以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の実施の形態においては、画像読取装置が画像形成装置である場合について説明する。画像形成装置は、電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものであり、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFPや、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどを含む。画像読取装置は、原稿の画像を読み取り可能なものであればよく、画像形成装置の他、スキャナなどであってもよい。
[第1の実施の形態]
始めに、本発明の第1の実施の形態におけるMFPの構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるMFP100の概観を示す図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置としてのMFP100は、自動原稿送り装置を含む画像読取部21と、画像処理部23と、画像形成部25と、給紙部13と、後処理部41と、排紙トレイ17とを備えている。
MFP100が複写機として使用される場合やスキャナとして使用される場合などには、ユーザーによって画像読取部21の給紙トレイ21aにセットされた原稿が、画像読取部21で読み取られる。画像処理部23は、画像読取部21で読み取った画像データなどを処理する。画像形成部25は、給紙部13から給紙された用紙に対して、画像処理部23で処理された画像データに基づいて画像を形成する。画像が形成された用紙は、必要に応じて後処理部41にて後処理が施され、排出トレイ17へ排出される。
図2は、図1のMFP100の制御部10の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、MFP100は制御部10を備えている。制御部10は、CPU(中央演算処理装置)11と、画像読取部21と、画像処理部23と、画像形成部25と、画像出力部27と、ファクシミリ制御部29と、ネットワーク接続部31と、ROM(Read Only Memory)33と、RAM(Random Access Memory)35と、HDD(Hard Disk Drive)37と、操作パネル(MFP表示部)39と、後処理部41と、特定原稿検出部43と、特定原稿除去部45とを備えている。
画像読取部21は原稿の画像を読み取る。画像処理部23は画像データに対して処理を行なう。画像形成部25は画像処理部23にて処理された画像データに基づいて用紙などに画像を形成する。画像出力部27は画像データなどの出力処理を制御する。ファクシミリ制御部29は通信回線を通して画像データを送信する。ネットワーク接続部31はMFP100と外部機器との接続を制御する。ROM33は、MFP100の制御プログラムなどを保存する。RAM35は、画像読取部21にて読み取った画像データなどのデータを一時的に記憶する。HDD37は、各種データを保存し、データの書き換えが可能である。操作パネル39は、ユーザーからMFP100の操作を受け付けたり、ユーザーへの各種情報の表示を行ったりする。後処理部41は読み取った原稿および/または画像形成した用紙に対して後処理を施す。特定原稿検出部43は、画像読取部21にて読み取った画像から特定原稿を検出する。特定原稿除去部45は、画像読取部21にて読み取った画像データから特定原稿を削除する。
CPU11を中心に、各モジュールが通信および制御信号に基づいて制御される。CPU11は、画像読取部21、画像処理部23、画像形成部25、画像出力部27、ファクシミリ制御部29、ネットワーク接続部31、ROM33、RAM35、HDD37、操作パネル39、後処理部41、特定原稿検出部43、および特定原稿除去部45の各々と、通信または信号の送受信を実施することで、制御部10全体を制御する。
本実施の形態においては、特定原稿が白紙の原稿である場合を想定している。白紙の原稿は、典型的には全く印刷がされていない原稿であるが、全く印刷がされていない原稿の他、たとえばヘッダやフッタなどが付されているものの、本文が記載されていない原稿(実質的に白紙の原稿)などを含んでいてもよい。特定原稿とは、どのような種類の原稿であってもよい。特定原稿としては、OCR(Optical Character Recognition)処理で原稿の文字を読み取った結果、「複写禁止」などの特定の文字が検出された原稿や、文字領域が存在せず画像のみである原稿や、画像領域が存在せず文字のみある原稿などであってもよい。どのような原稿を特定原稿とするかの設定をユーザーや管理者から受け付けてもよい。
図3は、図1に示すMFP100の操作パネル39の概観を示す図である。
図3を参照して、操作パネル39は、各種設定項目やメッセージなどを表示し、かつユーザーから各種設定を受け付けるタッチパネル51と、MFP100のコピー機能を利用する際に押下されるコピーキー53と、プレビュー機能やリアルタイムプレビュー機能を設定する際に押下されるプレビューキー54と、各機能のジョブの実行を受け付けるスタートキー55と、各種数値の入力を受け付けるテンキー57などを含んでいる。
続いて、プレビュー機能を設定した状態で複数のページよりなる原稿を読み込んだ場合のMFP100の動作について説明する。
図4は、プレビュー機能を設定した状態で、白紙を含む複数のページよりなる原稿を読み込んだ場合に、操作パネル39に表示されるプレビュー画像を模式的に示す図である。
なお、説明の便宜のため、以降の図および説明において、各原稿およびその画像にはページ数(P1、P2、P3、・・・最後)を付す場合がある。また以降の図において、白紙でない原稿(特定原稿でない原稿)およびその画像には点線のハッチングを付し、白紙である原稿およびその画像には「白紙」の文字を付す場合がある。
図4を参照して、プレビュー機能を設定した状態(たとえばプレビューキー54が1回押下された状態)で、コピージョブの実行指示をユーザーから受け付けると、画像読取部21は、原稿の画像を1ページずつ読み取り、読み取った原稿の画像を電子化し、電子化したデータ(画像データ)をRAM35に記憶する。特定原稿検出部43は、RAM35に記憶された画像データから白紙を検出する。
たとえば原稿が1〜3ページよりなる場合において、2ページが白紙であるときは、1〜3ページの画像データがRAM35に記憶され、2ページの白紙が特定原稿検出部43で検知される。
操作パネル39は、原稿の全ページの画像の読み取りが完了すると、読み取りを完了したページのプレビュー画像(縮小画像)をページ順(読み取り順)に1枚ずつタッチパネル51に表示する。特定原稿検出部43が白紙を検出した場合、操作パネル39は、そのページのプレビュー画像を表示する代わりに、白紙であることを示す表示をタッチパネル51に行う。
具体的には、原稿P1〜P3の画像の読み取りが完了すると、(a)に示すように、タッチパネル51には、原稿P1(1ページ)のプレビュー画像が表示される。次に、次ページを表示する指示を、操作パネル39を通じてユーザーから受け付けると、白紙である原稿P2(2ページ)のプレビュー画像は表示されず、たとえば矩形のアイコン101が入れ替えて表示される。次に、次ページを表示する指示を、操作パネル39を通じてユーザーから受け付けると、(c)に示すように、原稿P3(3ページ)のプレビュー画像が表示される。アイコン101は、特定原稿(白紙)であることを示す表示の一例であり、どのような形状のものであってもよい。また特定原稿であることを示す表示としては、アイコンの他、文字(メッセージ)などであってもよい。
全てのページをプレビュー表示した後、操作パネル39を通じてユーザーから出力の指示を受け付けた場合には、特定原稿除去部45は、RAM35に記憶された画像データから、特定原稿検出部43が検出した白紙の画像データを除去する。そして画像形成部25は、白紙の画像データを除いた後の画像を用紙に対して印刷する。画像形成以外のジョブの実行指示をユーザーから受け付けた場合には、画像出力部27は、白紙の画像データを除いた後の画像を出力する。
具体的には、原稿P2の画像データが除去され、原稿P1およびP3のそれぞれの画像が印刷された用紙が出力される。
特定原稿を検出した場合に、その画像の代わりにアイコン101を表示し、かつ特定原稿を画像データから除去して出力する上述の機能(以下、特定原稿除去機能と呼ぶことがある)は、ジョブ開始直前にたとえば操作パネル39を通じてユーザーによって設定されてもよいし、管理者によって初期設定されていてもよい。
図5は、第1の実施の形態におけるMFP100の動作を示すフローチャートである。
図5を参照して、プレビュー機能を設定した状態でジョブの実行指示を受け付けると、MFP100のCPU11は、ジョブを開始する(S0)。ジョブは、画像の読み取りを含むジョブでればよく、たとえばコピー、ファクシミリ送信、インターネット通信を利用した送信、またはMFP100の記憶部(HDD37など)への保存などである。
次にCPU11は、特定原稿除去機能が設定されているか否かを判別する(S1)。ステップS1において、設定されていると判別した場合(S1でYES)、CPU11は、特定原稿除去フラグを「True」にセットし(S2)、ステップS4の処理へ進む。一方、ステップS1において、設定されていないと判別した場合(S1でNO)、CPU11は、特定原稿除去フラグを「False」にセットし(S3)、ステップS4の処理へ進む。これにより、特定原稿除去機能の設定の有無に従って、MFP100内部(たとえばRAM35)の特定原稿除去フラグが「True」または「False」にセットされる。
ステップS4において、CPU11は、プレビュー機能が設定されているか否かを判別する(S4)。プレビュー機能は、ジョブ開始直前にたとえば操作パネル39を通じてユーザーによって設定されるものであってもよいし、管理者によって初期設定されるものであってもよい。ステップS4において、設定されていると判別した場合(S4でYES)、特定原稿除去機能フラグが「True」にセットされているか否かを判別する(S5)。
ステップS5において、特定原稿除去機能フラグが「True」にセットされていると判別した場合(S5でYES)、CPU11は、原稿の読み込みを開始し、原稿の画像を出力する前に、読み込んだ原稿のプレビュー画像(縮小画像)を作成する(S6)。ステップS6において、特定原稿検出部43が特定原稿を検出したときは、CPU11は、そのページのプレビュー画像を作成せず、特定原稿を検出したことを示すアイコンを代わりに作成する。ステップS6においてCPU11は、原稿のプレビュー画像を作成するとともに、原稿の画像の出力データを作成する。出力データを作成する場合に、特定原稿検出部43が特定原稿を検出したときは、CPU11は、そのページの画像データを出力データから除去し、そのページの出力データを作成しない。
次にCPU11は、プレビュー表示を行う(S7)。ステップS7の際にユーザーはプレビュー画像およびアイコン101を見て、これから出力する内容に誤りがないかを確認する。ここでプレビュー画像に問題がなければ出力を行い、やり直しが必要な場合は出力をキャンセルすることができる。
プレビュー表示後、CPU11は、ユーザーの指示に従って、作成した出力データを出力する(S8)。ステップS8においては、特定原稿は出力されない。その後CPU11は、ジョブを終了して(S19)、処理を終了する。
ステップS4において、設定されていないと判別した場合(S4でNO)、CPU11は、通常の方法で原稿を読み込み、読み込んだ原稿の画像を出力し(S14)、ステップS19の処理へ進む。ステップS14において、特定原稿除去機能フラグが「True」にセットされている場合には、特定原稿を除く原稿の画像データが出力される。特定原稿除去機能フラグが「False」にセットされている場合には、特定原稿を含む全ての原稿の画像データが出力される。
ステップS5において、特定原稿除去機能フラグが「False」にセットされていると判別した場合(S5でNO)、CPU11は、原稿の読み込みを開始し、読み込んだ原稿のプレビュー画像を作成する(S11)。ステップS11においてCPU11は、原稿の全ページのプレビュー画像を作成するとともに、原稿の画像の全ページの出力データを作成する。CPU11は、特定原稿であってもその画像をプレビュー表示し、アイコン101との入れ替え動作は行わない。
次にCPU11は、作成したプレビュー画像を読み込み順に表示し(S12)、プレビュー表示後、ユーザーの指示に従って作成した出力データを出力する(S13)。ステップS13においては、特定原稿を含む全ての原稿の画像データが出力される。その後CPU11は、ステップS19の処理へ進む。
[第2の実施の形態]
本実施の形態においては、リアルタイムプレビュー機能を設定した状態で複数のページよりなる原稿を読み込んだ場合のMFP100の動作について説明する。なお、MFP100の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明は繰り返さない。
図6は、リアルタイムプレビュー機能を設定した状態で、複数のページよりなる原稿を読み込んだ場合に、操作パネル39に表示されるプレビュー画像を模式的に示す図である。(a)〜(c)は、原稿が白紙を含まない場合のプレビュー画像であり、(d)〜(f)は、原稿が白紙を含む場合のプレビュー画像である。
図6を参照して、リアルタイムプレビュー機能を設定した状態(たとえばプレビューキー54が2回押下された状態)でコピージョブの実行指示をユーザーから受け付けると、画像読取部21は、原稿の画像を1ページずつ読み取り、読み取った原稿の画像を電子化し、電子化したデータ(画像データ)をRAM35に記憶する。特定原稿検出部43は、RAM35に記憶された画像データから白紙を検出する。
操作パネル39はリアルタイムプレビュー表示を行う。すなわち、操作パネル39は、画像読取部21にて原稿の全ページの画像の読み取りを完了する前に、読み取りを完了したページのプレビュー画像(縮小画像)をタッチパネル51にプレビュー表示する。操作パネル39は、たとえば、一定時間間隔で読み取り順に1枚ずつプレビュー画像を表示する。特定原稿検出部43が白紙を検出した場合、操作パネル39は、そのページの画像をプレビュー表示する代わりに、白紙であることを示す表示をタッチパネル51に行う。リアルタイムプレビュー表示の際、操作パネル39は、画像読取部21にて原稿の1ページの画像を読み取る毎に、読み取った画像をプレビュー表示してもよい。
たとえば、1〜3ページよりなる原稿を読み込んだ場合を想定する。この場合、原稿P1の画像の読み取りが完了すると、タッチパネル51には、(a)および(d)に示すように、原稿P1のプレビュー画像が一定時間(たとえば1〜3秒間)表示される。原稿P1のプレビュー画像を表示してから一定時間経過後、(b)および(e)に示すように、原稿P2のプレビュー画像またはアイコン101が一定時間表示される。白紙である原稿P2のプレビュー画像は、(e)に示すように、アイコン101に入れ替えられる。原稿P2のプレビュー画像またはアイコン101を表示してから一定時間経過後、(c)および(f)に示すように、原稿P3のプレビュー画像が一定時間プレビュー表示される。以降のページがあった場合には、同様の動作(プレビュー表示)が全ページに対して実施される。
アイコン101を表示する時間は、上述のように特定原稿ではない原稿のプレビュー画像を表示する時間と同一に設定される場合の他、特定原稿ではない原稿のプレビュー画像を表示する時間よりも短く設定されてもよい。アイコン101を表示する時間を短くするのは、アイコン101を表示した場合には、特定原稿が検出されたことをユーザーは直ちに理解することができるためである。
全ページをプレビュー表示した後、操作パネル39を通じてユーザーから出力の指示を受け付けた場合には、特定原稿除去部45は、RAM35に記憶された画像データから検出された白紙のデータを除去する。そして画像形成部25は、白紙を除去した後の画像データに基づいて用紙に対して画像形成する。
(d)〜(f)に示す原稿の場合には、原稿P2の画像データが除去され、原稿P1およびP3のそれぞれの画像が印刷された用紙が出力される。
全ページの原稿を読み込んでからプレビュー表示する通常のプレビュー機能と比べて、リアルタイムプレビュー機能は、原稿の読み込み動作を行いながら原稿の画像をプレビュー表示するので、原稿のセット方向の間違いや、原稿のページ順の間違いに早く気づくことができるという利点がある。
図7は、第2の実施の形態におけるMFP100の動作を示すフローチャートである。
図7を参照して、始めにCPU11は、図5に示す第1の実施の形態におけるステップS2またはステップS3の処理を行った後、ステップS21以降の処理を行う。
ステップS21において、CPU11は、リアルタイムプレビュー機能が設定されているか否かを判別する(S21)。リアルタイムプレビュー機能は、ジョブ開始直前にたとえば操作パネル39を通じてユーザーによって設定されるものであってもよいし、管理者によって初期設定されるものであってもよい。ステップS21において、設定されていると判別した場合(S21でYES)、CPU11は、特定原稿除去機能フラグが「True」にセットされているか否かを判別する(S5)。
ステップS5において、特定原稿除去機能フラグが「True」にセットされていると判別した場合(S5でYES)、CPU11は、原稿の1ページの読み込みを開始し(S22)、読み込んだ原稿が特定原稿であるか否か(特定原稿検出部43にて特定原稿を検出したか否か)を判別する(S23)。
ステップS23において、特定原稿であると判別した場合(S23でYES)、CPU11は、特定原稿の画像の代わりにアイコン101(特定原稿検出表示)を表示し(S24)、次の原稿があるか否かを判別する(S25)。一方、ステップS23において、特定原稿でないと判別した場合(S23でNO)、CPU11は、読み込んだ原稿のプレビュー画像を一定時間表示し(S27)、ステップS25の処理へ進む。
ステップS25において、次の原稿があると判別した場合(S25でYES)、CPU11はステップS22の処理へ進み、原稿の次のページの読み込みを開始する(S22)。一方、ステップS25において、次の原稿が無いと判別した場合(S25でNO)、原稿の全ページのプレビュー表示が終了した状態にある。この場合CPU11は、ユーザーの指示に従って、読み込んだ原稿の画像データを出力する(S30)。その後CPU11は、ジョブを終了して(S31)、処理を終了する。
ステップS21において、設定されていないと判別した場合(S21でNO)、CPU11は、リアルタイムプレビュー表示を行わずに全ページの原稿の画像を読み取り(S29)、原稿の全ページを読み込んだ後にプレビュー表示を行う(またはプレビュー表示自体を行わない)。その後CPU11は、ステップS30の処理へ進む。
ステップS5において、特定原稿除去機能フラグが「False」にセットされていると判別した場合(S5でNO)、CPU11は、特定原稿除去機能を設定しない状態でリアルタイムプレビュー機能を行う(S28)。すなわちCPU11は、特定原稿であってもその画像をプレビュー表示し、アイコン101との入れ替え動作は行わない。最後のページのプレビュー表示が終了した後で、CPU11はステップS30の処理へ進む。
[第3の実施の形態]
本実施の形態においては、第1の実施の形態または第2の実施の形態におけるプレビュー画像の表示形態の変形例について説明する。なお、MFP100の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明は繰り返さない。
図8は、リアルタイムプレビュー機能を設定した状態で原稿を読み込んだ場合に、操作パネル39に表示されるプレビュー画像の第1の変形例を模式的に示す図である。
図8を参照して、この表示形態では、操作パネル39は、画像読取部21にて読み取りを完了した複数のページの画像をページ順に並べてプレビュー表示し、かつプレビュー表示する複数のページの画像のうち1つの画像を他の画像よりも拡大して表示し、かつ拡大して表示するする画像をページ順に一定時間ごとに切り替える。
リアルタイムプレビュー機能を設定した場合に、原稿の画像の読み取り速度は、プレビュー画像の更新速度(切り替え速度)よりも一般的に速いため、あるページの画像をプレビュー表示する時には、次の原稿の画像の読み取りは完了している。したがって、操作パネル39は、プレビュー表示中の画像をタッチパネル51の中央に大きく配置し、読み取りが完了しているその前後のページのプレビュー画像を、プレビュー表示中の画像の左右に小さく配置する。
たとえば、1〜5ページよりなる原稿であって、かつ2ページが白紙である原稿を読み込んだ場合を想定する。原稿P1の画像の読み取りが完了すると、タッチパネル51には、(a)に示すように、原稿P1の大きなプレビュー画像103が一定時間表示される。原稿P2以降の画像の読み取りが完了すると、タッチパネル51には、原稿P1のプレビュー画像の右側に、原稿P2以降の小さいプレビュー画像105またはアイコン101がプレビュー表示される。原稿P1のプレビュー画像を表示してから一定時間経過後、(b)に示すように、原稿P2が特定原稿であることを示すアイコン101が一定時間表示される。この時、アイコン101の左側には原稿P1の小さなプレビュー画像105が表示され、アイコン101の右側には原稿P3以降のページの小さなプレビュー画像105がページ順に並べて表示される。原稿P2が特定原稿であることを示すアイコン101を表示してから一定時間経過後、(c)に示すように、原稿P3の大きなプレビュー画像103が一定時間表示される。この時、原稿P3の大きなプレビュー画像103の左側には、原稿P1の小さなプレビュー画像105と、原稿P2が特定原稿であることを示すアイコン101とが表示され、原稿P3の大きなプレビュー画像103の右側には、原稿P4以降のページの小さなプレビュー画像105がページ順に並べて表示される。その後、原稿P4およびP5の大きなプレビュー画像が一定時間間隔で順に表示される。
図8に示す表示形態によれば、原稿の各ページの位置関係を把握することができる。また、特定原稿であることをアイコン101で示すことにより、小さなプレビュー画像のスペースにおいてもユーザーに対して特定原稿を検出したことを伝えることができる。
図9は、リアルタイムプレビュー機能を設定した状態で原稿を読み込んだ場合に、操作パネル39に表示されるプレビュー画像の第2の変形例を模式的に示す図である。
図9を参照して、この表示形態では、操作パネル39は、アイコン101を一旦表示した後で、次のページの画像(別の画像)をプレビュー表示した場合に、次のページのプレビュー画像とともにアイコン101を表示し続ける。
たとえば、複数のページからなる原稿であって、2ページが白紙である原稿を読み込んだ場合を想定する。原稿P1の画像の読み取りが完了すると、タッチパネル51の中央には、(a)に示すように、原稿P1のプレビュー画像が一定時間表示される。この時、アイコン101は表示されない。原稿P1のプレビュー画像を表示してから一定時間経過後、(b)に示すように、原稿P2が特定原稿であることを示すアイコン101がタッチパネル51の中央に一定時間表示される。原稿P2が特定原稿であることを示すアイコン101を表示してから一定時間経過後、(c)に示すように、原稿P3のプレビュー画像がタッチパネル51の中央に一定時間表示される。この時、原稿P3のプレビュー画像のたとえば右上には、原稿P2が特定原稿であることを示すアイコン101が表示され続ける。このアイコン101は、最終ページの画像のプレビュー表示まで表示され続ける。プレビュー画像の右上に表示されるアイコン101の数は、アイコン101を一旦表示した後で、次のページの画像をプレビュー表示する度に1個ずつ増える。その結果、最終ページの画像がタッチパネル51の中央にプレビュー表示される時には、(d)に示すように、それまでにアイコン101として表示された白紙の累積枚数に相当する個数(図9では3個)のアイコン101が、最終ページの画像の右上に表示される。
なお、図9においては、それまでにアイコン101として表示された白紙の累積枚数に相当する個数のアイコンが、プレビュー画像とともに表示される場合について示したが、1個以上のアイコン101をプレビュー画像とともに表示しないようにしてもよい。この場合には、プレビュー画像とともに表示される1個のみのアイコン101により、白紙を検出したことをユーザーに簡単な方法で知らせることができる。
たとえば図8または図9などの表示形態において、特定原稿検出部43が特定原稿を連続して検出した場合には、操作パネル39は、連続して検出した特定原稿の最先のページ以降のページを、連続して検出した特定原稿の最先のページとは異なるアイコンで表示してもよい。
図10は、特定原稿検出部43が特定原稿を連続して検出した場合に、操作パネル39に表示されるプレビュー画像の第3の変形例を模式的に示す図である。(a)は、図8の表示形態の場合であり、(b)は、図9の表示形態の場合である。
図10を参照して、たとえば、複数のページからなる原稿であって、1ページおよび2ページが白紙である原稿を読み込んだ場合を想定する。この場合、図8の表示形態では、(a)に示すように、原稿P1が特定原稿であることを示すアイコンとしてアイコン101が表示され、原稿P2が特定原稿であることを示すアイコンとして、アイコン101とは異なるアイコン102が表示される。また、図9の表示形態では、(b)に示すように、原稿P1が特定原稿であることを示すアイコンとしてアイコン101がプレビュー画像の右上に表示され、原稿P2が特定原稿であることを示すアイコンとして、アイコン101とは異なるアイコン102がプレビュー画像の右上に表示される。
複数のページからなる原稿の中に、ユーザーが合紙としての目的などで白紙を混入させた場合には、合紙として混入された白紙は除去されるべきものである。しかし、白紙が連続して検出された場合には、ユーザーが合紙として白紙を誤って二枚混入させたか、白紙でない原稿を誤って白紙として検出したか(読み取り不良が発生したか)のいずれかである可能性が高い。図10の表示形態によれば、このような場合に、白紙が連続して検出されたことを、アイコン102によりユーザーに対してより明確に知らせることができる。
なお、図8〜図10に示す表示形態は、リアルタイムプレビュー表示の場合に限らず、通常のプレビュー表示の場合にも適用することができる。
[第4の実施の形態]
本実施の形態においては、アイコン101の選択を受け付けた場合のMFP100の動作について説明する。なお、MFP100の構成については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明は繰り返さない。
図11は、タッチパネル51にアイコン101が表示された状態で、アイコン101が選択された場合に、操作パネル39に表示されるプレビュー画像を模式的に示す図である。(a)は、白紙であるページのプレビュー画像の代わりに表示されるアイコン101であり、(b)は、他のページのプレビュー画像とともに表示されるアイコン101である。(c)は、アイコン101に対応するページの白紙のプレビュー画像である。
図11を参照して、本実施の形態では、タッチパネル51にアイコン101が表示されている場合に、アイコン101の選択を受け付けたときは、操作パネル39は、選択を受け付けたアイコン101に関する特定原稿の画像をプレビュー表示する。
上述のように、たとえば図4の表示形態などでは、(a)に示すように、白紙であるページのプレビュー画像の代わりにアイコン101(特定原稿を検出したときの表示)がタッチパネル51に表示される。また、図9の表示形態では、(b)に示すように、アイコン101を一旦表示した後で、次のページの画像がプレビュー表示されると、次のページのプレビュー画像とともにアイコン101(原稿の中に特定原稿があったことを示す表示)がタッチパネル51に表示され続ける。これらのアイコン101は操作対象として選択可能であり、タッチパネル51を通じてアイコン101が押下されると、(c)に示すように、選択を受け付けたアイコン101に関するページのプレビュー画像107がタッチパネル51に表示される。
ユーザーが特定原稿を混入させていないにもかかわらず特定原稿が検出された場合に、ユーザーは特定原稿を検出したことに疑いを持って、その原稿が本当に特定原稿であったか否かをじっくりと確認したいことがある。たとえば、白紙の原稿が特定原稿として設定された場合、MFP100は完全な白紙ではなく、印字率が基準値以下である原稿を白紙と判定する。このため、白紙と判定された原稿は、実際には白紙ではなく、小さくまたは薄く文字などが記載された原稿である可能性がある。このような原稿は、ユーザーが意図して混入させた白紙の原稿ではないため、ユーザーはその原稿の除去を望んでいない。したがって、上述の制御を行うことで、ユーザーの望まない原稿の除去を防止することができる。
図12は、タッチパネル51にアイコン101が表示された状態で、アイコン101が選択された場合に、操作パネル39に表示されるプレビュー画像の変形例を示す図である。
図12を参照して、リアルタイムプレビュー機能を設定している場合において、アイコン101の選択を受け付けたときは、画像読取部21は原稿の画像の読み取りを一時停止してもよい。
原稿の画像の読み取りを一時停止した場合、操作パネル39は、ダイアログ109を表示する。このダイアログ109には、原稿の読み込みを中止していることを示す「休止中」という文字と、原稿の画像の読み取りを再開させるキー111と、原稿の読み取りを停止(ジョブを破棄)させるキー113とが含まれている。ユーザーは、プレビュー画像107を確認した結果、削除に問題が無い場合には読み込みを再開し、削除に問題があり再度始めからジョブを実行させたい場合はジョブを破棄する。画像読取部21は、ユーザーによるキー111または113の選択に従って、原稿の画像の読み取りを再開または停止する。原稿の画像の読み取りを再開する場合には、画像読取部21は、一時停止する前に読み取み込んだ原稿の次の原稿から画像の読み取り動作を再開し、操作パネル39は、一時停止時に表示していた画像からプレビュー表示を再開する。これにより、一時停止した後の動作をスムーズに行うことができる。
図13は、第4の実施の形態におけるMFP100の動作を示すフローチャートである。
図13を参照して、始めにCPU11は、図7に示す第2の実施の形態におけるステップS24またはステップS27の処理を行った後、ステップS41以降の処理を行う。
ステップS41において、CPU11は、アイコン101(特定原稿検出表示)がユーザーによって選択されたか否かを判別する(S41)。
ステップS41において、アイコン101が選択されたと判別した場合(S41でYES)、CPU11は、画像の読み込みを一旦停止し、特定原稿と判別された原稿のプレビュー画像(詳細)と、ダイアログ109とを表示し(S43)。ジョブが破棄されたか(キー113が押下されたか)否かを判別する(S45)。
ステップS45において、ジョブが再開されたと判別した場合(S45でNO)、CPU11は、ステップS25の処理へ進み、ジョブを再開し、次の原稿があるか否かを判別する(S25)。一方、ステップS45において、ジョブが破棄されたと判別した場合(S45でYES)、CPU11はジョブを破棄し、そのまま処理を終了する。
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、特定原稿を検出した場合に、特定原稿のプレビュー画像が、特定原稿を検出したことを示す表示に置き換えられて表示される。このため、原稿の読み取りを中断せずに、特定原稿を検出したことをユーザーに対して伝えることができる。また特定原稿であることを示す表示を行った上で、特定原稿の画像を除いた画像を出力するので、特定原稿が正常に除去されたか否かをユーザーは確認することができる。したがって、特定原稿除去機能が設定された場合のプレビュー表示において、特定原稿を検出したことを、生産性を維持しつつ効果的にユーザーに対して伝えることができる。
また、特定原稿であることを示す表示をアイコンとすることにより、特定原稿であることを示す表示を文字(メッセージ)とした場合に比べて、特定原稿を検出したことを省スペースでかつ迅速にユーザーに対して伝えることができる。すなわち、特定原稿であることを示す表示をアイコンとした場合には、ユーザーは文字を読む必要がなくなり、特定原稿を検出したことを迅速に伝えることができる。特にリアルタイムプレビュー機能を設定している場合などのように、短時間で連続して表示画像が切り替わる場合であっても、特定画像であることを示す表示の見落しを防止することができ、表示の意図を伝えることができる。また、図8に示すように小さなプレビュー画像を表示する場合にも、特定原稿であることを示す表示をアイコンとした場合には、小さなプレビュー画像のスペースにも表示することができる。
[その他]
上述の実施の形態は適宜組み合わせることができる。たとえば、第1の実施の形態と第4の実施の形態とを組み合わせることにより、通常のプレビュー表示で特定原稿であることを示す表示が表示された場合において、その表示が選択されたときに、その表示に関する特定原稿の画像をプレビュー表示してもよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。