JP6378286B2 - ハプティク・システム、アクチュエータ、および触覚フィードバックの生成方法 - Google Patents

ハプティク・システム、アクチュエータ、および触覚フィードバックの生成方法 Download PDF

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本発明は、電子機器に触覚フィードバックを提供するアクチュエータおよびハプティク・システムに関する。
タブレット端末、スマートフォンおよび携帯電話のような使用時や携帯時にユーザが筐体やタッチスクリーンに触れる携帯式電子機器は、人体に触覚フィードバック(ハプティク・フィードバック)を付与するアクチュエータ(ハプティク・アクチュエータ)を搭載することがある。ハプティク・アクチュエータは、システムが生成するイベントに応じて、タッチスクリーンや筐体のような振動体に振動を伝える。ユーザは振動体に接触した人体の部位で振動を知覚して操作に対するシステムの応答を認識する。ハプティク・アクチュエータは駆動源に電力を使用しており、振動の性質から衝撃型と振動型に大別することができる。
衝撃型は代表例として、形状記憶合金を利用するSIA(Shape Memory metal Impact Actuator)を挙げることできる。衝撃型は振動素子が振動体を打撃して一過性の振動を与える。振動型は代表例として偏心モータを利用するERM(Eccentric Rotating Mass)型アクチュエータ、磁界中のコイルに交流電流を流して可動子を振動させるリニア共振型アクチュエータ(LRA:Linear Resonant Actuator)およびピエゾ素子を利用した圧電アクチュエータなどを挙げることができる。
特許文献1は、巻き方を逆にした2つのコイルと、コイルを貫通する可動子に搭載された3つの永久磁石を含むリニア振動アクチュエータを開示する。特許文献2は、1つのコイルと、コイルを貫通する可動子に搭載された2つの永久磁石を含むリニア振動モータを開示する。特許文献3は、振動方向に平行に配置したコイルと振動方向に対して垂直な方向に磁極を配置した永久磁石で構成した振動アクチュエータを開示する。
国際公開第2016/084807号 国際公開第2016/017586号 特開2011−97747号公報
携帯式電子機器に搭載するハプティク・アクチュエータは、用途に応じて性質の異なる知覚をもたらすことができれば便利である。たとえば、ソフトウェア・キーボードの打鍵に対しては、連続打鍵に適応できるようにタッチスクリーンに短時間で終了する一過性の強い振動を与えることが適しており、メールの着信やWebサイトからのプッシュ通知を知らせたりする場合はユーザが気づくまでに必要な比較的長い時間筐体を振動させることが適している。
このとき筐体の内部に、衝撃型と振動型の2つのハプティク・アクチュエータを設けることは、スペースの確保やコストの面で不利である。したがって、1個のハプティク・アクチュエータが、電源を制御するだけで衝撃型と振動型の2つの動作モードで動作できれば都合がよい。一般にハプティク・アクチュエータには、少ない消費電力で大きな加振力を発生できるようにエネルギー効率が良好であることが求められる。また、サイズもできるだけ小さいことが望ましい。
たとえば、固定子としてのコイルと、永久磁石を備える可動子を含むタイプのリニア振動アクチュエータでは、永久磁石が放射する磁束によりコイルに流れる交流電流に力が発生して可動子が振動する。このとき磁極の近辺に存在するコイルは、磁極の位置によって変化する。従来のリニア振動アクチュエータは、いずれも可動子が一方の端から他方の端まで移動する間に、駆動電流が流れるコイルまたはコイル・ペアが切りかわることがない。このように可動子が一方の端から他方の端まで移動する間に同一のコイルまたは同一のコイル・ペアだけで駆動力を得る駆動方法をシングル・ステップ駆動ということにする。
図10は、リニア振動アクチュエータ10がシングル・ステップ駆動で動作する様子を説明するための模式的な図である。図10は、N極とS極の磁極で代表させて示した可動子15が、振動軸17の方向に隣接するように配置したコイル・ペア11、13の開口を左から右に移動するときの様子を断面で示している。コイル・ペア11、13はそれぞれ、代表的に3つの1ターンのコイル片を明示しているが、実際にはそれぞれ一巻きのコイルである。
可動子15が左端から右端まで移動する間は、コイル・ペア11、13に、図に示す方向の駆動電流が流れる。また可動子15が右端から左端まで移動する間は、コイル・ペア11、13に図とは反対方向の駆動電流が流れる。N極からS極に向かって流れる磁束の中に存在するコイル・ペア11、13のコイル片には、フレミングの左手の法則により矢印方向の力が付与される。コイル・ペア11、13を固定子にすれば、ニュートンの作用反作用の法則により可動子15には左から右に向かう力が付与される。
コイル・ペア11、13を構成するコイル片には、振動軸に垂直な成分の磁束で振動軸17に平行な方向の力が働くが、振動軸17に平行な成分の磁束により発生した振動軸に垂直な方向の力は各コイル片において打ち消し合う。また、コイル片に働く力の大きさは磁束密度に比例する。したがって、磁極の近辺に存在するコイル片には可動子15を振動させる大きな力がはたらき、磁極から離れた位置に存在するコイル片は振動に寄与しない。
可動子15が図10(A)の位置では、磁極の近辺に存在するコイル11の左側のコイル片と、コイル13の中央と右側のコイル片に矢印方向の力が働く。図10(B)、図10(C)と可動子15が右に移動するに従って、可動子の推進に有効な磁束に存在するコイル辺が変化し、図10(C)の位置ではコイル11だけが力を受けるため、可動子15に付与される力は低下する。
さらに可動子15が、図10(D)の位置まで移動するとN極が放射する磁束がコイル13の左側のコイル片に逆向きの力を与えて可動子15に対する右向きの力が急激に低下する。したがって、アクチュエータ10は、可動子15の右側のストロークを図10(D)より短いたとえば図10(C)の位置に設定する必要がある。また、図10(A)〜図10(C)において、コイル11、13を構成するコイル片には、駆動電流は流れていても可動子15に力を付与しないコイル片が存在している。
このように動作するシングル・ステップ駆動のアクチュエータの問題の1つとして、磁極の位置によって、可動子15の移動に寄与しないコイル片が存在することを挙げることができる。シングル・ステップ駆動では、可動子15の移動に寄与しないコイル片にも駆動電流が流れてジュール損が発生し発熱の原因になり、エネルギー効率の低下をもたらす。ジュール損は、コイル・ペア11、13に流す駆動電流を大きくしてアクチュエータ10の振動を強化する手法に限界をもたらす。
他の問題として、コイル11、13間の間隔に対して可動子15のストロークを大きくすると可動子に逆方向の力を付与するコイル片が存在するようになることを挙げることができる。それを避けるためにコイルの間隔を大きくするとアクチュエータ100の全体のサイズが大きくなり、可動子15のストロークを小さくすると可動子15を短時間で一定の速度まで上昇させるためにより大きな力が必要になり、結果的に振動強度が低下して良好なハプティクを得ることができなくなる。
本発明の目的はシングル・ステップ駆動のリニア振動アクチュエータよりも、エネルギー効率およびサイズの面で優れたハプティク・システムおよびハプティク・アクチュエータを実現することにある。さらに、そのようなハプティク・アクチュエータを利用して有用な触覚フィードバックを提供することにある。
本発明は電子機器の振動体に触覚フィードバックを付与するハプティク・システムを提供する。一の態様にかかるハプティク・システムは、磁極を備え振動軸に沿って振動する可動子と、振動軸の方向に相互にシフトするように配置した複数のコイルとを含むリニア振動アクチュエータを有する。さらに、複数のコイルに駆動電流を供給する駆動回路と、可動子が一方の端から他方の端に移動する間に駆動電流を流すコイルを順番に切り換えるように駆動回路を制御するコントローラとを有する。
他の態様にかかるハプティク・システムは、振動軸の方向に相互にシフトするように配置した複数のコイルと、磁極を含み駆動電流が流れる複数のコイルから付与された力でホーム・ポジションから衝突位置まで振動軸に沿って移動する可動子と、可動子が衝突位置に移動したときに振動体に衝突するハンマーとを含むリニア衝撃アクチュエータを有する。さらに、複数のコイルに駆動電流を供給する駆動回路と、可動子がホーム・ポジションから衝突位置まで移動する間に駆動電流を流すコイルを順番に切り換えるように駆動回路を制御するコントローラとを有する。
さらに本発明は、磁極を備えた可動子と第1のコイルと第2のコイルを含むリニア振動アクチュエータが電子機器の振動体に触覚フィードバックを付与する方法を提供する。一の態様にかかる方法は、第1のコイルに駆動電流を流して可動子を一方の端の方向に移動させ、第1のコイルより一方の端に近い位置に配置した第2のコイルに駆動電流を流して可動子をさらに一方の端の方向に移動させ、可動子が一方の端に到達する前に第1のコイルの駆動電流を停止する。
他の態様にかかる方法は、第1のコイルに駆動電流を流して可動子を一方の端の方向に移動させ、第1のコイルより一方の端に近い位置に配置した第2のコイルに駆動電流を流して可動子をさらに一方の端の方向に移動させ、可動子が一方の端に到達する前に第1のコイルの駆動電流を停止し、可動子が一方の端まで移動したことに応じてハンマーが振動体を打撃する。
本発明により、以下のいずれかまたは複数の効果を得ることができた。本発明によりエネルギー効率に優れたハプティク・アクチュエータを提供することができた。本発明により、強い加振力を備えるハプティク・アクチュエータを提供することができた。さらに本発明により小型のハプティク・アクチュエータを提供することができた。さらに本発明により消費電力の少ないハプティク・アクチュエータを提供することができた。さらに本発明により、性質の異なる知覚をもたらす触覚フィードバックを生成することが可能なハプティク・アクチュエータを提供することができた。さらに本発明により、そのようなハプティク・アクチュエータに適応する電子機器、ハプティク・システムおよび触覚フィードバックの付与方法を提供することができた。
電子機器の一例としてのスマートフォン50の平面図である。 アクチュエータ100の構造の一例を説明するための平面図および断面図である。 スマートフォン50に搭載したハプティク・システム300の構成の一例を説明するための機能ブロック図である。 ハプティク・システム300の動作を説明するための図である。 マルチ・ステップ駆動のアクチュエータの特徴をシングル・ステップ駆動のアクチュエータと比較して説明するための図である。 マルチ・ステップ駆動を採用したリニア衝撃アクチュエータ500の構成の一例を説明するための模式的な図である マルチ・ステップ駆動が可能なアクチュエータ600を説明するための模式的な断面図である。 マルチ・ステップ駆動が可能なアクチュエータ700を説明するための模式的な断面図である。 5段のマルチ・ステップ駆動が可能なアクチュエータ800を説明するための模式的な断面図である。 シングル・ステップ駆動のアクチュエータの動作を説明するための模式的な図である。
[用語]
本明細書において、アクチュエータは電子機器の振動体に触覚フィードバックを提供するハプティク・アクチュエータを意味する。振動体は、ハプティク・アクチュエータから振動または衝撃を受けて触覚フィードバックを提供する電子機器の表面に相当する。振動体は一例としてタッチスクリーンまたは電子機器の筐体が相当する。振動は、振動体に結合したアクチュエータが所定の時間同じ振幅で動作することにより発生する。衝撃は、アクチュエータのハンマーが1回または複数回、アクチュエータの筐体または電子機器の振動体に打撃を与えることにより発生する。振動と衝撃は、ユーザに異質な知覚をもたらす。
リニア振動アクチュエータは、コイルに流れる駆動電流と磁極が放射する磁束の相互作用により、変換機構を用いずに可動子に直接的に往復運動を与える機械的な構造をいう。リニア振動アクチュエータのなかで、バネの共振を積極的に利用して強い振動強度を得るタイプのハプティク・アクチュエータを、リニア共振アクチュエータという。リニア振動アクチュエータは、可動子を中立位置に戻す目的でバネを利用する場合もある。
リニア振動アクチュエータは、可動子が1つの振動軸上で往復運動をする。リニア振動アクチュエータは、一般的に機械的または電気的に構成する振動機構を対称構造にするが、本実施の形態では非対象構造にすることもできる。本実施の形態にかかるリニア振動アクチュエータは、振動モードおよび衝撃モードまたはいずれか一方の動作モードで動作させることができる。ここに振動モードは、可動子が定常状態の振動をする動作モードに相当する。衝撃モードは振動モードに比べて可動子の振幅を大きくして、可動子により運動するハンマーをアクチュエータの筐体または電子機器の振動体に衝突させる動作に相当する。
リニア衝撃アクチュエータは、コイルに流れる駆動電流と磁極が放射する磁束の相互作用により、変換機構を用いずに可動子を一方の方向に急激に移動させて、ハンマーをアクチュエータの筐体または電子機器の振動体に衝突させる機械的な構造をいう。ハンマーの衝突後はバネなどの復帰機構で可動子をホーム・ポジションに戻してから次の動作に備える。リニア振動アクチュエータは可動子が対称的な往復動作をするが、リニア衝撃アクチュエータは可動子が力の大きさの点で非対称な往復動作をするため、振動機構を非対称構造にすることができる。
[電子機器と振動体]
図1は、電子機器の一例としてのスマートフォン50に、本実施の形態にかかるハプティク・アクチュエータ(アクチュエータ)100を搭載した様子を示す平面図である。本明細書においては同一または同一とみなせる要素に同一の参照番号を付して説明を簡略化または省略する。筐体51の内部には、タッチスクリーン53または筐体51に触覚フィードバックを付与するアクチュエータ100を配置している。アクチュエータ100が貼り付けられるタッチスクリーン13または筐体51は、アクチュエータ100から受けた振動をユーザに伝える振動体を構成する。
[アクチュエータ100]
図2は、リニア振動アクチュエータに本発明を適用したアクチュエータ100の構造の一例を説明するための平面図および断面図である。ただし、図5を参照して説明するように本発明はリニア衝撃アクチュエータに適用することもできる。図2(A)は、上部筐体101bを取り除いた平面を示し、図2(B)は図2(A)の振動軸163を含む平面で切断した断面を示している。
アクチュエータ100は、可動子150の中心に定義した振動軸163の方向に細長い形状をしており、一例において異質なハプティクを提供する振動モードと衝撃モードのいずれでも動作することができる。ただし、アクチュエータ100は振動モードと衝撃モードのいずれか一方だけで動作するものでもよい。アクチュエータ100は、下部筐体101aと上部筐体101bの内部にコイル・ペア201a、201b、コイル・ペア203a、203bと可動子150を含む振動機構を収納している。
シャフト103a、103bは、それぞれ両端が固定部105a〜105dで下部筐体101aに固定されている。可動子150は、シャフト153a、153b、永久磁石で構成したN極の磁極155aとS極の磁極155b、および錘157a、157bを含んでいる。シャフト103a、103bは、可動子150が往復動作をできるように錘157a、157bの両端を貫通している。固定部105a〜105dと錘157a、157bの間には、圧縮コイル・バネ109a〜109dを設けている。
ヨーク111は、磁極155a、155bの間を流れる磁束の磁路を形成するようにコイル・ペア201a、201b、コイル・ペア203a、203bおよび磁極155a、155bの周囲を囲んでいる。ヨーク111は、下部筐体101aと上部筐体101bを利用して構成してもよい。ヨーク111の内側にはコイル・ペア201a、201b、およびコイル・ペア203a、203bを振動軸163の方向においてシフトした位置に配置している。さらにコイル203aは、コイル201aとコイル201bの間に配置している。
一例においてコイル201aとコイル201bの巻き線は振動軸163に対して相互に反対方向に巻いている。さらにコイル203aとコイル203bの巻き線も振動軸163に対して相互に反対方向に巻いている。そして、コイル201aとコイル201bを直列に接続し、コイル203aとコイル203bを直列に接続する。本実施の形態では、コイル201a、201b、203a、203bの巻き数は同じ値として振動機構を対称構造にしている。ただし衝撃モードだけで動作する場合は、コイル・ペア201a、201bの巻き数とコイル・ペア203a、203bの巻き数が異なるようにしてもよい。
コイル・ペア201a、201b、コイル・ペア203a、203b、およびヨーク111は、図示しない要素で下部筐体101aに固定されており固定子を構成する。可動子150に搭載された磁極155a、155bは、コイル・ペア201a、201b、およびコイル・ペア203a、203bの開口を移動する。磁極155a、155bの間を流れる磁束は駆動電流が流れるコイル・ペア201a、201b、コイル・ペア203a、203bに力を付与する。
コイルに働く力は振動軸163に垂直な方向の磁束密度に比例する。したがって、磁極155a、155bの近辺のコイル片に働く力は、離れた位置にあるコイル片に働く力より大きくなる。なお、アクチュエータ100は、可動子がコイルを含み、永久磁石を固定子として下部筐体101aに固定するように構成してもよい。この場合、コイルには非接触給電方式を採用して駆動電流を流すことができる。
駆動回路は、磁極155a、155bが一方の端から他方の端に移動するときに、可動子150の位置に応じて、駆動電流を流すコイル・ペアを切り換える。このような振動軸163の方向に複数のコイルまたはコイル・ペアを配置して、可動子が一方の端から他方の端に移動する間に駆動電流を流すコイルまたはコイル・ペアを切り換える駆動方法をマルチ・ステップ駆動ということにする。マルチ・ステップ駆動の具体的な方法と特徴については後に詳しく説明する。ここで例示した2つのコイル・ペアに対する巻き線の方向と、駆動電流の供給方法は簡単な駆動回路でマルチ・ステップ駆動を実現するための一例である。
シャフト153a、153bの先端には、ハンマー161a、161bを形成している。アクチュエータ100は衝撃モードで動作するときに、可動子150が大きなストロークで一方に移動して、ハンマー161a、161bの少なくとも一方が下部筐体101aから飛び出し振動体を打撃することができる。ハンマー161a、161bは、可動子150が移動する力を振動軸163に平行な方向から振動軸に垂直な方向に変換する変換機構を経由してシャフト153a、153bに結合してもよい。
アクチュエータ100は、振動モードで動作するときはシャフト153a、153bが、下部筐体101aから飛び出さないようにストロークを制限し、衝撃モードのときだけストロークを大きくすることができる。また、ハンマー161a、161bは、いずれか一方のシャフト153a、153bだけに形成して、打撃を一方の方向だけで実現するようにしてもよい。
一例においてアクチュエータ100は、圧縮コイル・バネ109a〜109dの共振周波数を可動子150の共振振動数に近づくようにバネ常数を設定して、リニア共振アクチュエータとすることができる。このとき圧縮コイル・バネ109a〜109dは、可動子150が中立位置から一方に移動するほど、可動子150の加速度を弱める働きをする。
したがって衝撃モードだけで動作させるときは、バネ常数を一方の端まで移動した可動子150を中立位置まで戻すために必要な弱い値にすることができる。柔らかいバネを利用することは、打撃力を強化する上で都合がよい。図2に示した振動機構におけるコイルの数、磁極の数、磁極の方向、およびコイルの向きなどは、本発明を説明するために例示したもので、図6、図7、図8でも説明するように本発明は他のさまざまな振動機構のリニア振動アクチュエータおよびリニア衝撃アクチュエータに適用することができる。
[触覚フィードバック・システム]
図3は、スマートフォン50に搭載したハプティク・システム300の構成の一例を説明するための機能ブロック図である。図3において、太線は電力ラインを示し細線は信号ラインを示している。直流電力源301は、リチウム・イオン電池、電池コントローラ、および充電器などで構成している。電圧レギュレータ303は、直流電力源301の出力電圧を所定の電圧に変換して駆動回路305、307に供給する。
システム309は、CPU、システム・メモリ、およびI/Oインターフェースなどの機能を組み込んだ半導体チップ(SoC)と、カメラ、スピーカ、タッチスクリーン11、および無線モジュールなどのI/Oデバイスを含むハードウェアと、OSやアプリケーション・プログラムなどのソフトウェアで構成している。駆動回路305は、直列に接続されたコイル・ペア201a、201bに所定の大きさの交流電圧を印加し、駆動回路305は、直接に接続されたコイル・ペア203a、203bに所定の大きさの交流電圧を印加する。
ハプティク・システム300は、コイル201a、201b、203a、コイル203bにそれぞれ対応する駆動回路を個別に設けてもよい。この場合、コイルごとに駆動電流の大きさおよび方向を制御して、エネルギー効率のよいコイルにだけ駆動電流を流すように制御することができる。タイミング回路355は、可動子150の位置を検出して駆動電流を流すコイルを切り換えるための切換信号を出力する。
タイミング回路355は、ホール素子、光電センサ、近接スイッチおよびリード・スイッチなどで構成することができる。コントローラ311は、システム309から受け取ったハプティク・コマンドおよびタイミング回路355から受け取った切換信号でコイル・ペア201a、201bおよびコイル・ペア203a、203bに流す駆動電流の方向および大きさを切り換えるように駆動回路305、307の動作を制御する。
切換信号は、1段目のコイル・ペアに駆動電流を流し続けるよりも2段目のコイル・ペアに切り換えた方が可動子105に大きな力を付与できるタイミングで生成する。あるいは切換信号は、1段目のコイル・ペアに駆動電流を流し続けるよりも2段目のコイル・ペアに切り換えた方がエネルギー効率がよいタイミングで生成する。コントローラ311は、可動子150が右方向に移動するときに駆動回路305が動作してからの経過時間、または可動子150が左方向に移動するときに駆動回路307が動作してからの経過時間を計時して切換信号を生成するようにしてもよい。切換信号の生成のタイミングに対応する可動子150の位置または経過時間は実験により求めることができる。
[アクチュエータ100の動作]
つぎに、スマートフォン50に搭載したハプティク・システム300の動作を説明する。駆動回路305、307が駆動電圧を出力しない状態では、可動子150が圧縮コイル・バネ109a〜109dの弾力で中立位置に位置付けられている。このときハンマー161a、161bは下部筐体101aの内側に存在する。システム309は、ユーザがタッチスクリーン53にタッチ操作をしたり、メールを受信したりしてハプティクフィードバックが必要な状態が発生したときに、振動モードまたは衝撃モードのハプティク・コマンドをコントローラ311に出力する。
振動モードのハプティク・コマンドを受け取ったときに、コントローラ311はシングル・ステップ駆動またはマルチ・ステップ駆動のいずれかで動作することができる。シングル・ステップ駆動の振動モードでは、コイル・ペア201a、201bまたはコイル・ペア203a、203bのいずれか一方のコイル・ペアに駆動電流を供給することができる。あるいは、可動子150を右端まで移動させるときにはコイル・ペア201a、201bに駆動電流を供給し、可動子150を左端まで移動させるときはコイル・ペア203a、203bに駆動電流を供給することができる。
シングル・ステップ駆動では、ハンマー161a、161bが下部筐体101aから飛び出さない範囲で可動子150が振動する。マルチ・ステップ駆動の振動モードでは、たとえば可動子150が中立位置に存在するときに、往路で前段のコイル・ペア201a、201bに駆動電流を流して可動子150を右方向に移動させる。コントローラ311は、可動子150が右端に到達する前にタイミング回路355から切換信号を受け取って後段のコイル・ペア203a、203bに駆動電流を供給する。
コントローラ311は、後段のコイル・ペア203a、203bと入れ替わるように前段のコイル・ペア201a、201bの駆動電流を停止してもよいし、後段のコイル・ペア203a、203bに駆動電流を流してから所定のタイミングで前段の駆動電流を停止するようにしてもよい。コントローラ311は、可動子150が右端に到達する所定のタイミングで、コイル・ペア203a、203bに駆動電流を流して可動子150を左方向に移動させ、切換信号を受け取ってコイル・ペア203a、203bからコイル・ペア201a、201bに切り換える。
復路では、コイル・ペア203a、203b、およびコイル・ペア201a、201bに流す駆動電流の方向が往路と逆向きになる。切換信号を経過時間から生成するときは、中立位置から動作するときの経過時間と一方の端から動作するときの経過時間は異なる。コントローラ311は、ハンマー161a、161bが下部筐体101aから飛び出さない範囲に抑制した駆動電流を流すように駆動回路305、307を制御する。
衝撃モードでは、常にマルチ・ステップ駆動で動作する。衝撃モードでは、可動子150が中立位置から一方の端への移動でハンマー161a、161bの一方が振動体に衝突してもよいし、中立位置から複数回の振動を繰り返してからハンマー161a、161bの一方が振動体に衝突するようにしてもよい。図4は、可動子150が中立位置から一方に移動することで振動体に衝突するときの様子を説明するための概念的な図である。
時刻t0では、可動子150が中立位置X0に存在する。ライン401a、403aは、可動子150が中立位置X0から右方向に移動するときに、位置に応じて可動子150に付与される力の大きさ、すなわち加速度を示している。中立位置X0で1段目のコイル・ペア201a、201bにライン401cの駆動電流を流すと可動子150の移動に伴ってライン401aの加速度が発生し、ライン401bに沿って可動子150の速度が上昇する。可動子150が右方向に移動するにしたがって、コイル・ペア201a、201bが付与する加速度は低下し速度の上昇率も低下する。
可動子150の位置がある位置を超えると、コイル・ペア201a、201bからコイル・ペア203a、203bに切り換えた方が大きな加速度を得ることができる。あるいは、コイル・ペア201a、201bからコイル・ペア203a、203bに切り換えた方が振動強度に対するエネルギー効率が良くなる。位置X1またはそれに対応する経過時間t1は、コイル・ペア201a、201bの駆動電流401cを停止して、コイル・ペア203a、203bに駆動電流403cを流すタイミングに相当する。
コイル・ペア203a、203bに駆動電流を流すと、可動子150の加速度はライン403bに沿って変化し、速度はライン403bに沿って変化する。位置X2またはそれに対応する経過時間t2は、ハンマー161bが下部筐体101aから飛び出して振動体を打撃する位置に相当する。コイル・ペア201a、201bからコイル・ペア203a、203bに切り換える際に、コイル・ペア203a、203bに経過時間t1より短い経過時間t3で駆動電流を流し、両方のコイル・ペアに同時に駆動電流を流す期間を設けて一層加速度を増加させることもできる。
[マルチ・ステップ駆動の特徴]
図5は、マルチ・ステップ駆動のアクチュエータの特徴をシングル・ステップ駆動のアクチュエータと比較して説明するための図である。図5(A)は、図10に示したシングル・ステップ駆動のアクチュエータ10に対応し、図5(B)、図5(C)は、他のシングル・ステップ駆動のアクチュエータ10a、10bを示している。図5(D)は図2に示したマルチ・ステップ駆動のアクチュエータ100に対応する。アクチュエータ10では可動子15が左端から右端に移動するまでコイル11、13に図示した方向の駆動電流が流れる。
アクチュエータ10、10a、10b、100においてコイルに流れる駆動電流はすべて等しいものとして比較する。アクチュエータ10aでは、コイル11a、11bの巻き数がそれぞれコイル11の半分で、コイル13a、13bの巻き数がそれぞれコイル13の半分である。アクチュエータ10aでは、コイル11a、11bにコイル11と同じ方向の駆動電流を流し、コイル13a、13bにコイル13と同じ方向の駆動電流を流す。したがって、アクチュエータ10とアクチュエータ10aは電気的および機械的な特性が等しいとして扱うことができる。
アクチュエータ10bは、アクチュエータ10aのコイル11a、13aだけを利用し、アクチュエータ10aと同じ方向の駆動電流を流す。アクチュエータ100は、最初にコイル・ペア201a、201bだけに駆動電流を流し、可動子150が右端に移動するまでの所定のタイミングでコイル・ペア201a、201bからコイル・ペア203a、203bに切り換える。
最初にアクチュエータ10に特性が一致するアクチュエータ10aと、アクチュエータ100を比較する。可動子15、150が左側に存在するときは、図示する方向の駆動電流で可動子15、150に対して右向きの力が付与される。可動子15、150が所定の位置より右側に移動すると、コイル13aは可動子15に左向きの力を付与する。しかし、同じ可動子150の位置でアクチュエータ100では、コイル201bに駆動電流が流れていないため、可動子150には左向きの力が発生しない。アクチュエータ10aにおいて可動子15を左方向へ移動させる力が発生する位置までは、アクチュエータ10aの方が可動子15を右に移動させる力が大きい。
しかし、コイル13aに可動子351を左方向へ移動させる力が発生する位置では、可動子がそれより右側に存在するときに、コイル201aの駆動電流が停止するアクチュエータ100の方が可動子150を右に移動させる力が大きい。可動子150は付与される力が大きいほど、また同じ力が付与されるときはストロークが大きいほど加速度が大きくなり振動強度が増加する。アクチュエータ100を衝撃モードで動作させるときは、右端近くで可動子150に大きな速度を必要とするため、アクチュエータ100が有利である。
さらに、アクチュエータ100は、アクチュエータ10aに比べてコイルのジュール損が半分になる。同じジュール損が発生する駆動電流を流すときは、アクチュエータ100の方が大きな力を得ることができる。アクチュエータ100は、可動子150が右側に移動したときに駆動電流が流れているコイル203bがコイル13aよりも、N極から離れているため可動子150に左方向の力を付与ない。したがって、コイル203aとコイル201bの間隔と可動子150のストロークを短くして小型化を図ることができる。あるいは、同じコイル間隔で可動子150のストロークを長くして衝撃モードにおいて可動子が衝突する時の速度を速くすることができる。
つぎに、アクチュエータ100とアクチュエータ10cを比較する。両者はコイルのジュール損は同じだが、可動子15、150に働く力はアクチュエータ100の方が大きい。言い換えると、アクチュエータ100はアクチュエータ10cに比べて同じ力を少ないジュール損で発生させることができる。以上のように、マルチ・ステップ駆動のアクチュエータ100は、シングル・ステップ駆動のアクチュエータ10a、10bに比べて、エネルギー効率およびサイズの点で有利である。
[リニア衝撃アクチュエータ]
図6は、マルチ・ステップ駆動を採用したリニア衝撃アクチュエータ500の構成の一例を説明するための模式的な図である。アクチュエータ500は、コイル・ペア501a、501bとコイル・ペア503a、503bを振動軸に沿って相互にシフトした位置に配置している。
アクチュエータ500は、ホーム・ポジションに位置する可動子550が左から右に移動したときに図2で例示したようなハンマーが振動体に衝突して衝撃を発生する。復帰機構551は、衝撃が発生したあとに可動子550を所定の時間内にホーム・ポジションに位置付ける。復帰機構551は、バネやマグネットを利用して構成することができる。復帰機構551は、コイル・ペア503a、503bに反対方向の駆動電流を流すことで実現することもできる。
前段のコイル・ペア501a、501bに対して後段のコイル・ペア503a、503bは電気装荷を大きくすることができる。電気装荷の増大は、コイル・ペア503a、503bの巻き数の増加および駆動電流の増加またはいずれか一方で実現してよい。ただし、コイル・ペア501a、501bとコイル・ペア503a、503bの電気装荷は等しくてもよい。
可動子550がホーム・ポジションに位置付けられているときに、前段のコイル・ペア501a、501bに駆動電流を流すと可動子550が右に移動する。切換信号が生成されたときに、駆動電流を前段のコイル・ペア501a、501bから後段のコイル・ペア503a、503bに切り換える。このとき、前段のコイル・ペア501a、501bと後段のコイル・ペア503a、503bに同時に駆動電流が流れる期間を設けてもよい。可動子550が右に移動するに従って復帰機構551による左向きの力が増加して、可動子550の加速度が低下するが、後段のコイル・ペア503a、503bの電気装荷が大きいため、加速度の低下を抑制してより大きな速度で衝突させることができる。
[マルチ・ステップ駆動が可能な他の構造のアクチュエータ]
マルチ・ステップ駆動は、さまざまな構造のリニア振動アクチュエータまたはリニア衝撃アクチュエータに適用できる。図7に示すアクチュエータ600は、可動子650が4つの磁極を含み、3つのコイル601〜605が振動軸の方向に一部重ねて巻かれている。アクチュエータ600をマルチ・ステップ駆動するときは、可動子650が中央部に存在するときはコイル603だけに駆動電流を流し、可動子650が右側に存在するときはコイル605だけに駆動電流を流し、可動子650が左側に存在するときはコイル601だけに駆動電流を流すように切り換える。
図8に示すアクチュエータ700は、可動子750が2つの永久磁石を反対の磁極を上下に対面するように配置し、コイル701、703を振動軸の方向にシフトさせて可動子750の上下に配置している。アクチュエータ700をマルチ・ステップ駆動するときは、可動子750が左側に存在するときはコイル701に駆動電流を流し、可動子750が右側に存在するときはコイル703に駆動電流を流すように切り換える。図9に示すアクチュエータ800は、振動軸の方向に5個のコイル・ペア801a、801b〜コイル・ペア809a、809bがシフトする位置に配置して可動子850が移動したときに有効な力を付与するコイル・ペアにだけ駆動電流を流すように構成している。
これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
50 スマートフォン
51 筐体
53 タッチスクリーン
100、500、600、700、800 ハプティク・アクチュエータ
15、150、550、650、750、850 可動子
155a、155b 磁極
161a、161b ハンマー
11、13、11a、11b、13a、13b、201a、201b、203a、203b コイル
300 ハプティク・システム

Claims (16)

  1. 電子機器の振動体に触覚フィードバックを提供するハプティク・システムであって、
    磁極を備え振動軸に沿って振動する可動子と、相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第1のコイル・ペアと、該第1のコイル・ペアに対して前記振動軸の方向にシフトする位置に配置し相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第2のコイル・ペアとを含むリニア振動アクチュエータと、
    前記コイル・ペアに駆動電流を供給する駆動回路と、
    前記可動子が一方の端から他方の端に移動する間に駆動電流を前記第1のコイル・ペアから前記第2のコイル・ペアに切り換えるように前記駆動回路を制御するコントローラと
    を有するハプティク・システム。
  2. 前記コントローラは、前記第1のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子を前記他方の端の方向に移動させ、所定のタイミングで前記第1のコイル・ペアの駆動電流を停止し、前記第2のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子をさらに前記他方の端の方向に移動させる請求項1に記載のハプティク・システム。
  3. 前記コントローラは、前記第1のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子を前記他方の端の方向に移動させ、第1の所定のタイミングで前記第2のコイル・ペアに駆動電流を流し、前記第1の所定のタイミングより遅い第2の所定のタイミングで前記第1のコイル・ペアの駆動電流を停止して前記可動子をさらに前記他方の端の方向に移動させる請求項1に記載のハプティク・システム。
  4. 前記コントローラは、前記所定のタイミングを前記可動子の位置を検出して生成する請求項2または請求項3に記載のハプティク・システム。
  5. 前記コントローラは、前記所定のタイミングを前記第1のコイル・ペアに駆動電流を流してからの経過時間から生成する請求項2または請求項3に記載のハプティク・システム。
  6. 前記コントローラは、システムから振動モードのコマンドを受け取ったときに前記第1のコイル・ペアまたは前記第2のコイル・ペアだけに駆動電流を流し、前記システムから衝撃モードのコマンドを受け取ったときに前記可動子が前記一方の端から前記他方の端に移動する間に駆動電流を前記第1のコイル・ペアから前記第2のコイル・ペアに切り換える請求項1に記載のハプティク・システム。
  7. 電子機器の振動体に触覚フィードバックを提供するハプティク・システムであって、
    相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第1のコイル・ペアと、該第1のコイル・ペアに対して振動軸の方向にシフトする位置に配置し相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第2のコイル・ペアと、磁極を備え駆動電流が流れる前記コイル・ペアから付与された力でホーム・ポジションから衝突位置まで前記振動軸に沿って移動する可動子と、該可動子が前記衝突位置に移動したときに前記振動体に衝突するハンマーとを含むリニア衝撃アクチュエータと、
    前記コイル・ペアに駆動電流を供給する駆動回路と、
    前記可動子が前記ホーム・ポジションから前記衝突位置まで移動する間に駆動電流を前記第1のコイル・ペアから前記第2のコイル・ペアに切り換えるように前記駆動回路を制御するコントローラと
    を有するハプティク・システム。
  8. 前記コントローラは、前記第1のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子を前記衝突位置の方向に移動させ、所定のタイミングで駆動電流を前記第1のコイル・ペアから前記第2のコイル・ペアに切り換えて前記可動子をさらに前記衝突位置の方向に移動させる請求項7に記載のハプティク・システム。
  9. 前記可動子を前記衝突位置から前記ホーム・ポジションに移動させる弾力を付与する復帰機構を有する請求項8に記載のハプティク・システム。
  10. 前記第2のコイル・ペアの巻き数が前記第1のコイル・ペアの巻き数より大きい請求項9に記載のハプティク・システム。
  11. 前記駆動回路は前記第1のコイル・ペアより前記第2のコイル・ペアに大きな駆動電流を流す請求項9に記載のハプティク・システム。
  12. 請求項1から請求項11に記載のハプティク・システムを搭載した電子機器。
  13. 電子機器の振動体に触覚フィードバックを提供するリニア振動アクチュエータであって、
    磁極を備え振動軸に沿って振動する可動子と、
    相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第1のコイル・ペアと、該第1のコイル・ペアに対して前記振動軸の方向にシフトする位置に配置し相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第2のコイル・ペアとを有し、
    前記可動子が一方の端から他方の端まで移動する間に駆動電流が流れる前記コイル・ペアが順番に切りかわるリニア振動アクチュエータ。
  14. 電子機器の振動体に触覚フィードバックを提供するリニア衝撃アクチュエータであって、
    磁極を備え振動軸に沿ってホーム・ポジションから衝突位置まで移動する可動子と、
    相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第1のコイル・ペアと、該第1のコイル・ペアに対して前記振動軸の方向にシフトする位置に配置し相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第2のコイル・ペアと、
    前記衝突位置まで移動した前記可動子を前記ホーム・ポジションに戻す復帰機構とを有し、
    前記可動子が前記衝突位置まで移動する間に駆動電流が流れる前記コイル・ペアが順番に切りかわるリニア衝撃アクチュエータ。
  15. 磁極を備えた可動子と相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第1のコイル・ペア相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第2のコイル・ペアを含むリニア振動アクチュエータが電子機器の振動体に触覚フィードバックを提供する方法であって、
    前記第1のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子を一方の端の方向に移動させるステップと、
    前記第2のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子をさらに前記一方の端の方向に移動させるステップと、
    前記可動子が前記一方の端に到達する前に前記第1のコイル・ペアの駆動電流を停止するステップと
    を有する方法。
  16. 磁極を備えた可動子と相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第1のコイル・ペア相互に反対方向に巻いたコイルで構成した第2のコイル・ペアを含むリニア衝撃アクチュエータが電子機器の振動体に触覚フィードバックを提供する方法であって、
    前記第1のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子を一方の端の方向に移動させるステップと、
    前記第2のコイル・ペアに駆動電流を流して前記可動子をさらに前記一方の端の方向に移動させるステップと、
    前記可動子が前記一方の端に到達する前に前記第1のコイル・ペアの駆動電流を停止するステップと、
    前記可動子が前記一方の端まで移動したことに応じてハンマーが前記振動体を打撃するステップと
    を有する方法。
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