以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を決済処理システムに適用した場合の実施形態である。
[1.決済処理システムSの構成及び機能]
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る決済処理システムの構成及び機能について説明する。図1は、本実施形態に係る決済処理システムの概要構成例を示す図である。図1に示すように、決済処理システムSは、RFID(Radio Frequency IDentification)1、携帯端末2、及び決済端末3を含んで構成される。決済処理システムSは、本発明の情報処理システムの一例である。RFID1は、本発明の携帯型記憶媒体の一例である。携帯端末2は、本発明の携帯型情報処理端末の一例である。決済端末3は、本発明の情報処理装置の一例である。携帯端末2は、ユーザにより携帯される。
RFID1は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリや「Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory」等)、及びアンテナを備えて構成される。なお、RFID1には、不揮発性メモリに代えて、或いは不揮発性メモリと共にROM(Read Only Memory)が備えられてもよい。
RFID1は、携帯端末2のユーザの指や腕等に身につけられる物品に組み込まれる。このような物品の例として、指輪、腕輪、時計、手袋等が挙げられる。RFID1は、決済端末3との間で、NFC(Near Field Communication)の規格に基づく近距離無線通信(13.56MHzの周波数帯(第1周波数帯の一例)を利用した無線通信、以下、「NFC無線通信」という)を行うことが可能になっている。NFC無線通信は、本発明における第1近距離無線通信の一例である。RFID1は、アンテナが電波を受信する際の電磁誘導で発生した電力だけでデータの読み出し及び送信等を行うものでも良く、CPU、RAMを備えていない、いわゆるパッシブ型のICタグであってもよい。
また、RFID1の不揮発性メモリには、携帯端末2の機器アドレスが予め記憶されている。機器アドレス(デバイスアドレス)は、携帯端末2を識別するための識別情報である。例えば、携帯端末2の機器アドレスは、携帯端末2のユーザが例えば上述した物品を購入する際などに、書き込み機器、例えば携帯端末2からNFC無線通信によりc1の不揮発性メモリに書き込まれる。また、RFID1には、発光ダイオード(LED)が接続されている。この発光ダイオードも上記物品に組み込まれる。発光ダイオードは、RFID1から、発光ダイオードのpn接合に順方向バイアス(電圧)が印加されると発光(点灯)する。なお、例えば、緑色発光ダイオード(または青色発光ダイオード)と、赤色発光ダイオードとが、上記物品に組み込まれ、RFID1に接続されてもよい。また、発光ダイオードに替えて、RFID1と液晶表示素子を接続させ、液晶ディスプレイを搭載したRFIDとしても良い。
携帯端末2は、近距離無線通信部21、及び耐タンパ情報処理部22を備えて構成される。なお、携帯端末2には、図示しないが、例えば操作キー、ディスプレイ、スピーカ、及び移動体無線通信部等を備えてもよい。このような携帯端末2には、スマートフォン、携帯電話機、またはタブレット端末等を適用することができる。
近距離無線通信部21は、アンテナ及び変復調回路等を備え、決済端末3との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に基づく近距離無線通信(2.4GHzの周波数帯(第2周波数帯の一例)を利用した無線通信、以下、「BT無線通信」という)を行うことが可能になっている。BT無線通信機能を有する携帯端末をBT機器ともいう。BT無線通信では、その開始時に通信開始処理(通信開始手続き)によりペアリングが行われる。これにより、安全で高速なデータ通信が可能になっている。BT無線通信は、本発明における第2近距離無線通信の一例である。なお、近距離無線通信部21は、BT無線通信に代えて、Wi-Fi(登録商標)と呼ばれる無線LANの規格に基づく近距離無線通信(2.4GHzまたは5GHzの周波数帯(第2周波数帯の一例)を利用した無線通信)を行うものであってもよい。
耐タンパ情報処理部22は、例えば、CPU及びRAM等から構成される判定部22a及び認証部22bと、ROM及び不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリや「Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory」等)等から構成される記憶部22cとを備える。耐タンパ情報処理部22は、物理的あるいは論理的に内部構造やデータが解析し難くさせるように構成される。耐タンパ情報処理部22は、本発明における判定命令受信手段、判定手段、判定結果送信手段、認証命令受信手段、認証手段、及び認証結果送信手段の一例である。耐タンパ情報処理部22は、CPUが記憶部22cに記憶されたプログラム(例えば、決済処理プログラム、可否判定プログラム及び本人認証プログラム等のアプリケーションプログラム)を実行することにより、上記判定手段及び認証手段等として機能し、後述する処理を行う。
また、記憶部22cには、携帯端末2のユーザの顔画像のデータ、または当該顔画像から抽出された特徴点を示す第1特徴点情報が予め記憶されている。第1特徴点情報は、例えば、目、鼻、口等の人の顔のパーツの位置及び大きさ等が正規化された情報である。このような第1特徴点情報は、所定のカメラにより撮影されたユーザの顔画像に基づき、所定の顔画像解析プログラムにより生成される。この顔画像解析プログラムは、記憶部22cに記憶され、耐タンパ情報処理部22より実行されるように構成してもよいし、携帯端末2とは別体の顔画像解析装置で実行されてもよい。なお、顔画像から特徴点を抽出する技術については公知であるので詳しい説明を省略する。
そして、耐タンパ情報処理部22が決済端末3から送信された可否判定命令を近距離無線通信部21を介して受信すると、判定部22aは、当該可否判定命令に応じて可否判定を行う。ここで、可否判定命令は、予め設定された処理の可否判定命令である。本実施形態では、予め設定された処理は、携帯端末2のユーザが商品を購入する際の決済処理である。この場合の可否判定命令は、携帯端末2のユーザが所有する例えばクレジットカードを用いた決済処理の可否判定(リスク判定)の命令を示す。当該可否判定命令には、例えば支払い金額、購入日付(例えば、ユーザが商品を購入するときの年月日と時刻)、通貨コード(通貨を識別する識別情報)、及び国コード(国を識別する識別情報)の少なくとも何れか一つの情報が含まれる。また、この場合、記憶部22cには、可否判定に必要な情報として、例えばクレジットカードでホスト4への与信照会(オーソリ)が不要な上限金額、クレジットカードの有効期限、クレジットカードが利用可能な通貨コード及び国コードのうち少なくとも何れか一つが記憶される。判定部22aは、可否判定命令に含まれる情報と、記憶部22cに記憶されている可否判定に必要な情報とを用いて、上記決済処理の可否判定を行う。そして、耐タンパ情報処理部22は、判定部22aにより行われた可否判定の結果(決済処理が可(判定OK)、または決済処理が否(判定NG))を示す判定結果情報を決済端末3へ送信する。
また、耐タンパ情報処理部22が決済端末3から送信された本人認証命令を近距離無線通信部21を介して受信すると、認証部22bは、当該本人認証命令に応じて、本人認証命令に含まれる第2特徴点情報と、記憶部22cに記憶されている第1特徴点情報とを照合することで本人認証を行う。或いは、認証部22bは、当該本人認証命令に応じて、本人認証命令に含まれる第2特徴点情報と、記憶部22cに記憶されている顔画像(データ)から特徴点を抽出し当該抽出した第1特徴点情報とを照合することで本人認証を行う。或いは、認証部22bは、当該本人認証命令に応じて、本人認証命令に含まれる顔画像から特徴点を抽出し当該抽出した特徴点を示す第2特徴点情報と、記憶部22cに記憶されている第1特徴点情報とを照合することで本人認証を行う。或いは、認証部22bは、当該本人認証命令に応じて、本人認証命令に含まれる顔画像から特徴点を抽出し当該抽出した特徴点を示す第2特徴点情報と、記憶部22cに記憶されている顔画像から特徴点を抽出し当該抽出した特徴点を示す第1特徴点情報とを照合することで本人認証を行う。ここで、第2特徴点情報は、決済端末3のカメラ34により撮影された顔画像(携帯端末2のユーザの顔画像)から抽出された特徴点を示す。第2特徴点情報は、第1特徴点情報と同様、例えば、目、鼻、口等の人の顔のパーツの位置及び大きさ等が正規化された情報である。認証部22bは、第2特徴点情報と第1特徴点情報との照合により、第2特徴点情報が示す特徴点と第1特徴点情報が示す特徴点との関係が予め設定された条件を満たす(例えば、所定割合で一致する)場合、認証成功(OK)であると判定する。なお、本人認証命令には、第2特徴点情報に代えて、決済端末3のカメラ34により撮影された顔画像のデータが含まれてもよい。この場合、耐タンパ情報処理部22が、顔画像解析プログラムにより、本人認証命令とともに取得した顔画像から特徴点を抽出して上記第2特徴点情報を生成することになる。なお、特徴点情報を照合して本人認証を行う技術については公知であるので詳しい説明を省略する。そして、耐タンパ情報処理部22は、認証部22bにより行われた本人認証の結果(認証成功(認証OK)、または認証失敗(認証NG))を示す認証結果情報を決済端末3へ送信する。
なお、耐タンパ情報処理部22は、通話機能及びインターネットを介した通信機能を担う制御部(CPU、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ等からなる)とハードウェア及びソフトウェアが分離するように構成されてもよい。この場合、耐タンパ情報処理部22は、例えば、携帯端末2に着脱可能なSIM(Subscriber Identity Module)カードに搭載されるICチップに備えられる。
決済端末3は、第1近距離無線通信部31、第2近距離無線通信部32、通信部33、カメラ34、記憶部35(記憶手段の一例)、及び決済処理部36等を備えて構成される。決済端末3は、例えば、商品を販売する店舗の支払いカウンターに設置される。なお、図示しないが、決済端末3には、店員からの操作指示を入力する操作部を備えている。決済端末3は、POS(Point Of Sale)端末内に組み込まれてもよい。また、カメラ(デジタルカメラ)34は、決済端末3の外付けカメラであってもよい。
第1近距離無線通信部31は、アンテナ及び変復調回路等から構成されるNFCリーダを備え、決済処理部36からの探索命令に応じて、例えば13.56MHzの無線によりRFID1を探索(NFC探索)する。そして、第1近距離無線通信部31は、RFID1から応答があると(所定時間内に応答がなければタイムアウトとなる)、探索した当該RFID1へNFC無線通信により機器アドレス読出命令を送り、当該RFID1から送信された、携帯端末2の機器アドレスを受信する。第1近距離無線通信部31は、本発明における第1受信手段の一例である。なお、第1近距離無線通信部31とRFID1とがNFC無線通信を開始する際に互いに乱数(鍵データ)を要求して認証処理を行う場合もある。
第2近距離無線通信部32は、アンテナ及び変復調回路等を備え、決済処理部36からの探索命令に応じて、第1近距離無線通信部31により受信された機器アドレスを用いて、例えば2.4GHzの無線により携帯端末2の近距離無線通信部21を探索(BT探索)する。第2近距離無線通信部32は、本発明における通信開始処理手段の一例である。そして、第2近距離無線通信部32は、近距離無線通信部21から応答があると(所定時間内に応答がなければタイムアウトとなる)、探索した当該近距離無線通信部21との間でBT無線通信よる通信開始処理を行い、当該携帯端末2の近距離無線通信部21とペアリングする。
具体的には、例えば、第2近距離無線通信部32は、近距離無線通信部21へペアリング開始を要求する。この要求に応じて、近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32へPINコードを要求する。この要求に応じて、第2近距離無線通信部32は、PINコードを近距離無線通信部21へ送信するとともに、近距離無線通信部21へPINコードを要求する。この要求に応じて、近距離無線通信部21は、PINコードを第2近距離無線通信部32へ送信する。これにより、第2近距離無線通信部32と近距離無線通信部21は、互いの機器アドレスを登録してペアリング(携帯端末2と決済端末3とのペアリングと称する)が完了する。なお、第2近距離無線通信部32は、BT無線通信に代えて、Wi-Fi(登録商標)と呼ばれる無線LANの規格に基づく近距離無線通信を行うものであってもよい。
通信部33は、例えばインターネットまたは専用回線を介してホスト4に接続して通信可能になっている。ホスト4は、例えばクレジットカード会社により運用され、決済端末3からの要求に応じて、与信照会等の処理を行う。カメラ34は、決済処理部36からの起動指令に応じて起動し、支払いカウンターの所定位置にいるユーザの顔画像を撮影して決済処理部36へ出力する。記憶部35は、例えばマスクROMか、あるいはフラッシュメモリ等により構成され、決済処理プログラム(本発明の情報処理プログラムを含む)等を記憶する。
決済処理部36は、図示しないが、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。決済処理部36は、本発明における第2受信手段、第3受信手段、第1送信手段、第2送信手段、取得手段、及び処理実行手段の一例である。決済処理部36は、CPUが記憶部35に記憶されたプログラムを実行することにより、上記処理実行手段等として機能し、後述する処理を行う。
具体的には、決済処理部36は、携帯端末2とのペアリングが完了すると、上述した決済処理の可否判定命令をペアリングされた(つまり、通信開始処理が完了した)携帯端末2へ第2近距離無線通信部32を介して送信する。決済処理部36は、当該可否判定命令に応じて携帯端末2から送信された判定結果情報を第2近距離無線通信部32を介して受信すると、当該判定結果情報が示す結果を判定し、当該判定結果情報が可(判定OK)を示す場合、カメラ34へ起動指令を出力する。これにより、決済処理部36は、携帯端末2のユーザの顔画像をカメラ34に撮影させ、当該カメラ34により撮影、出力された顔画像を取得する。或いは、上記決済処理部36は、判定結果情報が可(判定OK)を示す場合、通信部33を介してホスト4へ本人認証要否の確認を要求する。そして、決済処理部36は、ホスト4からの応答が本人認証要を示す場合、カメラ34へ起動指令を出力することでカメラ34に撮影させ、当該カメラ34により撮影、出力された顔画像を取得する。なお、決済処理部36は、RFID1から送信された、携帯端末2の機器アドレスを受信すると(例えば、機器アドレスのフォーマットが正常であると)、上述した通信開始処理の前(つまり、携帯端末2とのペアリングが完了する前)に、カメラ34へ起動指令を出力して、出力された顔画像を取得、或いは顔画像を取得して更に特徴点の抽出を開始しても良い。この時点で撮影することで処理の高速化を図ることができる。さらに、この時点で特徴点の抽出を開始することで処理の高速化を更に図ることができる。
決済処理部36は、取得した顔画像から特徴点を、上述した顔画像解析プログラムにより抽出する。そして、決済処理部36は、抽出した特徴点を示す第2特徴点情報を含む本人認証命令をペアリングされた携帯端末2へ第2近距離無線通信部32を介して送信する。なお、決済処理部36は、第2特徴点情報に代えて、顔画像のデータを含む本人認証命令をペアリングされた携帯端末2へ第2近距離無線通信部32を介して送信してもよい。その後、決済処理部36は、当該本人認証命令に応じて携帯端末2から送信された認証結果情報を近距離無線通信部32を介して受信すると、当該認証結果情報に応じて決済処理を実行する。例えば、決済処理部36は、認証結果情報が認証OKを示す場合、例えばクレジットカードによる決済を承認して決済情報を登録し、LED点灯命令を、第1近距離無線通信部31を介してRFID1へ送信する。これにより、RFID1は、発光ダイオードを点灯させる。なお、設定により本人認証命令が携帯端末2へ送信されないように構成してもよい。この場合、決済処理部36は、携帯端末2から送信された判定結果情報を第2近距離無線通信部32を介して受信すると、当該判定結果情報に応じて決済処理を実行することになる。
[2.決済処理システムSの動作]
以下、決済処理システムSの動作例について、実施例1と実施例2に分けて説明する。
(実施例1)
次に、図2及び図3を参照して、実施例1に係る決済処理システムSの動作例について説明する。図2は、携帯端末2のユーザが店舗の支払いカウンターで商品を購入するときの様子の一例を示す概念図である。図2の例では、顧客であるユーザは、自身の携帯端末2をカバン(バッグ)内に入れており、なおかつ、RFID1及び発光ダイオードが組み込まれた指輪を嵌めている。図3は、実施例1に係る決済処理システムSにおいて、RFID1、携帯端末2、及び決済端末3により行われる処理フローの一例を示すシーケンス図である。なお、以下に説明する動作例の前提として、携帯端末2において、第2近距離無線通信部21によるBT無線通信機能を常時起動させておき、さらに、決済端末3から受信された命令を判定部22a及び認証部22bへ渡すブリッジアプリケーションをバックグラウンドで常時起動させておくものとする。また、携帯端末2において、第1近距離無線通信部31によるNFC無線通信機能を常時起動させておいても良い。
先ず、店舗の支払いカウンターにいる店員が、顧客により購入される商品の金額及び決済方式(例えばクレジットカードによる決済)を決済端末3に入力して決済指示を行うと、決済処理部36は、第1近距離無線通信部31へ探索命令を出力する。第1近距離無線通信部31は、当該探索命令に応じて、例えば13.56MHz帯の電磁波を発信してRFID1の探索(NFC探索)を行う(ステップS1)。携帯端末2を携帯するユーザである顧客が、図2に示すように、決済端末3のNFCリーダに手を翳すことで、RFID1が第1近距離無線通信部31から発信された電磁波を受信しこれに応答し、第1近距離無線通信部31からの機器アドレス読出命令に応じて、当該RFID1は不揮発性メモリに記憶されている機器アドレスを読み出し、これをNFC無線通信により決済端末3へ送信する(ステップS2)。
決済端末3の決済処理部36は、RFID1から送信された機器アドレスを第1近距離無線通信部31を介して受信すると、第2近距離無線通信部32へ探索命令を出力する。或いは、決済処理部36は、RFID1から送信された機器アドレスを第1近距離無線通信部31を介して受信すると、カメラ34へ起動指令を出力して、出力された顔画像を取得するように構成してもよい。決済端末3の第2近距離無線通信部32は、当該探索命令に応じて、第1近距離無線通信部31により受信された機器アドレスを用いて、例えば2.4GHz帯の電磁波を発信して携帯端末2の探索(BT探索)を行う(ステップS3)。これにより、決済端末3の第2近距離無線通信部32は、探索した(応答した)携帯端末2の近距離無線通信部21との間で上述した通信開始処理を行うことで、当該携帯端末2の近距離無線通信部21とペアリングする(ステップS4)。次いで、決済端末3の決済処理部36は、決済処理の可否判定命令をペアリングされた携帯端末2へ第2近距離無線通信部32を介して送信する(ステップS5)。なお、決済端末3の決済処理部36は、このタイミングで決済処理の可否判定命令を送信することに代えて、後述するように、携帯端末2から第2近距離無線通信部32を介して受信した認証結果情報が認証OKを示す場合に、決済処理の可否判定命令を送信するように構成してもよい。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、決済端末3から受信した可否判定命令(後述するように、決済端末3が認証OKと判定した場合に受信する場合もある)を耐タンパ情報処理部22へ出力する(ステップS6)。耐タンパ情報処理部22が可否判定命令を受信すると、判定部22aは、上述したように、当該可否判定命令に含まれる情報と、記憶部22cに記憶されている可否判定に必要な情報とを用いて、決済処理の可否判定を行う(ステップS7)。例えば、判定部22aは、可否判定命令に含まれる支払い金額が、記憶部22cに記憶されている上限金額以下であるか否かを確認し、支払い金額が上限金額以下である場合(条件を満たす場合)、与信照会を行わない決済処理が可(OK)であると判定するか、或いは、与信照会を行う決済処理が可(OK)であると判定する。また、例えば、判定部22aは、可否判定命令に含まれる購入日付が、記憶部22cに記憶されている有効期限以内であるか否かを確認し、購入日付が有効期限以内である場合(条件を満たす場合)、決済処理が可(OK)であると判定する。また、例えば、判定部22aは、可否判定命令に含まれる通貨コード(または国コード)が、記憶部22cに記憶されている通貨コード(または国コード)と一致するか否かを確認し、当該コードが一致する場合(条件を満たす場合)、決済処理が可(OK)であると判定する。なお、判定部22aは、例えば所定期間内の可否判定要求が所定回数未満であるか否かを確認し、所定期間内の可否判定要求が所定回数未満である場合(条件を満たす場合)、決済処理が可(OK)であると判定するように構成してもよい。また、上述した複数の判定がいずれも条件を満たす場合に、決済処理が可(OK)であると判定するように構成してもよい。そして、耐タンパ情報処理部22は、判定部22aにより行われた可否判定の結果(決済処理が可(判定OK)、または決済処理が否(判定NG))を示す判定結果情報を近距離無線通信部21を介して決済端末3へ送信する(ステップS8〜S11)。
決済端末3の決済処理部36は、携帯端末2から第2近距離無線通信部32を介して受信した判定結果情報が示す結果が否(判定NG)を示す場合、例えばクレジットカードによる決済を拒否する処理を行う(ステップS12)。一方、決済端末3の決済処理部36は、携帯端末2から受信した判定結果情報が示す結果が可(判定OK)を示す場合、ステップS13へ進む。或いは、決済処理部36は、携帯端末2から受信した判定結果情報が示す結果が可(判定OK)を示す場合、通信部33を介してホスト4へ本人認証要否の確認を要求するように構成してもよい。この場合、決済処理部36は、ホスト4からの応答が本人認証要を示す場合、ステップS13へ進む。なお、携帯端末2から受信した判定結果情報が示す結果が、与信照会を行う決済処理が可(判定OK)を示す場合、決済処理部36は、通信部33によりホスト4に接続して与信照会を要求する。そして、決済処理部36は、ホスト4から与信OKを受信した場合、ステップS13へ進む。
ステップS13では、決済端末3の決済処理部36は、カメラ34へ起動指令を出力することで、図2に示すように、携帯端末2のユーザの顔画像をカメラ34に撮影させ、撮影された顔画像から特徴点を抽出する。なお、決済処理部36は、機器アドレスを受信したときに顔画像を取得している場合、ステップS13では、当該取得された顔画像から特徴点を抽出する。なお、決済処理部36は、機器アドレスを受信したときに顔画像を取得しさらに特徴点を抽出している場合、ステップS13では、既に抽出された特徴点を示す第2特徴点情報があるので、これが利用される。決済端末3の決済処理部36は、抽出した特徴点を示す第2特徴点情報、または取得された顔画像のデータを含む本人認証命令をペアリングされた携帯端末2へ第2近距離無線通信部32を介して送信する(ステップS14)。なお、決済端末3の決済処理部36は、本人認証命令を送信する前に、本人確認手段情報読出命令をペアリングされた携帯端末2へ第2近距離無線通信部32を介して送信するように構成してもよい。この場合、携帯端末2の近距離無線通信部21は、決済端末3から受信した本人確認手段情報読出命令を耐タンパ情報処理部22へ出力する。そして、耐タンパ情報処理部22は、記憶部22cに顔画像のデータまたは第1特徴点情報が記憶されている場合、本人確認手段情報(例えば、顔画像のデータまたは第1特徴点情報を記憶していることを示す情報)を近距離無線通信部21を介して決済端末3へ送信する。そして、決済端末3の決済処理部36は、携帯端末2から第2近距離無線通信部32を介して受信した本人確認手段情報を受信した場合に、上記本人認証命令をペアリングされた携帯端末2へ第2近距離無線通信部32を介して送信する。このように本人確認手段情報を読み出しているのは、顔画像のデータまたは第1特徴点情報を携帯端末2が記憶していない場合があるためである。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、決済端末3から受信した本人認証命令を耐タンパ情報処理部22へ出力する(ステップS15)。耐タンパ情報処理部22が本人認証命令を受信すると、認証部22bは、上述したように、本人認証命令に含まれる第2特徴点情報(または認証部22bが、本人認証命令に含まれる顔画像から取得した第2特徴点情報)と、記憶部22cに記憶されている第1特徴点情報(または認証部22bが、記憶部22cに記憶されている顔画像から取得した第1特徴点情報)とを照合することで本人認証を行う(ステップS16)。そして、耐タンパ情報処理部22は、認証部22bにより行われた本人認証の結果(認証成功(認証OK)、または認証失敗(認証NG))を示す認証結果情報を近距離無線通信部21を介して決済端末3へ送信する(ステップS17〜S20)。
決済端末3の決済処理部36は、携帯端末2から第2近距離無線通信部32を介して受信した認証結果情報が認証NGを示す場合、例えばクレジットカードによる決済を拒否する処理を行う(ステップS21)。一方、決済端末3の決済処理部36は、携帯端末2から第2近距離無線通信部32を介して受信した認証結果情報が認証OKを示す場合、例えばクレジットカードによる決済を承認する処理を行う(ステップS22)。この処理では、決済処理部36は、例えばクレジットカードによる決済を承認して決済情報を登録する。そして、決済処理部36は、LED点灯命令を、第1近距離無線通信部31を介してRFID1へ送信する(ステップS23)。RFID1は、決済端末3からLED点灯命令を受信すると、発光ダイオード(LED)を点灯させる(ステップS24)。つまり、決済処理部36は、判定結果情報及び認証結果情報に応じて発光ダイオードを点灯させる。
(実施例2)
次に、図4〜図6を参照して、実施例2に係る決済処理システムSの動作例について説明する。図4〜図6は、実施例2に係る決済処理システムSにおいて、RFID1、携帯端末2、及び決済端末3により行われる処理フローの一例を示すシーケンス図である。
先ず、店舗の支払いカウンターにいる店員が、顧客により購入される商品の金額及び決済方式(例えばクレジットカードによる決済)を決済端末3に入力して決済指示を行うと、決済処理部36は、図1に示すように、通信方式をNFC無線通信に設定する(ステップS51)。次いで、決済処理部36は、第1近距離無線通信部31へ探索命令を出力する。第1近距離無線通信部31は、当該探索命令に応じて、例えば13.56MHz帯の電磁波を発信してRFID1の探索(NFC探索)を行う(ステップS52)。
第1近距離無線通信部31は、タイムアウトであると判定する(ステップS53:YES)か、或いは、RFID1から応答(NFC応答)がある(ステップS55:YES)まで、NFC探索を繰り返す。決済処理部36は、タイムアウトであると判定した場合(ステップS53:YES)、ステップS115へ進む。
携帯端末2を携帯するユーザである顧客が、図2に示すように、決済端末3のNFCリーダに手を翳すことで、RFID1が第1近距離無線通信部31から発信された電磁波を受信しこれに応答(NFC応答)する(ステップS54)。これにより、第1近距離無線通信部31は、RFID1から応答があると判定し(ステップS55:YES)、機器アドレス読出命令をRFID1へ送信する(ステップS56)。
RFID1は、第1近距離無線通信部31からの機器アドレス読出命令を受信すると、これに応じて、当該RFID1は不揮発性メモリに記憶されている機器アドレスを読み出し(ステップS57)、これをNFC無線通信により決済端末3へ送信(機器アドレス応答)する(ステップS58)。
決済端末3の決済処理部36は、RFID1から送信された機器アドレスを第1近距離無線通信部31を介して受信すると、機器アドレスの応答フォーマットが正常である(予め規定された応答フォーマットと一致する)か否かを判定する(ステップS59)。決済処理部36は、機器アドレスの応答フォーマットが正常でないと判定した場合(ステップS59:NO)、ステップS115へ進む。一方、決済処理部36は、機器アドレスの応答フォーマットが正常であると判定した場合(ステップS59:YES)、ステップS60へ進む。ステップS60では、決済処理部36は、カメラ34へ起動指令を出力することで、携帯端末2のユーザの顔画像をカメラ34に撮影させ、撮影された顔画像から特徴点を抽出する。なお、このとき撮影された顔画像のデータは、記憶部35に記憶される。
次いで、決済処理部36は、通信方式をBT無線通信に設定する(ステップS61)。次いで、決済処理部36は、第2近距離無線通信部32へ探索命令を出力する。第2近距離無線通信部32は、当該探索命令に応じて、第1近距離無線通信部31により受信された機器アドレスを用いて、例えば2.4GHz帯の電磁波を発信して携帯端末2の探索(BT探索)を行う(ステップS62)。第2近距離無線通信部32は、タイムアウトであると判定する(ステップS63:YES)か、或いは、RFID1から応答(BT応答)がある(ステップS65:YES)まで、BT探索を繰り返す。決済処理部36は、タイムアウトであると判定した場合(ステップS63:YES)、ステップS115へ進む。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32から発信された電磁波を受信しこれに応答(BT応答)する(ステップS64)。これにより、第2近距離無線通信部32は、近距離無線通信部21から応答があると判定し(ステップS65:YES)、探索した携帯端末2の近距離無線通信部21との間で上述した通信開始処理を行う。この通信開始処理では、第2近距離無線通信部32は、自身のPINコードを含むペアリング要求を、携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する(ステップS66)。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32からのペアリング要求を受信すると、ペアリング判定を行う(ステップS67)。このペアリング判定では、近距離無線通信部21は、ペアリング要求に含まれるPINコードが、近距離無線通信部21に予め記憶されているPINリストに登録されているか否かを判定する。このPINリストには、近距離無線通信部21とBT無線通信する相手候補のPINコードが1つ以上登録されている。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、ペアリング要求に含まれるPINコードがPINリストに登録されていると判定した場合、自身のPINコード及びペアリング判定結果(ペアリング判定成功を示す)を含むペアリング応答を、第2近距離無線通信部32へ行う(ステップS68)。一方、近距離無線通信部21は、ペアリング要求に含まれるPINコードがPINリストに登録されていないと判定した場合、ペアリング判定結果(ペアリング判定失敗(NG)を示す)を含むペアリング応答を、第2近距離無線通信部32へ行う(ステップS68)。
決済端末3の第2近距離無線通信部32は、近距離無線通信部21からのペアリング応答を受信すると、ペアリング応答に含まれるペアリング判定結果に基づいて、ペアリング判定結果が成功であるか(つまり、ペアリング判定結果がペアリング判定成功を示すか)否かを判定する(ステップS69)。第2近距離無線通信部32は、ペアリング判定結果が成功でないと判定した場合(ステップS69:NO)、ステップS115へ進む。一方、第2近距離無線通信部32は、ペアリング判定結果が成功であると判定した場合(ステップS69:YES)、ステップS70へ進む。
ステップS70では、第2近距離無線通信部32は、ペアリング判定を行う。このペアリング判定では、第2近距離無線通信部32は、ペアリング応答に含まれるPINコードが、第2近距離無線通信部32に予め記憶されているPINリストに登録されているか否かを判定する。このPINリストには、第2近距離無線通信部32とBT無線通信する相手候補のPINコードが1つ以上登録されている。
次いで、第2近距離無線通信部32は、ステップS70によるペアリング判定結果が成功であるか否かを判定する(ステップS71)。第2近距離無線通信部32は、ペアリング判定結果が成功でないと判定した場合(ステップS71:NO)、ステップS115へ進む。一方、ペアリング判定結果が成功であると判定された場合(ステップS71:YES)、図5に示すように、決済端末3の決済処理部36は、AP(アプリケーションプログラム)選択命令を第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する(ステップS72)。この選択命令には、例えば、起動対象のアプリケーションプログラム(決済処理プログラム等の)の識別子が含まれる。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32からのAP選択命令を受信すると、当該AP選択命令を耐タンパ情報処理部22へ出力する(ステップS73)。耐タンパ情報処理部22は、AP選択命令を入力するとAP選択処理を行う(ステップS74)。このAP選択処理では、耐タンパ情報処理部22は、AP選択命令により指定されたアプリケーションプログラムのフォルダをツリー階層から検索し、当該アプリケーションプログラムを選択して起動させる。そして、耐タンパ情報処理部22は、AP選択結果(AP選択結果情報)を、近距離無線通信部21へ出力する(ステップS75)。アプリケーションプログラムが起動された場合、AP選択結果は、選択成功を示す。一方、AP選択命令により指定されたアプリケーションプログラムがインストールされていない場合や、アプリケーションプログラムが正常に起動できない場合、AP選択結果は、選択失敗を示す。そして、近距離無線通信部21は、耐タンパ情報処理部22からのAP選択結果を、第2近距離無線通信部32へ送信する(ステップS76)。
決済端末3の決済処理部36は、近距離無線通信部21から送信されたAP選択結果を第2近距離無線通信部32を介して受信すると、AP選択結果が成功であるか否かを判定する(ステップS77)。決済処理部36は、AP選択結果が成功でないと判定した場合(ステップS77:NO)、ステップS115へ進む。一方、決済処理部36は、AP選択結果が成功であると判定した場合(ステップS77:YES)、取引開始命令を第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する(ステップS78)。この取引開始命令は、取引処理の可否判定命令の一例である。当該取引開始命令には、例えば、クレジットカードを取扱い可能な通貨の通貨コード、当該クレジットカードを取扱い可能な国の国コード、購入日付、オペレーション種類などが含まれる。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32からの取引開始命令を受信すると、当該取引開始命令を耐タンパ情報処理部22へ出力する(ステップS79)。耐タンパ情報処理部22は、取引開始命令を入力すると取引判定を行う(ステップS80)。取引判定では、耐タンパ情報処理部22の判定部22aは、例えば、取引開始命令に含まれる通貨コードが、記憶部22cに記憶されている通貨コードと一致するか否かを確認し、当該コードが一致する場合(取引判定条件aを満たす場合)、取引判定が成功(可)であると判定する。また、耐タンパ情報処理部22の判定部22aは、例えば、取引開始命令に含まれる国コードが、記憶部22cに記憶されている国コードと一致するか否かを確認し、当該コードが一致する場合(取引判定条件bを満たす場合)、取引判定が成功(可)であると判定する。また、耐タンパ情報処理部22の判定部22aは、例えば、取引開始命令に含まれるオペレーション種類が、記憶部22cに記憶されているオペレーション種類と一致するか否かを確認し、当該オペレーション種類が一致する場合(取引判定条件cを満たす場合)、取引判定が成功(可)であると判定する。また、耐タンパ情報処理部22の判定部22aは、例えば、取引開始命令に含まれる取引日付が有効期限以内であるか否かを確認し、当該取引日付が有効期限以内である場合(取引判定条件dを満たす場合)、取引判定が成功(可)であると判定する。なお、判定部22aは、上記取引判定条件a〜dの全部、または何れか1つ以上の取引判定条件を満たす場合、取引判定が成功(可)であると判定するとよい。
そして、耐タンパ情報処理部22は、判定部22aにより行われた取引判定結果(取引判定結果が成功、または取引判定結果が失敗を示す判定結果情報)を近距離無線通信部21へ出力する(ステップS81)。近距離無線通信部21は、耐タンパ情報処理部22からの取引判定結果を受信すると、当該取引判定結果を、第2近距離無線通信部32へ送信する(ステップS82)。
決済端末3の決済処理部36は、近距離無線通信部21から送信された取引判定結果を第2近距離無線通信部32を介して受信すると、取引判定結果が成功であるか否かを判定する(ステップS83)。決済処理部36は、取引判定結果が成功でないと判定した場合(ステップS83:NO)、ステップS115へ進む。一方、決済処理部36は、取引判定結果が成功であると判定した場合(ステップS83:YES)、本人確認手段情報読出命令を第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する(ステップS84)。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32からの本人確認手段情報読出命令を受信すると、当該本人確認手段情報読出命令を耐タンパ情報処理部22へ出力する(ステップS85)。耐タンパ情報処理部22は、本人確認手段情報読出命令を入力すると、記憶部22cに記憶されている本人確認手段情報(例えば、顔画像のデータまたは第1特徴点情報を記憶していることを示す情報、或いは顔照合による本人認証が可能か否かを示す情報)を読み出し(ステップS86)、これを近距離無線通信部21へ出力する(ステップS87)。近距離無線通信部21は、耐タンパ情報処理部22からの本人確認手段情報を受信すると、当該本人確認手段情報を、第2近距離無線通信部32へ送信する(ステップS88)。
決済端末3の決済処理部36は、近距離無線通信部21から送信された本人確認手段情報を第2近距離無線通信部32を介して受信すると、本人確認手段情報に基づいて、本人確認手段は顔照合であるか(言い換えれば、顔照合による本人認証が可能であるか)否かを判定する(ステップS89)。決済処理部36は、本人確認手段は顔照合であると判定した場合(ステップS89:YES)、本人認証命令を第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する(ステップS90)。この本人認証命令には、ステップS60で抽出された特徴点を示す第2特徴点情報、または取得された顔画像のデータを含む。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32から送信された本人認証命令を受信すると、当該本人認証命令を耐タンパ情報処理部22へ出力する(ステップS91)。耐タンパ情報処理部22が本人認証命令を入力すると、認証部22bは、実施例1と同様、本人認証命令に含まれる第2特徴点情報(または本人認証命令に含まれる顔画像から取得した第2特徴点情報)と、記憶部22cに記憶されている第1特徴点情報(または記憶部22cに記憶されている顔画像から取得した第1特徴点情報)とを照合することで本人認証を行う(ステップS92)。そして、耐タンパ情報処理部22は、認証結果(認証結果情報)を近距離無線通信部2へ出力する(ステップS93)。認証結果は、第1特徴点情報と第2特徴点情報とが所定割合で一致する場合、認証成功を示す。一方、認証結果は、第1特徴点情報と第2特徴点情報とが所定割合で一致しない場合、認証失敗を示す。近距離無線通信部21は、耐タンパ情報処理部22からの認証結果を受信すると、当該認証結果を、第2近距離無線通信部32へ送信する(ステップS94)。
決済端末3の決済処理部36は、近距離無線通信部21から送信された認証結果を第2近距離無線通信部32を介して受信すると、耐タンパ情報処理部22により本人認証が行われた回数が、予め設定された認証可能回数(例えば、2回〜5回)を超えたか否かを判定する(ステップS95)。決済処理部36は、認証可能回数を超えていないと判定した場合(ステップS95:NO)、認証結果が成功であるか(つまり、認証結果が認証成功を示すか)否かを判定する(ステップS96)。決済処理部36は、認証結果が成功でない(つまり、認証結果が認証失敗を示す)と判定した場合(ステップS96:NO)、再度、本人認証命令をを第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する。これに応じて、耐タンパ情報処理部22により本人認証がリトライされる。一方、決済処理部36は、認証結果が成功であると判定した場合(ステップS96:YES)、決済命令をを第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する(ステップS100)。この決済命令には、決済処理の可否判定命令の一例である。当該決済命令には、例えば支払い金額などが含まれる。
一方、ステップS95において、決済処理部36は、認証可能回数を超えていると判定した場合(ステップS95:YES)、顔画像を消去不可に設定し(ステップS97)、ステップS115へ進む。また、決済処理部36は、本人確認手段は顔照合でないと判定した場合(ステップS89:NO)、例えば決済端末3に接続されたディスプレイに身分証明書の確認表示を行う(ステップS98)。例えば、「購入者(携帯端末2のユーザ)の身分証明書(免許証、またはパスポート等)を確認してください」と表示される。これを見た店員は、購入者に身分証明書の提示を求め、購入者から提示された身分証明書を確認し本人であることを確認できれば、決済端末3から決済OKを入力する(ステップS99:YES)。これにより、決済処理部36は、決済命令をを第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する(ステップS100)。なお、店員は、身分証明書に代えて、例えば暗証番号の購入者に入力させることで、本人であることを確認してもよい。一方、購入者から提示された身分証明書を確認し本人であることを確認できなれば、決済端末3から決済NGを入力する(ステップS99:NO)。これにより、決済処理部36は、ステップS115へ進む。
携帯端末2の近距離無線通信部21は、第2近距離無線通信部32から送信された決済命令を受信すると、当該決済命令を耐タンパ情報処理部22へ出力する(ステップS101)。耐タンパ情報処理部22は、決済命令を入力するとリスク判定を行う(ステップS102)。リスク判定では、例えば、耐タンパ情報処理部22の判定部22aは、記憶部22cに記憶されているオンライン照会履歴中に拒否(例えば、前回の決済処理におけるオンライン照会結果が拒否)が記録されているか否かを判定する。そして、オンライン照会履歴中に拒否が記録されている場合、判定部22aは、例えばクレジットカードによる決済を拒否と判定する。一方、オンライン照会履歴中に拒否が記録されていない場合、判定部22aは、決済命令に含まれる支払い金額が、記憶部22cに記憶されている上限金額以下であるか否かを確認し、支払い金額が上限金額以下である場合、オフライン承認と判定する。一方、支払い金額が上限金額以下でない場合、要オンライン承認と判定する。なお、決済命令に含まれる支払い金額が上限金額以下である場合であっても、判定部22aは、例えば所定期間内のリスク判定が所定回数以下であるか否かを確認し、所定期間内のリスク判定が所定回数以下でない場合、要オンライン承認と判定してもよい。そして、耐タンパ情報処理部22は、リスク判定結果(リスク判定結果情報)を近距離無線通信部2へ出力する(ステップS103)。リスク判定結果は、拒否、オフライン承認、または要オンライン承認を示す。近距離無線通信部21は、耐タンパ情報処理部22からのリスク判定結果を受信すると、当該リスク判定結果を、第2近距離無線通信部32へ送信する(ステップS104)。
決済端末3の決済処理部36は、近距離無線通信部21から送信されたリスク判定結果を第2近距離無線通信部32を介して受信すると、リスク判定結果が拒否であるか(つまり、リスク判定結果が拒否を示すか)否かを判定する(ステップS105)。決済処理部36は、リスク判定結果が拒否であると判定した場合(ステップS105:YES)、ステップS115へ進む。一方、決済処理部36は、リスク判定結果が拒否でないと判定した場合(ステップS105:NO)、リスク判定結果がオフライン承認であるか否かを判定する(ステップS106)。決済処理部36は、リスク判定結果がオフライン承認であると判定した場合(ステップS106:YES)、ステップS112へ進む。一方、決済処理部36は、リスク判定結果がオフライン承認でないと判定した場合(ステップS106:NO)、リスク判定結果が要オンライン承認であるか否かを判定する(ステップS107)。決済処理部36は、リスク判定結果が要オンライン承認でないと判定した場合(ステップS107:NO)、ステップS115へ進む。
一方、決済処理部36は、リスク判定結果が要オンライン承認であると判定した場合(ステップS107:YES)、通信部33によりホスト4に接続して当該ホスト4へ照会要求を送信する(ステップS108)。照会要求には、例えばクレジットカードの番号及び有効期限等が含まれる。そして、ホスト4は、決済処理部36からの照会要求を受信すると、照会を行い(ステップS109)、その照会結果(承認、または拒否を示す)を決済端末3へ送信する(ステップS110)。
決済端末3の決済処理部36は、近距離無線通信部21から送信された照会結果を通信部33を介して受信すると、照会結果が承認であるか(つまり、照会結果が承認を示すか)否かを判定する(ステップS111)。決済処理部36は、照会結果が承認でないと判定した場合(ステップS111:NO)、ステップS115へ進む。このとき、決済処理部36は、拒否を示すオンライン照会結果を第2近距離無線通信部32を介して携帯端末2の近距離無線通信部21へ送信する。これにより、携帯端末2の耐タンパ情報処理部22は、拒否を示すオンライン照会結果を履歴中に記録する。一方、決済処理部36は、上記照会結果が承認であると判定した場合(ステップS111:YES)、決済完了を表示し(ステップS112)、緑色発光ダイオード(または青色発光ダイオード)のLED点灯命令を、第1近距離無線通信部31を介してRFID1へ送信し(ステップS113)、ステップS118へ進む。RFID1は、決済端末3からLED点灯命令を受信すると、緑色発光ダイオード(または青色発光ダイオード)を点灯させる(ステップS114)。つまり、決済処理部36は、本人認証結果及びリスク判定結果に応じて発光ダイオードを点灯させる。なお、RFID1が液晶ディスプレイを搭載するものである場合、決済処理部36は、例えば緑色(青色)表示命令を、第1近距離無線通信部31を介してRFID1へ送信し、RFID1は、当該緑色(青色)表示命令を受信すると、液晶ディスプレイ上に、例えば緑色(または青色)のマークを表示させる(液晶ディスプレイの表示エリア全体を緑色(または青色)に表示させてもよい)。
一方、ステップS115において、決済端末3の決済処理部36は、異常原因(例えば、取引判定結果が失敗、リスク判定結果が拒否など)を表示し、赤色発光ダイオードのLED点灯命令を、第1近距離無線通信部31を介してRFID1へ送信し(ステップS116)、ステップS118へ進む。RFID1は、決済端末3からLED点灯命令を受信すると、赤色発光ダイオードを点灯させる(ステップS117)。つまり、決済処理部36は、本人認証結果及びリスク判定結果に応じて発光ダイオードを点灯させる。なお、RFID1が液晶ディスプレイを搭載するものである場合、決済処理部36は、例えば赤色表示命令を、第1近距離無線通信部31を介してRFID1へ送信し、RFID1は、当該赤色表示命令を受信すると、液晶ディスプレイ上に、例えば赤色のマークを表示させる(液晶ディスプレイの表示エリア全体を赤色に表示させてもよい)。
ステップS118では、決済処理部36は、通信設定をOFFにする。次いで、決済処理部36は、取引内容を記録する(ステップS119)。次いで、決済処理部36は、上記ステップS97で顔画像消去不可が設定されたか否かを判定する(ステップS120)。決済処理部36は、顔画像消去不可が設定されていないと判定した場合(ステップS120:NO)、ステップS60で撮影され、記憶部35に記憶された顔画像のデータを消去し(ステップS121)、処理を終了する。一方、決済処理部36は、顔画像消去不可が設定されていると判定した場合(ステップS120:YES)、記憶部35に記憶された顔画像のデータを消去することなく、処理を終了する。つまり、上述した顔照合による本人認証結果が認証失敗を示す場合、他人の携帯端末2が利用(盗難や拾得による)された可能性があるため、当該他人と思われる顔画像のデータを消去せずに保存することで、当該顔画像のデータを証拠として利用することができる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、決済端末3は、第1近距離無線通信部31によりRFID1から機器アドレスを取得し、第2近距離無線通信部32により当該機器アドレスを用いて携帯端末2とペアリングした後、決済処理の可否判定命令を携帯端末2へ送信することで携帯端末2から受信した判定結果情報に応じて決済処理を実行するように構成したので、ユーザはカバン等から携帯端末2を取り出すことなく決済処理が可能となり、したがって、セキュリティを維持しつつ、ユーザによる煩雑なアクションを低減することができる。また、通信距離が10cm程度と通信距離の短いNFC無線通信によりユーザの指等に組み込まれたRFID1から、携帯端末2とのペアリングに必要な機器アドレスが取得されるように構成したので、他人が持つ携帯端末との間で誤って決済処理が行われることを防止することができる。
更に、決済端末3が携帯端末2のユーザの顔画像をカメラ34に撮影させ、当該顔画像から抽出した特徴点を示す第2特徴点情報を含む本人認証命令を携帯端末2へ送信することで携帯端末2から受信した認証結果情報に応じて決済処理を実行する構成によれば、ユーザによる煩雑なアクションを低減しつつ、携帯端末2のユーザの本人確認を迅速に行うことができる。
なお、上記実施形態においては、予め設定された処理として、クレジットカードによる決済処理を例にとって説明したが、本発明は、例えばゲートにおける入退場管理等の処理に対して適用することも可能である。この場合、例えばゲートに設置された情報処理装置が、第1近距離無線通信部31によりRFID1から機器アドレスを取得し、第2近距離無線通信部32により当該機器アドレスを用いて携帯端末2とペアリングした後、入退場管理処理の可否判定命令を携帯端末2へ送信することで携帯端末2から受信した判定結果(例えば、ユーザID等が一致したか否か)情報に応じて入退場管理処理を実行することになる。