JP6379235B2 - ダクト延長設備およびダクト延長方法 - Google Patents

ダクト延長設備およびダクト延長方法 Download PDF

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Description

本発明は、トンネル坑内に配設された既設ダクトに対して新たな延長ダクトを連結し、トンネル坑内のダクトの長さを延長するダクト延長設備およびダクト延長方法に関する。
トンネル工事では、切羽近傍で多様な粉じんが大量に発生するため、新鮮な空気を切羽へ送風して換気を行い、作業環境の改善を図る必要がある。そのために使用する換気設備は、トンネルの坑口側に配置され、外気を取り入れて送風する送風機と、トンネル坑内に配置され、送風機からの新鮮な空気を切羽へ誘導するダクトなどから構成される。前記ダクトは、シールドマシンを用いる場合を例に挙げると、主として、坑口から後続台車後端部まで延在するビニールダクト(ビニール風管)と、シールドマシンの後方の後続台車に搭載され、シールドマシン側へ延在する後続台車ダクトと、ダクトカセットから構成される。
なお、前記ダクトカセット(「カプセル風管」ともいう。)は、シールド機を掘進させて、トンネルの全長が次第に長くなり、ダクトの長さが足りなくなったときに、ダクトの長さを延長するために用いられる。詳しくは、製品状態で、鋼製のパイプ状の鞘管(「カセット」ともいう。)にビニール風管を圧縮収納したものであり、使用する段階で、トンネル内に布設したビニールダクトと後続台車ダクトの間にダクトカセットを挿入し、シールドマシンの掘進に合わせて、圧縮収納されていたビニールダクトを伸長することで、切羽への継続的な送風を可能にする。
下記特許文献1には、前記ダクトカセットに係る発明が開示されている。また、下記特許文献2には、ダクトカセットのカセットを省いた風管収納装置が開示されている。
特開昭57−100300号公報 特開平11−159849号公報
しかし、特許文献1に記載されたようなダクトカセットを用いた換気設備には、以下のような種々の問題があった。
近年のシールド機は高速で掘進することが多い。また、ダクトカセットに詰め込み可能なビニールダクトの長さは200m程度が限界である。そのため、ダクトカセットを頻繁に交換し、新たなビニールダクトを補充する必要がある。例えば、1か月に600m掘進するシールド機に対して、長さが200mのビニールダクトを詰め込んだダクトカセットを用いる場合、1か月に3回もダクトカセットを交換する必要がある。
このダクトカセットの交換作業中は、ダクト内に通風することができない。また、交換作業には時間を要し、トンネル坑内を換気できない時間が半日程度と長くなる。そのため、粉じん等の有害物質の暴露を考慮して、掘削作業などの工事を一時的に止めざるを得ない。
しかし、近年は納期が短くなる傾向にあることから、日中に工事を中断することが実質的に困難である。そのため、交換作業を休日や深夜に行わざるを得ず、勤務管理が煩雑になっているという問題がある。
また、掘削作業などを行っていない状態であっても、坑内には粉塵等の有害物質が残っており、有害物質の暴露のリスクが依然として存在するという問題がある。また、特に夏季などの作業では、坑内の温度が上昇するため、換気設備が動いていない状況下では、熱中症のリスクが高まるという問題もある。また、一般的なダクトカセットは2トン程度の重量を有し、トンネル上部という高所での交換作業となるため、危険を伴うという問題もある。
また、ダクトカセットを用いると費用が高額になるという問題もある。具体的には、カセット内に風管を詰め込む作業をトンネル坑内とは別の場所で行い、詰め込んだ完成品をトンネル坑内に運搬しているが、運搬時に11トンの大型車が必要となるため、運搬費が高くなる。また、カセットにビニールダクトを人力で詰め込む作業や、出来上がったダクトカセットをトンネル内に設置する作業は、6名以上の作業員が携わっており、それぞれの作業に数時間〜数十時間かかることから、人件費が高くなる。また、カセットが大型で特注品となるため高額になる。試算では、既存のダクトに6kmのダクトカセットを取り付ける場合、必要となる総経費は数千万円にものぼる。
さらに、ビニールダクトをカセットに詰め込むとき、ダクトカセットを運搬するとき、ダクトカセットを据え付けるとき等に、ビニールダクトを破損させるケースが頻発しており、資材コストの上昇につながっているという問題もある。
また、特許文献2に記載されたような風管収納装置においても、支持筒に風管を装着し、その後に完成した風管保持体を交換する作業を行わなければならず、前記の労力と時間を要するものであった。
したがって、本発明の主たる課題は、ダクトカセットに代わる設備を提供することにある。すなわち、トンネルの掘進に伴って、ダクトを延長する作業を容易に行うとともに、換気作業のコスト低減を図ることを目的とする。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
(1)トンネル坑内の既設ダクトに新たな延長ダクトを連結するダクト延長設備であって、
前記既設ダクトの端部より外方に配置された支持体と、
前記支持体によって支持され、前記支持体の両端部の間を往復移動し、前記延長ダクトの内面に一時的に固定可能とされた移動体を有し、
前記既設ダクトと反対の方向から前記支持体に前記延長ダクトを被せ、前記延長ダクトの内面に前記移動体を一時的に固定した状態で、前記移動体を前記既設ダクトへ向かって移動させることで、固定部分よりも既設ダクト側の延長ダクトに皺ができるとともに、それ以外の部分の延長ダクトが前記移動体に引かれて前記既設ダクトへ向かって移動し、
前記延長ダクトの移動後に、前記移動体の固定を解いた状態で、前記延長ダクトを移動後の位置に保ちながら、前記移動体のみを前記既設ダクトと反対方向へ移動させ、
前記移動体の往復移動を繰り返すことにより、前記延長ダクトを前記既設ダクト側へ次第に引き寄せ、前記既設ダクトの端部と隣接する位置に収縮した延長ダクトの形成を図る構成としたことを特徴とするダクト延長設備。
(作用効果)
移動体が、支持体の前方端部(切羽側端部)と後方端部(坑口側端部)の間を往復移動する構成にした。そして、移動体が、後方端部から前方端部へ移動する際に、延長ダクトを保持しながら移動する。すなわち、延長ダクトの内面に移動体を一時的に固定し、その一時固定を保ちながら、移動体が切羽側に位置する既設ダクトへ向って移動する。そうすると、延長ダクトが前記既設ダクト側へ移動し、固定部分よりも既設ダクト側の延長ダクトが移動体に押されて皺(一般的には、複数の皺。以下、同様。)ができるとともに、固定部分より坑口側の延長ダクトが移動体に引かれて既設ダクトへ向かって移動する。このようにして、延長ダクトを移動させた後に、移動体の一時固定を解く。そして、延長ダクトを引き寄せ後の位置に保ちながら、移動体のみを坑口側へ移動させる。この作業を繰り返すことにより、延長ダクトが切羽側の既設ダクト側へ次第に引き寄せられ、既設ダクトの坑口側端部と隣接する位置に収縮した延長ダクトの塊を形成することができる。
なお、カプセル風管を用いた場合、ダクトカセットの交換に長時間(半日)を要していたが、本発明のように移動体を用いて延長ダクトを自動で引き寄せる構成にすることで、新たな延長ダクトの連結作業に要する時間を大幅に短縮できる。本発明者の試算によると、およそ1.5〜2時間で、既設ダクトに対して延長ダクトを連結することができる。したがって、シールドマシンの高速掘進サイクルにおいても、通風停止時間が著しく短くなるため、生産性を向上させることができる。また、通風停止時間が短くなることにより、坑内環境を良好に保つことができる。また、連結作業時間が短いため、連結作業を休日や深夜に行わなくても良くなり、作業者の勤務時間の改善に寄与することができる。さらに、カプセル風管を用いる場合に要していた、空の鞘管の取り出し作業、空の鞘管の運搬作業、空の鞘管に風管を詰める作業、風管を詰めたダクトカセットを運搬する作業、前記ダクトカセットを取り付ける作業が不要となるため、大幅な経費削減が実現できるとともに、省力化を図ることができる。また、延長ダクトを自動で引き寄せるため、ダクトカセットを取り付ける必要がなく、危険作業を減らすこともできる。さらに、風管が損傷するリスクが少ないため、損傷時の損害を減らすことができる。
(2)前記移動体は、
前記延長ダクトの内面に向かって突出可能な突出部を有し、
前記移動体を前記既設ダクト側へ移動させる段階で、前記突出部を突出させて、前記突出部を前記延長ダクトの内面に押し当てることで、前記移動体を前記延長ダクトに一時的に固定し、
前記移動体を前記既設ダクトと反対方向へ移動させる段階で、前記突出部の突出を引き込め、前記延長ダクトと前記突出部が接触しない状態にすることで、前記延長ダクトに対する前記移動体の固定を解除する前記(1)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
一時的に固定する方法は、延長ダクトと移動体にそれぞれ磁石を設ける方法や、互いに噛み合う係合部分を設ける方法など、種々の形態を考えることができる。しかし、メンテナンス性や設備費用などの諸々の観点から、シンプルな構成であって、かつ確実に延長ダクトを引き寄せられるものが好ましく、そのためには、前記のように移動体の突出部を延長ダクトに押し当てる構成が優れている。
(3)前記移動体は、
前記延長ダクトの内面と接触する部分に摩擦部を有し、
前記摩擦部と前記延長ダクトの接触面に発生する摩擦によって、前記移動体から前記延長ダクトに移動動力を伝達する前記(1)または(2)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
摩擦部を設けることにより、既設ダクトに向かって延長ダクトをより確実に引き寄せることができる。
(4)前記摩擦部は、前記延長ダクトの内面に沿って周方向に延在している前記(3)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
摩擦部が延長ダクトの内面に沿って周方向に延在していることで、摩擦部と延長ダクトの接触面積が増え、より確実に延長ダクトを引き寄せることができる。また、延長ダクトの内面に沿って軸方向に延在しているよりも、移動体の移動力をより強く延長ダクトに伝えることができるため、引き寄せ力が強くなる。
(5)前記移動体は、
前記延長ダクトの内面に向かって突出可能な突出部を有し、
前記移動体を前記既設ダクト側へ移動させる段階で、前記突出部を突出させて、前記突出部を前記延長ダクトの内面に押し当てることで、前記移動体を前記延長ダクトに一時的に固定し、
前記移動体を前記既設ダクトと反対方向へ移動させる段階で、前記突出部の突出を引き込め、前記延長ダクトと前記突出部が接触しない状態にすることで、前記延長ダクトに対する前記移動体の固定を解除し、
前記移動体は、
前記延長ダクトの内面と接触する部分に摩擦部を有し、
前記摩擦部と前記延長ダクトの接触面に発生する摩擦によって、前記移動体から前記延長ダクトに移動動力を伝達し、
前記摩擦部は、前記延長ダクトの内面に沿って周方向に延在し、
前記突出部は前記支持体の周方向に沿って複数設けられ、
前記摩擦部は、
前記複数の突出部にそれぞれ取り付けられ、前記延長ダクトの周方向に延在する摩擦基材と、
前記摩擦基材の端部を外側から覆い、隣り合う摩擦基材の間を繋ぐ連結管と、を有し、
前記連結管は、前記摩擦基材の外面をスライド移動可能に連結され、
前記突出部が突出する段階では、前記連結管が前記摩擦基材から離れる方向にスライド移動して、前記摩擦部の周方向の長さを長くし、
前記突出部の突出が引き込む段階では、前記連結管が前記摩擦基材に近づく方向にスライド移動し、前記摩擦部の周方向の長さを短くする構成とされた前記(1)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
連結管が摩擦基材の外面をスライド移動できるように構成することで、突出部の突出の有無に連動させて、摩擦部の周方向の長さを変更することができる。一般に、突出部が立ち上がるときは、摩擦部の周方向の長さを長くし、反対に突出部が引き込むときは、摩擦部の周方向の長さを短くする必要があり、摩擦部をリング状に形成した場合、前記のように長さの変更ができないと、突出部を動かすことができない。そこで、このような不具合を防ぐために、周方向の長さを変更できる構成にした。
(6)前記ダクト延長設備は、
前記既設ダクト内の内筒と前記支持体の連結部に、前記移動体の前記既設ダクト側への移動によって生じた前記延長ダクトの皺を保つための保持体をさらに有し、
前記移動体を前記既設ダクトと反対方向へ移動させる段階で、前記延長ダクトの皺を前記保持体で保持しながら、前記移動体のみを前記既設ダクトと反対方向へ移動させる前記(1)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
保持体を設けることによって、移動体を既設ダクトと反対方向へ移動させたときに、移動体と一緒になって延長ダクトも既設ダクトと反対方向へ移動してしまうことを防ぐことが容易になる。特に、前記摩擦部を設けた場合は、その摩擦力が強いほど、移動体が既設ダクトと反対方向へ戻る際に、移動体と一緒に延長ダクトも移動させてしまうおそれが高いが、保持体によって延長ダクトの皺を維持させることによって、このようなおそれがなくなる。
(7)前記保持体は、
少なくとも前記延長ダクトの上半分に設けられている前記(6)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
通常は、延長ダクトの上半分は、支持体の上に皺を形成するが、延長ダクトの下半分は、その自重によって垂れ下がり、皺になった状態を保ちにくい。そこで、保持体を延長ダクトの上半分に設け、少なくとも延長ダクトの上半分の皺になった状態を確実に維持するようにしている。
(8)前記保持体は、
前記保持体は、
前記延長ダクトの内側に設けられ、前記延長ダクトの内面に向かって張り出す張出部と、
前記延長ダクトの外側に設けられ、前記張出部の張り出しを受けとめる受部を有し、
前記張出部を張り出して、前記延長ダクトの皺を前記受部に押え付けることで、前記延長ダクトの皺を保つ構成とした前記(6)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
保持体を延長ダクトの外側ではなく内側に設けることで、保持体と延長ダクトが干渉して、保持体が延長ダクトの引き寄せを邪魔するおそれが無くなる。
(9)前記保持体は、
前記延長ダクトの外側に設けられ、前記延長ダクトの外面に向かって張り出す張出部と、
前記延長ダクトの内側に設けられ、前記張出部の張り出しを受けとめる受部を有し、
前記張出部を張り出して、前記延長ダクトの皺を前記受部に押え付けることで、前記延長ダクトの皺を保つ構成とした前記(6)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
保持体を延長ダクトの外側に設けても良い。既設設備に対して後付けしやすいという点からは、保持体を延長ダクトの外側に設ける方が優れている。
(10)前記ダクト延長設備は、
前記既設ダクト内の内筒と前記支持体の連結部の下方に反力体を有し、
前記延長ダクトの外側上方に配置された保持体の張出部が、前記延長ダクトの下方へ向かって張り出すことによって前記延長ダクト全体が下方へ沈むことを、前記反力体によって抑制する前記(7)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
反力体を設けることにより、延長ダクト全体が下方へ沈むことを防ぐことができる。そのため、延長ダクトの軸心に歪みが生じずに直線状になるため、延長ダクトを引き寄せやすくなる。
(11)前記ダクト延長設備は、
前記支持体の端部外方に、前記延長ダクトを前記支持体の周囲に案内する案内部を有する前記(1)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
この案内部を設けることにより、延長ダクトを支持体の後方端部へ誘導しやすくなる。
(12)前記支持体は、前記既設ダクトの端部から外方へ連なる内筒体であり、
前記移動体は、前記内筒体の外側に配置され、前記内筒体よりも軸方向の長さが短く、前記内筒体の上を軸方向に沿って移動する外筒体を有し、
前記ダクト延長設備は、
前記内筒体の外面の一端側から前記外筒体の外側を通って前記内筒体の外面の他端側へ延在する、前記延長ダクトの巻き込みを防止する帯状体を有する前記(1)記載のダクト延長設備。
(作用効果)
この帯状体を設けることによって、内筒体と外筒体の間に延長ダクトが巻き込まれにくくなる。
(13)トンネル坑内の既設ダクトに新たな延長ダクトを連結するダクト延長方法であって、
前記既設ダクトの端部より外方に配置された支持体と、
前記支持体によって支持され、前記支持体の両端部の間を往復移動し、前記延長ダクトの内面に一時的に固定可能とされた移動体を有するダクト延長設備を用いて、
前記既設ダクトと反対の方向から前記支持体に前記延長ダクトを被せ、前記延長ダクトの内面に前記移動体を一時的に固定した状態で、前記移動体を前記既設ダクトへ向かって移動させ、固定部分よりも既設ダクト側の延長ダクトに皺ができるとともに、それ以外の部分の延長ダクトを前記移動体で引いて前記既設ダクトへ向かって移動させる、前記延長ダクトの引き寄せ工程と、
前記延長ダクトの移動後に、前記移動体の固定を解いた状態で、前記延長ダクトを移動後の位置に保ちながら、前記移動体のみを前記既設ダクトと反対方向へ移動させる、前記移動体の戻し工程と、を有し、
前記移動体の往復移動工程を繰り返すことにより、前記延長ダクトを前記既設ダクト側へ次第に引き寄せ、前記既設ダクトの端部と隣接する位置に収縮した延長ダクトの形成を図ることを特徴とするダクト延長方法。
(作用効果)
請求項1と同様の作用効果を奏する。
本発明によれば、シールド機の掘進に伴って、ダクトを延長する作業を容易に行うことができる。また、換気設備のコスト低減を図ることもできる。
本発明に係るダクト延長設備であり、支持体の後方端部にある移動体の突出部が突出する前の状態を示す側面図である。(張出部にロッドレスシリンダを用いている。図1〜図7まで同じ。)(既設ダクトおよび延長ダクトより内側の構造が分かるように、便宜上、各ダクトの内側の構造も表している。図1〜図5、図10〜図11、図16〜図20において同じ。) 本発明に係るダクト延長設備であり、図1の後で、支持体の後方端部にある移動体の突出部が突出した状態を示す側面図である。 本発明に係るダクト延長設備であり、図2の後で、支持体の後方端部から前方端部に向かって移動体を移動させた状態を示す側面図である。 本発明に係るダクト延長設備であり、図3の後で、支持体の前方端部に移動体を移動させた後で、保持体の張出部を張り出した状態を示す側面図である。 本発明に係るダクト延長設備であり、図4の後で、支持体の前方端部にある移動体の突出部を引き込めた状態を示す側面図である。 図4のA−A断面図である。 図4のB−B断面図である。 本発明に係るダクト延長方法のフロー図である。 本発明に係るダクト延長方法のフロー図である。 本発明に係るダクト延長設備であり、張出部にロッドシリンダを用いた変形例である。(保持体の表示は省いている。図11において同じ。) 本発明に係るダクト延長設備であり、張出部にロッドシリンダを用いた変形例である。図10とは移動体の位置が異なる。 図10のC−C断面図である。 図10のD−D断面図である。 図10のE−E断面図である。 従来のダクトカセットの説明図である。 既設ダクトを切り離す前の状態を示す側面図である。 既設ダクトを切り離したときの側面図である。 切羽側既設ダクトを引き出し、延長ダクトに接続した状態を示す側面図である。 引き出した切羽側既設ダクトと延長ダクトを自動で引き寄せている状態を示す側面図である。 延長ダクトの引き寄せが終了した後の状態を示す側面図である。
以下、本発明に係るダクト延長設備およびダクト延長方法の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の実施形態の一例を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。
なお、以下の説明において、切羽側のことを前方といい、坑口側のことを後方ともいう。また、切羽側端部のことを前方端部といい、坑口側端部のことを後方端部という。
また、図1〜図5においては、本発明に係るダクト延長設備の構成が分かりやすくなるように、延長ダクト3(または切羽側既設ダクト2Fの引き出し部分)を破線で示した。
(既設ダクト2)
図15に、トンネル内に既に配置されたダクト(以下、「既設ダクト2」という。)の一般的な構成を示した。坑口に送風機(図示しない)が配置され、そこからトンネル切羽の近傍に位置するシールドマシン50へ向かって、既設ダクト2が延在している。この既設ダクト2は、坑口から後続台車51の後端部まで延在する後方既設ダクト2Bと、後続台車51に固定され、そこからシールドマシン50のガーダー部まで延在する前方既設ダクト2Fに大別することができる。
従来のダクトカセット56は、後続台車51に固定された既設ダクト2が切り離され、その間に挿入している。この切り離し部分の構造は、主に、円筒状の内筒52と、その内筒52の外周に設置された風管53と、内筒52の後端から、その径を次第に広げながら外方へ延在するフランジ54と、フランジ54の後端部の外周に取り付けられたリング状のパッキン55からなる。そして、トンネルの掘削に伴ってシールドマシン50が切羽側へ前進するのに伴い、ダクトカセット23に収納されていた風管53が坑口側へ引き出される構造になっている。他方、坑口側の既設ダクト2Bは、複数のビニール風管53が連結ファスナー57によって連結されている。この連結ファスナー57、57間に位置するビニール風管53は、過去にダクトカセット56の鞘管内に収納されていたものであるため、収納されていたビニール風管53の長さが200mである場合は、連結ファスナー57は200m置きに存在することになる。
本発明に係るダクト延長設備1は、切羽側に位置する既設ダクト2Fの連結部(従来のダクトカセット56の部分)の構造を新たな構造にすることで、後述する延長ダクト3を自動で収納することができるようにしている。具体的には、切羽側既設ダクト2Fの後方端部(坑口側端部)は、新たに補充した延長ダクト3を収納するための収納部32となっており、延長ダクト3を補充する前は、内筒30の外周に切羽側既設ダクト2Fが被さった状態になっている。そして、収納部32の後方端部よりも後方には、後述する支持体4が位置しており、この支持体4の後方端部よりも後方には、案内部25が位置している。なお、案内部25はなくても良い。また、延長ダクト3を補充する前は、前記支持体4と案内部25の外周に坑口側既設ダクト2Bの前方端部(切羽側端部)が被さった状態になっており、切羽側既設ダクト2Fと坑口側既設ダクト2Bの間は例えば連結ファスナー57で連結されている。そして、新たな補充ダクト3を補充する際には、この連結ファスナー57の連結が解かれ、その間に延長ダクト3が挿入される。なお、前記切羽側既設ダクト2Fの後方端部は、多少の皺部分(収縮部分)を有しており、新たな延長ダクト3を補充するときに、その皺部分が支持体4や案内部25がある坑口側へ延伸し、その延伸先で延長ダクト3と連結する構造になっている。そして、本発明において、ダクト延長設備1によって引き寄せられる延長ダクト3には、この切羽側既設ダクト2Fの後方端部の前記延伸部分も含まれる。また、本発明におけるダクト延長設備1には、支持体4や案内部25はもちろんのこと、収納部32の部分も含まれる。
(延長ダクト3)
延長ダクト3は、トンネル工事の進行に伴ってトンネルの長さが長くなり、既設ダクト2だけではダクトの長さが足りなくなった段階で、既設ダクト2に取り付けて、既設ダクト2の長さを延長するために用いる。既設ダクト2に延長ダクト3を連結する方法としては、延長ダクト3の端部と既設ダクト2の端部にそれぞれ線ファスナーを設け、務歯を噛み合わせる形態を例示できる。そのほか、延長ダクト3と既設ダクト2のどちらか一方のダクト径を、他方のダクトのダクト径よりも短くし、一方のダクトの端部を他方のダクトの端部で覆った後、ねじ止めする形態にしても良い。なお、以下では、線ファスナーを用いるケースについて説明する。
前記延長ダクト3として、皺が寄る性質(可撓性)を有する軽量な風管を用いることが好ましい。例として、「ターポリン」の素材を用いたビニール風管を挙げることができる。この延長ダクト3は伸縮可能であり、例えば、最も伸長した状態で全長200m、最も収縮した状態で全長40mの延長ダクト3を用いることができる。なお、ダクトカセットの鞘管に収納できる風管の長さ(最も伸長した状態の全長)は200m程度が限界であったが、本発明では鞘管に風管を収納する必要がないため、例えば最も伸長した状態で400mにもなる延長ダクト3を用いることもできる。このように、延長ダクト3の長さを長くすることができるため、延長ダクト3の取り付け作業を行う頻度が減り、トンネル工事の工期を短くできるとともに、取り付け作業に必要な人件費等の諸費用を抑えることができる。
(支持体4)
本発明に係るダクト延長設備1は、切羽側既設ダクト2Fと坑口側既設ダクト2Bの間に延長ダクト3を挿入するために、切羽側既設ダクト2Fの後方端部(坑口側端部)よりも後方(坑口側)に支持体4を設けている。詳しくは、切羽側既設ダクト2Fは、円筒管30(「内筒30」ともいう。)に、その外周を覆うように被されており、図に示した支持体4は、その内筒30の後方端部より後方に位置している。この支持体4は、内筒30の後方端部に直接連結させても良いし、内筒30と支持体4の間に連結部材(図示しない)などを挟み込んで、支持体4を内筒30に間接的に連結させても良い。また、前記内筒30の後方端部を後方へ向かって延在し、その延在部分を支持体4としても良い。
図に示した支持体4は、鋼材を円柱状に成型した円筒形である。一般的には、延長ダクト3の形状が円筒形であり、支持体4の外周面に延長ダクト3が被さることから、延長ダクト3が支持体4の上を移動する際に引っかかることを防ぐため、支持体4の形状も、延長ダクト3と同じ形状である円筒形にすることが好ましい。また、一般的に、内筒30も円筒形であることから、内筒30と連なる支持体4の形状も、この内筒30と同じ形状の円筒形にすることが好ましい。しかし、支持体4の形状はこれに限られず、角柱状の筒にするなど、任意の形状に変更しても良い。なお、送風機から送られた外気が支持体4の内部を通って切羽側へ流れるため、外気の通り道が確保できるように、支持体4の形状は内部が中空である筒状にすることが好ましい。このような筒状の支持体4を内筒体4という。また、支持体4は、後述する移動体5を取り付けるため硬質のものが好ましく、例えば板材を筒状に成型した筒体を用いることが好ましい。これに代えて、棒材を筒状に組み立てたものを用いることもできる。さらに、支持体4の素材は、一定の剛性を有するものであれば良く、鋼材以外の他の公知材料を用いても良い。
(移動体5)
本発明に係るダクト延長設備1は、前記支持体4の前方端部と後方端部の間を往復移動する移動体5を有する。図に示した移動体5は、支持体4の外周に配置された外筒体6と、支持体4の軸方向に沿って取り付けられ、支持体4の軸方向に外筒体6を移動させる軸方向移動部材7と、外筒体6に取り付けられ、外筒体6の径方向外側に突出する径方向移動部材8(「突出部8」ともいう。)と、径方向移動部材8の径方向外側端部に取り付けられ、延長ダクト3の内周方向に沿って延在する摩擦体9を有する。以下、前記各部材の詳細について説明する。
(外筒体6)
外筒体6は、支持体4の径方向外側に配置され、支持体4の軸方向に沿って移動するため、支持体4と同じ形状にすることが好ましい。図に示した外筒体6は、支持体4の外壁を周方向に沿って覆う円筒形である。また、外筒体6の径方向の長さは、支持体4の径方向の長さより多少長く形成され、具体的には、支持体4の径方向の長さよりも2〜3mm程度長くなるように形成し、外筒体6の内面と支持体4の外面の間に所定の隙間を設けることが好ましい。2mmよりも短いと、外筒体6の移動時に外筒体6が少し傾くと支持体4と擦れてしまうおそれがあり、3mmよりも長いと、外筒体6と支持体4の間に延長ダクト3が巻き込まれやすくなる。他方、外筒体6の軸方向の長さは、支持体4の軸方向の長さより短く形成され、具体的には、500〜700mmの長さが好ましく、600mmの長さがより好ましい。500mmよりも短いと、径方向移動部材8の取り付けスペースを確保するのが難しくなり、700mmよりも長いと、外筒体6の一回の移動によって引き寄せる延長ダクト3の長さが短くなる。この外筒体6は、板材を筒状に成型した筒体が好ましいが、これに代えて、棒材を筒状に組み立てたものを用いても良い。また、外筒体6の素材は、径方向移動部材8や延長ダクト3を支持するために必要な一定の剛性を有するものであれば良く、例えば鋼材などを用いることができる。
前述したとおり、支持体4の外壁面と外筒体6の内壁面の間には2〜3mm程度の隙間が設けられ、外筒体6が支持体4の軸方向に移動する際に、支持体4と擦れないようにしている。図示した形態では、外筒体6を後方から支える取り付け部材10を設け、この取り付け部材10を用いて、支持体4と隙間を空けながら外筒体6を取り付けることで、前記の長さの隙間を形成・保持している。そのほか、支持体4の外壁面と外筒体6の内壁面との間にゴムパッキン等の中間部材(図示しない)を挟み込むことによって、前記隙間を形成しても良い。
(回転体28)
外筒体6が支持体4の外面上を移動しやすくするため(滑りやすくするため)、外筒体6の内面に回転体28を取り付けることが好ましい。すなわち、回転体28は、支持体4の外面と外筒体6の内面の間に位置することになる。この回転体28としては、例えば車輪状のものや、ボール状のものなどを用いることができる。この回転体28は、外筒体6を傾かせずに移動させるため、外筒体6の周方向及び軸方向に沿って間隔を空けながら複数設けることが好ましい。また、回転体28を外筒体6の内面に取り付けるのではなく、支持体4の外面に取り付けるようにしても良い。この場合、支持体4の周方向および軸方向に間隔を空けながら複数設けることが好ましい。
(軸方向移動部材7)
外筒体6を支持体4の軸方向に移動させる軸方向移動部材7として、図示した形態ではロッドレスシリンダを用いている。具体的には、支持体4に、支持体4の軸方向に沿って延在する切り欠き部を設け、その切り欠き部の下方にロッドレスシリンダ7を埋め込むようにして取り付けている。詳しくは、ロッドレスシリンダ7は、その軸方向両端部に設けたロッドレスシリンダの取り付け部材11によって、支持体4の下面よりも径方向内側に取り付けられている。このロッドレスシリンダ7は、支持体4の軸方向に沿って延在するレール12と、このレール12の両端部の間をレール12に沿って往復移動するピストン13を有する。そして、このピストン13の内部及び外部にそれぞれ磁石が取り付けられ、この磁石の磁力によってピストン13がレール12上を移動する構造になっている。この磁力の代わりに、空圧または水圧によってピストン13を移動させるロッドレスシリンダ7を用いても良い。空圧によってピストン13を移動させる場合は、動力源としてコンプレッサーが用いられる。
また、図示したロッドレスシリンダ7のピストン13は、支持体4の径方向外側に向かって少し突出しており、そのピストン13の上面と、前記外筒体6の取り付け部材10の下面がネジ止め等によって固定されて一体になっている。側面から見ると、外筒体6や外筒体6の上に搭載された径方向移動部材8の位置が、取り付け部材10の位置よりも切羽側に位置している。
また、ロッドレスシリンダ7のレール12の長さが長くなるほど、ピストン13の一回の前方移動によって、引き寄せ可能な延長ダクト3の長さが長くなる。そのため、支持体4の軸方向の長さに収まる範囲で、出来る限り長いレール12のロッドレスシリンダ7を設けることが好ましい。また、ロッドレスシリンダ7の代わりにロッドシリンダ(図示しない)を設けても良いが、ロッドシリンダのロッドが伸びて、外筒体6がロッド先端側へ移動したときに、外筒体6の重力によって外筒体6が傾くおそれがあるため、ロッドレスシリンダ7のほうが好ましい。
以上の説明では、1個のロッドレスシリンダ7について述べてきたが、このロッドレスシリンダ7は、支持体4の周方向に所定間隔を空けながら複数個設けることが好ましい。図示した形態では、支持体4の軸心を中心として、90度ごとの間隔で計4個のロッドレスシリンダ7が設けられている。外筒体6を支持体4の軸方向と平行に移動させるためには、ロッドレスシリンダ7を周方向に等間隔に配置することが好ましく、例えば3個のロッドレスシリンダを設ける場合は、支持体4の軸心を中心として、120度ごとの間隔で設けると良い。なお、ロッドレスシリンダ7の数が増えるほど、外筒体6を安定して移動させることができるが、設備費が高くなるというデメリットもある。そのため、ロッドレスシリンダ7の設置数は、外筒体6の重量、シリンダの動力、価格等を考慮して決定すると良い。
(突出部8)
外筒体6の外面には、延長ダクト3の内面に向かって突出可能な突出部8を有する。この突出部8は、移動体5を前方へ移動させる段階で突出させ、突出部8を延長ダクト3の内面に押し当てることで、移動体5を延長ダクト3に一時的に固定する。他方、移動体5を既設ダクト3と反対方向へ移動させる段階で突出を引き込め、延長ダクト3内面と突出部8が接触しない状態にすることで、延長ダクト3内面に対する移動体5の固定を解除する。図示した突出部8は、外筒体6の外側で、外筒体6の径方向に伸縮移動するものであり、径方向移動部材8と言うこともできる。この突出部8は、外筒体6の前方端部に取り付けられた起伏板14と、ピストン16が外筒体6の軸方向に沿って往復移動するロッドレスシリンダ15と、前記ロッドレスシリンダ15のピストン16と前記起伏板14の先端部を繋ぐ連結板17とを有する。
突出部8を構成する前記各部材について詳述すると、図示した起伏板14は、L字型金具(他の部材でも良い)を介して外筒体6の前方端部に取り付けられており、突出した状態においては、外筒体6の外面に垂直の方向に立ち上がり、突出を引き込めた状態においては、起伏板14の基端部とL字型金具の連結部分を起点として、外筒体6の外面へ向かって倒れる構造となっている。ロッドレスシリンダ15は、外筒体6の軸方向に沿って取り付けられており、その構成は、軸方向移動部材7の説明で述べたロッドレスシリンダ7と同じである。そして、連結板17によって、ロッドレスシリンダ15のピストン16と起伏板14の先端部が繋がれているため、ロッドレスシリンダ15のピストン16が後方から前方へ移動すると、その前進力が連結板17を介して起伏板14へ伝達され、起伏板14が立ち上がる。すなわち、起伏板14の先端部が前方へ移動するとともに、径方向外側へ移動する。逆に、ロッドレスシリンダ15のピストン16が前方から後方へ移動すると、その後進力が連結板17を介して起伏板14へ伝達されて、起伏板14が外筒体6へ向かって倒れる。すなわち、起伏板14の先端部が後方へ移動するとともに、径方向内側へ移動する。このように、ロッドレスシリンダ15のピストン16の往復移動によって、起伏板14の起伏を可能にしている。
前記径方向移動部材8は、上記の形態以外にも、様々な変形例が考えられる。例えば、前記ロッドレスシリンダ15の代わりに、ロッドシリンダ18を設けても良い。図示したロッドシリンダは18、その基端部が外筒体6の後方端部に連結され、その先端部が前記起伏板14の先端部と連結されている。そして、このロッドシリンダ18のロッド31が伸びると、ロッド31に押されて起伏板14が立ち上がる。反対に、ロッドシリンダ18のロッド31が縮むと、ロッド31に引かれて起伏板14が倒れる。このように、ロッドシリンダ18のロッド31の伸縮移動によって、起伏板14の起伏を可能にしても良い。なお、図示したように、ロッドシリンダ18を用いた場合、起伏板14の基端部は、連結部材を介して、外筒体6の前方端部および軸方向移動部材7(ロッドレスシリンダ7)のピストン13と繋がっており、ピストン13の移動に伴って、突出部8(起伏板14およびロッドシリンダ18)も同じ方向に移動する構成となっている。
なお、外筒体6の外面に対する起伏板14の立ち上がり角度は、特に限定されないが、好ましい角度は70度〜110度、より好ましい角度は80度〜100度、さらに好ましい角度は90度である。できる限り90度に近づけることで、突出部8が径方向外側へより突出させることができ(張り出すことができ)、延長ダクト3内面と摩擦体9の摩擦力を高めることができる。
以上の説明では、1個の突出部8について述べてきたが、この突出部8は、外筒体6の周方向に所定間隔を空けながら複数個設けられている。図示した形態では、外筒体6の軸心を中心として、45度ごとの間隔で計8個の突出部8が設けられている。延長ダクト3を切羽側へ滑らかに移動させるためには、延長ダクト3内面にかかる外方への押し出し力を均等にすることが好ましく、例えば突出部8を4個設ける場合は、外筒体6の軸心を中心として、90度ごとの間隔で設けると良い。突出部8を外筒体6の下半分のみに設けたような場合は、延長ダクト3の上半分が外筒体6外面と接触した状態で切羽側へ移動することになるため、移動時に摩擦が生じて、延長ダクト3が損傷しやすい等の不利益があり、好ましくない。なお、図示した断面において、軸方向移動部材7と突出部8と回転体28は、それぞれ径方向に重ならない位置に設けている。
(摩擦体9)
突出部8の先端部(径方向外側部分)には、摩擦体9が設けられている。移動体5を前方へ移動させる段階で、この摩擦体9を延長ダクト3の内面と接触させ、その後に軸方向移動部材7を前方へ移動させることで、延長ダクト3を前方へ引き寄せる構造になっている。反対に、移動体5を後方へ移動させる段階では、この摩擦体9を延長ダクト3の内面から離した後で、軸方向移動部材7を後方へ移動させることで、延長ダクト3を後方へ移動させず、移動体5のみを後方へ移動させる構造になっている。
摩擦体9の(外面)形状は、延長ダクト3を前方へ引き寄せる効果を高めるために、延長ダクト3内面の周方向に沿って延在させることが好ましい。摩擦体9の形状を延長ダクト3内面の形状に合わせることで、延長ダクト3内面と摩擦体9の接触面積が増え、延長ダクト3の引き寄せ力を高めることができる。また、摩擦体9を延長ダクト3内面の軸方向に延在させるよりも、周方向に延在させる方が、延長ダクト3の引き寄せ力を高めることができる。
図示した摩擦体9は、複数の摩擦基材19と複数の連結管29を有する。摩擦基材19は複数の突出部8の先端部にそれぞれ取り付けられており、その取り付け部を起点として、延長ダクト3内面に沿って周方向両側へ若干(起伏板14の長手方向の長さと同じ程度)延在している。また、連結管29は、各摩擦基材19の両端部にそれぞれ連結され、その連結部分において摩擦基材19端部を周方向外側から覆っており、隣り合う摩擦基材19、19の端部間を繋いでいる。すなわち、連結管20の直径は摩擦基材19の直径よりも長くなっている。そして、このような複数の摩擦基材19と複数の連結管29が一体となり、1つのリング状の摩擦体9を形成している。
このリング状の摩擦体9の周の長さは、突出部8の突出状況によって変化する。すなわち、突出部8の起伏板14が倒れた状態では、摩擦体9の直径および周長が短くなり、突出部8の起伏板14が立ち上がった状態では、摩擦体9の直径および周長が長くなる。このような摩擦体9の直径および周長の変化は、連結管29の内部に摩擦体9の端部が挿入されており、この挿入量が変化するために生じる。詳しくは、起伏板14が倒れた状態では、連結管29の内部に摩擦基材19の端部が深く挿入されており、その状態から起伏板14が立ち上がるにつれて、摩擦基材19の端部を覆っている連結管29が、次第に摩擦基材19の外側へ向かってスライド移動し、起伏板14が立った状態では、連結管29の内部に摩擦基材19の端部が浅く挿入されている状態になる。起伏板14が立ち上がった状態から次第に倒れた状態に変化する場合は、これと反対の動きが生じる。なお、摩擦基材19は、内部が中空になった管状であっても良いし、内部が詰まった柱状であっても良い。
摩擦基材19の素材としては、ポリ塩化ビニール(PVC)などを用いることができ、連結管29の素材としては、ポリ塩化ビニール(PVC)などを用いることができる。図示した形態では、延長ダクト3にPVCを用いており、摩擦基材19や連結管29にもPVCを用いている。このような場合、摩擦力が強くなるというメリットがあるが、同じ素材であるために親和性が高すぎて、摩擦体9の外面が延長ダクト3の内面に貼りついてしまうというデメリットがある。そこで、本発明では、摩擦基材19の形状をコイル状にすることで、延長ダクト3と摩擦体9の接触面積を減らし、このような貼りつきを防止している。また、連通管20の内部空間を摩擦基材19スライド移動する構造であるため、連通管20と摩擦基材19の間に潤滑油を差して、スライドさせやすくすることが好ましい。
(保持体20)
切羽側既設ダクト2F内に存在する内筒30の後方端部と支持体4の前方端部の連結部には、保持体20を設けることが好ましい。この保持体20は、延長ダクト3の内側(内筒30または支持体4の内側)に設けられ、延長ダクト3内面に向かって張り出す張出部21と、延長ダクト3の外側に設けられ、張出部21の張り出しを受けとめる受部22を有する。延長ダクト3が切羽側へ移動すると、延長ダクト3に皺が生じるが、このとき張出部21を張り出して、延長ダクト3の皺を受部22に押え付けることによって、延長ダクト3の皺部分を内側から挟んで、皺ができた状態を維持する構成となっている。すなわち、本発明における保持体20は、延長ダクト3に皺ができた状態を維持するためのストッパーの役割を果たしている。
図示形態では、保持体20の例として、支持体4の前方端部の内側にロッドシリンダ20を設けている。このロッドシリンダ20は、支持体4の外面から径方向外側へ向かってロッド21(張出部21)が伸長する構造になっている。また、前記延長ダクト3の周囲を取り囲むように反力受架台22(受部22)が設けられており、ロッド21が伸長したときに、ロッド21の先端部と反力受架台22の間に延長ダクト3の皺部分が挟み込まれ、皺ができた状態が保持されるようになっている。
前記保持体20の変形例としては、例えば延長ダクト3の皺部分を外側から挟んで保持しても良い。図示した形態では、前記反力受架台22の代わりに、延長ダクト3の周囲を取り囲むように保持架台23を設け、この保持架台23にロッドシリンダ20(保持体20)を取り付けている。そして、このロッドシリンダ20から支持体4の外面へ向かってロッド21(張出部21)を伸長させ、伸長したロッド21の先端部と支持体4(図示形態では、受部22に相当する)の外面との間に、延長ダクト3の皺部分を挟み込むことにより、皺ができた状態を保持する構造としている。
なお、前記保持体20は、延長ダクト3の皺ができた状態をしっかりと保持するため、複数個設けることが好ましい。また、保持体20を取り付ける位置は、支持体4の上半分の位置にすることが好ましい。延長ダクト3を切羽側へ引き寄せたときに、延長ダクト3の上側部分は、皺ができたで支持体4の上面に載っているが、延長ダクト3の下側部分は、重力によって垂れ下がり、皺が維持できなくなっているため、上側部分の皺ができた状態を保持するために、保持体20を上半分に設ける必要があるからである。図示した形態では、4個のロッドシリンダ20を支持体4の上半分に配置している。また、断面視で4個のロッドシリンダ20を左右に均等に配置しており、詳しくは、支持体4の中心軸を基準として、45度〜135度の範囲に30度ごとの間隔を空けながら、支持体4の周方向に等間隔に配置している。
なお、前記のように複数の保持体20を支持体4の上半分の内側に設けた場合、支持体4底部の内側にも1〜2個程度の保持体20を設けることが好ましい。保持体20を支持体4の上半分にのみ設けると、延長ダクト3が上方へ押し上げられてしまい、延長ダクト3の設置場所が悪くなるため、それを防ぐためのものである。
また、保持体20を支持体4の内側に設けた場合において、保持体20よりも前方側に位置する支持体4の外面(図示形態では、支持体4の前方端縁)とロッド21の先端部とを結ぶように噛み込み防止部材33を設けるようにしても良い。保持体20よりも前方側に位置する支持体4の外面とロッド21の先端部の間の距離は、ロッド21の先端部が伸びる前と伸びた後で変わるため、この噛み込み防止部材33は、その変化に対応できるように弾性体を用いることが好ましく、例えばゴムなどを用いることができる。この噛み込み防止部材33は、ロッド21が伸びている状態から縮んだ状態に変化する際に、ロッド21の先端部とロッド21の基端部の間に延長ダクト3を噛み込んでしまうことを防止するためのものである。
(反力体24)
また、延長ダクト3の皺部分を外側から挟んで保持する形態では、切羽側既設ダクト2F内の内筒30の後方端部と支持体4の前方端部の連結部の下方に反力体24を設けることが好ましい。図示したように、保持架台23の上半分に複数の保持体20を設け、それらの保持体20によって延長ダクト3を支持体4の上面に抑え付けると、支持体4が押されて下方へ沈んでしまうおそれがある。そこで、保持架台23の下半分に反力体24を設け、支持体4を下方から支えるようすると良い。また、既設ダクト2や延長ダクト3の下方に、既設ダクト2や延長ダクト3が下方へ垂れ下がることを防止する垂下防止板34を設けても良く、この垂下防止板34に反力体24を設けても良い。垂下防止板34に反力体24を設ける場合、反力体24の位置は、前記保持体20の下方、すなわち切羽側既設ダクト2F内の内筒30と支持体4の連結部に設けることが好ましい。図示形態では、垂下防止板34の上面に取り付けており、詳しくは、支持体4の軸心を通る垂線を基準として、下方45度の位置に左右均等に計2個の反力体24を設けている。なお、反力体24の例としては、ロッドシリンダを挙げることができる。
(案内部25)
支持体4の後方端部(坑口側端部)の外方(後方)に、延長ダクト3が支持体4の外周面に被さるように誘導する案内部25を設けることが好ましい。この案内部25は、支持体4の坑口側端部と直接連結させても良いし、他の連結部材を介して間接的に連結させても良い。案内部25の形状は、図示したように切羽側の形状を円筒状にして、坑口側の形状を後方(坑口側)へ向って次第に窄まる円錐状であって、その円錐の丁部が切り落とされた形状にすることができる。このような形状にすることで、延長ダクト3を案内部25の外面に被せ、案内部25の外面に被さった延長ダクト3を支持体4の外面に移動させるという流れがスムーズになる。この案内部25の形状は任意の形状に変更することができるが、延長ダクト3を支持体4の外面に被せやすい形状が好ましい。なお、案内部25の外径は、支持体4の外径Lよりも長くするのが好ましく、さらに、突出部8の起伏板14が倒れた状態の径方向の長さMを二倍した値(2M)を前記外径Lに足した長さ(L+2M)よりも長くすることが好ましい。このようにすることで、延長ダクト3を支持体4の外面に被せやすくなり、さらに倒れた状態の起伏板14の上(摩擦体9の上)にも被せやすくなるという利点がある。図1に示した案内部25の外径は、前記L+2Mの長さよりも長くなっている。
(帯状体27)
本発明においては、帯状体27を設けることが好ましい。図示したダクト延長設備1は、支持体4が、既設ダクト2の後方端部から外方(後方)へ連なる内筒体4であり、移動体5が、内筒体4の径方向外側に配置され、内筒体4よりも軸方向の長さが短く、内筒体4の上を軸方向に沿って移動する外筒体6を備える。この外筒体6が内筒体4の上を軸方向に移動する際に、延長ダクト3を内筒体4と外筒体6の間に巻き込んでしまう(噛み込んでしまう)可能性がある。そこで、このような巻き込みを防止するために、内筒体4外面の一端側から外筒体6外側を通って内筒体4外面の他端側へと延在する帯状体27を設けることが好ましい。この帯状体27としては、ポリプロピレンを素材とするPPバンドや、ナイロンバンドなどを用いることができる。また、この帯状体27は、全周にわたって延長ダクト3の巻き込みを防止するため、支持体4の周方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けることが好ましく、図示形態では周方向に計8本の帯状体27を設けている。
(その他の構成)
本発明では、内筒30に被さった既設ダクト2が、切羽側へ次第に移動するが、既設ダクト2と内筒30の素材の相性によっては、親和性及び摩擦力が強く、既設ダクト2が内筒30の上を切羽側へ移動しにくい場合が想定される。そこで、そのような場合は、既設ダクト2の動きを滑らかにするため、内筒30の上面に、その内筒30の軸方向に沿って延在する滑走材26を設けることが好ましい。この滑走材26としては、例えばテフロン(登録商標)のテープや、○○を用いることができる。この滑走材26は、既設ダクト2と内筒30の摩擦力が強い部分、すなわち内筒30の上半分の領域に設けることが好ましい。図示した形態では、内筒30の上面に、その周方向に沿って所定間隔を空けて複数本のテフロン(登録商標)テープを配している。
また、制御装置(図示しない)が設けられており、延長ダクト3の引き寄せを含むダクト延長作業を自動で行うようにしている。
(ダクト延長方法)
以下に、本発明にかかるダクト延長設備1を用いたダクト延長方法について説明する。
図16に、前回補充した延長ダクト3(図16の坑口側既設ダクト2Bに相当する)の収縮していた部分がすべて伸び切った状態を示した。この状態になると、シールドマシンの掘進を一時停止し、新たな延長ダクト3を補充する必要がある。そこで、まずはトンネル天井面のセグメントサポート(図示しない)に、新たなメッセンジャーワイヤー58を布設する(S1)。そして、トンネル坑内に延長ダクト3を搬入する(S2)。
次に、図17に示すように、新たな延長ダクト3を挿入する部分の既設ダクト2の連結ファスナー57を切り離し、切羽側既設ダクト2F(パイロットダクトともいう。)と坑口側既設ダクト2B(旧延長ダクト)の2つに分ける(S3)。そして、坑口側既設ダクト2Bの前方端部を切羽側へ少し移動させ、切羽側既設ダクト2Fと坑口側既設ダクト2Bの間にスペースを空ける。その後、図18に示すように、切羽側既設ダクト2Fの後方端部を引き出して、トンネル坑内の地面まで降ろす。そして、坑内の道路上で切羽側既設ダクト2Fの後方端縁と延長ダクト3の前方端縁を連結ファスナー57で連結する(S4)。その後、図19に示すように、切羽側既設ダクト2Fの引き出した部分と延長ダクト3を連結したものを後続台車のウインチで吊り上げる(S5)。なお、S4の工程とS5の工程は逆にしても良い。すなわち、延長ダクト3の前方端部を後続台車のウインチで吊り上げた後に、トンネル天井付近で切羽側既設ダクト2Fの後方端縁と延長ダクト3の前方端縁を連結ファスナー57で連結させても良い。なお、坑内の道路上で切羽側既設ダクト2Fの後方端縁と延長ダクト3の前方端縁を連結ファスナー57で連結した方が容易である。
その後、延長ダクト3を引き込む(S6)。この引き込みは、支持体4の前方端部と後方端部の間で移動体5を往復移動させることにより行う。具体的には、まず、支持体4の外面に延長ダクト3(連結のために引き出した切羽側既設ダクト2Fの後方端部を含む)が被さった状態から、支持体4の後方端部に位置する移動体5を延長ダクト3の内面に一時的に固定する(S6A)。この一時固定は、起伏板14の起伏板14を立ち上げ、起伏板14の先端部に設けられた摩擦体9を延長ダクト3の内面に押し当てることで行う。このように一時固定した状態で、前記移動体5を支持体4の前方へ向って(すなわち、既設ダクト2へ向って)移動させる(S6B)。この移動により、固定部分よりも既設ダクト2側の延長ダクト3に皺ができる。具体的には、当該箇所に複数の皺ができて、全体として蛇腹のような形状となる。図示形態では、この皺が生じる箇所は予め決められておらず(予め折り目が設けられておらず)、ランダムに自然に発生している。また、それ以外の部分の延長ダクト3は、移動体5に引かれて既設ダクト3へ向かって移動する。その後、この延長ダクト3の皺部分を保持体20によって保持するようにすると良い(S6C)。次に、支持体4の前方端部に位置する移動体5の一時固定を解除する。(S6D)。この一時固定の解除は、起伏板14の起伏板14を倒し、起伏板14の先端部に設けられた摩擦体9を延長ダクト3の内面から離すことで行う。そして、延長ダクト3を引き寄せた場所に保ちながら、移動体5のみを支持体4の後方へ向って(すなわち、既設ダクト2と反対方向へ向って)移動させる(S6E)。このとき、延長ダクト3を引き寄せた場所に保つために、前記保持体20があると便宜である。なお、保持体20によって延長ダクト3を保持した場合は、移動体5の後方への移動が終了した時点(S6E工程の終了時点)で保持を解除させて良い。なお、保持体20による保持を解除すると、複数の皺部分がスプリングのような作用を起こし、延長ダクト3の皺部分が坑口側へ少し戻ることになる。このようにして、移動体5を支持体4の後方端部に戻したら、延長ダクト3をさらに切羽側へ引き寄せるべく、S6Aの工程に戻り、S6A〜S6Eまでの工程を繰り返す。この移動体5の往復移動の繰り返しにより、延長ダクト3を既設ダクト2側(切羽側)へ次第に引き寄せ、既設ダクト2の後方端部と隣接する位置に収縮した延長ダクト3を形成する。光学センサーなどを用いて延長ダクト3の位置を検知し、切羽側既設ダクト2と支持体4の連結部まで、延長ダクト3の後方端部が引き寄せられたら、延長ダクト3の引き寄せを終了する。この引き寄せを終了した時点では、内筒30の外面に収縮したダクトが収まっている状態になる。なお、前記延長ダクト3の引き寄せ作業は、人件費の削減等を図るため、全て自動で行うようにすると良い。
延長ダクト3の引き込みが終了したら、延長ダクト3のナス環をメッセンジャーワイヤーに通す(S7)。そして、延長ダクト3の後方端部と、それよりも坑口側の既設ダクト2Bの前方端部を連結ファスナー57で連結する(S8)。その後、延長ダクト3よりも切羽側に位置する既設ダクト2Fを切羽側へ移動させ、延長ダクト3の収縮状態を和らげる。そして、坑口に位置する送風機の運転を再開し(S9)、トンネルの掘削を再開する(S10)。再開した状態を図20に示した。トンネルの掘削は、補充した延長ダクト3の収縮がなくなるまで行い、その後は、新たな延長ダクト3を補充するために、前記S1の工程に戻る。なお、S1工程に戻ったときは、前回補充した延長ダクト3は、既設ダクト2(坑口側既設ダクト2B)として取り扱う。
1…ダクト延長設備、2…既設ダクト、2F…切羽側既設ダクト、2B…坑口側既設ダクト、3…延長ダクト、4…支持体(内筒体)、5…移動体、6…外筒体、7…軸方向移動部材、8…突出部(径方向移動部材)、9…摩擦体、10…(外筒体の)取り付け部材、11…(軸方向移動部材の)取り付け部材、12…レール、13…ピストン、14…起伏板、15…ロッドレスシリンダ、16…ピストン、17…連結板、18…ロッドシリンダ、19…摩擦基材、20…保持体、21…張出部((保持体の)ロッド)、22…受部(反力受架台)、23…保持架台、24…反力体、25…案内部、26…滑走材、27…帯状体、28…回転体、29連結管、30…内筒(円筒管)、31…(突出部の)ロッド、32…収納部、33…噛み込み防止部材、34…垂下防止板、50…シールドマシン、51…後続台車、52…内筒、53…風管(ビニール風管)、54…フランジ、55…パッキン、56…ダクトカセット、57…連結ファスナー、58…メッセンジャーワイヤー、59…吊り具、60…吊ひれ

Claims (13)

  1. トンネル坑内の既設ダクトに新たな延長ダクトを連結するダクト延長設備であって、
    前記既設ダクトの端部より外方に配置された支持体と、
    前記支持体によって支持され、前記支持体の両端部の間を往復移動し、前記延長ダクトの内面に一時的に固定可能とされた移動体を有し、
    前記既設ダクトと反対の方向から前記支持体に前記延長ダクトを被せ、前記延長ダクトの内面に前記移動体を一時的に固定した状態で、前記移動体を前記既設ダクトへ向かって移動させることで、固定部分よりも既設ダクト側の延長ダクトに皺ができるとともに、それ以外の部分の延長ダクトが前記移動体に引かれて前記既設ダクトへ向かって移動し、
    前記延長ダクトの移動後に、前記移動体の固定を解いた状態で、前記延長ダクトを移動後の位置に保ちながら、前記移動体のみを前記既設ダクトと反対方向へ移動させ、
    前記移動体の往復移動を繰り返すことにより、前記延長ダクトを前記既設ダクト側へ次第に引き寄せ、前記既設ダクトの端部と隣接する位置に収縮した延長ダクトの形成を図る構成としたことを特徴とするダクト延長設備。
  2. 前記移動体は、
    前記延長ダクトの内面に向かって突出可能な突出部を有し、
    前記移動体を前記既設ダクト側へ移動させる段階で、前記突出部を突出させて、前記突出部を前記延長ダクトの内面に押し当てることで、前記移動体を前記延長ダクトに一時的に固定し、
    前記移動体を前記既設ダクトと反対方向へ移動させる段階で、前記突出部の突出を引き込め、前記延長ダクトと前記突出部が接触しない状態にすることで、前記延長ダクトに対する前記移動体の固定を解除する請求項1記載のダクト延長設備。
  3. 前記移動体は、
    前記延長ダクトの内面と接触する部分に摩擦部を有し、
    前記摩擦部と前記延長ダクトの接触面に発生する摩擦によって、前記移動体から前記延長ダクトに移動動力を伝達する請求項1または2記載のダクト延長設備。
  4. 前記摩擦部は、前記延長ダクトの内面に沿って周方向に延在している請求項3記載のダクト延長設備。
  5. 前記移動体は、
    前記延長ダクトの内面に向かって突出可能な突出部を有し、
    前記移動体を前記既設ダクト側へ移動させる段階で、前記突出部を突出させて、前記突出部を前記延長ダクトの内面に押し当てることで、前記移動体を前記延長ダクトに一時的に固定し、
    前記移動体を前記既設ダクトと反対方向へ移動させる段階で、前記突出部の突出を引き込め、前記延長ダクトと前記突出部が接触しない状態にすることで、前記延長ダクトに対する前記移動体の固定を解除し、
    前記移動体は、
    前記延長ダクトの内面と接触する部分に摩擦部を有し、
    前記摩擦部と前記延長ダクトの接触面に発生する摩擦によって、前記移動体から前記延長ダクトに移動動力を伝達し、
    前記摩擦部は、前記延長ダクトの内面に沿って周方向に延在し、
    前記突出部は前記支持体の周方向に沿って複数設けられ、
    前記摩擦部は、
    前記複数の突出部にそれぞれ取り付けられ、前記延長ダクトの周方向に延在する摩擦基材と、
    前記摩擦基材の端部を外側から覆い、隣り合う摩擦基材の間を繋ぐ連結管と、を有し、
    前記連結管は、前記摩擦基材の外面をスライド移動可能に連結され、
    前記突出部が突出する段階では、前記連結管が前記摩擦基材から離れる方向にスライド移動して、前記摩擦部の周方向の長さを長くし、
    前記突出部の突出が引き込む段階では、前記連結管が前記摩擦基材に近づく方向にスライド移動し、前記摩擦部の周方向の長さを短くする構成とされた請求項1記載のダクト延長設備。
  6. 前記ダクト延長設備は、
    前記既設ダクト内の内筒と前記支持体の連結部に、前記移動体の前記既設ダクト側への移動によって生じた前記延長ダクトの皺を保つための保持体をさらに有し、
    前記移動体を前記既設ダクトと反対方向へ移動させる段階で、前記延長ダクトの皺を前記保持体で保持しながら、前記移動体のみを前記既設ダクトと反対方向へ移動させる請求項1記載のダクト延長設備。
  7. 前記保持体は、
    少なくとも前記延長ダクトの上半分に設けられている請求項6記載のダクト延長設備。
  8. 前記保持体は、
    前記延長ダクトの内側に設けられ、前記延長ダクトの内面に向かって張り出す張出部と、
    前記延長ダクトの外側に設けられ、前記張出部の張り出しを受けとめる受部を有し、
    前記張出部を張り出して、前記延長ダクトの皺を前記受部に押え付けることで、前記延長ダクトの皺を保つ構成とした請求項6記載のダクト延長設備。
  9. 前記保持体は、
    前記延長ダクトの外側に設けられ、前記延長ダクトの外面に向かって張り出す張出部と、
    前記延長ダクトの内側に設けられ、前記張出部の張り出しを受けとめる受部を有し、
    前記張出部を張り出して、前記延長ダクトの皺を前記受部に押え付けることで、前記延長ダクトの皺を保つ構成とした請求項6記載のダクト延長設備。
  10. 前記ダクト延長設備は、
    前記既設ダクト内の内筒と前記支持体の連結部の下方に反力体を有し、
    前記延長ダクトの外側上方に配置された保持体の張出部が、前記延長ダクトの下方へ向かって張り出すことによって前記延長ダクト全体が下方へ沈むことを、前記反力体によって抑制する請求項7記載のダクト延長設備。
  11. 前記ダクト延長設備は、
    前記支持体の端部外方に、前記延長ダクトを前記支持体の周囲に案内する案内部を有する請求項1記載のダクト延長設備。
  12. 前記支持体は、前記既設ダクトの端部から外方へ連なる内筒体であり、
    前記移動体は、前記内筒体の外側に配置され、前記内筒体よりも軸方向の長さが短く、前記内筒体の上を軸方向に沿って移動する外筒体を有し、
    前記ダクト延長設備は、
    前記内筒体の外面の一端側から前記外筒体の外側を通って前記内筒体の外面の他端側へ延在する、前記延長ダクトの巻き込みを防止する帯状体を有する請求項1記載のダクト延長設備。
  13. トンネル坑内の既設ダクトに新たな延長ダクトを連結するダクト延長方法であって、
    前記既設ダクトの端部より外方に配置された支持体と、
    前記支持体によって支持され、前記支持体の両端部の間を往復移動し、前記延長ダクトの内面に一時的に固定可能とされた移動体を有するダクト延長設備を用いて、
    前記既設ダクトと反対の方向から前記支持体に前記延長ダクトを被せ、前記延長ダクトの内面に前記移動体を一時的に固定した状態で、前記移動体を前記既設ダクトへ向かって移動させ、固定部分よりも既設ダクト側の延長ダクトに皺ができるとともに、それ以外の部分の延長ダクトを前記移動体で引いて前記既設ダクトへ向かって移動させる、前記延長ダクトの引き寄せ工程と、
    前記延長ダクトの移動後に、前記移動体の固定を解いた状態で、前記延長ダクトを移動後の位置に保ちながら、前記移動体のみを前記既設ダクトと反対方向へ移動させる、前記移動体の戻し工程と、を有し、
    前記移動体の往復移動工程を繰り返すことにより、前記延長ダクトを前記既設ダクト側へ次第に引き寄せ、前記既設ダクトの端部と隣接する位置に収縮した延長ダクトの形成を図ることを特徴とするダクト延長方法。
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