JP6382971B6 - 分析物と背景信号とを区別するための応答信号の変調 - Google Patents

分析物と背景信号とを区別するための応答信号の変調 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2013年10月23日に出願の米国特許出願第14/061,251号の優先権を主張する。
[0002] 本章に記載される題材は、特段の記載がない限り、本出願の請求の範囲に対する従来技術ではなく、本章に含まれることにより従来技術と認められるものではない。
[0003] 医療分野では、人の血液または他の体液もしくは組織内の1つ以上の分析物を検出および/または測定することにより、その人の生理学的状態を評価するための多くの化学的な方法が開発されてきた。1つ以上の分析物とは、血液中に存在する場合または存在しない場合、あるいは、特定の濃度または濃度範囲で存在する場合に、その人の医学的症状または健康状態を示すことができる任意の分析物であり得る。1つ以上の分析物には、酵素、反応物、ホルモン、タンパク質、細胞、または炭水化物(例えば、グルコース)等の他の分子が含まれ得る。
[0004] 典型的な手順では、人の血液は採血され、研究所に送られるか、あるいはグルコース測定器などのハンドヘルド型の検査装置に投入され、そこで血液内の多様な分析物レベルおよびパラメータを測定するための1つ以上の検査が行われる。大抵の人々にとって、血液検査は頻繁ではなく、医学的症状を示す異常な分析物レベルは、次回の検査が行われるまで特定されないことがある。血糖濃度の検査のために定期的に採血を行う糖尿病患者に見られるような、比較的頻繁な血液検査の場合であっても、夜間に生じる血糖値(および血糖値の潜在的な変動)がその人の医学的症状を医師が評価するのに重要な情報をもたらし得るにもかかわらず、血液検査は、通常ユーザが起きている時に行われる。さらに、分析物検出および分析の最もよく知られた方法は、血液または他の体液サンプルの採集を必要とするため、不便かつ侵襲的であり、著しい患者のコンプライアンスを要することがある。
[0005] さらに、一部の血液分析物には、従来の検知技術では特定および定量化が特に難しいものがある。循環腫瘍細胞などの小さい分析物または希薄な分析物は、例えば、10mLの血液中にその細胞が1つしか存在しない場合がある。統計学的有意性を持ってそのような細胞を捕獲するためには、非現実的なほどに大量の血液を採血またはその他の方法でサンプリングし、分析しなくてはならない。
[0006] 分析物の検出および性質決定方法は、分析物(一般的に小さな物質)から得られる信号が、通常、背景に対して弱いため、低い信号対雑音比に悩まされることが多い。これにより、血液内に存在する対象分析物と、血液内および体内の他の部分に存在する他の分析物、粒子、および組織等とを判別するのが非常に困難になる場合があり、測定が体外から非侵襲的に行われるような場合には特に困難になる。これは、特に、光学的な方法または対象分析物が血液中で希少もしくは比較的小さいサイズである場合等の一部の分析物の性質決定方法に当てはまる。したがって、そのような測定は、(大量の血液が分析されなくてはならない場合)非常に時間がかかり、より感度が悪く、より特異性が低く、一般的に全体として参考になりにくいことがある。例えば、蛍光検出技術では、体内の他の組織、細胞、および分子が何らかの固有の蛍光特性を有し、高レベルの背景雑音を引き起こすため、対象分析物の高感度測定値を得るのが難しいことが多い。
[0007] 本開示のいくつかの実施形態は、(i)表面下血管系の内腔内から送信された応答信号を検出することであって、応答信号は、背景信号と、機能化された粒子と表面下血管系内を循環している血液内に存在する1つ以上の対象分析物との相互作用に関連する分析物応答信号とを含む、検出することと、(ii)表面下血管系の一部分に変調を適用することであって、変調は、分析物応答信号が背景信号とは異なるような影響を受けるように、応答信号を変更するように構成される、適用することと、(iii)分析物応答信号を背景信号から識別することと、を含む方法を提供する。
[0008] 本開示のさらなる実施形態は、(1)環境から送信された応答信号を検出することであって、応答信号は、背景信号と、機能化された粒子と1つ以上の対象分析物との相互作用に関連する分析物応答信号とを含む、検出することと、(ii)環境の一部分に変調を適用することであって、変調は、分析物応答信号が背景信号とは異なるような影響を受けるように応答信号を変更するように構成される、適用することと、(iii)分析物応答信号を背景信号から識別することと、を含む方法を提供する。
[0009] 本開示のさらなる実施形態は、(1)環境から送信された分析物応答信号を検出するように構成された検出器であって、分析物応答信号は、1つ以上の対象分析物と環境内に存在する機能化された粒子との相互作用に関連する、検出器と、(2)分析物応答信号を変調するように構成された変調源と、(3)少なくとも部分的に変調に基づいて、分析物応答信号を背景信号から識別することにより1つ以上の対象分析物を非侵襲的に検出するように構成されたプロセッサと、を備えるデバイスを提供する。
[0010] 上記および他の態様、効果、および代替物は、以下の詳細な説明を読み、必要に応じて添付の図面を参照することにより、当業者に明らかになるであろう。
[0011] 図1は、着用デバイスの一例を示す斜視図である。 [0012] 図2Aは、着用者の手首に装着された際の手首装着デバイスの一例を示す上面斜視図である。 [0013] 図2Bは、着用者の手首に装着された際の、図2Aに示された手首装着デバイスの一例を示す底面斜視図である。 [0014] 図3Aは、着用者の手首に装着された際の手首装着デバイスの一例を示す底面斜視図である。 [0015] 図3Bは、着用者の手首に装着された際の、図3Aに図示された手首装着デバイスの一例を示す上面斜視図である。 [0016] 図3Cは、図3Aおよび3Bに図示された手首装着デバイスの一例を示す斜視図である。 [0017] 図4Aは、手首装着デバイスの一例を示す斜視図である。 [0018] 図4Bは、図4Aに図示された手首装着デバイスの一例を示す底面斜視図である。 [0019] 図5は、手首装着デバイスの一例を示す斜視図である。 [0020] 図6は、手首装着デバイスの一例を示す斜視図である。 [0021] 図7は、サーバと通信する複数の着用デバイスを備えたシステムの一例を示すブロック図である。 [0022] 図8は、着用デバイスの一例を示す機能ブロック図である。 [0023] 図9は、着用デバイスの一例を示す機能ブロック図である。 [0024] 図10は、着用デバイス動作させるための方法の一例を示すフローチャートである。 [0025] 図11Aは、人間の手首に装着された際の手首装着デバイスを示す側面部分断面図である。 [0026] 図11Bは、人間の手首に装着された際の手首装着デバイスを示す側面部分断面図である。 [0027] 図12Aは、人間の手首に装着された際の手首装着デバイスを示す側面部分断面図である。 [0028] 図12Bは、人間の手首に装着された際の手首装着デバイスを示す側面部分断面図である。 [0029] 図13Aは、人間の手首に装着された際の手首装着デバイスを示す側面部分断面図である。 [0030] 図13Bは、人間の手首に装着された際の手首装着デバイスを示す側面部分断面図である。 [0031] 図14は、着用デバイスを使用して、リアルタイムで、高密度で、非侵襲的な、生体内での生理学的パラメータの測定を行うための方法の一例を示すフローチャートである。 [0032] 図15は、着用デバイスを使用して、リアルタイムで、高密度で、非侵襲的な、生体内での生理学的パラメータの測定を行うための方法の一例を示し、特に、着用デバイス付近の表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を測定するためのステップを示すフローチャートである。 [0033] 図16は、着用デバイスを使用して、リアルタイムで、高密度で、非侵襲的な、生体内での生理学的パラメータの測定を行うための方法の一例を示すフローチャートである。 [0034] 図17Aは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0035] 図17Bは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0036] 図18は、着用デバイスおよびリモートデバイスを備えたシステムの一例を示す機能ブロック図である。 [0037] 図19は、分析物応答信号を変調することによって1つ以上の分析物を検出するための方法の一例を示すフローチャートである。 [0038] 図20Aは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0039] 図20Bは、分析物応答信号を変調するためのシステムの一例で使用されるマスクの上面図である。 [0040] 図20Cは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面詳細図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0041] 図21Aは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面詳細図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0042] 図21Bは、変調された分析物応答信号の一例を示すグラフ表示である。 [0043] 図22は、分析物応答信号を変調することにより1つ以上の分析物を検出するための方法の一例を示すフローチャートである。 [0044] 図23Aは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0045] 図23Bは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面詳細図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0046] 図24Aは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0047] 図24Bは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0048] 図25Aは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0049] 図25Bは、人間の手首に装着された際の着用デバイスを示す側面部分断面図であり、変調源の一例の使用を説明する図である。 [0050] 図26は、分析物応答信号を変調することにより1つ以上の分析物を検出するための方法の一例を示すフローチャートである。
[0051] 以下の詳細な説明において、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照される。図面において、同様の符号は、文脈上特段の記載がない限り、通常、同様のコンポーネントを特定する。詳細な説明、図面および請求の範囲内に記載される例示的な実施形態は、限定を意図したものではない。本明細書内に示す主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態も利用することができ、他の変更を加えることもできる。本明細書内に概略的に記載され、かつ図面内に図示される本開示の態様は、多種多様な構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計することができ、それらの全てが本明細書内で明確に意図されていることが容易に理解されよう。
[0052] さらに、本明細書において開示される実施形態は、人間の生体での使用または人間の生体と組み合わせた使用に関して言及しているが、開示される方法、システム、およびデバイスは、分析物の非侵襲的な検出が望まれるあらゆる環境において使用され得ることが意図されている。環境は、任意の生体もしくは非生体、またはその一部、流体管、流体貯蔵部等であり得る。例えば、当業者には、本明細書において開示される実施形態は、水系内に存在する分析物を検知するために使用され得ることが認識されるであろう。さらに、本開示は生体内の使用に関する実施形態が記載されるが、当業者には、生体外の使用も同様に可能であることを認識されるであろう。したがって、環境には、試験管または流体を保持するための他の容器も含まれ得る。
I.概要
[0053] 診断システムは、人の複数の生理学的パラメータを非侵襲的に検出および測定することが得出来る。生理学的パラメータには、人の健康に関連し得るあらゆるパラメータが含まれ得る。例えば、システムは、血圧、脈拍数、皮膚温度等を測定するためのセンサを備え得る。生理学的パラメータの少なくともいくつかは、表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を非侵襲的に検出および/または測定するシステムによって得られ得る。1つ以上の分析物とは、血液中に存在する場合または存在しない場合、あるいは、特定の濃度または濃度範囲で存在する場合に、その人の医学的症状または健康を示すことができる任意の分析物であり得る。例えば、1つ以上の分析物には、酵素、ホルモン、タンパク質、細胞、または分子が含まれ得る。
[0054] 一例の実施形態において、システムは、特定の分析物に対して結合または相互作用するための特定の親和性を有するレセプタにより機能化され、表面下血管系の内腔内に導入された粒子(例えば、微小粒子またはナノ粒子)に対する、臨床的に関連性のある分析物の結合または相互作用を検出することによって、健康に関連する情報の少なくともいくつかを得る。「結合」という用語は、臨床的に関連性のある分析物と機能化された粒子との間の検出可能な相互作用も含むものとして、最も広い意味で理解される。機能化された粒子は、注入、摂取、吸入、経皮的または何らかの他の態様により人の血流内に導入され得る。
[0055] 粒子は、特定の臨床的に関連性のある分析物に対し、特異的に結合する、または他の態様で相互作用するレセプタに、共有結合的にまたは他の態様で付着または結合することによって機能化され得る。機能化されたレセプタは、抗体、ペプチド、核酸、ファージ、バクテリア、ウィルス、アプタマ、または対象分析物に対し既定の親和性を有する任意の他の分子であり得る。それに加えて、またはその代わりに、レセプタは、粒子自体に固有のものであり得る。例えば、粒子自体が、所定の分析物に対する固有の親和性を有するウィルスまたはファージであってよい。生体内で粒子への呼び掛けを助長し得る蛍光体、または自己蛍光もしくは発光マーカ、または非光学的なコントラスト剤(例えば、音響インピーダンスコントラスト、RFコントラスト等)等他の化合物または分子もまた、粒子に付着され得る。
[0056] 粒子は、約20マイクロメートル未満の直径を有し得る。いくつかの実施形態において、粒子は、約10ナノメートル〜1マイクロメートル程度の直径を有し得る。さらなる実施形態では、直径が10〜100ナノメートル程度の小さい粒子は、1〜10マイクロメートル程度のより大きな「集団」または「集合」を形成するように結合されてもよい。当業者は、「粒子」をその最も広い意味で理解し、かつ粒子が任意の二次加工された材料、分子、クリプトファン(cryptophan)、ウィルス、ファージ等の形態を取り得ることを理解するであろう。さらに、粒子は、球状、ロッド状、非対称の形状等、任意の形状のものであってよい。
[0057] いくつかの例において、粒子は磁性粒子であってもよく、常磁性、超常磁性、もしくは強磁性の材料、または磁界に応答する任意の他の材料から形成され得る。あるいは、粒子は、ポリスチレンなどの非磁性材料から作られてもよい。磁性粒子が使用される場合、システムは、表面下血管系の一部分の内腔内の機能化された磁性粒子を操作して、例えば、所定の領域内に収集するまたは減速させるのに十分な磁界を、表面下血管系の該部分内に誘導することができる磁石を備え得る。ただし、測定は、機能化された粒子の局所的な「収集」をせずに行われてもよい。システムは、1日に所定回数(例えば、毎時間)というように周期的に磁石をアクティブ状態にするように構成され得る。
[0058] システムは、さらに、特定の局所領域内の表面下血管系の内腔内に存在する機能化された粒子に非侵襲的に呼び掛けを行うための1つ以上のデータ収集システムを備え得る。一例において、システムは、表面下血管系の一部分から送信された応答信号を検出するように構成された検出器を備える。応答信号は、1つ以上の対象分析物と機能化された粒子との相互作用に関連し得る分析物応答信号と、背景雑音信号との両方を含み得る。例えば、機能化された粒子は、少なくとも部分的に粒子が対象分析物に結合するべく発生した化学反応に応答して生じる発光放射の形態で応答信号を生じさせるように構成された化学発光マーカを含み得る。
[0059] いくつかの例において、システムは、表面下血管系の一部分、または別の器官内に侵入することができる呼び掛け信号を送信するための呼び掛け信号源と、呼び掛け信号に応答して表面下血管系の一部分または他の器官から送信された応答信号を検出するための検出器と、も備え得る。呼び掛け信号は、電磁信号、磁気信号、光信号、音響信号、温度信号、機械信号、電気信号等の患者に優しく、生理学的パラメータを測定するのに使用可能な応答信号を生じさせる任意の種類の信号であってよく、あるいは、より特定的には、機能化された粒子に対する臨床的に関連性のある分析物の結合または相互作用を検出し得る任意の種類の信号であってよい。一例において、呼び掛け信号は、無線周波数(RF)信号であり、応答信号は、核磁気共鳴(NMR)などの磁気共鳴信号である。機能化された粒子が蛍光体を含む別の例では、呼び掛け信号は、この蛍光体を励起し、皮膚または他の組織および表面下血管系に侵入することが可能な波長(例えば、約500〜約1000ナノメートルの範囲の波長)を有する光信号であり、応答信号は、表面下血管系および組織に侵入し、検出器に到達することが可能な、蛍光体からの蛍光放射である。機能化された粒子が導電性材料または磁気損失の大きい材料を含む別の例では、呼び掛け信号は、経時変化する磁界または粒子を急速に加熱するのに十分な信号電力を有する無線周波数(RF)電磁信号であり得る。応答信号は、粒子の急速な熱膨張によって、または粒子に接触した液体の空洞化によって引き起こされた粒子からの音響放射であり得る。上述したように、場合によっては、分析物応答信号を生成するために呼び掛け信号が必要でないこともある。
[0060] 加えて、システムは、分析物応答信号を変調するように構成された変調源をさらに備え得る。変調源は、分析物応答信号を、背景雑音信号とは異なるように変調するように構成され得る。この目的のために、変調は、例えば信号対雑音比を高めることにより、対象分析物と、その他体内の基本的に全てとを判別するのを助けることができる。一般的に、変調には、空間変調、時間変調、スペクトル変調、熱的変調、磁気変調、機械的変調、電気的変調、音響変調、化学的変調、電気化学的変調等の変調技術、またはそれらのあらゆる組み合わせが含まれ得る。
[0061] 一部の過程では、対象分析物に対して結合または相互作用する機能化された粒子に関連した分析物応答信号と、対象分析物に対して結合または相互作用しない機能化された粒子に関連した「非結合」粒子信号との両方を検出および区別するのが有用な場合がある。例えば、一部の測定または性質決定方式において、体内に導入され、対象分析物に結合した機能化された粒子のパーセンテージを特定することが有用または必要であり得る。そのような場合、変調源は、分析物応答信号を非結合粒子信号とは異なるように変調するように構成され得る。
[0062] システムの要素、つまり、変調の種類、粒子の種類/形状/材料、レセプタおよび対象分析物は、全て互いに関連し得る。根本的には、特定の対象分析物を検出するのに使用される粒子およびレセプタは、対象分析物の性質(つまり、種類、サイズ、形状、親和性等)、選択された変調の種類(つまり、空間変調、スペクトル変調、熱的変調、磁気変調、機械的変調、化学的変調等)、および、呼び掛けのモード(光学、音響、磁気、RF等)によって、ある程度決まり得る。
[0063] 検出器によって収集されたデータは、分析のためにプロセッサに送られ得る。プロセッサは、少なくとも部分的に変調に基づいて、分析物応答信号を背景雑音信号から識別することにより、1つ以上の対象分析物を非侵襲的に検出するように構成され得る。場合によっては、プロセッサは、さらに、分析物応答信号を非結合粒子信号から識別するように構成されてもよい。さらに、プロセッサは、少なくとも部分的に分析物応答信号から血液中の特定の対象分析物の濃度を特定するように構成され得る。プロセッサによって処理された検出および濃度データは、患者に伝えられたり、臨床関係者もしくは医療関係者に送信されたり、ローカル保存されたり、リモートサーバ、クラウド、および/またはデータの格納もしくは後のアクセスが可能な任意の他のシステムに送信されたりされ得る。
[0064] プロセッサは、ネックレス、腕時計、眼鏡、携帯電話、ハンドヘルド型コンピュータデバイス、パーソナルコンピュータデバイス、またはそれらの組み合わせ等の外部の身体装着デバイスとして提供され得る外部の読取装置上に位置付けられ得る。検出器によって収集されたデータは、通信インタフェースを介して外部の読取装置に送信され得る。通信電子機器は、アンテナからの後方散乱を特徴的に変調させるように検出器と通信するアンテナのインピーダンスを変調することにより、外部の読取装置にデータを無線で通信することができる。いくつかの例において、外部の読取装置は、検出器に電力供給して、測定値を取得し、結果を通信するのに十分な放射を放射することによって、読み取り値を提供するように検出器に対して断続的に呼びかけを行うように動作し得る。このようにして、外部の読取装置は、連続的に検出器および/またはプロセッサに電力供給することなく、一連の経時的な分析物の特定および濃度測定値を得ることができる。プロセッサは、検出器から離れた別の場所に設けられてもよく、検出器データは有線接続、メモリカード、USBデバイスまたは他の公知の方法によって、プロセッサに伝達され得る。あるいは、プロセッサは、検出器の近くに位置付けられ、収集したデータをローカルで分析し、分析の結果を外部の読取装置またはサーバに送信するように構成されてもよい。
[0065] 外部の読取装置は、ユーザインタフェースを備えてもよく、あるいは、収集したデータを、データ分析の結果を示し得るユーザインタフェースを有するデバイスにさらに送信してもよい。このようすると、そのデバイスを着用、保持、または閲覧している人は、栄養分析および/または潜在的な医学的症状に気付くことができる。外部の読取装置は、患者に医学的症状を警告するための聴覚または触覚(振動)応答を生成するようにも構成され得る。さらに、外部の読取装置は、患者から、彼または彼女の健康状態、健全状態、活動状態、栄養摂取等に関連する情報を、プロセッサに対する追加入力情報として受信するようにも構成され得る。例えば、ユーザは、偏頭痛症状、神経過敏、激しい鼓動、胃のむかつき、疲労感を感じていること、身体活動の種類および継続時間を含む活動状態、食事のタイミングおよび構成を含む栄養摂取等の健康または健全状態、ならびに、体重、医薬品接種、睡眠の質、ストレスレベル、使用中のパーソナルケア製品、環境状況、社会活動等を含む他のパラメータを入力することができる。さらに、読取装置は、万歩計、心拍計、血圧計、血中酸素飽和度、体温、GPSもしくは他の位置センサもしくは位置決めセンサ、マイクロフォン、光センサ等の1つ以上の検出器から信号を受信することもできる。
[0066] システムは、予め設定された測定期間中に、または、指示メッセージに応答して、データを取得するように構成され得る。例えば、システムは、1時間に1回検出器を動作させてデータを収集するように構成され得る。他の例では、システムは、患者もしくは医師による手動入力などの指示メッセージに応答して検出器を動作するように構成され得る。システムは、身体活動中または身体活動後、休憩時、高心拍数時、高血圧または低血圧時、寒いまたは暖かい天候といった内部事象、外部事象、またはそれら事象の組み合わせに応答してデータを取得するようにも構成され得る。他の例では、システムは、より高頻度またはより低頻度で検出器を動作させてもよく、あるいは、システムは、一部の分析物を他の分析物よりも高頻度で測定してもよい。
[0067] システムによって収集されたデータは、上述したように、分析物レベル、または現在のもしくは差し迫った医学的な緊急事態を患者に通知するために使用され得る。いくつかの例において、データは、患者の個人的な基準値プロファイルを構築するために使用されてもよい。基準値プロファイルは、患者の分析物レベルの1つ以上が、1日、1週間、もしくは1か月経過する間に、または、特定種類の食物/薬剤の構成に応じて、通常どのように変化するかといったパターンを含み得る。基準値プロファイルは、本質的に、患者にとっての測定された分析物の「正常な」レベルを確立することができる。追加の測定期間中に収集された追加のデータは、基準値プロファイルと比較され得る。追加のデータが基準値プロファイル内で具体化されたパターンと一致している場合は、患者の状態は変化していないと判断することができる。一方、追加のデータが基準値プロファイル内で具体化されたパターンから逸脱していた場合は、患者の状態が変化したと判断することができる。状態の変化は、例えば、患者が病気、疾患、もしくは悪い医学的症状を発症したこと、または、近い将来に深刻な医学的症状を起こすリスクがあることを示す。また、状態の変化は、さらに、医療関係者が興味を示し得る、患者の食習慣の好ましいまたは好ましくない変化も示し得る。さらに、患者の基準値および基準値からの逸脱は、デバイスの着用者の集団から収集された基準値および逸脱データと比較されてもよい。
[0068] 状態の変化が検出された場合、臨床プロトコルが調べられ、患者の状態変化に適切な1つ以上の助言を生成することができる。例えば、患者に対し、自身でインシュリンを注射すること、食生活を変えること、特定の医薬品またはサプリメントを摂取すること、医療専門家による診察の予定を立てること、特定の医学的検査を受けること、至急病院で診療を受けること、所定の活動を控えること等を助言し得る。臨床プロトコルは、分析物濃度と、サーバによって導出された健康状態、患者に関して知られている任意の健康情報もしくは病歴、および/または医療分野において認識される標準的治療との間の相関関係に少なくとも部分的に基づいて構築され得る。1つ以上の助言は、その後、ユーザインタフェースを介してユーザに送られるように外部の読取装置に伝達され得る。
[0069] 相関関係は、システムによって測定された分析物濃度と、患者によって報告された健康状態とから導出され得る。例えば、分析物データおよび健康状態データの分析は、分析により所定の濃度が得られた場合、患者が偏頭痛または心臓発作等の何らかの悪い健康状態を経験したことを明らかにし得る。この相関関係データを使用して、患者への助言を生成したり、臨床プロトコルを構築したりすることができる。血液分析は、これらの相関関係に追加または相関関係を強化するために、血圧、心拍、体温等の他の生理学的な測定値によって補間されてもよい。
[0070] さらに、分析物測定値および健康状態の指標の両方を含む、複数の患者から収集されたデータは、サーバが助言を生成するために使用する、および/または、医療専門家が診療および助言を患者に提供するために使用する1つ以上の臨床プロトコルを構築するために使用される。このデータは、さらに、集団における血液分析と健康状態との間の相関関係を認識するためにも使用され得る。健康専門家は、さらに、このデータを使用して、疾病および病気の診断および防止を行い、集団内の深刻な臨床事象を防止し、かつ、臨床プロトコル、治療過程および標準的治療を更新することができる。
[0071] 上述したシステムは、着用デバイスとして実施され得る。本開示において使用される「着用デバイス」という用語は、手首、足首、腰、胸部、耳、目、または身体の他の部分等の体表に、体表上に、または体表付近に着用することが可能なあらゆるデバイスを指す。体の外側から非侵襲的に生体内測定を行うためには、着用デバイスは、表面下血管系が容易に観察可能な体の部分上に位置決めされ得るが、その適格性は、使用される検出システムの種類に応じて決まる。デバイスは、皮膚または組織に極めて接近して置かれ得るが、皮膚または組織と接触または密着している必要はない。ベルト、手首バンド、足首バンド、ヘッドバンド等の装着具は、デバイスを体表に、体表上に、または体表付近に装着するために設けられ得る。装着具は、着用デバイスが体に対して移動することを防止して、測定エラーおよび雑音を減少させることができる。さらに、装着具は、着用デバイスを着用者の体に接着させるための接着基板であってもよい。検出器、変調源、(適用される場合は)呼び掛け信号源、および、場合によってプロセッサは、着用デバイス上に設けられ得る。他の実施形態では、上述したシステムは、ユーザに接触もしくは接近させる必要のある静止型の測定デバイスとして、または、1回以上の測定期間中、体表に対して一時的に配置もしくは保持され得るデバイスとして実施され得る。
[0072] 上記の実施形態および本明細書に記載される他の実施形態は、例示を目的として提供されるものであり、限定を意図したものではないことを理解されたい。
[0073] また、本明細書で使用される「医学的症状」という用語は、あらゆる病気、疾病、疾患、負傷、病状、または障害(例えば、生理的、心理的、心臓性、血管系、整形外科系、視覚系、言語系、もしくは聴覚系障害)、または治療が必要なあらゆる状況を含むものと広く解釈されるべきである。
II.着用デバイスの例
[0074] 着用デバイス100は、このデバイスを着用している人の複数の生理学的パラメータを自動的に測定することができる。本開示において使用される「着用デバイス」という用語は、手首、足首、腰、胸部、または身体の他の部分等の体表に、体表上に、または体表付近に着用することが可能なあらゆるデバイスを指す。身体の外側から非侵襲的に生体内測定を行うためには、着用デバイスは、表面下血管系が容易に観察可能な体の部分上に位置決めされ得るが、その適格性は、使用される検出システムの種類に応じて決まる。デバイスは、皮膚または組織に極めて接近して置かれ得るが、皮膚または組織と接触または密着している必要はない。ベルト、手首バンド、足首バンド等の装着具110は、デバイスを体表に、体表上に、または体表付近に装着するために設けられ得る。装着具110は、着用デバイスが体に対して移動することを防止し、測定エラーおよび雑音を減少させ得る。図1に示される一例において、装着具110は、体の一部の周りに着用可能なストラップまたはバンド120の形態を取り得る。さらに、装着具110は、着用デバイス100を着用者の体に接着させるための接着基板であってもよい。
[0075] 測定プラットフォーム130は、身体上の表面下血管系が容易に観察可能な場所に位置決めされ得るように、装着具110上に配置される。測定プラットフォームの内面140は、体表に面して装着されるように意図される。測定プラットフォーム130は、データ収集システム150を収容し得る。データ収集システム150は、少なくとも1つの生理学的パラメータを検出するための少なくとも1つの検出器160を備え得る。生理学的パラメータは、着用デバイスを着用している人の健康に関連し得るあらゆるパラメータであり得る。例えば、検出器160は、血圧、心拍、呼吸速度、皮膚温等を測定するように構成され得る。検出器160の少なくとも1つは、着用デバイス付近の表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を非侵襲的に測定するように構成される。全てを網羅して列挙するものではないが、検出器160は、光(例えば、CMOS、CCD、光ダイオード)センサ、音響(例えば、圧電、圧電セラミック)センサ、電気化学(電圧、インピーダンス)センサ、温度センサ、機械(例えば、圧力、歪)センサ、磁気センサ、電磁(例えば、磁気共鳴)センサを含み得る。データ収集システム150のコンポーネントは、着用デバイスが、着用者の通常の活動を著しく妨げることなく体に着用され得るように、小型化され得る。
[0076] いくつかの例において、データ収集システム150は、着用者の皮膚を貫通して表面下血管系の一部、例えば、表面下血管系の内腔内へと侵入する呼び掛け信号を送信するための信号源170をさらに備える。呼び掛け信号は、電磁信号、磁気信号、光信号、音響信号、温度信号、機械信号等の患者に優しく、生理学的パラメータを測定するのに使用可能な応答信号を生じさせる任意の種類の信号であってよく、あるいは、より特定的には、機能化された粒子に対する臨床的に関連性のある分析物の結合を検出し得る任意の種類の信号であってよい。一例において、呼び掛け信号は、電磁パルス(例えば、無線周波数(RF)パルス)であり、応答信号は、核磁気共鳴(NMR)などの磁気共鳴信号である。別の例では、呼び掛け信号は、経時変化する磁界であり、応答信号は、経時変化する磁界に起因する外部から検出可能な物理的な運動である。経時変化する磁界は、粒子を物理的な運動によって背景とは異なるように変調し、粒子を検出しやすくする。さらに別の例では、呼び掛け信号は電磁放射信号である。特に、呼び掛け信号は、約400ナノメートル〜約1600ナノメートルの波長を有する電磁放射であり得る。呼び掛け信号は、より特定的には、約500ナノメートル〜約1000ナノメートルの波長を注する電磁放射を含み得る。いくつかの例において、機能化された粒子は蛍光体を含む。したがって、呼び掛け信号はこの蛍光体を励起し、皮膚または他の組織および表面下血管系を貫通することができる波長(例えば、約500〜約1000ナノメートル範囲の波長)を有する電磁放射信号であってよく、応答信号は、表面下血管系および組織を貫通して検出器に到達することができる蛍光体からの蛍光放射である。
[0077] いくつかの例では、生理学的パラメータの1つ以上を測定するために呼び掛け信号が必要ではないため、着用デバイス100は、信号源170を備えないこともある。例えば、機能化された粒子は、呼び掛け信号または他の外部刺激を必要とすることなく、機能化された粒子に対する臨床的に関連性のある分析物の結合を示す応答信号を自動的に放出する蛍光体などの自己蛍光マーカまたは発光マーカを含む。いくつかの例において、機能化された粒子は、少なくとも部分的に対象分析物が粒子に結合するべく発生した化学反応に応答して生成された発光放射の形態で応答信号を生成するように構成された化学発光マーカを備え得る。
[0078] 収集磁石180もまた、データ収集システム150に含まれ得る。そのような実施形態において、機能化された粒子は、強磁性、常磁性、超常磁性等の磁性材料、または磁界に応答する任意の他の材料から形成されてもよく、それらの材料によって機能化されてもよい。収集磁石180は、機能化された磁性粒子を表面下血管系内の一部分の内腔内に収集させるのに十分な磁界を表面下血管系の該部分内に誘導するように構成される。磁石は、測定期間中に通電され、測定期間が完了すると、磁性粒子が血管系中に分散することができるように通電が止められ得る電磁石であってもよい。
[0079] 着用デバイス100は、ユーザインタフェース190も備え得る。デバイスの着用者は、ユーザインタフェース190を介して、リモートサーバもしくは他のリモートコンピュータデバイス、または着用デバイス内のプロセッサのいずれかから生成された1つ以上の助言または警告を受信することができる。警告は、着用デバイスを着用している人が気付き得る任意の指標であり得る。例えば、警告は、視覚成分(例えば、ディスプレイ上の文字または図表情報)、聴覚成分(例えば、アラーム音)および/または触覚成分(例えば、振動)を含み得る。さらに、ユーザインタフェース190は、警告または助言の視覚的指標が表示され得るディスプレイ192を備え得る。ディスプレイ192は、さらに、例えば、測定中の所定の血液分析物の濃度等の測定された生理学的パラメータの指標を提供するように構成されてもよい。
[0080] 一例において、着用デバイスは、図2A、2B、3A〜3C、4A、5B、6および7に示されるような手首装着デバイスとして提供される。手首装着デバイスは、腕時計またはブレスレットに類似した手首バンドまたはカフにより生体の手首に装着され得る。図2Aおよび2Bに示すように、手首装着デバイス200は、手首バンド220の形態の装着具210と、着用者の手首の前側240に位置決めされた測定プラットフォーム230と、着用者の手首の後ろ側260に位置決めされたユーザインタフェース250と、を備え得る。デバイスの着用者は、ユーザインタフェース250を介して、リモートサーバまたは他のリモートコンピュータデバイスのいずれかから生成された1つ以上の助言または警告、あるいは、測定プラットフォームからの警告を受信し得る。このような構成は、手首の後ろ側260を観察すること(腕時計を確認する行為等)が一般的な行為であるといった点において、デバイスの着用者にとって自然なことと認識され得る。したがって、着用者は、ユーザインタフェース上のディスプレイ270を簡単に見ることができる。さらに、測定プラットフォーム230は、表面下血管系が容易に観察可能な着用者の手首の前側240に位置付けられ得る。ただし、他の構成も意図される。
[0081] ディスプレイ270は、警告または助言の視覚的指標、および/または、例えば測定対象の所定の血液分析物の濃度等の測定された生理学的パラメータの指標を表示するように構成され得る。さらに、ユーザインタフェース250は、着用者から入力を受けるための1つ以上のボタン280を備え得る。例えば、ボタン280は、ディスプレイ270上に見える文字または他の情報を変更するように構成され得る。図2Bに示すように、測定プラットフォーム230は、着用者からの入力を受けるための1つ以上のボタン290も備え得る。ボタン290は、測定期間を開始するといったデータ収集システムの態様を制御するための入力、または、着用者の現在の健康状態(つまり、通常、偏頭痛、息切れ、心臓発作、熱、インフルエンザに似た症状、食中毒等)を示す入力を受けるように構成され得る。
[0082] 図3A〜3Cに示される手首装着デバイス300の別の例では、測定プラットフォーム310およびユーザインタフェース320は、共に、着用者の手首の同じ側、特に、手首の前側330に設けられる。後ろ側340には、ストラップ360上に時計面350が配置され得る。図3Bではアナログ時計が図示されているが、当業者には当然のことながら、デジタル時計など任意の種類の時計を設けることができる。
[0083] 図3Cからわかるように、測定プラットフォーム310の内面370は、着用者の身体付近に着用されることが意図されている。測定プラットフォーム310上に収容されたデータ収集システム380は、検出器382、信号源384、および収集磁石386を備え得る。上述したように、信号源384および収集磁石386は、着用デバイスの全ての実施形態で設けられるわけではない。
[0084] 図4Aおよび4Bに示されるさらなる例では、手首装着デバイス400は、ストラップ430上に配置された測定プラットフォーム410を備え、測定プラットフォーム410はデータ収集システム420を備える。測定プラットフォーム410の内面440は、データ収集システム420が着用者の手首の表面下血管系に呼び掛けを行うことができるように体表付近に位置決めされ得る。ディスプレイ460を有するユーザインタフェース450は、測定プラットフォーム410から外向きに位置決めされ得る。他の実施形態に関連して上述したように、ユーザインタフェース450は、1つ以上の測定された分析物の濃度を含む、データ収集システム420から収集されたデータと、リモートサーバもしくは他のリモートコンピュータデバイス、または測定プラットフォーム上に位置付けられたプロセッサから生成された1つ以上の警告とを表示するように構成され得る。ユーザインタフェース420は、時間、日にち、または着用者に関連し得る他の情報を表示するようにも構成され得る。
[0085] 図5に示すように、さらなる実施形態において、手首装着デバイス500は、カフ510上に設けられ得る。前述した実施形態と同様に、デバイス500は、測定プラットフォーム520と、ディスプレイ540および1つ以上のボタン550を備え得るユーザインタフェース530と、を備える。ディスプレイ540は、さらに、着用者による1つ以上の入力を受けるように構成されたタッチスクリーンディスプレイであってもよい。例えば、図6に示すように、ディスプレイ610は、デバイス600の所定の機能または態様を制御するための1つ以上の入力、または、ユーザによる現在の健康状態等の情報の入力を受けるための1つ以上の仮想ボタン620を表示するように構成されたタッチスクリーンであり得る。
[0086] 図7は、1つ以上の着用デバイス700を備えたシステムの簡略化された概略図である。1つ以上の着用デバイス700は、通信インタフェース710から、1つ以上の通信ネットワーク720を介してリモートサーバ730へデータを送信するように構成され得る。一実施形態では、通信インタフェース710は、サーバ730に対して通信を送受信するための無線送受信機を備える。さらなる実施形態において、通信インタフェース710は、有線通信および無線通信の両方を含む、データを転送するための任意の手段を備え得る。例えば、通信インタフェースは、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースまたはセキュアデジタル(SD)カードインタフェースを備え得る。通信ネットワーク720は、単純旧式電話−ビス(POTS)ネットワーク、セルラネットワーク、ファイバネットワーク、およびデータネットワークのいずれか1つであり得る。サーバ730は、任意の種類のリモートコンピュータデバイスまたはリモートクラウドコンピュータネットワークであり得る。さらに、通信ネットワーク720は、例えば、着用デバイス700が携帯電話または他のパーソナルコンピュータデバイスにデータを送信し、携帯電話または他のパーソナルコンピュータデバイスがサーバ730にデータを送信する等の1つ以上の仲介物を含み得る。
[0087] 収集された生理学的パラメータデータおよびユーザによって入力された健康状態に関するデータ等の通信を着用デバイス700から受信することに加えて、サーバは、着用者の全病歴、環境的要因、および地理的データに関する情報を着用デバイス700または他のソースのいずれかから収集および/または受信するようにも構成され得る。例えば、すべての着用者について、着用者の病歴を含むユーザアカウントがサーバ上に確立され得る。さらに、いくつかの例において、サーバ730は、疾病管理センター(CDC)からのウィルス性疾病または食中毒の大発生データ、ならびに、国立測候所からの天候、汚染およびアレルゲンデータといった環境データの情報源からの情報を定期的に受信するように構成され得る。さらに、サーバは、病院または医師からの着用者の健康状態に関するデータを受信するように構成され得る。そのような情報は、相関関係を認識し、臨床プロトコルを生成するといったサーバの意思決定プロセスにおいて使用され得る。
[0088] 加えて、サーバは、各測定期間中、日にち、時間、デバイスの各着用者の地理的位置を収集および/または受信するように構成され得る。そのような情報は、病気の空間的および時間的な広がりを検出および監視するために使用され得る。このように、着用デバイスは、そのデバイス自体の位置の指標を特定および/または提供するように構成され得る。例えば、着用デバイスは、サーバへの通信にGPS位置情報(例えば、GPS座標)を含めることができるようにGPSシステムを備え得る。別の例として、着用デバイスは、(例えば、セルラネットワーク内の基地局間の)三角測量を利用した技術を使用して、着用デバイスの位置を特定することができる。他の位置特定技術もまた可能である。
[0089] サーバは、デバイスの着用者が受けた薬剤または他の治療に関する情報と、少なくとも部分的に生理学的パラメータデータおよび示されたユーザの健康状態とに基づいて、薬剤または他の治療の効能を特定するようにも構成され得る。この情報から、サーバは、薬剤または治療の有効性の指標を導出するように構成され得る。例えば、ある薬剤が悪心の治療用であり、デバイスの着用者が、その薬剤の治療過程を開始した後に悪心を感じたことが示されない場合、サーバは、この薬剤が同着用者に対して有効であるとの指標を導出するように構成され得る。別の例では、着用デバイスは、血糖を測定するように構成され得る。着用者が糖尿病を治療するための薬剤を処方されているものの、所定回数の測定期間にわたって着用者の血糖が増加していることを示すデータを着用デバイスからサーバが受信した場合、サーバは、この薬剤が、同着用者に対する使用目的において有効でないとの指標を導出するように構成され得る。
[0090] さらに、システムのいくつかの実施形態は、自動的に実施され得る、またはデバイスの着用者によって制御され得るプライバシーコントロールを備えてもよい。例えば、着用者の収集された生理学的パラメータデータおよび健康状態データが、臨床家による傾向分析のためにクラウドコンピューティングネットワークにアップロードされる場合、そのデータは、個人的に識別可能な情報が除去されるように、格納または使用前に一通り以上の方法で処理され得る。例えば、ユーザの識別情報は、ユーザに関して個人的に識別可能な情報が特定され得ないよう、あるいは、ユーザの地理的位置は、ユーザの特定の位置が特定され得ないように、位置情報が取得される場所(市、郵便番号、州といったレベル)に一般化され得る
[0091] それに加えて、またはその代わりに、デバイスの着用者には、着用者に関する情報(例えば、ユーザの病歴、社会的行為もしくは活動、職業、ユーザの嗜好、またはユーザの現在の位置など)をデバイスが収集するか否か、あるいはどのように収集するかを管理する機会、または、そのような情報がどのように使用され得るかを管理する機会が与えられてもよい。したがって、着用者は、どのように自身に関する情報が収集され、臨床家または医師またはデータの他のユーザによって使用されるかについて管理することができる。例えば、着用者は、自身のデバイスから収集された健康状態および生理学的パラメータなどのデータが、個人的な基準値および収集に応じた助言の生成と、自身のデータの比較にのみ使用でき、集団的な基準値の生成や集団的な相関の研究における使用のためには使用できないように選択することができる。
III.着用デバイス用電子機器プラットフォームの例
[0092] 図8は、一例の実施形態に係る着用デバイス800のコンポーネントを示すための簡略化されたブロック図である。着用デバイス800は、図2A〜2B、3A〜3C、4A〜4C、5および6に示された手首装着デバイス200、300、400、500、600のうちの1つの形態を取ってもよく、該手首装着デバイスと同様のものであってもよい。ただし、着用デバイス800は、足首装着デバイス、腰装着デバイス、胸部装着デバイスなどの他の形態を取ってもよい。
[0093] 特に、図8は、データ収集システム810、ユーザインタフェース820、データをサーバに送信するための通信プラットフォーム830、およびプロセッサ840を有する着用デバイス800の例を示す。着用デバイス800のコンポーネントは、このデバイスを、表面下血管系の一部分が容易に観察可能な外側の体表に装着するための装着具850上に配置され得る。
[0094] プロセッサ840は、汎用プロセッサまたは専用プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路等)であり得る。1つ以上のプロセッサ840は、コンピュータ可読媒体860内に格納され、本明細書に記載される着用デバイス800の機能性を提供するように実行可能なコンピュータ可読プログラム命令870を実行するように構成され得る。
[0095] コンピュータ可読媒体860は、少なくとも1つのプロセッサ840によって読み出しまたはアクセス可能な1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含み得るか、または該1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の形態を取り得る。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ840の少なくとも1つと全体的または部分的に一体化され得る、光、磁気、有機、または他のメモリもしくはディスク記憶装置等の揮発性および/または不揮発性の記憶コンポーネントを含み得る。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読媒体860は、単一の物理デバイス(例えば、1つの光、磁気、有機、または他のメモリもしくはディスク記憶装置)を使用して実現されてもよく、他の実施形態では、コンピュータ可読媒体860は、2つ以上の物理デバイスを使用して実現されてもよい。
[0096] データ収集システム810は、検出器812と、いくつかの実施形態では信号源814とを備える。上述したように、検出器812には、着用デバイスを着用している人の健康に関連し得るあらゆるパラメータを含み得る生理学的パラメータの少なくとも1つを検出することができるあらゆる検出器が含まれ得る。例えば、検出器812は、血圧、心拍、皮膚温等を測定するように構成され得る。検出器812の少なくとも1つは、着用デバイス付近の表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を非侵襲的に測定するように構成される。いくつかの例おいて、検出器812は、光(例えば、CMOS、CCD、光ダイオード)センサ、音響(例えば、圧電、圧電セラミック)センサ、電気化学(電圧、インピーダンス)センサ、温度センサ、機械(例えば、圧力、歪)センサ、磁気センサ、または電磁(例えば、磁気共鳴)センサの1つ以上を含み得る。
[0097] いくつかの例において、データ収集システム810は、さらに、着用者の皮膚を貫通して表面下血管系の一部分内に侵入することができる呼び掛け信号を送信するための信号源814を備える。一般的に、信号源814は、検出器812の1つ以上によって検出可能な応答信号を生じさせる呼び掛け信号を生成することになる。呼び掛け信号は、電磁信号、磁気信号、光信号、音響信号、温度信号、機械信号等の着用者に優しく、生理学的パラメータを測定するのに使用可能な応答信号を生じさせる任意の種類の信号であってよく、あるいは、より特定的には、機能化された粒子に対する臨床的に関連性のある分析物の結合を検出し得る任意の種類の信号であってよい。一例において、呼び掛け信号は、電磁パルス(例えば、無線周波数(RF)パルス)であり、応答信号は、核磁気共鳴(NMR)などの磁気共鳴信号である。別の例では、呼び掛け信号は、経時変化する磁界であり、応答信号は、経時変化する磁界に起因する外側から検出可能な物理的な運動である。経時変化する磁界は、粒子を物理的な運動によって背景とは異なるように変調し、粒子を検出しやすくする。さらに別の例では、呼び掛け信号は電磁放射信号である。特に、呼び掛け信号は、約400ナノメートル〜約1600ナノメートルの波長を有する電磁放射であり得る。呼び掛け信号は、より特定的には、約500ナノメートル〜約1000ナノメートルの波長を有する電磁放射を含み得る。いくつかの例において、機能化された粒子が蛍光体を含む場合、呼び掛け信号はこの蛍光体を励起し、皮膚または他の組織および表面下血管系を貫通することができる波長(例えば、約500〜約1000ナノメートル)を有する電磁放射信号であってよく、応答信号は、表面下血管系および組織を貫通して検出器に到達することができる蛍光体からの蛍光放射である。
[0098] コンピュータ可読媒体860に格納されたプログラム命令870は、本明細書に記載されるデバイスの機能性の一部または全部を実行または容易にするための命令を含み得る。例えば、図示された実施形態では、プログラム命令870は、コントローラモジュール872と、計算および決定モジュール874と、警告モジュール876とを備える。
[0099] コントローラモジュール872は、データ収集システム810、例えば、検出器812および信号源814を動作させるための命令を含み得る。例えば、コントローラモジュール872は、予め設定された各測定期間の間、信号源814および/または検出器812を作動させ得る。特に、コントローラモジュール872は、予め設定された測定時間に呼び掛け信号を送信するように信号源814を制御し、予め設定された測定時間に送信された呼び掛け信号に応答して表面下血管系の一部分から送信された応答信号を表すデータを受信するように検出器812を制御するための命令を含み得る。
[0100] コントローラモジュール872は、ユーザインタフェース820を動作させるための命令も含み得る。例えば、コントローラモジュール872は、データ収集システム810によって収集され、計算および決定モジュール874によって分析されたデータを表示するため、または、警告モジュール875によって生成された1つ以上の警告を表示するための命令を含み得る。さらに、コントローラモジュール872は、ユーザインタフェース上820に配置された1つ以上のボタンによって受けられた入力など、ユーザインタフェース820によって受けられた入力に基づいて、所定の機能を実行させるための命令を含み得る。
[00101] 通信プラットフォーム830は、着用デバイス800上または着用デバイス800内に配置され得る無線アンテナを介して情報を送信および/または受信するための命令など、コントローラモジュール872内の命令によって動作し得る。通信インタフェース830は、任意で、アンテナによって送信および/または受信される搬送周波数の情報を変調および/または復調するための1つ以上の発振器、ミキサ、周波数注入器等を備え得る。いくつかの例において、着用デバイス800は、アンテナのインピーダンスを、リモートサーバまたは他のリモートコンピュータデバイスによって感知可能な態様で変調することにより、プロセッサからの出力を示すように構成される。
[00102] 計算および決定モジュール872は、データ収集システム810から応答信号の形態でデータを受信し、このデータを分析して対象分析物の有無を特定して、対象分析物の濃度等の測定された生理学的パラメータを定量化し、データを分析して医学的症状が示されているか否かを特定するための命令を含み得る。特に、計算および決定モジュール872は、あらかじめ設定された測定時間ごとに、測定時に検出器によって検出された応答信号に基づいて臨床的に関連性のある分析物の濃度を特定し、予め設定された測定時間ごとに、臨床的に関連性のある分析物の対応する濃度に少なくとも基づいて医学的症状が示されたか否かを特定するための命令を含み得る。あらかじめ設定された測定時間は、任意の期間に設定されてよく、一例では、約1時間間隔である。
[00103] 計算および決定モジュール872のプログラム命令は、いくつかの例においては、コンピュータ可読媒体内に格納され、着用デバイスの外部に位置付けられたプロセッサによって実行され得る。例えば、着用デバイスは、着用者からの生理学的パラメータに関する所定のデータを収集し、このデータを、携帯デバイス、パーソナルコンピュータ、クラウド、または任意のリモートシステムを含み得るリモートサーバへさらなる処理のために送信するように構成され得る。
[00104] コンピュータ可読媒体860は、さらに、医学的症状が示されているか否かを特定する際に必要になり得る、デバイスの着用者の病歴および既往歴等の他のデータまたは情報を含み得る。さらに、コンピュータ可読媒体860は、上回ったりまたは下回ったりした場合に医学的症状が示される所定の分析物基準値に対応するデータを含み得る。基準値は、コンピュータ可読媒体860に予め格納されていてもよく、リモートサーバ等のリモートソースから送信されてもよく、あるいは計算および決定モジュール874自体によって生成されてもよい。計算および決定モジュール874は、所定数の測定期間にわたり収集されたデータに基づいてデバイスの着用者のための個人的な基準値を生成するための命令を含み得る。例えば、計算および決定モジュール874は、数日にわたって測定された測定期間のそれぞれの分析物濃度を平均化することにより、複数の測定期間のそれぞれついて、対象血液分析物の基準値濃度を生成し、それらの基準値濃度を、後の比較用に、コンピュータ可読媒体860に格納し得る。基準値は、リモートサーバによって生成され、通信インタフェース830を介して着用デバイス800に送信されてもよい。計算および決定モジュール874は、医学的症状が示されていることが特定されると、少なくとも部分的に臨床プロトコルの療法指導に基づき、デバイスの着用者に1つ以上の助言を生成してもよい。このような助言は、代わりに、リモートサーバによって生成され、着用デバイスに送信されてもよい。
[00105] いくつかの例において、収集された生理学的パラメータデータ、基準値プロファイル、デバイス着用者によって入力された健康状態情報、ならびに、生成された助言および臨床プロトコルは、さらに、クラウドネットワークに追加で入力され、着用者の医師がダウンロードできるようにしてもよい。クラウドコンピューティングネットワーク内の生理学的パラメータデータおよび健康状態情報などの収集されたデータに対して傾向分析および他の分析が実行され、医師または臨床家によってダウンロードできるようにしてもよい。
[00106] さらに、デバイス着用者の個人または集団からの生理学的パラメータデータおよび健康状態データは、医師または臨床家によって薬剤または他の治療の効能を監視する際に使用され得る。例えば、開発用の薬剤または療法の安全性および効能を評価するための臨床試験に参加しているデバイス着用者の集団から、高密度のリアルタイムデータを収集することができる。このようなデータは、特定の着用者の薬剤または療法に対する反応を評価するために個人レベルでも使用することができる。このデータに基づき、医師または臨床家は、個人の需要に適した薬剤療法を調整することができる。
[00107] 計算および決定モジュール874による医学的症状が示されているとの特定に応答して、警告モジュール876は、ユーザインタフェース820を介して警告を生成し得る。警告は、視覚成分(例えば、ディスプレイ上に表示される文字または図表情報)、聴覚成分(例えば、アラーム音)および/または触覚成分(例えば、振動)を含み得る。文字情報には、デバイスの着用者が医療専門家に連絡を取る、至急診療を受ける、または医薬品を投与する助言等の1つ以上の助言を含み得る。
[00108] 図9は、一例の実施形態に係る着用デバイス900のコンポーネントを示す簡略化されたブロック図である。着用デバイス900は、着用デバイス900のデータ収集システム910が収集磁石916をさらに備える以外は、全ての点において着用デバイス800と同様である。本例において、収集磁石916は、この収集磁石916付近の表面下血管系の領域内に存在する機能化された磁性粒子を局所的に収集するために使用され得る。上述したように、収集磁石916は、機能化された磁性粒子を表面下血管系の一部分の内腔内に収集させるのに十分な磁界を表面下血管系の該部分内に誘導するように構成される。
[00109] 着用デバイス900は、検出器912、信号源914および(設けられる場合は)収集磁石916を備えたデータ収集システム910と、ユーザインタフェース920と、通信インタフェース930と、プロセッサ940と、プログラム命令970が格納されたコンピュータ可読媒体960と、を備える。着用デバイス900の全てのコンポーネントは、装着具950上に設けられ得る。本例では、プログラム命令970は、図8で言及した例と同様に、本明細書に記載されるデバイスの機能性の一部または全部を実行または容易にするための命令を含むコントローラモジュール962、計算および決定モジュール964、および警告モジュール966を含み得る。コントローラモジュール962は、さらに、収集磁石916を動作させるための命令を含み得る。例えば、コントローラモジュール962は、測定期間中に、所定時間収集磁石をアクティブ状態にするための命令を含み得る。
IV.機能化された粒子の例示
[00110] いくつかの例において、上述した着用デバイスは、機能化された粒子(例えば、微粒子またはナノ粒子)に対する臨床的に関連性のある分析物結合を検出することにより、健康に関連する情報の少なくとも一部を取得する。粒子は、特定の臨床的に関連性のある分析物に選択的に結合するように、または特定の臨床的に関連性のある分析物を他の態様で認識するように設計されたバイオレセプタを共有結合的に付着させることにより機能化され得る。例えば、粒子は、抗体、核酸(DNA、siRNA)、低分子量リガンド(葉酸、チアミン、ジメルカプトコハク酸)、ペプチド(RGD、LHRD、抗原ペプチド、内在化ペプチド)、タンパク質(BSA、トランスフェリン、抗体、レクチン、サイトカイン、フィブリノゲン、トロンビン)、多糖類(ヒアルロン酸、キトサン、デキストラン、オリゴ糖類、ヘパリン)、多価不飽和脂肪酸(パルミチン酸、リン脂質)プラズミドを含む多様なバイオレセプタによって機能化され得る。機能化された粒子は、注射、摂取、吸引、経皮、または何らかの他の態様により、人の血流内に導入され得る。
[00111] 臨床的に関連性のある分析物は、血中に存在する場合または存在しない場合、あるいは特定の濃度または特定の濃度範囲で存在する場合に、医学的症状の指標または医学的症状が切迫していることの指標になり得るあらゆる分析物であってよい。例えば、臨床的に関連性のある分析物は、酵素、ホルモン、タンパク質または他の分子であり得る。1つの関連した例において、所定のタンパク質バイオマーカは、切迫した動脈プラーク破裂を予測するものとして知られている。そのようなタンパク質バイオマーカは、直ちに動脈プラーク破裂を引き起こす血液内、および動脈プラーク破裂の発症時の血液内に存在するものとして知られている。破裂する動脈は、血流を妨げたり、または裂けて体の別の部分へと移動したりし得る血栓を形成させる。これらの場合のいずれも、血栓が心臓に血液を供給する血管をふさいだ場合は、心臓発作を引き起こす。血栓が脳に血液を供給する血管をふさいだ場合は、卒中を引き起こす。腕や足への血液供給が減少または阻止された場合は、歩行困難や、結果的には壊疽を引き起こし得る。この対象分析物に選択的に結合することになるバイオレセプタによって機能化された粒子を提供することにより、血管系内にこれらのタンパク質バイオマーカの存在が検出することができ、医学的症状(つまり、卒中、心臓発作)を防止することができる。
[00112] 粒子は、生分解性材料または非生分解性材料から作られ得る。例えば、粒子は、ポリスチレンから作られ得る。非生物分解性粒子には、体内への有害な蓄積を防止するための除去手段が設けられ得る。一般的に、粒子は、数回の測定期間にわたり血管系内または体液内に留まるように、長い半減期を有するように設計され得る。しかし、粒子の寿命に応じて、着用デバイスのユーザは、機能化された粒子の新ロットを定期的に血管系内または体液内に導入することができる。
[00113] バイオレセプタは、診断過程で使用することができ、または、抗腫瘍療法または対象化学療法等の特定の対象を破壊する療法においても使用することができる。粒子は、バイオレセプタに一度結合された対象分析物を体内から除去するか、または破壊するように設計され得る。粒子に追加の官能基を追加し、粒子が、例えば、一度対象分析物に結合されると、腎臓を介して体内から除去され得るといった信号を送るようにしてもよい。
[00114] さらに、粒子は、放出可能または不可逆的のいずれかの態様で、対象分析物に結合するように設計され得る。例えば、対象分析物の破壊または体内からの除去に粒子が関与することが望まれる場合、上述したように、粒子は、対象分析物に不可逆的に結合するように設計され得る。他の例では、粒子は、測定後に、自動的に、または外部もしくは内部からの刺激に応答して、対象分析物を放出するように設計され得る。
[00115] 当業者は、「粒子」という用語をその最も広い意味で理解し、かつ、粒子が半製品、分子、クリプトファン、ウィルス、ファージ等の形態を取り得ることを理解するであろう。さらに、粒子は、球状、ロッド状、非対称の形状等、任意の形状のものであってよく、固体、液体、もしくは気体材料、またはそれらの組み合わせから形成され得る。粒子は、約20マイクロメートル未満の直径を有し得る。いくつかの実施形態において、粒子は、約10ナノメートル〜1マイクロメートル程度の直径を有し得る。さらなる実施形態では、直径が10〜100ナノメートル程度の小さい粒子は、1〜10マイクロメートル程度のより大きな「集団」または「集合」を形成するように結合されてもよい。この構成では、集合は、大きい粒子の信号強度を提供するが、変形可能であるため、より細い血管および毛細管の閉塞を防止することができる。
[00116] 対象分析物に対する機能化された粒子の結合は、刺激信号入力を使用して、または使用せずに、検出することができる。「結合」という用語は、レセプタと分析物との間のあらゆる検出可能な相互作用も含むものとして、最も広い意味で理解される。例えば、一部の粒子は、粒子が対象分析物に結合すると、刺激の入力を使用せずに応答信号を生成する、蛍光体または自己蛍光、発光、もしくは化学発光マーカ等の化合物または分子によって機能化され得る。他の例では、機能化された粒子は、電磁、音響、光、機械エネルギ等の外部刺激に応答して、結合状態と非結合状態とで異なる応答信号を生成し得る。
[00117] さらに、粒子は、常磁性または強磁性材料から形成されてもよく、あるいは、磁性部分によって機能化されてもよい。粒子の磁気特性は、磁気共鳴検出手法において、検出感度を高めるために利用され得る。別の例では、外部磁石を使用して、測定期間中、表面下血管系の領域内に粒子を局所的に収集することができる。このような収集により、粒子と分析物との間の差速を増すことより、単位時間当たりの検査体積をはるかに大きくすることができるだけでなく、後続の検出のために信号を増強することもできる。
V.着用デバイスの動作方法の例示
[00118] 図10は、非侵襲的で、生体内の、リアルタイムな生理学的パラメータの測定を行うために着用デバイスを動作させる方法1000を示すフローチャートである。着用デバイスは、まず、被験者の表面下血管系の一部分付近の体表に装着される(1010)。いくつかの例では、着用デバイスは、信号源を介して、表面下血管系の該部分内に呼び掛け信号を送信する(1020)。着用デバイスは、その後、検出器を介して、表面下血管系の該部分から送信された応答信号を検出する(1030)。ここで、応答信号は、表面下血管系の内腔内に存在する機能化された粒子に対する臨床的に関連性のある対象物の結合に関連する。いくつかの例において、応答信号は、呼び掛け信号に応答して生成される。機能化された粒子は、臨床的に関連性のある分析物に結合するように構成され、抗体等のレセプタを備え得る。「結合」という用語は、臨床的に関連性のある分析物と機能化された粒子との間の検出可能なあらゆる相互作用も含むものとして、最も広い意味で理解される。着用デバイスは、応答信号に基づき、臨床的に関連性のある分析物の有無および/または濃度(1040)と、臨床的に関連性のある分析物の有無および/または濃度に少なくとも部分的に基づいて、医学的症状が示されているか否かと、を特定する(1040)。さらに、機能化された粒子が磁性粒子である例では、着用デバイスは、さらに、表面下血管系の該部分内に磁界を誘導し得る。この磁界は、機能化された磁性粒子を表面下血管系の該部分の内腔内に収集させるのに十分な磁界である。
[00119] 図11A〜11B、12A〜12B、および13A〜13Bは、手首装着デバイスの多様な例の動作を示す人間の手首の側面部分断面図である。図11Aおよび11Bに示される例では、手首装着デバイス1100は、ストラップまたは手首バンド1120上に装着され、着用者の手首の前側1190に方向付けられた測定プラットフォーム1110を備える。測定プラットフォーム1110は、表面下血管系1130が容易に観察可能な手首の一部分上に位置決めされる。機能化された粒子1140は、上述した手段の1つにより、表面下血管系の内腔内に導入されている。本例において、測定プラットフォーム1110は、検出器1150と信号源1160との両方を有するデータ収集システムを備える。図11Aは、測定デバイス1110が作動されていない時の表面下血管系の状態を示す。この表面下血管系の測定期間中の状態が図11Bに示されている。この時、信号源1160は、表面下血管系の該部分内に呼び掛け信号1162を送信し、検出器1150は、呼び掛け信号1162に応答して生成された応答信号1152を受信している。応答信号1152は、機能化された粒子1140に対する表面下血管系内に存在する臨床的に関連性のある分析物の結合に関連する。上述したように、いくつかの実施形態では、機能化された粒子に対する分析物の結合に関連する応答信号を生成するために呼び掛け信号が必要でない場合もある。
[00120] 図11Aおよび11Bに図示されるシステムと同様に、図12Aおよび12Bは、ストラップまたは手首バンド1220上に装着され、着用者の手首の前側1290に向けられた測定プラットフォーム1210を備えた手首装着デバイス1200を示す。本例において、測定プラットフォーム1210は、検出器1250、信号源1260、および収集磁石1270を有するデータ収集システムを備える。図12Aは、測定デバイス1200が作動されていない時の表面下血管系の状態を示す。測定期間中に測定デバイス1200が作動されている時の表面下血管系の状態は、図12Bに示されている。この時、収集磁石1270は、表面下血管系1230の内腔内に存在する機能化された磁性粒子1240を磁石1270付近の領域内に収集させるのに十分な磁界1272を生成する。信号源1260は、表面下血管系の該部分内に呼び掛け信号1262を送信し、検出器1250は、呼び掛け信号1262に応答して生成された応答信号1252を受信している。応答信号1252は、機能化された磁性粒子1240に対する表面下血管系内に存在する臨床的に関連性のある分析物の結合に関連する。上述したように、いくつかの実施形態では、機能化された磁性粒子に対する分析物の結合に関連する応答信号を生成するために呼び掛け信号が必要でない場合もある。
[00121] 図13Aおよび13Bは、ストラップ1320上に配置された測定プラットフォーム1310を有する手首装着デバイス1300のさらなる実施形態を示す。この手首装着デバイス1300において、検出器1350および信号源1360は着用者の手首の後ろ側1390に位置決めされ、収集磁石1370が着用者の手首の前側1380に配置されている。上述した実施形態と同様に、図13Aは、測定デバイス1300が作動されていない時の表面下血管系の状態を示す。測定期間中に測定デバイス1300が作動している時の表面下血管系の状態は、図13Bに示されている。この時、収集磁石1370は、表面下血管系1330の内腔内に存在する機能化された磁性粒子1340を磁石1370付近の領域内に収集させるのに十分な磁界1232を生成する。信号源1360は、表面下血管系の該部分内に呼び掛け信号1362を送信し、検出器1350は、呼び掛け信号1262に応答して生成された応答信号1352を受信している。応答信号1352は、機能化された磁性粒子1340に対する表面下血管系内に存在する臨床的に関連性のある分析物の結合に関連する。上述したように、いくつかの実施形態では、機能化された磁性粒子に対する分析物の結合に関連する応答信号を生成するために呼び掛け信号が必要でない場合もある。
[00122] 図12Bおよび13Bは、共に、信号源(1260、1360)によって送信された呼び掛け信号(1262、1362)の経路と、検出器(1250、1350)によって検出された応答信号(1252、1352)とが、表面下血管系の一部分上で基本的に重なり合っている状態を示している。いくつかの例において、信号源(1260、1360)および検出器(1250、1350)は、表面下血管系の基本的に同一の領域に対して呼び掛けおよび検出を行うように、互いに対して角度が付けられ得る。しかし、図11Bに示される例など、場合によっては、信号源(1260、1360)によって送信された呼び掛け信号(1262、1362)と検出器(1250、1350)によって検出された応答信号(1252、1352)との経路は、重なり合わない場合もある。
VI.手首装着デバイスを使用したリアルタイムで高密度な生理学的データの収集方法の例示
[00123] 図14は、着用デバイスを使用して、リアルタイムで、高密度で、非侵襲的な、生体内での生理学的パラメータの測定を行うための方法1400を示すフローチャートである。第1ステップにおいて、着用デバイスは、複数の測定期間の各期間中に1つ以上の生理学的パラメータを自動的に測定する(1410)。測定期間の長さは、デバイス自体上で設定されてもよく、または、例えばリモートサーバからの指示によってリモート設定されてもよい。デバイスは、毎日多くの測定期間(例えば、連続的、2時間毎、毎分、毎時間、6時間毎等)を有するように構成されてもよく、または、1週間もしくは1か月に1回測定を行うように構成されてもよい。さらに、測定される生理学的パラメータのそれぞれについて、異なる測定期間を設定することもできる。測定期間は、連続した数日に及んでもよく、それらの連続した数日のうちの各日が複数の測定期間を含んでもよい。連続した数日の各日は、さらに、少なくとも24回の測定期間を含むことができ、連続した数日は、少なくとも3日を含むことができる。生理学的パラメータの少なくともいくつかは、着用デバイス付近の表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を非侵襲的に検出することにより、測定される。
[00124] 複数の測定期間のそれぞれに対して、測定期間の終結後に、着用デバイスはその測定期間中に測定された生理学的パラメータを表すデータをサーバに送信する(1420)。着用デバイスは、自動的にデータをサーバに送信するように構成されてもよく、着用者のコマンドで送信するように構成されてもよく、または、リモートサーバからの命令で送信するように構成されてもよい。さらに、デバイスは、各測定期間の終了時に、またはそれよりも高頻度もしくは低頻度で、自動的にデータを送信するように構成されてもよい。例えば、デバイスは、5分毎、1日の終わり、月末、夜間のみ等に送信するように構成され得る。
[00125] それに応答して、サーバは、複数の測定期間中に着用デバイスによって送信されたデータに基づき、基準値プロファイルを構築するように構成される(1430)。いくつかの実施形態において、基準値プロファイルは、着用デバイスを着用している個人のユーザについて、複数の測定期間中に着用デバイスによって送信されたデータに基づく個人的な基準値プロファイルを含む。上述したように、基準値プロファイルは、着用者の生理学的パラメータの1つ以上が、例えば1日、1週間、または1か月経過する間に、通常どのように経時変化するかといったパターンを含み得る。基準値プロファイルは、さらに、上回ったりまたは下回ったりした場合に医学的症状が示され得る所定の対象分析物の閾値をさらに含み得る。
[00126] サーバがデバイスの着用者のために個人的な基準値プロファイルを作り出した後、サーバは、1回以上の追加の測定期間中に測定された生理学的パラメータに関する追加のデータを着用デバイスから受信し得る(1440)。サーバは、その後、追加の測定期間にわたり収集された追加のデータを、個人的な基準値プロファイルと比較し得る。追加のデータが個人的な基準値プロファイル内で具体化されたパターンと一致している場合、サーバは着用者の状態が変化していないと判断することができる。一方、追加のデータが基準値プロファイル内で具体化されたパターンから逸脱していた場合、サーバは、着用者の状態の変化を検出することができる(1450)。状態の変化は、例えば、着用者が病気、疾患、悪い医学的症状を発症したこと、あるいは、近い将来に、卒中または心臓発作等の深刻な医学的症状を起こすリスクがあり得ることを示す。
[00127] サーバが、個人的な基準値プロファイルおよび追加のデータに基づいて状態の変化を検出した場合、サーバは、検出された状態の変化および臨床プロトコルに基づいて1つ以上の助言を生成し得る(1460)。例えば、サーバは、着用者が特定の医薬品またはサプリメントを摂取すること、医療専門家による診察の予定を立てること、至急病院で診療を受けること、所定の活動を控えること等の助言を生成し得る。サーバは、複数の着用デバイスによって測定された生理学的パラメータに関するデータを受信し(1470)、このデータを使用して、臨床プロトコルを少なくとも部分的に構築するようにも構成され得る。臨床プロトコルは、着用者関して知られている任意の健康情報もしくは病歴、および/または医療分野において認識される標準的治療に少なくとも部分的に基づいて構築されてもよい。着用デバイスは、サーバによって生成された1つ以上の助言を受信し(1470)、着用デバイス上のユーザインタフェースを介して1つ以上の助言の指標を提供し得る。
[00128] いくつかの実施形態において、サーバは、複数の着用デバイスによって測定された生理学的パラメータに関するデータを受信するように構成され得る。サーバは、複数のユーザによって着用された複数の着用デバイスから収集されたこのデータを使用して、集団的な基準値プロファイルを少なくとも部分的に構築することができる。このような集団的な基準値プロファイルは、例えば、個人的な基準値プロファイルとの比較用に使用することができる。当業者には容易に認識されることであるが、経時的に測定された個人の生理学的パラメータと、その個人自身の基準値との比較は、生理学的パラメータの異常を認識するには十分でない場合がある。例えば、デバイスの着用者個人の生理学的パラメータが、この個人の基準値から逸脱していないとしても、その個人の基準値が、複数のデバイスの着用者から収集されたデータから生成された集団的な基準値からはかなり上回っていることもある。したがって、集団において「正常」または「平均的な」ものと比較することが、個人の医学的症状の効果的な特定または防止にとって重要である場合がある。
[00129] したがって、サーバは、さらに、1回以上の追加的な測定期間中に測定された追加のデータを着用デバイスから受信し、集団的な基準値プロファイルおよび追加のデータに基づいて状態の変化を検出し、検出された状態の変化および臨床プロトコルに基づいて1つ以上の助言を生成するように構成され得る。着用デバイスは、サーバによって生成される1つ以上の助言を受信し、着用デバイス上のユーザインタフェースを介して1つ以上の助言の指標を提供し得る。
[00130] さらなる実施形態において、方法は、機能化された粒子を血液内に導入することを含み得る。ここで、機能化された磁性粒子は、1つ以上の分析物に結合するように構成される。図15に示すように、着用デバイスは、着用デバイス内の信号源から着用デバイス付近の表面下血管系内に呼び掛け信号を誘導することにより(1510)、着用デバイス付近の表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を非侵襲的に測定し得る。上述したように、機能化された粒子が、呼び掛け信号を必要とせずに1つ以上の分析物の結合に関連する応答信号を生成するような場合、このステップは必要でないこともある。いずれにしても、着用デバイスは、検出器によって、呼び掛け信号に応答して着用デバイス付近の表面下血管系から送信された応答信号を検出し得る(1520)。応答信号は、機能化された粒子に対する1つ以上の分析物の結合に関連する。呼び掛け信号が使用される例では、呼び掛け信号は、経時変化する磁界を含み、応答信号は、経時変化する磁界に起因する外側から検出可能な物理的な運動を含み得る。呼び掛け信号は、電磁パルス(例えば、無線周波数(RF)パルス)を含み、応答信号は、磁気共鳴(MR)信号を含み得る。呼び掛け信号は、約400ナノメートル〜約1600ナノメートルの波長、より特定的には、約500ナノメートル〜約1000ナノメートルの波長を有する電磁放射を含み得る。機能化された粒子が蛍光体も含む場合、応答信号は、呼び掛け信号に応答して蛍光体によって送信される蛍光放射を含み得る。
[00131] いくつかの例において、機能化された粒子は磁石でもあってもよい。表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を測定するプロセスは、さらに、着用デバイス内の磁石から、着用デバイス付近の表面下血管内に磁界を誘導することを含み得る(1530)。この磁界は、機能化された磁性粒子を、着用デバイス付近の表面下血管系の内腔内に収集させるのに十分な磁界である。
[00132] 図16は、着用デバイスを使用して、リアルタイムで、高密度で、非侵襲的な、生体内での生理学的パラメータの測定を行うための方法1600を示すフローチャートである。第1ステップにおいて、着用デバイスは、複数の測定期間の各期間中に1つ以上の生理学的パラメータを自動的に測定する(1610)。測定期間は、連続した数日に及んでもよく、それらの連続した数日のうちの各日が複数の測定期間を含む。生理学的パラメータの少なくともいくつかは、着用デバイス付近の表面下血管系内を循環している血液内の1つ以上の分析物を非侵襲的に検出することにより、測定される。
[00133] 複数の測定期間のそれぞれに対して、測定期間の終結時に、着用デバイスはその測定期間中に測定された生理学的パラメータを表すデータをサーバに自動的に無線送信する(1620)。サーバは、測定期間の終結時に、その測定期間中の着用デバイスのユーザの健康状態の指標を受信し、ユーザの健康状態とその測定期間中に測定された生理学的パラメータを表すデータとの間の相関関係を導出するように構成され得る(1630)。例えば、サーバは、例えば、生理学的パラメータが所定のレベルまで到達または低下するといつも、デバイスの着用者が偏頭痛を感じることを示すパターンを認識するように構成され得る。これらのパターンまたは相関関係を認識することは、医療専門家が、その個人の健康状態を認識、防止、診断、および/または治療する際の助けとなり得る。さらに、サーバは、これらの相関関係を使用して、医学的症状が切迫していることをユーザに警告することができる。
[00134] 基準値プロファイルは、複数の測定期間中に着用デバイスによって送信されたデータに基づき、サーバによって構築され得る(1650)。サーバは、さらに、1回以上の追加の測定期間中に測定された生理学的パラメータを表す追加のデータを着用デバイスから受信し(1660)、基準値プロファイルおよび追加のデータに基づいて状態の変化を検出し(1670)、検出された状態の変化および臨床プロトコルに基づいて1つ以上の助言を生成する(1680)ように構成され得る。臨床プロトコルは、導出された相関関係に少なくとも部分的に基づいて構築され得る。例えば、臨床プロトコルは、生理学的パラメータの現在の測定値と、前回測定された生理学的パラメータと前回報告された健康状態との間の導出された相関関係との比較に基づき、医学的症状が切迫しているかもしれないことを示し得る。
[00135] さらなる例において、サーバは、複数の着用デバイスによって測定された生理学的パラメータに関するデータを受信し、複数の測定期間にわたる複数の着用デバイスのユーザの健康状態の指標を受信するように構成され得る。サーバは、その後、複数のユーザの健康状態と、複数の測定期間中に測定された生理学的パラメータを表すデータとの間の相関関係を導出し得る。この種の集団データは、そのような相関関係が生理学的パラメータと特定の健康状態とから、かつて導き出されたことがなかったかもしれないという点で重要であり得る。そのような相関関係は、健康状態の予測、防止、診断および治療において使用することができる。サーバは、1回以上の追加の測定期間中に測定された生理学的パラメータを表す追加のデータを着用デバイスから受信し、受信された追加のデータおよび臨床プロトコルから1つ以上の助言を生成するようにも構成され得る。ここで、臨床プロトコルは、導出された相関関係に少なくとも部分的に基づいて構築され得る。
[00136] さらなる例において、リモートサーバによって実行されるものとして上述されたステップを、着用デバイス自体が実行するように構成されてもよい。例えば、着用デバイスは、生理学的パラメータを表すデータを分析し、基準値プロファイルを生成し、追加の測定期間から収集されたデータを基準値プロファイルと比較し、臨床プロトコルに基づいて助言を生成するように構成され得る。着用デバイスは、さらに、自動的に、または他の何らかの頻度で、所定のデータをリモートサーバに送信するように構成され得る。
VII.変調源を有する非侵襲的な分析物検出システムの例示
[00137] 上述したいずれかのような分析物検出システムにおける信号対雑音比(SNR)は、表面下血管系(または他の器官)から送信された分析物応答信号を背景信号と、場合によっては非結合粒子応答信号とに対して変調することにより高めることができる。このような変調は、システムの感度と、血液または他の体液内に存在する対象分析物を、他の分析物、粒子、細胞、分子、血液成分、骨および組織等から判別する能力と、を高めることができる。これは、光学的な方法などの一部の分析物の性質決定方法、または、対象物が血液中に希少であったり、対象物が比較的小さいサイズのものであったりする場合、または、体内の他の組織、細胞、および分子が何らかの固有の蛍光特性を有し、高レベルの背景雑音が生じさせるために低解像度に悩まされることの多い蛍光検出技術において、特に有益であり得る。
[00138] 図17A〜17Bは、人間の手首の側面部分断面図であり、血液または他の体液中に存在する1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成された機能化された粒子1740と、表面下血管系等の身体の一部分から送信された応答信号1752を検出するように構成された検出器1750と、応答信号1752を変調するように構成された変調源1770とを備えたシステム1700の一例の動作を示している。機能化された粒子1740は、経口、経皮、局所、経粘膜、筋肉内等を含む任意の公知のルートで体内、例えば、表面下血管系1730の内腔内に導入され得る。いくつかの実施形態において、システム1700は、信号源1760も備え得るが、上述したように、呼び掛け信号1762は、必ずしも応答信号1752を生成する全ての場合に必要ではない。さらに、いくつかの実施形態において、信号源1760自体が変調されてもよい(それにより応答信号1752も変調する)。これらの実施形態では、変調および呼び掛けは、基本的に組み合わされる。
[00139] いくつかの実施形態において、システム1700は、手首、足首、腰、胸部、または他の身体の部位等の体表に、体表上に、または体表付近に着用することが可能な任意のデバイスを含み得る着用デバイス1710を使用して実現され得る。着用デバイス1710は、分析物測定が身体の外側から非侵襲的に行えるように、表面下血管系1730(または他の器官)が容易に観察可能な身体の一部分上または身体の一部分付近に位置決めされ得る。デバイス1710は、皮膚または組織に極めて接近して置かれ得るが、皮膚または組織と接触または密着している必要はない。それに加えて、またはその代わりに、システム1700は、皮膚の下、表面下血管系または他の器官が容易に観察可能な位置に、検出器1750、信号源1760、および/または変調源1770等の1つ以上のコンポーネントを植え込むことによって実現されてもよい。システム1700は、静止したデバイスとして、または1回以上の測定期間中に体表に対して、もしくは体表付近に一時的に保持され得るデバイスとしても実現され得る。
[00140] ベルト、手首バンド、腕時計、足首バンド、ヘッドバンド、眼鏡、ネックレス、イヤリング等の装着具1720は、デバイス1710を体表に、体表上に、または体表付近に装着または安定させるために設けられ得る。装着具1720は、着用デバイス1710が身体に対して移動するのを防止して、測定誤差および雑音を減少させ得る。さらに、装着具1720は、着用デバイスを着用者の身体に接着させるための接着基板であってもよい。検出器1750、変調源1770、(適用される場合は)呼び掛け信号源1760、および、場合によってプロセッサ(図示なし)、またはそれらの一部分は、着用デバイス1710上に設けられ得る。装着具1720は、一日中測定が行えるように、デバイス1710が着用者の日常的な活動を妨害することなく連続的に着用できるように設計され得る。他の例では、装着具1720は、測定期間中のみデバイス1710を身体上または身体付近に一時的に保持するように設計され得る。検出器1750、変調源1770、および(適用される場合は)信号源1760のそれぞれは、図17A〜17Bに示すように、装着具の同一部分上に互いに近付けて位置付けられてもよく、または装着具1720上の異なる場所に位置決めされてもよい。
[00141] 測定期間中の表面下血管系の状態が図17Bに示されている。本実施形態では、信号源1760は、身体の一部分内に呼び掛け信号1762を送信し、検出器1750は、体から送信された応答信号1752を受信する。応答信号1752は、分析物応答信号、非結合粒子信号、背景信号を含み得る。分析物応答信号は、体内に存在する対象分析物と機能化された粒子1740との相互作用に関連し、場合によっては、呼び掛け信号1762に応答して生成され得る。上述したように、いくつかの実施形態では、機能化された粒子に対する分析物の結合に関連する応答信号を生成するのに呼び掛け信号が必要でない場合もある。さらに、他の例では、変調源は、変調された呼び掛け信号を生成することにより、実質的に信号源として作用し得る。
[00142] 変調源1770は、応答信号を変調するように構成された変調1772を身体の該当部分に適用する。具体的に、変調源1770は、分析物応答信号を背景信号とは異なるように変調するように構成され得る。背景信号は、システム1700が監視中のもの(つまり、対象分析物)以外のものから送信されたあらゆる信号を含み得る。いくつかの例において、背景信号は、血液もしくは他の体液中の他の分子、細胞、または粒子;皮膚、静脈、筋肉等の組織;骨;または着用者の体内に存在する他の物体によって生成され得る。背景信号は、呼び掛け信号から、例えば自己蛍光信号を生成すること等のこれらの物体の励起によって生成されたり、または、これらの物体の固有の特性(例えば、化学発光等)に起因して生成されたりし得る。
[00143] 着用デバイス1770の領域内の表面下血管系1730内には、結合粒子1742および非結合粒子1744の両方が存在し得る。「結合」粒子1742は、対象分析物に対し、結合または他の態様で相互作用するあらゆる粒子を含み得る。分析物応答信号は、これらの結合粒子1742から送信される。逆に、「非結合」粒子1744は、対象分析物に対し、結合または他の態様で相互作用しないあらゆる粒子を含む。非結合粒子1744は、機能化された粒子1740に対する対象分析物の結合または相互作用に関連しない非結合信号(図示なし)を生じさせ得る。いくつかの例において、変調源1770は、分析物応答信号を非結合粒子信号から識別することができるように、分析物応答信号を非結合粒子信号とは異なるように変調するように構成され得る。このような識別を利用して、対象分析物に対して結合または相互作用する粒子1740の数またはパーセンテージを特定することができ、この数またはパーセンテージを使用して、血液または他の体液中の対象分析物の濃度を特定して、粒子が体から排出されたか否か、あるいは粒子がどの程度体から排出されたかを特定することができる。
[00144] 変調源1770は、応答信号1752を変調するための任意の手段を備え得る。場合によっては、分析応答信号は、背景信号とは異なるように変調されることがあり、他の場合では、応答信号は非結合粒子信号とは異なるように変調されることがあり、その両方もあり得る。例えば、変調源1770は、結合粒子1742を空間的に変調することにより分析物応答信号を変更するように構成され得る。変調源1770は、結合粒子1742の蛍光、発光、または化学発光を含む光学特性を変調するように構成され得る。さらなる例では、変調源1770は、結合粒子1742の磁気特性、電気特性、音響特性、および/または物理特性を変更するように構成され得る。変調源1770は、物理的構造であってもよく、または身体に印加される信号もしくはエネルギであってもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。したがって、変調源1772は、空間的、時間的、分光的、熱的、磁気的、光学的、機械的、電気的、音響的、化学的、または電磁的な種類の変調またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
[00145] 一例において、変調源1770は、分析物応答信号を空間的に変調するように構成され得る。例えば、空間変調は、血管系1730内を進む、非結合粒子および分析対象ではない他の要素に対する、結合粒子の速度、回転、サイズ、熱力学的特性、流体力学的特性等を利用して、分析物応答信号を区別し得る。例えば、分析物結合粒子は、非結合粒子とは異なるサイズおよび形状を有することになるため、表面下血管系内を異なる速度で進むことができ、これにより、結合粒子と非結合粒子との間で変調を行うことができる。一例では、分析物結合磁性粒子は、磁界に曝された際、非結合磁性粒子とは異なる速度で表面下血管系内を進み得る。変調源1770は、この速度の差を利用し、分析物応答信号を体から送信される他の信号から区別することができる。
[00146] 磁気力または音響力等の他の力を使用して血管系中の粒子の空間的特性または運動に影響を与えることにより、さらに、血流内の異なる流体力学的特性を有する粒子を区別することができる(例えば、大きい粒子と小さい粒子、結合粒子と非結合粒子、形状、浮力等)。例えば、磁性粒子は、静磁界において整列および配向され得るが、磁界が除取されると、ブラウン運動により磁性粒子の角位置はランダム化することになる。ランダム化の比率は、粒子のサイズおよび形状に応じて、つまり、別の物体に結合しているか否かに応じて決まり得る。同様に、経時変化する磁界に対する粒子の回転応答または並進応答もまた、サイズ、形状、ひいては粒子の結合状態に応じて決まり得る。サイズ、形状、または結合状態への依存性は、運動振幅の変動、周波数応答の変動、位相ずれ、またはそれらの組み合わせとして顕在化し得る。例えば音響力等の他の原動力もまた可能である。
[00147] 一般的に、空間変調技術は、流体力学的抗力媒体(例えば、血液)内の原動力(磁気力、音響力、または他の力)の影響下に置かれた際の粒子の空間的応答の観察に依拠し得る。原動力および流体力学的抗力は、共に、粒子のサイズ、形状、または結合状態に応じて決まり得る。さらに、これらの技術は、粒子のサイズ/形状、または粒子が結合する物体のサイズの測定を可能にし得る。原動力の差を利用することで、例えば、結合粒子を非結合から、または小さい粒子をより大きな粒子から、または円形の粒子を長円形の粒子から空間的に分離させることもできる。空間的な分離により、粒子特性および結合状態を検出するための信号対雑音比が高められる。
[00148] 別の例では、変調1772は、ナノダイヤモンド粒子の直接変調に基づき得る。ナノダイヤモンドは、近赤外線領域で蛍光することになる窒素点欠陥を有する物質である。ナノダイヤモンドの蛍光強度は、磁界により影響を受け得る(磁界が高いほど、蛍光が低い)。したがって、ナノダイヤモンドをパルス状の磁界に曝すことにより、蛍光強度は変調され得る。無線周波数(RF)エネルギもまた、蛍光強度に影響を与え得る。
[00149] いくつかの例では、熱的変調も採用され得る。熱的変調を使用して、分析物応答信号を変調する際に有用であり得る多数の他の粒子性質(蛍光、波長、蛍光強度、音響放射周波数もしくは振幅、または粒子構造等)を変化させることができる。これらの性質変化を使用して、結合粒子を非結合粒子および背景雑音から識別することができる。一例において、エネルギ吸収粒子は、パルス状の光またはRFエネルギによって照射され、粒子温度の上昇が引き起され得る。温度の急な上昇は、粒子を膨張させ、音波を生じさせ、この音波が検出器1750によって検出され得る。あるいは、周囲の液体の沸点を超えるまで粒子を急加熱することにより、気泡が生じ、冷却時にこれらの気泡がつぶれることで、キャビテーションから検出可能な音波が発生し得る。別の例では、温度の上昇により粒子の構造が劣化または変化することで、蛍光体またはコントラスト剤等の一部の材料が粒子内部のキャビティから放出されるようになり、その蛍光が検出器1750によって検出され得る。
[00150] 「消光(quenching fluorescence)」は、応答信号1752を変調させるために使用され得る別の種類の熱変調である。所与の物質の蛍光強度を低下させるあらゆるプロセスを指す消光は、圧力および温度に大きく依存することが多い。フォルスタ共鳴エネルギ移動(FRET)、蛍光共鳴エネルギ移動(FRET)、共鳴エネルギ移動(RET)または電子エネルギ移動(EET)は、2つの発色団間のエネルギ移動を表す機構であり、これらはすべて消光機構である。最初に電子的励起状態にあるドナー発色団は、無放射双極子−双極子カップリングによりアクセプタ発色団にエネルギを移動させ得る。このエネルギ移動の効率は、ドナーとアクセプタとの間の距離に反比例する。熱エネルギの印加により、発色団対が弾けるように離れ、または他の態様で分離し、それにより、各発色団が蛍光可能になる。この技術を利用して、一例では、分析物に結合した時に発色団粒子どうしがカップリングするように構成することにより、応答信号1752を変調することができる。熱エネルギ、音響エネルギ、磁気エネルギ、または他のエネルギを使用して、1つの発光確認と1つの消光確認が生じる、アプタマまたはタンパク質の複合体の可逆的な熱変性または変調を引き起こすこともできる。
[00151] 別の実施形態では、磁界などの外部のエネルギを使用して粒子を空間的に変調し、分析物応答信号を非結合粒子信号および背景雑音から識別することができる。ある種の外部エネルギが表面下血管系1730に印加され、非結合粒子1742内にある種の観察可能な移動または運動(つまり、並進運動、回転等)を引き起こすことができる。粒子が対象分析物に対して結合または相互作用している場合、変調1772に応答してその粒子の物理的な運動が影響を受けることになる。例えば、粒子は、非結合粒子よりもゆっくりと並進または回転し得る。したがって、結合粒子1742は、非結合粒子1744および体内に存在する他のあらゆる物体とは異なるように挙動することになる。あるいは、ひとたび変調1772が解除された粒子の応答もまた観察され得る。例えば結合粒子1742は、ひとたび変調源1770が停止されると、非結合粒子1744よりも通常の速度または通常の回転に戻るのに時間がかかり得る。
[00152] 時間領域分離を使用して応答信号1752を変調することもできる。例えば、異なる蛍光体の様々な蛍光寿命を利用することにより、変調を実現することができる。特定の蛍光体の蛍光における指数関数的減衰は、励起光を消した時に観察することができる。一例では、機能化された粒子は、背景信号を構成する物体の蛍光寿命よりもかなり長い蛍光寿命を有する蛍光材料から構成され得るか、または該蛍光材料を含み得る。励起信号を消すと、システムは、背景蛍光の減衰後まで結合粒子1742によって生成された信号の検出を遅らせることで、背景から分析物応答信号を区別することが可能になる。結合粒子1742の蛍光は、励起光を所定の周波数で駆動することによって、または異なる粒子の燐光寿命または化学発光寿命を利用することによって、変調することもできる。別の例では、飛行時間が応答信号1752を変調するための手段であってもよい。
[00153] 別の実施形態では、光学分析方法を使用して応答信号1752を変調することができる。例えば、共焦点顕微鏡法を使用して、しっかりと合った焦点領域から発生した光子のみを選択することにより、背景信号を除去または減少させることができる。このため、結合粒子1742は、焦点領域内外に機械的に変調されて、周期的に変調された蛍光信号が実現され得る。光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、波長フィルタリング、偏光、位相共役デスペックリング、および位相差等の背景性質を除去または減少させるための他の光学的な技術を使用してもよい。
[00154] 別の実施形態では、核磁気共鳴(NMR)を使用して応答信号1752を変調することができる。歳差運動の周波数および磁気緩和寿命の両方を使用して、結合粒子1742自体またはその周囲の環境の応答を測定することができる。一般的に、RF磁界が表面下血管系1730に印加されることにより、この表面下血管系が所定の周波数で磁気共鳴信号を放出する。粒子もしくはサンプル内の他の物体の性質、または周囲の環境は、より低いエネルギ状態に戻る/緩和される時に観察される。結合粒子1742の挙動は、非結合粒子1744および背景とは異なることになる。
[00155] システムの要素、つまり、適用された変調1772の種類、粒子1740の種類/形状/材料、機能化されたレセプタの種類、および対象分析物は、全て、相互に関連し得る。最終的には、粒子1742の種類と特定の対象分析物1740を検出するために使用されるレセプタは、対象分析物の性質(つまり、種類、サイズ、形状、親和性等)、選択された変調1772の種類(つまり、空間的、分光的、熱的、磁気的、機械的、化学的変調等)、および呼び掛けのモード(光、音響、磁気、RF等)によって、ある程度特定され得る。上記の全ての変調技術の組み合わせもまた使用可能である。
[00156] 図18は、着用デバイス1810を備えたシステム1800の例のコンポーネントを示す簡素化されたブロック図である。着用デバイス1810は、図2A〜2B、3A〜3C、4A〜4C、5、6および17A〜17Bに示された手首装着デバイス200、300、400、500、600または1700の1つの形態を取ってもよく、または該手首装着デバイスと同様であってもよい。ただし、着用デバイス1800は、足首装着デバイス、腰装着デバイス、耳装着デバイス、眼球装着デバイス、胸部装着デバイス等の他の形態を取ってもよい。さらに、デバイス200、300、400、500、600および1710のいずれも、着用デバイス1810を含む、システム1800のコンポーネントのいずれかと同様に構成されてもよく、または該コンポーネントのいずれかを含んでもよい。
[00157] 特に、図18は、コントローラ1830によって制御される検出器1812、(場合によっては)信号源1814、変調源1816、および通信インタフェース1820を有する着用デバイス1810を備えたシステム1800の例を示す。通信インタフェース1820はアンテナを備え得る。着用デバイス1810のコンポーネントは、表面下血管系の一部分が容易に観察可能な身体の外側表面にデバイスを装着するための装着具(図示なし)上に配置され得る。システム1800は、さらに、プロセッサ1850、コンピュータ可読媒体1860、ユーザインタフェース1870、および着用デバイス1810と通信するためおよび/またはデータをサーバもしくは他のリモートコンピュータデバイスに送信するための通信インタフェース1880を備え、着用デバイス1810と通信するリモートデバイス1840をさらに備える。図18は、着用デバイス1810上またはリモートデバイス1840上に配置されるシステム1800の多様なコンポーネントを図示するが、当業者には、全てのコンポーネントが着用デバイスに設けられる等、異なる構成および設計が可能であることが理解されるであろう。
[00158] プロセッサ1850は、汎用プロセッサまたは専用プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路等)であってよく、コンピュータ可読媒体1860内に格納され、本明細書に記載されるシステム1800の機能性を提供するように実行可能なコンピュータ可読プログラム命令1862を実行するように構成され得る。コンピュータ可読媒体1850は、プロセッサ1850によって読み出しまたはアクセス可能な1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含んでも、または該1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の形態を取ってもよく、また、プロセッサ1850に全体的または部分的に一体化され得る、光、磁気、有機、または他のメモリもしくはディスク記憶装置などの揮発性および/または不揮発性の記憶コンポーネントを含み得る。コントローラ1830は、検出器1812、信号源1814および変調源1816の1つ以上を動作させるように構成され得る。例えば、コントローラ1830は、予め設定された測定期間の各期間中、検出器1812、信号源1814、および変調源1816を作動させ得る。
[00159] コンピュータ可読媒体1860に格納されたプログラム命令1862は、本明細書に記載されるシステムの機能性の一部または全部を実行または容易にするための命令を含み得る。例えば、図示された実施形態では、プログラム命令1862は、コントローラ1830に、検出器1812、信号源1814および変調源1816を動作させるための命令を含み得る。プログラム命令1862は、さらに、プロセッサ1850に、変調源1816によって適用された変調に少なくとも部分的に基づいて、背景信号から分析物応答信号を識別することにより、1つ以上の対象分析物を検出させ得る。場合によっては、プロセッサは、さらに、対象分析物信号を非結合粒子信号から識別するように構成され得る。さらに、プロセッサ1850は、少なくとも部分的に分析物応答信号から、血中の特定の対象分析物の濃度を特定するように構成され得る。プロセッサによって処理される検出および濃度データは、例えばユーザインタフェース1870を介して患者に伝達されてもよく、医療従事者または臨床従事者に送信されてもよく、ローカル保存されてもよく、または、後に該当データが格納またはアクセスされ得るリモートサーバ、クラウド、および/もしくは任意の他のシステムに送信されてもよい。プログラム命令1862は、ユーザインタフェース1870を動作させるための命令、例えば、着用デバイス1810から送信され、プロセッサ1850により分析されたデータを表示する命令、または1つ以上の警告を生成する命令等も含み得る。
VIII.分析物と背景信号とを区別するための応答信号の変調方法の例示
[00160] 図19は、応答信号を変調するための方法(1900)の例を示すブロック図である。機能化された粒子は、表面下血管系の内腔内等、生体内に導入される(1910)。粒子は、血液もしくは他の体液、またはリンパ系、消化器系、神経系等を含む系内に導入され得る。機能化された粒子は、身体の皮膚または組織内に埋め込まれてもよく、皮膚または組織内に存在する対象分析物と相互作用するように構成され得る。機能化された粒子の体内への導入は、経皮、経粘膜、局所、静脈内、筋肉内、および経口を含む、上述した手段のいずれかによって実現され得る。例えば、機能化された粒子は、機能化された粒子を腸壁内に送り込むように設計された嚥下可能なカプセルを使用して血液内に導入され得る。
[00161] 機能化された粒子は、体内に存在する(例えば、表面下血管系内を循環している血液内に存在する等)1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成され得る。粒子は、上述した性質のいずれかまたはそれらの組み合わせの形態を取ってもよく、または有してもよい。一般的に、粒子は、特定種類の対象分析物と相互作用するように、または、対象分析物に特異的な親和性を有するレセプタによって機能化されるように固有に設計されることになる。それぞれが特定の対象分析物に対する親和性を有する複数種類の機能化された粒子が体内に導入されてもよい。
[00162] 一例の方法(1900)によると、第1ステップにおいて、身体から送信され、背景信号および分析物応答信号を含む応答信号を検出する(1930)ことによって、1つ以上の対象分析物が検出され得る(1920)。分析物応答信号は、機能化された粒子と1つ以上の対象分析物との相互作用に関連する。いくつかの例では、応答信号は、表面下血管系から送信される。上述したように、場合によっては、呼び掛け信号も体内に誘導され得る。そのような場合、応答信号は、呼び掛け信号に少なくとも部分的に応答して生成され、その後検出され得る。分析物応答信号が背景信号とは異なるような影響を受けるように応答信号を変更するように構成された変調が、表面下血管系等の身体の一部分に適用され得る(1940)。そして、分析物応答信号は、背景信号から識別され得る(1950)。
[00163] 応答信号は、さらに、1つ以上の対象分析と相互作用していない機能化された粒子に関連する非結合粒子信号を含み得る。いくつかの例において、変調は、分析物応答が非結合粒子信号および背景信号とは異なるような影響を受けるように応答信号を変更するように構成されることにより、分析物応答信号が非結合粒子信号および背景信号から識別されるようにしてもよい。
[00164] 変調は、1つ以上の対象分析物と相互作用している機能化された粒子を空間的に変調することにより、応答信号を変更するように構成され得る。他の例では、変調は、1つ以上の対象分析物と相互作用している機能化された粒子の(蛍光性、発光性、または化学発光性を含む)光学特性を変調することにより応答信号を変更するように構成され得る。他の例では、変調は、1つ以上の対象分析物と相互作用している機能化された粒子の磁気特性、電気特性、音響特性、および/または物理特性を変調することにより応答信号を変更するように構成され得る。
IX.磁性粒子を使用した外部磁界による応答信号の空間変調のためのシステムおよび方法の例示
[00165] 図20A〜20Eは、応答信号を空間的に変調するための例示的なシステム2000の一実施形態を示す。一例のシステム2000は、血液または他の体液内に存在する1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成された機能化された粒子2040と、表面下血管系2030等の身体の一部分から送信された応答信号2052を検出するように構成された1つ以上の検出器2050と、応答信号2052を変調するように構成された変調源2070とを備える。機能化された粒子2040は、上述した手段の1つによって体内、例えば表面下血管系2030の内腔内に導入され得る。図20Aに図示されるように、検出器2050および磁界源2072は、それぞれ、接続された要素のアレイとして提供され得る。検出器2050および磁界源2072の有用性について、以下でさらに説明する。あるいは、検出器2050および磁界源2072は、それぞれ、信号要素として提供されてもよい。
[00166] 上述したシステム1700と同様に、システム2000は、手首、足首、腰、胸部、また他の身体の部位等の体表に、体表上に、または体表付近に着用することが可能な任意のデバイスを含み得る着用デバイス2010を備えて実現され得る。人間の手首の部側面部分断面図である図20Aに示される例では、着用デバイス2010は手首装着デバイスとして提供され得る。ベルト、手首バンド、腕時計、足首バンド、ヘッドバンド、眼鏡、ネックレス、イヤリング等の装着具2020は、デバイスを体表に、体表上に、または体表付近に装着または安定させるために設けられ得る。この例において、装着具2020は、デバイス2010を着用者の手首に固定するためのストラップまたは手首バンドとして提供される。システム1700に関連して上述したように、システム2000は、1つ以上の対象分析物の存在および/または濃度を非侵襲的に検出するように構成されたプロセッサ(図示なし)を備え得る。
[00167] 対象分析物と相互作用している機能化された粒子である結合粒子2042と、対象分析物と相互作用していない機能化された粒子である非結合粒子2044は、共に、着用デバイス2010の領域内の表面下血管系2030内に存在し得る。変調源2070は、分析物応答信号2054、非結合粒子信号2056、および背景信号(図示なし)を含み得る応答信号2052を変調するための任意の手段を備え得る。例えば、変調源2070は、分析物応答信号2054を非結合粒子信号2056から識別することができるように分析物応答信号2054を非結合粒子信号2056とは異なるように変調することと、分析物応答信号2054を背景とは異なるように変調することと、の両方を行うように構成され得る。
[00168] 図20Bおよび20Cに示すように、変調源1770は、空間的配置を有するマスク2076により、結合粒子2042および非結合粒子2044を空間的に変調することにより、分析物応答信号2054および非結合粒子信号2056を変更するように構成され得る。変調源2070は、表面下血管系2030内に導入される磁性粒子2074と、磁性粒子2074を表面下血管系2030の内腔内に空間的配置で分布させるのに十分な1つ以上の磁界源2072とを備え得る。磁界源2072は、例えば、永久磁石、磁束収束材料および遮蔽材料、または薄膜材料のアレイを含み得る。
[00169] 一例において、磁性粒子2074は、応答信号2052の空間変調のために、表面下血管系2030の内腔の内面上に図20Bに示されるようなマスク2076を形成するように操作され得る。図20Cに示すように、磁界源2072がアクティブ状態になると、磁性材料2074は、検出器2050に近い表面下血管系2030の内腔の内面上の磁束が収束された領域内に集合し得る。したがって、マスクの形状は、磁界源2072によってもたらされる磁界の空間的形状または分布に基づいて決まり得る。例えば、マスク2076は、血管内の流体の流れ(F)に実質的に垂直に方向付けられたいくつかの棒の形状であり、同様の形状の磁界源2072のアレイにより形成され得る。いくつかの例では、マスク2076の棒は、およそ1ミリメートル以下の間隔をおいて配置され得る。
[00170] 図20Cに図示されるように、マスク2076は、このマスクが形成される領域内で、応答信号2052が検出器2050に到達するのを遮断するか、または他の態様で低減させるように作用する。分析物結合粒子2042、非結合粒子2044、および(背景信号を引き起こし得る)他のあらゆる材料がマスク上で表面下血管系2030内を通過すると、応答信号2052の強度は実質的に「点滅」するか、あるいはパルス化されることになる。動作中、血管系を通過する異なる材料は、異なるサイズおよび形状を有することになるため、血管系2030内を異なる速度で通過することになる。例えば、結合粒子2042は、理論的には、非結合粒子2044よりも大きく、かつ重くなる。したがって、結合粒子2042は、非結合粒子2044よりも遅い速度でマスク2076上を通過することになるため、分析物応答信号2054は、非結合粒子信号2056よりも低い周波数で「点滅」することになり、これにより一段階の区別が提供される。さらに、非結合粒子信号2054は、背景信号とは異なる周波数で「点滅」することになる。
[00171] この概念は、1つの分析物結合粒子2042が血流の方向(F)に血管系内を通過している様子を示す図21Aおよび21Bにも示されている。血流の方向(F)の左から右に移動する際、分析物応答信号2054は、検出器2050の第1要素によって最初に検出されることになる。粒子2040の種類、対象分析物、および、対象分析物と粒子2040との間の相互作用または結合の種類に応じて、分析物応答信号2054は、多くの異なる種類を有し得る。例えば、粒子2040が蛍光体を含む実施形態、あるいは粒子と対象分析物との間の相互作用が蛍光を生成する実施形態では、分析物応答信号2054は、光信号であり得る。結合粒子2042が(点線で示されるように)進行すると、分析物応答信号2054は、血管系内でマスク2076を形成する磁性粒子2074によって遮断または低減されることになり、これにより、分析物応答信号2054は、ほとんどまたは全く検出器2050に到達しなくなる。したがって、結合粒子2042が血管系内を進行し続け、マスク2076の各セグメント上を通過すると、分析物応答信号2054は、周期的に遮断または低減されることになり、これが信号の「点滅」として観察され得る。磁気力または音響力等の他の力を使用して、マスク領域を通る粒子の運動に影響を与えることにより、さらに、血流内の異なる流体力学的特性(例えば、大きい粒子と小さい粒子、結合粒子と非結合粒子、形状、浮力等)を有する粒子を区別することができる。
[00172] 図21Bは、時間(t)に対してプロットされた分析物応答信号2054の強度(I)のグラフ表示である。この図は、検出器2054によって検知され得る「点滅」信号を例示するものである。動作中、血管系内に存在する様々な物質(つまり、非結合粒子2044、細胞、他の分子)は、異なる周波数で「点滅」し、異なる周期を有する異なる信号を生じさせることになる。このため、結合粒子2042は、血液内に存在する他の物体から見分ることができる。
[00173] 図20A〜20Cおよび21〜21Bに示される実施形態では、マスク2076は、外部磁界源2072により、表面下血管系内に導入された磁性粒子2074を操作することにより血管2030の内側に形成される。血管内にマスクを形成することにより、マスクが身体の外側に置かれた場合に起こり得る、介在する組織によって引き起こされる分散を減少させることができる。エネルギを追加して磁性粒子の非特異的な集合を減少させることにより、周期的な機械的(例えば、音響的)摂動がマスクの帯域を「鮮明にする」ことができる。
[00174] 図22は、内部に適用されたマスクを使用して応答信号を空間的に変調することによる分析物検出の例示的な方法2200を示すフローチャートである。第1ステップにおいて、機能化された粒子は、表面下血管系の内腔内に導入される(2210)。機能化された粒子は、表面下血管系(または他の器官内)を循環している血液(または他の体液)内に存在する1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成され得る。磁性粒子もまた表面下血管系内に導入され(2220)、磁性粒子を表面下血管系の内腔内に空間的配置で分布させるのに十分な磁界が提供され得る(2230)。表面下血管系から送信された、背景信号および分析物応答信号を含む応答信号が検出される(2240)。分析物応答信号は、機能化された粒子と1つ以上の対象分析物との相互作用に関連し、少なくとも部分的に磁性粒子の空間的配置により、背景信号に対して変調され得る。1つ以上の対象分析物は、少なくとも部分的に分析物応答信号の変調により、分析物応答信号を背景信号から識別することにより検出され得る(2250)。
[00175] 応答信号は、1つ以上の対象分析物と相互作用していない機能化された粒子に関連する非結合粒子信号をさらに含み得る。1つ以上の対象分析物は、少なくとも部分的に分析物応答信号の変調により、分析物応答信号を背景信号および非結合粒子信号から識別することにより、非侵襲的に検出することができる。分析物応答信号は、場合によっては、少なくとも部分的に表面下血管系内を循環している血液中の機能化された粒子の速度により、背景信号とは異なるように変調される。分析物応答信号は、場合によっては、少なくとも部分的に、表面血管系内を循環している血液中の機能化された粒子の速度と、非結合の機能化された粒子との間の差により、非結合粒子信号とは異なるように変調されてもよい。
X.血管系の外部のマスクを使用した応答信号の空間変調のためのシステムおよび方法の例示
[00176] 図23Aおよび23Bに示される別のシステム2300の例では、変調源2370は、表面下血管系2330の外部に置かれる信号遮断または低減マスク2476を採用し得る。マスク2476は、検出器2350と、機能化された粒子2340が導入された表面下血管系2330または他の器官もしくは組織との間のどこかに、例えば、身体の外側表面に接触して、皮膚または他の組織内に埋め込まれて、または検出器2350の表面に直接的に貼付して、位置決めされ得る。検出器2350は、着用デバイス2310の一部として設けられ得る。着用デバイス2310は、このデバイス2310を手首などの体表に対して保持するためのストラップなどの装着具2330を備え得る。図20Bに示されるシステム2000において使用されるマスク2076と同様に、マスク2476は、空間的配置を有するマスク2476を使用して結合粒子2342および非結合粒子2344を空間的に変調することにより、分析物応答信号2354と非結合粒子信号2356とを変更するように構成され得る。例えば、マスク2476は、血管内の流体の流れ(F)に実質的に垂直に方向付けられた、およそ1ミリメートル以下の間隔を置いて配置されるいくつかの棒の形状であり得る。
[00177]図23Bに示すように、外部マスク2476は、分析物応答信号2354、非結合粒子信号2356、およびあらゆる背景信号(図示なし)が検出器2350に到達するのを阻止または低減させ得る。システム2000に関連して上述したのと同様に、マスク2476の空間的配置は、背景信号および/または非結合粒子信号に対し、分析物応答信号2354を変調するように作用する。結合粒子2342は、非結合粒子、および背景信号を生じさせる物体とは異なる流体理学特性を有することになるため、結合粒子信号2354は、非結合粒子信号2356および/または背景信号とは異なるように変調されることになる。1つ以上の対象分析物は、少なくとも部分的にマスク2376による分析物応答信号2354の変調により、分析物応答信号2354を背景信号から識別することにより検出され得る。
[00178] 図24Aおよび24Bに図示される別の例では、システム2000の機能化された粒子2440は、磁性粒子であり得る。上述したように、機能化された磁性粒子2440は、磁性材料(つまり、磁界に反応する材料)から形成されてもよく、磁性材料によって機能化されてもよい。変調源2470は、表面下血管系2430の外側に置かれた信号遮断または低減マスク2476を採用し、外部磁界源2472を備え得る。外部磁界源2472は、検出器2450と共に、手首装着デバイス等の着用デバイス2410上に位置決めされ得る。着用デバイスは、このデバイスを体表に対して固定するための装着具2420有する。図24Bに示すように、動作中、表面下血管系2430には、機能化された磁性粒子をマスクに最も近い表面下血管系2430の内腔の表面に向けて引き寄せるのに十分な磁界が磁界源2472により印加され得る。
[00179] 外部マスクを使用する場合と比較して、内部マスクを使用することにより、源(つまり、機能化された粒子)と変調点(つまり、マスク)との間で散乱媒体がより少ない場所で応答信号を変調することができる。内部マスクを使用すると、未変調光は、血液により散乱されるが、血管系の壁および皮膚によっては散乱されない。図20A〜20Cに示すように、結合粒子2042および非結合粒子2044に関わらず粒子2040から検出器2050に進む光は、粒子と検出器との間に存在する分散性の組織(血液、静脈、皮膚)によって空間的に散乱され、信号対雑音比を低下させ得る。図23Aおよび23Bに示される外部マスクを使用すると、未変調光および変調光は、共に、血液、血管系の壁および皮膚により散乱され得る。図24Bに示すように、この散乱は、システム2400に関連して上述したように、組織よりも大きく散乱に寄与する血液からの散乱の大半を除去するように(例えば、より検出器2450に近い)静脈の最表層の表面に向けて粒子を移動させることにより、軽減され得る。音響力、磁気力、または他の力を使用して、血管系の最表層の壁に向けて粒子を移動させてもよい。
[00180] (内部または外部に関わらず)物理的マスクを使用する代わりに、構造化された照明または構造化された検出を使用して空間変調を実現することができる。構造化された照明の場合、間隔を置いて配置された複数の光源(例えば、LEDまたはレーザダイオード)を使用して生成された光の線条もしくは点、またはスキャンされた光の線、または投影された光のパターンは、広域検出と組み合わされることで、粒子応答信号の空間変調を実現することができる。構造化された検出技術では、広域照明源が、空間的に分離された線検出器もしくは点検出器、または画素化された検出器アレイと組み合わせて使用される。上記技術の全ての組み合わせもまた使用可能である。
[00181] 図25Aおよび25Bに示される別の実施形態では、システム2500は、システム2400と同様に、機能化された磁性粒子2540と、表面下血管系2530の外部に置かれた信号遮断または低減マスク2576を有する変調源2570とを採用し得る。本例において、磁界源2572は、手首装着デバイス等の着用デバイス2510上において、検出器2550の上流側の点Aに位置決めされ得る。着用デバイス2510は、このデバイスを体表に対して固定するための装着具2520有する。磁界源2572によって生成された外部磁界を使用して、機能化された粒子2540は、点Aにおいて所定時間静脈の上壁に対して保持され、その後、血流に戻るよう解放され得る。分析物応答信号2554、非結合粒子信号2556、および背景信号(図示なし)を含む粒子からの応答信号は、(静脈壁に依然として近いものの、血流内で速度を増しているように)これら粒子の解放点からわずかな距離だけ下流側の点Bにおいて検出され得る。応答信号は、異なる流体力学的特性を有する結合粒子2542と非結合粒子2544とを速度に基づいて区別するように作用し得るマスク2576により空間的に変調され得る。磁界源2572が非アクティブ状態になり、粒子が解放された後、結果として生じる結合粒子2542の速度は変わることになるため、血中の非結合粒子2544および他の物体の速度と比較して検出が可能になる。
[00182] 図26は、外部から印加された磁界を使用した応答信号の空間変調による分析物検出のための例示的な方法2600を示すフローチャートである。表面下血管系内を循環している血液内に存在する1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成された機能化された磁性粒子は、表面下血管系の内腔内に導入される(2610)。空間的配置を有するマスクは、表面下血管系の外部から適用される(2620)。機能化された磁性粒子を、マスクに最も近い表面下血管系の内腔の表面に向けて引き付けるのに十分な磁界が印加される(2630)。表面下血管系から送信され、背景信号および分析物応答信号を含む応答信号が検出され得る(2640)。分析物応答信号は、機能化された磁性粒子と1つ以上の対象分析物との相互作用に関連し、少なくとも部分的にマスクの空間的配置により、背景信号に対して変調される。1つ以上の対象分析物は、少なくとも部分的に分析物応答信号の変調により、分析物応答信号を背景信号から識別することによって非侵襲的に検出することができる(2650)。いくつかの例では、呼び掛け信号も表面下血管系内に誘導され、この呼び掛け信号に応答して表面下血管系から送信された応答信号が検出され得る。
[00183] 応答信号は、さらに、1つ以上の対象分析物と相互作用していない機能化された粒子に関連する非結合粒子信号を含み得る。対象分析物は、少なくとも部分的に分析物応答信号の変調により、分析物応答信号を背景信号および非結合粒子信号から識別することにより検出することができる。分析物応答信号は、背景信号とは異なるように変調され得る。それに加えて、またはその代わりに、分析物応答信号は、非結合粒子信号とは異なるように変調され得る。
[00184] 他の例示的な方法では、磁界は、表面下血管系に対する第1の場所に印加され、マスクは、表面下血管系に対する第2の場所に適用され得る。第2の場所は、表面下血管系内を循環している血流の方向において、第1の場所の下流側であり得る。そのような方法では、磁界は実質的に非アクティブ状態にされ、表面下血管系から送信された応答信号は、第2の場所で検出され得る。
XI.結論
[00185] 実施形態例が人または人のデバイスに関連する情報を含む場合、一部の実施形態は、プライバシープライバシーコントロールを備えてもよい。このプライバシーコントロールは、少なくとも、デバイス識別子の非特定化、透過性、および、ユーザが該ユーザの製品の使用に関連する情報を修正または削除することができる機能を含むユーザコントロールを含み得る。
[00186] さらに、本明細書で説明された実施形態が複数のユーザに関する個人情報を収集する状況、または個人情報を利用し得る状況においては、ユーザは、ユーザの情報(例えば、ユーザの病歴、ソーシャルネットワーク、社会的活動もしくは行為、職業、ユーザの嗜好、またはユーザの現在の位置等の情報)をプログラムまたは特徴が収集するか否かを管理する機会、または、ユーザに関連性の高そうなコンテンツサーバからコンテンツを受信するか否かおよび/または該コンテンツをどのように受信するかを管理する機会が与えられてもよい。さらに、所定のデータは、個人的に識別可能な情報が除去されるように、格納または使用前に一通り以上の方法で扱われ得る。例えば、ユーザの識別情報は、ユーザに関して個人的に識別可能な情報が特定され得ないように扱われ得る。あるいは、ユーザの地理的位置は、ユーザの特定の位置が特定され得ないように、(市、郵便番号、州といったレベル)位置情報が取得される場所に一般化され得る。したがって、ユーザは、ユーザに関する情報がどのように収集され、コンテンツサーバにより使用されるかを管理することができる。
[00187]本明細書において、多様な態様および実施形態を開示したが、他の態様およ
び実施形態も当業者には明らかであろう。本明細書で開示された多様な態様および実施形態は、例示を目的としており、限定を意図したものではない。本発明の真の範囲は、以下の請求の範囲により示されるものである。

Claims (25)

  1. デバイスの作動方法であって、
    検出器、表面下血管系の内腔内から送信された応答信号を検出することであって、前記応答信号は、背景信号と、機能化された粒子と前記表面下血管系内を循環している血液内に存在する1つ以上の対象分析物との相互作用に関連する分析物応答信号とを含み、前記分析物応答信号は、変調されていない前記分析応答信号の周期が、検出時における変調された前記分析応答信号の周期と異なり、検出時における変調された前記分析応答信号の周期が、検出時における、前記背景信号の周期及び前記1つ以上の対象分析物と相互作用していない機能化された粒子から送信された非結合粒子信号の周期のいずれとも異なるように変調される、前記応答信号を検出することと、
    プロセッサ、前記分析物応答信号を前記背景信号と前記非結合粒子信号とから識別することと、を含む、
    デバイスの作動方法。
  2. 前記機能化された粒子は前記表面下血管系の内腔内に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記応答信号は、前記1つ以上の対象分析物と相互作用していない機能化された粒子に関連する非結合粒子信号をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 呼び掛け信号に応答して前記表面下血管系から送信された応答信号を検出することと、をさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記変調は、前記1つ以上の対象分析物と相互作用している前記機能化された粒子を空間的に変調することにより、前記応答信号を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記変調は、前記1つ以上の対象分析物と相互作用している前記機能化された粒子の1つ以上の特性を変更するように構成される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記機能化された粒子の前記1つ以上の特性は、光学特性、磁気特性、電気特性、熱特性、音響特性、および物理特性のうち1つ以上を含む、請求項6に記載の方法。
  8. デバイスの作動方法であって、
    検出器が、環境から送信された応答信号を検出することであって、前記応答信号は、背景信号と、機能化された粒子と1つ以上の対象分析物との相互作用に関連する分析物応答信号とを含み、前記分析物応答信号は、変調されていない前記分析応答信号の周期が、検出時における変調された前記分析応答信号の周期と異なり、検出時における変調された前記分析応答信号の周期が、検出時における、前記背景信号の周期及び前記1つ以上の対象分析物と相互作用していない機能化された粒子から送信された非結合粒子信号の周期のいずれとも異なるように変調される、前記応答信号を検出することと、
    プロセッサ、前記分析物応答信号を前記背景信号と前記非結合粒子信号とから識別することと、を含む、
    デバイスの作動方法。
  9. 呼び掛け信号に応答して前記環境から送信された応答信号を検出することと、をさらに含む、
    請求項8に記載の方法。
  10. 前記環境は流体管を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記環境は流体貯蔵部を含む、請求項8に記載の方法。
  12. 前記環境は生体を含む、請求項8に記載の方法。
  13. 前記機能化された粒子は、前記生体内に存在する1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記機能化された粒子は、前記生体の皮膚または組織内に埋め込まれた粒子である、請求項12に記載の方法。
  15. 前記機能化された粒子は、前記生体の前記皮膚または組織内に存在する1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記機能化された粒子は、血液、涙液、尿、リンパ、髄液、または粘液を含む体液内に導入された粒子である、請求項12に記載の方法。
  17. 前記機能化された粒子は、前記体液中に存在する1つ以上の対象分析物と相互作用するように構成される、請求項16に記載の方法。
  18. 環境から送信された分析物応答信号を検出するように構成された検出器であって、前記分析物応答信号は、1つ以上の対象分析物と環境内に存在する機能化された粒子との相互作用に関連する、検出器と、
    前記分析物応答信号を変調するように構成され、変調されていない前記分析応答信号の周期が、検出時における変調された前記分析応答信号の周期と異なり、検出時における変調された前記分析応答信号の周期が、検出時における、背景信号の周期及び前記1つ以上の対象分析物と相互作用していない機能化された粒子から送信された非結合粒子信号の周期のいずれとも異なるように、前記分析物応答信号を変調する、変調源と、
    少なくとも部分的に前記変調に基づいて、前記分析物応答信号を背景信号と前記非結合粒子信号とから識別することにより前記1つ以上の対象分析物を非侵襲的に検出するように構成されたプロセッサと、を備える、
    デバイス。
  19. 前記環境の外表に装着されるように構成された着用デバイスをさらに備え、前記検出器は前記着用デバイス上に装着される、請求項18に記載のデバイス。
  20. 前記変調源の少なくとも一部分は、前記着用デバイス上に装着される、請求項19に記載のデバイス。
  21. 前記変調源は、前記分析物応答信号を前記背景信号とは異なるように変調するように構成される、請求項18に記載のデバイス。
  22. 前記環境内に呼び掛け信号を誘導するように構成された呼び掛け信号源をさらに備え、前記分析物応答信号は、前記呼び掛け信号に応答して送信される、請求項18に記載のデバイス。
  23. 前記環境は流体管を含む、請求項18に記載のデバイス。
  24. 前記環境は流体貯蔵部を含む、請求項18に記載のデバイス。
  25. 前記環境は生体を含む、請求項18に記載のデバイス。
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