初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
上述の通り、既存のマニュアル等を利用して、作業効率の向上に貢献する管理装置が望まれる。
そこで、一例として、図1に示す管理装置1を提供する。管理装置1は、ネットワークと接続し、障害対処情報データベース11と、データ送受信部12と、データ入出力部13とを備える。
障害対処情報データベース11は、第1の障害対処情報2と、工具構成情報3とを対応付けて記憶する。
ここで、障害対処情報とは、機器、システム等の障害に対処するために必要な情報を意味する。例えば、障害対処情報は、機器、システム等の障害復旧方法等が記載されたマニュアルを識別するための情報であっても良い。なお、以下の説明では、機器、システム等の障害に対する復旧方法、修理方法等、障害に対する対処方法が記載されたマニュアル等を、単に「マニュアル」と呼ぶ。
また、障害対処情報は、マニュアルに記載された障害の種類等(以下、「障害対処項目」と呼ぶ)を識別するための情報であっても良い。または、障害対処情報は、マニュアルに記載された障害対処のための作業(以下、「障害対処作業」と呼ぶ)を識別するための情報であっても良い。
なお、本書において、工具とは、障害復旧作業に必要な工具、計測器、治具等を意味する。さらに、工具とは、機器、システム等に必要な部材、消耗品を含んでも良い。ここで、消耗品とは、例えば、機器等を識別するために貼り付けるテープ、線材を識別するために書き込み部分を有するラベル等を含む。
工具構成情報3は、工具の種類、及び/又は工具セットの種類と、当該種類の工具の数、当該種類の工具セットの数とを対応付けた情報を意味する。以下の説明では、工具の種類、及び当該工具の数に関する情報を、「工具情報」と呼ぶ。また、1または2以上の種類の工具を組み合わせた工具セット(工具箱を含む)と、当該工具セットの数に関する情報を工具セット情報と呼ぶ。
つまり、障害対処情報データベース11は、機器、システム等の障害に対処するために必要な情報(即ち、第1の障害対処情報2)と、当該障害を復旧するための作業に必要な工具等の種類、及び当該工具等の数(即ち、工具構成情報3)とを対応付けて記憶する。
データ送受信部12は、ネットワークを介して、第2の障害対処情報4を取得する。ここで、第2の障害対処情報4は、可搬物である第1の物体5の少なくとも一部に添付された、第2の物体6から読み取られた情報であるものとする。
例えば、障害対処情報は、マニュアル等(上記の第1の物体5に相当)の少なくとも一部に添付された、一次元バーコード、二次元バーコード、ICタグ等(上記の第2の物体6に相当)から読み取られた情報であっても良い。
データ入出力部13は、第2の障害対処情報4に対応する第1の障害対処情報2を、障害対処情報データベース11から検索し、検索された第1の障害対処情報2に対応する工具構成情報3を、必要工具情報として抽出する。つまり、障害対処情報データベース11が記憶する工具構成情報3とは、機器、システム等の障害に対処するために必要な工具の種類、及び当該種類の工具の数(上記の必要工具情報)である。
以上の通り、管理装置1は、可搬物であるマニュアル等に添付されたバーコード等から読み取られた情報を、障害対処情報として利用できる。そのため、既存の紙媒体のマニュアル等に、障害対処情報を含むバーコード等を添付し、障害復旧のための工具等の工具構成情報を、障害対処情報データベース11に登録することで、既存のマニュアル等を利用して、障害復旧に必要な工具等を容易に特定することに貢献する。そのため、管理装置1は、既存のマニュアル等を利用して、作業効率の向上に貢献する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。なお、以下の説明では、
機器、システム等の障害に対処することを、「障害対処」と表現する。また、以下の説明では、工具の種類を識別するための情報を、「工具名」と呼ぶ。また、工具セットの種類を識別するための情報を、「工具セット名」と呼ぶ。また、以下の説明では、工具、及び/又は工具セットを、「工具等」とも呼ぶ。
図2は、本実施形態に係る管理システム100の全体構成の一例を示すブロック図である。管理システム100は、1又は2以上のクライアント端末10と、クライアント端末10にネットワーク20を介して接続する管理装置30と、を含んで構成される。
クライアント端末10は、機器、システム等の障害に対処する保守技術者等(以下、作業員と呼ぶ)が使用する情報処理装置である。なお、以下の説明では、クライアント端末10を操作する人物を、ユーザとも呼ぶ。また、クライアント端末10は、後述する通り、バーコード(1次元、又は2次元)、IC(Integrated Circuit)タグ等を読み取るための機能を備える。クライアント端末10は、スマートフォン、携帯電話、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)等であり、本書で説明する機能を実現できれば、その詳細は問わない。
ネットワーク20は、インターネット、イントラネット等である。ネットワーク20の実現方法には、各種の方式があるがその詳細は問わない。管理システム100の実現形態に応じて、ネットワーク20の方式は異なるものとする。
管理装置30は、機器、システム等の障害に対処するために必要な工具に関する、工具構成情報(上記の必要工具情報に相当)を管理する情報処理装置である。
次に、クライアント端末10について詳細に説明する。
図3は、クライアント端末10の内部構成の一例を示すブロック図である。クライアント端末10は、指示情報入力部101と、指示情報送受信部102と、指示情報表示部103と、端末制御部104とを含んで構成される。図3は、本実施形態に係るクライアント端末10に関係するモジュールを主に記載する。
図3に示すクライアント端末10の各モジュールは、クライアント端末10を構成するコンピュータに、そのハードウェアを用いて、各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現しても良い。
指示情報入力部101は、障害に対処するために必要な情報(上記の障害対処情報に相当)を入力する。指示情報入力部101は、キーボード(図示せず)、タッチパネル(図示せず)等を介して、ユーザが入力する情報を受け付けても良い。ここで、上述の通り、障害対処情報は、可搬物である第1の物体(即ち、マニュアル等)の少なくとも一部に添付された、第2の物体(即ち、一次元バーコード、二次元バーコード、ICタグ等)から読み取られた情報である。
そのため、クライアント端末10は、一次元バーコード、二次元バーコード、ICタグ等を読み取るために、撮像部(図示せず)、IC(Integrated Circuit)タグリーダ(図示せず)等を備えることが好ましい。なお、クライアント端末10は、バーコードリーダと接続し、バーコードリーダの出力値を取得しても良い。
一次元バーコード、二次元バーコード、ICタグ等は、マニュアル、マニュアルに記載された障害の種類等(以下、「障害対処項目」と呼ぶ)、障害対処項目に記載された、障害対処のための作業(以下、「障害対処作業」と呼ぶ)の少なくともいずれかを識別するための情報を含む。例えば、一次元バーコード、二次元バーコード、ICタグ等は、マニュアルの表紙等に添付されていても良い。また、一次元バーコード、二次元バーコード、ICタグ等は、障害対処項目の記載箇所に添付されていても良い。また、一次元バーコード、二次元バーコード、ICタグ等は、障害対処作業の記載箇所に添付されていても良い。
以下の説明では、障害対処情報は、マニュアル、障害対処項目、障害対処作業の少なくともいずれかを識別するための情報であるものとして説明する。ただし、これは、障害対処情報を、マニュアル、障害対処項目、障害対処作業の少なくともいずれかを識別するための情報に限定する趣旨ではない。障害対処情報は、機器、システム等の障害に対処するために必要な情報であれば、その詳細は問わない。
例えば、クライアント端末10が撮像部を備える場合、ユーザは、マニュアルの少なくとも一部に添付された、一次元バーコード、又は二次元バーコードを、クライアント端末10の撮像部で撮影するとする。その場合、撮像部は、撮影画像を取得する。そして、指示情報入力部101は、撮像部が撮影する一次元バーコード、又は二次元バーコードの画像に対して、所定の画像処理を行い、一次元バーコード、又は二次元バーコードの画像から、障害対処情報を抽出する。
または、クライアント端末10が、レーザ光の出射部と、受光部とを備えていても良い。その場合、クライアント端末10はレーザ光の反射光に基づいて、一次元バーコードから障害対処情報を抽出しても良い。具体的には、ユーザが、マニュアルの一部に添付された一次元バーコードに、出射部を近づけるとする。その際に、出射部は、直線状にスキャンするように、レーザ光を出射する。その場合、受光部は、出射部が出射したレーザ光の反射光を受光する。そして、指示情報入力部101は、反射光量等に基づいて、一次元バーコードから障害対処情報を特定する。
また、例えば、クライアント端末10がICタグリーダを備える場合、ユーザは、マニュアルの一部に添付されたICタグから所定の範囲内の距離に、ICタグリーダを近づけるとする。その場合、指示情報入力部101は、ICタグリーダの受信信号に基づいて、障害対処情報を取得する。具体的には、ICタグリーダは、ICタグからの出力電波を受信する。そして、指示情報入力部101は、ICタグリーダの受信電波に対して、所定の信号処理を行い、障害対処情報を特定する。
なお、2つ以上のICタグは、夫々、ICタグリーダが許容する、読み取り対象からの最小距離以上に離れて(離間して)、配置されることが好ましい。なぜなら、ICタグリーダが許容する、読み取り対象からの最小距離以下の範囲に、2つ以上のICタグが配置されると、ICタグリーダが電波を受信する際に、2つ以上のICタグからの電波が干渉する恐れがあるからである。また、ICタグリーダには、ICタグの仕様により、同時に、2つ以上のICタグを読み取り可能なものがある。ここで、クライアント端末10が、2つ以上のICタグを読み取り可能な規格に対応した、ICタグリーダを備えるとする。そして、ICタグリーダの検出範囲内に、2つ以上のICタグリーダが存在するとする。その場合、ユーザがICタグに、ICタグリーダを近づけると、ICタグリーダは、読み取り対象のICタグの情報とともに、ユーザが読み取り対象としない、ICタグの情報も読み取る。そのため、2つ以上のICタグは、夫々、ICタグリーダが許容する、読み取り対象からの最小距離以上に離れて(離間して)、配置されることが好ましい。
指示情報送受信部102は、ネットワーク20を介して、指示情報入力部101が取得する情報を、管理装置30に送信する。具体的には、指示情報送受信部102は、ネットワーク20を介して、障害対処情報を管理装置30に送信する。
また、指示情報送受信部102は、ネットワーク20を介して、管理装置30から、必要工具情報を受信する。
指示情報表示部103は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等を含んで構成され、ユーザが視認できるように、情報を表示する。例えば、管理装置30から送信された、必要工具情報を表示する。
端末制御部104は、図3に示す各モジュール、及びクライアント端末10を動作させるための処理を制御する。端末制御部104は、CPU(Central Processing Unit)によって実現されても良く、コンピュータプログラムに従って動作しても良い。
次に、管理装置30について詳細に説明する。
図4は、管理装置30の内部構成の一例を示すブロック図である。管理装置30は、記憶部301と、データ送受信部302と、データ入出力部303と、データ処理部304と、管理装置制御部305とを含んで構成される。記憶部301は、障害対処情報データベース3011、工具セット情報データベース3012とを記憶する。図4は、本実施形態に係る管理装置30に関係するモジュールを主に記載する。
図4に示す管理装置30の各モジュールは、管理装置30を構成するコンピュータに、そのハードウェアを用いて各処理を実行させるコンピュータプログラムに値より実現しても良い。
記憶部301は、管理装置30の動作に必要な情報を記憶する。記憶部301は、磁気ディスク装置や光ディスク装置、半導体メモリによって実現される。なお、半導体メモリは、例えば、SSD(ソリッドステートドライブ、Solid State Drive)であり、フラッシュメモリを使用したものでも良く、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ、Dynamic Random Access Memory)を含んでも良い。
障害対処情報データベース3011は、障害対処情報と、工具構成情報とを対応付けて記憶する。具体的には、障害対処情報データベース3011は、マニュアル、障害対処項目、障害対処作業の少なくともいずれかを識別するための情報と、工具情報及び/又は工具セット情報とを対応付けて記憶する。
工具セット情報データベース3012は、工具セットの種類と、当該種類の工具セットを構成する、1又は2以上の工具を識別するための情報と、を対応付けて記憶する。
データ送受信部302は、ネットワーク20を介して、障害対処情報を取得する。具体的には、データ送受信部302は、ネットワーク20を介して、クライアント端末10から送信された障害対処情報を受信する。
データ入出力部303は、障害対処情報を検索キーとして、障害対処情報データベース3011から工具情報及び/又は工具セット情報を、必要工具情報として抽出する。
データ処理部304は、データ入出力部303が抽出する必要工具情報を、工具選定結果として、データ送受信部302に渡す。データ送受信部302は、ネットワーク20を介して、障害対処情報の送信元のクライアント端末10に、工具選定結果を送信する。
管理装置制御部305は、図4に示す各モジュール、及び管理装置30を動作させるための処理を制御する。管理装置制御部305は、CPU(Central Processing Unit)によって実現されても良く、コンピュータプログラムに従って動作しても良い。
図5〜図7は、障害対処情報データベース3011に記憶される情報を、テーブル形式で示す図である。
図5は、マニュアルを識別するための情報と、工具情報及び/又は工具セット情報とを対応付けたテーブルを示す図である。具体的には、図5は、マニュアル毎に、マニュアル名と、工具名又は工具セット名と、工具の数又は工具セットの数とを対応付けたテーブルを示す図である。
例えば、障害対処情報データベース3011が、図5に示すテーブルを記憶するとする。そして、クライアント端末10の指示情報入力部101が、マニュアルに添付された、マニュアル名を示すバーコード等から、マニュアル名「マニュアルP」を読み取ったとする。その場合、クライアント端末10の指示情報送受信部102は、障害対処情報として、マニュアル名「マニュアルP」を管理装置30に送信する。
管理装置30のデータ入出力部303は、マニュアル名「マニュアルP」を検索キーとして、障害対処情報データベース3011から必要工具情報を検索する。データ入出力部303は、図5に示すテーブルを参照し、マニュアル名「マニュアルP」に対応する必要工具情報が、「工具A:1個、工具セットb:1個、工具セットa:2個、工具B:2個」であると特定する。そして、データ送受信部302は、マニュアル名「マニュアルP」に記載された障害に対処するための必要工具情報を、クライアント端末10に回答する。
図6は、マニュアルを識別するための情報と、障害対処項目を識別するための情報と、工具情報及び/又は工具セット情報とを対応付けたテーブルを示す図である。具体的には、図6は、障害対処項目毎に、マニュアル名と、障害対処項目名と、工具名又は工具セット名と、工具の数又は工具セットの数とを対応付けたテーブルを示す図である。
例えば、障害対処情報データベース3011が、図6に示すテーブルを記憶するとする。そして、クライアント端末10の指示情報入力部101が、「マニュアルP」の障害対処項目「障害K」の記載箇所に添付された、障害対処項目を示すバーコード等から、マニュアル名「マニュアルP」、及び障害対処項目名「障害K」を読み取ったとする。その場合、クライアント端末10の指示情報送受信部102は、障害対処情報として、マニュアル名「マニュアルP」、及び障害対処項目名「障害K」を管理装置30に送信する。
管理装置30のデータ入出力部303は、マニュアル名「マニュアルP」、及び障害対処項目名「障害K」を検索キーとして、障害対処情報データベース3011から必要工具情報を検索する。データ入出力部303は、図6に示すテーブルを参照し、マニュアル名「マニュアルP」、及び障害対処項目名「障害K」に対応する必要工具情報が、「工具A:1個」、「工具セットb:1個」であると特定する。そして、データ送受信部302は、マニュアル名「マニュアルP」、及び障害対処項目名「障害K」に対応する必要工具情報を、クライアント端末10に回答する。
図7は、マニュアルを識別するための情報と、障害対処項目を識別するための情報と、障害対処作業を識別するための情報と、工具情報及び/又は工具セット情報とを対応付けたテーブルを示す図である。具体的には、図7は、障害対処作業毎に、マニュアル名と、障害対処項目名と、工具名又は工具セット名と、工具の数又は工具セットの数とを対応付けたテーブルを示す図である。
例えば、障害対処情報データベース3011が、図7に示すテーブルを記憶するとする。そして、クライアント端末10の指示情報入力部101が、「マニュアルP」の障害対処作業「障害e」の記載箇所に添付された、作業名を示すバーコード等から、マニュアル名「マニュアルP」、及び障害対処項目名「障害K」、及び障害対処作業名「作業e」を読み取ったとする。その場合、クライアント端末10の指示情報送受信部102は、障害対処情報として、「マニュアルP」、及び障害対処項目名「障害K」、及び障害対処作業名「作業e」を、管理装置30に送信する。その場合、管理装置30は、図7に示すテーブルを参照し、必要工具情報は、「工具A:1個」であると回答する。
図8は、テーブル形式で、工具セット情報データベース3012に記憶される情報の一例を示す図である。具体的には、図8は、工具セット名と、各工具セットに含まれる工具名と、各工具の数とを、対応付けたテーブルを示す図である。
例えば、工具セット情報データベース3012が、図8に示すテーブルを記憶するとする。そして、データ入出力部303が、必要工具情報として、工具セット情報を障害対処情報データベース3011から抽出したとする。その場合、データ入出力部303は、図8に示すテーブルを参照し、工具セットを構成する工具名、及び当該工具の数を特定しても良い。そして、データ送受信部302は、必要工具情報として、工具セット名と、工具セットを構成する工具名、及び当該工具の数を、クライアント端末10に回答しても良い。
次に、管理システム100の動作について詳細に説明する。
図9は、管理システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、クライアント端末10は、管理装置30に必要工具を問い合わせる。具体的には、指示情報入力部101が障害対処情報をICタグ等から読み取った場合、指示情報送受信部102は、障害対処情報を管理装置30に送信する。
ステップS2において、管理装置30は、障害対処情報データベース3011に必要工具を問い合わせる。具体的には、データ送受信部302が、クライアント端末10から障害対処情報を受信した場合、データ入出力部303は、障害対処情報を検索キーとして、障害対処情報データベース3011から工具情報及び/又は工具セット情報を検索する。
ステップS3において、障害対処情報データベース3011は、必要工具を回答する。具体的には、障害対処情報データベース3011は、障害対処情報を検索キーとして、工具情報及び/又は工具セット情報を必要工具情報として抽出し、データ入出力部303に回答する。
ステップS4において、管理装置30は、クライアント端末10に、必要工具を通知する。具体的には、データ処理部304は、データ入出力部303が取得した必要工具情報を、工具選定結果として、データ送受信部302に渡す。そして、データ送受信部302は、クライアント端末10に、工具選定結果を送信する。
指示情報送受信部102が工具選定結果を受信した場合、指示情報表示部103は、工具選定結果を表示する。また、クライアント端末10は、工具選定結果を印刷する処理を実行しても良い。工具選定結果の通知方法(出力方法)は各種あるが、その詳細は問わない。
[変形例1]
本実施形態に係る管理システム100の変形例1として、障害に対処する方法が、2種類以上存在する場合には、障害対処情報データベース3011は、障害対処情報と、作業時間、作業の難易度等と、工具情報及び/又は工具セット情報とを対応付けて記憶しても良い。そして、データ入出力部303は、取得した障害対処情報に対応するとともに、作業時間、作業の難易度等が所定の条件を満たす工具情報及び/又は工具セット情報を、障害対処情報データベース3011から抽出しても良い。
[変形例2]
本実施形態に係る管理システム100の変形例2として、障害に対処する方法が、2種類以上存在する場合には、障害対処情報データベース3011は、障害対処情報と、障害対処の方法と、当該方法に必要である工具情報及び/又は工具セット情報とを対応付けて記憶しても良い。そして、データ入出力部303は、取得した障害対処情報に対応する障害対処の方法のうち、所定の数を越える障害対処の方法に対応可能である、工具情報及び/又は工具セット情報を、障害対処情報データベース3011から抽出しても良い。
[変形例3]
本実施形態に係る管理システム100の変形例3として、管理装置30は、2以上の障害対処情報を受信し、必要工具情報として抽出された工具の種類が重複した場合、必要工具情報に含まれる工具の種類が重複しないように、クライアント端末10に必要工具情報を通知しても良い。
以上のように、本実施形態に係る管理システム100において、管理装置30は、障害対処に関するマニュアル、マニュアルに記載された項目、マニュアルに記載された作業内容等を識別するための情報を取得する。そして、本実施形態に係る管理システム100において、管理装置30は、障害対処に関するマニュアル等を識別するための情報に基づいて、障害対処に必要な工具に関する情報を取得する。その結果、本実施形態に係る管理システム100を利用することで、機器、システム等に障害が発生した場合、作業員は、既存のマニュアル等を利用して、必要な工具等を容易に把握できる。そのため、本実施形態に係る管理システム100は、障害対処の障害対処の現場に、作業員が必要な工具を未持参となることを防止することに貢献する。従って、本実施形態に係る管理システム100は、既存のマニュアル等を利用して、作業効率の向上に貢献する。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
本実施形態は、障害対処に必要な工具のうち、作業員が障害対処の現場に未持参の工具を特定し、通知する形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。
本実施形態に係る管理システム100の全体構成の一例は、図2に示す通りである。本実施形態に係るクライアント端末10の内部構成の一例は、図3に示す通りである。
図10は、本実施形態に係る管理装置30aの内部構成の一例を示すブロック図である。図10に示す管理装置30aと図4に示す管理装置30との相違点は、管理装置30aが持参工具情報データベース3013を含んで構成される点である。
まず、本実施形態に係るクライアント端末10について詳細に説明する。
本実施形態に係る指示情報入力部101は、作業員を識別するための情報(以下)、個人特定情報と呼ぶ)を取得する。例えば、指示情報入力部101は、キーボード(図示せず)、タッチパネル(図示せず)等を介して、個人特定情報を取得しても良い。個人特定情報とは、作業員の名前、作業員毎に割り振られた番号等、作業員を特定可能な情報であれば、その詳細は問わない。
本実施形態に係る指示情報送受信部102は、指示情報入力部101が取得した個人特定情報と、障害対処情報とを、ネットワーク20を介して管理装置30aに送信する。
次に、本実施形態に係る管理装置30aについて、詳細に説明する。
持参工具情報データベース3013は、個人特定情報と、持参工具情報とを対応付けて記憶する。ここで、持参工具情報とは、個人特定情報で特定される作業員が、障害対処の現場に持参する工具の種類及び/又は工具セットの種類、及び当該工具の数及び/又は工具セットの数に関する情報である。ここで、各作業員が障害対処の現場に持参する、工具等に関する工具構成情報は、予め、持参工具情報データベース3013に登録されているものとする。
本実施形態に係るデータ送受信部302は、ネットワーク20を介して、個人特定情報と、障害対処情報とを取得する。
本実施形態に係るデータ入出力部303は、データ送受信部302が取得する個人特定情報を検索キーとして、持参工具情報データベース3013から持参工具情報を抽出する。また、上記の通り、データ入出力部303は、障害対処情報を検索キーとして、障害対処情報データベース3011から工具構成情報を、必要工具情報として抽出する。
本実施形態に係るデータ処理部304は、持参工具情報と、必要工具情報との差分に基づいて、未持参工具情報を算出する。ここで、未持参工具情報とは、障害対処に必要な工具であるが、作業員が障害対処の現場に持参予定ではない工具の工具情報、及び/又は工具セット情報である。つまり、データ処理部304は、作業員が持参予定の工具等の種類、及び当該工具等の数と、必要な工具等の種類、及び当該工具等の数とに基づいて、作業員が未持参となる工具等の種類、及び当該工具等の数を取得する。
データ処理部304が未持参工具情報を算出した場合、データ送受信部302は、個人特定情報の送信元のクライアント端末10に、未持参工具情報を送信する。また、データ送受信部302は、障害対処に必要な工具等に対して、作業員が持参する工具等の過不足を、クライアント端末10に通知しても良い。
クライアント端末10が、管理装置30aから未持参工具情報を受信した場合、指示情報表示部103は、未持参工具情報を表示等することで、ユーザに未持参工具情報を提示する。
図11は、テーブル形式で、持参工具情報データベース3013に記憶される情報の一例を示す図である。具体的には、図11は、作業員名と、工具名又は工具セット名と、工具の数又は工具セットの数とを対応付けたテーブルを示す図である。
例えば、持参工具情報データベース3013が、図11に示すテーブルを記憶するとする。また、障害対処情報データベース3011が、図5に示す情報を記憶するとする。そして、データ送受信部302が、障害対処情報として、マニュアル名「マニュアルP」を取得したとする。その場合、データ入出力部303は、マニュアル名「マニュアルP」を検索キーとして、障害対処情報データベース3011から、必要工具情報を抽出する。具体的には、データ入出力部303は、図5に示すテーブルを参照し、マニュアル名「マニュアルP」に対応する必要工具情報が、「工具A:1個、工具セットb:1個、工具セットa:2個、工具B:2個」であると特定する。
さらに、データ送受信部302は、個人特定情報として、作業員名「作業員X」を取得したとする。その場合、データ入出力部303は、作業員名「作業員X」を検索キーとして、持参工具情報データベース3013から、持参工具情報を抽出する。具体的には、データ入出力部303は、図11に示すテーブルを参照し、「作業員X」が持参予定の工具情報、及び工具セット情報が、「工具A:1個、工具セットa:2個」であると特定する。なお、上記の通り、各作業員が、障害対処の現場に持参予定の工具等に関する工具構成情報は、予め、持参工具情報データベース3013に登録されているものとする。
そして、データ処理部304は、必要工具情報と、持参工具情報とを比較し、未持参工具情報を算出する。ここで、上記の通り、データ入出力部303は、図5に示すテーブルを参照する場合、マニュアル名「マニュアルP」に対応する必要工具情報が、「工具A:1個、工具セットb:1個、工具セットa:2個、工具B:2個」であると特定する。そのため、「作業員X」が「マニュアルP」に記載された障害に対処する場合、データ処理部304は、「作業員X」の未持参工具が、「工具セットb:1個、工具B:2個」であると算出する。
次に、本実施形態に係る管理システム100の動作について説明する。
図12は、本実施形態に係る管理システム100の動作の一例を示すフローチャートである。図12に示すステップS11〜S13は、図9に示すステップS1〜S3と同様であるため、説明を省略する。
データ送受信部302が、クライアント端末10から個人特定情報を受信した場合、データ入出力部303は、持参工具情報データベース3013に持参工具を問い合わせる(ステップS14)。具体的には、データ入出力部303は、個人特定情報を検索キーとして、持参工具情報データベース3013から持参工具情報を検索する。
ステップS15において、持参工具情報データベース3013は、データ入出力部303に持参工具を回答する。具体的には、持参工具情報データベース3013は、個人特定情報を検索キーとして、工具構成情報を持参工具情報として抽出し、データ入出力部303に回答する。
ステップS16において、データ処理部304は、必要工具情報と、持参工具情報とを比較する。具体的には、データ処理部304は、障害対処情報データベース3011から抽出された必要工具情報と、持参工具情報データベース3013から抽出された持参工具情報とを比較する。
ステップS17において、データ処理部304は、未持参工具情報を算出する。具体的には、データ処理部304は、必要工具情報と持参工具情報との差分を算出する。そして、データ処理部304は、必要工具情報に含まれるが持参工具情報に含まれない、工具の種類、及び当該工具の数を未持参工具情報として算出する。
ステップS18において、データ送受信部302は、未持参工具情報をクライアント端末10に通知する。指示情報送受信部102が、管理装置30aから未持参工具情報を受信した場合、指示情報表示部103は、受信した未持参工具情報を表示等する。
また、データ処理部304は、持参工具情報に含まれるが必要工具情報に含まれない、工具構成情報(以下、超過工具情報と呼ぶ)を算出しても良い。超過工具情報とは、作業員が障害対処の現場に持参する、不必要な工具等を意味する。
そして、データ送受信部302は、超過工具情報をクライアント端末10に通知しても良い。指示情報送受信部102が、管理装置30aから超過工具情報を受信した場合、指示情報表示部103は、受信した超過工具情報を表示等しても良い。
[変形例1]
本実施形態に係る管理システム100の変形例1として、管理装置30aは、未持参の工具を含む工具セットを、クライアント端末10に通知しても良い。具体的には、データ入出力部303は、持参工具情報データベース3013から未持参工具情報を抽出した場合、工具セット情報データベース3012を参照し、未持参工具の種類と当該工具の数を満たす工具セットを特定する。
[変形例2]
本実施形態に係る管理システム100の変形例2として、1つの障害に対して、2以上の障害対処作業が必要である場合、障害対処情報データベース3011は、1つの障害に対して、当該必要な2以上の障害対処作業を組み合わせて、障害対処情報として記憶する。さらに、障害対処情報データベース3011は、各障害対処作業と、工具構成情報とを対応付けて記憶する。そして、データ入出力部303は、必要な2以上の障害対処作業において、各障害対処情報に対応する工具構成情報を取得する。
[変形例3]
障害対処の対象となる、2以上の機器、2以上のシステムが存在する場合、データ処理部304は、各工具の種類に対して、必要な工具の数の最大値と、作業員が持参する工具の数とを比較し、未持参工具情報を算出しても良い。
以上のように、本実施形態に係る管理システム100において、管理装置30aは、作業員の持参予定の工具等と、作業に必要な工具等とを比較し、未持参となる工具等に関する情報を提示する。その結果、本実施形態に係る管理システム100を利用することで、作業員は、障害対処の現場に行く前に、予め、未持参となる工具等を把握できる。従って、本実施形態に係る管理システム100は、既存のマニュアル等を利用して、より一層、作業効率の向上に貢献する。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
本実施形態は、作業日における工具の在庫を管理する形態である。なお、本実施形態における説明では、上記の実施形態と重複する部分の説明は省略する。さらに、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、本実施形態における説明では、上記の実施形態と同一の作用効果についても、その説明を省略する。
本実施形態に係る管理システム100の全体構成の一例は、図2に示す通りである。本実施形態に係るクライアント端末10の内部構成の一例は、図3に示す通りである。
図13は、本実施形態に係る管理装置30bの内部構成の一例を示すブロック図である。図13に示す管理装置30bと、図10に示す管理装置30aとの相違点は、図13に示す管理装置30bが、作業予定情報データベース3014と、在庫情報データベース3015とを含んで構成される点である。
まず、本実施形態に係るクライアント端末10について詳細に説明する。なお、以下の説明では、障害対処の作業予定日であり、作業員が工具を必要とする日に関する情報を、「日付情報」と呼ぶ。また、以下の説明では、不足工具とは、作業に必要な工具であるとともに、在庫がない工具を意味する。また、以下の説明では、不足工具セットとは、作業に必要な工具を含む工具セットであるとともに、在庫がない工具セットを意味する。そして、以下の説明では、不足工具の工具構成情報、及び不足工具セットの工具構成情報を、「不足工具情報」と呼ぶ。
本実施形態に係る指示情報入力部101は、日付情報を取得する。例えば、指示情報入力部101は、キーボード(図示せず)、タッチパネル(図示せず)等を介して、日付情報を取得しても良い。
本実施形態に係る指示情報送受信部102は、指示情報入力部101が取得した日付情報と、個人特定情報と、障害対処情報とを、ネットワーク20を介して管理装置30bに送信する。
次に、本実施形態に係る管理装置30bについて詳細に説明する。
作業予定情報データベース3014は、作業予定情報を記憶する。作業予定情報とは、個人特定情報と、日付情報と、手配完了工具情報とを対応付けた情報である。そのため、作業予定情報データベース3014は、個人特定情報と、日付情報と、手配完了工具情報とを対応付けた情報を記憶する。ここで、手配完了工具情報とは、不足工具について、調達のための手配が完了したか否かを示す工具構成情報である。
在庫情報データベース3015は、工具構成情報と、在庫情報とを対応付けて記憶する。在庫情報とは、工具の在庫数に関する情報である。具体的には、在庫情報データベース3015は、工具セット在庫情報データベース3016と、工具在庫情報データベース3017とを含んで構成される。
工具セット在庫情報データベース3016は、工具セットの種類と、各種類の工具セットの在庫数とを対応付けて記憶する。工具在庫情報データベース3017は、工具の種類と、各種類の工具の在庫数とを対応付けて記憶する。
本実施形態に係るデータ送受信部302は、ネットワーク20を介して、日付情報と、個人特定情報と、障害対処情報とを取得する。
本実施形態に係るデータ入出力部303は、個人特定情報と、日付情報とを検索キーとして、作業予定情報データベース3014から手配完了工具情報を抽出する。さらに、データ入出力部303は、工具構成情報を検索キーとして、在庫情報データベース3015から、在庫情報を抽出する。
また、上記の通り、データ入出力部303は、個人特定情報を検索キーとして、持参工具情報データベース3013から持参工具情報を抽出する。また、上記の通り、データ入出力部303は、障害対処情報を検索キーとして、障害対処情報データベース3011から工具構成情報を、必要工具情報として抽出する。そして、本実施形態に係るデータ処理部304は、持参工具情報と、必要工具情報との差分に基づいて、未持参工具情報を算出する。
さらに、本実施形態に係るデータ処理部304は、未持参工具情報と、手配完了工具情報と、在庫情報とに基づいて、未持参工具の有無を算出する。
また、データ処理部304は、必要工具情報に基づいて、在庫情報データベース3015が記憶する在庫情報を更新する。具体的には、必要工具情報に対応する工具等は、使用予定の工具等であるため、在庫から搬出される工具等である。そのため、データ処理部304は、必要工具情報に対応する工具等を、在庫情報から除去することで、在庫情報を更新する。つまり、データ処理部304は、必要工具情報に対応する工具等が、在庫情報から差し引かれた後の工具等の種類、及び当該工具等の数に、在庫情報を更新する。
また、データ処理部304は、未持参工具情報、手配完了工具情報、在庫情報に基づいて、不足工具を算出し、当該不足工具を手配、又は通知する。具体的には、データ処理部304は、不足工具に関する不足工具情報、工具等が不足する日付情報、工具等が不足する場所を通知する。
例えば、不足工具を手配する場合、障害対処に必要な部品等を在庫しているパーツセンターに、工具等を準備するように、データ処理部304は、当該パーツセンターに電子メール等を送信しても良い。または、データ処理部304は、作業員の待機拠点等、予め定められた場所へ、必要工具情報、及び不足工具情報を送信しても良い。
また、データ処理部304は、障害対処に必要な工具等が不足する、1又は2以上の作業のうち、作業予定日時を変更可能である、少なくとも1つの作業が存在する場合、当該作業の作業予定日時を変更しても良い。その場合、データ入出力部303は、変更された作業予定日時を、作業予定情報データベース3014に登録する。
例えば、作業予定日時を変更可能な作業とは、機器、システム等の保守契約において、障害発生時点から所定の時間以内に、当該障害に対する作業を行えば良いと定められている作業等である。その場合、データ処理部304は、保守契約で許可された時間内で、作業予定日時を前倒し、又は先送りしても良い。
さらに、データ処理部304は、必要工具情報、未持参工具情報、手配完了工具情報、不足工具情報の少なくともいずれか一を、工具選定結果として出力する。
図14は、テーブル形式で、作業予定情報データベース3014に記憶される情報の一例を示す図である。具体的には、図14は、作業日と作業員名と、マニュアル名と、障害対処項目名と、手配完了の工具名又は工具セット名と、手配完了の工具の数又は手配完了の工具セットの数とを対応付けたテーブルを示す図である。
図14に示すように、作業員名と、障害対処情報と、手配完了の工具構成情報とを対応付けることで、未持参の工具等があっても、当該工具等が手配完了しているか否かを、管理装置30は容易に管理できる。
図15は、テーブル形式で、工具セット在庫情報データベース3016に記憶される情報の一例を示す図である。具体的には、図15は、在庫の工具セットの種類と、当該種類の工具セットの数とを対応付けたテーブルを示す図である。
図16は、テーブル形式で、工具在庫情報データベース3017に記憶される情報の一例を示す図である。具体的には、図16は、在庫の工具の種類と、当該種類の工具の数とを対応付けたテーブルを示す図である。
図17は、テーブル形式で、工具選定結果の一例を示す図である。図17は、テーブル形式で、作業日と、作業員名と、マニュアル名と、障害対処項目名と、手配完了工具の工具名又は工具セット名と、当該種類の工具の数又は工具セットの数とを対応付けた、テーブルを示す図である。データ処理部304は、工具選定結果として、図17に示すようなテーブルを生成しても良い。そして、データ送受信部302は、工具選定結果として、データ処理部304が生成したテーブルを、クライアント端末10に送信しても良い。
次に、本実施形態に係る管理システム100の動作について詳細に説明する。
図18は、未持参工具の有無を判断する処理の一例を示すフローチャートである。図18に示すステップS101〜S107は、図12に示すステップS11〜S17と同様であるため、説明を省略する。
データ処理部304が、未持参工具情報を算出した(ステップS107)とする。その場合、ステップS108において、未持参工具があるか否かを、データ処理部304は判断する。未持参工具がある場合(ステップS108のYes分岐)には、図19に示すステップS121に遷移する。未持参工具がない場合(ステップS108のNo分岐)には、図22に示すステップS181に遷移する。
図19は、未持参工具の在庫の有無を判断する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS121において、データ入出力部303は、作業日における手配完了工具を、作業予定情報データベース3014に問合せする。具体的には、データ入出力部303は、個人特定情報と、日付情報とを検索キーとして、作業予定情報データベース3014から、手配完了工具情報を検索する。
ステップS122において、作業予定情報データベース3014は、作業日における手配完了工具をデータ入出力部303に回答する。具体的には、作業予定情報データベース3014は、個人特定情報と、日付情報とを検索キーとして、手配完了工具情報を抽出し、データ入出力部303に回答する。
ステップS123において、データ入出力部303は、工具セットの在庫を工具セット在庫情報データベース3016に問合せする。具体的には、データ入出力部303は、未持参工具情報を検索キーとして、工具セット在庫情報データベース3016から、未持参工具を含む、工具セット情報を検索する。
ステップS124において、工具セット在庫情報データベース3016は、工具セットの在庫を回答する。具体的には、工具セット在庫情報データベース3016は、未持参工具情報を検索キーとして、未持参工具を含む、工具セット情報を抽出し、データ入出力部303に回答する。
ステップS125において、データ入出力部303は、工具在庫情報データベース3017に、工具の在庫を問合せする。具体的には、データ入出力部303は、未持参工具情報を検索キーとして、工具在庫情報データベース3017から、工具情報を検索する。
ステップS126において、工具在庫情報データベース3017は、未持参工具情報を検索キーとして、工具情報を抽出し、データ入出力部303に回答する。
ステップS127において、データ処理部304は、作業日の在庫を算出する。具体的には、データ処理部304は、ステップS122の処理で取得した手配完了工具情報と、ステップS124の処理で取得した工具セット情報と、ステップS126の処理で取得した工具情報とに基づいて、作業日における工具セットの在庫、及び作業日における工具の在庫を算出する。なお、以下の説明においては、在庫の工具セット情報を、「工具セット在庫情報」と呼ぶ。また、以下の説明においては、在庫の工具情報を、「工具在庫情報」と呼ぶ。また、以下の説明では、作業日における工具セットの在庫、及び作業日における工具の在庫を、「作業日の在庫」とも表現する。
ステップS128において、データ処理部304は、未持参工具と、作業日の在庫とを比較する。具体的には、データ処理部304は、未持参工具情報と、作業日における工具セット在庫情報と、作業日における工具在庫情報とに基づいて、作業員に対して引き当て可能な工具を算出する。そして、図20に示すステップS141に遷移する。なお、引き当てとは、準備されている工具の数及び/又は工具セットの数から、使用予定の工具の数及び/又は工具セットの数を、予め減算しておくことを意味する。
図20は、作業日の工具セット在庫情報を更新する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS141において、ステップS128の処理における比較対象が工具セットであるか否かを、データ処理部304は判断する。比較対象が工具セットである場合(ステップS141のYes分岐)には、ステップS142に遷移する。一方、比較対象が工具セットではない場合(ステップS141のNo分岐)には、図21に示すステップS161に遷移する。
ステップS142において、工具セットの在庫があるか否かを、データ処理部304は判断する。工具セットの在庫がある場合(ステップS142のYes分岐)には、ステップS147に遷移する。一方、工具セットの在庫がない場合(ステップS142のNo分岐)には、データ処理部304は、工具セットの手配処理を実行する(ステップS143)。そして、ステップS144に遷移する。
例えば、データ処理部304は、工具セットを新規に発注するための処理を実行しても良い。または、データ処理部304は、工具セットをレンタル業者からレンタルするための処理を実行しても良い。または、データ処理部304は、対象の作業員以外の作業員、または対象の作業員の所属する拠点と異なる拠点から、工具セットを借用するための処理を実行しても良い。または、データ処理部304は、工具セットの手配を指示するメッセージ等を、データ送受信部302を介して、クライアント端末10に送信しても良い。
ステップS144において、データ入出力部303は、工具セット在庫情報データベース3016に対して、工具セットの在庫数の更新依頼を実行する。具体的には、データ入出力部303は、ステップS143の処理において手配した、工具セットの種類、及び当該種類の工具セットの数を、工具セット在庫情報データベース3016に記憶される情報に追加するように、工具セット在庫情報データベース3016に指示を送信する。
ステップS145において、工具セット在庫情報データベース3016は、更新依頼のあった、工具セットの在庫数を更新する。具体的には、工具セット在庫情報データベース3016は、指示された工具セットの種類、及び当該種類の工具セットの数を、工具セット在庫情報データベース3016に記憶される情報に追加する。そして、ステップS146において、工具セット在庫情報データベース3016は、更新完了を、データ入出力部303に回答する。
ステップS147において、データ処理部304は、引き当て処理を実行する。そして、ステップS148において、データ処理部304は、作業日の工具セット在庫情報を更新する。具体的には、データ処理部304は、ステップS143の処理において手配した工具セットを、作業日における工具セット在庫情報から減算する。そして、図21に示すステップS161に遷移する。
図21は、作業日の工具在庫情報を更新する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS161において、工具の在庫があるか否かを、データ処理部304は判断する。工具の在庫がある場合(ステップS161のYes分岐)には、ステップS170に遷移する。一方、工具の在庫がない場合(ステップS161のNo分岐)には、ステップS162に遷移する。
ステップS162において、データ入出力部303は、工具セット情報データベース3012に工具セット情報を問合せする。具体的には、工具の在庫がない場合であっても、工具セットに含まれる工具を利用できる可能性がある。そこで、データ入出力部303は、在庫のない工具を検索キーとして、当該工具を含む工具セットを検索する。
ステップS163において、工具セット情報データベース3012は、工具セット情報をデータ入出力部303に回答する。具体的には、工具セット情報データベース3012は、在庫のない工具の工具情報に基づいて、当該工具を含む工具セットの工具セット情報を抽出し、データ入出力部303に回答する。
ステップS164において、データ処理部304は、工具セット情報と、作業日の在庫とに基づいて、作業日の工具在庫情報を算出する。具体的には、データ処理部304は、ステップS127の処理で算出した、作業日の工具セット在庫情報と、ステップS163の処理で回答された、工具セットを構成する工具情報とに基づいて、作業日の工具在庫情報を算出する。
ステップS165において、工具の在庫があるか否かを、データ処理部304は判断する。ここで、工具の在庫とは、工具セットを構成する工具の在庫のうち、未持参工具情報に含まれる工具情報を満たす、工具の種類、及び当該種類の工具の数を意味する。具体的には、ステップS164の処理で算出した、作業日の工具在庫情報と、図18に示すステップS107の処理で算出した、未持参工具情報とに基づいて、工具の在庫があるか否かを、データ処理部304は判断する。
工具の在庫がある場合(ステップS165のYes分岐)には、ステップS170に遷移する。一方、工具の在庫がない場合(ステップS165のNo分岐)には、データ処理部304は、工具の手配処理を実行する(ステップS166)。そして、ステップS167に遷移する。なお、工具の手配処理は、上記の工具セットの手配処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS167において、データ入出力部303は、工具在庫情報データベース3017に、工具の在庫数の更新依頼を実行する。具体的には、、データ入出力部303は、ステップS166の処理において手配した、工具の工具構成情報を、工具在庫情報データベース3017に記憶される情報に追加するように、工具在庫情報データベース3017に指示を送信する。
ステップS168において、工具在庫情報データベース3017は、更新依頼のあった、工具の在庫数を更新する。具体的には、工具在庫情報データベース3017は、指示された工具の工具構成情報を、工具在庫情報データベース3017に記憶される情報に追加する。そして、ステップS169において、工具在庫情報データベース3017は、更新完了を、データ入出力部303に回答する。
ステップS170において、工具の引き当て処理を実行する。具体的には、データ処理部304は、ステップS166の処理において手配した工具を、作業日における工具在庫情報から減算する。そして、図22に示すステップS181に遷移する。
図22は、作業予定情報を更新する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS181において、データ処理部304は、作業予定情報を作成する。具体的には、データ処理部304は、引き当て処理後の工具セット在庫情報、引き当て処理後の工具在庫情報の少なくともいずれかと、日付情報、個人特定情報と、障害対処情報、工具手配完了情報に基づいて、作業予定情報を作成する。
ステップS182において、データ入出力部303は、作業予定情報データベース3014に、作業予定情報を追加依頼する。具体的には、データ入出力部303は、ステップS181の処理で作成した作業予定情報を、作業予定情報データベース3014に追加するように、作業予定情報データベース3014に指示する。なお、作業予定情報とは、上述の通り、個人特定情報と、日付情報と、手配完了工具情報とを対応付けた情報である。
ステップS183において、作業予定情報データベース3014は、作業予定情報を追加する。具体的には、作業予定情報データベース3014は、指示された作業予定情報を、作業予定情報データベース3014に記憶される情報に追加する。そして、ステップS184において、作業予定情報データベース3014は、作業予定情報の追加完了を、データ入出力部303に回答する。
ステップS185において、データ処理部304は、工具選定結果を発行する。具体的には、データ処理部304は、必要工具情報、未持参工具情報、手配完了工具情報、不足工具情報の少なくともいずれか一を含む情報を、工具選定結果として作成する。さらに、工具選定結果は、日付情報、個人特定情報、障害対処情報、持参工具情報の少なくともいずれか一を含んで構成されても良い。
そして、データ送受信部302は、工具選定結果をクライアント端末10に送信する。ステップS186において、クライアント端末10は、工具選定結果を表示等する。なお、クライアント端末10は、ユーザが認識できるように、工具選定結果を出力すれば良く、工具選定結果の出力方法について、その詳細は問わない。
以上のように、本実施形態に係る管理システム100において、管理装置30bは、作業日に、障害対処に必要な工具等の在庫があるか否かを判断する。そして、本実施形態に係る管理システム100において、必要な工具等の在庫がない場合には、管理装置30bは、在庫のない工具等を手配するように通知する。その結果、本実施形態に係る管理システム100を利用することで、作業員等は、障害対処の現場に行く前に、予め、必要な工具等を手配できる。従って、本実施形態に係る管理システム100は、既存のマニュアル等を利用して、より一層、作業効率の向上に貢献する。
上述の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)上記第1の視点に係る管理装置の通りである。
(付記2)個人特定情報と、持参工具情報とを対応付けて記憶する、持参工具情報データベースをさらに備え、前記データ送受信部は、ネットワークを介して、個人特定情報を取得し、前記データ入出力部は、前記データ送受信部が取得する、前記個人特定情報を検索キーとして、前記持参工具情報データベースから前記持参工具情報を抽出し、前記データ処理部は、前記データ入出力部が抽出する、前記持参工具情報と前記必要工具情報との差分に基づいて、未持参工具情報を算出する、付記1に記載の管理装置。
(付記3)前記個人特定情報と、日付情報と、手配完了工具情報とを対応付けて記憶する作業予定情報データベースと、工具構成情報と、在庫情報とを対応付けて記憶する、在庫情報データベースと、をさらに備え、前記データ送受信部は、ネットワークを介して、前記日付情報を取得し、前記データ入出力部は、前記個人特定情報と、前記日付情報とを検索キーとして、前記作業予定情報データベースから前記手配完了工具情報を抽出し、前記工具構成情報を検索キーとして、前記在庫情報データベースから、前記在庫情報を抽出し、前記データ処理部は、前記未持参工具情報と、前記データ入出力部が抽出する前記手配完了工具情報と前記在庫情報とに基づいて、未持参工具の有無を算出する、付記2に記載の管理装置。
(付記4)データ処理部は、必要工具が不足する1又は2以上の作業のうち、作業予定日時を変更可能である、少なくとも1つの作業が存在する場合、当該作業の作業予定日時を変更し、前記データ入出力部は、変更された前記作業予定日時を、前記作業予定情報データベースに登録する、付記3に記載の管理装置。
(付記5)データ処理部は、前記未持参工具情報と、前記データ入出力部が抽出する前記手配完了工具情報と前記在庫情報とに基づいて、不足工具を算出し、当該不足工具を手配、又は不足工具を通知する、付記3又は4に記載の管理装置。
(付記6)データ処理部は、前記不足工具に関する不足工具情報、工具が不足する日付情報、工具が不足する場所を通知する、付記5に記載の管理装置。
(付記7)データ処理部は、前記未持参工具情報、前記不足工具情報、前記データ入出力部が抽出する前記必要工具情報、前記手配完了工具情報の少なくともいずれか一を、工具選定結果として出力する、付記6に記載の管理装置。
(付記8)上記第2の視点に係る管理システムの通りである。
(付記9)上記第3の視点に係る管理装置の制御方法の通りである。
(付記10)個人特定情報と、持参工具情報とを対応付けて記憶する工程と、ネットワークを介して、個人特定情報を取得する工程と、前記個人特定情報に基づいて、前記持参工具情報を取得する工程と、前記持参工具情報と前記必要工具情報との差分に基づいて、未持参工具情報を算出する工程と、を含む付記9に記載の管理装置の制御方法。
(付記11)前記個人特定情報と、日付情報と、手配完了工具情報とを対応付けて記憶する工程と、工具構成情報と、在庫情報とを対応付けて記憶する工程と、ネットワークを介して、前記日付情報を取得する工程と、前記個人特定情報と、前記日付情報とに基づいて、前記手配完了工具情報を取得する工程と、前記工具構成情報に基づいて、前記在庫情報を取得する工程と、前記未持参工具情報と、前記手配完了工具情報と前記在庫情報とに基づいて、未持参工具の有無を算出する工程と、を含む付記10に記載の管理装置の制御方法。
(付記12)必要工具が不足する1又は2以上の作業のうち、作業予定日時を変更可能である、少なくとも1つの作業が存在する場合、当該作業の作業予定日時を変更する工程と、変更された前記作業予定日時を、前記作業予定情報データベースに登録する工程と、を含む付記11に記載の管理装置の制御方法。
(付記13)前記未持参工具情報と、前記手配完了工具情報と前記在庫情報とに基づいて、不足工具を算出する工程と、当該不足工具を手配、又は不足工具を通知する工程と、を含む付記11又は12に記載の管理装置の制御方法。
(付記14)前記不足工具を通知する工程において、前記不足工具に関する不足工具情報、工具が不足する日付情報、工具が不足する場所を通知する、付記13に記載の管理装置の制御方法。
(付記15)前記未持参工具情報、前記不足工具情報、前記データ入出力部が抽出する前記必要工具情報、前記手配完了工具情報の少なくともいずれか一を、工具選定結果として出力する工程を含む、付記14に記載の管理装置の制御方法。
(付記16)上記第4の視点に係るプログラムの通りである。
(付記17)個人特定情報と、持参工具情報とを対応付けて記憶する処理と、ネットワークを介して、個人特定情報を取得する処理と、前記個人特定情報に基づいて、前記持参工具情報を取得する処理と、前記持参工具情報と前記必要工具情報との差分に基づいて、未持参工具情報を算出する処理とを、前記コンピュータに実行させる、付記16に記載のプログラム。
(付記18)前記個人特定情報と、日付情報と、手配完了工具情報とを対応付けて記憶する工程と、工具構成情報と、在庫情報とを対応付けて記憶する処理と、ネットワークを介して、前記日付情報を取得する処理と、前記個人特定情報と、前記日付情報とに基づいて、前記手配完了工具情報を取得する処理と、前記工具構成情報に基づいて、前記在庫情報を取得する処理と、前記未持参工具情報と、前記手配完了工具情報と前記在庫情報とに基づいて、未持参工具の有無を算出する処理とを、前記コンピュータに実行させる、付記17に記載のプログラム。
(付記19)必要工具が不足する1又は2以上の作業のうち、作業予定日時を変更可能である、少なくとも1つの作業が存在する場合、当該作業の作業予定日時を変更する処理と、変更された前記作業予定日時を、前記作業予定情報データベースに登録する処理とを、前記コンピュータに実行させる、付記18に記載のプログラム。
(付記20)前記未持参工具情報と、前記手配完了工具情報と前記在庫情報とに基づいて、不足工具を算出する処理と、当該不足工具を手配、又は不足工具を通知する処理とを、前記コンピュータに実行させる、付記18又は19に記載のプログラム。
(付記21)前記不足工具を通知する処理において、前記不足工具に関する不足工具情報、工具が不足する日付情報、工具が不足する場所を通知する、付記20に記載のプログラム。
(付記22)前記未持参工具情報、前記不足工具情報、前記データ入出力部が抽出する前記必要工具情報、前記手配完了工具情報の少なくともいずれか一を、工具選定結果として出力する処理を、前記コンピュータに実行させる、付記21に記載のプログラム。
なお、上記の特許文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。