。
抗原結合タンパク質は、それが、1ナノモルまたはそれ未満の解離定数で抗原に結合するとき、抗原(例えば、ヒトIGF1R)に“特異的に結合する”。
“抗原結合ドメイン”、“抗原結合領域”または“抗原結合部位”とは、抗原と相互作用し、抗原結合タンパク質の抗原に対する特異性および親和性に貢献するアミノ酸残基(または他の部分)を含む、抗原結合タンパク質の一部である。その抗原に特異的に結合する抗体に関して、これは、そのCDRドメインの少なくとも1つの少なくとも一部を含み得る。
“エピトープ”は、抗原結合タンパク質によって(例えば、抗体によって)結合される分子の部分である。エピトープは、分子の接触していない部分(例えば、ポリペプチド中、ポリペプチドの一次配列にて互いに連続しないが、ポリペプチドの三次構造および四次構造に関しては、抗原結合タンパク質によって結合されるのに充分近いアミノ酸残基)を含んでいてよい。
2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列の“同一性”は、GAPコンピュータープログラム(GCG Wisconsin Package, version 10.3 (Accelrys, San Diego, Calif.)の一部)を用いて、そのデフォルトパラメーターを用いて配列を比較することにより測定される。
用語“ポリヌクレオチド”、“オリゴヌクレオチド”および“核酸”は、本明細書中、区別なく使用され、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチド類縁体(例えば、ペプチド、核酸および天然に存在しないヌクレオチド類縁体)を用いて作製されるDNAまたはRNAの類縁体、およびそれらのハイブリッドを含む。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得る。一態様において、本発明の核酸分子は、抗体、またはフラグメント、その誘導体、突然変異体、もしくは変異体をコード化する隣接するオープンリーディングフレームを含む。
2つの一本鎖ポリヌクレオチドは、それらの配列が、1つのポリヌクレオチド中の各ヌクレオチドが、ギャップの導入がなく、かつそれぞれの配列の5’末端または3’末端に不対ヌクレオチドがなく、他のポリヌクレオチド中のその相補的ヌクレオチドと反対になるように、逆並行方向に整列され得るとき、互いに“相補的”である。ポリヌクレオチドは、2つのポリヌクレオチドが適度に厳しい条件下で互いにハイブリダイズし得るとき、別のポリヌクレオチドに“相補性”である。故に、ポリヌクレオチドは、その相補体ではない別のポリヌクレオチドに相補的であってよい。
“ベクター”は、細胞にそれと結合された別の核酸を導入するために使用され得る核酸である。1つのタイプのベクターは、“プラスミド”であり、付加的核酸部分がそこに結合され得る、直線状または環状の二本鎖DNA分子を意味する。別のタイプのベクターは、ウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルス)であり、付加的DNA部分がウイルスゲノム中に導入され得る。あるベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自律的に複製可能である(例えば、細菌の複製起点を含む細菌ベクターおよびエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に、宿主細胞のゲノムに組み込まれ、それにより、宿主ゲノムとともに複製される。“発現ベクター”は、目的のポリヌクレオチドを発現させ得るタイプのベクターである。
ヌクレオチド配列は、制御配列がヌクレオチド配列の発現(例えば、発現のレベル、タイミング、または場所)に影響を与えるとき、制御配列に“操作可能に連結されている”。“制御配列”は、それが操作可能に連結されている核酸の発現(例えば、発現のレベル、タイミング、または場所)に影響を与える核酸である。制御配列は、例えば、制御核酸に直接、または1つ以上の他の分子(例えば、制御配列および/または核酸に結合するポリペプチド)の作動を介して、その影響を及ぼし得る。制御配列の例としては、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が挙げられる。
“宿主細胞”は、核酸、例えば、本発明の核酸を発現するために使用され得る細胞である。宿主細胞は、原核生物、例えば大腸菌であるか、または真核生物、例えば、単細胞真核生物(例えば、酵母または他の菌類)、植物細胞(例えば、タバコまたはトマト植物細胞)、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター細胞、ラット細胞、マウス細胞、または昆虫細胞)またはハイブリドーマであり得る。宿主細胞の例としては、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはVeggie CHOおよび血清不含有培地中で増殖させたその関係細胞株(Rasmussen et al., 1998, Cytotechnology 28:31を参照のこと)のようなそれらの誘導株、またはDHFR中に欠損を有するCHO株DX−B11(Urlaub et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-20を参照のこと)、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞株、アフリカミドリザル腎臓細胞株CV1由来のCV1/EBNA細胞株(ATCC CCL 70)(McMahan et al., 1991, EMBO J. 10:2821を参照のこと)、293、293 EBNAまたはMSR293のようなヒト胎児性腎臓細胞、ヒト上皮A431細胞、ヒト Colo205細胞、他の形質転換された霊長動物細胞株、正常2倍体細胞、インビトロでの一次組織培養物に由来する細胞株、初代移植細胞、HL−60、U937、HaKまたはJurkat細胞が挙げられる。典型的に、宿主細胞は、宿主細胞中で発現され得るポリペプチドをコード化する核酸を用いて形質転換されるか、またはそれをトランスフェクトされ得る培養細胞である。用語“組換え宿主細胞”は、発現されるべき核酸を用いて形質転換されるか、またはそれを用いてトランスフェクトされている宿主細胞を示すために用いられ得る。宿主細胞はまた、核酸を含むが、核酸と操作可能に連結されるように、制御配列が宿主細胞中に導入されない限り、所望のレベルでそれを発現しない、細胞であり得る。用語“宿主細胞”は、特定の対象細胞のみを意味するのではなく、かかる細胞の後代系統または可能性のある後代系統を意味することが理解される。ある修飾がその後代において、例えば変異または環境の影響により起こり得るため、そのような後代系統は、実際、親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書で用いる用語の範囲内に包含される。
好ましくは、処置されるべき哺乳動物の癌は、横紋筋肉腫、神経芽腫、何れかの小児癌、腎臓癌、白血病、腎臓腎移行上皮癌、ヴェルナー・モリソン症候群、膀胱癌、ウィルムス腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、良性前立腺過形成、乳癌、前立腺癌、骨腫瘍、肺癌、胃癌、結腸直腸癌、頚部癌、滑膜肉腫、転移性カルチノイドに伴う下痢、血管作動性腸ペプチド分泌性腫瘍、頭頸部癌扁平細胞癌腫、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液系腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン疾患、non−ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病肥満細胞性白血病、肥満細胞腫瘍、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、シーリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、中枢神経系の腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、神経膠芽腫ではない脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腫瘍、前庭神経鞘腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫および脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性障害、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮内膜癌、カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、肝臓癌、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される。
発現コンストラクトは、宿主細胞に合う方法を用いて該宿主細胞に導入される。核酸を宿主細胞に導入するための種々の方法が当技術分野で公知であり、エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化ルビジウム、リン酸カルシウム、DEAE−デキストラン、または他の物質を用いるトランスフェクション;微粒子銃(microprojectile bombardment);リポフェクション;および、感染(ベクターが感染性因子である)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な宿主細胞には、原核生物、酵母、哺乳動物細胞、または細菌細胞が含まれる。
好適な細菌には、グラム陰性またはグラム陽性生物、例えば、大腸菌またはバシラス属が含まれる。好ましくは出芽酵母のようなサッカロミセス属由来の酵母はまた、ポリペプチドの作製に使用され得る。種々の哺乳動物細胞または昆虫細胞培養システムもまた、組換えタンパク質を発現するために使用され得る。昆虫細胞における異種タンパク質の産生のためのバキュロウイルス系は、Luckow and Summers(Bio/Technology, 6:47, 1988)に記載されている。好適な哺乳動物宿主細胞株の例としては、内皮細胞、COS−7サル腎臓細胞、CV−1、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、ヒト胎児性腎臓細胞、HeLa、293、293T、およびBHK細胞株が含まれる。精製ポリペプチドは、好適な宿主/ベクター系を培養して、組換えタンパク質を発現させることにより製造される。多くの適用に関して、少量の本明細書に記載のポリペプチドの多くが、好ましい発現方法として大腸菌における発現により製造され得る。その後、タンパク質は、培養培地または細胞抽出物から精製される。
本明細書に記載のタンパク質はまた、細胞翻訳システムを用いて製造され得る。そのような目的に関して、ポリペプチドをコード化する核酸は、インビトロで転写されてmRNAを製造するため、かつ利用される特定の無細胞系(哺乳動物細胞または酵母のような真核生物の無細胞翻訳系または細菌のような原核生物の無細胞翻訳系)においてmRNAの無細胞翻訳を可能にするために修飾されなければならない。
IGF1R結合ポリペプチドはまた、化学的合成法により(例えば、Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd ed., 1984, The Pierce Chemical Co., Rockford, Ill.に記載の方法により)製造され得る。タンパク質の修飾はまた、化学的合成法によりなされ得る。
本明細書に記載のポリペプチドは、タンパク質化学の分野で一般的に公知のタンパク質の単離/精製法により精製され得る。それに限定されない例としては、抽出、再結晶、塩析(例えば、硫酸アンモニウムまたは硫酸ナトリウムを用いる)、遠心、透析、限外濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲル濾過、ゲル浸透クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、電気泳動、向流分配またはこれらの何れかの組み合わせが挙げられる。精製後、ポリペプチドは、異なるバッファーに交換され、および/または濾過および透析を含むが、これに限定されない、当技術分野で公知の種々の方法の何れかにより濃縮され得る。
精製されたポリペプチドは、好ましくは、少なくとも85%の純度、より好ましくは少なくとも95%の純度、最も好ましくは少なくとも98%の純度である。純度の正確な数値に関わらず、ポリペプチドは、医薬品として使用するために十分に純粋である。
ポリペプチドの翻訳後修飾
ある態様において、本発明の結合ポリペプチドはさらに、翻訳後修飾を含み得る。タンパク質の翻訳後修飾の例としては、リン酸化、アセチル化、メチル化、ADP−リボース化、ユビキチン化、グリコシル化、カルボニル化、SUMO化(sumoylation)、ビオチン化またはポリペプチド側鎖もしくは疎水性基の付加が挙げられる。結果として、修飾された可溶性ポリペプチドは、脂質、多糖類または単糖類、およびリン酸のような非アミノ酸要素を含み得る。グリコシル化の好ましい形態は、1つ以上のシアル酸部分をポリペプチドに結合させる、シアリル化である。シアル酸部分は、溶解性および血清半減期を改善し、一方で、タンパク質の免疫遺伝学的解析の可能性を低減する。Raju et al. Biochemistry. 2001 31; 40(30):8868-76を参照のこと。
1つの特定の態様において、目的の可溶性ポリペプチドの修飾形態は、目的の可溶性ポリペプチドに非タンパク質様ポリマーを結合したものを含む。1つの特定の態様において、ポリマーは、ポリエチレングリコール(“PEG”)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンであり、米国特許番号第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号または同第4,179,337号に記載されている。
PEGは、市販されているか、または当技術分野で周知の方法(Sandler and Karo, Polymer Synthesis, Academic Press, New York, Vol. 3. pages 138-161)によるエチレングリコールの開環重合により製造することができる、水溶性ポリマーである。用語“PEG”は、このPEGのサイズまたは末端での修飾にかかわらず、あらゆるポリエチレングリコール分子を包含するように広く用いており、式: X−O(CHCHO)−1CHCHOH (1)(式中、nは、20から2300であり、Xは、Hまたは末端修飾、例えばC1−4アルキルである。)によって表すことができる。一態様において、本発明のPEGは、一方の末端がヒドロキシまたはメトキシで終わる、すなわち、Xは、HまたはCHである(“メトキシPEG”)。PEGは、結合反応に必要なさらなる化学基を含み得る。それは、分子の化学合成の結果生じるか、または分子の一部の最適距離のためのスペーサーである。加えて、かかるPEGは、互いに結合した1つ以上のPEG側鎖で構成されていてよい。2以上のPEG鎖を含むPEGは、分岐型(multiarmedまたはbranched)PEGと呼ばれる。分岐型PEGは、例えば、グリセロール、ペンタペンタエリスリトールおよびソルビトールなどの種々のポリオールに酸化ポリエチレンを付加することによって製造することができる。例えば、4アーム型PEGは、ペンタエリスリトールおよび酸化エチレンから製造できる。分岐型PEGは、例えば、EP−A 0 473 084および米国特許番号第5,932,462号に記載されている。PEGの一形態は、リシンの一級アミノ基を介して結合された2つのPEG側鎖(PEG2)を含む(Monfardini et al., Bioconjugate Chem. 6 (1995) 62-69)。
好ましい態様において、ペグ化された10Fn3ポリペプチドを、部位特異的なペグ化により、特にN末端またはC末端のシステイン部分にPEGをコンジュゲーションさせることにより製造する。従って、本発明は、改善された薬物動態特性を有する標的に結合する10Fn3ポリペプチドを提供する。該ポリペプチドは、約80ないし約150アミノ酸の10Fn3ドメイン(ここで、該10Fn3ドメインのループの少なくとも1つは、標的の結合に関与する)、および共有結合しているPEG部分を含み、該10Fn3ポリペプチドは、100nM未満のKで標的に結合し、哺乳動物において30mL/hr/kg未満の排出速度である。PEG部分は、部位特異的ペグ化により、例えば、Cys残基(Cys残基は、10Fn3ポリペプチドのN末端またはN末端とN末端の最も近くに位置するベータストランドもしくはベータ様ストランドの間、あるいは10Fn3ポリペプチドのC末端またはC末端とC末端の最も近くに位置するベータストランドもしくはベータ様ストランドの間に位置し得る。)への付着により、10Fn3ポリペプチドに結合できる。Cys残基は、他の位置においても、特に標的結合に関与しない何れかのループにも存在し得る。PEG部分はまた、アミンへのコンジュゲーションを含む他の化学的方法により付着されてもよい。
ペプチドまたはタンパク質へのPEGコンジュゲーションは、PEGの活性化、および活性化されたPEG中間体の標的タンパク質/ペプチドへの直接結合、または、結合後に、活性化され、そして標的タンパク質/ペプチドに結合されるリンカーへの結合を伴う(Abuchowski et al., J. Biol. Chem., 252, 3571 (1977) および J. Biol. Chem., 252, 3582 (1977), Zalipsky, et al., および Harris et. al., in: Poly(ethylene glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications; (Harris ed.) Plenum Press: New York, 1992; Chap.21 and 22を参照のこと。)。PEG分子を含む結合ポリペプチドはまた、コンジュゲート型タンパク質としても公知であり、一方、PEG分子の結合を欠くタンパク質を、非コンジュゲート型と言うことがあることが特記される。
種々の分子量形態の、例えば、約1,000ダルトン(Da)ないし100,000Da(nは、20ないし2300である)のPEGが、IGF1R結合ポリペプチドへのコンジュゲーションのために選択され得る。PEGにおける反復単位数“n”は、ダルトンで表される分子量に対して、概算される。活性化されたリンカー上のPEGの組み合わされた分子量は、薬学的用途に好適であることが好ましい。故に、一態様において、PEG分子の分子量は、100,000Daを超えない。例えば、3個のPEG分子をリンカーに結合させるとき(ここで、各PEG分子は、12,000Daの同じ分子量を有する(各nは約270である)、リンカー上のPEGの全分子量は、約36,000Daである(合計で、nは約820である)。リンカーに結合したPEGの分子量はまた、異なっていてよく、例えば、リンカー上の3つの分子のうち、2つのPEG分子は、それぞれ5,000Daであり得て(各nは約110である)、1つのPEG分子は、12,000Daであり得る(nは約270である)。
本明細書の特定の態様において、IGF1R結合ポリペプチドは、次の式の1つのポリ(エチレングリコール)基に共有結合される:−CO−(CH−(OCHCH−OR(式中、ポリ(エチレングリコール)基の−CO(すなわち、カルボニル)は、結合ポリペプチドのアミノ基の1つとアミド結合を形成し、Rは、低級アルキルであり、xは、2または3であり、mは、約450〜約950であり、そしてnおよびmは、コンジュゲートから結合ポリペプチドを差し引いたときの分子量が、約10〜40kDaであるように選択される)。一態様において、結合ポリペプチドのリシンのε−アミノ基は、利用可能な(遊離)アミノ基である。
上記の複合体は、より具体的に次の式(II)で示される:P−NHCO−(CH−(OCHCH−OR(II)(式中、Pは、本明細書に記載の通り、結合ポリペプチドの基であり(すなわち、式(II)に示されるカルボニルとアミド結合を形成する1個のアミノ基または複数のアミノ基はない)、Rは低級アルキルであり、xは、2または3であり、mは、約450〜約950であり、複合体から結合ポリペプチドを差し引いたときの分子量が、約10〜40kDaであるように選択される)。本明細書で用いる所定の範囲“m”は、配向性の意味を有する。“m”の範囲は、場合によって決定され、正確には、PEG基の分子量によって決定される。
当業者は、例えば、ペグ化結合ポリペプチドが治療上どのように使用されるか、所望の投与量、循環時間、タンパク質分解に対する耐性、免疫原性、および他の考慮に基づいて、PEGの適切な分子量を選択することができる。
1つの特定の態様において、PEGの炭酸エステルを用いて、PEG結合ポリペプチドコンジュゲートを形成させる。N,N’−ジスクシンイミジルカルボネート(DSC)を、PEGとの反応において使用して、活性な混合型PEG−スクシンイミジルカルボネートを形成させてもよく、続いて、リンカーの求核基または結合ポリペプチドのアミノ基と反応させてもよい(米国特許番号第5,281,698号および同第5,932,462号を参照のこと)。類似のタイプの反応では、1,1’−(ジベンゾトリアゾリル)カルボネートおよびジ−(2−ピリジル)カルボネートを、PEGと反応させて、それぞれ、PEG−ベンゾトリアゾリルおよびPEG−ピリジル混合型カルボネートを形成させてもよい(米国特許番号第5,382,657号)。
10Fn3ポリペプチドのペグ化は、従来技術の方法によって、例えば、結合ポリペプチドと、求電子的に活性なPEG(供給元:Shearwater Corp.,USA,www.shearwatercorp.com)との反応によって、実施することができる。本発明の好ましいPEG試薬は、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミジルプロピオネート(PEG−SPA)、ブタノエート(PEG−SBA)、PEG−スクシンイミジルプロピオネートまたはmPEG2−NHSのような分岐N−ヒドロキシスクシンイミドである(Monfardini et al., Bioconjugate Chem. 6 (1995) 62-69)。そのような方法を使用して、結合ポリペプチドのリシンのε−アミノ基または結合ポリペプチドのN末端アミノ基でペグ化してもよい。
別の態様において、PEG分子は、結合ポリペプチド上のスルフヒドリル基に結合させてもよい(Sartore et al., Appl. Biochem. Biotechnol., 27, 45 (1991); Morpurgo et al., Biocon. Chem., 7, 363-368 (1996); Goodson et al., Bio/Technology (1990) 8, 343; U.S. Patent 5,766,897)。米国特許番号第6,610,281号および同第5,766,897号は、スルフヒドリル基に結合することができる例示的な反応性PEG種について記載している。
PEG分子が、結合ポリペプチド上のシステイン残基にコンジュゲートされるいくつかの態様において、システイン残基は、結合ポリペプチドに天然に認められるが、他の態様では、1つ以上のシステイン残基が、結合ポリペプチドに操作導入される。変異を結合ポリペプチドコーディング配列に導入して、システイン残基を作製してもよい。これは、例えば、1つ以上のアミノ酸残基を変異させてシステインにすることによって達成され得る。システイン残基に変異させるのに好ましいアミノ酸としては、セリン、スレオニン、アラニンおよび他の親水性残基が挙げられる。好ましくは、システインに変異されるべき残基は、表面に露出した残基である。あるいは、どの結合ポリペプチドを設計し、そして展開させるかに基づくフレームワークの結晶構造が解明されていれば、結合ポリペプチドのアミノ酸配列を比較することによって表面残基を推定することができ(Himanen et al., Nature. (2001) 20-27; 414(6866):933-8)、それ故、表面に露出した残基が同定される。一態様において、システイン残基は、N末端および/またはC末端もしくはその付近、またはループ領域内の結合ポリペプチドに導入される。
いくつかの態様において、ペグ化結合ポリペプチドは、N末端アミノ酸のαアミノ基に共有結合したPEG分子を含む。部位特異的N末端還元的アミノ化については、Pepinsky et al., (2001) JPET, 297,1059、および米国特許番号第5,824,784号に記載されている。他の利用可能な求核アミノ基を利用したタンパク質の還元的アミノ化のPEG−アルデヒドの使用については、米国特許番号第4,002,531号、Wieder et al., (1979) J. Biol. Chem. 254,12579、およびChamow et al., (1994) Bioconjugate Chem. 5, 133に記載されている。
別の態様において、ペグ化結合ポリペプチドは、リンカーに共有結合した1つ以上のPEG分子を含み、次に、結合ポリペプチドのN末端におけるアミノ酸残基のαアミノ基に付着される。そのようなアプローチについては、米国特許出願第2002/0044921号およびWO094/01451に記載されている。
一態様において、結合ポリペプチドは、C末端においてペグ化される。特定の態様では、タンパク質は、C末端アジド−メチオニンの導入およびその後のシュタウディンガー反応を介するメチル−PEG−トリアリールホスフィン化合物のコンジュゲーションによって、C末端においてペグ化される。このC末端コンジュゲーション法については、Cazalis et al., Bioconjug. Chem. 2004; 15(5):1005-1009に記載されている。
結合ポリペプチドのモノペグ化はまた、WO94/01451に記載の一般的方法に従い製造可能である。WO94/01451は、修飾された末端アミノ酸のアルファ−炭素反応基を有する組換えポリペプチドを調製するための方法を記載する。該方法の工程は、組換えポリペプチドの形成、およびN末端アルファ−アミンおよびC末端アルファ−カルボキシルでの1またはそれ以上の生物学的に付加される保護基によるその保護を含む。次に、ポリペプチドを化学的保護剤と反応させて、反応性側鎖基を選択的に保護し、それにより、側鎖基の修飾を妨げる。次いで、ポリペプチドを、生物学的保護基に対して特異的な切断試薬により切断して、保護されていない末端アミノ酸アルファ−炭素反応基を形成させる。保護されていない末端アミノ酸アルファ−炭素反応基は、化学的修飾試薬により修飾される。次に、側鎖保護された、末端修飾された単一コピーのポリペプチドが、側鎖基で脱保護されて、末端修飾された組換え単一コピーポリペプチドが形成される。該方法における工程の数および順序は、ポリペプチドのN末端および/またはC末端アミノ酸で選択的修飾を達成するために変更され得る。
コンジュゲーション反応における結合ポリペプチドと活性型PEGの比は、約1:0.5ないし1:50、約1:1ないし1:30の間、または約1:5ないし1:15であり得る。結合ポリペプチドへのPEGの共有結合的付加を触媒するために、本方法において種々の水性緩衝液を用いることができる。一態様において、用いる緩衝液のpHは、約7.0から9.0である。別の態様において、pHは、わずかに塩基性であって、例えば、約7.5から8.5である。例えば、リン酸緩衝液のような、中性pHに近いpKaを有する緩衝液を使用することができる。
当技術分野で公知の常套の分離および精製技術、例えばサイズ排除クロマトグラフィー(例えば、ゲル濾過)およびイオン交換クロマトグラフィーを、PEG化結合ポリペプチドを精製するために使用することができる。生成物はまた、SDS−PAGEを使用して分離してもよい。分離することができる生成物には、モノ−、ジ−、トリ−、ポリ−および非ペグ化結合ポリペプチド、ならびに遊離のPEGが含まれる。モノ−PEGコンジュゲートの割合は、溶出ピークの周囲のより広範な画分を集めて、組成物中のモノ−PEGの割合を増加することによって、制御することができる。約90パーセントのモノ−PEGコンジュゲートは、収量および活性の良好なバランスを表す。例えば、コンジュゲートの少なくとも92パーセントまたは少なくとも96パーセントがモノ−PEG種である組成物が、所望され得る。本発明の一態様では、モノ−PEGコンジュゲートの割合は、90パーセント〜96パーセントである。
一態様において、本発明のPEG化結合ポリペプチドは、1、2またはそれ以上のPEG部分を含む。一態様において、PEG部分(複数可)は、タンパク質の表面上にあるアミノ酸および/または標的リガンドに接触する表面から離れたアミノ酸に結合される。一態様において、PEG−結合ポリペプチドにおいて使用されるPEGの組み合わせた、または合計の分子量は、約3,000Daから60,000Daであり、要すれば約10,000Daから36,000Daである。一態様において、ペグ化結合ポリペプチドにおけるPEGは、実質的に直線状の、直鎖PEGである。
本発明の一態様において、ペグ化結合ポリペプチドにおけるPEGは、ヒドロキシルアミンアッセイ、例えば、8〜16時間、室温で450mMヒドロキシルアミン(pH6.5)を使用しても、ペグ化アミノ酸残基から加水分解されず、それ故、安定である。一態様において、組成物の80%超、より好ましくは、少なくとも90%、最も好ましくは、少なくとも95%が、安定なモノ−PEG−結合ポリペプチドである。
別の態様において、本発明のペグ化結合ポリペプチドは、好ましくは、非修飾タンパク質に関係する生物活性を、少なくとも約25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%もしくは100%保持し得る。一態様において、生物学的活性は、IGF1Rに結合するその能力を意味し、KD、konまたはkoffによって評価される。1つの特定の態様では、ペグ化結合ポリペプチドタンパク質は、非ペグ化結合ポリペプチドと比べて、IGF1Rへの結合の増加を示す。
PEG−修飾ポリペプチドの血清クリアランス率は、非修飾結合ポリペプチドのクリアランス率と比べて、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、またはなお90%減少し得る。PEG−修飾ポリペプチドは、非修飾タンパク質の半減期と比べて、増大された半減期(t1/2)を有し得る。PEG−結合ポリペプチドの半減期は、非修飾結合ポリペプチドの半減期と比べて、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、400%もしくは500%、またはなお1000%増大され得る。いくつかの態様では、タンパク質の半減期は、インビトロで、例えば、緩衝化生理食塩水または血清中で決定される。他の態様では、タンパク質の半減期は、インビボでの半減期、例えば、動物の血清または他の体液中のタンパク質の半減期である。
治療製剤および投与経路
本発明は、IGF1R生物学的活性の阻害に応答する病状の処置または予備的状態の予防のための方法を特徴とする。好ましい例は、炎症または細胞過増殖により特徴付けられる状態である。投与のための技術および投与量は、特定の種類のポリペプチドおよび処置されるべき特定の病状によって変わるが、当業者により容易に決定され得る。一般的に、監督当局は、治療剤として使用されるタンパク質試薬が、許容される低レベルの発熱物質を有するように製剤されることを求める。従って、治療製剤は、一般的に、それらが実質的に発熱物質を含まないか、または少なくとも適当な監督当局(例えば、FDA)により決定される、許容されるレベル以下の発熱物質を含む点で、他の製剤と区別される。
本明細書に記載の治療組成物は、薬学的に許容される希釈剤、担体、または賦形剤と共に、単一の投与量形態で投与され得る。非経腸(例えば、静脈内、皮下)投与、経口投与、または局所投与が可能であり、これらに限定されない。さらに、本発明のポリペプチドをコード化する核酸を用いる何らかの遺伝子治療技術、例えばネイキッドDNA送達、組換え遺伝子およびベクター、患者の細胞のイクスビボでの操作を含む細胞ベースの送達などを用いることができる。
組成物は、経口投与用の丸剤、錠剤、カプセル剤、液剤、または持続放出錠;あるいは静脈内、皮下もしくは非経腸投与用の液剤;局所投与用のゲル、ローション、クリーム、もしくはポリマーまたは他の持続放出ビークルの形態であり得る。
製剤の製造方法について当業者に周知の方法は、例えば、“Remington: The Science and Practice of Pharmacy” (20th ed., ed. A. R. Gennaro A R., 2000, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa.)に見出される。非経腸投与用製剤は、例えば、賦形剤、滅菌水、生理食塩水、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物由来のオイル、または水素化ナフタレンを含む。生体適合性の生分解可能なラクチドポリマー、ラクチド/グリコリド コポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを、化合物の放出を制御するために使用することができる。ナノ粒子製剤(例えば、生分解可能なナノ粒子、固体脂質ナノ粒子、リポソーム)を、化合物の生体内分布を制御するために使用することができる。他の有用な可能性のある非経腸送達系には、エチレン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、植め込み式点滴システム、およびリポソームが含まれる。製剤中の化合物の濃度は、投与される薬物の投与量、および投与経路を含む、種々の因子によって変わる。
ポリペプチドは、製薬分野で通常使用される非毒性の酸付加塩または金属錯体のような、薬学的に許容される塩として投与されてもよい。酸付加塩の例には、酢酸、乳酸、パモ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、またはトリフルオロ酢酸などのような有機酸;タンニン酸、カルボキシメチルセルロースなどのようなポリマー酸;および、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などのような無機酸が含まれる。金属錯体には、亜鉛、鉄などが含まれる。一例において、ポリペプチドは、熱安定性を増すために、酢酸ナトリウムの存在下で製剤される。
治療的有効用量とは、投与された場合に治療効果を生じる用量を意味する。正確な用量は、処置される障害によって変わり、当業者により公知の技術を用いて確かめられ得る。一般的に、ポリペプチドは、1日当たり約0.01μg/kgないし約50mg/kg、好ましくは1日当たり0.01mg/kgないし約30mg/kg、最も好ましくは1日当たり0.1mg/kgないし約20mg/kg投与される。ポリペプチドは、毎日(例えば、一日一回、二回、三回、または四回)、または好ましくは低頻度で(例えば、一週間に一回、二週間に一回、三週間に一回、月に一回、または年に四回)投与され得る。さらに、当業界で知られる通り、年齢ならびに体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時期、薬物相互作用および疾患の重症度による調整が必要であり、当業者により常套実験にて確認され得る。
例示的使用
本明細書に記載のIGF1R結合タンパク質およびそれらの関係変異体は、種々の治療的および診断的適用に有用である。これらには、結合IGF1Rへの結合と競合するか、その結合を阻止することによるIGF1Rの生物学的活性の阻害、ならびに細胞、好ましくはIGF1Rを発現する細胞への細胞毒性または可視化部分の送達が含まれる。
IGF1Rの生物学的活性の阻害剤としてのそれらの効果に基づき、本発明のポリペプチドは、種々の癌状態ならびに胸水および腹水のような癌から生じる合併症に対して有効である。好ましくは、本発明のIGF1R結合ポリペプチドは、過増殖性疾患または癌および癌の転移拡散の予防処置のために使用可能である。本発明の抗IGF1R抗体が好ましい適応症には、結腸直腸癌、頭頸部癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)および膵臓癌が含まれる。癌の限定されない例には、膀胱癌、血液の癌、骨腫瘍、脳腫瘍、乳癌、軟骨の癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、リンパ節中の癌、神経組織の癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、骨格筋腫、皮膚癌、脊髄の癌、脾臓癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、気管腫瘍、尿路癌、輸尿管、尿道癌、子宮癌、または膣部癌が含まれる。
さらに、種々の炎症性障害を、本明細書に記載の抗IGF1R結合ポリペプチドを用いて処理することができる。かかる炎症性障害には、例えば、大腸炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ウイルス感染、リウマチ性関節炎、骨関節症、乾癬、およびクローン病と関係する腸粘膜の炎症性消耗性疾患が含まれる。
IGF1R結合ポリペプチドは、単独で投与されるか、または化学療法、放射線療法、免疫療法、外科的処置、またはこれらの何れかの組み合わせのような1またはそれ以上のさらなる療法と組み合わせて投与され得る。長期治療の同様に可能であり、上記の、他の治療法部分に記載のアジュバント療法である。
そのような方法の任意の態様において、1またはそれ以上のポリペプチド治療剤は、共に(同時に)または異なる時に(連続的に)投与され得る。さらに、ポリペプチド治療剤は、癌を処置するための、または血管形成を阻害するための別の複数の化合物と共に投与され得る。
任意の態様において、本発明の主題の抗IGF1R抗体は、単独で使用され得る。あるいは、主題の抗体は、増殖性疾患(例えば、腫瘍)の治療または予防に向けられる他の常套の抗癌療法手段と併用され得る。例えば、かかる方法は、癌の予防、術後の癌の再発および転移の予防において使用でき、他の常套の癌療法のアジュバントとして使用できる。本発明は、常套の癌療法(例えば、化学療法、放射線療法、光線療法、免疫療法、および外科処置)の有用性が、本発明の主題のポリペプチド治療剤の使用を通して向上できると認識する。
多数の従来の化合物が、抗新生物活性を有することが示されている。これらの化合物は、固形腫瘍を収縮させるか、転移およびさらなる増殖を阻害するか、または白血病もしくは骨髄悪性腫瘍における悪性細胞数を減らすために、化学療法において治療剤として使用されてきた。化学療法は、種々の悪性腫瘍を処置するのに有効であったが、多くの抗腫瘍化合物は、望ましくない副作用を誘発する。2種以上の異なる治療を組み合わせるとき、これらの治療は、相乗的に作用し、これらの治療剤それぞれの投与量の減少を可能にし、それにより、より高い投与量での各化合物によりもたらされる有害な副作用を低減させることが示された。他の例では、治療に耐性のある悪性腫瘍は、2種以上の異なる治療の併用療法に反応し得る。
本発明のポリペプチド治療剤を別の常套の抗腫瘍剤と共に付随的に、または連続的に投与するとき、かかる治療剤は、抗腫瘍剤の治療効果を向上させるか、またはかかる抗腫瘍剤に対する細胞耐性を克服することが見出され得る。このことは、抗腫瘍剤の投与量の減少を可能にし、それにより望ましくない副作用を低減させるか、または耐性細胞における抗腫瘍剤の有効性を取り戻すことを可能にする。
組み合わせ抗腫瘍療法のために使用できる医薬化合物としては、単なる例示にすぎないが、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、bcg、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コルヒチン、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、ゲニステイン、ゴセレリン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、イリノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロリド、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メズナ(mesna)、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、ノコダゾール、オクトレオチド、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、スラミン、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストステロン、チオグアニン、チオテパ、二塩化チタノセン、トポテカン、トラスツマブ、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンが含まれる。
これらの化学療法用抗腫瘍化合物は、それらの作用機序によって、例えば以下の群に分類される:代謝拮抗剤/抗癌剤、例えば、ピリミジン類縁体(5−フルオルウラシル、フロキシウリジン、カペシタビン、ゲムシタビンおよびシタラビン)およびプリン類縁体、葉酸拮抗剤および関連する阻害剤(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンおよび2−クロルデオキシアデノシン(クラドリビン));ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビノレルビン)のような天然物質、微小管破壊剤、例えば、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロンおよびナベルビン、エピポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)、DNA損傷剤(アクチノマイシン、アムサクリン、アントラシクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カンプトテシン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シトキサン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドクソルビシン、エピルビシン、ヘキサメチルメラミンオキサリプラチン、イホスファミド、メルファラン、メルクロレフタミン、ミトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソ尿素、プリカマイシン、プロカルバジン、タキソール、タキソテレ、テニポシド、トリエチレンチオホスホラミドおよびエトポシド(VP16)を含む抗増殖剤/抗分裂剤;抗生物質、例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、アントラシクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)およびミトマイシン;酵素(L−アスパラギンを全身的に代謝し、かつ、アスパラギンを合成する能力を有しない細胞を喪失させるL−アスパラギナーゼ);抗血小板剤;抗増殖性/抗分裂性アルキル化剤、例えば、窒素マスタード(メクロレタミン、シクロホスファミドおよび類縁体、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、スルホン酸アルキル−ブスルファン、ニトロソ尿素(カルムスチン(BCNU)および類縁体、ストレプトゾシン)、トラゼン−ダカルバジニン(DTIC);抗増殖性/抗分裂性代謝拮抗剤、例えば、葉酸類縁体(メトトレキサート);白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン、ホルモン類縁体(エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、ニルタミド)およびアロマターゼ阻害剤(レトロゾール、アナストロゾール);抗凝血剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩および他のトロンビンの阻害剤);線維素溶解剤(例えば、組織プラスミノゲン活性化因子、ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ;抗移動剤;分泌抑制剤(ブレベルジン);免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル;抗血管形成化合物(TNP−470、ゲニステイン)および増殖因子阻害剤(例えば、VEGF阻害剤、繊維芽細胞成長因子(FGF)阻害剤);アンジオテンシン受容体遮断剤;一酸化窒素ドナー;アンチセンスヌクレオチド;抗体(トラスツズマブ);細胞周期阻害剤および分化誘導物質(トレチノイン);mTOR阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、アムサクリン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド、エピルビシン、エトポシド、イダルビシンおよびミトキサントロン、トポテカン、イリノテカン)、コルチコステロイド(コルチソン、デキサメタソン、ヒドロコルチソン、メチルプレドニソロン、プレドニソンおよびプレニソロン);増殖因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;ミトコンドリア機能障害誘導物質およびカスパーゼ活性化剤;ならびにクロマチン破壊剤。
組合せ療法の性質によっては、他の治療を投与している間、および/またはその後に、ポリペプチド治療剤の投与を続行できる。ポリペプチド治療剤の投与は、単一用量、または複数用量で行うことができる。ある例において、ポリペプチド治療剤の投与は、従来の治療の少なくとも数日前に開始されるが、他の例においては、投与は、従来の治療の投与直前または投与時に開始される。
診断的適用の一例において、不適切な血管形成により特徴付けられる状態である患者からの血清または組織生検のような生物学的サンプルは、IGF1Rのレベルを検出するために、本発明の検出可能なように標識されたポリペプチドと結合される。その後、検出されたIGF1Rのレベルを、標識されたポリペプチドと結合させた正常サンプルにおいて検出されるIGF1Rのレベルと比較する。少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のIGF1Rレベルの増加は、診断上の指標と考えられ得る。
ある態様において、IGF1R結合ポリペプチドはさらに、検出することのできる標識と結合される(例えば、該標識は、放射性同位元素、蛍光化合物、酵素または酵素補助因子であり得る)。この活性部分は、放射性薬物、例えば、鉄キレート、ガドリニウムもしくはマンガンの放射性キレート、酸素、窒素、鉄、炭素もしくはガリウムの陽電子放射体、43K、52Fe、57Co、67Cu、67Ga、68Ga、123I、125I、131I、132I、または99Tcのような放射性重金属であり得る。このような部分に結合する結合剤を造影剤として使用することができ、これをヒトのような哺乳動物において診断に使用するのに有効な量で投与し、次いで該造影剤の局在および蓄積を検出する。造影剤の局在および蓄積は、ラジオシンチグラフィー、核磁気共鳴像法、コンピューター断層撮影法または陽電子放出断層撮影法によって検出できる。IGF1Rに向けられるIGF1R結合ポリペプチドを使用した免疫シンチグラフィーを、癌および脈管構造の検出および/または診断に用いることができる。例えば、99テクネチウム、111インジウム、または125ヨウ素で標識されたIGF1Rマーカーに対する結合ポリペプチドは、かかる画像化のために効果的に使用可能である。当業者には明白であろうが、放射性同位元素の投与量は、放射性同位元素によって変わる。当業者であれば、活性部分として使用される所定の放射性核種の比放射性およびエネルギーに基づき、造影剤の量を容易に処方できる。典型的には、造影剤の1用量当たり0.1〜100ミリキューリー、好ましくは1〜10ミリキューリー、ほとんどの場合2〜5ミリキューリーが投与される。したがって、標的部分を放射性部分に結合してなる造影剤として有用な本発明の組成物は、0.1〜100ミリキューリー、いくつかの態様では好ましくは1〜10ミリキューリー、いくつかの態様では好ましくは2〜5ミリキューリー、いくつかの態様ではより好ましくは1〜5ミリキューリーを含む。
IGF1R結合ポリペプチドはまた、更なる治療剤(薬物、化学療法化合物、および放射性療法化合物を含むが、これらに限定されない)をIGF1Rを発現する細胞または組織に送達するためにも使用できる。一例において、IGF1R結合ポリペプチドは、IGF1Rを発現する腫瘍細胞または組織への化学療法剤の標的化送達のための化学療法剤に融合される。
IGF1R結合ポリペプチドは、学術研究、診断および治療用途を含め、種々の用途に有用である。例えば、それらは、受容体またはその一部を単離および/または精製し、受容体の構造(例えば、コンフォメーション)および機能を研究するために使用できる。
ある面において、種々の結合ポリペプチドは、例えば、内皮細胞(例えば、静脈内皮細胞)上、またはIGF1R遺伝子がトランスフェクトされた細胞上でのIGF1Rの発現を検出または測定するために使用できる。従って、これらはまた、診断または研究目的で、細胞選別およびイメージング(例えば、フローサイトメトリー、および蛍光活性化細胞選別)のような用途にも有用性を有する。
ある態様において、結合ポリペプチドまたはその断片は、診断の目的のために標識されていてよく、または標識されていなくてもよい。典型的には、診断アッセイは、結合ポリペプチドがIGF1Rに結合することによって生ずる複合体の形成を検出することを伴う。結合ポリペプチドまたはその断片は、抗体と同様、直接標識できる。放射性核種、蛍光剤、酵素、酵素の基質、酵素補助因子、酵素阻害剤およびリガンド(例えば、ビオチン、ハプテン)を含め、様々な標識が使用できるが、これらに限定されない。多数の好適な免疫アッセイ法が当業者に知られている(米国特許第3,817,827号;同第3,850,752号;同第3,901,654号;および同第4,098,876号)。標識されないとき、該結合ポリペプチドは、凝集アッセイ法のようなアッセイにて使用できる。また、標識されていない結合ポリペプチドは、結合ポリペプチドまたは他の好適な試薬(例えば、標識タンパク質A)と反応性のある標識抗体のような、結合ポリペプチドを検出するために使用できる別の(1種以上の)好適な試薬と併用することもできる。
一態様において、本発明の結合ポリペプチドは、主題のポリペプチドが酵素に結合する酵素免疫アッセイに利用できる。IGF1Rタンパク質を含む生物学的サンプルが主題の結合ポリペプチドと混合されるとき、該結合ポリペプチドとIGF1Rタンパク質の間で結合が生じる。一態様において、IGF1Rタンパク質を発現する細胞(例えば、内皮細胞)を含むサンプルが主題の抗体と混合されるとき、該結合ポリペプチドと結合ポリペプチドによって認識されるIGF1Rタンパク質を有する細胞の間で結合が生じる。これらの結合細胞は、結合しなかった試薬から分離され、該細胞に特異的に結合した結合ポリペプチド−酵素複合体の存在が、該サンプルと、酵素が作用すると色または他の検出可能な変化を生じさせる酵素の基質とを接触させることにより、決定される。別の態様において、主題の結合ポリペプチドは、標識されていなくてもよく、該主題の結合ポリペプチドを認識する第2の標識ポリペプチド(例えば、抗体)を付加することができる。
ある面において、生物学的サンプル中にIGF1Rタンパク質が存在することを検出する際に使用するためのキットも製造可能である。このようなキットは、IGF1Rタンパク質または該受容体の部分に結合するIGF1R結合ポリペプチド、ならびに結合ポリペプチドと受容体タンパク質またはその部分との間の複合体の存在を検出するのに好適な1種以上の補助試薬を包含するであろう。本発明のポリペプチド組成物は、単独で、または他のエピトープに特異的なさらなる抗体と共に、凍結乾燥形態で提供され得る。標識されていてもよく、または標識されていなくてもよい結合ポリペプチドおよび/または抗体は、補助成分(例えば、トリス、リン酸塩および炭酸塩のような緩衝液、安定化剤、賦形剤、殺生物剤および/または不活性タンパク質、例えば、ウシ血清アルブミン)と共にキットに包含できる。例えば、該結合ポリペプチドおよび/または抗体は、補助成分との凍結乾燥混合物として提供されるか、または、この補助成分は、使用者が組み合わせるために別々に提供され得る。一般に、これらの補助材料は、活性な結合ポリペプチドまたは抗体の量を基にして約5重量%未満で存在し、そして通常はポリペプチドまたは抗体濃度を基にして少なくとも約0.001重量%の総量で存在し得る。結合ポリペプチドに結合できる二次抗体を使用するとき、そのような抗体は、キット中、例えば、別個のバイアルまたは容器中に提供され得る。該二次抗体は、存在する場合には、典型的に標識されており、上記の抗体製剤と同様の方法で製剤され得る。
同様に、本発明はまた、細胞またはその画分(例えば、膜画分)を含む組成物を、IGF1Rまたはその受容体の部分に結合する結合ポリペプチドと、該結合ポリペプチドがそれに結合するのに好適な条件下で接触させ、そして該結合をモニターする、IGF1Rの発現を検出および/または定量する方法を提供する。結合ポリペプチドとIGF1Rまたはその部分との間の複合体の形成を示す結合ポリペプチドの検出は、受容体の存在を示す。該細胞に対するポリペプチドの結合は、実施例に記載したような標準的方法によって決定できる。該方法を使用して、ある個体由来の細胞上でのIGF1Rの発現を検出することができる。要すれば、内皮細胞の表面上でのIGF1Rの定量的発現は、例えば、フローサイトメトリーによって評価することができ、その染色強度は、疾患の感受性、進行および危険性と相関し得る。
本発明はまた、ある種の疾患に対する哺乳動物の感受性を検出する方法を提供する。例えば、この方法は、哺乳動物において細胞上に存在するIGF1Rの量および/またはIGF1R陽性細胞の数に基づき進行する疾患に対する哺乳動物の感受性を検出するために使用できる。
ポリペプチド配列は、標準一文字表記または三文字表記をもしいて示される。特記しない限り、各ポリペプチド配列は、左にアミノ末端および右にカルボキシ末端を有する。各一本鎖核酸配列、および各二本鎖核酸配列の上の鎖は、左に5’末端および右に3’末端を有する。特定のポリペプチド配列はまた、それが参照配列とどの程度異なるかを説明するために記載され得る。
以下の用語は、他に特記しない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである。
用語“IGF1R阻害剤”および“IGF1Rアンタゴニスト”は互換的に用いられる。それぞれ、IGF1Rの少なくとも1個の機能を検出可能な程度阻害する分子である。反対に、“IGF1Rアゴニスト”は、IGF1Rの少なくとも1個の機能を検出可能な程度増加させる分子である。IGF1R阻害剤により引き起こされる阻害は、アッセイを用いて検出可能である限り、完全である必要はない。IGF1Rの機能のアッセイは、本明細書に記載される例として使用され得る。IGF1R阻害剤により阻害されるか、またはIGF1Rアゴニストにより増大され得るIGF1Rの機能の例には、癌細胞増殖またはアポトーシス(プログラムされた細胞死)などが含まれる。IGF1R阻害剤およびIGF1Rアゴニスト例には、抗原結合タンパク質(例えば、抗原結合タンパク質を阻害するIGF1R)、抗体、抗体フラグメント、および抗体誘導体のようなIGF1R結合ポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。
用語“ペプチド”、“ポリペプチド”および“タンパク質”はそれぞれ、ペプチド結合により互いに結合した2またはそれ以上のアミノ酸残基を含む分子を意味する。これらの用語は、例えば、タンパク質配列の天然および人工のタンパク質、タンパク質フラグメントおよびポリペプチド類縁体(例えば、変異タンパク質、変異体、および融合タンパク質)、ならびに翻訳後修飾、または他の共有結合もしくは非共有結合的に修飾されたタンパク質を包含する。ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、単量体または重合体であり得る。
ポリペプチド(例えば、抗体)の“変異体”には、1またはそれ以上のアミノ酸残基が、別のポリペプチド配列に対して、アミノ酸配列に挿入、欠失および/または置換されている、アミノ酸配列が含まれる。本明細書に記載の変異体には、例えば、融合タンパク質が含まれる。
ポリペプチドの“誘導体”とは、別の化学部分(例えば、ポリエチレングリコールまたはアルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン)への抱合、リン酸化、および糖化によって、化学的に修飾されているポリペプチド(例えば、抗体)である。他に特記しない限り、用語“抗体”には、2つの完全長の重鎖および2つの完全長の軽鎖を含む抗体に加えて、その誘導体、変異体、断片、および変異タンパク質が含まれ、以下に例が記載される。
“抗原結合タンパク質”は、抗原に結合する部分を含むタンパク質であり、任意に、抗原結合部分が、抗原結合タンパク質の抗原への結合を促進する構造を取ることを可能にする、骨格またはフレームワーク部分を含むタンパク質である。抗原結合タンパク質の例には、抗体、抗体フラグメント(例えば、抗体の抗原結合部分)、抗体誘導体、および抗体類縁体が含まれる。抗原結合タンパク質は、例えば、CDRまたはCDR誘導体が移植された、代替のタンパク質骨格または人工の骨格を含んでもよい。このような骨格には、例えば、抗原結合タンパク質の3次元構造を安定化させるために導入される、突然変異を含む抗体由来の骨格、ならびに、例えば、生体適合性ポリマーを含む全面合成骨格が含まれるが、これらに限定されない。さらに、ペプチド抗体模倣体(「PAM」)、ならびにフィブロネクチン要素を骨格として利用する抗体模倣物に基づく骨格を、使用することができる。
抗原結合タンパク質は、例えば、天然に存在する免疫グロブリンの構造を有し得る。“免疫グロブリン”は、四量体分子である。天然に存在する免疫グロブリンにおいて、それぞれの四量体は、2個の同一のポリペプチド鎖対であって、それぞれの対が1個の「軽」鎖(約25kDa)および1個の「重」鎖(約50〜70kDa)を有するものからなる。それぞれの鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に最初に関与する約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。それぞれの鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に最初に関与する定常領域を画定する。ヒトの軽鎖は、κまたはλ軽鎖として分類される。重鎖は、μ、δ、γ、αまたはεとして分類され、そして該抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEと定義する。好ましくは、本明細書に記載の抗IGF1R抗体は、重鎖Vおよび軽鎖Vアミノ酸配列中の可変ドメイン領域配列により特徴付けられる。好ましい抗体は、κIgG抗体であるA6である。軽鎖および重鎖内において、可変領域および定常領域は、約12個またはそれ以上のアミノ酸の「J」領域によって結合している(該重鎖はまた、約10個またはそれ以上のアミノ酸の「D」領域も含む。)。一般的には、Fundamental Immunology 第7章(Paul,W.著,第2版,Raven Press,N.Y.(1989))を参照のこと。それぞれの軽鎖/重鎖の対の可変領域は、そのままの免疫グロブリンが2個の結合部位を有するように抗体結合部位を形成する。
“多重特異的抗体”とは、1またはそれ以上の抗原上の2以上のエピトープを認識する抗体である。このタイプの抗体のサブクラスは、同じか、または異なる抗原上の2つの異なるエピトープを認識する“二重特異的抗体”である。
抗原結合タンパク質は、1ナノモル未満の解離定数で抗原に結合するとき、該抗原(例えば、ヒトIGF1R)に“特異的に結合する”。
“抗原結合ドメイン”、“抗原結合領域”または“抗原結合部位”は、抗原と相互作用し、抗原結合タンパク質に、抗原に対するその特異性および親和性をもたらすアミノ酸残基(または他の部分)を含有する抗原結合タンパク質の部分である。その抗原に特異的に結合する抗体に関して、これは、そのCDRドメインの少なくとも1個の少なくとも一部を含み得る。
“エピトープ”は、抗原結合タンパク質が標的分子に結合されるときに、抗原結合タンパク質(例えば、抗体)によって結合される、分子の部分を意味する。エピトープは、分子の非連続な部分(例えば、ポリペプチド中、ポリペプチドの一次配列では連続していないが、ポリペプチド三次および四次構造において、抗原結合タンパク質によって互いに結合されるのに十分近い、アミノ酸残基)を含み得る。
2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列の“相同性%”は、デフォルトパラメーターを用いてGAPコンピュータープログラム(GCG Wisconsin Package, version 10.3の一部 (Accelrys, San Diego, Calif.))を用いる配列比較により決定される。
“宿主細胞”は、核酸を発現するのに用いられ得る細胞である。宿主細胞は、原核生物、例えば大腸菌(E.coli)であってもよいし、または真核生物、例えば単細胞真核生物(例えば、酵母(yeast)または他の真菌)、植物細胞(例えば、タバコまたはトマト植物細胞)、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター細胞、ラット細胞、マウス細胞、または昆虫細胞)またはハイブリドーマであってもよい。宿主細胞の例としては、サル腎臓細胞のCOS−7株(ATCC CRL 1651)、L細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはVeggie CHOおよび血清不含有培地中で増殖させたその関係細胞株(Rasmussen et al., 1998, Cytotechnology 28:31を参照のこと)のようなそれらの誘導株、またはDHFR中に欠損を有するCHO株DX−B11(Urlaub et al., 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-20を参照のこと)、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞株、アフリカミドリザル腎臓細胞株CV1由来のCV1/EBNA細胞株(ATCC CCL 70)(McMahan et al., 1991, EMBO J. 10:2821を参照のこと)、293、293 EBNAまたはMSR293のようなヒト胎児性腎臓細胞、ヒト上皮A431細胞、ヒト Colo205細胞、他の形質転換された霊長動物細胞株、正常2倍体細胞、インビトロでの一次組織培養物に由来する細胞株、初代移植細胞、HL−60、U937、HaKまたはJurkat細胞が挙げられる。典型的に、宿主細胞は、宿主細胞中で発現され得るポリペプチドをコード化する核酸を用いて形質転換されるか、またはそれをトランスフェクトされ得る培養細胞である。用語“組換え宿主細胞”は、発現されるべき核酸を用いて形質転換されるか、またはそれを用いてトランスフェクトされている宿主細胞を示すために用いられ得る。宿主細胞はまた、核酸を含むが、核酸と操作可能に連結されるように、制御配列が宿主細胞中に導入されない限り、所望のレベルでそれを発現しない、細胞であり得る。用語“宿主細胞”は、特定の対象細胞のみを意味するのではなく、かかる細胞の後代系統または可能性のある後代系統を意味することが理解される。ある修飾がその後代において、例えば変異または環境の影響により起こり得るため、そのような後代系統は、実際、親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書で用いる用語の範囲内に包含される。
抗原結合タンパク質
抗原結合タンパク質(例えば、抗体、抗体フラグメント、抗体誘導体、抗体突然変異体、および抗体変異体)とは、IGF1R、(好ましくは、ヒトIGF1R)に結合するポリペプチドである。抗原結合タンパク質には、IGF1Rの生物学的活性を阻害する抗原結合タンパク質が含まれる。
1またはそれ以上の抗原結合タンパク質を含むオリゴマーは、IGF1Rアンタゴニストとして用いられ得る。オリゴマーは、共有的に結合したか、または非共有的に結合した、二量体、三量体、またはそれ以上のオリゴマーの形態をとることができる。2以上の抗原結合タンパク質を含むオリゴマーは、使用が企図され、一例としては、ホモ二量体である。他のオリゴマーには、ヘテロ二量体、ホモ三量体、ヘテロ三量体、ホモ四量体、ヘテロ四量体などが含まれる。
一態様は、抗原結合タンパク質に融合されたペプチド部分間の共有または非共有の相互作用を介して結合される複数の抗原結合タンパク質を含むオリゴマーを対象とする。かかるペプチドは、ペプチドリンカー(スペーサー)、またはオリゴマー化を促進する特性を有するペプチドであり得る。ロイシンジッパー、および抗体に由来するある特定のポリペプチドは、以下にさらに詳細に記載される通り、そこに付加された抗原結合タンパク質のオリゴマ化を促進し得るペプチドである。
特定の態様において、オリゴマーは、2から4個の抗原結合タンパク質を含む。オリゴマーの抗原結合タンパク質部分は、上記の形態のうちの任意のもの、例えば、変異体またはフラグメントであり得る。好ましくは、オリゴマーは、IGF1R結合活性を有する抗原結合タンパク質を含む。
一態様において、オリゴマーは、免疫グロブリンに由来するポリペプチドを用いて製造される。抗体由来のポリペプチドの種々の部分(Fcドメインを含む)に融合された、ある特定の非相同ポリペプチドを含む融合タンパク質の調製は、例えば、Ashkenazi et al., 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:10535; Byrn et al., 1990, Nature 344:677; および、Hollenbaugh et al., 1992 “Construction of Immunoglobulin Fusion Proteins”, in Current Protocols in Immunology, Suppl. 4, pages 10.19.1-10.19.11に記載されている。
一態様は、抗IGF1R抗体のIGF1R結合フラグメントを該抗体のFc領域に融合することによって作製された、2つの融合タンパク質を含む、二量体を対象とする。該二量体は、例えば、融合タンパク質をコード化する遺伝子融合体を、適当な発現ベクターに挿入し、組換え発現ベクターで形質転換した宿主細胞にて遺伝子融合体を発現させ、発現した融合タンパク質を抗体分子に酷似するように構築させることによって作製することができ、その後、鎖間ジスルフィド結合がFc部分間に形成されて、二量体がもたらされる。
用語“Fcポリペプチド”には、抗体のFc領域に由来するポリペプチドの、天然および突然変異形態が含まれる。二量体化を促進するヒンジ領域を含有するこのようなポリペプチドの切断形態もまた、含まれる。Fc部分を含む融合タンパク質(およびそこから形成されたオリゴマー)は、プロテインAまたはプロテインGカラムでの親和性クロマトグラフィーによる容易な精製という利点を提供する。
オリゴマー抗原結合タンパク質を調製するための別の方法は、ロイシンジッパーの使用を伴う。ロイシンジッパードメインは、それらが存在するタンパク質のオリゴマー化を促進するペプチドである。ロイシンジッパーは、もともとは、複数のDNA結合タンパク質で同定されたものであり(Landschulz et al., 1988, Science 240:1759)、それ以来、種々の異なるタンパク質で発見されている。既知のロイシンジッパーには、天然に存在するペプチドおよび二量体化または三量体化するそれらの誘導体がある。可溶性オリゴマータンパク質の生成に好適なロイシンジッパードメインの例は、WO94/10308に記載され、肺表面活性タンパク質D(SPD)に由来するロイシンジッパーは、Hoppe et al., 1994, FEBS Letters 344:191に記載される。そこに融合された非相同タンパク質の安定な三量体化を可能にする、修飾されたロイシンジッパーの使用は、Fanslow et al., 1994, Semin. Immunol. 6:267-78に記載されている。1つのアプローチでは、抗IGF1R抗体フラグメントまたは誘導体を含む組換え融合タンパク質が、ロイシンジッパーペプチドに融合され、好適な宿主細胞で発現され、形成された可溶性オリゴマー抗IGF1R抗体フラグメントまたは誘導体が、培養上清から回収される。
本発明の抗原結合タンパク質の抗原結合フラグメントは、常套技術により製造可能である。そのようなフラグメントの例には、FabおよびF(ab’)フラグメントが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、IGF1Rに結合するモノクローナル抗体を提供する。モノクローナル抗体は、当技術分野で公知の何れかの技術を用いて、例えば、免疫化スケジュール終了後、トランスジェニック動物から回収した脾臓細胞を不死化することにより製造できる。脾臓細胞は、当技術分野で公知の何れかの技術を用いて、例えば、骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを製造することにより不死化できる。ハイブリドーマ産生融合方法で使用する骨髄腫細胞は、好ましくは非抗体産生であり、高融合効率であり、望ましい融合細胞(ハイブリドーマ)のみを増殖させるある種の選択的培地中での増殖を不可能とする酵素欠乏を有する。マウス融合物で使用するための好適な細胞株の例には、Sp−20、P3−X63/Ag8、P3−X63−Ag8.653、NS1/1.Ag 4 1、Sp210−Ag14、FO、NSO/U、MPC−11、MPC11−X45−GTG 1.7 およびS194/5XX0 Bulが含まれ、ラット融合物で使用する細胞株の例には、R210.RCY3、Y3−Ag 1.2.3、IR983Fおよび48210が含まれる。細胞融合物に有用な他の細胞株は、U−266、GM1500−GRG2、LICR−LON−HMy2およびUC729−6である。
IGF1Rに対する抗原結合タンパク質を、例えば、インビトロまたはインビボのいずれかでIGF1Rポリペプチドの存在を検出するためのアッセイで使用できる。抗原結合タンパク質はまた、免疫親和性クロマトグラフィーによるIGF1Rタンパク質精製にも使用できる。遮断抗原結合タンパク質を、本明細書に記載の方法で使用できる。IGF1Rアンタゴニストとして機能するこのような抗原結合タンパク質は、種々の癌を含むが、これらに限定されない何れかのIGF1R誘発状態の処置に使用できる。
抗原結合タンパク質は、IGF1R誘発生物学的活性を阻害するために、インビトロ方法で用いるか、またはインビボで投与してもよい。数例を本明細書に記載するIGF1Rのタンパク分解性活性化が(直接的または間接的)に原因となるか、またはそれが増悪させる障害は、それゆえに、処置され得る。一態様において、本発明は、IGF1R誘発生物学的活性の減少に有効な量でIGF1R遮断抗原結合タンパク質を、それを必要とする哺乳動物にインビボで投与することを含む、治療法を提供する。
抗原結合タンパク質は、IGF1Rの生物学的活性を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体を含む。
抗原結合タンパク質は、多くの慣用技術の何れかにより製造できる。例えば、それを天然に発現する細胞からの精製により(例えば、抗体を、それを産生するハイブリドーマから精製できる)、または組換え発現系において、当技術分野で公知の技術のいずれかを使用して産生できる。
当技術分野で公知のあらゆる発現系を本発明の組換えポリペプチドの製造に使用できる。一般に、宿主細胞は、所望のポリペプチドをコード化するDNAを含む組換え発現ベクターで形質転換される。用いることができる宿主細胞は、とりわけ、原核生物、酵母または高等真核細胞である。原核生物はグラム陰性またはグラム陽性生物、例えば大腸菌または桿菌を含む。高等真核細胞は、昆虫細胞および哺乳動物起源の確立された細胞株を含む。適切な哺乳動物宿主細胞株の例は、サル腎細胞のCOS−7系統(ATCC CRL 1651)(Gluzman et al., 1981, Cell 23:175)、L細胞、293細胞、C127細胞、3T3細胞(ATCC CCL 163)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、BHK(ATCC CRL 10)細胞株およびMcMahan et al., 1991, EMBO J. 10:2821に記載のアフリカミドリザル腎細胞株CV1由来のCV1/EBNA細胞株(ATCC CCL 70)を含む。細菌、真菌、酵母および哺乳動物細胞宿主で使用する適当なクローニングおよび発現ベクターは、Pouwels et al. (Cloning vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, N.Y., 1985)に記載される。
形質転換細胞は、ポリペプチドの発現を促進する条件下で培養され、ポリペプチドを慣用のタンパク質精製方法により回収することができる。このような精製方法の一つは、例えば、それに結合したIGF1Rの全てまたは一部(例えば、細胞外ドメイン)を含むマトリックス上での、親和性クロマトグラフィーの使用を含む。ここでの使用が意図されるポリペプチドは、実質的に内在物質の汚染がない、実質的に均一な組換え哺乳動物抗IGF1R抗体ポリペプチドを含む。
抗原結合タンパク質を、多くの既知技術のいずれかにより製造し、所望の特性についてスクリーニングすることができる。この技術のいくつかは、目的の抗原結合タンパク質(例えば、抗抗IGF1R抗体)のポリペプチド鎖をコード化する核酸(またはその一部)の単離および組換えDNA技術を介する核酸操作を伴う。核酸を、別の目的の核酸と融合するか、または例えば1個以上のアミノ酸残基を付加、欠失または置換するように改変してもよい(例えば、変異誘発または他の常套技術により)。
一本鎖抗体は、単鎖ポリペプチドを得るように、アミノ酸架橋(短ペプチドリンカー)を介する重鎖および軽鎖可変ドメイン(Fv領域)フラグメントの結合により形成できる。このような一本鎖Fv(scFv)は、2個の可変ドメインポリペプチド(VおよびV)をコード化するDNA間のペプチドリンカーをコード化するDNAの融合により製造できる。得られたポリペプチドを、2個の可変ドメインの間の可動性リンカーの長さによって、折りたたんで抗原結合単量体を形成できるか、または多量体(例えば、二量体、三量体または四量体)を形成できる(Kortt et al., 1997, Prot. Eng. 10:423; Kortt et al., 2001, Biomol. Eng. 18:95-108)。異なるVおよびV含有ポリペプチドを合わせることにより、異なるエピトープに結合する多量体scFvを形成できる(Kriangkum et al., 2001, Biomol. Eng. 18:31-40)。一本鎖抗体の製造のために開発された技術は、米国特許第4,946,778号;Bird, 1988, Science 242:423;Huston et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879;Ward et al., 1989, Nature 334:544, de Graaf et al., 2002, Methods Mol. Biol. 178:379-87に記載のものを含む。
目的の抗体から異なるサブクラスまたはアイソタイプの抗体を導く技術、すなわち、サブクラススイッチングが知られている。それゆえに、例えば、IgG抗体をIgM抗体から製造でき、その逆も可能である。このような技術は、所定の抗体(親抗体)の抗原結合特性を有するが、親抗体と異なる抗体アイソタイプまたはサブクラスと関連する生物学的特性も示す新規抗体の製造を可能にする。組換えDNA技術を用い得る。クローン化した、特定の抗体ポリペプチドをコード化するDNA、例えば、望ましい抗体アイソタイプの定常ドメインをコード化するDNAを、このような方法に用いることができる(Lantto et al., 2002, Methods Mol. Biol. 178:303-16)。さらに、IgG4が所望ならば、IgG4抗体を不均一にし得るH鎖内ジスルフィド結合を形成する傾向を軽減するために、ヒンジ領域(Bloom et al., 1997, Protein Science 6:407)に点変異(CPSCP→CPPCP)を導入することが望ましいことがある。
特定の態様において、本発明の抗原結合タンパク質は、IGF1Rに対して少なくとも10の結合親和性(K)を有する。他の態様において、抗原結合タンパク質は、少なくとも10、少なくとも10、少なくとも10または少なくとも1010のKを示す。別の態様において、抗原結合タンパク質は、本明細書の実施例に記載する抗体と実質的に同じKを示す。
別の態様において、本発明は、IGF1Rからの低解離速度を有する抗原結合タンパク質を提供する。一態様において、抗原結合タンパク質は、1×10−4〜1×10−1以下のKoffを有する。別の態様において、Koffは5×10−5〜5×10−1以下である。別の態様において、Koffは、本明細書に記載の抗体と実質的に同一である。別の態様において、抗原結合タンパク質は、IGF1Rに、本明細書に記載する抗体と実質的に同じKoffで結合する。
別の面において、本発明は、IGF1Rの活性を阻害する抗原結合タンパク質を提供する。一態様において、抗原結合タンパク質は、1000nM以下のIC50を有する。別の態様において、IC50は100nM以下であり、別の態様において、IC50は10nM以下である。別の態様において、IC50は、本明細書の実施例に記載する抗体と実質的に同じである。別の態様において、抗原結合タンパク質は、本明細書に記載の抗体と実質的に同じIC50でIGF1Rの活性を阻害する。
別の面において、本発明は、細胞表面上に発現されるヒトIGF1Rと結合し、このように結合したとき、細胞表面上のIGF1Rの量を顕著に減少させることなく細胞におけるIGF1Rシグナル伝達活性を阻害する、抗原結合タンパク質を提供する。細胞表面上および/または細胞内部のIGF1Rの量を決定または推定する如何なる方法も使用できる。他の態様において、抗原結合タンパク質のIGF1R発現細胞への結合は、細胞表面IGF1Rの内在化を約75%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、5%、1%または0.1%未満に削減する。
別の面において、本発明は、インビトロまたはインビボで(例えば、ヒト対象に投与したとき)少なくとも1日の半減期を有する抗原結合タンパク質を提供する。一態様において、抗原結合タンパク質は、少なくとも3日の半減期を有する。別の態様において、抗原結合タンパク質は4日以上の半減期を有する。別の態様において、抗原結合タンパク質は8日以上の半減期を有する。別の態様において、抗原結合タンパク質は、非誘導体化または非修飾抗原結合タンパク質と比較して半減期が長くなるように、誘導体化または修飾されている。別の態様において、抗原結合タンパク質は、本明細書に引用により包含させるWO00/09560に記載のように、血清半減期を延長させる、1個以上の点変異を含む。
本発明はさらに、多重特異性抗原結合タンパク質、例えば、二重特異性抗原結合タンパク質、例えば、2個の異なる抗原結合部位または領域を介して、2個の異なるIGF1Rのエピトープまたは1個のIGF1Rのエピトープと1個の他の分子のエピトープに結合する抗原結合タンパク質を提供する。さらに、本明細書に記載の二重特異性抗原結合タンパク質は、本明細書に記載の抗体の一つ由来のIGF1R結合部位と、他の文献の引用により本明細書に記載しているものを含む、他の本明細書に記載の抗体由来の第二IGF1R結合領域を含む。あるいは、二重特異性抗原結合タンパク質は、本明細書に記載する抗体の一つ由来の抗原結合部位と、当技術分野で知られる他のIGF1R抗体または既知方法もしくは本明細書に記載する方法により製造される抗体由来の第二抗原結合部位を含み得る。
二重特異性抗体を製造する多数の方法が当分野で知られている。このような方法は、Milstein et al., 1983, Nature 305:537に記載のハイブリッド−ハイブリドーマおよび抗体フラグメントの化学的カップリングを含む(Brennan et al., 1985, Science 229:81; Glennie et al., 1987, J. Immunol. 139:2367;米国特許第6,010,902号)。さらに、二重特異性抗体は、組換え手段により、例えばロイシンジッパー部分(すなわち、優勢にヘテロ二量体を形成するFosおよびJunタンパク質由来;Kostelny et al., 1992, J. Immunol. 148:1547)または米国特許第5,582,996号に記載の他の鍵孔と鍵相互作用的ドメイン構造の使用により製造できる。さらに有用な技術は、米国特許第5,959,083号および同第5,807,706号に記載のものを含む。
別の面において、抗原結合タンパク質は、抗体の誘導体を含む。誘導体化抗体は、所望の特性、例えば特定の使用における半減期延長を抗体に与えるあらゆる分子または物質を含み得る。誘導体化抗体は、例えば、検出可能(または標識)部分(例えば、放射性、比色、抗原性または酵素分子、検出可能ビーズ(例えば磁気または電極(例えば、金)ビーズ)、または他の分子と結合する分子(例えば、ビオチンまたはストレプトアビジン)、治療的もしくは診断部分(例えば、放射性、細胞毒性または薬学的に活性部分)、または特定の使用(例えば、対象、例えばヒト対象への投与または他のインビボまたはインビトロ使用)のための抗体の適性を高める分子、を含み得る。抗体の誘導体化に使用できる分子の例は、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)およびポリエチレングリコール(PEG)を含む。抗体のアルブミン結合およびペグ化誘導体は、当技術分野で周知の技術を用いて行い得る。一態様において、抗体を、トランスサイレチン(TTR)またはTTR変異体と複合化するかまたは他の方法で結合させる。TTRまたはTTR変異体を、例えば、デキストラン、ポリ(n−ビニルピロリドン)、ポリエチレングリコール類、プロプロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール類およびポリビニルアルコール類からなる群より選択される化学物質で化学修飾できる。
次の用語は、特記しない限り、次の意味を有すると理解されるべきである。
適応症
一面において、本発明は、対象の処置方法を提供する。該方法は、例えば、一般に対象に健康に良い影響を有し、例えば、対象の余命を延長できる。あるいは、該方法は、疾患、障害、状態または病気(“病状”)を、例えば、処置、予防、治癒、軽減または回復(“処置”)できる。処置される状態は、とりわけ、IGF1Rの不適切な発現または活性により特徴付けられる状態である。このような状態のいくつかにおいて、発現または活性レベルが高過ぎ、処置は、本明細書に記載するIGF1Rアンタゴニストの投与を含む。障害または状態は、癌に関連する。特に、このような癌は、肺、卵巣および結腸の癌ならびに種々の骨髄腫を含むが、これらに限定されない。
本発明の抗原結合タンパク質で処置可能または予防可能な具体的病状および疾患は、種々の癌を含む。
治療法および抗原結合タンパク質の投与
ここに提供するある方法は、対象へのIGF1R結合抗原結合タンパク質の投与を含み、それにより特定の状態において役割を有するIGF1R誘発生物学的応答を軽減する。特定の態様において、本発明の方法は、内在IGF1RとIGF1R結合抗原結合タンパク質を、例えば、対象への投与を介してまたはエクスビボ方法で接触させることを含む。
用語“処置”は、少なくとも1個の症状または障害の他の面の軽減もしくは予防、または疾患重症度の軽減などを含む。抗原結合タンパク質は、実行可能な治療剤を構成するために、完全な治癒をもたらすか、または全ての疾患の症状もしくは徴候を根絶する必要はない。関連分野で認識されているとおり、治療剤として使用する薬物は、ある疾患状態の重症度を軽減し得るが、有用な治療剤とみなされるために、疾患の全ての徴候を根絶する必要はない。同様に、予防的投与処置は、実行可能な予防を構成するために、病状の発症の予防に完全に有効である必要はない。疾患の影響の単なる減少(例えば、症状の数または重症度の減少によるか、または他の処置の有効性を高めることによるか、または他の有益な効果を生じることによる)または対象における疾患の発症または悪化の可能性の減少が十分である。本発明の一態様は、特定の障害の重症度を反映する指標のベースラインを超える持続した改善を誘発するのに十分な量および時間でIGF1Rアンタゴニストを患者に投与することを含む、方法に関する。
関連分野で理解されるとおり、本明細書に記載の抗体およびそのフラグメントを含む医薬組成物を、適応症に適する方法で対象に投与する。医薬組成物は、非経腸、局所または吸入を含むが、これらに限定されない任意の適切な手法で投与され得る。注射するならば、医薬組成物は、例えば、関節内、静脈内、筋肉内、病巣内、腹腔内または皮下経路を介して、ボーラス注射または連続点滴により投与できる。例えば疾患または損傷部位での局所投与が、インプラントからの経皮送達および徐放性送達として意図される。吸入による送達は、例えば、経鼻または経口吸入、ネブライザーの使用、エアロゾル形態のアンタゴニスト吸入などを含む。他の選択肢は、点眼剤;丸剤、シロップ剤、ロゼンジ剤またはチューインガム剤を含む経口調製物;およびローション剤、ゲル剤、スプレー剤および軟膏のような局所調製物を含む。
エクスビボ方法での抗原結合タンパク質の使用も意図される。例えば、患者の血液または他の体液を、エクスビボでIGF1Rと結合する抗原結合タンパク質と接触させ得る。抗原結合タンパク質は、適切な不溶性マトリックスまたは固体支持物質に結合させ得る。
有利には、抗原結合タンパク質を、1個以上の付加的成分、例えば生理学的に許容される担体、添加剤または希釈剤を含む組成物の形態で投与する。所望により、組成物は、さらに1個以上の生理学的活性剤、例えば、第二の炎症または免疫阻害物質、抗血管形成物質、鎮痛剤物質などを含んでよく、その非排他的例を本明細書に記載する。種々の特定の態様において、組成物は、IGF1R結合抗原結合タンパク質に加えて、1種、2種、3種、4種、5種または6種の生理学的活性剤を含む。
組み合わせ治療
別の面において、本発明は、IGF1R阻害性抗原結合タンパク質および1種以上の他の処置剤を用いる対象の処置方法を提供する。一態様において、このような組み合わせ治療は、例えば、腫瘍の複数部位または分子標的を攻撃することにより、相乗的または相加的効果を達成する。本発明と関係して使用できる組み合わせ治療の種類は、単一疾患に関係する経路における複数ノード、標的細胞における複数経路および標的組織における複数細胞型の阻害または活性化(適当ならば)を含む。
別の態様において、組み合わせ治療方法は、本明細書に記載するIGF1Rアゴニストまたはアンタゴニストの2種、3種、4種、5種、6種またはそれ以上を対象に投与することを含む。別の態様において、本方法は、一体となってIGF1R介在シグナル伝達を阻害または活性化(直接的または間接的)する2種以上の処置剤を対象に投与することを含む。このような方法の例は、2種以上のIGF1R阻害性抗原結合タンパク質の組み合わせ、1種のIGF1R阻害性抗原結合タンパク質と1個以上の抗癌特性を有する他の治療的部分(例えば、細胞毒性剤および/または免疫調節剤)の組み合わせ、または1種のIGF1R阻害性抗原結合タンパク質と1種以上の他の処置(例えば、手術または放射線)の組み合わせを含む。さらに、1種以上の抗IGF1R抗体または抗体誘導体を、1種以上の分子または他の処置と組み合わせて使用でき、ここで、該他の分子および/または処置はIGF1Rと直接結合または作用しないが、この組み合わせは処置すべき状態の処置または予防に有効である。一態様において、分子および/または処置剤の1種以上は、治療中に他の分子または処置の1種以上が原因である状態、例えば、悪心、疲労、脱毛症、カヘキシー、不眠症などを処置または予防する。分子および/または他の処置の組み合わせを使用する全ての場合、個々の分子および/または処置を、任意の順番で、有効である任意の長さの期間にわたり、例えば、同時に、連続的にまたは交互に投与され得る。一態様において、処置方法は、1個の分子または他の処置での処置の第一コースの終了後の処置の第二のコースの開始を含む。処置の第一のコースの終了から処置の第二のコースの開始までの期間の長さは、治療の全過程を有効とする任意の長さであってよく、例えば、秒単位、分単位、時間単位、日単位、週単位、月単位または年単位であってさえよい。
別の態様において、本方法は、本明細書に記載するIGF1Rアンタゴニストの1種以上および1種以上の他の処置(例えば、治療的または予防的処置)の投与を含む。方法が対象への2種以上の処置の投与を含むとき、投与の順番、タイミング、数、濃度および容量は、医学的要求および処置の制限によってのみ制限され、すなわち、2種の処置を対象に、例えば、同時に、連続的に、交互にまたは他の何らかのレジメンに従って投与できる。
実施例1
本実施例は、抗IGF1R抗体に対する細胞結合EC50測定のインビトロデータを示す。この実施例は、最大細胞結合および50%結合飽和(EC50)に達する濃度の点でこれらの抗体の結合特性を示す。この実施例において、実験方法は以下の通りである。50,000個のMCF7乳癌細胞を、100μlのFACSバッファー(PBS+2%FBS)中、96ウェル、v字底プレートのウェルに等分した。抗体の希釈曲線を、図3に示す濃度を包含するFACSバッファーで作製した。細胞を遠沈させ、FACSバッファーで1回洗浄した後、25μlの抗体溶液にトリプリケートで最懸濁させた。0.5時間インキュベート後、細胞をFACSバッファーで1回洗浄し、50μlのPE結合ヤギ抗ヒトIgG(γ鎖特異的)二次抗体(Southern Biotech # 2040-09)に再懸濁した。細胞をさらに0.5時間インキュベートした後、FACSバッファーで1回洗浄した。細胞を25μlのFACSバッファーに再懸濁し、FL−2Hチャネルの中央蛍光をIntellicyt HTFC flow cytometerを使用して決定した。
結果:図3に示す通り、MCF7細胞上のこれらの抗IGF1R抗体の細胞結合EC50は、37pM(B9)から19.5nM(C2)の範囲であった。これらの値は、数桁の範囲に亘るが、全ての抗体が、IGF1Rを発現するMCF7細胞に強力な特異的結合を示す。データをIntellicyt HTFC flow cytometerで集め、FlowJo ソフトウェアを用いて処理し、Graph Pad Prizm中、非線形回帰を使用して分析およびプロットした。データ点を、陽性に標識した細胞中央蛍光強度(MFI)+/−標準誤差として示す。
実施例2
本実施例は、MCF7乳癌細胞におけるIGF1RのIGF1刺激性自己リン酸化を示すインビトロのデータを示す。本実施例は、癌細胞におけるIGF1Rの活性化を阻止し、それ故にその機能を阻止する抗体の能力を証明する。プロトコル:40,000個のMCF7細胞を、96ウェルの細胞培養クラスターのウェルに、10%FBSを添加した100μlのフェノールレッド不含有DMEM培地中に播種した。24時間後、培地を除去し、細胞をPBSで1回洗浄し、その後、100ulの飢餓培地(フェノールレッド不含有DMEM+0%FBS)中で18時間飢餓状態にした。抗体を50μlの血清不含有培地中で20μg/ml(2×終濃度)に希釈し、その後飢餓培地を除去した細胞に添加した。3時間インキュベーション後、50μlの100ng/ml IGF1を、終濃度50ng/mlで細胞に添加した。次いで、細胞を5分間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、1×細胞溶解バッファー(Cell Signaling)で溶解した。IGF1Rのリン酸化を、ELISAプレートの半分の面積に調節して、製造者(Cell Signaling)のプロトコルに従ってPathScan ホスホ−IGF−1 受容体β(Tyr1131)サンドウィッチELISAを用いて検出した。
結果:図5に示す通り、50ng/mlのIGF1で処理したMCF7細胞は、IGF1Rの自己リン酸化を強力に活性化することが示される(カラム1、−と比較して、カラム2、+)。種々の抗IGF1R抗体での細胞の前処理は、IGF1Rのこの活性を阻止する。クローンA6、C2、B9、B10、B10VAR、およびC8は、これらのクローンが、癌におけるIGF1Rに対する治療的介入の可能性のある候補物質であることを示唆する、IGF1R自己リン酸化の最も強力な拮抗作用を示した。データは、トリプリケートのサンプル+/−標準誤差の450nm(ABS 450nm)での吸光度で示され、IGF1Rのリン酸化/活性化に正比例する。
実施例3
本実施例は、MCF7乳癌細胞におけるIGF1RのIGF1刺激性自己リン酸化を示すインビトロデータを示す。具体的には、本実施例は、この自己リン酸化を阻止する抗IGF1R抗体のIC50(半数最大阻害濃度)を示す。本実施例は、インビトロでIGF1R機能を阻止する抗IGF1R抗体の効果を示唆する。プロトコル:40,000個のMCF7細胞を、96ウェルの細胞培養クラスターのウェルに、10%FBSを添加した100μlのフェノールレッド不含有DMEM培地中に播種した。24時間後、培地を除去し、細胞をPBSで1回洗浄し、その後、100ulの飢餓培地(フェノールレッド不含有DMEM+0%FBS)中で24時間飢餓状態にした。抗体を50μlの血清不含有培地中で2×終濃度まで連続希釈し、その後飢餓培地を除去した細胞に添加した。10分インキュベーション後、50μlの100ng/ml IGF1を、終濃度50ng/mlでウェルに添加した。次いで、細胞を5分間インキュベートした。細胞をPBS+0.1%バナジウム酸ナトリウムで洗浄し、1×細胞溶解バッファー(Cell Signaling)で溶解した。IGF1Rのリン酸化を、ELISAプレートの半分の面積で調節して、PathScan ホスホ−IGF−1受容体β(Tyr1131)サンドウィッチELISAを製造者(Cell Signaling)のプロトコルに従って用いて検出した。
結果:図6に示す通り、種々の抗IGF1R抗体での細胞の前処理は、IGF1Rのこの活性を阻止する。B9クローンは、940pMのIC50値でIGF1Rの最も強力な拮抗作用を示した。データを、トリプリケートのサンプル+/−標準誤差の450nm(ABS 450nm)での吸光度で示した。データは、Graph Pad Prizm中、非線形回帰を使用して分析およびプロットして、IC50値を決定した。
実施例4
本実施例は、抗IGF1R抗体によるIGF1刺激性細胞増殖の阻害を示すインビトロデータを示す。制御されていない細胞増殖は、癌の特徴であり、IGF1R陽性癌細胞の増殖を阻害する抗IGF1R抗体の能力が、治療化合物に不可欠である。この実施例において、5000個のMCF7乳癌細胞を、96ウェル細胞培養クラスターのウェルに、10%FBSを添加した100μlのフェノールレッド不含有DMEM培地中にトリプリケートで播種した。24時間後、培地を除去し、細胞を1×PBSで洗浄し、20、2または0.2μg/ml(2×終濃度)の抗IGF1R抗体を含む50μlの血清不含有培地を細胞に添加した。0.5時間インキュベーション後、IGF1を、100ng/mlの濃度で50μl添加した(IGF1の終濃度が50ng/mlである)。その後、細胞を72時間インキュベートし、その後、Promega Cell Titer 96 Non-radioactive 細胞増殖アッセイキットを用いて増殖を評価した。増殖指数を、IGF1処理したサンプル(抗体処理有りまたはなし)/細胞のみのOD570として計算した。
結果:図7に示す通り、抗IGF1R抗体C2、B10、およびC8は、IGF1刺激MCF7増殖を用量依存的に阻害した。示したデータは、IGF1処理したサンプル(抗体処理有りまたはなし)のOD570/細胞のみのOD570をトリプリケートで計算した平均増殖指数である(サンプル+/−標準誤差)。
実施例8
この実施例は、MCF7乳癌細胞におけるIGF1RのIGF2刺激リン酸化を示すインビトロデータを示す。この実施例は、癌細胞においてIGF1Rの活性化を阻害し、それ故にその機能を阻害する抗体の能力を証明する。この実施例において、MCF7細胞を、96ウェル細胞培養クラスターのウェルに、10%FBSを添加した100μlのフェノールレッド不含有DMEM培地中に播種した。24時間後、培地を除去し、細胞を1×PBSで洗浄し、次いで、飢餓培地(フェノールレッド不含有DMEM+0%FBS)中で18時間飢餓状態にした。抗体を、血清不含有培地中、20μg/ml(2×終濃度)まで希釈後、飢餓培地を除去した細胞に添加した。0.5時間インキュベート後、200ng/mlのIGF2(2×終濃度)を、100ng/mlの終濃度で細胞に添加した。その後、細胞を5分間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、1x細胞溶解バッファー(Cell Signaling)で溶解した。IGF1Rのリン酸化を、ELISAプレートの半分の面積で調節して、PathScan ホスホ−IGF−1受容体β(Tyr1131)サンドウィッチELISAを製造者(Cell Signaling)のプロトコルに従って用いて検出した。
結果:図8に示す通り、100ng/mlのIGF2で処理したMCF7細胞は、IGF1Rのリン酸化の強力な活性化を示した(カラム2、IGF2単独、カラム1、未処理と比較して)。種々の抗IGF1R抗体での細胞の前処理は、IGF1Rのこの活性を阻止する。クローンB10は、IGF1R自己リン酸化の最も強力な拮抗作用を示した。データを、トリプリケートのサンプル+/−標準誤差の450nm(ABS 450nm)での吸光度で示し、IGF1Rリン酸化/活性化に正比例した。



さらに、本願発明は次の態様を含む。
1. 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有する、IGF1Rエピトープに少なくとも10−6Mの結合親和性で結合するIgGクラスの完全ヒト抗体。
2. 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択される重鎖可変領域アミノ酸配列に記載される相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変ドメイン、ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32からなる群より選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列に記載されるCDRを含む軽鎖可変ドメインを含む、IgGクラスの完全ヒト抗IGF1R抗体。
3. 抗体が、配列番号1/配列番号2(ここでは、GFA1と言う)、配列番号3/配列番号4(ここでは、GFA3と言う)、配列番号5/配列番号6(ここでは、GFA5と言う)、配列番号7/配列番号8(ここでは、GFA6と言う)、配列番号9/配列番号10(ここでは、GFA12と言う)、配列番号11/配列番号12(ここでは、GFC2と言う)、配列番号13/配列番号14(ここでは、A2と言う)、配列番号15/配列番号16(ここでは、A11と言う)、配列番号17/配列番号18(ここでは、B9と言う)、配列番号19/配列番号20(ここでは、B10と言う)、配列番号21/配列番号22(ここでは、A6と言う)、配列番号23/配列番号24(ここでは、C8と言う)、配列番号25/配列番号26(ここでは、C4と言う)、配列番号27/配列番号28(ここでは、E2と言う)、配列番号29/配列番号30(ここでは、B3と言う)、および配列番号31/配列番号32(ここでは、D12と言う)からなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する、項1に記載の完全ヒト抗体。
4. 重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域を有する完全ヒト抗IGF1R抗体Fabフラグメントであって、ここで、重鎖可変ドメイン配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有し、軽鎖可変ドメイン配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する、完全ヒト抗IGF1R抗体Fabフラグメント。
5. 抗体が、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30および配列番号31/配列番号32からなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する、項4に記載のFabフラグメント。
6. 重鎖由来の可変ドメイン領域および軽鎖由来の可変ドメイン領域および重鎖可変ドメイン領域と軽鎖可変ドメイン領域を連結するペプチドリンカーを有する一本鎖ヒト抗IGF1R抗体であって、ここで、重鎖可変ドメインが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択されるアミノ酸配列とからなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、軽鎖可変ドメインが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、一本鎖ヒト抗IGF1R抗体。
7. 抗体が、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30および配列番号31/配列番号32からなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する、項6に記載の完全ヒト一本鎖抗IGF1R抗体。
8. 有効量の抗IGF1Rポリペプチドを含む、哺乳動物対象の癌の処置用医薬であって、ここで、抗IGF1Rポリペプチドが、IGF1Rエピトープに少なくとも10−6Mの結合親和性で結合するIgGクラスの完全ヒト抗体、完全ヒト抗IGF1R抗体Fabフラグメント、およびヒト一本鎖抗IGF1R抗体からなる群より選択され、
完全ヒト抗体が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有し、
完全ヒト抗IGF1R抗体Fabフラグメントが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32および配列番号34からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有し、そして
ヒト一本鎖抗体が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変ドメイン配列、ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン配列を有する、医薬。
9. 完全ヒト抗IGF1R抗体が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29および配列番号31からなる群より選択される重鎖可変領域アミノ酸配列に記載される相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変ドメイン、ならびに配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30および配列番号32からなる群より選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列に記載されるCDRを含む軽鎖可変ドメインを含む、項8に記載の医薬。
10. 完全ヒト抗体が、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30および配列番号31/配列番号32からなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する、項8に記載の医薬。
11. 完全ヒト抗IGF1R抗体Fabフラグメントが、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30および配列番号31/配列番号32からなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する、項8に記載の医薬。
12. 完全ヒト一本鎖抗体が、配列番号1/配列番号2、配列番号3/配列番号4、配列番号5/配列番号6、配列番号7/配列番号8、配列番号9/配列番号10、配列番号11/配列番号12、配列番号13/配列番号14、配列番号15/配列番号16、配列番号17/配列番号18、配列番号19/配列番号20、配列番号21/配列番号22、配列番号23/配列番号24、配列番号25/配列番号26、配列番号27/配列番号28、配列番号29/配列番号30および配列番号31/配列番号32からなる群より選択される重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を有する、項8に記載の医薬。
13. 癌が、骨肉腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、何れかの小児癌、腎臓癌、白血病、腎臓腎移行上皮癌、ヴェルナー・モリソン症候群、末端肥大症、膀胱癌、ウィルムス腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、良性前立腺過形成、乳癌、前立腺癌、骨腫瘍、肺癌、胃癌、結腸直腸癌、頚部癌、滑膜肉腫、転移性カルチノイドに伴う下痢、血管作動性腸ペプチド分泌性腫瘍、頭頸部癌、扁平細胞癌腫、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液系腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン疾患、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞腫瘍、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、シーリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、中枢神経系腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、神経膠芽腫ではない脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腫瘍、前庭神経鞘腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫および脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性障害、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮内膜癌、カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、肝臓癌およびグレーブス疾患からなる群より選択される、項8に記載の医薬。

Claims (16)

  1. 抗体が配列番号17と配列番号18または配列番号21と配列番号22の重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を含む、IGF−1Rに結合する、完全ヒト抗IGF−1R抗体またはその抗原結合フラグメント
  2. 抗体または抗原結合フラグメントが少なくとも1×10−6Mの結合親和性を有する、請求項に記載の完全ヒト抗IGF−1R抗体またはその抗原結合フラグメント。
  3. IGF−1Rに結合する完全ヒト抗IGF−1R抗体Fabフラグメントであって、抗体が配列番号17配列番号18または配列番号21配列番号22の重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を含む、完全ヒト抗IGF−1R抗体Fabフラグメント。
  4. 抗体Fabフラグメントが少なくとも1×10−6Mの結合親和性を有する、請求項に記載の完全ヒト抗IGF−1R抗体Fabフラグメント。
  5. 配列番号17配列番号18または配列番号21配列番号22の重鎖/軽鎖可変ドメイン配列を含み、該重鎖可変ドメインおよび該軽鎖可変ドメインがペプチドリンカーにより連結される、一本鎖抗IGF−1R抗原結合フラグメント。
  6. フラグメントが少なくとも1×10−6Mの結合親和性を有する、請求項に記載の一本鎖抗IGF−1R抗原結合フラグメント。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の抗体または抗原結合フラグメントおよび薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  8. 癌の処置用医薬の製造に使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の抗IGF−1R抗体または抗原結合フラグメント。
  9. 癌が骨肉腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、何れかの小児癌、腎臓癌、白血病、腎臓腎移行上皮癌、ヴェルナー・モリソン症候群、末端肥大症、膀胱癌、ウィルムス腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、良性前立腺過形成、乳癌、前立腺癌、骨腫瘍、肺癌、胃癌、結腸直腸癌、頚部癌、滑膜肉腫、転移性カルチノイドに伴う下痢、血管作動性腸ペプチド分泌性腫瘍、頭頸部癌、扁平細胞癌腫、多発性骨髄腫、孤立性形質細胞腫、腎細胞癌、網膜芽腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、肝細胞癌、黒色腫、腎臓の桿状腫瘍、ユーイング肉腫、軟骨肉腫、血液系腫瘍、慢性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ホジキン疾患、非ホジキンリンパ腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、有毛細胞白血病、肥満細胞性白血病、肥満細胞腫瘍、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉腫、シーリー症候群、皮膚T細胞リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、中枢神経系腫瘍、脳腫瘍、神経膠芽腫、神経膠芽腫ではない脳腫瘍、髄膜腫、下垂体腫瘍、前庭神経鞘腫、原始神経外胚葉性腫瘍、髄芽腫、星状細胞腫、未分化星状細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫および脈絡叢乳頭腫、骨髄増殖性障害、真性多血症、血小板血症、特発性骨髄線維症、軟部組織肉腫、甲状腺癌、子宮内膜癌、カルチノイド腫瘍、胚細胞腫瘍、肝臓癌およびグレーブス疾患からなる群より選択される、請求項に記載の抗IFG−1R抗体または抗原結合フラグメント。
  10. 炎症性疾患または自己免疫疾患の処置用医薬の製造に使用するための、請求項1〜のいずれかに記載の抗IGF−1R抗体または抗原結合フラグメント。
  11. 炎症性疾患または自己免疫疾患が腸管粘膜の炎症、大腸炎と関係する消耗性疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ウイルス感染、リウマチ性関節炎、骨関節症、乾癬、クローン病、および炎症性腸疾患からなる群より選択される、請求項10に記載の抗IFG−1R抗体または抗原結合フラグメント。
  12. 抗体またはその抗原結合フラグメントがIgG、IgM、IgD、IgAおよびIgEからなる群より選択されるアイソタイプとして分類される、請求項に記載の完全ヒト抗IGF−1R抗体またはその抗原結合フラグメント。
  13. フラグメントがIgG、IgM、IgD、IgAおよびIgEからなる群より選択されるアイソタイプとして分類される、請求項に記載の完全ヒト抗IGF−1R抗体Fabフラグメント。
  14. 抗体または抗原結合フラグメントがIgG1またはIgG4である、請求項12に記載の完全ヒト抗IGF−1R抗体またはその抗原結合フラグメント。
  15. フラグメントがIgG1またはIgG4である、請求項13に記載の完全ヒト抗IGF−1R抗体Fabフラグメント。
  16. 抗体または抗原結合フラグメントがモノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、ドメイン抗体(dAb)、一本鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体または四重特異性抗体である、請求項1〜のいずれかに記載の抗IGF−1R抗体または抗原結合フラグメント。
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