JP7120068B2 - 動物の育成方法及び育成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動物の育成方法及び育成装置に関する。更に詳しくは、容易に把握可能な起潮力の変動の大きさを利用することにより、体重の増加程度又は脂肪量を、思惑に従って制御できる動物の育成方法及び育成装置に関する。
種々の生物生産現場では、生産作業の十分な標準化が未だ達成されておらず、生産目的に応じた生産者の経験や勘働きに頼るところが少なくない実情があり、生産作業の一層の容易化が待望されている。特許文献1の生物生産管理装置及びシステムは、植物のみならず畜産等の動物をも生産管理対象として含む。当該生物生産管理装置及びシステムは、生産対象とする具体的な動物(畜産)の種類や作業情報等に基づき、畜産スケジュールを管理することを要する。
また、特許文献2には、体脂肪の蓄積抑制を目的とするペットフードの給与方法、つまりは、ペットの育成方法が開示されている。
特開2013-215099号公報 特開2015-12809号公報
しかしながら、特許文献1の生物生産管理装置及びシステムは、生産場の現状や生産対象動物等の各種情報を、常に、逐一取得する機器を必要とする。このようなシステムは、取得した各種情報に基づいて、所定の生産目的に応じた動物の育成を行う。従って、動物の体重の増加程度又は脂肪量を制御する育成を行うために、装置やシステムの運用が大袈裟になる不便さを伴う。
また、特許文献2に記載のペットフードの給与方法では、1日2回、所定のペットフード製品を所定の方法に従って給与する労を要する。従って、体脂肪蓄積を抑制する健康的なペット育成のために、日々の手間暇を要する問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、容易に把握可能な起潮力の変動の大きさを利用することにより、体重の増加程度又は脂肪量を、思惑に従って制御できる動物の育成方法及び育成装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、起潮力の変動の大きさが、意外にも動物の体重の増加程度又は脂肪量の蓄積に影響を与えており、起潮力の変動の大きさに応じて、体重の増加程度又は脂肪量を思惑に従って制御できることを見出し、本発明を完成するに至った。上記課題を解決する本発明は、以下に示される。
(1)体重又は脂肪の増加を制御する動物の育成方法であって、起潮力を把握し、前記起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を前記動物に摂取させることを要旨とする動物の育成方法。
(2)前記起潮力を把握するために、所定期間内において周期的に変動する未来の潮汐情報を予め取得するステップと、前記潮汐情報を参照して単位期間内の前記起潮力の変動の大きさを求めるステップを行う上記(1)に記載の動物の育成方法。
(3)前記起潮力を把握した後に、前記潮汐情報を取得した前記所定期間の中から、前記起潮力の変動の大きさが相対的に大きい第1時期又は相対的に小さい第2時期を抽出するステップを行い、その後に、前記第1時期と、前記第1時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させるか、又は、前記第2時期と、前記第2時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させるステップを行う上記(2)に記載の動物の育成方法。
(4)前記第1時期が大潮の時期であり、前記大潮の時期に、前記大潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる上記(3)に記載の動物の育成方法。
(5)前記第2時期が小潮の時期であり、前記小潮の時期に、前記小潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる上記(3)に記載の動物の育成方法。
(6)前記潮汐情報は、固体潮汐の変動に連動する重力加速度及び/又は海洋潮汐の変動に連動する潮位に関する周期的な変動予測である上記(2)~(5)の何れかに記載の動物の育成方法。
(7)体重又は脂肪の増加を制御する動物の育成装置であって、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を前記動物に摂取させる食物摂取手段を備えることを要旨とする動物の育成装置。
(8)前記動物の育成装置は、前記起潮力の変動の大きさを求める起潮力把握手段を備えており、前記起潮力把握手段は、所定期間内において周期的に変動する未来の潮汐情報を予め取得する潮汐情報取得部と、前記潮汐情報を参照して単位期間内の前記起潮力の変動の大きさを算出する起潮力変動値算出部とを有する上記(7)に記載の動物の育成装置。
(9)前記動物の育成装置は、前記潮汐情報を取得した前記所定期間の中から、相対的に大きな起潮力変動値を示す第1時期、又は、相対的に小さな前記起潮力変動値を示す第2時期を抽出する特定時期抽出部を備えており、前記食物摂取手段は、前記特定時期抽出部が抽出した前記第1時期と、前記第1時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させるか、又は、前記第2時期と、前記第2時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させる上記(8)に記載の動物の育成装置。
(10)前記第1時期が大潮の時期であり、前記食物摂取手段は、前記大潮の時期に、前記大潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる上記(9)に記載の動物の育成装置。
(11)前記第2時期が小潮の時期であり、前記食物摂取手段は、前記小潮の時期に、前記小潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる上記(9)に記載の動物の育成装置。
(12)前記潮汐情報は、固体潮汐の変動に連動する重力加速度及び/又は海洋潮汐の変動に連動する潮位に関する周期的な変動予測である上記(8)~(11)の何れかに記載の動物の育成装置。
本発明の動物の育成方法は、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させるため、動物の体重の増加程度、又は、体内に蓄積される脂肪量を変えることができる。従って、期待する体重の増加程度又は脂肪量を意図して、思惑に従って動物を育成することができる。その結果、動物の育成効率を向上させ、育成期間を短縮したり、育成コストを抑制したりすることができる。
また、未来の潮汐情報を予め取得することで起潮力を把握する場合は、脂肪成分含有量が異なる食物を給餌する時期を見計らうために、起潮力の周期的な変動を利用できるので、食物を動物に給餌する未来の時期を計画的に容易に決定できる。
また、起潮力の変動が相対的に大きい第1時期又は第2時期を抽出し、当該第1時期と第1時期以外の時期とで、或いは、第2時期と第2時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させる場合には、動物の体重の増加程度、又は、体内に蓄積される脂肪量に、より確実に変化を与えることができる。
また、第1時期である大潮の時期に、大潮以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食物を摂取させる場合には、高脂肪食物を摂取する割に、動物の体重の増加程度を抑制でき、及び、体内に蓄積される脂肪量を抑制できる。即ち、小潮の時期に同様に高脂肪食物を摂取させるよりも、体重及び脂肪量の増加程度を抑制できる。従って、高脂肪食物を摂取すべき一方で、体重や脂肪量の増加を抑制する期待や意図がある場合に、思惑どおりに容易に動物を育成できる。
他方、第2時期である小潮の時期に、小潮以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食物を摂取させる場合には、動物の体重の増加程度を大きくでき、及び、体内に蓄積される脂肪量を多くできる。即ち、大潮の時期に同様に高脂肪食物を摂取させるよりも、体重及び脂肪量の増加程度を大きくできる。従って、高脂肪食物を摂取させて体重や脂肪量を増加させる期待や意図がある場合に、思惑どおりに容易に動物を育成できる。
潮汐情報として、固体潮汐の変動に連動する重力加速度を用いる場合は、固体潮汐が目的地点の地形を主なよりどころとするため、重力加速度の算出値が高精度で得られる。従って、起潮力の変動の大きさを求める精度を高めることができる。また、潮汐情報として、海洋潮汐の変動に連動する潮位を用いる場合は、種々の関係機関から容易に潮位予測データを得ることができる。従って、動物の育成を思惑どおりに簡易に行える。
本発明の動物の育成装置は、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させる食物摂取手段を備えているため、当該食物摂取手段を介して動物に食物を摂取させることによって、動物の体重の増加程度、又は、体内に蓄積される脂肪量を変えることができる。従って、期待する体重の増加程度又は脂肪量を意図して、思惑どおりに動物を育成することができる。その結果、動物の育成効率を向上させ、育成期間を短縮したり、育成コストを抑制したりすることができる。
また、動物の育成装置が、上記潮汐情報取得部と、起潮力の変動の大きさを算出する(求める)起潮力変動値算出部とを有する起潮力把握手段を備える場合は、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に給餌する未来の時期を計画的に容易に決定できる。
また、上記特定時期抽出部を備える場合は、動物が、第1時期と第1時期以外の時期、又は、第2時期と第2時期以外の時期で、脂肪成分含有量が異なる食物を摂取するので、動物の体重の増加程度、又は、体内に蓄積される脂肪量に、より確実に変化を与えることができる。
また、動物の育成装置が、第1時期である大潮の時期に、大潮以外の時期よりも高脂肪食物を摂取させる食物摂取手段を備える場合には、高脂肪食物を摂取する割に、動物の体重の増加程度を抑制でき、及び、体内に蓄積される脂肪量を抑制できる。即ち、小潮の時期に同様に高脂肪食物を摂取させる食物摂取手段を有するよりも、体重及び脂肪量の増加程度を抑制できる。従って、高脂肪食物を摂取すべき一方で、体重や脂肪量の増加を抑制する期待や意図がある場合に、動物の育成を容易に行える。
他方、動物の育成装置が、第2時期である小潮の時期に、小潮以外の時期よりも高脂肪食物を摂取させる食物摂取手段を備える場合には、動物の体重の増加程度を大きくでき、及び、体内に蓄積される脂肪量を多くできる。即ち、大潮の時期に同様に高脂肪食物を摂取させる食物摂取手段を有するよりも、体重及び脂肪量を多くできる。従って、高脂肪食物を摂取させて体重や脂肪量を増加させる期待や意図がある場合に、動物の育成を容易に行える。
また、起潮力把握手段が、潮汐情報として、上記の重力加速度又は上記の潮位を用いる場合は、上記の動物の育成方法を行う場合と同様の効果が得られる。
動物の育成方法を説明するフローチャートである。 起潮力を把握するステップを説明するフローチャートである。 起潮力の変動に応じて食物を摂取させるステップを説明するフローチャートである。 実施例の動物育成装置を説明する図である。 実施例の動物の育成方法を説明するフローチャートである。 実施例1,2に係る大潮区及び小潮区の育成実験を説明する図である。 実施例3に係る大潮区及び小潮区の育成実験を説明する図である。 実施例4に係る大潮区及び小潮区の育成実験を説明する図である。 実施例1に係るマウスの体重平均値の推移を示すグラフである。 実施例2に係るマウスの体重平均値の推移を示すグラフである。 実施例3に係るマウスの体重平均値の推移を示すグラフである。 実施例4に係るマウスの体重平均値の推移を示すグラフである。 実施例1に係るマウスの体重増加率の比を示すグラフである。 実施例2に係るマウスの体重増加率の比を示すグラフである。 実施例3に係るマウスの体重増加率の比を示すグラフである。 実施例4に係るマウスの体重増加率の比を示すグラフである。 実施例1に係るマウスの脂肪重量を示すグラフである。 実施例2に係るマウスの脂肪重量を示すグラフである。 実施例4に係るマウスの脂肪重量を示すグラフである。
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]動物の育成方法
本発明の動物の育成方法は、図1に示すとおり、体重又は脂肪の増加を制御する動物の育成方法であって、起潮力を把握し(Step10)、起潮力の変動の大きさ(T1~T12)に応じて、脂肪成分含有量が異なる食物(123a、123b)を動物に摂取させる(Step20)ことを特徴とする(図4,図6~図8参照)。
本発明における上記動物は、特に限定されず、具体的には、例えば、哺乳類(ヒトを含む)、鳥類、は虫類、両生類、魚類、及び、無脊椎動物等が挙げられる。
(1.起潮力を把握するステップ)
一般的に、起潮力は、相対的重力加速度(理論値)、気象データ(気圧、潮名、潮位、干満差等)、黄経差(太陽と月の黄経差)及び月齢等の潮汐現象に関係する情報を指標として把握される。また、上記起潮力の変動の大きさは、このように把握された起潮力に基づいて求めることができる。本実施形態に係る「起潮力の把握」は、今後に動物の育成を行う予定の所定期間に関して、その所定期間内における起潮力の周期的な変動や、その変動の大きさを推測することによって、起潮力を把握することを意味する。
本実施形態では、動物を育成する所定期間の長さは特に限定されず、動物の種類に応じて適宜調整される。「所定期間」は、具体的には、例えば、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、1週間、2週間、4週間、3カ月間、6カ月間、1年間等とすることができる。そして、起潮力を把握するためには、動物の育成を開始する予定日から終了日までの所定期間内の潮汐情報を、適宜に取得すればよい。
例えば、図2に示すとおり、起潮力を把握するStep10では、動物を育成する予定の所定期間内において、周期的に変動する未来の潮汐情報を予め取得するStep11を行い、その潮汐情報を参照して単位期間内の起潮力の変動の大きさを求めるStep12を行う。このように、動物の育成を開始する前に未来の潮汐情報を予め取得し、潮汐情報に基づいて未来の起潮力の変動の大きさを求め、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に給餌する時期を予め計画する。従って、動物に給餌する未来の時期を、起潮力の周期的な変動に応じて容易に計画的に決定できる。
潮汐情報としては、地上の固体部分の弾性的な変動に基づく固体潮汐、海洋の潮位変動として表れる海洋潮汐、又は、海洋の潮位の変動に連動する大気の圧力変動に基づく大気潮汐が知られている。これらのなかでは、固体潮汐を参照することが好ましく、具体的には、固体潮汐の変動に連動する重力加速度に関する潮汐情報を用いることが好ましい。この場合、潮汐情報を予め取得するStep11は、重力加速度の未来の周期的な変動予測を取得することによって行われる(図2参照)。
重力加速度の変動は、地上の固体部分の弾性的な変動に応じて周期的に生じると考えられるため、動物の育成地点の地形を主なよりどころとして、当該育成地点の地形的な情報に基づいて算出され得る。地形は、海面や大気と比較すると容易に変形できないため、固体潮汐の変動は、より正確に予測され易い。潮汐情報として固体潮汐に連動する重力加速度を用いる場合は、高精度な算出結果を地上の広域な範囲に及ぼすことができ、未来の起潮力を把握する精度が高められるため、好ましい。
潮汐情報として用いる他の好適例として、海洋潮汐の変動に連動する潮位に関する情報を用いることもできる。即ち、潮汐情報を予め取得するStep11は、潮位の未来の周期的な変動予測を取得することによって行われる(図2参照)。
潮位変動がヒトの生活に密接に影響を与える情報であるため、潮位変動に関する情報は、種々の海洋管理関連機関から容易に予測データが得られる。潮汐情報として海洋潮汐に連動する潮位を用いる場合は、このような簡易性の点で好ましい。
潮汐情報は、固体潮汐では重力加速度及を算出したり、海洋潮汐では潮位の変動予報を適宜に求めたりすることで、取得できるが、より好ましくは、各種の潮汐情報を複数種類取得し、組み合わせて用いることもできる。
上記したなかでも、本発明の動物の育成方法では、起潮力の大きさやその周期の予測が容易であるという観点から、起潮力を把握するために取得する潮汐情報として固体潮汐に連動する重力加速度を用い、その重力加速度を表す指標として相対的重力加速度を用いることが好ましい。また、相対的重力加速度と、潮名、黄経差又は月齢等と、を組み合わせて指標として用いてもよい。
ここで、相対的重力加速度[Relative gravity acceleration(RGA)]とは、標準重力加速度(1G=9.80665×10μGal)を基準(ゼロ点)とした、重力加速度の相対値を意味する。この相対的重力加速度は、一般に公開されている固体潮汐力予測プログラムを利用することにより算出することができる。具体的には、固体潮汐力予測プログラムに、実行拠点の位置(緯度及び経度)、年月日、及び時刻の各情報を入力することにより、目的地点における相対的重力加速度、及びその経時変化を算出することができる。尚、上記固体潮汐力予測プログラムとしては、例えば、潮汐予測システム「GOTIC2」(http://www.miz.nao.ac.jp/staffs/nao99/)等を用いることができる。
上記相対的重力加速度を重力加速度(ひいては起潮力)の指標として用いる場合、動物を育成する予定の所定期間の相対的重力加速度の経時変化、即ち所定期間内の時間軸に沿った相対的重力加速度の予測データが得られる。
次に、Step12では、Step11で予め得た所定期間の潮汐情報を参照して単位期間内の起潮力の変動の大きさを求める。
この「単位期間」は、(相対的)重力加速度や潮位等の潮汐情報から得られる起潮力の予測データに基づいて、適宜に選択されればよい。具体的には、「単位期間」は、起潮力が変動する1周期、半周期、数周期又は数10周期に相当する期間、或いは、1時間若しくは数時間又は数10時間に相当する時間であってもよい。
起潮力の変動の大きさは、上記予測データから、例えば、1周期を単位期間とする時間内での上記相対的重力加速度の最大値と最小値の差(最大変位)、総変動量(総変位量)等として求められる。このように、所定期間内に周期的に変動する潮汐情報を参照して、単位時間毎に求めた起潮力の変動の大きさに関するデータを蓄積し、保存できる。
潮名を起潮力の指標として起潮力を把握する場合、起潮力の変動の大きさは、小潮、長潮、若潮、中潮、大潮等の潮名に準じて、順に大きくなると予測できる。潮名としては、気象庁方式、又はMIRC(財団法人日本水路協会海洋情報研究センター)方式による潮名を利用することができる。例えば、気象庁のデータ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)や、財団法人日本水路協会海洋情報研究センターのデータ等により、短期から長期の所定期間の予測データを容易に得ることができる。
黄経差を起潮力の指標として起潮力を把握する場合、起潮力の変動の大きさは、理論的に、黄経差の周期(0°~360°)において、黄経差が0°(360°)又は180°に近い時期ほど大きく、黄経差が90°又は270°に近い時期ほど小さいと考えることができる。この指標は、国立天文台の天文情報センター暦計算室(http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/)等により、短期から長期の所定期間の予測データを容易に得ることができる。
月齢を起潮力の指標として起潮力を把握する場合、起潮力の変動の大きさは、理論的に、月齢の周期(0~30)において、月齢が0(30)又は15.0に近い時期ほど大きく、月齢が7.5又は22.5に近い時期ほど小さいと考えることができる。この指標は、国立天文台の天文情報センター暦計算室(http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/)や、一般的な月齢カレンダー等により、短期から長期の所定期間の予測データを容易に得ることができる。
(2.起潮力の変動の大きさに応じた食物摂取)
起潮力を把握するStep10の後に、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させるStep20を行う(図1,図3参照)。
本発明に係る「食物」は、特に限定されずに一般的な意味に従い、上記動物の生命を維持するために摂取し、動物のからだの栄養とするものをいう。食物を摂取する方法は、特に限定されず、通常は動物の口から、飲食等により摂取される。
食物中に含まれる脂肪成分は、特に限定されずに一般的な意味に従い、栄養素の一つとされる脂肪成分全般であり、「脂肪」の他に、脂質等とも呼称される成分をいう。例えば、常温で液体の油脂類や、常温で固体の脂肪酸のグリセリンエステル等であり、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸及び多価不飽和脂肪酸等の脂質よりなるものを含む。
具体的な脂肪成分として、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド類に代表される脂肪酸とグリセリンとのエステルが挙げられる。脂肪酸は、炭素数10~28の直鎖又は分枝鎖、若しくは、飽和又は不飽和カルボン酸等の脂質よりなる。より具体的には、脂肪成分として、大豆、トウモロコシ、ヒマワリ、ナタネ、キャノーラ、綿実、オリーブ、紅花、ゴマ種子などの植物脂肪成分;牛脂、ラード等の動物脂肪成分;ココナッツ、パーム、パーム核、落花生等のナッツ系脂肪成分;バター、マーガリン等の乳脂肪成分;レシチン、魚油等が挙げられる。
また、食物は、脂肪成分として、例えば上記の中の1種類を含有してもよく、2種類以上を含有してもよい。食物は、上記脂肪成分の(合計)含有量によって特に限定されないが、食物全体重量を100重量%としたときに、上記脂肪成分を、約1.0~60.0重量%、好ましくは約3.0~40.0重量%含有できる。
また、本発明の「脂肪成分含有量が異なる食物」は、例えば、一方の食物の単位重量あたりの脂肪成分(合計)の重量を基準とし、その重量比に基づいて決定できる。例えば、他方の食物の脂肪成分(合計)の重量が、一方の基準値の2~15倍、好ましくは4~10倍、より好ましくは6~9倍程度である食物を意味する。
「起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させる」Step20を行う実施形態の一例として、以下に説明する方法を挙げることができる。まず、起潮力を把握するステップ10を行って把握した単位期間毎の「起潮力の変動の大きさ」のデータを参照し、当該「起潮力の変動の大きさ」のデータを大・小いずれかに区分けする。つまり、動物の育成を行う所定期間の中から、起潮力の変動の大きさが相対的に大きいと区分けされる単位期間を把握する。更に、当該区分けされた単位期間に基づいて、複数の単位期間を含む起潮力の変動の大きさが大きい時期を把握する。又は、同様に、起潮力の変動の大きさが相対的に小さいと区分けされる単位期間、更に、当該起潮力の変動の大きさが小さい時期を把握してもよい。そして、動物に給餌する時期が、起潮力の変動の大きさが相対的に大きいか、小さいか、いずれの時期に属するかに応じて、脂肪成分含有量が多・少で異なる2種類の食物を摂取させればよい。
起潮力の変動の大きさを区分けする数は、最小数の2以上であれば特に限定されないが、2より多く分けることができる。好ましくは、2~3程度に区分けできる。起潮力の変動の大きさを区分けする方法は、2以上に区分けできれば特に限定されないが、例えば、起潮力の変動の大きさに閾値を設定して大・小或いは大・中・小に区分けできる。
また、起潮力の変動の大きさが相対的に大きく(又は相対的に小さく)なる時期を特定し、当該時期以外の時期であって、相対的に当該時期よりも小さく(又は大きく)なる時期と区分けすることもできる。
起潮力の変動の大きさの区分けに応じて動物に摂取させる食物は、2種類より多い脂肪成分含有量を備えていても構わない。つまり、その脂肪成分含有量が多いか少ないかで異なっていれば、異なる数には特に限定されずに、起潮力の変動の大きさを区分けする数に応じて準備されていればよい。
「起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させる」具体的な方法としては、例えば、動物を育成する所定期間内で、「起潮力の変動の大きさ」が「大」に区分けされる時期に脂肪成分含有量が多い食物を摂取させ、「小」に区分けされる時期に脂肪成分含有量が少ない食物を摂取させる方法が挙げられる。逆に、動物を育成する所定期間内で「起潮力の変動の大きさ」が「小」の時期に脂肪成分含有量が多い食物を摂取させ、「大」の時期に脂肪成分含有量が少ない食物を摂取させる方法でも構わない。
また、「起潮力の変動の大きさ」が大・中・小に3区分けされる場合に、脂肪成分含有量が異なる食物3種類を用いて3区分けに応じて摂取させることができるし、2種類を用いて適宜に摂取させることもできる。つまり、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させるタイミングを、起潮力の変動の大きさに応じて決定する方法を用いることができる。
Step20を行う実施形態の他の例として、以下に説明する方法を挙げることができる。即ち、上記Step20を実行するには、好ましくは、図3に示すとおり、上記潮汐情報を取得した所定期間の中から、起潮力の変動の大きさが相対的に大きい第1時期又は相対的に小さい第2時期を抽出するStep21を行う。その後、記第1時期と、第1時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させるか、又は、第2時期と、第2時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる食物を前記動物に摂取させるStep22を行う。
例えば、第1時期を抽出するStep21を行うには、重力加速度等の潮汐情報を得た所定期間の中から、例えば1周期内で、重力加速度の最大値と最小値との差が相対的に大きくなる時期を特定し、当該特定された時期を第1時期として抽出してもよい。又は、当該特定された1周期を含む適当な一群の単位期間、例えば数周期の間を第1時期として抽出してもよい。又は、当該特定された時期に他の潮汐情報を組合せた時期を、第1時期として抽出してもよい。他の潮汐情報としては、大潮、中潮等の潮名により表される時期、黄経差が0°(360°)又は180°となる時期、月齢が0(30)又は15.0に近い時期等を例示できる。当該他の潮汐情報と、上記最大値と最小値との差が相対的に大きくなる時期とが重なり合う時期を、第1時期として抽出してもよい。
また、上記第1時期を抽出する場合同様に、上記第2時期を抽出するStep21を行ってもよい。なお、この場合、上記他の潮汐情報としては、小潮、長潮等の潮名により表される時期、黄経差が90°又は270°となる時期、月齢が7.5又は22.5に近い時期等を例示できる。
次に、第1時期と、第1時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる食物を給餌するStep22を行うには、第1時期と、第1時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なればよいが、好ましくは、第1時期に、第1時期以外の時期よりも脂肪成分含有量が相対的に多い食物を摂取させればよい。又は、第2時期と、第2時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる食物を給餌するStep22を行う場合も同様に、好ましくは、第2時期に、第2時期以外の時期よりも脂肪成分含有量が相対的に多い食物を摂取させればよい。
このように、起潮力の変動が相対的に大きい第1時期を抽出し、当該第1時期と第1時期以外の時期とで脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させることで、動物の体重の増加程度、又は、体内に蓄積される脂肪量に、より確実に変化を与えることができる。また、起潮力の変動が相対的に小さい第2時期を抽出し、第2時期と第2時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させる場合にも、同様に、動物の体重の増加程度、又は、体内に蓄積される脂肪量に、より確実に変化を与えることができる。
上記方法は、更に好ましくは、〔1〕把握した起潮力の予測データ等をもとに、起潮力の変動の大きさが相対的に大きい第1時期(例えば、大潮の時期等)に、動物に対して脂肪成分含有量が多い食物を摂取させる方法で行える。また、〔2〕把握した起潮力の予測データ等をもとに、起潮力の変動の大きさが相対的に小さい第2時期(例えば、小潮の時期等)に、動物に対して脂肪成分含有量が多い食物を摂取させる方法で行える。
より具体的には、起潮力の変動の大きさが相対的に大きい時期としては、相対的重力加速度の変動値(求めた起潮力の変動の大きさを表す値)を参照し、例えば単位期間24時間内の当該変動値が190μGal以上、好ましくは200μGal以上又はより好ましくは210μGal以上の数値であることを目安に、当該時期として特定してもよい。更に、当該特定された時期を第1時期として抽出してもよいし、潮名が大潮であり、しかも、当該特定された時期を含む一群の特定時期を第1時期として抽出してもよい。或いは、同様に、起潮力の変動の大きさが相対的に小さい時期としては、例えば単位期間24時間内の当該変動値が190μGal以下、好ましくは180μGal以下又はより好ましくは170μGal以下の数値であることを目安に、当該時期として特定してもよい。更に、当該特定された時期を第2時期として抽出してもよいし、潮名が小潮であり、しかも、当該特定された時期を含む一群の特定時期を第2時期として抽出してもよい。
[2]動物の育成装置
本発明の動物の育成装置は、図4に示すとおり、体重又は脂肪の増加を制御する動物の育成装置(1)であって、起潮力の変動の大きさ(T1~T12)に応じて、脂肪成分含有量が異なる食物(123a,123b)を動物に摂取させる食物摂取手段12を備えることを特徴とする(図6~図8参照)。
本発明の動物の育成装置(1)は、本発明の動物の育成方法を行うために適した装置である。上述した動物の育成方法の説明と重複する説明を可能な範囲で省略し、本実施形態の動物の育成装置(1)について、以下に説明する。
(1.起潮力把握手段)
上記起潮力の変動の大きさは、起潮力把握手段11を用いて把握できる。即ち、上記動物の育成装置1は、起潮力の変動の大きさを求めるために起潮力を把握する起潮力把握手段11を備えている。好ましくは、起潮力把握手段11は、所定期間内において周期的に変動する未来の潮汐情報を予め取得する潮汐情報取得部111を有する。更に、起潮力把握手段11は、潮汐情報取得部111を用いて取得した潮汐情報を参照して、単位期間内の起潮力の変動の大きさを算出する(求める)起潮力変動値算出部112をも有する。
起潮力把握手段11の潮汐情報取得部111としては、相対的重力加速度を算出する装置、気象データ(気圧、潮名、潮位、干満差等)を入手する装置、黄経差(太陽と月の黄経差)を算出又は入手する装置、月齢カレンダーを算出する装置及び地球の中心から実施地点までの距離を算出する装置等を用いることができる。これら潮汐情報のなかでは、固体潮汐の変動に連動する(相対的)重力加速度及び又は海洋潮汐の変動に連動する潮位に関する周期的な変動を予測する情報を用いることが、好ましい。
起潮力把握手段11の起潮力変動値算出部112は、潮汐情報取得部111によって取得した情報であって、相対的重力加速度、地球の中心から実施地点までの距離、潮名、黄経差、及び月齢のうち、少なくとも1種の入手値又は算出値を利用して把握される起潮力の値から、その変動の大きさを求める装置であれば、好ましい。
このように、動物の育成装置1が、上記の起潮力把握手段11を備える場合は、把握される起潮力の大きさが周期的に変動するので、その周期に応じた適宜なタイミングで動物に食物を給餌できる。脂肪成分含有量が異なる食物を動物に給餌する未来の時期を計画的に容易に決定できる点で好ましい。
(2.特定時期抽出部)
また、動物の育成装置1は、動物を育成する全期間である上記所定期間の中から、相対的に大きな起潮力の変動値を示す第1時期を抽出する特定時期抽出部13を備えていてもよいし、又は、相対的に小さな起潮力の変動値を示す第2時期を抽出する特定時期抽出部13を備えていてもよい。即ち、特定時期抽出部13は、上記第1時期又は上記第2時期のうち、少なくとも一方を抽出する装置であればよい。
具体的には、特定時期抽出部13は、例えば、起潮力変動値算出部112が算出した単位期間内の相対的重力加速度の変動値(起潮力の変動の大きさ)を参照し、相対的重力加速度の変動値(起潮力の変動の大きさ)が相対的に大きい時期を特定する処理を行う装置である。潮汐情報を取得した所定期間の中から、上記変動値が相対的に大きな時期を抽出する方法は特に限定されず、特定時期抽出部13は、当該特定された時期を第1時期として抽出する装置であってもよいし、当該特定された時期を含む適当な一群の時期を第1時期として抽出する装置であってもよい。又は、特定時期抽出部13は、上記同様に、相対的重力加速度の変動値(起潮力の変動の大きさ)が相対的に小さくなる時期を特定し、当該特定された時期に、他の潮汐情報を重ね合わせた時期を、第2時期として抽出する装置であってもよい。なお、「他の潮汐情報」としては、上記潮汐情報取得部111について説明したのと同様の適宜な情報を用いることができる。
動物の育成装置1が特定時期抽出部13を備える場合は、第1時期と第1時期以外の時期、又は、第2時期と第2時期以外の時期で、動物の体重の増加程度、又は、体内に蓄積される脂肪量に、より確実な変化を表す動物を育成することができる。
(3.食物摂取手段)
上記食物摂取手段12は、特に限定されず、起潮力の変動の大きさ(例えば、上記起潮力把握手段11により得られる予測データ等)に応じて、異なる脂肪成分含有量の食物を動物に摂取させるのに適した装置であればよい。
好ましくは、食物摂取手段12は、特定時期抽出部13が抽出した第1時期に、第1時期以外の時期よりも脂肪成分含有量が相対的に多い食物を摂取させる食物給餌部を有している。食物摂取手段12は、更に、特定時期抽出部13が抽出した第2時期に、第2時期以外の時期よりも脂肪成分含有量が相対的に多い食物を摂取させる食物給餌部をも有していてもよい。
食物摂取手段12は、例えば、〔1〕起潮力把握手段11により把握した起潮力の予測データに基づいて、起潮力の変動の大きさが相対的に大きい第1時期(例えば、大潮の時期等)に、動物に対して脂肪成分含有量が相対的に多い食物を摂取させる装置であれば、好ましい。又は、食物摂取手段12は、〔2〕起潮力把握手段11により把握した起潮力の予測データに基づいて、起潮力の変動の大きさが相対的に小さい第2時期(例えば、小潮の時期等)に、動物に対して脂肪成分含有量が相対的に多い食物を摂取させる装置であれば、好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
本発明に係る動物として本実施例ではマウス(C57BL/6J)を用い、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分の含有量が相対的に多い高脂肪食と、相対的に少ない通常食とを摂取させる育成実験を行った。所定の実験場所における所定期間内に、以下に説明する動物の育成装置を用いて行った育成実験結果について説明する。
[1]動物の育成装置
実施例の動物の育成装置1は、図4に示すように、起潮力の変動の大きさを把握する起潮力把握手段11と、把握される起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物123(高脂肪食123a、通常食123b)をマウス2に摂取させる食物摂取手段12と、を備える。
起潮力把握手段11は、動物の育成を行う予定の所定期間内における起潮力を把握する装置であり、周期的に変動する未来の潮汐情報を予め取得する潮汐情報取得部111と、潮汐情報を参照して単位期間内の起潮力の変動の大きさを算出する起潮力変動値算出部112とを備える。
動物の育成装置1は、更に、潮汐情報取得部111を用いて起潮力を把握した所定期間の中から、相対的に大きな起潮力の変動値を示す第1時期を抽出するとともに、相対的に小さな第2時期を抽出することもできる特定時期抽出部13を備えている。
(起潮力把握手段)
具体的には、起潮力把握手段11として、潮汐予測システム「GOTIC2」(http://www.miz.nao.ac.jp/staffs/nao99/)を用いた。潮汐予測システム「GOTIC2」は、実施拠点(愛知県名古屋市)の緯度及び経度を入力することにより、実験場所における所定期間内の重力加速度相対値[相対的重力加速度(RGA)]の経時変化を把握し、これにより未来の潮汐情報を算出する潮汐情報取得部111として機能するシステムである。また、潮汐予測システム「GOTIC2」は、潮汐情報取得部111が取得した潮汐情報を参照し、単位期間として1周期毎の起潮力の変動の大きさ(変動値)を算出する起潮力変動値算出部112としても機能するシステムである。
(特定時期抽出部)
特定時期抽出部13は、起潮力変動値算出部112が算出した変動値の中から相対的に大きな変動値を特定し、当該大きな変動値を表す時期と気象データによる大潮の時期とが重なる第1時期を抽出するシステムである。即ち、特定時期抽出部13は、動物の育成を行う予定の所定期間内において、起潮力の変動が大きい大潮の時期を4日間(以下、「大潮区」とも称する)抽出した。また、特定時期抽出部13は、起潮力変動値算出部112が算出した変動値の中から相対的に小さな変動値を特定し、当該小さな変動値を表す時期と気象データによる小潮の時期とが重なる第2時期を抽出するシステムでもある。即ち、特定時期抽出部13は、動物の育成を行う予定の所定期間内において、起潮力の変動が小さい小潮の時期を4日間(以下、「小潮区」とも称する)抽出した。
例えば、後述する実施例1では、動物の育成を行う所定期間内に、大潮区及び小潮区をそれぞれ5回抽出した(図6の(s1)~(s5)及び(n1)~(n5)参照)。
(食物摂取手段)
食物摂取手段12は、把握される起潮力の変動の大きさに応じて、即ち、特定時期抽出部13が抽出した第1時期と、第1時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる、高脂肪食123a又は通常食123bを、マウス2に摂取させる食物給餌部を備える装置である。及び、食物摂取手段12は、第2時期と、第2時期以外の時期とで、脂肪成分含有量が異なる、高脂肪食123a又は通常食123bを、マウス2に摂取させる食物給餌部を備える装置でもある。
食物摂取手段12は、ケージ121に収容されるマウス2が、食物給餌部としての食物保持部122に投入保持された食物123を自由に摂取可能に構成される。食物123は、通常食123bと、通常食123bよりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食123aとの2種類がある。食物保持部122には、起潮力の変動の大きさに応じて、通常食123bか、又は高脂肪食123aのうち、いずれか一方を投入保持した。即ち、食物摂取手段12として、起潮力把握手段11によって把握された大潮区の時期に食物保持部122に高脂肪食123aを投入し、且つ、大潮区以外の時期に食物保持部122に通常食123bを投入する装置を構成した。又は、同様に、小潮区の時期に食物保持部122に高脂肪食123aを投入し、且つ、小潮区以外の時期に食物保持部122に通常食123bを投入する装置を構成した。
尚、本実施例では、食物保持部122への食物123の投入は、ヒトによる手動で行ったが、食物123の投入を自動で行うこともできる。例えば、食物摂取手段12が、図示しない制御部を介して起潮力把握手段11或いは特定時期抽出部13に接続され、大潮又は小潮区、若しくはそれら以外の時期に応じ、適宜な食物123(高脂肪食123a又は通常食123b)を自動投入する構成であってもよい。
[2]動物の育成
上記の育成装置1を用い、以下に説明するとおり、後述する食物をマウス2に摂取させる育成実験を行った。
《実施例1》
実施例1では、上記実験場所において育成実験を行った期間は、所定の第1実験期間P1[2017年5月25日0時~8月2日23時(約2ヶ月間)]であった。
まず、図5に示すように、育成装置1が配設された実施拠点となる位置情報(緯度及び経度)、第1実験期間P1の上記年月日、及び時刻の各データを、起潮力把握手段11の上記潮汐予測システム(潮汐情報取得部111)に入力した(Step1)。起潮力把握手段11の上記潮汐予測システム(潮汐情報取得部111)は、各データの入力により、潮汐力予測プログラム「GOTIC2」を用いて所定時刻の相対的重力加速度及びその経時変化を算出した(Step2)。算出によって把握された相対的重力加速度の経時変化より、上記潮汐予測システムの起潮力変動値算出部112によって、所定時刻間の当該加速度の変動の大きさ(起潮力変動値)を算出した(Step3)。更に、求めて把握した当該加速度の変動の大きさと潮名の気象データを参照し、特定時期抽出部13を用いて、第1実験期間P1内において、当該加速度の変動の大きさ(起潮力変動値)が大きい大潮区、又は変動の大きさが小さい小潮区の時期を抽出した(Step4)。次に、食物摂取手段12によって、大潮区(又は小潮区)の時期、又は大潮区(又は小潮区)以外の時期に応じて、脂肪成分含有量が異なる食物123をマウス2に摂取させた(Step5)。具体的には、大潮区の時期のみに、大潮区以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食123aをマウス2に給餌する大潮区の育成実験1Aを行った。また、同様に、小潮区の時期のみに、小潮区以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食123aを給餌する小潮区の育成実験1Bを行った。
〔1A.大潮区の育成実験〕
第1実験期間P1内に、上記大潮区の時期のみに高脂肪食を給餌する大潮区の育成実験1Aは、以下に説明するとおりに行った。
(1.大潮区)
上記実験場所において、大潮区は、図6に示すとおり、第1実験期間P1内に(s1)~(s5)の全5回の各時期として抽出された。具体的には、2017年5月25日~8月2日の約2カ月の間に、それぞれ約4日間に亘る(s1)5月25日~29日、(s2)6月8日~12日、(s3)6月23日~27日、(s4)7月7日~11日、(s5)7月21日~25日として抽出された。
各大潮区の時期(s1)~(s5)は、起潮力の変動の大きさ、即ち、起潮力把握手段11(潮汐情報取得部111、起潮力変動値算出部112)によって把握される相対的重力加速度より求まる変動の大きさが、平均262μGal(最大の変動の大きさT1;310μGal、最小の変動の大きさT2;221μGal)変動する時期であった。
(2.マウス)
大潮区の育成実験では、実験開始前には通常の食物を与えて育成し、第1実験期間P1の育成を開始する初日の5月25日に7週齢になるマウス(オス)4匹を準備した。マウス全匹を上記育成装置1のケージ121内に収容し、食物保持部122に投入保持された食物123のみを自由に摂取可能な状態を維持した。最後の大潮区の時期(s5)の給餌を行う7月25日に15週齢に成長するまで、マウスを育成した。
(3.通常食及び高脂肪食)
大潮区の時期のみに摂取させる高脂肪食123a1として、High Fat Diet 32(日本クレア株式会社)を用い、大潮区以外の時期に摂取させる通常食123bとして、CE-2(日本クレア株式会社)を用いた。両者の栄養成分及びエネルギー量の比較を表1に示した。
Figure 0007120068000001
〔1B.小潮区の育成実験〕
上記第1実験期間P1内に、小潮区の時期のみに高脂肪食を給餌する小潮区の育成実験1Bを行った。小潮区の育成実験について、上記「大潮区の育成実験」と異なる点を中心に、以下に説明する。
(1.小潮区)
上記実験場所において、第1実験期間P1の約2カ月の間に、小潮区として、図6に示すとおり、(n1)6月1日~5日、(n2)6月16日~20日、(n3)6月30日~7月4日、(n4)7月14日~18日、(n5)7月29日~8月2日、それぞれ約4日間に亘る全5回の時期を抽出した。
各小潮区の時期(n1)~(n5)は、起潮力の変動の大きさ、即ち、起潮力把握手段11によって把握される相対的重力加速度より求まる変動の大きさが、平均122μGal((小潮区の中で)最大の変動の大きさT3;182μGal、最小の変動の大きさT4;72μGal)変動する時期として抽出された。
(2.マウス)
上記「大潮区の育成実験」と同じマウスを同様に用いた。小潮区の育成実験では、第1実験期間P1内に小潮区の育成を開始する6月1日の初日に7週齢に至るマウスを用いた。マウスは、最後の小潮区(n5)の給餌を終える8月2日には、15週齢に至った。
(3.通常食及び高脂肪食)
上記「大潮区の育成実験」と同じ高脂肪食及び通常食を用いた。
〔2.育成〕
(1.体重推移)
大潮区の育成実験1Aでは、第1実験期間P1中の各大潮区の時期(s1)~(s5)に高脂肪食123a1を給餌し、各大潮区の時期以外の時期q1に通常食123bを給餌し、上記のマウスを育成した。第1実験期間P1を通じて、マウスの食べ残しが常に存在する程度に、高脂肪食123a1又は通常食123bいずれかを途切れることがないように給餌し続けた。大潮区の育成実験を開始する5月25日を「0」日とすると、61日後に最後の大潮区の時期(s5)の給餌を終える7月25日に至るまで、3日又は4日毎にマウス全匹の体重を測定し、1匹の体重平均値(g)を求めた。
また、小潮区の育成実験1Bでも、大潮区の育成実験1A同様に、各小潮区の時期(n1)~(n5)に高脂肪食123a1を、各小潮区の時期以外の時期r1に通常食123bを給餌し続けた。小潮区の育成実験を開始する6月1日を「0」日とし、62日後に最後の小潮区の時期(n5)の給餌を終える8月2日に至るまで、上記同様に、体重平均値(g)を求めた。
大潮区及び小潮区の育成実験1A,1Bについて、上記「0」日から上記61日目又は62日目までの時間を横軸に、求めた体重平均値を縦軸にプロットしたグラフを、それぞれ「大潮区(1A)」及び「小潮区(1B)」として、図9に示した。
(2.体重増加率)
大潮区の育成実験1Aについて、高脂肪食給餌後に増加する体重増加率を算出した。大潮区の時期に対する体重増加率は、上記のとおり推移した体重平均値のうち、高脂肪食給餌前の体重平均値[W1]、及び、高脂肪食給餌後の体重平均値[W2]を用い、下記[1式]により求めた。高脂肪食給餌前の体重平均値[W1]は、各大潮区の時期(s1)~(s5)に入る直前の通常食給餌中に測定した体重平均値である。高脂肪食給餌後の平均体重測定値[W2]は、各大潮区の時期(s1)~(s5)の最終日の体重平均値である。
また、小潮区の育成実験1Bについても、大潮区の育成実験1A同様に、下記[1式]式に従い、小潮区の時期に対する体重増加率を算出した。
[1式]
体重増加率(%)=100×([W2]-[W1])/[W1]
[1式]に従い、大潮区及び小潮区の育成実験についてそれぞれ算出した全5回の大潮区の時期(s1)~(s5)に対する、及び小潮区の時期(n1)~(n5)に対する、体重増加率を表3に示した。
また、1回目の大潮区(s1)に対する上記体重増加率を「1」とした場合に、2~5回目の大潮区(s2)~(s5)に対する体重増加率を1回目に対する体重増加率の比として示す棒グラフを、「大潮区(1A)」として図13に示した。同様に、1回目の小潮区(n1)に対する体重増加率を「1」とした場合の2~5回目の小潮区(n2)~(n5)に対する体重増加率の比を表す棒グラフを、「小潮区(1B)」として図13に示した。
(3.体重あたりの脂肪量)
最後の大潮区(s5)の給餌を行い終えて15週齢に至ったマウス全匹の体重を測定し、及び、精巣上体周辺の脂肪組織(内臓脂肪)を摘出し、各々重量を測定した。また、最後の小潮区(n5)の給餌を行い終えて15週齢に至ったマウス全匹についても同様に、体重及び脂肪組織重量を測定した。これら測定値より算出した体重100(g)あたりの脂肪量(g)を、割合(%)として表す棒グラフを、「大潮区(1A)」及び「小潮区(1B)」として図17に示した。
《実施例2》
〔1.大潮区及び小潮区の育成実験〕
実施例2では、上記大潮区及び小潮の各時期(s1)~(s5)、(n1)~(n5)に、それぞれマウスに摂取させる高脂肪食123a2として、HFD-60(オリエンタル酵母工業社製)を用いる点でのみ実施例1と異なる育成実験を行った。即ち、図6に示すとおり、実施例1と同じ実験場所及び同じ第1実験期間P1内に、上記の育成装置1を用いて同様に大潮区の育成実験2A及び小潮区の育成実験2Bを行った。実施例2で用いた高脂肪食123a2と、実施例1で用いた高脂肪食123a1である上記High Fat Diet 32(日本クレア株式会社)との配合組成の比較を表2に示した。
Figure 0007120068000002
〔2.育成〕
(1.体重推移)
実施例1と同様に行った実施例2の大潮区及び小潮区の育成実験2A,2Bについて、上記「0」日から上記61日目又は62日目までの時間を横軸に、求めた体重平均値を縦軸にプロットしたグラフを、それぞれ「大潮区(2A)」及び「小潮区(2B)」として、図10に示した。
(2.体重増加率)
実施例1と同様に、上記[1式]に従い、実施例2の大潮区及び小潮区の育成実験2A,2Bについて、それぞれ算出した体重増加率を表3に示した。
また、1回目の大潮区及び小潮区の時期(s1),(n1)に対する体重増加率を「1」とした場合に、2~5回目の大潮区及び小潮区の各時期(s2),(n2)~(s5),(n5)に対するそれぞれの体重増加率を、1回目の体重増加率の比として示した棒グラフを、「大潮区(2A)」及び「小潮区(2B)」として図14に示した。
(3.体重あたりの脂肪量)
実施例2の大潮区及び小潮区の育成実験について、実施例1同様に、最後の大潮区(s5)の給餌を行って15週齢に至ったマウス、及び最後の小潮区(n5)の給餌を行って15週齢に至ったマウスの体重100(g)あたりの脂肪量(g)の割合(%)を表す棒グラフを、「大潮区(2A)」及び「小潮区(2B)」として図18に示した。
《実施例3》
〔1.大潮区及び小潮区の育成実験〕
実施例3では、育成実験を行う所定期間が第2実験期間P2内に行う点でのみ実施例1と異なる育成実験を行った。即ち、実施例1と同じ実験場所、マウス、食物及び育成装置1を用いる条件下で、同様に、大潮区の育成実験3Aと小潮区の育成実験3Bを行った。第2実験期間P2は、2017年10月5日~2017年12月28日の約2ヶ月半の間であった。
(1.大潮区)
上記実験場所において、大潮区は、図7に示すとおり、第2実験期間P2である2017年10月4日~12月28日の約2カ月半の間に、(s6)10月5日~9日、(s7)10月19日~23日、(s8)11月3日~7日、(s9)11月17日~21日、(s10)12月2日~6日及び(s11)12月17日~20日、それぞれ約4日間(s11のみ3日間)に亘る全6回の各時期として抽出された。なお、図7中、符号q2は、大潮区以外の時期を表す。
各大潮区の時期(s6)~(s11)は、起潮力の変動の大きさ、即ち、起潮力把握手段11によって把握される相対的重力加速度より求まる変動の大きさが、平均246μGal(T5;最大308μGal、T6;最小200μGal)変動する時期として抽出された。
(2.小潮区)
上記実験場所において、同様に上記第2実験期間P2内に、小潮区として、図7に示すとおり、(n6)10月12日~16日、(n7)10月26日~30日、(n8)11月10日~14日、(n9)11月25日~29日、(n10)12月10日~14日及び(n11)12月25日~28日、それぞれ約4日間(n11のみ3日間)に亘る全6回の時期を抽出した。なお、図7中、符号r2は、小潮区以外の時期を表す。
各小潮区の時期(n6)~(n11)は、起潮力の変動の大きさ、即ち、起潮力把握手段11によって把握される相対的重力加速度より求まる変動の大きさが、平均140μGal(T7;最大183μGal、T8;最小100μGal)変動する時期として抽出された。
〔2.育成〕
(1.体重推移)
第2実験期間P2内に、大潮区の育成実験3Aを開始する10月5日を「0」日とすると76日後に最後の大潮区の時期(s11)の給餌を終える12月20日に至るまで、及び、小潮区の育成実験3Bを開始する10月12日を「0」日とすると77日後に最後の小潮区の時期(n11)の給餌を終える12月28日に至るまで、実施例1同様にマウス全匹の体重平均値(g)を求めた。
実施例3の大潮区及び小潮区の育成実験3A,3Bについて、上記「0」日を原点に上記76日目又は77日目までの時間を横軸に、求めた体重平均値を縦軸にプロットしたグラフを、それぞれ「大潮区(3A)」及び「小潮区(3B)」として、図11に示した。
(2.体重増加率)
実施例1と同様に、[1式]に従い、実施例3の大潮区及び小潮区の育成実験3A,3Bに対してそれぞれ算出した体重増加率を以下の表3に示した。
また、1回目の大潮区及び小潮区(s6),(n6)に対するそれぞれの体重増加率を「1」とした場合に、2~6回目の大潮区及び小潮区の各時期(s7),(n7)~(s11),(n11)に対するそれぞれの体重増加率を、1回目の体重増加率の比として示した棒グラフを、「大潮区(3A)」及び「小潮区(3B)」として図15に示した。
《実施例4》
〔1.大潮区及び小潮区の育成実験〕
実施例4では、育成実験を行う所定期間が第3実験期間P3内に行う点でのみ実施例1と異なる育成実験を行った。即ち、実施例1と同じ実験場所、マウス、食物及び育成装置1を用いる条件下で、同様に、大潮区の育成実験4Aと小潮区の育成実験4Bを行った。第3実験期間P3は、2018年1月22日~2018年3月18日の約2ヶ月の間であった。
(1.大潮区)
上記実験場所において、大潮区は、図8に示すとおり、第3実験期間P3である2018年1月22日~3月18日の約2カ月の間に、(s12)1月29日~2月日2日、(s13)2月12日~16日、(s14)2月26日~3月2日及び(s15)3月14日~18日、それぞれ約4日間に亘る全4回の各時期として抽出された。なお、図8中、符号q3は、大潮区以外の時期を表す。
各大潮区の時期(s12)~(s15)は、起潮力の変動の大きさ、即ち、起潮力把握手段11によって把握される相対的重力加速度より求まる変動の大きさが、平均243μGal(T9;最大296μGal、T10;最小201μGal)変動する時期として抽出された。
(2.小潮区)
上記実験場所において、同様に上記第3実験期間P3内に、小潮区として、図8に示すとおり、(n12)1月22日~26日、(n13)2月5日~9日、(n14)2月19日~23日及び(n15)3月7日~11日、それぞれ約4日間に亘る全4回の時期を抽出した。なお、図8中、符号r3は、小潮区以外の時期を表す。
各小潮区の時期(n12)~(n15)は、起潮力の変動の大きさ、即ち、起潮力把握手段11によって把握される相対的重力加速度より求まる変動の大きさが、平均109μGal(T11;最大160μGal、T12;最小73μGal)変動する時期として抽出された。
〔2.育成〕
(1.体重推移)
第3実験期間P3内に、大潮区の育成実験4Aを開始する2018年1月29日を「0」日とすると48日後に最後の大潮区の時期(s15)の給餌を終える3月18日に至るまで、及び、小潮区の育成実験4Bを開始する1月22日を「0」日とすると48日後に最後の小潮区の時期(n11)の給餌を終える3月11日に至るまで、実施例1同様にマウス全匹の体重平均値(g)を求めた。
実施例4の大潮区及び小潮区の育成実験4A,4Bについて、上記「0」日を原点に上記48日目までの時間を横軸に、求めた体重平均値を縦軸にプロットしたグラフを、それぞれ「大潮区(4A)」及び「小潮区(4B)」として、図12に示した。
(2.体重増加率)
実施例1と同様に、[1式]に従い、実施例4の大潮区及び小潮区の育成実験4A,4Bに対してそれぞれ算出した体重増加率を以下の表3に示した。
また、1回目の大潮区及び小潮区(s12),(n12)に対するそれぞれの体重増加率を「1」とした場合に、2~4回目の大潮区及び小潮区の各時期(s13),(n13)~(s15),(n15)に対するそれぞれの体重増加率を、1回目の体重増加率の比として示した棒グラフを、「大潮区(4A)」及び「小潮区(4B)」として図16に示した。
(3.体重あたりの脂肪量)
実施例4の大潮区及び小潮区の育成実験について、実施例1同様に、最後の大潮区(s15)の給餌を行い終えて13週齢に至ったマウス全匹の体重を測定し、及び、精巣上体周辺の脂肪組織(内臓脂肪)を摘出し、各々重量を測定した。最後の小潮区(n15)の給餌を行い終えて13週齢に至ったマウスについても、同様に体重を測定し、脂肪組織の重量を測定した。これら測定値より算出した体重100(g)あたりの脂肪量(g)を、割合(%)として表す棒グラフを、「大潮区(4A)」及び「小潮区(4B)」として図19に示した。
Figure 0007120068000003
[3]動物の育成の評価
〔1.体重増加〕
上記のとおり、図9~図12は、実施例1~4に係る大潮区及び小潮区の育成実験1A~4A,1B~4Bについて、マウスの体重推移を示すグラフである。各グラフ中の点線は、第1乃至第3の各実験期間P1,P2,P3内に高脂肪食123a1,123a2のみ、又は通常食123bのみを給餌して育成した場合のマウスの体重推移を示す。
図9~図12より、高脂肪食又は通常食のみを給餌したマウスの体重が、単純増加で推移するのに対し、各大潮区及び小潮区の育成実験1A~4A,1B~4Bでは、それぞれ、通常食→高脂肪食の切り替えで体重が増加し、高脂肪食→通常食の切り替えで体重が減少することが分かる。更に、実施例1に係る大潮区の育成実験1Aと小潮区の育成実験1Bとの体重推移について比較すると、小潮区の育成実験1Bの方が、右上がりを示す時期のグラフの傾きがやや大きくなっており(例えば、図9のx1、y1参照)、小潮区の時期に通常食→高脂肪食に切り替える方が、大潮区の時期に同様に切り替えるよりも、体重の増加割合が大きくなっていることが分かる。実施例2~4それぞれの育成実験2A,2B、育成実験3A,3B、育成実験4A,4Bでも同様に、小潮区の時期に通常食→高脂肪食に切り替える方が、大潮区の時期に切り替えるよりも、体重の増加割合が大きくなる傾向が認められる。
また、図13~図16は、実施例1~4に係る大潮区及び小潮区の育成実験1A~4A,1B~4Bについて、表3に示した各大潮区又は各小潮区の時期に対する体重の増加割合(体重増加率(%))を、1回目の大潮区又は1回目の小潮区に対する体重の増加割合(体重増加率)に応じた「比」として示したグラフである。
図13に示すとおり、1回目の大潮区(s1)又は1回目の小潮区(n1)の時期に対する体重増加率を「1」とした場合に、2回目以降の小潮区の時期(n2)~(n5)に対応する「比」の方が、2回目以降の大潮区の時期(s2)~(s5)に対応する「比」よりも、大きくなっていることが分かる。図14でも同様に、2回目以降の小潮区の時期(n2)~(n5)に対応する「比」の方が、2回目以降の大潮区の時期(s2)~(s5)に対応する「比」よりも、大きくなっていることが分かる。図15,図16でも、ほぼ同様の傾向があると認められる。
以上より、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させることにより、動物の体重の増加割合(程度)が変わることが分かる。
特に、大潮の時期に、大潮以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食物を摂取させることで、小潮の時期に同様に食物を摂取させるよりも、高脂肪食物を摂取する割に、動物の体重の増加程度を抑制できることが分かる。
この結果は、例えば以下のような体重の増加程度を抑制する意図がある場合に、思惑に従って、効率的に動物を育成することができる。
・所定の好ましい脂肪成分を多く摂取すべき思惑がある一方で、動物の急激な体重増加を抑制したい場合。
・ペットの成長を促進させたい思惑がある一方で、急激な体重増加を抑制したい場合。
また、小潮の時期に、小潮以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食物を摂取させることで、大潮の時期に同様に食物を摂取させるよりも、動物の体重の増加程度を大きくできることが分かる。
この結果は、例えば以下のような動物の体重の増加程度を大きくする意図がある場合に、思惑どおりに、効率的に動物を育成できる。
・少量の食物摂取で体重増加を図り、適度な体脂肪維持によって健康維持する思惑がある場合。
〔2.脂肪増加〕
図17~図19は、実施例1、2、4に係る大潮区の育成実験1A,2A,4A、小潮区及の育成実験1B,2B,4Bについて、各育成実験終了時のマウスの体重100(g)あたりの上記所定の脂肪量を比較したグラフである。
図示のとおり、実施例1,2,4では、大潮区の育成実験1A,2A,4Aを行ったマウスの方が、小潮区の育成実験1B,2B,4Bを行ったマウスよりも、脂肪量が少なくなっていることが分かる。
以上より、起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を動物に摂取させることにより、動物の体内に蓄積される脂肪量が変わることが分かる。つまり、同じ食物を同様に給餌するとしても、起潮力の変動の大きさに応じて給餌するタイミングを図ることによって、体に蓄積される脂肪量を変えることができる。
特に、大潮の時期に、大潮以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食物を摂取させることで、小潮の時期に同様に食物を摂取させるよりも、高脂肪食物を摂取する割に、動物の体内に蓄積される脂肪量を抑制できることが分かる。
この結果は、例えば以下のような脂肪量を抑制する意図がある場合に、思惑に従って、効率的に動物を育成することができる。
・脂肪蓄積を抑制することによって動物(畜産)の自由な行動を阻害せず、アニマルウェルフェア(動物福祉)を実現し、健康的に太らせる意図がある場合。
また、小潮の時期に、小潮以外の時期よりも脂肪成分含有量が多い高脂肪食物を摂取させることで、大潮の時期に同様に食物を摂取させるよりも、動物の体内に蓄積される脂肪量を大きくできることが分かる。
この結果は、例えば以下のような動物の体内に蓄積される脂肪量を大きくする意図がある場合に、思惑どおりに、効率的に動物を育成できる。
・脂肪量が増えることにより食味が向上する畜産を育成する場合
上述のとおり、本発明の動物の育成方法及び育成装置は、期待する体重の増加程度又は脂肪量を意図して、思惑どおりに動物を育成することを可能にする。従って、動物の養殖をはじめとする様々な分野で、動物を育てる育成効率を向上させ、育成期間を短縮したり、育成コストを抑制したりすることができる。
また、本発明の動物の育成方法では、本育成装置を用いて、動物の育成を開始する前に、起潮力把握手段を利用して未来の起潮力の変動を予測する。予め、起潮力の変動の大きさを把握し、脂肪成分含有量が異なる食物を給餌する時期を決めた後は、普段どおりに給餌しながら動物を育成できる。従って、育成を行う所定期間に亘って現実の情報を取得する検知装置を不要とするので、従来技術のようにシステム運用が大袈裟になる不便さを解消できる。又は、所定のペットフード製品を所定の方法に従って1日2回給餌する手間暇を不要とするので、動物育成のための日々の負担を軽減できる。

Claims (12)

  1. 体重又は脂肪の増加を制御する動物(但し、ヒトを除く)の育成方法であって、
    起潮力を把握し、前記起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を前記動物に摂取させることを特徴とする動物の育成方法。
  2. 前記起潮力を把握するために、所定期間内において周期的に変動する未来の潮汐情報を予め取得するステップと、前記潮汐情報を参照して単位期間内の前記起潮力の変動の大きさを求めるステップを行う請求項1に記載の動物の育成方法。
  3. 前記起潮力を把握した後に、
    前記潮汐情報を取得した前記所定期間の中から、前記起潮力の変動の大きさが相対的に大きい第1時期又は相対的に小さい第2時期を抽出するステップを行い、その後に、
    前記第1時期と、前記第1時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させるか、又は、前記第2時期と、前記第2時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させるステップを行う請求項2に記載の動物の育成方法。
  4. 前記第1時期が大潮の時期であり、前記大潮の時期に、前記大潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる請求項3に記載の動物の育成方法。
  5. 前記第2時期が小潮の時期であり、前記小潮の時期に、前記小潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる請求項3に記載の動物の育成方法。
  6. 前記潮汐情報は、固体潮汐の変動に連動する重力加速度及び/又は海洋潮汐の変動に連動する潮位に関する周期的な変動予測である請求項2乃至5の何れか一項に記載の動物の育成方法。
  7. 体重又は脂肪の増加を制御する動物の育成装置であって、
    起潮力の変動の大きさに応じて、脂肪成分含有量が異なる食物を前記動物に摂取させる食物摂取手段を備えることを特徴とする動物の育成装置。
  8. 前記動物の育成装置は、前記起潮力の変動の大きさを求める起潮力把握手段を備えており、
    前記起潮力把握手段は、所定期間内において周期的に変動する未来の潮汐情報を予め取得する潮汐情報取得部と、前記潮汐情報を参照して単位期間内の前記起潮力の変動の大きさを算出する起潮力変動値算出部とを有する請求項7に記載の動物の育成装置。
  9. 前記動物の育成装置は、前記潮汐情報を取得した前記所定期間の中から、相対的に大きな起潮力変動値を示す第1時期、又は、相対的に小さな前記起潮力変動値を示す第2時期を抽出する特定時期抽出部を備えており、
    前記食物摂取手段は、前記特定時期抽出部が抽出した前記第1時期と、前記第1時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させるか、又は、前記第2時期と、前記第2時期以外の時期とで、前記脂肪成分含有量が異なる前記食物を前記動物に摂取させる請求項8に記載の動物の育成装置。
  10. 前記第1時期が大潮の時期であり、
    前記食物摂取手段は、前記大潮の時期に、前記大潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる請求項9に記載の動物の育成装置。
  11. 前記第2時期が小潮の時期であり、
    前記食物摂取手段は、前記小潮の時期に、前記小潮以外の時期よりも前記脂肪成分含有量が多い前記食物を摂取させる請求項9に記載の動物の育成装置。
  12. 前記潮汐情報は、固体潮汐の変動に連動する重力加速度及び/又は海洋潮汐の変動に連動する潮位に関する周期的な変動予測である請求項8乃至11の何れか一項に記載の動物の育成装置。
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