本発明の遊技機の実施の形態を示すパチスロについて、図1〜図22を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。また、リール停止制御手段は、上記規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。この演出実行手段は、後述する副制御回路が担う。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
<パチスロの構造>
次に、図2〜図6を参照して、一実施形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ1の外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。リール3Lは、キャビネット2aを前方から視て左側に配置され、リール3Cは、中央に配置されている。そして、リール3Rは、キャビネットを前方から視て右側に配置されている。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bの中央よりも上側には、上パネルユニット10と、液晶表示装置11が設けられている。上パネルユニット10は、フロントドア2bの上部を形成している。この上パネルユニット10は、光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。液晶表示装置11は、上パネルユニット10の下側に配置されており、映像の表示による演出を実行する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓4の各リール3L,3C,3Rに対向する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部12に設けられた枠部材13により形成されている。この枠部材13は、リール表示窓4と、情報表示窓14と、操作部15を有している。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓4と情報表示窓14は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。
窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の開口に対向するシート載置部17を有している。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。
なお、情報シートの交換については、後で図4を参照して説明する。
本実施の形態では、リール表示窓4と情報表示窓14を、連続する1つの開口部として形成した。しかし、本発明の遊技機に係る情報表示窓は、リール表示窓の下方に設けられていればよく、リール表示窓に連続していなくてもよい。すなわち、本発明の遊技機に係るリール表示窓と情報表示窓は、上下方向に並ぶ2つの開口部として形成してもよい。
操作部15は、情報表示窓14の下方に設けられている。操作部15は、ストップボタン(押圧体)19L,19C,19Rを有している。ストップボタン19Lは、キャビネット2aを前方から視て左側に配置され、ストップボタン19Cは、中央に配置されている。そして、ストップボタン19Rは、キャビネット2aを前方から視て右側に配置されている。ストップボタン19Lはリール3Lに対応づけられ、ストップボタン19Cはリール3Cに対応づけられている。また、ストップボタン19Rはリール3Rに対応づけられている。これらストップボタン19L,19C,19Rは、対応するリールの回転を停止するために遊技者によって押圧される。以下、ストップボタン19L,19C,19Rを、ストップボタン19と総称する場合がある。
ストップボタン19L,19C,19Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部12には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口21、BETボタン22、スタートレバー23が設けられている。なお、操作部15及びストップボタン19L,19C,19Rの詳細は後述する。
メダル投入口21は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口21に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ1の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン22は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー23は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。
また、正面から見てリール表示窓4の左側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器24が設けられている。この7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
台座部12の両側には、サイドパネルユニット26L,26Rが設けられている。このサイドパネルユニット26L,26Rは、それぞれ光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。また、サイドパネルユニット26Lの下方には、精算ボタン27が設けられている。この精算ボタン27は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられている。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L,33Rと、メダルトレイユニット34が設けられている。メダル払出口32は、後述のホッパー装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口32から排出されたメダルは、メダルトレイユニット34に貯められる。スピーカ用孔33L,33Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
図3及び図4は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図4では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。
また、図5は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図6は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット2aは、上面板20aと、底面板20bと、左右の側面板20c,20dと、背面板20eを有している(図5参照)。キャビネット2a内部の上側には、キャビネット側スピーカ42が配設されている。このキャビネット側スピーカ42は、取付ブラケット43L,43Rを介してキャビネット2aの背面板20eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ42は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ42の左側方には、キャビネット側中継基板44が配設されている。このキャビネット側中継基板44は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図3及び図4参照)に取り付けられた後述する主制御基板71(図7参照)と、ホッパー装置51、遊技メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設されている。このアンプ基板45は、左右の側面板20c,20dに固定された取付棚46に取り付けられている。
また、キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の右側には、外部集中端子板47が配設されている。この外部集中端子板47は、キャビネット2aの右側面板20dに取り付けられている。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の左側には、サブ電源装置48が配設されている。このサブ電源装置48は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。サブ電源装置48は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置53に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板45に供給する。
キャビネット2aの内部の下側には、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板20bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は精算ボタンが押圧されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板20bに係合されており、底面板20bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図7参照)。この電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板20cに取り付けられている。電源装置53は、サブ電源装置48から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図3,図4及び図6に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図4参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の上部と下部には、ドアストッパ41a,41b,41cが設けられている。このドアストッパ41a,41b,41cは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a,41b,41cを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。
ミドルドア41には、主制御基板71(図7参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられている。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図4に示すように、ミドルドア41を開くと、窓カバー16の裏面とシート載置部17が露出される。上述したように、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間には、遊技に関する情報が記載された情報シートが配置されている。この情報シートは、ミドルドア41を開いて窓カバー16の裏面とシート載置部17を露出させた状態で、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間に形成された間隙に挿入される。また、情報シートを交換する場合も、ミドルドア41を開いてから情報シートの交換作業が行われる。
主制御基板ケース55には、設定用鍵型スイッチ56が設けられている。この設定用鍵型スイッチ56は、パチスロ1の設定を変更もしくはパチスロ1の設定の確認を行うときに使用する。
本実施の形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路91(図8参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の上方には、副制御基板72(図7参照)を収容する副制御基板ケース57が配設されている。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図9参照)を構成する。この副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
副制御基板ケース57の上方には、センタースピーカ58が配設されている。そして、フロントドア2bを裏面側から見て、センタースピーカ58の左側方には、ファン59が配設されている。つまり、ファン59は、フロントドア2bの裏面側における上部に配設されている。このファン59は、下向きに空気を送風し、パチスロ1の内部を空冷する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側方には、副中継基板61が配設されている。この副中継基板61は、副制御基板72と主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板62A,62Bが挙げられる。
LED基板62A,62Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の上方に配設されている。これらLED基板62A,62Bは、副制御回路101(図8参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示すLED(Light Emitting Diode)85(図7参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施の形態のパチスロ1には、LED基板62A,62B以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板61の下方には、24hドア開閉監視ユニット63が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア41を開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
ミドルドア41の下方には、ボードスピーカ64と、下部スピーカ65L,65Rが配設されている。ボードスピーカ64は、腰部パネルユニット31(図2参照)に対向しており、下部スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔33L,33R(図2参照)に対向している。
下部スピーカ65Lの上方には、セレクタ66と、ドア開閉監視スイッチ67が配設されている。セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口21に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図4参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図7参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図7参照)、セレクタ66及び遊技動作表示基板81(図7参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
<パチスロが備える制御系>
次に、パチスロ1が備える制御系について、図7を参照して説明する。
図7は、パチスロ1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71と、フロントドア2bに配設された副制御基板72を有している。
主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ56と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52の後述するスイッチ貫通孔を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板(基板)400、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板400は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。ストップスイッチ基板400には、各ストップボタン19L,19C,19Rに対応づけられた3つのLED(Light Emitting Diode)410及び3つのフォトセンサ(光学センサ)420が実装されている。フォトセンサ420は、各ストップボタン19L,19C,19Rが押圧されていないときはハイレベルの信号を出力し、各ストップボタン19L,19C,19Rが押圧されて後方へ所定距離移動したときはローレベルの信号(押圧検出信号)を出力する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器24とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、LED基板62A,62B、24hドア開閉監視ユニット63が接続されている。これらLED基板62A,62B及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、センタースピーカ58、ボードスピーカ64、下部スピーカ65L,65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、液晶中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板62A,62B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図8を参照して説明する。
図8は、パチスロ1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、ストップボタン19Lが押されたときにリール表示窓4の中段にあるリール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
また、メインCPU93は、ストップスイッチ基板400のフォトセンサ420がハイレベルの信号を出力しているときは、ストップスイッチ基板400のLED410に、点灯を指示する点灯信号を出力する。一方、メインCPUは、フォトセンサ420がローレベルの信号(押圧検知信号)を出力しているときは、ストップスイッチ基板400のLED410に、消灯を指示する消灯信号を送信する。
<副制御回路>
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図9を参照して説明する。
図9は、パチスロ1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図6参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ58,64,65L,65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ58,64,65L,65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
<操作部>
次に、操作部15について、図10〜図22を参照して説明する。なお、図10〜図22において、パチスロ1の前方を矢印F、後方を矢印B、左方を矢印L、右方を矢印R、上方を矢印U、下方を矢印Dで示す。
まず、図10〜図11を参照して、操作部15の構成の概略を説明する。図10は、操作部15の斜視図である。なお、図10においては、フロントドア2bの枠部材13など操作部15以外の部材の図示は省略している。図11は、操作部15の分解斜視図である。
図10及び図11に示すように、操作部15は、ストップボタン19L,19C,19Rと、ストップボタン19を前後方向に移動可能に収容する収容部300と、を有している。また、操作部15は、光源としてのLED410及びフォトセンサ420が実装されているストップスイッチ基板400(図11参照)と、カバー部500と、を有している。
収容部300は、略箱状の部材であり、内部にストップボタン19とストップスイッチ基板400を収容する。収容部300は、前部材310と、後部材350の2部材で構成されている。前部材310と後部材350の構成については、後述する。
図11に示すように、ストップスイッチ基板400は、横長の平板状に形成され、上下方向に略垂直な上面及び下面を有している。このストップスイッチ基板400の左右両端部には、上下方向に貫通する嵌合孔430が設けられている。また、ストップスイッチ基板400の上面には、ストップボタン19L,19C,19Rに対応する3つのLED410及び3つのフォトセンサ420が実装されている。
LED410は、上方から視て略円形状に形成され、光を照射する発光部411と、ストップスイッチ基板400にはんだ付けされる端子412と、を有している。
図11に示すように、フォトセンサ420は、発光ダイオード421とフォトダイオード422を有するフォトカプラである。発光ダイオード421とフォトダイオード422は、ストップスイッチ基板400に固定された略U字状のブラケット423に支持されて、互いに対向するように配置されている。
発光ダイオード421は所定光量の光を常に発光する。フォトダイオード422が所定光量以上の光を受光すると、フォトセンサ420は、ハイレベルの信号を出力する。一方、フォトダイオード422が受光する光の量が所定光量に満たないと、フォトセンサ420は、ローレベルの信号(押圧検知信号)を出力する。
ストップボタン19は、楕円の筒状に形成された筒部200と、筒部200の前方の開口を塞ぐ押圧部220と、光拡散フィルム230と、コイルバネ240と、で構成されている。
押圧部220は、前方から視て楕円状の押圧面部221と、押圧面部221の周縁部から後方へ延びる側周部222と、を有する。側周部222の上部及び下部には、上下方向に貫通する係合孔223が形成されている。また、側周部222の後端部には、外側に突出する突条部224が係合孔223を挟んで2つ形成されている。突条部224は前方から視て半円弧状に形成されている。
押圧部220の内側には、光拡散フィルム230が配置されている。光拡散フィルム230は、筒部200の内部に配置されたLED410からの光を拡散させて押圧面部221を均一に照らす。光拡散フィルム230は、光を十分に透過させる薄膜を形成し、且つ光の拡散度が高いフィルムを形成し得る材料、例えば、ポリアセタール樹脂や塩化ビニル、によって形成されている。
図11に示すように、筒部200の前部における上部及び下部には、押圧部220の側周部222における係合孔223に係合する係合部201が突出している。係合部201が係合孔223に係合することによって、押圧部220と筒部200とが係合している。その他の筒部200の構成については、後述する。
コイルバネ240は、筒部200と収容部300の前部材310との間に挟持され、筒部200を前方へ付勢する。
カバー部500は、略平板状の部材であり、収容部300及びストップボタン19を前方から覆う。カバー部500は、ねじ505によって、収容部300にねじ結合されている。カバー部500のその他の構成については後述する。
次に、図11〜図13を参照して、収容部300の前部材310について説明する。図12は、前部材310の平面図である。図13は、前部材310を後斜め下方から視た斜視図である。
図11及び図13に示すように、前部材310は、前板部311と、枠部312と、を有している。前板部311と、枠部312は、一体的に形成されている。
前板部311は、横長の平板状の部材であり、前面から視て略楕円状に後方へ凹む3つの凹部313L,313C,313Rが形成されている。凹部313Lは、前板部311の左側に形成され、凹部313Cは前板部311の中央に形成されている。そして、凹部313Rは、前板部311の右側に形成されている。以下、凹部313L,313C,313Rを凹部313と総称する場合がある。
図12に示すように、凹部313は、前後方向に延びる筒状の大孔部314と小孔部315とを有している。大孔部314は、凹部313の前部を形成している。小孔部315は、大孔部314の後方で中心軸線が大孔部314の中心軸線と同軸になるように形成され、大孔部314よりも内径が小さい。また、凹部313は、大孔部314の後端部と小孔部315の前端部とを連結する段部316を有している。段部316は、前面から視て略楕円の円環状に形成されている。
図11に示すように、大孔部314の内周面には、複数の摩擦低減部317が所定の間隔を空けて設けられている。各摩擦低減部317は、大孔部314の内周面から略垂直に突出しており、前後方向に延びる突条に形成されている。摩擦低減部317は、ストップボタン19と大孔部314との接触面積を減らして、ストップボタン19が収容部300内を移動する際に発生する摩擦力を低減する。
また、図13に示すように、大孔部314の外周面の下部には、左右方向に所定の距離を空けて下方に突出する突出部318が2つ形成されている。
図11に示すように、小孔部315の側周部の下部には、上下方向に貫通する貫通孔319が形成されている。貫通孔319には、後述するようにLED410が下方から挿入される。貫通孔319の径は、LED410から照射される光が貫通孔319を介して、小孔部315外に光が漏れないように、LED410の発光部411の径よりもわずかに大きく設定されている。また、図13に示すように、小孔部315の外周面の下部には、左右方向に所定の距離を空けて前後方向に延びる突条部320が2つ形成されている。そして、凹部313Lの左側の突条部320の後部及び凹部313Rの右側の突条部320の後部には、下方に突出する突部321が形成されている。
図12に示すように、小孔部315の後端部には、後側の開口を塞ぐ底部322が形成されている。底部322の略中央には、前後方向に貫通する貫通孔323Cが形成されている。また、底部の左側及び右側には、前後方向に貫通する貫通孔323L,323Rが形成されている。
また、底部322の前面の略中央部には、前方へ円環状に突出するばね係止部324が形成されている。ばね係止部324は、コイルバネ240の後端部を係止する。
前板部311の凹部313Rと凹部313Cとの間、及び、凹部313Cと凹部313Lとの間には、前後方向に貫通する2つの貫通孔325が設けられている。図13に示すように、前板部311の後面には、貫通孔325に対応する位置に後方へ延びる円筒状の前筒部326が形成されている。貫通孔325と前筒部326の筒孔とは連通している。
前板部311の後面の下部には、4つの嵌合孔327が左右方向に所定の距離を空けて形成されている。嵌合孔327は、矩形状で、左右両端部に形成されている嵌合孔327よりも中央部付近に形成されている2つの嵌合孔327の方が横長に形成されている。
図13に示すように、枠部312は、前板部311の後面における上端のやや下方から後方へ向かって延びる横長の平板状の上板部328を有している。また、枠部312は、上板部328の左右両端部から下方に曲折して延びる側板部329を有している。側板部329は、前板部311の左右両端のやや内側に形成されている。図11に示すように、上板部328の前端部には、凹部313の大孔部314の上部が突出している。また、側板部329の前端部には、凹部313L,313Rの大孔部314の側周部の一部が突出している。
図13に示すように、上板部328の下面には、上板部328を補強するために、下方に突出して前後方向に延びる8つの補強部340が左右方向に所定の距離を空けて形成されている。
次に、図14を参照して、収容部300の後部材350について説明する。図14は、後部材350の斜視図である。
図14に示すように、後部材350は、横長の平板状の下板部351と、下板部351から曲折して上方へ延びる後板部352と、を有している。
下板部351は、上下方向に略垂直な上面及び下面を有しており、下板部351の2つの長辺は、前後方向に互いに対向している。したがって、下板部351の一方の長辺は、下板部351の前端部となり、他方の長辺は、下板部351の後端部となる。
下板部351の上面には、上方へ突出して前後方向に延びる8つの突条部353が左右方向に所定の距離を空けて形成されている。
また、下板部351の前端部には、前部材310の嵌合孔327に配置位置及び形状が対応する嵌合片354が前方へ突出するように形成されている。
後板部352は、下板部351の後端部から曲折して上方へ延びる平板状に形成されており、前後方向に略垂直な前面及び後面を有している。
後板部352の前面の下部には、前方へ突出する6つの係止爪355が左右方向に所定の距離を空けて形成されている。
また、後板部352の前面の略中央部には、円筒状の2つの後筒部356が左右方向に所定の距離を空けて形成されている。後筒部356は、後板部352から前方へ延びる大径部357と、大径部357の前方に大径部357よりも内径及び外径が小さい小径部358とを有している。後述するように、後筒部356の筒孔には、カバー部500と収容部300とをねじ結合するねじ505が後方から挿入される。
次に、図11及び図15〜図17を参照して、ストップボタン19の筒部200の構成について説明する。
図15は、筒部200の正面図である。図16は、図15の筒部200のC−C線断面図である。図17は、筒部200を後斜め上方から視た斜視図である。
図11に示すように、筒部200は、前後方向に開口する筒状に形成されており、大筒部202と小筒部203とを有している。大筒部202は、筒部200の前部を形成している。小筒部203は、大筒部202の後方で中心軸線Xが大筒部202の中心軸線と同軸になるように形成され、大筒部202よりも外径が小さい(図16参照)。また、筒部200は、大筒部202の後端部と小筒部203の前端部とを連結する連結部204を有している。
図15に示すように、連結部204は、前面から視て略楕円の円環状に形成されている。連結部204の外径は、大筒部202の外径よりも大きい。また、連結部204の外径は、収容部300の前部材310における凹部313の大孔部314(図12参照)の内径よりもやや小さい。
小筒部203の側周部における外周面には、複数の摩擦低減部205が設けられている。複数の摩擦低減部205は、前後方向に延びる突条に形成されており、小筒部203の周方向に所定の間隔を空けて配置されている。この摩擦低減部205は、筒部200と収容部300の前部材310における小孔部315の内周面との接触面積を減らして、ストップボタン19が収容部300内を移動する際に発生する摩擦力を低減する。
図16に示すように、小筒部203の側周部の下部には、上下方向に貫通する略楕円状の貫通孔209が形成されている。貫通孔209の前後方向の径は、左右方向の径よりも長く、且つ、筒部200の最大移動距離よりも長く設定されている。貫通孔209には、後述するようにLED410が下方から挿入される
小筒部203の後端部には、小筒部203の後側の開口を封止する(塞ぐ)封止部(対向部)206が形成されている。図15及び図16に示すように、封止部206は、前方から視た形状が略楕円板状の部材であり、鉛直部207と、傾斜部208と、を備えている。鉛直部207は、小筒部203の開口の下側を塞いでおり、前後方向に垂直な前面を有している。傾斜部208は、鉛直部207の上端部から突出し、所定の角度で傾斜している。この傾斜部208は、小筒部203の中心軸線X及び鉛直部207の前面に対して傾斜する前面を有している。
鉛直部207と傾斜部208の前面には、反射率の高い塗料が塗布されており、貫通孔209を介して小筒部203内に挿入されたLED410の光が前方へ効率的に照射されるように、LED410の光を反射する。また、封止部206の後面の略中央部には、筒部200の中心軸線及び小筒部203の中心軸線Xに沿って、後方へ向かって突出する平板状の突出部210が形成されている。
また、図17に示すように、封止部206の後面には、小筒部203の内径よりも小径の円筒状の補強筒部211と、この補強筒部211の外周部から放射上に突出して小筒部203の内周部と連結する複数の矩形状の補強片212とが形成されている。
小筒部203の後部の左右両端部には、後方へ延びる一対の係止突部213が形成されている。係止突部213の後端部には、外側に曲折する鉤部214が形成されている。
次に、カバー部500の構成について、図11及び図18を参照して説明する。図18は、カバー部500を後斜め上方から視た斜視図である。
カバー部500は、上述のように、略平板状の部材である。カバー部500の左右両端部は、先端に向かうにつれて上下方向の長さが短くなるように形成されている。
また、カバー部500は、ストップボタン19L,19C,19Rに対応して前後方向に貫通する貫通孔501L,501C,501Rが設けられている。貫通孔501Lは、カバー部500を前方から視て左側に配置され、貫通孔501Cは、中央に配置されている。そして、貫通孔501Rは、カバー部500を前方から視て右側に配置されている。以下、貫通孔501L,501C,501Rを貫通孔501と総称する場合がある。
貫通孔501には、ストップボタン19の押圧部220(図11参照)が挿通する。貫通孔501の内径は、押圧部220の側周部222の外径よりもやや大きい。
図18に示すように、カバー部500の後面における左右両端部には、係合片502と第1ボス部503がそれぞれ形成されている。係合片502は、フロントドア2bの枠部材13(図2参照)に設けられた係合孔(図示省略)と係合する。また、第1ボス部503の内周面には、ねじ溝が形成されている。第1ボス部503は、フロントドア2bの枠部材13にねじ結合する。
また、カバー部500の後面における貫通孔501Lと貫通孔501Cとの間、及び、貫通孔501Cと貫通孔501Rとの間には、後方へ延びる円筒状の第2ボス部504が形成されている。第2ボス部504の内周面には、ねじ溝(図示省略)が形成されている。
次に、図19〜図21を参照して、操作部15の組み付け工程及び構造について説明する。図19は、図10のA−A線矢視断面図である。図20は、図10のB−B線矢視断面図である。図21は、前部材310にストップスイッチ基板400を組み付けた状態を説明する説明図である。
まず、ストップボタン19を形成し、前部材310の凹部313に収容する。具体的には、押圧部220(図11参照)の内側に光拡散フィルム230を配置した上で押圧部220の側周部222における係合孔223と筒部200の係合部201とを係合する。次に、前部材310の凹部313における底部322と筒部200の封止部206とを対向させて、両部材322,206の間にコイルバネ240を介在させる。次に、筒部200を前部材310の凹部313に挿入し、押圧部220を押圧して筒部200を後方へ移動させる。
これにより、筒部200の係止突部213における鉤部214が、前部材310の底部322の貫通孔323L,323Rの外縁に当接する。その後、さらに押圧部220を押圧して筒部200を後方へ移動させると、筒部200の係止突部213は、初期状態から弾性変形して内側へ撓み、鉤部214が貫通孔323L,323Rを挿通する。
図19に示すように、鉤部214が貫通孔323L,323Rを挿通後、係止突部213は、初期状態に復帰し、係止突部213の鉤部214が前部材310の底部322に係止される。コイルバネ240は、筒部200の封止部206と前部材310の底部322との間に挟持され、筒部200を前方へ付勢する。係止突部213の鉤部214は、筒部200がコイルバネ240によって前方へ付勢されて凹部313から抜け出ることを規制する。
また、図20に示すように、筒部200の突出部210は、前部材310の凹部313の貫通孔323Cを挿通する。
以上のように、ストップボタン19が形成され、前部材310の凹部313に収容される。
次に、図21に示すように、前部材310とストップスイッチ基板400とを組み付ける。具体的には、前部材310の突部321をストップスイッチ基板400の左右両端部に設けられている嵌合孔430(図11参照)に挿入して両部材310,400を嵌合する。なお、図21においては、前部材310とストップスイッチ基板400以外の部材については図示を省略している。
前部材310とストップスイッチ基板400とが組み付けられると、図20に示すように、LED410が前部材310の貫通孔319と、筒部200の貫通孔209に下方から挿入される。これにより、LED410の発光部411が、筒部200の小筒部203における中心軸線X付近に配置される。
また、前部材310の小孔部315における突条部320の下端部とストップスイッチ基板400の上面とが当接する。また、前部材310の大孔部314における突出部318の後端部とストップスイッチ基板400の前端部とが当接する。
次に、前部材310と後部材350とを組み付ける。具体的には、後部材350の嵌合片354(図14参照)を前部材310の嵌合孔327に挿入して嵌合する。嵌合片354と嵌合孔327とを嵌合すると、図19及び図20に示すように、前部材310の枠部312における上板部328及び側板部329の後端部が後部材350の後板部352における前面の縁部に当接する。また、前部材310の枠部312における側板部329の下端部が後部材350の下板部351の上面における左右両端部に当接する。このように、前部材310と後部材350とが組み付けられることによって、収容部300が形成される。
図19に示すように、後部材350の後筒部356における小径部358の前端部は、前部材310の前筒部326の後端部と当接し、後筒部356の筒孔と前筒部326の筒孔とが連通する。
また、図20に示すように、後部材350の下板部351における突条部353の上端部は、ストップスイッチ基板400の下面と当接する。また、後板部352の後板部352における係止爪355は、ストップスイッチ基板400の上面における後端部に当接する。したがって、ストップスイッチ基板400の収容位置は、前部材310の小孔部315における突条部320及び突部321並びに大孔部314における突出部318と、後部材350の突条部353及び係止爪355と、によって規定される。
次に、カバー部500を収容部300に取り付ける。具体的には、図19に示すように、カバー部500の第2ボス部504を収容部300の前部材310の貫通孔325及び前筒部326の筒孔に挿入し、第2ボス部504の後端部と後部材350の後筒部356の前端部とを当接させる。これによって、第2ボス部504の筒孔と後筒部356の筒孔とを連通させる。次に、後筒部356の後方からねじ505を挿入し、収容部300の後部材350とカバー部500とをねじ結合する。カバー部500を収容部300に取り付けると、カバー部500の貫通孔501の内周縁部が、ストップボタン19の押圧部220における側周部222の突条部224と当接し、ストップボタン19が収容部300の凹部313から抜け出ることを規制する。
次に、図20及び図22を参照して本実施の形態の作用について説明する。
図22は、図10の操作部15のストップボタン19を押圧した状態のB−B線矢視断面図である。
操作部15のストップスイッチ基板400におけるLED410がメインCPU93から出力された点灯信号を受信すると、LED410の発光部411が発光する。
図20に示すように、LED410の発光部411は、ストップボタン19の筒部200における小筒部203の中心軸線X付近に位置している。また、ストップボタン19の後方の開口は封止部206によって封止されており、封止部206における鉛直部207及び傾斜部208の前面には、反射率の高い塗料が塗布されている。このため、LED410の光が効率的に反射されて前方へ照射される。
前方へ照射された光は、光拡散フィルム230で拡散されて、ストップボタン19の押圧部220における押圧面部221が均一に照射される。
図22に示すように、押圧部220が押圧されて、ストップボタン19が後方へ移動すると、突出部210がフォトセンサ420の発光ダイオード421とフォトダイオード422との間に介在する。そして、突出部210が、フォトダイオード422に照射される発光ダイオード421の光を遮断する。このとき、封止部206が、後方へ照射されるLED410の光を遮断するので、フォトセンサ420にLED410の光が照射されない。このため、フォトダイオード422が受光する光の量が所定光量に満たなくなり、フォトセンサ420は、ローレベルの信号(押圧検知信号)を出力する。メインCPU93は、ローレベルの信号(押圧検知信号)に基づいて、消灯信号を出力する。そして、LED410は、消灯信号に従って消灯する。
また、押圧部220が押圧されて、ストップボタン19が後方へ所定距離移動すると、筒部200の連結部204の後面が収容部300の前部材310における凹部313の段部316の前面に当接する。このため、ストップボタン19がさらに後方へ移動することを規制する。
本実施の形態では、ストップボタン19の突出部210が、封止部206の後面における中心部付近から筒部200の中心軸線Xに沿って突出しているので、押圧部220の押圧箇所に応じた突出部210の移動量の変動を小さくすることができる。このため、遊技者の押圧部220の押圧箇所に関わらず、フォトセンサ420は、押圧部220の押圧に伴う突出部210の移動、すなわちストップボタン19の移動を精度良く検出することができる。このため、遊技者が意図した操作を精度良く検出することができる。
また、封止部206が後方へ照射されるLED410の光を遮断して、フォトセンサ420にLED410の光が照射されないので、フォトセンサ420はストップボタン19の移動を精度良く検出することができる。このため、遊技者が意図した操作を精度良く検出することができる。
また、LED410の発光部411が、筒部200の貫通孔209を介して筒部200の筒孔内における筒部200の小筒部203の中心軸線X付近に配置される。
このため、発光部411から照射される光によって、押圧部220の押圧面部221を均一に光らせることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明した。しかしながら、上記実施の形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、本発明を、パチスロ1に設けられたBETボタン22に適用してもよい。また、パチンコ機やパチスロに設けられた演出用のボタンに適用してもよい。
本実施形態では、ストップボタン19を略楕円筒状に形成した態様を説明したが、ストップボタンを断面四角形などの多角形筒状や断面真円状に形成してもよい。また、ストップボタンを円錐台や多角錐台のような錐台状に形成してもよい。