JP6385573B2 - クロストリジウム・ディフィシルの胞子発芽の阻害における、酸化鉄ナノ粒子の使用 - Google Patents

クロストリジウム・ディフィシルの胞子発芽の阻害における、酸化鉄ナノ粒子の使用 Download PDF

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    • A61P31/04Antibacterial agents

Description

1.本発明の分野
本開示は、クロストリジウム・ディフィシルの阻害に関する。より具体的には、本開示は、クロストリジウム・ディフィシルの胞子発芽の阻害における、Feδナノ粒子の新規の使用に関する。
2.関連技術の説明
胞子形成は、紫外線放射、乾燥、高温、極端な凍結及び化学消毒剤に耐えることを含む、過酷な環境及び栄養欠乏を、細菌が乗り切ることができるようにする。胞子は、環境が良好になると、増殖型状態に自身を再活性化することができる。それ故に、胞子を形成する病原体は、臨床的疾患の管理及び予防に対して挑戦状(例えば、バチルス及びクロストリジウムの感染)を突きつけている。クロストリジウム・ディフィシルは、医療関連感染、具体的にはC.ディフィシル感染(CDI)に関連する病原体であり、抗生物質処置に関連する下痢、偽膜性大腸炎、腹痛、発熱及び死の主な原因の一つである。CDIが発見されると、疾患を封じ込めるためには、ほんのわずかの抗生物質しか利用可能でない。さらに、第一選択の抗生物質の失敗率及び再発率の両方が高い。その結果、寄与死亡率は、診断後30日で6.9%、1年で16.7%である。
C.ディフィシルの胞子は、CDIの主な原因である。酸素感受性栄養細菌と比較すると、C.ディフィシル胞子は、過酷な環境(病院の表面など)に最大数ヶ月耐える可能性がある。腸管中の正常フローラが、C.ディフィシルの増殖を抑制することができ、それ故にCDIを抑制し得ることが知られている。しかしながら、CDIは通常、抗生物質の長期使用に供されている患者で起こり、それはしばしば医療従事者から獲得した胞子により開始される。胞子がヒト消化管に入ると、それらはタウロコール酸塩又はそれらの誘導体に暴露されることで発芽し、次いで結腸に定着する。C.ディフィシルの病毒性は、tcdAがコードする毒素A(エンテロトキシン)、及びtcdBがコードする毒素B(サイトトキシン)の発現にそれぞれ依存する。これらの両方が、感染した病巣での好中球の浸潤及び腸の炎症を引き起こす。
CDIの発症が増加しており、これが世界中の医療関連感染の主な原因になってきているという観点から、どのようにCDIを効率的に制御又は処置するかは、喫緊の課題になっている。メトロニダゾール、バンコマイシン、及びフィダキソマイシンを含む、多くの様々な抗生物質が、CDIの処置に使用されてきた。これらの抗生物質は通常、CDIに関連する症候を遅延又は停止することができるが、これらはまた、C.ディフィシルの抗生物質耐性株を生じさせる可能性がある。加えて、化学薬剤に対して耐性のある胞子の出現は、CDIの臨床的管理をさらに悪化させる。いくつかの新たに設計されたコール酸塩誘導体は、CDIに対する有望な効果を示す。しかしながら、それらは今もなお前臨床研究下にある。次亜塩素酸ナトリウムは、標準的な消毒剤であり、際立った抗微生物活性を示すが、それはまた、組織への刺激及び腐食性を含む、好ましくない効果を有している。
既知の典型的な処置の不十分な治療的有効性に起因して、様々な新規のアプローチが、現在開発されているところであり、この医療上の悩みの種を解決しようとしている。これらのアプローチの中で、ナノ粒子は、反応性酸素種の生成、細胞膜の破壊、有毒なイオンの放出、及び/又はチオ基結合能力を含む、様々なメカニズムを介して作用するそれらの抗細菌特性のために、多くの関心が寄せられてきた。抗細菌特性を備える既知のナノ粒子は、Ag、ZnO、TiO、及びゼロ価鉄ナノ粒子を含む。それにもかかわらず、最新の抗細菌ナノ粒子は、栄養細胞に対する殺生物活性を有するが、胞子に対する殺胞子活性を有しない。
前述の観点から、胞子の発芽を制御し、CDIを処置するために、関連分野において、有効な及び生体適合性の胞子制御戦略を開発する必要がある。
概要
以下は、読者に基本的な理解を提供するために、本開示の簡単な概要を提示する。この概要は、本開示の広範な概説ではなく、本発明の主要な/重要な要素を特定するものではなく、又は本発明の範囲を正確に記述するものでもない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本明細書に開示されるいくつかの概念を簡単な形で提示することである。
本明細書に具体化され、広く記載されているように、本明細書の開示は、C.ディフィシルの胞子発芽の阻害における、Feδナノ粒子(δが0〜0.3の数)の新規の使用に関する。したがって、Feδナノ粒子は、CDIを処置するための医薬品の製造に使用することができる。
本開示の一つの態様は、C.ディフィシルの胞子発芽をインビトロで阻害する方法に関する。この方法は、Feδナノ粒子(δが0〜0.3の数)の有効量をC.ディフィシルの胞子と共にインキュベートすることを含む。
本開示のいくつかの実施形態によれば、ナノ粒子は切頂八面体の形状を有し、ここで切頂八面体の各辺は約5〜25nmの長さを有する。一つの実施形態において、各辺の長さは約14nmである。別の実施形態において、各辺の長さは約22nmである。
本開示のいくつかの実施形態によれば、ナノ粒子の有効量は、少なくとも5μg/mLであり、好ましくは約5〜500μg/mLである。
本開示はまた、CDIを有する又は有する疑いのある被験体を処置するための組成物及び/又は方法を対象とする。したがって、この組成物は、上述のFeδナノ粒子(δが0〜0.3の数)の有効量及び医薬的に許容される担体を含む。ナノ粒子は切頂八面体の形状を有する。本開示のいくつかの実施形態によれば、切頂八面体の各辺は、約5〜25nmの長さを有する。本開示の一つの好ましい実施形態において、各辺の長さは約14nmである。別の特定の実施形態において、各辺の長さは約22nmである。
この方法は、被験体に本開示の組成物の治療的有効量を投与して、CDIの症候を緩和する又は改善することを含む。本開示のいくつかの実施形態によれば、約0.4〜4mg Feδナノ粒子/Kg体重を被験体に投与してよい。好ましくは約2〜4mg Feδナノ粒子/Kgを被験体に投与する。
本開示のいくつかの実施形態によれば、Feδナノ粒子を、経口、経鼻、又は非経口投与のいずれかの経路によって投与してよい。非経口投与は、筋肉内、静脈内、皮下、又は腹腔内注射のいずれかであってよい。
本開示の付随する特徴及び利点の多くが、以下の詳細な説明を参照してよりよく理解されるであろう。
この説明は、以下の詳細な説明を添付の図面に照らして読むことによって、よりよく理解されるだろう。
図1は、本開示の例1.1に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、胞子が、(A)ZnOナノ粒子、(B)Agナノ粒子、(C)Feナノ粒子、(D)Feナノ粒子、(E)非酸化鉄コア−金シェルナノ粒子(以後、「Fe@Auナノ粒子」と呼ばれる)、及び(F)Feδナノ粒子で、それぞれ処置されている。 図1は、本開示の例1.1に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、胞子が、(A)ZnOナノ粒子、(B)Agナノ粒子、(C)Feナノ粒子、(D)Feナノ粒子、(E)非酸化鉄コア−金シェルナノ粒子(以後、「Fe@Auナノ粒子」と呼ばれる)、及び(F)Feδナノ粒子で、それぞれ処置されている。 図1は、本開示の例1.1に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、胞子が、(A)ZnOナノ粒子、(B)Agナノ粒子、(C)Feナノ粒子、(D)Feナノ粒子、(E)非酸化鉄コア−金シェルナノ粒子(以後、「Fe@Auナノ粒子」と呼ばれる)、及び(F)Feδナノ粒子で、それぞれ処置されている。 図1は、本開示の例1.1に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、胞子が、(A)ZnOナノ粒子、(B)Agナノ粒子、(C)Feナノ粒子、(D)Feナノ粒子、(E)非酸化鉄コア−金シェルナノ粒子(以後、「Fe@Auナノ粒子」と呼ばれる)、及び(F)Feδナノ粒子で、それぞれ処置されている。 図1は、本開示の例1.1に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、胞子が、(A)ZnOナノ粒子、(B)Agナノ粒子、(C)Feナノ粒子、(D)Feナノ粒子、(E)非酸化鉄コア−金シェルナノ粒子(以後、「Fe@Auナノ粒子」と呼ばれる)、及び(F)Feδナノ粒子で、それぞれ処置されている。 図1は、本開示の例1.1に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、胞子が、(A)ZnOナノ粒子、(B)Agナノ粒子、(C)Feナノ粒子、(D)Feナノ粒子、(E)非酸化鉄コア−金シェルナノ粒子(以後、「Fe@Auナノ粒子」と呼ばれる)、及び(F)Feδナノ粒子で、それぞれ処置されている。
図2は、本開示の例1.2に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、胞子が、500μg/mLの22nm−Fe3−δ(▲)、500μg/mLの14nm−Fe3−δ(■)、50μg/mLの22nm−Fe3−δ(□)、50μg/mLの14nm−Fe3−δ(△)、及び3%ブリーチ(●)で、それぞれ処置されている。
図3は、本開示の例1.3に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、株CCUG 19126(A)及び株ATCC BAA−1805(B)の胞子が、500μg/mLのFeδ(▲)、 、5μg/mLのFeδ(△)、及び3%ブリーチ(●)で、それぞれ処置された。
図3は、本開示の例1.3に係る、C.ディフィシル胞子発芽の動態を示す図表であり、ここで、株CCUG 19126(A)及び株ATCC BAA−1805(B)の胞子が、500μg/mLのFeδ(▲)、 、5μg/mLのFeδ(△)、及び3%ブリーチ(●)で、それぞれ処置された。
図4は、本開示の例1.4に係る、コントロール、Feδナノ粒子、及びブリーチでそれぞれ処置されたC.ディフィシル栄養細胞の生存能力を示すヒストグラムである。
図5は、本開示の例2に係る、mockコントロール(胞子単独)、50μg/mL Feδ、及び500μg/mL Feδでそれぞれ処置したC.ディフィシル胞子のTEM画像であり、この写真は、10,000x(上側のパネル)及び30,000x(下側のパネル)の倍率で、それぞれ撮影された。
図6は、本開示の例2に係る、Feδナノ粒子処置を行った(レーン4−6)又は行っていない(レーン1−3)C.ディフィシル胞子の細胞外タンパク質(上側のパネル)及び細胞内タンパク質(下側のパネル)のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析である。
図7Aは、本開示の例3.1に係る、Feδナノ粒子処置を行った(白いバー)又は行っていない(黒いバー)胞子誘導CDIマウスの平均体重減少を示すヒストグラムである。
図7Bは、本開示の例3.1に係る、Feδナノ粒子処置を行った(白いバー)又は行っていない(黒いバー)胞子誘導CDIマウスの盲腸重量を示すヒストグラムである。
図7Cは、本開示の例3.1に係る、Feδナノ粒子処置を行った又は行っていない胞子誘導CDIマウスからそれぞれ単離された盲腸の炎症状態を示している。画像は、インビボイメージングシステム(IVIS)によって検出し(左のパネル)、データは分析してヒストグラムとして提示している(右のパネル)。
図7Dは、本開示の例3.1に係る、Feδナノ粒子処置を行った(右のパネル)又は行っていない(左のパネル)胞子誘導CDIマウスからそれぞれ単離された結腸組織の組織病理学的画像を示す写真である。この写真は、顕微鏡下で、20x又は40xの倍率で、それぞれ撮影されている。
図7Eは、本開示の例3.1に係る、示されている炎症性遺伝子のRNA発現を示すヒストグラムであり、RNAは、Feδナノ粒子処置を行った(黒いバー)又は行っていない(白いバー)胞子誘導CDIマウスの結腸からそれぞれ抽出される。
図8は、本開示の例3.2に係る、0、2、又は4mg Feδナノ粒子/Kg体重で処置された胞子誘導CDIマウスからそれぞれ単離された盲腸の炎症状態を示しており、画像はIVISにより検出され(上側のパネル)、データは分析されてヒストグラムとして表されている(下側のパネル)。
一般的な慣行にしたがい、記載されている様々な特徴/要素は、縮尺どおりに描かれていないが、代わりに、本発明に関連する特定の特徴/要素を示すのに最良に描かれている。
好ましい実施形態の詳細な説明
添付の図面に関連して以下に提供される詳細な説明は、本実施例の説明として意図されており、本実施例を構築又は利用できる唯一の形態を表すことを意図するものではない。この説明は、実施例の機能並びに実施例を構築及び操作するための一連のステップを記載する。しかしながら、同一又は等価の機能及び一連のステップは、異なる例により達成することができる。
便宜上、明細書、実施例及び添付の請求項において用いられるある特定の用語がここに集められる。本明細書中で他に定義されない限り、本開示において用いられる科学技術的専門用語は、当業者によって一般に理解され使用される意味を有するものとする。また、文脈によって特に要求されない限り、単数形の用語はその複数形を含むものとし、複数形の用語は、その単数形を含むものとすることが理解されるだろう。具体的には、文脈上別段の明示がない限り、本明細書中及び請求項で使用される、単数形「a」及び「an」は、複数形の参照を含む。また、本明細書中及び請求項で使用される、用語「少なくとも1つ」及び「1又は複数の」は、同じ意味を有し、1、2、3、又はそれ以上を含む。
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメーターが近似値であるにもかかわらず、特定の例に示された数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる、ある特定の誤差を含む。また、本明細書中で使用される、用語「約」は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%、又は0.5%以内を意味する。あるいは、用語「約」は、当業者によって考慮される場合、許容される平均値の標準誤差内にあることを意味する。操作例/実施例以外において、又は特に明記しない限り、本明細書中に開示される材料の量、時間、温度、操作条件、量の比などについての、数値範囲、量、値及びパーセンテージの全てが、すべての場合において、用語「約」により修飾されているものと理解されるべきである。したがって、反対に示されない限り、本開示及び添付の請求項に記載される数値パラメーターは、所望に応じて変化することのできる近似値である。少なくとも、各数値パラメーターは、報告された有効数字の数に照らして、及び通常の丸め技法を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
本明細書中で使用される、用語「非化学量論的な」は、明確に定義された自然数の比によって表現することができず、それ故に定比例の法則に反する、元素組成を有する、化学化合物を説明するために使用される。すなわち、非化学量論的な化合物は、全く同じ質量割合の元素を含有しない。
本明細書中で使用される、用語「処置(treating)」は、CDIに関連する症候、二次障害又は状態を、部分的に又は完全に防止、改善、軽減及び/又は管理することを包含する。本明細書中で使用される用語「処置」は、CDIの1又は複数の症候、二次障害又は特徴の、部分的な又は完全な緩和、改善、軽減、発症の遅延、進行の阻害、重症度の軽減、及び/又は発症率の低下を目的とした、CDIに関連する症候、二次障害、又は状態を有する被験体への、Feδナノ粒子の適用又は投与を指す。CDIに関連する症候、二次障害、及び/又は状態としては、下痢、腹痛、発熱、不快な大便臭、偽膜性大腸炎及び死が含まれるが、これらに限定されない。処置は、CDIに関連する症候、二次障害、及び/又は状態を発症するリスクを減少させる目的で、当該症候、障害、及び/又は状態の初期徴候のみを示す被験体に投与してよい。処置は、「有効」という用語が本明細書中で定義されるように、1又は複数の症候又は臨床的マーカーが減少する場合に、一般に「有効」である。あるいは、処置は、症候、障害又は状態の進行が軽減又は停止した場合に、「有効」である。
本明細書中で使用される用語「治療的有効量」は、所望の応答を生じるのに十分な成分(本発明のFeδナノ粒子など)の量を指す。特定の有効量は、処置される特定の状態、被験体の身体状態(例えば、被験体の体質量、年齢、又は性別)、処置されるほ乳類又は動物のタイプ、処置の期間、同時療法の性質(存在する場合)、及び用いられる特定の製剤などの因子で変わるだろう。治療的有効量はまた、治療的に有益な効果が、成分又は組成物のあらゆる有毒な又は有害な効果を上回る量である。有効量は、例えば、グラムで、ミリグラムで又はマイクログラムで、又はミリグラム毎体重のキログラム(mg/kg)として、表すことができる。あるいは、有効量は、モル濃度、質量濃度、体積濃度、質量モル濃度、モル分率、質量分率及び混合比などの、医薬組成物中の活性成分の濃度で表すことができる。具体的には、本明細書中に記載されるFeδナノ粒子に関連して使用される用語「治療的有効量」は、被験体におけるCDIの症候を緩和する又は改善するのに十分な、Feδナノ粒子の量を指す。
用語「被験体」は、本開示の方法で処置可能な、ヒト種を含むほ乳類を指す。用語「被験体」は、一つの性別が具体的に示されていない限り、オス及びメスの両方の性別を指すと意図される。
本発明の実践が、以後、C.ディフィシルの胞子発芽の阻害における、Feδナノ粒子(δが0〜0.3の数)の新規の使用に関して詳細に説明される。したがって、Feδナノ粒子は、CDIを処置するために使用することができる。
本開示の一つの態様は、C.ディフィシルの胞子発芽をインビトロで阻害する方法に関する。この方法は、C.ディフィシル胞子の発芽を抑制するために、Feδナノ粒子の有効量をC.ディフィシルの胞子と共にインキュベートするステップを含む。Fe(すなわち、マグネタイト)又はγ−Fe(すなわち、マグへマイト)と比較すると、本開示のFeδは、部分的に酸化されていて非化学量論的であり、ここでδは、0〜0.3の非整数である。
本開示のFeδは、任意の既知の方法にしたがい、例えば、本開示の実施例に例示される方法によって、調製することができる。典型的には、この方法は以下のステップを含む。
(1) 鉄アセチルアセトナートをオレイン酸及びトリオクチルアミン中に溶解させて、混合物溶液を形成させるステップ;
(2) ステップ(1)の前記混合物溶液を、不活性環境下で(例えば、真空又はN若しくはArの存在下で)約30分間還流させるステップ;
(3) ステップ(2)の沈殿物を磁石で回収するステップ;
(4) ステップ(3)の前記回収された沈殿物をトルエンで洗浄するステップ;
(5) ステップ(4)の前記洗浄された沈殿物を前記磁石で回収するステップ;
(6) ステップ(5)の前記回収された沈殿物を、ポリ(スチレン−alt−マレイン酸)含有クロロホルム溶液中へ添加し、前記Feδナノ粒子を形成させるステップ、及び
(7) ステップ(6)の前記Feδナノ粒子を前記磁石で回収するステップ。
上述の方法にしたがい調製されたFeδナノ粒子は、切頂八面体の形状を有してよく、切頂八面体の各辺の長さは約5〜25nmの範囲である。例えば、切頂八面体の各辺は、長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25nmであってよい。一つの例において、Feδナノ粒子は、約14nmの辺長さを有する。別の例において、Feδナノ粒子は、約22nmの辺長さを有する。
本開示のいくつかの実施形態によれば、それぞれ14nm及び22nmの辺長さを有するFeδナノ粒子は、C.ディフィシル胞子の発芽を抑制することができる。一つの例において、C.ディフィシル胞子は、CCUG 37780株に由来する。別の例において、C.ディフィシル胞子は、CCUG 19126株に由来する。さらに別の例において、C.ディフィシル胞子は、ATCC BAA−1805株に由来する。
他の実施形態によれば、本開示のFeδナノ粒子は、栄養型正常フローラの増殖を妨げることなく、殺胞子活性を示す。
本開示の他の実施態様において、Feδナノ粒子は、ZnOナノ粒子、Agナノ粒子、Feナノ粒子、Feナノ粒子、又はFe@Auナノ粒子よりも優れたC.ディフィシル胞子に対する阻害活性を示す。
本開示の一つの実施形態によれば、Feδナノ粒子は、C.ディフィシルの胞子表面に直接結合することができ、胞子の無傷構造を崩壊させることにより、胞子から細胞内タンパク質を漏出させることができる。
本開示のいくつかの実施形態によれば、C.ディフィシル胞子の発芽を抑制するために、本ナノ粒子は、C.ディフィシル胞子が存在する、意図される部位又は標的に、少なくとも5μg/mL、好ましくは約5〜500μg/mLの濃度で、投与される。ナノ粒子の典型的な有効量は50μg/mLである一方、ナノ粒子の別の典型的な有効量は500μg/mLである。
本開示の別の態様は、CDIを有する又は有する疑いのある被験体を処置する方法に関する。この方法は、被験体に本開示のFeδナノ粒子の治療的有効量を投与して、CDIの症候を緩和する又は改善するステップを含み、ここでFeδナノ粒子は部分的に酸化されており、δは0〜0.3の非整数である。
本開示のいくつかの実施形態によれば、Feδナノ粒子の処置有効性は、特定のC.ディフィシル胞子、例えば、CCUG 37780、CCUG 19126、又はBAA−1805株の胞子など、により引き起こされるCDIに限定されるものではなく、むしろあらゆるC.ディフィシル株の胞子により引き起こされるCDIにあてはまる。
被験体に投与するのに適切なFeδナノ粒子はそれぞれ、約5〜25nmの、例えば5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25nmなどの、辺長さを有する切頂八面体の形状を有する。本開示の一つの実施形態において、切頂八面体は、長さが約14nmの辺を有する。一方、別の実施形態において、切頂八面体の辺長さは約22nmである。
本開示のいくつかの実施形態によれば、Feδナノ粒子は、約0.4〜4mg/Kgの量で、すなわち、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、又は4.0mg/Kgのいずれかの量で、経口、経鼻、又は非経口投与のいずれかの経路によって、被験体に投与される。好ましくは、この量は約2〜4mg/Kgである。
本開示のFeδナノ粒子は、CDIの間及び/又はCDIの後に投与することができる。一つの実施形態において、Feδナノ粒子がCDIの間に投与され、2mg/KgのFeδナノ粒子が、CDIの症候を緩和する又は改善するのに十分である。別の実施形態において、Feδナノ粒子がCDIの後に投与され、2mg/Kg及び4mg/Kgの両方のFeδナノ粒子が、CDIに対して殺胞子有効性を示す。
いくつかの実施形態において、Feδナノ粒子は被験体に非経口的に投与され、非経口的とは筋肉内、静脈内、皮下、及び腹腔内注射を含むがこれらに限定されない。他の実施態様において、ナノ粒子は経口投与を介して処置される。
本開示は、CDIに関連する臨床的な医療上の悩みの種を解決する解決策を提供する。以下の実施例は、C.ディフィシル胞子の発芽の阻害及び/又はCDIの処置におけるFeδナノ粒子の使用を示す。本開示の好ましい実施形態において、Feδナノ粒子は、C.ディフィシル胞子によって誘導される大腸炎を和らげる可能性がある。実施例は例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定しない。
実施例
材料及び方法
細菌インキュベーション及び胞子精製
C.ディフィシルCCUG37780及びCCUG19126は、ヨーテボリ(Goteborg)大学(Goteborg、Sweden)の微生物保存機関から購入した。ATCC BAA1805は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(Manassas、VA)から購入した。全ての株は、0.5%酵母エキス(212750、BD Difco)及び0.1%L−システイン(7048046、Amresco、Solon、HO)を添加したブレインハートインフュージョン培地(BHIS;237500、BD Difco、Franklin Lakes、NJ)中で、37℃で、嫌気性条件下で、インキュベートした。胞子は、以前の研究で述べられた手順にわずかな修正を加えたもの(「Bile Salts and Glycine as Cogerminants for Clostridium difficile Spores.」 J Bacteriol 2008、190:2505−2512)にしたがい、調製及び精製した。簡単に言うと、BHIS培地中のC.ディフィシルに、新鮮なBHIS培地を添加することにより、光学密度600nm(OD600)が0.2の値になるように希釈した。900μLの希釈細菌懸濁液を、BHIS寒天を備える6穴ディッシュに添加し、次いでこのディッシュを、37℃で、嫌気ジャー(O−HP011A、Thermo Oxoid、Oxoid Ltd.、Basingstoke、England)中で、4日間インキュベートした。次いで細胞を1mL氷冷滅菌Milli−Q(MQ)水で6穴ディッシュから回収し、次いで4℃で一晩置いた。氷冷滅菌水での5回の洗浄の後、細菌を3mL氷冷滅菌MQ水で再懸濁した。この懸濁液を遠心チューブ中の10mL 50%(wt/vol)スクロース溶液(409704、J.T. Baker Chemical Co.、Phillipsburg、PA)の上に広げ、次いで3,500gで20分間遠心分離して、栄養細胞から胞子を分離した。遠心分離チューブの底部にある精製された胞子を、氷冷滅菌水で5回洗浄し、スクロースを除去した。精製された胞子は、使用するまで4℃で保存した。
胞子発芽
本研究において、2〜10mMのタウロコール酸塩を使用し、C.ディフィシルの株CCUG 37780における胞子発芽応答を調査した。株CCUG 37780は、tcdA遺伝子及びtcdB遺伝子を欠いており、比較的安全な株であると考えられる。胞子発芽に対するナノ粒子の阻害活性を、CCUG 37780株を使用して試験した。10mMタウロコール酸塩で処置したC.ディフィシル胞子は、他の濃度で観察されたものと比較して、最も顕著な発芽曲線を示した(p<0.0001、Tukeyの多重比較検定)。それ故に、10mMタウロコール酸塩で前処置したC.ディフィシル胞子を以下の研究で使用した。
ナノ粒子調製
Fe3−δナノ粒子を熱分解によって調製した。簡単に言うと、1.42gの鉄アセチルアセトナート(517003、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)を、0.57mLのオレイン酸(27726、Sigma−Aldrich)及び20mLのトリオクチルアミン(T81000、Sigma−Aldrich)と混合した。この溶液を、325℃で、Ar環境下で、30分間還流した。溶液を室温に冷却した後、沈殿物を磁石で回収し、トルエンで3回洗浄した。Fe3−δナノ粒子を磁石で回収し、0.4mg/mLポリ(スチレン−alt−マレイン酸)(662631、Sigma−Aldrich)を含有するクロロホルム溶液(UN1888、Merck、Whitehouse Station、NJ)に移し、2時間放置した。Fe3−δナノ粒子を回収し、MQ水で3回洗浄した。
Fe@Auナノ粒子を以下のステップによって調製した。6gのセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB、H6269、Sigma−Aldrich)、5gの1−ブタノール(33065、Sigma−Aldrich)、及び15gのオクタン(296988、Sigma−Aldrich)を含む、2.4mLのFeSO(0.5M、31236、Riedel−de Haen、Seelze、Germany)を、2.4mLのMQ水中1.0M NaBH(71320、Sigma−Aldrich)と5分間混合し、鉄ナノ粒子溶液を形成させた。1.8mLのMQ水中0.44M HAuCl(16961−25−4、Alfa Aesar、Ward Hill、MA)及び1.8mLのMQ水中1.6M NaBHを鉄ナノ粒子溶液中へ添加し、さらに30分間撹拌した。Fe@Auナノ粒子を、磁石を含む99.9%エタノール(800605、J.T. Baker Chemical Co.)で、洗浄した。
ZnOナノ粒子を、化学浴析出システムによって生成した。0.1M 硝酸亜鉛六水和物(263−00335、Wako、Osaka、Japan)及び0.1M ヘキサメチレンテトラミン(081−00332、Wako)を、Si(100)基板(Wafer Works Corporation、Taiwan)と共に、95℃で、8時間ブレンドした。反応後、ZnOナノ粒子を蒸留水で5回洗浄した。
銀ナノ粒子を以下のステップにしたがい合成した。簡単に言うと、3.4mMの硝酸銀(s6506、Sigma−Aldrich)及び0.46mMのクエン酸ナトリウム三塩基性二水和物(s4641、Sigma−Aldrich)を、室温で撹拌することにより混合した。次いで、8.8mMの水素化ホウ素ナトリウムを混合物へ添加し、10分間室温で撹拌を続けた。合成された銀ナノ粒子を99.9%エタノール中で保存した。
6nmのFeナノ粒子を、Taiwan Advanced Nanotechから購入した(TANBead(登録商標)USPIO−101)。
光学密度600nm検出による胞子発芽試験
栄養細胞を除去するために、発芽が起こる前に、胞子懸濁液を最初に60℃で30分間インキュベートした。次いで、熱処置された胞子を使用前に氷に移した。OD600 0.5の濃度のC.ディフィシル胞子を、様々なナノ粒子と共に、及び/又は様々な濃度(5〜500μg/mL)で、BHIS中、96穴プレート中で、20分間、共インキュベートした。本研究において、3%ブリーチ(197−02206、Wako)で処置した胞子をポジティブコントロールとして、BHISのみの中にある胞子をネガティブコントロールとして使用した。粒子との共インキュベーションの後、10mMタウロコール酸塩(T4009、Sigma)を添加して、胞子発芽を開始した。処置された胞子のOD600を、分光光度計(16039400、TECAN、Grodig、Austria)によって、室温で、12分まで、1分間の時間間隔で、動態学的に測定した。胞子発芽の経時変化を、様々な時点でそれぞれ測定されたODに対してプロットした。
発芽カイネティックアッセイ
精製され加熱された胞子を、Fe3−δ(50μg/mL)を含む又は含まないBHIS中で、96穴ディッシュ中で、20分間インキュベートし、次いで2、5、10、20、40、又は50mM タウロコール酸塩で処置した。本研究において、3%ブリーチを、発芽を阻害するポジティブコントロールとして使用した。タウロコール酸塩をアリコートに添加した後に、OD600を測定した。
胞子結合アッセイ
OD600 0.5の濃度のC.ディフィシルBAA 1805胞子を、Fe3−δナノ粒子(500μg/mL)と共に、BHIS中で、96穴プレート中で、20分間、共インキュベートした。Fe3−δナノ粒子を添加していない胞子がコントロールであった。全てのサンプルを磁石の下に5分間置き、次いで全ての上清を除去した。磁石に引きつけられた部分及び上清を、1X PBSでそれぞれ3回洗浄した。全てのサンプルを蒸留脱イオン水に再溶解させた。次いで、胞子及びナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM、JEM−1400、JEOL、Japan)を用いてイメージングした。
タンパク質漏出アッセイ
OD600 0.5の濃度の胞子を、Fe3−δナノ粒子(500μg/mL)と共に、MQ水中で、96穴プレート中で、20分間、共インキュベートした。次いで、このサンプルを、3,500gで10分間遠心分離した。上清を除去し、ペレットを再懸濁及び超音波処理した。胞子内部の残存タンパク質を測定するために、各群の細菌溶解物を遠心分離(8000g、4℃、10分間)によって回収した。回収されたタンパク質サンプルを、15% SDS−PAGE及び染色キット(17−1150−01、Amersham Biosciences、Sppsala、Sweden)での銀染色に供し、細菌胞子タンパク質の相対量を視覚化した。
インビボC.ディフィシル感染(CDI)
動物は、特定病原体除去バリア施設で飼育した。動物に関係する全ての実験手順は、National Cheng Kung Universityの治験動物飼育及び使用委員会(Instritutional Animal Care and Use Committe)(IACUC)によって承認された関連手順に従った。試験開始時の各マウスの体重は、約25gであった。
結腸の炎症を直接モニターするために、NF−κB(NF−κB−RE−ルシフェラーゼ)の転写制御下にある、ルシフェラーゼ導入遺伝子を含む、NF−κB依存性レポーターマウスモデルを、C.ディフィシル胞子によって感染させた。マウスに胞子を与える前に、抗生物質カクテル(0.4mg/mLカナマイシン、0.035mg/mLゲンタマイシン、及び0.057mg/mLコリスチン)をそれらの飲用水に48時間添加した。新鮮なカクテルを24時間毎に2日間交換した。このマウスを、C.ディフィシル胞子感染(CDI)の前に、200μLのプロトンポンプ阻害剤(PPI、2mg/mL)で、12時間毎に2日間、強制飼養した。
マウスを、C.ディフィシルの株、すなわち、CCUG 19126及びBAA−1805の胞子でそれぞれ感染させた。CCUG 19126感染の群において、100μLの蒸留水でマウスを強制飼養する前に、2x10CFUのC.ディフィシル胞子CCUG 19126を、500μg/mL Fe3−δと共に又は500μg/mL Fe3−δなしで、20分間、共インキュベートした(約2mg/Kg体重)。胞子及びFe3−δナノ粒子が共インキュベートされている時間の間に、全てのマウスを50μL PPI(2mg/mL)で強制飼養し、クリンダマイシン(4mg/kg)を腹腔内注射した。CDIの後、抗生物質カクテル水を普通の水に交換した。
BAA−1805感染の群において、マウスを50μL PPI(2mg/mL)で強制飼養し、クリンダマイシン(4mg/kg)を腹腔内注射した後、マウスにC.ディフィシル胞子BAA−1805(2x10CFU)を与えた。24時間後、マウスを、100μLの0、500及び1000μg/mL Fe3−δナノ粒子(約0、2及び4mg/Kg体重)で、24時間毎に2日間、それぞれ強制飼養した。
全てのマウスを、下痢、体重減少、前かがみの姿勢、及び死を含む、CDI症候についてモニターした。感染から72時間後に、ルシフェラーゼ基質であるルシフェリン(Xenogen、PerkinElmer、Waltham、MA)を、150mg/kgの用量で腹腔内注射し、NF−κB活性化媒介発光を誘導した。マウスをイソフルラン/酸素で麻酔し、IVISスペクトルイメージングシステム(Xenogen)によって画像を5分間収集した。データをLivingImage(登録商標)ソフトウェア(Xenogen)によって分析し、ルシフェラーゼ活性を光子数/秒/cm2/ステラジアン(p/s/cm2/sr)で表した。IVIS画像を得た後、TRI試薬(T9424、Sigma)によりRNAを結腸から抽出した。炎症性遺伝子発現のレベルを、リアルタイムPCR(StepOnePlus、Applied Biosystems)によって測定した。CDIの割合を見積もるために、大便を回収し、大便中のDNAを、DNA抽出キット(11814770001、Roche)で精製した。マウス大便中のtcdB遺伝子を、PCRによって検出した。
組織病理学的分析
組織病理学的分析を実施して、CDIによって誘導された粘膜損傷及び炎症を評価した。切除された結腸組織を、PBSで緩衝した4%ホルムアルデヒド中で固定し、次いでパラフィンに包埋した。顕微鏡を用いて実施した組織学的分析のために、脱パラフィンした6μm厚の切片を、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。好中球数は、胞子単独群、及びFe3−δで処置された胞子群について、10視野でランダムに計数した。
統計的分析
統計的分析を、GraphPad Prismバージョン5.01により実施した。この研究における全ての実験は、三重反復され、データは、3つの独立した実験からの平均値±平均値の標準誤差(SEM)として報告した。Tukeyの多重比較検定を伴う一元配置ANOVAを胞子発芽曲線分析において使用し、Studentのt検定を他のCFU阻害試験において使用した。両方の統計的方法において、P<0.05、0.01、0.001を有意性のレベルとみなした。
例1 Fe3−δナノ粒子の殺胞子活性
C.ディフィシルの胞子発芽の阻害におけるFeδナノ粒子の使用を、以下の例において評価した。
1.1 C.ディフィシルの胞子に対するFe3−δナノ粒子の殺胞子活性
様々なナノ粒子が、周囲の組織に影響を与えることなく、優れた殺菌性特性を有することが知られている。しかしながら、ナノ粒子と細菌胞子発芽との間の相互作用は、まだ完全には調べられていない。胞子発芽と殺菌性ナノ粒子との間の相互作用を調査するために、ZnOナノ粒子、Agナノ粒子、Feナノ粒子、Feナノ粒子、Fe@Au、及びFeδナノ粒子を本研究において試験した。文献報告にしたがい、20分間ブリーチで不活性化した胞子をポジティブコントロールとして使用した。細菌胞子を、5、50、及び500μg/mLの範囲の様々な濃度のナノ粒子と共に、20分間共インキュベートした後、次いで胞子を10mM タウロコール酸塩の添加により刺激し、胞子発芽を誘導した。
図1に示された結果は、ZnO(図1A)、Ag(図1B)、及びFeナノ粒子(図1D)を含む周知の殺菌性ナノ粒子が、それぞれ制限された胞子発芽阻害活性を有することを示した。さらに、本研究において、C.ディフィシルの株CCUG 37780は、完全に酸化されたFeナノ粒子と反応せず(図1C)、Fe@Auナノ粒子とも反応しなかった(図1E)。5μg/mL Feδナノ粒子は胞子発芽にわずかな影響しか与えなかったが、50及び500μg/mL Feδナノ粒子は、胞子発芽に際立った阻害的効果を示した(図1F)。特に、500μg/mLの濃度では、胞子発芽に対するFeδナノ粒子の阻害的効果は、ブリーチポジティブコントロールのものと統計的に差がなかった(p>0.5、Tukeyの多重比較検定、図1F)。
これらのデータは、他の既知の殺菌性ナノ粒子と比較して、本開示のFeδナノ粒子が、優れた殺胞子活性を有し、50及び500μg/mLの両方のFeδナノ粒子処置が、胞子が活性栄養細胞を形成するのを有効に防止することができることを示した。
1.2 様々なサイズを有するFe3−δナノ粒子の殺胞子活性
Feδナノ粒子は、5〜25nmの範囲の辺長さを有する切頂八面体として合成され得るため、胞子発芽に及ぼし得るFeδナノ粒子のサイズ効果をさらに調査した。したがって、それぞれ異なる辺長さ(すなわち、14nm対22nm)を有する2つのFeδナノ粒子を使用して、CCUG 37780株の胞子を処置した。図2のデータは、胞子発芽の阻害の点で、これら2つのナノ粒子の間に有意差がなかったことを示している(500μg/mL濃度ではp=0.5195、50μg/mLではp>0.99、Tukeyの多重比較検定)。それ故に、C.ディフィシル胞子発芽の阻害活性の原因となるのは、Feδナノ粒子のサイズではなく、濃度である。
1.3 C.ディフィシルの様々な株の胞子に対する、Fe3−δナノ粒子の殺胞子活性
本例において、C.ディフィシルのtcdA及びtcdB陽性株、すなわち、CCUG 19126及びATCC BAA−1805の胞子に対するFeδの阻害活性を調査した。したがって、10mM タウロコール酸塩処置の前に、CCUG 19126及びATCC BAA−1805株を、様々な濃度のFeδナノ粒子(すなわち、5、50、及び500μg/mL)に20分間暴露した。結果を図3に示す。
図3に示されるように、Feδナノ粒子は、500μg/mLの濃度で、CCUG 19126(図3A)及びATCC BAA−1805(図3B)株の両方に対して同様の効果を示した一方で、CCUG 19126は、50μg/mLより低い濃度で、Feδナノ粒子に比較的より耐性であった(図3A)。
このデータは、胞子発芽に対するFeδナノ粒子の阻害活性が、C.ディフィシルのいずれの特定の株にも特異的ではないことを示唆した。換言すれば、Feδナノ粒子は、C.ディフィシルの全ての株の胞子に有効である。
1.4 C.ディフィシルの栄養細胞に対するFe3−δナノ粒子の殺菌活性
優れた胞子発芽阻害活性にもかかわらず、栄養細胞に対するFeδナノ粒子の殺菌性特性を、C.ディフィシルの異なる株間でさらに調査した。最初に、栄養細胞を500μg/mL Feδナノ粒子で20分間処置し、次いでさらなるCFU計数のために、BHIS寒天プレートの上に広げた。図4に示されるように、Feδナノ粒子で処置された細胞は、ネガティブコントロール群と匹敵する同様の増殖挙動を示した。一方で、3%ブリーチで処置された細胞の増殖は、ほぼ完全に排除された。
まとめると、胞子発芽に対する本開示のFeδナノ粒子の阻害活性は、CCUG 37780、CCUG 19126、及びATCC BAA−1805を含む、C.ディフィシルの異なる株間で共通していた。しかしながら、C.ディフィシルの栄養細胞に対しては効果がなかった。
例2 C.ディフィシルの胞子に対するFe3−δナノ粒子の特徴付け
Feδと胞子との間の相互作用を明らかにするために、Feδで処置された胞子を、透過型電子顕微鏡(TEM)下で調べる。TEM画像から明らかなように、Feδナノ粒子は50μg/mL Feδで胞子に結合し始めた。そして、Feδナノ粒子の濃度を500μg/mLに増加させると、胞子は、過剰量に存在するFeδナノ粒子によって完全に覆われた(図5)。それ故に、Feδナノ粒子は、用量依存的に、C.ディフィシル胞子に直接結合する。
Feδの直接結合が、胞子の無傷構造を損傷し、最終的に崩壊させるかどうかをさらに明らかにするために、Feδナノ粒子で処置された胞子(又はFeδナノ粒子で処置されていない胞子)を、そこから漏出するタンパク質について、SDS−PAGEを用いてさらに分析した。結果を図6に示す。
処置されていない胞子と比較すると、2つの主要なタンパク質バンドが、Feδで処置された胞子の上清で観察された(図6、レーン1〜3対レーン4〜6)。この結果は、Feδナノ粒子が胞子に結合すると、これにより胞子の構造がいくらか損傷し、それ故にタンパク質が上清に漏出した可能性があることを示唆した。
このデータはつまり、本開示のFeδナノ粒子がC.ディフィシルの胞子に直接結合し、続いてその損傷を引き起こす事ができることを示した。
例3 C.ディフィシル感染(CDI)の処置におけるFe3−δナノ粒子の使用
本例において、「材料及び方法」のセクションで述べたステップにしたがい予め開発したNF−κB依存性レポーターマウスモデルを用いて、CDIに対するFeδナノ粒子のインビボ有効性を調査した。例3.1において、このマウスをC.ディフィシル胞子CCUG 19126で感染させた。Feδナノ粒子の治療的有効性を図7に示す。例3.2において、マウスをC.ディフィシル胞子BAA−1805で感染させた。結果を図8に示す。
3.1 CCUG 19126感染
CDI感染を有する動物は、有意な体重減少を示し、これはFeδナノ粒子の処置によって大きく減衰した(2mg/Kg体重、p=0.0119、Studentのt検定)(図7A)。体重減少の減衰は、盲腸重量の測定によって確認され、ここでFeδで処置された群の盲腸は、コントロール群のものよりも重く健康であり(p=0.0024、Studentのt検定、図7B)、軽度の炎症を示した(p=0.0406、Studentのt検定、図7C)。組織病理学的画像はまた、好中球浸潤が、コントロール群のものに比べて、Feδで処置された群において減少したことを確認した(図7D)。さらに、分子レベルでは、定量的リアルタイムPCRは、Feδで処置された群において、TNF−α、IFN−γ、及びIL−1βを含む炎症性遺伝子の発現が、コントロール群のものに比べて、有意に減少したことを確認した(TNF−αについてはp=0.0088、IFN−γについてはp=0.0276、IL−1βについてはp=0.0097、Studentのt検定、胞子単独群と比較して、図7E)。さらに、Feδで処置された胞子の群のCDIの割合(33%)は、コントロール群のもの(66%)よりも低かった(データは示されず)。
まとめると、これらの結果は、2mg/Kg Feδの処置が、C.ディフィシルの胞子CCUG 19126により引き起こされる炎症のレベルを低減することができることを示した。
3.2 BAA−1805感染
別のC.ディフィシル胞子−BAA−1805に対するFeδの治療的有効性を本例において調査した。臨床状況をさらに模倣するために、マウスを胞子BAA−1805で24時間感染させ、続いて0、2、又は4mg/Kg Feδナノ粒子の処置を行った。
図8のデータによれば、結腸炎症シグナルは、Fe3−δナノ粒子処置群よりも、コントロール群(すなわち、胞子単独)において、より強かった(p<0.05)。Fe3−δナノ粒子の両方の投与量(すなわち、2及び4mg/Kg)は、C.ディフィシルの胞子BAA−1805により誘導された炎症を効率的に抑制することができた。
したがって、本Feδナノ粒子は、CDIの間に又はCDIの後に投与することができ、両方の処置時点は、CDIに関連する症候を効率的に抑制することができる。
全体として、Feδナノ粒子は、C.ディフィシルの胞子発芽を阻害することができる。殺菌活性を有する他の既知のナノ粒子と比較して、Feδナノ粒子は優れた殺胞子活性を示す。有意に、Feδナノ粒子の阻害的効果は、ある特定のC.ディフィシル株の胞子に限定されず、全ての株に有効である。さらに、低用量(例えば、インビトロ適用については5μg/mL、インビボ適用については2mg/Kg)のFeδナノ粒子が、C.ディフィシルの胞子発芽を抑制するのに十分である一方で、被験体のCDI感染を処置しながらも、栄養型正常フローラの増殖は影響を受けないままである。
実施形態の上記の説明は、単なる例として与えられており、様々な変更が当業者によってなされ得ることが理解されるであろう。上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の典型的な実施形態の構造及び使用の完全な説明を提供する。本発明の様々な実施形態が、ある程度特定して、又は1又は複数の個別の実施形態を参照して、上に述べられてきたが、当業者は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、開示の実施形態に数多くの変更を行うことができる。

Claims (11)

  1. クロストリジウム・ディフィシルの胞子発芽をインビトロで阻害する方法であって、クロストリジウム・ディフィシルの胞子をFe 3−δ ナノ粒子(δは0〜0.3の数)の有効量と共にインキュベートすることを含む、方法。
  2. 前記ナノ粒子が、切頂八面体の形状を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記切頂八面体の各辺が、約5〜25nmの長さを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記長さが約14nmである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記長さが約22nmである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記ナノ粒子の前記有効量が約5〜500μg/mLである、請求項1に記載の方法。
  7. クロストリジウム・ディフィシル感染の処置のための医薬であって、Fe 3−δ ナノ粒子(δは0〜0.3の数)の有効量を含み、前記Fe 3−δ ナノ粒子がクロストリジウム・ディフィシルの胞子発芽を阻害する、医薬。
  8. 前記ナノ粒子が切頂八面体の形状を有する、請求項7に記載の医薬。
  9. 前記切頂八面体の各辺が、約5〜25nmの長さを有する、請求項8に記載の医薬。
  10. 前記長さが約14nmである、請求項9に記載の医薬。
  11. 前記長さが約22nmである、請求項9に記載の医薬。
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