以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係る蓄電池システムBSの構成について説明する。蓄電池システムBSは、後述の蓄電池20に蓄えられた電力を、不図示の建物に供給するためのものである。また、当該建物に電力系統から供給される電力の一部を、蓄電池20に蓄えることも可能となっている。このような蓄電池システムBSが備えられることにより、電力系統から建物に供給される電力の平準化(所謂ピークカット)を行うことが可能となっている。蓄電池システムBSと建物とは、直流バスラインである電力供給ライン510を介して互いに接続されている。
蓄電池システムBSは、複数の蓄電池ユニット10により構成されている。それぞれの蓄電池ユニット10の構成は全て同一となっている。蓄電池ユニット10は、蓄電池20と、DC/DCコンバータ30と、制御装置40とを有している。
蓄電池20は、リチウムイオン電池又はニッケル水素電池からなる二次電池である。DC/DCコンバータ30は、蓄電池20で生じた直流電力を昇圧して電力供給ライン510に供給するための電力変換器である。つまり、DC/DCコンバータ30は、電力供給ライン510と蓄電池20との間で電圧を調整して両者を繋ぐものということができる。
制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを備えたコンピュータシステムとして構成されている。制御装置40は、DC/DCコンバータ30の電力変換動作を制御することにより、蓄電池20から電力供給ライン510への電力の出力(以下、「放電」とも表記する)、及び電力供給ライン510から蓄電池20への電力の入力(以下、「充電」とも表記する)を制御する。
また、制御装置40は、蓄電池20の状態を常にモニタリングしている。具体的には、蓄電池20の出力端子間電圧、蓄電量(残存容量)、劣化度合い、故障の有無などを常にモニタリングしている。
本実施形態に係る蓄電池システムBSでは、以上のような構成の蓄電池ユニット10が計32台備えられており、電力供給ライン510に対してこれらが互いに並列に接続されている。説明の便宜上、これら蓄電池ユニット10のそれぞれに0番から31番の番号を個別に対応させた上で、例えば0番に対応する蓄電池ユニット10のことを「蓄電池ユニット100」のように表記し、1番に対応する蓄電池ユニット10のことを「蓄電池ユニット101」のように表記する。
同様に、例えば蓄電池ユニット101の蓄電池20のことを「蓄電池201」のように表記し、蓄電池ユニット101のDC/DCコンバータ30のことを「DC/DCコンバータ301」のように表記し、蓄電池ユニット101の制御装置40のことを「制御装置401」のように表記する。
上位システム520は、蓄電池システムBSの全体の動作を統括制御する外部のコンピュータシステムである。上位システム520は、例えば建物に備えられた太陽光発電システムの発電量の時間変化や、建物において使用される電力(需要電力)の時間変化を予測する。上位システム520は、これらの予測に基づいて、電力系統から出力される電力の変化を平準化するための充放電計画を作成する。充放電計画とは、蓄電池システムBSが今後行うべき充電又は放電の計画であって、例えば、充電又は放電を行うべき電力の目標値が1時間ごとの値(以下、「充放電指令値」と表記する)として設定されたものである。
上位システム520と各制御装置40とは、通信線530により接続されている。後に詳しく説明するように、上位システム520は、32台の制御装置40のうちいずれか1台と通信を行い、当該制御装置40に対して充放電指令値を送信する。充放電指令値を受信した制御装置40は、蓄電池システムBSから充放電される電力の値が充放電指令値と一致するように、他の制御装置40を制御する。通信線530により、上記のような上位システム520と制御装置40との間における通信が行われる。また、通信線530により、制御装置40同士の通信(例えば、制御装置401と制御装置402との間における通信)も行われる。
それぞれの制御装置40は、他の制御装置40との間で通信を行うことにより、他の蓄電池20に関する情報を管理データベースとして記憶し且つ更新している。この管理データベースついて、図2乃至図4を参照しながら説明する。
制御装置400、すなわち0番の蓄電池ユニット100に搭載された制御装置40が記憶している管理データベースについて説明する。制御装置400は、自らが搭載された蓄電池ユニット100以外の他の蓄電池ユニット10を、複数のグループに分けた上で管理を行っている。
図2では、32台(0番〜31番)の蓄電池ユニット10がそれぞれ丸数字で表現されている。また、当該丸数字の横には、その蓄電池ユニット10の蓄電池20に充電されている電力量、すなわち残存容量が付記されている。例えば、3番の蓄電池ユニット103に搭載された蓄電池203の残存容量は、この例では3kWhとなっている。また、7番の蓄電池ユニット107に搭載された蓄電池207の残存容量は、この例では2kWhとなっている。
制御装置400により行われたグループ分けの結果、蓄電池ユニット101はグループG0に属している。また、蓄電池ユニット102及び蓄電池ユニット103は、同一のグループG1に属している。蓄電池ユニット104乃至蓄電池ユニット107は、同一のグループG2に属している。
同様に、蓄電池ユニット108乃至蓄電池ユニット115は、同一のグループG3に属している。また、蓄電池ユニット116乃至蓄電池ユニット131は、同一のグループG4に属している。このように、n(n=0、1、2、・・)番目のグループである「グループGn」には、2n個の蓄電池ユニット10が属している。
また、図2のように蓄電池ユニット10を番号順に且つ円形に並べた場合において、0番目の蓄電池ユニット100(グループ分けを行う制御装置400が搭載された蓄電池ユニット10)よりも後に続く蓄電池ユニット10が、nの値が増加する毎にグループGnに2n個ずつ順に含まれて行くようなグループ分けとなっている。
図3(A)には、制御装置400において記憶され更新されている管理データベースの例が示されている。同図にある「管理ID」とは、上記の各グループのそれぞれに付される番号であって、グループに属する蓄電池ユニット10を示す番号のうち、図2のように並べられた状態での反時計回り方向における先端部、に配置された蓄電池ユニット10を示す番号のことである。図2の場合には、グループに属する蓄電池ユニット10を示す番号のうち最も小さい番号が管理IDとなっている。例えばグループG0の管理IDは1であり、グループG1の管理IDは2であり、グループG2の管理IDは4である。
それぞれのグループには、管理IDに対応する番号の蓄電池ユニット10が1台ずつ存在することになる。以下では、管理IDに対応する番号の蓄電池ユニット10のことを、グループを代表する蓄電池ユニット10として「代表ユニット」とも称することがある。
図3(A)のうち管理IDが1となっている行には、1番の蓄電池ユニット101が代表ユニットとなっているグループG0の情報が示されている。また、管理IDが2となっている行には、2番の蓄電池ユニット102が代表ユニットとなっているグループG1の情報が示されている。図3(A)のその他の行についても同様である。
「自残存容量」とは、グループの代表ユニットに搭載された蓄電池20における残存容量のことである。「最大残存容量」とは、グループに属する全ての蓄電池20の残存容量のうち、最も大きな残存容量のことである。「最低残存容量」とは、グループに属する全ての蓄電池20の残存容量のうち、最も小さな残存容量のことである。
例えば、図3(A)のうち管理IDが1となっている行について見ると、グループG0に属する蓄電池20は、蓄電池ユニット101の蓄電池201の1台のみである。このため、自残存容量、最大残存容量、及び最低残存容量は、いずれも蓄電池201の残存容量である8kWhとなっている。
また、図3(A)のうち管理IDが2となっている行について見ると、グループG1に属する蓄電池20は、蓄電池ユニット102の蓄電池202と、蓄電池ユニット103の蓄電池203の2台である。自残存容量は、代表ユニット(蓄電池ユニット102)の蓄電池202の残存容量である4kWhとなっている。また、最大残存容量は、同じく蓄電池202の残存容量である4kWhとなっており、最低残存容量は、蓄電池203の残存容量である3kWhとなっている。
管理IDが4、8、16の各行についても上記と同様である。このように、制御装置400の管理データベース(図3(A))では、全ての蓄電池203の残存容量がそれぞれ個別に記憶されているのではなく、グループ毎の最大残存容量等が記憶されている。
制御装置400は、図3(A)に示される管理データベースを更新するにあたり、全ての制御装置40と個別に通信を行うのではなく、各グループの代表ユニットに搭載された制御装置40とのみ通信を行う。本実施形態の場合には、制御装置400は制御装置401、402、404、408、416と通信を行い、他の制御装置40とは通信を行わない。このため、制御装置400は、比較的負荷の小さな通信のみを行いながら、各グループに属する蓄電池20に関する情報を取得して管理データベースを更新する。
尚、図2における代表ユニット(蓄電池ユニット102等)が故障していた場合には、当該故障している蓄電池ユニット10を除外した上で上記と同様のグループ分けが行われ、通信を行う対象となる代表ユニットが選定される。また、新たな蓄電池ユニット10が追加されるなどして蓄電池ユニット10の台数が変化した場合にも、上記と同様のグループ分けが行われ、通信を行う対象となる代表ユニットが選定される。このように、代表ユニットとなる蓄電池ユニット10は常に固定されているわけではなく、状況によって適宜変更される。
各代表ユニットの制御装置(404等)は、同じグループに属する制御装置40のうち少なくとも一部との間で直接通信を行っており、これにより制御装置400に送信すべきデータ(最大残存容量等)の更新を行っている。
具体的には、制御装置400以外の制御装置40も、制御装置400と同様に他の蓄電池ユニット10をグループ分けしており、制御装置400と同様に管理データベースを記憶し更新している。このような管理データベースの更新は、制御装置400と通信を行う制御装置401、402、404、408、416だけではなく、全ての制御装置40において並行して行われている。つまり、制御装置40の個数と同数の管理データベースが存在しており、常に更新されている。
図4には、制御装置404が管理データベースを更新する際に行う、蓄電池ユニット10のグループ分けの例が示されている。
制御装置404により行われたグループ分けの結果、蓄電池ユニット105はグループG0に属している。また、蓄電池ユニット106及び蓄電池ユニット107は、同一のグループG1に属している。蓄電池ユニット108乃至蓄電池ユニット111は、同一のグループG2に属している。
同様に、蓄電池ユニット112乃至蓄電池ユニット119は、同一のグループG3に属している。また、蓄電池ユニット120乃至蓄電池ユニット131、及び蓄電池ユニット100乃至蓄電池ユニット103は、同一のグループG4に属している。このように、n(n=0、1、2、・・)番目のグループである「グループGn」には、2n個の蓄電池ユニット10が属している。
また、図4のように蓄電池ユニット10を番号順に且つ円形に並べた場合において、4番目の蓄電池ユニット104(グループ分けを行う制御装置404が搭載された蓄電池ユニット10)よりも後に続く蓄電池ユニット10が、nの値が増加する毎にグループGnに2n個ずつ順に含まれて行くようなグループ分けとなっている。
図3(B)には、制御装置404において記憶され更新されている管理データベースの例が示されている。この例においても、上記の各グループに属する蓄電池ユニット10を示す番号のうち、図4のように並べられた状態での反時計回り方向における先端部、に配置された蓄電池ユニット10を示す番号が管理IDとなっている。このため、制御装置404で記憶され更新されている管理データベースにおいては、管理IDは5、6、8、12、20である。換言すれば、蓄電池ユニット105、106、108、112、120の5台が代表ユニットとなっている。
他の管理データベースの例として、制御装置408の管理データベースについても説明する。図3(C)には、制御装置408において記憶され更新されている管理データベースの例が示されている。
図2や図4のような図示は省略するが、制御装置408により行われたグループ分けの結果、蓄電池ユニット109はグループG0に属している。また、蓄電池ユニット110及び蓄電池ユニット111は、同一のグループG1に属している。蓄電池ユニット112乃至蓄電池ユニット115は、同一のグループG2に属している。
同様に、蓄電池ユニット116乃至蓄電池ユニット123は、同一のグループG3に属している。また、蓄電池ユニット124乃至蓄電池ユニット131、及び蓄電池ユニット100乃至蓄電池ユニット107は、同一のグループG4に属している。このように、n(n=0、1、2、・・)番目のグループである「グループGn」には、2n個の蓄電池ユニット10が属している。
この例においても、制御装置408によって分類された各グループに属する蓄電池ユニット10を示す番号のうち、図2等のように番号順且つ円形に並べられた状態での反時計回り方向における先端部、に配置された蓄電池ユニット10を示す番号が管理IDとなっている。制御装置408で記憶され更新されている管理データベースにおいては、管理IDは9、10、12、16、24である。換言すれば、蓄電池ユニット109、110、112、116、124の5台が代表ユニットとなっている。
制御装置400の管理データベース、すなわち図3(A)に戻って説明を続ける。既に述べたように、制御装置400は図3(A)に示される管理データベースを更新するにあたり、各グループの代表ユニットに搭載された制御装置40とのみ通信を行っている。
例えば、管理IDが4の行のデータを更新するに当たっては、制御装置400は、グループG2の代表ユニットに搭載された制御装置404と通信を行うことにより、グループG2に属する蓄電池20の情報、すなわち蓄電池204、205、206、207についての情報を取得する。
これらの情報のうち蓄電池204についての情報は、制御装置404が蓄電池204から直接取得することができる。また、蓄電池205についての情報は、図3(B)に示される管理データベースのうち、管理IDが5の行から取得することができる。蓄電池206、207についての情報は、図3(B)に示される管理データベースのうち、管理IDが6の行から取得することができる。制御装置404は、制御装置400からの求めに応じて、これらの情報を制御装置400に送信する。制御装置400は、これに基づいて管理IDが4の行のデータを更新する。
また、管理IDが8の行のデータを更新するに当たっては、制御装置400は、グループG3の代表ユニットに搭載された制御装置408と通信を行うことにより、グループG3に属する蓄電池20の情報、すなわち蓄電池208乃至蓄電池215についての情報を取得する。
これらの情報のうち蓄電池208についての情報は、制御装置408が蓄電池208から直接取得することができる。また、蓄電池209についての情報は、図3(C)に示される管理データベースのうち、管理IDが9の行から取得することができる。蓄電池210、211についての情報は、図3(C)に示される管理データベースのうち、管理IDが10の行から取得することができる。蓄電池212、213、214、215についての情報は、図3(C)に示される管理データベースのうち、管理IDが12の行から取得することができる。制御装置408は、制御装置400からの求めに応じて、これらの情報を制御装置400に送信する。制御装置400は、これに基づいて管理IDが8の行のデータを更新する。他の行についても以上の例と同様に、制御装置400が他の制御装置40と通信を行うことで更新する。
他の管理データベース、すなわち、制御装置401の管理データベースや制御装置402の管理データベース等についても、全て上記と同様に更新されている。つまり、全ての制御装置40が、他の(代表ユニットに搭載された)制御装置40と通信を行うことにより他の管理データベースの一部を参照しながら、自らの管理データベースを常に更新し続けている。換言すれば、特定の制御装置40(マスター)によって情報が一元管理されているのではなく、互いに対等な立場の制御装置40によって、それぞれが保有する情報(管理データベース)が分散管理されている。
上位システム520から充放電指令値が送信される場合の処理について説明する。先ず、上位システム520側で行われる処理について、図5を参照しながら説明する。
最初のステップS01では、充放電指令値の算出が行われる。充放電指令値は、今後の1時間の間に蓄電池システムBSが充電又は放電を行うべき電力の目標値である。本実施形態では、充電を行うべき場合には充放電指令値の符号が正とされ、放電を行うべき場合には充放電指令値の符号が負とされる。
ステップS01に続くステップS02では、算出された充放電指令値が蓄電池システムBSへと送信される。具体的には、32台の制御装置40のうちの1台に対し、充放電指令値が送信される。仮に、制御装置40との通信ができなかった場合には、当該制御装置40とは別の制御装置40に向けて充放電指令値が再度送信される。
図5に示される以上の処理は、1時間が経過する毎に繰り返し行われる。上位システム520は充放電指令値を算出し、これを1台の制御装置40に送信するだけでよいので、蓄電池ユニット10の台数が増加した場合であっても、上位システム520の処理負荷が大きく増加してしまうことはない。
続いて図6を参照しながら、蓄電池システムBSの制御装置40側で行われる処理について説明する。図6に示される一連の処理は、上位システム520から充放電指令値を受信した制御装置40によって行われる。つまり、図6に示される一連の処理を行う制御装置40は特定の一台に固定されているのではなく、全ての制御装置40が当該処理を行い得る構成となっている。
ステップS11において充放電指令値が受信されると、ステップS12に移行する。ステップS12では、充放電指令値に応じた充電又は放電を行うために同時に動作させることが必要な、蓄電池ユニット10の台数(以下、「必要台数」とも称する)が算出される。
本実施形態では、各蓄電池ユニット10からの充電及び放電は、常にDC/DCコンバータ30の定格電力で行われる。このため、必要台数は、充放電指令値を定格電力で除する(小数点以下は繰り上げ)ことにより算出される。
ステップS12に続くステップS13では、充放電指令値の値が0よりも大きいか否かが判定される。充放電指令値の値が0以下の場合、すなわち、この後放電が行われるべき場合には、ステップS14に移行する。
ステップS14では上閾値が設定される。「上閾値」とは、蓄電池20の残存容量について設定される閾値である。本実施形態では、残存容量が上閾値以上となっている蓄電池20、すなわち放電を行うための残存容量(蓄電量)が十分にある蓄電池20から放電が行われる。
ステップS14に続くステップS15では、32台(0番〜31番)の蓄電池20の中から、残存容量が上閾値以上となっている蓄電池20が探索される。当該探索の処理は、上位システム520から充放電指令値を受信した制御装置40が、他の制御装置40(代表ユニット)と通信を行うことにより行われる。
以下では、上位システム520から充放電指令値を受信したのが制御装置400であり、且つそれぞれの蓄電池20の状態が図2及び図3で示される状態であると仮定して、このような場合においてステップS15で行われる探索の処理の例について説明する。設定された上閾値は5kWhであるとする。
制御装置400は、グループG0、G1、G2、G4の順に、残存容量が上閾値以上となっている蓄電池20の探索を行う。かかる探索は、制御装置400の管理データベース(図3(A))を参照しながら行われる。
管理データベースのうち管理IDが1の行によれば、グループG0では最大残存容量が8kWhとなっている。つまり、グループG0には、残存容量が上閾値以上となっている蓄電池20が存在している。
グループG0に属するのは蓄電池201の1台のみであるから、残存容量が上閾値以上となっているのは蓄電池201であることは明らかである。このため、蓄電池201が1台目の放電対象として発見されたことになる。尚、蓄電池201の蓄電量は、上記のように管理データベースを参照すれば判明するのであるが、制御装置400が制御装置401と通信を行って確認することとしてもよい。
続いて、グループG1の探索が行われる。しかしながら、制御装置400の管理データベース(図3(A))のうち管理IDが2の行をみると、最大残存容量が4kWhとなっている。つまり、グループG1には、残存容量が上閾値以上となっている蓄電池20が存在しないことは明らかである。このため、制御装置400はグループG1の探索をスキップして、グループG2の探索を行う。
制御装置400の管理データベース(図3(A))のうち管理IDが4の行を見ると、最大残存容量が9kWhとなっている。つまり、グループG2には、残存容量が上閾値以上となっている蓄電池20が存在している。
グループG2の自残存容量は9kWhとなっているので、蓄電池204の残存容量が9kWhであることがわかる。このため、蓄電池204が2台目の放電対象として発見されたことになる。
尚、グループG2において、残存容量が上閾値以上となっている蓄電池20が蓄電池204の他にも存在するか否かは、制御装置400の管理データベースを参照しても判明しない。そこで、制御装置400は制御装置404(グループG2の代表ユニットに搭載された制御装置40)と通信を行うことにより、グループG2について他の蓄電池20の探索を行う。
制御装置404は、制御装置400からの求めに応じて、グループG2についての情報、すなわち、蓄電池205乃至蓄電池207についての情報を提供する。制御装置404は、自らの管理データベース(図3(B))のうち、管理IDが5の行及び6の行を参照することで、当該情報を得ることができる。
図3(B)に示される例では、管理IDが5の行及び6の行はいずれも、最大残存容量が5kWhよりも小さくなっている。このため、蓄電池205、206、207には、残存容量が上閾値以上となっているものは存在しない。制御装置404は、その旨を制御装置400に送信する。制御装置400は、グループG2についての探索を終了する。
グループG3、G4についての探索も、上記と同様に行われる。つまり、制御装置400が代表ユニットと通信を行い、また当該代表ユニットが、必要に応じて他の制御装置40と通信を行うことで、グループG3、G4についての探索が行われる。
探索が行われる際には、制御装置400が他の全ての制御装置40と個別に通信を行うのではなく、代表ユニットである制御装置401、402、404、408、416とのみ通信を行う。また、通信の相手方である制御装置401等は、必要に応じて他の制御装置40と通信を行うのであるが、この場合も、自らが行ったグループ分けの結果代表ユニットとなっている制御装置40とのみ通信を行う。このため、探索が行われる際における通信の負荷は分散されており、制御装置40の1台あたりの負荷は比較的小さくなっている。
以上のように探索が行われる結果、32台の蓄電池20の中から、残存容量が上閾値以上となっているものが発見(特定)される。このとき、発見された蓄電池20の台数が必要台数に到達した場合には、その時点で探索が中断される。
ステップS15に続くステップS16では、放電対象として発見された蓄電池20の台数が、ステップS12で算出された必要台数に到達したか否かが判定される。必要台数分の蓄電池20が発見された場合には、ステップS22に移行する。
ステップS22では、制御装置400が他の制御装置40と通信を行い、これらを制御することにより、蓄電池システムBSからの放電が行われる。具体的には、ステップS15の探索で発見された蓄電池20の全てにおいて、定格電力での放電が行われるよう、各制御装置40の制御が行われる。蓄電池システムBSからの放電は、上位システム520からの充放電指令値が次に受信されるまでの間、継続される。
ステップS16において、放電対象として発見された蓄電池20の台数が必要台数よりも少なかった場合には、ステップS17に移行する。ステップS17では、上閾値の値が、これまでよりも小さい値となるように変更される。例えば、5kWhから4.5kWhへと変更される。その後、ステップS15以降の処理が再度実行される。これにより、より多くの蓄電池20が放電対象として発見されることとなる。
ステップS13において、充放電指令値の値が0よりも大きい場合、すなわち、この後充電が行われるべき場合には、ステップS18に移行する。
ステップS18では下閾値が設定される。「下閾値」とは、上閾値と同様に、蓄電池20の残存容量について設定される閾値である。本実施形態では、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20、すなわち充電を行うための余裕(空き容量)が十分にある蓄電池20に対して充電が行われる。
ステップS18に続くステップS19では、32台(0番〜31番)の蓄電池20の中から、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20が探索される。当該探索の処理は、上位システム520から充放電指令値を受信した制御装置40が、他の制御装置40(代表ユニット)と通信を行うことにより行われる。
以下では、上位システム520から充放電指令値を受信したのが制御装置400であり、且つそれぞれの蓄電池20の状態が図2及び図3で示される状態であると仮定して、このような場合においてステップS19で行われる探索の処理の例について説明する。設定された下閾値は3kWhであるとする。
制御装置400は、グループG0、G1、G2、G4の順に、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20の探索を行う。かかる探索は、制御装置400の管理データベース(図3(A))を参照しながら行われる。
管理データベースのうち管理IDが1の行によれば、グループG0では最低残存容量が8kWhとなっている。つまり、グループG0には、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20が存在しない。このため、制御装置400はグループG0の探索をスキップして、グループG1の探索を行う。
制御装置400の管理データベース(図3(A))のうち管理IDが2の行を見ると、最低残存容量が3kWhとなっている。つまり、グループG1には、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20が存在している。
ここで、グループG1の自残存容量(蓄電池202の残存容量)が4kWhとなっており、グループG1に属する蓄電池20は蓄電池202と蓄電池203のみである。このため、残存容量が3kWhとなっているのは蓄電池203だということがわかる。つまり、蓄電池203が1台目の充電対象として発見されたことになる。
尚、グループG1の自残存容量が仮に3kWhであるような場合には、蓄電池203の残存容量を制御装置400の管理データベースから確定させることはできない。この場合、制御装置400は制御装置401と通信を行うことにより、蓄電池203の残存容量を確認する。制御装置401は、自らの管理データベース(不図示)を参照することにより蓄電池203の残存容量を確認し、これを制御装置400へと送信する。
続いて、グループG2の探索が行われる。制御装置400の管理データベース(図3(A))のうち管理IDが4の行を見ると、最低残存容量が2kWhとなっている。つまり、グループG2には、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20が存在している。
グループG2の自残存容量は9kWhとなっているので、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20は、蓄電池205、206、207のいずれかということになる。しかしながら、管理データベース(図3(A))を参照しただけでは、残存容量が下閾値以下となっている蓄電池20がどれかを特定することができない。
そこで、制御装置400は制御装置404(グループG2の代表ユニットに搭載された制御装置40)と通信を行うことにより、グループG2についての蓄電池20の探索を行う。
制御装置404は、制御装置400からの求めに応じて、グループG2についての情報、すなわち、蓄電池205乃至蓄電池207についての情報を提供する。制御装置404は、自らの管理データベース(図3(B))のうち、管理IDが5の行及び6の行を参照することで、当該情報を得ることができる。
図3(B)に示される例では、管理IDが5の行は最低残存容量が3kWhとなっている。また、管理IDが5のグループには1台の蓄電池ユニット105しか存在しておらず(図4を参照)、従って1台の蓄電池205のみしか存在しない。このため、残存容量が3kWhとなっているのは蓄電池205だということがわかる。つまり、蓄電池205が2台目の充電対象として発見されたことになる。
管理IDが6の行は最低残存容量が2kWhとなっている。また、自残存容量(蓄電池206の残存容量)が4.5kWhとなっており、同じグループ(制御装置404により分けられたグループであって、管理IDが6に対応するもの)に属する蓄電池20は蓄電池206と蓄電池207のみである。このため、残存容量が2kWhとなっているのは蓄電池207だということがわかる。つまり、蓄電池207が3台目の充電対象として発見されたことになる。
グループG3、G4についての探索も、上記、及びステップS14における探索と同様に行われる。つまり、制御装置400が代表ユニットと通信を行い、また当該代表ユニットが、必要に応じて他の制御装置40と通信を行うことで、グループG3、G4についての探索が行われる。
探索が行われる際には、制御装置400が他の全ての制御装置40と個別に通信を行うのではなく、代表ユニットである制御装置401、402、404、408、416とのみ通信を行う。また、通信の相手方である制御装置401等は、必要に応じて他の制御装置40と通信を行うのであるが、この場合も、自らが行ったグループ分けの結果代表ユニットとなっている制御装置40とのみ通信を行う。このため、探索が行われる際における通信の負荷は分散されており、制御装置40の1台あたりの負荷は比較的小さくなっている。
以上のように探索が行われる結果、32台の蓄電池20の中から、残存容量が下閾値以下となっているものが発見(特定)される。このとき、発見された蓄電池20の台数が必要台数に到達した場合には、その時点で探索が中断される。
ステップS19に続くステップS20では、放電対象として発見された蓄電池20の台数が、ステップS12で算出された必要台数に到達したか否かが判定される。必要台数分の蓄電池20が発見された場合には、ステップS22に移行する。
ステップS20からステップS22に移行した場合には、制御装置400が他の制御装置40と通信を行い、これらを制御することにより、蓄電池システムBSへの充電が行われる。具体的には、ステップS19の探索で発見された蓄電池20の全てにおいて、定格電力での充電が行われるよう、各制御装置40の制御が行われる。蓄電池システムBSへの充電は、上位システム520からの充放電指令値が次に受信されるまでの間、継続される。
ステップS20において、充電対象として発見された蓄電池20の台数が必要台数よりも少なかった場合には、ステップS21に移行する。ステップS21では、下閾値の値が、これまでよりも大きい値となるように変更される。例えば、3kWhから3.5kWhへと変更される。その後、ステップS15以降の処理が再度実行される。これにより、より多くの蓄電池20が充電対象として発見されることとなる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。