ユーザは、ブラウザにURLを入力することで、入力したURLに対応するWEBページを閲覧することができる。URLは、ネットワーク上でWEBページファイルを特定するための記号列であり、WEBページファイルが記憶されているサーバ装置のサーバ装置名、ドメイン名、フォルダ名及びWEBページファイルのファイル名称等に応じて自動的に決まる。本実施形態に係るサーバ装置は複数のWEBページファイルを記憶し、そのWEBページファイルを更新するたびに、更新されたWEBページのURLも更新することを一つの特徴としている。このWEBページファイルは、検索エンジンにより検索されないように、例えばWEBページファイルには検索エンジンの検索結果に登録しないことを宣言するタグが記述されている。また、WEBページファイルには外部のWEBサイトのリンクが設定されていない。これにより、本実施形態に係るサーバ装置に記憶されている特定のWEBページファイルは、検索エンジンで検索されないため、特定のWEBページは、そのURLを通知された人しか閲覧することができない。万が一、特定のWEBページのURLが漏洩した場合であっても、特定のWEBページが更新されてしまえば、URLも更新されてしまうため、漏洩したURLで更新前後の特定のWEBページを閲覧できなくなってしまう。これにより、インターネット上に保存されているWEBページファイルが不特定多数の人に閲覧されるのを防ぎ、万が一URLが漏洩した場合であっても、その被害を限定的にすることができる。本実施形態に係るサーバ装置は、特にWEBページが頻繁に更新されるサービスを提供するシステムに使用されたとき、その効果が高い。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るサーバ装置を備える報告通知システムについて説明する。図1は、本実施形態に係るサーバ装置を含む報告通知システムの一例を示す構成図である。本実施形態に係るサーバ装置は、複数の報告案件にそれぞれ対応する複数のWEBページファイルを記憶する。報告案件とは、報告発信者が報告受信者に対して定期的に報告する契約等がなされている事案であり、WEBページは報告発信者により入力された報告内容を報告受信者が閲覧するための専用のページである。例えば、病院に入院する患者Aの経過観察が報告案件であれば、報告発信者は患者Aを担当する看護師であり、報告受信者は患者Aの親族である。報告発信者である看護師は、例えばタブレット端末を使って、メールソフト上又は専用の投稿画面上で患者Aの経過観察状況に関するWEBページ更新情報(テキスト、画像等のファイル)を入力し、サーバ装置に送信する。サーバ装置は、WEBページ更新情報に従って、患者Aの報告案件に対応するWEBページファイルを更新するとともに、更新されたWEBページファイルのURLも更新し、更新されたURL情報を報告受信者である親族宛に送信する。
本実施形態に係るサーバ装置は、ネットワーク、典型的にはインターネットINTを介して報告発信者端末300と報告受信者端末400とに接続される。本実施形態に係るサーバ装置は、複数の報告案件にそれぞれ対応する複数のWEBページファイルのデータを蓄積するデータ蓄積機能と、報告発信者端末から特定の報告案件に関するWEBページファイル更新情報を受信する受信機能と、WEBページファイル更新情報に従って、特定の報告案件に対応するWEBページファイルを更新するWEBページ更新機能と、更新されたWEBページファイルに対して新たなファイル名を発行するファイル名発行機能と、発行されたファイル名に従って、更新されたWEBページのURLを更新するURL更新機能と、更新されたURL情報が本文に記載された報告メールを作成するメール作成機能と、更新されたURL情報を、報告受信者端末400に送信する更新URL送信機能とを有する。
これらの機能は、互いに物理的に分離している複数のサーバ装置に分散されて実装されていてもよいし、単一のサーバ装置に実装されていてもよい。また、一部の機能を外部装置に持たせ、本実施形態に係るサーバ装置が、一部の機能を備える外部装置を制御するように構成することもできる。本実施形態では、説明の便宜上、これらのサーバ機能はWEBサーバ装置100とメールサーバ装置200とに分散して実装されるものとして説明する。WEBサーバ装置100は、データ蓄積機能と受信機能とWEBページ更新機能とファイル名発行機能とURL更新機能とを備える。メールサーバ装置200はメール作成機能とメール送信機能とを備える。
報告発信者端末及び報告受信者端末は、スマートフォン、PHS、PDA、タブレット端末などの基地局を経由してインターネットINTに接続される情報機器である。本実施形態では、報告発信者端末はタブレット端末300、報告受信者端末はスマートフォン400(400−1,400−2、・・・、400−n)である。
図2には本実施形態に係る報告通知システムの報告通知処理の手順を示している。図3、図4、図5、図6にタブレット端末300に表示されるログイン画面、案件一覧画面、案件専用の投稿画面、投稿受付画面の一例をそれぞれ示している。図7、図8にスマートフォン400に表示されるメール受信画面、案件専用のWEBページの一例をそれぞれ示している。図9、図10、図11にスマートフォン400に表示されるメール受信画面、最新のURLをタップしたときに表示される案件専用のWEBページ、過去に発行されたURLをタップしたときに表示される警告画面の一例をそれぞれ示している。図12、図13、図14は、WEBサーバ装置100に記憶されているログイン管理表の一例、WEBサーバ装置100に記憶されているWEBページ管理表の一例、メールサーバ装置200に記憶されている連絡先管理表の一例をそれぞれ示している。
ログイン管理表において、報告者IDに対して報告者名、パスワード等の認証項目が関連付けされている。WEBページ管理表において、複数の報告案件をそれぞれ特定するための複数の案件IDに対して複数のWEBページファイルに関するURL情報が関連付けされている。同じ案件のWEBページファイルであっても、WEBページファイルが更新されるたびにURLも更新される。そのため、URL情報には、最新のURL情報と過去のURL情報とが含まれる。この他に、案件IDに対して報告者ID、報告者名、案件名及び案件の状態(終了案件か否か)を示す案件ステータス等の項目が関連付けされている。報告先管理表において、案件IDに対して、案件名、報告者名、報告先(TO)及び報告先(CC)等の報告メールを作成するために必要な項目が関連付けされている。なお、案件IDに関連付けされているこれらの項目は、WEBサーバ装置100に一括して管理されてもよいし、本実施形態のように複数の装置に分散して管理されていてもよい。
以下、報告通知処理の手順について図2を参照して説明する。
本実施形態に係るサーバ装置が提供する報告通知サービスを利用する報告発信者に対して、ログインID(報告者ID)とパスワードとが発行されている。報告発信者によりタブレット端末300のブラウザに表示されている報告通知サービスに対応するアイコンがタップされると(S101)、アイコンに関連付けされている報告通知サービスのログイン画面のURL情報がタブレット端末300からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100は、受信したURL情報に対応するログイン画面のデータ(HTMLデータ)を記憶装置(データベース)から読み出し、タブレット端末300に送信する。これによりタブレット端末300に図3に示すログイン画面が表示される(S102)。
図3に示すログイン画面上の報告発信者の操作により報告者ID,パスワードが入力される(S103)。報告発信者により、ログインボタンがタップされると(S104)、タブレット端末300からWEBサーバ装置100にログイン情報(報告者ID、パスワード)が送信される。WEBサーバ装置100は、図12に示すログイン管理表を参照して、受信したログイン情報により認証処理を行う(S105)。認証が確認された後、WEBサーバ装置100は、図13に示すWEBページ管理表を参照して、受信したログインIDに対応する案件名を抽出し、抽出した報告名を一覧にした案件一覧画面のデータを発生する(S106)。発生された案件一覧画面のデータはWEBサーバ装置100からタブレット端末300に送信される。これによりタブレット端末300に図4に示す案件一覧画面が表示される(S107)。
図4に示す案件一覧画面上の報告発信者の操作により、特定の報告案件が選択されると(S108)、選択された特定の報告案件に対応する案件IDがタブレット端末300からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100はWEBページ管理表を参照して、投稿画面のテンプレートに受信した案件IDに対応する案件名、報告者名を挿入した案件専用の投稿画面のデータを発生する(S109)。発生された投稿画面のデータはWEBサーバ装置100からタブレット端末300に送信される。これによりタブレット端末300に図5に示す投稿画面が表示される(S110)。
図5に示す投稿画面上の報告発信者の操作により、報告文が入力され、画像等のファイルが選択される(S111)。報告発信者により送信ボタンがタップされると(S112)、案件IDとともに、ページファイル更新情報(報告文、画像等のファイル)がタブレット端末300からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100は、ページファイル更新情報を受信したのを契機に、更新されたWEBページファイルの新しいファイル名を発行する(S113)。具体的には、WEBサーバ装置100は新しいファイル名として、例えばページファイル更新情報を受信したのを契機に、不規則な、再現性のない文字列(乱数)を発生する。
WEBサーバ装置100は、図13に示すWEBページ管理表を参照して、受信した案件IDに対応するWEBページファイルのURLを特定し、特定したURL情報に従ってデータベースから特定の報告案件に関するWEBページファイルを読み出す(S114)。WEBサーバ装置100は、読み出したWEBページファイルをWEBページファイル更新情報に従って更新する(S115)。具体的には、WEBサーバ装置100は、読み出したWEBページファイルに受信した報告文と画像等を予め決められたフォーマットに従って挿入し、上書きする。WEBサーバ装置100は、更新されたWEBページファイルをステップS113のファイル名発行処理で発行したファイル名でデータベースに保存する(S116)。これにより、更新されたWEBページファイルのURLが更新される。更新後のURLは更新前のURLのファイル名が変更されている。更新されたURL情報は、WEBページ管理表に最新のURL情報として書き込まれ、更新前のURL情報は過去のURL情報に書き込まれる。更新されたWEBページの新たなURL情報は、案件IDとともにWEBサーバ装置100からメールサーバ装置200に送信される。
メールサーバ装置200は、図14に示す連絡先管理表を参照して、受信した案件IDに対応する連絡先(宛先と同報先のメールアドレス)を特定し(S117)、メール本文のテンプレートに受信したURL情報を挿入した報告メールを作成する(S118)。メールサーバ装置200は、作成された報告メールをステップS117で特定されたメールアドレスに送信する。これにより、報告メールを受信したスマートフォン400に図7に示すメール受信画面が表示される(S119)。また、メールサーバ装置200は、報告メールを送信したことを示す送信済コードを案件IDとともにWEBサーバ装置100に送信する。WEBサーバ装置100は、送信済コードを受信したことに従って、案件IDに対応する報告者ID(報告発信者端末300)に投稿受付画面を送信する。これにより、報告発信者側のタブレット端末300に図6に示す投稿受付画面が表示される(S120)。報告発信者は、図6に示す投稿受付画面を視認して、選択した報告案件のページファイルが更新され、報告受信者側に通知されたことを確認することができる。報告受信者により、図7に示すメール受信画面上の更新されたURLがタップされると(S121)、更新されたURL情報がスマートフォン400からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100は、更新されたURLに対応するWEBページファイルをデータベースから読み出し、スマートフォン400に送信する。これにより、スマートフォン400には図8に示す更新されたWEBページが表示される(S122)。
報告通知システムにおいて、例えば、図7に示すメール受信画面が第三者に流出してしまえば、図8に示す特定の報告案件に対応するWEBページは、その第三者により閲覧できる状況になる。しかしながら、WEBサーバ装置100はWEBページの更新とともに、更新されたWEBページのURLも更新する。したがって、外部に流出したURLに対応するWEBページが更新されてしまえば、更新されたWEBページのURLも更新され、流出したURLに対応するWEBページはサーバ装置上に存在しなくなる。したがって、図7に示す過去のURLが流出してしまっても、WEBページが更新されてしまえば、第三者は、図10に示す更新後のWEBページを閲覧できなくなるだけではなく、流出した時点では閲覧できていた図8に示す更新前のWEBページも閲覧できなくなる。なお、過去のURLがタップされたとき、そのタップした端末の画面には、図11に示す警告画面が表示される。
このように、本実施形態に係るサーバ装置によれば、データベースに保存されている報告案件に対応するWEBページは検索エンジンの検索結果に表示されない。また、データベースに保存されている報告案件に対応するWEBページのURLは、予め登録されていた報告受信者のみしか知り得ない。したがって、報告案件に対応するWEBページに対して閲覧を制限するためのID、パスワードの入力を不要とすることができる。報告受信者は、通知されたURLをタップするだけで、更新されたWEBページを閲覧することができるため、ID、パスワードを入力する煩わしさ、管理する煩わしさを解消することができる。万が一、特定の報告案件のWEBページに対応するURLが外部に流出し、第三者が知り得た場合であっても、そのURLに対応するWEBページが更新されてしまえば、その更新されたWEBページのURLも更新されるため、第三者は知り得たURLで更新されたWEBページ及び更新前のWEBページを閲覧することはできない。したがって、本実施形態に係るサーバ装置によれば、第三者が継続してWEBページの更新情報を閲覧することは困難であり、URLが流出することによる個人情報漏洩の被害を抑えることができる。
なお、本実施形態では更新されたWEBページファイルのURLを更新するために、WEBページファイルのファイル名を変更したが、第三者が更新されたURLを予測、推定できなくなればよいため、URLにおいて変更する箇所はファイル名に限定されない。例えば、更新したWEBページファイルを保存するフォルダ名、更新されたWEBページファイルを保存するサーバ名を変更することによって、更新されたWEBページファイルのURLを更新するようにしてもよい。つまり、更新されたWEBページファイルのURLを、新たに発行した文字列(乱数)を含むURLに更新すればよい。
また、報告通知処理のステップS113で説明した、WEBサーバ装置100によるファイル名発行処理が実行されるタイミングは上記に限定されない。例えば、図15に示すように、WEBサーバ装置100によるファイル名発行処理は、WEBサーバ装置100からタブレット端末300に案件専用の投稿画面を送信したのを契機に実行されるようにしてもよい。また、図16に示すように、WEBサーバ装置100によるファイル名発行処理は、報告発信者によりWEBページファイルの更新情報が入力されたのを契機に、つまりタブレット端末300から投稿画面上の入力情報が受信されたのを契機に実行するようにしてもよい。また、報告通知処理における何らかの処理を契機にファイル名を発行するのではなく、予め用意されていてもよい。例えば、予め複数のファイル名がリストされているファイル名更新用のリストがWEBサーバ装置100に保存されており、そのリストから選択されたファイル名を新しいファイル名としてもよい。また、WEBサーバ装置100は、少なくとも一つの新しいファイル名を保持し、予め設定された経過時間使用されなかったとき、その新しいファイル名を更新するようにしてもよい。
また、ファイル名発行機能は、WEBサーバ装置100以外のメールサーバ装置200に持たせてもよい。図17は、ファイル名発行処理がメールサーバ装置200で実行される場合の報告通知処理の流れを示す。図17に示すように、メールサーバ装置200によるファイル名発行処理は、メールサーバ装置200がWEBサーバ装置100からのファイル名発行のリクエストを受信したのを契機に実行される。具体的には、例えば、WEBサーバ装置100は、タブレット端末300からWEBページファイル更新情報を受信したのを契機に、メールサーバ装置200にファイル名発行リクエストを送信する。メールサーバ装置200は、ファイル名発行リクエストを受信したのを契機に、ファイル名発行処理を実行し(S213)、WEBページファイルの更新用のファイル名を発行する。発行されたファイル名はメールサーバ装置200からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100は受信したファイル名をWEBページ管理表のURL情報に含まれる過去に発行されたファイル名と照合する(S214)。その結果、受信したファイル名が過去に発行されたファイル名と重複しないとき、その受信したファイル名で更新されたWEBページファイルは保存される。なお、発行されたファイル名が過去に発行されたファイル名と重複するとき、WEBサーバ装置100はメールサーバ装置200に対してファイル名発行リクエストを再送する。
また、ファイル名発行機能は、報告発信者端末(タブレット端末)300に持たせてもよい。図18、図19、図20は、ファイル名発行処理が報告発信者端末で実行される場合の報告通知処理の手順を示す。図18、図19、図20に示す報告通知処理は、タブレット端末300でファイル名発行処理が実行されるタイミングが相違する。図18に示すように、一実施例において、ファイル名発行処理は、報告発信者により送信ボタンがタップされたのを契機に実行される。図19に示すように、他の実施例において、ファイル名発行処理は、投稿画面を表示したのを契機に実行される、図20に示すように、他の実施例において、ファイル名発行処理は、投稿画面上の入力操作が行われたのを契機に実行される。
また、WEBページファイルの更新情報はタブレット端末300のWEBブラウザを介して、WEBサーバ装置100に送信されるとしたが、タブレット端末300のメールソフトを介してWEBサーバ装置100に送信されるようにしてもよい。図21は、WEBページファイルの更新情報がメールソフトを介して送信される場合の報告通知処理の流れを示す。図21に示すように、ブラウザに表示された案件専用の投稿画面上の報告発信者により、報告文入力/画像等のファイル選択がなされる(S611)。報告発信者により送信ボタンがタップされると(S612)、タブレット端末300にインストールされているメールソフトが起動し(S613)、投稿メールの作成・送信処理が実行され(S614)、投稿メールが案件IDとともにタブレット端末300からメールサーバ装置200に送信される。投稿メールの作成処理では、ステップS611で投稿画面上で入力された報告文がメール本文に挿入され、ステップS611で投稿画面上で選択された画像等のファイルがメールに添付され、案件専用の送信先メールアドレスが宛先に挿入される。メールサーバ装置200は、受信した投稿メールをWEBサーバ装置100に転送処理する(S615)。
また、WEBページファイルの更新情報はタブレット端末300のWEBブラウザに表示された案件専用の投稿画面上で入力されるとしたが、メールソフトのメール送信画面上で入力されてもよい。図22は、WEBページファイルの更新情報(報告文/画像等のファイル)の入力がメールソフトで行われる場合の報告通知処理の流れの一例を示している。図22に示すように、報告発信者により案件一覧画面から特定の報告案件が選択されると(S708)、メールソフトが起動し(S709)、メール送信画面が表示される。メール送信画面において、案件専用の送信先のメールアドレスが宛先に挿入される。このメール送信画面上で報告発信者によりメール本文に報告文が入力され、添付ファイルに画像等が選択される(S710)。報告発信者により、送信ボタンがタップされると(S711)、投稿メールが案件IDとともにタブレット端末300からメールサーバ装置200に送信される。メールサーバ装置200は、受信した投稿メールをWEBサーバ装置100に転送処理する(S712)。
さらに、報告発信者による更新情報の投稿と報告受信者による報告案件ページの閲覧とが報告通知サービス専用のアプリケーションソフト(以下、報告通知アプリと省略する)を介して行えるように報告通知システムを構成してもよい。図23は、本実施形態に係るサーバ装置を含む報告通知システムの他の例を示すシステム構成図である。図24は、図23の報告通知システムによる報告通知処理の手順の一例を示すシーケンス図である。図25は、図23のアプリケーションサーバ装置500が管理するアプリデータ管理表の一例を示す図である。
図23に示す報告通知システムは、本実施形態に係るサーバ装置の機能を3つのサーバ装置(WEBサーバ装置100、メールサーバ装置200、アプリケーションサーバ装置500)に分散して実装した場合の構成である。アプリケーションサーバ装置500は、複数の報告案件にそれぞれ対応する報告通知アプリ用の複数のページファイル(以下、アプリページファイルと省略する)を構成する記事データセットを記憶する。アプリデータ管理表において、記事データセットは案件IDに関連付けられる。図23に示す報告通知システムにおいて、報告案件に関するデータは、アプリケーションサーバ装置500とWEBサーバ装置100とに管理されている、案件IDは、報告案件を特定するためのIDであり、案件IDを用いてアプリケーションサーバ装置500とWEBサーバ装置100とから報告案件を特定することができる。アプリケーションサーバ装置500において、案件IDに対して,端末(報告発信者)を特定するアプリID,案件名、案件データ名及び案件ステータスが関連付けられている。記事データセットは、複数の記事データからなる。記事データは、報告発信者により投稿された投稿単位のデータであり、画像データ、テキストデータ等である。記事データは記事IDに関連付けて記憶される。記事IDに対して、通知ID(最新の通知ID、過去の通知ID)が関連付けされる。通知IDは、サーバ上で報告案件に関連する記事データを特定するためのIDであり、典型的には報告案件毎に異なる。図23に示す報告通知システムでは、この通知IDが報告受信者側に通知される。報告受信者は、報告通知アプリ上で通知IDをタップすることで、通知IDに対応する特定の報告案件ページを報告通知アプリ上で閲覧することができる。図23に示す報告通知システムにおいて、この通知IDが、特定の報告案件に関する投稿がなされるたびに更新される。
WEBサーバ装置100は、複数の報告案件にそれぞれ対応する複数のWEBページファイルと図13に示すWEBページ管理表とを記憶する。メールサーバ装置200は図14に示す連絡先管理表を記憶する。タブレット端末300とスマートフォン400とには報告通知アプリがインストールされている。
報告発信者によりタブレット端末300の画面に表示されている報告通知アプリのアプリアイコンがタップされると(S801)、タブレット端末300からアプリケーションサーバ装置500に当該アプリアイコンに関連付けされている固有のアプリIDが送信される。アプリケーションサーバ装置500は、アプリデータ管理表を参照して、受信したアプリIDに関連付けされている報告案件を抽出し、抽出した報告案件を一覧にした案件一覧画面のデータを発生する(S802)。発生された案件一覧画面のデータはアプリケーションサーバ装置500からタブレット端末300に送信される。これによりタブレット端末300の報告通知アプリの画面に案件一覧が表示される(S803)。
案件一覧画面上の報告発信者の操作により、特定の報告案件が選択されると(S804)、選択された特定の報告案件に対応する案件IDがアプリIDとともにタブレット端末300からアプリケーションサーバ装置500に送信される。アプリケーションサーバ装置500は、アプリデータ管理表を参照して、受信した案件IDに対応する案件名、報告者名を記載した投稿画面のデータを発生する(S805)。発生された投稿画面のデータはアプリケーションサーバ装置500からタブレット端末300に送信される。これによりタブレット端末300の報告通知アプリの画面に投稿画面が表示される(S806)。
投稿画面上の報告発信者の操作により、報告文が入力され、画像等のファイルが選択される(S807)。報告発信者により送信ボタンがタップされると(S808)、アプリIDと案件IDとともに、ファイル更新情報(報告文、画像等のファイル等の記事データ)がタブレット端末300からアプリケーションサーバ装置500に送信される。これを契機に、アプリケーションサーバ装置500は、受信した特定の報告案件に関する案件IDに対応する新しい通知IDとWEBサーバ装置100で更新されたWEBページファイル用の新しいファイル名とを発行する(S809,S810)。発行された新しいファイル名は、案件ID,ファイル更新情報とともにアプリケーションサーバ装置500からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100は、WEBページ管理表を参照して、受信した案件IDに対応するWEBページファイルのURLを特定し、特定したURL情報に従ってデータベースから特定の報告案件に関するWEBページファイルを読み出す(S811)。WEBサーバ装置100は、読み出したWEBページファイルをファイル更新情報に従って更新し(S812)、更新されたWEBページファイルを受信した新しいファイル名でデータベースに保存する(S813)。これにより、更新されたWEBページファイルのURLが更新される。更新されたURL情報は、WEBページ管理表に書き込まれ、更新される前のURL情報は過去のURL情報に蓄積される。更新された新たなURL情報は、案件IDとともにWEBサーバ装置100からメールサーバ装置200に送信される。
メールサーバ装置200は、連絡先管理表を参照して、受信した案件IDに対応する連絡先(宛先と同報先のメールアドレス)を特定し(S814)、メール本文に受信したURL情報を記載した報告メールを作成する(S815)。作成された報告メールはステップS814で特定されたメールアドレスに送信される。報告受信者は、タブレット端末300のメールソフトで報告メールを受信する(S816)。メールサーバ装置200は、報告メールを送信したことを示す送信済コードを案件IDとともにアプリケーションサーバ装置500に送信する。
一方、アプリケーションサーバ装置500は、受信したファイル更新情報(記事データ)に対して記事IDを発行し、発行した記事IDを受信した案件IDに関連付けて記憶する(S817)。これにより、特定の報告案件に関する案件IDに対して、投稿された記事データ、過去に投稿された記事データが関連付けされる。アプリケーションサーバ装置500は、特定の報告案件に関する案件IDに対してステップS809で発行した新しい通知IDを関連付けて記憶する(S818)。新しい通知IDは、アプリデータ管理表の特定の報告案件に関する案件IDに対応する最新の通知ID欄に書き込まれる。なお、記事データのデータ名称は、ステップS809で発行した通知IDと同一にしてもよいし、別に発行されたファイル名(乱数)に更新されてもよい。更新された通知IDは、アプリケーションサーバ装置500からスマートフォン400に送信される。このとき、更新された通知IDは、典型的にはプッシュ通知を利用して送信される。これにより、スマートフォン400のホーム画面に特定の報告案件に関する投稿がなされたことを通知するバナーが表示される(S819)。このバナーに通知IDがリンク設定されている。
アプリケーションサーバ装置500は、更新された通知IDをスマートフォン400に送信し、且つ、メールサーバ装置200から送信済コードを受信したとき、案件IDに対応するアプリID(報告者端末)に投稿受付画面を送信する。これにより、タブレット端末300の報告通知アプリ上で投稿受付画面が表示される(S820)。
スマートフォン400のホーム画面上のバナーがタップされると(S821)、報告通知アプリが起動し(S822)、バナーにリンク設定されていた通知IDがアプリIDとともにスマートフォン400からアプリケーションサーバ装置500に送信される。アプリケーションサーバ装置500は、受信したアプリIDと通知IDとで報告受信者を認証し、受信した通知IDが関連付けされている記事IDを特定し、特定した記事IDに従って、記事データをデータベースから読み出す(S823)。読み出された記事データは、アプリケーションサーバ装置500からスマートフォン400に送信される。スマートフォン400の報告通知アプリは、受信された記事データに基づいて、特定の報告案件に関する案件報告ページを作成処理し(S824)、作成した報告案件ページを表示する(S825)。
以上説明した図23に示す報告通知システムのように、報告発信者による報告案件に関する投稿と報告受信者による報告案件ページの閲覧とを報告通知サービス専用のアプリケーションソフトを介して行うようにした場合であっても、図1に示す報告通知システムと同様の効果を得られる。すなわち、特定の報告案件に関する記事データをデータベースから読み出すための通知IDを、特定の報告案件に関する記事が投稿されるたびに更新し、更新した通知IDを予め登録されている報告受信者端末に送信することで、そのアプリIDに対応する報告受信者端末を扱う報告受信者以外の第三者が、通知IDを知り得ないため、更新された通知IDを通知した報告受信者だけに報告案件ページの閲覧を制限することができる。ユーザは、ホーム画面に表示されたバナーをタップするだけで、報告通知アプリで更新された案件報告ページを閲覧することができるため、閲覧制限がかけられているWEBページを閲覧するためにID、パスワードを入力する煩わしさ、管理する煩わしさを解消することができる。万が一、特定の報告案件に対応する通知IDが外部に流出し、第三者が知り得た場合であっても、その通知IDに対応する報告案件に関する記事が投稿されてしまえば、その報告案件に関連付けされている記事データを読み出す通知IDも更新されるため、第三者は知り得た通知IDで更新された報告案件ページ及び更新前の報告案件ページを閲覧することはできない。したがって、本実施形態に係るサーバ装置によれば、第三者が継続して報告案件ページの更新情報を閲覧することは困難であり、通知IDが流出することによる個人情報漏洩の被害を限定的に抑えることができる。
また、図24に示す報告通知システムによれば、通知IDには規則性がなく、再現性のない文字列が含まれ、通知IDは報告案件に関する投稿がなされるたびに変更されるため、第三者が通知IDを複数回特定することは非常に困難である。したがって、アプリケーションサーバ装置500がアプリデータ管理表に登録されていないアプリID(未登録端末)から、繰り返し更新される、特定の報告案件に対応する通知IDを複数回受信したとき、そのアプリIDは、報告メールを受け取っている報告受信者端末である可能性が非常に高い。このように、アプリケーションサーバ装置500で管理されていないユーザから、投稿がなされるたびに変更される、特定の報告案件に関する通知ID(URL)を複数回受信したとき、アプリケーションサーバ装置500は、そのユーザを特定の報告案件の連絡先に登録するようにしてもよい。
図26は、図23の報告通知システムによるアプリIDの登録処理の手順を示すシーケンス図である。図26は、図24に示す報告通知処理が繰り返し3回行われた場合を示している。図26に示すように、特定の報告案件に関する1回目の投稿がなされたとき、報告メールを受信した報告受信者は、報告メールに記載されているURLをタップすることで、図27に示すような、特定の報告案件に対応するWEBページを閲覧することができる。図27に示すWEBページにおいて「アプリで開く」には、報告通知アプリを自動で起動するコードと1回目の投稿で発行された第1通知IDとが関連付けられている。報告受信者により、「アプリで開く」がタップされると、報告通知アプリが起動し、スマートフォン400を特定するための固有のアプリID(ここでは、特定のアプリIDと言いう)とともに特定の報告案件に対応する第1通知IDがスマートフォン400からアプリケーションサーバ装置500に送信される。アプリケーションサーバ装置500は、受信した特定のアプリIDがアプリデータ管理表に登録されていなかった場合、その受信した特定のアプリIDを特定の報告案件に対応付けてアプリデータ管理表に仮登録するとともに、仮登録した特定のアプリIDに対して、受信した第1通知IDに対応する特定の報告案件に関する記事データセットを送信する。これにより、報告受信者は、スマートフォン400の報告通知アプリの画面上で特定の報告案件に関する報告ページを閲覧することができる。
特定の報告案件に関する2回目の投稿がなされたときも1回目の投稿のときと同じような手順を経て、特定のアプリIDとともに2回目の投稿で発行された特定の報告案件に関する第2通知IDがスマートフォン400の報告通知アプリからアプリケーションサーバ装置500に送信される。アプリケーションサーバ装置500は、受信した特定のアプリIDがアプリデータ管理表に仮登録されているため、その受信した仮登録済みの特定のアプリIDを本登録するとともに、本登録した特定のアプリIDに対して、受信した第2通知IDに対応する特定の報告案件に関する記事データセットを送信する。これにより、報告受信者は、スマートフォン400の報告通知アプリの画面上で特定の報告案件に関する報告ページを閲覧することができる。このように、アプリケーションサーバ装置500は、仮登録されている特定のアプリIDに対して、通知IDを送信しない。
特定の報告案件に関する3回目の投稿がなされたとき、既に特定の報告案件に対して特定のアプリIDが本登録されている。そのため、アプリケーションサーバ装置500は、特定のアプリIDに対して3回目の投稿で発行された第3通知IDを送信する。これにより、報告受信者は、ブラウザを経由することなく、スマートフォン400の報告通知アプリで直接、特定の報告案件に関する報告ページを閲覧することができる。
以上説明した本実施形態に係るサーバ装置によれば、報告案件に関する投稿がなされるたびに更新される特定の報告案件に関する通知IDを同一の未登録のアプリID(端末)から複数回連続して又は断続して受信したとき、受信した未登録のアプリIDを特定の報告案件に対応付けて登録する。これにより、報告発信者側は、初期登録段階で、少なくとも報告案件毎の報告受信者のメールアドレスさえ登録しておけばよく、報告通知アプリで閲覧したい報告受信者用のアプリIDは、上記のアプリIDの自動登録処理により自動的にアプリデータ管理表に登録させることができるため、報告案件毎のアプリIDの登録作業を減らすことができる。
本実施形態では、複数の報告案件にそれぞれ対応する複数のWEBページファイルがWEBサーバ装置100に記憶されるとしたが、WEBサーバ装置100に対して電気的に接続された外部の記憶装置に記憶させてもよい。図28は、本実施形態に係るサーバ装置を含む報告通知システムの他の例を示すシステム構成図である。図28に示す報告通知システムは、図1の報告通知システムにおいて、WEBサーバ装置100に対してネットワーク、典型的にはLANを介して外部のデータベースサーバ装置600が接続された構成である。データベースサーバ装置600は、複数のWEBページファイルを、複数の案件ID、URL情報に関連付けて記憶する。なお、ここではWEBサーバ装置100とメールサーバ装置200とに機能分化して説明するが、単一のサーバ装置にWEBサーバ装置100が備える機能とメールサーバ装置200が備える機能とを実装させるようにしてもよい。
図29は、図28の報告通知システムによる報告通知処理の手順の一例を示すシーケンス図である。図29に示すように、報告発信者によりタブレット端末300のブラウザに表示されている報告通知サービスに対応するアイコンがタップされ、報告送信者端末に表示された特定の報告案件の投稿画面上で、報告内容が入力され、送信ボタンがタップされるまでの手順(S901〜S912)は、図2の手順(S101〜S112)と同様であるため、その説明を省略する。
報告発信者により送信ボタンがタップされると(S912)、案件IDとともに、ページファイル更新情報(報告文、画像等のファイル)がタブレット端末300からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100は、受信したページファイル更新情報を案件IDとともに保持し、案件IDに対応するWEBページファイルをデータベースサーバ装置600から読み出すために、WEBページファイルの読出要求とともに案件IDをデータベースサーバ装置600に送信する。データベースサーバ装置600は、受信した案件IDに対応するWEBページファイルを読出し(S913)、読み出したWEBページファイルを案件IDとともにWEBサーバ装置100に送信する。WEBサーバ装置100は、受信したWEBページファイルをページファイル更新情報に従って更新する(S914)。データベースサーバ装置600は、ページファイル更新情報を受信した後、更新されたWEBページファイルに対して新しいファイル名(乱数)を発行し(S915)、発行した新しいファイル名を案件IDとともにWEBサーバ装置100に送信する。WEBサーバ装置100は、更新されたWEBページファイルのURLをデータベースサーバ装置600から受信した新たなファイル名に従って更新する(S916)。WEBサーバ装置100は、更新されたWEBページファイルと更新されたURL情報とを案件ID,ファイルの保存要求とともにデータベースサーバ装置600に送信する。データベースサーバ装置600は、更新されたWEBページファイルを、更新されたURL情報に従って保存する(S919)。また、WEBサーバ装置100は、亜更新されたURL情報を、案件IDとともにメールサーバ装置200に送信する。
メールサーバ装置200は、受信した案件IDに対応する連絡先を特定し(S917)、メール本文のテンプレートに更新されたURL情報を挿入した報告メールを作成する(S918)。メールサーバ装置200は、作成された報告メールをステップS917で特定されたメールアドレスに送信する。これにより、報告メールを受信したスマートフォン400に図7に示すメール受信画面が表示される(S921)。また、メールサーバ装置200は、報告メールを送信したことを示す送信済コードを案件IDとともにWEBサーバ装置100に送信する。WEBサーバ装置100は、送信済コードを受信したことに従って、案件IDに対応する報告者ID(報告発信者端末300)に投稿受付画面を送信する。これにより、報告発信者側のタブレット端末300に投稿受付画面が表示される(S920)。報告受信者により、メール受信画面上の更新されたURLがタップされると(S922)、更新されたURL情報がスマートフォン400からWEBサーバ装置100に送信される。WEBサーバ装置100は、更新されたURLに対応するWEBページファイルの読出し要求を案件IDとともにデータベースサーバ装置600に送信する(S923)。データベースサーバ装置600は、案件IDに対応するWEBページファイルを記憶部から読み出し、WEBサーバ装置100に送信する(S924)。スマートフォン400には更新されたWEBページが表示される(S925)。
既に説明したように、本実施形態に係るサーバ装置は、WEBページファイルが更新されるたびに、更新されたWEBページファイルのURLを更新させ、その更新されたURLを報告受信者に送信することを一つの特徴としている。この特徴により、WEBページファイルのセキュリティを確保している。したがって、図28、図29で説明したように、データ蓄積機能を外部のデータベースサーバ装置600に持たせても、そのセキュリティを維持することができる。このように、WEBサーバ装置100がWEBページ更新機能、ファイル名発行機能及びURL更新機能を有するのではなく、これらの機能を有する外部装置をWEBサーバ装置100が制御する構成であってもよい。例えば、図28の報告通知システムでは、WEBページを更新する処理(S914)と更新されたWEBページのURLを更新する処理(S916)とを、外部のデータベースサーバ装置600に実行させるようにしてもよい。この場合、WEBサーバ装置100は、データベースサーバ装置600に、WEBページファイルの更新要求及び更新されたWEBページファイルに対するURLの更新要求を送信し、データベースサーバ装置600から更新されたURL情報を受信する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。