JP6385603B1 - リスク評価分析システム - Google Patents
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Abstract
Description
とりわけ、評価対象の顧客企業に関する複数の書類の組合せに基づいて評価分析するシステムであって、リスク選好、損害強度及び損害頻度の分析、対策を施す優先順位の決定、対策考案に至るまでの作業を支援するリスク評価分析システムに関する。
リスク評価票作成を行う評価票作成サーバと、事故に関するデータに基づいてリスクの程度を示す指標を算出する事故関連サーバと、評価項目を評価票作成サーバに送る項目取得サーバとをネットワークで接続してなるリスク評価票作成システムが提案されている(特許文献1)。
特許文献1には、絶えず変動する場合のリスク評価に用いる評価票の作成を、項目の属性、関係付け情報、固定か可変かの情報、指標の閾値の蓄積などの概念を用いて、処理することが開示されている。
特許文献4には、財務リスクと事業リスクを評価し、リスクマップを生成する企業評価システムが記載されている。
特許文献5には、オペレーショナルリスクを評価し、レポートを表示するシステムが記載されている。
非特許文献1には、決算書、法令、現場情報に基づいて、現状を分析し、リスクマトリクスを生成して、対策を提案するリスクマネジメント・コンサルティング方法が記載されている。
しかしながら、中小企業の経営体力の減衰の一つの要因として、特別損失などの発生に伴うリスクへの対策不十分が挙げられる。
本発明は、中小企業も大企業同様にリスクに対しての財務計画を作成し、中小企業におけるリスク管理会計を推進させ、中小企業の財務体力を安定的かつサステイナブルなものとすることが可能なリスク評価分析システムを提供することを目的とする。
主観的情報とは、企業における役員や従業員等関係者よりのアンケート等のことである。客観的情報とは、本システム利用者が視覚にて確認した情報や、過去裁判例または、企業経営に係る法務、財務、人事労務およびIT等の知識から見出した情報のことを示す。これらの組み合わせによって成立するのが本システムである。
本明細書において、システムとは、コンピュータシステムの意味であり、いくつかのサーバが、インターネットなどのネットワークを介して接続されて、動作し、端末コンピュータを利用する利用者がそれを用いることで成立するシステムである。
例えば、火災というリスクが存在した場合、一般的に中小企業は保険会社が提供する火災保険に加入することで、そのリスクに対し対策を講じている。しかしながら、保険会社が提供する火災保険は火災というリスクの損害全てを補償するものではなく、かつ適当な補償額を確保していない場合も多く見受けられる。また、企業の財務内容は毎年変化するものであるにもかかわらず、その補償内容を更新せず、補償の掛け過ぎという案件もしばしば見受けられる。その結果、特別損失を発生させ財務を圧迫させ、または費用の過大計上に陥ることになるのであるが、これは、従来のリスクに対する考え方の欠陥であり、保険などの商品からリスクを見ることがその要因であると考えられる。
また、本リスク評価分析システムは客観的分析手法を取り入れることで、従来見落とされるリスクを視覚化することを可能とする。それにより、企業に係る考え得るすべてのリスクに対して財務計画を施すものである。また、リスク管理会計を中小企業に対し推進するものである。
図1は、事業概要を示す企業情報書類の一例を示す図である。所在地情報、創業年数、事業内容などの情報が載っている。所在地情報は、○○県○○市○○町など住所表示などにより当該企業の所在地を示す情報である。創業年数は、当該企業の創業から現在に至るまでどれだけの年数を経過したかを示す情報である。事業内容は、○○の製造販売、など、具体的な事業の中身を示す情報である。
図3は、リスク統計マップの一例を示す図である。
リスク統計マップは、縦軸に「損害強度」、横軸に「損害頻度」を取って、それぞれのリスク項目についてプロットしてなる統計マップである。
縦軸に取る損害強度は、金額で評価される。下限を0とし、補助線として「リスク境界値」つまり企業より受領する財務計算書類の中より「自己資本額」を、同様に「事業危険値」として「経常利益額」を取り、かつキャッシュフロー計算書を企業から受領可能な場合は、その額を「キャッシュフロー値」として補助線として設定する。ただし、企業よりキャッシュフロー計算書を受領できない場合は、「事業危険値」つまり企業の経常利益額の1/12をキャッシュフロー値として仮定し補助線を設定する。これは、一ヶ月分の経常利益という意味合いである。さらに、企業経営者との相談により、会計論でいうところの「重要性の原則」を決定し、「保有限度額」を補助線として設ける。「保有限度額」について、経営者の判断を仰げない場合に限って、本リスク評価分析システム利用者は、基本的に設定された「キャッシュフロー値」の1/10を「保有限度額」として仮設定する。
これらを基に作成されたリスク統計マップは、「領域1」「領域2」「領域3」「領域4」あるいは、「保有額未満(領域5)」のランクに分類され、それぞれ事業危険値以上の損害強度かつ、10年以内の発生可能性を持つものを「領域1」に、事業危険値以上の損害強度かつ、11年以上の発生可能性を持つものを「領域2」、さらに事業危険値未満であり保有限度額以上の損害強度を持ち10年以内の発生可能性を持つものを「領域3」、事業危険値未満であり保有限度額以上の損害強度を持ちかつ11年以上の発生可能性を持つものを「領域4」、最後に保有限度額未満のものを「保有限度額未満(領域5)」と分類する。
図4は、本発明に係るリスク評価分析システムを用いて、調査、分析、優先順位決定、対策考案を進める手順を示す図である。
本リスク評価分析システムを用いて行うリスク評価分析方法は、(導入ステップと、)調査ステップと、分析ステップと、優先順位決定ステップと、対策考案ステップとからなる。導入ステップは、企業情報および財務情報を収集する段階である。調査ステップは、リスク項目を選好する段階である。分析ステップは、過去の裁判判決例や法的な根拠、業種や業界の情報、地域的情報、あるいは企業(顧客)からアンケートやヒアリングによって知り得た情報などから損害予想強度あるいは損害発生可能性を予想する段階である。優先順位決定ステップは、分析ステップにて算出された「損害予想強度」および「損害予想頻度」を元に「リスク統計マップ」を作成し、それを利用して領域領域1、領域領域2、領域領域3、領域領域4の順にリスク対策を講じる順位を決定する段階である。対策考案ステップは、優先順位を基礎とし、企業の現在のリスクに対する対策状況を加味し、本リスク評価分析システム利用者が所有する損害保険、生命保険、会計処理及びその他の知識を活用し、適当な対策手法を企業に提案する段階である。
これらの客観的な書類、主観的な書類について、どれを用いるかによってそれぞれのリスク項目の損害強度(損害予想強度)、損害頻度(損害予想頻度)は、変更され得る。したがって、リスク統計マップ上で、それらのリスク項目がどの領域にプロットされることになるかにも影響がある。
当該評価分析対象企業について、どの書類をどこまで用いて評価分析を行うかについては、分析を行うコンピュータを用いる者の知識、経験、スキルに負うことになるが、どのような処理をしたら不適切な評価分析となるか、どのような処理をしたら適切な評価分析となるかを学習し、蓄積することにより、今後の評価分析に生かしていくことが可能となる。
本明細書において、「〇〇装置」というときには、当該コンピュータのCPU(中央処理装置)が必要なプログラムを読み込んで実行する状態についてそのように呼ぶものである。したがって、一個のCPUがいくつもの装置の役割を果たす。もっとも、複数のCPUにこれらの機能を分担させることも可能である。一つのサーバコンピュータが、複数のCPUを有する場合のみならず、リスク評価分析サーバ110を、複数のサーバコンピュータの連携により、構成することも可能である。一つのCPUがすべての装置の機能を有する場合をも、複数のCPUまたは複数のサーバがそれらの装置の機能を分担する場合をも含めて、複数の「〇〇装置」が連携して働いて、リスク評価分析サーバ110の働きを実現する。
損害頻度については、何年に一度の頻度で発生する可能性があるかという時間で評価する。たとえば、10年以内の発生可能性のあるもの、11年以上の発生可能性のあるものと分類するための補助線を引くことができる。発生可能頻度の年数の値をいずれにするか、何本の補助線を引くかは、変更可能である。
補助線の数を調整することにより、領域をさらに細分化することも可能である。
領域の数を多くして、こまかな分類をすることにより、同一の領域に属するリスクが多数のものになることを回避することができる。
対策提案装置62は、保険情報DB77を参照して、損害保険、生命保険、会計処理の対策などを提案する装置である。保険情報DB装置77には、当該企業が現に加入している保険と、それ以外の保険との情報を蓄積しており、総合的な対策を提案することが可能となっている。
また、これらのDB装置は、図5に示すように、統計情報サーバ240、業界情報サーバ230、法令サーバ220、判決例サーバ210などのサーバに定期的にアクセスして、最新の情報をダウンロードするなどして、情報を更新することが望ましい。
ここで、DB装置は、情報を格納する記憶装置のみならず、それらにアクセスするためのコンピュータプログラム(アプリケーションソフト)をも含めたものと考える。コンピュータプログラムは、CPU(中央処理装置)に読み込まれて機能するものであるので、CPUが機能する状態をとらえて、DB装置と表現する。
依頼受付装置52が、リスク評価分析サーバ110にアクセスするユーザ(又は潜在的ユーザ)に対して申し込みフォームを表示する(ステップ701)。ユーザ(又は潜在的ユーザ)は、そのフォームに入力すると(ステップ702でYES)、依頼受付装置52は、それが合式(方式に適合している)かどうかを判定する(ステップ703)。合式である場合には、既にそのユーザが会員であるかを問い(ステップ704)、会員である場合は、ID、パスワードの入力を求め(図示を省略)、フォームに入力された情報を企業情報DB装置70、財務諸表DB装置71、アンケートDB装置78、ヒアリングDB装置79などのDB装置にDB登録して、リスク評価分析サーバ110内の各装置が利用可能にする(ステップ705)。
ステップ704で会員でない場合には、会員登録処理(ステップ706)をした後、ステップ705に進む。
ステップ702、ステップ703でNOの場合は、再びフォームへの入力を促す(ステップ702)。
リスク項目選好装置53が、企業情報DB装置70を参照して業種を取得する(ステップ801)。たとえば、定款に記載された事業内容から業種を特定することができる。同様に、リスク項目選好装置53が、企業情報DB装置70を参照して従業員数を取得する(ステップ802)。図7に示す依頼受付処理にて入力された内容を利用可能である。次に、リスク項目選好装置53は、取得した業種、従業員数が、リスク項目を選好する上で十分であるか否かを判断する(ステップ803)。顧客企業が申請する業種、従業員数が必ずしもリスク項目選好の目的に、適っているとは限らない。たとえば、業種をもう少し広く捉える必要が在る場合がある。また、顧客企業が正社員のみを従業員として申請したが、アルバイトやパート社員を多く雇っている場合には、不釣合いである場合がある。業種、従業員数の情報が不十分の場合(ステップ803)、他のDB装置(アンケートDB装置78、ヒアリングDB装置79、業界情報DB80)などを参照して補う(ステップ804)。ここで、ウェブ上に企業情報提供会社が提供している企業情報データベースを参照することとしてもよい。
業種、従業員数がリスク項目選好に適ったものとなると(ステップ803でYES)、リスク項目DB装置72を検索して、リスク項目を選好する(ステップ805)。リスク項目の数が、報告書作成の上で十分な数であるか否かを判断する(ステップ806)。
あらかじめ定めた所定の数よりも少ない場合には(ステップ806でNO)、他の業種を追加する(ステップ807)。他の業種の追加は、たとえば当該顧客企業のウェブページから、他の業種と解釈され得るものを抽出することによってなされる。また、同等の他の企業が業種としているもの、これまでのリスク評価分析サーバの実績において同様の場合に加えることでよい結果が得られたものなどを業種追加対象リストに蓄積しておき、そのリストから順次、加えることとしてもよい。
業種追加(ステップ807)、リスク項目DBを検索(ステップ805)、リスク項目数が十分かの判断(ステップ806)を必要に応じて何度かくり返して、十分な数になったところで(ステップ806でYES)、検索結果を保存し(ステップ808)、リスク項目選好処理を終了する。
リスク項目選好処理にて保存されたリスク項目を取得する(ステップ901)。当該リスク項目についての損害強度を算定する(ステップ902)。損害強度の算定は、統計資料DB73、判決例DB74、法令DB75、事故情報DB76などを参照し、当該企業の会社規模と照らし合わせて算定する。
同様に、当該リスク項目についての損害頻度を算定する(ステップ903)。損害頻度の算定は、統計資料DB73、事故情報DB76、保険情報DB77、アンケートDB78、ヒアリングDB79、業界情報DB80などを参照し、当該企業の会社規模と照らし合わせて算定する。
リスク項目について、損害強度及び損害頻度の算定がなされると、それに基づいて当該リスク項目のプロットをする(ステップ904)。このプロットは、損害頻度を横軸に、損害強度を縦軸にとった平面の上に当該リスク項目を対応付けることである。
次に、すべてのリスク項目についてのプロットがなされたかどうかを判断する(ステップ905)。リスク項目選好処理にて保存されたリスク項目のなかにまだプロットしていないものがあれば、ステップ901からステップ904を繰返し実行し、再度ステップ905の判断をする。すべてのリスク項目についてのプロットがなされると(ステップ905でYES)、リスク統計マップを作成する(ステップ906)。そして、それを保存する(ステップ907)。リスク統計マップは、顧客企業に報告する報告書類のなかで重要な書類であって、選好したリスクのすべてを損害頻度−損害強度平面にプロットしたものである。
図9に示すリスク統計マップ作成処理の次に、図10に示す領域分類処理を実行する。リスク統計マップに数本の補助線を引いて、いくつかの領域に分類する処理である。補助線を損害強度と損害頻度とのそれぞれについて設けるべく、まず損害強度の境界値を算出し(ステップ1001)、次に損害頻度の境界値を設定する(ステップ1102)。
前述したように、損害強度については、リスク境界値、事業危険値、キャッシュフロー値、保有限度額を補助線として設定できる(図3参照)。
また、損害頻度については、年数に基づき補助線を引くための境界値を設定する。
損害強度、損害頻度についての境界値を取得できたらそれらを保存する(ステップ1103)。
そして、リスク統計マップに補助線を引いたものを、リスク評価分析サーバがモニター画面に表示する(ステップ1004)。
適切か否かを判断する(ステップ1005)。この判断は、たとえば、各領域(縦横の補助線に囲まれた四角形の領域)に含まれるリスク項目がいくつになるかを数えることによってなされる。それぞれのリスク項目の損害強度、損害頻度と、補助線を引くための境界値との大小比較を繰返し実行することにより、各リスク項目がどの領域に属するかを知る。そして、各領域に含まれるリスク項目の数を数える。ある領域に含まれるリスク項目の数があらかじめ決めた数(たとえば、3個)よりも多い場合には(ステップ1005でNo)、補助線を増やすことにより、その数を減らすことができる(ステップ1006)。この修正処理は、たとえば、損害頻度の補助線を増やすこと、または損害強度の補助線を増やすこと、さらには、双方の補助線を増やすことによってなされ得る。それぞれの領域に含まれるリスク項目の数が適切な値になるまでステップ1004、ステップ1005、ステップ1006を繰返し、適切な値になったら(ステップ1005でYes)、リスク統計マップを更新し(ステップ1007)、リスク統計マップを保存する(ステップ1008)。
次に、リスク統計マップにプロットされた各リスク項目に順位をつける(ステップ1102)。リスク統計マップにプロットされた各リスク項目は、それぞれ損害強度と損害頻度とを有している。したがって、領域分類に用いた境界値との大小比較処理を繰返し実行することにより、どの領域にそのリスク項目が属するかを知ることができる。各リスク項目がどの領域に属するかという情報と、各領域の優先順位とを対応させることにより、各リスク項目の順位が得られる。
こうして得られた順位を保存する(ステップ1103)。
まず、リスク項目を取得する(ステップ1201)。このリスク項目は、損害強度及び損害頻度のデータを有し、優先順位をつけられたリスク項目である。リスク項目を優先順位の高い順に取得する。
次に、各種DB(判決例DB74、法令DB75、統計資料DB73、事故情報DB76、保険情報DB77、業界情報DB80など)を参照する(ステップ1202)。
そして対策立案する(ステップ1203)。対策は、保険の適用、会計手法の適用などの中から選択される。
すべてのリスク項目について対策が立案されたかを判断する(ステップ1204)。まだ対策の立案がなされていないリスク項目があれば(ステップ1204でNo)、ステップ1201からステップ1204までをくり返す。すべてのリスク項目についての対策が立案されると(ステップ1204でYes)、報告書類作成(ステップ1205)をして、おわる。
なお、立案する対策のなかには、「リスクを保有する」という対策も含むこととする。保険などをかけないままにしておき、損害が生じ場合には、損害引当金などで会計処理をする対応をするものである。
図13のシーケンス図には、顧客端末、リスク評価分析サーバ、運営者端末、判決例サーバ、法令サーバ、業界情報サーバ、統計情報サーバのみを描いている。他のサーバもも同様に、リスク評価分析サーバと連携して動作し得る。
リスク評価分析サーバは、顧客端末から依頼を受付けると、リスク項目選好、マップ作成、領域分割、優先順位決定、対策立案、報告書類をまとめる、という処理を次々に実行していく。その際に、特に、リスク項目選好処理、マップ作成処理(損害強度、損害頻度の算定、決定)、対策立案(損害保険の商品や、会計手法の適用)において、判決例サーバ、法令サーバ、業界情報サーバ、統計情報サーバなどを参照して、情報を収集し、それに基づく処理を実行する。
運営者端末は、リスク評価分析サーバの処理を管理、監督するために用いられる。図13においては、運営者端末の関わりを描くと、煩雑になりすぎるため、省略している。
判決例、法令、業界情報、統計情報などは、日々更新されて新たな情報が追記されていくものなので、顧客からの依頼があるなしに関わらず、定期的に情報を更新して、コンピュータ管理されるデータベースとして扱うのが好ましい。
51 ログイン認証装置
52 依頼受付装置
53 リスク項目選好装置
54 損害頻度算定装置
55 損害強度算定装置
56 事業危険値算定装置
57 保有限度額算定装置
58 リスク統計マップ作成装置
59 領域分類装置
60 優先順位決定装置
61 報告書類作成装置
62 対策提案装置
70 企業情報DB装置
71 財務諸表DB装置
72 リスク項目DB装置
73 統計資料DB装置
74 判決例DB装置
75 法令DB装置
76 事故情報DB装置
77 保険情報DB装置
78 アンケートDB装置
79 ヒアリングDB装置
80 業界情報DB装置
110 リスク評価分析サーバ
120 運営者端末
130 顧客端末
210 判決例サーバ
220 法令サーバ
230 業界サーバ
240 統計情報サーバ
領域1 事業危険値以上の損害強度かつ10年以内の発生可能性をもつリスク項目の領域
領域2 事業危険値以上の損害強度かつ11年以上の発生可能性をもつリスク項目の領域
領域3 事業危険値未満であり保有限度額以上の損害強度を持ち10年以内の発生可能性をもつリスク項目の領域
領域4 事業危険値未満であり保有限度額以上の損害強度を持ちかつ11年以上の発生可能性をもつリスク項目の領域
領域5 保有限度額未満のリスク項目の領域
Claims (7)
- 顧客企業からの依頼に基づいて、リスク評価分析を行うリスク評価分析サーバと顧客端末とをインターネットにより接続してなるリスク評価分析システムであって、
前記リスク評価分析サーバは、
業種、従業員数に紐付けられて複数のリスク項目があらかじめ格納されたリスク項目データベース装置と、
前記顧客企業から提供された当該企業の業種、従業員数を含む情報に基づいて、前記リスク項目データベース装置を参照してリスク項目を選好するリスク項目選好装置と、
統計資料を項目に紐付けて検索可能な状態で格納した統計資料データベース装置と、
事故情報を項目に紐付けて検索可能な状態で格納した事故情報データベース装置と、
前記顧客企業の従業員へのアンケート結果を項目に紐付けて検索可能な状態で格納したアンケートデータベース装置と、
前記顧客企業の担当者又は企業経営者にヒアリングして得たヒアリング結果を項目に紐付けて検索可能な状態で格納したヒアリングデータベース装置と、
前記リスク項目選好装置が選好した前記リスク項目のそれぞれについて、前記統計資料データベース装置、前記事故情報データベース装置、前記アンケートデータベース装置、前記ヒアリングデータベース装置を参照して、当該企業においてどれぐらいの期間が経過したら起こる可能性があるか、すなわち損害頻度を算定する損害頻度算定装置と、
企業が損害を受けたことに関する裁判所の判決例を項目に紐付けて検索可能な状態で格納した判決例データベース装置と、
企業が果たすべき責任について定めた法律、政令、省令を含む情報を項目に紐付けて検索可能な状態で格納した法令データベース装置と、
業界情報を項目に紐付けて検索可能な状態で格納した業界情報データベース装置と、
前記リスク項目選好装置が選好した前記リスク項目のそれぞれについて、前記統計資料データベース装置、前記判決例データベース装置、前記法令データベース装置、前記事故情報データベース装置、前記アンケートデータベース装置、前記データベース装置、前記業界情報データベース装置を参照して、どれぐらいの金額の損害が見込まれるか、すなわち損害強度を算定する損害強度算定装置と、
前記損害頻度算定装置が算定した損害頻度と、前記損害強度算定装置が算定した損害強度とに基づいて、前記リスク項目の一つ一つを二次元のグラフにプロットしてリスク統計マップを作成するリスク統計マップ作成装置と、
財務諸表を項目に紐付けて検索可能な状態で格納した財務諸表データベース装置と、
前記財務諸表データベース装置を参照して、前記顧客企業から提供された財務諸表の経常利益額を事業危険値とするとともに、前記財務諸表の自己資本額をリスク境界値とし、キャッシュフロー計算書のキャッシュフロー値をキャッシュフロー値とし、キャッシュフロー値を入手できない場合には前記事業危険値の12分の1をキャッシュフロー値とする事業危険値算定装置と、
前記ヒアリングデータベース装置に格納してある、あらかじめ当該企業経営者にヒアリングして会計論でいう重要性の原則を決定して得た保有限度額を、参照して本システムで用いる保有限度額とし、前記ヒアリングデータベース装置から保有限度額が得られない場合は、前記キャッシュフロー値の10分の1を保有限度額として設定する保有限度額算定装置と、
前記事業危険値算定装置が算定した当該事業危険値、リスク境界値、キャッシュフロー値及び前記保有限度額算定装置が算定した当該保有限度額を損害強度における境界値として用いて補助線を引き、損害頻度における境界値としては、10年以内の発生可能性のあるものと11年以上の発生可能性のあるものとに分類する補助線を引くことにより、前記リスク統計マップ作成装置が作成したリスク統計マップを複数の領域に分類する領域分類装置と、
前記リスク項目の一つ一つが、前記領域分類装置が分類した領域のいずれに属するかを、前記領域の分類に用いた境界値と、各リスク項目の損害強度、損害頻度との大小比較処理を繰り返し実行することにより定めて、それに基づいて、各領域の優先順位とを対応させることにより、前記リスク項目の一つ一つへ対策を施す優先順位を決定する優先順位決定装置と
を有することを特徴とするリスク評価分析システム。 - 前記優先順位決定装置は、各領域に属するリスク項目の数を数え、いずれかの領域に含まれるリスク項目の数が、あらかじめ決めた数よりも多いか否かを判断し、
多い場合には、前記領域分類装置が、前記補助線の数を増やし、それに基づいて領域を分類し直して、リスク項目の優先順位を決定しなおす
ことを特徴とする請求項1に記載したリスク評価分析システム。 - 前記判決例データベース装置、前記法令データベース装置、前記業界情報データベース装置、前記統計資料データベース装置は、定期的に情報を更新することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したリスク評価分析システム。
- 前記損害強度算定装置は、前記業界情報データベース装置に記憶された同一の業界であって、同規模の企業を検索し、その検索結果の企業の過去事例に基づいて前記判決例データベース装置に記憶された過去判決例、前記法令データベース装置に記憶された法的根拠、及び前記顧客企業の財務諸表から前記損害強度を算定することを特徴とする請求項3に記載のリスク評価分析システム。
- 前記アンケートデータベース装置は、
前記顧客企業の従業員にアンケート調査をしたアンケート結果の情報を記憶し、
前記損害強度算定装置は、前記アンケートデータベース装置に記憶された情報に基づいて損害強度を金額として算定することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のリスク評価分析システム。 - 前記リスク評価分析サーバは、
業種情報、地域情報、従業員数情報を示す情報を記憶する企業情報データベース装置をさらに有し、
前記損害強度算定装置は、前記企業情報データベース装置を参照して、評価分析対象である前記顧客企業の業界、業種、地域情報、従業員数の情報うちのいずれか又はそれらの組み合わせに基づいて、過去事例を参照し損害強度を算定することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のリスク評価分析システム。 - 前記企業情報データベース装置は、立地条件、業種、業界、従業員数の統計情報をさらに有し、
前記損害頻度算定装置は、各リスクに対する発生状況を対象企業の立地条件、業種、業界、従業員数あるいは、前記アンケートデータベース装置に記憶された顧客企業における従業員からのアンケートを利用した統計情報から抽出して損害頻度を算定することを特徴とする請求項6に記載のリスク評価分析システム。
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JP2018006481A JP6385603B1 (ja) | 2018-01-18 | 2018-01-18 | リスク評価分析システム |
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