「第1実施形態」
図1において、本発明のチーム医療支援システム10は、病院(医療施設)11に構築され、チーム医療支援サーバ(チーム医療支援装置に相当)12と、チーム医療支援サーバ12と通信可能に接続される管理者端末13、担当者端末14とを備えている。チーム医療支援システム10は、将来的な導入が検討されている特定看護師制度を前提としたチーム医療を支援するシステムである。
特定看護師制度を前提とするチーム医療では、医療管理者(以下、単に管理者という)と、医療担当者(以下、単に担当者という)との複数人の医療スタッフをメンバーとしてチームを編成して、患者の診療に当たる。管理者になる資格は医師のみが持ち、担当者は、管理者からの包括的指示に基づいて特定医行為を実施する。担当者は、看護師の他、救急救命士、薬剤師など、医師以外の医療資格を有する者であってもよい。本例においては、医師である管理者D1と、看護師である担当者N1、N2がチームTを編成して特定医行為を実施する例で説明を行う。管理者D1以外の管理者D2、D3は、チームTの正式なメンバーではないが、チームTのメンバーと同じ病院11の医師であり、必要に応じてチームTへの協力が可能な立場にあるものとする。
管理者は、特定医行為の包括的指示を与える場合には、まず、包括的指示の対象となる特定医行為の種類の選択や、選択した特定医行為を実施する資格を持つ担当者を選択する必要がある。特定医行為を実施する資格は、例えば、指定研修機関における特定医行為研修を終了した者に与えられる。チーム医療支援サーバ12は、管理者端末13からの要求に応じて、管理者端末13に対して、特定医行為の種類及び担当者を選択する選択画面41(図5参照)を配信する。
そして、管理者は、特定医行為及び担当者を選択後、選択した担当者に対して判断内容を提示して包括的指示を与える。また、包括的指示を受ける担当者は、包括的指示を受けた後、特定医行為の実施に際して、管理者に対して、具体的な指示に関する質問をしなければならない場合がある。この場合には、指示元の管理者に対して質問をして回答を得ることになる。チーム医療支援システム10は、こうした包括的指示に基づく特定医行為を行うチーム医療に適した支援機能を備えている。
管理者端末13及び担当者端末14は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型端末などの無線通信機能を備えた携帯端末である。なお、本例では、携帯端末を例に説明しているが、据え置き型の端末を使用してもよい。
チーム医療支援サーバ12と、管理者端末13及び担当者端末14とは、病院11内に敷設された通信ネットワークであるLAN(Local Area Network)17によって相互に通信可能に接続される。LAN17は、ケーブルによる有線接続及び無線アクセスポイントによる無線接続が可能である。LAN17には、カルテサーバ18、画像サーバ19、VPN(Virtual Private Network)ルータ21も接続されており、チーム医療支援システム10は、LAN17を介して、カルテサーバ18、画像サーバ19にアクセスすることが可能である。カルテサーバ18、画像サーバ19、VPNルータ21は、チーム医療支援システム10とともに、病院11の院内システムを構成する。
カルテサーバ18は、患者の電子カルテを配信するサーバであり、電子カルテを検索可能に格納するカルテDB(Data Base)18Aを備えている。画像サーバ19は、患者の検査画像を配信するサーバであり、検査画像を検索可能に格納する画像DB19Aを備えている。
院内システムにおいては、病院11内から病院11外のインターネット22などの外部の通信ネットワークへの情報漏洩や、外部の通信ネットワークから内部の通信ネットワークであるLAN17及び院内システムへの不法侵入に対する対策として、VPNルータ21を用いることによりVPNが構築されている。LAN17やインターネット22では、TCP/IPで規定されたIPパケットの形態でデータが転送される。VPNルータ21は、ネットワーク上で転送されるIPパケットについて、IPパケットに含まれるIPアドレスに基づいて通信経路の選択(ルーティング)を行う通常のルータ機能に加えて、暗号化機能を備えたものである。
管理者D3の管理者端末13は、VPNルータ21に対応したアクセス権限が付与されており、管理者D3は、院外にいる場合でも、VPNルータ21を経由して院内システムにアクセスすることができる。
図2に示すように、チーム医療支援サーバ12は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータをベースに、オペレーティングシステムなどの制御プログラムや、コンピュータをチーム医療支援サーバ12として機能させるためのアプリケーションプログラム(AP:Application Program)40をインストールして構成される。AP40は、チーム医療支援プログラムに相当する。
チーム医療支援サーバ12は、CPU(Central Processing Unit)31、メモリ32、ストレージデバイス33、通信I/F(Inter/face)34、入出力部36が設けられており、これらはデータバス37を介して接続されている。入出力部36は、ディスプレイなどの表示部38と、マウスやキーボードなどの入力デバイス39で構成される。
ストレージデバイス33は、各種データを格納するデバイスであり、例えば、ハードディスクドライブで構成される。ストレージデバイス33は、制御プログラムや、AP40が格納される。
メモリ32は、CPU31が処理を実行するためのワークメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)で構成される。CPU31は、ストレージデバイス33に格納された制御プログラムを、メモリ32へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。通信I/F34は、LAN17に接続するための伝送制御を行う。チーム医療支援サーバ12は、通信I/F34を介してLAN17に接続して、管理者端末13、担当者端末14等と通信を行う。
管理者端末13及び担当者端末14も、コンピュータであるため、CPU、メモリ、ストレージデバイス、入出力部などの基本的な構成はチーム医療支援サーバ12と同様である。ただし、管理者端末13及び担当者端末14は、携帯端末であるため、入出力部としては、例えば、タッチパネル式のディスプレイなどが使用される。管理者端末13及び担当者端末14には、GUI(Graphical User Interface)による操作画面が表示され、ディスプレイを通じて操作入力が行われる。
管理者端末13及び担当者端末14は、チーム医療支援サーバ12にアクセスして、配信される画面を表示する。チーム医療支援サーバ12から配信される画面には、チーム医療支援サーバ12に対して各種要求を送信するための操作画面(後述する選択画面41など)が含まれる。操作画面は、例えば、XML(Extensible Markup Language)などのマークアップ言語によって作成されるウェブ配信用のXMLデータの形式で配信される。管理者端末13及び担当者端末14は、チーム医療支援サーバ12から配信される操作画面をウェブブラウザなどのアプリケーションによって再現してディスプレイに表示する。
管理者端末13及び担当者端末14、操作画面の操作や画面遷移に応じて、必要なデータをチーム医療支援サーバ12にアクセスして取得する。管理者端末13や担当者端末14とチーム医療支援サーバ12との通信や、配信される操作画面の再現処理は、汎用的なウェブブラウザを使用してもよいし、専用アプリケーションを使用してもよい。なお、XMLに替えて、JSON(JavaScript(登録商標)object Notation)等の他のデータ記述言語を利用してもよい。
チーム医療支援サーバ12において、AP40が起動すると、CPU31は、メモリ32と協働して、要求振り分け部31A、選択画面生成部31B、配信部31C、通知作成部31D、質問/回答受付部31E、実施結果受付部31Fとして機能する。
また、チーム医療支援サーバ12には、支援DB12Aが設けられている。支援DB12Aには、複数種類の特定医行為を複数の区分に分類した分類体系を示す特定医行為分類情報45と、複数の担当者に関する担当者情報46と、担当者及び管理者を含む病院11内の医療スタッフのスケジュール情報47と、チーム医療支援サーバ12と、管理者端末13や担当者端末14との間の通信の履歴情報を記録する通信履歴50とが格納されている。支援DB12Aは、ハードディスクなどのデータストレージデバイスで構成される。特定医行為分類情報45、担当者情報46、及びスケジュール情報47は、後述する選択画面41を生成する際に使用される。
要求振り分け部31Aは、管理者端末13及び担当者端末14から、各種の要求を受信して、受信した要求を各部に振り分ける処理を行う。各種の要求としては、例えば、管理者端末13から担当者宛に特定医行為の包括的指示を作成して送信するための送信要求や、担当者端末14から、管理者宛の質問の送信要求などがある。
また、要求振り分け部31Aは、管理者端末13から選択画面41(図5参照)の配信要求を受信する。特定医行為の包括的指示の作成においては、その前段階として、包括的指示の対象となる特定医行為の選択と、包括的指示を与える担当者の選択が行われる。特定医行為及び担当者の選択は、チーム医療支援サーバ12が生成する選択画面41を通じて行われる。そのため、特定医行為の包括的指示の作成の際に、管理者端末13から選択画面41の配信要求が送信され、配信要求は、要求振り分け部31Aにおいて受信される。選択画面41は、選択画面生成部31Bによって生成されて、配信部31Cによって、管理者端末13に対して配信される。
管理者端末13において、選択画面41を通じて選択が行われると、管理者端末13から、包括的指示を行う特定医行為の選択情報、包括的指示を与える担当者の選択情報、及び包括的指示に必要な判断内容などが送信される。要求振り分け部31Aは、特定医行為の選択情報及び担当者の選択情報並びに判断内容を、通知作成部31Dに入力する。
選択画面生成部31Bは、支援DB12A内の特定医行為分類情報45、担当者情報46、及びスケジュール情報47を参照して、選択画面41を生成する。図4及び図5に示すように、選択画面41は、複数のサブ画面41A〜41Cで構成される。各サブ画面41A〜41Cは、画面遷移により選択的に表示される。
サブ画面41Aは、複数の特定医行為を分類する区分を選択する選択画面であり、複数の区分がリスト表示される。サブ画面41Aには、各区分A、B、C・・・を選択するための選択ボタン42Aが設けられている。各選択ボタン42Aには、呼吸器関連、循環器関連、動脈血液ガス分析関連といった区分名が表示される。このような複数の区分名が表示される複数の選択ボタン42Aが表示されることにより、サブ画面41Aは、複数の区分を表示する区分表示部として機能する。
図6に示すように、特定医行為分類情報45には、複数の区分と各区分に分類される特定医行為が記録されている。各区分は、例えば、呼吸器関連、循環器関連、動脈血液ガス分析関連などがある。各区分には、それぞれに関連する特定医行為が分類される。呼吸器関連の区分Aには、人工呼吸器モードの設定条件の変更(特定医行為A1)、人口呼吸器管理下の鎮静管理(特定医行為A2)、人口呼吸器装着中のウィーニングの実施(特定医行為A3)、NPPV(Non-invasive Positive Pressure Ventilation:非侵襲的陽圧換気療法)モード設定条件の変更(特定医行為A4)など、呼吸器に関連する特定医行為が含まれる。
循環器関連の区分Bには、「一時的ペースメーカー」の操作・管理(特定医行為B1)、「一時的ペースメーカーリード」の抜去(特定医行為B2)、PCPS(Percutaneous CardioPulmonary Support:経皮的心肺補助装置)(特定医行為B3)、大動脈内バルーンバンピング離脱のための補助頻度の調整(特定医行為B4)など、循環器に関連する特定医行為が含まれる。動脈血液ガス分析関連の区分Cには、直接動脈穿刺による採血(特定医行為C1)、橈骨動脈ラインの確保(特定医行為C2)など、動脈血液ガス分析に関連する特定医行為が含まれる。創傷管理関連の区分Fには、褥瘡・慢性創傷における血流のない壊死組織の除去(特定医行為F1)が含まれる。
また、図7に示すように、担当者情報46には、複数種類の特定医行為に関する、各担当者の資格保有情報と熟達度情報が記録されている。資格保有情報は、各特定医行為を実施する資格の有無であり、熟達度情報は、各特定医行為の熟達度である。熟達度は例えば10段階の評価値で表される。例えば、担当者N1は、区分Aの特定医行為A1〜A4について資格を保有しており、各特定医行為A1〜A4の熟達度は、「7」、「8」、「6」、「6」である。また、担当者N2は、区分Aの特定医行為A1〜A4のうち、特定医行為A1、A2の資格を保有しており、熟達度はそれぞれ「5」である。一方、特定医行為A3、A4については資格を保有していない。
選択画面生成部31Bは、特定医行為分類情報45及び担当者情報46を参照して、サブ画面41Aを生成する。図4に示すように、サブ画面41Aには、特定医行為分類情報45に記録される複数の区分A、B、C・・・に対応する複数の選択ボタン42Aが表示される。
各選択ボタン42Aは、包括的指示が可能な担当者が少なくとも1人存在する区分に対応するボタンと、包括的指示が可能な担当者が1人も存在しない区分に対応するボタンとが識別可能に表示される。選択画面生成部31Bは、各区分に包括的指示が可能な担当者が存在するか否かについて、担当者情報46を参照して判定し、判定結果に基づいて各選択ボタン42Aの表示態様を変更する。
図4及び図5において、区分A〜C(呼吸器関連、循環器関連、動脈血液ガス分析関連)の選択ボタン42Aは、包括的指示が可能な担当者が少なくとも1人存在する選択ボタンであり、区分Fの選択ボタン42Aが1人も存在しない選択ボタン42Aである。区分F(創傷管理関連)の選択ボタン42Aには、例えば、×印を付したり、グレイアウトで表示するなどの表示態様により、選択不能であることが表示される。これにより、区分A〜Cの選択ボタン42Aと識別可能に表示される。
ここで、包括的指示が可能な担当者とは、各区分内の特定医行為を実施する資格を保有している担当者であり、各区分内の複数種類の特定医行為のうち、少なくとも1つの特定医行為を実施する資格を保有していれば、包括的指示が可能な担当者としてカウントされる。例えば、区分Aの呼吸器関連であれば、呼吸器関連に分類される複数の特定医行為A1〜A4のうち、少なくとも1つの特定医行為について実施する資格を保有していれば、包括的指示が可能な担当者の1人とカウントされる。
本例のように、区分F(創傷管理関連)の選択ボタン42Aが選択不能となっている場合には、院内において、創傷管理関連の特定医行為を実施する資格を保有する担当者が1人も存在しないことを意味する。このように、資格を保有する担当者が1人も存在しない場合には、その区分に対応する選択ボタン42Aに対して、選択不能であることを表示しておけば、誤って選択されてしまうことが防止される。
図5に示すように、サブ画面41Aにおいて、選択ボタン42Aの1つが操作されて1つの区分が選択されると、サブ画面41Aは、サブ画面41Bに遷移する。サブ画面41Bは、包括的指示を与える担当者を選択する選択画面であり、複数の担当者がリスト表示される。選択画面生成部31Bは、担当者情報46を参照して、担当者情報46に記録されている担当者名を読み出して、サブ画面41Bを生成する。各選択ボタン42Bには、担当者N1、N2、N3・・・といった担当者名が表示される。
サブ画面41Bは、サブ画面41Aにおいて、包括的指示が可能な担当者が少なくとも1人存在する区分が選択されて表示される画面であるので、複数の選択ボタン42Bの少なくとも1つには、包括的指示が可能な担当者が表示される。サブ画面41Bは、選択ボタン42Bの表示により、包括的指示が可能な担当者を表示する担当者表示部に相当する。包括的指示が可能な担当者は、上述のとおり、各区分内の複数種類の特定医行為のうち、少なくとも1つの特定医行為を実施する資格を保有する担当者である。
本例では、サブ画面41Aにおいて呼吸器関連の区分Aが選択されているので、選択ボタン42Bに表示される担当者には、区分Aに属する特定医行為A1〜A4の包括的指示が可能な担当者が少なくとも1人含まれている。図5の例では、担当者N1〜N4及びN10のすべてが、区分A内の特定医行為A1〜A4のうち少なくとも1つの特定医行為を実施する資格を保有する担当者である。
選択ボタン42Bに表示される担当者が、選択された区分に属する特定医行為について実施する資格を1つも保有していない場合には、図9に示すように、実施する資格を保有していない担当者を表示する選択ボタン42Bは、実施する資格を保有する担当者を表示する選択ボタン42Bと識別可能に表示される。
図9において、サブ画面41Aにおいて区分Fが選択されており、図5と同様に、サブ画面41Bには担当者N1〜N10を表示する選択ボタン42Bが表示される。担当者N1〜N10のうち、担当者N3、N4は、選択された区分Cに属する特定医行為C1、C2について実施する資格を保有しない担当者である。これらの担当者N3、N4を表示する選択ボタン42Bは、例えば、×印を付したり、グレイアウトで表示するなどの表示態様により、選択不能であることが表示される。これにより、実施する資格を保有する担当者N1、N2などを表示する選択ボタン42Bと識別可能に表示される。
選択画面生成部31Bは、担当者情報46を参照して、サブ画面41Cを生成する。図5に示すように、選択ボタン42Bのいずれかを操作して1人の担当者を選択すると、サブ画面41Bからサブ画面41Cに遷移する。サブ画面41Cは、特定医行為を選択する選択画面である。サブ画面41Cには、選択した担当者に対して包括的指示を与える特定医行為を選択する選択ボタン42Cが設けられる。各選択ボタン42Cには、特定医行為の名称に加えて、その特定医行為についての担当者の資格の有無及び熟達度が表示される。
本例では、呼吸器関連の区分Aが選択されているので、サブ画面41Cに設けられる選択ボタン42Cは、呼吸器関連の特定医行為A1〜A4を表示し、各特定医行為A1〜A4を選択するための選択ボタンとなる。各選択ボタン42Cには、特定医行為A1〜A4についての資格保有情報と熟達度が表示される。担当者N1は、特定医行為A1〜A4についてすべて資格を有しているため、資格は「有り」と表示される。熟達度は、例えば10段階評価の評価値として、「7」、「8」、「6」、「6」が特定医行為A1〜A4に対してそれぞれ表示される。
上述のとおり、サブ画面41Cには、選択された担当者が資格を保有する特定医行為を表示する選択ボタン42Cが少なくとも1つ含まれているので、サブ画面41Cは、担当者が資格を保有する特定医行為を少なくとも含む、担当者の資格保有状況を表示する資格保有状況表示部として機能する。ここで、資格保有状況とは、各特定医行為を実施する資格の有無を表す情報である。
また、担当者が資格を保有する特定医行為に加えて、図10に示すサブ画面41Cのように、担当者が資格を保有していないために実施不可能な特定医行為について表示してもよい。図10において、サブ画面41Aにおいて区分Aが選択され、サブ画面41Bにおいて、担当者として担当者N2が選択されている。サブ画面41Cには、選択された担当者N2の資格保有状況及び熟達度が表示される。
担当者N2は、区分Aの特定医行為A1〜A4のうち、特定医行為A1、A2については資格を保有しているが、特定医行為A3、A4については資格を保有していない。この場合には、資格を保有していない特定医行為A3、A4に対応する選択ボタン42Cは、例えば×印を付したり、グレイアウトで表示するなどの表示態様により、資格を保有している特定医行為A1、A2に対応する選択ボタン42Cと識別可能に表示される。
また、サブ画面41Cには、選択された担当者のスケジュールを表示するスケジュール表示欄61が設けられている。スケジュール表示欄61には、スケジュール情報47から選択された担当者の作業スケジュールが読み出されて表示される。
図8に示すように、スケジュール情報47は、管理者及び担当者を含む医療スタッフ毎の複数の作業スケジュールで構成されている。例えば、作業スケジュールには、担当者N1の作業スケジュールN1に示されているように、作業日時と作業内容が記録されている。作業内容は、回診、手術などの作業項目と、病棟、手術室などの作業場所とを含んでいる。
選択画面生成部31Bは、スケジュール情報47から、サブ画面41Bにおいて選択された担当者の作業スケジュールを読み出して、サブ画面41Cのスケジュール表示欄61に挿入する。作業スケジュールには、担当者が現在実施中又は実施予定の作業状況が含まれる。作業状況には、実施中又は実施予定の作業内容(回診、手術など、空き状況を含む)、時刻情報(作業開始時刻及び終了時刻)が含まれる。
管理者は、各選択ボタン42Cに表示される、選択した担当者の資格保有状況及び熟達度、さらにスケジュール情報47を参照して、包括的指示を与える担当者及び特定医行為を選択する。スケジュール表示欄61の下方には、担当者及び特定医行為の選択を確定する選択確定ボタン62が設けられている。選択ボタン42Cを操作して特定医行為の1つを選択した状態で、選択確定ボタン62が操作されると、担当者及び特定医行為の選択が確定する。
例えば、担当者N1に対して特定医行為A1の包括的指示を与える場合には、図5に示すように、担当者N1が選択されているサブ画面41Cにおいて、特定医行為A1を選択して、選択確定ボタン62が操作されると、担当者N1に対して特定医行為A1の包括的指示を与えることが確定する。
選択確定ボタン62の操作によって選択が確定すると、図11に示す判断内容入力画面49に遷移する。包括的指示を行うためには、担当者及び特定医行為の種類の選択に加えて、選択された特定医行為を実施する際に担当者が判断しなければならない判断内容を提示する必要がある。判断内容入力画面49は、選択された特定医行為の判断内容を、管理者D1が入力するための画面である。
図11に示す判断内容入力画面49は、担当者として担当者N1、特定医行為として、動脈血液ガス分析関連の区分Cの特定医行為C1(直接動脈穿刺による採血)が選択されている例を示す。そのため、判断内容入力画面49には、特定医行為C1を実施する際の判断内容が入力される。特定医行為C1の判断内容は、呼吸回数とSPO2(血液中の酸素飽和度)の2つの項目に関して、患者の測定値が適正範囲に入っているかを判断するというものである。担当者N1は、特定医行為C1を実施する前に、患者の呼吸回数とSPO2を測定し、測定値が適正範囲に入っている場合には、患者に対して特定医行為C1を実施可能と判断して、特定医行為C1を実施する。
判断内容入力欄49Aには、呼吸回数とSPO2の2つの項目と、各項目の上限値及び下限値が適正範囲として入力されている。チーム医療支援サーバ12や管理者端末13のアプリケーションプログラムには、特定医行為毎の判断内容と適正範囲の標準値がプリセットされており、判断内容入力画面49の初期状態においては、プリセットされた内容が入力されて表示される。
判断内容入力欄49Aの適正範囲は、例えば、成人の標準値が表示される。もちろん、判断内容入力欄49Aにおいて、各項目の適正範囲の標準値を管理者が適宜変更できるようにしてもよい。また、管理者の入力値について、管理者端末13が自動的にチェックを行い、入力値が適正範囲から大きく外れているような場合には、その旨の警告を行ってもよい。この場合には、管理者端末13が、入力値が許容範囲に入っているか否かをチーム医療支援サーバ12に問い合わせるようにしてもよい。このように入力値をチェックすることで、管理者の入力ミスを減らすことができる。
判断内容入力欄49Aの下方には、その他の指示事項や実施希望日時を入力する入力欄49B、49Cが設けられている。判断内容に追加する指示や項目が有る場合には、入力欄49Aに入力する。入力欄49Aは、特定医行為を実施する実施日時が入力される。例えば、入力欄49A、49Bをタッチ操作すると、タッチ操作可能なキーボードが表示され、表示されたキーボードを利用して文字入力が可能になる。
入力欄49Bの下方には、OKボタン49Dとキャンセルボタン49Eが設けられている。OKボタン49Dは、入力した内容で包括的指示を送信する指示をする操作部であり、キャンセルボタン49Eは、入力内容をキャンセルして選択画面41に復帰するためのボタンである。OKボタン49Dが操作されると、管理者端末13から、包括的指示を送信する送信要求がチーム医療支援サーバ12に送信される。送信要求には、担当者及び特定医行為の選択情報と入力した判断内容が含まれる。
図3において、要求振り分け部31Aは、包括的指示の送信要求を受信した場合には、担当者及び特定医行為の選択情報と判断内容を通知作成部31Dに入力する。通知作成部31Dは、担当者の選択情報に基づいて、選択された担当者宛の包括的指示通知を作成する。
作成した包括的指示通知は、配信部31Cによって担当者宛のアドレスに送信されて、担当者端末に配信される。例えば、担当者選択画面48において、担当者N1が選択されている場合には、担当者N1のアドレスに送信されて、担当者端末14に配信される。支援DB12Aには、病院11内の医療スタッフの宛先のアドレスを記録したアドレス情報(図示せず)が格納されており、配信部31Cは、アドレス情報を参照して、配信先のアドレスを取得する。
図12に示すように、包括的指示通知は、担当者端末14において、包括的指示表示画面51に表示される。包括的指示表示画面51には、指示元の管理者の表示、特定医行為の種類の表示欄51A、判断内容を表示する表示欄51B、その他指示事項及び実施希望日時を表示する表示欄51C、51Dが設けられている。表示欄51B、51C、51Dは、図11に示した判断内容入力画面49の入力欄49A、入力欄49B、49Cの内容に対応している。担当者は、これらの表示により、特定医行為の種類と判断内容を含む包括的指示の内容を把握することができる。
表示欄51Dの下方には、実施開始ボタン51E、実施完了ボタン51F、質問ボタン51Gが設けられている。実施開始ボタン51Eは、担当者N1が特定医行為の実施を開始する場合に操作するボタンであり、実施開始ボタン51Eが操作されると、開始通知が指示元の管理者D1に配信される。これにより、管理者D1は、担当者N1が特定医行為の実施を開始したことを知ることができる。実施完了ボタン51Fは、特定医行為の実施が完了した場合に操作されるボタンである。実施完了ボタン51Fが操作されると、実施結果報告を作成するための実施結果入力画面52に遷移する。
図13に示すように、実施結果入力画面52は、選択された特定医行為の種類を表示する表示欄52A、報告内容を入力する入力欄52B、その他報告事項を入力する入力欄52C、及び実際の実施日時を入力する入力欄52Dが設けられている。入力欄52Bは、判断内容の項目(本例では呼吸回数とSPO2)に関して、患者の測定値が報告値として入力される。その他報告事項があれば、入力欄52Cに入力される。
入力欄52Dの下方には、添付ボタン52E、報告ボタン52F、キャンセルボタン52Gが設けられている。添付ボタン52Eは、動画、写真、音声などのデータを添付するためのボタンである。添付ボタン52Eを使用することにより、特定医行為を実施する際の患者の実際の状況などを撮影した動画や写真を添付することができる。
報告ボタン52Fは、実施結果入力画面52で入力した報告内容を含む実施結果を送信する指示をする操作部であり、キャンセルボタン52Gは、入力内容をキャンセルするボタンである。報告ボタン52Fが操作されると、担当者端末14から、実施結果を送信する送信要求がチーム医療支援サーバ12に送信される。
図3において、要求振り分け部31Aは、実施結果の送信要求を受信した場合には、実施結果を実施結果受付部31Fに入力する。実施結果受付部31Fは、入力された実施結果を受け付けて、受け付けた実施結果を所定のフォーマットに変換して送信用のデータを作成する。作成した実施結果は、配信部31Cによって指示元の管理者宛のアドレスに送信されて、管理者端末13に配信される。本例では、指示元の管理者D1のアドレスに送信されて、管理者D1の管理者端末13に配信される。
図12に示す包括的指示表示画面51において、質問ボタン51Gが操作されると、図11に示す質問入力画面53に遷移する。特定医行為を実施する際に、例えば、予め提示された判断内容に関して、患者の測定値が適正範囲外である場合には、担当者N1は、特定医行為を実施すべきか中止すべきかの判断ができない。このような具体的指示などの質問が必要になった場合には、担当者N1から管理者D1に対して質問が行われる。
図14に示すように、質問入力画面53には、特定医行為の種類を示す表示欄53A、報告内容を入力する入力欄53B、質問事項を入力する入力欄53Cが設けられている。入力欄53Bには、判断内容として提示された項目に関する患者の測定値が入力される。本例では、呼吸回数の最大値が適正範囲を上回っており、SPO2の最小値が適正範囲を下回っている例を示している。入力欄53Cには、例えば、呼吸回数とSPO2が適正範囲から外れていること、今後の対応について具体的指示を希望することなどが、質問事項として入力される。なお、入力欄53Bにおいて、適正範囲から外れている報告値(ハッチングで示す)については、適正範囲内の報告値と識別可能に表示することが好ましい。
また、担当者端末14において、入力された測定値(報告値)が適正範囲内にあるか否かを自動的に判定して、質問を作成してもよい。特定医行為の指示には適正範囲も含まれているので、担当者端末14は、報告値が適正範囲内か否かを判定して、報告値が適正範囲から外れている場合には、予め設定された定型文のメッセージを利用して質問を自動的に作成する。このような自動化により、担当者の入力ミスを減らすことができる。
入力欄53Cの下方には、送信ボタン53Dとキャンセルボタン53Eが設けられている。送信ボタン53Dが操作されると、担当者端末14から、入力した内容の質問を送信する送信要求がチーム医療支援サーバ12に送信される。キャンセルボタン53Eは、入力内容をキャンセルするボタンである。
図3において、要求振り分け部31Aは、質問の送信要求を受信した場合には、質問/回答受付部31Eに入力する。質問/回答受付部31Eは、受け付けた質問を所定のフォーマットに変換して送信用のデータを作成する。作成した質問は、配信部31Cによって指示元の管理者宛のアドレスに送信されて、管理者端末13に配信される。本例では、指示元の管理者D1のアドレスに送信されて、管理者D1の管理者端末13に配信される。このように、質問/回答受付部31Eは、質問受付部としても機能し、配信部31Cは、質問配信部としても機能する。
図15に示すように、管理者端末13では、回答入力画面54によって、配信された質問に対する回答を入力することができる。回答入力画面54には、質問入力画面53で入力された、特定医行為の種類、報告内容、質問事項をそれぞれ表示する表示欄54A、54B、54Cが設けられている。これにより、管理者D1は、質問内容を確認することができる。表示欄54Cの下方には、質問に対する回答(具体的指示を含む)を入力する入力欄54Dが設けられている。入力欄54Dには、例えば、報告値の範囲を確認したこと(「範囲確認」)、その範囲であれば特定医行為C1を実施して構わないこと(「実施OK」)などが入力される。
入力欄54Dの下方には、送信ボタン54Eとキャンセルボタン54Fが設けられている。送信ボタン54Eが操作されると、管理者端末13から、入力した内容の回答を送信する送信要求がチーム医療支援サーバ12に送信される。キャンセルボタン54Fは、入力内容をキャンセルするボタンである。
図3において、要求振り分け部31Aは、回答の送信要求を受信した場合には、質問/回答受付部31Eに入力する。質問/回答受付部31Eは、受け付けた回答を所定のフォーマットに変換して送信用のデータを作成する。作成した回答は、配信部31Cによって管理者によって選択された担当者宛のアドレスに送信されて、担当者端末14に配信される。本例では、担当者N1のアドレスに送信されて、担当者N1の担当者端末14に配信される。このように、質問/回答受付部31Eは、回答受付部としても機能し、配信部31Cは、回答配信部としても機能する。
以下、上記構成による作用について、図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。管理者D1は、特定医行為の包括的指示を行う場合には、まず、管理者端末13は、選択画面41の配信要求をチーム医療サーバ12に送信する。
チーム医療支援サーバ12において、要求振り分け部31Aが配信要求を受信する。選択画面生成部31Bが、支援DB12Aにアクセスして、特定医行為分類情報45、担当者情報46及びスケジュール情報47を読み出す。そして、読み出した情報を参照して、選択画面41を生成する。選択画面41は、配信部31Cによって要求元の管理者端末13に配信される。このように、配信部31Cは、選択画面を管理者に配信する配信部として機能する。管理者端末13は、選択画面41を取得する。図4に示すように、選択画面41としては、まず、区分を選択するためのサブ画面41Aが表示される。
サブ画面41Aにおいて、区分Fの選択ボタン42Aのように、包括的指示が可能な担当者が1人も存在しない区分に対応するボタンは、×印が付されたり、グレイアウト表示により、包括的指示が可能な担当者が少なくとも1人存在する区分A、B、Cに対応する選択ボタン42Aと識別可能に表示される。そのため、担当者の選択が不能な区分Fの選択ボタン42Aが誤って選択されることが防止される。
サブ画面41Aにおいて、例えば、図9に示すように、動脈血液ガス分析関連の区分Cの選択ボタン42Aが選択されると、担当者を選択するサブ画面41Bが表示される。サブ画面41Bには、担当者を選択する選択ボタン42Bが表示される。各選択ボタン42Bには、担当者N1、N2、N3・・・といった担当者名が表示される。
図9に示すサブ画面41Bにおいて、担当者N3、N4は、実施する資格を保有していないため、担当者N3、N4の選択ボタン42Bは、×印が付されたり、グレイアウト表示により、選択不能であることが表示される。担当者N1、N2のように実施する資格を有する担当者の選択ボタン42Bと識別されるため、担当者N3、N4の選択ボタン42Bが誤って選択されることが防止される。
サブ画面41Bにおいて、担当者N1が選択されると、特定医行為を選択するサブ画面41Cに遷移する。サブ画面41Cにおいて、特定医行為を選択する選択ボタン42Cには、特定医行為の名称に加えて、その特定医行為についての担当者の資格の有無及び熟達度が表示される。こうした情報を参照することにより、管理者は、包括的指示を与えるのに適した担当者を選択することができる。
このように、選択画面41においては、複数の特定医行為を分類する区分、区分内の複数種類の特定医行為のうち少なくとも1つの特定医行為を実施する資格を保有する担当者、担当者が資格を保有する特定医行為を少なくとも含む、担当者の資格保有状況が表示される。区分毎に分類される特定医行為の包括的指示を行う際に、医療担当者の資格保有状況を簡易迅速に把握することができる。
また、図9に示すサブ画面41Cでは、選択された担当者N1が、選択された区分C内の特定医行為C1、C2のすべてについて資格を保有している例を示しているが、資格を保有していない特定医行為がある場合もある。
その場合には、図10に示すサブ画面41Cのように、選択された担当者が資格を保有する特定医行為に加えて、担当者が資格を保有しておらず、実施不可能な特定医行為も表示される。各選択ボタン42Cには、特定医行為の名称に加えて資格の有無が表示されるので、この表示により資格の有無を確認できる。図10の例では、特定医行為A1、A2には、資格が「有り」と表示され、特定医行為A3、A4の選択ボタン42Cには、資格が無しと表示される。
選択画面41は、院内の複数の担当者の中から、包括的指示を与える適切な担当者を探し出す場合に適しているが、管理者が、教育的指導的観点から院内の複数の担当者の資格保有状況を把握することにも適している。こうした担当者の教育的指導的観点を考慮すると、図10に示すサブ画面41Cのように、担当者が資格を保有する特定医行為に加えて、資格を保有していない特定医行為も表示することは、非常に有効である。というのも、各担当者が、保有していない資格を把握することを通じて、各担当者の教育方針や指導方針の検討に役立つからである。
また、図10の特定医行為A3、A4の選択ボタン42Cのように、資格を保有していない特定医行為に対応する選択ボタン42Cには、×印が付されたり、グレイアウト表示されるので、資格を保有する特定医行為の選択ボタン42Cと識別することができる。これにより、選択不能であることが一目で確認できるため、誤操作されることが防止される。
また、サブ画面41Cにおいては、資格の有無に加えて、熟達度も表示している。熟達度は、適切な担当者の選定に役立つ。例えば、患者の病状などによって同じ特定医行為であっても、高い熟達度が要求される場合がある。このような場合には熟達度が高い担当者を選択する。一方、担当者の教育的指導的観点から考えて、経験を積ませて能力を伸ばす必要がある担当者もいる。その場合には、熟達度が低くても経験を積ませる意味でその担当者を選択するといったことも考えられる。このように熟達度は、教育的指導的観点からも有用である。
また、サブ画面41Cには、スケジュール表示欄61が設けられており、選択された担当者の作業スケジュールが表示されるため、管理者は、希望する担当者の作業状況や作業負荷などを勘案しながら、担当者を選択することができる。
選択画面41で、特定医行為及び担当者の選択が確定されると、図11に示す判断内容入力画面49に遷移する。
管理者D1は、図11に示す判断内容入力画面49で判断内容を入力して、包括的指示を送信する。判断内容入力画面49においてOKボタン49Dが操作されると、管理者端末13から、担当者及び特定医行為の選択情報、及び判断内容を含む包括的指示がチーム医療支援装置12に送信される。チーム医療支援装置12は、管理者端末13から包括的指示の送信要求に基づいて、包括的指示通知を作成し、担当者端末14に配信する。担当者N1は、図12に示す包括的指示表示画面51で包括的指示の内容を確認する。
担当者N1は、特定医行為の実施を開始する際には、包括的指示表示画面51の実施開始ボタン51Eを操作して実施開始通知を送信する。これにより、管理者D1は、担当者N1による特定医行為の実施を確認することができる。担当者N1は、包括的指示表示画面51に表示される判断内容と、患者の測定値とを照合して、特定医行為を実施可能か判断する。測定値が適正範囲に入っている場合には、実施可と判断して特定医行為を実施する。
測定位置が適正範囲外の場合のように、具体的指示や質問が必要となる場合には、図14に示す質問入力画面53で質問を入力することができる。チーム医療支援装置12は、受け付けた質問を指示元の管理者D1の管理者端末13に配信する。管理者D1は、図15に示す回答入力画面54で質問を確認して回答を入力することができる。チーム医療支援装置12は、選択された担当者N1の担当者端末14に回答を配信する。
担当者N1は、特定医行為の実施が完了した場合には、図13に示す実施結果入力画面52で報告内容を入力する。必要に応じて写真や動画を添付して、実施結果を報告する。チーム医療支援装置12は、担当者端末14から受け付けた実施結果を管理者端末13に配信する。これにより、管理者D1は、実施結果を確認することができる。
以上のとおり、本実施形態のチーム医療支援サーバ12によれば、区分毎に分類される特定医行為の包括的指示を行う際に、担当者の資格保有状況を簡単迅速に把握することができる。そのため、適切な担当者に包括的指示を行うことができる。加えて、特定医行為の実施に際して必要となる、管理者から担当者への包括的指示の伝達と、実施結果の伝達と、担当者からの質問や質問に対する管理者からの回答の伝達とをスムーズに行うことができる。これにより、チームで行うことになる特定医行為に対して充実した支援が可能となる。
上記実施形態では、担当者として医師以外の医療スタッフを例に説明したが、担当者は医師であってもよい。例えば、新人の医師や研修医など熟達度が低い医師の場合には、熟達度の高い医師の包括的指示に基づいて、特定医行為を実施する場合もありうる。チーム医療支援装置12は、このような場合にも利用することができる。
また、サブ画面41Cにおいて、表示される特定医行為の種類については、患者あるいは傷病に応じて、種類が絞り込まれるようにしてもよい。こうすれば、患者や傷病との関係で必要な特定医行為が表示されるので、使いやすい。
上記実施形態では、図9に示すサブ画面41Bの担当者N3、N4のように、選択された区分内の特定医行為を実施する資格を1つも保有しない担当者についても、表示する例で示したが、このような担当者については包括的指示の対象として選択することができないため、非表示としてもよい。また、こうした担当者について非表示のモードと表示するモードを切り替えられるようにしてもよい。
上記実施形態では、サブ画面41Cにおいて、資格の有無に加えて、熟達度を表示する例で説明しているが、熟達度は必須ではなく、資格の有無のみでもよい。もちろん、上述したとおり、熟達度の表示は有用であるため、熟達度を表示することが好ましい。
「第2実施形態」
図17〜図19に示す第2実施形態は、サブ画面41Bの担当者の表示について、資格の有無に加えて、現在の作業状況に基づいて、表示する担当者を変更する形態である。例えば、資格を保有する担当者であっても、現在の作業状況によっては、包括的指示を受けることができない担当者も存在する。
そのため、第2実施形態は、資格を保有している担当者のうち、現在の作業状況も考慮して、包括的指示を受けることができる担当者のみを表示する第1モードと、第1モードで表示される担当者に加えて、現在の作業状況を考慮して現在時点において包括的指示を受けることができない担当者を含めて表示する第2モードとを有している。
選択画面生成部31Bは、選択画面41からの操作によるモード選択指示に基づいて、第1モード及び第2モードを切り替える。そして、選択画面生成部31Bは、選択画面41の配信要求の際に、選択されたモードに応じて選択画面41を生成して、配信する。
より具体的には、選択画面生成部31Bは、スケジュール情報47を参照して、各担当者の現在の作業状況を把握して、現在時点において作業が入っていない担当者については包括的指示を受けることができる担当者と判定し、現在時点において作業が入っている担当者については包括的指示が受けることができない担当者と判定する。これら第1モード及び第2モードは、選択画面41からモード切り替えの要求に応じて切り替えが可能である。
選択画面41は、サブ画面41Aにおいて区分が選択されると、サブ画面41Bに遷移して、選択された区分に属する特定医行為を実施する資格を保有する担当者を表示する。第1モードが選択されている場合には、図17に示すように、サブ画面41Bには、現在の作業状況に基づいて包括的指示を受けることができる担当者のみが表示される。本例においては、担当者N1が現在作業中であるため、担当者N1は表示される。資格を保有していて、かつ、現在作業が入っていないため、包括的指示を受けることができる担当者(担当者N2、N10など)のみが表示される。
一方、第2モードが選択されている場合には、図18に示すように、資格を保有している担当者のうち、現在作業が入っておらず、包括的指示を受けることができる担当者に加えて、現在作業中で現在時点においては包括的指示を受けることができない担当者を含めて表示する。担当者N1は、資格を保有しているが、現在作業中であるため、現在時点においては包括的指示を受けることができない担当者である。この場合には、担当者N1の選択ボタン42Bあるいはその近傍に、担当者N1は現在作業中である旨のメッセージを表示してもよい。この場合でも、担当者N1の選択ボタン42Bを操作することにより、サブ画面41Cに遷移して、スケジュール表示欄61において、担当者N1の作業スケジュールを確認できるようにしてもよい。
第1モードは、直ちに包括的指示を受けることができる担当者のみが表示されるモードであるので、包括的指示をする場合に時間的な余裕が無い場合には有効である。一方、第2モードは、現在時点において包括的指示を受けることができない担当者を含めて表示されるため、ある程度時間的な余裕が有る場合には、担当者の選択の幅を広げることができる点で有効である。つまり、現在時点において作業中の担当者であっても、少し時間を遅らせれば、手が空くという担当者もいる場合がある。包括的指示の対象となる特定医行為に緊急性が無く時間的な余裕が有る場合には、こうした担当者も表示することで、担当者の選択の幅を広げることができる。
また、第1モード及び第2モードは、資格を保有している担当者のうち、現在の作業状況に照らして、包括的指示を受けることができる担当者か否かを判定して、表示形態を変更するモードである。第1実施形態の図9に示すサブ画面41Bの担当者N3、N4など、資格を保有していない担当者を表示してもよい。図19は、第2モードにおいて、資格を保有していない担当者も含めて表示する例を示している。この場合には、担当者N3、N4のように、資格を保有していないため、そもそも包括的指示が不可能なのか、担当者N1のように、現在の作業状況に照らして、現在時点において包括的指示を受けることができないだけなのかを識別できるようにすることが好ましい。
「第3実施形態」
第1実施形態の選択画面は、区分表示部、担当者表示部及び資格保有状況表示部が、それぞれサブ画面41A〜41Cで構成されており、画面遷移により選択的に表示される形態である。選択画面の形態としては、図20の第3実施形態の選択画面71のように、区分表示部71A、担当者表示部71B及び資格保有状況表示部71Cが1画面内に並列的に配置される形態でもよい。
選択画面71では、区分表示部71A、担当者表示部71B及び資格保有状況表示部71Cが、区分をルートとしたツリー構造で表示される。第3実施形態は、各表示部71A、71B、71Cの表示形態が第1実施形態と異なるが、表示される内容については、第1実施形態とほぼ同様である。
すなわち、図20の例では、区分表示部71Aには、各区分に対応する選択ボタン72Aが表示され、このうち区分Aに対応する選択ボタン72Aが選択されている。区分Aが選択されることにより、担当者表示部71Bには、選択された区分A内の特定医行為A1〜A4を実施する資格を保有する担当者N1、N2、N3・・・にそれぞれ対応する選択ボタン72Bが表示される。担当者表示部71Bでは、担当者N1に対応する選択ボタン72Bが選択され、資格保有状況表示部71Cには、担当者N1の特定医行為A1〜A4毎の資格保有状況が表示される。別の区分や別の担当者を選択する場合には、選択ボタン72Aや選択ボタン72Bを操作する。
また、第1実施形態と同様に、選択ボタン72Cには、特定医行為の名称、資格の有無及び熟達度が表示される。また、資格保有状況表示部71Cの下方には、第1実施形態と同様に、スケジュール表示欄61及び選択確定ボタン62が表示される。選択ボタン72Cの1つを選択した状態で、選択確定ボタン62が操作されると、包括的指示を与える担当者及び特定医行為の選択が確定する。
第3実施形態の選択画面71のように、各表示部71A〜71Cが1画面内に並列的に表示されると、区分、担当者、資格保有状況の各表示部を画面遷移により選択的に表示する第1実施形態の選択画面41と比べて、各表示部の一覧性が向上する。
選択画面71のように一覧性が向上すると、担当者及び特定医行為の選択がしやすい。特に、一覧性の向上は、教育的指導的観点から各担当者の資格保有状況を把握するのに役立つ。教育的指導的観点では、複数の担当者の資格保有状況や熟達度を俯瞰して、担当者間の差異を把握することがより重要となるからである。
もちろん、第3実施形態の選択画面71は、第1実施形態の選択画面41と比較して表示領域が大きくなるため、第1実施形態の選択画面41は、画面サイズが比較的小さな携帯端末に適しており、第3実施形態の選択画面71は、画面サイズが比較的大きなタブレット端末に適していると言える。
「第4実施形態」
図21に示す第4実施形態の選択画面81は、第3実施形態の選択画面71と同様に、区分表示部81A、担当者表示部81B及び資格保有状況81Cが1画面内に並列的に配置される。選択画面81は、資格保有状況81Cの表示形態が、第3実施形態の選択画面71と異なる。
具体的には、選択画面81は、区分表示部81Aにおける区分を表示する選択ボタン82Aの配列方向と、担当者表示部81Bにおける担当者を表示する選択ボタン82Bの配列方向は縦方向であるのに対して、資格保有状況81Cにおける特定医行為を表示する選択ボタン82Cの配列方向が横方向となっている。これにより、各担当者と各特定医行為の交点に、資格の有無及び熟達度の表示欄83が配置され、各表示欄83がマトリックス状に配列表示される。
これにより、複数の担当者の特定医行為毎の資格保有状況が一覧できるようになっている。つまり、第3実施形態の選択画面71では、選択した1人の担当者のみについて資格保有状況が表示され、別の担当者の資格保有状況を表示するために画面遷移など表示切り替え操作が必要になるのに対して、第4実施形態の選択画面81では、複数の担当者の資格保有状況が1画面内に並列的に表示される。そのため、第3実施形態よりも、より一覧性が向上する。
上記実施形態の選択画面の表示形態は一例であり、種々の変形を行うことができる。例えば、選択画面において、区分、担当者、特定医行為、資格の有無といった情報を、選択ボタン内に表示する形態で説明したが、これらの情報を選択ボタンとは別に表示してもよい。また、選択操作部として、選択ボタンの代わりに、チェックボックス、ラジオボタンなど周知の形態のGUIツールを選択操作部として使用してもよい。
上記実施形態では、病院11内の管理者D1と担当者N1、N2のチームTによって実施される特定医行為を例に説明したが、図1に示すように、チーム医療支援装置12はVPNルータ21を介して院外の管理者D3の管理者端末13との通信も可能であるため、院外の管理者D3と病院11内の担当者N1、N2によるチームによって特定医行為を実施することも可能である。
上記実施形態では、管理者が1人で担当者が複数人のチームを例に説明したが、チームは管理者が複数人でもよいし、担当者が1人でもよい。また、上記実施形態における特定医行為の区分及び種類は、1例であり、本発明は、他の特定医行為の区分及び種類にも適用可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。