JP6375802B2 - 植物の育成方法及び植物育成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、植物の育成方法及び植物育成装置に関する。
従来より、光や温度等の育成条件を制御することにより、植物の成長を促進させる方法が検討されている。具体的には、例えば、植物固有の概日リズムを基礎としたアルゴリズムに基づいて栽培光の制御を行うことにより、植物の成長を促進させる方法が知られている(特許文献1参照)。更には、生育環境を過重力状態に制御することにより、植物の成長を促進させる方法等が知られている(特許文献2参照)。
特開2012−179009号公報 特開2007−330219号公報
しかしながら、特許文献1の植物栽培方法では、概日リズムを基礎としたアルゴリズムの作成にあたり、各植物品種固有の体内周期を求めるための解析が必要である。そして、それに伴って、栽培する全ての植物品種固有の体内時計遺伝子の発現量や二酸化炭素吸収量の経時計測を行う必要がある。そのため、特別な計測装置が必要となるうえ、栽培品種毎にデータを揃える時間が必要であり、生産性の観点において問題がある。
また、特許文献2の栽培方法では、栽培環境を過重力状態とするための特別な設備が必要であるとともに、栽培スペースが限定されるため、生産性の観点において問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、起潮力の変動に応じて植物の生育環境を制御することにより、植物の代謝を変化させることができる植物の育成方法及び植物育成装置を提供することを目的とする。特に、特別な設備を必要とせず、容易に把握が可能な相対的重力加速度を利用することにより、植物の成長を促進させ、栽培期間を短縮したり、バイオマスの増産や、成分の改良ができる植物の育成方法及び植物育成装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、標準重力加速度を基準とした、重力加速度の相対値(相対的重力加速度)等を指標とする起潮力の経時変化が、意外にも植物の成長等における代謝に関わっており、起潮力の変動に応じて生育環境を制御することにより、植物の成長を促進させたり、バイオマスの増産や、成分の改良ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、植物の育成方法であって、起潮力を把握し、前記起潮力の変動に応じて、植物の生育環境を制御し、前記生育環境には、光条件が含まれ、前記起潮力の指標として、相対的重力加速度を用いることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、前記植物を明暗サイクルにおける暗期に割り当て、暗条件にて成長させることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、前記植物を明暗サイクルにおける暗期に割り当て、暗条件にて成長させることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記植物が繊維の採取が可能な植物であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記繊維の採取が可能な植物がケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー及び亜麻の少なくとも一種であることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の発明において、前記植物が野菜であることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、植物を生育するための育成空間を備えた植物育成装置であって、起潮力を把握する起潮力把握手段と、
起潮力の変動に応じて、前記育成空間内の生育環境を制御する生育環境制御手段と、を備え、
前記生育環境には、光条件が含まれ、
前記起潮力把握手段として、相対的重力加速度を算出する相対的重力加速度算出手段を用い、
前記生育環境制御手段として、算出された相対的重力加速度に応じて、育成空間内の生育環境を制御する生育環境制御手段を用いることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、明暗サイクルにおける暗期に割り当て、前記植物を暗条件にて成長させることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、明暗サイクルにおける暗期に割り当て、前記植物を暗条件にて成長させることを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7乃至9の何れか一項において、前記植物が繊維の採取が可能な植物であることを要旨とする。
請求項11記載の発明は、請求項10において、前記繊維の採取が可能な植物がケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー及び亜麻の少なくとも一種であることを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、請求項7乃至9の何れか一項において、前記植物が野菜であることを要旨とする。
本発明の植物の育成方法によれば、起潮力の変動に応じて、植物の生育環境を制御することができるため、植物の代謝を変化させることができる。特に、植物の成長を促進させ、栽培期間を短縮したり、バイオマスの増産や、成分の改良を行うことができる。
また、光条件を含む生育環境を制御する場合には、植物の代謝を効率的に変化させることができる。特に、植物の成長を効率的に促進させ、栽培期間を短縮したり、バイオマスの増産や、植物における成分の改良を行うことができる。
更に、起潮力の指標として、相対的重力加速度を用いる場合には、特別な設備を必要とせず、起潮力の把握が容易であり、植物の代謝を効率的に変化させることができる。
また、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる場合には、相対的重力加速度の変化による植物成長率の高まりと、光合成により蓄えられたエネルギーを成長に利用する能力が高まる暗期とが重なることにより、植物の成長をより効率的に促進させ、栽培期間を短縮することができる。更には、バイオマスの増産や、成分の改良を行うことができる。
更に、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる場合には、植物の代謝を効率的に変化させることができる。特に、植物における成分の改良を行うことができる。
本発明の植物育成装置によれば、植物を生育するための育成空間を有し、起潮力把握手段と、起潮力の変動に応じて、生育環境を制御する生育環境制御手段と、を備えているため、植物の代謝を変化させることができる。特に、植物の成長を促進させ、栽培期間を短縮したり、バイオマスの増産や、植物における成分の改良を行うことができる。
また、光条件を含む生育環境を制御する場合には、植物の代謝を効率的に変化させることができる。特に、植物の成長を効率的に促進させ、栽培期間を十分に短縮したり、バイオマスの増産や、成分の改良を行うことができる。
更に、起潮力把握手段として、相対的重力加速度を算出する相対的重力加速度算出手段を用い、生育環境制御手段として、算出された相対的重力加速度に応じて、育成空間内の生育環境を制御する生育環境制御手段を用いる場合には、起潮力の把握が容易であり、植物の代謝を効率的に変化させることができる。
また、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる場合には、相対的重力加速度の変化による植物成長率の高まりと、光合成により蓄えられたエネルギーを成長に利用する能力が高まる暗期とが重なることにより、植物の成長をより効率的に促進させ、栽培期間を短縮することができる。更には、バイオマスの増産や、植物における成分の改良を行うことができる。
更に、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる場合には、植物の代謝を効率的に変化させることができる。特に、植物における成分の改良を行うことができる。
植物育成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 生育環境制御処理ルーチンを説明するフローチャートである。 茎の成長率の変化と相対的重力加速度の変化を示すグラフである。 相対的重力加速度と、明暗条件による茎の成長率の変化を示すグラフである。 非同調栽培実験中における相対重力加速度(単位;μGal)の変化を示すグラフである。 同調栽培実験中における相対重力加速度(単位;μGal)の変化を示すグラフである。 非同調栽培により育成されたハツカダイコン(図面左)と、同調栽培により育成されたハツカダイコン(図面右)との比較図である。 非同調栽培により育成されたミニチンゲンサイ(図面左)と、同調栽培により育成されたミニチンゲンサイ(図面右)との比較図である。 暗期同調栽培実験中における相対重力加速度(単位;μGal)の変化を示すグラフである。 試験区Aで育成された実験例9−A−1〜実験例9−A−20のチンゲンサイの外観図である。 試験区Bで育成された実験例9−B−1〜実験例9−B−20のチンゲンサイの外観図である。 試験区Aで育成された実験例9のチンゲンサイの葉の外観図である。 試験区Bで育成された実験例9のチンゲンサイの葉の外観図である。 試験区Aで育成された実験例10−A−1〜実験例10−A−9のハツカダイコンの外観図である。 試験区Bで育成された実験例10−B−1〜実験例10−B−9のハツカダイコンの外観図である。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]植物の育成方法
本発明の植物の育成方法は、起潮力を把握し、起潮力の変動に応じて、植物の生育環境を制御することを特徴とする。
上記起潮力は、相対的重力加速度(理論値)、月齢カレンダー、気象データ(気圧及び潮位)、及び地球の中心から育成地までの距離のうちの少なくとも1つを指標とすることができる。
特に、本発明の育成方法では、起潮力の指標として、相対的重力加速度を用いることが好ましい。即ち、相対的重力加速度を把握し、相対的重力加速度に応じて、植物の生育環境を制御するものとすることが好ましい。
上記相対的重力加速度[Relative gravity acceleration(RGA)]とは、標準重力加速度(1G=9.80665×10μGal)を基準(ゼロ点)とした、重力加速度の相対値を意味する。
この相対的重力加速度は、一般に公開されている潮汐力予測プログラムを利用することにより算出することができる。具体的には、潮汐力予測プログラムに、栽培拠点の位置(緯度及び経度)、年月日、及び時刻の各情報を入力することにより、目的地点における相対的重力加速度、及びその経時変化を算出することができる。
また、上記潮汐力予測プログラムとしては、例えば、潮汐予測システム「GOTIC2」(http://www.miz.nao.ac.jp/staffs/nao99/)等を用いることができる。
上記生育環境としては、具体的には、例えば、光、温度、湿度、散水、土壌、施肥、二酸化炭素濃度、気圧、音波、振動、化学物質濃度、電気刺激等の条件が挙げられる。
特に、本発明における植物の育成方法では、上記起潮力に応じて、光条件を含む生育環境を制御することが好ましく、上記相対的重力加速度に応じて、光条件を含む生育環境を制御することがより好ましい。
相対的重力加速度に応じた光条件の制御としては、特定の時間帯に、植物を暗条件にて成長させる形態が挙げられる。
具体的には、例えば、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる形態等が挙げられる。より具体的には、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯を、明暗サイクルにおける暗期に割り当てて、植物を成長させる形態等が挙げられる。
この際、植物を暗条件において成長させる時間は特に限定されないが、少なくとも相対的重力加速度がプラスからマイナスに変化した直後から、0.1〜12時間(特に0.5〜8時間、更には0.5〜4時間)は暗条件で成長させることが好ましい。
更には、相対的重力加速度に応じた光条件の制御としては、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる形態が挙げられる。より具体的には、相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯を、明暗サイクルにおける暗期に割り当てて、植物を成長させる形態が挙げられる。
この際、植物を暗条件において成長させる時間は特に限定されないが、少なくとも相対的重力加速度がマイナスからプラスに変化した直後から、0.1〜12時間(特に0.5〜8時間、更には0.5〜4時間)は暗条件で成長させることが好ましい。
また、明暗サイクルにおける明期と暗期の各期間は特に限定されず、上記相対的重力加速度の経時変化、概日リズム、育成する植物の種類等に応じて、適宜調整することができる。例えば、この明暗サイクルは、明期を0〜24時間(特に12〜20時間、更には12〜16時間)とし、暗期を0〜24時間(特に4〜12時間、更には8〜12時間)とすることができる。
尚、本発明においては、0〜1500ルクスの照度範囲を暗所(暗条件)とし、1500ルクスを超える範囲の照度範囲を明所(明条件)とする。この暗条件は、陽性植物の光補償点における光強度を参考としたものである(参考文献;Taiz and Zeiger,Plant Physiology Third Edition、発行年;2002年、該当頁;178頁)。
また、本発明において、育成が行われる植物の種類は特に限定されない。
上記植物としては、例えば、被子植物、裸子植物、シダ植物、コケ植物及び真菌植物等が挙げられる。
上記被子植物としては、双子葉類であってもよいし、単子葉類であってもよい。被子植物のなかでも、繊維の採取が可能なものや、野菜(果菜類、葉菜類、茎菜類、根菜類、花菜類)が好ましい。繊維の採取が可能なものとしては、具体的には、例えば、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻(フラックス)、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、クラウア、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、綿花、カポック等が挙げられる。更には、ポプラ、ブナ、カバ、柳、楓等の広葉樹が挙げられる。これらのなかでも、靭皮植物、即ち、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻が特に好ましい。
更に、野菜としては、具体的には、例えば、アオイ目[アオイ科(例えば、オクラ等)、シナノキ科(例えば、モロヘイヤ等)]、スイレン目[スイレン科(例えば、はす等)]、スミレ目[ウリ科(例えば、きゅうり、すいか、メロン等)]、セリ目[ウコギ科(例えば、うど等)、セリ科(例えば、あしたば、セロリ、パセリ、みつば等)]、ナデシコ目[アカザ科(例えば、ほうれんそう等)]、バラ目[バラ科(例えば、いちご等)]、フウチョウソウ目[アブラナ科(例えば、かぶ、カリフラワー、チンゲンサイ、はつかだいこん、はくさい等)]、マメ目[マメ科(例えば、あずき、えんどう、だいず、らっかせい等)]、ムクロジ目[ミカン科(例えば、さんしょう等)]、キク目[キク科(例えば、きく、ごぼう、ふき、レタス等)]、ゴマノハグサ目[ゴマ科(例えば、ごま等)]、シソ目[シソ科(例えば、しそ、バジル、ペパーミント等)]、ナス目[ナス科(例えば、ししとうがらし、じゃがいも、トマト、なす、ピーマン等)、ヒルガオ科(例えば、さつまいも等)]、オモダカ目[オモダカ科(例えば、くわい等)]、カヤツリグサ目[イネ科(例えば、とうもろこし等)]、サトイモ目[サトイモ科(例えば、こんにゃく、さといも等)]、ショウガ目[ショウガ科(例えば、しょうが、みょうが等)]、ユリ目[アヤメ科(例えば、サフラン等)、ヤマノイモ科(例えば、ながいも等)、ユリ科(例えば、アスパラガス、たまねぎ、にら等)]等に属するものが挙げられる。
また、上記裸子植物としては、繊維としての採取が可能なものが好ましい。具体的には、例えば、スギ、ヒノキ、トウヒ、モミ、マツ、カラマツ等の針葉樹が挙げられる。
更に、上記シダ植物としては、野菜が好ましい。具体的には、シダ目[ウラボシ科(例えば、わらび等)、ゼンマイ科(例えば、ぜんまい等)]、トクサ目[トクサ科(例えば、つくし等)]等に属するものが挙げられる。
また、上記真菌植物としては、野菜が好ましい。具体的には、キクラゲ目[キクラゲ科(例えば、きくらげ等)]、ハラタケ目[キシメジ科(例えば、えのきたけ、しいたけ、まつたけ等)、ハラタケ科(例えば、マッシュルーム等)、モエギタケ科(例えば、なめこ等)]等に属するものが挙げられる。
[2]植物育成装置
本発明の植物育成装置は、植物を生育するための育成空間を備えるものであって、起潮力を把握する起潮力把握手段と、起潮力の変動に応じて、育成空間内の生育環境を制御する生育環境制御手段と、を備えている。
上記育成空間は、開空間であっても、閉空間であってもよく、育成する植物の種類等に応じて適宜調整することができる。
上記起潮力把握手段としては、相対的重力加速度を算出する相対的重力加速度算出手段、月齢カレンダーから起潮力を把握する手段、気象データ(気圧及び潮位)から起潮力を把握する手段、地球の中心から育成地までの距離を算出して起潮力を把握する手段等を挙げることができる。これらのなかでも、相対的重力加速度算出手段を用いることが好ましい。
上記相対的重力加速度算出手段では、植物の栽培拠点の位置(緯度及び経度)、年月日、及び時刻の各情報が入力された際に、目的地点における相対的重力加速度、及びその経時変化が算出される。尚、相対的重力加速度は、上述のように、一般に公開されている潮汐力予測プログラムを利用することができる。
上記生育環境制御手段では、起潮力の変動(例えば、上記起潮力把握手段により得られたデータ等(特に、算出された相対的重力加速度)に応じて、光、温度、湿度、散水、土壌、施肥、二酸化炭素濃度、気圧、音波、振動、化学物質濃度、電気刺激等の条件等の育成空間内の生育環境が制御される。
特に、本発明における植物育成装置では、上記起潮力把握手段として、相対的重力加速度を算出する相対的重力加速度算出手段を用い、上記生育環境制御手段として、算出された相対的重力加速度に応じて、育成空間内の生育環境を制御する生育環境制御手段を用いることが好ましい。
また、本発明における植物育成装置では、上記相対的重力加速度に応じて、光条件を含む生育環境が制御されることが好ましい。
相対的重力加速度に応じた光条件の制御としては、例えば、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる形態等が挙げられる。より具体的には、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯を、明暗サイクルにおける暗期に割り当てて、植物を成長させる形態等が挙げられる。
更には、相対的重力加速度に応じた光条件の制御としては、標準重力加速度を基準とした際に、相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、植物を暗条件にて成長させる形態が挙げられる。より具体的には、相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯を、明暗サイクルにおける暗期に割り当てて、植物を成長させる形態が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
[1]植物育成装置(実施例1)
実施例1の植物育成装置は、図1に示すように、制御部1と、照明装置3と、育成空間5と、を備えている。
制御部1は、ハードウェア、ソフトウェアのいずれによって実現されてもよく、好適にはCPU、メモリ(ROM、RAM等)、入出力回路等を備えるマイクロコントローラ(マイクロコンピュータ)を中心に、入出力インターフェース等周辺回路を備えることにより構成することができる。尚、制御部1は、相対的重力加速度を算出する相対的重力加速度算出手段、及び算出された相対的重力加速度に応じて、育成空間5における生育環境を制御する生育環境制御手段として機能する。
照明装置3は、LED、電球、エレクトロルミネセンス(EL)等を光源とするものである。そして、制御部1は、この照明装置3のオン・オフや、照度を調整することができる。
また、照明装置3は太陽光等の自然光を利用するものであってもよく、その場合には、遮光や減光が可能なカーテン、ブラインド、シャッター、戸等を備えており、それらの開閉などを制御することで照度を調整することができる。
上記制御部1は、図2に示すように、植物育成装置が配設された栽培拠点となる位置情報(緯度及び経度)、年月日、及び時刻の各データが入力されると、潮汐力予測プログラムを利用して、相対的重力加速度及びその経時変化を算出する。そして、算出された相対的重力加速度に応じて、光条件、温度条件、湿度条件、散水条件、土壌条件、施肥条件等の生育環境を調整する。具体的には、照明装置3により光条件を調整する。
[2]植物の育成
(2−1)実験例1〜4
実施例1の植物育成装置を用いてケナフを24時間育成した。栽培温度は室温(25℃)とし、光条件は明条件16時間(4〜20時)及び暗条件8時間(20〜4時)の明暗サイクルで行った。
この際、育成空間における播種後約3週間経過したケナフを育成に用い、ケナフ茎丈を3時間ごとに計測し、その3時間での茎の平均成長率[Variation of stem elongation rate(SER)]を算出し、その結果を図3に示した。但し、この測定は、4度行い[2011年2月14日の7〜22時、同年2月23日の9〜22時、同年2月24日の7〜22時、同年3月8日の12時〜翌日(3月9日)の6時]、各測定日のn数は34(合計n数;136)とした。
尚、図3中の曲線は、標準重力加速度を基準(ゼロ点)とした際の、潮汐予測システム「GOTIC2」(http://www.miz.nao.ac.jp/staffs/nao99/」を用いて算出された重力加速度の相対値[相対的重力加速度(μGal)]の経時変化を示している。
また、図面上部の横棒グラフは明暗条件を示しており、白色部が明条件、黒色部が暗条件である。
図3によれば、実験例1〜4の全てにおいて、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変化する時間帯で、茎の成長率が高くなっていることを確認できた。
(2−2)実験例5
実施例1の植物育成装置を用いてケナフを8日間連続して育成した[尚、2011年12月7日の10時〜翌日(12月8日)の10時までの24時間を第1日目とする]。栽培温度は室温(25℃)とし、光条件は明条件16時間(4〜20時)及び暗条件8時間(20〜4時)の明暗サイクルで行った。
この際、育成空間における播種後約3週間経過したケナフを育成に用い、ケナフ茎丈を24時間ごとに計測し、その24時間での茎の平均成長率[Variation of stem elongation rate(SER)]を算出し、その結果を図4に示した。但し、n数は34である。
図4によれば、暗期において、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変化する時間帯を含む場合、茎の成長率が高くなることを確認できた。即ち、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変化する時間帯を暗期に割り当てて栽培することで、その時間帯を明期に割り当てる場合よりも一日当たりの茎成長率が高くなることを確認できた。
以上のことから、植物の成長は、相対的重力加速度の経時変化と密接な関係があり、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変化する時点を含む時間帯において、植物は大きく成長していることが分かった。更には、相対的重力加速度がプラスからマイナスに変化する時間帯を暗期に割り当てて栽培することにより、相対的重力加速度の変化による植物成長率の高まりと、光合成により蓄えられたエネルギーを成長に利用する能力が高まる暗期とが重なり、植物の成長をより効率的に促進させ、栽培期間を短縮できることが確認できた。
また、実施例1の植物育成装置を用いることにより、相対的重力加速度に応じて、生育環境を容易に制御することができるため、植物の成長を効率的に促進させ、栽培期間を短縮することができる。
[3]植物の育成[バイオマス増産効果の検討(i)]
実験例6(ハツカダイコンの育成)、及び実験例7(ミニチンゲンサイの育成)
十分に吸水した濾紙上にハツカダイコン及びミニチンゲンサイの各種子を置き、保湿状態にて蛍光灯の光照射下で数日間かけて発芽させた。次いで、ハツカダイコン及びミニチンゲンサイのそれぞれにおいて、子葉が展開した1cm程度の植物体の重さを量り、同程度の大きさのものを30個体ずつ選んで市販の野菜用培養土(株式会社大創産業製、商品名「野菜の土」)を入れた培養ポットに移植した。
そして、移植後、照度50,000ルクス、湿度50%、温度25℃に設定した人工気象室(エスペック株式会社製、型番「TGH−3−P」)内に移して栽培実験を行った。尚、植物体直上における照度の実測値は約25,000ルクスである。
また、この栽培実験では、暗条件(暗期)、つまり消灯時間を起潮力の挙動に同調させて行う同調栽培と、上記挙動には同調させず、明条件16時間(8〜24時)及び暗条件8時間(24〜8時)の明暗サイクル下にて栽培を行う非同調栽培とを行った。
ここで、起潮力と暗期の同調栽培実験では、起潮力の指標となる相対重力加速度が栽培拠点(愛知県刈谷市)においてプラスからマイナスに転じる時間帯を、上記潮汐予測システム「GOTIC2」により算出し、その時間帯(相対重力加速度がプラスからマイナスに転じる点を中心に前後4時間)に暗期8時間を同調させた。尚、満潮時や干潮時における相対重力加速度は、その都度異なり、相対重力加速度がプラスからマイナスに転じる点が約1日に2回生じることがある。その場合には、上記プラスからマイナスに転じる点を含む、干潮時から次回の満潮時までの範囲を比較した際に、相対重力加速度の値の変化量が大きな範囲内において上記暗期を設けるように調整した。従って、暗期は8時間で一定であるものの、起潮力は24時間周期ではないために、1日における明期は約16時間となり一定ではない。
上述の各条件のもと、ハツカダイコン及びミニチンゲンサイのそれぞれにおいて、約1カ月間の栽培実験(同調栽培及び非同調栽培)を行った。尚、非同調栽培は2013年6月3日(17時)〜2013年7月4日(17時)に実施し、同調栽培は2013年7月5日(17時)〜2013年8月4日(17時)に実施した。これらの栽培期間における起潮力(相対重力加速度の変化を指標)は図5及び図6に示す通り、ほぼ同じ挙動をすると判断している。
そして、栽培後の各植物体については、培養土を洗い落とした後、新鮮重量(各30体の平均値)と乾燥重量(各30体の平均値)を測定し、その結果を表1に示した。尚、表1には、栽培期間中における、特定の時間帯(相対重力加速度がプラスからマイナスに転じ転じる点を中心に前後4時間)に重なる暗期の総合時間を併記した。
更に、図7には、非同調栽培により育成されたハツカダイコン(図面左)と、同調栽培により育成されたハツカダイコン(図面右)とを並べた比較図を示した。更に、図8には、非同調栽培により育成されたミニチンゲンサイ(図面左)と、同調栽培により育成されたミニチンゲンサイ(図面右)とを並べた比較図を示した。
表1、図7及び図8の結果から、同調栽培実験では非同調栽培実験に比べて新鮮重量で3倍以上、乾燥重量で2倍以上のバイオマス増加を確認することができた。
以上のことから、起潮力の変動に応じて、植物の生育環境(光条件)を制御することにより、植物の代謝を変化させることができ、特に、植物の成長を促進させたり、バイオマスを増加させたりできることが確認できた。
[4]植物の育成(成分改良の検討)
実験例8(レタスの育成)
十分に吸水した水耕栽培用のウレタンベースに、植物工場で一般的に栽培されているレタス(「フリルアイス」、雪印種苗株式会社)の種子を置き、25℃、暗所下で2日間発芽誘導を行った。発芽後、同程度に生育した個体のみを選び、水耕栽培用トレイに12株ずつ移植した。これらを照度約18,000ルクス、湿度50%、温度25℃に設定した3台のグロースチャンバー(株式会社日本医化器械製作所製、型番「LPH−410SPCS」)内に移して以下の栽培実験を行った。尚、水耕栽培はエスペックミック社製の小型水耕栽培装置を用い、水耕液には溶液栽培用肥料の「大塚ハウス1号」、「大塚ハウス2号」(OTAアグリオ株式会社製)の混合A処方に従って調製したものを用いた。水耕液は1週間に1〜2回交換した。
この栽培実験では、3台のグロースチャンバーのうち2台を、暗条件(暗期)、つまり消灯時間を起潮力の挙動に同調させて行う同調栽培とし、残りの1台を、上記挙動には同調させず、明条件16時間(6〜22時)及び暗条件8時間(22〜6時)の明暗サイクル下にて栽培を行う非同調栽培とした。尚、2つの同調栽培のうち、一方は、実験例7の同調栽培と同様にして、起潮力の指標となる相対重力加速度が栽培拠点(愛知県刈谷市)においてプラスからマイナスに転じる時間帯を、上記潮汐予測システム「GOTIC2」により算出し、その時間帯に暗期8時間を同調させて栽培を行った。また、残りの他方は、同システムにより、相対重力加速度がマイナスからプラスに転じる時間帯を算出し、その時間帯に暗期8時間を同調させて栽培を行った。
上述の各条件のもと、各栽培実験(同調栽培及び非同調栽培)を、2014年1月26日(15時)〜2014年2月25日(15時)にかけて並行して実施した。尚、栽培期間中の光照射積算量は各実験において同じとした。また、植物の育成中、必要に応じて間引きを行った。
そして、最終的に、各栽培実験において、それぞれ、直径約20cmに成長した6個体を収穫し、下記のようにして成分分析(I)及び(II)を行った。そして、成分分析(I)の結果を表2に示し、成分分析(II)の結果を表3に示した。また、表2及び表3には、栽培期間中における、特定の時間帯(a)(相対重力加速度がプラスからマイナスに転じる点を中心に前後4時間)に重なる暗期の総合時間、及び特定の時間帯(b)(相対重力加速度がマイナスからプラスに転じる点を中心に前後4時間)に重なる暗期の総合時間を、それぞれ、併記した。
尚、試験区1(非同調)は、非同調栽培実験の結果を示している。また、試験区2[同調(プラス→マイナス)]は、相対重力加速度がプラスからマイナスに転じる時間帯に、暗期8時間を同調させた同調栽培の結果を示している。更に、試験区3[同調(マイナス→プラス)]は、相対重力加速度がマイナスからプラスに転じる時間帯に、暗期8時間を同調させた同調栽培の結果を示している。
<成分分析(I)>
収穫された3個体(試験区1−1〜1−3、2−1〜2−3、3−1〜3−3)を用いて、エネルギー(kcal/100g)、水分(g/100g)、タンパク質(g/100g)、脂質(g/100g)、炭水化物(g/100g)、及び、灰分(ミネラル)(g/100g)に関する栄養分析を行い、その平均値も算出した。
尚、各成分の分析方法は以下の通りである。
エネルギー;計算法
水分;減圧加熱乾燥法
タンパク質;ケルダール法
脂質;酸分解法
炭水化物;計算法
灰分;直接灰化法
<成分分析(II)>
収穫された3個体(試験区1−4〜1−6、2−4〜2−6、3−4〜3−6)を用いて、各種ミネラル[ナトリウム(mg/100g)、カリウム(mg/100g)、カルシウム(mg/100g)、マグネシウム(mg/100g)、リン(mg/100g)、鉄(mg/100g)、亜鉛(mg/100g)、及び、マンガン(mg/100g)]に関する栄養分析を行い、その平均値も算出した。
尚、これらの各成分の分析には、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法を用いた。
表2及び表3の結果から、起潮力の変動に光条件を合わせることで、炭水化物、タンパク質、及びカリウム等の含有量の変化が確認できた。
以上のことから、起潮力の変動に応じて、植物の生育環境(光条件)を制御することにより、植物の代謝を変化させることができ、特に、成分を改良することができることが確認できた。また、この成分の改良により、栄養成分の含有量の調整や、味の改良についても期待することができる。
[5]植物の育成[バイオマス増産効果の検討(ii)]
実験例9(チンゲンサイの育成)
チンゲンサイ(「極早生ミニ30日チンゲンサイ」、アタリヤ農園)の種子を水道水で湿らせたペーパータオルの上に置くことにより吸水させた後、粒状培養土(「花と野菜の粒状培養土」、LIFELEX)を入れた培養ポット(縦3cm×横3cm×深さ3cm)に1粒ずつ播種した。これをグロースチャンバー(「LPH−410SPC」、日本医化器械製作所)内で温度25℃、湿度65%、照度約15,000ルクス条件のもと、1週間かけて発芽させた。
その後、子葉が展開し、更に本葉が2枚展開した3cm程度の個体のうち、外観が同程度(葉数や大きさ)のものを40個体選抜した。そして、これらの選抜個体を、新しい粒状培養土を入れた培養ポット(縦5cm×横5cm×深さ5cm)に移植した。この際、10個体ずつ4つのトレイに移植し、これらを2つの試験区用に分けた。
この栽培実験では、上記実験例8と同様に、各試験区(試験区A、B)において、暗条件(暗期)、つまり消灯時間を起潮力の挙動に同調させている。試験区Aでは愛知県刈谷市における起潮力変動がマイナスからプラスに転じる時間帯(相対重力加速度がマイナスからプラスに転じる点を中心に前後4時間)に暗期8時間を同調させて栽培を行った。一方、試験区Bでは愛知県刈谷市における起潮力変動がプラスからマイナスに転じる時間帯(相対重力加速度がプラスからマイナスに転じる点を中心に前後4時間)に暗期8時間を同調させて栽培を行った。尚、起潮力の挙動は、前述の潮汐予測システム「GOTIC2」により算出した。
また、この栽培実験は、同調開始日を2014年7月3日(水)15:00とし、上述の発芽誘導時と同様に、温度25℃、湿度65%及び照度約15,000ルクスの条件で行った。そして、暗期同調開始から22日目の2014年7月24日(火)13:00に各々の試験区からトレイを出し、チンゲンサイの地上部のみを採取した。
尚、この栽培期間における起潮力の変化(相対重力加速度の変化を指標)は図9に示す通りである。また、この栽培期間における暗期の積算時間は168時間、明期の積算時間は334時間であり、各試験区にて同じである。
そして、採取したチンゲンサイにおける地上部における新鮮重量の測定、及び葉の枚数の測定を行い、その結果を表4に示した。更に、各試験区における各個体の5枚の本葉(第5葉〜第9葉、図12及び図13参照)の葉軸部の平均長さ、及び、各試験区における各個体の最長葉軸の平均長さを算出し、その結果を表5に示した。
また、試験区A[暗期同調(マイナス→プラス)]において育成したチンゲンサイ(実験例9−A−1〜実験例9−A−20)の外観図を図10に、試験区B[暗期同調(プラス→マイナス)]において育成したチンゲンサイ(実験例9−B−1〜実験例9−B−20)の外観図を図11に示した。尚、図10においては、最上段の左から右の順に実験例9−A−1〜9−A−4、第2段目の左から右の順に実験例9−A−5〜9−A−8、第3段目の左から右の順に実験例9−A−9〜9−A−12、第4段目の左から右の順に実験例9−A−13〜9−A−16、第5段目の左から右の順に実験例9−A−17〜9−A−20である。また、この図10における順序と同様に、図11において実験例9−B−1〜実験例9−B−20が並んでいる。
更に、試験区Aで育成されたチンゲンサイ(実験例9−A−13)の葉の外観図を図12に、試験区Bで育成されたチンゲンサイ(実験例9−B−14)の葉の外観図を図13に示した。尚、図12及び図13においては、上段の左から右の順に第1葉〜第4葉であり、中段の左から右の順に第5葉〜第9葉であり、下段の左から右の順に第10葉〜第13葉である。
表4によれば、試験区A[暗期同調(マイナス→プラス)]で育成された実験例9−A−1〜9−A−20のチンゲンサイの新鮮重量(地上部の平均重量)は9.677gであった。これに対して、試験区B[暗期同調(プラス→マイナス)]で育成された実験例9−B−1〜9−B−20のチンゲンサイの新鮮重量(地上部の平均重量)は12.560gと試験区Aでの結果の約1.3倍であり、試験区Aで育成されたチンゲンサイよりも大きく成長していることが確認できた。この大きさの違いは、図10(試験区Aでの育成)及び図11(試験区Bでの育成)における外観図の比較からも明らかであった。
また、チンゲンサイの葉をそれぞれ分解してみたところ、葉の枚数は各試験区において約13枚であり、差異は無いと考えられる(表4参照)。
一方、葉の形態を比較すると、実験例9−A−1〜9−A−20のチンゲンサイの方が、実験例9−B−1〜9−B−20のチンゲンサイよりも、葉の緑色(特に葉軸の緑色)がより濃くなっていることが確認できた。
更に、図12、図13及び表5からも明らかなように、葉軸部の大きさに明かな差異があった。各試験区における5枚の本葉(第5葉〜第9葉)の葉軸部の平均長を算出したところ、試験区Aの実験例9−A−1〜9−A−20のチンゲンサイでは28.9mmであった。これに対して、試験区Bの実験例9−B−1〜9−B−20のチンゲンサイでは46.8mmであり、試験区Aでの結果の約1.6倍であった。また、各試験区における各個体の最長葉軸の平均を算出したところ、試験区Aの実験例9−A−1〜9−A−20のチンゲンサイでは32.3mmであった。これに対して、試験区Bの実験例9−B−1〜9−B−20のチンゲンサイでは55.1mmであり、試験区Aでの結果の約1.7倍であった。
[6]植物の育成[バイオマス増産効果の検討(iii)]
実験例10(ハツカダイコンの育成)
ハツカダイコン(「赤丸はつか大根」、アタリヤ農園)の種子を水道水で湿らせたペーパータオルの上に置くことにより吸水させた後、粒状培養土(「花と野菜の粒状培養土」、LIFELEX)を入れた培養ポット(縦3cm×横3cm×深さ3cm)に1粒ずつ播種した。これをグロースチャンバー(「LPH−410SPC」、日本医化器械製作所)内で温度25℃、湿度65%、照度約15,000ルクス条件のもと、1週間かけて発芽させた。
その後、子葉が展開し、更に本葉が2枚展開した3cm程度の個体のうち、外観が同程度(葉数や大きさ)のものを18個体選抜した。そして、これらの選抜個体を、新しい粒状培養土を入れた培養ポット(縦5cm×横5cm×深さ5cm)に移植した。この際、9個体ずつ2つのトレイに移植し、これらを2つの試験区用に分けた。
この栽培実験では、各試験区(試験区A、B)において、暗条件(暗期)、つまり消灯時間を起潮力の挙動に同調させている。試験区Aでは愛知県刈谷市における起潮力変動がマイナスからプラスに転じる時間帯(相対重力加速度がマイナスからプラスに転じる点を中心に前後4時間)に暗期8時間を同調させて栽培を行った。一方、試験区Bでは愛知県刈谷市における起潮力変動がプラスからマイナスに転じる時間帯(相対重力加速度がプラスからマイナスに転じる点を中心に前後4時間)に暗期8時間を同調させて栽培を行った。尚、起潮力の挙動は、前述の潮汐予測システム「GOTIC2」により算出した。
また、この栽培実験は、同調開始日を2014年7月3日(水)15:00とし、上述の発芽誘導時と同様に、温度25℃、湿度65%及び照度約15,000ルクスの条件で行った。そして、暗期同調開始から22日目の2014年7月24日(火)13:00に各々の試験区からトレイを出し、ハツカダイコンを採取した。
尚、この栽培期間における起潮力の変化(相対重力加速度の変化を指標)は図9に示す通りである。また、この栽培期間における暗期の積算時間は168時間、明期の積算時間は334時間であり、各試験区にて同じである。
そして、採取したハツカダイコンにおける地上部、地下部及びその全体における新鮮重量の測定を行い、その結果を表6に示した。また、試験区A[暗期同調(マイナス→プラス)]において育成したハツカダイコン(実験例10−A−1〜実験例10−A−9)の外観図を図14に、試験区B[暗期同調(プラス→マイナス)]において育成したハツカダイコン(実験例10−B−1〜実験例10−B−9)の外観図を図15に示した。
表6によれば、試験区A[暗期同調(マイナス→プラス)]で育成された実験例10−A−1〜10−A−9のハツカダイコンの新鮮重量(全体の平均重量)は15.560gであった。これに対して、試験区B[暗期同調(プラス→マイナス)]で育成された実験例10−B−1〜10−B−9のハツカダイコンの新鮮重量(全体の平均重量)は20.078gと試験区Aでの結果の約1.3倍であり、試験区Aで育成されたハツカダイコンよりも大きく成長していることが確認できた。この大きさの違いは、図14(試験区Aでの育成)及び図15(試験区Bでの育成)における外観図の比較からも明らかであった。
また、ハツカダイコンの大きさ(全体の平均重量)の違いは、図14及び図15における外観図の比較からも明らかなように、地上部での大きさの違いが大きく(実験例10−A−1〜10−A−9における地上部の平均重量;2.923g、実験例10−B−1〜10−B−9における地上部の平均重量;5.212g、B/A:1.783)、地下部には地上部ほどの差異は確認できなかった(実験例10−A−1〜10−A−9における地下部の平均重量;11.683g、実験例10−B−1〜10−B−9における地下部の平均重量;13.573g、B/A:1.162)。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明の植物の育成方法及び植物育成装置によれば、起潮力の変動に応じて、植物の生育環境を制御することができるため、植物の代謝を変化させることができる。特に、特別な設備を必要とせず、容易に把握が可能な相対的重力加速度を利用することにより、栽培期間を短縮して植物の生産性を高めたり、バイオマスの増産や、植物の成分を改良することができる。そのため、園芸、農業及び林業等の様々な分野において幅広く利用することができる。
1;制御部、3;照明装置、5;育成空間。

Claims (12)

  1. 起潮力を把握し、前記起潮力の変動に応じて、植物の生育環境を制御し、
    前記生育環境には、光条件が含まれ、
    前記起潮力の指標として、相対的重力加速度を用いることを特徴とする植物の育成方法。
  2. 標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、前記植物を明暗サイクルにおける暗期に割り当て、暗条件にて成長させる請求項1に記載の植物の育成方法。
  3. 標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、前記植物を明暗サイクルにおける暗期に割り当て、暗条件にて成長させる請求項1に記載の植物の育成方法。
  4. 前記植物が繊維の採取が可能な植物である請求項1乃至3の何れか一項に記載の植物の育成方法。
  5. 前記繊維の採取が可能な植物がケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー及び亜麻の少なくとも一種である請求項4に記載の植物の育成方法。
  6. 前記植物が野菜である請求項1乃至3の何れか一項に記載の植物の育成方法。
  7. 植物を生育するための育成空間を備えた植物育成装置であって、
    起潮力を把握する起潮力把握手段と、
    起潮力の変動に応じて、前記育成空間内の生育環境を制御する生育環境制御手段と、を備え、
    前記生育環境には、光条件が含まれ
    前記起潮力把握手段として、相対的重力加速度を算出する相対的重力加速度算出手段を用い、
    前記生育環境制御手段として、算出された相対的重力加速度に応じて、育成空間内の生育環境を制御する生育環境制御手段を用いることを特徴とする植物育成装置。
  8. 標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がプラスからマイナスに変わる時間帯において、明暗サイクルにおける暗期に割り当て、前記植物を暗条件にて成長させる請求項7に記載の植物育成装置。
  9. 標準重力加速度を基準とした際に、前記相対的重力加速度がマイナスからプラスに変わる時間帯において、明暗サイクルにおける暗期に割り当て、前記植物を暗条件にて成長させる請求項に記載の植物育成装置。
  10. 前記植物が繊維の採取が可能な植物である請求項7乃至9の何れか一項に記載の植物育成装置。
  11. 前記繊維の採取が可能な植物がケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー及び亜麻の少なくとも一種である請求項10に記載の植物育成装置。
  12. 前記植物が野菜である請求項7乃至9の何れか一項に記載の植物育成装置。
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