JP6385839B2 - 脈波計測装置、および脈波計測方法 - Google Patents

脈波計測装置、および脈波計測方法 Download PDF

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本発明は脈波計測装置、および脈波計測方法に関する。
脈波を計測する手法としては、光電脈波法を用いた手法が一般的である。光電脈波法とは、可視領域から近赤外領域における血液の吸光特性を利用し、血液量の増減に伴う反射光または透過光の変化から血管の容積変化を検出する方法である。
脈波信号は心臓の鼓動に対応した血流量の変化を起因とする脈動成分からなり、同時に呼吸、交感神経系活動、および温度調節の結果と考えられる様々な低周波成分からなる変化のゆるやかな基線成分を併せ持つ。一方、センサ装着状態や、装着部位の動きによるアーチファクトである体動成分が基線成分に与える影響は大きく、脈波成分に体動の影響による上記基線成分の変化が重畳されるため、正確な脈波信号を計測することは難しい。正確な脈波信号を計測するには、脈波信号に含まれる体動成分を低減する必要がある。
特許文献1には、1組の発光部および受光部を有する体動検出手段が体動信号を生成して、1組の発光部および受光部を有する脈波検出手段が脈波信号を生成して、比較演算手段が脈波信号から体動信号を差し引くことにより体動成分が除去された脈波信号を生成する技術が記載されている。
特許3969412号公報(2007年6月15日登録)
しかしながら、1組の発光部および受光部の構成により検出される信号には、脈波成分および体動成分がともに含まれている。つまり、1組の発光部および受光部の構成のみでは、体動成分のみまたは脈波成分のみの信号を検出することはできない。したがって、特許文献1に記載されている1組の発光部および受光部の構成のみにより体動検出手段または脈波検出手段とするという技術には精度的な問題がある。
特許文献1に記載される技術においては、受光部の生成する信号には、各々に脈波成分、体動成分の両方が含まれており、比較演算手段が脈波信号から体動信号を差し引いた差分信号には、脈波成分の差分信号だけでなく体動成分の差分信号が残ることになる。このため、差分信号は正確な脈波信号にならない。さらに差分信号に周波数解析を施しても、脈波成分と体動成分が存在するため、体動成分だけを除去することはできない。また差分信号は上述した通り、脈波成分の差分信号と体動成分の差分信号とからなるため、自己相関演算を施しても、脈波成分から体動成分を除去することはできない。よって、正確な脈波等の情報を得ることができないという問題がある。本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来に比べて、より正確な脈波を計測することのできる脈波計測装置、および脈波計測方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る脈波計測装置は、生体の計測部位に波長の異なる複数の光を照射する発光部と、上記生体を介して受光した上記複数の光の各々を受け取り、各々の光に対応する複数の信号を生成する受光部と、上記複数の信号の各々を複数の周波数帯域に分ける複数のバンドパスフィルタと、上記複数の周波数帯域毎に、上記バンドパスフィルタを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数を演算する相関係数演算部と、上記複数のバンドパスフィルタを通過した各信号に対し、上記相関係数に応じた重み付けをしたうえで各信号の波形を合成する波形合成部とを備えている。
本発明の一態様によれば、バンドパスフィルタを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数に応じた重み付けをしたうえで各周波数帯域の信号を合成するので、従来に比べてより正確な脈波を計測することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係る脈波計測装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る測定部の構成を生体と共に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る測定部の構成を示す上面図である。 本発明の実施形態に係る生体情報表示装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る生体情報計測の処理の流れを示すフローチャートである。
以下では、まず、本発明の実施形態についての具体的説明に先立ち、重要な用語および技術概念について説明を行う。
(脈波)
心臓の心室が急激に収縮すると、左心室から血液が大動脈に拍出される。すると、その部分の大動脈壁が伸展し、拍出された血液を受け入れるとともに内圧が上昇する。このように局所的に伸展した大動脈壁は、駆出期の後半から次の駆出期の始まりまでの間に血液を末梢に押しやりつつ、次第に原形に復帰する。このように生じた局所的な動脈の拡張とその内圧の上昇は動脈の末梢に向かって波状に伝播する。この伝播する波動で、心臓から来る前進波と血管分岐部等からの反射波の両方を含む圧波形を脈波という。
また、波動による動脈血管内の圧力変化に伴う容積変化によって生じるのが容積脈波であり、血管内の圧力波の伝播によって生じるのが圧脈波である。一般的に、検出される容積脈波には光学的方式を用いる光電式容積脈波、検出される圧脈波には圧電方式を用いる圧電式圧脈波がある。動脈血管の検出部位が同じであれば、一般に容積脈波と圧脈波は相似するが、脈波の波形は血管の種類によってかなり相違があるといわれる。容積脈波の計測には、直接計測と無侵襲計測があり、無侵襲計測として光を用いた光電式プレチスモグラフィ(体積変動記録法)があり、可視領域〜近赤外領域における血液の吸光特性を利用し、血液量の増減に伴う反射あるいは透過光量変化から容積変化を検出する方法であり、光電脈波法とも呼ばれる。カフ圧を必要としない計測が可能で、末梢容積脈波の臨床検査法として利用されている。本実施形態では光電脈波法を用いて計測を行い、本実施形態中の脈波とは、光電脈波法によって計測されたものを指すこととする。
なお、後述するように、脈波信号には、脈波成分と体動成分とが含まれ、体動成分は被験者の体の動き等によって変動し得る。このため、脈波信号から体動成分を如何にして取り除くのかが重要となる。
(光電脈波法)
光電脈波法(Photoplethysmography,PPG)とは、LED等の発光部とフォトディテクタ等の受光部から構成される光電脈波計を用いて脈波を測定する方法である。可視領域から近赤外領域における血液の吸光特性を利用し、血液量の増減に伴う反射光または透過光の変化から血管の容積変化を検出する。
(光電脈波法による計測の原理)
生体組織を構成する要素は血液・皮膚・脂肪・骨等であるが、このうち血液のみが、心臓の鼓動に伴い変化する。生体中の動脈血液は血漿成分(55%)と血球(細胞)成分(45%)から成り、血漿成分の91%は水分である。血球成分は赤血球(96%)、白血球(3%)、血小板(1%)から成る。赤血球は1ミリ立方メートルに400〜500万個あり、その蛋白質の97%をヘモグロビンが占める。
ヘモグロビンには光を吸収する特性があり、動脈圧による末梢血管の容積変化に伴い、ヘモグロビンの量は変化する。したがって皮膚表面から発光部を照射し、反射あるいは透過する光強度を受光部により電気信号として得ることにより、脈波を計測することが可能となる。また信号出力と計測部位の血流量の関係は、光が血液に吸収されるために反比例となり、血流量が増せば光吸収量が増加し出力が減少、血流量が減れば光吸収量が減少し出力が増加するという関係になる。よって受光部の信号出力の増減は、血流の容積変化、血流量の変化を出力の増減に変換でき、これが脈動成分として現れる。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
<脈波計測装置>
本発明の一実施形態においては、光電脈波法による計測により脈波を計測する。図1は、本実施形態に係る脈波計測装置1の構成を示すブロック図である。
脈波計測装置1は、図1に示されるように、測定部10、強度補正部22、第1のバンドパスフィルタ24a、第2のバンドパスフィルタ24b、制御部26、および脈拍数演算部32を含んで構成される。また、脈波計測装置1は生体情報表示装置2と無線接続または有線接続されており、脈波計測装置1から生体情報表示装置2へ脈波信号等を送信する。
(測定部)
図2は、測定部10の構成を生体と共に示す断面図である。測定部10は、図2に示されるように生体に密着されて用いられる。測定部10は、例えばABS(acrylonitrile butadiene styrene copolymer)等の樹脂からなる筐体12と発光部14と受光部16とを含んで構成されている。
筐体12は、発光部14および受光部16を格納し、筐体12内の空間は樹脂モールド18で充填されている。また、筐体12の表面は、前記発光部14と前記受光部16の電極としてメッキ20が形成されている。図2では生体と測定部10は密着させているが、離して用いてもよく、メッキ20の上に電気的絶縁性を有し、外乱光を遮光する特性を有する材料例えば、ABSなどをメッキ20の生体と密着させる面に例えば、塗装などの手法で形成して、生体に密着させてもよい。
メッキ20は、少なくとも、筐体12において発光部および受光部が配置される部分、並びに筐体12の外縁の内側および外側で形成されていることが好ましい。
発光部14は、制御部26によって制御され、生体の計測部位に波長の異なる複数の光を照射する。受光部16は、制御部26によって制御され、生体を介して受光した複数の光の各々を受け取り、各々の光に対応する複数の信号を生成する。図2における矢印は発光部14によって照射され、生体によって反射される光の径路を模式的に示している。本実施形態では、図2に示すように、受光部16が生体からの反射光を受け取る構成を例に挙げ説明を行う。
図3は、測定部10の構成を示す上面図である。図3に示されるように、発光部14は、第1の発光部14aと第2の発光部14bとを含む。第1の発光部14aと第2の発光部14bとは、互いに波長の異なる光を照射するとよい。例えば、第1の発光部14aは緑色光を照射し、第2の発光部14bは近赤外光を照射する。より具体的には、第1の発光部14aが波長495〜570nmの光を照射し、第2の発光部14bが波長700〜1200nmの光を照射すればよい。
例えば入射時の光の自然対数分の1となる距離は、波長が約525nmの緑色光が生体に入射する場合0.4mmであり、波長が約880nmの近赤外光が生体に入射する場合1.4mmであり、これを透過深度と呼ぶ。この透過深度の違いにより、観測する血管が異なり、緑色光では上行細動脈、近赤外光では大動脈を観測することになる。そして、近赤外光により計測される信号の方が運動時の体動ノイズの影響が大きい。このように、観測する血管が異なっていることに起因して、脈波成分に重畳するアーチファクトにも違いが生じる。本実施形態では、緑色光と近赤外光を用いることにより、アーチファクトを効果的に低減させることができる。
また、受光部16は、第1の受光部16aと、第2の受光部16bとを含む。第1の受光部16aは、第1の発光部14aが照射し生体によって反射された光を受光する。また、第1の受光部16aは、受光した光の各時点における強度を示す信号(以下、「緑色信号」とよぶ)を生成する。第2の受光部16bは、第2の発光部14bが照射し生体によって反射された光を受光する。また、第2の受光部16bは、受光した光の各時点における強度を示す信号(以下、「近赤外信号」とよぶ)を生成する。
第1の受光部16aが生成する緑色信号および第2の受光部16bが生成する近赤外信号は、脈波成分とアーチファクトである体動成分とが混在されている。
(強度補正部)
強度補正部22は、第1の受光部16aから緑色信号を受信するとともに、第2の受光部16bから近赤外信号を受信する。
緑色光と近赤外光とは波長が異なる。光の波長が異なることに伴う血液の吸光特性の違いにより、緑色信号の強度と近赤外信号の強度とは均一ではなく強度差が生じている。強度補正部22はこの強度差を同程度にさせるよう、信号の強度を補正する。
例えば、強度補正部22は、緑色信号および近赤外信号のうちの一の信号に対して、当該一の信号の強度と負の相関を有する係数を掛ければよい。より具体的には、各々の信号強度を基に下記式1に示す信号強度比の係数rを演算(算出)して、この係数rを近赤外信号に掛けることで、緑色信号の信号強度と近赤外信号の信号強度を同程度に合わせるよう調整する。信号強度を同程度に調整した緑色信号および近赤外信号は、それぞれ、第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bに供給される。
Figure 0006385839
ここで、式1における「緑色信号強度」および「近赤外信号強度」に付されているバーは、それぞれ、緑色信号強度、及び近赤外信号強度の所定期間における積分値をとることを示している。
より具体的には、強度補正部22が、例えば0.3Hzのローパスフィルタを備える構成とし、強度補正部22が、生体の安静時に取得した所定期間内の各信号(緑色信号、近赤外信号)を直流成分を除去するためのフィルタ、例えば0.1Hzのハイパスフィルタを用いて信号処理した後に全波整流し(すなわち絶対値を算出し)、上記のローパスフィルタを適用して、緑色信号および近赤外信号の各々の信号強度の上記積分値を演算(算出)する構成としてもよい。
このような構成とすることにより、緑色信号の信号強度と近赤外信号の信号強度差は同程度となるように効果的に調整することができる。
なお、上記所定期間は例えば10秒、15秒、20秒等とすることができるが、これは本実施形態を限定するものではない。
(バンドパスフィルタ)
第1のバンドパスフィルタ24aは、強度補正部22が出力する緑色信号を受信する。また第2のバンドパスフィルタ24bは、強度補正部22が出力する近赤外信号を受信する。
ここで、強度補正部22が出力する緑色信号および近赤外信号の少なくとも何れかに対して、上述の強度補正が施されている。以下では、近赤外信号に対して上述の強度補正が施されているものとして説明を行うが、これは本実施形態を限定するものではない。
第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bの各々は、9個の周波数帯域のバンドパスフィルタを含む。第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bの各々は、例えばFFT(高速フーリエ変換)を用いた周波数解析による信号処理により実現されてもよい。第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bの各々は、前記9個の周波数帯域毎に脈波成分、体動成分、それ以外のノイズ成分を重畳された信号になる。周波数帯域毎の信号にすることにより、前記信号から体動成分、それ以外のノイズ成分を低減するうえでの演算処理がより少なくなり、データ処理におけるメモリ容量、およびデータ処理時間を少なくすることができる。
第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bの各々に含まれる各バンドパスフィルタの周波数帯域は、0.5〜1.0Hz、0.75〜1.25Hz、1.0〜1.5Hz、1.25〜1.75Hz、1.5Hz〜2.0Hz、1.75〜2.25Hz、2.0〜2.5Hz、2.25〜2.75Hz、2.5〜3.0Hzに設定するとよい。各バンドパスフィルタからの出力は概ね単一の周波数成分のみをもつ波形となる。なお、第1のバンドパスフィルタ24a、および第2のバンドパスフィルタ24bに含まれるバンドパスフィルタの数は9個に限らない。また、上記とは別の周波数帯域のバンドパスフィルタを用いてもよい。
制御部26は、相関係数演算部28および波形合成部30を含んで構成される。
(相関係数演算部)
相関係数演算部28は、第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bの各々に含まれる複数の周波数帯域のバンドパスフィルタの各々を通過した各信号について、周波数帯域毎に緑色信号と近赤外信号との相関係数、および各信号の信号強度比を演算(算出)する。相関係数は生体の脈波波形の周期時間に関係するが、少なくとも2周期時間以上、例えば3秒間以上の緑色信号および近赤外信号のデータを用いて下記式2により求める。
Figure 0006385839
上記式2におけるxは、緑色信号のデータの各々であり、yは、近赤外信号のデータの各々である。また、nはデータのサンプル数である。
信号強度比は上記式1と同様に、周波数帯域毎の信号強度のデータの積分値の比である。
(合成部)
波形合成部としての合成部30は、下記式3に示す重み付け係数Wnを算出する。式3から明らかなように、信号強度比の寄与により、緑色信号の強度が近赤外信号の強度より弱い周波数帯域では、上述する重み付け後の緑色信号の強度が小さくなる。
Figure 0006385839
ここで、上記式3における「*」は、掛け算を示す演算記号である。
波形合成部30は、重み付け係数Wnを、緑色信号の周波数帯域フィルタ通過信号の各々に掛けることによって、重み付けされた各周波数帯域の緑色信号を生成する。そして重み付けされた各周波数帯域の緑色信号を合成することにより、体動成分とそれ以外のノイズ成分を低減させた脈波信号が生成される。
波形合成部30は、上述の脈波信号を脈拍数演算部32および生体情報表示装置2へ出力する。
(脈拍数演算部)
生体情報生成部としての脈拍数演算部32は、波形合成部30で生成された脈波信号のピーク間隔を求め、下記式4に示す脈拍数を求める。脈拍数演算部32は、例えば、脈波信号を1024Hzでリサンプリングし、その後脈波信号のピーク間隔を例えば3回以上、移動平均を掛けたものを用いることによって脈拍数を導出する構成にすればよい。
Figure 0006385839
なお、脈拍数演算部32は、脈波計測装置1にとって必須の構成ではなく、脈波計測装置1が脈拍数演算部32を備えない構成としてもよい。そのような構成の場合、例えば、後述する生体情報表示装置2が脈拍数演算部32を備える構成としてもよい。
<生体情報表示装置>
図4は、生体情報表示装置2の一例を示すブロック図である。生体情報表示装置2は、図4に示されるように、信号解析処理部34とデータ表示部36とメモリー部38とを少なくとも備える。生体情報表示装置2は、脈波計測装置1に搭載されていてもよい。
信号解析処理部34は、脈波計測装置1と無線接続または有線接続されており、脈波計測装置1の波形合成部30から脈波信号を受信するとともに、脈拍数演算部32から脈拍数を受信する。信号解析処理部34は、例えば解析処理として、脈波信号の2次微分を用いる波形解析による、生体情報データとして血管年齢を求めてもよい。生体情報データの例としては、ほかにも呼吸数や、ストレス度等が挙げられる。データ表示部36は、脈波信号波形や上述した生体情報等を表示するとよい。また、メモリー部38は測定解析された脈波信号、生体情報等を記憶するとよい。
<脈波計測方法>
次に、図5を参照して、緑色光と近赤外光による光電脈波法で計測した信号から体動成分を低減させた脈波信号を求めるとともに、脈拍数を求める脈波計測方法を説明する。当該方法は、脈波計測装置1の制御部26において制御される。
まず発光部14は、生体の計測部位に波長の異なる複数の光を照射する(照射ステップ)(S1)。
次に、受光部16は、生体を介して受光した複数の光の各々を受け取り、各々の光に対応する複数の信号を生成する(信号生成ステップ)(S2)。
次に、強度補正部22は、緑色信号の強度と近赤外信号の強度との差を同程度に調整するよう、信号の強度を補正する。例えば、安静状態において各々の信号強度を基に上記式1に示す信号強度比の係数rを演算(算出)して、この係数rを近赤外信号に掛けることで、緑色信号の信号強度と近赤外信号の信号強度との差を同程度に調整させるとよい。(S3)。
次に、第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bの各々の複数の周波数帯域のバンドパスフィルタは、緑色信号および近赤外信号の各々を複数の周波数成分に分ける(周波数帯域分離ステップ)(S4)。
次に、相関係数演算部28は、第1のバンドパスフィルタ24aおよび第2のバンドパスフィルタ24bの各々に含まれる複数の周波数帯域のバンドパスフィルタの各々を通過した各信号について、周波数帯域毎に緑色信号と近赤外信号との相関係数、および各信号の信号強度比を演算(算出)する(演算ステップ)(S5)。
次に、波形合成部30は、上記式3に示す重み付け係数Wnを、緑色信号の周波数帯域フィルタを通した信号に各々掛けることによって、重み付けされた各周波数帯域の緑色信号を生成する。そして重み付けされた各周波数帯域の緑色信号を合成することにより、体動成分を低減させた脈波信号を生成する(合成ステップ)(S6)。
次に、脈拍数演算部32は、S6で生成された脈波信号のピーク間隔を算出し、上記式4に示す脈拍数を算出する(S7)。
〔実施形態2〕
本実施形態では、測定部が、発光部と受光部とで生体を挟み、生体を透過した透過光を受光部が受け取る形態である点で、上述した測定部10と異なっている。このような構成であっても、本実施形態に係る脈波計測装置は、実施形態1において説明した測定部10、強度補正部22、第1のバンドパスフィルタ24a、第2のバンドパスフィルタ24b、制御部26、および脈拍数演算部32を含んでいるので、従来に比べてより正確な生体情報を計測することができる。
〔実施形態3〕
脈波計測装置1の制御部(特に強度補正部、バンドパスフィルタ、相関係数演算部、波形合成部、および脈拍数演算部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、脈波計測装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)等を備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや無線通信等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る脈波計測装置1は、生体の計測部位に波長の異なる複数の光を照射する発光部14と、上記生体を介して受光した上記複数の光の各々を受け取り、各々の光に対応する複数の信号を生成する受光部16と、上記複数の信号の各々を複数の周波数帯域に分ける複数のバンドパスフィルタ24a、24bと、上記複数の周波数帯域毎に、上記バンドパスフィルタ24a、24bを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数を演算する相関係数演算部28と、上記複数のバンドパスフィルタ24a、24bを通過した各信号に対し、上記相関係数に応じた重み付けをしたうえで各信号の波形を合成する波形合成部30とを備える。
上記の構成によれば、バンドパスフィルタ24a、24bを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数に応じた重み付けをしたうえで各周波数帯域の信号を合成するので、従来に比べてより正確な脈波を計測することができる。
本発明の態様2に係る脈波計測装置1は、上記態様1において、上記受光部16が生成する複数の信号の強度に応じて、上記複数の信号の強度を補正する強度補正部22をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、上記複数の信号の強度の差を調整することで、測定部位により異なる信号の強度の差を調整することにより正確な脈波を計測することができる。
例えば、脈波計測装置1を脈波の測定に用いる場合、光の波長が異なることに伴う血液の吸光特性の違いによって生じる上記複数の信号の強度の差が調整されるので、より精度よく脈波の信号を得ることができる。
本発明の態様3に係る脈波計測装置1は、上記態様2において、上記強度補正部22は、上記複数の信号のうちの一の信号に対して、当該一の信号の強度と負の相関を有する係数を掛けることにより当該一の信号の強度を補正してもよい。
上記の構成によれば、一の信号の信号強度を小さくするので、一の信号の信号強度と他の信号の信号強度の差を調整させることができる。これにより、より正確な脈波を計測することができる。
本発明の態様4に係る脈波計測装置1は、上記態様1から3の何れかにおいて、上記発光部14が照射する複数の光は、緑色光と近赤外光であってよい。
上記の構成によれば、より正確な脈波を計測することができる。
本発明の態様5に係る脈波計測装置1は、上記態様1から4の何れかにおいて、上記波形合成部30が出力する信号を解析処理することにより、生体情報を生成する生体情報生成部(脈拍数演算部32)をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、脈波信号から様々な生体情報を生成することができる。
本発明の態様6に係る脈波計測方法は、生体の計測部位に波長の異なる複数の光を照射する照射ステップS1と、上記生体を介して受光した上記複数の光の各々を受け取り、各々の光に対応する複数の信号を生成する信号生成ステップS2と、複数のバンドパスフィルタを通過させて、上記複数の信号の各々を複数の周波数帯域に分ける周波数帯域分離ステップS4と、上記複数の周波数帯域毎に、上記バンドパスフィルタを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数を演算する演算ステップS5と、上記複数のバンドパスフィルタを通過した各信号に対し、上記相関係数に応じた重み付けをしたうえで合成する合成ステップS6とを含む。
上記の構成によれば、バンドパスフィルタ24a、24bを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数に応じた重み付けをしたうえで各周波数帯域の信号を合成するので、従来に比べてより正確な脈波を計測することができる。
本発明の各態様に係る脈波計測装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記脈波計測装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記脈波計測装置をコンピュータにて実現させる脈波計測装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、生体が動くことで発生する体動ノイズ等のアーチファクトを除去して脈波を計測する脈波計測装置、脈波計測方法に利用することができる。
1 脈波計測装置
2 生体情報表示装置
10 測定部
12 筐体
14 発光部
14a 第1の発光部
14b 第2の発光部
16 受光部
16a 第1の受光部
16b 第2の受光部
18 樹脂モールド
20 メッキ
22 強度補正部
24a 第1のバンドパスフィルタ
24b 第2のバンドパスフィルタ
26 制御部
28 相関係数演算部
30 合成部
32 脈拍数演算部
34 解析処理部
36 データ表示部
38 メモリー部

Claims (5)

  1. 生体の計測部位に波長の異なる複数の光を照射する発光部と、
    上記生体を介して受光した上記複数の光の各々を受け取り、各々の光に対応する複数の信号を生成する受光部と、
    上記複数の信号の各々を複数の周波数帯域に分ける複数のバンドパスフィルタと、
    上記複数の周波数帯域毎に、上記バンドパスフィルタを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数を演算する相関係数演算部と、
    上記複数のバンドパスフィルタを通過した各信号に対し、上記相関係数に応じた重み付けをしたうえで各信号の波形を合成する波形合成部と
    を備えることを特徴とする脈波計測装置。
  2. 上記受光部が生成する複数の信号の強度に応じて、上記複数の信号の強度を補正する強度補正部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の脈波計測装置。
  3. 上記発光部が照射する複数の光は、緑色光と近赤外光であることを特徴とする請求項1または2に記載の脈波計測装置。
  4. 上記波形合成部が出力する信号を解析処理することにより、生体情報を生成する生体情報生成部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の脈波計測装置。
  5. 生体の計測部位に波長の異なる複数の光を照射する照射ステップと、
    上記生体を介して受光した上記複数の光の各々を受け取り、各々の光に対応する複数の信号を生成する信号生成ステップと、
    複数のバンドパスフィルタを通過させて、上記複数の信号の各々を複数の周波数帯域に分ける周波数帯域分離ステップと、
    上記複数の周波数帯域毎に、上記バンドパスフィルタを通過した複数の信号の互いの相関を示す相関係数を演算する演算ステップと、
    上記複数のバンドパスフィルタを通過した各信号に対し、上記相関係数に応じた重み付けをしたうえで合成する合成ステップと
    を含むことを特徴とする脈波計測方法。
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