JP6377517B2 - 単語提示装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、幼児がいつどのような順番で語彙を発達させていくかについての各個人が持つイメージ(像)を測定する際の、各個人に単語を提示する技術及び各個人の入力に基づいて計算する技術に関するものである。
幼児の語彙発達に関する基礎研究は、学習機序とその発達の解明を目指して、発達心理学、心理言語学及び認知科学の分野で主に行われてきており、実験的手法や自然観察法などによる複数のアプローチにより多くの科学的知見が生み出されてきた(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、幼児の語彙発達研究は、個人差が非常に大きいため、少サンプルのデータだけでは全体的傾向を把握しにくい。また、発達的推移を検討するには,各時間的ポイントでのデータ取得がどうしても必要になってくる。したがって、語彙発達の全体像を把握するには相当数のデータが必要になり、そのような理由から語彙発達に関する基準的なデータというものを示すことが難しかったと考えられる。
こうした状況の中、我々は、母親に語彙チェックリストを回答してもらう形式で大規模なデータ収集を行い、その解析結果から「幼児語彙発達データベース」の開発を行ってきた(例えば、非特許文献2参照。)。このデータベースには、0-2歳までの約1700名分のデータが収録されており、その統計解析により約450語について理解と発話の側面から獲得モデルの推定を行っている。これを用いると、各語について、いつ、どの程度のお子さんがその語を理解できるか、発話できるかを推定できる。例えば、「わんわん(犬)」は、16ヶ月時に50%のお子さんが発話できる語であると推定できる。こうした大規模データベース解析により、現在、語彙発達の正確な把握とそれに基づく基礎研究が進展し、今後はそれを用いた応用研究や現場での利用が本格化することが予想される。
小林哲生, 永田昌明,「日本語学習児の初期語彙発達」, 情報処理, 53(3), 2012, pp.229-235. 南泰浩, 小林哲生,「幼児の発達に応じた語彙検索システム」, 電子情報通信学会和文誌D, Vol.J96-D, No.10, 2013, pp.2612-2624.
言語聴覚士は、音声言語の機能障害がある者に言語訓練や検査などを実施し、助言や指導を行う、リハビリテーション専門職の1つである。主に担当とするのは、成人を対象とした失語症などのリハビリテーションや、言語発達に遅れのある幼児の言語訓練及び検査などである。幼児の場合、言語の遅れを主訴として来院した幼児の症状を一連の検査で把握し、言語訓練を実施する。いわば、幼児の言語発達を支援するスペシャリストである。
言語聴覚士は、その養成課程で高度な専門教育を受け、言語発達の遅れの原因や機序に関する様々な科学的知見や訓練法、検査法などの知識やスキルを身につけている。ただし、専門教育の中で、初語や二語文の開始時期などの語彙発達に関する一般的プロフィールは当然学習するが、言語発達分野での基礎研究不足の結果、語彙発達のより詳細で具体的な知識などは、身につける機会が少ないと言われている。例えば、「わんわん」「お母さん」という語が、いつ頃どの程度の幼児に獲得されるかといった具体的数値を学ぶ機会はほとんどない。また、言語聴覚士向けのテキストにもそういった記述が少ないことも事実である。さらに、言語の遅れを主訴とする幼児と多く触れ合うことから、定型発達の幼児が一般にどんな語をいつごろ獲得していくかを把握する機会も少ないと考えられる。特に言語訓練場面などの実際の現場では、語ごとの具体的な個別知識や発達的推移が重要となる場合も十分考えられ、言語聴覚士が幼児のより詳細な言語発達像を把握できる機会が増えれば、日々の言語訓練などに効果的に応用できる可能性がある。
しかし、実際には、言語聴覚士は、幼児の語彙発達の傾向を知る機会や、自分が持つ語彙発達像を測定する方法がなかったために、これまで課題を解決する手段がほとんど見つからない状態であったと言える。
この発明の目的は、幼児の言語発達像の測定に用いることができる単語提示装置、方法及びプログラムを提供することである。
この発明の一態様による単語提示装置によれば、Xを0≦X≦100の所定の数または区間とし、Yを0≦Y≦100のXとは異なる所定の数または区間として、各単語と幼児のX%が上記各単語を獲得するX%獲得月齢と幼児のY%が上記各単語を獲得するY%獲得月齢とが記憶されている記憶部と、記憶部には各職種にはX%獲得月齢又はY%獲得月齢が対応付けられて記憶されており、入力された職種に対応するX%獲得月齢又はY%獲得月齢に基づいて、上記記憶部に記憶されている単語の中から、獲得月齢がばらけるように単語を選択する単語選択部と、を備えており、X%獲得月齢とY%獲得月齢を求める際の実験の被験者である幼児の集合は、語の獲得時期の幼児の集合であり、X%獲得月齢は言語発達が穏やかな幼児に適応される指標であり、Y%獲得月齢はそれ以外の幼児に適応される指標であり、上記職種は、多くの子どもを観察可能な立場にある職業であり、X%獲得月齢が対応付けされる職種において共に過ごす幼児の言語発達は、Y%獲得月齢が対応付けされる職種において共に過ごす幼児の言語発達よりも緩やかであるとして、X>Yであり、記憶部には獲得月齢または獲得月齢期間が近い単語が同じグループになるように、かつ、各グループに1以上の単語が含まれるように、かつ、各グループにグルーピングされる単語数が略同一になるように単語が複数個のグループにグルーピングされて記憶されており、上記単語選択部は、各グループから単語を選択することで、単語を選択する。
幼児の言語発達像の測定に用いることができる単語提示装置、計算装置、これらの方法及びプログラムを実現することができる。
単語提示装置及び計算装置の例を説明するためのブロック図。 単語提示方法及び計算方法の例を説明するための流れ図。 理解曲線及び発話曲線の例を示す図。 理解曲線及び発話曲線の例を示す図。 理解曲線及び発話曲線の例を示す図。 理解曲線及び発話曲線の例を示す図。 理解曲線及び発話曲線の例を示す図。 理解曲線及び発話曲線の例を示す図。 グループ分けの例を説明するための図。 単語の表示例を説明するための図。 単語の表示例を説明するための図。 実験例を説明するための図。 実験例を説明するための図。 実験例を説明するための図。 実験例を説明するための図。 実験例を説明するための図。
以下、図面を参照してこの発明の一実施形態について説明する。
単語提示装置は、図1に示すように、記憶部1、単語選択部2及び単語表示部3を例えば備えている。計算装置5は、統計解析部5を例えば備えている。単語提示装置が、表示部4及び統計解析部の少なくとも一方を備えていてもよい。また、計算装置が、記憶部1及び表示部4の少なくとも一方を備えていてもよい。単語提示装置及び計算装置を用いた語彙発達像の測定装置は、例えば単語提示装置及び計算装置から構成される。
単語提示方法は、単語提示装置が図2や後に例示するステップS1及びステップS2の処理を実行することにより実現される。計算方法は、計算装置が図2や後に例示するステップS3の処理を実行することにより実現される。ステップS1及びステップS2がテスト生成側の処理であり、ステップS3がテスト実施・分析側の処理である。
[記憶部1]
記憶部1の幼児語彙獲得DBには、各単語と、幼児のX%が各単語を獲得するX%獲得月齢と、幼児のY%が各単語を獲得するY%獲得月齢とが記憶されている。言い換えれば、記憶部1には、単語と、幼児のX%がその単語を獲得するX%獲得月齢と、幼児のY%がその単語を獲得するY%獲得月齢との組が複数記憶されている。Xは0≦X≦100の所定の数または区間であり、Yは0≦Y≦100のXとは異なる所定の数または区間である。
この例では、X%獲得月齢及びY%獲得月齢の2種類の獲得月齢が記憶部1に記憶されているが、3種類以上の獲得月齢が記憶部1に記憶されていてもよい。このように、記憶部1に記憶されている獲得月齢を複数とすることで、平均的に獲得される語を選ぶ場合は50%獲得月齢を用い、ほとんどの幼児が獲得している語を選ぶ場合は80%〜90%獲得月齢を用いる等、選び出した語の使い方によって違う語を選ぶことができる。
一方、記憶部1の幼児語彙獲得DBには、Y%獲得月齢は記憶されていなくてもよい。すなわち、記憶部1には、各単語と、幼児のX%が各単語を獲得するX%獲得月齢とが記憶されていてもよい。
また、記憶部1の幼児語彙獲得DBには、各単語の種類と、各単語の獲得の気づき易さを表す指標と、各単語の発話曲線の飽和値と、各単語の理解曲線の飽和値と、各単語の発話曲線の傾きとの少なくとも1個が必要に応じて更に記憶されていてもよい。
ここで、単語の種類とは、「名詞」「動詞」「形容詞」等の一般的な品詞ではなく、子供の発達に特化した分け方をした単語の種類を意味する。例えば、単語の種類は、具体的な一般名詞(例えば、動物、食べ物、体)、抽象的な一般名詞、動作を表す述語、形容詞である述語、日課挨拶等の定型表現、数詞色名の少なくとも1個であるとする。
各単語の獲得の気づき易さを表す指標は、例えば、5段階評価で記憶部1に記憶されている。例えば、多くの親が幼児がその単語を覚えたと気づき易い単語は5、気づきにくい単語は1とする。幼児語彙獲得DB作成時の単語ごとの回答数を正規化し、量子化した値が記憶部1に記憶されていてもよい。なお、ウェブユーザからの投稿数に基づいて、各単語の獲得の気づき易さを表す指標を求めてもよい。この場合、投稿数が多い単語を気づき易い単語として5、投稿数が少ない単語を気づきにくい単語として1とするなどが考えられる。
各単語の発話曲線の飽和値と、各単語の理解曲線の飽和値と、各単語の発話曲線の傾きは、ロジスティック関数の係数として求まるものであり、ロジスティック関数についての情報、すなわち理解曲線についての情報及び発話曲線についての情報として記憶部1に記憶されていてもよい。
ロジスティック関数で描かれる理解曲線及び発話曲線を図3から図8に例示する。
ある単語の理解曲線は、幼児の月齢に対しそのある単語を理解している幼児の割合を表す曲線である。理解曲線は、養育者が語彙チェックリスト調査で回答したものをもとに作成したものである。理解曲線は、調査時点で、幼児が該当語を(発話できなくても)理解できるかどうかを判断して答えられたものを月齢ごとに集計して、横軸に幼児の月齢、縦軸に該当語を理解できる幼児の割合をとり、△としてプロットし、それらをロジスティック関数で近似したものである。
ある単語の発話曲線は、幼児の月齢に対しそのある単語を発話できる幼児の割合を表す曲線である。発話曲線も、養育者が語彙チェックリスト調査で回答したものをもとに作成したものである。発話曲線は、調査時点で、幼児が該当語を発話できるかどうかを判断して答えられたものを月齢ごとに集計して、横軸に幼児の月齢、縦軸に該当語を発話できる幼児の割合をとり、○としてプロットし、それらをロジスティック関数で近似したものである。
発話曲線のロジスティック関数は月齢から獲得割合への写像であるため、Aを0≦A≦100の整数として、A%獲得月齢は、発話曲線のロジスティック関数を利用して求めることができる。
各単語の発話曲線の傾きについては、記憶部1に記憶させず、同じ単語の複数の○%獲得月齢(例えば、50%獲得月齢、80%〜90%獲得月齢の2つ)の差としてもよい。
以下、基準データとなる幼児語彙獲得DBの作成方法の例について説明する。
幼児語彙獲得DBを作成するために、日本語を母語とする生後9-38ヶ月齢の幼児を持つ母親に語彙チェックリストを渡しチェックしてもらう。語彙チェックリストは、幼児が理解もしくは発話できるようになる可能性の高い単語を並べたものを使用し、例えば、日本語版マッカーサ乳幼児言語発達質問紙の「語と身振り版」と「語と文法版」の2種類を用いることができる。前者は20.9ヶ月齢以下の幼児に対し実施し、各語に対し「わかる」「わかる,言える」の2種類の回答欄を設け、語の理解と発話に対応するデータを取得する。後者は21.0ヶ月齢以上の幼児に対し実施し、語を「言える」かどうかの判断を求め、語の発話のみのデータ取得を行う。取得データは、月齢に基づき1ヶ月単位で分割し、各月齢における各語の獲得割合を計算する。ただし、データ数が少ない月齢は、獲得割合のばらつきが大きくなるため、集計せずに欠損値としてもよい。次のステップでは、各月齢(x)における獲得割合(f(x))をロジスティック関数でモデル化する。
f(x)=((ae)(cx+b))/(1+e(cx+b)) …(1)
ロジスティック関数を利用した理由は、2値の累積正解確率のモデル化にロジスティック関数が利用されることが多いためである。しかし、通常のロジスティック関数と異なるのは、(1)の式にaという上限設定のパラメーターを導入した点である。これは、語によって獲得される上限の割合が1に達しない場合が多いためであった。例えば,「しーしー」(おしっこ)や「ぱくぱく」(食べる)といった育児語はどの家庭でも使用されるわけでない。そのため,獲得割合の上限が1に達しないことが予想される(しーしー: a=0.64,ぱくぱく: a=0.48)。図3から図8には、「しーしー」「わんわん」などの理解曲線及び発話曲線を示した。これを見ると、上限設定のパラメーターaを導入したことで、(1)式が理解曲線及び発話曲線によくフィットしていることがわかる。獲得割合の上限、あるいは、上限設定のパラメータaは、飽和値と言い換えることもできる。
[単語選択部2]
単語選択部2は、各職種にはX%獲得月齢又はY%獲得月齢が対応付けられているとして、入力された職種に対応するX%獲得月齢又はY%獲得月齢に基づいて、記憶部1に記憶されている単語の中から、獲得月齢がばらけるように単語を選択する(ステップS1)。単語選択部2は、必要に応じて記憶部1に記憶された情報を用いて単語の選択を行う。選択された単語についての情報は、単語表示部3に出力される。
職種は、ユーザにより図示していない入力部を介して単語選択部2に入力される。入力部としては、キーボード、マウス、タッチパネル等を用いることができる。
獲得月齢がばらけるように単語を選択するとは、対応する単語の獲得月齢に偏りがないように単語を選択するということである。換言すれば、複数の獲得月齢の単語を万遍なく選択するということである。
記憶部1に記憶されている幼児語彙獲得DBに含まれる単語は、獲得月齢期間に基づいて複数のグループにグルーピングすることができる。各グループには、1以上の単語が含まれている。
単語選択部2は、この各グループの中から、少なくとも1個の単語を選択してもよい。各グループから選択される単語の数は同数であってもよい。例えば、単語選択部2は、50%獲得月齢に基づいてグルーピングされたグループの中から、1,2歳児が獲得する特徴的な単語を、各グループから同じ個数ずつという選択条件で選択する。選択条件については後述する。
グループの分け方はとしては、全グループの期間を(i)均等とする方法、(ii)不均等とする方法、の2つがある。
まず、(i)均等とする方法について説明する。この方法では、図9のように、グルーピングは「A%獲得月齢」のA毎に行う。例えば、50%獲得月齢が24ヵ月の単語をグループα、25ヵ月の単語をグループβ、26ヵ月の単語をグループγとする。
つぎに、(ii)不均等とする方法について説明する。この方法では、子供の語彙発達のペースを考慮して、グループ分けをする。月齢が大きくなるにしたがって、単位期間あたりに獲得する語彙数が増える。「子供の語彙発達のペース」を考慮するとは、月齢が大きくなるにしたがって、グループ化する期間を細かくする。例えば、既定の個数のグループに、各グループにグルーピングされる単語数がほとんど同じになるようにグループ化をする。この場合、各グループから同数の単語を選択すれば、単語選択部2は、獲得月齢が大きいほど選択される単語の数が多くなるように単語を選択することができる。
単語選択部2は、以下に説明する選択条件(1)から(4)の少なくとも1個の選択条件を満たすように、記憶部1に記憶されている単語の中から単語を選択してもよい。
選択条件(1)は、記憶部1から読み込んだ発話曲線についての情報から求まる発話曲線の傾きが急な単語を選択するという選択条件である。言い換えれば、選択条件(1)は、ほとんどの幼児が特定の一時期に覚える単語を選択するという選択条件である。例えば、選択条件(1)は、発話曲線の傾きが所定の閾値よりも大きい単語を選択することにより実現される。
選択条件(2)は、記憶部1から読み込んだ理解曲線についての情報から求まる理解曲線の飽和値と記憶部1から読み込んだ発話曲線についての情報から求まる発話曲線の飽和値とが近い単語を選択するという選択条件である。言い換えれば、選択条件(2)は、ほとんどの幼児が発話し、理解もする単語を選択するという選択条件である。選択条件(2)に基づいて単語の選択が行われる場合には、記憶部1には各単語の理解曲線についての情報及び各単語の発話曲線についての情報が記憶されているとする。例えば、選択条件(2)は、理解曲線の飽和値と発話曲線の飽和値との差の大きさが所定の閾値よりも小さい単語を選択することにより実現される。
選択条件(3)は、単語の種類がばらけるように単語を選択するという選択条件である。選択条件(3)に基づいて単語の選択が行われる場合には、記憶部1には各単語の種類が記憶されているとする。単語の種類がばらけるように単語を選択するとは、対応する単語の種類に偏りがないように単語を選択するということである。換言すれば、複数の種類の単語を万遍なく選択するということである。
選択条件(4)は、各単語の獲得の気づき易さを表す指標に基づいて獲得したことに気づき易い単語を選択するという選択条件である。選択条件(4)に基づいて単語の選択が行われる場合には、記憶部1には各単語の獲得の気づき易さを表す指標が記憶されているとする。例えば、選択条件(4)は、獲得の気づき易さを表す指標が所定の閾値よりも大きい単語を選択することにより実現される。
選択条件は、言語聴覚士、保育士等の被験対象者であるユーザごとに設定してもよい。例えば、次のような設定が可能である。平均的に語彙を獲得していく子供を日常見ている保育士を対象にテストを行う場合は、50%獲得月齢に基づく期間でグルーピングされたグループからテスト用の単語を選択する。音声言語の機能障害がある者に言語訓練や検査を実施し、助言や指導を行う職業である言語聴覚士は、言語の遅れを主訴として来院した幼児を見ることが多いため、言語聴覚士を対象にテストを行う場合は、80-90%獲得月齢に基づく期間でグルーピングされたグループからテスト用の単語を選択する。
被験対象者は、多くの子供を観察可能な立場の人であれば、保育士や言語聴覚士に限るものではないし職業従事者に限るものでもない。同じ職業従事者の中で、モノリンガルで言語を獲得する言語の獲得速度が平均的な子供を見る幼稚園教諭と、バイリンガルで言語を獲得するなど一言語に限定してみると言語の獲得速度が緩やかな子供を見る幼稚園教諭とで、50%獲得月齢に基づく単語を選択するか80-90%獲得月齢に基づく単語を選択するかを分けて設定してもよい。
[単語表示部3]
単語表示部3は、単語選択部2により選択された単語を表示部4に表示させる(ステップS2)。表示部4は、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。
単語表示部3は、単語選択部2により選択された単語をランダマイズして表示してもよいし、単語選択部2により選択された単語を例えば以下のように複数パートに分けて表示することで、簡易版テスト(前半のみを表示)と、フルバージョンのテスト(前後半の全てを表示)とを実現してもよい。この場合、単語表示部2で単語を表示するための画面をフルバージョンで予め作っておき、表示の際にどの部分を使用するかを適宜設定してもよい。
例えば、単語表示部3は、以下に説明する表示方法(1)から(3)の何れか1個の表示方法に従って選択された単語を表示することにより、獲得月齢を容易に予測できる単語ほど先に表示させる場合を含むように単語選択部2により選択された単語を表示させてもよい。
表示方法(1)は、幼児が発話及び理解し易い単語ほど先に表示させる場合を含む表示方法である。例えば、単語選択部2で選択された単語を、「ほとんどの子供が発話し、理解もする単語」と「子供が必ず発話し、理解もするとは限らない単語」の2パートに分け、「ほとんどの子供が発話し、理解もする単語」を前半に、「子供が必ず発話し、理解もするとは限らない単語」を後半にくるように表示する。
「ほとんどの子供が発話し、理解もする単語」とは、発話曲線の飽和値と理解曲線の飽和値(上限値)がほぼ1である単語のことである。「子供が必ず発話し、理解もするとは限らない単語」とは、発話曲線と理解曲線の飽和値(上限値)が1ではない単語や、発話曲線の飽和値は1であっても理解曲線の飽和値が1でない単語のことである。
表示方法(2)は、幼児が発話し易い単語ほど先に表示させる場合を含む表示方法である。単語選択部2で選択された単語を、「子供が早い時期から発話する単語(例えば「80-90%獲得月齢が低い単語」)」と「子供が発話する時期が遅い単語(例えば「80-90%獲得月齢が高い単語」)」の2パートに分け、「子供が早い時期から発話する単語」を前半に、「子供が発話する時期が遅い単語」を後半に来るように表示する。
「子供が早い時期から発話する単語」「子供が発話する時期が遅い単語」は、単語の発話曲線の立ち上がりの時期に基づいて判断することができる。例えば、発話曲線の立ち上がり時期が所定の時期よりも早い単語を「子供が早い時期から発話する単語」と判断することができ、そうでない単語を「子供が発話する時期が遅い単語」と判断することができる。
表示方法(3)は、獲得したことに気づき易い単語ほど先に表示させる場合を含む表示方法である。例えば、各単語の獲得の気づき易さを表す指標が所定の値より大きいものを前半に、小さいものを後半にするなど、「気づき易い、目立ちやすい単語」を前半に、「気づきにくい、目立たない単語」を後半にくるように表示する。例えば、前述のように各単語の獲得の気づき易さを5段階評価で記憶部1に記憶している場合には、3を閾値として閾値より大きい評価が5と4のものを前半に、閾値3以下のものは後半にくるようにする。
上記の表示方法(1)から(3)では、前半の表示及び後半の表示の2パートの表示の例で説明したが、3パート以上の表示により獲得月齢を容易に予測できる単語ほど先に表示させる場合を含むように単語選択部2により選択された単語を表示させてもよい。
また、単語表示部3には、ユーザにより入力部を介してテスト時間が入力されてもよい。この場合、入力されたテスト時間に基づいて全ての単語ではなく一部の単語のみを表示してもよい。言い換えれば、入力されたテスト時間に基づいて表示する画面の数を可変にしてもよい。例えば、入力されたテスト時間が所定の時間よりも短い場合には前半の表示のみを行い、そうでない場合には前半の表示と後半の表示の両方を行う。
単語表示部3は、例えば図10及び図11に示すように、所定の個数(例えば10個)の単語をリスト化して表示部4に表示させる。
また、単語表示部3は、表示された各単語の獲得月齢の入力をユーザに促すための表示を表示部4にさせてもよい。図10の例では、単語表示部3は、各単語の獲得月齢をプルダウン式で選択できるように表示部4に表示させている。
さらに、単語表示部3は、図10に例示するように、単語と共に問題文を表示部4に表示させることにより、各単語の獲得月齢の入力をユーザに促してもよい。その際、問題文には獲得月齢の判断基準を記載してもよい。
具体的には、単語表示部3は、(1)平均的な幼児が獲得する月齢(50%獲得月齢)を答えることを求める問題文、又は、(2)業務で接することが多い幼児が獲得する月齢を答えることを求める問題文を表示させてもよい。業務で接することが多い幼児が獲得する月齢とは、例えば保育士であれば50%獲得月齢、言語聴覚士であれば80〜90%獲得月齢とする。
例えば、いろいろなお子さんをみているグループ(保育士,幼稚園教諭,保健士(自治体の検診など))を第一グループとし、言語発達が緩やかなお子さんを集中的にみているグループ(言語聴覚士,臨床発達心理士)を第二グループとする。
この場合、第一グループには、50%獲得月齢を予想して回答してもらうために、「以下に○○個の単語があります。これらの単語をこどもは平均的に何か月ごろ発話できるようになるかを予想して書いてください。その際に,50%のお子さんがその単語を発話できるようになる月齢を意識して予想してください。」という問題文を単語表示部3は単語と共に表示させる。
また、この場合、第二グループには、80%獲得月齢を予想して回答してもらうために、「以下に○○個の単語があります。これらの単語をこどもは平均的に何か月ごろ発話できるようになるかを予想して書いてください。その際に,業務で接しているお子さん(言語発達が緩やかなこどもを暗に示唆する)の50%がその単語を発話できるようになる月齢を意識して予想してください。」という問題文を単語表示部3は単語と共に表示させる。この例では、「50%がその単語を発話できるようになる月齢」、すなわち平均月齢を聞いているが、そもそも言語発達が緩やかな子どもたちのサンプルの中で聞くので、このような聞き方でも問題はない。
[統計解析部5]
統計解析部5は、(1)記憶部1から読み込んだ表示部4に表示された各単語のX%獲得月齢又はY%獲得月齢とユーザにより入力された各単語の予測月齢との差を表す指標、及び/又は、(2)記憶部1から読み込んだX%獲得月齢又はY%獲得月齢に基づく表示部4に表示された各単語の順位とユーザにより入力された各単語の予測月齢に基づく表示部4に表示された各単語の順位との相関を表す指標(以下、統計処理順位相関ともいう。)を求めて出力する(ステップS3)。出力結果は、表示部4に表示される。
また、統計解析部5は、記憶部1から読み込んだ表示部4に表示された各単語のX%獲得月齢又はY%獲得月齢とユーザにより入力された各単語の予測月齢との差を表す指標として、各単語に対応する差の平均値、中央値、標準偏差、各単語に対応する差の和である差分和、業務経験年数と差分和の関連をピアソン積率相関関数で分析した値等を計算して出力してもよい。
また、統計解析部5は、被験者であるユーザ全体の統計値として、ユーザにより入力された各単語の予測月齢の平均値や標準偏差等を計算して出力してもよい。
統計処理順位相関としてスピアマン順位相関係数を求める場合には、統計解析部5は、以下の(1)から(5)の処理を例えば行う。
(1)各単語を獲得月齢を基準に小さい方から順位をふる。
(2)ユーザが各単語ごとに与えた獲得月齢に基づいて各単語に順位をふる。
(3)各単語ごとにふられた順位の差Dを求める。
(4)表示された単語の総数(順位がふられた単語の総数)をNとする。
(5)ρ=1-((6ΣD2)/N3-N)を計算する。
ρは−1から1の間をとり、値が大きいほど順位が一致していることを意味する。ρ=1であれば順位が完全に一致することを意味する。ρ=0.8以上であれば非常に高い相関があり、ρ=0.6以上でもかなりいい成績と判断することができる。なお、各単語についてのユーザが入力した獲得月齢とその各単語についての記憶部1から読み込んだ獲得月齢とが離れていても、その各単語の順位さえあっていれば、ρの値が高くなり、言語発達像をある程度とらえているということになる。
なお、統計処理順位相関としてケンドール順位相関係数、ピアソン積率相関係数等の他の統計量を用いてもよい。ケンドール順位相関係数は、例えば以下の式により定義される。
τ=(4P/(n(n-1)))-1
nは表示された単語の総数(順位がふられた単語の総数)であり、Pは2つの単語の順位の組を考えたとき大小関係が一致する組の数である。τは-1≦τ≦1であり、順位が完全一致ならばτ=1となり、順位が完全不一致ならばτ=-1となり、順位が完全独立ならばτ=0となる。
統計解析部5は、ρやτ等の相関の値に応じてユーザが捉えている言語発達像の正確度を表す表示を表示部4にさせてもよい。
このように、統計解析部5は、例えば、(1)ユーザの持つ言語発達像との相違(思っている獲得月齢が幼児語彙獲得DBの基準値とどのくらい異なっているか)を差分和として求めて出力してもよいし、(2)獲得する単語の順番があっているかどうかを統計処理順位相関(例えば、スピアマン順位相関係数)として求めて出力してもよい。
[変形例等]
上記装置及び方法において説明した処理は、記載の順にしたがって時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
また、上記各装置における各種の処理機能をコンピュータによって実現してもよい。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶部に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶部に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実施形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、各装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に又は人手により実現することとしてもよい。
[実験例]
実験例として、医療現場で幼児への発達支援業務に従事する言語聴覚士らに、幼児が各語を平均どのくらいの月齢で獲得しそうかを単語提示装置及び計算装置を用いて推定してもらったものを報告する。
テストは、幼児語彙獲得DBの解析結果から対象となる語を、選択条件(1)から選択条件(4)にある方法などで選定し作成した。図12に、本テストで利用した24語の語彙リストを示した。被験者には、50%の幼児が各語を発話できる月齢時点を推定するよう指示した。調査協力者は17名だった。統計解析は、項目及び個人に注目し、平均値、中央値、標準偏差を求めた。個人については、24語に対して各個人の評定値と基準データの差分をとりその和を計算した。また、各個人の評定値と基準データ間をスピアマンの順位相関係数にて分析し、獲得語彙の順番の精度を検討した。
その結果、全体傾向としては、図13に示した通りである。17名の回答に対する各語の評定平均と標準偏差及び幼児語彙獲得DBから推定した語の獲得月齢などを示した。各語の評定平均における平均値は、27.75ヶ月(標準偏差5.57)であった。これは、各語の基準データの平均値23.06ヶ月(標準偏差3.93)よりも、4.69ヶ月(標準偏差3.52)ほど遅く見積もられていることを示している。図14には、各語の評定平均と基準データを比較したものを示した。これを見てもわかるように,全体的に各項目の評定がやや遅めに見積もられている。
各個人の分析について差分和の平均は7.83ヶ月(標準偏差4.21)で、範囲は3.5-18.3ヶ月であった。これは、本テスト項目において各個人の評定が基準データよりもやや遅めに推定されたことを示している。注目すべきはデータ範囲であり、評定に大きな個人差が存在することがわかる。そこで、その評定差がどんな要因で生じるのかを考えるため、業務経験年数との関連をピアソン積率相関係数の算出により検討した。つまり、業務経験年数とともに差分和が減少していくかどうかを調べた。その結果,ピアソン積率相関係数r=-0.19となり、有意な相関は見出せなかった。しかし、業務経験年数を1-7年(被験者数12名)、8-15年(被験者数5名)の2群に分けて分析すると、業務経験の少ない1-7年の群では、基準値との差分が大きく(図14の例では、基準値との差分の中央値9.0)、ばらつきも非常に大きかったのに対し、8年目以降の群では、基準値との差分がより小さく(中央値4.3),ばらつきも小さかった。また、これらの中央値の間にはマン・ホイットニーのU検定において5%水準で有意差があった。図15には、両群の中央値と四分位値を箱ひげ図で示した。
評定値と基準データ間を分析したスピアマンの順位相関係数では、全体平均がρ= 0.52(標準偏差 0.16)、範囲は0.23-0.85であり、高い相関を示すことがわかった。また、個人ごとに有意性検定を行った結果、17名中15名で有意な相関を示した。そのうち、1%水準で有意だったのが12名、5%水準で有意だったのは3名だった。図16には、各個人における24項目の評定値と基準データの関係を散布図に示した(2名分)。
以上、実験例の結果をまとめると、(1)言語聴覚士らが各語の獲得時期を全体としてやや遅めに見積もる傾向があること、(2)業務経験年数に応じてその推定が基準データに近くなること、(3)語の獲得順序の観点から見た場合、言語聴覚士の多くが基準データに近い順序で推定することなどがわかった。これらの結果は、言語聴覚士らが、基準データと非常に近い順序で幼児が語彙を発達させていくという知識を持っていること、そしてその知識が全体的に遅めにシフトしていることを示唆している。
言語提示装置及び計算装置を用いた幼児の言語発達像の測定装置及び方法は、幼児の言語発達像を簡易に測定できることから、専門家の教育場面や気づきを促す場面で幅広く利用できる。例えば、上記の実験例からわかってきたことであるが、言語聴覚士の多くは、語の獲得順序の点で基準データとより近い推定を行うが、語の獲得順序や獲得月齢の点で十分な推定ができていない人も少数ながら存在した。そのような場合には、言語提示装置及び計算装置を用いた幼児の言語発達像の測定装置及び方法で、幼児の言語発達像を顕在化し、その知識習得を促す試みは、スキル向上や育成の点からも有益である。言語聴覚士のほかには、保育士や保健士などの気づきを促す場面でも利用可能である。こうした知識を取得すれば、お子さんの発達レベルに応じた語りかけなどが容易になり、質の高い保育に貢献できる可能性がある。このように、幼児を扱う専門家の育成の場面では、今後、有益な装置となりうるチャンスが十分ある。

Claims (10)

  1. Xを0≦X≦100の所定の数または区間とし、Yを0≦Y≦100のXとは異なる所定の数または区間として、各単語と幼児のX%が上記各単語を獲得するX%獲得月齢と幼児のY%が上記各単語を獲得するY%獲得月齢とが記憶されている記憶部と、
    記憶部には各職種にはX%獲得月齢又はY%獲得月齢が対応付けられて記憶されており、入力された職種に対応するX%獲得月齢又はY%獲得月齢に基づいて、上記記憶部に記憶されている単語の中から、獲得月齢がばらけるように単語を選択する単語選択部と、を含み、
    X%獲得月齢とY%獲得月齢を求める際の実験の被験者である幼児の集合は、語の獲得時期の幼児の集合であり、X%獲得月齢は言語発達が穏やかな幼児に適応される指標であり、Y%獲得月齢はそれ以外の幼児に適応される指標であり、上記職種は、多くの子どもを観察可能な立場にある職業であり、X%獲得月齢が対応付けされる職種において共に過ごす幼児の言語発達は、Y%獲得月齢が対応付けされる職種において共に過ごす幼児の言語発達よりも緩やかであるとして、X>Yであり、
    記憶部には獲得月齢または獲得月齢期間が近い単語が同じグループになるように、かつ、各グループに1以上の単語が含まれるように、かつ、各グループにグルーピングされる単語数が略同一になるように単語が複数個のグループにグルーピングされて記憶されており、上記単語選択部は、各グループから単語を選択することで、単語を選択する、
    単語提示装置。
  2. 請求項1の単語提示装置において、
    ある単語の理解曲線を幼児の月齢に対しそのある単語を理解している幼児の割合を表す曲線とし、ある単語の発話曲線を幼児の月齢に対しそのある単語を発話できる幼児の割合を表す曲線として、
    上記記憶部には上記各単語の発話曲線についての情報、上記各単語の理解曲線についての情報、上記各単語の種類及び上記各単語の獲得の気づき易さを表す指標が更に記憶されており、選択条件(1)を上記記憶部から読み込んだ発話曲線についての情報から求まる発話曲線の傾きが急な単語を選択するという選択条件とし、選択条件(2)を上記記憶部から読み込んだ理解曲線についての情報から求まる理解曲線の飽和値と上記記憶部から読み込んだ発話曲線についての情報から求まる発話曲線の飽和値とが近い単語を選択するという選択条件とし、選択条件(3)を種類がばらけるように単語を選択するという選択条件とし、選択条件(4)を上記各単語の獲得の気づき易さを表す指標に基づいて獲得したことに気づき易い単語を選択するという選択条件として、
    上記単語選択部は、上記選択条件(2)を少なくとも含む1個以上の選択条件を満たすように、上記記憶部に記憶されている単語の中から単語を選択する、
    単語提示装置。
  3. 請求項1の単語提示装置において、
    ある単語の理解曲線を幼児の月齢に対しそのある単語を理解している幼児の割合を表す曲線とし、ある単語の発話曲線を幼児の月齢に対しそのある単語を発話できる幼児の割合を表す曲線として、
    上記記憶部には上記各単語の発話曲線についての情報、上記各単語の理解曲線についての情報、上記各単語の種類及び上記各単語の獲得の気づき易さを表す指標が更に記憶されており、選択条件(1)を上記記憶部から読み込んだ発話曲線についての情報から求まる発話曲線の傾きが急な単語を選択するという選択条件とし、選択条件(2)を上記記憶部から読み込んだ理解曲線についての情報から求まる理解曲線の飽和値と上記記憶部から読み込んだ発話曲線についての情報から求まる発話曲線の飽和値とが近い単語を選択するという選択条件とし、選択条件(3)を種類がばらけるように単語を選択するという選択条件とし、選択条件(4)を上記各単語の獲得の気づき易さを表す指標に基づいて獲得したことに気づき易い単語を選択するという選択条件として、
    上記単語選択部は、上記選択条件(4)を少なくとも含む1個以上の選択条件を満たすように、上記記憶部に記憶されている単語の中から単語を選択する、
    単語提示装置。
  4. 請求項2又は3の単語提示装置において、
    上記各単語の種類は、具体的な一般名詞、抽象的な一般名詞、動作を表す述語、形容詞である述語、日課挨拶等の定型表現、数詞、色名の少なくとも1個である、
    単語提示装置。
  5. 請求項1から4の何れかの単語提示装置において、
    上記選択された単語を表示させる単語表示部を更に含み、
    上記単語表示部は、獲得月齢を容易に予測できる単語ほど先に表示させる場合を含むように上記選択された単語を表示させる、
    単語提示装置。
  6. 請求項5の単語提示装置において
    示方法(1)を、幼児が発話及び理解し易い単語ほど先に表示させる場合を含む表示方法とし、
    表示方法(2)を、幼児が発話し易い単語ほど先に表示させる場合を含む表示方法とし、
    表示方法(3)を、獲得したことに気づき易い単語ほど先に表示させる場合を含む表示方法とし、
    上記単語表示部は、上表示方法(1)から(3)の何れか1個の表示方法に従って上記選択された単語を表示する、
    単語提示装置。
  7. 請求項1からの何れかの単語提示装置において、
    上記選択された単語を表示させる単語表示部を更に含み、
    上記単語表示部は、入力された職種が、X%獲得月齢が対応付けされる職種である場合にはX%獲得月齢を答えることを求める問題文を、Y%獲得月齢が対応付けされる職種である場合にはY%獲得月齢を答えることを求める問題文を表示させる、
    単語提示装置。
  8. 請求項5又は6の単語提示装置において
    記単語表示部は、入力された職種が、X%獲得月齢が対応付けされる職種である場合にはX%獲得月齢を答えることを求める問題文を、Y%獲得月齢が対応付けされる職種である場合にはY%獲得月齢を答えることを求める問題文を表示させる、
    単語提示装置。
  9. 単語提示装置に含まれる記憶部には、Xを0≦X≦100の所定の数または区間とし、Yを0≦Y≦100のXとは異なる所定の数または区間として、各単語と幼児のX%が上記各単語を獲得するX%獲得月齢と幼児のY%が上記各単語を獲得するY%獲得月齢とが記憶されておりまた、各職種にX%獲得月齢又はY%獲得月齢が対応付けられて記憶されており、
    上記単語提示装置に含まれる単語選択部が、入力された職種に対応するX%獲得月齢又はY%獲得月齢に基づいて、上記記憶部に記憶されている単語の中から、獲得月齢がばらけるように単語を選択する単語選択ステップを含み、
    X%獲得月齢とY%獲得月齢を求める際の実験の被験者である幼児の集合は、語の獲得時期の幼児の集合であり、X%獲得月齢は言語発達が穏やかな幼児に適応される指標であり、Y%獲得月齢はそれ以外の幼児に適応される指標であり、上記職種は、多くの子どもを観察可能な立場にある職業であり、X%獲得月齢が対応付けされる職種において共に過ごす幼児の言語発達は、Y%獲得月齢が対応付けされる職種において共に過ごす幼児の言語発達よりも緩やかであるとして、X>Yであり、記憶部には獲得月齢または獲得月齢期間が近い単語が同じグループになるように、かつ、各グループに1以上の単語が含まれるように、かつ、各グループにグルーピングされる単語数が略同一になるように単語が複数個のグループにグルーピングされて記憶されており、上記単語選択ステップは、各グループから単語を選択することで、単語を選択する、
    単語提示方法。
  10. 請求項1からの何れかの単語提示装置の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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